JP6587103B2 - 捲回電極体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池に用いられる捲回電極体とその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、軽量で高いエネルギー密度が得られることから、ポータブル電源や車両搭載用の高出力電源等として好ましく用いられている。かかる二次電池のうちでも、特に、車両の駆動用電源として用いられるリチウムイオン二次電池等の二次電池では、高容量、ハイレート充放電(急速充放電)性に優れる等、より高い電池性能が求められている。
このような高性能化を実現し得る電池の形態の一つとして捲回電極体を電池容器内部に収容した形態の電池が挙げられる。捲回電極体は、長尺なシート状の正極および負極(以下、それぞれ「正極シート」および「負極シート」という。)を、同様の長尺なシート状セパレータ(以下「セパレータシート」という。)を挟んで重ね合わせ、シート長手方向に捲回して構成される円筒形状あるいは扁平に拉げた扁平形状の電極体である。かかる捲回電極体は、電池容器内部の単位容量あたりの正負極対向面積を広くすることができるため、高容量化、高出力化に適する電極体構造の一つである。
ところで、捲回電極体を構成する正極シートおよび負極シート(以下、これらを総称して「電極シート」という。)は、それぞれ、長尺シート状の集電体(集電箔)の表面に正極活物質または負極活物質を主体とする正極合材および負極合材(以下、これらを総称して「電極合材」という。)を塗布し、所定の厚みにプレスすることにより正極合材層および負極合材層(以下、これらを総称して「電極合材層」という。)を形成することにより製造される。但し、長尺シート状集電体(集電箔)の長手方向に直交する方向(以下「幅方向」という。)の一方の側縁(即ち、捲回軸方向の一方の端部)には、集電端子との接続のため、電極合材を塗布せずに集電体が一定の幅で露出した電極合材層非形成部分が長手方向に形成されている。
このような電極合材層が形成された部分と、電極合材層非形成部分とが長手方向に沿って並存する形態の電極シートを用いて捲回電極体を製造する場合の従来の問題点として以下の点が挙げられる。
即ち、電極合材が塗布された電極合材層形成部分では、上記プレス処理により集電体も圧縮されて塑性変形によって伸びる。他方、電極合材が塗布されない電極合材層非形成部分の集電体は、プレス圧がかからないために伸びない。つまり、電極合材層形成部分と電極合材層非形成部分との間で、電極合材層の有無により捲回方向(シート長手方向)への集電体の伸び率が異なる。その結果として、当該電極シートにおいてシート長手方向に対して歪みや湾曲が発生し得る状態となり得る。かかる歪みや湾曲が電極シート(即ち正負極シートのいずれか)に発生すると、捲回電極体製造装置(詳しくは捲回機)に導入した電極シートの直進性が低下し(例えば蛇行が発生)、ひいては捲回後の電極体の形状安定性が低下する(形状不良の捲回電極体が発生し得る)ために好ましくない。
このことに関連し、特許文献1には、捲回電極体の製造過程において使用する電極プレス装置が開示されている。そして特許文献1には、かかる電極プレス装置を用いることにより、電極合材層形成部分と電極合材層非形成部分とを有する電極シートが導入された際に、当該電極合材層非形成部分の集電体に対して選択的にシート長手方向に張力をかけて伸ばし、同方向に生じていた歪みや湾曲を是正することができる旨、記載されている。
特開2013−073690号公報
しかし、特許文献1に記載されるような電極プレス装置の使用方法では、長尺なシート状集電体の長手方向への歪みや湾曲を完全に是正することはできず、なお改良の余地があった。
そこで本発明は、かかる捲回電極体を製造する際の問題点を解消するべく創出されたものであり、電極合材層形成部分と電極合材層非形成部分との間でシート長手方向に対して歪みや湾曲が発生するのを好適に抑制し、形状安定性に優れる捲回電極体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明によって提供される発明は、二次電池に用いられる捲回電極体を製造する方法である。
捲回電極体とは、長尺シート状の正極集電体上に、正極合材層が形成された正極合材層形成部分と、該正極合材層が形成されていない正極合材層非形成部分とが長手方向に並存する正極シートと、長尺シート状の負極集電体上に、負極合材層が形成された負極合材層形成部分と、該負極合材層が形成されていない負極合材層非形成部分とが長手方向に並存する負極シートとを備え、それら正負極シートが、長尺なセパレータシートとともに重ね合わされ捲回されてなる電極体をいう。
