JP5497648B2 - タンパク質チロシンキナーゼインヒビターとしての二環式ヘテロ環式化合物 - Google Patents

タンパク質チロシンキナーゼインヒビターとしての二環式ヘテロ環式化合物 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、新規二環式ヘテロ環式誘導体化合物、該化合物を含んでなる医薬組成物、および疾患、例えば癌の治療における該化合物の使用に関する。
本発明の第一の態様によると、式(I)の化合物:
Figure 0005497648
[上記式中、
、X、およびXは、各々独立して、炭素または窒素から選択され、但しX〜Xの少なくとも一つは窒素を表し、Xが窒素の場合X、X、X4、およびXの少なくとも一つが窒素を表し、
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し、
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し、
但し、X〜Xの3以下は、窒素を表し、
------ は、単または二重結合を表し、但し、5員環系内における少なくとも一つの結合は二重結合であり、XまたはXがC=Oを表す場合のみXと、Xとの間の結合が単結合を表し、
は、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、またはハロC1‐6アルコキシを表し、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もある、芳香族、非芳香族炭素環式、またはヘテロ環式基を表し、
は、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐(CH‐CONR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NH‐CO‐(CH‐CSOR、‐NHSO、‐NHSONR、‐NHCSNR、‐NHCOR、‐NHCSR、‐NHCSSR、‐NHC(=NR)NR、‐NHC(=NR)R、‐NH‐C(=NH)‐NH‐CO‐R、‐NHCSOR、または‐NHCOSRを表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐NR、‐(CH‐COOR、‐(CH‐O‐(CH‐OH、‐(CH‐アリール、‐(CH‐O‐アリール、‐(CH‐ヘテロ環式、または‐(CH‐O‐ヘテロ環式を表し、ここで該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、
は、‐CONR、‐COR、または‐COOR基を表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環式基、またはRおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、該C1‐6アルキル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
は、ハロゲン、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルコキシ、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、‐C≡N、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐NHSO、‐CH=N‐OR、または3〜6単環式ヘテロ環式基であり、該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C1‐6アルコキシ、ヘテロ環式基は1以上のR基により置換される場合もあり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、R基または‐Y‐炭素環式基もしくは‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式基およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH‐、‐COO‐、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す〕
あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物または誘導体が提供される。
米国特許第7,074,801号公報(Eisai)、米国特許第2002/0041880号公報(Merck)、WO98/54093号公報(Merck)、WO2006/091671号公報(Eli Lilly)、WO2003/048132号公報(Merck)、WO2004/052286号公報(Merck)、WO00/53605号公報(Merck)、WO03/101993号公報(Neogenesis)、WO2006/135667号公報(BMS)、WO2002/46168号公報(Astra Zeneca)、WO2005/080330号公報(Chugai)、WO2006/094235号公報(Sirtris Pharmaceuticals)、WO2006/034402号公報(Synta Pharmaceuticals)は各々一連のヘテロ環式誘導体について開示する。
発明の具体的説明
本発明の第一の態様によると、式(I)の化合物:
Figure 0005497648
、X、およびXは、各々独立して、炭素または窒素から選択され、但しX〜Xの少なくとも一つは窒素を表し、Xが窒素の場合X、X、X4、およびXの少なくとも一つが窒素を表し、
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し、
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し、
但し、X〜Xの3以下は、窒素を表し、
------ は、単または二重結合を表し、但し、5員環系内における少なくとも一つの結合は二重結合であり、XまたはXがC=Oを表す場合のみXと、Xとの間の結合が単結合を表し、
は、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、またはハロC1‐6アルコキシを表し、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もある、芳香族、非芳香族炭素環式、またはヘテロ環式基を表し、
は、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐(CH‐CONR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NH‐CO‐(CH‐CSOR、‐NHSO、‐NHSONR、‐NHCSNR、‐NHCOR、‐NHCSR、‐NHCSSR、‐NHC(=NR)NR、‐NHC(=NR)R、‐NH‐C(=NH)‐NH‐CO‐R、‐NHCSOR、または‐NHCOSRを表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐NR、‐(CH‐COOR、‐(CH‐O‐(CH‐OH、‐(CH‐アリール、‐(CH‐O‐アリール、‐(CH‐ヘテロ環式、または‐(CH‐O‐ヘテロ環式を表し、ここで該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、
は、‐CONR、‐COR、または‐COOR基を表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環式基、またはRおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、該C1‐6アルキル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
は、ハロゲン、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルコキシ、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、‐C≡N、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐NHSO、‐CH=N‐OR、または3〜6単環式ヘテロ環式基であり、該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C1‐6アルコキシ、ヘテロ環式基は1以上のR基により置換される場合もあり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、R基または‐Y‐炭素環式基もしくは‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式基およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH‐、‐COO‐、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す〕
あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物または誘導体が提供される。
本発明の一つの態様によれば、式(Ia)の化合物:
Figure 0005497648
〔上記式中、
、X、およびXは、各々独立して炭素または窒素から選択され、但しX〜Xの少なくとも一つは窒素を表し、
は、CRまたは窒素を表し、
は、CR、窒素、またはC=Oを表し、
但しX〜Xの3以下は窒素を表し、
------ は、単または二重結合を表すが、但しXがC=Oを表す場合にXおよびXは単結合で繋がれ、5員環系内における少なくとも一つの結合は二重結合であり、
は、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、または=Oを表し、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されている場合もある、芳香族、非芳香族炭素環式、またはヘテロ環式基を表し、
は、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐(CH‐CONR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NH‐CO‐(CH‐CSOR、‐NHSO、‐NHSONR、‐NHCSNR、‐NHCOR、‐NHCSR、‐NHCSSR、‐NHC(=NR)NR、‐NHC(=NR)R、‐NH‐C(=NH)‐NH‐CO‐R、‐NHCSOR、または‐NHCOSRを表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐NR、‐(CH‐COOR、‐(CH‐O‐(CH‐OH、‐(CH‐アリール、‐(CH‐O‐アリール、‐(CH‐ヘテロ環式、または‐(CH‐O‐ヘテロ環式を表し、ここで該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2または3)のR基により置換される場合もあり、
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、
は、‐CONR、‐COR、または‐COOR基を表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環式基、またはRおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、該C1‐6アルキル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
は、ハロゲン、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルコキシ、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、‐C≡N、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐NHSO、‐CH=N‐OR、または3〜6単環式ヘテロ環式基であり、該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C1‐6アルコキシ、ヘテロ環式基は1以上のR基により置換される場合もあり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、R基または‐Y‐アリールもしくは‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該アリールおよびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されている場合もあり、
YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH‐、‐COO‐、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表し、
アリールは、炭素環式環を表し、
ヘテロ環式は、ヘテロ環式環を表す〕
あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物、または誘導体が提供される。
本発明の一つの態様によれば、式(Ib)の化合物:
Figure 0005497648
〔上記式中、
、X、およびXは、各々独立して、炭素または窒素から選択され、但しX〜Xの少なくとも一つは窒素を表し、Xが窒素の場合X、X、X4、およびXの少なくとも一つが窒素を表し、
は、CRまたは窒素を表し、
は、CH、窒素、またはC=Oを表し、
但しX〜Xの3以下は窒素を表し、
------ は、単または二重結合を表すが、但し5員環系内における少なくとも一つの結合は二重結合であり、
は、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、またはハロC1‐6アルコキシ、またはC=Oを表し、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もある、芳香族、非芳香族炭素環式、またはヘテロ環式基を表し、
は、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐(CH‐CONR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NH‐CO‐(CH‐CSOR、‐NHSO、‐NHSONR、‐NHCSNR、‐NHCOR、‐NHCSR、‐NHCSSR、‐NHC(=NR)NR、‐NHC(=NR)R、‐NH‐C(=NH)‐NH‐CO‐R、‐NHCSOR、または‐NHCOSRを表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐NR、‐(CH‐COOR、‐(CH‐O‐(CH‐OH、‐(CH‐アリール、‐(CH‐O‐アリール、‐(CH‐ヘテロ環式、または‐(CH‐O‐ヘテロ環式を表し、ここで該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2または3)のR基により置換される場合もあり、
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、
は、‐CONR、‐COR、または‐COOR基を表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環式基、またはRおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、該C1‐6アルキル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
は、ハロゲン、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルコキシ、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、‐C≡N、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐NHSO、‐CH=N‐OR、または3〜6単環式ヘテロ環式基であり、該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C1‐6アルコキシ、ヘテロ環式基は1以上のR基により置換される場合もあり、
は、水素またはC1‐6アルキルを表し、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐(CH‐O‐C1‐6アルキル、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、R基または‐Y‐炭素環式基もしくは‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式基およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されている場合もあり、
YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH‐、‐COO‐、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す〕
あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物、または誘導体が提供される。
言及されてもよい式(I)の化合物の一つの態様によれば、3‐〔3‐〔3‐(2,2,2‐トリフルオロエチル)ウレイド〕フェニル}イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸アミド(実施例6)および1‐〔3‐(7‐ホルミル‐イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3‐イル)フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素以外のものである。
基または基の一部として本願明細書で用いられている用語‘C1‐6アルキル’は、1〜6の炭素原子を含有する直鎖状または分岐状の飽和炭化水素基に関する。このような基の例としては、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert‐ブチル、n‐ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、またはヘキシルなどがある。
基または基の一部として本願明細書で用いられている用語‘C2‐6アルケニル’は、C=C結合を含む直鎖状または分岐状の炭化水素基に関する。
本願明細書で用いられている用語‘C1‐6アルコキシ’は‐O‐C1‐6アルキル基に関し、ここでC1‐6アルキルは本願明細書で定義されている通りである。このような基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、またはヘキソキシなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘C1‐6アルカノール’は、1以上のヒドロキシ基で置換されたC1‐6アルキル基に関する。このような基の例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘C3‐8シクロアルキル’は、3〜8炭素原子の飽和単環式炭化水素環に関する。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘C3‐6シクロアルキル’は、3〜6炭素原子の飽和単環式炭化水素環に関する。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘ハロゲン’は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子に関する。
本願明細書で用いられている用語‘ハロC1‐6アルキル’は、少なくとも一つの水素原子がハロゲンにより置き換えられた、本願明細書で定義されているようなC1‐6アルキル基に関する。このような基の例としては、フルオロエチル、トリフルオロメチル、またはトリフルオロエチルなどがある。
本願明細書で用いられている用語‘ハロC1‐6アルコキシ’は、少なくとも一つの水素原子がハロゲンにより置き換えられた、本願明細書で定義されているようなC1‐6アルコキシ基に関する。このような基の例としては、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシなどがある。
本願明細書で用いられている“炭素環式”および“ヘテロ環式”基への言及は、内容がそれ以外を示していない限り、双方とも芳香族および非芳香族環系を含む。そのため、例えば、用語“炭素環式および“ヘテロ環式基”はその範囲内に芳香族、非芳香族、不飽和、部分的飽和および完全飽和炭素環式およびヘテロ環式環系を含む。一般的に、このような基は単環式または二環式であり、例えば3〜12環員、更に通常は5〜10環員を含有する。単環式基の例は、3、4、5、6、7、および8環員、更に通常は3〜7、好ましくは5または6環員を含有する基である。二環式基の例は8、9、10、11、および12環員、更に通常は9または10環員を含有するものである。本願明細書で炭素環式基およびヘテロ環式基へ言及されている場合、炭素環式またはヘテロ環式環は、内容がそれ以外を示していない限り、非置換であるか、あるいは1以上の置換基、例えば本願明細書で記載されているような分子フラグメント、分子スカホールドまたは官能基で置換されている。“炭素環式”および“ヘテロ環式”基への言及が、1以上(例えば、1、2、または3)のRまたはR基によって場合により置換される場合もある炭素環式およびヘテロ環式基への言及を含むことは、明らかであろう。
炭素環式またはヘテロ環式基は、5〜12環員、更に通常は5〜10環員を有するアリールまたはヘテロアリール基である。本願明細書で用いられている用語“アリール”は芳香性を有する炭素環式基に関し、用語“ヘテロアリール”は芳香性を有するヘテロ環式基を表すために本願明細書で用いられている。用語“アリール”および“ヘテロアリール”は、1以上の環が非芳香族である多環式(例えば、二環式)環系を包含しているが、但し少なくとも一つの環は芳香族である。このような多環式系において、基は芳香環または非芳香環で繋がれている。用語“アリール”は、式(Ia)、(Ic)、および(Id)の化合物を除けば、本願明細書で定義されているとおりであり、ここでアリールは本願明細書で定義されるとおり、炭素環式環であることは、明らかであろう。式(Ia)、(Ic)、および(Id)の化合物の一つの態様によれば、アリールは芳香環を表す。
用語“非芳香族基”は、芳香性のない不飽和環系、部分的飽和、および完全飽和炭素環式およびヘテロ環式環系を包含する。用語“不飽和”および“部分的飽和”は、環構造が2以上の原子価結合を共有する原子を含有した、即ち環が少なくとも一つの多重結合、例えばC=C、C≡C、またはN=C結合を含有した環に関する。用語“完全飽和”は、環原子間に多重結合がない環に関する。飽和炭素環式基としては、以下で定義されているようなシクロアルキル基がある。部分的飽和炭素環式基としては、以下で定義されているようなシクロアルケニル基、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルがある。飽和ヘテロ環式基としては、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリンがある。部分的飽和ヘテロ環式基としては、ピラゾリン類、例えば2‐ピラゾリンおよび3‐ピラゾリンがある。
ヘテロアリール基の例は、5〜12環員、更に通常は5〜10環員を含有する二環式基である。ヘテロアリール基は、例えば、5員または6員単環式環、あるいは縮合5および6員環または二つの縮合6員環または二つの縮合5員環から形成される二環式構造である。各環は、典型的には窒素、イオウ、および酸素から選択される約4以下のヘテロ原子を含有しうる。典型的には、ヘテロアリール環は4以下のヘテロ原子、更に典型的には3以下のヘテロ原子、更に通常は2以下、例えば単一のヘテロ原子を含有する。一つの態様において、ヘテロアリール環は少なくとも一つの環窒素原子を含有する。ヘテロアリール環における窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合のように塩基性でも、あるいはインドールまたはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性でもよい。一般的に、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は、環のあらゆるアミノ置換基を含んでも、5未満である。
5員ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、およびテトラゾール基があるが、それらに限定されない。
6員ヘテロアリール基の例としては、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、およびトリアジンがあるが、それらに限定されない。
二環式ヘテロアリール基は、例えば:
a)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたベンゼン環、
b)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたピリジン環、
c)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたピリミジン環、
d)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたピロール環、
e)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたピラゾール環、
f)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたイミダゾール環、
g)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたオキサゾール環、
h)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたイソオキサゾール環、
i)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたチアゾール環、
j)一または二つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたイソチアゾール環、
k)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたチオフェン環、
l)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたフラン環、
m)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたシクロヘキシル環、および
n)一、二、または三つの環ヘテロ原子を含有する5または6員環へ縮合されたシクロペンチル環、
から選択される基である。
他の5員環へ縮合された5員環を含有する二環式ヘテロアリール基の具体例としては、イミダゾチアゾール(例えば、イミダゾ〔2,1‐b〕チアゾール)およびイミダゾイミダゾール(例えば、イミダゾ〔1,2‐a〕イミダゾール)があるが、それらに限定されない。
5員環へ縮合された6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の具体例としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例えば、アデニン、グアニン)、インダゾール、ピラゾロピリミジン(例えば、ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリミジン)、トリアゾロピリミジン(例えば、〔1,2,4〕トリアゾロ〔1,5‐a〕ピリミジン)、ベンゾジオキソール、およびピラゾロピリジン(例えば、ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリジン)基があるが、それらに限定されない。
二つの縮合6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の具体例としては、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、クロメン、イソクロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンゾオキサジン、ベンゾジアジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、およびプテリジン基があるが、それらに限定されない。
芳香環および非芳香環を含有する多環式アリールおよびヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロナフタレン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンゾチエン、ジヒドロベンゾフラン、2,3‐ジヒドロベンゾ〔1,4〕ジオキシン、ベンゾ〔1,3〕ジオキソール、4,5,6,7‐テトラヒドロベンゾフラン、テトラヒドロトリアゾロピラジン(例えば、5,6,7,8‐テトラヒドロ〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3‐a〕ピラジン)、インドリン、およびインダン基がある。
窒素含有ヘテロアリール環は、少なくとも一つの環窒素原子を含有していなければならない。各環は、加えて、典型的には窒素、イオウ、および酸素から選択される約4以下の他のヘテロ原子を含有してもよい。典型的には、ヘテロアリール環は3以下のヘテロ原子、例えば1、2、または3、更に通常は2以下の窒素、例えば単一の窒素を含有する。ヘテロアリール環における窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合のように塩基性でも、あるいはインドールまたはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性でもよい。一般的に、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は、環のあらゆるアミノ置換基を含んでも、5未満である。
窒素含有ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル(例えば、1,2,3‐トリアゾリル、1,2,4‐トリアゾリル)、テトラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾリルおよびベンゾイソチアゾール、インドリル、3H‐インドリル、イソインドリル、インドリジニル、イソインドリニル、プリニル(例えば、アデニン〔6‐アミノプリン〕、グアニン〔2‐アミノ‐6‐ヒドロキシプリン〕)、インダゾリル、キノリジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジアジニル、ピリドピリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、およびプテリジニルがあるが、それらに限定されない。
芳香環および非芳香環を含有する窒素含有多環式ヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、およびインドリニルがある。
炭素環式アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、およびテトラヒドロナフチル基がある。
非芳香族ヘテロ環式基の例は、3〜12環員、更に通常は5〜10環員を有する基である。このような基は、例えば単環式または二環式であり、典型的には窒素、酸素、およびイオウから通常選択される1〜5のヘテロ原子環員(更に通常は1、2、3、または4のヘテロ原子環員)を有する。ヘテロ環式基は、例えば環状エーテル部分(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサンの場合)、環状チオエーテル部分(例えば、テトラヒドロチオフェン、およびジチアンの場合)、環状アミン部分(例えば、ピロリジンの場合)、環状アミド部分(例えば、ピロリドンの場合)、環状チオアミド、環状チオエステル、環状尿素(例えば、イミダゾリジン‐2‐オンの場合)、環状エステル部分(例えば、ブチロラクトンの場合)、環状スルホン(例えば、スルホランおよびスルホレンの場合)、環状スルホキシド、環状スルホンアミド、およびそれらの組合せ(例えば、チオモルホリン)を含有しうる。
具体例としては、モルホリン、ピペリジン(例えば、1‐ピペリジニル、2‐ピペリジニル、3‐ピペリジニル、および4‐ピペリジニル)、ピペリドン、ピロリジン(例えば、1‐ピロリジニル、2‐ピロリジニル、および3‐ピロリジニル)、ピロリドン、アゼチジン、ピラン(例えば、2H‐ピランまたは4H‐ピラン)、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジオキサン、テトラヒドロピラン(例えば、4‐テトラヒドロピラニル)、イミダゾリン、イミダゾリジノン、オキサゾリン、チアゾリン、2‐ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラゾン、ピペラジン、およびN‐アルキルピペラジン、例えばN‐メチルピペラジンがある。一般的に、好ましい非芳香族ヘテロ環式基としては、ピペリジン、ピロリジン、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、およびN‐アルキルピペラジンのような飽和基がある。
