JP5596023B2 - レセプターチロシンキナーゼのインヒビターとしてのイミダゾピリジン誘導体 - Google Patents

レセプターチロシンキナーゼのインヒビターとしてのイミダゾピリジン誘導体 Download PDF

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Description

発明の背景
この出願は2008年6月13日付で出願された米国特許出願第61/061184号および2008年6月13日付で出願された英国特許出願第0810902.7号に関連する。その各々の内容は引用することにより本発明の開示の範囲とされる。
発明の分野
本発明は、新規二環式ヘテロ環式誘導体化合物、該化合物を含んでなる医薬組成物、および疾患、例えば癌の治療における該化合物の使用に関する。
本発明の第一の態様によれば、下記式(I)の化合物あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物、または誘導体が提供される:
Figure 0005596023
〔上記式中、
(i)RおよびRが、独立して、水素、または1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたC3‐8シクロアルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、芳香族もしくは非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基Aであり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、アミノ、ハロゲン、C1‐6アルキル、‐X‐Rあるいは芳香族もしくは非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基R4aであり、ここで該炭素環式またはヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
(ii)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、芳香族5員ヘテロ環式基を表す基Aであり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、アミノ、ハロゲン、C1‐6アルキル、‐X‐Rあるいは芳香族もしくは非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基R4aであり、ここで該炭素環式またはヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
(iii)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、芳香族6員ヘテロ環式基を表す基Aであり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、アミノ、ハロゲン、C1‐6アルキル、‐X‐Rあるいは芳香族もしくは非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基R4bであり、ここで該炭素環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もあり、あるいは該ヘテロ環式基がピラゾリル、オキサジアゾリル、またはテトラゾリル以外である場合、該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もあり、あるいは該ヘテロ環式基がピラゾリル、オキサジアゾリル、またはテトラゾリルである場合、該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されてもよく、
(iv)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表す基Aであり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は:
(a)アミノ、
(b)‐X‐R
(c)1以上(例えば、1、2、または3)のC2‐6アルカノール基により置換されたフェニル、
(d)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリダジニル、
(e)窒素原子またはC‐2もしくはC‐5原子において1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって、またはC‐4原子において一つのR基によって場合により置換されたN連結イミダゾリル、
(f)窒素原子の一方または双方において一または二つのR基によって場合により置換された、あるいは一または二つの炭素原子において一または二つのR基によって場合により置換されたC連結イミダゾリル、
(g)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピラジニル、
(h)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたチオフェニル、
(j)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたチアゾリルまたはチアジアゾリル環を含む二環式ヘテロ環式基、
(k)一または二つのR基によって場合により置換されたトリアジニル、
(m)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピラゾリル、
(n)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐2‐イル、
(o)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐4‐イル、
(p)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐5‐イル、
(q)一つのR基により置換されたチアジアゾリル、
(r)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリジン‐2‐イル、
(s)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピリジン‐3‐イル、
(t)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基により置換されたピリジン‐4‐イル、
(u)2位において‐O‐C1‐6アルキルにより置換され、かつ1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換された、ピリジン‐3‐イル、
(w)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたオキソ‐ジヒドロ‐ピリジン‐3‐イル、
(x)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたN‐メチルピラゾリル、
(y)炭素原子の一つにおいて基Rからの置換基で置換され、かつ他の炭素原子において基Rからの置換基で置換された、N‐非置換ピリジン‐3‐イル、
を表す、(a)〜(h)、(j)〜(k)、(m)〜(u)、および(w)〜(y)のいずれか一つから選択される、基R4cであり、
(v)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表し、Aが、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表すAである場合、
は、C1‐6アルキルを表し、
は、C1‐6アルキルを表す基R4dである、あるいは
(vi)Rが水素を表し、RがハロC1‐6アルキルを表し、Aが、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表すAである場合、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、非置換ピリジン‐3‐イル、非置換ピリジン‐4‐イル、または非置換ピペリジンで置換された3‐ピリジニルを表す、基R4eであり、
Xは‐(CH‐、‐CH=CH‐または‐C≡C‐を表し、
は、‐(CH‐NR、C1‐6アルキル、C1‐6アルカノール、C3‐8シクロアルキルあるいは芳香族もしくは非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、‐(CH‐NR、C2‐6アルキル、C1‐6アルカノール、C4‐8シクロアルキル、あるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もあり、
、R、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、‐C1‐6アルキル‐N(C1‐6アルキル)、‐C1‐6アルキル‐NH(C1‐6アルキル)、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、または窒素原子へ結合されている場合、R、R、R、およびRは環を形成している場合もあり、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、R基または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
Yは、結合、‐CO‐(CH‐、‐(CR‐CO‐、‐COO‐、‐(CH‐(CR‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
は、塩素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もあり、
は、ハロゲン、C4‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C3‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐CH‐NR、‐(CH3‐4‐NR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、‐(CH‐SONRまたは‐(CH‐SONHR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C3‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C4‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH2‐4‐O‐C1‐6アルキル、‐(CH‐O‐C2‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C2‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、塩素、エチル、C4‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐O‐Cアルキル、‐O‐C4‐6アルキル、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐2アルカノール、C4‐6アルカノール、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOC1‐6アルキル、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐NMe(C2‐6アルキル)、‐(CH‐N‐(C2‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、‐(CH‐SONR、Rにより置換されたピペラジン、あるいはピペリジニルまたは‐O‐ピペリジニル基を表し、ここで該ピペリジニル基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換され、
は、塩素、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C2‐6アルコキシ、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐2アルカノール、C4‐6アルカノール、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、ハロゲン、C3‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、‐Y‐(4員ヘテロ環式)基(該4員ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されている)、または‐Y‐(5‐10員ヘテロ環式)基(該5‐10員ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい)を表し、
は、ハロゲン、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C2‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐NH(C1‐6アルキル)、‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
nおよびqは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す〕。
WO2008/078100号公報(Astex)、WO2008/078091号公報(Astex)、WO2009/047522号公報(Astex)、WO2009/047506号公報(Astex)、米国特許第7,074,801号公報(Eisai)、米国特許第2002/0041880号公報(Merck)、WO98/54093号公報(Merck)、WO2006/091671号公報(Eli Lilly)、WO2003/048132号公報(Merck)、WO2004/052286号公報(Merck)、WO00/53605号公報(Merck)、WO03/101993号公報(Neogenesis)、WO2006/135667号公報(BMS)、WO2002/46168号公報(Astra Zeneca)、WO2005/080330号公報(Chugai)、WO2006/094235号公報(Sirtris Pharmaceuticals)、WO2006/034402号公報(Synta Pharmaceuticals)、WO01/18000号公報(Merck)、米国特許第5,990,146号公報(Warner Lambert)およびWO00/12089号公報(Merck)は、各々、一連のヘテロ環式誘導体について開示している。
発明の具体的説明
本発明の第一の態様によると、下記式(I)の化合物あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物、または誘導体が提供される:
Figure 0005596023
〔上記式中、
(i)RおよびRが、独立して、水素、または1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたC3‐8シクロアルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、芳香族または非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基Aであり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、アミノ、ハロゲン、C1‐6アルキル、‐X‐Rあるいは芳香族もしくは非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基R4aであり、ここで該炭素環式またはヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
(ii)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、芳香族5員ヘテロ環式基を表す基Aであり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、アミノ、ハロゲン、C1‐6アルキル、‐X‐Rあるいは芳香族または非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基R4aであり、ここで該炭素環式またはヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
(iii)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、芳香族6員ヘテロ環式基を表す基Aであり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、アミノ、ハロゲン、C1‐6アルキル、‐X‐Rあるいは芳香族もしくは非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基R4bであり、ここで該炭素環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もあり、あるいは該ヘテロ環式基がピラゾリル、オキサジアゾリル、またはテトラゾリル以外である場合、該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もあり、あるいは該ヘテロ環式基がピラゾリル、オキサジアゾリルまたはテトラゾリルである場合、該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されてもよく、
(iv)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、フェニル基を表す基Aであり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は:
(a)アミノ、
(b)‐X‐R
(c)1以上(例えば、1、2、または3)のC2‐6アルカノール基により置換されたフェニル、
(d)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリダジニル、
(e)窒素原子またはC‐2もしくはC‐5原子において1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって、またはC‐4原子において一つのR基によって場合により置換されたN連結イミダゾリル、
(f)窒素原子の一方または双方において一または二つのR基によって場合により置換された、あるいは1または二つの炭素原子において一または二つのR基によって場合により置換されたC連結イミダゾリル、
(g)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピラジニル、
(h)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたチオフェニル、
(j)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたチアゾリルまたはチアジアゾリル環を含む二環式ヘテロ環式基、
(k)一または二つのR基によって場合により置換されたトリアジニル、
(m)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピラゾリル、
(n)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐2‐イル、
(o)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐4‐イル、
(p)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐5‐イル、
(q)一つのR基により置換されたチアジアゾリル、
(r)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリジン‐2‐イル、
(s)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピリジン‐3‐イル、
(t)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基により置換されたピリジン‐4‐イル、
(u)2位において‐O‐C1‐6アルキルにより置換され、かつ1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換された、ピリジン‐3‐イル、
(w)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたオキソ‐ジヒドロ‐ピリジン‐3‐イル、
(x)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたN‐メチルピラゾリル、
(y)炭素原子の一つにおいて基Rからの置換基で置換され、かつ他の炭素原子において基Rからの置換基で置換された、N‐非置換ピリジン‐3‐イル、
を表す、(a)〜(h)、(j)〜(k)、(m)〜(u)および、(w)〜(y)のいずれか一つから選択される、基R4cであり、
(v)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表し、Aが、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表すAである場合、
は、C1‐6アルキルを表し、
は、C1‐6アルキルを表す基R4dであり、あるいは
(vi)Rが水素を表し、RがハロC1‐6アルキルを表し、Aが、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表すAである場合、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、非置換ピリジン‐3‐イル、非置換ピリジン‐4‐イル、または非置換ピペリジンで置換された3‐ピリジニルを表す、基R4eであり、
Xは‐(CH‐、‐CH=CH‐、または‐C≡C‐を表し、
は、‐(CH‐NR、C1‐6アルキル、C1‐6アルカノール、C3‐8シクロアルキルあるいは芳香族もしくは非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、‐(CH‐NR、C2‐6アルキル、C1‐6アルカノール、C4‐8シクロアルキルあるいは芳香族もしくは非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
、R、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、‐C1‐6アルキル‐N(C1‐6アルキル)、‐C1‐6アルキル‐NH(C1‐6アルキル)、C3‐8シクロアルキルまたはC3‐8シクロアルケニルを表し、または窒素原子へ結合されている場合、R、R、R、およびRは環を形成している場合もあり、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、R基または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
Yは、結合、‐CO‐(CH‐、‐(CR‐CO‐、‐COO‐、‐(CH‐(CR‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
は、塩素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C4‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C3‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐CH‐NR、‐(CH3‐4‐NR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、‐(CH‐SONRまたは‐(CH‐SONHR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C3‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C4‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH2‐4‐O‐C1‐6アルキル、‐(CH‐O‐C2‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C2‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、塩素、エチル、C4‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐O‐Cアルキル、‐O‐C4‐6アルキル、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐2アルカノール、C4‐6アルカノール、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOC1‐6アルキル、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐NMe(C2‐6アルキル)、‐(CH‐N‐(C2‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、‐(CH‐SONR、Rにより置換されたピペラジン、あるいはピペリジニルまたは‐O‐ピペリジニル基を表し、ここで該ピペリジニル基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換され、
は、塩素、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C2‐6アルコキシ、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐2アルカノール、C4‐6アルカノール、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、ハロゲン、C3‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、‐Y‐(4員ヘテロ環式)基(該4員ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されている)、または‐Y‐(5‐10員ヘテロ環式)基(該5‐10員ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい)を表し、
は、ハロゲン、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C2‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐NH(C1‐6アルキル)、‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
nおよびqは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す〕。
本願明細書で用いられている接頭語“Cx‐y”(xおよびyは整数である)は、所定の基における炭素原子の数に関する。このように、C1‐6アルキル基は1〜6の炭素原子を含有し、C3‐8シクロアルキル基は3〜6の炭素原子を含有し、C1‐4アルコキシ基は1〜4の炭素原子を含有する、等々である。
基(CRまたは(CRの各々において、RおよびR基は各々独立して各CR単位に関するRおよびRの定義から選択され、即ちnが2である(CRはCR‐CRを示し、RおよびRの各々は互いに独立して他の単位におけるRおよびRの各々から選択される。
基または基の一部として本願明細書で用いられている用語‘C1‐6アルキル’は、1〜6の炭素原子を含有する直鎖状または分岐状の飽和炭化水素基に関する。このような基の例としては、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、tert‐ブチル、n‐ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、またはヘキシルなどがある。本願明細書で用いられている用語‘C1‐7アルキル’、‘C2‐6アルキル’、‘C3‐6アルキル’、‘C4‐6アルキル’、またはCアルキルも同様に、各々1〜7、2〜6、3〜6、4〜6または2つの炭素原子を含有した基を定義している。
基または基の一部として本願明細書で用いられている用語‘C2‐6アルケニル’は、2〜6の炭素原子を含有した、C=C結合を含む直鎖状または分岐状の炭化水素基に関する。
基または基の一部として本願明細書で用いられている用語‘C2‐6アルキニル’は、2〜6の炭素原子を含有した、炭素‐炭素三重結合を含む直鎖状または分岐状の炭化水素基に関する。
本願明細書で用いられている用語‘C1‐6アルコキシ’は‐O‐C1‐6アルキル基に関し、ここでC1‐6アルキルは本願明細書で定義されている通りである。このような基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、またはヘキソキシなどがある。本願明細書で用いられている用語‘C2‐6アルコキシ’は‐O‐C2‐6アルキル基に関し、ここでC2‐6アルキルは本願明細書で定義されている通りである。
本願明細書で用いられている用語‘C1‐6アルカノール’は、1以上のヒドロキシ基で置換されたC1‐6アルキル基に関し、ここでC1‐6アルキルは本願明細書で定義されている通りである。本願明細書で用いられている用語‘C4‐6アルカノール’、‘C1‐2アルカノール’、または‘C3‐6アルカノール’も同様に、1以上のヒドロキシル基で置換された、各々4〜6、1〜2、または3〜6の炭素原子を含有した基を定義している。このような基の例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘C3‐8シクロアルキル’は、3〜8炭素原子の飽和単環式炭化水素環に関する。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘C3‐6シクロアルキル’は、3〜6炭素原子の飽和単環式炭化水素環に関する。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘C4‐8シクロアルキル’は、4〜8炭素原子の飽和単環式炭化水素環に関する。このような基の例としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘C3‐8シクロアルケニル’は、1以上のC=C結合を含有した、3〜8炭素原子の非芳香族単環式炭化水素環に関する。このような基の例としては、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、またはシクロオクテンなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘ハロゲン’は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子に関する。
本願明細書で用いられている用語‘ハロC1‐6アルキル’は、少なくとも一つの水素原子がハロゲンにより置き換えられた、本願明細書で定義されているようなC1‐6アルキル基に関する。本願明細書で用いられている用語‘ハロC2‐6アルキル’も同様に、少なくとも一つの水素原子がハロゲンにより置き換えられた、2〜6の炭素原子を含有した基を定義している。このような基の例としては、フルオロエチル、トリフルオロメチル、またはトリフルオロエチルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘ハロC1‐6アルコキシ’は、少なくとも一つの水素原子がハロゲンにより置き換えられた、本願明細書で定義されているようなC1‐6アルコキシ基に関する。このような基の例としては、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシなどがある。
本願明細書で用いられている“炭素環式”および“ヘテロ環式”基への言及は、内容がそれ以外を示していない限り、双方とも芳香族および非芳香族環系を含む。そのため、例えば、用語“炭素環式およびヘテロ環式基”はその範囲内に芳香族、非芳香族、不飽和、部分的飽和および完全飽和炭素環式およびヘテロ環式環系を含む。一般的に、このような基は単環式または二環式であり、例えば3〜12環員、更に通常は5〜10環員を含有する。単環式基の例は、3、4、5、6、7、および8環員、更に通常は3〜7、好ましくは5または6環員を含有する基である。二環式基の例は8、9、10、11、および12環員、更に通常は9または10環員を含有するものである。本願明細書で炭素環式およびヘテロ環式基へ言及されている場合、炭素環式またはヘテロ環式環は、内容がそれ以外を示していない限り、非置換であるか、あるいは1以上の置換基、例えば本願明細書で記載されているような分子フラグメント、分子スカホールドまたは官能基で置換されている。“炭素環式”および“ヘテロ環式”基への言及が、上記のような1以上(例えば、1、2、または3)の基によって場合により置換されてもよい炭素環式およびヘテロ環式基への言及を含むことは、明らかであろう。
炭素環式またはヘテロ環式基は、5〜12環員、更に通常は5〜10環員を有するアリールまたはヘテロアリール基である。本願明細書で用いられている用語“アリール”は芳香性を有する炭素環式基に関し、用語“ヘテロアリール”は芳香性を有するヘテロ環式基を表すために本願明細書で用いられている。用語“アリール”および“ヘテロアリール”は、1以上の環が非芳香族である多環式(例えば、二環式)環系を包含しているが、但し少なくとも一つの環は芳香族である。このような多環式系において、基は芳香環または非芳香環で繋がれている。
用語“非芳香族基”は、芳香性のない不飽和環系、部分的飽和、完全飽和炭素環式、およびヘテロ環式環系を包含する。用語“不飽和”および“部分的飽和”は、環構造が2以上の原子価結合を共有する原子を含有した、即ち環が少なくとも一つの多重結合、例えばC=C、C≡C、またはN=C結合を含有した環に関する。用語“完全飽和”は、環原子間に多重結合がない環に関する。飽和炭素環式基としては、以下で定義されているようなシクロアルキル基がある。部分的飽和炭素環式基としては、以下で定義されているようなシクロアルケニル基、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルがある。飽和ヘテロ環式基としては、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリンがある。部分的飽和ヘテロ環式基としては、ピラゾリン類、例えば2‐ピラゾリンおよび3‐ピラゾリンがある。
ヘテロアリール基の例は、5〜12環員、更に通常は5〜10環員を含有する単環式および二環式基である。ヘテロアリール基は、例えば、5員または6員単環式環、あるいは縮合5および6員環または二つの縮合6員環または二つの縮合5員環から形成される二環式構造である。各環は、典型的には窒素、イオウ、および酸素から選択される5以下、例えば約4つのヘテロ原子を含有しうる。典型的には、ヘテロアリール環は4以下のヘテロ原子、更に典型的には3以下のヘテロ原子、更に通常は2以下、例えば単一のヘテロ原子を含有する。一つの態様において、ヘテロアリール環は少なくとも一つの環窒素原子を含有する。ヘテロアリール環における窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合のように塩基性でも、あるいはインドールまたはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性でもよい。一般的に、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は、環のあらゆるアミノ置換基を含んでも、5未満である。
5員ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、およびテトラゾール基があるが、それらに限定されない。5員ヘテロアリール基の一つの別な例としては、チアジアゾールがある。
6員ヘテロアリール基の例としては、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、およびトリアジンがあるが、それらに限定されない。
二環式ヘテロアリール基は、例えば:
a)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたベンゼン環、
b)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたピリジン環、
c)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたピリミジン環、
d)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたピロール環、
e)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたピラゾール環、
f)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたイミダゾール環、
g)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたオキサゾール環、
h)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたイソオキサゾール環、
i)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたチアゾール環、
j)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたイソチアゾール環、
k)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたチオフェン環、
l)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたフラン環、
m)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたシクロヘキシル環、および
n)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたシクロペンチル環、
から選択される基である。
他の5員環へ縮合された5員環を含有する二環式ヘテロアリール基の具体例としては、イミダゾチアゾール(例えば、イミダゾ〔2,1‐b〕チアゾール)およびイミダゾイミダゾール(例えば、イミダゾ〔1,2‐a〕イミダゾール)があるが、それらに限定されない。
5員環へ縮合された6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の具体例としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例えば、アデニン、グアニン)、インダゾール、ピラゾロピリミジン(例えば、ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリミジン)、トリアゾロピリミジン(例えば、〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5‐a〕ピリミジン)、ベンゾジオキソ‐ルおよびピラゾロピリジン(例えば、ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリジン)基があるが、それらに限定されない。5員環へ縮合された6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の一つの別な例としては、イミダゾピリジンがある。
二つの縮合6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の具体例としては、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、クロメン、イソクロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンゾオキサジン、ベンゾジアジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、およびプテリジン基があるが、それらに限定されない。
芳香環および非芳香環を含有する多環式アリールおよびヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロナフタレン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンゾチエン、ジヒドロベンゾフラン、2,3‐ジヒドロベンゾ〔1,4〕ジオキシン、ベンゾ〔1,3〕ジオキソ‐ル、4,5,6,7‐テトラヒドロベンゾフラン、インドリン、およびインダン基がある。芳香環および非芳香環を含有する多環式ヘテロアリール基の一つの別な例としては、テトラヒドロトリアゾロピラジン(例えば、5,6,7,8‐テトラヒドロ〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3‐a〕ピラジン)がある。
窒素含有ヘテロアリール環は、少なくとも一つの環窒素原子を含有していなければならない。各環は、加えて、典型的には窒素、イオウ、および酸素から選択される約4以下の他のヘテロ原子を含有してもよい。典型的には、ヘテロアリール環は3以下のヘテロ原子、例えば、1、2、または3、更に通常は2以下の窒素、例えば単一の窒素を含有する。ヘテロアリール環における窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合のように塩基性でも、あるいはインドールまたはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性でもよい。一般的に、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は、環のあらゆるアミノ置換基を含んでも、5未満である。
窒素含有ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル(例えば、1、2,3‐トリアゾリル、1,2,4‐トリアゾリル)、テトラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾリルおよびベンゾイソチアゾール、インドリル、3H‐インドリル、イソインドリル、インドリジニル、イソインドリニル、プリニル(例えば、アデニン〔6‐アミノプリン〕、グアニン〔2‐アミノ‐6‐ヒドロキシプリン〕)、インダゾリル、キノリジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジアジニル、ピリドピリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、およびプテリジニルがあるが、それらに限定されない。
芳香環および非芳香環を含有する窒素含有多環式ヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、およびインドリニルがある。
炭素環式アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、およびテトラヒドロナフチル基がある。
非芳香族ヘテロ環式基の例は、3〜12環員、更に通常は5〜10環員を有する基である。このような基は、例えば単環式または二環式であり、典型的には窒素、酸素、およびイオウから通常選択される1〜5のヘテロ原子環員(更に通常は1、2、3、または4のヘテロ原子環員)を有する。ヘテロ環式基は、例えば環状エ‐テル部分(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサンの場合)、環状チオエ‐テル部分(例えば、テトラヒドロチオフェンおよびジチアンの場合)、環状アミン部分(例えば、ピロリジンの場合)、環状アミド部分(例えば、ピロリドンの場合)、環状チオアミド、環状チオエステル、環状尿素(例えば、イミダゾリジン‐2‐オンの場合)、環状エステル部分(例えば、ブチロラクトンの場合)、環状スルホン(例えば、スルホランおよびスルホレンの場合)、環状スルホキシド、環状スルホンアミドおよびそれらの組合せ(例えば、チオモルホリン)を含有しうる。
具体例としては、モルホリン、ピペリジン(例えば、1‐ピペリジニル、2‐ピペリジニル、3‐ピペリジニルおよび4‐ピペリジニル)、ピペリドン、ピロリジン(例えば、1‐ピロリジニル、2‐ピロリジニルおよび3‐ピロリジニル)、ピロリドン、アゼチジン、ピラン(2H‐ピランまたは4H‐ピラン)、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジオキサン、テトラヒドロピラン(例えば、4‐テトラヒドロピラニル)、イミダゾリン、イミダゾリジノン、オキサゾリン、チアゾリン、2‐ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラゾン、ピペラジンおよびN‐アルキルピペラジン、例えばN‐メチルピペラジンがある。一般的に、好ましい非芳香族ヘテロ環式基としては、ピペリジン、ピロリジン、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、およびN‐アルキルピペラジンのような飽和基がある。
窒素含有非芳香族ヘテロ環式環において、環は少なくとも一つの環窒素原子を含有していなければならない。ヘテロ環式基は、例えば環状アミン部分(例えば、ピロリジンの場合)、環状アミド(例えば、ピロリジノン、ピペリドン、またはカプロラクタムの場合)、環状スルホンアミド(例えば、イソチアゾリジン 1,1‐ジオキシド、〔1,2〕チアジナン 1,1‐ジオキシドまたは〔1,2〕チアゼパン 1,1‐ジオキシド)およびそれらの組合せを含有しうる。
窒素含有非芳香族ヘテロ環式基の具体例としては、アジリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン(例えば、1‐ピペリジニル、2‐ピペリジニル、3‐ピペリジニルおよび4‐ピペリジニル)、ピロリジン(例えば、1‐ピロリジニル、2‐ピロリジニルおよび3‐ピロリジニル)、ピロリドン、ジヒドロチアゾール、イミダゾリン、イミダゾリジノン、オキサゾリン、チアゾリン、6H‐1,2,5‐チアジアジン、2‐ピラゾリン、3‐ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラジンおよびN‐アルキルピペラジン、例えばN‐メチルピペラジンがある。
炭素環式基およびヘテロ環式基は、多環式縮合環系または架橋環系、例えばビシクロアルカン、トリシクロアルカンおよびそれらのオキサ‐およびアザアナログ(例えば、アダマンタンおよびオキサ‐アダマンタン)でもよい。縮合および架橋環系の区別の説明に関しては、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pages 131‐133,1992参照。
非芳香族炭素環式基の例としては、シクロアルカン基、例えばシクロヘキシルおよびシクロペンチル、シクロアルケニル基、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニル、並びにシクロヘキサジエニル、シクロオクタテトラエン、テトラヒドロナフテニル、およびデカリニルがある。
ヘテロ環式基は各々非置換であるか、または1以上の置換基により置換される。例えば、ヘテロ環式基は非置換であるか、あるいは一、二、三、または四つの置換基により置換される。ヘテロ環式基が単環式または二環式である場合、典型的にはそれは非置換であるか、あるいは一、二、または三つの置換基を有する。
“N連結イミダゾリル”への言及は、イミダゾリル基の窒素原子の一つにより、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル環系の炭素原子へ連結されたイミダゾリル基に関する。N連結イミダゾリル基の例としては、イミダゾール‐1‐イルがある。
“C連結イミダゾリル”への言及は、イミダゾリル基の炭素原子の一つにより、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル環系の炭素原子へ連結されたイミダゾリル基に関する。
発明の具体的態様
定義Aにより包含される環系の例が下記式(I)A〜(I)Oで示されており、ここで窒素原子は尿素基との結合点を示している:
Figure 0005596023
基(I)Lはイミダゾールのいかなる互変異性体でもよく、例えば(I)L2である。
一つの態様において、AまたはAはピラゾール以外の基である。
一つの態様において、Aは(I)A、(I)B、(I)Pおよび(I)Qから選択される。
一つの態様において、Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、基(I)Aである。
一つの態様において、Aは、例えば5、6、または7員環を有する単環式芳香族炭素環式またはヘテロ環式環系(例えば、フェニル、ピリジルまたはチアゾリル)を表す。
別の態様において、Aは6員炭素環式環を表す。更に別の態様において、Aは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたフェニル基(即ち、式(I)Aの環系)を表す。
別の態様において、AまたはAは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリジル基(即ち、式(I)Bまたは(I)Cの環系)を表す。更に別の態様において、AまたはAは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換された式(I)Bの環系を表す。
一つの態様において、AまたはAは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたチアゾリル基、イソチアゾール基、またはイミダゾール基を表す。
別の態様において、AまたはAは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたチアゾリル基(即ち、式(I)H、(I)Pまたは(I)Qの環系)を表す。更に別の態様において、AまたはAは1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロゲン(例えば、塩素)によって場合により置換された式(I)Pまたは(I)Qの環系を表す。
一つの態様において、A、A、またはAは、3位または5位で‐NHCONRにより置換された6員単環式芳香族炭素環式またはヘテロ環式環系(例えば、フェニルまたはピリジル)を表す。
、A、またはAは、5位で‐NHCONRにより置換され、更に3位で単一のR基によって場合により置換された、6員単環式芳香族炭素環式またはヘテロ環式環系(例えば、フェニルまたはピリジル)を表す、ことも開示される。
一つの態様において、AまたはAは、5位で‐NHCONRにより置換され、更に3位で単一のR基によって場合により置換された、6員単環式芳香族炭素環式またはヘテロ環式環系(例えば、フェニルまたはピリジル)を表し、あるいはAは、5位で‐NHCONRにより置換され、更に3位で単一のR基によって場合により置換された、6員単環式芳香族炭素環式環系(例えば、フェニル)を表す。
一つの態様において、AまたはAは非置換フェニル、あるいは‐(CH‐CONR(例えば、‐CONH)、‐(CH‐CN(例えば、‐CN)、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1‐6アルキル(例えば、メチル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐CHOH)、または‐OR(例えば、メトキシまたは‐OCH(Me))基で置換されたフェニルを表す。
一つの態様において、Aは非置換フェニル、あるいは‐(CH‐CONR(例えば、‐CONH)、‐(CH‐CN(例えば、‐CN)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素)、C1‐6アルキル(例えば、メチル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐CHOH)、‐O‐(CH‐OR(例えば、‐O‐CH‐CH‐O‐CH)、‐(CR‐COOR(例えば、‐COOCH)、‐(CH‐NR(例えば、‐CHNH)、ハロC1‐6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)または‐OR(例えば、‐OH、メトキシ、‐OCH(Me)、または‐O‐C)基で置換されたフェニルを表す。
別の態様において、AまたはAは非置換フェニルを表す。
一つの態様において、AはAで定義されている通りである。他の態様において、AはAで定義されている通りである。他の態様において、AはAで定義されている通りである。
は水素またはC1‐6アルキル(例えば、メチル)を表し、Rは水素、C1‐6アルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、‐CH(Me)、‐CHCH(Me)または‐C(Me))、1以上のR基により置換されたC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐C(Me)‐CH‐NH、‐CH‐CH(Me)‐OMeまたは‐CH‐C(F)‐CHNH)、C3‐8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐CH(OH)‐CHOH)、‐(CH‐NR(例えば、‐(CHNHCOOt‐Bu、‐(CHNHまたは‐(CHNH)、‐(CH‐アリール(例えば、ハロゲン原子、例えばフッ素原子によって場合により置換されたベンジル)、‐(CH‐ヘテロシクリル(例えば、(1以上のC1‐6アルキル(例えば、メチル)基によって場合により置換された)‐CH‐ジオキソラニル、‐CH‐テトラヒドロフラニルまたは‐CH‐ピペリジニル)またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐(CH‐F、‐CH‐CH‐F‐CH(Me)‐CF、または‐CH‐CF)を表す、ことも開示される。
一つの態様において、Rは水素またはC1‐6アルキル(例えば、メチル)を表し、Rは水素、C1‐6アルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、‐CH(Me)、‐CHCH(Me)または‐C(Me))、C3‐8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐(CH‐F、‐CH‐CH‐F‐CH(Me)‐CF、または‐CH‐CF)を表す。
Aがフェニルを表す場合、RおよびRはフェニル以外の基を表す、ことも開示される。
別の態様において、Rは水素を表し、Rは水素、C1‐6アルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、‐CH(Me)、‐CHCH(Me)または‐C(Me))、C3‐8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐(CH‐F、‐CH‐CH‐F‐CH(Me)‐CFまたは‐CH‐CF)を表す。更に別の態様において、Rは水素を表し、RはC1‐6アルキル(例えば、エチル)、C3‐8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐CF)を表す。更に別の態様において、Rは水素を表し、Rは‐CH‐CFを表す。
一つの態様において、Rは水素またはメチルを表す。更に別の態様において、Rは水素を表す。
一つの態様において、RおよびRが独立して水素またはC3‐8シクロアルキルを表す(例えば、Rが水素を表し、Rがシクロプロピルを表すか、あるいはRおよびRが双方とも水素を表す)場合、R4aはハロゲン(例えば、塩素)、または1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロゲン(例えば、フッ素)によって場合により置換された単環式芳香族炭素環式基(例えば、フェニル)を表し、あるいはR4aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロゲン(例えば、フッ素)または‐(CHNR(例えば、‐NH)によって場合により置換されてもよい、芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリミジニル)を表す。
一つの態様において、RおよびRが独立して水素またはC3‐8シクロアルキルを表す(例えば、Rが水素を表し、Rがシクロプロピルを表すか、あるいはRおよびRが双方とも水素を表す)場合、R4aは‐X‐Rを表す。別の態様において、Xは‐C≡C‐を表し、Rは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい。更に別の態様において、Rは一つのメチル基で置換されたイミダゾイルを表す。
一つの態様において、RおよびRが独立して水素またはC3‐8シクロアルキルを表す(例えば、Rが水素を表し、Rがシクロプロピルを表すか、あるいはRおよびRが双方とも水素を表す)場合、R4aは芳香族または非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式またはヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい。一つの態様において、RおよびRは双方とも水素を表し、R4aは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、オキサジアゾリル、チアジアゾリル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のメチル基によって場合により置換されてもよい。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換された、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、またはテトラゾールを表す。別の態様において、Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換された、ピロール、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、またはテトラゾールを表す。更に別の態様において、Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基(例えば、塩素)によって場合により置換されたチアゾールを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、芳香族6員ヘテロ環式基を表す基Aであり、Aは‐X‐Rを表す基R4bである。別の態様において、Aはピリジニルを表す。別の態様において、Xは‐C≡C‐を表し、Rは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい(例えば、一つのメチル基で置換されたイミダゾリル)。
