JP5718897B2 - 治療用途のためのfgfrキナーゼ阻害薬としての二環式へテロシクリル誘導体 - Google Patents

治療用途のためのfgfrキナーゼ阻害薬としての二環式へテロシクリル誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、新規な二環式ヘテロシクリル誘導体化合物、前記化合物を含む医薬組成物、および癌を例とする疾患の治療における前記化合物の使用に関する。
本発明の第一の態様によると、式(I):
Figure 0005718897
〔式中、
、X、およびXは、各々独立して、炭素または窒素から選択されるが、但しX〜Xの少なくとも1つは窒素を表し;
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し;
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し;
但し、X〜Xの3つ以下は、窒素を表し;
Figure 0005718897
は、単結合または二重結合を表すが、但し、XがC=Oを表す場合、XとXは単結合で結合されており、および5員環系内の少なくとも一つの結合は、二重結合であり;
は、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、アミノ、または−C1‐6アルキルアミノを表し;
は、ハロゲン、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルコキシ、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、−C≡N、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−NHSO、−CH=N−OR、または3〜6員環単環式ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよく;
Aは、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよい、芳香族もしくは非芳香族のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基を表し;
は、−NHCONR、−NHCOOR、−NH−CO−(CH−NR、−NH−(CH−CONR、−NH−CO−(CH−COOR、−NH−CO−(CH−CSOR、−NHSO、−NHSONR、−NHCSNR、−NHCOR、−NHCSR、−NHCSSR、−NHC(=NR)NR、−NHC(=N−CN)NR、−NHC(=NR)R、−NH−C(=NH)−NH−CO−R、−NHCSOR、−NHCOSR、またはNH−ヘテロシクリル基を表し、ここで、ヘテロシクリル基は、チアジアゾリルまたはオキサジアゾリルを表し、ヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、−(CH−NR、−(CH−COOR、−(CH−O−(CH−OH、−(CH−アリール、−(CH−O−アリール、−(CH−ヘテロシクリル、または−(CH−O−ヘテロシクリルを表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、−COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、−(CH−OH、−(CH−O−C1‐6アルキル、−CO−(CH−C1‐6アルコキシ、−(CH−CN、−C1‐6アルキルアミノ、−C1‐6アルキル−N(C1‐6アルキル)、−C1‐6アルキル−NH(C1‐6アルキル)、−(CH−C3‐8シクロアルキル、アミノ、−アミノC1‐6アルキル、−アミノ(C1‐6アルキル)、−(CH−NH−SO−N(C1‐6アルキル)、−(CH−N(C1‐4アルキル)−SO−N(C1‐6アルキル)、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−N(C1‐6アルキル)、−(CH−C3‐8シクロアルケニルを表すか、または、窒素もしくは炭素原子と結合する場合、RおよびRは、環を形成してよく;
は、−CR=N−OR基を表し;
およびRは、独立して、水素またはRを表し;
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−OR、−(CH−O−R、−O−(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、−Si(R、−(CH−CN、−S−R、−SO−R、−SO−R、−COR、アリール、ヘテロシクリル基、−(CR−COOR、−(CR−CONR、−(CH−NR、−(CH−NRCOR、−(CH‐NR−(CH−SO−R、−NR−(CH−R、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−NR、−(CH−NR−(CH−O−C(=O)−R、−(CR)−O−C(=O)−R、−(CH−NH−SO−NR、−OCONR、−(CH−NRCO、−O−(CH−CR−(CH−OR、−(CH−SONR、または−NH−C(=NH)−NHを表し;ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよく;
は、−Q−R基、または−Y−カルボシクリルもしくは−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
YおよびZは、独立して、直接結合、−CO−(CR−、−(CR−CO−、−COO−、−(CR−、−NR−(CR−、−(CR−NR−、−CONR−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−NRCONR−、−NRCSNR−、−O−(CR−、−(CR−O−、S−、−SO−、または−(CR−SO−を表し;
Qは、NR、S(O)、または直接結合を表し;
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し;
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表し;
qは、0〜2の整数を表し;
ここで、Rが水素を表す場合、Rは、水素または−CHを表すことはできない〕
の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは誘導体が提供される。
国際公開第2008/078100号(アステックス(Astex))、国際公開第2008/078091号(アステックス)、国際公開第2009/047522号(アステックス)、国際公開第2009/047506号(アステックス)、国際公開第2009/150240号(アステックス)、米国特許出願第2004/0067948号(MSD)、国際公開第02/38569号(MSD)、国際公開第01/38326号(MSD)、米国特許第7,074,801号(エイサイ(Eisai))、米国特許出願第2002/0041880号(メルク(Merck))、国際公開第98/54093号(メルク)、国際公開第2006/091671号(エリリリー(Eli Lilly))、国際公開第2003/048132号(メルク)、国際公開第2004/052286号(メルク)、国際公開第00/53605号(メルク)、国際公開第03/101993号(ネオジェネシス(Neogenesis))、国際公開第2006/135667号(BMS)、国際公開第2002/46168号および国際公開第2002/066478号(アストラゼネカ(Astra Zeneca))、国際公開第2005/080330号(チューガイ(Chugai))、国際公開第2006/094235号(サートリスファーマソーティカルズ(Sirtris Pharmaceuticals))、国際公開第2006/034402号(シンタファーマソーティカルズ(Synta Pharmaceuticals))、国際公開第02/074773号(メルク)、ならびに米国特許出願第2004/067948号(ハレット(Hallet))の各々には、一連のヘテロシクリル誘導体が開示されている。
発明の具体的説明
本発明の第一の態様によると、式(I):
Figure 0005718897
〔式中、
、X、およびXは、各々独立して、炭素または窒素から選択されるが、但しX〜Xの少なくとも1つは窒素を表し;
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し;
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し;
但し、X〜Xの3つ以下は、窒素を表し;
Figure 0005718897
は、単結合または二重結合を表すが、但し、XがC=Oを表す場合、XとXは単結合で結合されており、および5員環系内の少なくとも一つの結合は、二重結合であり;
は、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、アミノ、または−C1‐6アルキルアミノを表し;
は、ハロゲン、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルコキシ、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、−C≡N、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−NHSO、−CH=N−OR、または3〜6員環単環式ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよく;
Aは、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよい、芳香族もしくは非芳香族のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基を表し;
は、−NHCONR、−NHCOOR、−NH−CO−(CH−NR、−NH−(CH−CONR、−NH−CO−(CH−COOR、−NH−CO−(CH−CSOR、−NHSO、−NHSONR、−NHCSNR、−NHCOR、−NHCSR、−NHCSSR、−NHC(=NR)NR、−NHC(=N−CN)NR、−NHC(=NR)R、−NH−C(=NH)−NH−CO−R、−NHCSOR、−NHCOSR、またはNH−ヘテロシクリル基を表し、ここで、ヘテロシクリル基は、チアジアゾリルまたはオキサジアゾリルを表し、ヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、−(CH−NR、−(CH−COOR、−(CH−O−(CH−OH、−(CH−アリール、−(CH−O−アリール、−(CH−ヘテロシクリル、または−(CH−O−ヘテロシクリルを表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、−COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、−(CH−OH、−(CH−O−C1‐6アルキル、−CO−(CH−C1‐6アルコキシ、−(CH−CN、−C1‐6アルキルアミノ、−C1‐6アルキル−N(C1‐6アルキル)、−C1‐6アルキル−NH(C1‐6アルキル)、−(CH−C3‐8シクロアルキル、アミノ、−アミノC1‐6アルキル、−アミノ(C1‐6アルキル)、−(CH−NH−SO−N(C1‐6アルキル)、−(CH−N(C1‐4アルキル)−SO−N(C1‐6アルキル)、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−N(C1‐6アルキル)、−(CH−C3‐8シクロアルケニルを表すか、または、窒素もしくは炭素原子と結合する場合、RおよびRは、環を形成してよく;