窒素含有非芳香族ヘテロ環式環において、環は少なくとも一つの環窒素原子を含有していなければならない。ヘテロ環式環は、例えば環状アミン部分(例えば、ピロリジンの場合)、環状アミド(例えば、ピロリジノン、ピペリドン、またはカプロラクタムの場合)、環状スルホンアミド(例えば、イソチアゾリジン 1,1‐ジオキシド、〔1,2〕チアジナン 1,1‐ジオキシド、または〔1,2〕チアゼパン 1,1‐ジオキシド)およびそれらの組合せを含有しうる。窒素含有非芳香族ヘテロ環式基の具体例としては、アジリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン(例えば、1‐ピペリジニル、2‐ピペリジニル、3‐ピペリジニル、および4‐ピペリジニル)、ピロリジン(例えば、1‐ピロリジニル、2‐ピロリジニル、および3‐ピロリジニル)、ピロリドン、ジヒドロチアゾール、イミダゾリン、イミダゾリジノン、オキサゾリン、チアゾリン、6H‐1,2,5‐チアジアジン、2‐ピラゾリン、3‐ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラジンおよびN‐アルキルピペラジン、例えばN‐メチルピペラジンがある。
炭素環式基またはヘテロ環式基は、多環式縮合環系または架橋環系、例えばビシクロアルカン、トリシクロアルカンおよびそれらのオキサ‐およびアザアナログ(例えば、アダマンタンおよびオキサ‐アダマンタン)でもよい。縮合および架橋環系の区別の説明に関しては、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pages 131-133,1992参照。
非芳香族炭素環式基の例としては、シクロアルカン基、例えばシクロヘキシルおよびシクロペンチル、シクロアルケニル基、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニル、並びにシクロヘキサジエニル、シクロオクタテトラエン、テトラヒドロナフテニル、およびデカリニルがある。
ヘテロ環式基は各々非置換であるか、または1以上の置換基により置換される。例えば、ヘテロ環式基は非置換であるか、あるいは1、2、3、または4つの置換基により置換される。ヘテロ環式基が単環式または二環式である場合、典型的にはそれは非置換であるか、あるいは一、二、または三つの置換基を有する。
発明の具体的態様
〜Xの定義により包含される環系の例が下記式(a)〜(p)および(r)〜(t)で示される:
Figure 0005497648
Figure 0005497648
〜Xの定義により包含される環系の別な例が下記式(u)〜(v)で示される:
Figure 0005497648
上記のとおり、------ は、単または二重結合を表す。XまたはXがC=Oを表す場合、XおよびXが単結合により繋がることは当業者にとって明らかであろう。一つの態様によれば、XおよびXが二重結合により繋がったものである。
一つの態様において、5員環系内で二つの結合は二重結合である。
一つの態様において、XはCを表す。
一つの態様において、XおよびXはCを表し、XはCHを表し、XおよびXは窒素を表す(即ち、式(a)の環系)。
他の態様において、XおよびXはCを表し、XおよびXはCHを表し、Xは窒素を表す(即ち、式(e)の環系)。
他の態様において、XおよびXはCを表し、XはCHを表し、XおよびXは窒素を表す(即ち、式(f)の環系)。
他の態様において、XおよびXはCを表し、Xは窒素を表し、XはCR(例えば、CH)を表し、XはCR(例えば、C‐Me)を表す(即ち、式(h)の環系の例)。
他の態様において、XおよびXはCを表し、XおよびXはCHを表し、Xは窒素を表す(即ち、式(j)の環系の例)。
他の態様において、XおよびXはCを表し、XはCHを表し、XおよびXは窒素を表す(即ち、式(k)の環系の例)。
他の態様において、XおよびXはCを表し、XはCHを表し、XおよびXは窒素を表す(即ち、式(r)の環系の例)。
他の態様において、X、X、およびXはCを表し、XおよびXは窒素を表す(即ち、式(a)の環系の例)。
他の態様において、X、X、X、およびXがCを表し、Xが窒素を表す(即ち、式(e)の環系の例)。
他の態様において、X、X、およびXはCを表し、XおよびXは窒素を表す(即ち、式(f)の環系の例)。
他の態様において、XおよびXはCを表し、Xは窒素を表し、XはCR(例えば、CH)を表し、そしてXはCR(例えば、C−Me)を表す(即ち、式(h)の環系の例)。
他の態様において、X、X、X、およびXはCを表し、Xは窒素を表す(即ち、式(j)の環系の例)。
他の態様において、X、X、およびXはCを表し、XおよびXは窒素を表す(即ち、式(k)の環系の例)。
他の態様において、X、X、およびXはCを表し、XおよびXは窒素を表す(即ち、式(r)の環系の例)。
一つの態様において、XはCを表す。
一つの態様において、XはNを表す。
一つの態様において、XはCHまたはCRを表す。
一つの態様において、XはCHまたはCRを表す。
一つの態様において、X、X、およびXがCを表し、XおよびXが窒素を表す場合、Rは‐NHCOR以外の基である。
一つの態様において、X、X、X、およびXがCを表し、Xが窒素を表す場合、Rは‐NHCO(CHNRまたは‐NHCONR以外の基を表す。
一つの態様において、Xが窒素を表し、Aがフェニルを表す場合、Rは‐NHCOR以外の基を表す。
一つの態様において、X、X、およびXがCを表し、XおよびXが窒素を表す場合、Rは=O以外の基を表す。
式(Ia)の化合物の一つの態様において、X、X、X、およびXがCを表し、Xが窒素を表す場合、Rは‐NHCORまたは‐NHSO以外の基を表す。
式(Ia)の化合物の一つの態様において、XがCRを表し、Rがヘテロ環式基を表す場合、前記ヘテロ環式基はピラゾール以外である(例えば、場合により置換ピラゾール)。
一つの態様において、X〜Xは式(a)、(e)、(f)、(j)、(k)、または(r)の環系を表す。別の態様において、X〜Xは式(a)、(e)、(f)、(j)、(k)、または(r)の環系を表す。別の態様において、X〜Xは式(a)または(j)の環系を表す。別な態様において、X〜Xは式(j)の環系を表す。
定義Aにより包含される環系の例が下記式A1〜A15において示される:
Figure 0005497648
基A12はイミダゾールの互変異性体、例えばA12aでもよい。
一つの態様において、Aはピラゾリル以外の基である。一つの態様において、Aはイミダゾール以外の基である。
一つの態様において、Aは式A1〜A10およびA12〜A15のいずれかから選択されるものである。別の態様によれば、AはA2、A14、およびA15から選択されるものである。別の態様によれば、AはA2から選択されるものである。
一つの態様において、Aは1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もある基A1である。
一つの態様において、Xが窒素、環Aが炭素原子を介して前記Xに結合するだろうことは明らかであろう。
一つの態様において、Aは5または6員環の芳香族を表す。
一つの態様において、Aは5員環の芳香族を表す。
一つの態様において、Aは非芳香族を表す。
一つの態様において、Aは6員環の芳香族を表す。
一つの態様において、Aはピリジン−3−イルまたはフェニルを表す。
一つの態様において、Aは、ピラジニル以外の基を表す。一つの態様において、Aはピリミジニル以外の基を表す。一つの態様において、Aはピリジニルまたはピリミニジニル以外の基を表す。別の態様において、Aは非置換フェニルを表す。
一つの態様において、Aは、例えば5、6、または7員環を有する、単環式芳香族炭素環式またはヘテロ環式環系を表す。別な態様において、Aは6員炭素環式環を表す。更に別な態様において、Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたフェニル基(即ち、式A1の環系)を表す。一つの態様において、Aは、非置換フェニル、あるいは‐(CH‐CONR(例えば、‐CONH)、‐(CH‐CN(例えば、‐CN)、C1‐6アルキル(例えば、メチル)、‐OR(例えば、メトキシ)基により置換されたフェニルを表す。
一つの態様において、Aは、例えば5、6、または7員環を有する、単環式芳香族炭素環式またはヘテロ環式環系を表す。別な態様において、Aは6員炭素環式環を表す。更に別な態様において、Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換されたフェニル基(即ち、式A1の環系)またはピリジル基(即ち、式A2またはA3の環系)を表す。一つの態様において、Aは非置換フェニル、あるいは‐(CH‐CONR(例えば、‐CONH)、‐(CH‐CN(例えば、‐CN)、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1‐6アルキル(例えば、メチル)、C1‐6アルカノール(例えば、‐CHOH)、または‐OR(例えば、メトキシまたは‐OCH(Me))基により置換されたフェニルを表す。
一つの態様において、Aは、6員環を有する、3位または5位においてRにより置換された単環式芳香族炭素環式またはヘテロ環式環系(例えば、フェニルまたはピリジル)を表す。一つの態様において、Aがフェニルを表す場合、RはXへ結合する位置に対してフェニルの3位に存在する。
一つの態様において、Aは、6員環を有する、5位においてRにより置換された、さらに場合により3位にいて単Rにより場合により置換された単環式芳香族炭素環式またはヘテロ環式環系(例えば、フェニルまたはピリジル)を表す。
一つの態様において、Aは、非置換フェニルを表す。
一つの態様において、Rは、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐(CH‐CONR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NH‐CO‐(CH‐CSOR、‐NHSO、‐NHSONR、‐NHCSNR、‐NHCSR、‐NHCSSR、‐NHC(=NR)NR、‐NHC(=NR)R、‐NH‐C(=NH)‐NH‐CO‐R、‐NHCSOR、または‐NHCOSRを表す。
一つの態様において、Rは、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐(CH‐CONR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NH‐CO‐(CH‐CSOR、‐NHSONR、‐NHCSNR、‐NHCSR、‐NHCSSR、‐NHC(=NR)NR、‐NHC(=NR)R、‐NH‐C(=NH)‐NH‐CO‐R、‐NHCSOR、または‐NHCOSRを表す。
一つの態様において、Rは、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NHSO、または‐NHCSNRを表す。
一つの態様において、Rは、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NHSONR、‐NH‐(CH‐CONR、‐NH‐(CH‐COOR、‐NH‐CH‐アリール、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NHSO、または‐NHCSNRを表す。
一つの態様において、Rは‐NHCONRを表す。別の態様において、Rは、水素またはC1‐6アルキル(例えば、メチル)を表し、Rは水素、C1‐6アルキル(例えば、メチル、エチル、またはブチル)、‐(CH‐NR(例えば、‐(CHNHまたは‐(CHNH)、‐(CH‐アリール(例えば、場合によりハロゲン原子、例えばフッ素原子により置換されたベンジル)またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐CF)を表す。
一つの態様において、Rは‐NHCONRを表す。別の態様において、Rは水素またはC1‐6アルキル(例えば、メチル)またはハロC1‐6アルキルを表す。別の態様において、Rは、C1‐6アルキル(例えば、メチル)またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐(CH‐F、‐CH‐CH‐F、‐CH(Me)‐CF、または‐CH‐CF)を表す。更に別の態様によれば、Rは、またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐CF)を表す。
一つの態様において、Rは‐NHCONRを表す。別の態様において、Rは水素またはC1‐6アルキル(例えば、メチル)を表し、Rは水素、C1‐6アルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、‐CH(Me)、‐CHCH(Me)または‐C(Me))、1以上のR基により置換されたC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐C(Me)‐CH‐NH、‐CH‐CH(Me)‐OMe、または‐CH‐C(F)‐CHNH)、C1‐6アルカノール(例えば、‐CH‐CH(OH)‐CHOH)、‐(CH‐NR(例えば、‐(CHNHCOOt‐Bu、‐(CHNH、または‐(CHNH)、‐(CH‐アリール(例えば、場合によりハロゲン原子、例えばフッ素原子により置換されたベンジル)、‐(CH‐ヘテロ環式(例えば‐CH‐ジオキサオラニル(場合により1以上のC1‐6アルキル(例えば、メチル)基により置換される)、‐CH‐テトラヒドロフラニル、または‐CH‐ピペリジニル)またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐(CH‐F、‐CH‐CH‐F、‐CH(Me)‐CF、または‐CH‐CF)を表す。
一つの態様において、Aがフェニルを表し、Rが‐NHCONRを表す場合、RおよびRはフェニル以外の基を表す。
他の態様において、Aがフェニルを表し、Rが‐NHCONRを表し、RがハロC1‐6アルキルを表し、Rがハロゲンを表す。
一つの態様において、Rは‐NHCOORを表す。別の態様において、RはC1‐6アルキル(例えば、メチル)またはハロC1‐6アルキルを表す。別の態様において、RはC1‐6アルキル(例えば、メチル)またはハロC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐CF)を表す。更に別の態様において、RはC1‐6アルキル(例えば、メチル)を表す。
一つの態様において、Rは‐NH‐CO‐(CH‐NRを表す。別の態様において、nは1を表し、RおよびRは双方とも水素を表す。
一つの態様において、Rは‐NH‐CO‐(CH‐COORを表す。別の態様において、nは2を表し、Rは水素を表す。
一つの態様において、Rは‐NHSOを表す。別の態様において、RはC1‐6アルキル(例えば、メチル)または‐(CH‐NR(例えば、NHまたはNMe)を表す。
一つの態様において、Rは‐NHCSNRを表す。別の態様において、RおよびRの一方は水素を表し、他はC1‐6アルキル(例えば、エチル)を表す。
一つの態様において、Rは‐NHCORを表す。別の態様において、RはC1‐6アルキル(例えば、メチル、エチル、またはプロピル)またはC1‐6アルカノール(例えば、‐CHOH)を表す。
別の態様において、Rは‐NHCONR(例えば、‐NHCONHEtまたは‐NHCONHCHCF)または‐NHCSNR(例えば、‐NHCSNHEt)を表す。更に、別の態様において、Rは‐NHCONR(例えば、‐NHCONHEtまたは‐NHCONHCHCF)を表す。更に別の態様において、Rは‐NHCONHCHCFを表す。
一つの態様において、Rは‐NHSONRを表す。別の態様において、Rは水素を表し、RはハロC1‐6アルキル(例えば、‐CH‐CF)を表す。
一つの態様において、Rは‐NH‐(CH‐CONRを表す。別の態様において、nは1を表し、Rは水素を表し、Rは水素またはC1‐6アルキル(例えば、メチル)を表す。
一つの態様において、Rは‐NH‐(CH‐CONRを表す。別の態様において、nは1を表し、Rは水素を表す。
がヘテロ環式基を表す場合、一つの態様においてヘテロ環式基はピラゾリル(例えば、場合により置換されたピラゾリル)以外である。
一つの態様において、Rが水素を表す。
一つの態様において、RがC1‐6アルコキシ(例えば、非置換C1‐6アルコキシ)を表す。
一つの態様において、RがCH、窒素、またはC=Oを表す。
一つの態様において、Rが‐CONRを表す。
一つの態様において、RおよびRがともにハロゲンまたはC1−6アルキル(例えば、メチル)を表す。
別の態様において、RおよびRの一方が水素を表し、他方が、場合により‐OR基(例えば、‐(CH‐O‐Me)、またはR基(例えば、メチル)により場合に置換されていてもよい‐Z‐ヘテロ環式基(例えば、イミダゾリル)により置換される場合もあるC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、またはプロピル)、
3‐6シクロアルキル(例えば、シクロブチル)、または
基(例えば、メチル)により場合に置換されていてもよいヘテロ環式(例えば、チオフェニル、チアゾリル、またはイミダゾリル)を表す。
更に別の態様において、RおよびRの一方が水素を表し、他方がC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、またはイソプロピル)(場合により‐OR基(例えば、‐(CH‐O‐Me)により置換される場合もある)、C3‐6シクロアルキル(例えば、シクロブチル)、またはヘテロ環式(例えば、チオフェニル)を表す。別の態様によれば、RおよびRの一方が水素を表し、他方が場合により‐OR基(例えば、‐C(H)(Me)CH‐OH)により置換されてもよいC1−6アルキル(例えば、イソプロピル)を表す。
別の態様において、RおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もある。
別の態様において、RおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もある。
別の態様において、RおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環(例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピラゾリル)を形成し、1以上(例えば、1、2、または3)のR基(例えば、‐OR(例えば、‐OH)、ハロゲン(例えば、フッ素)、Y‐アリール(例えば、フェニル)、または‐(CH‐NR基(例えば、‐NH))によって場合により置換される場合もある。
別の態様において、RおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合によりR基で置換されてもよい窒素を含む4員または5員のヘテロ環式環を形成する。
更に別の態様において、RおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環(例えば、アゼチジニル、ピロリジニル)を形成し、1以上(例えば、1、2、または3)のR基(例えば、‐OR(例えば、‐OH)、ハロゲン(例えば、フッ素)、Y‐アリール(例えば、フェニル))によって場合により置換される場合もある。更に別の態様において、RおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含む、‐Y‐アリール(例えば、フェニル)基により置換されていてもよいヘテロ環式環(例えば、アゼチジニル)を形成する。
一つの態様において、Rは‐COOR基(例えば、‐COOH)を表す。
一つの態様において、Rは水素を表す。
一つの態様において、Rは‐COR基(例えば、‐CO‐メチル)を表す。
一つの態様において、Rは、C1‐6アルキル(例えば、メチル、エチル、またはイソプロピル)またはC3‐8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチル)を表す。
一つの態様において、Rは、C1‐6アルキル(例えば、メチル、エチル、またはイソプロピル)を表す。別の態様において、Rは、C1‐6アルキル(例えば、メチル)を表す。
一つの態様において、Rは、C3‐8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチル)を表す。
一つの態様において、Rは、R基または‐Y‐炭素環式もしくは‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もある。
一つの態様において、Yは結合または‐O‐(CH‐(例えば、‐O‐CH‐)を表す。
一つの態様において、YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH‐、‐COO‐、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表す。
一つの態様において、YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐、‐O‐(CH‐、または‐NH‐(CH‐を表す。
一つの態様において、YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐、‐O‐(CH‐、または‐NH‐(CH‐を表す。
一つの態様において、Yは結合を表す。
一つの態様において、Zは結合を表す。
一つの態様において、Zは、結合、CO、‐(CH‐(例えば、‐CH、‐(CH、‐(CH)、または‐O‐を表す。別の態様において、Zは(CH‐(例えば、‐CH)を表す。
一つの態様において、Zは、結合、CO、‐(CH‐(例えば、‐CH、‐(CH、または‐(CH)、‐NH‐(CH‐、または‐O‐を表す。別の態様において、Zは(CH‐(例えば、‐CH)を表す。
一つの態様において、Zは、結合、CO、‐(CH‐(例えば、‐CH、‐(CH、または‐(CH)、‐NH‐(CH‐(例えば、‐NH)、または‐O‐を表す。別の態様において、Zは(CH‐(例えば、‐CH)を表す。
一つの態様において、Zは、結合、CO、‐(CH‐(例えば、‐CH、‐(CH、または‐(CH)、または‐O‐を表す。
一つの態様において、式(I)の化合物は式(Ic)または(Id)の化合物:
Figure 0005497648
[上記式中、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR基によって場合により置換される場合もある、芳香族炭素環式またはヘテロ環式基を表し、
は、‐NHCONR、‐NHCOOR、‐NH‐CO‐(CH‐NR、‐NH‐CO‐(CH‐COOR、‐NH‐CO‐(CH‐CSOR、‐NHSO、‐NHSONR、または‐NHCORを表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐NR、‐(CH‐COOR、‐(CH‐O‐(CH‐OH、‐(CH‐アリール、‐(CH‐O‐アリール、‐(CH‐ヘテロ環式、または‐(CH‐O‐ヘテロ環式を表し、ここで該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、
は、‐CONRまたは‐COOR基を表し、
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環式基、またはRおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、該C1‐6アルキル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
は、R基または‐Y‐アリールもしくは‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該アリールおよびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR基により置換される場合もあり、
YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH‐、‐COO‐、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表し、
アリールは炭素環式環を表し、
ヘテロ環式はヘテロ環式環を表す〕
あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物または誘導体である。
式(Ic)および(Id)の化合物の一つの態様において、YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH‐、‐COO‐、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表す。
一つの態様において、式(I)の化合物は実施例1〜22および23A〜25Aから選択されるものである。別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜17および23A〜25Aから選択されるものである。さらに別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜22から選択されるものである。さらに別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜17から選択されるものである。さらに別の態様において、式(I)の化合物は実施例1〜16から選択されるものである。さらに別の態様において、式(I)の化合物は実施例3および15から選択されるものである。
本明細書において、式(I)の言及は、内容がそれ以外を示していない限り、式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)並びに式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)のサブ群、例、または態様を含む。
そのため例えば、特に治療使用、医薬処方剤および化合物を製造するための工程への言及は、それらが式(I)に関する場合、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)並びに式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)のサブ群、例、または態様にも関するとみなすべきである。
同様に、好ましさ、態様、および例が式(I)の化合物に関して示されている場合、内容がそれ以外を要していない限り、それらは式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)並びに式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)のサブ群、例、または態様にも該当する。
式(I)の化合物の製造方法
このセクションでは、この出願の他の全セクションの場合のように、内容がそれ以外を示していない限り、式(I)への言及には、本願明細書で定義されているようなそのすべての他のサブ群および例も含む。
式(I)の化合物は、当業者に周知の合成法に従い製造しうる。特に、式(I)の化合物は、芳香族クロロ、ブロモ、ヨード、またはプソイドハロゲン、例えばトリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)またはトシレート化合物と、芳香族ボロン酸またはスタネート誘導体とのパラジウム媒介カップリング化学により、容易に製造される。特に、鈴木カップリング化学がこれら化合物の合成に広く適用しうる。鈴木反応は、パラジウム触媒、例えばビス(トリ‐t‐ブチルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、またはパラダサイクル触媒(例えば、Bedford,R.B.and Cazin,C.S.J.(2001)Chem.Commun.,1540-1541において記載されたパラダサイクル触媒)、および以下で更に詳細に記載されているような塩基(例えば、炭酸カリウムのような炭酸塩)の存在下において、典型的条件下において行われる。反応は極性溶媒、例えば水性エタノールを含めた水性溶媒系、またはジメトキシエタンまたはジオキサンのようなエーテル中で行われ、反応混合物は典型的には加熱、例えば80℃以上の温度、例えば100℃超の温度に付される。
製造セクションでは、RおよびR'への言及はRおよびR、またはそれらの保護形態において定義されているような基を示すために用いられる。
スキーム1Aにおいて示されているように、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンコアは、以下に概説されている市販出発物質から合成され、3,7‐二置換環を得る。
Figure 0005497648
スキーム1A
適切な溶媒および塩基中2−アミノ−イソニコチン酸メチルエステルは、イミダゾピリジン環を得るために、クロロアセトアルデヒドと還流下で環化される。
式(I)の化合物のR基の合成のために、カルボキシルエステルが加水分解され、加水分解に際しては、例えば、塩基水溶液のような標準エステル加水分解条件および加熱が用いられる。カルボン酸またはその活性誘導体は、その後、適切なアミンと反応し、アミドを形成する(スキーム1A)。
カルボン酸とアミンとのカップリング反応は、好ましくは、ペプチド結合の形成で常用される種類の試薬の存在下において行われる。このような試薬の例としては、1,3‐ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(Sheehan et al.(1955)J.Amer.Chem.Soc.,77,1067)、1‐エチル‐3‐(3′‐ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDCまたはEDACとして、本願明細書で言及されているが、EDCIおよびWSCDIとしても知られている)(Sheehan et al.(1961)J.Org.Chem.,26,2525)、ウロニウムベースカップリング剤、例えばO‐(7‐アザベンゾトリアゾール‐1‐イル)‐N,N,N′,N′‐テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)またはO‐(ベンゾトリアゾール−1‐イル)‐N,N,N′,N′‐テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)およびホスホニウムベースカップリング剤、例えば1‐ベンゾ‐トリアゾリルオキシトリス‐(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(Castro et al.(1990)Tetrahedron Letters,31,205)が含まれる。カルボジイミドベースカップリング剤は、有利には1‐ヒドロキシアザベンゾトリアゾール(HOAt)(L. A. Carpino, J. Amer. Chem. Soc, 1993, 115, 4397)または1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(Konig et al,Chem.Ber.,103,708,2024-2034)と組み合わせて用いられる。好ましいカップリング剤としては、HOAtまたはHOBtと組み合わせたTBTU、EDC(EDAC)、およびDCCが含まれる。
カップリング反応は、典型的には、非水性、非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、またはN‐メチルピロリドン中において、あるいは場合により1種以上の混和性共溶媒と一緒に水性溶媒中で行われる。反応は室温において、あるいは反応物が低反応性(例えば、スルホンアミド基のような電子求引基をもつ電子不足アニリン類の場合)であれば適度な高温で行われる。反応は非干渉性塩基、例えばトリエチルアミンまたはN,N‐ジイソプロピルエチルアミンのような三級アミンの存在下において行ってもよい。
別法として、カルボン酸の反応性誘導体、例えば無水物または酸クロリドも用いてよい。無水物のような反応性誘導体との反応は、典型的には、ピリジン等の塩基の存在下、室温において、アミンおよび無水物を攪拌することにより行われる。
これら反応のために用いられるアミンは市販されているか、あるいは当業者に周知の多数の標準合成法のいずれかにより得られる:例えば、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,1992およびOrganic Syntheses,Volumes 1-8,John Wiley,edited by Jeremiah P.Freeman(ISBN:0-471-31192-8),1995参照、更に以下の実験セクションにおいて記載された方法も参照。アミンは、標準条件下において対応ニトロ化合物の還元により製造される。還元は、室温で、エタノールまたはジメチルホルムアミドのような極性溶媒中、例えばパラジウム炭のような触媒の存在下で接触水素添加により行われる。他方、還元は、還元剤、例えばエタノール中の塩化スズ(II)(典型的には加熱、例えば、溶媒の還流温度まで)を用いてなされる。
イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐誘導体、例えば、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボン酸メチルエステルまたはアミドは、適切な溶媒中で、その後、ヨウ素化され、例えば、室温においてN−ヨードスクシンイミドが用いられる。
適切な官能基が次いで、例えばある範囲の金属触媒反応を用いて、ハロゲン化位置に加えられる。特に、適切に官能基化されたボロン酸またはそれらのボロン酸エステルはアリールハライドと反応させうる。鈴木反応として通常知られるこの変換は、Rossi et al.(2004)Synthesis,15,2419で概説されていた。