一つの態様において、式(I)の化合物は(i)で定義されている通りである。
一つの態様において、式(I)の化合物は(ii)で定義されている通りである。
一つの態様において、式(I)の化合物は(iii)で定義されている通りである。
一つの態様において、式(I)の化合物は(iv)で定義されている通りである。
一つの態様において、式(I)の化合物は(v)で定義されている通りである。
一つの態様において、式(I)の化合物は(vi)で定義されている通りである。
一つの態様において、Rが基R4aである場合、R4aはR4bで定義されている通りである。
一つの態様において、Rが基R4aである場合、R4aはR4cで定義されている通りである。
一つの態様において、Rが基R4aである場合、R4aはR4dで定義されている通りである。
一つの態様において、Rが基R4aである場合、R4aはR4eで定義されている通りである。
一つの態様において、Rが基R4bである場合、R4bはR4cで定義されている通りである。
一つの態様において、Rが基R4bである場合、R4bはR4dで定義されている通りである。
一つの態様において、Rが基R4bである場合、R4bはR4eで定義されている通りである。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは(b)〜(h)、(j)〜(k)、(m)〜(u)、および(w)〜(y)から選択される。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは‐X‐Rである。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のC2‐6アルカノール基により置換されたフェニルである。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐2‐イルである。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリダジニル(例えば、ピリダジン‐3‐イルまたはピリダジン‐4‐イル)である。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピラジニル(例えば、ピラジン‐2‐イル)である。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたチオフェニル(例えば、チエン‐3‐イル)である。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピラゾリル(例えば、ピラゾール‐4‐イル)である。
が基R4cである場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたチアジアゾリル(例えば、〔1,3,4〕チアジアゾール‐2‐イル)である、ことも開示される。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは一つのR基により置換されたチアジアゾリル(例えば、〔1,3,4〕チアジアゾール‐2‐イル)である。
一つの態様において、R4cは、一つの‐(CH2‐4‐O‐C1‐6アルキル(例えば、‐CHCH‐O‐CH)、またはC2‐6アルカノール(例えば、‐CHCHOH)により置換されたチアジアゾリルである。
一つの態様において、Rが基R4cである場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたオキソ‐ジヒドロ‐ピリジン‐3‐イル(例えば、6‐オキソ‐1,6‐ジヒドロ‐ピリジン‐3‐イル)である。
一つの態様において、Rは、塩素、エチル、C4‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐O‐Cアルキル、‐O‐C4‐6アルキル、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐2アルカノール、C4‐6アルカノール、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOC1‐6アルキル、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐NMe(C2‐6アルキル)、‐(CH‐N‐(C2‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、‐(CH‐SONR、Rにより置換されたピペラジン、またはピペリジニル、または‐O‐ピペリジニル基を表し、ここで該ピペリジニル基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されている。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4aはハロゲン(例えば、塩素)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、Rはピリジニル(例えば、ピリジン‐3‐イル)を表す。
一つの態様において、RおよびRが独立して水素またはC3‐8シクロアルキルを表す場合、R4aは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたオキサジアゾール、チアジアゾール、またはピリミジンを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4aは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたオキサジアゾール、チアジアゾール、またはピリミジンを表す。
一つの態様において、Rが基R4aである場合、R4aは1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたフェニルである。
一つの態様において、Rが基R4aである場合、R4aは1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたフェニルである。
一つの態様において、RまたはR基はフェニル環の3または4位、特にフェニル環の4位に存在する。
一つの態様において、Rが基R4aである場合、R4aは1以上(例えば、1、2、または3)のハロゲン(例えば、フッ素)基により置換されたフェニルである。
別な態様において、R4aは4‐フルオロ‐フェニルを表す。
一つの態様において、Rが基R4aである場合、R4aは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐2‐イルである。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4bは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換された芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンまたはトリアジン)を表す。別の態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4bは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換された芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、またはトリアジン)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4bは1以上(例えば、1、2、または3)のR基(例えば、フッ素またはNH)によって場合により置換された芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリミジン‐2‐イル)を表す。別の態様において、Aは芳香族6員ヘテロ環式基(例えば、ピリジニル)を表す基Aである。更に別の態様において、Rは水素である。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4bはハロゲン(例えば、塩素)、‐X‐R(例えば、‐C≡C‐シクロプロピル)、または1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、‐ピペリジニルまたは‐アゼチジニル)によって場合により置換された芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリダジニル、チアジアゾリル、ピリミジニル、またはピラゾリル)を表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基(例えば、‐COO‐t‐Bu)によって場合により置換されてもよい。
一つの態様において、R4bは非置換チアジアゾール、非置換ピリジニル(例えば、ピリジン‐2‐イル)、非置換ピリミジニル(例えば、ピリミジン‐2‐イル)、または場合によりC1‐6アルキル(例えば、メチル)で置換されたピリダジニル(例えば、ピリダジン‐3‐イル)を表す。
一つの態様において、R4bは非置換チアジアゾール、非置換ピリジニル(例えば、ピリジン‐2‐イル)、非置換ピリミジニル(例えば、ピリミジン‐2‐イル)、場合によりC1‐6アルキル(例えば、メチル)で置換されたピリダジニル(例えば、ピリダジン‐3‐イル)、または‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、Yが結合である場合)で置換されたピラゾリルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、Rが水素またはC1‐6アルキル(例えば、エチル)を表す場合、R4bは塩素以外の基を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cはアミノ(例えば、‐NH)基を表す。一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは‐NH以外のアミノ基を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐C(Me)‐CH‐OH)、‐(CR‐COOR(例えば、‐C(Me)‐COOHまたは‐C(Me)‐COO‐Et)、‐(CH‐NR(例えば、‐CH‐NH)、‐(CR‐CONR(例えば、‐C(Me)‐CONH、‐C(Me)‐CONHMe、‐C(Me)‐CON(Me)、‐C(Me)‐CONH‐シクロプロピル、‐C(Me)‐CONH‐(CH‐N(Et))、‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、アゼチジニルまたは‐C(Me)‐CO‐アゼチジニル)により置換されたピラゾリルを表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のC1‐6アルキル(例えば、メチル、エチルまたはイソプロピル)、‐COR(例えば、‐COMe)、‐(CR‐COOR(例えば、‐COO‐t‐Bu)または‐SO‐R(例えば、‐SOMe)によって場合により置換されてもよい。
が水素を表す場合、RはC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表し、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐C(Me)‐CH‐OH)、‐(CR‐COOR(例えば、‐C(Me)‐COOHまたは‐C(Me)‐COO‐Et)、‐(CR‐CONR(例えば、‐C(Me)‐CONH、‐C(Me)‐CONHMe、‐C(Me)‐CON(Me)、‐C(Me)‐CONH‐(CH‐N(Et))、‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、アゼチジニルまたは‐C(Me)‐CO‐アゼチジニル)によって場合により置換されたピラゾリルを表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のC1‐6アルキル(例えば、メチル、エチルまたはイソプロピル)、‐COR(例えば、‐COMe)または‐SO‐R(例えば、‐SOMe)によって場合により置換されてもよい、ことも開示される。
が水素を表す場合、RはC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表し、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐C(Me)‐CH‐OH)、‐(CR‐COOR(例えば、‐C(Me)‐COOHまたは‐C(Me)‐COO‐Et)、‐(CR‐CONR(例えば、‐C(Me)‐CONH、‐C(Me)‐CONHMe、‐C(Me)‐CON(Me)、‐C(Me)‐CONH‐(CH‐N(Et))、‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、アゼチジニルまたは‐C(Me)‐CO‐アゼチジニル)により置換されたピラゾリルを表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のC1‐6アルキル(例えば、メチル、エチルまたはイソプロピル)、‐COR(例えば、‐COMe)、‐SO‐R(例えば、‐SOMe)、またはC1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐CH‐OH)基によって場合により置換されてもよい、ことも開示される。
一つの態様において、Rが水素を表す場合、RはC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表し、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC4‐6アルキル、C3‐6アルカノール(例えば、‐C(Me)‐CH‐OH)、‐(CR‐COOR(例えば、‐C(Me)‐COOHまたは‐C(Me)‐COO‐Et)、‐(CR‐CONR(例えば、‐C(Me)‐CONH、‐C(Me)‐CONHMe、‐C(Me)‐CON(Me)、‐C(Me)‐CONH‐(CH‐N(Et))、‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、アゼチジニルまたは‐C(Me)‐CO‐アゼチジニル)により置換されたピラゾリルを表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のC1‐6アルキル(例えば、メチル、エチルまたはイソプロピル)、‐COR(例えば、‐COMe)、‐SO‐R(例えば、‐SOMe)、またはC1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐CH‐OH)基によって場合により置換されてもよい。
が水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロC1‐6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)または‐Y‐ヘテロシクリル基(例えば、テトラヒドロフラニルまたは‐(CH‐ピペリジニル)により置換されたチアジアゾリルを表す、ことも開示される。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、一つのR基、例えばハロC1‐6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、‐(CH‐NR(例えば、ジエチルアミノエチル、‐NH、‐NHCHCH、‐NH(CH‐O‐CH、‐NHシクロプロピル)または‐Y‐ヘテロシクリル基(例えば、テトラヒドロフラニルまたは‐(CH‐ピペリジニル)により置換されたチアジアゾリルを表す。別の態様において、ヘテロシクリルはピロリジンを表し、Yはエチルを表す。更に別の態様において、‐Y‐ヘテロシクリルはピロリジン‐1‐イル‐エチルを表す。別の態様において、ヘテロシクリルはピリジニルを表し、Yは‐NR‐(CH‐(例えば、‐NH‐)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換されたN連結イミダゾリルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表す場合、RはハロC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐CF)を表し、R4cは単一の置換基により置換されたN連結イミダゾリルを表し、該置換基は2‐メチル以外である。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換された‐(CH‐イミダゾリル(例えば、‐(CH‐イミダゾリル)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロゲン(例えば、塩素)、C1‐6アルキル(例えば、メチル)、‐OR(例えば、メトキシ)、=O、‐(CH‐NR(例えば、‐N(Me)、‐N‐C(Me)‐CH‐OH、‐NH‐(CH‐OHまたは‐NH‐(CH‐O‐Me)、‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、‐アゼチジニル、‐ピペリジニル、‐NH‐ピペリジニル、ピペラジニル、‐モルホリニル、‐NH‐テトラヒドロピラニル)によって場合により置換されたピリダジニル(例えば、ピリダジン‐3‐イル)を表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のC1‐6アルキル(例えば、メチル)、=Oまたは‐(CH‐NR(例えば、‐NHまたは‐N(Me))によって場合により置換されてもよい。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロゲン(例えば、塩素)、C1‐6アルキル(例えば、メチル)、‐OR(例えば、メトキシ)、=O、‐(CH‐CN(例えば、CN)、‐(CH‐NR(例えば、‐N(Me)、‐N‐C(Me)‐CH‐OH、‐NH‐(CH‐OHまたは‐NH‐(CH‐O‐Me)、‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、‐アゼチジニル、‐ピペリジニル、‐NH‐ピペリジニル、ピペラジニル、‐モルホリニル、‐NH‐テトラヒドロピラニル)により置換されたピリダジニル(例えば、ピリダジン‐3‐イル)を表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のC1‐6アルキル(例えば、メチル)、または‐(CH‐NR(例えば、‐NHまたは‐N(Me))によって場合により置換されてもよい。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがハロC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐CF)を表す場合、R4cは1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピリダジニル(例えば、ピリダジン‐3‐イル)を表す。別の態様において、R4cはピリダジニル(例えば、ピリダジン‐3‐イル)を表し、一つのC1‐6アルキル(例えば、メチル)基により置換されている。更に別の態様において、Aは基Aであり、フェニル基を表し、Rは水素を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、‐(CH‐NR(例えば、‐NH)、‐OR(例えば、ヒドロキシまたはメトキシ)によって場合により置換されたピラジニル(例えば、ピラジン‐2‐イル)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、または‐OR(例えば、ヒドロキシまたはメトキシ)によって場合により置換されたピラジニル(例えば、ピラジン‐2‐イル)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロC1‐6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)によって場合により置換されたピラジニル(例えば、ピラジン‐3‐イル)を表す。
が水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えば‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、‐アゼチジニル、‐ピペラジニル)によって場合により置換されたピリミジン‐5‐イルを表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のハロゲン(例えば、フッ素)、=OまたはC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換されてもよい、ことも開示される。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロC1‐6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、または‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、‐アゼチジニル、‐ピペラジニル)によって場合により置換されたピリミジン‐5‐イルを表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のハロゲン(例えば、フッ素)、=O、またはC1‐6アルキル(例えば、メチル)により置換されている。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばハロゲン(例えば、フッ素、塩素)、=O、C1‐6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐CHOH、‐CHOHCH、‐COH(CH)、ハロC1‐6アルキル(例えば、トリフルオロメチル、‐CFCH)、‐OR(例えば、メトキシ、エトキシ、‐OCHCHOH)、‐COR(例えば、‐COCH)、‐(CR‐CONR(例えば、CONH)、‐(CH‐NR(例えば、‐NH、‐N(Me)、‐NHMe、‐NH‐CH‐CH‐OH、‐NH‐CH‐CH、‐NHシクロプロピル、‐NH(C)、‐NH‐CH‐CHNH、‐CHN(CH、‐N(COOCCH)、‐(CH‐CN、‐(CH‐NRCO(例えば、NHCO(CHCH、‐NHCOCHCH、NHCOCHCH(CHまたは‐NHCO(CHCH)、‐(CR‐COOR(例えば、‐COOCHCH、‐COOCHまたは‐COOH)、‐(CH‐NRSO‐R(例えば、NHSO‐CH)、‐(CH‐NH‐SO‐NR(例えば、NHSON(CH)、または‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、‐ピペリジニル、‐アゼチジニル、イミダゾリル、モルホリン)によって場合により置換されたピリミジン‐2‐イルを表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)の‐OR(例えば、ヒドロキシ)、‐(CH‐NR(例えば、‐NH)またはC1‐6アルカノール(例えば、‐CHCHOH)基によって場合により置換されてもよい。別の態様において、Yは結合、‐(CR‐CO‐(例えば、‐CO‐)、または‐(CH‐(CR(例えば、‐CH)を表す。
が水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換されたピリミジン‐4‐イルを表す、ことも開示される。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)、ハロC1‐6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、‐OR(例えば、メトキシ)、‐S‐R(例えば、‐S‐CH)、=O、‐(CH‐NR(例えば、NH、‐NH(C)、‐N(CH)、‐(CHNHC1‐6アルキル(例えば、‐NH‐CH)、‐(CHN(C1‐6アルキル)(例えば、‐N(CH)、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル(例えば、‐CH‐O‐CH)または‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、アゼチジニル、ピペラジニル、イミダゾリル)によって場合により置換されたピリミジン‐4‐イルを表し、ここで該‐Y‐ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルカノール(例えば、‐CHCHOH)、‐(CH‐NRCO(例えば、NHCOC(CH)、‐(CH‐SONR(例えば、SON(CH)基によって場合により置換されてもよい。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えば‐(CH‐CONR(例えば、‐CONH)により置換されたチオフェニルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐OHまたは‐(CH‐OH)、ハロC1‐6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ハロゲン(例えば、フッ素)、‐OR(例えば、ヒドロキシ、メトキシ、またはエトキシ)、‐(CH‐CONR(例えば、‐CONHまたは‐CONHCH)、‐(CH‐NR(例えば、‐NH)または‐Y‐ヘテロシクリル基(例えば、モルホリン)によって場合により置換されたピリジン‐2‐イルを表し、ここで該ヘテロシクリル基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もある。別の態様において、Yは結合または‐CO‐(CH(例えば、‐CO‐)基を表す。
が水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えば‐Y‐ヘテロシクリル(例えば、‐ピペリジニル)により置換されたピリジン‐3‐イルを表す、ことも開示される。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばピペリジニルにより置換されたピリジン‐3‐イルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えば‐(CH‐NRCO(例えば、‐CHNH‐COOC(CH)、‐(CH‐NR(例えば、‐CH‐NHまたは‐NH)または‐(CH‐NH‐SO‐NR(例えば、‐NH‐SO‐N(CH)により置換されたピペリジニル基のような1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピリジン‐3‐イルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピリジン‐4‐イルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、=O、または‐(CR‐COOR(例えば、‐COO‐t‐ブチル)によって場合により置換されたチアゾリルまたはチアジアゾリル環を含有する、二環式ヘテロ環式基(例えば、ジヒドロシクロペンタチアゾリル、チアジアゾロピリミジニル、またはテトラヒドロチアゾロピリジニル)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)または=Oによって場合により置換されたチアゾリルまたはチアジアゾリル環を含有する、二環式ヘテロ環式基(例えば、ジヒドロシクロペンタチアゾリル、チアジアゾロピリミジニル、またはテトラヒドロチアゾロピリジニル)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)または=Oによって場合により置換されたチアゾリルまたはチアジアゾリル環を含有する、二環式ヘテロ環式基を表す。別の態様において、R4cはメチル基で置換されたイミダゾチアジアゾリルまたはベンゾチアゾリルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換されたトリアジニルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたオキソ‐ジヒドロ‐ピリジン‐3‐イル(例えば、6‐オキソ‐1,6‐ジヒドロ‐ピリジン‐3‐イル)を表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、炭素原子の一つにおいて基Rからの置換基と、他の炭素原子において基Rからの置換基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)、‐(CH‐NR(例えば、NHCH)または‐OR(例えば、メトキシ)で置換された、N‐非置換ピリジン‐3‐イルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは、1以上(例えば、1、2、または3)のC2‐6アルカノール基(例えば、‐(CH‐OH、‐COH(CH)により置換されたフェニルを表す。
一つの態様において、Rは、(a)〜(h)、(j)〜(k)、(m)〜(r)、(u)、(w)、(x)、および(y)のいずれか一つから選択される、基R4cである。
一つの態様において、Rは、(b)〜(d)、(f)、(h)、(j)〜(k)、(m)〜(r)、(u)、(w)、(x)、および(y)のいずれか一つから選択される、基R4cである。
一つの態様において、Rは、(b)、(c)、(f)、(h)、(n)〜(r)、(u)、(w)、(x)、および(y)のいずれか一つから選択される、基R4cである。
一つの態様において、Rは、(b)、(c)、(h)、(n)、(o)、(p)、(q)、(r)、(u)、(w)、(x)、および(y)のいずれか一つから選択される、基R4cである。
一つの態様において、Rは、(b)、(h)、(n)、(o)、(p)、(q)、(u)、および(w)のいずれか一つから選択される、基R4cである。
一つの態様において、Rは、(b)、(h)、(o)、(p)、(q)、(u)、および(w)のいずれか一つから選択される、基R4cである。
一つの態様において、R4cは(b)である。
一つの態様において、R4cは(n)である。
一つの態様において、R4cは非置換ピリミジン‐2‐イルである。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表し、Aが、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基(例えば、非置換フェニル)を表すAである場合、RはC1‐6アルキルを表し、R4dはメチルを表す。別の態様において、RおよびR4dは双方ともメチルを表す。
一つの態様において、Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキル(例えば、エチルまたは‐CH‐CF)を表す場合、R4cは‐X‐R基を表す。別の態様において、Xは‐CH=CH‐を表し、RはC1‐6アルカノール(例えば、‐CHOH)または芳香族ヘテロ環式基、例えばピリジニルまたはイミダゾリルを表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)またはC1‐6アルカノール(例えば、‐CHOH、‐CHCHOH)によって場合により置換されている。
一つの態様において、Rは‐(CH‐NR、C1‐6アルカノール、C3‐8シクロアルキルあるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい。
一つの態様において、Rは‐(CH‐NR、C1‐6アルカノール、C4‐8シクロアルキルあるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい。
Xが‐C≡C‐基を表す場合、Rは‐(CH‐NR(例えば、‐CH‐N(Me))、C1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐OH、‐(CH‐OHまたは‐CH(OH)‐Me)、C3‐8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)あるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チエニルまたはピペリジニル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)または‐OR(例えば、‐OH)によって場合により置換されてもよい、ことも開示される。
Xが‐C≡C‐基を表す場合、一つの態様において、Rは‐(CH‐NR(例えば、‐CH‐N(Me))、C1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐OH、‐(CH‐OHまたは‐CH(OH)‐Me)、C4‐8シクロアルキルあるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チエニル、またはピペリジニル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)または‐OR(例えば、‐OH)によって場合により置換されてもよい。
Xが‐C≡C‐基を表す場合、Rは‐(CH‐NR(例えば、‐CH‐N(Me))、C1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐OH、‐(CH‐OHまたは‐CH(OH)‐Me)、C3‐8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)あるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チエニルまたはピペリジニル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)または‐OR(例えば、‐OH)によって場合により置換されてもよい、ことも開示される。別の態様において、Xが‐C≡C‐基を表す場合、Rは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チエニル、またはピペリジニル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)または‐OR(例えば、‐OH)によって場合により置換されてもよい。別の態様において、Xが‐C≡C‐基を表す場合、Rは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チエニル、またはピペリジニル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換されてもよい。
Xが‐C≡C‐基を表す場合、別の態様において、Rは‐(CH‐NR(例えば、‐CH‐N(Me))、C1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐OH、‐(CH‐OHまたは‐CH(OH)‐Me)、C4‐8シクロアルキルあるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チエニル、またはピペリジニル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)または‐OR(例えば、‐OH)によって場合により置換されてもよい。別の態様において、Xが‐C≡C‐基を表す場合、Rは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チエニル、またはピペリジニル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)または‐OR(例えば、‐OH)によって場合により置換されてもよい。別の態様において、Xが‐C≡C‐基を表す場合、Rは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基(例えば、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チエニル、またはピペリジニル)を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換されてもよい。
更に別の態様において、Xが‐C≡C‐基を表す場合、Rは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換された、芳香族ヘテロ環式基(例えば、イミダゾリル)を表す。
Xが‐C≡C‐基を表す場合、一つの態様において、Rは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換された、芳香族ヘテロ環式基(例えば、イミダゾリル)を表す。
Xが‐(CH‐(例えば、‐(CH‐)基を表す場合、一つの態様において、Rは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基、例えばC1‐6アルキル(例えば、メチル)によって場合により置換された、芳香族ヘテロ環式基(例えば、イミダゾリル)を表す。
一つの態様において、qは2である。
一つの態様において、Rが水素を表し、Rがシクロプロピルを表す場合、R4aはアミノ、C1‐6アルキル、‐X‐Rあるいは芳香族もしくは非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式またはヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい。
一つの態様において、RまたはRは、1以上のR基(例えば、メチル)によって場合により置換された、イミダゾールを表す。
一つの態様において、Xは‐(CH‐を表す。
一つの態様において、Xは‐(CH‐を表し、RまたはRは、1以上のR基によって場合により置換された芳香族ヘテロ環式基を表す。
一つの態様において、Xは‐CH=CH‐を表す。
一つの態様において、Xは‐CH=CH‐を表し、RまたはRは、1以上のR基によって場合により置換された芳香族ヘテロ環式基を表す。
一つの態様において、Xは‐C≡C‐を表す。
一つの態様において、Xは‐C≡C‐を表し、RまたはRは、1以上のR基によって場合により置換された芳香族ヘテロ環式基を表す。
一つの態様において、Yは‐(CR‐CO‐を表す。
一つの態様において、Yは‐NR‐(CH‐または‐(CH‐NR‐を表し、ここでsはゼロである。
一つの態様において、Rは‐(CRCONRであり、ここでRおよびRは双方とも水素であることはない。
一つの態様において、R、R、R、R、R、R、R、またはRはC1‐6アルカノールである。
一つの態様において、R、R、R、およびRは独立して水素、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、C1‐6アルキル‐N(C1‐6アルキル)、C1‐6アルキル‐NH(C1‐6アルキル)を表し、または窒素原子へ結合されている場合、R、R、R、およびRは環を形成している場合もある。
一つの態様において、R、R、R、およびRのうち一つは水素を表し、他は‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、C1‐6アルキル‐N(C1‐6アルキル)、またはC1‐6アルキル‐NH(C1‐6アルキル)を表し、または窒素原子へ結合されている場合、R、R、R、およびRは環を形成していてもよい。
一つの態様において、R、R、R、およびRのうち一つは、窒素原子へ結合されている場合、環を形成している。
具体的態様は:
(i)RおよびRが、独立して、水素またはC3‐8シクロアルキルを表す場合、
Aは、芳香族炭素環式基を表す基Aであり、
は、水素を表し、
は、ハロゲン、‐X‐Rあるいは芳香族もしくは非芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表す基R4aであり、ここで該炭素環式またはヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基(例えば、メチルまたはフルオロ、‐NH)によって場合により置換されてもよく、
(ii)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、芳香族5員ヘテロ環式を表す基Aであり、
は、水素を表し、
は、ハロゲンを表す基R4aであり、
(iii)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、芳香族6員ヘテロ環式基を表す基Aであり、
は、水素を表し、
は、ハロゲン、‐X‐Rまたは芳香族ヘテロ環式基を表す基R4bであり、ここで該ヘテロ環式基がピラゾリル、オキサジアゾリル、またはテトラゾリル以外である場合、該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もあり、あるいは該ヘテロ環式基がピラゾリル、オキサジアゾリルまたはテトラゾリルである場合、該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されてもよく、
(iv)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表す場合、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表す基Aであり、
は、水素を表し、
は:
(a)アミノ、
(b)‐X‐R
(c)1以上(例えば、1、2、または3)のC2‐6アルカノール基により置換されたフェニル、
(d)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリダジニル、
(e)窒素原子またはC‐2もしくはC‐5原子において1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって、またはC‐4原子において一つのR基によって場合により置換されたN連結イミダゾリル、
(f)窒素原子の一方または双方において一または二つのR基によって場合により置換された、あるいは一または二つの炭素原子において一または二つのR基によって場合により置換されたC連結イミダゾリル、
(g)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピラジニル、
(h)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたチオフェニル、
(j)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたチアゾリルまたはチアジアゾリル環を含む二環式ヘテロ環式基、
(k)一または二つのR基によって場合により置換されたトリアジニル、
(m)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピラゾリル、
(n)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐2‐イル、
(o)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐4‐イル、
(p)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基によって場合により置換されたピリミジン‐5‐イル、
(q)一つのR基により置換されたチアジアゾリル、
(r)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたピリジン‐2‐イル、
(s)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたピリジン‐3‐イル、
(t)1以上(例えば、1、2、または3)のR基または2以上(例えば、2、3、または4)のR基により置換されたピリジン‐4‐イル、
(u)2位において‐O‐C1‐6アルキルにより置換され、かつ1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換された、ピリジン‐3‐イル、
(w)1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されたオキソ‐ジヒドロ‐ピリジン‐3‐イル、
(x)1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたN‐メチルピラゾリル、
(y)炭素原子の一つにおいて基Rからの置換基で置換され、かつ他の炭素原子において基Rからの置換基で置換された、N‐非置換ピリジン‐3‐イル、
を表す、(a)〜(h)、(j)〜(k)、(m)〜(u)、および(w)〜(y)のいずれか一つから選択される、基R4cであり、
(v)Rが水素を表し、RがC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表し、Aが、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表すAである場合、
は、C1‐6アルキルを表し、
は、C1‐6アルキルを表す基R4dであり、あるいは
(vi)Rが水素を表し、RがハロC1‐6アルキルを表し、Aが、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表すAである場合、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、非置換ピリジン‐3‐イル、非置換ピリジン‐4‐イル、または非置換ピペリジンで置換された3‐ピリジニルを表す、基R4eであり、
Xは‐(CH‐、‐CH=CH‐、または‐C≡C‐を表し、
は、‐(CH‐NR、C1‐6アルキル、C1‐6アルカノール、C3‐8シクロアルキルあるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、‐(CH‐NR、C2‐6アルキル、C1‐6アルカノール、C4‐8シクロアルキルあるいは芳香族または非芳香族ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
、R、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、‐C1‐6アルキル‐N(C1‐6アルキル)、‐C1‐6アルキル‐NH(C1‐6アルキル)、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、または窒素原子へ結合されている場合、R、R、R、およびRは環を形成している場合もあり、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、R基または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
Yは、結合、‐CO‐(CH‐、‐(CR‐CO‐、‐COO‐、‐(CH‐(CR‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
は、塩素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C4‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C3‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐CH‐NR、‐(CH3‐4‐NR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、‐(CH‐SONR、または‐(CH‐SONHR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C3‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C4‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH2‐4‐O‐C1‐6アルキル、‐(CH‐O‐C2‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C2‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、塩素、エチル、C4‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐O‐Cアルキル、‐O‐C4‐6アルキル、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐2アルカノール、C4‐6アルカノール、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOC1‐6アルキル、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐NMe(C2‐6アルキル)、‐(CH‐N‐(C2‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、‐(CH‐SONR、Rにより置換されたピペラジン、あるいはピペリジニル、または‐O‐ピペリジニル基を表し、ここで該ピペリジニル基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換され、
は、塩素、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C2‐6アルコキシ、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐2アルカノール、C4‐6アルカノール、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表す、
は、ハロゲン、C3‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、‐Y‐(4員ヘテロ環式)基(該4員ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換されている)、または‐Y‐(5‐10員ヘテロ環式)基(該5‐10員ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよい)を表し、
は、ハロゲン、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC2‐6アルキル、モノハロメチル、ジハロメチル、ハロC1‐6アルコキシ、C2‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐NH(C1‐6アルキル)、‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されてもよく、
nおよびqは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す、
あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物、または誘導体である。
本発明の範囲内には上記の具体的態様も含まれ、上記態様の一つまたは、可能であれば、それ以上が組み込まれる、と理解される。
一つの態様において、式(I)の化合物は式(Ia)の化合物である:
Figure 0005596023
(上記式中、RおよびRは式(I)の化合物に関して上記で定義されている通りである。)
一つの態様において、式Iの化合物は1‐〔5‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)チアゾール‐2‐イル〕‐3‐エチル尿素塩酸塩ではない。
一つの態様において、式Iの化合物は:
Figure 0005596023
ではない。
一つの態様において、式Iの化合物は:
Figure 0005596023
ではない。
一つの態様において、式Iの化合物は:
Figure 0005596023
ではない。
上記式(Ia)における可変要素の具体的態様が式(I)に関して上記で概述された通りであることは、明らかであろう。
一つの態様において、式(I)の化合物は上記で定義されているような式(Ia)の化合物である。
一つの態様において、式(I)の化合物は実施例1〜248または250〜253、255〜337から選択される化合物である。一つの態様において、式(I)の化合物は実施例1〜125、126A〜159A、126B、130B〜133B、135B〜142B、144B〜146B、148B〜150B、152B、154B、155B、157B〜159Bおよび160〜164、165A、165B、166〜248および250〜253、255〜337から選択される化合物である。一つの態様において、式(I)の化合物は実施例1〜125および126A〜159Aから選択される化合物である。別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜125から選択される化合物である。別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜116および118〜125から選択される化合物である。別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜24、26〜76、78〜83、85〜114、118、および120〜125から選択される化合物である。別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜24、26〜38、40〜53、56、58〜70、72〜76、78〜83、85〜87、89〜102、114、および116から選択される化合物である。別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜19、21〜24、26〜38、40〜53、56、58〜64、66〜70、72〜76、78〜83、85〜87、89〜94、96〜102、および114から選択される化合物である。
式(I)の化合物の製造方法
このセクションでは、この出願の他の全セクションの場合のように、内容がそれ以外を示していない限り、式(I)への言及には、式(Ia)と、本願明細書で定義されているようなそのすべての他のサブ群および例も含む。下記スキームにおいて基ArまたはCYCへの言及には、適宜に、式Iで定義されているような、場合により置換された基Aおよび/またはRに関する。
式(I)の化合物は、当業者に周知の合成法に従い製造しうる。特に、式(I)の化合物は、芳香族クロロ、ブロモ、ヨード、またはプソイドハロゲン、例えばトリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)またはトシレート化合物と、芳香族ボロン酸またはスタネート誘導体とのパラジウム媒介カップリング化学により、容易に製造される。特に、鈴木カップリング化学がこれら化合物の合成に広く適用しうる。鈴木反応は、パラジウム触媒、例えばビス(トリ‐t‐ブチルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたはパラダサイクル触媒(例えば、Bedford,R.B.and Cazin,C.S.J.(2001)Chem.Commun.,1540-1541において記載されたパラダサイクル触媒)、および以下で更に詳細に記載されているような塩基(例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩)の存在下において、典型的条件下において行われる。反応は極性溶媒、例えば水性エタノールを含めた水性溶媒系、またはジメトキシエタンまたはジオキサンのようなエーテル中で行われ、反応混合物は典型的には加熱、例えば80℃以上の温度、例えば100℃超の温度に付される。
スキーム1において示されているように、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンコアは市販出発物質から合成され、3,7‐二置換環を生じる。
4‐クロロピリジン‐2‐イルアミンまたは4‐ブロモピリジン‐2‐イルアミンは、適切な溶媒および塩基中で、還流下においてクロロアセトアルデヒドで環化され、イミダゾピリジン環を生じる。次いで、7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンは、適切な溶媒中で、例えば室温においてN−ヨードスクシンイミドを用いて、ヨウ素化される。
適切な官能基が次いで、例えばある範囲の金属触媒反応を用いて、ハロゲン化位置に加えられる。特に、適切に官能基化されたボロン酸またはそれらのボロン酸エステルはアリールハライドと反応させうる。鈴木反応として通常知られるこの変換は、Rossi et al.(2004)Synthesis,15,2419で概説されていた。
鈴木反応は、水および有機溶媒の混合物中でよく行われる。適切な有機溶媒の例としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4‐ジオキサン、1,2‐ジメトキシエタン、アセトニトリル、N‐メチルピロリジノン、エタノール、メタノール、およびジメチルホルムアミドがある。反応混合物は典型的には加熱、例えば100℃超の温度に付される。反応は塩基の存在下において行われる。適切な塩基の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムおよびリン酸カリウムがある。適切な触媒の例としては、ビス(トリ‐t‐ブチルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、〔1,1′‐(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕ジクロロパラジウム(II)、ジクロロビス(トリ‐o‐トリルホスフィン)パラジウム(II)、2′‐(ジメチルアミノ)‐2‐ビフェニリル‐パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体および2‐(ジメチルアミノ)フェロセン‐1‐イル‐パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体がある。一部の場合には、追加リガンドがカップリング反応を促進するために加えられる。適切なリガンドの例としては、トリ‐t‐ブチルホスフィン、2,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1‐ビナフチル、トリフェニルホスフィン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,1′‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリシクロヘキシルホスフィン、9,9‐ジメチル‐4,5‐ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、1,3‐ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2‐(ジ‐t‐ブチルホスフィノ)ビフェニル、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′‐(n,n‐ジメチルアミノ)ビフェニル、トリ‐o‐トリルホスフィン、2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′,4′,6′‐トリイソプロピルビフェニル、トリ(2‐フリル)ホスフィン、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′,6′‐ジメトキシビフェニルおよび2‐ジ‐tert‐ブチルホスフィノ‐2′,4′,6′‐トリイソプロピルビフェニルがある。