は、−CR=N−OR基を表し;
およびRは、独立して、水素またはRを表し;
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−OR、−(CH−O−R、−O−(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、−Si(R、−(CH−CN、−S−R、−SO−R、−SO−R、−COR、アリール、ヘテロシクリル基、−(CR−COOR、−(CR−CONR、−(CH−NR、−(CH−NRCOR、−(CH‐NR−(CH−SO−R、−NR−(CH−R、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−NR、−(CH−NR−(CH−O−C(=O)−R、−(CR)−O−C(=O)−R、−(CH−NH−SO−NR、−OCONR、−(CH−NRCO、−O−(CH−CR−(CH−OR、−(CH−SONR、または−NH−C(=NH)−NHの基を表し;ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよく;
は、−Q−R基、または−Y−カルボシクリルもしくは−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
YおよびZは、独立して、直接結合、−CO−(CR−、−(CR−CO−、−COO−、−(CR−、−NR−(CR−、−(CR−NR−、−CONR−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−NRCONR−、−NRCSNR−、−O−(CR−、−(CR−O−、S−、−SO−、または−(CR−SO−を表し;
Qは、NR、S(O)、または直接結合を表し;
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し;
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表し;
qは、0〜2の整数を表し;
ここで、Rが水素を表す場合、Rは、水素または−CHを表すことはできない〕
の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは誘導体が提供される。
本発明の1つの特定の態様によると、式(Ia):
Figure 0005718897
〔式中、
、X、およびXは、各々独立して、炭素または窒素から選択されるが、但しX〜Xの少なくとも1つは窒素を表し、ならびにXが窒素を表す場合、X、X、X、およびXの少なくとも1つは窒素であり;
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し;
は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し;
但し、X〜Xの3つ以下は、窒素を表し;
Figure 0005718897
は、単結合または二重結合を表すが、但し、XとXとの間の結合が単結合を表すのは、XまたはXがC=Oを表す場合のみであり、および5員環系内の少なくとも一つの結合は、二重結合であり;
は、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、アミノ、または−C1‐6アルキルアミノを表し;
は、ハロゲン、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルコキシ、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、−C≡N、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−NHSO、−CH=N−OR、または3〜6員環単環式ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよく;
Aは、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよい、芳香族もしくは非芳香族のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基を表し;
は、−NHCONR、−NHCOOR、−NH−CO−(CH−NR、−NH−(CH−CONR、−NH−CO−(CH−COOR、−NH−CO−(CH−CSOR、−NHSO、−NHSONR、−NHCSNR、−NHCOR、−NHCSR、−NHCSSR、−NHC(=NR)NR、−NHC(=N−CN)NR、−NHC(=NR)R、−NH−C(=NH)−NH−CO−R、−NHCSOR、−NHCOSR、またはNH−ヘテロシクリル基を表し、ここで、ヘテロシクリル基は、チアジアゾリルまたはオキサジアゾリルを表し、ヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、−(CH−NR、−(CH−COOR、−(CH−O−(CH−OH、−(CH−アリール、−(CH−O−アリール、−(CH−ヘテロシクリル、または−(CH−O−ヘテロシクリルを表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、−COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、−(CH−OH、−(CH−O−C1‐6アルキル、−CO−(CH−C1‐6アルコキシ、−(CH−CN、−C1‐6アルキルアミノ、−C1‐6アルキル−N(C1‐6アルキル)、−C1‐6アルキル−NH(C1‐6アルキル)、−(CH−C3‐8シクロアルキル、アミノ、−アミノC1‐6アルキル、−アミノ(C1‐6アルキル)、−(CH−NH−SO−N(C1‐6アルキル)、−(CH−N(C1‐4アルキル)−SO−N(C1‐6アルキル)、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−N(C1‐6アルキル)、−(CH−C3‐8シクロアルケニルを表すか、または、窒素もしくは炭素原子と結合する場合、RおよびRは、環を形成してよく;
は、−CR=N−OR基を表し;
およびRは、独立して、水素またはRを表し;
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−OR、−(CH−O−R、−O−(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、−Si(R、−(CH−CN、−S−R、−SO−R、−SO−R、−COR、アリール、ヘテロシクリル基、−(CR−COOR、−(CR−CONR、−(CH−NR、−(CH−NRCOR、−(CH‐NR−(CH−SO−R、−NR−(CH−R、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−NR、−(CH−NR−(CH−O−C(=O)−R、−(CR)−O−C(=O)−R、−(CH−NH−SO−NR、−OCONR、−(CH−NRCO、−O−(CH−CR−(CH−OR、−(CH−SONR、または−NH−C(=NH)−NHを表し;ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよく;
は、−Q−R基、または−Y−カルボシクリルもしくは−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
YおよびZは、独立して、直接結合、−CO−(CR−、−(CR−CO−、−COO−、−(CR−、−NR−(CR−、−(CR−NR−、−CONR−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−NRCONR−、−NRCSNR−、−O−(CR−、−(CR−O−、S−、−SO−、または−(CR−SO−を表し;
Qは、NR、S(O)、または直接結合を表し;
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し;
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表し;
qは、0〜2の整数を表し;
ここで、Rが水素を表す場合、Rは、水素または−CHを表すことはできない〕
の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは誘導体が提供される。
本明細書で用いる接頭語「Cx‐y」(ここで、xおよびyは整数)は、与えられた基の炭素原子の数を意味する。従って、C1‐6アルキル基は、1から6個の炭素原子を含有し、C3‐6シクロアルキル基は、3から6個の炭素原子を含有し、C1‐4アルコキシ基は、1から4個の炭素原子を含有する、などである。
(CRまたは(CRの基の各々において、RおよびR基は、各々独立して、各CRユニットに対するRおよびRの定義から選択してよく、すなわち、(CRは、nが2である場合、CR−CRを示すものであり、RおよびRは、各々独立して、互いから、ならびに他のユニットのRおよびRの各々から選択される。
基または基の一部として本明細書で用いる「C1‐6アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状または分岐鎖状飽和炭化水素基を意味する。このような基の例としては、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、tert ブチル、n‐ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、またはヘキシルなどが挙げられる。
基または基の一部として本明細書で用いる「C2‐6アルケニル」という用語は、C=C結合を含有する直鎖状または分岐鎖状炭化水素基を意味する。
本明細書で用いる「C1‐6アルコキシ」という用語は、−O−C1‐6アルキル基を意味し、ここで、C1‐6アルキルは本明細書で定める通りである。このような基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、またはヘキソキシなどが挙げられる。
本明細書で用いる「C1‐6アルカノール」という用語は、1もしくは2つ以上のヒドロキシ基で置換されたC1‐6アルキル基を意味し、ここで、C1‐6アルキルは本明細書で定める通りである。このような基の例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。
本明細書で用いる「C3‐8シクロアルキル」という用語は、3から8個の炭素原子の飽和単環式炭化水素環を意味する。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルなどが挙げられる。
本明細書で用いる「C3‐6シクロアルキル」という用語は、3から6個の炭素原子の飽和単環式炭化水素環を意味する。このような基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
本明細書で用いる「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。
本明細書で用いる「ハロC1‐6アルキル」という用語は、少なくとも1つの水素原子がハロゲンにより置き換えられている、本明細書で定めるC1‐6アルキル基を意味する。このような基の例としては、フルオロエチル、トリフルオロメチル、またはトリフルオロエチルなどが挙げられる。