鈴木反応は、水および有機溶媒の混合物中でよく行われる。適切な有機溶媒の例としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4‐ジオキサン、1,2‐ジメトキシエタン、アセトニトリル、N‐メチルピロリジノン、エタノール、メタノールおよびジメチルホルムアミドがある。反応混合物は典型的には加熱、例えば100℃超の温度に付される。反応は塩基の存在下において行われる。適切な塩基の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムおよびリン酸カリウムがある。適切な触媒の例としては、ビス(トリ‐t‐ブチルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、〔1,1′‐(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕ジクロロパラジウム(II)、ジクロロビス(トリ‐o‐トリルホスフィン)パラジウム(II)、2′‐(ジメチルアミノ)‐2‐ビフェニリル‐パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体および2‐(ジメチルアミノ)フェロセン‐1‐イル‐パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体がある。一部の場合には、追加リガンドがカップリング反応を促進するために加えられる。適切なリガンドの例としては、トリ‐t‐ブチルホスフィン、2,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1‐ビナフチル、トリフェニルホスフィン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,1′‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリシクロヘキシルホスフィン、9,9‐ジメチル‐4,5‐ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、1,3‐ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2‐(ジ‐t‐ブチルホスフィノ)ビフェニル、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′‐(n,n‐ジメチルアミノ)ビフェニル、トリ‐o‐トリルホスフィン、2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′,4′,6′‐トリイソプロピルビフェニル、トリ(2‐フリル)ホスフィン、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2′,6′‐ジメトキシビフェニルおよび2‐ジ‐tert‐ブチルホスフィノ‐2′,4′,6′‐トリイソプロピルビフェニルがある。
ハライドの可能な金属触媒官能基化の他の例は、有機スズ試薬(Stille反応)、Grignard試薬との反応、および窒素求核剤との反応である。これら変換の一般概観および別な主要なリファレンスは、‘Palladium Reagents and Catalysts’〔Jiro Tsuji,Wiley,ISBN 0-470-85032-9〕およびHandbook of OrganoPalladium Chemistry for Organic Synthesis〔Volume 1,Edited by Ei-ichi Negishi,Wiley,ISBN 0-471-31506-0〕に掲載されている。
特に、利用しうる一つの反応は、アリールアミンのパラジウム触媒合成のための手段を提供するBuchwald-Hartwig型反応(Review:Hartwig,J.F.(1998)Angew.Chem.Int.Ed.,37,2046-2067参照)である。出発物質は、ナトリウムtert‐ブトキシドのような強塩基およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd(dba))のようなパラジウム触媒または2,2′‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1′‐ビナフチル(BINAP)の存在下における、アリールハライドまたはプソイドハライド(例えば、トリフレート)および一級または二級アミンである。
特に式(II)の化合物の合成の場合、アリールハライドは、尿素、アミド、および二級アミン結合形成向けアミノ前駆体を形成するために、適切な金属触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)クロリドを用いて、3‐アミノベンゼンボロン酸と反応させる。
スキーム1Aで概述された反応のこの順序は、スキーム1Bまたは1Cで概述されているように変更できる。
Figure 0005497648
スキーム1B
スキーム1Bにおいて、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸メチルエステルは、まずヨウ素化され、そしてアミド基Rへメチルエステルの変換の前に金属触媒カップリング反応が行われる。
Figure 0005497648
スキーム1C
スキーム1Cにおいて、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−アミドは、直接4−アミド‐ピリジン‐2−イルアミンから直接合成され、その後、ヨウ素化され、金属触媒カップリング反応に用いられる。この反応スキームは特に、RがCONHである化合物の合成に適する。
一方、適切な溶媒および塩基中4‐クロロピリジン‐2‐イルアミンまたは4‐ブロモピリジン‐2‐イルアミンは、7−ハロ−イミダゾピリジン環を得るために、クロロアセトアルデヒドと還流下で環化される(スキーム2に示される)。その後、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジンの7位におけるハロゲン官能基はスキーム2に概説された二つのルートのいずれかによりアミドへ変換することができる。
Figure 0005497648
スキーム2
ハライドは還流でN−メチルピロリドンにおけるCuCN(例えば Funhoff, DJ. H et al, Angew. Chem. Int. Ed. 1986, 25(8), 724に記載されている)またはDMFにおけるCuCNを用いて、ニトリルへ変換され、その後、カリウム水酸化物などのアルカリ金属水酸化物と加水分解され、酸および/またはアミドが得られる。ここで、酸およびアミドの混合物が形成される一方、クロマトグラフィーのような一般的な方法により分離されてもよい。酸はその後、上記したような典型的なアミドのカップリング条件下で、その処方のアミドとカップリングし、式(I)の化合物を生成してもよい。
一方、ハライドはn−ブチルリチウムまたはマグネシウムを用いて酸へ変換することができ、次いでCOなどのカルボニル化剤と中間体とを反応させることにより、式(I)の化合物として用いるための、またはアミドまたはエステルへ変換するためのカルボン酸が生成される。アミドは、n−ブチルリチウムとのトランスメタル化反応により、次いで適切なイソシアネートにより急冷されるか(Pansegran, P.D. et a/, JACS, 1988, 110, 7178)、または一酸化炭素とカルボニル化し、次いでキシレン等の溶媒中、加熱(例えば、150℃まで)した適切なアミンおよび触媒[P,P’−1,3−ビス(ジ−i−プロピルホスフィノ)プロパン] [P−1,3−ビス(ジ−イソ−プロピルホスフィノ)プロパン]パラジウム(0)の存在下のいずれによってもハライドから直接入手できる (例えば、Ben-David, Y. et al, JACS, 1989, 111(23), 8742に記載されている)。
加えて、ハライドは一酸化炭素およびパラジウム触媒を用いて、アルデヒドへ変換でき、アルデヒドはその後、過マンガン酸塩またはクロム酸等の酸化剤を用いてカルボン酸へ酸化され、そしてこれまでに記載されているまたはエステルへエステル化されるような標準的なカップリング条件を用いて、アミドへの変換を引き起こす。ハライドは、一酸化炭素、パラジウム触媒、および適切なアルコールを用いてエステルへ直接変換することもできる。これは、その後式(I)の化合物または酸へ加水分解されたもの、または酸へ加水分解されたものおよびアミドへ変換されたもの、またはアミドへ直接変換されたものであってもよい。
ハライドは、またトリメチルシリルジメチルアミドを用いて、ビス(トリ−ブチルホスフィン)パラジウムと反応させ、およびCunico, R.F., Organic Letters, 2002, 4 (24), 4357に記載されているように100℃まで加熱することにより、ジメチルアミドへ直接変換されてもよい。
芳香族ブロミドから芳香族アルデヒドへの他の変換は、Stilleカルボニル合成 (Stille, JACS, 1983, 105, 7175)またはEinchorn, J, Tetrahedron Lett., 1983, 27, 1791に記載されたBodroux-Chichibabinアルデヒド合成により行われてもよい。アルデヒドは、その後、酸へ酸化されてもよく、上記のようにアミドへ変換されてもよい。
多官能性の2−アミノ−5−ブロモピリジンまたは芳香族ブロミドはGrignard型処方を経由し、DMFで急冷することによりアルデヒドへ変換されてもよく(Misra, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14(11), 2973)、またはそれらはアルコールの存在下で標準パラジウムカルボニル化を経由してエチルエステルへ変換されてもよい(Cheung, M. Heterocycles, 2001 , 55, 1583)。
一方、4−メチル−ピリジン−2−イルアミンは環化反応に用いて、7−メチル−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン環を得ることができ、これは一方で市販されている。メチルはその後、Etard反応によりアルデヒドへ、または過マンガン酸塩のような酸化剤を用いてカルボン酸へ酸化される。Etard反応は、塩化クロミルを用いるアルデヒドへの、芳香族またはヘテロ環式結合エチル基の直接の酸化を含む。
一方、市販のエチルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7‐カルボキシレートは、アミド変換またはヨウ素化反応および金属触媒反応の観点から用いることができる。
がCORであるケトンは、N,O−ジメチルヒドロキサム酸(ワインレブアミド)またはN−メチル、O−t−ブチルヒドロキサム酸(ワインレブ型アミド)中間体を経由して対応するカルボン酸から合成でき、次いで適切なグリニャール反応がなされる(Labeeuw, O. et al Tetrahedron Lett 2004, 45 (38), 7107-7110.)。対応ワインレブアミドへの誘導体化は、L. De Luca, G. Giacomelli, M. Taddei, J. Org. Chem., 2001 , 66, 2534-2537において記載されたN,O−ジメチルヒドロキシルアミンを使用する。標準芳香ワインレブアミドのメチルケトンへの変換は、Murphy, J. A. et al Org Lett 2005, 7 (7), 1427-1429において報告されているようなテトラヒドロフランなどの溶媒中でメチレン−トリフェニル−ラムダ**−ホスファンが必要とされる。
一方、ケトンはハロ芳香族またはハロヘテロ芳香族とカップリングするvinylethertin(Stille型)を用いてクロリドから製造することができる。例えば、アセチルケトンは、Mo, J. Angew Chem, lnt Ed, 2006, 45(25), 4152.に報告されているように、Heck型反応を介して、またはアセトニトリル等の溶媒中で、トリブチル−(1−エトキシ−ビニル)−スタンナン、塩化リチウム、およびテトラキス(テトラキスリン酸)−パラジウム(O)を加熱することにより製造することができる。
がCORである化合物は、例えばクロスカップリング反応により製造することもでき、例えば、パラジウムで媒介された(Tetrahedron Lett., 1997, 38 (11), 1927-1930)反応または銅で媒介された(Org. Lett., 2003, 5 (8), 1229-1231)反応は、適切な7−クロロイミダゾピリジニル化合物で、適切な酸塩化物を用いて行われる。
また、化合物の製造には他のルートによっても達成される。7−クロロイミダゾピリジニル化合物は、標準的な化学的性質を利用してトリブチルスタンナン誘導体に変換できる。中間体は、Carato et al (Synth. Commun., 2004, 34 (14), 2601- 2609)に記載されているようなPdCl(PPhを用いて適切な酸塩化物と共役させることができる。
所望のカップリング酸塩化物パートナーは市販されているか、または標準的な化学的性質を利用して、市販されている酸から合成できる。
Figure 0005497648
スキーム3
様々な式(I)の化合物は、鈴木反応およびそれに続く誘導体化において3‐アミノベンゼンボロン酸の利用により入手できる。特に、スキーム3に概説されているように、導入されたアミン官能基は、例えば、スルホニル尿素、スルホンアミド、尿素、アミド、二級アミン、およびカルバメートを合成するために用いることができる。
アミド結合は、本願明細書で記載されているような標準アミド形成条件下において、カルボン酸またはその反応性誘導体とアミンとの反応により製造される。
尿素類も、標準法を用いて製造しうる。例えば、このような化合物はDMFのような極性溶媒中でアミノ化合物を適切な置換イソシアネートと反応させることにより製造される。反応は便宜上室温において行われる。
一方、式(I)の尿素類はカルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下においてアミンを適切な置換アミンと反応させることにより製造される。反応は、典型的には、約150℃までの温度へ(例えば、マイクロ波ヒーターを用いて)加熱しながら、THFのような極性溶媒中で行われる。CDIを用いる代わりに、尿素を形成するアミン2種のカップリングは、室温以下で、ジクロロメタンのような溶媒中、トリエチルアミンのような非干渉性塩基の存在下においてトリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)を用いて行える。CDIに代わる別法として、ホスゲンもトリホスゲンの代わりに用いられる。
加えて、アミドまたは尿素化合物は、鈴木反応により適切な置換ボロン酸、例えば1‐メチル‐3‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)フェニル〕尿素または3‐メトキシ‐5‐ニトロフェニルボロン酸ピナコールエステルの使用により合成される。これらは本願明細書で記載されているように合成される。
カルバメートを含有する式(I)の化合物は、カルバメートの合成のための標準方法を用いて、例えば当業者に周知の条件下でアミノ化合物と、式R‐O‐C(O)‐Clのクロロホルメート誘導体との反応により製造される。
スルホンアミドを含有する式(I)の化合物は、スルホンアミドの形成のための標準方法によりアミノ化合物から製造される。例えば、アミン化合物が式RSOClのスルホニルクロリドまたは式(RSOOの無水物と反応させられる。反応は、典型的には、三級アミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、またはピリジン)のような非干渉性塩基の存在下、アセトニトリルまたは塩素化炭化水素(例えば、ジクロロメタン)のような非プロトン性溶媒中で行われる。一方、塩基が液体、例えばピリジンである場合、塩基自体が反応用の溶媒として用いうる。
スルホニル尿素は、THFなどの適切な非プロトン性溶媒中で、塩基、例えばトリエチルアミン、および適切な置換スルファモイルクロリドとの反応により、アミン化合物から製造される。
チオ尿素、チオアミド、チオカルバメート、例えばO‐置換チオカルバメートまたはS‐置換チオカルバメート、ジチオカルバメート、アミジン、およびグアニジン類のような、Rの他の例を含む式(I)の他の化合物は、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,1992において記載されているように、ある範囲の周知官能基変換を用いて、アミン中間体から合成しうる。
他方、一級アミンは、標準条件下で対応ニトロ化合物の還元により製造できる。還元は、例えば、室温においてエタノールまたはジメチルホルムアミドなどの極性溶媒の炭素上で、パラジウムなどの触媒の存在下において、接触水素化により生じてもよい。
これら反応のために適した出発物質および試薬は市販されているか、あるいは当業者に周知の多数の標準合成法のいずれかにより得られる:例えば、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,1992およびOrganic Syntheses,Volumes 1-8,John Wiley,edited by Jeremiah P.Freeman(ISBN:0-471-31192-8),1995参照、更に以下の実験セクションにおいて記載された方法も参照。例えば、ある範囲の適切な官能基化アニリンおよびアミノピリジン出発物質と金属触媒は市販されている。
本発明の化合物を製造する上で使用に適した多くのボロネート類、例えばボロン酸類またはエステルまたはトリフルオロボレート類は、例えばBoron Molecular Limited, Noble Park,AustraliaまたはCombi-Blocks Inc.,San Diego,USAから市販されている。適切な置換ボロネートが市販されていない場合、それらは当業界で知られた方法により、例えばMiyaura,N.and Suzuki,A.(1995)Chem.Rev.,95,2457による総説論文において記載されているように製造される。そのため、ボロネート類は、対応ブロモ化合物をブチルリチウムのようなアルキルリチウムと反応させ、次いでボレートエステル、例えば(PrO)Bと反応させることにより製造される。反応は、典型的には、テトラヒドロフランのような乾燥極性溶媒中低温(例えば、−78℃)で行われる。ボロネートエステル(例えば、ピナコラトボロネート)も、トリシクロヘキシルホスフィンなどのホスフィンおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などのパラジウム(0)試薬の存在下において、ビス(ピナコラト)ジボロンなどのジボロネートエステルとの反応により、ブロモ化合物から製造される。ボロネートエステルの形成は、典型的には、約100℃まで、例えば約80℃の温度へ加熱しながら、ジオキサンまたはDMSOのような乾燥極性非プロトン性溶媒中において行われる。得られたボロネートエステル誘導体は、所望であれば、対応ボロン酸を得るために加水分解されるか、またはトリフルオロボレートへ変換される。
上記反応のすべてが式(I)の別のヘテロ環式テンプレートを官能基化するために用いられ、その合成が以下で概述されている。
一端合成されると、様々な官能基変換が置換イミダゾピリジン化合物に用いられ、式(I)の別な化合物が製造される。例えば、次の反応の幾つかは、水素化、加水分解、脱保護、および酸化に用いられ、式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換できる。
ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリミジン類
ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリミジンテンプレートは、スキーム5Aで示されているように適切な置換アミノピラゾール(VI)およびフラグメント(VII)から合成され、ここで、Rは水素またはRである。これは一工程または二工程で行え、ここでXおよびXは親電子炭素(即ち、カルボニル、マスクドカルボニル、即ちアセタール、エナミン、共役アルケン、またはアルキン)である(Perkin I,J.C.S.(1979),3085-3094)。Xは、適切な置換基、基Rあるいは本願明細書で記載されているように反応によりRを導入しうるハロゲンまたはプソイドハロゲンなどの基である。適切な置換遊離またはマスクド1,3‐ジカルボニル誘導体とのピラゾール(VI)の環化は、置換ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリミジン類を製造するために用いられる。環化は典型的にはアルコール溶媒、トルエン、または酢酸中において行え、ピペリジン、ナトリウムエトキシド、HCl、AcOH、pTsOH、またはZnClのような添加物を存在させてもよい(J.Med.Chem.(2001),44(3),350-361、Bull.Korean Chem.Soc.(2002),23(4),610-612、Australian Journal of Chemistry(1985),38(1),221-30)。
Figure 0005497648
スキーム5A
二置換ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリミジン類の製造のための具体的合成スキームがスキーム5Bにおいて概述されている。ピラゾロピリミジン環は、フラグメントVIIとして置換マロンアルデヒドとアミノピラゾールとの反応により形成される。置換マロンアルデヒドは、例えば2‐(4‐フルオロフェニル)マロンアルデヒドの場合は望ましい環状官能基で、または2‐ブロモマロンアルデヒドの場合は潜在官能基、例えばハロゲンで置換され、こうして本願明細書で概述されている反応を用いて以下で示されたスキームのようにこの位置で別の誘導化を行える。
Figure 0005497648
スキーム5B
環化反応において、溶媒中マロンアルデヒドは3‐アミノピラゾールに続いて酸、例えば氷酢酸へ加えられる。試薬は次いで還流下において加熱しながら環化される。式(I)の化合物が次いで本願明細書で概述されているハロゲン化および金属触媒反応を用いて合成される。
式(VI)および(VII)の化合物は公知の化合物であるか、あるいは公知の方法と同様に製造される。式(VI)の多くのピラゾール類は市販されている。一方、それらは公知の方法から、例えばEP308020(Merck)において記載された工程でケトンから、またはSchmidt in Helv.Chim.Acta.(1956),39,986-991およびHelv.Chim.Acta.(1958),41,1052-1060において記載された方法により、あるいは当業者に知られた標準方法により、Rが、水素、ハロゲン、ニトロ、エステル、またはアミドである式(VI)のピラゾール類または式(I)の化合物から望ましいR官能基への変換により得られる。例えば、Rが、ハロゲンである場合、スズまたはパラジウム化学でのカップリング反応は本願明細書で記載されているように行われる。
一方、ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリミジン‐6‐カルボン酸またはアルデヒドは市販されており、二置換ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリミジンを合成するために本願明細書で概述されている反応に使用できる。
ピラゾロ〔1,5‐a〕ピラジン類
Figure 0005497648
スキーム6
室温においてパラジウム触媒、例えばPd(PPhを用いて、エチニル‐トリメチル‐シランとの、適切な溶媒および塩基、例えばDMF/EtN中不活性条件下における2‐ブロモ‐5‐ヨードピラジンおよびヨウ化銅(I)の混合物の反応は、2‐ブロモ‐5‐トリメチルシラニルエチニル‐ピラジンを生じる。この物質は更なる精製なしに用いられ、O‐(メシチレンスルホニル)ヒドロキシルアミンを用いて6‐ブロモ‐2‐トリメチルシラニル‐ピラゾロ〔1,5‐a〕ピラジンを形成させてN‐アミノ付加物を生じるように反応させる。これは次いで、ピラゾロピラジンコアを形成するために、塩基、例えばKCOと反応させることにより環化される(スキーム6)。
適切な基は次いで、本願明細書で概述されている金属触媒反応においてハロゲン化および潜在官能基の反応、他の位置のアミドの変換により導入される。
ピラゾロ〔1,5‐a〕ピリジン類
O‐(メシチレンスルホニル)ヒドロキシルアミンが次いで不活性条件下において3‐置換ピリジンと反応させられて、N‐アミノピリジンを形成するが、これは更なる精製なしに用いられる。不活性雰囲気中で塩基(KCO)および2‐ベンゼンスルホニル‐3‐ジメチルアミノアクリル酸メチルエステルを用いるN‐付加物の環化は、3‐カルボン酸エステルピラゾロ〔1,5‐a〕ピリジンを生じる。カルボン酸エステルは、例えば酸を形成するために水酸化ナトリウムを用いるケン化、次いでポリリン酸中で脱炭酸により除去される。ブロミドは、その後、本願明細書で概述されている方法を用いて所望R基へ変換される。
Figure 0005497648
スキーム7
N‐ヨードスクシンイミドでのヨウ素化およびアリールハライドの金属触媒反応は、本願明細書で概述されているように3位で所要官能基を導入するために用いられる。
イミダゾ〔4,5‐b〕ピリジン類
イミダゾ〔4,5‐b〕ピリジン環系は、J.Heterocyclic Chemistry(1983),20(5),1339において記載されているように、アニリンと2‐クロロ‐3‐アミノピリジンとの反応により行われる(スキーム8)。
Figure 0005497648
スキーム8
スキーム8において生成された二環式環はハロゲン化またはアルキル化により官能基化され、そしてRへ本願明細書で概述されているように変換される。
更に官能基化された中間体の別な合成が米国特許第06723735号公報において記載されていた(スキーム9)。
Figure 0005497648
スキーム9A
本願明細書で記載されているように、上記の場合と類似したアリールハライドは、式(I)の所要化合物を得るためにある範囲の金属触媒反応を受ける。
Figure 0005497648
スキーム9B
一方、それらは上記スキーム9Bに概述されているように合成できた。
イミダゾ〔4,5‐c〕ピリジン類
3‐アリール‐3H‐イミダゾ〔4,5‐c〕ピリジン環系は、Biorg.Med.Chem.Lett.(2004),14,5263において記載されているように、3H‐イミダゾ〔4,5‐c〕ピリジンとアリールヨージドとの反応により構築される(スキーム10)。
Figure 0005497648
スキーム10
位置異性体がクロマトグラフィーで分離されうることが報告されている。望ましい置換パターンを得るためにこの物質を更に修飾しうる可能な手法が以下で示されている(スキーム11)。
Figure 0005497648
スキーム11
3‐クロロ過安息香酸のような酸化剤との反応がN‐オキシドを製造するために用いられ、これは幾つかの試薬、例えばPOCl、SOClで二置換3H‐イミダゾ〔4,5‐c〕ピリジンへ転位させうる。位置異性体は次いでクロマトグラフィーにより分離しうる。DMSO中のカリウムシアン化物と、ハロゲンとの置換、またはパラジウムおよびZn(CN)との反応により、前記に概述されるような酸へ変換できるニトリルを生産する。
別な戦略がスキーム12において示されている。6‐クロロ‐3H‐イミダゾ〔4,5‐c〕ピリジンの合成がJ.Heterocyclic Chem.(1965),2(2),196-201において記載されている。クロロ基は、本願明細書で概説されているように変換される。その後でN‐アリール化合物への修飾がスキーム10において示された条件に従い行われる。
Figure 0005497648
スキーム12
1,5‐ジアリール‐1H‐ベンゾイミダゾール
Figure 0005497648
1,5‐ジアリール‐1H‐ベンゾイミダゾール類の合成は、Biorg.Med.Chem.Lett.(2003),13,2485-2488において報告されている(スキーム13)。
Figure 0005497648
スキーム13
適切なアニリンで4‐ブロモ‐1‐フルオロ‐2‐ニトロベンゼンからフッ素の置換、次いで還元およびトリエチルオルトホルメートでの環化が、望ましい置換パターンのブロモ‐ベンゾイミダゾールを生じる。生成物は、1,5‐二置換ベンゾイミダゾール類を得るために、ブロミドの金属触媒反応で更に修飾してもよい。
1,5‐二置換ベンゾイミダゾール類はおそらく、スキーム11に記載された類似化学を用いて合成された。
イミダゾ〔1,2‐c〕ピリミジン類
二置換イミダゾ〔1,2‐c〕ピリミジン類はスキーム14において概述されているように製造される。
Figure 0005497648
スキーム14
これは7‐クロロ‐イミダゾ〔1,2‐c〕ピリミジンから出発し、その合成はYanai et al.,Heterocyclic compounds.XVIII.Synthesis of imidazo[1,2-c]- and pyrimido[1,2-c]pyrimidine derivatives,Yakugaku Zasshi(1974),94(12),1503-14において記載されていた。この物質は次いで上記反応のいずれかを用いて更に修飾しうる。
一方、3位がアリールまたはヘテロアリールである場合、SAr基は、本願明細書で記載されているような類似の化学物質を用いて標準パラジウムクロスカップリング反応により置き換えることができる。(スキーム16)
Figure 0005497648
スキーム16
一方、6−クロロピリミド−4−イルアミンは二環式環系を形成するために反応され、そしてその後、クロロをR基へ変換する。
一方、6−アミノ−ピリミジン−4−カルボン酸は出発物質として用いることができる。
イミダゾ〔1,2‐c〕ピリミジン‐5‐オン
3,7‐二置換イミダゾ〔1,2‐c〕ピリミジン‐5‐オン類は7‐クロロ‐6H‐イミダゾ〔1,2‐c〕ピリミジン‐5‐オン(CAS番号56817‐09‐5)から製造され、その合成はMaggiali et al.(1982)Acta Naturalia de l’Ateneo Parmense,18(3),93-101およびBartholomew et al.(1975)Journal of Organic Chemistry,40(25),3708-13において記載されている。
7‐クロロ‐6H‐イミダゾ〔1,2‐c〕ピリミジン‐5‐オンはSArのような求核置換反応を用いて誘導されるか、あるいは7位で官能基を加えるために鈴木反応に付される(スキーム17)。この化合物は次いで、鈴木反応を用いる更なる官能基化の前に、上記のようにヨウ素化される。
Figure 0005497648
スキーム17
一方、7‐クロロ‐6H‐イミダゾ〔1,2‐c〕ピリミジン‐5‐オンは、本願明細書で記載されている反応で使用のために、以下の中間体へ直接ヨウ素化してもよい(スキーム18)。
Figure 0005497648
スキーム18
加えて、他のオキソ‐ヘテロサイクルも加水分解により適切なクロロ誘導体から合成される。保護された化合物はピリドンを得るために塩基加水分解に付される。これは、クロロピリジン類の加水分解に関して文献(例えば、Australian J.Chem.(1984),37(12),2469-2477)において記載された操作に従い、HO/MeOHまたはHO/ジオキサン中においてNaOH(またはNaOH/H)と行われる。
イミダゾ〔1,2‐b〕ピリダジン
Figure 0005497648
スキーム19
イミダゾ〔1,2‐b〕ピリダジンコアの合成は、ピリダジン‐3‐イルアミン誘導体を用いてスキーム19に記載されているように行われる。
多くのメチル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハライド置換二環性化合物、または単環性芳香族化合物は市販されている。したがって、これらおよび多のヘテロ環類は、メチル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハライド置換二環性化合物または単環性芳香族化合物から直接に、またはここに記載された環化反応を用いてメチル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハライド置換二環性化合物、または単環性芳香族化合物から合成してもよい。
他のヘテロサイクルは、例えばComprehensive Heterocyclic Chemistry I(Edited by A.R.Katritzky,C.W.Rees,Elsevier,1982)およびComprehensive Heterocyclic Chemistry II(Edited by A.R.Katritzky,C.W.Rees,E.F.V.Scriven,Elsevier,1996,ISBN 0-08-042072-9)において記載されているような、周知の反応を用いて合成される。
上記反応の多くにおいて、分子上の望ましくない位置で反応を生じさせないために、一以上の基を保護することが必要となりうる。保護基の例と、官能基を保護および脱保護する方法は、Protective Groups in Organic Synthesis(T.Green and P.Wuts、3rd Edition、John Wiley and Sons,1999)でみられる。
ヒドロキシ基は、例えば、エーテル(‐OR)またはエステル(‐OC(=O)R)として、例えばt‐ブチルエーテル、ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)、またはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル、トリメチルシリル、またはt‐ブチルジメチルシリルエーテル、またはアセチルエステル(‐OC(=O)CH、‐OAc)として保護される。アルデヒドまたはケトン基は、例えばアセタール(R‐CH(OR))またはケタール(RC(OR))として各々保護され、その場合にカルボニル基(>C=O)は、例えば一級アルコールとの反応により、ジエーテル(>C(OR))へ変換される。アルデヒドまたはケトン基は、酸の存在下において大過剰の水を用いた加水分解により、容易に再生される。アミン基は、例えば、アミド(‐NRCO‐R)またはウレタン(‐NRCO‐OR)として、例えばメチルアミド(‐NHCO‐CH)、ベンジルオキシアミド(‐NHCO‐OCH、‐NH‐Cbz)、t‐ブトキシアミド(‐NHCO‐OC(CH、‐NH‐Boc)、2‐ビフェニル‐2‐プロポキシアミド(‐NHCO‐OC(CH、‐NH‐Bpoc)、9‐フルオレニルメトキシアミド(‐NH‐Fmoc)、6‐ニトロベラトリルオキシアミド(‐NH‐Nvoc)、2‐トリメチルシリルエチルオキシアミド(‐NH‐Teoc)、2,2,2‐トリクロロエチルオキシアミド(‐NH‐Troc)、アリルオキシアミド(‐NH‐Alloc)、または2‐(フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(‐NH‐Psec)として保護される。アミン類、例えば環式アミンおよびヘテロ環式N‐H基のための他の保護基には、トルエンスルホニル(トシル)およびメタンスルホニル(メシル)基およびベンジル基、例えばパラ‐メトキシベンジル(PMB)基がある。カルボン酸基は、エステル、例えばC1‐7アルキルエステル(例えば、メチルエステル、t‐ブチルエステル)、C1‐7ハロアルキルエステル(例えば、C1‐7トリハロアルキルエステル)、トリC1‐7アルキルシリル‐C1‐7アルキルエステル、またはC5‐20アリール‐C1‐7アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル、ニトロベンジルエステル)として、またはアミド、例えばメチルアミドとして保護される。チオール基は、例えば、チオエーテル(‐SR)として、例えばベンジルチオエーテル、アセトアミドメチルエーテル(‐S‐CHNHC(=O)CH)として保護される。