Figure 0005596023
ハライドの可能な金属触媒官能基化の他の例は、有機スズ試薬(Stille反応)、Grignard試薬との反応、および窒素求核剤との反応である。これら変換の一般概観および別な主要なリファレンスは、‘Palladium Reagents and Catalysts’〔Jiro Tsuji,Wiley,ISBN 0-470-85032-9〕およびHandbook of OrganoPalladium Chemistry for Organic Synthesis〔Volume 1,Edited by Ei-ichi Negishi,Wiley,ISBN 0-471-31506-0〕に掲載されている。
利用しうる別の反応は、アリールアミンのパラジウム触媒合成のための手段を提供するBuchwald-Hartwig型反応(Review:Hartwig,J.F.(1998)Angew.Chem.Int.Ed.,37,2046-2067参照)である。出発物質は、ナトリウムtert‐ブトキシドのような強塩基およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))のようなパラジウム触媒または2,2′‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1′‐ビナフチル(BINAP)の存在下における、アリールハライドまたはプソイドハライド(例えば、トリフレート)および一級または二級アミンである。
スキーム1で概述された反応の順序は、概述されているように変更できる。一方、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンの7位におけるハロゲン官能基はボロン酸またはエステルへ変換させ、スキーム2で概述されているような代わりのモチーフを合成するために用いうる。これは次いで本願明細書で概述された金属触媒反応のいずれかに直接用いうる。例えば、ハライドからボロネートへの変換の場合、ハライドは適切な溶媒、例えばジオキサン、および塩基、例えばKOAc中において、パラジウム触媒およびホスフィンリガンド、および適切な置換ホウ素化合物と反応される。
Figure 0005596023
薗頭反応は、アリールハライド(またはプソイドハライド)およびアルキンの反応による内部アリールアルキニル化合物へのアクセス法を提供する、周知の反応である(総説論文:Chinchilla,R.,Najera,C.;(2007)Chem.Rev.,107,8740参照)。典型的な反応条件として、パラジウム触媒、銅(I)助触媒および塩基を用いる。最近、銅およびアミン(塩基)の使用を避ける方法が開発されてきた(Liang,Y.;Xie,Y.-X.;Li,J,-H.;(2006)J.Org.Chem.,71,379)。
薗頭反応は、効率的なアルキンへのアクセス法を提供する。アリール‐アルキニルまたはアルキル‐アルキニル化合物へのアクセス法を提供するために、溶媒中パラジウム触媒および塩基の存在下で加熱しながら、適切なクロロイミダゾピリジンが適切なアルキン、例えばエチニル化合物と反応される。
Figure 0005596023
化合物は、触媒としてPdCl(PCy、塩基としてCsCOおよび溶媒としてDMSOを利用する銅フリー方法により製造された(Chenyi,T.and Hua,R.,(2006)J.Org.Chem.,71,2535)。
薗頭反応で使用のアルキンカップリングパートナーは、適切なヨード置換ヘテロサイクルおよびエチニル‐トリメチル‐シランから、不活性雰囲気中塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下でヨウ化銅およびパラジウム触媒と一緒に二者を反応させることにより製造しうる。アルキンカップリングパートナーにおけるトリメチルシリル基は次いで、室温においてメタノール中炭酸カリウムのような塩基の存在下で攪拌することにより、薗頭反応で使用のために除去される。
更に、内部アルキン官能基はアルケンまたはアルカンを形成するために還元することもでき、こうして式XXIのアルキンはPdおよびHを用いて一般式イミダゾピリジン‐CHCHRの化合物へ水素化しうる。
アルケンは被毒パラジウムを用いる選択的水素化を用いた各アルキン前駆体の選択的部分還元によっても製造でき、あるいはWittig型化学を用いてホルミル‐イミダゾピリジン化合物およびリンイリドから製造することもできる。
合成されると、式(I)の別な化合物、特に式(II)の化合物を生成するために、ある範囲の官能基変換がジ‐アリールまたはアルキニル置換イミダゾピリジン化合物で用いうる。例えば、次の反応、例えばRaneyニッケル触媒を用いる水素化、加水分解、脱保護、および酸化のうち一部が用いられる。
特に式(I)の化合物の合成の場合、イミダゾピリジンハライドは、尿素結合形成向けのアミノ前駆体を形成するために、適切な金属触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリドを用いて3‐アミノベンゼンボロン酸と反応させられる。スキーム3において概述されているように、導入されたアミン官能基は尿素類を合成するために用いられる。
Figure 0005596023
尿素類も、標準法を用いて製造しうる。例えば、このような化合物はDMFのような極性溶媒中でアミノ化合物を適切な置換イソシアネートと反応させることにより製造される。反応は便宜上室温において行われる。
一方、式(I)の尿素類はカルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下においてアミンを適切な置換アミンと反応させることにより製造される。反応は、典型的には、約150℃までの温度へ(例えば、マイクロ波ヒーターを用いて)加熱しながら、THFのような極性溶媒中で行われる。CDIを用いる代わりに、尿素を形成するアミン2種のカップリングは、室温以下で、ジクロロメタンのような溶媒中、トリエチルアミンのような非干渉性塩基の存在下においてトリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)を用いて行える。CDIに代わる別法として、ホスゲンもトリホスゲンの代わりに用いられる。
尿素官能基を合成するための別法は、当業者に周知の条件下において、アミン化合物をp‐ニトロフェノールクロロホルメートと反応させることによる。得られたカルバメート化合物は次いで適切なアミン、例えばトリフルオロエチルアミンまたはシクロプロピルアミンと反応される。
加えて、尿素化合物は、鈴木反応で適切な置換ボロン酸、例えば1‐メチル‐3‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕尿素または3‐メトキシ‐5‐ニトロフェニルボロン酸ピナコールエステルの使用により合成されうる。これらは本願明細書で記載されているように合成される。
尿素類は、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,1992において記載されているように、ある範囲の周知官能基変換を用いて、アミン中間体からも合成しうる。
これら反応のために適した出発物質および試薬は市販されているか、あるいは当業者に周知の多数の標準合成法のいずれかにより得られる:例えば、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,1992およびOrganic Syntheses,Volumes 1-8,John Wiley,edited by Jeremiah P.Freeman(ISBN:0-471-31192-8),1995参照、更に以下の実験セクションにおいて記載された方法も参照。例えば、ある範囲の適切な官能基化アニリンおよびアミノピリジン出発物質と金属触媒は市販されている。
特に、ヘテロ環式ハライドまたはプソイドハライド前駆体は市販されているか、あるいは適切な官能基化ヘテロ環式化合物から製造しうる。一方、環は標準条件下で分子内またはラジカル環化反応を用いてイミダゾピリジンスカホールドに形成してもよい。
本発明の化合物を製造する上で使用に適した多くのボロネート類、例えばボロン酸類またはエステルまたはトリフルオロボレート類は、例えばBoron Molecular Limited, Noble Park,AustraliaまたはCombi-Blocks Inc.,San Diego,USAから市販されている。適切な置換ボロネートが市販されていない場合、それらは当業界で知られた方法により、例えばMiyaura,N.and Suzuki,A.(1995)Chem.Rev.,95,2457による総説論文において記載されているように製造される。そのため、ボロネート類は、対応ブロモ化合物をブチルリチウムのようなアルキルリチウムと反応させ、次いでボレートエステル、例えば(PrO)Bと反応させることにより製造される。反応は、典型的には、テトラヒドロフランのような乾燥極性溶媒中低温(例えば、−78℃)で行われる。ボロネートエステル(例えば、ピナコラトボロネート)も、トリシクロヘキシルホスフィンのようなホスフィンおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)のようなパラジウム(0)試薬の存在下において、ビス(ピナコラト)ジボロンのようなジボロネートエステルとの反応により、ブロモ化合物から製造される。ボロネートエステルの形成は、典型的には、約100℃まで、例えば約80℃の温度へ加熱しながら、ジオキサンまたはDMSOのような乾燥極性非プロトン性溶媒中において行われる。得られたボロネートエステル誘導体は、所望であれば、対応ボロン酸を得るために加水分解されるか、またはトリフルオロボレートへ変換される。
上記反応の多くにおいて、分子上の望ましくない位置で反応を生じさせないために、一以上の基を保護することが必要となりうる。保護基の例と、官能基を保護および脱保護する方法は、Protective Groups in Organic Synthesis(T.Green and P.Wuts;3rd Edition;John Wiley and Sons,1999)においてみられる。
ヒドロキシ基は、例えば、エーテル(‐OR)またはエステル(‐OC(=O)R)として、例えばt‐ブチルエーテル、ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)、またはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル、トリメチルシリル、またはt‐ブチルジメチルシリルエーテル、またはアセチルエステル(‐OC(=O)CH、‐OAc)として保護される。アルデヒドまたはケトン基は、例えばアセタール(R‐CH(OR))またはケタール(RC(OR))として各々保護され、その場合にカルボニル基(>C=O)は、例えば一級アルコールとの反応により、ジエーテル(>C(OR))へ変換される。アルデヒドまたはケトン基は、酸の存在下において大過剰の水を用いた加水分解により、容易に再生される。アミン基は、例えば、アミド(‐NRCO‐R)またはウレタン(‐NRCO‐OR)として、例えばメチルアミド(‐NHCO‐CH)、ベンジルオキシアミド(‐NHCO‐OCH、‐NH‐Cbz)、t‐ブトキシアミド(‐NHCO‐OC(CH、‐NH‐Boc)、2‐ビフェニル‐2‐プロポキシアミド(‐NHCO‐OC(CH、‐NH‐Bpoc)、9‐フルオレニルメトキシアミド(‐NH‐Fmoc)、6‐ニトロベラトリルオキシアミド(‐NH‐Nvoc)、2‐トリメチルシリルエチルオキシアミド(‐NH‐Teoc)、2,2,2‐トリクロロエチルオキシアミド(‐NH‐Troc)、アリルオキシアミド(‐NH‐Alloc)または2‐(フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(‐NH‐Psec)として保護される。アミン類、例えば環式アミンおよびヘテロ環式N‐H基のための他の保護基には、トルエンスルホニル(トシル)およびメタンスルホニル(メシル)基およびベンジル基、例えばパラ‐メトキシベンジル(PMB)基がある。カルボン酸基は、エステル、例えばC1‐7アルキルエステル(例えば、メチルエステル、t‐ブチルエステル)、C1‐7ハロアルキルエステル(例えば、C1‐7トリハロアルキルエステル)、トリC1‐7アルキルシリル‐C1‐7アルキルエステルまたはC5‐20アリール‐C1‐7アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル、ニトロベンジルエステル)として、またはアミド、例えばメチルアミドとして保護される。チオール基は、例えば、チオエーテル(‐SR)として、例えばベンジルチオエーテル、アセトアミドメチルエーテル(‐S‐CHNHC(=O)CH)として保護される。
式(I)の化合物の製造における重要な中間体は、式(XX)の化合物である。式(XX)の新規化学中間体は本発明の別な態様を形成する。
本発明の別な態様は本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の製造方法であり、該方法は:
(i)カルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下において、下記式(XX)の化合物:
Figure 0005596023
またはその保護形態(A、R、およびRは上記で定義されている通りである)と、適切な置換イソシアネートまたは適切な置換アミンとを反応させ、その後で存在する保護基を除去し、または
(ii)下記式(XX)の化合物:
Figure 0005596023
またはその保護形態(A、R、およびRは上記で定義されている通りである)と、p‐ニトロフェニルクロロホルメートおよび適切な置換アミンとを反応させ、その後で存在する保護基を除去し、または
(iii)下記式(XXX)の化合物:
Figure 0005596023
(A、R、R、R、およびRは上記で定義されている通りである)またはその保護形態と適切な置換アルキン化合物とを反応させ、その後で存在する保護基を除去し、または
(iv)下記式(V)および(VI)の化合物:
Figure 0005596023
(R、R、R、およびRは式(I)の化合物に関して上記で定義されている通りである)を反応させ、
および場合によりその後で式(I)のある化合物を式(I)の他の化合物へ変換することを含んでなる。
一つの態様において、Rは水素を表し、RはエチルまたはCHCFを表す。代わりの態様において、Rは水素を表し、Rはシクロプロピルを表す。代わりの態様において、RおよびRは双方とも水素を表す。
本発明の別な態様によると、本願明細書で記載されているような新規中間体が提供される。
一つの態様において、新規中間体は:
N‐〔5‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)チアゾール‐2‐イル〕アセトアミド、
1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐シクロプロピル尿素、
ハロ芳香族カップリングパートナー、例えばX1〜X35、X1〜X14、および
ボロン酸/エステルカップリングパートナー、例えばY1、
から選択される。
その薬学上許容される塩、溶媒和物または誘導体
このセクションにおいて、この出願の他の全セクションの場合のように、内容がそれ以外を示していない限り、式(I)への言及には、本願明細書で定義されているようなそのすべての他のサブ群、好ましさおよび例への言及も含む。一つの態様において、式(I)の化合物への言及には、式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または溶媒和物を含む。
別記されない限り、具体的化合物への言及には、例えば以下において記載されているようなそのイオン形、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N‐オキシド、エステル、プロドラッグ、同位体、および保護形態、好ましくは、そのイオン形、塩、互変異性体、異性体、N‐オキシド、または溶媒和物、更に好ましくは、そのイオン形、塩、互変異性体、溶媒和物、または保護形態も含む。式(I)の多くの化合物は、塩、例えば酸付加塩、あるいはある場合に有機および無機塩基の塩、例えばカルボン酸、スルホン酸およびリン酸塩の形で存在しうる。このようなすべての塩が本発明の範囲内に属し、式(I)の化合物への言及には該化合物の塩形も含む。
本発明の塩は、常用化学法、例えば、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,P.Heinrich Stahl(Editor),Camille G.Wermuth(Editor),ISBN:3-90639-026-8,Hardcover,388 pages,August 2002において記載された方法により、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成される。通常、このような塩は水中、有機溶媒中または二種の混合物中において、これら化合物の遊離酸または塩基形を適切な塩基または酸と反応させることにより製造される。通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が用いられる。
酸付加塩は無機および有機双方の様々な酸で形成される。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2‐ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L‐アスコルビン酸)、L‐アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4‐アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)‐ショウノウ酸、ショウノウスルホン酸、(+)‐(1S)‐ショウノウ‐10‐スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン‐1,2‐ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D‐グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D‐グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L‐グルタミン酸)、α‐オキソグルタル酸、グリコール酸、ヒップル酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)‐L‐乳酸、(±)‐DL‐乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)‐L‐リンゴ酸、マロン酸、(±)‐DL‐マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(例えば、ナフタレン‐2‐スルホン酸)、ナフタレン‐1,5‐ジスルホン酸、1‐ヒドロキシ‐2‐ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L‐ピログルタミン酸、サリチル酸、4‐アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)‐L‐酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(例えば、p‐トルエンスルホン酸)、ウンデシレン酸および吉草酸からなる群より選択される酸、並びにアシル化アミノ酸、およびカチオン交換樹脂と形成される塩がある。
塩の一つの具体的な群は、酢酸、塩酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メシレート)、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸、およびラクトビオン酸から形成される塩からなる。
酸付加塩の他の群としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、クエン酸、DL‐乳酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、ヒップル酸、塩酸、グルタミン酸、DL‐リンゴ酸、メタンスルホン酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、および酒石酸から形成される塩がある。
本発明の化合物は、塩が形成される酸のpKaに応じて、一または二塩として存在してもよい。
化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性である官能基(例えば、‐COOHは‐COOである)を有していれば、塩は適切なカチオンと形成される。適切な無機カチオンの例としては、NaおよびKのようなアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+のようなアルカリ土類金属カチオン、およびAl3+のような他のカチオンがあるが、それらに限定されない。適切な有機カチオンの例としては、アンモニウムイオン(即ち、NH )および置換アンモニウムイオン(例えば、NH、NH 、NHR 、NR )があるが、それらに限定されない。
一部の適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、並びにアミノ酸、例えばリジンおよびアルギニンから誘導されるものである。一般的四級アンモニウムイオンの例はN(CH である。
式(I)の化合物がアミン官能基を含有している場合、これらは、例えば当業者に周知の方法に従いアルキル化剤との反応により、四級アンモニウム塩を形成してもよい。このような四級アンモニウム化合物も式(I)の範囲内である。
本発明の化合物の塩形は典型的には薬学上許容される塩であり、薬学上許容される塩の例は、Berge et al.(1977)”Pharmaceutically Acceptable Salts”,J.Pharm.Sci.,Vol.66,pp.1-19において記載されている。しかしながら、薬学上許容されない塩も中間体として製造してよく、これが次いで薬学上許容される塩へ変換される。このような薬学上許容されない塩の形態も、例えば本発明の化合物の精製または分離において有用なことがあり、本発明の一部を形成する。
アミン官能基を含有する式(I)の化合物はN‐オキシドを形成してもよい。アミン官能基を含有する式(I)の化合物への本願明細書での言及は、N‐オキシドも含む。
化合物が幾つかのアミン官能基を含有している場合、一または二以上の窒素原子がN‐オキシドを形成するように酸化しうる。N‐オキシドの具体例は、三級アミンまたは窒素含有ヘテロ環の窒素原子のN‐オキシドである。
N‐オキシドは過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)のような酸化剤で対応アミンの処理により形成される:例えばAdvanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pages参照。更に詳しくは、N‐オキシドはL.W.Deady(Syn.Comm.(1977),7,509-514)の操作により製造され、そこではアミン化合物が、例えばジクロロメタンのような不活性溶媒中で、m‐クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と反応させられる。N‐オキシドの具体例としては、モルホリンN‐オキシドおよびピリジンN‐オキシドがある。
化合物の多形体、および水和物のような溶媒和物も、式(I)により包含される。
本発明の化合物とその塩および互変異性体は、例えば水(例えば、水和物)または一般的な有機溶媒と、溶媒和物を形成してもよい。本願明細書で用いられているような、用語“溶媒和物”は、1以上の溶媒分子と、本発明の化合物との物理的な会合を意味する。この物理的な会合には、水素結合を含む、様々な程度のイオンおよび共有結合を含む。ある場合において、溶媒和物は、例えば、一以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれた場合に、単離できるようになる。用語“溶媒和物”は、溶液相と、単離可能な溶媒和物との両方を含むことを意図する。適切な溶媒和物の非限定例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミン等と組合せた本発明の化合物がある。本発明の化合物は、それらが溶液中にあっても、生物学的な効果を発揮できる。
溶媒和物は、薬化学においてよく知られたものである。それらは、物質の製造工程(例えば、それらの精製、物質の貯蔵(例えば、その安定性)および物質の取り扱いの容易性に関する)において重要であり、化学合成の単離または精製工程の一部としてしばしば形成される。当業者は、水和物または他の溶媒和物が所定の化合物を製造するために用いられた単離条件または精製条件により形成するか否かを標準的で長い間用いられてきた技術により決定することができる。このような技術の例としては、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線結晶学(例えば、単結晶X線結晶学またはX線粉末回折)、および固体NMR(マジック角回転NMRまたはMAS‐NMRとしても知られる、SS‐NMR)が含まれる。そのような技術は、NMR、IR、HPLC、およびMSと同様、当分野の化学者の標準的な分析ツールキットの一部である。
一方、当業者は、意図的に、特定の溶媒和物に要求される量の溶媒を含む結晶化条件を用いて溶媒和物を形成することができる。その後、上記された標準的な方法が、溶媒和物が形成されるか否かを決定するために用いられる。
更に、本発明の化合物は一以上の多形(結晶)体を有しても、またはアモルファスでもよく、それ自体も本発明の範囲に含まれることを意図する。
式(I)の化合物は幾つかの異なる幾何異性および互変異性体で存在でき、式(I)の化合物への言及にはこのようなすべての形を含む。疑義の回避のために、化合物が幾つかの幾何異性または互変異性体のうち一つで存在でき、一つのみが具体的に記載または示されていたとしても、他のすべてが式(I)に包含される。
互変異性体の他の例としては、例えば、次の互変異性ペア:ケト/エノール(下記)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオールおよびニトロ/aci-ニトロの場合のように、例えばケト、エノールおよびエノラート形がある。
Figure 0005596023
式(I)の化合物が1以上のキラル中心を含有し、二種以上の光学異性体の形で存在しうる場合、式(I)の化合物への言及には、内容がそれ以外を要していない限り、個別の光学異性体または混合物(例えば、ラセミ混合物)、または二種以上の光学異性体として、そのすべての光学異性体(例えば、エナンチオマー、エピマー、およびジアステレオマー)を含む。
光学異性体はそれらの光学活性で(即ち、+および−異性体、またはdおよびl異性体として)特徴づけられかつ特定されるか、あるいはそれらはCahn,Ingold and Prelogにより発案された“RおよびS”命名法を用いてそれらの絶対立体化学に関して特徴づけられる:Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,New York,1992,pages 109-114参照、およびCahn,Ingold & Prelog(1966)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,5,385-415参照。
光学異性体はキラルクロマトグラフィー(キラル担体でのクロマトグラフィー)を含めた幾つかの技術により分離され、このような技術は当業者に周知である。
キラルクロマトグラフィーの別法として、光学異性体は、(+)‐酒石酸、(−)‐ピログルタミン酸、(−)‐ジトルオイル‐L‐酒石酸、(+)‐マンデル酸、(−)‐リンゴ酸および(−)‐ショウノウスルホン酸のようなキラル酸とジアステレオマー塩を形成させ、好ましい結晶化法でジアステレオマーを分離し、次いで遊離塩基の個別エナンチオマーを得るために塩を解離させることにより分離される。
式(I)の化合物が2種以上の光学異性体として存在する場合、エナンチオマーのペアのうち一方のエナンチオマーは、例えば生物活性に関して、他のエナンチオマーより利点を示すことがある。そのため、ある状況においては、エナンチオマーのペアの一方のみまたは複数のジアステレオマーのうち1種のみを治療剤として用いることが望ましい。したがって、本発明は一以上のキラル中心を有する式(I)の化合物を含有した組成物を提供し、ここで式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)は単一光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在する。一つの一般的態様において、式(I)の化合物の総量の99%以上(例えば、実質的に全部)が単一光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在する。
式(I)の化合物が1以上の二重結合を含有し、二種幾何異性体の形で存在しうる場合、式(I)の化合物への言及には、内容がそれ以外を要していない限り、個別の異性体または二種異性体の混合物として、その両方の立体異性体(即ち、シス‐トランス異性、または(E)および(Z)異性)を含む。
用語“幾何異性体”は、炭素‐炭素二重結合、炭素‐窒素二重結合、シクロアルキル環、または架橋二環式系の関係にあるとき置換原子の向きが異なる異性体を意味する。炭素‐炭素または炭素‐窒素二重結合の各側における置換原子(水素以外)はEまたはZ配置で存在する。分子配置がEまたはZで表示されるか否かは、Cahn-Ingold-Prelog順位則により決定される(高い原子番号のものに高い順位が与えられる)。二重結合における二原子の各々について、二置換基のうちいずれが高い順位のものであるかを決定することが必要である。“E”配置の場合、高順位にある置換基の双方は二重結合の関係にあるとき反対側に存在する。“Z”配置の場合、高順位にある置換基の双方は二重結合の関係にあるとき同じ側に存在する。
異性表記(“R”、“S”、“E”、および“Z”)は原子配置を示し、文献で定義されているように用いられることを意図する。化合物が特定の異性体として記述または示されている場合、代わりの異性体および異性体の混合物も本出願の範囲内に属する。
合成工程は幾何異性体の混合物を生じることがあり、その際にキラル的に安定な異性体は、当業者に周知のクロマトグラフィーおよびそのような技術を含めた幾つかの技術により分離できる。一方、EまたはZ幾何異性体が生成されるか否かに影響を与える様々な合成工程が用いうる。
本発明の化合物がEおよびZ異性体として存在する場合、本発明には個別の異性体とその混合物を含む。式(I)の化合物が2種以上の立体異性体として存在する場合、ペアのうち一方の立体異性体は、例えば生物活性に関して、他方より利点を示すことがある。そのため、ある状況においては、立体異性体のペアの一方のみを治療剤として用いることが望ましい。したがって、本発明は1以上の二重結合を有する式(I)の化合物を含有した組成物を提供し、ここで式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)は単一異性体(例えば、(E)または(Z)異性体)として存在する。一つの一般的態様において、式(I)の化合物の総量の99%以上(例えば、実質的に全部)が単一立体異性体として存在する。
本発明の化合物には1以上の同位体置換を受けた化合物を含み、具体的元素への言及はその範囲内に元素のすべての同位体を含む。例えば、水素への言及にはその範囲内にH、H(D)およびH(T)を含む。同様に、炭素および酸素への言及にはそれらの範囲内に各々12C、13C、および14Cと、16O、および18Oとを含む。
同位体は放射性でもまたは非放射性でもよい。本発明の一つの態様において、化合物は放射性同位体を含有しない。このような化合物は治療使用向けに好ましい。他の態様において、しかしながら、化合物は1種以上の放射性同位体を含有する。このような放射性同位体を含有した化合物は診断状況において有用である。
カルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のカルボン酸エステルおよびアシルオキシエステルなどのエステルも、式(I)により包含される。本発明の一つの態様において、式(I)はその範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のエステルを含む。本発明の他の態様において、式(I)はその範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のエステルを含まない。エステルの例は基‐C(=O)ORを含有する化合物であり、ここでRはエステル置換基、例えばC1‐7アルキル基、C3‐20ヘテロ環式基(上記のようなヘテロ環式基だが、3〜20環員を有する)またはC5‐20アリール基(上記のようなアリール基だが、5〜20環員を有する)、好ましくはC1‐7アルキル基である。エステル基の具体例としては、‐C(=O)OCH、‐C(=O)OCHCH、‐C(=O)OC(CH、および‐C(=O)OPhがあるが、それらに限定されない。アシルオキシ(逆エステル)基の例は‐OC(=O)Rで表され、ここでRはアシルオキシ置換基、例えばC1‐7アルキル基、C3‐20ヘテロ環式基またはC5‐20アリール基、好ましくはC1‐7アルキル基である。アシルオキシ基の具体例としては、‐OC(=O)CH(アセトキシ)、‐OC(=O)CHCH、‐OC(=O)C(CH、‐OC(=O)Ph、および‐OC(=O)CHPhがあるが、それらに限定されない。
化合物の多形体、化合物の溶媒和物(例えば、水和物)、複合体(例えば、シクロデキストリンのような化合物との包接複合体またはクラスレート、または金属との錯体)および化合物のプロドラッグも、式(I)に包含される。“プロドラッグ”とは、例えば、式(I)の生物活性化合物へインビボにおいて変換される化合物を意味する。
例えば、一部のプロドラッグは活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容される易代謝性エステル)である。代謝に際し、エステル基(‐C(=O)OR)は開裂されて、活性剤を生じる。このようなエステルは、例えば、親化合物でカルボン酸基(‐C(=O)OH)のエステル化により形成されるが、適宜に、親化合物に存在する他の反応基を前保護され、次いで必要であれば脱保護される。
このような易代謝性エステルの例として式‐C(=O)ORのものがあり、ここでRは:
1‐7アルキル(例えば、‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐sBu、‐iBu、‐tBu)、
1‐7アミノアルキル(例えば、アミノエチル、2‐(N,N‐ジエチルアミノ)エチル、2‐(4‐モルホリノ)エチル)、および
アシルオキシ‐C1‐7アルキル(例えば、アシルオキシメチル、アシルオキシエチル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、1‐アセトキシエチル、1‐(1‐メトキシ‐1‐メチル)エチル‐カルボニルオキシエチル、1‐(ベンゾイルオキシ)エチル、イソプロポキシ‐カルボニルオキシメチル、1‐イソプロポキシ‐カルボニルオキシエチル、シクロヘキシル‐カルボニルオキシメチル、1‐シクロヘキシル‐カルボニルオキシエチル、シクロヘキシルオキシ‐カルボニルオキシメチル、1‐シクロヘキシルオキシ‐カルボニルオキシエチル、(4‐テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル、1‐(4‐テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル、(4‐テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチルおよび1‐(4‐テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)である。
しかも、一部のプロドラッグは、酵素で活性化されて活性化合物を生じるか、または(例えば、抗原依存性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)、遺伝子依存性酵素プロドラッグ療法(GDEPT)、リガンド依存性酵素プロドラッグ療法(LIDEPT)などの場合)別の化学反応で活性化合物を生じる化合物である。例えば、プロドラッグは糖誘導体または他のグリコシド複合体でも、あるいはアミノ酸エステル誘導体でもよい。
“誘導体”への言及にそのイオンの形態、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N‐オキシド、エステル、プロドラッグ、同位体および保護形態への言及を含むことは、明らかであろう。
本発明の一つの態様によると、本願明細書で定義されているような化合物あるいはその塩、互変異性体、N‐オキシド、または溶媒和物が提供される。
本発明の別な態様によると、本願明細書で定義されているような化合物あるいはその塩または溶媒和物が提供される。
本願明細書で定義されているような式(I)および(Ia)とそのサブ群の化合物への言及には、それらの範囲内に、化合物の塩、溶媒和物、互変異性体、またはN‐オキシドを含む。
タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)
本願明細書で記載された発明の化合物はあるチロシンキナーゼの活性を阻害または調節し、そのため該化合物はそれらのチロシンキナーゼ、特にFGFRで媒介される病状または症状の治療または予防に有用である。
FGFR
タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)レセプターの線維芽細胞成長因子(FGF)ファミリーは、分裂促進、創傷治癒、細胞分化、および血管形成、並びに発育を含めた生理機能の多様性を調節する。正常および悪性双方の細胞成長並びに増殖は、オートクリンおよびパラクリン因子として作用する細胞外シグナリング分子、FGFの局所濃度における変化により影響される。オートクリンFGFシグナリングは、ホルモン非依存状態へのステロイドホルモン依存性癌の進行に際して特に重要かもしれない(Powers,et al.(2000)Endocr.Relat.Cancer,7,165-197)。
FGFおよびそれらのレセプターは幾つかの組織および細胞系において高レベルで発現され、過剰発現は悪性表現型に関与すると考えられる。更に、幾つかの癌遺伝子は成長因子レセプターをコードする遺伝子のホモログであり、ヒト膵臓癌におけるFGF依存性シグナリングの異常活性化にポテンシャルがある(Ozawa,et al.(2001),Teratog.Carcinog.Mutagen.,21,27-44)。
二つのプロトタイプメンバーは酸性線維芽細胞成長因子(aFGFまたはFGF1)および塩基性線維芽細胞成長因子(bFGFまたはFGF2)であり、今までに少なくとも20の異なるFGFファミリーメンバーが特定されてきた。FGFに対する細胞応答は、1〜4(FGFR1〜FGFR4)と番号付けされた四種の高親和性貫膜タンパク質チロシンキナーゼ線維芽細胞成長因子レセプター(FGFR)により伝達されている。リガンドが結合すると、レセプターは二量体化して、核転写因子エフェクターを最終的に調節する細胞内シグナルを伝達するために特定の細胞質チロシン残基を自己またはトランスリン酸化する。
FGFR1経路の破壊は腫瘍細胞増殖に影響を与えるはずであり、このキナーゼが内皮細胞を増殖させることに加えて多くの腫瘍種において活性化されるからである。腫瘍関連血管構造におけるFGFR1の過剰発現および活性化は、腫瘍血管形成におけるこれら分子の役割を示唆していた。
線維芽細胞成長因子レセプター2は、酸性および/または塩基性線維芽細胞成長因子と、ケラチノサイト成長因子リガンドとに高親和性を有している。線維芽細胞成長因子レセプター2は、骨芽細胞成長および分化に際してFGFの有効な骨形成効果も増大させる。複雑な機能変化に至る線維芽細胞成長因子レセプター2の変異は、頭蓋骨縫合部の異常骨化(頭蓋骨癒合)を誘導することが示されたが、これは膜内骨形成に際するFGFRシグナリングの大きな役割を示唆している。例えば、早期頭蓋骨縫合部骨化で特徴づけられるアぺール(AP)症候群において、ほとんどのケースは線維芽細胞成長因子レセプター2で機能獲得(gain-of-function)を生じる点変異を伴っている(Lemonnier,et al.(2001),J.Bone Miner.Res.,16,832-845)。加えて、頭蓋骨癒合症候群の患者における変異検査では、幾つかの反復FGFR2変異がPfeiffer症候群の重症例の原因であることを示している(Lajeunie et al,European Journal of Human Genetics(2006)14,289-298)。FGFR2の具体的変異としては、FGFR2におけるW290C、D321A、Y340C、C342R、C342S、C342W、N549H、K641Rがある。
アぺール、クルゾン、ジャクソン‐ワイス(Jackson-Weiss)、ベーレ‐スティーブンソン脳回状頭皮(Beare-Stevenson cutis gyrate)およびPfeiffer症候群を含めたヒト骨格発育における幾つかの重度な異常症は、線維芽細胞成長因子レセプター2で変異の出現と関連している。Pfeiffer症候群(PS)の、全部ではない、ほとんどのケースは線維芽細胞成長因子レセプター2遺伝子のデノボ変異でも引き起こされ(Meyers,et al.(1996)Am.J.Hum.Genet.,58,491-498、Plomp,et al.(1998)Am.J.Med.Genet.,75,245-251)、線維芽細胞成長因子レセプター2における変異がリガンド特異性を支配する基本的規則の一つを破ることが最近示された。即ち、線維芽細胞成長因子レセプターの二つの変異スプライス形、FGFR2c、およびFGFR2bが、非定型FGFリガンドと結合して活性化される能力を獲得していた。リガンド特異性のこの喪失が異常シグナリングに繋がり、これら疾患症候群の重度表現型が線維芽細胞成長因子レセプター2の異所性リガンド依存性活性化に起因することを示唆している(Yu,et al.(2000),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,97,14536-14541)。
染色体転座または点変異などのFGFR3レセプターチロシンキナーゼの遺伝子異常は、異所で発現され、または脱調節される、構成的に活性なFGFR3レセプターをもたらす。このような異常は、一部の多発性骨髄腫と、膀胱、肝細胞、口内扁平上皮細胞癌および子宮頸癌に関連している(Powers,C.J.et al.(2000)Endocr.Rel.Cancer,7,165、Qiu,W.et al.(2005),World Journal Gastroenterol.,11(34))。したがって、FGFR3インヒビターは多発性骨髄腫、膀胱、および子宮頸癌の治療に有用となるであろう。FGFR3は膀胱癌、特に侵襲性膀胱癌でも過剰発現される。FGFR3は尿路上皮癌(UC)で変異により多くが活性化されている(Journal of Pathology(2007),213(1),91-98)。発現増加は変異と関連していたが(変異腫瘍の85%は高レベル発現を示した)、検出可能な変異のない腫瘍の42%も、多くの筋肉侵襲性腫瘍を含めて、過剰発現を示した。
このように、FGFRを阻害する化合物は、特に血管形成を阻害することにより、腫瘍で成長を妨げるまたはアポトーシスを誘導する手段を提供する上で有用となろう。したがって、本化合物は癌のような増殖性障害を治療または予防する上で有用となろう、と予想される。特に、レセプターチロシンキナーゼの活性化変異体またはレセプターチロシンキナーゼの上方調節を有する腫瘍は、インヒビターに特に感受性かもしれない。本願明細書で記載された特異的RTKのイソ型の活性化変異体を有する患者も、RTKインヒビターでの治療を特に有益なものとしうる。
FGFR4の過剰発現は前立腺および甲状腺の両癌で悪い予後と関連していた(Ezzat,S.,et al.(2002)The Journal of Clinical Investigation,109,1、Wang et al.(2004)Clinical Cancer Research,10)。加えて、生殖系多形性(Gly388Arg)は肺、乳、結腸、および前立腺癌の発生率増加と関連している(Wang et al.(2004)Clinical Cancer Research,10)。加えて、FGFR4のトランケート形(キナーゼドメインを含む)が脳下垂体腫瘍の40%に存在することも見出されたが、正常組織には存在しない。FGFR4過剰発現は肝臓、結腸、および肺癌で観察されていた(Desnoyers et al.,(2008)Oncogene,27、Ho et al.(2009)Journal of Hepatology,50)。これらの研究では、抗体拮抗物質でFGFR4キナーゼ活性またはそのリガンドFGF19の標的化が、細胞系モデルで増殖を阻害してアポトーシスを誘導することを記載していた。Hoらは、FGFR4遺伝子に一般的な多形性を有する患者の1/3が高レベルのmRNAを発現し、これらの腫瘍が高分泌レベルの肝細胞癌マーカーα‐フェトプロテインと関連していることを示した。
最近の研究は、古典型小葉癌(CLC)におけるFGFR1発現と腫瘍原性との関連性を示していた。CLCは全乳癌の10〜15%を占め、一般的にp53およびHer2発現を欠くが、エストロゲンレセプターの発現を留めている。8p12‐p11.2の遺伝子増幅がCLCケースの〜50%で証明され、これはFGFR1の発現増加と関連していることが示された。FGFR1に対するsiRNAまたは該レセプターの小分子インヒビターに関する予備研究は、この増幅を呈する細胞系がこのシグナリング経路の阻害に特に感受性であることを示した(Reis-Filho et al.(2006)Clin.Cancer Res.,12(22),6652-6662)。
最多の小児軟部組織肉腫、横紋筋肉腫(RMS)は、骨格筋形成に際する異常増殖および分化に起因している可能性がある。FGFR1は一次横紋筋肉腫で過剰発現され、5′CpGアイランドの低メチル化と、AKT1、NOG、およびBMP4遺伝子の異常発現とに関連している(Genes,Chromosomes & Cancer(2007),46(11),1028-1038)。
線維症状は、線維組織の異常または過剰沈着に起因する大きな医学的問題である。これは肝硬変、糸球体腎炎、肺線維症、全身性線維症、リウマチ様関節炎を含めた多くの疾患と創傷治癒の自然工程において生じる。病的線維症のメカニズムは完全には理解されていないが、線維芽細胞の増殖および細胞外マトリックスタンパク質(コラーゲンおよびフィブロネクチンを含む)の沈着に関与する様々なサイトカイン(腫瘍壊死因子(TNF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)および形質転換成長因子ベータ(TGFβ)を含む)の作用に起因していると考えられる。これは組織構造および機能の変化とその後で病変に繋がる。
幾つかの前臨床研究が、肺線維症の前臨床モデルで線維芽細胞成長因子の上方調節を証明していた(Inoue,et al.(1997 & 2002)、Barriosら(1997))。TGFβ1およびPDGFは線維形成工程に関与していることが報告され(reviewed by Atamas & White,2003)、別に公開された研究においてはFGFの上昇を示し、それに伴う線維芽細胞増殖の増加は高TGFβ1に応答した可能性がある(Khalilら,2005)。線維症状におけるこの経路の潜在的治療関連性が、特発性肺線維症(IPF)において、報告されたピルフェニドンの臨床効果(Arataら,2005)により示唆されている。
特発性肺線維症(原因不明線維化肺胞炎とも称される)は、肺の瘢痕を伴う進行性症状である。徐々に、肺の気嚢は線維組織で置き換わるようになり、それが厚くなって、酸素を血流へ運ぶ組織能の不可逆的喪失を引き起こす。該症状の徴候としては、息切れ、慢性乾咳、疲労、胸痛および急激な体重減少をもたらす食欲不振がある。症状は5年後死亡率約50%と極めて厳しい。
血管内皮細胞成長因子(VEGFR)
慢性増殖性疾患は多くが根深い血管形成を伴い、これは炎症および/または増殖状態に関与するかまたはそれを維持し、あるいは血管の侵襲性増殖により組織破壊へ繋がる(Folkman(1997),79,1-81、Folkman(1995),Nature Medicine,1,27-31、Folkman and Shing(1992)J.Biol.Chem.,267,10931)。
血管形成は、通常、新または置換血管の生成、または新生血管形成を表すために用いられている。それは必要かつ生理的な正常工程であり、それにより血管構造が胚で確立される。血管形成は一般的にほとんどの正常成人組織で起きず、例外は排卵、月経および創傷治癒の部位である。多くの疾患は、しかしながら、永続的で未調節の血管形成により特徴づけられる。例えば、関節炎では、新たな毛細血管が関節に侵入して、軟骨を破壊する(Colville-Nash and Scott(1992),Ann.Rhum.Dis.,51,919)。糖尿病(および多くの異なる眼疾患)では、新血管は斑、網膜、または他の眼構造に侵入して、盲目を引き起こすこともある(Brooks,et al.(1994)Cell,79,1157)。アテローム性動脈硬化症の工程が血管形成と関連していた(Kahlon,et al.(1992)Can.J.Cardiol.,8,60)。腫瘍成長および転移は血管形成依存性であることが見出された(Folkman(1992),Cancer Biol.,3,65、Denekamp,(1993)Br.J.Rad.,66,181、Fidler and Ellis(1994),Cell,79,185)。
主要疾患における血管形成の関与の認識が、血管形成のインヒビターを特定および開発する研究でなされてきた。これらのインヒビターは、血管形成カスケード、例えば血管形成シグナルによる内皮細胞の活性化、分解酵素の合成および放出、内皮細胞遊走、内皮細胞の増殖、および毛細管の形成における個別の標的に応じて、通常分類されている。したがって、血管形成は多くの段階で起こり、これらの様々な段階で血管形成を阻止するように働く化合物を発見および開発する試みが進行している。
多様なメカニズムで働く血管形成のインヒビターが、癌および転移(O’Reilly,et al.(1994)Cell,79,315、Ingber,et al.(1990)Nature,348,555)、眼疾患(Friedlander,et al.(1995)Science,270,1500)、関節炎(Peacock,et al.(1992),J.Exp.Med.,175,1135、Peacock,et al.(1995),Cell.Immun.,160,178)および血管腫(Taraboletti,et al.(1995)J.Natl.Cancer Inst.,87,293)などの疾患に有益であることを知らせる文献がある。
レセプターチロシンキナーゼ(RTK)は、細胞の形質膜を通る生化学シグナルの伝達に際して重要である。これらの貫膜分子は、特徴として、形質膜のセグメントを介して細胞内チロシンキナーゼドメインへ繋がれた、細胞外リガンド結合ドメインからなる。レセプターへのリガンドの結合はレセプター関連チロシンキナーゼ活性の刺激をもたらし、これがレセプターおよび他の細胞内タンパク質の双方においてチロシン残基のリン酸化に繋がり、様々な細胞応答へと至る。今までに、アミノ酸配列ホモロジーで規定される、少なくとも19の別々なRTKサブファミリーが確認されてきた。
血管内皮細胞成長因子(VEGF)、ポリペプチドは、インビトロで内皮細胞に分裂促進性であり、インビボにおいて血管形成応答を刺激する。VEGFは不適切な血管形成とも関連していた(Pinedo,H.M.,et al.(2000),The Oncologist,5(90001),1-2)。VEGFRはタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)である。PTKは細胞機能に関与するタンパク質で特定チロシン残基のリン酸化を触媒し、こうして細胞成長、生存および分化を調節している(Wilks,A.F.(1990),Progress in Growth Factor Research,2,97-111、Courtneidge,S.A.(1993)Dev.Supp.I,57-64、Cooper,J.A.(1994),Semin.Cell Biol.,5(6),377-387、Paulson,R.F.(1995),Semin.Immunol.,7(4),267-277、Chan,A.C.(1996),Curr.Opin.Immunol.,8(3),394-401)。
VEGFの3種PTKレセプターが確認されていた:VEGFR‐1(Flt‐1)、VEGFR‐2(Flk‐1またはKDR)およびVEGFR‐3(Flt‐4)。これらのレセプターは血管形成に関与し、シグナル伝達に係わっている(Mustonen,T.et al.(1995),J.Cell Biol.,129,895-898)。
特に興味深いものはVEGFR‐2であり、これは主に内皮細胞で発現される貫膜レセプターPTKである。VEGFによるVEGFR‐2の活性化は、腫瘍血管形成を始めるシグナル伝達経路で重要な工程である。VEGF発現は腫瘍細胞に構築的であり、ある刺激に応答して上方調節されることもある。このような刺激が低酸素であれば、VEGF発現は腫瘍および関連宿主組織の双方で上方調節される。VEGFリガンドは、その細胞外VEGF結合部位との結合によりVEGFR‐2を活性化する。これは、VEGFR‐2の細胞内キナーゼドメインで、VEGFRのレセプター二量体化とチロシン残基の自己リン酸化に繋がる。キナーゼドメインはATPからチロシン残基へリン酸を移すように働き、こうしてVEGFR‐2の下流でシグナリングタンパク質のための結合部位を提供し、こうして血管形成の開始へと最終的に繋がる(McMahon,G.(2000),The Oncologist,5(90001),3-10)。
VEGFR‐2のキナーゼドメイン結合部位における阻害はチロシン残基のリン酸を阻止して、血管形成の開始を壊すように働く。
血管形成は、血管形成因子と称される様々なサイトカインにより媒介される新血管形成の生理学的工程である。固形腫瘍におけるその潜在的病態生理学的役割が30年以上にわたり広く研究されてきたが、慢性リンパ性白血病(CLL)および他の悪性血液障害における血管形成の亢進が最近になり認識されてきた。高レベルの血管形成が、CLL患者の骨髄およびリンパ節の双方で、様々な実験法により証拠づけられてきた。この疾患の病態生理学における血管形成の役割は完全には解明されていないが、実験データは幾つかの血管形成因子が疾患進行で役割を果たすことを示唆している。血管形成の生物学的マーカーはCLLにおいて予後関連性であることも示された。これは、VEGFRインヒビターがCLLなどの白血病の患者にも有益であることを示す。
腫瘍塊が臨界サイズを越えるためには、それに伴う血管構造を発達させねばならない。腫瘍血管構造の標的化は腫瘍膨張を制限し、有用な癌療法となりうることが提案されていた。腫瘍成長の観察によれば、小さな腫瘍塊がいかなる腫瘍特異的血管構造もなしに組織において存続しうることを示した。非血管新生腫瘍の成長停止は、腫瘍の中央部における低酸素の効果に起因するものであった。更に最近、様々な血管形成促進および抗血管形成因子が確認され、腫瘍塊における血管形成刺激およびインヒビターの正常比の破壊が自律的血管新生をもたらす工程、“血管形成スイッチ”の概念へ到達するに至った。血管形成スイッチは、悪性変換を駆動させる同様の遺伝子変化:癌遺伝子の活性化および腫瘍抑制遺伝子の喪失により支配されている可能性がある。幾つかの成長因子は血管形成のポジティブレギュレーターとして作用する。これらの中で主要なものは、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)およびアンギオゲニンである。トロンボスポンジン(Tsp‐1)、アンギオスタチンおよびエンドスタチンなどのタンパク質は、血管形成のネガティブレギュレーターとして機能する。
VEGFR1ではなくVEGFR2の阻害は、マウスモデルにおいて、血管形成スイッチング、永続的血管形成、および初期腫瘍成長を著しく破壊する。後期腫瘍において、VEGFR2遮断に対する表現型抵抗が出現したが、治療に際して初期の成長抑制後に腫瘍が再成長したからである。VEGF遮断に対するこの抵抗は、VEGFとは無関係に、FGFファミリーのメンバーを含めた他の血管形成促進因子の低酸素媒介誘導と関連して、腫瘍血管形成の再活性化を伴う。これらの他の血管形成促進シグナルは回避期に腫瘍の再血管新生および再成長へ機能的に関与するが、FGF遮断がVEGF阻害に直面して進行を損なうからである。VEGFR1ではなくVEGFR2の阻害は、血管形成スイッチング、永続的血管形成および初期腫瘍成長を著しく破壊した。後期腫瘍において、VEGFR2遮断に対する表現型抵抗が出現したが、治療に際して初期の成長抑制後に腫瘍が再成長したからである。VEGF遮断に対するこの抵抗は、VEGFとは無関係に、FGFファミリーのメンバーを含めた他の血管形成促進因子の低酸素媒介誘導と関連して、腫瘍血管形成の再活性化を伴う。これらの他の血管形成促進シグナルは回避期に腫瘍の再血管新生および再成長へ機能的に関与するが、FGF遮断がVEGF阻害に直面して進行を損なうからである。
FGFトラップアデノウイルスは、FGF1、FGF3、FGF7、およびFGF10を含むFGFファミリーの様々なリガンドと結合してそれを遮断し、それによりインビトロおよびインビボにおいて血管形成を効果的に阻害する、と以前に報告されていた。実際に、マウスモデルの再成長期にFGFトラップ治療を加えると、抗VEGFR2単独と比較して腫瘍成長に有意な減少を生じた。腫瘍担持量のこの減少は血管形成の減少を伴い、これは腫瘍内血管密度の減少として観察された。