本明細書で用いる「ハロC1‐6アルコキシ」という用語は、少なくとも1つの水素原子がハロゲンにより置き換えられている、本明細書で定めるC1‐6アルコキシ基を意味する。このような基の例としては、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシなどが挙げられる。
本明細書で用いる「カルボシクリル」および「ヘテロシクリル」基への言及は、文脈からそうでないことが示されていない限りにおいて、芳香族および非芳香族環系の両方を含む。従って、例えば、「カルボシクリルおよびヘテロシクリル基」という用語は、その範囲内に、芳香族、非芳香族、不飽和、部分飽和、および完全飽和のカルボシクリルおよびヘテロシクリル環系を含む。一般的に、このような基は、単環式または二環式であってよく、例えば、3から12環員、より通常は5から10環員を含有していてよい。単環式基の例としては、3、4、5、6、7、および8環員、より通常は3から7、好ましくは5または6環員を含有する基である。二環式基の例としては、8、9、10、11、および12環員、より通常は9または10環員を含有するものである。本明細書にてカルボシクリルおよびヘテロシクリル基が言及される場合、カルボシクリルまたはヘテロシクリル環は、文脈からそうでないことが示されていない限りにおいて、無置換であるか、または、本明細書で考察される分子フラグメント、分子骨格、もしくは官能基を例とする1もしくは2つ以上の置換基によって置換されていてよい。「カルボシクリル」および「ヘテロシクリル」基への言及が、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のRまたはR基によって置換されていてもよいカルボシクリルおよびヘテロシクリル基への言及を含むことは理解されるであろう。
カルボシクリルまたはヘテロシクリル基は、5から12環員、より通常は5から10環員を有するアリールまたはヘテロアリール基であってよい。本明細書で用いる「アリール」という用語は、芳香族特性を有するカルボシクリル基を意味し、「ヘテロアリール」という用語は、芳香族特性を有するヘテロシクリル基を表すために本明細書で用いられる。「アリール」および「ヘテロアリール」という用語は、1もしくは2つ以上の環が非芳香族であるが、但し、少なくとも1つの環は芳香族である多環式(例:二環式)環系を包含している。このような多環式系において、基は芳香族環または非芳香族環によって結合されていてよい。
「非芳香族基」という用語は、芳香族特性を持たない不飽和環系、部分飽和および完全飽和カルボシクリルならびにヘテロシクリル環系を包含する。「不飽和」および「部分飽和」という用語は、1もしくは複数の環構造が、2つ以上の原子価結合を共有する原子を含有する、すなわち、環が、C=C、C≡C、またはN=C結合を例とする少なくとも1つの多重結合を含有する環を意味する。「完全飽和」という用語は、環原子間に多重結合がない環を意味する。飽和カルボシクリル基としては、以下で定めるシクロアルキル基が挙げられる。部分飽和カルボシクリル基としては、以下で定めるシクロアルケニル基が挙げられ、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルである。飽和ヘテロシクリル基としては、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリンが挙げられる。部分飽和ヘテロシクリル基としては、2‐ピラゾリンおよび3‐ピラゾリンを例とするピラゾリンが挙げられる。
ヘテロアリール基の例としては、5から12環員、より通常は5から10環員を含有する単環式および二環式基である。ヘテロアリール基は、例えば、5員環もしくは6員環の単環式環、または縮合した5員環および6員環、もしくは2つの縮合した6員環、もしくは2つの縮合した5員環から形成される二環式構造であってよい。各環は、典型的には窒素、硫黄、および酸素から選択される約5個までのヘテロ原子を含有していてよい。典型的には、ヘテロアリール環は、4個までのヘテロ原子、より典型的には3個までのヘテロ原子、より通常は2個まで、例えば単一のヘテロ原子を含有する。一つの実施態様において、ヘテロアリール環は、少なくとも1つの環窒素原子を含有する。ヘテロアリール環中の窒素原子は、イミダゾールもしくはピリジンの場合のように塩基性であってよく、またはインドールもしくはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性であってもよい。一般的に、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は、環のいずれのアミノ置換基をも含めて、5個未満である。
5員環ヘテロアリール基の例としては、これらに限定されないが、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、およびテトラゾール基が挙げられる。
6員環ヘテロアリール基の例としては、これらに限定されないが、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、およびトリアジンが挙げられる。
二環式ヘテロアリール基は、例えば、以下から選択される基であってよい:
a)1、2、もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたベンゼン環;
b)0、1、2、もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたピリジン環;
c)0、1、もしくは2個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたピリミジン環;
d)0、1、2、もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたピロール環;
e)0、1、もしくは2個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたピラゾール環;
f)0、1、もしくは2個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたイミダゾール環;
g)0、1、もしくは2個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたオキサゾール環;
h)0、1、もしくは2個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたイソキサゾール環;
i)0、1、もしくは2個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたチアゾール環;
j)0、1、もしくは2個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたイソチアゾール環;
k)0、1、2、もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたチオフェン環;
l)0、1、2、もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたフラン環;
m)1、2、もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたシクロヘキシル環;および、
n)1、2もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環に縮合されたシクロペンチル環。
別の5員環に縮合された5員環を含有する二環式ヘテロアリール基の特定の例としては、これらに限定されないが、イミダゾチアゾール(例:イミダゾ[2,1‐b]チアゾール)およびイミダゾイミダゾール(例:イミダゾ[1,2‐a]イミダゾール)が挙げられる。
5員環に縮合された6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の特定の例としては、これらに限定されないが、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンゾキサゾール、イソベンゾキサゾール、ベンズイソキサゾール、ベンズチアゾール、ベンズイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例:アデニン、グアニン)、インダゾール、ピラゾロピリミジン(例:ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン)、トリアゾロピリミジン(例:[1,2,4]トリアゾロ[1,5‐a]ピリミジン)、ベンゾジオキソール、イミダゾピリジン、およびピラゾロピリジン(例:ピラゾロ[1,5‐a]ピリジン)基が挙げられる。
2つの縮合した6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の特定の例としては、これらに限定されないが、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、クロメン、イソクロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンゾキサジン、ベンゾジアジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、およびプテリジン基が挙げられる。
芳香族環および非芳香族環を含有する多環式アリールならびにヘテロアリール基の例としては、テトラヒドロナフタレン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンズチエン、ジヒドロベンズフラン、2,3‐ジヒドロ‐ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、4,5,6,7‐テトラヒドロベンゾフラン、テトラヒドロトリアゾロピラジン(例:5,6,7,8‐テトラヒドロ‐[1,2,4]トリアゾロ[4,3‐a]ピラジン)、インドリン、およびインダン基が挙げられる。
窒素含有ヘテロアリール環は、少なくとも1つの環窒素原子を含有する必要がある。加えて、各環は、典型的には窒素、硫黄、および酸素から選択されるその他のヘテロ原子を約4個まで含有していてよい。典型的には、ヘテロアリール環は、1、2、または3個を例とする3個までのヘテロ原子を含有し、より通常は2個までの窒素、例えば単一の窒素を含有する。ヘテロアリール環中の窒素原子は、イミダゾールもしくはピリジンの場合のように塩基性であってよく、またはインドールもしくはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性であってもよい。一般的に、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は、環のいずれのアミノ置換基をも含めて、5個未満である。
窒素含有ヘテロアリール基の例としては、これらに限定されないが、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル(例:1,2,3‐トリアゾリル、1,2,4‐トリアゾリル)、テトラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾール、ベンズチアゾリル、およびベンズイソチアゾール、インドリル、3H‐インドリル、イソインドリル、インドリジニル、イソインドリニル、プリニル(例:アデニン[6‐アミノプリン]、グアニン[2‐アミノ‐6‐ヒドロキシプリン])、インダゾリル、キノリジニル、ベンゾキサジニル、ベンゾジアジニル、ピリドピリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、ならびにプテリジニルが挙げられる。