式(I)の化合物の製造における重要な中間体は、式(II)および(III)の化合物である。式(II)および(III)の新規化学中間体は本発明の別な態様を形成する。
本発明の別な態様は本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の製造方法であり、該方法は:
(i)カルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下において、式(II)の化合物:
Figure 0005497648
またはその保護形態と適切な置換イソシアネートまたは適切な置換アミンとの反応、または
(ii)式(II)の化合物:
Figure 0005497648
またはその保護形態と適切な置換カルボン酸または反応誘導体との反応、または
(iii)式(II)の化合物:
Figure 0005497648
またはその保護形態と、適切な置換アルデヒドまたはケトンとの反応、または
(iv)式(III)の化合物:
Figure 0005497648

またはその保護形態との反応、ここでYはアミドへ変換できる基(例えば、メチル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハライド)
およびアミドへ変換し、
およびその後で存在する保護基を除去し、または
上記式中X1‐5、A、R、およびRは本願明細書で定義されている通りであり、および場合によりその後で式(I)のある化合物を式(I)の他の化合物へ変換することを含んでなる。
本発明の別の態様によれば、本願明細書で定義されるような新規中間体が提供される。
その薬学上許容される塩、溶媒和物、または誘導体
このセクションにおいて、この出願の他の全セクションの場合のように、内容がそれ以外を示していない限り、式(I)への言及には、本願明細書で定義されているようなそのすべての他のサブ群、好ましさおよび例も含む。
別記されない限り、具体的化合物への言及には、例えば以下において記載されているようなそのイオン形、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N‐オキシド、エステル、プロドラッグ、同位体および保護形態、好ましくは、そのイオン形、塩、互変異性体、異性体、N‐オキシド、または溶媒和物、更に好ましくは、そのイオン形、塩、互変異性体、溶媒和物、または保護形態も含む。式(I)の多くの化合物は、塩、例えば酸付加塩、あるいはある場合に有機および無機塩基の塩、例えばカルボン酸、スルホン酸およびリン酸塩の形で存在しうる。このようなすべての塩が本発明の範囲内に属し、式(I)の化合物への言及には該化合物の塩形も含む。
本発明の塩は、常用化学法、例えば、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,P.Heinrich Stahl(Editor),Camille G.Wermuth(Editor),ISBN:3-90639-026-8,Hardcover,388 pages,August 2002において記載された方法により、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成される。通常、このような塩は水中、有機溶媒中または二種の混合物中において、これら化合物の遊離酸または塩基形を適切な塩基または酸と反応させることにより製造される、通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が用いられる。
酸付加塩は無機および有機双方の様々な酸で形成される。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2‐ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L‐アスコルビン酸)、L‐アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4‐アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)‐ショウノウ酸、ショウノウスルホン酸、(+)‐(1S)‐ショウノウ‐10‐スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン‐1,2‐ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D‐グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D‐グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L‐グルタミン酸)、α‐オキソグルタル酸、グリコール酸、ヒップル酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)‐L‐乳酸、(±)‐DL‐乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)‐L‐リンゴ酸、マロン酸、(±)‐DL‐マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(例えば、ナフタレン‐2‐スルホン酸)、ナフタレン‐1,5‐ジスルホン酸、1‐ヒドロキシ‐2‐ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L‐ピログルタミン酸、サリチル酸、4‐アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)‐L‐酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(例えば、p‐トルエンスルホン酸)、ウンデシレン酸、および吉草酸からなる群より選択される酸、並びにアシル化アミノ酸およびカチオン交換樹脂と形成される塩がある。
塩の一つの具体的な群は、酢酸、塩酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メシレート)、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸、およびラクトビオン酸から形成される塩からなる。
酸付加塩の他の群としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、クエン酸、DL‐乳酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、ヒップル酸、塩酸、グルタミン酸、DL‐リンゴ酸、メタンスルホン酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、および酒石酸から形成される塩がある。
本発明の化合物は、塩が形成される酸のpKaに応じて、一または二塩として存在してもよい。
化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性である官能基(例えば、‐COOHは‐COOである)を有していれば、塩は適切なカチオンと形成される。適切な無機カチオンの例としては、NaおよびKのようなアルカリ金属イオン、Ca2+、およびMg2+のようなアルカリ土類金属カチオン、およびAl3+のような他のカチオンがあるが、それらに限定されない。適切な有機カチオンの例としては、アンモニウムイオン(即ち、NH )および置換アンモニウムイオン(即ち、NH、NH 、NHR 、NR )があるが、それらに限定されない。
一部の適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミン、並びにアミノ酸、例えばリジンおよびアルギニンから誘導されるものである。一般的四級アンモニウムイオンの例はN(CH である。
式(I)の化合物がアミン官能基を含有している場合、これらは、例えば当業者に周知の方法に従いアルキル化剤との反応により、四級アンモニウム塩を形成してもよい。このような四級アンモニウム化合物も式(I)の範囲内である。
本発明の化合物の塩形は典型的には薬学上許容される塩であり、薬学上許容される塩の例は、Berge et al.(1977)”Pharmaceutically Acceptable Salts”,J.Pharm.Sci.,Vol.66,pp.1-19において記載されている。しかしながら、薬学上許容されない塩も中間体として製造してよく、これが次いで薬学上許容される塩へ変換される。このような薬学上許容されない塩形も、例えば本発明の化合物の精製または分離において有用なことがあり、本発明の一部を形成する。
アミン官能基を含有する式(I)の化合物はN‐オキシドを形成してもよい。アミン官能基を含有する式(I)の化合物への本願明細書での言及は、N‐オキシドも含む。
化合物が幾つかのアミン官能基を含有している場合、一または二以上の窒素原子がN‐オキシドを形成するように酸化しうる。N‐オキシドの具体例は、三級アミンまたは窒素含有ヘテロ環の窒素原子のN‐オキシドである。
N‐オキシドは過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)のような酸化剤で対応アミンの処理により形成される:例えばAdvanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pages参照。更に詳しくは、N‐オキシドはL.W.Deady(Syn.Comm.(1977),7,509-514)の操作により製造され、そこではアミン化合物が、例えばジクロロメタンのような不活性溶媒中で、m‐クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と反応させられる。
本発明の化合物は、溶媒和物、例えば、水とともに(例えば、水和物)または一般的な有機溶媒の形態であってもよい。本願明細書で、用語“溶媒和物”は1以上の溶媒分子と、本発明の化合物との物理的な会合を意味する。この物理的な会合は、水素結合を含む、さまざまな程度のイオンまたは共有結合を含む。場合によっては、溶媒和物は、例えば、一以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれた場合に、単離できる可能性がある。用語“溶媒和物”は、溶液相と、単離可能な溶媒和物との両方を含むことを意図する。限定されないが、適切な溶媒和物としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、エチルアセテート、酢酸、またはエタノールアミン等と組合せた本発明の化合物を含む。本発明の化合物は、溶液中にあっても生物学的な効果を発揮できる。
溶媒和物は、薬化学においてよく知られたものである。それらは、物質の製造法(例えば、物質の精製、貯蔵(例えば、その安定性)および物質の取り扱いの容易性において重要であり、化学合成の単離または精製工程の一部としてしばしば形成される。当業者は、水和物または他の溶媒和物が所望の化合物を製造するために用いられた単離条件または精製条件により形成するか否かを標準的で長い間用いられてきた技術により決定することができる。それらの技術の例としては、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(TGA)、X線結晶学(例えば、単結晶X線結晶学または粉末X線回折)、および固体NMR(マジック角回転NMRまたはMAS−NMRとしても知られる、SS−NMR)が含まれる。そのような技術は、NMR、IR、HPLC、およびMSと同様、当分野の化学者の標準的な分析ツールキットの一部である。
一方、当業者は、意図的に、特定の溶媒和物に要求される量の溶媒を含む結晶化条件を用いて溶媒和物を形成することができる。その後、上記されたような標準的な方法が、溶媒和物が形成されるか否かを決定するために用いられる。
さらに、本発明の化合物は、一以上の多形体、アモルファス、結晶体であってもよく、それらは本発明の範囲の含まれることを意図する。
式(I)の化合物は幾つかの異なる幾何異性および互変異性体で存在でき、式(I)の化合物への言及にはこのようなすべての形を含む。疑義の回避のために、化合物が幾つかの幾何異性または互変異性体のうち一つで存在でき、一つのみが具体的に記載または示されていたとしても、他のすべてが式(I)に包含される。
互変異性体の他の例としては、例えば、次の互変異性ペア:ケト/エノール(下記)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、およびニトロ/aci-ニトロの場合のように、例えばケト、エノール、およびエノラート形がある。
Figure 0005497648
式(I)の化合物が1以上のキラル中心を含有し、二種以上の光学異性体の形で存在しうる場合、式(I)の化合物への言及には、内容がそれ以外を要していない限り、個別の光学異性体または混合物(例えば、ラセミ混合物)、または二種以上の光学異性体として、そのすべての異性体(例えば、エナンチオマー、エピマー、およびジアステレオマー)を含む。
光学異性体はそれらの光学活性で(即ち、+および−異性体、またはdおよびl異性体として)特徴づけられかつ特定されるか、あるいはそれらはCahn,Ingold and Prelogにより発案された“RおよびS”命名法を用いてそれらの絶対立体化学に関して特徴づけられる:Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,New York,1992,pages 109-114参照、およびCahn,Ingold & Prelog(1966)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,5,385-415参照。
光学異性体はキラルクロマトグラフィー(キラル担体でのクロマトグラフィー)を含めた幾つかの技術により分離され、このような技術は当業者に周知である。
キラルクロマトグラフィーの別法として、光学異性体は、(+)‐酒石酸、(−)‐ピログルタミン酸、(−)‐ジトルオイル‐L‐酒石酸、(+)‐マンデル酸、(−)‐リンゴ酸および(−)‐ショウノウスルホン酸のようなキラル酸とジアステレオマー塩を形成させ、好ましい結晶化法でジアステレオマーを分離し、次いで遊離塩基の個別エナンチオマーを得るために塩を解離させることにより分離される。
式(I)の化合物が2種以上の光学異性体として存在する場合、エナンチオマーのペアのうち一方のエナンチオマーは、例えば生物活性に関して、他のエナンチオマーより利点を示すことがある。そのため、ある状況においては、エナンチオマーのペアの一方のみまたは複数のジアステレオマーのうち1種のみを治療剤として用いることが望ましい。したがって、本発明は一以上のキラル中心を有する式(I)の化合物を含有した組成物を提供し、ここで式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)は単一光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在する。一つの一般的態様において、式(I)の化合物の総量の99%以上(例えば、実質的に全部)が単一光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在する。
本発明の化合物には1以上の同位体置換を受けた化合物を含み、具体的元素への言及はその範囲内に元素のすべての同位体を含む。例えば、水素への言及にはその範囲内にH、H(D)およびH(T)を含む。同様に、炭素および酸素への言及にはそれらの範囲内に各々12C、13C、および14Cと、16Oおよび18Oとを含む。
同位体は放射性でもまたは非放射性でもよい。本発明の一つの態様において、化合物は放射性同位体を含有しない。このような化合物は治療使用向けに好ましい。他の態様において、しかしながら、化合物は1以上の放射性同位体を含有する。このような放射性同位体を含有した化合物は診断状況において有用である。
カルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のカルボン酸エステルおよびアシルオキシエステルなどのエステルも、式(I)により包含される。本発明の一つの態様において、式(I)はその範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のエステルを含む。本発明の他の態様において、式(I)はその範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のエステルを含まない。エステルの例は基‐C(=O)ORを含有する化合物であり、ここでRはエステル置換基、例えばC1‐7アルキル基、C3‐20ヘテロ環式基、またはC5‐20アリール基、好ましくはC1‐7アルキル基である。エステル基の具体例としては、‐C(=O)OCH、‐C(=O)OCHCH、‐C(=O)OC(CH、および‐C(=O)OPhがあるが、それらに限定されない。アシルオキシ(逆エステル)基の例は‐OC(=O)Rで表され、ここでRはアシルオキシ置換基、例えばC1‐7アルキル基、C3‐20ヘテロ環式基、またはC5‐20アリール基、好ましくはC1‐7アルキル基である。アシルオキシ基の具体例としては、‐OC(=O)CH(アセトキシ)、‐OC(=O)CHCH、‐OC(=O)C(CH、‐OC(=O)Ph、および‐OC(=O)CHPhがあるが、それらに限定されない。
化合物の多形体、化合物の溶媒和物(例えば、水和物)、複合体(例えば、シクロデキストリンのような化合物との包接複合体またはクラスレート、または金属との錯体)および化合物のプロドラッグも、式(I)に包含される。“プロドラッグ”とは、例えば、式(I)の生物活性化合物へインビボにおいて変換される化合物を意味する。
例えば、一部のプロドラッグは活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容される易代謝性エステル)である。代謝に際し、エステル基(‐C(=O)OR)は開裂されて、活性剤を生じる。このようなエステルは、例えば、親化合物でカルボン酸基(‐C(=O)OH)のエステル化により形成されるが、適宜に、親化合物に存在する他の反応基を前保護し、次いで必要であれば脱保護される。
このような易代謝性エステルの例として式‐C(=O)ORのものがあり、ここでRは:
1‐7アルキル(例えば、‐Me、‐Et、‐nPr、‐iPr、‐nBu、‐sBu、‐iBu、‐tBu)、
1‐7アミノアルキル(例えば、アミノエチル、2‐(N,N‐ジエチルアミノ)エチル、2‐(4‐モルホリノ)エチル)、および
アシルオキシ‐C1‐7アルキル(例えば、アシルオキシメチル、アシルオキシエチル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、1‐アセトキシエチル、1‐(1‐メトキシ‐1‐メチル)エチル‐カルボニルオキシエチル、1‐(ベンゾイルオキシ)エチル、イソプロポキシ‐カルボニルオキシメチル、1‐イソプロポキシ‐カルボニルオキシエチル、シクロヘキシル‐カルボニルオキシメチル、1‐シクロヘキシル‐カルボニルオキシエチル、シクロヘキシルオキシ‐カルボニルオキシメチル、1‐シクロヘキシルオキシ‐カルボニルオキシエチル、(4‐テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル、1‐(4‐テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル、(4‐テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチルおよび1‐(4‐テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)である。
しかも、一部のプロドラッグは、酵素で活性化されて活性化合物を生じるか、または(例えば、抗原依存性酵素プロドラッグ療法(ADEPT)、遺伝子依存性酵素プロドラッグ療法(GDEPT)、リガンド依存性酵素プロドラッグ療法(LIDEPT)などの場合)別の化学反応で活性化合物を生じる化合物である。例えば、プロドラッグは糖誘導体または他のグリコシド複合体でも、あるいはアミノ酸エステル誘導体でもよい。
“誘導体”への言及にそのイオン形、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N‐オキシド、エステル、プロドラッグ、同位体、および保護形態を含むことは、明らかであろう。
本発明の一つの態様によると、本願明細書で定義されているような化合物あるいはその塩、互変異性体、N‐オキシド、または溶媒和物が提供される。
本発明の別な態様によると、本願明細書で定義されているような化合物あるいはその塩または溶媒和物が提供される。
本願明細書で定義されているような式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)とそのサブ群の化合物への言及には、それらの範囲内に、化合物の塩、溶媒和物、互変異性体、またはN‐オキシドを含む。
タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)
本願明細書で記載された発明の化合物はあるチロシンキナーゼの活性を阻害または調節し、そのため該化合物はそれらのチロシンキナーゼ、特にFGFRで媒介される病状または症状の治療または予防に有用である。
FGFR
タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)レセプターの線維芽細胞成長因子(FGF)ファミリーは、分裂促進、創傷治癒、細胞分化、および血管形成、並びに発育を含めた生理機能の多様性を調節する。正常および悪性双方の細胞成長並びに増殖は、オートクリンおよびパラクリン因子として作用する細胞外シグナリング分子、FGFの局所濃度における変化により影響される。オートクリンFGFシグナリングは、ホルモン非依存状態へのステロイドホルモン依存性癌の進行に際して特に重要かもしれない(Powers,et al.(2000)Endocr.Relat.Cancer,7,165-197)。
FGFおよびそれらのレセプターは幾つかの組織および細胞系において高レベルで発現され、過剰発現は悪性表現型に関与すると考えられる。更に、幾つかの癌遺伝子は成長因子レセプターをコードする遺伝子のホモログであり、ヒト膵臓癌におけるFGF依存性シグナリングの異常活性化にポテンシャルがある(Ozawa,et al.(2001),Teratog.Carcinog.Mutagen.,21,27-44)。
二つのプロトタイプメンバーは酸性線維芽細胞成長因子(aFGFまたはFGF1)および塩基性線維芽細胞成長因子(bFGFまたはFGF2)であり、今までに少なくとも20の異なるFGFファミリーメンバーが特定されてきた。FGFに対する細胞応答は、1〜4(FGFR1〜FGFR4)と番号付けされた四種の高親和性貫膜タンパク質チロシンキナーゼ線維芽細胞成長因子レセプター(FGFR)により伝達されている。リガンドが結合すると、レセプターは二量体化して、核転写因子エフェクターを最終的に調節する細胞内シグナルを伝達するために特定の細胞質チロシン残基を自己およびトランスリン酸化する。
FGFR1経路の破壊は腫瘍細胞増殖に影響を与えるはずであり、このキナーゼが内皮細胞を増殖させることに加えて多くの腫瘍種において活性化されるからである。腫瘍関連血管構造におけるFGFR1の過剰発現および活性化は、腫瘍血管形成におけるこれら分子の役割を示唆していた。
線維芽細胞成長因子レセプター2は、酸性および/または塩基性線維芽細胞成長因子とケラチノサイト成長因子リガンドに高親和性を有している。線維芽細胞成長因子レセプター2は、骨芽細胞成長および分化に際してFGFの有効な骨形成効果も増大させる。複雑な機能変化に至る線維芽細胞成長因子レセプター2の変異は、頭蓋骨縫合部の異常骨化(頭蓋骨癒合)を誘導することが示されたが、これは膜内骨形成に際するFGFRシグナリングの大きな役割を示唆している。例えば、早期頭蓋骨縫合部骨化で特徴づけられるアぺール(AP)症候群において、ほとんどのケースは線維芽細胞成長因子レセプター2で機能獲得(gain-of-function)を生じる点変異を伴っている(Lemonnier,et al.(2001),J.Bone Miner.Res.,16,832-845)。加えて、頭蓋骨癒合症候群の患者における変異検査では、幾つかの反復FGFR2変異がPfeiffer症候群の重症例の原因であることを示している(Lajeunie et al,European Journal of Human Genetics(2006)14,289-298)。FGFR2の具体的変異としては、FGFR2におけるW290C、D321A、Y340C、C342R、C342S、C342W、N549H、K641Rがある。
アぺール、クルゾン、ジャクソン−ワイス(Jackson-Weiss)、ベーレ−スティーブンソン脳回状頭皮(Beare-Stevenson cutis gyrate)、およびPfeiffer症候群を含めたヒト骨格発育における幾つかの重度な異常症は、線維芽細胞成長因子レセプター2で変異の出現と関連している。Pfeiffer症候群(PS)の、全部ではない、ほとんどのケースは線維芽細胞成長因子レセプター2遺伝子のデノボ変異でも引き起こされ(Meyers,et al.(1996)Am.J.Hum.Genet.,58,491-498、Plomp,et al.(1998)Am.J.Med.Genet.,75,245-251)、線維芽細胞成長因子レセプター2における変異がリガンド特異性を支配する基本的規則の一つを破ることが最近示された。即ち、線維芽細胞成長因子レセプターの二つの変異スプライス形、FGFR2cおよびFGFR2bが、非定型FGFリガンドと結合して活性化される能力を獲得していた。リガンド特異性のこの喪失が異常シグナリングに繋がり、これら疾患症候群の重度表現型が線維芽細胞成長因子レセプター2の異所性リガンド依存性活性化に起因することを示唆している(Yu,et al.(2000),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,97,14536-14541)。
染色体転座または点変異などのFGFR3レセプターチロシンキナーゼの遺伝子異常は、異所で発現されるまたは脱調節される、構成的に活性なFGFR3レセプターをもたらす。このような異常は、一部の多発性骨髄腫と、膀胱、肝細胞、口内扁平上皮細胞癌および子宮頸癌に関連している(Powers,C.J.et al.(2000)Endocr.Rel.Cancer,7,165、Qiu,W.et al.(2005),World Journal Gastroenterol.,11(34))。したがって、FGFR3インヒビターは多発性骨髄腫、膀胱および子宮頸癌の治療に有用となるであろう。FGFR3は膀胱癌、特に侵襲性膀胱癌でも過剰発現される。FGFR3は尿路上皮癌(UC)で変異により多くが活性化されている(Journal of Pathology(2007),213(1),91-98)。発現増加は変異と関連していたが(変異腫瘍の85%は高レベル発現を示した)、検出可能な変異のない腫瘍の42%も、多くの筋肉侵襲性腫瘍を含めて、過剰発現を示した。
このように、FGFRを阻害する化合物は、特に血管形成を阻害することにより、腫瘍で成長を妨げるまたはアポトーシスを誘導する手段を提供する上で有用となろう。したがって、本化合物は癌のような増殖性障害を治療または予防する上で有用となろう、と予想される。特に、レセプターチロシンキナーゼの活性化変異体またはレセプターチロシンキナーゼの上方調節を有する腫瘍は、インヒビターに特に感受性かもしれない。本願明細書で記載された特異的RTKのイソ型の活性化変異体を有する患者も、RTKインヒビターでの治療を特に有益なものとしうる。
FGFR4の過剰発現は前立腺および甲状腺の両癌で悪い予後と関連していた(Ezzat,S.,et al.(2002)The Journal of Clinical Investigation,109,1、Wang et al.(2004)Clinical Cancer Research,10)。加えて、生殖系多型性(Gly388Arg)は肺、乳、結腸、および前立腺癌の発生率増加と関連している(Wang et al.(2004)Clinical Cancer Research,10)。加えて、FGFR4のトランケート形(キナーゼドメインを含む)が脳下垂体腫瘍の40%に存在することも見出したが、正常組織には存在しない。
最近の研究は、古典型小葉癌(CLC)におけるFGFR1発現と腫瘍原性との関連性を示していた。CLCは全乳癌の10〜15%を占め、一般的にp53およびHer2発現を欠くが、エストロゲンレセプターの発現を留めている。8p12‐p11.2の遺伝子増幅がCLCケースの〜50%で証明され、これはFGFR1の発現増加と関連していることが示された。FGFR1に対するsiRNAまたは該レセプターの小分子インヒビターに関する予備研究は、特にこのシグナリング経路の阻害に感受性であり、この増幅を呈する細胞系を示した(Reis-Filho et al.(2006)Clin.Cancer Res.,12(22),6652-6662)。
最多の小児軟部組織肉腫、横紋筋肉腫(RMS)は、骨格筋形成に際する異常増殖および分化に起因している可能性がある。FGFR1は一次横紋筋肉腫で過剰発現され、5′CpGアイランドの低メチル化と、AKT1、NOG、およびBMP4遺伝子の異常発現とに関連している(Genes,Chromosomes & Cancer(2007),46(11),1028-1038)。
線維症状は、線維組織の異常または過剰沈着に起因する大きな医学的問題である。これは肝硬変、糸球体腎炎、肺線維症、全身性線維症、リウマチ様関節炎を含めた多くの疾患と創傷治癒の自然の工程において生じる。病的線維症のメカニズムは完全には理解されていないが、線維芽細胞の増殖および細胞外マトリックスタンパク質(コラーゲンおよびフィブロネクチンを含む)の沈着に関与する様々なサイトカイン(腫瘍壊死因子(TNF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、および形質転換成長因子ベータ(TGFβ)を含む)の作用に起因していると考えられる。これは組織構造および機能の変化とその後で病変に繋がる。
幾つかの前臨床研究が、肺線維症の前臨床モデルで線維芽細胞成長因子の上方調節を証明していた(Inoue,et al.(1997 & 2002)、Barrios,et al.(1997))。TGFβ1およびPDGFは線維形成工程に関与していることが報告され(reviewed by Atamas & White,2003)、別に公開された研究においてはFGFの上昇を示し、それに伴う線維芽細胞増殖の増加は高TGFβ1に応答した可能性がある(Khalil,et al.,2005)。線維症状におけるこの経路の潜在的治療関連性が、特発性肺線維症(IPF)において、報告されたピルフェニドンの臨床効果(Arata,et al.,2005)により示唆されている。
特発性肺線維症(原因不明線維化肺胞炎とも称される)は、肺の瘢痕を伴う進行性症状である。徐々に、肺の気嚢は線維組織で置き換わるようになり、それが厚くなって、酸素を血流へ運ぶ組織能の不可逆的喪失を引き起こす。該症状の徴候としては、息切れ、慢性乾咳、疲労、胸痛および急激な体重減少をもたらす食欲不振がある。症状は5年後死亡率約50%と極めて厳しい。
血管内皮細胞成長因子(VEGFR)
慢性増殖性疾患は多くが根深い血管形成を伴い、これは炎症および/または増殖状態に関与するかまたはそれを維持し、あるいは血管の侵襲性増殖により組織破壊へ繋がる(Folkman(1997),79,1-81、Folkman(1995),Nature Medicine,1,27-31、Folkman and Shing(1992)J.Biol.Chem.,267,10931)。
血管形成は、通常、新または置換血管の生成、または新生血管形成を表すために用いられている。それは必要かつ生理的な正常工程であり、それにより血管構造が胚で確立される。血管形成は一般的にほとんどの正常成人組織で起きず、例外は排卵、月経および創傷治癒の部位である。多くの疾患は、しかしながら、永続的で未調節の血管形成により特徴づけられる。例えば、関節炎では、新たな毛細血管が関節に侵入して、軟骨を破壊する(Colville-Nash and Scott(1992),Ann.Rhum.Dis.,51,919)。糖尿病(および多くの異なる眼疾患)では、新血管は斑、網膜または他の眼構造に侵入して、盲目を引き起こすこともある(Brooks,et al.(1994)Cell,79,1157)。アテローム性動脈硬化症の工程が血管形成と関連していた(Kahlon,et al.(1992)Can.J.Cardiol.,8,60)。腫瘍成長および転移は血管形成依存性であることが見出された(Folkman(1992),Cancer Biol.,3,65、Denekamp,(1993)Br.J.Rad.,66,181、Fidler and Ellis(1994),Cell,79,185)。
主要疾患における血管形成の関与の認識が、血管形成のインヒビターを特定および開発する研究でなされてきた。これらのインヒビターは、血管形成カスケード、例えば血管形成シグナルによる内皮細胞の活性化、分解酵素の合成および放出、内皮細胞遊走、内皮細胞の増殖、および毛細管の形成における個別の標的に応じて、通常分類されている。したがって、血管形成は多くの段階で起こり、これらの様々な段階で血管形成を阻止するように働く化合物を発見および開発する試みが進行している。
多様なメカニズムで働く血管形成のインヒビターが、癌および転移(O’Reilly,et al.(1994)Cell,79,315、Ingber,et al.(1990)Nature,348,555)、眼疾患(Friedlander,et al.(1995)Science,270,1500)、関節炎(Peacock,et al.(1992),J.Exp.Med.,175,1135、Peacock,et al.(1995),Cell.Immun.,160,178)、および血管腫(Taraboletti,et al.(1995)J.Natl.Cancer Inst.,87,293)などの疾患に有益であることを知らせる文献がある。