ここで正極合材層および負極合材層は、それぞれ正負極集電体上に形成された、正極活物質および負極活物質を主体として構成される電極材料からなる層状付着物をいい、正負極それぞれでの電池反応を構成する場であることは従来と同様である。
ここで開示される捲回電極体製造方法では、
上記正極シートおよび上記負極シートのうちのいずれか一方または両方(以下、一方または両方を表す表現として正極(又は負極)と記載する。)について、以下の工程(ステップ):
上記正極(又は負極)合材層形成部分を所定の厚みとなるようにプレスする工程;および
上記プレスする工程後の正極(又は負極)シートについて、上記正極(又は負極)合材層形成部分の長手方向の長さをα、上記正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さをβとしたとき、張力をかけない状態においてα<βとなるように当該正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さβを伸張させる工程;
を行い、さらに、
上記正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さβが伸張された正極(又は負極)シートを包含してそれぞれ用意された上記正極シートと負極シートとセパレータシートを重ね合わせて捲回する工程を行う。
そして、ここで開示される製造方法では、少なくとも上記正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さβが伸ばされた正極(又は負極)シートに対して、正極(又は負極)合材層形成部分の長手方向の長さαおよび正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さβが、捲回後においてα≒β(即ち実質同じ長さ、例えば0.9999α<β<1.0001α)となるように張力をかけつつ捲回を行うことを特徴とする。
本発明者は、上記の特許文献1に記載の電極プレス装置を用いた是正方法によっても、歪みや湾曲の発生を好適に抑制し得ない理由を種々検討した。そして、かかる歪みや湾曲の発生を好適に抑制するためには、電極合材層を集電体の表面に形成した後に、当該集電体の電極合材層非形成部分の長さを従来とは異なる観点から制御することが必要であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下のとおりである。
捲回電極体の製造にあたっては、シート状集電体の表面に、電極合材層を形成しない部分(電極合材層非形成部分)を残しつつ、長手方向に電極合材層を塗布して電極合材層を形成する。そして、上記のとおり、当該電極合材層形成部分を所定の厚みとなるようにプレスする。かかるプレスにより、電極シートを構成する集電体は、電極合材層形成部分が長手方向に伸張する一方で、電極合材層非形成部分については伸張していない。結果、電極合材層形成部分と電極合材層非形成部分との境界に残留応力が生じ、電極シート自体の歪みや湾曲に発展し得る。
そこで、電極合材層非形成部分をシート状集電体の長手方向に伸張させて電極合材層形成部分と同等の長さにすることが解決策として考えられる。即ち、上記の規定による長さαとβの関係において、この段階でα=βとなるように電極合材層非形成部分をシート状集電体の長手方向に伸張させるアプローチが考えられる。
しかしながら、電極シート(正負極シート)をセパレータシートとともに、所定の製造装置(捲回機)に導入して捲回を行う場合、各シートに長手方向に張力(テンション)をかけて捲回を行う必要があるところ、上記アプローチでは、捲回工程時において張力をかけられたシート状集電体が伸張することが考慮されておらず、好ましくない。
本発明者は、上記電極合材層形成部分に対して上記プレス処理が行われた後の、当該電極合材層形成部分ならびに電極合材層非形成部分それぞれの集電体の残留応力を調べた。その結果、かかるプレスによって、それぞれの形成部分に相互に性質の異なる残留応力が生じていることが認められた。具体的には、電極合材層形成部分には、圧縮応力が残留している。他方、電極合材層非形成部分には、引張り応力が残留していることが認められた。即ち、電極合材層形成部分の残留応力σと電極合材層非形成部分の残留応力σとはσ<0<σの関係にある。