Batchelorら(Batchelor et al.,2007,Cancer Cell,11(1),83-95)は、フェーズ2の研究において、pan‐VEGFレセプターチロシンキナーゼインヒビター、AZD2171により治療された患者で、神経膠芽腫血管の正常化に関する証拠を出している。AZD2171を用いる根拠は、インビボ乳癌モデルで灌流および血管密度の減少を示す結果に、一部は基づいていた(Miller et al.,2006,Clin.Cancer Res.12,281-288)。更に、正常位神経膠腫モデルを用いて、放射線と相乗効果を発揮するように抗VEGFR2抗体を送達しうる最適時間枠が以前に特定されていた。正常化の枠内において、酸素供給の改善、周皮細胞カバレッジの増加と、腫瘍内で間質圧および透過性の減少に繋がるアンギオポエチン‐1の上方調節があった(Winkler et al.,2004,Cancer Cell,6,553-563)。正常化の枠は、血液量、相対的血管サイズおよび血管透過性を測定するために、MRI勾配エコー、スピンエコーおよびコントラスト増強を用いる磁気共鳴画像化(MRI)を用いて定量される。
著者らは、AZD2171治療での進行がCEC、SDF1、およびFGF2の増加を伴い、一方投薬中止後の進行が循環前駆細胞(CPC)および血漿FGF2レベルの増加と相関することを示した。MRI測定と相関したSDF1およびFGF2の血漿レベルにおける増加は、相対的血管密度および大きさの増加を証明した。そのため、循環バイオマーカーと組み合わせた血管正常化のMRI測定は、抗血管形成剤に対する応答を評価するために有効な手段をもたらす。
PDGFR
悪性腫瘍は未制御細胞増殖の産物である。細胞成長は、成長促進と、成長阻害因子とのデリケートなバランスにより制御されている。正常組織において、これら因子の産生および活性は、器官の正常な完全性および機能性を維持するように、制御的かつ調節的に成長する分化細胞をもたらす。悪性細胞はこの制御を逃れる。自然バランスは(様々なメカニズムにより)乱れて調節されず、異常細胞成長が生じる。腫瘍発育において、重要な成長因子は、細胞表面チロシンキナーゼレセプター(PDGFR)を介してシグナルを送りかつ成長、増殖、および分化を含む様々な細胞機能を刺激するペプチド成長因子のファミリーを含んでなる、血小板由来成長因子(PDGF)である。PDGF発現は、神経膠芽腫および前立腺癌を含む幾つかの異なる固形腫瘍において証明されていた。化学名4‐〔(4‐メチル‐1‐ピペラジニル)メチル〕‐N‐〔4‐メチル‐3‐〔〔4‐(3‐ピリジニル)‐2‐イルピリジニル〕アミノ〕フェニル〕ベンズアミドメタンスルホネートをもつチロシンキナーゼインヒビター イマチニブメシレートは、Bcr‐Abl癌タンパク質および細胞表面チロシンキナーゼレセプターc‐Kitの活性を遮断し、そのため慢性骨髄性白血病および胃腸間質腫瘍の治療に承認されている。イマチニブメシレートはPDGFRキナーゼの有効インヒビターでもあり、慢性骨髄単球性白血病および多形性神経膠芽腫の治療について、PDGFRで活性化変異のこれら疾患における証拠に基づき現在評価されている。加えて、化学名4‐〔4‐〔3‐〔4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)フェニル〕ウレイド〕フェノキシ〕‐N2‐メチルピリジン‐2‐カルボキサミドをもつソラフェニブ(BAY43‐9006)は、細胞増殖を阻害するためにRafシグナリング経路および腫瘍血管形成を阻害するためにVEGFR/PDGFRシグナリングカスケードを双方とも標的化している。ソラフェニブは肝臓および腎臓癌を含む幾つかの癌の治療について研究されている。
好酸球増多症候群のようなPDGFRの活性化に依存する症状がある。PDGFR活性化は、慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含む他の悪性疾患とも関連している。他の障害、隆起性皮膚線維肉腫、浸潤性皮膚腫瘍において、PDGF‐Bリガンドをコードする遺伝子に係わる相互転座は、キメラリガンドの構成的分泌とレセプター活性化をもたらす。PDGFRの公知インヒビターであるイマチニブは、これら疾患の三種すべてに対して活性を有する。
選択的インヒビターの利点
差別化された選択性をもつFGFRキナーゼインヒビターの開発は、疾患がFGFR脱調節により駆動される患者サブ群でこれらの標的化剤を用いる新たな機会を提供する。追加キナーゼ、特にVEGFR2およびPDGFR‐ベータで低い阻害作用を示す化合物は、差別化された副作用または毒性を有する機会を呈し、そのためこれら適応症で更に有効な治療をもたらす。VEGFR2およびVEGFR‐ベータのインヒビターは、高血圧または浮腫のような毒性を各々伴う。VEGFR2インヒビターの場合、この高血圧作用は多くが用量制限的であり、ある患者集団で禁忌となることがあり、臨床管理を要する。
生物活性および治療のための使用
本発明の化合物およびそのサブ群は、線維芽細胞成長因子レセプター(FGFR)阻害または調節活性、および/または血管内皮細胞成長因子レセプター(VEGFR)阻害または調節活性、および/または血小板由来成長因子レセプター(PDGFR)阻害または調節活性を有し、本願明細書で記載された病状または症状を予防または治療する上で有用となろう。加えて、本発明の化合物およびそのサブ群は、該キナーゼにより媒介される疾患または症状を予防または治療する上で有用となろう。癌のような病状または症状の予防、防止または治療への言及には、それらの範囲内に、癌の発生率の低下または減少を含む。
本願明細書で用いられているように、キナーゼの活性に適用されているような用語“調節”は、タンパク質キナーゼの生物活性のレベルにおける変化を表す意味である。そのため、調節には関連タンパク質キナーゼ活性で増加または減少を生じる生理的変化を包含している。後者の場合に、調節は“阻害”と記載されることもある。調節は直接的または間接的に生じ、いかなるメカニズムにより、例えば(例えば、転写、翻訳および/または翻訳後修飾を含む)遺伝子発現のレベル、キナーゼ活性のレベルで直接的または間接的に作用する調節要素をコードする遺伝子の発現のレベルを含めて、いかなる生理的レベルで媒介されてもよい。そのため、調節には、遺伝子増幅(即ち、多重遺伝子コピー)を含めたキナーゼの高/抑制発現または過剰もしくは過少発現、および/または転写効果による高または低発現、並びに変異による((脱)活性化を含む)タンパク質キナーゼの高(または低)活性および(脱)活性化を含む。用語“調節された”、“調節している”、および“調節する”は、それに応じて解釈されるべきである。
本願明細書で用いられているように、例えば本願明細書で記載されたキナーゼに関連して用いられるような用語“媒介される”は、該用語が適用される様々な工程、疾患、状態、症状、治療、および介入が、キナーゼが生物学的役割を果たすものであるように、限定的に用いられる意味である。該用語が、疾患、状態、または症状に適用される場合、キナーゼで果たされる生物学的役割は直接的でもまたは間接的でもよく、該疾患、状態、または症状の徴候の現れ(あるいはその病因または進行)に必要および/または十分であればよい。そのため、キナーゼ活性(特に異常レベルのキナーゼ活性、例えばキナーゼ過剰発現)は必ずしも疾患、状態、または症状の主原因である必要はなく、むしろキナーゼ媒介疾患、状態、または症状には、問題のキナーゼが部分的に関与するだけである多因性病因および複雑な進行を有するものを含めて考えられる。該用語が治療、予防または介入に適用される場合、キナーゼで果たされる役割は直接的でもまたは間接的でもよく、治療、予防の実施または介入の結果に必要および/または十分であればよい。そのため、キナーゼで媒介される病状または症状には、具体的癌薬剤または治療に対する耐性の獲得を含む。
そのため、例えば、本発明の化合物は癌の発生率の低下または減少に有用となろうと考えられる。
更に詳しくは、式(I)の化合物およびそのサブ群はFGFRのインヒビターである。例えば、本発明の化合物はFGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4、特にFGFR1、FGFR2、およびFGFR3から選択されるFGFRに対して活性を有する。
好ましい化合物は、FGFR1、FGFR2、およびFGFR3、更にFGFR4から選択される1種以上のFGFRを阻害する化合物である。本発明の好ましい化合物は、0.1μM以下のIC50値を有するものである。
本発明の化合物はVEGFRに対しても活性を有する。
本発明の化合物はPDGFRキナーゼに対しても活性を有する。特に、本化合物はPDGFRのインヒビターであり、例えばPDGFR Aおよび/またはPDGFR Bを阻害する。
加えて、本発明の化合物の多くはVEGFR(特にVEGFR2)および/またはPDGFRと比較してFGFR1、2、および/または3キナーゼおよび/またはFGFR4に選択性を示し、このような化合物は本発明の一つの好ましい態様を表す。特に、本化合物はVEGFR2に選択性を示す。例えば、本発明の多くの化合物は、VEGFR(特に、VEGFR2)および/またはPDGFR Bに対するIC50の10〜100分の1であるIC50値をFGFR1、2、および/または3および/またはFGFR4に対して有する。特に、本発明の好ましい化合物は、VEGFR2よりFGFR、特にFGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4に対して少なくとも10倍大きな活性または阻害を有している。更に好ましくは、本発明の化合物は、VEGFR2よりFGFR、特にFGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4に対して少なくとも100倍大きな活性または阻害を有している。これは本願明細書で記載されている方法を用いて調べられる。
FGFR、VEGFRおよび/またはPDGFRキナーゼを調節または阻害するそれら活性の結果として、本化合物は、特に血管形成を阻害することにより、新生物の成長を妨げるまたはアポトーシスを誘導する手段を提供する上で有用となろう。したがって、本化合物は癌のような増殖性障害を治療または予防する上で有用となる、と予想される。加えて、本発明の化合物は、増殖、アポトーシスまたは分化に障害がある疾患の治療に有用であろう。
特に、VEGFRの活性化変異体またはVEGFRの上方調節を有する腫瘍と高レベルの血清乳酸デヒドロゲナーゼを有する患者は、特に本発明の化合物に感受性かもしれない。本願明細書で記載された特異的RTKのイソ型の活性化変異体を有する患者も、本発明の化合物での治療を特に有益なものとしうる。例えば、クローン前駆細胞がVEGFRを発現する急性白血病細胞におけるVEGFR過剰発現。しかも、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4のようなFGFRのイソ型の活性化変異体、上方調節または過剰発現を有する特定の腫瘍は特に本発明の化合物に感受性であり、そのためこのような特定の腫瘍を有する本願明細書で記載されているような患者も本発明の化合物での治療を特に有益なものとしうる。本願明細書で記載されているようなレセプターチロシンキナーゼの一つの変異形に治療が係わるかまたは向けられることが好ましい。このような変異を有する腫瘍の診断は、当業者に知られて本願明細書で記載されているような技術、例えばRTPCRおよびFISHを用いて行われる。
治療(または阻害)される癌の例としては、癌、例えば、膀胱、乳、結腸(例えば、結腸腺癌および結腸腺腫のような結腸直腸癌)、腎臓、表皮、肝臓、肺臓の癌、例えば腺腫、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、例えば外分泌膵臓癌、胃、子宮頸部、子宮内膜、甲状腺、前立腺または皮膚、例えば扁平上皮細胞癌、リンパ系の造血腫瘍、例えば白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛状細胞リンパ腫またはBurkettリンパ腫、骨髄系の造血腫瘍、例えば白血病、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性症候群、骨髄異形成性症候群または前骨髄細胞性白血病、多発性骨髄腫、甲状腺小胞癌、間葉源の腫瘍、例えば線維肉腫または横紋筋肉腫、中枢または末梢神経系の腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫または神経鞘腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺小胞癌またはカポジ肉腫があるが、それらに限定されない。
ある癌は特定薬物との治療に耐性である。これは腫瘍の種類によるものか、または化合物との治療のために生じうる。この点において、多発性骨髄腫への言及には、ボルテゾミブ感受性多発性骨髄腫または難治性多発性骨髄腫を含む。同様に、慢性骨髄性白血病への言及には、イミタニブ感受性慢性骨髄性白血病および難治性慢性骨髄性白血病を含む。慢性骨髄性白血病は慢性骨髄系白血病、慢性顆粒球性白血病またはCMLとしても知られる。同様に、急性骨髄性白血病は急性骨髄芽球性白血病、急性顆粒球性白血病、急性非リンパ性白血病またはAMLとも称される。
本発明の化合物は、前悪性でもまたは安定型でも、異常細胞増殖の造血疾患、例えば骨髄増殖性疾患の治療にも用いられる。骨髄増殖性疾患(“MPD”)は過剰細胞が産生される骨髄の疾患のグループである。それらは骨髄異形成症候群と関連し、それへ進行することがある。骨髄増殖性疾患には、真性多血症、本態性血小板血症および一次骨髄線維症がある。
このように、異常細胞成長を含んでなる疾患または症状を治療するための本発明の医薬組成物、使用または方法において、異常細胞成長を含んでなる疾患または症状は一つの態様において癌である。
更に、T細胞リンパ増殖性疾患にはナチュラルキラー細胞から誘導されるものを含む。B細胞リンパ腫という用語にはびまん性大B細胞型リンパ腫を含む。
加えて、本発明の化合物は胃腸(胃としても知られる)癌、例えば胃腸間質腫瘍に用いられる。胃腸癌は、食道、胃、肝臓、胆管系、膵臓、腸、および肛門を含めた胃腸管の悪性状態に関する。
間葉源の腫瘍の別な例はEwing肉腫である。
このように、異常細胞成長を含んでなる疾患または症状を治療するための本発明の医薬組成物、使用または方法において、異常細胞成長を含んでなる疾患または症状は一つの態様において癌である。
癌の一部例としては、多発性骨髄腫、膀胱、子宮頸部、前立腺、および甲状腺癌、肺、乳、および結腸癌がある。
癌の別な例としては、多発性骨髄腫、膀胱、肝細胞、口内扁平上皮細胞癌、および子宮頸癌がある。
FGFR、例えばFGFR1阻害活性を有する本発明の化合物は、乳癌、特に古典型小葉癌(CLC)の治療または予防に特に有用となろう、と更に考えられる。
本発明の化合物はFGFR4活性を有するため、それらは前立腺または脳下垂体癌の治療にも有用となろう。
特にFGFRインヒビターとしての本発明の化合物は、多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害、子宮内膜癌、前立腺癌、膀胱癌、肺癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、および口内扁平上皮細胞癌の治療にも有用である。
癌の別な例は、多発性骨髄腫、子宮内膜癌、膀胱癌、子宮頸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、および甲状腺癌である。
特に、本発明の化合物は、多発性骨髄腫(特に、t(4、14)転座またはFGFR3過剰発現の多発性骨髄腫)、前立腺癌(ホルモン難治性前立腺癌)、子宮内膜癌(特に、FGFR2で活性化変異の子宮内膜腫瘍)および乳癌(特に、小葉乳癌)の治療におけるものである。
特に、本化合物はCLC(古典型小葉癌)のような小葉癌の治療に有用である。
本化合物はFGFR3に対する活性を有しているため、それらは多発性骨髄腫および膀胱の治療に有用となろう。
特に、本化合物は、t(4、14)転座陽性多発性骨髄腫の治療に有用である。
本化合物はFGFR2に対する活性を有しているため、それらは子宮内膜、卵巣、胃、および結腸直腸癌の治療に有用となろう。FGFR2は上皮卵巣癌でも過剰発現され、したがって本発明の化合物は上皮卵巣癌のような卵巣癌を治療する上で特に有用となりうる。
本発明の化合物は、VEGFR2インヒビターまたはVEGFR2抗体(例えば、アバスチン)で前治療された腫瘍の治療にも有用となりうる。
特に、本発明の化合物はVEGFR2耐性腫瘍の治療に有用となりうる。VEGFR2インヒビターおよび抗体は甲状腺および腎臓細胞癌の治療に用いられ、したがって本発明の化合物はVEGFR2耐性甲状腺および腎臓細胞癌の治療に有用となりうる。
癌は、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4から選択される1種以上のFGFR、例えばFGFR1、FGFR2またはFGFR3から選択される1種以上のFGFRの阻害に感受性である癌である。
具体的な癌がFGFR、VEGFR、またはPDGFRシグナリングの阻害に感受性であるものか否かは、下記で掲載されているような細胞成長アッセイの手段により、または“診断の方法”と題されたセクションで掲載されているような方法により調べられる。
本発明の化合物、特にFGFR、VEGFR、またはPDGFR阻害活性を有する化合物は、高レベルのFGFR、VEGFR、またはPDGFRと関連するまたはその存在で特徴づけられる種類の癌、例えばこの関係において本出願の序文セクションで言及された癌の治療または予防に特に有用となろう、と更に考えられる。
一部のFGFRインヒビターは他の抗癌剤と一緒に用いうることが見出された。例えば、細胞成長を調節することで癌発育の特徴面のうち二つに対処するために、アポトーシスを誘導するインヒビターを異なるメカニズムで作用する他の剤と組み合わせることが有益となりうる。このような組み合わせの例が以下に掲載されている。
本発明の化合物は、増殖の障害に起因する他の症状、例えばII型または非インスリン依存性糖尿病、自己免疫疾患、頭部外傷、発作、癲癇、神経変性疾患、例えばアルツハイマー、運動ニューロン疾患、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症、およびPick病、例えば自己免疫疾患および神経変性疾患を治療する上で有用となろう、とも考えられる。
本発明の化合物が有用であろうと考えられる病状および症状の1サブ群は、炎症疾患、心臓血管疾患、および創傷治癒からなる。
FGFR、VEGFR、およびPDGFRは、アポトーシス、血管形成、増殖、分化および転写で役割を果たすことも知られ、したがって本発明の化合物は癌以外の次の疾患:慢性炎症疾患、例えば全身性紅斑性狼瘡、自己免疫性糸球体腎炎、リウマチ様関節炎、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫糖尿病、湿疹過敏反応、喘息、COPD、鼻炎および上部呼吸管疾患、心臓血管疾患、例えば心肥大、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、エイズ関連痴呆、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、色素性網膜炎、脊髄筋萎縮および小脳変性症、糸球体腎炎、骨髄異形成症候群、虚血性損傷関連心筋梗塞、発作および再灌流損傷、不整脈、アテローム性動脈硬化症、毒素誘導性またはアルコール関連肝疾患、血液疾患、例えば慢性貧血および再生不良性貧血、筋骨格系の変性疾患、例えば骨粗鬆症および関節炎、アスピリン感受性副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎臓疾患、および癌痛の治療にも有用となりうる。
加えて、FGFR2の変異はヒト骨格発育における幾つかの重度な異常症と関連し、そのため本発明の化合物は、頭蓋骨縫合部の異常骨化(頭蓋骨癒合)、アぺール(AP)症候群、クルゾン症候群、ジャクソン‐ワイス症候群、ベーレ‐スティーブンソン脳回状頭皮症候群、およびPfeiffer症候群を含めた、ヒト骨格発育における異常症の治療に有用となりうる。
FGFR、例えばFGFR2またはFGFR3阻害活性を有する本発明の化合物は、骨格疾患の治療または予防に特に有用となろう、と更に考えられる。具体的な骨格疾患は、軟骨形成不全症または致死性小人症(致死性骨異形成症としても知られる)である。
FGFR、例えばFGFR1、FGFR2、またはFGFR3阻害活性を有する本発明の化合物は、進行性線維症が症状である病変における治療または予防に特に有用となろう、と更に考えられる。本発明の化合物が治療で有用となりうる線維症状としては、線維組織の異常または過剰沈着を示す疾患、例えば肝硬変、糸球体腎炎、肺線維症、全身性線維症、リウマチ様関節炎、並びに創傷治癒の自然工程がある。特に、本発明の化合物は肺線維症、特に特発性肺線維症の治療にも有用となりうる。
腫瘍関連血管構造におけるFGFRおよびVEGFRの過剰発現および活性化は、腫瘍血管形成の開始を阻止および破壊する上で本発明の化合物に関する役割も示唆していた。特に、本発明の化合物は、癌、転移、白血病、例えばCLL、眼疾患、例えば加齢関連黄斑変性症、特に湿潤形の加齢関連黄斑変性症、虚血性増殖性網膜症、例えば未熟児網膜症(ROP)および糖尿病性網膜症、リウマチ様関節炎および血管腫の治療に有用となりうる。
本発明の化合物はPDGFRを阻害することから、それらは幾つかの腫瘍および白血病の種類、例えば多形性神経膠芽腫のような神経膠芽腫、前立腺癌、胃腸間質腫瘍、肝臓癌、腎臓癌、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、並びに好酸球増多症候群、稀な増殖性血液障害および隆起性皮膚線維肉腫、浸潤性皮膚腫瘍の治療にも有用となりうる。
FGFR1〜4、VEGFRおよび/またはPDGFR A/Bのインヒビターとして本発明の化合物の活性は以下の実施例で掲載されたアッセイを用いて測定され、所定化合物により示される活性のレベルはIC50値で規定される。本発明の好ましい化合物は、1μM以下、更に好ましくは0.1μM以下のIC50値を有する化合物である。
本発明は、FGFR阻害または調節活性を有して、FGFRキナーゼで媒介される病状または症状を予防または治療する上で有用となろうと考えられる化合物を提供する。
一つの態様では、治療で使用のために本願明細書で定義されているような化合物が提供される。別の態様では、FGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療で使用のために本願明細書で定義されているような化合物が提供される。
そのため、例えば、本発明の化合物は癌の発生率を低下または減少させる上で有用となろうと考えられる。したがって、別の態様において、癌の予防または治療で使用のために本願明細書で定義されているような化合物が提供される。
したがって、一つの態様において、本発明はFGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療用薬剤の製造のための化合物の使用を提供し、該化合物は本願明細書で定義されているような式(I)を有している。
一つの態様において、本願明細書で記載されているような病状または症状の予防または治療用薬剤の製造のために本願明細書で定義されているような化合物の使用が提供される。
別の態様において、癌の予防または治療用薬剤の製造のために本願明細書で定義されているような化合物の使用が提供される。
したがって、本発明は特に:
FGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療方法を提供し、該方法はその必要な対象者へ本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
一つの態様において、本願明細書で記載されているような病状または症状の予防または治療方法が提供され、該方法はその必要な対象者へ本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
別の態様において、癌の予防または治療方法が提供され、該方法はその必要な対象者へ本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
FGFRキナーゼで媒介される病状または症状の発生率を低下または減少させるための方法であって、該方法はその必要な対象者へ本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
FGFRキナーゼを阻害する方法であって、該方法は本願明細書で定義されているような式(I)のキナーゼ阻害化合物と該キナーゼを接触させることを含んでなる。
本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を用いてFGFRキナーゼの活性を阻害することにより、細胞プロセス(例えば、細胞分裂)を調節する方法。
FGFRキナーゼの活性を阻害することによる、細胞プロセス(例えば、細胞分裂)のモジュレーターとして使用するための本願明細書で定義されているような式(I)の化合物。
FGFRのモジュレーター(例えば、インヒビター)として使用するための本願明細書で定義されているような式(I)の化合物。
FGFRの活性を調節(例えば、阻害)するための薬剤の製造に関する、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼの活性を阻害することにより細胞プロセス(例えば、細胞分裂)を調節するための薬剤の製造における、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられる疾患または症状の予防または治療のための薬剤の製造に関する、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
癌の予防または治療のための薬剤の製造に関する本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用であって、癌はFGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられるものである。
FGFR3キナーゼの遺伝子異常を有するサブ集団から選択される患者で癌の予防または治療のための薬剤の製造に関する、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
FGFR3キナーゼの遺伝子異常を有するサブ集団の一部を形成するとして診断されていた患者で癌の予防または治療のための薬剤の製造に関する、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられる疾患または症状の予防または治療方法であって、該方法は本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられる疾患または症状の発生率を低下または減少させるための方法であって、該方法は本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
癌に罹患したまたは罹患していると疑われる患者で癌の予防または治療の(またはその発生率を低下または減少させる)ための方法であって、該方法は、(i)患者がFGFR3遺伝子の遺伝子異常を有するか否かについて調べるための診断検査へ患者を付し、および(ii)患者が該バリアントを有する場合は、その後でFGFR3キナーゼ阻害活性を有する本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を患者に投与することを含んでなる。
FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられる病状または症状の予防または治療の(またはその発生率を低下または減少させる)ための方法であって、該方法は、(i)FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられるマーカーを検出するための診断検査へ患者を付し、および(ii)診断検査がFGFRキナーゼの上方調節を示す場合は、その後でFGFR3キナーゼ阻害活性を有する本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を患者に投与することを含んでなる。
変異キナーゼ
薬剤耐性キナーゼ変異がキナーゼインヒビターで治療された患者集団で起きることがある。これらは、一部、治療で用いられた具体的インヒビターと結合または相互反応するタンパク質の領域で生じる。このような変異は、問題のキナーゼと結合してそれを阻害しうるインヒビターの能力を減少または増加させる。これは、インヒビターと相互反応する、または標的への該インヒビターの結合を支えるために重要であるアミノ酸残基のいずれかで生じうる。変異アミノ酸残基との相互作用を要せずに標的キナーゼと結合するインヒビターは、変異によりおそらく影響されず、酵素の有効インヒビターのままでいられるであろう(Carter et al.(2005),PNAS,102(31),11011-110116)。
胃癌患者の試料を用いた研究では、FGFR2に二つの突然変異の存在、即ちエキソンIIIaにおけるSer167ProおよびエキソンIIIcにおけるスプライス部位突然変異940‐2A‐Gを示した。これらの突然変異は、頭蓋骨縫合早期癒合症(craniosynotosis syndrome)を引き起こし、研究された初期胃癌組織の13%において観察される、活性化生殖細胞突然変異と同一である。加えて、FGFR3における活性化突然変異は試験された患者試料の5%で観察され、FGFRの過剰発現がこの患者群における不良な予後と相関していた(Jang et.al.(2001)Cancer Research,61,3541-3543)。
イマチニブ治療患者でPDGFRに観察されていた変異、特にT674I変異がある。これら変異の臨床的重要性は著しく増す可能性があり、これまでのところそれが患者でsrc/Ablインヒビターに対する耐性の主要メカニズムを表す可能性があるためである。
加えて、機能獲得、過剰発現、または構成的に活発な生物状態を生じる、FGFRで観察されていた染色体転座または点変異がある。
本発明の化合物は、したがって、FGFRまたはPDGFR‐ベータおよびPDGFR‐アルファを含むPDGFRのような変異分子標的、特にPDGFRのT674I変異を発現する癌に関した具体的適用症を見い出すであろう。このような変異を有する腫瘍の診断は、当業者に知られて本願明細書で記載されているような技術、例えばRTPCRおよびFISHを用いて行われる。
FGFRのATP結合部位における保存トレオニン残基の変異は、インヒビター耐性をもたらすことが示唆されていた。アミノ酸バリン561がFGFR1でメチオニンへ変異されていたが、これは選択的インヒビターに対する耐性を付与することが示されていたAbl(T315)およびEGFR(T766)でみられる以前に報告された変異に相当する。FGFR1 V561Mに関するアッセイデータは、この変異が野生型の場合と比較してチロシンキナーゼインヒビターに対する耐性を付与することを示していた。
本発明の組成物の利点
式(I)の化合物は、これまでの化合物に比べ幾つかの利点を有する。
例えば、式(I)の化合物は、これまでの化合物に比べ有利なADMETおよび生理化学的な性質を有する。特に、式(I)の化合物の多くは、低いHERG結合性、良いP450特性、良い代謝安定性(例えば、マウス肝臓ミクロソームで調べられるようなもの)および/または良い溶解性を示していた。本発明の化合物は、有利な生物学的および薬物動態学的性質、例えば改善された細胞効力、関連キナーゼに比べてインビトロまたは細胞で増加した選択性も有し、経口バイオアベイラビリティ(経口暴露またはAUC)および/または有益なクリアランス(例えば、低いクリアランス)を示す。式(I)の化合物は、これまでの化合物より潜在的に低毒性である。式(I)の化合物の多くは低い毒性、ひいては大きな治療対象域を有する。
潜在的に、本発明の組成物は経口暴露に適した物理化学的性質を有する。
本願明細書で記載されているような組成物は、これまでの化合物と比べて改善された経口バイオアベイラビリティを示すはずである。経口バイオアベイラビリティは、パーセンテージとして表示される、経口経路で投薬された際における化合物の血漿暴露量 対 静脈(i.v.)経路で投薬された際における化合物の血漿暴露量の比率(F)として定義することができる。
30%以上、更に好ましくは40%以上の経口バイオアベイラビリティ(F値)を有する組成物は特に有利であり、それらは非経口投与よりもむしろ、またはそれと同等に経口で投与しうる。
更に、式(I)の化合物は異なるキナーゼに対するそれらの活性においてより有効かつより選択的であり、FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4)に対して高い選択性および効力を呈する。式(I)の化合物はインビトロおよび細胞でFGFRを阻害する際に特に有効である。インビトロラジオメトリックアッセイおよび細胞において単離FGFR酵素に対する式(I)の化合物のIC50は、本願明細書で記載されたアッセイを用いて調べられる。本化合物は、増殖およびクローン原性アッセイにおいて改善された細胞活性、および/または細胞ベースメカニスティックアッセイ、例えばFGFRの下流基質、FGF誘導ERK1/2リン酸化を測定するものにおいて効力を呈する。これは、広範囲の固形腫瘍および白血病(例えば、多発性骨髄腫)細胞系に対して改善された抗癌活性を示す。
加えて、本化合物は緊密な関連キナーゼVEGFR2および/またはPDGFRに対して選択性を示す。したがって、本化合物はVEGFR2および/またはPDGFRに対して低い活性を有する。特に、本化合物はVEGFR2に対する効力で約>10倍の差異を示す。
式(I)の化合物の多くはこれまでの化合物に比べ有利であり、それらはP450酵素に異なる感受性を有する。例えば、式(I)の好ましい化合物はチトクロームP450酵素1A2、2C9、2C19、3A4、および2D6の各々に対して10μM以上のIC50値を有する。
加えて、本発明の多くの化合物はこれまでの化合物に比べて有利であり、それらは薬物代謝および薬物動態性に関しても改善を示す。特に、本発明の化合物の多くはマウス肝臓ミクロソームにおいて低い血漿タンパク質結合性および/または良い代謝安定性を有する。加えて、本発明の化合物の多くは水溶液中で改善された溶解性と良い物理化学的性質、例えば低いlogDを有する。これらの特性は、適切な作用部位に到達してその治療効果を発揮するために、多くの遊離薬物を全身循環に入れられる利点を付与する。腫瘍で薬理作用を発揮する遊離フラクションの増加は改善された効力へと繋がり、それにより少ない用量で投与することができる。そのため、式(I)の化合物は少ない投薬要求量を示し、より容易に処方かつ投与されるはずである。
hERG
1990年代後期に、米国のFDAにより承認された幾つかの薬物は、それらが心機能不全に起因する死に関与していることが見出されたとき、米国で販売から撤退せねばならなかった。これら薬物の副作用は心臓細胞でhERGチャンネルの遮断に起因した不整脈の発生であることが、その後に見出された。hERGチャンネルは一連のカリウムイオンチャンネルの一つであり、その第一メンバーが突然変異Drosophilia melanogasterミバエで1980年代後期に確認された(Jan,L.Y.and Jan,Y.N.(1990),A Superfamily of Ion Channels,Nature,345(6277),672参照)。hERGカリウムイオンチャンネルの生物物理学的性質は、Sanguinetti,M.C.,Jiang,C.,Curran,M.E.,and Keating,M.T.(1995),A Mechanistic Link Between an Inherited and an Acquired Cardiac Arrhythmia:HERG encodes the Ikr potassium channel,Cell,81:299-307およびTrudeau,M.C.,Warmke,J.W.,Ganetzky,B.,and Robertson,G.A.(1995),HERG,a Human Inward Rectifier in the Voltage-Gated potassium channel Family,Science,269:92-95において記載されている。
hERG遮断活性の排除は、いかなる新薬の開発にも重要な考慮対象として残されている。式(I)の多くの化合物は、低いhERG活性およびFGFR阻害活性とhERG活性との良い分離を有している。
hERG活性の測定のための一つの方法はパッチクランプ電気生理学法である。機能hERG活性の測定のための代わりの方法としては、hERGチャンネルを安定的に発現する細胞から単離された市販膜またはhERGチャンネルを発現する市販細胞系を用いる、hERG結合アッセイがある。
式(I)の好ましい化合物は、低いhERGイオンチャンネル遮断活性を有する。式(I)の好ましい化合物は、細胞増殖アッセイにおける本化合物のIC50値で30倍以上、40倍以上、または50倍以上である、hERGに対する平均IC50値を有する。式(I)の好ましい化合物は、5μM以上、更に詳しくは10μM以上、更に好ましくは15μM以上である、hERGに対する平均IC50値を有する。本発明の一部の化合物はhERGに対して30μM以上である平均IC50値を有し、1、3、10または30μMの濃度でこのようなIC50を呈する阻害%を示す。
医薬処方剤
活性化合物が単独で投与されることは可能であるが、当業者に周知されている1種以上の薬学上許容される担体、添加剤、賦形剤、希釈剤、フィラー、緩衝剤、安定剤、保存剤、滑沢剤、または他の物質、および場合により他の治療または予防剤と一緒に、少なくとも1種の本発明の活性化合物を含んでなる、医薬組成物(例えば、処方剤)としてそれを提供することが好ましい。
このように、本発明は更に、上記で定義されているような医薬組成物と、本願明細書で記載されているような1種以上の薬学上許容される担体、賦形剤、緩衝剤、添加剤、安定剤または他の物質と一緒に上記のような少なくとも1種の活性化合物を混合することを含んでなる、医薬組成物を製造する方法を提供する。
本願明細書で用いられている用語“薬学上許容される”とは、健全な医学的判断の範囲内において、妥当な利益/危険比で釣り合いながら、過度な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症なしに、対象者(例えば、ヒト)の組織と接触する使用に適した、化合物、物質、組成物および/または剤形に関する。各担体、賦形剤などは、処方剤の他成分と適合するという意味でも“許容”されねばならない。
式(I)の化合物を含有した医薬組成物は公知の技術に従い処方される:例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,PA,USA参照。
したがって、別な態様において、本発明は、医薬組成物の形で、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物およびそのサブ群を提供する。
医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻内、眼、耳、直腸、膣内、または経皮投与に適したいずれかの形態をとることができる。組成物が非経口投与向けである場合、それらは静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下投与用に、または注射、注入または他の送達手段による標的器官または組織への直接送達用に処方しうる。送達はボーラス注射、短時間注入または長時間注入でもよく、受動送達または適切な注入ポンプの利用でもよい。
非経口投与向けに適合させた医薬処方剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、共溶媒、有機溶媒混合物、シクロデキストリン複合体形成剤、(エマルジョン処方剤を形成および安定化させるための)乳化剤、リポソームを形成するためのリポソーム成分、ポリマーゲルを形成するためのゲル化ポリマー、凍結乾燥保護剤と、特に活性成分を溶解形で安定化させるおよび処方剤を所定レシピエントの血液と等張化させるための諸剤の組合せを含有しうる、水性および非水性無菌注射溶液がある。非経口投与用の医薬処方剤は、懸濁剤および増粘剤を含有しうる水性および非水性無菌懸濁液の形もとれる(R.G.Strickly(2004),Solubilizing Excipients in oral and injectable formulations,Pharmaceutical Research,Vol.21(2),p.201-230)。
リポソームは、外側脂質二重膜および内側水性コアから構成される、<100μmの全体直径を有した閉鎖球状ベシクルである。薬物がリポソーム内に封入または挿入されるようになれば、疎水性のレベルに応じて、適度な疎水性の薬物はリポソームにより可溶化される。薬物分子が脂質二重膜の一体部分となっても、疎水性薬物はリポソームにより可溶化され、この場合には、疎水性薬物が脂質二重層の脂質部分に溶解される。
処方剤は単用量または多用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで提供し、使用直前に、無菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを要するフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵してもよい。
医薬処方剤は式(I)の化合物またはそのサブ群を凍結乾燥することにより製造しうる。凍結乾燥とは組成物をフリーズドライする操作に関する。フリーズドライおよび凍結乾燥はしたがって同義語として本願明細書では用いられている。
即時注射溶液および懸濁液は、無菌粉末、顆粒、および錠剤から製造してもよい。
非経口注射用の本発明の医薬組成物としては、薬学上許容される無菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、並びに使用直前に無菌注射溶液または分散液へ再調製用の無菌粉末もある。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびその適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルがある。適度な流動性は、例えばレシチンのようなコーティング物質の使用により、分散物の場合では所要粒度の維持により、および界面活性剤の使用により維持しうる。
本発明の組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤のような添加剤も含有してよい。微生物の作用の防止は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの含有により確保される。糖、塩化ナトリウムなどのような等張剤を含有させることも望ましい。注射用医薬形の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような吸収を遅らせる剤の含有により行える。
本発明の一つの好ましい態様において、医薬組成物は、例えば注射または注入による、i.v.投与に適した形態をとる。静脈内投与の場合、溶液はそのまま投与しても、または投与前に注入袋(薬学上許容される賦形剤、例えば0.9%塩水または5%デキストロースを含有する)へ投入してもよい。
他の好ましい態様において、医薬組成物は皮下(s.c.)投与に適した形態をとる。
経口投与用に適した医薬剤形には、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、ロゼンジ、シロップ、溶液、粉末、顆粒、エリキシルおよび懸濁液、舌下錠、ウエファーまたはパッチおよびバッカルパッチがある。
そのため、錠剤組成物は、不活性希釈剤または担体、例えば糖または糖アルコール、例えばラクトース、スクロース、ソルビトールまたはマンニトール、および/または非糖誘導希釈剤、例えば炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムまたはセルロースもしくはその誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプン、例えばコーンスターチと一緒に、単用量の活性化合物を含有しうる。錠剤は、結合および造粒剤、例えばポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースのような膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例えば、ステアレート類)、保存剤(例えば、パラベン類)、酸化防止剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸またはクエン酸緩衝剤)および発泡剤、例えばクエン酸塩/重炭酸塩混合物のような標準成分も含有してよい。このような賦形剤は周知であり、ここで詳細に記載する必要はない。
カプセル処方剤は硬ゼラチンまたは軟ゼラチン品であり、固体、半固体、または液体形で活性成分を含有しうる。ゼラチンカプセルは、動物ゼラチンまたはその合成もしくは植物誘導相当物から形成しうる。
固体剤形(例えば、錠剤、カプセルなど)は被覆してもまたは未被覆でもよいが、典型的にはコーティング、例えば保護膜コーティング(例えば、ワックスまたはワニス)または放出制御コーティングを有している。コーティング(例えば、Eudragit型ポリマー)は、胃腸管内の望ましい箇所で活性成分を放出するように設計しうる。そのためには、コーティングは、胃腸管内のあるpH条件下で分解することにより、胃または回腸もしくは十二指腸で化合物を選択的に放出するように選択される。
コーティングの代わりに、またはそれに加えて、放出制御剤、例えば胃腸管の様々な酸性またはアルカリ性条件下で化合物を選択的に放出するように適合化される放出遅延剤を含んでなる固体マトリックスに入れて、薬物が提供しうる。一方、マトリックス物質または放出遅延コーティングは、剤形が胃腸管を通過する際に実質的に連続侵食される侵食性ポリマー(例えば、無水マレイン酸ポリマー)の形態をとってもよい。別の態様として、活性化合物は、化合物の放出を浸透圧制御する送達系で処方される。浸透圧放出および他の遅延放出または徐放処方剤は当業者に周知の方法に従い製造しうる。
医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の活性成分を含んでなる。本発明による医薬組成物は、例えばアンプル、バイアル、坐剤、糖衣錠、錠剤、またはカプセルの形態のような単位剤形をとることができる。
経口投与用の医薬組成物は、活性成分を固体担体と混合し、所望であれば得られた混合物を造粒し、所望または必要であれば適切な賦形剤の添加後に、混合物を錠剤、糖衣錠コアまたはカプセルへ加工することにより得られる。活性成分を測定量で拡散または放出させるプラスチック担体中へそれらを配合することも可能である。
本発明の化合物は固体分散体として処方することもできる。固体分散体は、固体物2種以上の均質極微細分散相である。固体分散体の一種、固溶体(分子分散系)は製剤技術で使用がよく知られ(Chiou and Riegelman(1971),J.Pharm.Sci.,60,1281-1300参照)、溶解速度を増して難水溶性薬物のバイオアベイラビリティを増す際に有用である。
本発明は、上記の固溶体を含んでなる固体剤形も提供する。固体剤形としては、錠剤、カプセル、およびチュアブル錠がある。公知の賦形剤が、望ましい剤形を提供するために、固溶体とブレンドされる。例えば、カプセルは、(a)崩壊剤および滑沢剤、または(b)崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤とブレンドされた固溶体を含有しうる。錠剤は、少なくとも1種の崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤および流動促進剤とブレンドされた固溶体を含有しうる。チュアブル錠は、増量剤、滑沢剤、および所望であれば追加の甘味剤(例えば、人工甘味料)と適切なフレーバーとブレンドされた固溶体を含有しうる。
医薬処方剤は、単一パッケージに全治療コースを含む“患者パック”、通常ブリスターパックに入れて、患者に提供してもよい。患者処方箋で通常見逃す、患者パックに含有されたパッケージインサートへ患者がいつもアクセスできるという点で、薬剤師がバルクサプライから医薬の患者サプライを分配する伝統的処方箋よりも患者パックは利点を有する。パッケージインサートの含有は、医師の指示で患者コンプライアンスを改善しうることが示されていた。
局所使用向け組成物には、軟膏、クリーム、スプレー、パッチ、ゲル、液滴、およびインサート(例えば眼内インサート)がある。このような組成物は公知の方法に従い処方しうる。
直腸または膣内投与用処方剤の例には、例えば活性化合物を含有した成型変形性またはロウ様物質から形成されるペッサリーおよび坐剤がある。
吸入投与用の組成物は、吸入可能な粉末組成物または液体もしくは粉末スプレーの形態をとり、粉末吸入器またはエアゾル分配器を用いて標準形で投与しうる。このような器具は周知である。吸入投与の場合、粉末処方剤は、典型的には、ラクトースのような不活性固体粉末希釈剤と一緒に、活性化合物を含有している。
式(I)の化合物は通常単位剤形で提供され、それ自体で、典型的には望ましいレベルの生物活性を呈する上で十分な化合物を含有する。例えば、処方剤は、1ng〜2gの活性成分、例えば1ng〜2mgの活性成分を含有する。この範囲内で、化合物の具体的サブレンジは0.1mg〜2gの活性成分(更に通常は10mg〜1g、例えば50mg〜500mg)または1μg〜20mg(例えば1μg〜10mg、例えば0.1mg〜2mgの活性成分)である。
経口組成物の場合、単位剤形は1mg〜2g、更に典型的には10mg〜1g、例えば50mg〜1g、例えば100mg〜1gの活性成分を含有しうる。
活性化合物は、望ましい治療効果をあげるために十分な量で、それの必要な患者(例えば、ヒトまたは動物患者)へ投与される。
当業者であれば、処方で使用上適量の材料を選択する専門知識を有するであろう。例えば、錠剤およびカプセルは、典型的には、0〜20%崩壊剤、0〜5%滑沢剤、0〜5%流動補助剤(flow aids) および/または0〜100%フィラーまたは増量剤(薬物の用量に依存する)を含む。それらは、0〜10%ポリマー結合剤、0〜5%酸化防止剤、0〜5%色素も含んでよい。徐放錠剤は加えて0〜100%ポリマー(薬物に依存する)を含む。錠剤またはカプセルのフィルムコートは0〜10%ポリマー、0〜3%色素および/または0〜2%可塑剤を含む。
非経口処方剤は、典型的には、0〜20%緩衝液、0〜50%共溶媒および/または0〜100%注射用水(WFI)(用量に依存し、凍結乾燥品の場合)を含む。筋肉内持続製剤のための処方は0〜100%の油を含んでもよい。
医薬処方剤の例
(i)錠剤処方剤
式(I)の化合物を含有した錠剤組成物は、希釈剤として197mgのラクトース(BP)および滑沢剤として3mgステアリン酸マグネシウムと50mgの化合物を混合し、公知の手法で錠剤を圧縮成形することにより製造される。
(ii)カプセル処方剤
カプセル処方剤は、100mgの式(I)の化合物を100mgラクトースと混合し、得られた混合物を標準不透明硬ゼラチンカプセルへ充填することにより製造される。
(iii)注射用処方剤I
注射による投与用の非経口組成物は、1.5重量%の活性化合物の濃度を得るために、10%プロピレングリコールを含有する水に式(I)の化合物(例えば塩形)を溶解することにより製造される。溶液は次いで濾過滅菌され、アンプルへ充填されて、密封される。
(iv)注射用処方剤II
注射用の非経口組成物は、式(I)の化合物(例えば塩形)(2mg/mL)およびマンニトール(50mg/mL)を水に溶解し、溶液を濾過滅菌し、密封可能な1mLバイアルまたはアンプルへ充填することにより製造される。
(v)注射用処方剤III
注射または注入によるi.v.送達用の処方剤は、式(I)の化合物(例えば塩形)を水に20mg/mLで溶解することにより製造される。バイアルは次いで密封され、オートクレーブ処理により滅菌される。
(vi)注射用処方剤IV
注射または注入によるi.v.送達用の処方剤は、緩衝剤(例えば、0.2M酢酸pH4.6)を含有する水に式(I)の化合物(例えば塩形)を20mg/mLで溶解することにより製造される。バイアルは次いで密封され、オートクレーブ処理により滅菌される。
(vii)皮下注射用処方剤
皮下投与用の組成物は、5mg/mLの濃度を得るために、式(I)の化合物を医薬品グレードコーン油と混合することにより製造される。組成物は滅菌され、適切な容器へ充填される。
(viii)凍結乾燥処方剤
処方された式(I)の化合物の一部が50mLバイアルへ入れられ、凍結乾燥される。凍結乾燥に際して、組成物は一工程凍結プロトコール(−45℃)を用いて凍結される。温度がアニーリングのために−10℃へ上げられ、次いで−45℃へ下げて凍結し、次いで+25℃で約3400分間一次乾燥し、次いで50℃までの温度漸増工程で二次乾燥させる。一次および二次乾燥に際する圧力は80ミリトルに設定される。
治療方法
本願明細書で定義されているような式(I)の化合物およびそのサブ群は、FGFRにより媒介されるある範囲の病状または症状の予防または治療に有用となろう、と考えられる。このような病状および症状の例は前記されている。
本化合物は、このような投与の必要な対象者、例えばヒトまたは動物患者、好ましくはヒトへ通常投与される。本化合物は、治療または予防上有用でかつ通常無毒性な量で、典型的には投与される。
しかしながら、ある状況(例えば、生命脅威疾患の場合)では、式(I)の化合物を投与する利益が毒性作用または副作用の欠点に勝ることがあり、その場合にはある程度の毒性を伴う量で化合物を投与することが望ましいとみなされる。
本化合物は有益な治療効果を維持するために長期間にわたり投与され、または短期間のみで投与される。一方、それらはパルスでまたは連続的に投与してもよい。
式(I)の化合物の典型的1日量は、100pg〜100mg/体重kg、更に典型的には5ng〜25mg/体重kg、更に通常は10ng〜15mg/kg(例えば、10ng〜10mg、更に典型的には1μg/kg〜20mg/kg、例えば1μg〜10mg/kg)/体重kgの範囲内であるが、必要であればそれより高いまたは低い用量で投与してもよい。式(I)の化合物は1日ベースでまたは反復ベースで、例えば2、3、4、5、6、7、10、14、21、または28日毎に投与される。
本発明の化合物は、ある範囲の用量、例えば1〜1500mg、2〜800mg、または5〜500mg、例えば2〜200mgまたは10〜1000mgで経口投与され、用量の具体例として10、20、50、および80mgがある。本化合物は各日に1回または2回以上投与される。本化合物は連続的に投与しうる(即ち、治療期間中に中断なしで毎日投与される)。一方、本化合物は断続的に投与してもよく、即ち1週間のような所定期間にわたり連続的に投与され、次いで1週間のような期間にわたり中断され、次いで治療期間を通して1週間などのような他の期間にわたり連続的に投与される。断続的投与を伴う治療法の例としては、投与が1週間オン、1週間オフまたは2週間オン、1週間オフまたは3週間オン、1週間オフまたは2週間オン、2週間オフまたは4週間オン、2週間オフまたは1週間オン、3週間オフのサイクルで、1回以上のサイクル、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上のサイクルに及ぶ方法がある。
一つの具体的な投薬スケジュールでは、患者に10日以内、特に1週間のうち5日以内で毎日1時間にわたる式(I)の化合物の注入が行われ、治療は2〜4週間のような望ましい間隔で、特に3週間毎に繰り返される。
更に詳しくは、患者に5日間で毎日1時間にわたり式(I)の化合物の注入が行われ、治療が3週間毎に繰り返される。
他の具体的な投薬スケジュールでは、患者に30分間〜1時間にわたる注入、次いで可変期間、例えば1〜5時間、例えば3時間の維持注入が行われる。
別の具体的な投薬スケジュールでは、患者に12時間〜5日間にわたる連続注入、特に24時間〜72時間にわたる連続注入が行われる。
しかしながら結局は、投与される化合物の量および用いられる組成物の種類は、治療される疾患の種類または生理状態に相応し、医師の裁量に委ねられる。
本願明細書で定義されているような化合物は、唯一の治療剤として投与しても、あるいはそれらは具体的病状、例えば上記で定義された癌のような新生物疾患の治療用の1種以上の他の化合物との組合せ治療において投与してもよい。式(I)の化合物と一緒に(同時にまたは異なる時間間隔で)投与しうる他の治療剤または治療の例としては、限定されないが:
トポイソメラーゼIインヒビター
抗代謝剤
チューブリン標的化剤
DNA結合剤およびトポイソメラーゼIIインヒビター
アルキル化剤
モノクローナル抗体
抗ホルモン
シグナル伝達インヒビター
プロテアソームインヒビター
DNAメチルトランスフェラーゼ
サイトカインおよびレチノイド
クロマチン標的化療法
放射線療法および
他の治療または予防剤、例えば化学療法に伴う副作用の一部を減少または低下させる剤がある。このような剤の具体例としては、制吐剤、化学療法関連好中球減少症を予防するまたはその期間を減少させる、および低レベルの赤血球または白血球から生じる合併症を予防する剤、例えばエリトロポエチン(EPO)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM‐CSF)および顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)がある。ビスホスホネート剤、例えばゾレドロネート、パミドロネート、およびイバンドロネートのような骨再吸収を阻害する剤、炎症応答を抑制する剤(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、およびプレドニゾロン)、末端肥大症患者で成長ホルモンおよびIGF‐Iの血中レベルを減少させるために用いられる剤、例えば、天然ホルモン ソマトスタチンの場合と似た薬理性を有する長期作用型オクタペプチドである酢酸オクトレオチドを含めた、合成形の脳ホルモン ソマトスタチンも含まれる。葉酸またはフォリン酸自体のレベルを減少させる薬物の解毒剤として用いられるロイコボリンのような剤と、浮腫および血栓塞栓出現を含む副作用の治療のために用いられる酢酸メゲストロールのような剤とが更に含まれる。
本発明の組合せ剤に存在する化合物の各々は、多様な投薬スケジュールで異なる経路により個別に投与してもよい。
式(I)の化合物が1、2、3、4種またはそれ以上の他の治療剤(好ましくは1または2種、更に好ましくは1種)との組合せ治療で投与される場合、本化合物は同時にまたは連続的に投与される。連続的に投与される場合、それらは短い間隔(例えば、5〜10分間)または長い間隔(例えば1、2、3、4時間またはそれ以上の間隔、必要であれば更に長い間隔)で投与され、正確な投薬法は治療剤の性質に相応する。
本発明の化合物は、非化学療法治療、例えば放射線療法、光力学療法、遺伝子療法、手術および食事制限と併用して投与してもよい。