レセプターチロシンキナーゼ(RTK)は、細胞の形質膜を通る生化学シグナルの伝達に際して重要である。これらの貫膜分子は、特徴として、形質膜のセグメントを介して細胞内チロシンキナーゼドメインへ繋がれた、細胞外リガンド結合ドメインからなる。レセプターへのリガンドの結合はレセプター関連チロシンキナーゼ活性の刺激をもたらし、これがレセプターおよび他の細胞内タンパク質の双方においてチロシン残基のリン酸化に繋がり、様々な細胞応答へと至る。今までに、アミノ酸配列ホモロジーで規定される、少なくとも19の別々なRTKサブファミリーが確認されてきた。
血管内皮細胞成長因子(VEGF)、ポリペプチドは、インビトロで内皮細胞に分裂促進性であり、インビボにおいて血管形成応答を刺激する。VEGFは不適切な血管形成とも関連していた(Pinedo,H.M.,et al.(2000),The Oncologist,5(90001),1-2)。VEGFRはタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)である。PTKは細胞機能に関与するタンパク質で特定チロシン残基のリン酸化を触媒し、こうして細胞成長、生存、および分化を調節している(Wilks,A.F.(1990),Progress in Growth Factor Research,2,97-111、Courtneidge,S.A.(1993)Dev.Supp.I,57-64、Cooper,J.A.(1994),Semin.Cell Biol.,5(6),377-387、Paulson,R.F.(1995),Semin.Immunol.,7(4),267-277、Chan,A.C.(1996),Curr.Opin.Immunol.,8(3),394-401)。
VEGFの3種PTKレセプターが確認されていた:VEGFR‐1(Flt‐1)、VEGFR‐2(Flk‐1またはKDR)、およびVEGFR‐3(Flt‐4)。これらのレセプターは血管形成に関与し、シグナル伝達に係わっている(Mustonen,T.et al.(1995),J.Cell Biol.,129,895-898)。
特に興味深いものはVEGFR‐2であり、これは主に内皮細胞で発現される貫膜レセプターPTKである。VEGFによるVEGFR‐2の活性化は、腫瘍血管形成を始めるシグナル伝達経路で重要な工程である。VEGF発現は腫瘍細胞に構築的であり、ある刺激に応答して上方調節されることもある。このような刺激が低酸素であれば、VEGF発現は腫瘍および関連宿主組織の双方で上方調節される。VEGFリガンドは、その細胞外VEGF結合部位との結合によりVEGFR‐2を活性化する。これは、VEGFR‐2の細胞内キナーゼドメインで、VEGFRのレセプター二量体化とチロシン残基の自己リン酸化に繋がる。キナーゼドメインはATPからチロシン残基へリン酸を移すように働き、こうしてVEGFR‐2の下流でシグナリングタンパク質のための結合部位を提供し、こうして血管形成の開始へと最終的に繋がる(McMahon,G.(2000),The Oncologist,5(90001),3-10)。
VEGFR‐2のキナーゼドメイン結合部位における阻害はチロシン残基のリン酸を阻止して、血管形成の開始を壊すように働く。
血管形成は、血管形成因子と称される様々なサイトカインにより媒介される新血管形成の生理学的工程である。固形腫瘍におけるその潜在的病態生理学的役割が30年以上にわたり広く研究されてきたが、慢性リンパ性白血病(CLL)および他の悪性血液障害における血管形成の亢進が最近になり認識されてきた。高レベルの血管形成が、CLL患者の骨髄およびリンパ節の双方で、様々な実験法により証拠づけられてきた。この疾患の病態生理学における血管形成の役割は完全には解明されていないが、実験データは幾つかの血管形成因子が疾患進行で役割を果たすことを示唆している。血管形成の生物学的マーカーはCLLにおいて予後関連性であることも示された。これは、VEGFRインヒビターがCLLなどの白血病の患者にも有益であることを示す。
腫瘍塊が臨界サイズを越えるためには、それに伴う血管構造を発達させねばならない。腫瘍血管構造の標的化は腫瘍膨張を制限し、有用な癌療法となりうることが提案されていた。腫瘍成長の観察によれば、小さな腫瘍塊がいかなる腫瘍特異的血管構造もなしに組織において存続しうることを示した。非血管新生腫瘍の成長停止は、腫瘍の中央部における低酸素の効果に起因するものであった。更に最近、様々な血管形成促進および抗血管形成因子が確認され、腫瘍塊における血管形成刺激およびインヒビターの正常比の破壊が自律的血管新生をもたらす工程、“血管形成スイッチ”の概念へ到達するに至った。血管形成スイッチは、悪性変換を駆動させる同様の遺伝子変化:癌遺伝子の活性化および腫瘍抑制遺伝子の喪失により支配されている可能性がある。幾つかの成長因子は血管形成のポジティブレギュレーターとして作用する。これらの中で主要なものは、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)およびアンギオゲニンである。トロンボスポンジン(Tsp‐1)、アンギオスタチン、およびエンドスタチンなどのタンパク質は、血管形成のネガティブレギュレーターとして機能する。
VEGFR1ではなくVEGFR2の阻害は、マウスモデルにおいて、血管形成スイッチング、永続的血管形成および初期腫瘍成長を著しく破壊する。後期腫瘍において、VEGFR2遮断に対する表現型抵抗が出現したが、治療に際して初期の成長抑制後に腫瘍が再成長したからである。VEGF遮断に対するこの抵抗は、VEGFとは無関係に、FGFファミリーのメンバーを含めた他の血管形成促進因子の低酸素媒介誘導と関連して、腫瘍血管形成の再活性化を伴う。これらの他の血管形成促進シグナルは回避期に腫瘍の再血管新生および再成長へ機能的に関与するが、FGF遮断がVEGF阻害に直面して進行を損なうからである。VEGFR1ではなくVEGFR2の阻害は、血管形成スイッチング、永続的血管形成および初期腫瘍成長を著しく破壊した。後期腫瘍において、VEGFR2遮断に対する表現型抵抗が出現したが、治療に際して初期の成長抑制後に腫瘍が再成長したからである。VEGF遮断に対するこの抵抗は、VEGFとは無関係に、FGFファミリーのメンバーを含めた他の血管形成促進因子の低酸素媒介誘導と関連して、腫瘍血管形成の再活性化を伴う。これらの他の血管形成促進シグナルは回避期に腫瘍の再血管新生および再成長へ機能的に関与するが、FGF遮断がVEGF阻害に直面して進行を損なうからである。
FGFトラップアデノウイルスは、FGF1、FGF3、FGF7、およびFGF10を含むFGFファミリーの様々なリガンドと結合してそれを遮断し、それによりインビトロおよびインビボにおいて血管形成を効果的に阻害する、と以前に報告されていた。実際に、マウスモデルの再成長期にFGFトラップ治療を加えると、抗VEGFR2単独と比較して腫瘍成長に有意な減少を生じた。腫瘍担持量のこの減少は血管形成の減少を伴い、これは腫瘍内血管密度の減少として観察された。
Batchelorら(Batchelor et al.,2007,Cancer Cell,11(1),83-95)は、フェーズ2の研究において、pan‐VEGFレセプターチロシンキナーゼインヒビター、AZD2171により治療された患者で、神経膠芽腫血管の正常化に関する証拠を出している。AZD2171を用いる根拠は、インビボ乳癌モデルで灌流および血管密度の減少を示す結果に、一部は基づいていた(Miller et al.,2006,Clin.Cancer Res.12,281-288)。更に、正常位神経膠腫モデルを用いて、放射線と相乗効果を発揮するように抗VEGFR2抗体を送達しうる最適時間枠が以前に特定されていた。正常化の枠内において、酸素供給の改善、周皮細胞カバレッジの増加と、腫瘍内で間質圧および透過性の減少に繋がるアンギオポエチン‐1の上方調節があった(Winkler et al.,2004,Cancer Cell,6,553-563)。正常化の枠は、血液量、相対的血管サイズおよび血管透過性を測定するために、MRI勾配エコー、スピンエコーおよびコントラスト増強を用いる磁気共鳴画像化(MRI)を用いて定量される。
著者らは、AZD2171治療での進行がCEC、SDF1、およびFGF2の増加を伴い、一方投薬中止後の進行が循環前駆細胞(CPC)および血漿FGF2レベルの増加と相関することを示した。MRI測定と相関したSDF1およびFGF2の血漿レベルにおける増加は、相対的血管密度および大きさの増加を証明した。そのため、循環バイオマーカーと組み合わせた血管正常化のMRI測定は、抗血管形成剤に対する応答を評価するために有効な手段をもたらす。
PDGFR
悪性腫瘍は未制御細胞増殖の産物である。細胞成長は、成長促進と、成長阻害因子とのデリケートなバランスにより制御されている。正常組織において、これら因子の産生および活性は、器官の正常な完全性および機能性を維持するように、制御的かつ調節的に成長する分化細胞をもたらす。悪性細胞はこの制御を逃れる、自然バランスは(様々なメカニズムにより)乱れて調節されず、異常細胞成長が生じる。腫瘍発育において、重要な成長因子は、細胞表面チロシンキナーゼレセプター(PDGFR)を介してシグナルを送りかつ成長、増殖、および分化を含む様々な細胞機能を刺激するペプチド成長因子のファミリーを含んでなる、血小板由来成長因子(PDGF)である。PDGF発現は、神経膠芽腫および前立腺癌を含む幾つかの異なる固形腫瘍において証明されていた。化学名4‐〔(4‐メチル‐1‐ピペラジニル)メチル〕‐N‐〔4‐メチル‐3‐〔〔4‐(3‐ピリジニル)‐2‐イルピリジニル〕アミノ〕フェニル〕ベンズアミドメタンスルホネートをもつチロシンキナーゼインヒビター イマチニブメシレートは、Bcr‐Abl癌タンパク質および細胞表面チロシンキナーゼレセプターc‐Kitの活性を遮断し、そのため慢性骨髄性白血病および胃腸間質腫瘍の治療に承認されている。イマチニブメシレートはPDGFRキナーゼの有効インヒビターでもあり、慢性骨髄単球性白血病および多形性神経膠芽腫の治療について、PDGFRで活性化変異のこれら疾患における証拠に基づき現在評価されている。加えて、化学名4‐〔4‐〔3‐〔4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)フェニル〕ウレイド〕フェノキシ〕‐N2‐メチルピリジン‐2‐カルボキサミドをもつソラフェニブ(BAY43‐9006)は、細胞増殖を阻害するためにRafシグナリング経路、および腫瘍血管形成を阻害するためにVEGFR/PDGFRシグナリングカスケードを双方とも標的化している。ソラフェニブは肝臓および腎臓癌を含む幾つかの癌の治療について研究されている。
好酸球増多症候群のようなPDGFRの活性化に依存する症状がある。PDGFR活性化は、慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含む他の悪性疾患とも関連している。他の障害、隆起性皮膚線維肉腫、浸潤性皮膚腫瘍において、PDGF‐Bリガンドをコードする遺伝子に係わる相互転座は、キメラリガンドの構成的分泌とレセプター活性化をもたらす。PDGFRの公知インヒビターであるイマチニブは、これら疾患の三種すべてに対して活性を有する。
選択的インヒビターの利点
差別化された選択性をもつFGFRキナーゼインヒビターの開発は、疾患がFGFR脱調節により駆動される患者サブ群でこれらの標的化剤を用いる新たな機会を提供する。追加キナーゼ、特にVEGFR2およびPDGFR‐ベータで低い阻害作用を示す化合物は、差別化された副作用または毒性を有する機会を呈し、そのためこれら適応症で更に有効な治療をもたらす。VEGFR2およびVEGFR‐ベータのインヒビターは、高血圧または浮腫のような毒性を各々伴う。VEGFR2インヒビターの場合、この高血圧作用は多くが用量制限的であり、ある患者集団で禁忌となることがあり、臨床管理を要する。
生物活性および治療のための使用
本発明の化合物およびそのサブ群は、線維芽細胞成長因子レセプター(FGFR)阻害または調節活性、および/または血管内皮細胞成長因子レセプター(VEGFR)阻害または調節活性、および/または血小板由来成長因子レセプター(PDGFR)を有し、本願明細書で記載された病状または症状を予防または治療する上で有用となろう。加えて、本発明の化合物およびそのサブ群は、該キナーゼにより媒介される疾患または症状を予防または治療する上で有用となろう。癌のような病状または症状の予防、防止または治療への言及には、それらの範囲内に、癌の発生率の低下または減少を含む。
本願明細書で用いられているように、キナーゼの活性に適用されているような用語“調節”は、タンパク質キナーゼの生物活性のレベルにおける変化を表す意味である。そのため、調節には関連タンパク質キナーゼ活性で増加または減少を生じる生理的変化を包含している。後者の場合に、調節は“阻害”と記載されることもある。調節は直接的または間接的に生じ、いかなるメカニズムにより、例えば(例えば、転写、翻訳および/または翻訳後修飾を含む)遺伝子発現のレベル、キナーゼ活性のレベルで直接的または間接的に作用する調節要素をコードする遺伝子の発現のレベルを含めて、いかなる生理的レベルで媒介されてもよい。そのため、調節には、遺伝子増幅(即ち、多重遺伝子コピー)を含めたキナーゼの高/抑制発現または過剰もしくは過少発現、および/または転写効果による高または低発現、並びに変異による((脱)活性化を含む)タンパク質キナーゼの高(または低)活性および(脱)活性化を含む。用語“調節された”、“調節している”および“調節する”は、それに応じて解釈されるべきである。
本願明細書で用いられているように、例えば本願明細書で記載されているようなキナーゼと一緒に用いられるような用語“媒介される”は、該用語が適用される様々な工程、疾患、状態、症状、治療および介入が、キナーゼが生物学的役割を果たすものであるように、限定的に用いられる意味である。該用語が疾患、状態、または症状に適用される場合、キナーゼで果たされる生物学的役割は直接的でもまたは間接的でもよく、該疾患、状態、または症状の徴候の現れ(あるいはその病因または進行)に必要および/または十分であればよい。そのため、キナーゼ活性(特に異常レベルのキナーゼ活性、例えばキナーゼ過剰発現)は必ずしも疾患、状態または症状の主原因である必要はなく、むしろキナーゼ媒介疾患、状態または症状には、問題のキナーゼが部分的に関与するだけである多因性病因および複雑な進行を有するものを含めて考えられる。該用語が治療、予防または介入に適用される場合、キナーゼで果たされる役割は直接的でもまたは間接的でもよく、治療、予防の実施、または介入の結果に必要および/または十分であればよい。そのため、キナーゼで媒介される病状または症状には、具体的癌薬剤または治療に対する耐性の獲得を含む。
そのため、例えば、本発明の化合物は癌の発生率の低下または減少に有用となろうと考えられる。
更に詳しくは、式(I)の化合物およびそのサブ群はFGFRのインヒビターである。例えば、本発明の化合物はFGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4、特にFGFR1、FGFR2、およびFGFR3から選択されるFGFRに対して活性を有する。
好ましい化合物は、FGFR1、FGFR2およびFGFR3、更にFGFR4から選択される1種以上のFGFRを阻害する化合物である。本発明の好ましい化合物は、0.1μM以下のIC50値を有するものである。
本発明の化合物はVEGFRに対しても活性を有する。
本発明の化合物はPDGFRキナーゼに対しても活性を有する。特に、本化合物はPDGFRのインヒビターであり、例えばPDGFR Aおよび/またはPDGFR Bを阻害する。
加えて、本発明の化合物の多くはVEGFR(特にVEGFR2)および/またはPDGFRと比較してFGFR1、2、および/または3キナーゼおよび/またはFGFR4に選択性を示し、このような化合物は本発明の一つの好ましい態様を表す。特に、本化合物はVEGFR2に選択性を示す。例えば、本発明の多くの化合物は、VEGFR(特にVEGFR2)および/またはPDGFR Bに対するIC50の10〜100分の1であるIC50値をFGFR1、2、および/または3および/またはFGFR4に対して有する。特に、本発明の好ましい化合物は、VEGFR2よりFGFR、特にFGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4に対して少なくとも10倍大きな活性または阻害を有している。更に好ましくは、本発明の化合物は、VEGFR2よりFGFR、特にFGFR1、FGFR2、FGFR3および/またはFGFR4に対して少なくとも100倍大きな活性または阻害を有している。これは本願明細書で記載されている方法を用いて調べられる。
FGFR、VEGFRおよび/またはPDGFRキナーゼを調節または阻害するそれら活性の結果として、本化合物は、特に血管形成を阻害することにより、新生物の成長を妨げるまたはアポトーシスを誘導する手段を提供する上で有用となろう。したがって、本化合物は癌のような増殖性障害を治療または予防する上で有用となる、と予想される。加えて、本発明の化合物は、増殖、アポトーシス、または分化に障害がある疾患の治療に有用であろう。
特に、VEGFRの活性化変異体またはVEGFRの上方調節を有する腫瘍と高レベルの血清乳酸デヒドロゲナーゼを有する患者は、特に本発明の化合物に感受性かもしれない。本願明細書で記載された特異的RTKのイソ型の活性化変異体を有する患者も、本発明の化合物での治療を特に有益なものとしうる。例えば、クローン前駆細胞がVEGFRを発現する急性白血病細胞におけるVEGFR過剰発現。しかも、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4のようなFGFRのイソ型の活性化変異体、上方調節または過剰発現を有する特定の患者は特に本発明の化合物に感受性であり、そのためこのような具体的腫瘍を有する本願明細書で記載されているような患者も本発明の化合物での治療を特に有益なものとしうる。本願明細書で記載されているようなレセプターチロシンキナーゼの一つの変異形に治療が係わるかまたは向けられることが好ましい。このような変異を有する腫瘍の診断は、当業者に知られて本願明細書で記載されているような技術、例えばRTPCRおよびFISHを用いて行われる。
治療(または阻害)される癌の例としては、癌、例えば膀胱、乳、結腸(例えば、結腸腺癌および結腸腺腫のような結腸直腸癌)、腎臓、表皮、肝臓、肺臓の癌、例えば腺腫、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、例えば外分泌膵臓癌、胃、子宮頸部、子宮内膜、甲状腺、前立腺または皮膚、例えば扁平上皮細胞癌、リンパ系の造血腫瘍、例えば白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛状細胞リンパ腫またはBurkettリンパ腫、骨髄系の造血腫瘍、例えば白血病、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性症候群、骨髄異形成性症候群または前骨髄細胞性白血病、多発性骨髄腫、甲状腺小胞癌、間葉源の腫瘍、例えば線維肉腫または横紋筋肉腫、中枢または末梢神経系の腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫または神経鞘腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺小胞癌、またはカポジ肉腫があるが、それらに限定されない。
ある癌は特定薬物との治療に耐性である。これは腫瘍の種類によるものか、または化合物との治療のために生じうる。この点において、多発性骨髄腫への言及には、ボルテゾミブ感受性多発性骨髄腫または難治性多発性骨髄腫を含む。同様に、慢性骨髄性白血病への言及には、イミタニブ感受性慢性骨髄性白血病および難治性慢性骨髄性白血病を含む。慢性骨髄性白血病は慢性骨髄系白血病、慢性顆粒球性白血病、またはCMLとしても知られる。同様に、急性骨髄性白血病は急性骨髄芽球性白血病、急性顆粒球性白血病、急性非リンパ性白血病、またはAMLとも称される。
本発明の化合物は、前悪性でもまたは安定型でも、異常細胞増殖の造血疾患、例えば骨髄増殖性疾患の治療にも用いられる。骨髄増殖性疾患(“MPD”)は過剰細胞が産生される骨髄の疾患のグループである。それらは骨髄異形成症候群と関連し、それへ進行することがある。骨髄増殖性疾患には、真性多血症、本態性血小板血症および一次骨髄線維症がある。
このように、異常細胞成長を含んでなる疾患または症状を治療するための本発明の医薬組成物、使用または方法において、異常細胞成長を含んでなる疾患または症状は一つの態様において癌である。
更に、T細胞リンパ増殖性疾患にはナチュラルキラー細胞から誘導されるものを含む。B細胞リンパ腫という用語にはびまん性大B細胞型リンパ腫を含む。
加えて、本発明の化合物は胃腸(胃としても知られる)癌、例えば胃腸間質腫瘍に用いられる。胃腸癌は、食道、胃、肝臓、胆管系、膵臓、腸、および肛門を含めた胃腸管の悪性状態に関する。
間葉源の腫瘍の別な例はEwing肉腫である。
このように、異常細胞成長を含んでなる疾患または症状を治療するための本発明の医薬組成物、使用または方法において、異常細胞成長を含んでなる疾患または症状は一つの態様において癌である。
癌の一部例としては、多発性骨髄腫、膀胱、子宮頸部、前立腺、および甲状腺癌、肺、乳および結腸癌がある。
癌の別な例としては、多発性骨髄腫、膀胱、肝細胞、口内扁平上皮細胞癌、および子宮頸癌がある。
FGFR、例えばFGFR1阻害活性を有する本発明の化合物は、乳癌、特に古典型小葉癌(CLC)の治療または予防に特に有用となろう、と更に考えられる。
本発明の化合物はFGFR4活性を有するため、それらは前立腺または脳下垂体癌の治療にも有用となろう。
特にFGFRインヒビターとしての本発明の化合物は、多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害、子宮内膜癌、前立腺癌、膀胱癌、肺癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、および口内扁平上皮細胞癌の治療にも有用である。
癌の別な例は、多発性骨髄腫、子宮内膜癌、膀胱癌、子宮頸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、および甲状腺癌である。
特に、本発明の化合物は、多発性骨髄腫(特に、t(4、14)転座またはFGFR3過剰発現の多発性骨髄腫)、前立腺癌(ホルモン難治性前立腺癌)、子宮内膜癌(特に、FGFR2で活性化変異の子宮内膜腫瘍)および乳癌(特に、小葉乳癌)の治療におけるものである。
特に、本化合物はCLC(古典型小葉癌)のような小葉癌の治療に有用である。
本化合物はFGFR3に対する活性を有しているため、それらは多発性骨髄腫および膀胱の治療に有用となろう。
特に、本発明の化合物は、t(4、14)転座陽性多発性骨髄腫の治療に有用である。
本化合物はFGFR2に対する活性を有しているため、それらは子宮内膜、卵巣、胃および結腸直腸癌の治療に有用となろう。FGFR2は上皮卵巣癌でも過剰発現され、したがって本発明の化合物は上皮卵巣癌のような卵巣癌を治療する上で特に有用となりうる。
本発明の化合物は、VEGFR2インヒビターまたはVEGFR2抗体(例えば、アバスチン)で前治療された腫瘍の治療にも有用となりうる。
特に、本発明の化合物はVEGFR2耐性腫瘍の治療に有用となりうる。VEGFR2インヒビターおよび抗体は甲状腺および腎臓細胞癌の治療に用いられ、したがって本発明の化合物はVEGFR2耐性甲状腺および腎臓細胞癌の治療に有用となりうる。
癌は、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4から選択される1種以上のFGFR、例えばFGFR1、FGFR2、またはFGFR3から選択される1種以上のFGFRの阻害に感受性である癌である。
具体的な癌がFGFRの阻害に感受性であるかどうかにかかわらず、FGFR、VEGFR、またはPDGFRシグナリングは、下記で掲載されているような細胞成長アッセイの手段により、または“診断の方法”と題されたセクションで掲載されているような方法により調べられる。
本発明の化合物、特にFGFR、VEGFR、またはPDGFR阻害活性を有する化合物は、高レベルのFGFR、VEGFR、またはPDGFRと関連するまたはその存在で特徴づけられる種類の癌、例えばこの関係において本出願の序文セクションで言及された癌の治療または予防に特に有用となろう、と更に考えられる。
一部のFGFRインヒビターは他の抗癌剤と一緒に用いうることが見出された。例えば、細胞成長を調節することで癌発育の特徴面のうち二つに対処するために、アポトーシスを誘導するインヒビターを異なるメカニズムで作用する他の剤と組み合わせることが有益となりうる。このような組み合わせの例が以下に掲載されている。
本発明の化合物は、増殖の障害に起因する他の症状、例えばII型または非インスリン依存性糖尿病、自己免疫疾患、頭部外傷、発作、癲癇、神経変性疾患、例えばアルツハイマー、運動ニューロン疾患、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症およびPick病、例えば自己免疫疾患および神経変性疾患を治療する上で有用となろう、とも考えられる。
本発明の化合物が有用であろうと考えられる病状および症状の1サブ群は、炎症疾患、心臓血管疾患および創傷治癒からなる。
FGFR、VEGFR、およびPDGFRは、アポトーシス、血管形成、増殖、分化および転写で役割を果たすことも知られ、したがって本発明の化合物は癌以外の次の疾患:慢性炎症疾患、例えば全身性紅斑性狼瘡、自己免疫性糸球体腎炎、リウマチ様関節炎、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫糖尿病、湿疹過敏反応、喘息、COPD、鼻炎および上部呼吸管疾患、心臓血管疾患、例えば心肥大、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、エイズ関連痴呆、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、色素性網膜炎、脊髄筋萎縮および小脳変性症、糸球体腎炎、骨髄異形成症候群、虚血性損傷関連心筋梗塞、発作および再灌流損傷、不整脈、アテローム性動脈硬化症、毒素誘導性またはアルコール関連肝疾患、血液疾患、例えば慢性貧血および再生不良性貧血、筋骨格系の変性疾患、例えば骨粗鬆症および関節炎、アスピリン感受性副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎臓疾患および癌痛の治療にも有用となりうる。
加えて、FGFR2の変異はヒト骨格発育における幾つかの重度な異常症と関連し、そのため本発明の化合物は、頭蓋骨縫合部の異常骨化(頭蓋骨癒合)、アぺール(AP)症候群、クルゾン症候群、ジャクソン−ワイス(Jackson-Weiss)症候群、ベーレ−スティーブンソン脳回状頭皮症候群(Beare-Stevenson cutis gyrate syndrome)、およびPfeiffer症候群を含めた、ヒト骨格発育における異常症の治療に有用となりうる。
FGFR、例えばFGFR2またはFGFR3阻害活性を有する本発明の化合物は、骨格疾患の治療または予防に特に有用となろう、と更に考えられる。具体的な骨格疾患は、軟骨形成不全症および致死性小人症(致死性骨異形成症としても知られる)である。
FGFR、例えばFGFR1、FGFR2、またはFGFR3阻害活性を有する本発明の化合物は、進行性線維症が症状である病変における治療または予防に特に有用となろう、と更に考えられる。本発明の化合物が治療で有用となりうる線維症状としては、線維組織の異常または過剰沈着を示す疾患、例えば肝硬変、糸球体腎炎、肺線維症、全身性線維症、リウマチ様関節炎、並びに創傷治癒の自然工程がある。特に、本発明の化合物は肺線維症、特に特発性肺線維症の治療にも有用となりうる。
腫瘍関連血管構造におけるFGFRおよびVEGFRの過剰発現および活性化は、腫瘍血管形成の開始を阻止および破壊する上で本発明の化合物に関する役割も示唆していた。特に、本発明の化合物は、癌、転移、白血病、例えばCLL、眼疾患、例えば加齢関連黄斑変性症、特に湿潤形の加齢関連黄斑変性症、虚血性増殖性網膜症、例えば未熟児網膜症(ROP)および糖尿病性網膜症、リウマチ様関節炎および血管腫の治療に有用となりうる。
本発明の化合物はPDGFRを阻害することから、それらは幾つかの腫瘍および白血病の種類、例えば多形性神経膠芽腫のような神経膠芽腫、前立腺癌、胃腸間質腫瘍、肝臓癌、腎臓癌、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、並びに好酸球増多症候群、稀な増殖性血液障害および隆起性皮膚線維肉腫、浸潤性皮膚腫瘍の治療にも有用となりうる。
FGFR1〜4、VEGFRおよび/またはPDGFR A/Bのインヒビターとして本発明の化合物の活性は以下の実施例で掲載されたアッセイを用いて測定され、所定化合物により示される活性のレベルはIC50値で規定される。本発明の好ましい化合物は、1μM以下、更に好ましくは0.1μM以下のIC50値を有する化合物である。
本発明は、FGFR阻害または調節活性を有して、FGFRキナーゼで媒介される病状または症状を予防または治療する上で有用となろうと考えられる化合物を提供する。
一つの態様では、治療で使用のために本願明細書で定義されているような化合物が提供される。別の態様では、FGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療で使用のために本願明細書で定義されているような化合物が提供される。
そのため、例えば、本発明の化合物は癌の発生率を低下または減少させる上で有用となろうと考えられる。
したがって、一つの態様において、本発明はFGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療用薬剤の製造のための化合物の使用を提供し、該化合物は本願明細書で定義されているような式(I)を有している。
一つの態様において、本願明細書で記載されているような病状または症状の予防または治療用薬剤の製造のために本願明細書で定義されているような化合物の使用が提供される。
別の態様において、癌の予防または治療用薬剤の製造のために本願明細書で定義されているような化合物の使用が提供される。
したがって、本発明は特に:
FGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療方法を提供し、該方法はその必要な対象者へ本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
一つの態様において、本願明細書で記載されているような病状または症状の予防または治療方法が提供され、該方法はその必要な対象者へ本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
別の態様において、癌の予防または治療方法が提供され、該方法はその必要な対象者へ本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
FGFRキナーゼで媒介される病状または症状の発生率を低下または減少させるための方法であって、該方法はその必要な対象者へ本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
FGFRキナーゼを阻害する方法であって、該方法は本願明細書で定義されているような式(I)のキナーゼ阻害化合物と該キナーゼを接触させることを含んでなる。
本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を用いてFGFRキナーゼの活性を阻害することにより、細胞プロセス(例えば、細胞分裂)を調節する方法。
FGFRキナーゼの活性を阻害することによる、細胞プロセス(例えば、細胞分裂)のモジュレーターとして使用のための本願明細書で定義されているような式(I)の化合物。
FGFRのモジュレーター(例えば、インヒビター)として使用のための本願明細書で定義されているような式(I)の化合物。
FGFRの活性を調節(例えば、阻害)するための薬剤の製造に関する、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼの活性を阻害することにより細胞プロセス(例えば、細胞分裂)を調節するための薬剤の製造における、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられる疾患または症状の予防または治療のための薬剤の製造に関する、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
癌の予防または治療のための薬剤の製造に関する本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用であって、癌はFGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられるものである。
FGFR3キナーゼの遺伝子異常を有するサブ集団から選択される患者で癌の予防または治療のための薬剤の製造に関する、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
FGFR3キナーゼの遺伝子異常を有するサブ集団の一部を形成するとして診断されていた患者で癌の予防または治療のための薬剤の製造に関する、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられる疾患または症状の予防または治療方法であって、該方法は本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられる疾患または症状の発生率を低下または減少させるための方法であって、該方法は本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
癌に罹患したまたは罹患していると疑われる患者で癌の予防または治療の(またはその発生率を低下または減少させる)ための方法であって、該方法は、(i)患者がFGFR3遺伝子の遺伝子異常を有するか否かについて調べるための診断検査へ患者を付し、および(ii)患者が該バリアントを有する場合は、その後でFGFR3キナーゼ阻害活性を有する本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を患者に投与することを含んでなる。
FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられる病状または症状の予防または治療の(またはその発生率を低下または減少させる)ための方法であって、該方法は、(i)FGFRキナーゼ(例えば、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4)の上方調節で特徴づけられるマーカーを検出するための診断検査へ患者を付し、および(ii)診断検査がFGFRキナーゼの上方調節を示す場合は、その後でFGFR3キナーゼ阻害活性を有する本願明細書で定義されているような式(I)の化合物を患者に投与することを含んでなる。
一つの態様において、FGFRキナーゼにより媒介される疾患は腫瘍学に関連する疾患(例えば、癌)である。一つの態様において、FGFRキナーゼにより媒介される疾患は非腫瘍学に関連した疾患(例えば、癌以外の本願明細書で開示された疾患)である。一つの態様において、FGFRキナーゼにより媒介される疾患は本願明細書で記載された症状である。一つの態様において、FGFRキナーゼにより媒介される疾患は本願明細書で記載された骨格症状である。ヒトの骨格発達における特定の異常には、頭蓋骨縫合の異常骨化(頭蓋骨癒合症)、アぺール(AP)症候群、クルゾン症候群、ジャクソン−ワイス(Jackson-Weiss)症候群、ベーレ−スティーブンソン脳回状頭皮症候群(Beare-Stevenson cutis gyrate syndrome)、Pfeiffer症候群、軟骨形成不全症、致死性低身長症(thanatophoric dwarfism)(致死性骨異形成症としても知られる)が含まれる。
変異キナーゼ
薬剤耐性キナーゼ変異がキナーゼインヒビターで治療された患者集団で起きることがある。これらは、一部、治療で用いられた具体的インヒビターと結合または相互反応するタンパク質の領域で生じる。このような変異は、問題のキナーゼと結合してそれを阻害しうるインヒビターの能力を減少または増加させる。これは、インヒビターと相互反応する、または標的への該インヒビターの結合を支えるために重要であるアミノ酸残基のいずれかで生じうる。変異アミノ酸残基との相互作用を要せずに標的キナーゼと結合するインヒビターは、変異によりおそらく影響されず、酵素の有効インヒビターのままでいられるであろう(Carter et al.(2005),PNAS,102(31),11011-110116)。
胃癌患者の試料を用いた研究により、FGFR2に二つの突然変異の存在(エキソンIIIaにおけるSer167ProおよびエキソンIIIcにおけるスプライス部位突然変異940-2A-G)が示された。これらの突然変異は、頭蓋骨縫合早期癒合症(craniosynotosis syndrome)を引き起こし、研究された初期胃癌組織の13%において観察される、活性化生殖細胞突然変異と同一である。加えて、FGFR3における活性化突然変異は試験された患者試料の5%で観察され、FGFRの過剰発現がこの患者群における不良な予後と相関する (Jang et. al. (2001) Cancer Research 61 3541-3543)。
イマチニブ治療患者でPDGFRに観察されていた変異、特にT674I変異がある。これら変異の臨床的重要性は著しく増す可能性があり、これまでのところそれが患者でsrc/Ablインヒビターに対する耐性の主要メカニズムを表す可能性があるためである。加えて、機能獲得、過剰発現または構成的に活発な生物状態を生じる、FGFRで観察されていた染色体転座または点変異がある。
本発明の化合物は、したがって、FGFRまたはPDGFR‐ベータおよびPDGFR‐アルファを含むPDGFRのような変異分子標的、特にPDGFRのT674I変異を発現する癌に関した具体的適用症を見い出すであろう。このような変異を有する腫瘍の診断は、当業者に知られて本願明細書で記載されているような技術、例えばRTPCRおよびFISHを用いて行われる。
FGFRのATP結合部位における保存トレオニン残基の変異は、インヒビター耐性をもたらすことが示唆されていた。アミノ酸バリン561がFGFR1でメチオニンへ変異されていたが、これは選択的インヒビターに対する耐性を付与することが示されていたAbl(T315)およびEGFR(T766)でみられる以前に報告された変異に相当する。FGFR1 V561Mに関するアッセイデータは、この変異が野生型の場合と比較してチロシンキナーゼインヒビターに対する耐性を付与することを示していた。
本発明の組成物の利点
式(I)の化合物は、これまでの化合物に比べいくつかの利点を有する。
例えば、式(I)の化合物は、これまでの化合物に比べ有利なADMETおよび生理化学的な特性を有する。
医薬処方剤
活性化合物が単独で投与されることは可能であるが、当業者に周知されている1種以上の薬学上許容される担体、添加剤、賦形剤、希釈剤、フィラー、緩衝剤、安定剤、保存剤、滑沢剤、または他の物質、および場合により他の治療または予防剤と一緒に、少なくとも1種の本発明の活性化合物を含んでなる、医薬組成物(例えば、処方剤)としてそれを提供することが好ましい。
このように、本発明は更に、上記で定義されているような医薬組成物と、本願明細書で記載されているような1種以上の薬学上許容される担体、賦形剤、緩衝剤、添加剤、安定剤、または他の物質と一緒に上記のような少なくとも1種の活性化合物を混合することを含んでなる医薬組成物を製造する方法を提供する。
本願明細書で用いられている用語“薬学上許容される”とは、健全な医学的判断の範囲内において、妥当な利益/危険比で釣り合いながら、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、対象者(例えば、ヒト)の組織と接触する使用に適した、化合物、物質、組成物および/または剤形に関する。各担体、賦形剤などは、処方剤の他成分と適合するという意味でも“許容”されねばならない。
式(I)の化合物を含有した医薬組成物は公知の技術に従い処方される:例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,PA,USA参照。
したがって、別な態様において、本発明は、医薬組成物の形で、本願明細書で定義されているような式(I)の化合物およびそのサブ群を提供する。
医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻内、眼、耳、直腸、膣内もしくは経皮投与に適したいずれかの形態をとれる。組成物が非経口投与向けである場合、それらは静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下投与用に、または注射、注入、または他の送達手段による標的器官または組織への直接送達用に処方しうる。送達はボーラス注射、短時間注入または長時間注入でもよく、受動送達または適切な注入ポンプの利用でもよい。
非経口投与向けに適合させた医薬処方剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、共溶媒、有機溶媒混合物、シクロデキストリン複合体形成剤、(エマルジョン処方剤を形成および安定化させるための)乳化剤、リポソームを形成するためのリポソーム成分、ポリマーゲルを形成するためのゲル化ポリマー、凍結乾燥保護剤と、特に活性成分を溶解形で安定化させるおよび処方剤を所定レシピエントの血液と等張化させるための諸剤の組合せを含有しうる、水性および非水性無菌注射溶液がある。非経口投与用の医薬処方剤は、懸濁剤および増粘剤を含有しうる水性および非水性無菌懸濁液の形もとれる(R.G.Strickly(2004),Solubilizing Excipients in oral and injectable formulations,Pharmaceutical Research,Vol.21(2),p.201-230)。
リポソームは、外側脂質二重膜および内側水性コアから構成される、<100μmの全体直径を有した閉鎖球状ベシクルである。薬物がリポソーム内に封入または挿入されるようになれば、疎水性のレベルに応じて、適度な疎水性の薬物はリポソームにより可溶化される。薬物分子が脂質二重膜の一体部分となっても、疎水性薬物はリポソームにより可溶化され、この場合には、疎水性薬物が脂質二重層の脂質部分に溶解される。
処方剤は単用量または多用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで提供し、使用直前に、無菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを要するフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵してもよい。
医薬処方剤は式(I)の化合物またはそのサブ群を凍結乾燥することにより製造しうる。凍結乾燥とは組成物をフリーズドライする操作に関する。フリーズドライおよび凍結乾燥はしたがって同義語として本願明細書では用いられている。
即時注射溶液および懸濁液は、無菌粉末、顆粒、および錠剤から製造してもよい。
非経口注射用の本発明の医薬組成物としては、薬学上許容される無菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁液、または乳濁液、並びに使用直前に無菌注射溶液または分散液へ再調製用の無菌粉末もある。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびその適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルがある。適度な流動性は、例えばレシチンのようなコーティング物質の使用により、分散物の場合では所要粒度の維持により、および界面活性剤の使用により維持しうる。
本発明の組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤のような添加剤も含有してよい。微生物の作用の防止は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの含有により確保される。糖、塩化ナトリウムなどのような等張剤を含有させることも望ましい。注射用医薬形の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような吸収を遅らせる剤の含有により行える。
本発明の一つの好ましい態様において、医薬組成物は、例えば注射または注入による、i.v.投与に適した形態をとる。静脈内投与の場合、溶液はそのまま投与しても、または投与前に注入袋(薬学上許容される賦形剤、例えば0.9%塩水または5%デキストロースを含有する)へ投入してもよい。
他の好ましい態様において、医薬組成物は皮下(s.c.)投与に適した形態をとる。
経口投与用に適した医薬剤形には、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、ロゼンジ、シロップ、溶液、粉末、顆粒、エリキシルおよび懸濁液、舌下錠、ウエファー、またはパッチおよびバッカルパッチがある。
そのため、錠剤組成物は、不活性希釈剤または担体、例えば糖または糖アルコール、例えばラクトース、スクロース、ソルビトールまたはマンニトール、および/または非糖誘導希釈剤、例えば炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、またはセルロースもしくはその誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプン、例えばコーンスターチと一緒に、単用量の活性化合物を含有しうる。錠剤は、結合および造粒剤、例えばポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースのような膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例えば、ステアレート類)、保存剤(例えば、パラベン類)、酸化防止剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸またはクエン酸緩衝剤)および発泡剤、例えばクエン酸塩/重炭酸塩混合物のような標準成分も含有してよい。このような賦形剤は周知であり、ここで詳細に記載する必要はない。
カプセル処方剤は硬ゼラチンまたは軟ゼラチン品であり、固体、半固体、または液体形で活性成分を含有しうる。ゼラチンカプセルは、動物ゼラチンまたはその合成もしくは植物誘導相当物から形成しうる。
固体剤形(例えば、錠剤、カプセルなど)は被覆してもまたは未被覆でもよいが、典型的にはコーティング、例えば保護膜コーティング(例えば、ワックスまたはワニス)または放出制御コーティングを有している。コーティング(例えば、Eudragit型ポリマー)は、胃腸管内の望ましい箇所で活性成分を放出するように設計しうる。そのためには、コーティングは、胃腸管内のあるpH条件下で分解することにより、胃または回腸もしくは十二指腸で化合物を選択的に放出するように選択される。
コーティングの代わりに、またはそれに加えて、放出制御剤、例えば胃腸管の様々な酸性またはアルカリ性条件下で化合物を選択的に放出するように適合化される放出遅延剤を含んでなる固体マトリックスに入れて、薬物が提供しうる。一方、マトリックス物質または放出遅延コーティングは、剤形が胃腸管を通過する際に実質的に連続侵食される侵食性ポリマー(例えば、無水マレイン酸ポリマー)の形をとってもよい。別の態様として、活性化合物は、化合物の放出を浸透圧制御する送達系で処方される。浸透圧放出および他の遅延放出または徐放処方剤は当業者に周知の方法に従い製造しうる。
医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の活性成分を含んでなる。本発明による医薬組成物は、例えばアンプル、バイアル、坐剤、糖衣錠、錠剤、またはカプセルの形態のような単位剤形をとれる。
経口投与用の医薬組成物は、活性成分を固体担体と混合し、所望であれば得られた混合物を造粒し、所望または必要であれば適切な賦形剤の添加後に、混合物を錠剤、糖衣錠コア、またはカプセルへ加工することにより得られる。活性成分を測定量で拡散または放出させるプラスチック担体中へそれらを配合することも可能である。
本発明の化合物は固体分散物として処方することもできる。固体分散体は、固体物2種以上の均質極微細分散相である。固体分散体の一種、固溶体(分子分散系)は製剤技術で使用がよく知られ(Chiou and Riegelman(1971),J.Pharm.Sci.,60,1281-1300参照)、溶解速度を増して難水溶性薬物のバイオアベイラビリティを増す上で有用である。
本発明は、上記の固溶体を含んでなる固体剤形も提供する。固体剤形としては、錠剤、カプセルおよびチュアブル錠がある。公知の賦形剤が、望ましい剤形を提供するために、固溶体とブレンドされる。例えば、カプセルは、(a)崩壊剤および滑沢剤、または(b)崩壊剤、滑沢剤および界面活性剤とブレンドされた固溶体を含有しうる。錠剤は、少なくとも1種の崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤および流動促進剤とブレンドされた固溶体を含有しうる。チュアブル錠は、増量剤、滑沢剤、および所望であれば追加の甘味剤(例えば、人工甘味料)と適切なフレーバーとブレンドされた固溶体を含有しうる。
医薬処方剤は、単一パッケージに全治療コースを含む“患者パック”、通常ブリスターパックに入れて、患者に提供してもよい。患者処方箋で通常見逃す、患者パックに含有されたパッケージインサートへ患者がいつもアクセスできるという点で、薬剤師がバルクサプライから医薬の患者サプライを分配する伝統的処方箋よりも患者パックは利点がある。パッケージインサートの含有は、医者の指示で患者コンプライアンスを改善しうることが示されていた。
局所使用向け組成物には、軟膏、クリーム、スプレー、パッチ、ゲル、液滴およびインサート(例えば眼内インサート)がある。このような組成物は公知の方法に従い処方しうる。
直腸または膣内投与用処方剤の例には、例えば活性化合物を含有した成型変形性またはロウ様物質から形成されるペッサリーおよび坐剤がある。
吸入投与用の組成物は、吸入可能な粉末組成物または液体もしくは粉末スプレーの形をとり、粉末吸入器またはエアゾル分配器を用いて標準形で投与しうる。このような器具な周知である。吸入投与の場合、粉末処方剤は、典型的には、ラクトースのような不活性固体粉末希釈剤と一緒に、活性化合物を含有している。
式(I)の化合物は通常単位剤形で提供され、それ自体で、典型的には望ましいレベルの生物活性を呈する上で十分な化合物を含有する。例えば、処方剤は、1ng〜2gの活性成分、例えば1ng〜2mgの活性成分を含有する。この範囲内で、化合物の具体的サブレンジは0.1mg〜2gの活性成分(更に通常は10mg〜1g、例えば50mg〜500mg)または1μg〜20mg(例えば1μg〜10mg、例えば0.1mg〜2mgの活性成分)である。
経口投与の場合、単位剤形は1mg〜2g、更に典型的には10mg〜1g、例えば50mg〜1g、例えば100mg〜1gの活性成分を含有しうる。
活性化合物は、望ましい治療効果をあげるために十分な量で、それの必要な患者(例えば、ヒトまたは動物患者)へ投与される。
当業者であれば、処方に用いるための適切な量の材料を選択する専門知識を有するであろう。例えば、錠剤およびカプセルは、典型的には、0〜20%崩壊剤、0〜5%滑沢剤、0〜5%流動補助剤(flow aids)、および/または0〜100%フィラー、または増量剤(薬物の用量に依存する)を含む。それらは、0〜10%ポリマー結合剤、0〜5%酸化防止剤、0〜5%色素を含んでもよい。徐放錠剤は加えて0〜100%のポリマー(薬物に依存する)を含んでもよい。錠剤またはカプセルのフィルムコートは0〜10%のポリマー、0〜3%色素、および/または0〜2%可塑剤を含む。
非経口処方剤は、典型的には、注射のために0〜20%の緩衝液、0〜50%共溶媒、および/または0〜100%水を含む(WFI)(用量に依存し、凍結乾燥品の場合)。筋肉内持続製剤のための処方は0〜100%の油を含んでいてもよい。
医薬処方剤の例
(i)錠剤処方剤
式(I)の化合物を含有した錠剤組成物は、希釈剤として197mgのラクトース(BP)および滑沢剤として3mgステアリン酸マグネシウムと50mgの化合物を混合し、公知の手法で錠剤を圧縮成形することにより製造される。
(ii)カプセル処方剤
カプセル処方剤は、100mgの式(I)の化合物を100mgラクトースと混合し、得られた混合物を標準不透明硬ゼラチンカプセルへ充填することにより製造される。
(iii)注射用処方剤I
注射による投与用の非経口組成物は、1.5重量%の活性化合物の濃度を得るために、10%プロピレングリコールを含有する水に式(I)の化合物(例えば塩形)を溶解することにより製造される。溶液は次いで濾過滅菌され、アンプルへ充填されて、密封される。
(iv)注射用処方剤II
注射用の非経口組成物は、式(I)の化合物(例えば塩形)(2mg/mL)およびマンニトール(50mg/mL)を水に溶解し、溶液を濾過滅菌し、密封可能な1mLバイアルまたはアンプルへ充填することにより製造される。
(v)注射用処方剤III
注射または注入によるi.v.送達用の処方剤は、式(I)の化合物(例えば塩形)を水に20mg/mLで溶解することにより製造される。バイアルは次いで密封され、オートクレーブ処理により滅菌される。
(vi)注射用処方剤IV
注射または注入によるi.v.送達用の処方剤は、緩衝剤(例えば、0.2M酢酸pH4.6)を含有する水に式(I)の化合物(例えば塩形)を20mg/mLで溶解することにより製造される。バイアルは次いで密封され、オートクレーブ処理により滅菌される。
(vii)皮下注射用処方剤
皮下投与用の組成物は、5mg/mLの濃度を得るために、式(I)の化合物を医薬品グレードコーン油と混合することにより製造される。組成物は滅菌され、適切な容器へ充填される。
(viii)凍結乾燥処方剤
処方された式(I)の化合物の一部が50mLバイアルへ入れられ、凍結乾燥される。凍結乾燥に際して、組成物は一工程凍結プロトコール(−45℃)を用いて凍結される。温度がアニーリングのために−10℃へ上げられ、次いで−45℃へ下げて凍結し、次いで+25℃で約3400分間一次乾燥し、次いで50℃までの温度漸増工程で二次乾燥させる。一次および二次乾燥に際する圧力は80ミリトルに設定される。
治療方法
式(I)の化合物およびそのサブ群は、FGFRにより媒介されるある範囲の病状または症状の予防または治療に有用となろう、と考えられる。このような病状および症状の例は前記されている。
本化合物は、このような投与の必要な対象者、例えばヒトまたは動物患者、好ましくはヒトへ通常投与される。本化合物は、治療または予防上有用でかつ通常無毒性な量で、典型的には投与される。
しかしながら、ある状況(例えば、生命脅威疾患の場合)では、式(I)の化合物を投与する利益が毒性作用または副作用の欠点に勝ることがあり、その場合にはある程度の毒性を伴う量で化合物を投与することが望ましいとみなされる。
本化合物は有益な治療効果を維持するために長期間にわたり投与され、または短期間のみで投与されてもよい。一方、それらはパルスでまたは連続的に投与してもよい。
式(I)の化合物の典型的1日量は、100pg〜100mg/体重kg、更に典型的には5ng〜25mg/体重kg、更に通常は10ng〜15mg/kg(例えば、10ng〜10mg、更に典型的には1μg/kg〜20mg/kg、例えば1μg〜10mg/kg)/体重kgの範囲内であるが、必要であればそれより高いまたは低い用量で投与してもよい。式(I)の化合物は1日ベースでまたは反復ベースで、例えば2、3、4、5、6、7、10、14、21、または28日毎に投与される。
本発明の化合物は、ある範囲の用量、例えば1〜1500mg、2〜800mg、または5〜500mg、例えば2〜200mgまたは10〜1000mgで経口投与され、用量の具体例として10、20、50および80mgがある。本化合物は各日に1回または2回以上投与される。本化合物は連続的に投与しうる(即ち、治療期間中に中断なしで毎日投与される)。一方、本化合物は断続的に投与してもよく、即ち1週間のような所定期間にわたり連続的に投与され、次いで1週間のような期間にわたり中断され、次いで治療期間を通して1週間などのような他の期間にわたり連続的に投与される。断続的投与を伴う治療法の例としては、投与が1週間オン、1週間オフ、または2週間オン、1週間オフ、または3週間オン、1週間オフ、または2週間オン、2週間オフ、または4週間オン、2週間オフ、または1週間オン、3週間オフのサイクルで、1回以上のサイクル、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上のサイクルに及ぶ方法がある。
一つの具体的な投薬スケジュールでは、患者に10日以内、特に1週間のうち5日以内で毎日1時間にわたる式(I)の化合物の注入が行われ、治療は2〜4週間のような望ましい間隔で、特に3週間毎に繰り返される。
更に詳しくは、患者に5日間で毎日1時間にわたり式(I)の化合物の注入が行われ、治療が3週間毎に繰り返される。
他の具体的な投薬スケジュールでは、患者に30分間〜1時間にわたる注入、次いで可変期間、例えば1〜5時間、例えば3時間の維持注入が行われる。
別の具体的な投薬スケジュールでは、患者に12時間〜5日間にわたる連続注入、特に24時間〜72時間にわたる連続注入が行われる。
しかしながら結局は、投与される化合物の量および用いられる組成物の種類は、治療される疾患の種類または生理状態に相応し、医者の裁量に委ねられる。
本願明細書で定義されているような化合物は、唯一の治療剤として投与しても、あるいはそれらは具体的病状、例えば以下で定義される癌のような新生物疾患の治療用の1種以上の他の化合物との組合せ治療において投与してもよい。式(I)の化合物と一緒に(同時にまたは異なる時間間隔で)投与しうる他の治療剤または治療の例としては、限定されないが:
トポイソメラーゼIインヒビター
抗代謝剤
チューブリン標的化剤
DNA結合剤およびトポイソメラーゼIIインヒビター
アルキル化剤
モノクローナル抗体
抗ホルモン
シグナル伝達インヒビター
プロテアソームインヒビター
DNAメチルトランスフェラーゼ
サイトカインおよびレチノイド
クロマチン標的化療法
放射線療法および
他の治療または予防剤、例えば化学療法に伴う副作用の一部を減少または低下させる剤がある。このような剤の具体例としては、制吐剤、化学療法関連好中球減少症を予防するまたはその期間を減少させる、および低レベルの赤血球または白血球から生じる合併症を予防する剤、例えばエリトロポエチン(EPO)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM‐CSF)および顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)がある。ビスホスホネート剤、例えばゾレドロネート、パミドロネートおよびイバンドロネートのような骨再吸収を阻害する剤、炎症応答を抑制する剤(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾンおよびプレドニゾロン)、末端肥大症患者で成長ホルモンおよびIGF‐Iの血中レベルを減少させるために用いられる剤、例えば、天然ホルモン ソマトスタチンの場合と似た薬理性を有する長期作用型オクタペプチドである酢酸オクトレオチドを含めた、合成形の脳ホルモン ソマトスタチンも含まれる。葉酸またはフォリン酸自体のレベルを減少させる薬物の解毒剤として用いられるロイコボリンのような剤と、浮腫および血栓塞栓出現を含む副作用の治療のために用いられる酢酸メゲストロールのような剤が更に含まれる。
本発明の組合せ剤に存在する化合物の各々は、多様な投薬スケジュールで異なる経路により個別に投与してもよい。
式(I)の化合物が1、2、3、4種またはそれ以上の他の治療剤(好ましくは1または2種、更に好ましくは1種)との組合せ治療に投与される場合、本化合物は同時にまたは連続的に投与される。連続的に投与される場合、それらは短い間隔(例えば、5〜10分間)または長い間隔(例えば1、2、3、4時間またはそれ以上離す、必要であれば更に長い間隔)で投与され、正確な投薬法は治療剤の性質に相応する。
本発明の化合物は、非化学療法治療、例えば放射線療法、光力学療法、遺伝子療法、手術および食事制限と併用して投与してもよい。
他の化学療法剤との組合せ治療に使用のために、式(I)の化合物と1、2、3、4種、またはそれ以上の他の治療剤が、例えば2、3、4種、またはそれ以上の治療剤を含有する剤形で一緒に処方しうる。別法では、個別の治療剤が別々に処方されて、場合によりそれらの使用説明書を入れたキットの形で一緒に提供される。
当業者であれば、共通一般知識を通して、用いるための投薬法および組合せ療法を知ることであろう。
診断方法
式(I)の化合物の投与前に、患者が罹患しているまたは罹患している可能性がある疾患または症状が、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRに対して活性を有する化合物での治療に感受性であるか否かを調べるために、患者が検査される。
例えば、患者が罹患しているまたは罹患している可能性がある癌のような症状または疾患が、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRのレベルまたは活性の上方調節、正常FGFR、VEGFRおよび/またはPDGFR活性に対する経路の過敏化、成長因子リガンドレベルまたは成長因子リガンド活性のようなこれら成長因子シグナリング経路の上方調節、あるいはFGFR、VEGFR、および/またはPDGFR活性化の下流において生化学経路の上方調節へ繋がる遺伝子異常または異常タンパク質発現で特徴づけられるものであるか否かを調べるために、患者から採取された生物学的サンプルが解析される。
FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRシグナルの活性化または過敏化をもたらすこのような異常の例としては、アポトーシス経路の喪失または阻害、レセプターまたはリガンドの上方調節、あるいはレセプターまたはリガンドの変異バリアント、例えばPTKバリアントの存在がある。FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはFGFR4の変異体、FGFR1の上方調節、特に過剰発現、あるいはFGFR2またはFGFR3の機能獲得変異体をもつ腫瘍は、FGFRインヒビターに特に感受性であってもよい。
例えば、FGFR2で機能獲得を生じる点変異が幾つかの症状で確認されていた(Lemonnier,et al.(2001),J.Bone Miner.Res.,16,832-845)。特に、FGFR2における活性化変異が子宮内膜腫瘍の10%で確認されていた(Pollock et al,Oncogene,2007,26,7158-7162)。
加えて、異所で発現または脱調節される構成的に活性なFGFR3レセプターをもたらす染色体転座または点変異のようなFGFR3レセプターチロシンキナーゼの遺伝子異常が確認され、一部の多発性骨髄腫、膀胱および子宮頸癌と関連している(Powers,C.J.et al.(2000)Endocr.Rel.Cancer,7,165)。PDGFレセプターの具体的変異T674Iがイマチニブ治療患者で確認されていた。
加えて、8p12‐p11.2の遺伝子増幅が小葉乳癌(CLC)の〜50%で証明され、これはFGFR1の発現増加と関連していることが示された。FGFR1に対するsiRNAまたは該レセプターの小分子インヒビターに関する予備研究が、特にこのシグナリング経路の阻害に感受性であり、こうした増幅を呈する細胞系を示した(Reis-Filho et al.(2006)Clin.Cancer Res.,12(22),6652-6662)。
一方、患者から採取された生物学的サンプルが、FGFR、VEGFR、またはPDGFRのネガティブレギュレーターまたはサプレッサーの喪失に関して解析されることもある。本関係において、用語“喪失”は、レギュレーターまたはサプレッサーをコードする遺伝子の欠失、(例えば、変異による)遺伝子のトランケーション、遺伝子の転写産物のトランケーション、(例えば、点変異による)転写産物の不活性化、または他の遺伝子産物による隔絶を包含する。
上方調節という用語には、遺伝子増幅(即ち、多重遺伝子コピー)を含めた高発現または過剰発現、転写効果による高発現、並びに変異による活性化を含めた機能亢進および活性化を含む。そのため、患者はFGFR、VEGFRおよび/またはPDGFRの上方調節に特有のマーカーを検出する診断検査に付されることがある。診断という用語には検査を含む。マーカーには、我々は、例えばFGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの変異を特定するためにDNA組成の測定を含めた、遺伝子マーカーを含めている。マーカーという用語には、酵素活性、酵素レベル、酵素状態(例えば、リン酸化されているまたはリン酸化されていない)および前記タンパク質のmRNAレベルを含めた、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの上方調節に特有なマーカーも含める。
診断検査およびスクリーンは、典型的には、腫瘍バイオプシーサンプル、血液サンプル(剥離腫瘍細胞の単離および豊富化)、スツールバイオプシー、痰、染色体解析、胸膜液、腹膜液、バッカルスピア(buccal spear)、バイオプシー、または尿から選択される生物学的サンプルで行われる。タンパク質の変異および上方調節の特定および解析の方法は、当業者に知られている。検査法としては、標準方法、例えば逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)またはin situハイブリッド形成、例えば蛍光in situハイブリッド形成(FISH)があるが、それらに限定されない。
FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRに変異を有する個体の特定は、該患者がFGFR、VEGFR、および/またはPDGFRインヒビターでの治療に特に適しうることを意味する。腫瘍は、治療前にFGFR、VEGFRおよび/またはPDGFRバリアントの存在に関して、優先的に検査してもよい。検査工程では、典型的には、直接配列決定、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ解析または変異体特異的抗体を用いる。加えて、このような変異を有する腫瘍の診断は、当業者に知られて本願明細書で記載されているような技術、例えばRT‐PCRおよびFISHを用いて行われる。
加えて、例えばFGFRまたはVEGFR2の変異形は、例えば、PCRおよび前記のようなPCR産物を直接的に配列決定する方法を用いた、腫瘍バイオプシーの直接配列決定により確認しうる。当業者であれば、前記タンパク質の過剰発現、活性化または変異の検出に関するすべてのこのような周知技術が本ケースに適用しうるとわかるであろう。
RT‐PCRによる検査において、腫瘍中mRNAのレベルは、mRNAのcDNAコピーを作製し、次いでPCRによるcDNAの増幅から評価される。PCR増幅の方法、プライマーの選択および増幅の条件は当業者に知られている。核酸操作およびPCRは、例えばAusubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,またはInnis,M.A.et al.,eds.(1990)PCR Protocols:a guide to methods and applications,Academic Press,San Diegoにおいて記載されているような、標準方法により行われる。核酸技術を伴う反応および操作は、Sambrook et al.,(2001),3rd Ed,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressでも記載されている。一方、RT‐PCR用の市販キット(例えば、Roche Molecular Biochemicals)、あるいは参考のためここに組み込まれる米国特許4,666,828、4,683,202、4,801,531、5,192,659、5,272,057、5,882,864および6,218,529で掲載されている方法論も用いてよい。mRNA発現を評価するためのin situハイブリッド形成技術の例は蛍光in situハイブリッド形成(FISH)である(Angerer(1987)Meth.Enzymol.,152:649参照)。