かかる状態から電極合材層非形成部分のみをシート状集電体の長手方向に伸張させて電極合材層形成部分と実質同じ長さ(α≒β)にしたとしても、電極合材層非形成部分と電極合材層形成部分の残留応力のレベルが揃っておらず、結果、所定の製造装置(捲回機)に導入して長手方向に張力(テンション)をかけて捲回を行った後には電極合材層非形成部分と電極合材層形成部分との長さα、βが一致せず、やはり歪みや湾曲の発生を防止できない虞がある。
さらに、電極合材層非形成部分のみをシート状集電体の長手方向に伸張させた後は、今度は逆に当該電極合材層非形成部分において相対的に高い残留応力(圧縮応力)が生じることとなり、捲回時の張力が加えられた際には、電極合材層形成部分よりも伸張し難いことが認められた。
そこで、電極合材層非形成部分の上記の残留応力の推移をも考慮して創出され、ここで開示される捲回電極体製造方法では、電極合材層形成部分を所定の厚みとなるようにプレスした後、当該電極シートについて、電極合材層形成部分の長さαと電極合材層非形成部分の長さβとの関係が、張力をかけない状態(人為的に外力を加わえていないフリー状態)においてα<βとなるように当該電極合材層非形成部分を長手方向に伸張させることを一つの特徴とする。
その後さらに、上記電極合材層非形成部分の長手方向の長さβが伸張された電極シートと、それ以外の電極体作製に必要な正極又は負極シートおよびセパレータシートを重ね合わせて捲回する工程を行う。このとき、ここで開示される製造方法では、電極合材層非形成部分の長手方向の長さβが伸ばされた電極シートに対して、捲回後において上記長さαとβの関係がα≒βとなるように張力をかけつつ捲回を行うことを一つの特徴とする。
ここで開示される製造方法では、上記のとおり、電極合材層形成部分を所定の厚みとなるようにプレスした後であって且つ捲回を開始する前に、長手方向における長さが、電極合材層非形成部分のほうが電極合材層形成部分よりも長くなる(α<β)ように伸張処理を行う。これにより、相対的に高い残留応力(圧縮応力)によって捲回時(即ち張力が加えられた状態)に伸び難くなった電極合材層非形成部分と、当該電極合材層非形成部分よりも残留応力が小さく捲回時には相対的に伸び易い電極合材層形成部分との伸張後(即ち捲回後)のシート長手方向の長さα、βを実質的にイコール(α≒β)とし得る伸び代を電極合材層非形成部分に予め確保しておくことができる。
従って、ここで開示される製造方法によると、電極合材層形成部分と電極合材層非形成部分との間でシート長手方向に対して歪みや湾曲が発生するのを好適に抑制し、ひいては形状不良の電極体が作製されるのを防止して、形状安定性に優れる捲回電極体を量産することができる。
一実施形態に係る捲回電極体製造方法の主要プロセスを示す工程図である。 一実施形態に係る捲回電極体の構成を模式的に示す説明図である。 一実施形態に係る捲回電極体製造装置(捲回機)の主要部を示す模式図である。 一実施形態に係る捲回電極体製造装置(捲回機)に設けられたガイドロールの外形を模式的に示す説明図である。 一実施形態に係る捲回電極体製造方法の実施に伴う電極合材層非形成部分および電極合材層形成部分のシート長手方向への伸張度合の推移を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を用いて説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、ここで開示される捲回電極体製造方法の好適な適用例として、リチウムイオン二次電池用の扁平形状捲回電極体を例示して説明するが、本発明の範囲を限定する意図ではない。
図1は、本実施形態に係る捲回電極体製造方法の主要なプロセスを示した工程図である。
即ち、ここで開示される製造方法は、電極シートの基材である長尺シート状の集電体上に、電極合材を塗布して電極合材層を形成するステップ(S10)、当該電極合材層が形成された部分に対してプレス処理を施すことにより、所定の厚みにするステップ(S20)、その後、電極合材層が形成されていない部分(集電体)をシート長手方向に伸張するステップ(S30)、ならびに、上記各ステップを施した後に得られた所定の厚みの電極合材層付き電極シートを、他の材料(セパレータシート等)とともに捲回し、捲回電極体を作製するステップ(S40)を包含する。
図2は、本実施形態に係る捲回電極体10の構成を模式的に示している。本実施形態に係る捲回電極体10を構成する要素(部材)は、通常のリチウムイオン二次電池の捲回電 極体と同様である。