芳香族環および非芳香族環を有する窒素含有多環式へテロアリール基の例としては、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、およびインドリニルが挙げられる。
カルボシクリルアリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、およびテトラヒドロナフチル基が挙げられる。
非芳香族ヘテロシクリル基の例としては、3から12環員、より通常は5から10環員を有する基である。このような基は、例えば単環式または二環式であってよく、典型的には、窒素、酸素、および硫黄から通常選択される1から5個のヘテロ原子環員(より通常は1、2、3、または4個のヘテロ原子環員)を有する。ヘテロシクリル基は、例えば、環状エーテル部分(例:テトラヒドロフランおよびジオキサンの場合)、環状チオエーテル部分(例:テトラヒドロチオフェンおよびジチアンの場合)、環状アミン部分(例:ピロリジンの場合)、環状アミド部分(例:ピロリドンの場合)、環状チオアミド、環状チオエステル、環状尿素(例:イミダゾリジン‐2‐オンの場合)、環状エステル部分(例:ブチロラクトンの場合)、環状スルホン(例:スルホランおよびスルホレンの場合)、環状スルホキシド、環状スルホンアミド、およびそれらの組合せ(例:チオモルホリン)を含有していてよい。
特定の例としては、モルホリン、ピペリジン(例:1‐ピペリジニル、2‐ピペリジニル、3‐ピペリジニル、および4‐ピペリジニル)、ピペリドン、ピロリジン(例:1‐ピロリジニル、2‐ピロリジニル、および3‐ピロリジニル)、ピロリドン、アゼチジン、ピラン(例:2H‐ピランまたは4H‐ピラン)、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジオキサン、テトラヒドロピラン(例:4‐テトラヒドロピラニル)、イミダゾリン、イミダゾリジノン、オキサゾリン、チアゾリン、2‐ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラゾン、ピペラジン、およびN‐メチルピペラジンなどのN‐アルキルピペラジンが挙げられる。一般的に、好ましい非芳香族ヘテロシクリル基としては、ピペリジン、ピロリジン、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、およびN‐アルキルピペラジンなどの飽和基が挙げられる。
窒素含有非芳香族ヘテロシクリル環において、環は、少なくとも1つの環窒素原子を含有している必要がある。ヘテロ環式基は、例えば、環状アミン部分(例:ピロリジンの場合)、環状アミド(ピロリジノン、ピペリドン、またはカプロラクタムなど)、環状スルホンアミド(イソチアゾリジン 1,1‐ジオキシド、[1,2]チアジナン 1,1‐ジオキシド、または[1,2]チアゼパン 1,1‐ジオキシドなど)、およびこれらの組合せを含有していてよい。窒素含有非芳香族ヘテロシクリル基の特定の例としては、アジリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン(例:1‐ピペリジニル、2‐ピペリジニル、3‐ピペリジニル、および4‐ピペリジニル)、ピロリジン(例:1‐ピロリジニル、2‐ピロリジニル、および3‐ピロリジニル)、ピロリドン、ジヒドロチアゾール、イミダゾリン、イミダゾリジノン、オキサゾリン、チアゾリン、6H‐1,2,5‐チアジアジン、2‐ピラゾリン、3‐ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラジン、およびN‐メチルピペラジンなどのN‐アルキルピペラジンが挙げられる。
カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、およびそれらのオキサ‐およびアザ類似体(例:アダマンタンおよびオキサ‐アダマンタン)などの多環式縮合環系または架橋環系であってよい。縮合環系と架橋環系との間の区別の説明に関しては、Advanced Organic Chemistry, by Jerry March, 4th Edition, Wiley Interscience, pages 131-133, 1992を参照されたい。
非芳香族カルボシクリル基の例としては、シクロヘキシルおよびシクロペンチルなどのシクロアルカン基、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルなどのシクロアルケニル基、ならびにシクロヘキサジエニル、シクロオクタテトラエン、テトラヒドロナフテニル、およびデカリニルが挙げられる。
ヘテロシクリル基は、各々、無置換であっても、または1もしくは2つ以上の置換基によって置換されていてもよい。例えば、ヘテロシクリル基は、無置換であっても、または1、2、3、もしくは4つの置換基によって置換されていてもよい。ヘテロシクリル基が単環式または二環式である場合、典型的には、それは無置換であるか、または1、2、もしくは3つの置換基を有する。
〜Xの定義によって包含される環系の例を、以下の式(a)〜(t)に示す:
Figure 0005718897
Figure 0005718897
Figure 0005718897
〜Xの定義によって包含される環系のさらなる例を、以下の式(u)〜(v)に示す:
Figure 0005718897
一つの実施態様では、X〜Xの定義によって包含される環系は、上記の式(a)〜(p)および(r)〜(t)に示される。
上述の様に、一つの実施態様では、
Figure 0005718897
は、単結合または二重結合を表す。XまたはXがC=Oを表す場合、XおよびXが単結合によって結合されることは当業者にとって明らかであろう。一つの実施態様では、XおよびXは、二重結合によって結合されている。
一つの実施態様では、5員環系内の2つの結合は、二重結合である。
一つの実施態様では、Xは、Cを表す。
一つの実施態様では、XおよびXは、Cを表し、Xは、CHを表し、ならびにXおよびXは、窒素を表す(すなわち、式(a)の環系)。
別の選択肢としての実施態様では、XおよびXは、Cを表し、XおよびXは、CHを表し、ならびにXは、窒素を表す(すなわち、式(e)の環系)。
別の選択肢としての実施態様では、XおよびXは、Cを表し、Xは、CHを表し、ならびにXおよびXは、窒素を表す(すなわち、式(f)の環系)。
別の選択肢としての実施態様では、XおよびXは、Cを表し、Xは、窒素を表し、Xは、CR(例:CH)を表し、ならびにXは、CR(例:C−Me)を表す(すなわち、式(h)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、XおよびXは、Cを表し、XおよびXは、CHを表し、ならびにXは、窒素を表す(すなわち、式(j)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、XおよびXは、Cを表し、Xは、CHを表し、ならびにXおよびXは、窒素を表す(すなわち、式(k)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、XおよびXは、Cを表し、Xは、CHを表し、ならびにXおよびXは、窒素を表す(すなわち、式(r)の環系の例)。
一つの実施態様では、X、X、およびXは、Cを表し、ならびにXおよびXは、窒素を表す(すなわち、式(a)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、X、X、X、およびXは、Cを表し、ならびにXは、窒素を表す(すなわち、式(e)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、X、X、およびXは、Cを表し、ならびにXおよびXは、窒素を表す(すなわち、式(f)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、XおよびXは、Cを表し、Xは、窒素を表し、Xは、CR(例:CH)を表し、ならびにXは、CR(例:C−Me)を表す(すなわち、式(h)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、X、X、X、およびXは、Cを表し、ならびにXは、窒素を表す(すなわち、式(j)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、X、X、およびXは、Cを表し、ならびにXおよびXは、窒素を表す(すなわち、式(k)の環系の例)。
別の選択肢としての実施態様では、X、X、およびXは、Cを表し、ならびにXおよびXは、窒素を表す(すなわち、式(r)の環系の例)。
一つの実施態様では、Xは、Cを表す。
一つの実施態様では、Xは、Nを表す。
一つの実施態様では、Xは、CHまたはCRを表す。
一つの実施態様では、Xは、CHまたはCRを表す。
一つの実施態様では、X、X、およびXがCを表し、ならびにXおよびXが窒素を表す場合、Rは、−NHCOR以外の基を表す。
一つの実施態様では、X、X、X、およびXがCを表し、ならびにXが窒素を表す場合、Rは、−NH−CO−(CH−NRまたは−NHCONR以外の基を表す。
一つの実施態様では、Xが窒素を表し、およびAがフェニルを表す場合、Rは、−NHCOR以外の基を表す。
一つの実施態様では、X、X、およびXがCを表し、ならびにXおよびXが窒素を表す場合、Rは、=O以外の基である。
一つの実施態様では、化合物は、X、X、X、およびXがCを表し、ならびにXが窒素を表す式(Ia)であり、Rは−NHCORまたは−NHSO以外の基を表す。
一つの実施態様では、XがCRを表し、およびRがヘテロシクリル基を表す場合、前記ヘテロシクリル基は、ピラゾール(例:置換されていてもよいピラゾール)以外である。
一つの実施態様では、Rは、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、またはハロC1‐6アルコキシを表す。
別の実施態様では、Rは、アミノまたは−C1‐6アルキルアミノを表す。
一つの実施態様では、X〜Xは、式(a)、(e)、(f)、(j)、(k)、または(r)の環系を表す。さらなる実施態様では、X〜Xは、式(a)、(e)、(f)、(j)、(k)、または(r)の環系を表す。さらなる実施態様では、X〜Xは、式(a)または(j)の環系を表す。さらなる実施態様では、X〜Xは式(j)の環系を表す
定義Aに包含される環系の例を、以下の式A1〜A15に示す。
Figure 0005718897
Figure 0005718897
基A12は、A12aを例とするイミダゾールのいかなる互変異性体であってもよい。
一つの実施態様では、Aは、ピラゾリル以外の基である。一つの実施態様では、Aは、イミダゾリル以外の基である。
一つの実施態様では、Aは、式A1からA10およびA12〜A15のいずれか1つから選択される基を表す。さらなる実施態様では、Aは、A2、A14、およびA15から選択される。さらなる実施態様では、Aは、A2から選択される。
一つの実施態様では、Aは、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよい基A1である。
が窒素を表す実施態様では、環Aが炭素原子を介して前記X基に結合することは理解されるであろう。
一つの実施態様では、Aは、5または6員環の芳香族基を表す。
一つの実施態様では、Aは、5員環の芳香族基を表す。
一つの実施態様では、Aは、非芳香族基を表す。
一つの実施態様では、Aは、6員環の芳香族基を表す。
一つの実施態様では、Aは、ピリジン‐3‐イルまたはフェニルを表す。
一つの実施態様では、Aは、ピラジニル以外の基を表す。一つの実施態様では、Aは、ピリミジニル以外の基を表す。一つの実施態様では、Aは、ピリジニルまたはピリミニジニル以外の基を表す。さらなる実施態様では、Aは、無置換フェニルを表す。