通常、in situハイブリッド形成は次の主要工程:(1)解析される組織の固定、(2)標的核酸へのアクセス性を増して非特異的結合を減らすためにサンプルの前ハイブリッド形成処理、(3)生物構造または組織中の核酸に対する核酸の混合物のハイブリッド形成、(4)ハイブリッド形成で結合されない核酸フラグメントを除去するためのハイブリッド形成後洗浄、および(5)ハイブリッド形成された核酸フラグメントの検出を含んでなる。このような適用で用いられるプローブは、典型的には放射性同位体または蛍光リポーターで標識される。好ましいプローブはストリンジェント条件下で標的核酸と特異的ハイブリッド形成しうるほど十分に長く、例えば約50、100または200ヌクレオチドから約1000以上のヌクレオチドである。FISHを行うための標準方法はAusubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,およびFluorescence In Situ Hybridization:Technical Overview by John M.S.Bartlett In Molecular Diagnosis of Cancer,Methods and Protocols,2nd ed.、ISBN:1-59259-760-2、March 2004,pps.077-088、Series、Methods In Molecular Medicineにおいて記載されている。
遺伝子発現プロファイリングのための方法は(DePrimo et al.(2003),BMC Cancer,3:3)において記載されている。簡単に言えば、プロトコールは次の通りである:ランダムヘキサマープライマーで第一鎖cDNA合成、次いで第二鎖cDNA合成をプライミングするための(dT)24オリゴマーを用いて全RNAから二本鎖cDNAが合成される。二本鎖cDNAは、ビオチニル化リボヌクレオチドを用いるcRNAのインビトロ転写のためのテンプレートとして用いられる。cRNAはAffymetrix(Santa Clara,CA,USA)において記載されたプロトコールに従い化学的に断片化され、次いでHuman Genome Arrayで一晩ハイブリッド形成される。
一方、mRNAから発現されたタンパク質産物は、腫瘍サンプルの免疫組織化学、微量滴定プレートでの固相イムノアッセイ、Westernブロッティング、二次元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリーおよび特定タンパク質の検出のために当業者に知られた他の方法によりアッセイされる。検出方法では部位特異的抗体の使用を含むことになる。当業者であれば、FGFR、VEGFRおよび/またはPDGFRの上方調節の検出あるいはFGFR、VEGFRおよび/またはPDGFRバリアントまたは変異体の検出に関するすべてのこのような周知技術が本ケースで適用しうるとわかるであろう。
FGFRまたはVEGFRのようなタンパク質の異常レベルは、標準酵素アッセイ、例えば本願明細書で記載されているアッセイを用いて測定される。活性化または過剰発現も、組織サンプル、例えば腫瘍組織で、Chemicon International製のようなアッセイでチロシンキナーゼ活性を測定することにより検出される。対象のチロシンキナーゼはサンプル溶解産物から免疫沈降され、その活性が測定される。
イソ型を含めたFGFRまたはVEGFRの過剰発現または活性化の測定のための別な方法として、microvessel densityの測定がある。これは、例えば、Orre and Rogers(Int.J.Cancer(1999),84(2),101-8)において記載された方法を用いて測定される。アッセイ法はマーカーの使用も含み、例えばVEGFRの場合はこれらにCD31、CD34、およびCD105がある(Mineo et al.(2004)J.Clin.Pathol.57(6),591-7)。
したがって、これら技術のすべてが、本発明の化合物での治療に特に適した腫瘍を特定するために用いうる。
本発明の化合物は、変異FGFRを有する患者の治療に特に有用である。FGFR3におけるG697C変異は口内扁平上皮細胞癌の62%で観察され、キナーゼ活性の構成的活性化を引き起こす。FGFR3の活性化変異は膀胱癌ケースでも確認されていた。これらの変異は、有病度の違いで6種:R248C、S249C、G372C、S373C、Y375C、K652Qがあった。加えて、FGFR4におけるGly388Arg多形性が、前立腺、結腸、肺および乳癌の高発生率および攻撃性と関連していることも見出した。
したがって、本発明の別の態様においては、FGFRに対して活性を有する化合物での治療に感受性である疾患または症状に罹患しているかまたは罹患するリスクがあるか否か検査して調べられた患者で病状または症状の治療または予防のための薬剤の製造に関する、本発明による化合物の使用を含む。
患者が検査される具体的変異としては、FGFR3におけるG697C、R248C、S249C、G372C、S373C、Y375C、K652Q変異、およびFGFR4におけるGly388Arg多形性がある。
本発明の他のの態様においては、FGFR遺伝子のバリアント(例えば、FGFR3におけるG697CおよびFGFR4におけるGly388Arg多形性)を有するサブ集団から選択される患者における癌の予防または治療で使用のための本発明の化合物を含む。
循環バイオマーカー(循環前駆細胞(CPC)、CEC、SDF1およびFGF2)と組み合わせた血管正常化のMRI測定(例えば、血液量、相対的血管サイズ、および血管透過性を測定するために、MRI勾配エコー、スピンエコー、およびコントラスト増強を用いる)も、本発明の化合物での治療用にVEGFR2耐性腫瘍を特定するために用いられる。
一般合成ルート
分析LC‐MSシステムおよび方法の記載
実施例において、製造された化合物は市販システム(Waters Platform LC-MS system,Waters Fractionlynx LC-MS system)、標準操作条件および市販カラム(Phenomenex,Watersなど)を用いて液体クロマトグラフィーおよびマススペクトロスコピーにより特徴づけられ、当業者であれば別なシステムおよび方法も用いうるとわかるであろう。元素が異なる同位体で共存して単一質量が特定されている場合、化合物に関して特定された質量は単同位体質量(即ち、35Cl、79Brなど)である。
Mass Directed Purification LC‐MSシステム
プレパラティブLC‐MS(またはHPLC)は、本願明細書で記載された化合物のような小有機分子の精製に用いられる標準有効法である。液体クロマトグラフィー(LC)およびマススペクトロメトリー(MS)の方法は、粗物質の良い分離と、MSによるサンプルの改善された検出を行うために変えうる。プレパラティブ勾配LC法の最適化は、カラム、揮発性溶離液および改質液、および勾配を変えて行う。プレパラティブLC‐MS法を最適化して、化合物を精製する上でそれらを用いるための方法は、当業界で周知である。このような方法は、Rosentreter U,Huber U.,Optimal fraction collecting in preparative LC/MS,J.Comb.Chem.,2004,6(2),159-64およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custum high-throughput preparative liquid chromatography/massspectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries,J.Comb.Chem.,2003,5(3),322-9において記載されている。
プレパラティブLC‐MSで化合物を精製するための二つのこのようなシステムはWaters FractionlynxシステムまたはAgilent 1100 LC‐MSプレパラティブシステムであるが、当業者であれば、別なシステムおよび方法も用いうるとわかるであろう。特に、逆相法が本願明細書で記載された化合物についてプレパラティブHPLCに用いられたが、順相プレパラティブLCベース法も逆相法の代わりに用いうる。ほとんどのプレパラティブLC‐MSシステムは逆相LCおよび揮発性酸性改質液を利用するが、そのアプローチが小分子の精製に非常に有効であるためであり、溶離液が陽イオン電子スプレーマススペクトロメトリーと適合するからでもある。得られる解析トレースに従い、最も適切なプレパラティブクロマトグラフィータイプが選択される。典型的ルーチンは、化合物構造に最も適したクロマトグラフィーのタイプ(低または高pH)を用いて分析LC‐MSをランさせることである。解析トレースが良いクロマトグラフィーを示せば、同種の適切なプレパラティブ法が選択される。ある範囲のクロマトグラフィー溶液、例えば順または逆相LC、酸性、塩基性、極性または親油性緩衝移動相、塩基性改質液が化合物を精製するために用いうる。得られた情報から、当業者であればプレパラティブLC‐MSにより本願明細書で記載された化合物を精製しうる。
すべての化合物が通常100%MeOHまたは100%DMSOに溶解された。
一般ルートA
Figure 0005497648
操作A1‐イミダゾピリジン環形成
Figure 0005497648
EtOH(150mL)中メチル 2-アミノピリジン-4-カルボボキシレート (10.0g, 66mmol, 1.0当量)の溶液にNaHCO(11.1g, 132mmol, 2.0当量)、次いでクロロアセトアルデヒド(水中で50重量%, 13.0mL, 99mmol, 1.5当量)(19.0mL,150mmol,1.5当量)を加えた。混合液を6時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗混合物を水とEtOAcに分配した。生成沈殿物をEtOで洗浄し、MeOH/EtOから再結晶化し、8.4gの生成物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): 8.66 (1H,d), 8.16 (2H,s), 7.80 (1H,s), 7.33(1H,d), 3.90(3H,s). MS: [M+H]+ 177.
操作A2−エステル加水分解
Figure 0005497648
EtOH (150 mL)中、メチルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン−7−カルボキシレート(3.Og、17.04mmol、1.0当量)の溶液に、2M水溶性KOH(85mL, 170mmol, 10当量)に加えた。その溶液を60℃で30分間加熱した。室温まで冷却させた後、反応を停止(HCl)させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOH(2×100mL)で攪拌し、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、生成物を更に精製せず、次の工程で用いた。MS: [M+H]+ 163.
操作A3−一般アミド結合形成
Figure 0005497648
DMF/HO (50:1)中、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン−7−カルボン酸(1.0当量)溶液に、TBTU(1.5当量)およびHOBT(1.5当量)を加えた。アミン(2.0当量)が加えられる前に反応を30分間室温で行った。生成溶液が16時間室温で攪拌された。反応混合物は、生成物がメタノールアンモニア (2カラム容積)により溶出される前に、SCXカートリッジにより精製し、MeOH(2カラム容積)で洗浄した。溶液を減圧下で除去し、必要に応じて、生成物をシリカでクロマトグラフィーにより精製した (0→50% MeOH/EtO) 。
Figure 0005497648
操作A4‐ヨウ素化
Figure 0005497648
DMF(280mL)中、イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン−7−カルボン酸アミド(1.0当量)の溶液に、N‐ヨードスクシンイミド(1.2当量)を加え、得られた混合液を室温で2時間攪拌した。薄褐色スラリーを水、10%w/vチオ硫酸ナトリウム、および炭酸ナトリウム(1M)で希釈し、EtOAcで抽出した。水層を更にEtOAcで抽出した。合わせた有機相を塩水(280mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、褐色残渣を得た。残渣をエーテルで摩砕し、濾過し、固体物をエーテル(2×50mL)で洗浄し、フィルター上で乾燥して、生成物を得た。必要に応じて、生成物をシリカでクロマトグラフィーにより精製した(0→50% MeOH/EtO)。
Figure 0005497648
操作A5b‐1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)‐フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素との鈴木カップリング
Figure 0005497648
DME中、7−アミノ−3−ヨード−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(1当量)の溶液に、1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)‐フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素(1.2当量)、1MNaCO(8当量)〔Nを吹き込んで脱気させる反応〕、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.05当量)を加えた。混合液を80℃で一晩加熱し、次いで水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物をEtOで摩砕によりまたはシリカでカラムクロマトグラフィーにより精製した(0→50% MeOH/EtO)。
Figure 0005497648
一般ルートB
Figure 0005497648
操作B1−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸アミド
Figure 0005497648
メチル2−アミノピリジン−4−カルボキシレートの代わりに2‐アミノイソニコチンアミドを使用して一般ルートA工程A1を用いて製造した。
1H NMR (400MHz,DMSO-d6): 8.59(1H,d), 8.16(1H,s), 8.13(1H,s), 8.05(1H,s), 7.71(1H,s), 7.52(1H,s), 7.32(1H,dd). MS:[M+H]+162.
操作B2−3−ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸アミド
Figure 0005497648
メチルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボキシレートの代わりにイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸アミドを使用して、一般ルートA工程A4を用いて調製した。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): 8.39 (1H,d), 8.25-8.09 (3H,m), 7.86(1H,s), 7.56-7.45(1H,dd). MS:[M+H]+288.
工程B3−鈴木カップリング
Figure 0005497648
3−ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン−7−カルボン酸アミドは一般ルートA、工程A5に記載されたようにカップリングされた。
Figure 0005497648
一般ルートC
Figure 0005497648
操作C1‐イミダゾピリジン環形成
メチルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボキシレートの製造
Figure 0005497648
EtOH(150mL)中、メチル 2−アミノピリジン−4−カルボキシレート (10.0g、66mmol、 1.0当量)の溶液に、NaHCO(11.1g、132mmol、2.0当量)、次いでクロロアセトアルデヒド(水中で50重量%、13.0mL、99mmol, 1.5当量)を加えた。混合液を2時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗混合物を水とEtOAcとに分配した。生成沈殿物をEtOで洗浄し、MeOH/EtOから再結晶化し、8.4gの生成物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): 8.66 (1H,d), 8.16 (2H,s), 7.80 (1H,s), 7.33(1H,d), 3.90(3H,s). MS: [M+H]+ 177.
操作C2−ヨウ素化
3−ヨードイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸メチルエステルの製造
Figure 0005497648
DME(30mL)中、メチルイミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボキシレート(1g、5.68mmol)の溶液に、N‐ヨードスクシンイミド(1.53g、1.2当量)を加え、得られた混合液を室温で2時間攪拌した。薄褐色スラリーを水、10%w/vチオ硫酸ナトリウム、および炭酸ナトリウム(1M)で希釈し、CHClで抽出した。水層を更にCHClで抽出した。合わせた有機相を塩水(280mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、褐色残渣を得た。残渣をエーテルで摩砕し、濾過し、固体物をエーテル(2×50mL)で洗浄し、フィルター上で乾燥して、白色固体(0.81g)としての生成物を得た。
1H NMR (400MHz,Me-d3-OD): 8.44(1H,d), 8.25(1H,s), 7.88(1H,s), 7.61(1H,dd), 3.95(3H,s). MS:[M+H]+303.
操作C3−1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)‐フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素との鈴木カップリング鈴木反応とエステル加水分解
3−{3‐〔3−(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−フェニル}イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸の製造
Figure 0005497648
DME(200mL)中、3−ヨード−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸メチルエステル(3.02g、10mmol)の溶液に、1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)‐フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素(4.13g,12mmol)、1MNaCO(80mL)〔Nを吹き込んで脱気させる反応〕、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.58g、0.5mmol)を加えた。混合液を80℃で一晩加熱し、次いで水で希釈し、CHClで抽出した。水層を更にCHClで抽出した。水層を中和し、逆相(C18)SPE(固相抽出)カートリッジに通した。そのカートリッジを水(2カラム容量)で洗浄し、MeOH(2カラム容量)で抽出し、有機層を真空下で除去し、オフホワイトの生成物を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6): 12.31(1H,s), 9.77(1H,s), 8.85(1H,d), 8.12(1H,d), 8.04(1H,s), 7.94(1H,s), 7.84(1H,s), 7.76(1H,d), 7.39(1H,t), 7.21(1H,d), 4.05-3.90(2H,m). MS: [M+H]+ 379.
操作C4−一般アミド結合形成
Figure 0005497648
DMF中、3−{3‐〔3−(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−フェニル}イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸(1当量)の溶液に、TBTU (1.5当量)およびHOBT(1.5当量)を加えた。反応は、アミン(2.0当量)が加えられる前に30分間室温で攪拌された。得られた溶液を室温で16時間攪拌した。反応混合液を逆相(C18)SPEカートリッジに通した。そのカートリッジを水(2カラム容量)で洗浄し、MeOH(2カラム容量)で抽出し、有機層を真空下で除去した。生成物をカラムクロマトグラフィーまたは逆相HPLCにより精製した。生成物がHCl/ジオキサンにより適切に分離された場合、その溶液を除去し、その生成物をMeOHから再結晶化してヒドロクロライドを得た。
Figure 0005497648
一般操作D
Figure 0005497648
操作D1−一般イミダゾピリジン環形成
Figure 0005497648
EtOH (170mL)中、4−クロロ−ピリジン−2−イルアミン(12.8g、100mmol、1.0当量)の溶液にNaHCO (16.8g, 200mmol, 2.0当量)、次いでクロロアセトアルデヒド(19.0mL、150mmol、1.5当量)を加えた。混合液を6時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、粗混合物を水とEtOAcとに分配した。有機層を塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物をEtOで摩砕またはシリカでクロマトグラフィー (SiO2, 50% EtOAC-ガソリンで溶出)により精製し(0→50% MeOH/EtO)、13.2gの生成物を得た。
MS: [M+H]+ 153
操作D2−一般ヨウ素化
Figure 0005497648
DMF(280mL)中、7−クロロ−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(30.9g、186mmol、1.0当量)の溶液に、N‐ヨードスクシンイミド(43.6 g、194mmol、1.05当量)を加え、そして生成混合液を室温で一晩攪拌した。薄褐色スラリーを水(840mL)、塩水(280mL)で希釈し、EtOAc (560mL)で抽出した。水層をさらにEtOAc(3×280mL)で抽出した。合わせた有機相を水(2×280mL)、10%w/vチオ硫酸ナトリウム(280mL)、塩水(280mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、褐色残渣を得た。残渣をエーテル(200mL)で摩砕し、濾過し、固体物をエーテル(2×50mL)で洗浄し、フィルター上で乾燥して、39gの生成物を得た。
MS: [M+H]+ 279
操作D3−1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)‐フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素との鈴木反応
Figure 0005497648
DME中、7−クロロ−3−ヨード−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン(1当量)の溶液に、1‐〔3‐(4,4,5,5‐テトラメチル〔1,3,2〕ジオキサボロラン‐2‐イル)‐フェニル〕‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素(1.2当量)、1MNaCO(8当量)〔Nを吹き込んで脱気させる反応〕、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.05当量)を加えた。混合液を80℃で一晩加熱し、次いで水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、(MgSO)乾燥し、減圧下で濃縮した。粗物質をCHClで摩砕し、ベージュ固体物の所望の生成物を得た。
MS: [M+H]+ 389
操作E−Stilleカップリング
1−〔3−(7−アセチル−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3−イル)−フェニル〕‐3−(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素の製造
Figure 0005497648
アセトニトリル(4mL)中、1‐〔3‐(7‐イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3−イル)−フェニル〕‐3−(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素(0.1g、0.27mmol)、トリブチル−(1−エトキシ−ビニル)−スタナン(0.091mL、0.27mmol、1当量)、リチウムクロリド(0.034g、0.81mmol、3当量)の懸濁液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.031g、27.2μmol、0.1当量)を加えた。反応混合液にNを吹き込んで脱気させ、電子レンジで20分間、150℃で加熱し、ガラスミクロファイバーフィルターを通して濾過した。濾過のために、2NHCl(3mL)を加え、混合物を室温で2時間激しく攪拌し、標準溶液NaHCOにより中和し、CHClで抽出し、有機混合物を(MgSO)乾燥し、溶媒を真空下で除去した。残渣をプリパレイティブLC−MSにより生成し黄色固体物の所望の生成物を得た。
MS: [M+H]+ 377
1H NMR (400MHz,DMSO-d6): 9.07(1H,s), 8.61(1H,d), 8.43(1H,s), 7.99(1H,s), 7.78(1H,s), 7.56-7.42(2H,m), 7.39(1H,dd), 7.28 (1 H,d), 6.96(1H,t), 4.06-3.87(2H,m), 2.68(3H,s).
実施例1〜17
上述の方法に従い、以下の表に示された例1〜17の化合物を製造した。
Figure 0005497648
Figure 0005497648
Figure 0005497648
Figure 0005497648
Figure 0005497648
Figure 0005497648
Figure 0005497648
Figure 0005497648
Figure 0005497648
実施例18
3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔5−(1−N−メチル−イミダゾール)〕−アミド
Figure 0005497648
10/1のTHF/DMFの混合物 (11mL)中、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸(540mg、1.3mmol)、HBTU(493mg、1.3mmol)、トリエチルアミン(362μL、2.6mmol)の混合物に、Nの雰囲気下、ジオキサン(10.15mL、3.9mmol)中、5−アミノ−1−N−メチル−イミダゾールの溶液中を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、その後水で急冷した。水層をCHClで抽出し、その後(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た(1.3g)。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製(溶出:CH2Cl2/MeOH/NH4OH: 90/10/1)により、CHCNから結晶化されるオイルを得て、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔5−(1−N−メチル−イミダゾール)〕−アミドを得た(171mg、28%)。
1H NMR (400mHz,DMSO-d6): 10.30 (br. s.,1H), 8.99(s,1H), 8.68(d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.42(s,1H), 7.96(s,1H), 7.79 (s,1H), 7.59(s,1H), 7.41-7.55(m,3H), 7.30(d,J = 7.3 Hz,1H), 6.81-6.96(m,2H), 3.84-4.04(m,2H), 3.53(s,3H)
MS:[M+H]+:458
融点: 26O℃
実施例19
3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔3−(1H−イミダゾール‐4−イル)〕−プロパンアミド
Figure 0005497648
10/1のTHF/DMFの混合物 (15mL)中、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸(600mg、1.45mmol)、HBTU(1.1g、2.9mmol)、トリエチルアミン(402μL、2.9mmol) の混合物に、Nの雰囲気下、3−(1−H−イミダゾール−5−イル)プロピルアミン (345μL、2.89mmol)を加えた。反応混合物を室温で48時間攪拌し、その後、水で急冷した。水層をCHClで抽出し、その後(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、粗残渣を得た(810mg)。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製(溶出:CH2Cl2/MeOH/NH4OH: 90/10/1)により、CHCNから結晶化されるオイルを得て、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔3−(1H−イミダゾール‐5−イル)〕−プロパンアミドを得た(287mg、40%)。
1H NMR (400mHz, DMSO-d6): 8.97 (s., 1H), 8.75 (t, J=5.36 Hz, 1H), 8.63(d, J=7.25Hz,1H), 8.24(s,1H), 7.90 (s,1H), 7.77(s,1H), 7.68(s,1H), 7.43-7.52 (m,2H), 7.40(d, J=7.25 Hz, 1H), 7.27 (d, J=6.6 Hz,1H), 7.23(s,1H), 6.90 (s,1H), 6.85(t, J=6.46 Hz, 1H), 4.06(t, J=6.95 Hz, 2H), 3.88-4.01 (m,2H), 3.24-3.32 (m,2H), 1.93-2.06(m,2H)
MS: [M+H] +: 486.2
融点: 170℃
実施例20
3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔5−(1−N−メチル−イミダゾール)〕−メチルアミド
Figure 0005497648
10/1のTHF/DMFの混合物 (15mL)中、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸(600mg、1.45mmol)、HBTU(823mg、2.17mmol)、トリエチルアミン(402μL、2.9mmol) の混合物に、Nの雰囲気下、(1−N−メチル−イミダゾール−5−イル)メチルアミン(322mg、2.89mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌し、その後、水で急冷した。水層をAcOEtで抽出した。有機層を一晩保持した。沈殿を濾過し、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔5−(1N−メチル−イミダゾール)〕−メチルアミドを得た(454mg、66%)。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): 9.15(br. s., 1 H), 9.07(br. s., 1 H), 8.61(d, J=7.25 Hz, 1H), 8.25(s, 1H), 7.89(s,1H), 7.77 (s,1H), 7.56(s,1H), 7.39-7.52(m, 3H), 7.26(d, J=7.25Hz, 1H), 7.11(br. s., 1H), 6.87(s,1H), 4.51(s,2H), 3.93 (q, J=9.77Hz, 2H), 3.64(s, 3H).
MS: [M+H] +: 472.2
融点 > 260℃
実施例21
3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔2−(3−アミノピラゾール)〕−アミド
Figure 0005497648
10/1のTHF/DMFの混合物 (11mL)中、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸(295mg、0.71mmol)、HBTU(404mg、1.07mmol)、トリエチルアミン(198μL、1.42mmol) の混合物に、Nの雰囲気下、3−アミノピラゾール(118mg、1.42mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌し、その後、水で急冷した。沈殿を濾過し、水およびCHCNで洗浄し、乾燥させて、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔2−(3−アミノピラゾリル)〕−アミドを得た(139mg、44%)。
1H NMR (DMSOd6): 8.99(br. s., 1H), 8.71(br. s., 1H), 8.65(d, J=6.9 Hz, 1H), 8.26 (br. s., 1H), 7.99(s, 1H), 7.80(br. s., 1H), 7.53(d, J=6.9 Hz,1H), 7.43-7.51(m,2H), 7.30(d, J=5.4 Hz,1H), 6.87(br. s.,1H), 6.08(br. s., 1H), 5.85(br. s., 2H), 3.88-4.02(m,2H).