即ち、図2に示すように、捲回電極体10は、大まかにいって、長尺シート状の正極集電体44上に、正極合材層52が形成された正極合材層形成部分と、該正極合材層52が形成されていない正極合材層非形成部分45とが長手方向に並存する正極シート12と、同様に長尺シート状である負極集電体46上に、負極合材層54が形成された負極合材層形成部分と、該負極合材層54が形成されていない負極合材層非形成部分47とが長手方向に並存する負極シート14と、2枚の長尺なセパレータシート16,18とを備えている。
捲回電極体10を作製するための各種材料は、従来のリチウムイオン二次電池における同種の電極体と同様でよく、本発明の実施にあたり、特殊な材料を調達する必要はない。
例えば、正極集電体44は、アルミニウム箔等から構成されればよく、負極集電体46は、銅箔等から構成されればよい。セパレータシート16,18は、正極シート12と負極シート14とを隔てる部材であり、リチウムイオンが通過でき、非水電解質の保持機能やシャットダウン機能を備えるように構成される。セパレータ構成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製の多孔質膜、あるいは不織布を用いることができる。
正極合材層52の主体である正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な材料であってリチウム元素と一種または二種以上の遷移金属元素とを含むリチウム含有化合物(リチウム遷移金属複合酸化物等)を好適に用いることができる。一方、負極合材層54の主体である負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料が好適例として挙げられる。
そして、適当な正極活物質を、導電材、バインダ、溶媒等とともに混合してスラリー(ペースト)状の正極合材を調製し、この正極合材を正極集電体44の両面の所定部位に塗布し、乾燥することにより正極合材層52が形成される(上記ステップS10)。次いで、正極合材層52(正極合材層形成部分)をプレス処理して適当な厚さに調整することにより、正極シート12が作製される(上記ステップS20)。
同様に、適当な負極活物質を、バインダ、増粘材、溶媒等とともに混合してスラリー(ペースト)状の負極合材を調製し、この負極合材を負極集電体46の両面の所定部位に塗布し、乾燥することにより負極合材層54が形成される(上記ステップS10)。次いで、負極合材層54(負極合材層形成部分)をプレス処理して適当な厚さに調整することにより、負極シート14が作製される(上記ステップS20)。
かかる一連の処理工程(ステップ)は、従来のリチウムイオン二次電池の電極体を作製する場合と同様である。
而して図示されるように、捲回電極体10を製造するには、先ず、用意された正極シート12と負極シート14とがセパレータシート16,18を挟んで積層される。このとき、正極シート12の正極合材層非形成部分45と負極シート14の負極合材層非形成部分47とがセパレータシート16,18の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように、正極シート12と負極シート14とを幅方向にややずらして重ね合わせる。このように重ね合わせた積層体を所定の捲回電極体製造装置(捲回機)100(後述する図3A参照)において捲回することによって、捲回電極体10が作製される。
なお、本実施形態においては、得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって得られた扁平形状の捲回電極体10を示しているが、捲回後に扁平に押しつぶす実施態様に代えて、例えば上記4つのシートからなる積層体を当初から扁平形状(即ち、略長円状や楕円形状)に捲回することによって、扁平形状の捲回電極体10を捲回工程にてダイレクトに作製してもよい。
なお、幅方向の両端にそれぞれはみ出した正負極合材層非形成部分45,47には、外部の電気回路と電気的に接続するための正極集電端子および負極集電端子(図示せず)がそれぞれ溶接等の手段によって付設されるが、かかる集電端子の構造や接続形態は、本発明を特徴付けるものではないため、詳細な説明は省略する。
ここで開示される製造方法では、上述した捲回工程を開始する前に、電極シートの長手方向における長さが、正極合材層非形成部分45(負極合材層非形成部分47)のほうが正極合材層52(負極合材層54)が形成された部分よりも長くなる(即ち上記のα<βとなる)ように、当該正極合材層非形成部分45(負極合材層非形成部分47)について伸張処理を行う(上記ステップS30)。