一つの実施態様では、Aは、例えば5、6、または7員環を有する、単環式芳香族カルボシクリルまたはヘテロシクリル環系を表す。さらなる実施態様では、Aは、6員環のカルボシクリル環を表す。なおさらなる実施態様では、Aは、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよいフェニル基(すなわち、式A1の環系)を表す。一つの実施態様では、Aは、無置換フェニル、または−(CH−CONR(例:−CONH)、−(CH−CN(例:−CN)、C1‐6アルキル(例:メチル)、もしくは−OR(例:メトキシ)基で置換されたフェニルを表す。
一つの実施態様では、Aは、例えば5、6、または7員環を有する、単環式芳香族カルボシクリルまたはヘテロシクリル環系を表す。さらなる実施態様では、Aは、6員環のカルボシクリル環を表す。なおさらなる実施態様では、Aは、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよいフェニル基(すなわち、式A1の環系)またはピリジル基(すなわち、式A2またはA3の環系)を表す。一つの実施態様では、Aは、無置換フェニル、または−(CH−CONR(例:−CONH)、−(CH−CN(例:−CN)、ハロゲン(例:フッ素)、C1‐6アルキル(例:メチル)、C1‐6アルカノール(例:−CHOH)、もしくは−OR(例:メトキシまたは−OCH(Me))基で置換されたフェニルを表す。
一つの実施態様では、Aは、3位または5位においてRによって置換された、6員環の単環式芳香族カルボシクリルまたはヘテロシクリル環系(例:フェニルまたはピリジル)を表す。一つの実施態様では、Aがフェニルを表す場合、Rは、Xへ結合する位置に対してフェニルの3位に存在する。
一つの実施態様では、Aは、5位においてRによって置換され、およびさらに3位において単一のR基によって置換されていてもよい、6員環の単環式芳香族カルボシクリルまたはヘテロシクリル環系(例:フェニルまたはピリジル)を表す。
一つの実施態様では、Aは、5位においてRによって置換され、およびさらに3位において単一のR基によって置換された、6員環の単環式芳香族カルボシクリルまたはヘテロシクリル環系(例:フェニルまたはピリジル)を表す。
一つの実施態様では、Aは、5位においてRによって置換され、およびさらに3位において単一のR基によって置換されていてもよい、6員環の単環式芳香族カルボシクリル環系(例:フェニル)を表す。
さらなる実施態様では、Aは、5位においてRによって置換され、およびさらに3位において単一のR基によって置換されていてもよいフェニルを表す。
一つの実施態様では、Aは、5位においてRによって置換され、およびさらに3位において単一のR基によって置換された、6員環の単環式芳香族カルボシクリル環系(例:フェニル)を表す。
さらなる実施態様では、Aは、5位においてRによって置換され、およびさらに3位において単一のR基によって置換されたフェニルを表す。
がA上の置換基である場合、Rは、特に−ORを表す。特に、Rは、C1‐6アルキル、例えば−CH(CHを表す。
別の実施態様では、Aは、5位においてRによって置換され、およびさらに3位において単一のR基によって置換されていてもよいフェニルを表し、ここで、Rは、C2‐4アルキルオキシ、ハロC2‐4アルキルオキシ、C1‐4アルコキシC1‐4アルキル、シクロブトキシ、シクロプロポキシ、−NH−C1‐4アルキル、−N(C1‐4アルキル)、−C1‐4アルキル−NH(C1‐4アルキル)、−C1‐4アルキル−N(C1‐4アルキル)、または−S(=O)−C1‐4アルキルを表す。
別の実施態様では、Aは、5位においてRによって置換され、およびさらに3位において単一のR基によって置換されていてもよいフェニルを表し、ここで、Rは、C2‐4アルキルオキシまたはC3‐4シクロアルキルオキシを表す。
さらなる実施態様では、Aは、無置換フェニルを表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCONR、−NHCOOR、−NH−CO−(CH−NR、−NH−(CH−CONR、−NH−CO−(CH−COOR、−NH−CO−(CH−CSOR、−NHSO、−NHSONR、−NHCSNR、−NHCSR、−NHCSSR、−NHC(=NR)NR、−NHC(=NR)R、−NH−C(=NH)−NH−CO−R、−NHCSOR、または−NHCOSRを表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCONR、−NHCOOR、−NH−CO−(CH−NR、−NH−(CH−CONR、−NH−CO−(CH−COOR、−NH−CO−(CH−CSOR、−NHSONR、−NHCSNR、−NHCSR、−NHCSSR、−NHC(=NR)NR、−NHC(=NR)R、−NH−C(=NH)−NH−CO−R、−NHCSOR、または−NHCOSRを表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCONR、−NHCOOR、−NH−CO−(CH−NR、−NH−CO−(CH−COOR、−NHSO、または−NHCSNRを表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCONR、−NHCOOR、−NHSONR、−NH−(CH−CONR、−NH−(CH−COOR、−NH−CH−アリール、−NH−CO−(CH−NR、−NH−CO−(CH−COOR、−NHSO、または−NHCSNRを表す。
一つの実施態様では、Rは、NH−ヘテロシクリル基を表し、ここで、このヘテロシクリル基は、チアジアゾールまたはオキサジアゾールを表し、およびこのヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよい。
一つの実施態様では、Rは、NH−チアジアゾリルまたはNH−オキサジアゾリルを表し、ここで、このヘテロシクリル基は、1つのR基によって置換されていてもよい。
一つの実施態様では、Rは、NH−[1,3,4]チアジアゾール‐2‐イルである。別の実施態様では、Rは、NH−[1,3,4]オキサジアゾール‐2‐イルである。
一つの実施態様では、Rは、−NHCONRを表す。さらなる実施態様では、Rは、水素またはC1‐6アルキル(例:メチル)を表し、ならびにRは、水素、C1‐6アルキル(例:メチル、エチル、またはブチル)、−(CH−NR(例:−(CHNHまたは−(CHNH)、−(CH−アリール(例:フッ素原子などのハロゲン原子によって置換されていてもよいベンジル)、またはハロC1‐6アルキル(例:−CH−CF)を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCONRを表す。さらなる実施態様では、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル)またはハロC1‐6アルキルを表す。さらなる実施態様では、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル)またはハロC1‐6アルキル(例:−(CH−F、−CH−CH−F、−CH(Me)−CF、または−CH−CF)を表す。なおさらなる実施態様では、Rは、ハロC1‐6アルキル(例:−CH−CF)を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCONRを表す。さらなる実施態様では、Rは、水素またはC1‐6アルキル(例:メチル)を表し、ならびにRは、水素、C1‐6アルキル(例:メチル、エチル、ブチル、−CH(Me)、−CHCH(Me)、または−C(Me))、1もしくは2つ以上のR基によって置換されたC1‐6アルキル(例:−CH−C(Me)−CH−NH、−CH−CH(Me)−OMe、または−CH−C(F)−CHNH)、C1‐6アルカノール(例:−CH−CH(OH)−CHOH)、−(CH−NR(例:−(CHNHCOOt‐Bu、−(CHNH、または−(CHNH)、−(CH−アリール(例:フッ素原子などのハロゲン原子によって置換されていてもよいベンジル)、−(CH−ヘテロシクリル(例:−CH−ジオキサオラニル(1もしくは2つ以上のC1‐6アルキル(例:メチル)基で置換されていてもよい)、−CH−テトラヒドロフラニル、または−CH−ピペリジニル)、またはハロC1‐6アルキル(例:−(CH−F、−CH−CH−F、−CH(Me)−CF、または−CH−CF)を表す。
一つの実施態様では、Aがフェニルを表し、Rが−NHCONRを表す場合、RおよびRは、フェニル以外の基を表す。
別の実施態様では、Aは、フェニルを表し、Rは、−NHCONRを表し、Rは、ハロC1‐6アルキルを表し、およびRは、水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCOORを表す。さらなる実施態様では、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル)またはハロC1‐6アルキルを表す。さらなる実施態様では、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル)またはハロC1‐6アルキル(例:−CH−CF)を表す。なおさらなる実施態様では、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル)を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NH−CO−(CH−NRを表す。さらなる実施態様では、nは1を表し、ならびにRおよびRは、いずれも水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NH−CO−(CH−COORを表す。さらなる実施態様では、nは2を表し、およびRは、水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHSOを表す。さらなる実施態様では、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル)または−(CH−NR(例:NRがNHまたはNMeを表す場合)を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCSNRを表す。さらなる実施態様では、RおよびRの一方は、水素を表し、他方は、C1‐6アルキル(例:エチル)を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHCORを表す。さらなる実施態様では、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル、エチル、またはプロピル)、またはC1‐6アルカノール(例:−CHOH)を表す。
さらなる実施態様では、Rは、−NHCONR(例:−NHCONHEtまたは−NHCONHCHCF)または−NHCSNR(例:−NHCSNHEt)を表す。なおさらなる実施態様では、Rは、−NHCONR(例:−NHCONHEtまたは−NHCONHCHCF)を表す。なおさらなる実施態様では、Rは、−NHCONHCHCFを表す。
一つの実施態様では、Rは、−NHSONRを表す。さらなる実施態様では、Rは、水素を表し、およびRは、ハロC1‐6アルキル(例:−CH−CF)を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NH−(CH−CONRを表す。さらなる実施態様では、nは、1を表し、Rは、水素を表し、およびRは、水素またはC1‐6アルキル(例:メチル)を表す。