他の化学療法剤との組合せ治療で使用のために、式(I)の化合物と1、2、3、4種またはそれ以上の他の治療剤が、例えば2、3、4種またはそれ以上の治療剤を含有する剤形で一緒に処方しうる。別法では、個別の治療剤が別々に処方されて、場合によりそれらの使用説明書を入れたキットの形で一緒に提供される。
当業者であれば、共通一般知識を通して、用いるための投薬法および組合せ療法を知ることであろう。
診断方法
式(I)の化合物の投与前に、患者が罹患しているまたは罹患している可能性がある疾患または症状が、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRに対して活性を有する化合物での治療に感受性であるか否かを調べるために、患者が検査される。
例えば、患者が罹患しているまたは罹患している可能性がある癌のような症状または疾患が、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRのレベルまたは活性の上方調節、正常FGFR、VEGFR、および/またはPDGFR活性に対する経路の過敏化、成長因子リガンドレベルまたは成長因子リガンド活性のようなこれら成長因子シグナリング経路の上方調節、あるいはFGFR、VEGFR、および/またはPDGFR活性化の下流において生化学経路の上方調節へ繋がる遺伝子異常または異常タンパク質発現で特徴づけられるものであるか否かを調べるために、患者から採取された生物学的サンプルが解析される。
FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRシグナルの活性化または過敏化をもたらすこのような異常の例としては、アポトーシス経路の喪失または阻害、レセプターまたはリガンドの上方調節、あるいはレセプターまたはリガンドの変異バリアント、例えばPTKバリアントの存在がある。FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4の変異体、FGFR1の上方調節、特に過剰発現、あるいはFGFR2またはFGFR3の機能獲得変異体をもつ腫瘍は、FGFRインヒビターに特に感受性であるかもしれない。
例えば、FGFR2で機能獲得を生じる点変異が幾つかの症状で確認されていた(Lemonnier,et al.(2001),J.Bone Miner.Res.,16,832-845)。特に、FGFR2における活性化変異が子宮内膜腫瘍の10%で確認されていた(Pollock et al,Oncogene,2007,26,7158-7162)。
加えて、異所で発現または脱調節される構成的に活性なFGFR3レセプターをもたらす染色体転座または点変異のようなFGFR3レセプターチロシンキナーゼの遺伝子異常が確認され、一部の多発性骨髄腫、膀胱および子宮頸癌と関連している(Powers,C.J.et al.(2000),Endocr.Rel.Cancer,7,165)。PDGFレセプターの具体的変異T674Iがイマチニブ治療患者で確認されていた。
加えて、8p12‐p11.2の遺伝子増幅が小葉乳癌(CLC)の〜50%で証明され、これはFGFR1の発現増加と関連していることが示された。FGFR1に対するsiRNAまたは該レセプターの小分子インヒビターに関する予備研究では、この増幅を呈する細胞系が特にこのシグナリング経路の阻害に感受性であることを示した(Reis-Filho et al.(2006),Clin.Cancer Res.,12(22),6652-6662)。
一方、患者から採取された生物学的サンプルが、FGFR、VEGFR、またはPDGFRのネガティブレギュレーターまたはサプレッサーの喪失に関して解析されることもある。本関係において、用語“喪失”は、レギュレーターまたはサプレッサーをコードする遺伝子の欠失、(例えば、変異による)遺伝子のトランケーション、遺伝子の転写産物のトランケーション、(例えば、点変異による)転写産物の不活性化または他の遺伝子産物による隔絶を包含する。
上方調節という用語には、遺伝子増幅(即ち、多重遺伝子コピー)を含めた高発現または過剰発現、転写効果による高発現、並びに変異による活性化を含めた機能亢進および活性化を含む。そのため、患者はFGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの上方調節に特有のマーカーを検出する診断検査に付されることがある。診断という用語には検査を含む。マーカーには、我々は、例えばFGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの変異を特定するためにDNA組成の測定を含めた、遺伝子マーカーを含めている。マーカーという用語には、酵素活性、酵素レベル、酵素状態(例えば、リン酸化されているまたはリン酸化されていない)および前記タンパク質のmRNAレベルを含めた、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの上方調節に特有なマーカーも含める。
診断検査およびスクリーンは、典型的には、腫瘍バイオプシーサンプル、血液サンプル(剥離腫瘍細胞の単離および豊富化)、スツールバイオプシー、痰、染色体解析、胸膜液、腹膜液、バッカルスピア(buccal spear)、バイオプシー、または尿から選択される生物学的サンプルで行われる。タンパク質の変異および上方調節の特定および解析の方法は、当業者に知られている。検査法としては、標準方法、例えば逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)またはin situハイブリッド形成、例えば蛍光in situハイブリッド形成(FISH)があるが、それらに限定されない。
FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRに変異を有する個体の特定は、該患者がFGFR、VEGFR、および/またはPDGFRインヒビターでの治療に特に適しうることを意味する。腫瘍は、治療前にFGFR、VEGFR、および/またはPDGFRバリアントの存在に関して、優先的に検査してもよい。検査工程では、典型的には、直接配列決定、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ解析または変異体特異的抗体を用いる。加えて、このような変異を有する腫瘍の診断は、当業者に知られて本願明細書で記載されているような技術、例えばRT‐PCRおよびFISHを用いて行われる。
加えて、例えばFGFRまたはVEGFR2の変異形は、例えば、PCRを用いた腫瘍バイオプシーの直接配列決定、および前記のようなPCR産物を直接的に配列決定する方法により確認しうる。当業者であれば、前記タンパク質の過剰発現、活性化または変異の検出に関するすべてのこのような周知技術が本ケースに適用しうるとわかるであろう。
RT‐PCRによる検査において、腫瘍中mRNAのレベルは、mRNAのcDNAコピーを作製し、次いでPCRによるcDNAの増幅から評価される。PCR増幅の方法、プライマーの選択および増幅の条件は当業者に知られている。核酸操作およびPCRは、例えばAusubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,またはInnis,M.A.et al.,eds.(1990)PCR Protocols:a guide to methods and applications,Academic Press,San Diegoにおいて記載されているような、標準方法により行われる。核酸技術を伴う反応および操作は、Sambrook et al.,(2001),3rd Ed,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressでも記載されている。一方、RT‐PCR用の市販キット(例えば、Roche Molecular Biochemicals)、あるいは引用することにより本明細書の開示の範囲とされる米国特許4,666,828号公報、4,683,202号公報、4,801,531号公報、5,192,659号公報、5,272,057号公報、5,882,864号公報、および6,218,529号公報で掲載されている方法論も用いてよい。mRNA発現を評価するためのin situハイブリッド形成技術の例は蛍光in situハイブリッド形成(FISH)である(Angerer(1987)Meth.Enzymol.,152:649参照)。
通常、in situハイブリッド形成は次の主要工程:(1)解析される組織の固定、(2)標的核酸へのアクセス性を増して非特異的結合を減らすためにサンプルの前ハイブリッド形成処理、(3)生物構造または組織中の核酸に対する核酸の混合物のハイブリッド形成、(4)ハイブリッド形成で結合されない核酸フラグメントを除去するためのハイブリッド形成後洗浄、および(5)ハイブリッド形成された核酸フラグメントの検出を含んでなる。このような適用で用いられるプローブは、典型的には、例えば放射性同位体または蛍光リポーターで標識される。好ましいプローブはストリンジェント条件下で標的核酸と特異的ハイブリッド形成しうるほど十分に長く、例えば約50、100または200ヌクレオチドから約1000以上のヌクレオチドである。FISHを行うための標準方法はAusubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,およびFluorescence in Situ Hybridization:Technical Overview by John M.S.Bartlett in Molecular Diagnosis of Cancer,Methods and Protocols,2nd ed.,ISBN:1-59259-760-2,March 2004,pps.077-088,Series:Methods in Molecular Medicineにおいて記載されている。
遺伝子発現プロファイリングのための方法は(DePrimo et al.(2003),BMC Cancer,3:3)において記載されている。簡単に言えば、プロトコールは次の通りである:ランダムヘキサマープライマーで第一鎖cDNA合成、次いで第二鎖cDNA合成をプライミングするための(dT)24オリゴマーを用いて全RNAから二本鎖cDNAが合成される。二本鎖cDNAは、ビオチニル化リボヌクレオチドを用いるcRNAのインビトロ転写のためのテンプレートとして用いられる。cRNAはAffymetrix(Santa Clara,CA,USA)において記載されたプロトコールに従い化学的に断片化され、次いでHuman Genome Arrayで一晩ハイブリッド形成される。
一方、mRNAから発現されたタンパク質産物は、腫瘍サンプルの免疫組織化学、微量滴定プレートでの固相イムノアッセイ、Westernブロッティング、二次元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリーおよび特定タンパク質の検出のために当業者に知られた他の方法によりアッセイされる。検出方法では部位特異的抗体の使用を含むことになる。当業者であれば、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの上方調節の検出あるいはFGFR、VEGFR、および/またはPDGFRバリアントまたは変異体の検出に関するすべてのこのような周知技術が本ケースで適用しうるとわかるであろう。
FGFRまたはVEGFRのようなタンパク質の異常レベルは、標準酵素アッセイ、例えば本願明細書で記載されているアッセイを用いて測定される。活性化または過剰発現も、組織サンプル、例えば腫瘍組織で、Chemicon International製のようなアッセイでチロシンキナーゼ活性を測定することにより検出される。対象のチロシンキナーゼはサンプル溶解産物から免疫沈降され、その活性が測定される。
イソ型を含めたFGFRまたはVEGFRの過剰発現または活性化の測定のための別な方法として、microvessel densityの測定がある。これは、例えば、Orre and Rogers(Int.J.Cancer(1999),84(2),101-8)において記載された方法を用いて測定される。アッセイ法はマーカーの使用も含み、例えばVEGFRの場合はこれらにCD31、CD34、およびCD105がある(Mineo et al.(2004)J.Clin.Pathol.57(6),591-7)。
したがって、これら技術のすべてが、本発明の化合物での治療に特に適した腫瘍を特定するために用いうる。
本発明の化合物は、変異FGFRを有する患者の治療に特に有用である。FGFR3におけるG697C変異は口内扁平上皮細胞癌の62%で観察され、キナーゼ活性の構成的活性化を引き起こす。FGFR3の活性化変異は膀胱癌ケースでも確認されていた。これらの変異は、有病度の違いで6種:R248C、S249C、G372C、S373C、Y375C、K652Qがあった。加えて、FGFR4におけるGly388Arg多形性が、前立腺、結腸、肺、および乳癌の高発生率および攻撃性と関連していることも見出した。
したがって、本発明の別の態様においては、FGFRに対して活性を有する化合物での治療に感受性である疾患または症状に罹患しているかまたは罹患するリスクがあるか否かを検査して調べられた患者で病状または症状の治療または予防のための薬剤の製造に関する、本発明による化合物の使用を含む。
患者が検査される具体的変異としては、FGFR3におけるG697C、R248C、S249C、G372C、S373C、Y375C、K652Q変異、およびFGFR4におけるGly388Arg多形性がある。
本発明の他のの態様においては、FGFR遺伝子のバリアント(例えば、FGFR3におけるG697C変異およびFGFR4におけるGly388Arg多形性)を有するサブ集団から選択される患者における癌の予防または治療で使用するための本発明の化合物を含む。
循環バイオマーカー(循環前駆細胞(CPC)、CEC、SDF1、およびFGF2)と組み合わせた血管正常化のMRI測定(例えば、血液量、相対的血管サイズ、および血管透過性を測定するために、MRI勾配エコー、スピンエコーおよびコントラスト増強を用いる)も、本発明の化合物での治療に向いたVEGFR2耐性腫瘍を特定するために用いられる。
下記実施例は本発明について実証しているが、いずれにせよそれらは実施例にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。
分析LC‐MSシステムおよび方法の記載
実施例において、製造された化合物は市販システム(Waters Platform LC-MS system,Waters Fractionlynx LC-MS system)、標準操作条件および市販カラム(Phenomenex,Watersなど)を用いて液体クロマトグラフィーおよびマススペクトロスコピーにより特徴づけられたが、当業者であれば別なシステムおよび方法も用いうるとわかるであろう。異なる同位体の原子が存在して単一の質量が示されている場合、化合物に関して示された質量は単同位体質量(即ち、35Cl、79Brなど)である。
Mass Directed Purification LC‐MSシステム
プレパラティブLC‐MS(またはHPLC)は、本願明細書で記載された化合物のような小有機分子の精製に用いられる標準有効法である。液体クロマトグラフィー(LC)およびマススペクトロメトリー(MS)の方法は、粗物質の良い分離と、MSによるサンプルの改善された検出を行うために変えうる。プレパラティブ勾配LC法の最適化は、カラム、揮発性溶離液および改質液、および勾配を変えて行う。プレパラティブLC‐MS法を最適化して、化合物を精製する際にそれらを用いるための方法は、当業界で周知である。このような方法は、Rosentreter U,Huber U.,Optimal fraction collecting in preparative LC/MS,J.Comb.Chem.,2004,6(2),159-64およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custom high-throughput preparative liquid chromatography/massspectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries,J.Comb.Chem.,2003,5(3),322-9において記載されている。
プレパラティブLC‐MSで化合物を精製するための二つのこのようなシステムはWaters FractionlynxシステムまたはAgilent 1100 LC‐MSプレパラティブシステムであるが、当業者であれば、別なシステムおよび方法も用いうるとわかるであろう。特に、逆相法が本願明細書で記載された化合物についてプレパラティブHPLCに用いられたが、順相プレパラティブLCベース法も逆相法の代わりに用いうる。ほとんどのプレパラティブLC‐MSシステムは逆相LCおよび揮発性酸性改質液を利用するが、そのアプローチが小分子の精製に非常に有効であるためであり、溶離液が陽イオン電子スプレーマススペクトロメトリーと適合するからでもある。得られる解析トレースに従い、最も適切なプレパラティブクロマトグラフィータイプが選択される。典型的ルーチンは、化合物構造に最も適したクロマトグラフィーのタイプ(低または高pH)を用いて分析LC‐MSをランさせることである。解析トレースが良いクロマトグラフィーを示せば、同種の適切なプレパラティブ法が選択される。ある範囲のクロマトグラフィー溶液、例えば順または逆相LC、酸性、塩基性、極性または親油性緩衝移動相、塩基性改質液が化合物を精製するために用いうる。得られた情報から、当業者であればプレパラティブLC‐MSにより本願明細書で記載された化合物を精製しうる。
すべての化合物が通常100%MeOHまたは100%DMSOに溶解された。
一般合成ルート
一般ルートA
Figure 0005596023
操作A1‐7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン
Figure 0005596023
EtOH(170mL)中4-クロロピリジン-2-イルアミン (12.8g、100mmol、1.0当量)の溶液にNaHCO(16.8g、200mmol、2.0当量)、次いでクロロアセトアルデヒド(19.0mL、150mmol、1.5当量)を加えた。混合液を6時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗混合物を水とEtOAcに分配した。有機層を塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、50%EtOAc‐ガソリンで溶出)により精製して、13.2gの生成物を得た。
MS: [M+H]+ = 153.
操作A2‐7‐クロロ‐3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン
Figure 0005596023
DMF(280mL)中、7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(30.9g、186mmol、1.0当量)の溶液にN‐ヨードスクシンイミド(43.6 g、194mmol、1.05当量)を加え、得られた混合液をRTで一晩攪拌した。薄褐色スラリーを水(840mL)、塩水(280mL)で希釈し、EtOAc(560mL)で抽出した。水層を更にEtOAc(3×280mL)で抽出した。合わせた有機相を水(2×280mL)、10%w/vチオ硫酸ナトリウム(280mL)、塩水(280mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、褐色残渣を得た。残渣をエーテル(200mL)で摩砕し、濾過し、固体物をエーテル(2×50mL)で洗浄し、フィルター上で乾燥して、39gの生成物を得た。
MS: [M+H]+ = 279.
操作A3‐1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
工程1:1‐(3‐ブロモフェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
3‐ブロモフェニルイソシアネート(1.0mL、8.1mmol)をN下0℃でTHF(10mL)中2,2,2‐トリフルオロエチルアミン(3.2mL、40mmol)の攪拌溶液へゆっくり加えた。1時間後に反応液をRTに加温し、この温度で16時間保った。揮発性物質を真空下で除去して、標題化合物(2.5g、固体物)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 9.00 (1H, s), 7.86 (1H, t), 7.33 (1H, ddd), 7.26 (1H, t), 7.18 (1H, ddd), 6.89 (1H, t), 4.03-3.92 (2H, m).
工程2:1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
乾燥DMSO(7mL)中、1‐(3‐ブロモフェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(2.1g、7.1mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.6g、14mmol)およびKOAc(2.1g、21mmol)の混合液をNで排気/再充填(×3)により脱酸素化した。PdClddpf(512mg、0.7mmol)を加え、混合液を再び(×2)脱酸素化し、次いで攪拌し、N下100℃で3時間加熱した。反応液をRTに冷却させ、次いでこの温度で18時間放置させた。混合液をEtOAc/HOに分配し、次いでCelite(R)で濾過した。各層を分離し、水層をEtOAc(×1)で抽出した。合わせた有機抽出液を水(×1)、塩水(×1)で洗浄し、次いで(MgSO)乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をガソリンで摩砕して、標題化合物(2.6g、固体物)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.65 (1H, s), 7.60 (1H, d), 7.49 (1H, d), 7.37 (1H, t), 6.64 (1H, brs), 5.20 (1H, brs), 3.99-3.86 (2H, m), 1.35 (12H, s).
操作A4‐1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
1,4‐ジオキサン(260mL)中、7‐クロロ‐3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(15.17g、54.5mmol)の溶液に1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(22.5g、65.4mmol)および水性KPO(HO 65mL中23.1g、109mmol)〔Nを吹き込んで脱気させる反応〕、次いで1,1′‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(1.99g、2.72mmol)を加えた。混合液を80℃で一晩加熱し、次いで水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(100mL)で摩砕し、濾過し、濾過ケークを1:1DCM:石油エーテルで洗浄し、ベージュ色固体物として生成物(13.2g)を得た。
MS: [M+H]+ = 369.
操作A5a 7位における一般的鈴木カップリング
Figure 0005596023
1,4‐ジオキサン(9mL)中1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(565mg、1.5mmol)および2‐メチル‐2‐〔4‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)ピラゾール‐1‐イル〕プロピオン酸エチルエステル(714mg、2.3mmol)の溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(35mg、0.38mmol)、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′,6′‐ジメトキシビフェニル(31mg、0.075mmol)および1M KPO(4.5mL、4.5mmol)〔Nを吹き込んで脱気させる反応〕を加えた。120℃で30分間にわたりCEM discover マイクロ波シンセサイザー(50W)でマイクロ波照射を用いて混合液を加熱した。反応液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を(MgSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(0〜3%2M NH‐MeOH/DCM)により精製し、次いでMeOHで摩砕し、無色固体物として生成物(40mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 515.
操作A5b 7位における一般的鈴木カップリング
Figure 0005596023
1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素および5′‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)‐3,4,5,6‐テトラヒドロ‐2H‐〔1,2′〕ビピリジニルを、操作B3bにおいて記載された方法を用いてカップリングさせた。
操作A5c 7位における一般的鈴木カップリング
Figure 0005596023
ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(8mg)をメタノール(1mL)、エタノール(1mL)、トルエン(1mL)および水(1mL)中1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(184mg、0.5mmol)、アリールボロン酸またはアリールボロン酸ピナコールエステル(0.6mmol)および無水炭酸カリウム(345mg、2.5mmol)の混合液に加え、混合液をマイクロ波照射の影響下100℃で30分間攪拌かつ保持した。室温に冷却後に混合液を濾過し、有機溶媒を真空下で除去した。残渣を酢酸エチルと水に分配し、有機層を分離し、溶媒を真空下で除去した。残渣をメタノールに溶解し、Strata SCXカートリッジに適用した。メタノール中2Mアンモニアの溶出で褐色油状物を得、それをジクロロメタンで摩砕した。固体物質を濾取し、減圧下で吸引乾固し、酢酸エチルから再結晶化して、対応1‐〔3‐(7‐アリールイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素を得た。
一般ルートB
Figure 0005596023
操作B1
1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素を、操作A1〜A4において概述された方法を用いて製造した。
操作B2‐ボロネートへのハライドの変換
Figure 0005596023
ジオキサン(160mL)中1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(10g、27.2mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ボロン(22.8g、89.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.8g、4.2mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(3.8g、13mmol)およびKOAc(12g、122.2mmol)を加えた。反応混合液を126℃で18時間加熱してから、冷却させ、ガラスミクロファイバーフィルターで濾過した。濾液をEtOAcとHOに分配し、有機層を分離し、(NaSO)乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOAc(150mL)およびガソリン/エーテル(500mL)の混合液に溶解し、室温で1時間攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、得られた固体物をガソリン/エーテルおよびEtOAc/ガソリン(8:2)の混合液で摩砕した。こうして粗物質(80%純度)として1‐〔3‐〔7‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(13.93g)を得、それを次の工程で直接用いた。
操作B3‐7位における鈴木カップリング
操作B3a
Figure 0005596023
1,4‐ジオキサン(1.5mL)および水(0.6mL)中1‐〔3‐〔7‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(100mg、0.21mmol)および2‐ブロモピリジン(31mg、0.21mmol)の溶液に、KPO(138mg、0.63mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(4mg、0.04mmol)および2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′,6′‐ジメトキシビフェニル(4mg、0.01mmol)〔Nを吹き込んで脱気させる反応〕を加えた。混合液を80℃で3時間加熱し、次いで水とEtOAcに分配した。有機フラクションを(MgSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣をプレパラティブHPLCにより精製して、生成物(17mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 412.
操作B3b
Figure 0005596023
トルエン(3.6mL)、ブタノール(3.6mL)、水(0.9mL)、炭酸セシウム(424mg、1.3mmol)の混合液中1‐〔3‐〔7‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(200mg、0.43mmol)の溶液に、2‐ブロモ‐5‐(テトラヒドロフラン‐2‐イル)〔1,3,4〕チアジアゾール(X1)(250mg、1.08mmol)を加えた。反応混合液を脱酸素化し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(70mg、60μmol)を加えた。反応混合液を再び脱気し、80℃で2.5時間加熱した。混合液を冷却し、EtOAcとHOに分配し、有機層を分離し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。粗生成物をプレパラティブHPLCにより精製して、20mgの生成物を得た。
MS: [M+H]+ 489.
操作B3c
Figure 0005596023
MWチューブ中1‐〔3‐〔7‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(460mg、1.00mmol)の混合液に、ジオキサン(6mL)中4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン‐1‐カルボン酸tert‐ブチルエステル(500mg、1.5mmol)、SPHOS(41mg、0.1mmol)およびPd(dba)(45mg、0.05mmol)、次いで水中1M KPO(3mL)を加えた。反応混合液を120℃で30分間にわたりCEM discover マイクロ波シンセサイザー(300W)で加熱した。混合液を冷却させ、次いでEtOAc/HOに分配し、有機層を分離し、EtOAc(×2)で抽出し、(NaSO)乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィーにより0〜3%2Mメタノール性NH/CHCl勾配で精製した。こうして黄色ゴム状物として粗生成物(210mg)を得、それを次の工程で直接用いた。
操作B3d
Figure 0005596023
3‐クロロ‐6‐ピペリジン‐1‐イルピリダジン(112mg、0.56mmol)および2M NaCO(2.2mL、4.4mmol)をDME(2.5mL)中1‐〔3‐〔7‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(200mg、0.43mmol)の溶液〔窒素を吹き込んで脱気させる反応〕に加え、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(50mg、0.04mmol)を加えた。反応液を90℃に4時間加熱してから、水とEtOAcに分配した。有機フラクションを(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、残渣をプレパラティブHPLCにより精製して、生成物(50mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 496.
操作B3e
Figure 0005596023
2‐クロロ‐5‐トリフルオロメチル〔1,3,4〕チアジアゾール(56mg、0.30mmol)および2M NaCO(2.1mL、4.2mmol)をDME(5mL)中1‐〔3‐〔7‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(139mg、0.30mmol)の溶液〔窒素を吹き込んで脱気させる反応〕に加え、2‐(ジメチルアミノ)フェロセン‐1‐イル‐パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体(17mg、0.03mmol)を加え、得られた溶液を80℃に一晩加熱した。反応液を水とEtOAcに分配した。有機フラクションを水洗し、(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCにより精製して、生成物(12mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 487.
一般ルートC
Figure 0005596023
操作C1
1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素を、操作A1〜A4において概述された方法を用いて製造した。
操作C2‐薗頭反応
Figure 0005596023
DMSO(3mL)中、1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(107mg、0.3mmol)の溶液を3‐エチニルピリジン(103mg、0.3mmol)、CsCO(104mg、0.3mmol)およびビス(トリシクロヘキシルホスフィノ)パラジウム(II)クロリド(6mg、0.009mmol)に加え、得られた混合液を120℃に17時間加熱した。反応液を濾過し、水とEtOAcに分配した。有機フラクションを水洗し、(MgSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCにより精製して、生成物(8.5mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 436.
操作C3‐薗頭反応用のアルキンカップリングパートナーの製造
Figure 0005596023
THF(20mL)中4‐ヨード‐1‐メチル‐1H‐ピラゾール(1.0346g、4.97mmol)にCuI(0.36g、1.89mmol)およびPdCl(PPhを加えた。反応フラスコをNでパージし、NEt(10.4mL、75mmol)およびエチニル‐トリメチル‐シラン(5.27mL、37mmol)を加えた。反応混合液を80℃で一晩21時間にわたり加熱した。室温に冷却後、反応液をEtOAcで希釈し、濾過した。濾液を1M HCl、1M NaOH、およびHOで連続的に洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(20:8v/v石油エーテル:EtOAc)により精製し、褐色油状物として生成物(676mg)を得た。
操作C4‐アルキンカップリングパートナーにおけるトリメチルシリル基の除去
Figure 0005596023
MeOH中、1,2‐ジメチル‐5‐トリメチルシラニルエチニル‐1H‐イミダゾール(137mg、0.71mmol)にKCO(0.049g、0.36mmol)を加え、反応液を室温で3.5時間攪拌した。混合液を真空下で濃縮し、EtOAcおよび塩水を加えた。各相を分離し、水相をEtOAc(×2)で再抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、黄色固体物(87.3mg)を得た。生成物は後の薗頭工程に粗製のままで用いた。
一般ルートD
Figure 0005596023
操作D1‐ボロネート形成
Figure 0005596023
ジグリム(100mL)中7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(10g、65.5mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(20g、78.7mmol)の溶液に、KCO(13.5g、97.7mmol)、酢酸パラジウム(II)(730mg、3.25mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(1.8g、6.42mmol)および水(0.14mL)を加えた。得られた混合液を不活性雰囲気下100℃で一晩加熱し、水(50mL)で希釈し、室温で1時間攪拌した。沈殿物を濾過により分離し、ジグリム/水(2/1、30mL)および水(20mL)で洗浄し、次いで乾燥し、灰色粉末として生成物(7.58g)を得た。
MS: [M+H]+ = 246.
操作D2‐鈴木カップリング
Figure 0005596023
一般ルートB操作B3bで記載されているような方法
操作D3‐ヨウ素化
Figure 0005596023
一般ルートA操作A2で記載されている方法
操作D4‐1‐〔5‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)ピリジン‐3‐イル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
無水DMSO(3mL)中1‐(5‐ブロモピリジン‐3‐イル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(0.51g、1.72mmol)にビス(ピナコラト)ジボロン(0.88g、3.45mmol)を加えた。反応フラスコをNでパージし、PdCldppf(40mg、0.05mmol)を加えた。フラスコを更にNでパージし、反応液を次いで100℃で22時間加熱した。室温に冷却後、HO(30mL)およびEtOAc(30mL)を加え、二相を分離した。有機相を更にHO(2×35mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、後の反応に粗製のまま用いた。
操作D5‐鈴木カップリング
Figure 0005596023
3‐ヨード‐7‐(6‐メチルピリダジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(70mg、0.21mmol)、1‐〔5‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)ピリジン‐3‐イル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(73mg、0.25mmol)、KPO(140mg、0.66mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg、0.01mmol)をDME(2mL)および水(2mL)に溶解した〔Nを吹き込んで脱気させる反応〕。得られた混合液を80℃に一晩加熱し、次いで冷却させた。DCMおよびMeOHを加え、得られた懸濁液を濾過した。溶液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜25%MeOH/DCM)により精製し、黄色固体物として生成物(35mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 428.
一般ルートE
Figure 0005596023
操作E1‐鈴木カップリング
Figure 0005596023
7‐クロロ‐3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンを、操作B3bで記載された方法を用いて3‐ニトロフェニルボロン酸とカップリングさせ、7‐クロロ‐3‐(3‐ニトロフェニル)‐1,7‐イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンを合成した。
MS: [M+H]+ = 274.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.68 (1H, d), 8.47 (1H, t), 8.28 (1H, dd), 8.15 (1H, d), 7.99 (1H, s), 7.89 (1H, d), 7.84 (1H, t), 7.09 (1H, dd)
操作E2‐ニトロ還元
Figure 0005596023
ジオキサン(10mL)および水(2mL)中7‐クロロ‐3‐(3‐ニトロフェニル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(0.5g、1.83mmol)の溶液に、鉄粉(0.97g、18.3mmol)および硫酸鉄七水和物(2.05g、7.31mmol)を加えた。得られた溶液を3時間加熱還流し、セライトで濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCMと塩水に分配し、有機フラクションを(NaSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、生成物(400mg)を得、それを更なる精製なしに用いた。
MS: [M+H]+ = 244.
操作E3‐カルバメート形成
Figure 0005596023
THF(20mL)中7‐クロロ‐3‐(3‐アミノフェニル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(400mg、1.64mmol)および4‐ニトロフェニルクロロホルメート(330mg、1.64mmol)の溶液を60℃に2時間加熱し、次いで室温で一晩攪拌した。得られた沈殿物を濾過により分離し、THFで洗浄し、乾燥して、生成物(585mg)を得、それを更なる精製なしに用いた。
MS: [M+H]+ = 409.
操作E4‐尿素形成
Figure 0005596023
THF(10mL)中、〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕カルバミン酸4‐ニトロフェニルエステル(200mg、0.49mmol)の溶液にシクロプロピルアミン(0.04mL、0.54mmol)およびトリエチルアミン(0.08mL、0.54mmol)を加え、得られた混合液を室温で一晩攪拌した。反応液をDCMおよび2M NaOHで希釈し、各層を分離した。有機フラクションを(NaSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜100%EtOAc/ガソリン)により精製して、生成物(115mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 327.
操作E5‐鈴木カップリング
Figure 0005596023
1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐シクロプロピル尿素を、操作B3cで記載された方法を用いて、4‐フルオロフェニルボロン酸と反応させた。
MS: [M+H]+ = 387.
一般ルートF
Figure 0005596023
操作F1‐鈴木カップリング
Figure 0005596023
7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンを操作B3dの方法に従い4‐フルオロフェニルボロン酸とカップリングさせた。
操作F2‐ヨウ素化
Figure 0005596023
ヨウ素化を操作A2の方法に従い行った。
操作G‐アルカンへのアルキンの還元
1‐〔3‐〔7‐〔2‐(3‐メチル‐3H‐イミダゾール‐4‐イル)エチル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
MeOH中1‐〔3‐〔7‐(3‐メチル‐3H‐イミダゾール‐4‐イルエチニル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(65.7mg、0.15mmol)を含有した、Nで再充填された排気フラスコに、Pd(活性炭担持10%wt%)(25.5mg)を加えた。フラスコをHで充填し、反応液を合計で7.5時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗生成物をプレパラティブHPLCにより精製して、粗生成物(6.1mg)を得た。
MS: [M+H]+ 443.
一般ルートH
Figure 0005596023
操作H1
Figure 0005596023
イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イルメタノールを、(2‐アミノピリジン‐4‐イル)メタノールを用いて操作A1のように製造した。
MS: [M+H]+ 419
操作H2
Figure 0005596023
室温でクロロホルム(5mL)に懸濁されたイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イルメタノール(100mg、0.7mmol)に1,1,1‐トリス(アセチルオキシ)‐1,1‐ジヒドロ‐1,2‐ベンズヨードキソール‐3(1H)‐オン(Dess-Martinペルヨージナン、0.373g、0.9mmol、1.3当量)を加えた。この混合液を室温で一晩攪拌し、次いで希水酸化ナトリウム溶液を加え、混合液を60分間攪拌した。混合液を次いでジクロロメタンで抽出し、有機溶液を真空下で濃縮し、白色固体物としてイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボアルデヒド(90mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 10.00 (1H, s), 8.67 (1H, d), 8.33 (1H, s), 8.20 (1H, s), 7.86 (1H, d), 7.25 (1H, dd).
操作H3
Figure 0005596023
アセトニトリル(5mL)中2‐クロロメチル‐1‐メチル‐1H‐イミダゾール(200mg、1.5mmol)およびトリフェニルホスフィン(402mg、1.0mmol、1当量)の混合液を80℃に一晩加熱した。反応液を次いで室温に冷却させ、固体物を真空濾過により単離し、白色固体物として2‐トリフェニルホスホニウム‐1‐メチル‐1H‐イミダゾールクロリド(458mg)を得た。
MS: [M+H]+ 357
操作H4
Figure 0005596023
室温でテトラヒドロフラン(5mL)中、2‐トリフェニルホスホニウム‐1‐メチル‐1H‐イミダゾールクロリド(656mg、1.6mmol、1当量)の攪拌溶液に、テトラヒドロフラン中カリウムtert‐ブトキシドの溶液(1M、3.3mL、3.3mmol、2当量)を滴下した。この明橙色混合液をこうして2時間攪拌し、次いでテトラヒドロフラン(8mL)中イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボアルデヒド(245mg、1.7mmol、1当量)の溶液を加え、薄色混合液を室温で一晩攪拌した。反応液に水を加え、混合液を酢酸エチルで抽出した。有機溶液を水および塩水で洗浄し、次いで(MgSO)乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(0〜20%メタノール/酢酸エチル)により精製して、7‐〔(E)‐2‐(1‐メチル‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)ビニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(87mg)を得た。
MS: [M+H]+ 225
操作H5
Figure 0005596023
7‐〔(E)‐2‐(1‐メチル‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)ビニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンを操作A2のようにヨウ素化し、黄色固体物として望ましいヨウ化物を得た。
MS: [M+H]+ 351
操作H6
Figure 0005596023
1‐〔3‐〔7‐〔(E)‐2‐(1‐メチル‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)ビニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(86mg)を、操作B3dに従い、3‐ヨード‐7‐〔(E)‐2‐(1‐メチル‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)ビニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(170mg、0.49mmol)および1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素を用いて製造した。
1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 8.74 (1H, d), 8.01 (3H, d), 7.77-7.66 (2H, m), 7.64-7.50 (4H, m), 7.45-7.32 (2H, m), 4.04 (3H, s), 4.01-3.89 (2H, m). . MS: [M+H]+ 441
操作G:追加モノマーの合成
(E)‐3‐イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イルプロパ‐2‐エン‐1‐オールの合成
Figure 0005596023
(操作H1〜H4に従いホスホノ酢酸トリエチル519mg、2.4mmolを用いて製造された)(E)‐3‐イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イルアクリル酸エチルエステルをトルエン/ジクロロメタンの混合液(1:1、12mL)に溶解し、ドライアイス/アセトン浴で冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中1M、3mL)を滴下した。45分間後に反応液を塩/氷浴へ移し、反応が完了するまでDIBALを追加した。反応をメタノールの慎重な添加で停止させ、室温に加温させた。反応液を真空下で濃縮し、2N水酸化ナトリウム溶液を加えた。それをジクロロメタンで2回抽出し、合わせた溶液を乾燥し、濃縮し、黄色固体物として望ましいモノマー(327mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 175
セクションX‐ハロ芳香族カップリングパートナーの製造
X1‐2‐ブロモ‐5‐(テトラヒドロフラン‐2‐イル)〔1,3,4〕チアジアゾールの製造
Figure 0005596023
5‐(テトラヒドロフラン‐2‐イル)〔1,3,4〕チアジアゾール‐2‐イルアミン(0.5g、2.9mmol)に48%HBr(7mL)およびHO(7mL)を加えた。反応混合液を氷浴で0℃に冷却した。Cu(I)Br(0.42g、2.9mmol)を加え、次いでHO(18mL)中NaNO(0.48g、10mmol)の溶液を滴下した。反応混合液を0℃で更に10分間攪拌し、次いで35分間かけて室温に加温させた。飽和重炭酸の溶液をpH=6まで反応混合液へ加え、次いでEtOAcで抽出し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去して、生成物(0.5g、2.1mmol)を得た。
MS: [M+H]+ 235, 237.
X2‐4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン‐1‐カルボン酸tert‐ブチルエステルの製造
Figure 0005596023
水素化ナトリウム(400mg、60%分散物、10mmol)を室温で乾燥DMF(10mL)中ブロモピラゾール(1.47g、10mmol)および4‐メタンスルホニルオキシピペリジン‐1‐カルボン酸tert‐ブチルエステル(2.4g、8.6mmol)の攪拌溶液に加えた。ガス発生が止んだ後、反応液を攪拌し、N下110℃で4時間加熱した。反応混合液を室温に冷却させ、18時間放置してから、EtOAcとHOに分配した。有機層を分離し、水HO(×2)、塩水(×1)で洗浄し、次いで(NaSO)乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィーにより10〜25%EtOAc/ガソリン勾配で精製して、無色油状物(1.7g、5.15mmol)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.48 (1H, s), 7.45 (1H, s), 4.45-4.07 (3H, m), 2.90 (2H, t), 2.12 (2H, d), 1.97-1.79 (2H, m), 1.50 (9H, s).
X3‐4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)‐1‐メチルピペリジンの製造
工程1:
Figure 0005596023
操作X2を用いて製造した。
工程2:
Figure 0005596023
CHCl(4mL)中4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン‐1‐カルボン酸tert‐ブチルエステル(1.2g、3.6mmol)の攪拌溶液にTFA(2mL)を加え、反応混合液を室温で2時間攪拌した。揮発性物質を真空下で除去し、残渣をCHCl/NaHCO(水性)に分配した。水層をCHCl(×3)で抽出し、有機フラクションを合わせ、(相分離カートリッジを用いて)乾燥し、溶媒を真空下で除去して、固体物(0.49g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.48 (1H, s), 7.46 (1H, s), 4.29-4.15 (1H, m), 3.27 (2H, d), 2.99-2.75 (2H, m), 2.16 (2H, d), 2.05-1.81 (2H, m).
工程3:
Figure 0005596023
DMF(4mL)中4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン(480mg、2.09mmol)およびトリエチルアミン(0.295mL、2.1mmol)の溶液に不活性雰囲気下でヨウ化メチル(DMF中1.0M溶液2.1mL、2.1mmol)を加えた。反応液を室温で一晩攪拌し、次いで水とEtOAcに分配した。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(260mg)を得、それを更なる精製なしに用いた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.47 (1H, s), 7.45 (1H, s), 4.16-4.04 (1H, m), 3.09-2.92 (2H, m), 2.34 (3H, s), 2.30-2.10 (4H, m), 2.10-1.96 (2H, m).
X4‐2‐クロロ‐5,6‐ジヒドロ‐4H‐シクロペンタチアゾールの製造
Figure 0005596023
2‐アミノ‐5,6‐ジヒドロ‐4H‐シクロペンタチアゾール(230mg、1.64mmol)をMeCN(0.5mL)中塩化第二銅(260mg、1.97mmol)およびtert‐ブチルニトリル(0.3mL、2.46mmol)の溶液に加え、得られた混合液を室温で2時間、次いで65℃で1時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を水とEtOAcに分配した。有機フラクションを(MgSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、塩化物(140mg)を得、それを更なる精製なしに用いた。
MS: [M+H]+ = 160.
X5‐1‐〔2‐(5‐ブロモ〔1,3,4〕チアジアゾール‐2‐イル)エチル〕ピペリジンの製造
Figure 0005596023
操作X1において記載された方法を用いて製造した。
X6‐4‐ブロモ‐1‐(1‐メチルピペリジン‐3‐イル)‐1H‐ピラゾールの製造
Figure 0005596023
DIAD(3.21mL、16.3mmol)を0℃でTHF(50mL)中4‐ブロモピラゾール(2.0g、13.6mmol)、3‐ヒドロキシ‐1‐メチルピペリジン(1.57mL、13.6mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.3g、16.3mmol)の溶液に滴下した。混合液を室温に加温させ、一晩攪拌した。反応液を水と酢酸エチルに分配し、有機層を2N HClへ抽出した。水性フラクションを重炭酸ナトリウムで塩基性化し、酢酸エチルへ抽出した。有機フラクションを(MgSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(1.64g)を得、それを更なる精製なしに用いた。
MS: [M+H]+ = 244.
X7‐4‐ブロモ‐1‐(1-tert-ブトキシカルボニルピペリジン‐3‐イル)‐1H‐ピラゾールの製造
Figure 0005596023
DIAD(1.18mL、6.0mmol)を0℃でTHF(50mL)中4‐ブロモピラゾール(0.74g、5.0mmol)、3‐ヒドロキシ‐1‐tert‐ブトキシカルボニルピペリジン(1.00g、5.0mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.57g、6.0mmol)の溶液に滴下した。混合液を室温に加温させ、一晩攪拌した。反応液を水と酢酸エチルに分配した。有機フラクションを水および塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/ガソリン)により精製して、生成物(1.46g)を得た。
MS: [M+H]+ = 332.