図3Aは、本実施形態に係る捲回電極体10を製造するための装置(捲回機)100を説明するための図である。符号122,124,126および128で示す構成部は、それぞれ、正極集電体、負極集電体および2枚のセパレータシートを供給するための供給軸122,124,126,128である。
製造装置100は、上記ステップS10〜S40を包含する一連の流れ作業を自動的に行うように構成されており、供給軸122,124から送り出された正極集電体および負極集電体に対して、図示を省略した作業ラインの途中において電極合材層形成工程(ステップS10)、電極合材層のプレス処理工程(ステップS20)が実行される。
そして、更に正(負)極合材層非形成部分について伸張処理工程(ステップS30)が実行された後の正極シート12および負極シート14は、作業ラインの下流(後半)側において、別途に送り出されてきた2枚のセパレータシート16,18と重ね合わされ、適当な張力(テンション)がかけられた状態で捲回され、巻取り軸130に回収される。
図3Aに示すように、本実施形態に係る製造装置(捲回機)100には、搬送される正(負)極シート12,14の張力をコントロールし、ならびに正(負)極合材層非形成部分の伸張処理を行うためのガイドロール132A,132B,134A,134Bが設けられている。
具体的には、図3Aに示すように、製造装置(捲回機)100における正極シート12の搬送ラインおよび負極シート14の搬送ラインにおける捲回工程を行うセクション(即ち巻取り軸130)の上流側に1対のロールから成るガイドロール132A,132B,134A,134Bがそれぞれ設けられている。そして、図示しない制御部からの指令により、ガイドロールのうちの上流側ロール132B,134Bの回転速度と下流側ロール132A,134Aの回転速度とを、それぞれ独自に調整する。これにより、当該ラインを搬送される正負極シート12,14に加わる張力のレベル(張力の強弱)をコントロールすることができる。さらに巻取り軸130の回転速度をコントロールすることにより、より精密に正負極シート12,14(さらにはセパレータシート16,18)にかけられる張力をコントロールすることができる。
ここで一例として図3Bに示すように、ガイドロールの上流側ロール132B,134B(必要に応じてさらに下流側ロール132A,134A)の円筒形状(外形)を、軸方向における中央部136よりも端部135が相対的に大径化した段差形状とすることによって、張力をかけるためのトルクの大半を、当該ガイドロール132B,134Bの大径化した端部135に接する正(負)極シート12,14の幅方向の端部にある正(負)極合材層非形成部分45,47に加えることができる。その結果、そのトルクの大きさに応じて、当該正(負)極合材層非形成部分45,47について、シート長手方向への伸張を行うことができる。
以上に説明したような製造装置(捲回機)100を採用することにより、ここで開示される捲回電極体製造方法を好適に実施することができる。具体的な実施態様を図4を参照しつつ説明する。なお、図4では正極シート12について説明しているが、負極シート14についても同様の実施態様であり得る。
先ず、図4の(a)に示すように、正極合材層52を形成するステップ(S10)の段階では、正極合材層52の形成部分の長手方向長さαと、正極合材層非形成部分45の長手方向長さβは等しい(α=β)。
次に、図4の(b)に示すように、正極合材層52(即ち正極合材層形成部分)をプレス処理して適当な厚さに調整するステップ(S20)の段階では、正極合材層形成部分に外力が加わることにより、正極合材層形成部分の長さαの方が正極合材層非形成部分の長さβよりも長くなる(図中のD)。
次に、ここで開示される製造方法においては、図4の(c)に示すように、上記ガイドロール132B(上述した図3B)等の使用によって、正極合材層非形成部分の長さβの方が正極合材層形成部分の長さαよりも長くなる(α<β)ように伸張処理を行う。図に示す例では、図中のDだけ伸張処理を施し、正極合材層形成部分の長さαよりも正極合材層非形成部分の長さβを長くしている(即ちD<D)。例えば、実際に行った一例では、伸張処理後にシート長手方向に正極合材層形成部分の基準で50mmの長さ(α=50mm)を切り取ったときにフリー状態で正極合材層非形成部分の長さβを測定すると50.0473mmであった。