MS: [M+H]+: 443.9
融点:262℃
実施例22
3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−〔2−チアゾール)〕−アミド
Figure 0005497648
10/1のTHF/DMFの混合物 (11mL)中、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−カルボン酸(295mg、0.71mmol)、HBTU(404mg、1.07mmol)、トリエチルアミン(198μL、1.42mmol) の混合物に、Nの雰囲気下、2−アミノチアゾール(143mg、1.42mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間攪拌し、その後、水で急冷した。沈殿を濾過し、水およびCHCNで洗浄し、乾燥させて、3−{3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド〕−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐7−(2−チアゾリル)−アミドを得た(208mg、63%)。
1H NMR (DMSOd6): 12.88 (br. s., 1H), 8.99(s, 1H), 8.68(d, J=7.3Hz, 1H), 8.57 (s,1H), 7.97(s,1H), 7.78(s,1H), 7.55-7.65(m,2H), 7.63-7.56(m,2H), 7.43-7.55(m,2H), 7.24-7.37(m,2H), 6.87(t, J=6.3Hz,1H), 3.85-4.04(m,2H)
MS: [M+H] +: 460.9
融点 > 260℃
理論実施例23A−25A
次の化合物はここに記載された方法を用いて製造することができる。特に、適切なカップリングパートナーは、1−〔3−(7−クロロ−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3−イル)−フェニル〕‐3−(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素とのクロスカップリング反応(例えば、適切な酸塩化物とのパラジウムまたは銅媒介反応)において用いられる可能性がある。所望のカップリング酸塩化物パートナーは市販されている、または標準的な化学的性質を用いて市販されている酸を用いて合成できる。
実施例23A
1−〔3−(7−シクロプロパンカルボニル−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3−イル)−フェニル〕‐3−(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素
Figure 0005497648
実施例24A
1−〔3−(7−シクロブタンカルボニル−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3−イル)−フェニル〕‐3−(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素
Figure 0005497648
実施例25A
1−〔3−(7−シクロペンタンカルボニル−イミダゾ〔1,2‐a〕ピリジン‐3−イル)−フェニル〕‐3−(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)尿素
Figure 0005497648
生物学的アッセイ
FGFR3およびPDGFRインビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
酵素(upstate)を1×キナーゼアッセイ用緩衝液(下記の通り)中2×最終濃度で調製した。酵素を次いで試験化合物、ビオチニル化Flt3基質(ビオチン‐DNEYFYV)(Cell Signalling Technology Inc.)、およびATPとインキュベートした。反応を室温においてプレートシェーカー上900rpmで3時間(FGFR3)または2.5時間(PDGFR‐ベータ)進行させてから、20μLの35mM EDTA,pH8(FGFR3)または55mM EDTA,pH8(PDGFR‐ベータ)で停止させた。次いで20μLの5×検出ミックス(FGFR3の場合は50mM HEPES pH7.5、0.1% BSA、2nM Eu‐抗pY(PY20)(PerkinElmer)、15nM SA‐XL665(Cisbio)およびPDGFR‐ベータの場合は50mM HEPES pH7.5、0.5M KF、0.1% BSA、11.34nM Eu‐抗pY(PT66)(PerkinElmer)、94nM SA‐XL665(Cisbio))を各ウェルに加え、プレートを密封し、室温においてプレートシェーカー上900rpmで1時間インキュベートした。プレートを次いでTRFモードでPackard Fusionプレートリーダーで読み取った。
Figure 0005497648
キナーゼアッセイ用緩衝液は:
A:50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0.1% TritonX‐100
B:20mM MOPS pH7.0、10mM MnCl、0.01% Triton X‐100、1mM DTT、0.1mMオルトバナジウム酸ナトリウムであった。
実施例1〜20は10μM以下のIC50値を有するか、または10μMの濃度でFGFR3活性の少なくとも50%阻害を発揮する。実施例1〜20は1μM以下のIC50値を有するか、または1μMの濃度でFGFR3活性の少なくとも50%阻害を発揮する。本発明の好ましい化合物(例えば、実施例1〜7および9〜20)はFGFR3に対して0.1μM以下のIC50値を有するか、またはFGFR3アッセイにおいて0.1μMの濃度でFGFR3活性の少なくとも50%阻害を発揮する。
VEGFR2インビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0.01% TritonX‐100、5μM ATP(2.8Ci/mmol)中VEGFR2酵素(Upstateから購入)および250μM Poly(Glu、Tyr)4:1基質(CisBio)を含有するアッセイ反応を化合物の存在下において始めた。過剰のリン酸を加えることにより、反応を15分間後に停止させた。ペプチドが結合して未使用ATPが洗い落とされるMillipore MAPHフィルタープレートに、反応混合液を移した。洗浄後、シンチラントを加え、取り込まれた活性をPackard Topcountでシンチレーション計数により測定した。
FGFR1、FGFR2、FGFR4、VEGFR1、およびVEGFR3インビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
FGFR1、FGFR2、FGFR4、VEGFR1、およびVEGFR3に対する阻害活性はUpstate Discovery Ltd.で調べられる。酵素用緩衝液(20mM MOPS pH7.0、1mM EDTA、0.1% β‐メルカプトエタノール、0.01% Brij‐35,5%グリセロール、1mg/mL BSA)中10×最終濃度で酵素を調製した。酵素を次いで表において記載されているような様々な基質および33P‐ATP(〜500cpm/pmol)とアッセイ用緩衝液中でインキュベートした。反応をMg/ATPの添加により開始させた。反応を室温において40分間進行させてから、5μLの3%リン酸溶液で停止させた。10μLの反応ミックスをfiltermat AまたはP30 filtermatに移し、75mMリン酸で3回およびメタノールで1回洗浄してから、シンチレーション計数のために乾燥させた。化合物を全キナーゼに対して二重に下記濃度で試験し、コントロールと比較した活性率を計算した。阻害が高い場合に、IC50を調べた。
Figure 0005497648
酵素用緩衝液A:8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、10mM酢酸Mg
酵素用緩衝液B:8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、2.5mM MnCl、10mM酢酸Mg
酵素用緩衝液C:8mM MOPS pH7.0、0.2mM EDTA、10mM MnCl、10mM酢酸Mg
細胞ベースpERK ELISA法
LP‐1またはJIM‐1多発性骨髄腫細胞を無血清培地中200μL/ウェルにて1×10細胞/mLで96ウェルプレートに接種した。HUVEC細胞を2.5×10細胞/mLで接種し、無血清培地へ移す前に24hで回収した。細胞を30分間にわたる試験化合物の添加前に37℃で16hインキュベートした。試験化合物を0.1%最終DMSO濃度で投与した。この30分間インキュベート後に、FGF‐1/ヘパリン(最終100ng/mLでFGF‐1および100μg/mLでヘパリン)混合物またはVEGF165(100μg/mL)を更に5分間かけてウェルの各々に加えた。培地を除去し、50μL ERK ELISA細胞溶解用緩衝液(pERKおよび全ERK #DYC‐1940E,DYC‐1018Eの場合R and D Systems DuoSet ELISA)を加えた。ELISAプレートおよび標準を標準DuoSetプロトコールに従い調製し、各サンプルにおけるpERK対全ERKの相対量を標準曲線に従い計算した。
特に、本発明の化合物をヒト多発性骨髄腫由来のLP‐1細胞系(DSMZ no.:ACC41)に対して試験した。本発明の多くの化合物(例えば、実施例2、3、5−7、9−12、15、16、および17)はこのアッセイで20μM以下のIC50値を有することがわかり、一部の化合物(例えば、実施例3、5、6、9−12、15、および16)は1μM以下のIC50値を有するか、または1μMの濃度で少なくとも50%阻害を発揮する。
HUVEC細胞ベース選択性アッセイ
HUVEC細胞を6ウェルプレートに1×10細胞/ウェルで接種し、24hで回収した。それらを、最終0.1%DMSO中で30分間にわたる試験化合物との処理前に、16時間にわたり無血清培地へ移した。化合物インキュベート後にFGF‐1(100ng/mL)およびヘパリン(100μg/mL)またはVEGF165(100ng/mL)を5分間で加えた。培地を除去し、細胞を氷冷PBSで洗浄し、100μL TG細胞溶解用緩衝液(20mM Tris、130nM NaCl、1% Triton X‐100、10%グリセロール、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビター,pH7.5)中で溶解させた。等量のタンパク質を含有したサンプルをLDSサンプル緩衝液で調製し、ホスホ‐FGFR3、ホスホ‐VEGFR2およびホスホ‐ERK1/2を含めた幾つかの下流VEGFRおよびFGFR経路標的に関してSDS PAGE、次いでウエスタンブロットでランさせた。
高血圧のインビボモデル
幾つかの動物モデルが小分子インヒビターの潜在的高血圧作用を測定するために存在している。それらは二つの主要な種類:間接および直接測定に分類される。最も多い間接法はカフ技術である。このような方法は非侵襲的である利点を有し、そのため大グループの実験動物に適用しうるが、しかしながら該工程は血圧の断続的サンプリングのみを行え、動物をある手法で拘束することを要する。拘束の適用は動物にストレスを加えることがあり、特定薬物作用に起因する血圧の変化が検知されにくいことを意味する。
直接方法論としては、ラジオテレメトリー技術を利用するもの、または外部設置変換器へ接続された留置カテーテルによるものがある。このような方法はインプラントに伴う初期手術に高レベルの専門的技術を要し、かかる費用は高い。しかしながら、重要な利点は、それらが実験期間中に拘束せず血圧の継続的測定を行えることである。これらの方法はKurz,et al.(2005),Hypertension,45,299-310において概説されている。
hERG活性
hERG K+イオンチャンネルに対する式(I)の化合物の活性は、M. H. Bridgland- Taylor et al., Journal of Pharmacological and Toxicological Methods, 54 (2006), 189-199の論文に記載されたアッセイを用いて、決定することができる。このIonWork HT hERGスクリーニングアッセイは、PrecislON hERG-CHO細胞株を用いてUpstate (Millipore)により商業的に行われる。
シトクロームP450に対する有効性の決定
シトクロームP450(CYP450)酵素1A2、2C9、2C19、3A4、および2D6に対する式(I)の化合物の有効性は、Invitrogen (Paisley, UK)から入手できるPan Vera Vivid CYP450スクリーニングキットを用いて決定できる。CYP450は、CYP450およびNADPHリダクターゼを含むバキュロソームの形態で供給される。最終反応混合物は以下に示される:
1A2
100mM リン酸カリウム, pH8, 1%アセトニトリル, 2 μM 1A2 Blue vivid基質, 100μM NADP+, 4nM CYP450 1A2, 2.66mM グルコース-6-ホスフェート, 0.32U/mlグルコース-6-ホスフェート ヒドロゲナーゼ
2C9
50mMリン酸カリウム, pH8, 1 % アセトニトリル, 2μM Green vivid基質, 100μM NADP+, 8nM CYP450 2C9, 2.66mMグルコース-6-ホスフェート, 0.32U/ml グルコース-6-ホスフェート ヒドロゲナーゼ
2C19
50mMリン酸カリウム, pH8, 1%アセトニトリル, 8μM Blue vivid基質, 100μM NADP+, 4nM CYP450 2C19, 2.66mMグルコース-6-ホスフェート, 0.32U/ml グルコース-6-ホスフェート ヒドロゲナーゼ
3A4
100mMリン酸カリウム, pH8, 1 %アセトニトリル, 10μM 3A4 Blue vivid基質, 100μM NADP+, 2.5nM CYP450 3A4, 2.66mMグルコース-6-ホスフェート, 0.32U/ml グルコース-6-ホスフェート ヒドロゲナーゼ
2D6
100mMリン酸カリウム, pH8, 1%アセトニトリル, 5μM 2D6 Blue vivid基質, 100μM NADP+, 16nM CYP450 2D6, 2.66mMグルコース-6-ホスフェート, 0.32U/mlグルコース-6-ホスフェート ヒドロゲナーゼ
蛍光は、Molecular Devices Gemini蛍光プレートリーダーにより、30秒間隔で20分間測定される。励起および蛍光波長は、1A2、2C19、および3A4に対しては、390nmおよび460nmであり、2D6に対しては485nmであり、2C9に対しては485nmおよび530nmである。初期の割合はプログレス曲線により決定される。
試験化合物はメタノールおよびアセトニトリルで調製し、10μMの濃度でCYP450に対して試験が行われた。
Ba/F3-TEL-FGFR3とBa/F3(WT)細胞増殖アッセイ
安定的にトランスフェクトされたBa/F3-TEL-FGFR3細胞は、5x103細胞/ウエルで、RPMI(10%FBSおよび0.25mg/mLG418を含む)中において、クリアボトムブラック96ウエル組織培養プレートに播種された(1ウエル当たり200μl)。親野生型Ba/F3細胞 (DSMZ no.: ACC 300)は、2.5x103細胞/ウエルの密度で、RPMI(10%FBSおよび2ng/mlマウスIL-3(R&D Sysems)を含む)中において、クリアボトムブラック96ウエル組織培養プレートに播種された(1ウエル当たり200μl)。プレートは翌日に化合物を加える前に一晩インキュベータ中に置いた。化合物の希釈はDMSO で行い、10mMから始め、希釈して、最終的にはアッセイにおいて、0.1%のDMSO濃度となった。プレートがインキュベータから取り出す前の72時間、化合物は細胞中に残っており、アラマーブルー(Biosource)をそれぞれのウエルに加えた。プレートは、Fusionプレートリーダー(Packard)により、535nm(励起)/590nm(蛍光)において、プレートが読まれる前に、4〜6時間インキュベータ中に置かれた。
特に、本発明の化合物は、Ba/F3-TEL-FGFR3細胞株に対して試験された。本発明の化合物(例えば、実施例1)は、このアッセイにおいて20μM以下のIC50値を有することを見出した。多くの本発明の化合物は、親野生型Ba/F3細胞株に比べ、Ba/F3-TEL-FGFR3細胞株に対しては、例えば5倍以上、強い活性が期待され、特に親野生型Ba/F3細胞株に比べ、Ba/F3-TEL-FGFR3細胞株に対しては、10倍以上の活性が期待される。
また、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)式(I)の化合物:
Figure 0005497648
〔上記式中、
、X 、およびX は、各々独立して、炭素または窒素から選択され、但しX 〜X の少なくとも一つは窒素を表し、X が窒素の場合X 、X 、X 4、 およびX の少なくとも一つが窒素を表し、
は、CR 、窒素、NH、またはC=Oを表し、
は、CR 、窒素、NH、またはC=Oを表し、
但し、X 〜X の3以下は、窒素を表し、
------ は、単または二重結合を表し、但し、5員環系内における少なくとも一つの結合は二重結合であり、X またはX がC=Oを表す場合のみX と、X との間の結合が単結合を表し、
は、水素、ハロゲン、C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 1‐6 アルコキシ、C 3‐6 シクロアルキル、C 3‐6 シクロアルケニル、シアノ、ハロC 1‐6 アルキル、またはハロC 1‐6 アルコキシを表し、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR 基によって場合により置換される場合もある、芳香族、非芳香族炭素環式、またはヘテロ環式基を表し、
は、‐NHCONR 、‐NHCOOR 、‐NH‐CO‐(CH ‐NR 、‐NH‐(CH ‐CONR 、‐NH‐CO‐(CH ‐COOR 、‐NH‐CO‐(CH ‐CSOR 、‐NHSO 、‐NHSO NR 、‐NHCSNR 、‐NHCOR 、‐NHCSR 、‐NHCSSR 、‐NHC(=NR )NR 、‐NHC(=NR )R 、‐NH‐C(=NH )‐NH‐CO‐R 、‐NHCSOR 、または‐NHCOSR を表し、
およびR は、独立して、水素、C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 3‐8 シクロアルキル、C 3‐8 シクロアルケニル、C 1‐6 アルカノール、ハロC 1‐6 アルキル、‐(CH ‐NR 、‐(CH ‐COOR 、‐(CH ‐O‐(CH ‐OH、‐(CH ‐アリール、‐(CH ‐O‐アリール、‐(CH ‐ヘテロ環式、または‐(CH ‐O‐ヘテロ環式を表し、ここで該C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 3‐8 シクロアルキル、C 3‐8 シクロアルケニル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR 基により置換される場合もあり、
、R 、およびR は、独立して、水素、C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 1‐6 アルカノール、‐COOC 1‐6 アルキル、ヒドロキシ、C 1‐6 アルコキシ、ハロC 1‐6 アルキル、‐CO‐(CH ‐C 1‐6 アルコキシ、C 1‐6 アルキルアミノ、C 3‐8 シクロアルキル、またはC 3‐8 シクロアルケニルを表し、
は、‐CONR 、‐COR 、または‐COOR 基を表し、
およびR は、独立して、水素、C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 3‐8 シクロアルキル、C 3‐8 シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環式基、またはR およびR はそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、該C 1‐6 アルキル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR 基により置換される場合もあり、
は、ハロゲン、水素、C 1‐6 アルキル、C 1‐6 アルコキシ、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、‐C≡N、C 3‐8 シクロアルキル、C 3‐8 シクロアルケニル、‐NHSO 、‐CH=N‐OR 、または3〜6単環式ヘテロ環式基であり、該C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 1‐6 アルコキシ、ヘテロ環式基は1以上のR 基により置換される場合もあり、
は、水素またはC 1‐6 アルキルを表し、
は、ハロゲン、C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 3‐8 シクロアルキル、C 3‐8 シクロアルケニル、‐OR 、‐O‐(CH ‐OR 、ハロC 1‐6 アルキル、ハロC 1‐6 アルコキシ、C 1‐6 アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R 、‐(CH ‐CN、‐S‐R 、‐SO‐R 、‐SO ‐R 、‐COR 、‐(CR ‐COOR 、‐(CH ‐CONR 、‐(CH ‐NR 、‐(CH ‐NR COR 、‐(CH ‐NR SO ‐R 、‐(CH ‐NH‐SO ‐NR 、‐OCONR 、‐(CH ‐NR CO 、‐O‐(CH ‐CR ‐(CH ‐OR 、または‐(CH ‐SO NR 基を表し、
は、R 基または‐Y‐炭素環式基もしくは‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式基およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR 基により置換される場合もあり、
YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH ‐、‐COO‐、‐(CH ‐、‐NR ‐(CH ‐、‐(CH ‐NR ‐、‐CONR ‐、‐NR CO‐、‐SO NR ‐、‐NR SO ‐、‐NR CONR ‐、‐NR CSNR ‐、‐O‐(CH ‐、‐(CH ‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH ‐SO ‐を表し、
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す〕
あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物、または誘導体。
(2)X 、X 、およびX は、各々独立して、炭素または窒素から選択され、但しX 〜X の少なくとも一つは窒素を表し、X が窒素の場合X 、X 、X 4、 およびX の少なくとも一つが窒素を表し、
は、CR または窒素を表し、
は、CH、窒素、またはC=Oを表し、
但しX 〜X の3以下は窒素を表し、
------ は、単または二重結合を表し、
は、水素または=Oを表し、
Aは、1以上(例えば、1、2、または3)のR 基によって場合により置換される場合もある、芳香族、非芳香族炭素環式、またはヘテロ環式基を表し、
は、‐NHCONR 、‐NHCOOR 、‐NH‐CO‐(CH ‐NR 、‐NH‐CO‐(CH ‐COOR 、‐NHSO 、または‐NHCSNR を表し、
およびR は、独立して、水素、C 1‐6 アルキル、C 1‐6 アルカノール、‐(CH ‐NR 、‐(CH ‐アリール、またはハロC 1‐6 アルキルを表し、
、R 、およびR は、独立して、水素、C 1‐6 アルキル、C 1‐6 アルカノール、ヒドロキシ、C 1‐6 アルコキシ、ハロC 1‐6 アルキル、または‐CO‐(CH ‐C 1‐6 アルコキシを表し、
は、‐CONR 、‐COR 、または‐COOR 基を表し、
およびR は、独立して、水素、C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 3‐8 シクロアルキル、C 3‐8 シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環式基、またはR およびR はそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、該アルキル、アリール、およびヘテロ環式基は1以上(例えば、1、2、または3)のR 基により置換される場合もあり、
は、ハロゲン、C 1‐6 アルキル、C 2‐6 アルケニル、C 2‐6 アルキニル、C 3‐8 シクロアルキル、C 3‐8 シクロアルケニル、‐OR 、‐O‐(CH ‐OR 、ハロC 1‐6 アルキル、ハロC 1‐6 アルコキシ、C 1‐6 アルカノール、=O、=S、ニトロ、‐(CH ‐CN、‐S‐R 、‐SO‐R 、‐SO ‐R 、‐COR 、‐(CR ‐COOR 、‐(CH ‐CONR 、‐(CH ‐NR 、‐(CH ‐NR COR 、‐(CH ‐NR SO ‐R 、‐OCONR 、‐(CH ‐NR CO 、‐O‐(CH ‐CR ‐(CH ‐OR 、または‐(CH ‐SO NR 基を表し、
は、‐Y‐炭素環式基または‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式基およびヘテロ環式基は一以上(例えば、1、2、または3)のR 基により置換される場合もあり、
YおよびZは、独立して、結合、CO、‐(CH ‐、‐NR ‐(CH ‐、‐O‐、または‐O‐(CH ‐を表し、
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し、
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す、
(1)に記載の化合物。
(3)Aが、1以上のR 基によって場合により置換されたフェニルまたはピリジル基を表す、(1)または(2)に記載の化合物。
(4)Aが、1以上のR 基により3位または5位で場合により置換されたフェニル基である、(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物。
(5)Aが非置換フェニルを表す、(4)に記載の化合物。
(6)R が‐NHCONR または‐NHCSNR を表す、(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物。
(7)R が‐NHCONR を表す、(6)に記載の化合物。
(8)R が‐NHCONHCH CF または‐NHCONHCH CH を表す、(7)に記載の化合物。
(9)R が‐NHCONHCH CF を表す、(8)に記載の化合物。
(10)R が、‐CONR 基を表す、(1)〜(9)のいずれかに記載の化合物。
(11)R およびR がともにハロゲンまたはC 1−6 アルキルを表す、(10)に記載の化合物。
(12)R およびR の一方がハロゲンを表し、他方が
(‐OR 基、またはR 基により場合により置換されていてもよい‐Z‐ヘテロ環式基により置換される場合もあるC 1−6 アルキル、
3‐8 シクロアルキル、または
基により場合に置換されていてもよいヘテロ環式を表す、
(10)に記載の化合物。
(13)R およびR の一方がハロゲンを表し、他方がC 1−6 アルキル(‐OR 基により置換される場合もある)、C 3‐6 シクロアルキル、またはヘテロ環式を表す、(10)に記載の化合物。
(14)R およびR の一方がハロゲンを表し、他方がOR 基により場合により置換されていてもよいC 1−6 アルキルを表す、(10)に記載の化合物。
(15)R およびR はそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、1、2、または3のR 基によって場合により置換される場合もある、(10)に記載の化合物。
(16)R およびR はそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、1、2、または3のR 基により置換される場合もある、(15)に記載の化合物。
(17)R およびR はそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、1以上(例えば、1、2、または3)の‐OR 基、ハロゲン、‐Y‐アリール、または‐(CH ‐CONR 基により置換される場合もある、(15)に記載の化合物。
(18)R およびR はそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、1以上(例えば、1、2、または3)の‐OR 基、ハロゲン、または‐Y‐アリール基により置換される場合もある、(17)に記載の化合物。
(19)R が‐COOHなどの‐COOR 基を表す、(1)〜(9)のいずれかに記載の化合物。
(20)R がCOMeなどの‐COR 基を表す、(1)〜(9)のいずれかに記載の化合物。
(21)YおよびZが、独立して、結合、CO、‐CH ‐、‐(CH ‐、‐(CH ‐、または‐O‐を表す、(1)〜(20)のいずれかに記載の化合物。
(22)Zが結合または‐CH ‐を表す、(21)に記載の化合物。
(23)X 〜X が下記環系で定義される通りである、(1)〜(22)のいずれかに記載の化合物:
Figure 0005497648
(24)X 〜X が下記環系で定義される通りである、(23)に記載の化合物:
Figure 0005497648
(25)X 〜X が下記環系で定義される通りである、(24)に記載の化合物:
Figure 0005497648
(26)化合物が、実施例1〜22および23A〜25Aから選択される化合物である、(1)〜(25)のいずれかに記載の化合物
(27)(1)〜(26)のいずれかに記載の化合物あるいはその薬学上許容される塩、互変異性体、N‐オキシド、または溶媒和物。
(28)(1)〜(26)のいずれかに記載の化合物あるいはその薬学上許容される塩または溶媒和物。
(29)前記式(I)の化合物の製造方法であって、該方法は:
(i)式(II)の化合物:
Figure 0005497648
またはその保護形態と、カルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下での適切な置換イソシアネートもしくは適切な置換アミンとの反応、または
(ii)式(II)の化合物:
Figure 0005497648
またはその保護形態と、適切な置換カルボン酸または反応誘導体との反応、または、
(iii)式(II)の化合物:
Figure 0005497648
またはその保護形態と、適切な置換アルデヒドまたはケトンとの反応、または、
(iv)式(III)の化合物:
Figure 0005497648
またはその保護形態との反応、ここでYはアミド(例えば、メチル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハライド)に変換できる基であり、次いでアミドに変換し、およびその後で存在する保護基を除去し、または
〜X 、A、B、R 、およびR は本願明細書で定義されている通りであり、および場合によりその後で式(I)のある化合物を式(I)の他の化合物へ変換することを含んでなる、方法。
(30)(1)〜(28)のいずれかに記載の式(I)の化合物を含んでなる、医薬組成物。
(31)治療に使用のための、(1)〜(28)のいずれかに記載の化合物。
(32)FGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療において使用のための、(1)〜(28)のいずれかに記載の化合物。
(33)癌の予防または治療に使用のための、(1)〜(28)のいずれかに記載の化合物。
(34)FGFRキナーゼで媒介される病状または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、(1)〜(28)のいずれかに記載の化合物の使用。
(35)本願明細書で記載されているような病状または症状の予防または治療用薬剤の製造のための、(1)〜(28)のいずれかに記載の化合物の使用。
(36)癌の予防または治療用薬剤の製造のための、(1)〜(28)のいずれかに記載の化合物の使用。
(37)FGFRキナーゼにより媒介される病状または症状の予防または治療方法であって、その必要な対象者へ(1)〜(28)のいずれかに記載の式(I)の化合物を投与することを含んでなる、方法。
(38)本願明細書で記載されているような病状または症状の予防または治療方法であって、その必要な対象者へ(1)〜(28)のいずれかに記載の式(I)の化合物を投与することを含んでなる、方法。
(39)癌の予防または治療方法であって、その必要な対象者へ(1)〜(28)のいずれかに記載の式(I)の化合物を投与することを含んでなる、方法。

Claims (13)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 0005497648
    〔上記式中
    ------ は、単または二重結合を表し、但し、5員環系内における少なくとも一つの結合は二重結合であり
    Aは、1、2、または3の基によって場合により置換される場合もあり
    およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、‐(CH‐NR、‐(CH‐COOR、‐(CH‐O‐(CH‐OH、‐(CH‐アリール、‐(CH‐O‐アリール、‐(CH‐ヘテロ環式、または‐(CH‐O‐ヘテロ環式を表し、ここで該C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロ環式基は1、2、または3の基により置換される場合もあり、
    、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、‐COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシ、C1‐6アルキルアミノ、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し、
    は、‐CONR または‐COR を表し、
    およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、ヘテロ環式基、またはRおよびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、該C1‐6アルキル、アリール、およびヘテロ環式基は、1、2、または3の基により置換される場合もあり
    は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、Si(R、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐(CH‐NH‐SO‐NR、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
    は、R基または‐Y‐炭素環式基もしくは‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式基およびヘテロ環式基は、1、2、または3の基により置換される場合もあり、
    YおよびZは、独立して、結合、‐CO‐(CH‐、‐COO‐、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐(CH‐NR‐、‐CONR‐、‐NRCO‐、‐SONR‐、‐NRSO‐、‐NRCONR‐、‐NRCSNR‐、‐O‐(CH‐、‐(CH‐O‐、‐S‐、‐SO‐、または‐(CH‐SO‐を表し、
    mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し、
    sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表す〕
    あるいはその薬学上許容される塩、溶媒和物、または互変異性体
  2. およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルカノール、‐(CH‐NR、‐(CH‐アリール、またはハロC1‐6アルキルを表し、
    、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルカノール、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、または‐CO‐(CH‐C1‐6アルコキシを表し
    は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、‐OR、‐O‐(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、‐(CH‐CN、‐S‐R、‐SO‐R、‐SO‐R、‐COR、‐(CR‐COOR、‐(CH‐CONR、‐(CH‐NR、‐(CH‐NRCOR、‐(CH‐NRSO‐R、‐OCONR、‐(CH‐NRCO、‐O‐(CH‐CR‐(CH‐OR、または‐(CH‐SONR基を表し、
    は、‐Y‐炭素環式基または‐Z‐ヘテロ環式基を表し、ここで該炭素環式基およびヘテロ環式基は1、2、または3の基により置換される場合もあり、
    YおよびZは、独立して、結合、CO、‐(CH‐、‐NR‐(CH‐、‐O‐、または‐O‐(CH‐を表す
    求項1に記載の化合物。
  3. およびR の一方が水素を表し、他方がCH CF またはCH CH を表す、請求項に記載の化合物。
  4. が、‐CONR基を表す、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  5. およびRがともにハロゲンまたはC1−6アルキルを表すか、または
    およびRの一方がハロゲンを表し、他方が ‐OR基、またはR基により場合により置換されていてもよい‐Z‐ヘテロ環式基により置換される場合もあるC1−6アルキル、
    3‐8シクロアルキル、または
    基により場合に置換されていてもよいヘテロ環式を表す、請求項に記載の化合物。
  6. およびRはそれらが結合されている窒素原子と一緒になって窒素を含むヘテロ環式環を形成し、1、2、または3のR基によって場合により置換される場合もある、請求項に記載の化合物。
  7. が‐COOを表す、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  8. が‐COR基を表す、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  9. がCOMeを表す、請求項8に記載の化合物。
  10. YおよびZが、独立して、結合、CO、‐CH‐、‐(CH‐、‐(CH、または‐O‐を表す、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  11. 下記環系を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物:
    Figure 0005497648
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  13. 癌の予防または治療用の、請求項12に記載の医薬組成物。
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