一つの実施態様では、Rは、−NH−(CH−COORを表す。さらなる実施態様では、nは、1を表し、およびRは、水素を表す。
がヘテロシクリル基を表す場合、一つの実施態様では、このヘテロシクリル基は、ピラゾリル(例:置換されていてもよいピラゾリル)以外である。
一つの実施態様では、Rは、水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、C1‐6アルコキシ(例:無置換C1‐6アルコキシ)を表す。
一つの実施態様では、Xは、CH、窒素、またはC=Oを表す。
一つの実施態様では、RおよびRの一方は、水素を表す。さらなる実施態様では、Rは、水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、水素を表し、およびRは、−Q−Rを表す。さらなる実施態様では、Qは、直接結合を表し、およびRは、−(CH−O−Rを表す。なおさらなる実施態様では、Rは、水素、−(CH−O−C1‐6アルキル、または−(CH−OHを表す。
一つの実施態様では、Qは、直接結合を表し、Rは、−(CH−NRを表す。さらなる実施態様では、RおよびRの一方は、水素またはC1‐6アルキルを表し、他方は、−(CH−O−C1‐6アルキルを表す。なおさらなる実施態様では、RおよびRの一方は、−(CH−O−C1‐6アルキルを表し、他方は、−(CH−C3‐8シクロアルケニルを表す。なおさらなる実施態様では、RおよびRの一方は、C1‐6アルキルを表し、他方は、C1‐6アルキルまたは−(CH−OHを表す。
一つの実施態様では、Qは、直接結合を表し、Rは、−(CH−NR−(CH−SOを表す。さらなる実施態様では、RおよびRは、独立して、水素またはC1‐6アルキルを表す。なおさらなる実施態様では、Rは、水素またはC1‐6アルキルを表し、Rは、C1‐6アルキルを表す。
一つの実施態様では、Rは、水素を表し、Rは、−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記へテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基で置換されていてもよい。
さらなる実施態様では、Zは、直接結合を表す。なおさらなる実施態様では、前記へテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のC1‐6アルキル基で置換されている。
なおさらなる実施態様では、Zは、−(CR−を表し、なおさらなる実施態様では、RおよびRは、いずれも水素を表す。なおさらなる実施態様では、前記へテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のC1‐6アルキル基、−O−R、−(CH−O−R、−(CH−SO−NR、−(CHNR、または−NH−C(=NH)−NH基で置換されている。なおさらなる実施態様では、RおよびRは、独立して、水素またはC1‐6アルキル基を表す。
なおさらなる実施態様では、Zは、−(CR−NR−を表し、なおさらなる実施態様では、RおよびRは、いずれも水素を表す。なおさらなる実施態様では、前記へテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のC1‐6アルキル基で置換されている。
なおさらなる実施態様では、Zは、−(CR−CO−を表し、なおさらなる実施態様では、RおよびRは、いずれも水素を表す。なおさらなる実施態様では、前記へテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のC1‐6アルキル基で置換されている。
一つの実施態様では、Zは、−(CR−NRである。別の実施態様では、Zは、−(CR−である。一つの実施態様では、RおよびRは、独立して、水素およびヒドロキシルから選択される。さらなる実施態様では、Zは、−CH−CHOH−CH−NH−または−CH−CHOH−CH−である。
一つの実施態様では、sは、1〜4の整数である。別の実施態様では、sは、2〜3の整数である。さらなる実施態様では、sは、ゼロである。なおさらなる実施態様では、sは、3である。
一つの実施態様では、Rは、−(CR−NR−カルボシクリルであり、ここで、このカルボシクリル基は、C3‐6シクロアルキル基である。
一つの実施態様では、Rは、−(CR−ヘテロシクリルであり、ここで、このヘテロシクリル基は、窒素含有へテロシクリル基である。
一つの実施態様では、RおよびRの一方は、−Q−Rを表す。一つの実施態様では、Rは、−Q−Rを表す。一つの実施態様では、Rは、−Q−Rを表す。
一つの実施態様では、Rは、−Q−Rを表し、Rは、水素を表す。さらなる実施態様では、Qは、直接結合を表し、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル、エチル)を表す。
一つの実施態様では、RおよびRは、独立して、−Q−Rを表し、ここで、Qは、直接結合を表し、Rは、C1‐6アルキル、−(CH−O−R、または−(CH−O−C1‐6アルキルを表す。なおさらなる実施態様では、Rは、C1‐6アルキル(例:メチルまたはエチル)を表す。なおさらなる実施態様では、Rは、水素またはC1‐6アルキルを表す。
一つの実施態様では、RおよびRの一方は、−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表す。一つの実施態様では、Rは、−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表す。
一つの実施態様では、Rは、−Q−Rを表し、ここで、Qは、直接結合を表し、Rは、C1‐6アルキル(例:メチル)を表し、Rは、−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記へテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよい。
さらなる実施態様では、Zは、−(CR−を表し、なおさらなる実施態様では、RおよびRは、いずれも水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表す。
一つの実施態様では、Rは、−Y−カルボシクリル基を表し、Rは、水素を表す。さらなる実施態様では、Yは、直接結合である。なおさらなる実施態様では、Yは、−(CR−を表す。なおさらなる実施態様では、RおよびRは、水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、C1‐6アルキル基または−Y−C3‐6シクロアルキル基を表し、Rは、水素を表す。なおさらなる実施態様では、Yは、直接結合である。なおさらなる実施態様では、Rは、メチル基またはシクロプロピル基を表し、Rは、水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、−Y−カルボシクリル基を表し、Rは、−Q−R基を表す。さらなる実施態様では、Qは、直接結合を表し、Rは、C1‐6アルキルまたは−(CH−O−Rを表す。なおさらなる実施態様では、Yは、直接結合である。なおさらなる実施態様では、Yは、−(CR−を表す。なおさらなる実施態様では、RおよびRは、水素を表す。
一つの実施態様では、Rは、−Y−カルボシクリル基を表し、Rは、−Q−R基を表す。なおさらなる実施態様では、Yは、直接結合である。なおさらなる実施態様では、Rは、シクロプロピル基を表す。さらなる実施態様では、Qは、直接結合を表し、Rは、−(CH−O−Rを表す。なおさらなる実施態様では、nは、2を表し、Rは、水素を表す。
一つの実施態様では、Rおよび/またはRがRを表し、Rが−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記カルボシクリルおよびヘテロシクリル基が、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されている場合、Rは、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−OR、−(CH−O−R、−O−(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、−Si(R、−(CH−CN、−S−R、−SO−R、−SO−R、アリール、ヘテロシクリル基、−(CR−CONR、−(CH−NR、−(CH−NRCOR、−(CH‐NR−(CH−SO−R、−NR−(CH−R、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−NR、−(CH−NR−(CH−O−C(=O)−R、−(CR)−O−C(=O)−R、−(CH−NH−SO−NR、−OCONR、−(CH−NRCO、−O−(CH−CR−(CH−OR、−(CH−SONR、または−NH−C(=NH)−NHを表し;ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよい。
一つの実施態様では、Rは、独立して、−Q−R基、または−Y−カルボシクリル基、または−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は、1つのR基で置換されていてもよい。
一つの実施態様では、Yは、直接結合または−O−(CH−(例:−O−CH−)を表す。
一つの実施態様では、YおよびZは、独立して、直接結合、−CO−(CH−、−COO−、−(CH−、−NR−(CH−、−(CH−NR−、−CONR−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−NRCONR−、−NRCSNR−、−O−(CH−、−(CH−O−、S−、−SO−、または−(CH−SO−を表す。
一つの実施態様では、YおよびZは、独立して、直接結合、または−CO−、−O−(CH−、もしくは−(CH−NH−を表す。
一つの実施態様では、YおよびZは、独立して、直接結合、または−CO−、−O−(CH−、もしくは−(CH−NH−を表す。
一つの実施態様では、Yは、直接結合を表す。
一つの実施態様では、Zは、直接結合を表す。
一つの実施態様では、Zは、直接結合、−CO−、−(CH−(例:−CH−、−(CH−、または−(CH−)、または−O−を表す。さらなる実施態様では、Zは、−(CH−(例:−CH−)を表す。
一つの実施態様では、Zは、直接結合、CO、−(CH−(例:−CH−、−(CH−、または−(CH−)、−(CH−NH−、または−O−を表す。さらなる実施態様では、Zは、−(CH−(例:−CH−)を表す。
一つの実施態様では、Zは、直接結合、−CO−、−(CH−(例:−CH−、−(CH−、または−(CH−)、−(CH−NH−(例:−NH−)、または−O−を表す。さらなる実施態様では、Zは、−(CH−(例:−CH−)を表す。
一つの実施態様では、Zは、直接結合、−CO−、−(CH−(例:−CH−、−(CH−、または−(CH−)、または−O−を表す。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は、式(Ib)または(Ic):
Figure 0005718897
〔式中、
Aは、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよい、芳香族カルボシクリルまたはヘテロシクリル基を表し;
は、−NHCONR、−NHCOOR、−NH−CO−(CH−NR、−NH−CO−(CH−COOR、−NH−CO−(CH−CSOR、−NHSO、−NHSONR、−NHCORを表し;
およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、−(CH−NR、−(CH−COOR、−(CH−O−(CH−OH、−(CH−アリール、−(CH−O−アリール、−(CH−ヘテロシクリル、または−(CH−O−ヘテロシクリルを表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、−CO−(CH−C1‐6アルコキシ、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し;
は、−CR=N−OR基を表し;
およびRは、独立して、水素またはRを表し;
は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−OR、−O−(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、−(CH−CN、−S−R、−SO−R、−SO−R、−COR、−(CR−COOR、−(CH−CONR、−(CH−NR、−(CH‐NRCOR、−(CH−NRSO−R、−OCONR、−(CH−NRCO、−O−(CH−CR−(CH−OR、または−(CH−SONR基を表し;
は、−Q−R基、または−Y−カルボシクリルもしくは−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記アリールおよびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基によって置換されていてもよく;
YおよびZは、独立して、直接結合、−CO−(CH−、−COO−、−(CH−、−NR−(CH−、−(CH−NR−、−CONR−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−NRCONRy−、−NRxCSNR−、−O−(CH−、−(CH−O−、S−、−SO−、または−(CH−SO−を表し;
Qは、NR、S(O)、または直接結合を表し;
mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し;
sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表し;
qは、0〜2の整数を表し;
ここで、Rが水素を表す場合、Rは、水素または−CHを表すことはできない〕
の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは誘導体である。
式(Ib)および(Ic)の化合物の一つの実施態様では、YおよびZは、独立して、直接結合、−CO−(CH−、−COO−、−(CH−、−NR−(CH−、−(CH−NR−、−CONR−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−NRCONR−、−NRCSNR−、−O−(CH−、−(CH−O−、S−、−SO−、または−(CH−SO−を表す。
さらなる実施態様では、式(I)の化合物は、式(Id):
Figure 0005718897
〔式中、
Aは、1つのR基によって置換されていてもよいフェニル基を表し、ここで、Rは、−ORであり;Rは、−NHCONRを表し;
は、水素を表し;
は、ハロC1‐6アルキルを表し;
、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、−CO−(CH−C1‐6アルコキシ、C3‐8シクロアルキル、またはC3‐8シクロアルケニルを表し;
は、−CR=N−OR基を表し;
は、水素、C1‐6アルキル、C3‐8シクロアルキル、または−Y−カルボシクリルを表し;
は:
‐ 水素;
‐ −Q−Rであって、ここで、Qは、直接結合を表し、Rは、C1‐6アルキルもしくは−(CH−O−Rを表し、ここで、Rは、水素、−(CH−O−C1‐6アルキル、もしくは−(CH−OHを表すか、またはRは、−(CH−NRを表し、ここで、RおよびRの一方は、水素もしくはC1‐6アルキルを表し、他方は、−(CH−O−C1‐6アルキルもしくは−(CH−C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルキル、もしくは−(CH−OHを表すか、またはRは、−(CH−NR−(CH−SOを表し、ここで、RおよびRは、独立して、水素もしくはC1‐6アルキルを表す、−Q−R
‐ Y−C3‐6シクロアルキル基であって、ここで、Yは、直接結合または−(CR−を表し、ここで、RおよびRは、水素を表す、Y−C3‐6シクロアルキル基;ならびに、
‐ Z−ヘテロシクリル基であって、ここで、前記へテロシクリル基は、C1‐6アルキル、−O−R、−(CH−O−R、−(CH−SO−NR、−(CHNR、または−N−CNHNH基を例とする、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のR基で置換されていてもよく、ここで、Zは、独立して、直接結合、−(CR−CO−、−(CR−NR、または−(CR−を表し、ここで、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシル、またはC1‐6アルキルを表す、Z−ヘテロシクリル基、
から選択され、
mおよびnは、独立して、1〜3の整数を表し;
sおよびtは、独立して、0〜3の整数を表し;
ここで、Rが水素を表す場合、Rは、水素または−CHを表すことはできない〕
の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、もしくは溶媒和物である。
一つの実施態様では、Rは、−ORを表し、Rは、C2‐4アルキルまたはC3‐4シクロアルキルを表し、例えば、−CH(CHである。
一つの実施態様では、Rは、水素、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロブチル、または−CH−シクロプロピルを例とする−CH−C3‐8シクロアルキルを表す。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は、1‐1から1‐63までの実施例から選択される化合物である。さらなる実施態様では、式(I)の化合物は、1‐21および1‐50から選択される化合物、またはその薬理学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は、1‐1から1‐67までの実施例から選択される化合物である。さらなる実施態様では、式(I)の化合物は、1‐21および1‐50から選択される化合物、またはその薬理学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は:
1‐(3‐{7‐[(3‐モルホリン‐4‐イル‐プロポキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[2‐(2‐メトキシ‐エトキシ)‐エトキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(2‐メトキシ‐エトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(2‐ヒドロキシ‐エトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(3‐シクロプロピルアミノ‐2‐ヒドロキシ‐プロポキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[2‐ヒドロキシ‐3‐(4‐ヒドロキシ‐ピペリジン‐1‐イル)‐プロポキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐({2‐[(2‐メトキシ‐エチル)‐メチル‐アミノ]‐エトキシイミノ}‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(ピリジン‐4‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[2‐(2‐ヒドロキシ‐エトキシ)‐エトキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐({2‐[ベンジル‐(2‐メトキシ‐エチル)‐アミノ]‐エトキシイミノ}‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(ピリミジン‐2‐イルオキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[3‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐プロポキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(3‐メチル‐3H‐イミダゾール‐4‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(ピリジン‐2‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(5‐クロロ‐チオフェン‐2‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(2‐メチル‐チアゾール‐4‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[3‐(1‐メチル‐ピペリジン‐4‐イルアミノ)‐プロポキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(3‐ピロリジン‐1‐イル‐プロポキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[3‐(4‐メトキシ‐ピペリジン‐1‐イル)‐プロポキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[3‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イルアミノ)‐プロポキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐({2‐[1‐(2‐メトキシ‐エチル)‐ピペリジン‐4‐イル]‐エトキシイミノ}‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐({2‐[1‐(2‐ヒドロキシ‐エチル)‐ピペリジン‐4‐イル]‐エトキシイミノ}‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐ヒドロキシイミノ‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐メトキシイミノ‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル )‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐2‐ヒドロキシ‐エトキシイミノ‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐3‐モルホリン‐4‐イル‐プロポキシイミノ‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(2‐ピペリジン‐4‐イル‐エトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(2‐ジメチルアミノ‐エトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐({2‐[(2‐メタンスルホニル‐エチル)‐メチル‐アミノ]‐エトキシイミノ}‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐({2‐[(2‐ヒドロキシ‐エチル)‐メチル‐アミノ]‐エトキシイミノ}‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐({3‐[4‐(2‐ヒドロキシ‐エチル)‐ピペラジン‐1‐イル]‐プロポキシイミノ}‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[3‐(3‐ヒドロキシ‐ピロリジン‐1‐イル)‐プロポキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