X8‐4‐ブロモ‐1‐(1‐エチルピロリジン‐3‐イル)‐1H‐ピラゾールの製造
Figure 0005596023
X3において記載されているように、工程1でN-tert-ブトキシカルボニルピロリジン‐3‐メタンスルホネートおよび工程3でヨウ化エチルを用いて製造した。
X9‐4‐ブロモ‐1‐(1-tert-ブトキシカルボニルピロリジン‐3‐イル)‐1H‐ピラゾールの製造
Figure 0005596023
X3において記載されているように、工程1でN-tert-ブトキシカルボニルピロリジン‐3‐メタンスルホネートを用い、工程3を省略して製造した。
X10‐4‐ブロモ‐1‐(テトラヒドロフラン‐3‐イル)‐1H‐ピラゾールの製造
工程1:
Figure 0005596023
0℃でDCM(35mL)中3‐ヒドロキシテトラヒドロフラン(1.83mL、23mmol)の溶液にトリエチルアミン(5.06mL、36mmol)、次いでメタンスルホニルクロリド(2.64mL、34mmol)を加えた。反応液を室温に加温させ、3時間攪拌した。DCM(30mL)および水(30mL)を加えた。各層を分離し、水性フラクションをDCMで更に抽出した。合わせた有機フラクションを(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、薄黄色油状物として生成物(4.54g)を得、それを更なる精製なしに用いた。
工程2:
Figure 0005596023
X3工程1において記載された方法を用いて製造した。
X11‐4‐ブロモ‐1‐(1‐イソプロピルピペリジン‐4‐イル)‐1H‐ピラゾールの製造
Figure 0005596023
X3において記載されているように、工程3で2‐ヨードプロパンを用いて製造した。
X12‐1‐〔4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン‐1‐イル〕エタノンの製造
Figure 0005596023
ピリジン(3mL)中4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン塩酸塩(300mg、1.13mmol)の溶液に不活性雰囲気下で無水酢酸(0.107mL、1.13mmol)を加えた。反応液を反応完了まで40℃で攪拌し、次いで減圧下で蒸発させ、トルエンと2回再蒸発させ、次いで水とEtOAcに分配した。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(250mg)を得、それを更なる精製なしに用いた。
MS: [M+H]+ = 272
X13‐4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)‐1‐メタンスルホニルピペリジンの製造
Figure 0005596023
0℃でCHCN(10mL)中4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン塩酸塩(380mg、1.43mmol)の溶液にDIPEA(0.75mL、4.3mmol)、次いでメタンスルホニルクロリド(0.11mL、1.43mmol)を加え、0℃で1時間攪拌し、次いで1時間かけてRTに加温させた。反応液を次いで水とEtOAcに分配した。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(380mg)を得、それを更なる精製なしに用いた。
1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 7.84 (1H, s), 7.50 (1H, s), 4.40-4.27 (1H, m), 3.86 (2H, d), 3.05-2.93 (2H, m), 2.90 (3H, s), 2.25-2.01 (4H, m).
X14‐2‐(6‐クロロピリジン‐3‐イル)エタノール
Figure 0005596023
固体(6‐クロロピリジン‐3‐イル)酢酸(172mg、1mmol)にTHF中ボラン(1M、5mL)を加え、反応液を室温で攪拌した。2時間後、反応液を50℃に90分間加熱した。水性塩酸(2N、8mL)を反応液に加え、それを室温に冷却させた。10分間後に反応液を飽和水性重炭酸ナトリウムで塩基性化し、酢酸エチルへ抽出した。有機溶液を水(×2)および塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濃縮し、黄色油状物として粗生成物(126mg)を得た。この物質をカップリング反応にそのまま用いた。
MS: [M+H]+ 158.
X15‐(2‐クロロ‐5‐フルオロピリミジン‐4‐イル)シクロプロピルアミンの合成
Figure 0005596023
氷浴で冷却された、CHCN(8mL)に溶解された2,4‐ジクロロ‐5‐フルオロピリジン(1g、6mmol)に、CHCN(2mL)中EtN(0.16mL、8.4mmol)およびシクロプロピルアミン(0.29mL、8.4mmol)を加えた。反応液を0℃で2時間攪拌し、蒸発させ、水を加え、反応液をEtOAc(×3)で抽出した。有機フラクションを合わせ、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(0.92g)を得た。
MS: [M+H]+ = 188
X16‐(2‐クロロ‐5‐フルオロピリミジン‐4‐イル)エチルアミンの合成
Figure 0005596023
エチルアミンを用いたX15と同様の操作
X17‐〔2‐(2‐クロロ‐5‐フルオロピリミジン‐4‐イルアミノ)エチル〕カルバミン酸tert‐ブチルエステルの合成
Figure 0005596023
N‐(2‐アミノエチル)カルバミン酸tert‐ブチルを用いたX15と同様の操作
X18‐4‐クロロ‐2‐メチル‐6‐〔4‐〔2‐(テトラヒドロピラン‐2‐イルオキシ)エチル〕ピペラジン‐1‐イル〕ピリミジンの合成
Figure 0005596023
4‐(6‐クロロ‐2‐メチル‐4‐ピリミジニル)テトラヒドロ‐1(2H)‐ピラジンカルボン酸tert‐ブチル(0.5g、1.6mmol)にEtOAc中飽和HClを加え、反応液をRTで3時間攪拌し、次いで蒸発させ、トルエン(2×)と再蒸発させて、生成物(0.34g)を得た。アセトン/DMFの混合液(20mL)中粗生成物に2‐(2‐ブロモエトキシ)テトラヒドロ‐2H‐ピラン(0.4g、1.9mmol)およびKCO(0.4g、2.9mmol)を加え、60℃で1時間加熱したが、反応がほとんどなく、したがって更にピラン(0.3g)およびKCO(0.4g)を加え、O/N加熱した。混合液をEtOAcとHOに分配し、有機層を分離し、HOおよび塩水で洗浄した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(340mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 341.
X19‐2‐(2‐クロロピリミジン‐4‐イル)イミダゾール‐1‐スルホン酸ジメチルアミドの合成
Figure 0005596023
n‐BuLi〔ヘキサン中2.5M〕(4mL、10mmol)を乾燥エーテル(60mL)中N,N‐ジメチルイミダゾール‐1‐スルホンアミド(1.75g、10mmol)の溶液に−78℃で加え、1時間攪拌し、陰イオンを温度−30℃に維持したエーテル(80mL)中2‐クロロピリミジン(1.48g、10mmol)の懸濁液に移し、温度を0℃とし、30分間維持した。反応をAcOH(0.64mL)および水(10mL)で停止し、反応液にTHF(2mL)、次いでTHF(10mL)中DDQ(2.27g)を加え、O/N撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、固体物を濾去し、濾液を水(×3)、次いで氷冷0.5%NaOHで洗浄し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(130mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 228.
X20‐1‐〔3‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)アゼチジン‐1‐イル〕エタノンの合成
Figure 0005596023
1‐boc‐3‐(ヒドロキシ)アゼチジンを用いる操作X10工程2、次いで操作X3を用いて製造した。
CHCl(15mL)中1‐アゼチジン‐3‐イル‐4‐ブロモ‐1H‐ピラゾール塩酸塩(0.3g、1.26mmol)にEtN(0.47mL)および塩化アセチル(0.107mL、1.5mmol)を加え、RTで2時間攪拌し、次いでEtOAcとHOに分配した。有機層を分離し、水HOで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(276mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 246.
X21‐4‐ブロモ‐1‐〔1‐〔2‐(テトラヒドロピラン‐2‐イルオキシ)エチル〕アゼチジン‐3‐イル〕‐1H‐ピラゾールの合成
Figure 0005596023
1‐boc‐3‐(ヒドロキシ)アゼチジンを用いる操作X10工程2、次いで操作X3を用いて製造した。
CHCN(15mL)中1‐アゼチジン‐3‐イル‐4‐ブロモ‐1H‐ピラゾール塩酸塩(0.3g、1.26mmol)にKCO(0.78g、5.6mmol)、次いで2‐(2‐ブロモエトキシ)テトラヒドロ‐2H‐ピラン(0.205mL、1.5mmol)を加え、反応液をO/N加熱還流した。反応混合液を濾過し、固体物をEtOAcで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮し、残渣をCHClとHOに分配した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物(380mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 331
X22‐〔2‐(6‐クロロピリミジン‐4‐イルアミノ)エチル〕カルバミン酸tert‐ブチルエステルの合成
Figure 0005596023
MeOH(15mL)中、4,6‐ジクロロピリミジン(0.533g、35.8mmol)にN‐(2‐アミノエチル)カルバミン酸tert‐ブチルを加え、反応液を室温で6.5時間攪拌した。反応液を真空下で濃縮し、固体物をEtOAc/ガソリンで摩砕した。望ましい生成物を含有する濾液を濃縮し、EtOAcおよび飽和NaHCOを加えた。各相を分離し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体物として望ましい生成物(414mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 273
X23‐2‐クロロ‐5‐メトキシピリミジン‐4‐イルアミンの合成
Figure 0005596023
2,4‐ジクロロ‐5‐メトキシピリミジン(0.45g、2.5mmol)およびメタノール中アンモニア(2N、20mL)の混合液を室温で一晩攪拌した。混合液を次いで真空下で濃縮し、水洗した。残渣をカラムクロマトグラフィー(20〜60%酢酸エチル/石油エーテル)により精製し、白色固体物として標題化合物(211mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 160
X24‐2‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジン‐4‐イルアミンおよび4‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジン‐2‐イルアミンの合成
Figure 0005596023
2,4‐ジクロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジンを用いて2‐クロロ‐5‐メトキシピリミジン‐4‐イルアミンのように合成した。両方の位置異性体を単離した。2‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジン‐4‐イルアミン 1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 8.32 (1H, s)、4‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジン‐2‐イルアミン 1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 8.46 (1H, s).
X25‐(2‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジン‐4‐イル)シクロブチルアミンおよび(4‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジン‐2‐イル)シクロブチルアミンの合成
Figure 0005596023
2,4‐ジクロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジン(0.3mL、2.3mmol)およびシクロブチルアミン(0.2mL、2.3mmol)の混合液をメタノール(5mL)中室温で一晩攪拌した。アミン(0.4mL)の追加で4時間後、反応液を真空下で濃縮した。酢酸エチルを残渣へ加え、混合液を水(×2)および塩水で洗浄し、次いで(MgSO)乾燥し、再び濃縮した。カラムクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/石油エーテル)により精製し、混合物として2種の位置異性体(635mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 252
X26‐〔1‐(2‐クロロピリミジン‐4‐イル)アゼチジン‐3‐イル〕カルバミン酸tert‐ブチルエステルの合成
Figure 0005596023
メタノール(10mL)中アゼチジン‐3‐イルカルバミン酸tert‐ブチルエステル(635mg、3.4mmol)、2,4‐ジクロロピリミジン(500mg、3.4mmol)およびトリエチルアミン(0.5mL、3.6mmol)の混合液を室温で一晩攪拌した。混合液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(0〜40%酢酸エチル/石油エーテル)により精製して、標題化合物561mgを得た。
MS: [M+H]+ = 283/285
X27‐4‐アゼチジン‐1‐イル‐2‐クロロピリミジンの合成
Figure 0005596023
塩酸アゼチジンを用いて〔1‐(2‐クロロピリミジン‐4‐イル)アゼチジン‐3‐イル〕カルバミン酸tert‐ブチルエステルのように製造した。
MS: [M+H]+ = 170
X28‐1‐(2‐クロロピリミジン‐4‐イル)アゼチジン‐3‐オールの合成
Figure 0005596023
塩酸アゼチジン‐3‐オールを用いて〔1‐(2‐クロロピリミジン‐4‐イル)アゼチジン‐3‐イル〕カルバミン酸tert‐ブチルエステルのように製造した。
MS: [M+H]+ = 186
X29‐2‐クロロピリミジン‐4‐カルボン酸メチルアミドの合成
Figure 0005596023
氷/水浴で冷却されたジクロロメタン(10mL)中2‐クロロピリミジン‐4‐カルボン酸(200mg、1.3mmol)の溶液に塩化オキサリル(0.7mL)およびジメチルホルムアミド(3滴)を加えた。反応は45分間後に未完了であったため、塩化オキサリル(0.7mL)を追加し、反応液を室温で更に1時間進行させた。反応液を次いで濃縮し、粗酸クロリドにピリジン(0.1mL)および塩酸メチルアミン(0.16g、1.9mmol)を加えた。3時間攪拌後に両試薬を追加し、反応液を一晩攪拌させた。反応液に希重炭酸溶液を加え、混合液をジクロロメタンで抽出した。有機溶液を濃縮し、黄色固体物として標題化合物(150mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 9.01 (1H, d), 8.99-8.88 (1H, m), 8.01 (1H, d), 2.83 (3H, d).
X30‐(2‐クロロピリミジン‐4‐イル)モルホリン‐4‐イルメタノンの合成
Figure 0005596023
2‐クロロピリミジン‐4‐カルボン酸メチルアミドのように製造した。50%純度混合物として得た。
X31‐(2‐クロロピリミジン‐4‐イル)モルホリン‐4‐イルメタノンの合成
Figure 0005596023
2‐クロロ‐6‐メチルピリミジン‐4‐カルボン酸メチルエステル(2.0g、10.7mmol)、水酸化ナトリウムペレット(600mg)および水(60mL)の混合液を室温で3時間攪拌した。反応液を次いで5N塩酸で酸性化し、週末にわたり放置させた。反応液を氷で冷却し、褐色物質を真空濾過により除去した。溶液を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機溶液を濃縮し、褐色固体物として酸中間体(1.59g)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 14.13 (1H, s), 7.95 (1H, s), 2.59 (3H, s).アミドを2‐クロロピリミジン‐4‐カルボン酸メチルアミドの製造に関する方法に従い製造した。MS: [M+H]+ = 186
X32‐6‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イルアミンおよび6‐クロロ‐3‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イルアミンの合成
Figure 0005596023
1,4‐ジオキサン(4mL)中2,6‐ジクロロ‐3‐トリフルオロメチルピリジン(1.0g、4.6mmol)およびアンモニア(飽和水溶液‘.880’、0.6mL)の混合液を密封チューブ中マイクロ波で加熱した。アンモニアを追加し、約90%変換に達する(約2時間後)まで温度を120℃へゆっくり上げた。反応液を一晩放置させ、得られた固体物を真空濾過により単離し、水洗した。得られた固体物をカラムクロマトグラフィー(0〜30%酢酸エチル/石油エーテル)により精製して、2種の位置異性体を得た。6‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イルアミン 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.70 (1H, d), 6.43 (1H, d), 5.47-4.30 (2H, m).6‐クロロ‐3‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イルアミン 1H NMR (400 MHz, CDCl3): 7.66 (1H, d), 6.75 (1H, d), 5.17 (2H, s).
X33‐4‐クロロ‐5‐イソプロピルピリミジン‐2‐イルアミンおよび2‐クロロ‐5‐イソプロピルピリミジン‐4‐イルアミンの合成
Figure 0005596023
出発物質として2,4‐ジクロロ‐5‐イソプロピルピリミジンを用いて、6‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イルアミンおよび6‐クロロ‐3‐トリフルオロメチルピリジン‐2‐イルアミンのように製造した。4‐クロロ‐5‐イソプロピルピリミジン‐2‐イルアミン 1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 7.86 (1H, s), 2.92-2.78 (1H, m), 1.26 (6H, d).2‐クロロ‐5‐イソプロピルピリミジン‐4‐イルアミン 1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 8.15 (1H, s), 3.21-3.08 (1H, m), 1.27 (6H, d).
X34‐2‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジンの合成
Figure 0005596023
2,4‐ジクロロ‐5‐トリフルオロメチルピリミジン(300mg、1.4mmol)、亜鉛末(90mg、1.4mmol)およびテトラヒドロフラン(3mL)を加熱還流した。テトラヒドロフラン(3mL)中酢酸(0.16mL、2.8mmol)を30分間かけて混合液に滴下した。得られた混合液を更に3時間加熱し、次いで室温に冷却させ、GF‐A紙で濾過した。溶液を濃縮し、ジクロロメタンで湿潤させた。混合液を希重炭酸溶液で洗浄し、次いで真空下で濃縮して、粗物質を得、そこから望ましい標的分子を得た。
X35‐2,5‐ジクロロピリミジン‐4‐イルアミンの合成
Figure 0005596023
メタノール(50mL)中2Mアンモニア中2,4,5‐トリクロロピリミジン(2.2mL)の溶液を室温で一晩攪拌した。反応液を次いで真空下で濃縮し、得られた固体物を水洗した。残渣をメタノールで摩砕し、固体物を真空濾過により単離し、白色固体物として標題化合物(487mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.18 (1H, s).
セクションY‐ボロン酸/エステルカップリングパートナーの製造
Y1‐2‐メチル‐2‐〔4‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)ピラゾール‐1‐イル〕プロピオン酸エチルエステルの製造
Figure 0005596023
乾燥DMF(50mL)中4‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)‐1H‐ピラゾール(5.0g、25.8mmol)および炭酸セシウム(12.6g、38.7mmol)の攪拌混合液に2‐ブロモ‐2‐メチルプロピオン酸エチルエステル(5.5g、28.2mmol)を加えた。反応混合液をN下90℃で18時間加熱してから、室温に冷却させた。混合液をEtOAcとHOに分配し、有機層を分離し、HO(×2)および塩水(×1)で洗浄し、(NaSO)乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。これで黄色油状物として粗生成物を得、それを次の工程で直接用いた(4.7g、15.3mmol)。
セクションZ‐一般的修飾
操作Z1a‐Boc基除去
Figure 0005596023
ジオキサン中4N HCl(0.5mL、2mmol)をCHCl(2mL)中4‐〔4‐〔3‐〔3‐〔3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)ウレイド〕フェニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イル〕ピラゾール‐1‐イル〕ピペリジン‐1‐カルボン酸tert‐ブチルエステル(210mg、0.36mmol)の攪拌懸濁液に加えた。懸濁液を室温で3時間攪拌し、溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOAcとNaHCO溶液に分配し、水層をEtOAc(×2)で抽出した。有機抽出液を合わせ、(NaSO)乾燥し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。残渣をプレパラティブHPLCにより精製して、無色固体物を得た。固体物をMeOH中HCl(1当量)の溶液に溶解し、溶媒を除去し、残渣をEtOで摩砕して、クリーム色固体物(110mg、0.23mmol)を得た。
MS: [M+H]+ 484.
操作Z1b‐別なBoc基除去
Boc保護化合物をDCMに溶解し、トリフルオロ酢酸で処理する。反応液を完了まで室温で攪拌し、次いで全揮発性物質を真空下で除去して、未保護アミノ化合物を得、それを必要に応じて精製する。
操作Z2‐エステル加水分解
Figure 0005596023
ジオキサン(4mL)中、2‐メチル‐2‐〔4‐〔3‐〔3‐〔3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)ウレイド〕フェニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イル〕ピラゾール‐1‐イル〕プロピオン酸エチルエステル(300mg、0.58mmol)の攪拌懸濁液にHO(1mL)中、LiOH(70mg、2.9mmol)の溶液を加えた。MeOH(1mL)を加えて均質溶液を得、それを室温で3日間攪拌した。2N HCl(1.5mL)を加え、揮発性物質を真空下で除去した。水性残渣をEtOAcとHOに分配した。各層を分離し、水層を更にEtOAcで抽出し、固体物の形成を生じた。液体フラクションをデカントし、固体物をMeOHに溶解した。水層を更にEtOAc(×1)およびCHCl(×1)で抽出した。有機フラクションを合わせ、溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOHと共沸させて、ベージュ色泡状物を得た。この泡状物の一部(70mg)をプレパラティブHPLCにより精製して、無色固体物(33mg)を得た。
MS: [M+H]+ 487.
操作Z3‐還元
Figure 0005596023
ボラン‐THF(THF中1M、3mL、3mmol)を窒素雰囲気下0℃でTHF(3mL)中、2‐メチル‐2‐〔4‐〔3‐〔3‐〔3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)ウレイド〕フェニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イル〕ピラゾール‐1‐イル〕プロピオン酸(250mg、1.9mmol)の懸濁液に加えた。反応液を室温で3時間、次いで65℃で一晩攪拌した。室温に冷却後、水(1mL)、5N HCl(1mL)およびMeOH(5mL)を加え、得られた溶液を室温で18時間攪拌した。混合液を真空下で濃縮し、1N NaOHおよびEtOAcで希釈した。混合液を濾過し、固体物をプレパラティブHPLCにより精製し、オフホワイト色固体物として生成物(28mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 473.
操作Z4‐アルキル化
Figure 0005596023
1‐〔3‐〔7‐(6‐クロロピリダジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(20mg、0.04mmol)および4‐(ジメチルアミノ)ピペリジン(8mg、0.05mmol)をNMP(0.25mL)に溶解し、CEM Discover マイクロ波中120℃で10分間、130℃で30分間および150℃で60分間加熱した。冷却後、反応混合液を塩水で希釈し、濾過した。固体物をMeOH/DCMに再溶解し、(NaSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCにより精製して、生成物(10mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 539.
操作Z5‐塩酸塩形成
Figure 0005596023
EtOAc(2mL)中1‐〔3‐(7‐ピリダジン‐3‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(108mg)の懸濁液を飽和EtOAc/HClで処理し、すべて溶解するまで攪拌した。溶液を減圧下で濃縮して、生成物(112mg)を得た。
MS: [M+H]+= 413.
4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン塩酸塩
Figure 0005596023
EtOAc(4mL)中4‐(4‐ブロモピラゾール‐1‐イル)ピペリジン‐1‐カルボン酸tert‐ブチルエステル(1mg、3.mmol)にHCl中飽和EtOAc(5mL)を加え、反応混合液を室温で2時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、トルエンと再蒸発させて、生成物(0.68g)を得、それを更なる精製なしに用いた。
MS: [M+H]+ = 230
操作Z6‐アミド形成
N‐(2‐ジエチルアミノエチル)‐2‐〔4‐〔3‐〔3‐〔3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)ウレイド〕フェニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イル〕ピラゾール‐1‐イル〕イソブチルアミドの製造
Figure 0005596023
DMF(3mL)中、2‐メチル‐2‐〔4‐〔3‐〔3‐〔3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)ウレイド〕フェニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イル〕ピラゾール‐1‐イル〕プロピオン酸(0.1g、0.2mmol)の溶液にEDAC(0.043g、0.22mmol)、HOAc(0.031g、0.22mmol)、次いでN,N‐ジエチルエチレンジアミン(0.029mL、0.2mmol)を加えた。反応液を完了までRTで攪拌し、次いで水とEtOAcに分配した。水層を更にEtOAcで洗浄し、有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCにより精製して、生成物(0.027g)を得た。
MS: [M+H]+ = 585
操作Z6a‐SNAr反応
Figure 0005596023
1mLのNMP中、3,6‐ジクロロピリダジン(500mg、3.35mmol)およびエタノールアミン(250μL、1.25当量)の混合液をCEM Discover マイクロ波シンセサイザー中120℃で20分間加熱した。反応混合液を塩水で希釈し、次いでDCM(×2)で抽出した。合わせたDCM抽出液を(NaSO)乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗物質をEtOで摩砕し、固体物を濾取し、更にEtOで洗浄し、吸引乾固して、薄黄褐色固体物として80mgの生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.34 (1H, d), 7.10 (1H, s), 6.95 (1H, d), 4.75 (1H, s), 3.58 (2H, d), 3.40 (2H, d).
操作Z7‐O‐脱アルキル化
Figure 0005596023
アセトニトリル(5mL)中、1‐〔3‐〔7‐(6‐メトキシピリダジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(40mg、0.09mmol)の溶液をヨウ化カリウム(50mg、3.3当量)、次いでトリメチルクロロシラン(38μL、3.3当量)で処理し、次いで60℃で2時間加熱した。反応液を冷却し、2M HClで処理し、30分間攪拌し、次いで蒸発させた。残渣をDCMとNaHCOに分配し、未溶解固体物を濾取し、水、次いでDCMで洗浄し、吸引乾固させた。生成物を薄黄色固体物(35mg)として単離した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 9.50 (1H, s), 8.56 (1H, d), 8.24-8.12 (2H, m), 7.80 (2H, s), 7.58 (1H, d), 7.53-7.35 (3H, m), 7.25 (1H, d), 6.91 (1H, d), 4.02-3.88 (2H, m).
Z8‐スルホンアミドの脱保護
1‐〔3‐〔7‐〔4‐(1H‐イミダゾール‐2‐イル)ピリミジン‐2‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
EtOH(5mL)およびMeOH(1mL)に溶解された2‐〔2‐〔3‐〔3‐〔3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)ウレイド〕フェニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イル〕ピリミジン‐4‐イル〕イミダゾール‐1‐スルホン酸ジメチルアミド(140mg、0.23mmol)を2M HCl(1mL)で処理し、60℃で2時間加熱した。反応混合液を減圧下で濃縮し、プレパラティブHPLCにより精製して、生成物(20mg)を得た。
MS: [M+H]+ 479
Z9‐THPの脱保護
1‐〔3‐〔7‐〔6‐〔4‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン‐1‐イル〕‐2‐メチルピリミジン‐4‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
1‐〔3‐〔7‐〔2‐メチル‐6‐〔4‐〔2‐(テトラヒドロピラン‐2‐イルオキシ)エチル〕ピペラジン‐1‐イル〕ピリミジン‐4‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(150mg)をEtOAc中飽和HClで処理し、反応液をRTで1時間攪拌し、沈殿した固体物を濾過し、EtOAcで洗浄した。粗生成物をプレパラティブHPLCにより2回精製して、生成物(30mg)を得た。
MS: [M+H]+ 555
実施例1〜13
上記の方法に従い、以下の表で掲載された化合物を製造した。
すべてのMSデータは〔M+H〕である。
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
実施例13B
1‐〔3‐〔7‐(3‐メチル‐3H‐イミダゾール‐4‐イルエチニル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素二塩酸塩
Figure 0005596023
乾燥DMSO(31mL)中、1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素(3.08g、8.3mmol)、5‐エチニル‐1‐メチル‐1H‐イミダゾール(1.78g、10mmol)および炭酸セシウム(5.43g、16.7mmol)の混合液をNで排気/再充填(×3)により脱酸素化した。PdCl(PCy(185mg、0.25mmol)を加え、混合液を再び(×3)脱酸素化し、次いで攪拌し、N下100℃で16時間加熱した。反応液をRTに冷却させ、水(65mL)で希釈し、混合液をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を塩水(40mL)で洗浄し、次いで(MgSO)乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をジクロロメタン(20mL)と混合し、氷冷し、濾過して、標題化合物(1.34g、黄色固体物)を得た。1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 8.59 (1H, d), 7.87-7.74 (4H, m), 7.50 (1H, t), 7.42 (1H, d), 7.37 (1H, s), 7.32 (1H, d), 7.10 (1H, dd), 3.95 (2H, q), 3.85 (3H, s).メタノール(10mL)中、標題化合物の溶液を氷冷し、酢酸エチル(15mL)中飽和塩化水素の溶液で処理した。混合液を蒸発させて、二HCl塩(1.59g、黄色泡状物)を得た。1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 9.06 (1H, s), 8.88 (1H, d), 8.34-8.27 (2H, m), 8.08 (2H, d), 7.65 (1H, d), 7.59 (1H, t), 7.47-7.35 (2H, m), 4.09 (3H, s), 3.96 (2H, q).
実施例14〜114
上記の方法に従い、以下の表で掲載された化合物を製造した。
すべてのMSデータは〔M+H〕である。
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
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Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
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Figure 0005596023
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Figure 0005596023
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Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
実施例114B
1‐〔3‐(7‐ピリミジン‐2‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素二メシル酸塩
Figure 0005596023
2‐クロロピリミジン(2.24g、19.64mmol)および2M NaCO(66mL、13.2mmol)をDME(66mL)中、1‐〔3‐〔7‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素〔操作B2から〕(6g、13.04mmol)の溶液に加え〔窒素を吹き込んで脱気させる反応〕、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.5g、1.2mmol)を加えた。反応液を80℃に3時間加熱してから、水とEtOAcに分配した。有機フラクションを(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、残渣をプレパラティブHPLCにより精製し、TFA塩として生成物(1.8g)を得た。
生成物(1.1g)をCHCl(700mL)に溶解し、次いで2M NHOH(300mL)で洗浄したところ、少量の固体物が各層間で形成され、それを濾去した(170mg)。水相をCHCl(250mL)で再抽出し、全有機層を合わせ、水(100mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、遊離塩基として生成物(0.548g)を得、両サンプルを一緒にメタノール(100mL)へ懸濁し、メタンスルホン酸(0.226 2当量)で処理し、蒸発させ、CHCl/MeOHで再蒸発させて、泡状物(1.45g)を得た。
MS: [M+H]+ = 413.
実施例115
1‐〔3‐(7‐アミノイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
工程1:
Figure 0005596023
一般ルートA操作A2において記載された方法を用いて製造した。
MS: [M+H]+ = 259.
工程2:
Figure 0005596023
THF(80mL)中7‐アミノ‐3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(840mg、3.2mmol)の溶液にジイソプロピルエチルアミン(1.4mL、8.5mmol)およびクロロギ酸エチル(0.36mL、3.8mmol)を加えた。反応液を室温で2時間攪拌し、得られた固体物を濾過により分離し、THFで洗浄して、生成物(468mg)を得、それを精製せずに用いた。
MS: [M+H]+ = 331.
工程3:
Figure 0005596023
トルエン(0.5mL)中、(3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐イル)カルバミン酸エチルエステル(100mg、0.30mmol)の溶液に1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素〔操作A4において記載されている〕(126mg、0.36mmol)、KCO(250mg、1.80mmol)、MeOH(0.5mL)、EtOH(0.5mL)および水(0.7mL)を加えた〔Nを吹き込んで脱気させる反応〕。ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(1.5mg、0.003mmol)を加え、反応液をCEM discover マイクロ波シンセサイザー(300W)中135℃で30分間加熱した。混合液を水とEtOAcに分配し、有機フラクションを(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCにより精製して、生成物(12mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 350.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.97 (1H, s), 8.24 (1H, d), 7.61 (1H, s), 7.40-7.37 (2H, m), 7.33 (1H, s), 7.17-7.09 (1H, m), 6.92 (1H, t), 6.47 (1H, dd), 6.43 (1H, d), 5.71 (2H, s), 4.01-3.88 (2H, m).
実施例116
1‐〔3‐〔7‐(2‐メチルイミダゾール‐1‐イル)‐1,7‐ジヒドロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
工程1:
Figure 0005596023
7‐ブロモイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンを一般ルートA操作A1において記載された方法に従い製造した。
工程2:
Figure 0005596023
7‐ブロモイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(500mg、2.5mmol)、2‐メチルイミダゾール(208mg、2.5mmol)、ヨウ化銅(I)(24mg、0.13mmol)、トランス‐N,N′‐ジメチルシクロヘキサン‐1,2‐ジアミン(360mg、0.5mmol)および炭酸セシウム(650mg、5mmol)をDMF(5mL)に溶解し、不活性雰囲気下で110℃に一晩加熱した。反応液を濾過し、減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(5〜10%MeOH/DCM)により精製して、生成物(120mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 199.
工程3:
Figure 0005596023
一般ルートA操作A2おいて記載された方法に従い製造した。
工程4:
Figure 0005596023
一般ルートA操作A4において記載されたボロネートを用いて、一般ルートB操作B3aにおいて記載された方法に従い製造した。
[M+H]+ = 415
1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 8.72 (1H, d), 7.88 (1H, t), 7.82 (1H, s), 7.71 (1H, d), 7.51 (1H, t), 7.45-7.38 (1H, m), 7.38-7.31 (2H, m), 7.12 (1H, dd), 7.05 (1H, d), 4.02-3.88 (2H, m), 2.49 (3H, s).
実施例117
1‐〔5‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)チアゾール‐2‐イル〕‐3‐エチル尿素塩酸塩
工程1:
Figure 0005596023
ヨウ化物(操作A2から、1.06g、3.81mmol)、酢酸パラジウム(触媒量)、DavePhos(触媒量)、炭酸セシウム(1.86g、5.71mmol)、ピバル酸(583mg、5.71mmol)、ジメチルアセトアミド(20mL)、および2‐アセトアミドチアゾール(1.56g、9.52mmol)の混合液を窒素下で110℃に一晩加熱した。反応液を次いで冷却させた。反応液を吸引下で濾過し、酢酸エチルおよび水で洗浄した。これらの固体物を捨て、溶液を再濾過して、少量の粗生成物を得た。溶液を取り出し、酢酸エチル層を分離し、10%水性塩化リチウムおよび塩水で洗浄した。この溶液を(MgSO)乾燥し、真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタンで摩砕し、望ましい生成物(500mg)を得た。
[M+H]+ = 293.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 12.35 (1H, s), 8.56 (1H, d), 7.91-7.81 (3H, m), 7.08 (1H, dd), 2.20 (3H, s).
工程2:
Figure 0005596023
アセトアミド(200mg、0.685mmol)、メタノール(3mL)および濃塩酸(1mL)の混合液を密封チューブ中マイクロ波で100℃に10分間加熱した。溶液を濃縮乾固させ、黄褐色固体物として粗アミン(210mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 251.
工程3:
Figure 0005596023
アミン(75mg粗製)、イソシアン酸エチル(200μL)、および1,4‐ジオキサン(2mL)の混合液を室温で2時間攪拌してから、温度を40℃に上げた。この温度で2時間後、イソシアン酸エチル(100μL)を追加し、反応液をこの温度で一晩放置した。反応液を冷却させ、水(5mL)を追加した。反応液を40℃に1時間加熱し、次いで反応液を冷却させ、ジクロロメタンを加えた。有機層を分離し、水および塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濃縮した。残渣をシリカBiotageカラムにより0〜10%メタノール/ジクロロメタンで溶出させて精製し、更にプレパラティブHPLCにより精製した。操作Z5において記載された方法を用いて塩酸塩を形成させた。収率=2mg。
MS: [M+H]+ = 322
1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 8.76 (1H, d), 8.31 (1H, s), 8.16 (1H, d), 7.90 (1H, s), 7.63 (1H, dd), 3.35 (obscured, 2H), 1.22 (3H, t).
実施例118
1‐〔3‐〔7‐(5,6‐ジメチル〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素塩酸塩
工程1:
Figure 0005596023
ヒドラジン(Chezal J.M.et al.,Tetrahedron,2002,58(2),295-308、705mg、4.0mmol)、ジアセチル(379mg、4.4mmol)、およびエタノール(10mL)の混合液を室温で一晩攪拌した。メタノール中アンモニア(2M、10mL)を次いで加え、30分間攪拌後に密封チューブ中マイクロ波で110℃に70分間加熱した。反応液を次いで濾過して、白色固体物を除去した。溶液を濃縮し、シリカBiotageカラムにより0〜10%メタノール/ジクロロメタンで溶出させて精製した。生成物を更にジエチルエーテルで摩砕により精製し、オフホワイト色固体物として生成物(277mg)を得た。
MS: [M+H]+ = 226.
工程2:
Figure 0005596023
一般ルートA操作A2において記載された方法を用いて製造した。
MS: [M+H]+ = 338.
工程3:
Figure 0005596023
80℃で一晩にわたり通常の加熱下、一般ルートA操作A4において記載された方法を用いて製造した。生成物をシリカBiotageカラムにより0〜15%酢酸エチル/石油エーテルで溶出させて精製した。操作Z5において記載された方法を用いて生成物を塩にした。
MS: [M+H]+ = 442.
1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD): 9.02 (1H, s), 8.99 (1H, d), 8.57 (1H, d), 8.32 (1H, s), 8.06 (1H, s), 7.60 (1H, t), 7.49 (1H, d), 7.43 (1H, d), 3.96 (2H, q), 2.81 (3H, s), 2.74 (3H, s).
実施例119〜125
上記の方法に従い、以下の表で掲載された化合物を製造した。
すべてのMSデータは〔M+H〕である。
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
実施例126A〜159B
以下の化合物は、本願明細書において記載された方法を用いて製造することができる。特に、適切なカップリングパートナー、例えば必要な芳香族ハライドまたは芳香族ボロン酸が、1‐〔3‐(7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素または1‐〔3‐(7‐ボロネート‐イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素とのクロスカップリング反応に用いられる。必要なカップリングパートナーは市販されているか、または本願明細書において記載された方法を用いて合成される。
実施例126A
1‐〔3‐〔7‐〔1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐6‐オキソ‐1,6‐ジヒドロピリダジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例126B
実施例126Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例127A
1‐〔3‐〔7‐〔1‐(2‐アミノエチル)‐6‐オキソ‐1,6‐ジヒドロピリダジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例128A
1‐〔3‐〔7‐〔1‐(2‐メトキシエチル)‐6‐オキソ‐1,6‐ジヒドロピリダジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例129A
1‐〔3‐〔7‐〔1‐(2‐メチルアミノエチル)‐6‐オキソ‐1,6‐ジヒドロピリダジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例130A
1‐〔3‐〔7‐〔6‐(ピペリジン‐4‐イルオキシ)ピリダジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例130B
実施例130Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例131A
1‐〔3‐〔7‐〔6‐(ピペリジン‐3‐イルオキシ)ピリダジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例131B
実施例131Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例132A
1‐〔3‐〔7‐(6‐メチルアミノピリダジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例132B
実施例132Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例133A
1‐〔3‐〔7‐〔6‐(3‐ヒドロキシピペリジン‐1‐イル)ピリダジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例133B
実施例133Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例134A
1‐〔3‐〔7‐(4‐メチルピリダジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例135A
1‐〔3‐〔7‐(6‐クロロ‐5‐メチルピリダジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例135B
実施例135Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例136A
1‐〔3‐〔7‐(6‐クロロ‐4‐メチルピリダジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例136B
実施例136Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例137A
1‐〔3‐〔7‐(5‐メチルピリダジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例137B
実施例137Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例138A
1‐〔3‐〔7‐(5‐メトキシピリミジン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例138B
実施例138Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例139A
1‐〔3‐〔7‐(2‐クロロ‐5‐メトキシピリミジン‐4‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例139B
実施例139Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例140A
1‐〔3‐〔7‐(5‐メトキシピリミジン‐4‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例140B
実施例140Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例141A
1‐〔3‐(7‐〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
標題化合物は、本願明細書において記載されたルートにより、または下記の試薬を用いて製造することができた。
Figure 0005596023
実施例141B
実施例141Bを以下で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例141B‐1‐〔3‐(7‐〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素を製造するための工程
工程(a)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸アミド
Figure 0005596023
2‐アミノイソニコチンアミドを用いて、操作A1において記載されたように製造した。
MS: [M+H]+ 162.
工程(b)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボニトリル
Figure 0005596023
CHCl(5mL)中、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸アミド(38mg、0.24mmol)およびトリエチルアミン(0.066mL、0.47mmol)の溶液に無水トリフルオロ酢酸(0.39、2.83mmol)を滴下した。反応混合液を室温で2時間攪拌してから、粗混合液をSCX SPEカートリッジへ充填し、MeOHで洗浄し、生成物を2M NH/MeOHで溶出させた。真空下で溶媒の除去により標題化合物(32mg)を得た。
MS: [M+H]+ 143.
工程(c)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボキシミド酸メチルエステル塩酸塩
Figure 0005596023
塩化水素ガスをイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボニトリル(1.0g、7.0mmol)、メタノール(10mL)およびエーテル(25mL)の混合液に室温で3分間吹き込んだ。得られた混合液を3時間攪拌した。固体物質を濾過により単離し、ジエチルエーテルで洗浄して、80%純度黄褐色固体物(1.7g)を得た。
MS: [M+H]+ 176
工程(d)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボキシミド酸ヒドラジド
Figure 0005596023
抱水ヒドラジン(水中80%、0.25mL、2当量)をメタノール(30mL)中イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボキシミド酸メチルエステル塩酸塩(1.0g、4.7mmol、1当量)の混合液に加えた。混合液を70℃に1時間加熱し、次いで室温に冷却させた。一晩放置させた後、固体物を真空濾過により除去し、溶液を真空下で濃縮し、メタノールから再濃縮し、環化工程において更なる精製なしに粗製のまま用いた。
工程(e)7‐〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン
Figure 0005596023
工程dからの物質の半分(約2.3mmol)にグリオキサール(水中40%、1mL)およびエタノール(15mL)を加え、混合液を100℃に加熱した。1時間後に反応液を冷却させ、真空下で濃縮した。水およびジクロロメタンを加え、混合液を吸引下で濾過した。有機溶液を捨て、水層を2N水酸化ナトリウム溶液で塩基性化した。これにジクロロメタンを加え、混合液を再び吸引下で濾過した。ジクロロメタン層を分離し、濃縮して、289mgの黄色固体物(80%純度)を得た。
MS: [M+H]+ 198
工程(f)3‐ヨード‐7‐〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン
Figure 0005596023
7‐〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(280mg)を操作A2に従いヨウ素化して、標題化合物(96mg)を得た。
MS: [M+H]+ 324
工程(g)1‐〔3‐(7‐〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
3‐ヨード‐7‐〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(96mg、0.3mmol)および1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素を操作D4に従いカップリングさせ、黄色固体物として標題化合物(39mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, Me-d3-OD & CDCl3): 9.26 (1H, d), 8.91-8.80 (2H, m), 8.67 (1H, d), 8.16-8.04 (2H, m), 7.85 (2H, d), 7.48 (1H, t), 7.39 (1H, d), 7.30 (1H, d), 3.91 (2H, q). MS: [M+H]+ 414
実施例142A
1‐〔3‐〔7‐(5‐メチル〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
標題化合物は、本願明細書において記載されたルートにより、または上記の試薬を用いながら、グリオキサールの代わりにピルビンアルデヒドを用いて製造することができた。
実施例142B
実施例142Bを以下で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例142B‐1‐〔3‐〔7‐(5‐メチル〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素を製造するための工程
工程(a)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸メチル
Figure 0005596023
EtOH(150mL)中2‐アミノピリジン‐4‐カルボン酸メチル(10.0g、66mmol、1.0当量)の溶液にNaHCO(11.1g、132mmol、2.0当量)、次いでクロロアセトアルデヒド(13.0mL、99mmol、1.5当量)を加えた。混合液を2時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗混合液を水とEtOAcに分配した。得られた沈殿物をEtOで洗浄し、MeOH/EtOから再結晶化させ、8.4gの生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.66 (1H, d), 8.16 (2H, s), 7.80 (1H, s), 7.33 (1H, d), 3.90 (3H, s). MS: [M+H]+ 177.
工程(b)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸ヒドラジド
Figure 0005596023
エタノール(3mL)中3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸メチル(0.3g、1.7mmol、1.0当量)の懸濁液に抱水ヒドラジン(0.414mL、8.52mmol)を加えた。混合液を70℃に1時間加熱し、次いで冷却させた。固体物を濾取し、酢酸エチルおよびエーテルで洗浄し、次いで乾燥させて、0.209gの生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 9.95 (1H, s), 8.60 (1H, d), 8.05 (2H, d), 7.70 (1H, d), 7.30 (1H, dd), 4.58 (2H, s).