従って、このときの歪みεは、ε=(β−α)/αの計算式より、0.000946となる。特に限定するものではないが、上記伸張処理(ステップS30)においてα<βとするための伸び代の程度としては、歪みεが概ね0<ε<0.0032程度の範囲に収まるようにするのが好ましい。このようなレベルの歪みεが生じる程度に正極合材層非形成部分の長さβを伸張させておけば、一般的な捲回機で適度な張力をかけつつ捲回後(即ち捲回電極体が得られた時点)においてα≒βとなるように制御しつつ捲回を容易に行うことができる。なお、α≒βは、厳密にナノメートルレベルまでα=βであることを要求しないことを示すものであり、例えば0.9999α<β<1.0001αは、α≒βとみなし得る。
即ち、上記α<βとなるように伸張した際の歪みεの程度と、捲回時にかけるべき張力のレベルとの関係を予め評価しておき、当該評価において決定した最適レベルの張力をかけつつ捲回を行うことにより、図4の(d)に示すように、捲回時の張力により、正極合材層非形成部分の長さβの伸張割合(図中のD)と、正極合材層形成部分の長さαの伸張割合(図中のD)のバランスを保ちつつ、最終的な捲回後の正極合材層非形成部分の長さβと、正極合材層形成部分の長さαとを実質同じ(α≒β)とすることができる。
以上に詳述したとおり、ここで開示される製造方法によると、電極合材層形成部分と電極合材層非形成部分との間でシート長手方向に対して歪みや湾曲が発生するのを好適に抑制し、ひいては形状不良の電極体が作製されるのを防止して、形状安定性に優れる捲回電極体を好適に製造することができる。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態はあくまでも例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば上記実施形態では、図に示すガイドロールによって電極合材層非形成部分のシート長手方向の長さβを伸張しているが、この手段に限定されず、他の種々の引っ張り(伸張)手段を用いてよい。
また、本発明は、リチウムイオン二次電池の捲回電極体に限られず、種々のタイプの二次電池の捲回電極体の製造に適用することができる。
10 捲回電極体
12 正極シート
14 負極シート
16,18 セパレータシート
44 正極集電体
45 正極合材層非形成部分
46 負極集電体
47 負極合材層非形成部分
52 正極合材層
54 負極合材層
100 製造装置(捲回機)
122、124、126、128 供給軸
130 捲回電極体巻取り軸
132A、132B、134A、134B ガイドロール

Claims (1)

  1. 長尺シート状の正極集電体上に正極合材層が形成された正極合材層形成部分と、該正極合材層が形成されていない正極合材層非形成部分とが長手方向に並存する正極シートと、
    長尺シート状の負極集電体上に負極合材層が形成された負極合材層形成部分と、該負極合材層が形成されていない負極合材層非形成部分とが長手方向に並存する負極シートとが、長尺なセパレータシートとともに重ね合わされ捲回されてなる捲回電極体を製造する方法であって、
    前記正極シートおよび前記負極シートのうちのいずれか一方または両方について、以下の工程:
    前記正極(又は負極)合材層形成部分を所定の厚みとなるようにプレスする工程;および
    前記プレスする工程後の正極(又は負極)シートについて、前記正極(又は負極)合材層形成部分の長手方向の長さをα、前記正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さをβとしたとき、張力をかけない状態においてα<βとなるように当該正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さβを伸張させる工程;
    を行い、
    さらに、前記正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さβが伸張された正極(又は負極)シートを包含してそれぞれ用意された前記正極シートと前記負極シートと前記セパレータシートを重ね合わせて捲回する工程を行い、
    ここで少なくとも前記正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さβが伸ばされた正極(又は負極)シートに対して、前記正極(又は負極)合材層形成部分の長手方向の長さαおよび前記正極(又は負極)合材層非形成部分の長手方向の長さβが、捲回後において0.9999α<β<1.0001αとなるように張力をかけつつ捲回を行うことを特徴とする、捲回電極体製造方法。
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