工程(c)7‐(5‐メチル〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン
Figure 0005596023
エタノール(10mL)中イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸ヒドラジド(705mg、4.0mmol、1.0当量)およびピルビンアルデヒド(水中40wt%、0.8mL)の懸濁液を室温で2.5時間攪拌した。アンモニア(メタノール中2M、10mL)を加え、室温で15分間攪拌してから、マイクロ波で100℃に60分間加熱した。反応混合液を真空下で濃縮し、ジクロロメタンを加えた。室温で15分間攪拌後に固体物(回収された出発物質)を濾去し、液体をカラムクロマトグラフィー(0〜10%メタノール/ジクロロメタン)により精製して、200mgの黄色固体物を得た。
MS: [M+H]+ 212
工程(d)3‐ヨード‐7‐(5‐メチル〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン
Figure 0005596023
ジメチルホルムアミド(5mL)中7‐(5‐メチル〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(200mg、0.9mmol、1当量)およびN‐ヨードスクシンアミド(300mg、1.3mmol、1.4当量)を室温で攪拌した。3時間後にジエチルエーテルを加え、得られた固体物を真空濾過により単離して、120mgの黄色固体物を得た。
MS: [M+H]+ 338
工程(e)1‐〔3‐〔7‐(5‐メチル〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
3‐ヨード‐7‐(5‐メチル〔1,2,4〕トリアジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(120mg、0.4mmol、1当量)および1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素を操作D4に従いカップリングさせ、黄色固体物として標題化合物(85mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): 9.34 (1H, s), 8.99 (1H, s), 8.74 (1H, d), 8.67 (1H, s), 7.98 (1H, d), 7.93 (1H, s), 7.79 (1H, s), 7.55-7.43 (2H, m), 7.31 (1H, d), 6.87 (1H, t), 3.99-3.88 (2H, m), 2.65 (3H, s). MS: [M+H]+ 428
実施例143A
1‐〔3‐〔7‐〔6‐(ピペリジン‐4‐イルオキシ)ピリジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例144A
1‐〔3‐〔7‐〔6‐(3‐ジメチルアミノプロポキシ)ピリジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例144B
実施例144Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例145A
1‐〔3‐〔7‐〔6‐(4‐アセチルピペラジン‐1‐イル)ピリジン‐3‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例145B
実施例145Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例146A
1‐〔3‐〔7‐(3‐アミノ‐5‐クロロピリジン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例146B
実施例146Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例147A
1‐〔3‐〔7‐(4‐ピペラジン‐1‐イルピリジン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例148A
1‐〔3‐〔7‐(4,6‐ジメチルピリジン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例148B
実施例148Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例149A
Figure 0005596023
実施例149B
実施例149Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例150A
1‐〔3‐〔7‐(2‐メトキシピリジン‐3‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例150B
実施例150Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例151A
1‐〔3‐〔7‐〔5‐(4‐アセチルピペラジン‐1‐イル)ピリジン‐2‐イル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例152A
1‐〔5‐〔7‐(1‐ピペリジン‐4‐イル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕ピリジン‐3‐イル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例152B
実施例152Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例153A
1‐〔5‐〔7‐(1‐ピペリジン‐3‐イル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕ピリジン‐3‐イル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
実施例154A
〔3‐〔7‐(4‐フルオロフェニル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕尿素
Figure 0005596023
実施例154B
実施例154Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例155A
1‐〔3‐〔7‐〔(E)‐2‐(3‐メチル‐3H‐イミダゾール‐4‐イル)ビニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
標題化合物のE異性体は、本願明細書において記載されたルートにより、またはアルキン前駆体に被毒パラジウムを用いた選択的水素化により製造することができた。
実施例155B
実施例155Bを以下の表で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
実施例156A
1‐〔3‐〔7‐〔(Z)‐2‐(3‐メチル‐3H‐イミダゾール‐4‐イル)ビニル〕イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素
Figure 0005596023
標題化合物のZ異性体は、本願明細書において記載されたルートにより、または1‐〔3‐(7‐ホルミルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)尿素と2‐(クロロメチル)‐1‐メチル‐1H‐イミダゾールから誘導されたリンイリドからWittig型化学を用いて製造することができた。
実施例157A
1‐シクロプロピル‐3‐〔3‐〔7‐(5‐メチル〔1,3,4〕オキサジアゾール‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル〕フェニル〕尿素
Figure 0005596023
実施例157B
実施例157Bを以下で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
トリエチルアミン(0.47mL)およびDMF(20mL)中中間体39(490mg、1.68mmol)(以下の中間体の製造セクションから)の溶液に4‐ニトロフェニル‐N‐シクロプロピルカルバミン酸エステル(187mg、0.84mmol)を加え、混合液をRTで12時間攪拌した。36時間にわたり4‐ニトロフェニル‐N‐シクロプロピルカルバミン酸エステル(187mg、0.84mmol)を3回追加して、変換を完了させた。混合液を30%NHOHおよび水に注ぎ、30分間攪拌し、沈殿物を濾取した。それをACNで洗浄し、Spherical SiOH 10μm 60g PharmPrep MERCK、移動相(97%DCM、3%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOに溶解し、濾過し、乾燥し、371mg(59%)の化合物157Bを得た。
MP = 229.6℃ (DSC)
実施例158A
1‐シクロプロピル‐3‐〔3‐(7‐〔1,3,4〕チアジアゾール‐2‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕尿素
Figure 0005596023
実施例158B
実施例158Bを以下で掲載された操作に従い製造した。
Figure 0005596023
THF(10mL)中、中間体44(0.52g、1.77mmol)(以下の中間体の製造セクションから)および4‐ニトロフェニルクロロホルメート(0.39g、1.95mmol)の混合液を60℃で2時間加熱した。混合液をRTに冷却し、N‐エチル‐N‐(1‐メチルエチル)‐2‐プロパンアミン(0.59mL、3.54mmol)、次いでシクロプロパンアミン(0.135mL、1.95mmol)をRTで滴下した。混合液をRTで2時間攪拌した。混合液を氷水に注ぎ、EtOAcを加えた。有機層を分離し、塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をIrregular SiOH 15‐40μm 300g MERCK、移動相(92%DCM、8%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE/ACN(90/10)から結晶化させ、沈殿物を濾過し、真空下で乾燥し、589mg(88%)の化合物158Bを得た。
MP = 205°C (kofler).
実施例159A
1‐シクロプロピル‐3‐〔3‐(7‐ピリミジン‐2‐イルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕尿素
Figure 0005596023
実施例159B
実施例159Bのための中間化合物の製造
例1
中間体Aの製造
Figure 0005596023
ジオキサン(54mL)中、例1.2の操作に従い製造された
Figure 0005596023
(1.34g、5.2mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′‐オクタメチル‐2,2′‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン(2.7g、10.5mmol)、酢酸カリウム(1.54g、15.5mmol)の混合液をN流下RTで攪拌した。10分間後、酢酸パラジウム(II)47%Pd(0.35g、1.57mmol)および2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′,6′‐ジメトキシビフェニル(1.08g、2.62mmol)を少しずつ加えた。次いで混合液を80℃で一晩加熱した。溶液を冷却水に注いだ。EtOAcを加えた。RMをセライトのパッドで濾過した。生成物をEtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させて、3.1g(>100%)の中間体Aを得た。生成物を更なる精製なしに用いた。
例2
a)中間体Bの製造
Figure 0005596023
EtOH(200mL)中、2‐アミノ‐4‐クロロピリジン(20g、156mmol)およびNaHCO(26.14g、311mmol)を60℃に加熱した。水中クロロアセトアルデヒド50重量%溶液(30.1mL、233mmol)を滴下し、RMを80℃に1時間加熱した。RMを室温に冷却し、蒸発乾固させた。残渣を水に注ぎ、次いでEtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣を水および3N HClの混合液に注いだ。水層をEtOAcで洗浄して、有機不純物を除去した。次いで、水層をKCOで塩基性化し、EtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させて、23.5g(99%)の中間体Bを得た。
b)中間体Cの製造
Figure 0005596023
2‐メトキシエチルエーテル(100mL)および水(133μL)中、中間体B(10g、65.5mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′‐オクタメチル‐2,2′‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン(20g、78.65mmol)、KCO(13.6g、98.3mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(1.84g、6.55mmol)、酢酸パラジウム(II)47%Pd(736mg、3.3mmol)をN下で100℃に15時間加熱した。RMをRTに冷却し、次いで5℃に冷却した。RMを濾過し、沈殿物を2‐メトキシエチルエーテル(210mL)で洗浄した。残渣を水(50mL)に注ぎ、次いで濾過した。沈殿物を水(220mL)で洗浄し、乾燥して、11.25g(70%)の中間体Cを得た。
c)中間体Dの製造
Figure 0005596023
反応を5.6gの中間体Cで2回行った。
ジオキサン(220mL)中、中間体C(5.6g、22.9mmol)および2‐ブロモピリミジン(5.47g、34.4mmol)の溶液をN下RTで30分間脱気した。水性2M NaCO(115mL、229.5mol)およびPddppf(1.68g、2.3mmol)を加え、溶液を100℃で一晩加熱した。RMを冷却水に注ぎ、セライトのパッドで濾過した。濾液をDCMで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発乾固させた。各反応から出た残渣を混合し(15.05g)、Irregular SiOH 15‐40μm 300g MERCK、移動相(0.5%NHOH、97%DCM、3%MeOH)で順相により精製し、8.6g(95%)の中間体Dを得た。
d)中間体Eの製造
Figure 0005596023
N‐ヨードスクシンイミド(6.88g、30.6mmol)をACN(250mL)中中間体Dの溶液へ一度に加えた。混合液をRTで2時間攪拌した。沈殿物を濾取し、ACNで洗浄し、乾燥し、7.48g(91%)の中間体Dを得た。
実施例159Bの製造
Figure 0005596023
ジオキサン(50mL)中、中間体D(1.3g、4.05mmol)、中間体A(1.59g、5.2mmol)の溶液を、Nを吹き込むことで脱気させた。KPO(1.72g、8.1mmol)、Pddppf(661mg、0.81mmol)および水(1mL)をN流下で加えた。溶液を80℃で一晩加熱した。RMを冷却水に注いだ。EtOAcを加えた。混合液をセライトのパッドで濾過した。濾液をEtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させて、粗残渣(3.59g)を得た。
反応を各々1.3gおよび0.105gの中間体Dで更に2回行った。
後処理後、異なる反応から出た残渣を混合し、Irregular SiOH 20‐45μm 450g MATREX、移動相(0.5%NHOH、94%DCM、6%MeOH)で順相により精製した。望ましいフラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をアセトン/EtOの混合液から結晶化させて、531mg(15%)の化合物159Bを得た。
MP = 229.5 (DSC)
LC/MSデータ
Rt: 2.75
MH+: 371方法: 1
159Bに関する上記プロトコールで用いられた略記は、実施例248の後で定義されている通りである。更に、方法1(前記)は実施例337の後で記載されている方法1に関する。
実施例160〜250
上記の方法に従い、または以下の表で記載された個別ルートにより、以下の表で掲載された化合物を製造した。
MSデータは、別記されない限り〔分子イオン〕である。
NMRデータ:別記されない限り1H NMR(400MHz)
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
以下の実施例も本発明を更に実証している:
以下において、“MeOH”はメタノールと定義され、“EtOH”はエタノールと定義され、“EtOAc”は酢酸エチルと定義され、“DCM”はジクロロメタンと定義され、“DME”は1,2‐ジメトキシエタンと定義され、“THF”はテトラヒドロフランと定義され、“RM”は反応混合液と定義され、“RT”は室温と定義され、“DMF”はN,N‐ジメチルホルムアミドと定義され、DMSOはジメチルスルホキシドと定義され、“EtO”はジエチルエーテルと定義され、“ACN”はアセトニトリルと定義され、“DIPE”はジイソプロピルエーテルと定義され、“THF”はトリフルオロ酢酸と定義され、“NHOH”は水酸化アンモニウムと定義され、“Pddppf”は1,1′‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウムと定義され、“MP”は融点と定義される。
中間化合物の製造
例1.1
a)中間体1の製造
Figure 0005596023
3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸ヒドラジド(1g、3.31mmol)をEtOH(20mL)で希釈した。次いでイソチオシアナトシクロプロパン(0.92mL、9.93mmol)を加え、混合液を90℃に18時間加熱した。反応混合液を濾過し、EtOH、次いでEtOで洗浄し、真空下で乾燥して、1.4g(>100%)の中間体1を得、それを次の工程でそのまま用いた。
b)中間体2の製造
Figure 0005596023
濃HSO(6mL)中、中間体1(1.33g、3.31mmol)の混合液をRTで30分間攪拌した。反応混合液を0℃においてNaOH(3N)で塩基性化した。沈殿物を濾取し、アセトン、次いでEtOで洗浄し、乾燥して、1.1g(86%)の中間体2を得、それを次の工程でそのまま用いた。
例1.2
a)中間体3の製造
Figure 0005596023
1‐ブロモ‐3‐イソシアナトベンゼン(25mL、200mmol)をTHF(160mL)中、2,2,2‐トリフルオロエタンアミン(24.05mL、300mmol)の溶液に5℃で滴下した。混合液を5℃、次いでRTで4時間攪拌した。混合液を蒸発乾固させ、58.8g(100%)の中間体3を得た。
b)中間体4の製造
Figure 0005596023
DMSO(149mL)中、中間体3(20g、67.3mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′‐オクタメチル‐2,2′‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン(18.8g、74.1mmol)および酢酸カリウム(19.8g、202mmol)を攪拌し、Nで15分間脱気し、Pddppf(1.48g、2.02mmol)を加えた。混合液を100℃で20時間加熱した。混合液を水に注ぎ、EtOAcを加えた。混合液をセライトのパッドで濾過し、有機層を分離し、水、次いで塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を石油エーテル(200mL)およびEtOAc(5mL)により溶解し、RTで45分間攪拌した。沈殿物を濾過し、石油エーテル(51mL)およびEtOAc(3mL)で洗浄し、乾燥して、20.19g(87%)の中間体4を得た。
例1.3
a)中間体5の製造
Figure 0005596023
THF(30mL)中、3‐フルオロ‐5‐ヨードベンゼンアミン(2.7g、11.4mmol)および4‐ニトロフェニルクロロホルメート(2.3g、11.34mmol)の混合液を60℃で1時間加熱し、次いでRTに冷却させた。N,N‐ジイソプロピルエチルアミン(1.9mL、11.4mmol)、次いで2,2,2‐トリフルオロエタンアミン(1mL、12.53mmol)をRTで滴下した。混合液を60℃で2時間加熱した。混合液を氷水に注ぎ、EtOAcを加えた。有機層を10%KCO水溶液、3N HCl水溶液および水で連続的に洗浄した。有機層を分離し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をDIPEから結晶化させた。沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して、3.2g(78%)の中間体5を得た。
b)中間体6の製造
Figure 0005596023
DMSO(40mL)中、中間体5(3.2g、8.84mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′‐オクタメチル‐2,2′‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン(2.47g、9.72mmol)および酢酸カリウム(2.6g、26.52mmol)を攪拌し、Nで15分間脱気した。Pddppf(194mg、0.26mmol)を加えた。混合液を100℃で3時間加熱した。混合液を水に注いだ。EtOAcを加え、混合液をセライトのパッドで濾過した。有機層を分離し、水、次いで塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物を石油エーテルで溶解し、RTで45分間攪拌し、沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して、2.6g(81%)の中間体6を得た。
Figure 0005596023
製造例B1bで用いられた中間体7を製造例1.3に従い得た。
例1.4
a)中間体8の製造
Figure 0005596023
トルエン(190mL)、1‐ブタノール(190mL)、およびHO(50mL)中、7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(12.1g、49.6mmol)、4‐クロロ‐2‐(トリフルオロメチル)ピリミジン(8.24g、45.1mmol)、CsCO(44.1g、135.4mmol)の溶液をNで20分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.8g、6.7mmol)を加え、混合液をN下80℃(85℃浴)で2時間加熱した。混合液を氷水に注ぎ、セライトのパッドで濾過し、EtOAcですすいだ。濾液をEtOAcで抽出した。有機層を水(2回)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をEtOに溶解した。沈殿物を濾過し、乾燥して、15.7g(88%)の中間体8を得た。MP = 212°C (kofler).
b)中間体9の製造
Figure 0005596023
1‐ヨード‐2,5‐ピロリジンジオン(6.06g、26.9mmol)をRTでDMF(60mL)中中間体8(5.93g、22.44mmol)の溶液に少しずつ加えた。反応混合液をRTで2時間攪拌した。反応混合液を氷水に注いだ。沈殿物を濾過し、水、次いでEtOで洗浄し、真空下で乾燥して、8.75g(100%)の中間体9を得た。
例1.5
a)中間体10の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(250mL)中、4‐アミノ‐2‐クロロ‐5‐ピリミジンカルボニトリル(5g、32.35mmol)および7‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル)イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(9.48g、38.82mmol)を窒素下で攪拌した。HO中KPO(13.73g、64.70mmol)の溶液を加え、混合液を真空/窒素(×3)で脱気した。Pddppf(1.18g、1.62mmol)を加え、次いで混合液を真空/窒素(×3)で脱気した。RMを80℃で2時間加熱した。RMをRTに冷却し、真空下で濃縮した。アセトンを加え、沈殿物を濾過し、水、アセトン、次いでEtOで洗浄し、乾燥して、6.8g(89%)の中間体10を得た。
b)中間体11の製造
Figure 0005596023
1‐ヨード‐2,5‐ピロリジンジオン(2.86g、12.7mmol)をRTでCHCN中、中間体10の溶液に少しずつ加えた。RMをRTで2時間攪拌し、次いで一晩還流した。RMを熱時濾過し、沈殿物をACN、次いでEtOで洗浄し、真空下で乾燥して、3g(98%)の中間体11を得た。
Figure 0005596023
製造例B1bで用いられた中間体12を製造例1.5に従い得た。
例1.6
a)中間体13の製造
Figure 0005596023
a‐1)Heckカップリングを用いる
DMF(70mL)中7‐クロロイミダゾピリジン(5g、32.77mmol)、中間体3(10.22g、34.41mmol)、トリフェニルホスフィン(1.72g、6.55mmol)、炭酸セシウム(21.35g、65.54mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.74g、3.28mmol)の混合液をN流下RTで攪拌した。10分間後、混合液を100℃で2時間加熱した。RMをRTに冷却し、氷水に注いだ。EtOAcを加え、混合液をセライトのパッドで濾過し、それをEtOAcで洗浄した。濾液をEtOAcで抽出し、塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣(15g)をシリカゲルクロマトグラフィーによりIrregular SiOH 20‐45μm 1000g MATREX、移動相(DCM/MeOH/NHOH:97/3/0.1)で精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をEtOで摩砕し、濾過し、真空下40℃で乾燥し、6.80g(56%)の中間体13を得た。
MP =188℃, DSC.
a‐2)鈴木カップリングを用いる
水(51mL)およびジオキサン(192mL)中、3‐ヨード‐7‐クロロイミダゾピリジン(10g、35.9mmol)、中間体4(14.8g、43.1mmol)、リン酸カリウム(15.2g、71.8mmol)の混合液をRTで攪拌し、N流で脱気した。30分間後、Pddppf(1.31g、1.8mmol)をN流下RTで少しずつ加えた。RMを80℃で一晩加熱した。反応液をRTに冷却し、氷水に注いだ。水層をEtOAcで抽出し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりIrregular SiOH 20‐45μm 1000g MATREX、移動相(DCM/MeOH/NHOH:95/5/0.5)で精製した。純粋フラクションを集め、濃縮し、乾燥後に、13.3g(100%)の中間体13を得た。
b)中間体14の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(40mL)中、中間体13(3g、8.14mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′‐オクタメチル‐2,2′‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン〔73183‐34‐3〕(6.2g、24.41mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.91g、3.25mmol)、酢酸カリウム(3.19g、32.54mmol)の混合液をN流下RTで攪拌した。10分間後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.12g、1.22mmol)をRTで少しずつ加えた。RMを90℃で一晩加熱し、次いでRTに冷却し、氷水に注いだ。EtOAcを加え、混合液をセライトのパッドで濾過した。セライトをEtOAcで洗浄し、次いで濾液をEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEで溶解し、一晩攪拌した。沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して、3g(80%)の中間体14を得た。
Figure 0005596023
製造例B5で用いられた中間体15を製造例1.6と類似した反応操作で得た。
例1.7
a)中間体16の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(125mL)中、4‐アミノ‐2‐クロロピリミジンカルボン酸エチルエステル(1.10g、5.43mmol)および中間体14(3g、6.52mmol)を窒素下で攪拌した。HO(30mL)中、KPO(2.31g、10.86mmol)の溶液を加え、混合液を真空/窒素(×3)で脱気した。Pddppf(198.72mg、0.27mmol)を加え、次いで混合液を真空/窒素(×3)で脱気した。RMを80℃で3時間加熱し、次いでRTに冷却し、EtOAcで希釈し、KPOの10%溶液を加えた。有機層をデカントし、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣(5.4g)をCHCl/MeOHから結晶化させた。沈殿物を濾取し、CHCNで洗浄し、乾燥して、1.9g(70%)の中間体16を得た。
b)中間体17の製造
Figure 0005596023
THF中、1M水素化アルミニウムリチウム溶液(3.0mL、3.00mmol)をRTでTHF中、中間体16(500mg、1.00mmol)の懸濁液に滴下した。RMをRTで3時間攪拌した。0.25mLの氷水、次いで0.25mLの3N NaOHおよび0.75mLの水を注意しながら加えた。塩をブフナーで濾去し、EtOAcで洗浄した。濾液を蒸発乾固させた。残渣をDCM/MeOH90/10で溶解し、沈殿物を濾取し、乾燥して、300mg(65%)の中間体17を得た。
MP= 235℃
c)中間体18の製造
Figure 0005596023
メタンスルホニルクロリド(166μL、2.15mmol)をRTでDCM/THFの50/50混合液(20mL)中、中間体17(490mg、1.07mmol)およびN,N‐ジエチルエタンアミン(312μL、2.25mmol)の懸濁液に加えた。RMをRTで1時間攪拌し、更なる後処理なしに次の工程で直接用いた。
例1.8
a)中間体19の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(136mL)中、3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸メチルエステルおよび中間体4(5.47g、15.89mmol)を窒素下で攪拌した。HO(30mL)中、KPO(5.62g、26.48mmol)の溶液を加え、混合液を真空/窒素(×3)で脱気した。Pddppf(484.47mg、0.66mmol)を加え、次いで混合液を真空/窒素(×3)で脱気した。RMを窒素下80℃で一晩加熱した。RMをRTに冷却し、DCM/MeOHで希釈し、水で反応停止させた。有機層をデカントし、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(90g SiO 15/40μm、溶離液:DCM/MeOH/NHOH 100/0/0〜96/4/0.1)により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発乾固させて、4.17g(80%)の中間体19を得た。
b)中間体20の製造
Figure 0005596023
水酸化リチウム一水和物(0.65g、15.52mmol)をTHF(83mL)およびHO(9mL)中、中間体19(4.06g、10.35mmol)の溶液に加えた。RMをRTで一晩攪拌した。3N HClを加え、RMを蒸発乾固させた。固体残渣を水で溶解した。沈殿物を濾取し、EtOで洗浄し、真空下で乾燥して、3.91g(100%)の中間体20を得た。
MP=222℃.
c)中間体21の製造
Figure 0005596023
中間体20(0.5g、1.3mmol)、N,N‐ジエチルエタンアミン(378μL、0.26mmol)、1‐〔ビス(ジメチルアミノ)メチレン〕‐1H‐ベンゾトリアゾリウムヘキサフルオロホスフェート(1‐)3‐オキシド(0.75g、1.98mmol)およびTHF/DMFの10/1混合液(20mL)をRTで混合した。次いでチオセミカルバジド(0.24g、2.64mmol)を加え、混合液を4時間攪拌した。反応混合液をDCM(50mL)と水(30mL)に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、0.8g(>100%)の中間体21を得た。
例1. 9
a)中間体22の製造
Figure 0005596023
1H‐イミダゾール(1g、14.7mmol)をDMF(20mL)に溶解した。次いで溶液を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(646mg、16.1mmol)を加えた。30分間攪拌後、(2‐ブロモエトキシ)(tert‐ブチル)ジメチルシラン(4.2g、17.6mmol)を加え、反応液を一晩攪拌し、温度をRTに上げた。RMを水(100mL)とEtOAc(200mL)に分配した。次いで有機層を飽和NaCl溶液(100mL)で2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH:100/0/0〜95/5/0.5)により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発乾固させて、3.03g(86%)の中間体22を得た。
b)中間体23の製造
Figure 0005596023
中間体22(1g、4.41mmol)、N,N,N′,N′‐テトラメチルエチレンジアミン(1.68mL、11.02mmol)をTHF(10mL)に溶解した。溶液を−78℃に冷却し、ヘキサン中1.6Mブチルリチウム(6.9mL、11.0mmol)を滴下した。RMを1.5時間攪拌し、温度を−30℃に上げた。次いでTHF(10mL)中、ヨウ素(2.94g、11.5mmol)を加えながら、温度を−30℃以下に保った。反応を10%Na水溶液で停止し、EtOAc(150mL)で希釈した。有機層を10%Na水溶液(100mL)および水(100mL)で洗浄し、次いでMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc:5/5)により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、0.8g(51%)の中間体23を得た。
c)中間体24の製造
Figure 0005596023
真空下で既に脱気されてNで再充填された中間体23(0.8g、2.27mmol)、N,N‐ジエチルエタンアミン(6.3mL、45.4mmol)、CuI(44mg、0.23mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(160mg、0.23mmol)およびTHF(4mL)の混合液に、トリメチルシリルアセチレン(1.65mL、11.3mmol)を加えた。RMをRTで一晩攪拌し、セライトのパッドで濾過し、濾液をEtOAc(200mL)で希釈した。有機層を飽和NHCl水溶液(pH=7まで5×50mL)で数回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン:2/8〜4/6)により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、0.138g(23%)の中間体24を得た。
d)中間体25の製造
Figure 0005596023
DMF(1.1mL)中、7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(63mg、0.41mmol)、中間体24(146mg、0.4mmol)、CsCO(134mg、0.41mmol)、1,8‐ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ‐7‐エン(7μL、0.07mmol)をチューブへ入れた。混合液をNで脱気し、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(6mg、0.008mmol)およびトリ-tert-ブチルホスフィン(5μL、0.016mmol)を敏速に入れた。混合液をNで再び脱気した。次いでそれをマイクロ波中150℃で12分間加熱した。RMをEtOAc(50mL)と水(25mL)に分配した。有機層を塩水(25mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、0.16g(>100%)の中間体25を得、それを更なる精製なしに次で用いた。
e)中間体26の製造
Figure 0005596023
N‐ヨードスクシンイミド(0.1g、0.45mmol)をRTでDMF(2mL)中中間体25(0.15g、0.41mmol)に少しずつ加えた。RMをRTで5時間攪拌した。次いでN‐ヨードスクシンイミド(48mg、0.21mmol)を追加し、RMをRTで一晩攪拌した。水(50mL)およびEtOAc(100mL)を混合液に加えた。デカント後、有機層を塩水(50mL)で洗浄し、次いでMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、0.23g(>100%)の中間体26を得、それを更なる精製なしに次の工程で用いた。
f)中間体27の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(11.7mL)およびHO(3mL)中中間体26(210mg、0.43mmol)、中間体4(176.11mg、0.51mmol)およびKPO(181.05mg、0.85mmol)の溶液を窒素で数分間脱気した。次いでPddppf(34.81mg、0.043mmol)を加えた。RMを80℃に5時間加熱した。次いでRMを水(50mL)とEtOAc(100mL)に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、0.35g(>100%)の中間体27を得、それを更なる精製なしに次の工程で用いた。
例1.10
a)中間体28の製造
Figure 0005596023
DMSO(20mL)中7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(1.5g、8.06mmol)、N‐(3‐ブロモフェニル)‐N′‐エチル尿素(2.25g、9.27mmol)およびCsCO(5.25g、16.12mmol)の混合液をNで排気/再充填(×3)により脱酸素化した。トリフェニルホスフィン(422.88mg、1.61mmol)および酢酸パラジウム(II)47%Pd(180.98mg、0.81mmol)を加え、混合液を再び(×3)脱酸素化し、次いで攪拌し、100℃で4時間加熱した。RMをRTに冷却し、氷水に注いだ。RMを1時間攪拌し、沈殿物を濾去した。残渣をDCM/MeOHに溶解した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(90g SiO 15/40μm、溶離液:DCM/MeOH/NHOH 100/0/0〜95/5/0.5)により精製した。純粋フラクションを集め、蒸発乾固させて、1.8g(71%)の中間体28を得た。
b)中間体29の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(20mL)中、中間体28(1.9g、6.04mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′‐オクタメチル‐2,2′‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン(4.6g、18.11mmol)、酢酸カリウム(2.37g、24.14mmol)の混合液をRTで攪拌し、N流下で15分間脱気した。トリシクロヘキシルホスフィン(677mg、2.41mmol)、次いでトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(829mg、0.90mmol)をRTで加えた。RMを90℃で一晩加熱し、RTに冷却し、氷水に注いだ。EtOAcを加え、混合液をセライトのパッドで濾過し、それをEtOAcで洗浄した。有機および水層を分離した。水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEで摩砕し、濾過し、乾燥して、990mg(40%)の中間体29を得た。
c)中間体30の製造
Figure 0005596023
トルエン(20mL)、1‐ブタノール(5mL)、およびHO(20mL)中、中間体14(1g、2.17mmol)、中間体42(1.3g、4.34mmol)、CsCO(2.12g、6.52mmol)の溶液をNで20分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.75g、0.65mmol)を加え、混合液をN下80℃で20時間加熱した。混合液をHOに注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりIrregular SiOH 20‐45μm 450g MATREX、移動相(DCM/MeOH/NHOH:96/4/0.1)で精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させ、0.645g(54%)の中間体30を得た。
例1.11
a)中間体31の製造
Figure 0005596023
THF(20mL)中、5‐ブロモ‐3‐ピリジンアミン(2g、0.012mol)および4‐ニトロフェニルクロロホルメート(3.03g、0.015mol)の混合液を60℃で2時間加熱した。混合液をRTに冷却し、2,2,2‐トリフルオロエタンアミン(1.02mL、0.013mol)、次いでN‐エチル‐N‐(1‐メチルエチル)‐2‐プロパンアミン(5.73mL、0.035mol)を加えた。混合液をRTで1時間攪拌した。混合液を2N NaOに注ぎ、DCMで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をEtOから結晶化させ、2.64g(76%)の中間体31を得た。
MP 188℃ (Kofler).
b)中間体32の製造
Figure 0005596023
DMSO(13.6mL)中、中間体31(1.58g、5.3mmol)、4,4,4′,4′,5,5,5′,5′‐オクタメチル‐2,2′‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン(2.69g、10.6mmol)、酢酸カリウム(1.56g、15.9mmol)の混合液をN流(吹込む)下RTで攪拌した。30分間後、Pddppf(388mg、0.53mmol)を加え、混合液を80℃で16時間加熱した。RMをRTに冷却し、EtOAc(200mL)で希釈し、水(150mL)に注いだ。混合液をセライトのパッドで濾過した(セライトはEtOAcで洗浄した)。デカントおよび分離後、有機層を飽和NaCl溶液(2×150mL)および水(1×150mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。この残渣をEtO/石油エーテルの50/50混合液で摩砕して、1.4g(77%)の中間体32を得た。
c)中間体33の製造
Figure 0005596023
PO(1.06g、4.98mmol)をHO(3.9mL)に溶解した。得られた溶液をN流下でジオキサン(14.2mL)中、中間体32(1.29g、3.74mmol)および7‐クロロ‐3‐ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(0.69g、2.49mmol)に加えた。得られた混合液をNで30分間脱気した。次いでPddppf(0.091g、0.00012mol)を加え、RMをN流下80℃で一晩加熱した。RMを氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、次いでMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィー(15‐40μm、90g、DCM/MeOH/NHOH:100/0/0〜85/15/0.5)により精製した。純粋フラクションを集め、蒸発乾固させて、0.82g(89%)の中間体33を得た。
例1.12
a)中間体34の製造
Figure 0005596023
1‐(1‐メチルエチル)‐1H‐イミダゾール(330mg、3.00mmol)をRTでTHF(2.5mL)に溶解し、得られた溶液を−78℃に冷却した。ヘキサン(1.87mL、3.00mmol)中1.6Mブチルリチウムを滴下した。添加終了後、温度を0℃に上げ、RMをこの温度で5分間攪拌した。次いでRMを−78℃で冷却し、THF(5mL)中、ヨウ素(844.81mg、3.30mmol)の溶液を滴下した。再び、温度を0℃に上げ、RMをこの温度で20分間攪拌し、次いでNaの10%溶液で反応停止させた。RMをDCMで抽出した。有機層を水洗し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、500mg(71%)の中間体34を得た。
b)中間体35の製造
Figure 0005596023
トリメチルシリルアセチレン(4.46mL、31.35mmol)を、真空下で既に脱気されてNで再充填されたTHF(11mL)中、中間体34(1.48g、6.27mmol)、N,N‐ジエチルエタンアミン(17.45mL、125.40mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(440.08mg、0.63mmol)およびCuI(119.41mg、0.63mmol)の混合液に加えた。混合液をRTで一晩攪拌した。RMを濾過し、塩をEtOで洗浄した。濾液を蒸発乾固させた。残渣をEtOで溶解し、塩を再び濾過し、濾液を蒸発させて、2gの中間体35を得、それを更なる精製なしに次の工程で用いた。
例1. 13
a)中間体36の製造
Figure 0005596023
EtOH(200mL)中2‐アミノ‐4‐ピリジンカルボン酸メチルエステル(20g、131.5mmol)、水中2‐クロロアセトアルデヒド50%wt溶液(22.5mL、197.2mmol)、NaHCO(22.1g、262.9mmol)を窒素下80℃で4時間攪拌した。RTに冷却後、水を加え、EtOHを蒸発させた。残渣をDCMから2回抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させて、20.9gの中間体36を得た。粗生成物を更なる精製なしに次の工程で用いた。
b)中間体37の製造
Figure 0005596023
ヒドラジン一水和物(20.3mL、65.3mmol)をMeOH(300mL)中、中間体36(11.5g、65.28mmol)の溶液に加えた。混合液を3時間還流し、次いでヒドラジン一水和物(10mL、454mmol)を加え、混合液を還流下で一晩攪拌した。RTに冷却後、沈殿物を濾取し、少量のEtOHで洗浄し、乾燥して、7.2g(63%)の中間体37を得、それを更なる精製なしに次の工程で用いた。
c)中間体38の製造
Figure 0005596023
1,1,1‐トリエトキシエタン(202mL)中、中間体37(7.2g、40.87mmol)およびHSO(0.23mL)を80℃で一晩加熱した。RTに冷却後、沈殿物を濾取し、EtOHで洗浄し、乾燥して、固体物1を得た。水およびDCMを濾液に加え、有機層を水洗し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、固体物2を得た。固体物1および固体物2を混合し、EtOH(最少量)に溶解し、濾過して、7.2g(88%)の中間体38を得た。濾液の濃縮、次いで更なる濾過により、追加量0.92g(11%)の中間体38を得た。
d)中間体39の製造
Figure 0005596023
DMSO(20mL)中、中間体38(3.5g、14.34mmol)、3‐ヨードベンゼンアミン(1.7mL、14.34mmol)およびCSCO(9.34g、28.67mmol)の混合液をNで排気/再充填(×3)により脱酸素化した。トリフェニルホスフィン(0.75g、2.87mmol)および酢酸パラジウム(II)47%Pd(0.3g、1.43mmol)を加え、混合液を再び(×3)脱酸素化し、次いで攪拌し、100℃で4時間加熱した。水およびEtOAcを加え、混合液をセライトのパッドで濾過し、それをDCMで洗浄した。有機層を水洗し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させて、540mg(13%)の中間体39を得、それを更なる精製なしに次の工程で直接用いた。
例1.14
a)中間体40の製造
Figure 0005596023
EtOH(50mL)中、3‐(フェニルメトキシ)プロパナール(4.5g、27.40mmol)およびチオセミカルバジド(2.48g、27.40mmol)の混合液を2時間還流した。混合液を蒸発乾固させた。残渣をDIPEから結晶化させた。沈殿物を濾取し、乾燥して、5.4g(83%)の中間体40を得た。
b)中間体41の製造
Figure 0005596023
FeCl(18.62mL、68.26mmol)をHO(60mL)中、中間体40(5.4g、22.75mmol)の溶液に滴下した。混合液を90℃で2時間加熱した。混合液を蒸発乾固させ、残渣をNHOHの水溶液で処理した。混合液をDCMで抽出した。不溶性物質を濾去した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させて、3.9g(73%)の中間体41を得た。
c)中間体42の製造
Figure 0005596023
HBr(34mL)をHO(34mL)中、中間体41(3.4g、14.45mmol)の溶液に加えた。混合液を0℃に冷却し、CuHBr(0.21g、1.44mmol)を加えた。HO(34mL)中NaNO(1.0g、14.45mmol)の溶液を滴下した。混合液を5℃で5分間攪拌し、RTに到達させた。混合液をRTで2時間攪拌した。溶液をHOに注ぎ、KCOで(混合液のpHが8に達するまで)塩基性化し、DCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣(5.4g)をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO 15‐40μm DCM100%)により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、2.9g(67%)の中間体42を得た。
例1.15
中間体44の製造
Figure 0005596023
HCl(50mL)をMeOH(50mL)中、(例B1aと類似した反応操作に従い製造された)中間体43
Figure 0005596023
(1.96g、4.98mmol)の溶液に滴下した。混合液を50℃で2時間攪拌した。溶液をRTに冷却し、HOに注ぎ、KCOの10%水溶液で塩基性化し、DCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をDIPE/EtOAcで溶解し、濾過し、真空下で乾燥して、1.1g(75%)の中間体44を得た。
例1.16
a)中間体45の製造
Figure 0005596023
DMSO(2.5mL)中、7‐クロロイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(200mg、1.08mmol)、1,1‐ジメチルエチル N‐(3‐ヨードフェニル)カルバミン酸エステル(0.40g、1.24mmol)およびCsCO(0.7g、2.15mmol)の混合液をNで排気/再充填(×3)により脱酸素化した。トリフェニルホスフィン(56.38mg、0.22mmol)および酢酸パラジウム(II)47%Pdを加え、混合液を再び(×3)脱酸素化し、次いで攪拌し、密封チューブ中100℃で4時間加熱した。RMをRTに冷却し、水に注いだ。沈殿物を濾過し、水で数回洗浄し、次いでEtOAcに溶解した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣(480mg)をシリカゲルクロマトグラフィー(30g SiO 15/40μm‐溶離液:DCM/MeOH/NHOH 97/3/0.3)により精製した。純粋フラクションを集め、蒸発乾固させて、255mg(69%)の中間体45を得た。
b)中間体46の製造
Figure 0005596023
中間体45(3.2g、9.3mmol)、5‐エチニル‐1‐メチル‐1H‐イミダゾール(4.94g、46.5mmol)、CsCO(6.06g、2.90mmol)、塩化パラジウム(II)(0.17mg、0.93mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.52mg、1.86mmol)、およびDMSO(29mL)を一緒に混合し、混合液を真空下で5回脱気した。次いで混合液を100℃で2時間加熱した。RMを水(150mL)とEtOAc(150mL)に分配し、得られた懸濁液をセライトのパッドで濾過した。有機層を飽和NaCl水溶液(150mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(200g SiO 15/40)(DCM/MeOH/NHOH:100/0/0〜98/2/0.2で10分間、次いで98/2/0.2で5分間、次いで97/3/0.3で5分間、および7/3/0.3で20分間)により精製した。望ましいフラクションを集め、溶媒を蒸発させて、1.1g(29%)の中間体46を得た。
c)中間体47の製造
Figure 0005596023
HCl(1.1g、2.66mmol)をMeOH(11mL)中、中間体46(3mL)の溶液に滴下し、RMを50℃で2時間攪拌した。RMをRTに冷却し、DCMで希釈し、0℃においてKCOの10%溶液で反応停止させた。有機層をデカントし、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させ、0.78g(93%)の中間体47を得た。
d)中間体48の製造
Figure 0005596023
THF(37.5mL)中、中間体47(0.75g、2.39mmol)および4‐ニトロフェニルクロロホルメート(0.48g、2.39mmol)の混合液を60℃で2時間加熱し、RTに5時間冷却させた。沈殿物を濾過し、THF、次いでEtOで洗浄し、真空下で乾燥して、1.1g(99%)の中間体48を得た。
最終化合物の製造
例2.1
a1)化合物250の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(75mL)およびHO(20mL)中、中間体2(1.1g、2.87mmol)、中間体4(1.18g、3.44mmol)、K3PO4(1.22g、5.74mmol)の溶液を窒素で数分間脱気した。次いでPddppf(0.12g、0.14mmol)を加えた。RMを80℃に4時間加熱した。RMを真空下で濃縮した。沈殿物をKCOの10%水溶液で溶解し、次いでMeOHで洗浄し、風乾した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Irregular SiOH 15‐40μm 300g MERCK、移動相(DCM/MeOH/NHOH 93/7/0.5)により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発乾固させた。残渣をACNで溶解し、次いで沈殿物を濾取し、乾燥して、177mg(13%)の化合物250を得た。
MP >280℃ (kofler).
a2)化合物251の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(25mL)およびHO(5mL)中、中間体9(400mg、1.02mmol)、中間体6(412mg、1.14mmol)およびKPO(484mg、2.28mmol)の溶液を窒素で15分間脱気した。次いでPddppf(93mg、0.11mmol)を加えた。RMを80℃に2時間加熱した。混合液をRTに冷却し、水およびEtOAcを加えた。それを次いでセライトのパッドで濾過した。濾液をEtOAcで抽出し、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をアキラル超臨界流体クロマトグラフィーによりAMINO 6μm 150×21.2mm、移動相(0.3%イソプロピルアミン、60%CO、40%MeOH)で精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEから結晶化させ、黄色沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して、111mg(19%)の化合物251を得た。
MP = 263℃ (DSC).
b)化合物252の製造
Figure 0005596023
ジオキサン(15mL)中、中間体12(400mg、1.13mmol)、中間体7(548mg、1.46mmol)の溶液を、Nを吹き込むことで脱気させた。KPO(478mg、2.25mmol)、Pddppf(19mg、0.022mmol)、HO(5mL)およびEtOH(2mL)をN流下で加えた。混合液を80℃で5時間加熱した。溶液を氷水に注ぎ、セライトのパッドで濾過した。生成物をEtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発乾固させた。粗生成物をDCMから結晶化させて、粗生成物1を得た。濾液を蒸発させて、粗生成物2を得た。両生成物1および2をIrregular SiOH 15‐40μm 300g MERCK、移動相(0.5%NHOH、97%DCM、3%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、35mg(7%)の化合物252を得た。
MP = 154℃ (DSC).
例2.2
a)化合物253の製造
Figure 0005596023
1,2‐ジメトキシエタン(15mL)中、中間体14(0.8g、1.74mmol)、2‐クロロ‐4‐ピリミジンカルボニトリル(0.48g、3.48mmol)、NaCO(4mL)の混合液をRTで攪拌し、Nで30分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.15g、0.13mmol)を加え、混合液を130℃で30分間加熱した。反応をマイクロ波装置(Biotage 60)で行った。混合液を水に注ぎ、セライトのパッドで濾過した。有機層をDCMで抽出し、分離し、乾燥し、濾過し、濃縮乾固させ、(Cartridge 15‐40μm 30g)移動相(0.5%NHOH、96%DCM、4%MeOH)で順相により精製した。望ましいフラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEから結晶化させ、沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して、0.149g(20%)の化合物253を得た。
MP = 210℃ (kofler).
b)化合物165Bの製造
Figure 0005596023
中間体14(1g、2.17mmol)、4‐アミノ‐2‐クロロ‐5‐ピリジンカルボニトリル(0.5g、3.26mmol)および炭酸ナトリウム(2.3g、21.7mmol)をDME(20mL)および水(10mL)で希釈した。得られた混合液をN流下で10分間脱気した。次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.25g、0.22mmol)を加え、RMを80℃で4時間加熱した。次いでそれをRTに冷却した。水を加え、DMEを濃縮した。不溶性物質を濾過し、水洗し、DCMに注いだ。沈殿物を次いで3時間攪拌し、濾過し、濾液を蒸発乾固させた。得られた残渣をDCM/MeOH(8/2)に注ぎ、2時間攪拌した。沈殿物を濾過し、乾燥し、X‐Terra‐C18 10μm 19×150mm、移動相(20%NHHCO 0.5%(pH10)、80%ACNから0%NHHCO 0.5%(pH10)、100%ACNへの勾配)で逆相により精製した。望ましいフラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOから結晶化させ、沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して、0.052gの化合物165Bを得た。
MP = 161℃ (DSC).
例2.3
a)化合物255の製造
Figure 0005596023
トルエン(10mL)およびEtOH(3mL)中、6‐クロロ‐3‐ピリダジンカルボニトリル(211mg、1.43mmol)、中間体14(858mg、1.86mmol)、KPO(455mg、2.15mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′‐ジメトキシ〔1,1′‐ビフェニル〕‐2‐イル)ホスフィン(294mg、0.72mmol)の混合液をN流下RTで攪拌した。10分間後、酢酸パラジウム(II)47%Pd(97mg、0.43mmol)を少しずつ加えた。次いで混合液を80℃で5時間加熱した。溶液を氷水に注ぎ、DCMを加えた。混合液をセライトのパッドで濾過した。沈殿物をDCMで抽出し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をIrregular SiOH 15‐40μm 300g MERCK、移動相(0.5%NHOH、93%DCM、7%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をアキラル超臨界流体クロマトグラフィーにより2‐エチルピリジン 6μm 150×21.2mm、移動相(0.3%イソプロピルアミン、80%CO、20%EtOH)で更に精製した。望ましいフラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOから結晶化させて、33mg(5%)の化合物255を得た。
MP = 267℃.
b)化合物256の製造
Figure 0005596023
トルエン(20mL)およびEtOH(6mL)中、1,1‐ジメチルエチル N‐〔1‐(5‐ブロモ‐2‐ピリジニル)‐4‐ピペリジニル〕カルバミン酸エステル(480mg、1.35mmol)、中間体14(930mg、2.02mmol)、KPO(428mg、2.02mmol)、ジシクロヘキシル(2′,6′‐ジメトキシ〔1,1′‐ビフェニル〕‐2‐イル)ホスフィン(277mg、0.67mmol)の混合液をN流下RTで攪拌した。10分間後、酢酸パラジウム(II)47%Pd(90.75mg、0.40mmol)を少しずつ加えた。次いで混合液を80℃で一晩加熱した。溶液を氷水に注ぎ、DCMを加え、混合液をセライトのパッドで濾過した。濾液をDCMで抽出し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をIrregular SiOH 20‐45μm 450g MATREX、移動相(0.5%NHOH、92%DCM、8%MeOH)で順相により精製した。望ましいフラクションを集め、溶媒を蒸発させ、587mg(71%)の化合物256を得た。
MP = 250/255℃ (kofler).
例2.4
化合物257の製造
Figure 0005596023
トルエン(13mL)、1‐ブタノール(13mL)およびHO(4mL)中、中間体14(0.60g、1.31mmol)、2‐クロロ‐ , ‐ジメチル‐5‐ピリミジンメタノール(0.34g、1.97mmol)、CsCO(1.25g、3.94mmol)の溶液をNで20分間脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.46g、0.39mmol)を加え、混合液をN下、80℃(85℃浴)で6時間加熱した。混合液をHOに注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をIrregular SiOH 15‐40μm 300g Merck、移動相(1%NHOH、90%DCM、10%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をアキラル超臨界流体クロマトグラフィーにより2‐エチルピリジン 6μm 150×21.2mm、移動相(0.3%イソプロピルアミン、75%CO、25%EtOH)で更に精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、0.13g(21%)の化合物257を得た。
MP = 146℃ (kofler).
例2.5
化合物258の製造
Figure 0005596023
NaCOの飽和水溶液(3mL)およびDME(15mL)中、中間体15(520mg、1.17mmol)および2‐クロロ‐5‐フルオロ‐4‐ピリミジンアミン(258mg、1.75mmol)の混合液を、窒素を15分間吹き込むことで脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(67mg、0.058mmol)を加え、混合液を80℃で5時間加熱した。溶液を冷却し、氷水およびDCMに注いだ。混合液をセライトのパッドで濾過し、濾液をDCMで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をSpherical SiOH 10μm 60g PharmPrep MERCK、移動相(0.5%NHOH、95%DCM、5%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEから結晶化させた。生成物を濾取して、71mg(12%)の化合物258を得た。
MP = 185℃ (kofler).
例2.6
化合物259の製造
Figure 0005596023
アゼチジン(720μL、10.71mmol)をTHF/DCMの50/50混合液(20mL)中、中間体18(573.66mg、1.07mmol)の懸濁液に加え、RMを50℃で一晩攪拌した。RMをRTに冷却し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をデカントし、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣(800mg)をStability Silica 5μm 150×30.0mm、移動相(0.3%NHOH、97%DCM、3%MeOHから1.4%NHOH、86%DCM、14%MeOHへの勾配)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発乾固させた。残渣をACNから結晶化させた。沈殿物を濾取し、乾燥して、60mg(11%)の化合物259を得た。
MP = 195℃ (kofler).
例2.7
化合物260の製造
Figure 0005596023
DMF(3mL)中、中間体18(175.65mg、0.33mmol)、THF中、N‐メチルメタンアミンの2.0M溶液(0.25mL、0.49mmol)およびCsCO(320.61mg、0.98mmol)の混合液をRTで一晩攪拌した。RMをRTに冷却し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をデカントし、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をStability Silica 5μm 150×30.0mm、移動相(0.2%NHOH、98%DCM、2%MeOHから1.3%NHOH、87%DCM、13%MeOHへの勾配)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発乾固させて、23mg(14%)の化合物260を得た。
MP = 130℃ (kofler).
例2.8
化合物261の製造
Figure 0005596023
中間体21(0.6g、1.33mmol)を0℃でHSO(5mL)に溶解し、RMをRTで1時間攪拌した。RMを0℃でNaOH(3N)で中和した。次いで沈殿物を濾過し、DCM/MeOHの9/1混合液に溶解した。沈殿物を濾過して、フラクション1(15mg)を得た。濾液を濃縮し、DCM/アセトンの1/1混合液(5mL)に溶解した。沈殿物を濾過して、フラクション2(70mg)を得た。両フラクション1および2を混合し、DCM/アセトンの1/1混合液5mLで再び洗浄した。沈殿物を濾取し、乾燥して、80mg(14%)の化合物261を得た。
MP > 260℃ (kofler).
例2.9
化合物262の製造
Figure 0005596023
中間体27(250mg、0.43mmol)をTHF(5mL)に溶解した。次いでテトラブチルアンモニウムフルオリド(192μL、0.64mmol)を加え、RMをRTで16時間攪拌した。テトラブチルアンモニウムフルオリド(100μL、0.34mmol)を追加し、RMを更に5時間攪拌した。次いでそれをEtOAc(100mL)と、水(50mL)とに分配した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、Stability Silica 5μm 150×30.0mm、移動相(0.3%NHOH、97%DCM、3%MeOHから1.4%NHOH、86%DCM、14%MeOHへの勾配)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をCHCN/MeOHから沈殿させ、0.055g(27%)の化合物262を得た。
MP = 228 ℃ (kofler).
例2.10
化合物263の製造
Figure 0005596023
トリブロモボラン(2.17mL、2.17mmol)の溶液を−10℃でDCM(20mL)中、中間体30(2.17mL、2.17mmol)の溶液に加えた。混合液を30分間攪拌した。NaHCOの飽和水溶液を−10℃で加えた。有機層を分離し、塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をCartridge 15‐40μm 30g、移動相(97%DCM、3%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOで結晶化させて、118mg(23%)の化合物263を得た。
MP = 230℃ (kofler).
例2.11
a)化合物264の製造
Figure 0005596023
乾燥DMSO(30mL)中、中間体28(1.8g、5.72mmol)、5‐エチニル‐1‐メチル‐1H‐イミダゾール(2.90mL、28.59mmol)およびCsCO(3.73g、11.44mmol)の混合液をNで排気/再充填(×3)により脱酸素化した。トリシクロヘキシルホスフィン(320.73mg、1.14mmol)および塩化パラジウム(II)(102.55mg、0.57mmol)を加え、混合液を再び(×3)脱酸素化し、次いで攪拌し、N下100℃で2時間加熱した。RMをRTに冷却し、氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。混合液をセライトのパッドで濾過した。濾液をデカントし、水層をEtOAcで更に3回抽出した。セライトのパッドを次いでDCM/MeOH90/10で洗浄した。合わせた有機層をNaClの飽和水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣(6g)をSiO 63/200μmのパッド(溶離液:DCM/MeOH90/10)で濾過した。フラクションを集め、溶媒を蒸発乾固させた。残渣をIrregular SiOH 20‐45μm 450g MATREX、移動相(0.5%NHOH、93%DCM、7%MeOH)で順相により精製した。望ましいフラクションを集め、蒸発させ、RTで2mLのMeOHに溶解した。次いで、化合物の沈殿までACNを加え、0.42mg(19%)の化合物264を得た。
MP = 163℃ (kofler).
b)化合物265の製造
Figure 0005596023
DMSO(7mL)中、中間体33(0.71g、1.92mmol)、5‐エチニル‐1‐メチル‐1H‐イミダゾール(0.97mL、9.6mmol)およびCsCO(1.25g、3.84mmol)の混合液をNで排気/再充填(×3)により脱酸素化した。ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(85mg、0.12mmol)を加え、混合液を再び(×3)脱酸素化し、次いで攪拌し、N下100℃で2時間加熱した。RMをRTに冷却し、水で反応停止させ、EtOAcで抽出した。有機層をデカントし、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。粗製物をDCM/MeOH(9/1)に溶解した。不溶性物質を濾取し、DCM/MeOH(9/1)で洗浄した。次いで濾液を水洗し、有機層を混合し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をIrregular SiOH 15‐40μm 300g MERCK、移動相(0.8%NHOH、92%DCM、8%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣をMeOHおよびEtOから結晶化させ、0.182g(22%)の化合物265を得た。
MP > 250℃ (kofler).
c)化合物266の製造
Figure 0005596023
DMSO(15mL)中、中間体35(1.29g、6.27mmol)の混合液をNで排気/再充填(×3)により脱酸素化した。、CsCO(2.04、6.27mmol)を加え、RMをRTで15分間攪拌した。中間体28(950mg、2.58mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(175.83mg、0.63mmol)、および塩化パラジウム(II)(56.22mg、0.31mmol)を加え、混合液を再び(×3)脱酸素化し、次いで攪拌し、N下、100℃で1時間加熱した。RMをRTに冷却し、氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。混合液をブフナーで濾過した。濾液をデカントし、水層をEtOAcで更に3回抽出した。合わせた有機層をNaClの飽和水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をStability Silica 5μm 150×30.0mm、移動相(0%NHOH、100%DCM、0%MeOHから0.8%NHOH、92%DCM、8%MeOHへの勾配)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発乾固させ、18mg(1.5%)の化合物266を得た。
例2.12
a)化合物267の製造
Figure 0005596023
THF(16mL)中、中間体48(0.48g、1.0mmol)の溶液にN,N‐ジエチルエタンアミン(168μL、1.2mmol)およびジオキサン中NHの0.5N溶液(8mL、4mmol)を加えた。得られた混合液を0℃で2時間攪拌した。次いでジオキサン中、NHの0.5N溶液(4mL、2mmol)を追加し、混合液を更に2時間攪拌した。ジオキサン中NHの0.5N溶液(4mL、2mmol)を再び追加して、変換を完了させた。黄色懸濁液を濾過して、フラクション1を得た。濾液をDCM(100mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、フラクション2を得た。フラクション1をX‐Bridge‐C18 5μm 30×150mm、移動相(20%NHHCO 0.5%、80%ACNから0%NHHCO 0.5%、100%ACNへの勾配)で逆相により精製した。フラクション2をX‐Bridge‐C18 5μm 30×150mm、移動相(80%NHHCO 0.5%、20%ACNから0%NHHCO 0.5%、100%ACNへの勾配)で逆相により精製した。両精製の純粋フラクションを集めて、0.235g(65%)の化合物267を得た。
MP = 162℃ (kofler).
例2.13
化合物268の製造
Figure 0005596023
酢酸(15mL)中、中間体44(0.28g、0.95mmol)の溶液にシアン化カリウム(0.12g、1.43mmol)を加えた。混合液をRTで1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCM/10%水性KCOに溶解した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をIrregular SiOH 15‐40μm 300g MERCK、移動相(0.5%NHOH、97%DCM、3%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣(0.170g)をDIPE/ACN(90/10)から結晶化させ、沈殿物を濾過し、真空下で乾燥して、0.142g(44%)の化合物268を得た。
MP = 259℃(kofler).
例2.14
a)化合物269の製造
Figure 0005596023
HCl(2.65mL、13.2mmol)をRTで2‐プロパノール(10.5mL)中、化合物317(263mg、0.44mmol)の溶液に加えた。脱保護を完了させるために必要な時間にわたりRMを50℃に加熱し、RTに冷却した。沈殿物を濾取し、2‐プロパノールで洗浄し、乾燥して、110mg(38%)の化合物269を得た。
MP = 200℃ (kofler).
b)化合物270の製造
Figure 0005596023
EtOH(7mL)中、化合物269(223mg、0.42mmol)、2‐ブロモエタノール(105mg、0.84mmol)、NaHCO(105mg、1.26mmol)の混合液をRTで一晩、次いで70℃で12時間攪拌した。HOおよびDCMを加えた。沈殿物を濾取し、乾燥して、フラクション1を得た。有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させて、フラクション2を得た。水層をDCMで連続法により抽出して、蒸発後にフラクション3を得た。フラクション1、2、および3を混合し、Stability Silica 5μm 150×30.0mm、移動相(0.3%NHOH、97%DCM、3%MeOHから1.4%NHOH、86%DCM、14%MeOHへの勾配)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、18mg(8%)の化合物270を得た。
MP = 179.8℃ (DSC).
c)化合物271の製造
Figure 0005596023
TFA(0.3mL)をDCM(3mL)中、化合物318(0.11g、0.17mmol)の溶液に加えた。溶液をRTで4時間攪拌し、HOを加え、溶液をKCOで塩基性化した。水層をDCMで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、蒸発乾固させた。残渣をE5420 X‐Bridge‐C18 5μm 30×150mm、移動相(80%NHHCO 0.5%、20%ACNから0%NHHCO 0.5%、100%ACNへの勾配)で逆相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発乾固させて、53.2mg(60%)の化合物271を得た。
MP = 80℃ (kofler).
d)化合物272の製造
Figure 0005596023
THF(12mL)中、化合物271(0.155g、0.3mmol)、N,N‐ジメチルスルファモイルクロリド(42μL、0.4mmol)、N‐エチル‐N‐(1‐メチルエチル)‐2‐プロパンアミン(0.155mL、0.9mmol)を24時間加熱還流した。溶液を冷却し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO:15‐40μm/30g、移動相:DCM/MeOH/NHOH:95/5/0.5)により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣を再びE5462 X‐Bridge‐C18 5μm 30×150mm、移動相(60%NHHCO 0.5%、40%ACNから0%NHHCO 0.5%、100%ACNへの勾配)で逆相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、31.5mg(17%)の化合物272を得た。
MP = 145℃ (kofler).
例2.15
化合物273の製造
Figure 0005596023
THF(5mL)中、実施例102の化合物(210mg、0.47mmol)、N,N‐ジメチル‐4‐ピリジンアミン(12mg、0.094mmol)、2‐メチルプロピルクロロホルメート(190μL、1.46mmol)およびN,N‐ジエチルエタンアミン(230μL、1.65mmol)を70℃で24時間攪拌した。EtOAcおよびHOを加えた。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をIrregular SiOH 15‐40μm 300g MERCK、移動相(0.2%NHOH、98%DCM、2%MeOHから1.1%NHOH、89%DCM、11%MeOHへの勾配)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣を再びX‐Bridge‐C18 5μm 30×150mm、移動相(60%NHHCO 0.5%、40%ACNから0%NHHCO 0.5%、100%ACNへの勾配)で逆相により精製した。望ましいフラクションを集め、溶媒を蒸発させて、54mg(21%)の化合物273を得た。
MP = 215.2℃ (DSC).
例2.16
化合物274の製造
Figure 0005596023
MeOH(50mL)中、7N NH中化合物299(330mg、0.65mmol)およびNi(396mg、6.75mmol)をボンベ装置中RTにおいて4バール圧力下で一晩水素化した。それを次いでセライトのパッドで濾過し、蒸発させた。残渣をCartridge 15‐40μm 30g、移動相(1.2%NHOH、88%DCM、12%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、290mg(87%)の化合物274を得た。
MP = 190℃ (DSC)
例2.17
化合物275の製造
Figure 0005596023
THF(6mL)中、実施例102の化合物(0.5g、1.12mmol)、ジ-tert-ブチルジカーボネート(0.73g、3.37mmol)およびピリジン(0.32mL、3.93mmol)をRTで3日間攪拌した。水および3N HClを加えた。混合液をDCMで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をStability Silica 5μm 150×30.0mm、移動相(0%NHOH、100%DCM、0%MeOHから0.6%NHOH、94%DCM、6%MeOHへの勾配)で順相により精製した。望ましいフラクションを集め、更にX‐Terra‐C18 10μm 19×150mm、移動相(40%NHHCO 0.5%、60%MeOHから0%NHHCO 0.5%、100%MeOHへの勾配)で逆相により精製した。望ましいフラクションを集め、溶媒を蒸発させて、24mg(3.3%)の化合物275を得た。
MP = 157.7℃ (DSC)
例2.18
化合物276の製造
Figure 0005596023
THF中、1M水素化アルミニウムリチウム(3.04mmol)をRTでTHF(57mL)中、化合物290(476mg、1.01mmol)の懸濁液に滴下した。RMをRTで5時間攪拌した。氷水(0.20mL)、次いで3N NaOH(0.20mL)および水(0.60mL)を注意しながら加えた。RMをDCM/MeOH(90/10)と、水とに分配した。水層をDCM/MeOH(90/10)で1回抽出した。有機層を混合し、MgSOで乾燥し、濃縮し、濾過した。残渣をCartridge 15‐40μm 30g、移動相(0.5%NHOH、95%DCM、5%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させた。残渣(120mg、黄色固体物)は十分には純粋でないため、逆相HPLCにより再び精製した。純粋フラクションを集め、溶媒を蒸発させて、65mg(14%)の化合物276を得た。
MP = 222℃ (kofler,分解で溶融せず)
例2.19
化合物277の製造
Figure 0005596023
THF/HO(10/1、6mL)中、化合物312(90mg、0.18mmol)および水酸化リチウム一水和物(23mg、0.54mmol)の混合液をRTで60時間攪拌した。RMを3N HClで酸性化し、溶液を蒸発乾固させた。固体残渣をACN/水で溶解させた。沈殿物を濾取し、ACNで再び溶解させた。1時間攪拌後、濾過により42mgの化合物277を得た。
MP >260℃.
例2.20
化合物278の製造
Figure 0005596023
NaBH(24.98mg、0.66mmol)をRTでMeOH(6mL)中、化合物292(250mg、0.55mmol)の懸濁液に少しずつ加えた。RMをRTで15分間攪拌した。RMを水で反応停止させ、沈殿物を濾取した。固体物をDCM/MeOHに溶解し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をCartridge 15‐40μm 30g、移動相(1%NHOH、90%DCM、10%MeOH)で順相により精製した。純粋フラクションを集め、蒸発乾固させた。残渣(100mg)をACN/MeOHから結晶化させた。沈殿物を濾取し、更にX‐Bridge‐C18 5μm 30×150mm、移動相(40%NHHCO 0.5%、60%MeOHから0%NHHCO 0.5%、100%MeOHへの勾配)で逆相により精製した。純粋フラクションを集め、蒸発乾固させて、60mg(24%)の化合物278を得た。
MP = 224℃ (kofler)
例2.21
化合物279の製造
Figure 0005596023
下、水素化ナトリウム(67.4mg、1.68mmol)をN,N‐ジメチルアセトアミド(20mL)中、実施例102の化合物(500mg、1.13mmol)の溶液に少しずつ加えた。混合液をRTで3時間攪拌した。メタンスルホニルクロリド(0.105mL、1.35mmol)を滴下し、混合液をRTで48時間攪拌した。混合液を水に注ぎ、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を水(2回)、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(15‐40μm、30g、DCM/MeOH/NHOH 85/15/1)により精製した。純粋フラクションを集め、蒸発乾固させた。得られた残渣をCartridge 15‐40μm 30g、移動相(80%DCM、20%MeOH)で順相により精製して、54mg(9%)の化合物279を得た。
MP >350℃ (DSC)
化合物250〜337に関する分析パート
LCMS法
一般操作1
カラムが40℃の温度に保たれている、以下の各方法において明記されているようなバイナリ(binary)ポンプとデガッサー(degasser)、オートサンプラー、ダイオードアレイ検出器(DAD)およびカラムを備えたUPLC(Ultra Performance Liquid Chromatography)Acquity(Waters)システムを用いて、LC測定を行った。カラムからのフローをMS検出器に送った。MS検出器にエレクトロスプレーイオン化源を装備させた。毛細針電圧は3kVであり、発生源温度はQuattro(Watersのtriple-quadrupoleマススペクトロメーター)において130℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして用いた。データ取得はWaters-Micromass MassLynx-Openlynxデータシステムで行った。
方法1
一般操作1に加えて、逆相UPLCを0.35mL/minの流速でWaters Acquity BEH(架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド)C18カラム(1.7μm、2.1×100mm)で行った。2種の移動相(移動相A:95%7mM酢酸アンモニウム/5%アセトニトリル、移動相B:100%アセトニトリル)が、勾配条件を90%Aおよび10%B(0.5分間保持)から、3.5分間で8%Aおよび92%Bへ移し、2分間保持し、0.5分間で初期条件へ戻し、1.5分間保持するために用いられた。2μLの注入量を用いた。コーン電圧は陽および陰イオン化モードで20Vであった。マススペクトルは、0.1秒のinterscan delayを用いて、0.2秒で100〜1000回走査することにより取得した。
一般操作2
カラムが30℃の温度に保たれている、以下の各方法において明記されているようなクォーターナリー(quaternary)ポンプとデガッサー、オートサンプラー、ダイオードアレイ検出器(DAD)およびカラムを備えたAlliance HT2795(Waters)システムを用いて、HPLC測定を行った。カラムからのフローをMSスペクトロメーターに分けた。MS検出器にエレクトロスプレーイオン化源を装備させた。毛細針電圧は3kVであり、発生源温度はLCT(WatersのTime of Flight ZsprayTMマススペクトロメーター)において100℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして用いた。データ取得はWaters-Micromass MassLynx-Openlynxデータシステムで行った。
方法2
一般操作2に加えて、逆相HPLCを0.8mL/minの流速でWaters Xterra-RP C18カラム(3.5μm、4.6×100mm)で行った。2種の移動相(移動相A:100%7mM酢酸アンモニウム、移動相B:100%アセトニトリル)が、80%Aおよび20%B(0.5分間保持)から4.5分間で90%Bへ移し、90%Bで4分間保持し、初期条件で3分間再平衡化させるために用いられた。5μLの注入量を用いた。コーン電圧は陽および陰イオン化モードで20Vであった。マススペクトルは、0.3秒のinterscan delayを用いて、0.4秒で100〜1000回走査することにより取得した。
以下の表は、上記の実施例により、またはそれと類似した手法で製造された化合物を掲載している(Ex:該当例、融点(MP)はK=Koffler(℃)またはDSC=示差走査熱量測定(℃)により調べた、LCMSデータ:Rt=保持時間 min、MHはプロトン化質量であり、方法はLCMSデータが作成された方法を反映している)。
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
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Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
Figure 0005596023
生物学的アッセイ
FGFR3およびPDGFRインビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
酵素(upstate)を1×キナーゼアッセイ用緩衝液(表1)中、2×最終濃度で調製した。酵素を次いで試験化合物、ビオチニル化Flt3基質(ビオチン‐DNEYFYV)(Cell Signalling Technology Inc.)およびATPとインキュベートした。反応を室温においてプレートシェーカー上900rpmで3時間(FGFR3)または2.5時間(PDGFR‐ベータ)進行させてから、20μLの35mM EDTA,pH8(FGFR3)または55mM EDTA,pH8(PDGFR‐ベータ)で停止させた。次いで20μLの5×検出ミックス(FGFR3の場合は50mM HEPES pH7.5、0.1% BSA、2nM Eu‐抗pY(PY20)(PerkinElmer)、15nM SA‐XL665(Cisbio)およびPDGFR‐ベータの場合は50mM HEPES pH7.5、0.5M KF、0.1% BSA、11.34nM Eu‐抗pY(PT66)(PerkinElmer)、94nM SA‐XL665(Cisbio))を各ウェルに加え、プレートを密封し、室温においてプレートシェーカー上900rpmで1時間インキュベートした。プレートを次いでTRFモードにおいてPackard Fusionプレートリーダーで読み取った。
Figure 0005596023
キナーゼアッセイ用緩衝液は:
A:50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0.1% TritonX‐100
B:20mM MOPS pH7.0、10mM MnCl、0.01% Triton X‐100、1mM DTT、0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウムであった。
実施例1〜125はFGFR3に対して10μM以下のIC50値を有するか、または10μMの濃度でFGFR3活性の少なくとも50%阻害を発揮する。実施例1〜116および118〜125はFGFR3に対して1μM以下のIC50値を有するか、または1μMの濃度でFGFR3活性の少なくとも50%阻害を発揮する。
本発明の好ましい化合物(例えば、実施例1〜24、26〜76、78〜83、85〜114、118、および120〜125)は、FGFR3に対して0.1μM以下のIC50値を有するか、またはFGFR3アッセイにおいて0.1μMの濃度でFGFR3活性の少なくとも50%阻害を発揮する。
上記アッセイで本発明の化合物に関するFGFR3データは、表A3で掲載されている。
VEGFR2インビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0.01% TritonX‐100、5μM ATP(2.8Ci/mmol)中にVEGFR2酵素(Upstateから購入)および250μM Poly(Glu、Tyr)4:1基質(CisBio)を含有するアッセイ反応を化合物の存在下において始めた。過剰のリン酸を加えることにより、反応を15分間後に停止させた。ペプチドが結合して未使用ATPが洗い落とされるMillipore MAPHフィルタープレートに、反応混合液を移した。洗浄後、シンチラントを加え、取り込まれた活性をPackard Topcountでシンチレーション計数により測定した。
VEGFR2インビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
2×最終濃度で調製されたVEGFR2(upstate)を、適切なアッセイ用緩衝液(表1)中で試験化合物、ビオチニル化Flt3基質(ビオチン‐VASSDNEYFYVDF)(Cell Signalling Technology Inc.)およびATPとインキュベートした。反応を室温においてプレートシェーカー上700rpmで1時間進行させてから、35mM EDTA,pH8(VEGFR2)で停止させた。次いで5×検出ミックス(50mM HEPES pH7.5、0.1% BSA、11.34nM Eu‐抗pY(PT20)、187.5nM SA‐XL665)を各ウェルに加え、プレートを密封し、室温においてプレートシェーカー上700rpmで1時間インキュベートした。プレートを次いでTRFモードにおいてPackard FusionプレートリーダーまたはBMG Pherastarで読み取った。
Figure 0005596023
キナーゼアッセイ用緩衝液は:
B:50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0.01% Triton X‐100、0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウムであった。
上記アッセイで本発明の化合物に関するVEGFR2データは、表A3で掲載されている。
FGFR1、FGFR2、FGFR4、VEGFR1、およびVEGFR3インビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
FGFR1、FGFR2、FGFR4、VEGFR1、およびVEGFR3に対する阻害活性はUpstate Discovery Ltd.で調べられる。酵素用緩衝液(20mM MOPS pH7.0、1mM EDTA、0.1% β‐メルカプトエタノール、0.01% Brij‐35、5%グリセロール、1mg/mL BSA)中、10×最終濃度で酵素を調製した。酵素を次いで表において記載されているような様々な基質および33P‐ATP(〜500cpm/pmol)とアッセイ用緩衝液中でインキュベートした。反応をMg/ATPの添加により開始させた。反応を室温において40分間進行させてから、5μLの3%リン酸溶液で停止させた。10μLの反応ミックスをfiltermat AまたはP30 filtermatに移し、75mMリン酸で3回およびメタノールで1回洗浄してから、シンチレーション計数のために乾燥させた。化合物を全キナーゼに対して二重に下記濃度のアッセイ用試薬で試験し、コントロールと比較した活性率を計算した。阻害が高い場合に、IC50を調べた。
Figure 0005596023
酵素用緩衝液A:8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、10mM酢酸Mg
酵素用緩衝液B:8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、2.5mM MnCl、10mM酢酸Mg
酵素用緩衝液C:8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、10mM MnCl、10mM酢酸Mg
細胞ベースpERK ELISA法
LP‐1またはJIM‐1多発性骨髄腫細胞を無血清培地中200μL/ウェルにて1×10細胞/mLで96ウェルプレートに接種した。HUVEC細胞を2.5×10細胞/mLで接種し、無血清培地へ移す前に24hで回収した。細胞を30分間にわたる試験化合物の添加前に37℃で16hインキュベートした。試験化合物を0.1%最終DMSO濃度で投与した。この30分間インキュベート後に、FGF‐1/ヘパリン(最終100ng/mLでFGF‐1および100μg/mLでヘパリン)混合物またはVEGF165(100μg/mL)を更に5分間かけてウェルの各々に加えた。培地を除去し、50μL ERK ELISA細胞溶解用緩衝液(pERKおよび全ERK #DYC‐1940E,DYC‐1018Eの場合R and D Systems DuoSet ELISA)を加えた。ELISAプレートおよび標準を標準DuoSetプロトコールに従い調製し、各サンプルにおけるpERK対全ERKの相対量を標準曲線に従い計算した。
上記アッセイで本発明の化合物に関するデータは、表A3で掲載されている。
特に、本発明の化合物をヒト多発性骨髄腫由来のLP‐1細胞系(DSMZ no.:ACC41)に対して試験した。本発明の多くの化合物(例えば、実施例1〜24、26〜38、40〜53、56、58〜70、72〜76、78〜83、85〜87、89〜102、114、および116)はこのアッセイで20μM以下のIC50値を有することがわかり、一部の化合物(例えば、実施例1〜19、21〜24、26〜38、40〜53、56、58〜64、66〜70、72〜76、78〜83、85〜87、89〜94、96〜102、および114)は1μM以下のIC50値を有するか、または1μMの濃度で少なくとも50%阻害を発揮する。
HUVEC細胞ベース選択性アッセイ
HUVEC細胞を6ウェルプレートに1×10細胞/ウェルで接種し、24hで回収した。それらを、最終0.1%DMSO中で30分間にわたる試験化合物との処理前に、16時間にわたり無血清培地へ移した。化合物インキュベート後にFGF‐1(100ng/mL)およびヘパリン(100μg/mL)またはVEGF165(100ng/mL)を5分間で加えた。培地を除去し、細胞を氷冷PBSで洗浄し、100μL TG細胞溶解用緩衝液(20mM Tris、130nM NaCl、1% Triton X‐100、10%グリセロール、プロテアーゼ、およびホスファターゼインヒビター,pH7.5)中で溶解させた。等量のタンパク質を含有したサンプルをLDSサンプル緩衝液で調製し、ホスホ‐FGFR3、ホスホ‐VEGFR2およびホスホ‐ERK1/2を含めた幾つかの下流VEGFRおよびFGFR経路標的に関してSDS PAGE、次いでウエスタンブロットでランさせた。ウエスタンブロットは目視検査または密度測定により分析しうる。
高血圧のインビボモデル
幾つかの動物モデルが小分子インヒビターの潜在的高血圧作用を測定するために存在している。それらは二つの主要な種類:間接および直接測定に分類される。最も多い間接法はカフ技術である。このような方法は非侵襲的である利点を有し、そのため大グループの実験動物に適用しうるが、しかしながら該工程は血圧の断続的サンプリングのみを行え、動物をある手法で拘束することを要する。拘束の適用は動物にストレスを加えることがあり、特定薬物作用に起因する血圧の変化が検知されにくいことを意味する。
直接方法論としては、ラジオテレメトリー技術を利用するもの、または外部設置変換器へ接続された留置カテーテルによるものがある。このような方法はインプラントに伴う初期手術に高レベルの専門的技術を要し、かかる費用は高い。しかしながら、重要な利点は、それらが実験期間中に拘束せず血圧の継続的測定を行えることである。これらの方法はKurz,et al.(2005),Hypertension,45,299-310において概説されている。
hERG活性
hERG K+イオンチャンネルに対する式(I)の化合物の活性は、M.H.Bridgland- Taylor et al.,Journal of Pharmacological and Toxicological Methods, 54(2006),189-199の論文に記載されたアッセイを用いて、決定することができる。このIonWork HT hERGスクリーニングアッセイは、PrecisION hERG-CHO細胞系を用いてUpstate (Millipore)により商業的に行われる。
シトクロームP450に対する有効性の決定
シトクロームP450(CYP450)酵素1A2、2C9、2C19、3A4、および2D6に対する式(I)の化合物の有効性は、Invitrogen(Paisley,UK)から入手できるPan Vera Vivid CYP450スクリーニングキットを用いて決定できる。CYP450は、CYP450、およびNADPHリダクターゼを含むバキュロソームの形態で供給され、用いられる基質は蛍光Vivid基質である。最終反応混合物は以下に示される:
1A2
100mMリン酸カリウム,pH8、1%アセトニトリル、2μM 1A2 Blue vivid基質、100μM NADP、4nM CYP450 1A2、2.66mM グルコース‐6‐リン酸、0.32U/mlグルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
2C9
50mMリン酸カリウム,pH8、1%アセトニトリル、2μM Green vivid基質、100μM NADP、8nM CYP450 2C9、2.66mMグルコース‐6‐リン酸、0.32U/mlグルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
2C19
50mMリン酸カリウム,pH8、1%アセトニトリル、8μM Blue vivid基質、100μM NADP、4nM CYP450 2C19、2.66mMグルコース‐6‐リン酸、0.32U/mlグルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
3A4
100mMリン酸カリウム,pH8、1%アセトニトリル、10μM 3A4 Blue vivid基質、100μM NADP、2.5nM CYP450 3A4、2.66mMグルコース‐6‐リン酸、0.32U/mlグルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
2D6
100mMリン酸カリウム,pH8、1%アセトニトリル、5μM 2D6 Blue vivid基質、100μM NADP、16nM CYP450 2D6、2.66mMグルコース‐6‐リン酸、0.32U/mlグルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
蛍光は、Molecular Devices Gemini蛍光プレートリーダーにより、30秒間隔で20分間測定される。励起および発光波長は、1A2、2C19および3A4に対しては、390nmおよび460nmであり、2D6に対しては485nmであり、2C9に対しては485nmおよび530nmである。初期の割合はプログレス曲線により決定される。
試験化合物はメタノールまたはアセトニトリルで調製し、10μMの濃度でCYP450に対して試験された。
式(I)の好ましい化合物は、1A2、2C9、2C19、3A4、および2D6に対して10μM以上のIC50を有している。
Ba/F3-TEL-FGFR3&Ba/F3(WT)細胞増殖アッセイ
安定的にトランスフェクトされたBa/F3-TEL-FGFR3細胞を、5×10細胞/ウエルの密度(200μL/ウエル)で、10%FBSおよび0.25mg/mL G418を含むRPMI培地中において、クリアボトムのブラック96ウエル組織培養プレートに播種した。親野生型Ba/F3細胞(DSMZ no.:ACC300)を、2.5×10細胞/ウエルの密度(200μL/ウエル)で、10%FBSおよび2ng/mLマウスIL-3(R&D Sysems)を含むRPMI培地中において、クリアボトムのブラック96ウエル組織培養プレートに播種した。翌日に化合物を加える前にプレートをインキュベータ中に一晩置いた。化合物の希釈をDMSOで行い、10mMで始めて、ウェルに希釈し、アッセイにおいて0.1%の最終DMSO濃度とした。プレートをインキュベータから取り出す前の72時間にわたり化合物を細胞に残して、20μLのAlamar Blue (Biosource)を各ウエルに加えた。プレートは、Fusionプレートリーダー(Packard)により535nm(励起)/590nm(発光)でプレートを読む前に、インキュベータ中に4〜6時間置いた。阻害が高い場合、IC50が決定できる。
上記アッセイで本発明の化合物に関するデータが、表A3で掲載されている。
特に、本発明の化合物はBa/F3-TEL-FGFR3細胞系に対して試験された。本発明の多くの化合物(例えば、実施例1〜4、6〜10、12〜19、21〜24、26、28〜38、40〜47、49〜53、56、58〜80、84〜87、89〜94、96〜104、106〜108、110〜111、113〜114、118〜120、122、および124〜125)はこのアッセイにおいて20μM以下のIC50値を有することが見出され、一部の化合物(例えば、実施例1〜4、6〜10、12〜19、21〜24、26、28〜30、32〜34、36〜38、40〜42、44〜45、47、49〜53、56、58〜67、69〜76、78〜80、85〜87、89〜93、96〜104、106〜108、110〜111、113〜114、118〜120、122、および124)は1μM以下のIC50値を有するか、または1μMの濃度で少なくとも50%阻害を発揮する。多くの化合物は親野生型Ba/F3細胞系よりBa/F3-TEL-FGFR3細胞系に対して、例えば5倍以上活性であり、特に親野生型Ba/F3細胞系よりBa/F3-TEL-FGFR3細胞系に対して10倍以上活性である。
Figure 0005596023
Figure 0005596023
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Figure 0005596023
化合物が多数回試験された場合、表に掲載された値は得られた値の幾何平均を表している。

Claims (12)

  1. 下記式(I)の化合物あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物、または互変異性体:
    Figure 0005596023
    〔上記式中、
    がC1‐6アルキルまたはハロC1‐6アルキルを表し、
    Aは、1、2、または3つのR基によって場合により置換されてもよい、フェニル基を表す基Aであり、
    は、水素を表し、
    は基R4cであり、
    4cは下記(a)〜(f)のいずれか一つから選択され:
    (a)1、2、または3つのR基または2、3、または4のR基によって場合により置換されたピリダジニル、
    (b)1、2、または3つのR基によって場合により置換されたピラジニル、
    (c)1または2つのR基によって場合により置換されたトリアジニル、
    (d)1、2、または3つのR基によって場合により置換されたピリミジン‐2‐イル、
    (e)1、2、または3つのR基または2、3、または4のR基によって場合により置換されたピリミジン‐4‐イル、
    (f)1、2、または3つのR基または2、3、または4のR基によって場合により置換されたピリミジン‐5‐イル、
    、R、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、‐C1‐6アルキル‐N(C1‐6アルキル)、‐C1‐6アルキル‐NH(C1‐6アルキル)、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、または窒素原子へ結合されている場合、R、R、R、およびRは環を形成している場合もあり、
    は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐NR、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
    は、R基または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1、2、または3つのR基によって場合により置換されてもよく、
    Yは、結合、‐CO‐(CH‐、‐(CR‐CO‐、‐COO‐、‐(CH‐(CR‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
    は、ハロゲン、C2‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1、2、または3つのR基によって場合により置換されてもよく、
    は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NHC1‐6アルキル、‐(CH‐N(C1‐6アルキル)、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、または‐Y‐ヘテロ環式基を表し、ここで該ヘテロ環式基は1、2、または3つのR基によって場合により置換されてもよく、
    は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CR‐CONR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐ORまたは‐(CH‐SONR基、‐Y‐(4員ヘテロ環式基)(該4員ヘテロ環式基は1、2、または3つのR基により置換されている)、または‐Y‐(5‐10員ヘテロ環式基)(該5‐10員ヘテロ環式基は1、2、または3つのR基によって場合により置換されてもよい)を表し、
    nは、1〜4の整数を表し、
    sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す〕。
  2. が非置換フェニルを表す、請求項1に記載の化合物。
  3. がハロC1‐6アルキルを表す、請求項1または2に記載の化合物。
  4. がエチルまたは‐CH‐CFを表す、請求項1または2に記載の化合物。
  5. が‐CH‐CFを表す、請求項4に記載の化合物。
  6. が基R4cであり、R4cが(d)および(e)から選択されるものである、請求項1に記載の化合物。
  7. 下記式(Ia)の化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物:
    Figure 0005596023
    (RおよびRは請求項1で定義されている通りである)。
  8. 下記から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物:
    Figure 0005596023
  9. 式(I)の化合物が、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−{3−[7−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]フェニル}尿素塩酸塩である、請求項1に記載の化合物。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  11. 癌であるFGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療のための、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 癌の予防または治療のための、請求項10に記載の医薬組成物。
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