4‐{3‐[1‐(3‐{3‐[3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐ウレイド]‐フェニル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐イル)‐メタ‐(E)‐イリデンアミノオキシ]‐プロピル}‐ピペラジン‐1‐スルホン酸ジメチルアミド;
1‐{3‐[7‐(シクロプロピルメトキシイミノ‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(3,5‐ジメチル‐イソキサゾール‐4‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(2,5‐ジメチル‐2H‐ピラゾール‐3‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(5‐tert‐ブチル‐[1,2,4]オキサジアゾール‐3‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(ピリジン‐3‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(フラン‐2‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐[2‐メトキシ‐エトキシイミノ]‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(1‐メチル‐ピペリジン‐4‐イルオキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[2‐(2‐メトキシ‐エチルアミノ)‐エトキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[2‐(2‐メタンスルホニル‐エチルアミノ)‐エトキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{[3‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐3‐オキソ‐プロポキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(2‐アミノ‐チアゾール‐4‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{シクロプロピル‐メトキシイミノ‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{シクロプロピル‐ヒドロキシイミノ‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐メトキシイミノ‐プロピル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐ヒドロキシイミノ‐プロピル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(5‐メチル‐イソキサゾール‐3‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐[2‐(2‐ヒドロキシ‐エトキシ)‐エトキシイミノ]‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{1‐[3‐ヒドロキシ‐プロポキシイミノ]‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(3‐ヒドロキシ‐プロポキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{シクロブチル‐メトキシイミノ‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{シクロブチル‐ヒドロキシイミノ‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{2‐シクロプロピル‐1‐メトキシイミノ‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐aJピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{2‐シクロプロピル‐1‐ヒドロキシイミノ‐エチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐(3‐{7‐[(2‐グアニジノ‐チアゾール‐4‐イルメトキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐({3‐[4‐(2‐シアノ‐エチル)‐ピペラジン‐1‐イル]‐プロポキシイミノ}‐メチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{シクロプロピル‐ヒドロキシイミノ‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐5‐イソプロポキシ‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;および、
1‐[3‐(7‐{シクロプロピル‐[2‐ヒドロキシ‐エトキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素、
から選択される化合物である。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は:
1‐[3‐(7‐{シクロプロピル‐[(E)‐2‐ヒドロキシエトキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐5‐イソプロポキシ‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{シクロプロピル‐[(Z)‐2‐ヒドロキシエトキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐5‐イソプロポキシ‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐[3‐(7‐{シクロプロピル‐[(Z)‐ヒドロキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐5‐イソプロポキシ‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;および、
1‐[3‐(7‐{シクロプロピル‐[(E)‐ヒドロキシイミノ]‐メチル}‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐5‐イソプロポキシ‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素、
から選択される化合物である。
本明細書において、式(I)への言及は、文脈からそうでないことが示されていない限りにおいて、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)などの式、ならびに、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)のサブグループ、例、または実施態様を含む。
従って、例えば、特に治療用途、医薬製剤、および化合物を作製するためのプロセスへの言及は、それらが式(I)に言及する場合、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)、ならびに式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)のサブグループ、例、または実施態様にも言及するものとして見なされるべきである。
同様に、優先性、実施態様、および例が式(I)の化合物について与えられる場合、文脈からそうでないことが求められていない限りにおいて、それらは、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)、ならびに式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)のサブグループ、例、または実施態様にも適用される。
式(I)の化合物の製造方法
このセクションでは、本出願の他のすべてのセクションと同様に、文脈からそうでないことが示されていない限りにおいて、式(I)への言及には、本明細書で定めるその他のすべてのそのサブグループおよび例も含まれる。
式(I)の化合物は、当業者に公知の合成方法に従って作製することができる。オキシムは、公知の試薬を用いて、ケトンおよびアルデヒドから合成することができる。ピリジンを例とする塩基の存在下、エタノールを例とする極性溶媒中にてヒドロキシルアミン塩酸塩を用いることで、アルデヒド中間体は、アルドキシムに変換することができ、またはケトン中間体は、ケトキシムに変換することができる。次に、このオキシム化合物を、塩基(例:炭酸セシウムまたは水酸化カリウム)および溶媒(例:DMSOまたはエタノール)の存在下、適切な求電子剤を用いることで、必要に応じてアルキル化することができる。適切な求電子剤としては、2‐ブロモ‐エタノールを例とするハロゲン化物、または適切に活性化されたアルコール(例:メタンスルホン酸ピリジン‐3‐イルメチルエステル)を用いること、またはアルファ‐ベータ不飽和カルボニル化合物(例:2‐プロペン酸1,1‐ジメチルエチルエステル)が挙げられる。別の選択肢として、化合物は、DMSO中にて炭酸セシウムを用い、1‐ブロモ‐2‐クロロ‐エタンを例とする適切なリンカーグループによってアルキル化することができ、続く反応により、所望される置換基を形成させることができる。別の選択肢として、化合物は、適切に保護されたリンカーグループによってアルキル化することができ、これは続いて所望されるR基に変換することができる。例えば、(2‐ブロモエトキシ)(tert‐ブチル)ジメチルシランなどのブロモアルコキシシラン保護化合物、boc保護ハロアルキルアミン、またはN‐アルコキシルベンジルアミン化合物を、塩基(例:炭酸セシウム)および溶媒(例:DMSO)の存在下にて、ヒドロキシイミノ化合物と反応させることができる。次に、保護基が除去され、例えば、シラン基は、酢酸を例とする酸によって除去することができる。
アルデヒド中間体はまた、乾燥THF中、不活性雰囲気下にて臭化シクロプロピルマグネシウムを例とするグリニャール試薬を用い、次に例えば酸化マンガンを用いる酸化により、ケトンへ変換することもできる。例えば、非プロトン性溶媒THF中のイミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐カルボキシアルデヒドへ、不活性雰囲気下にて、ジエチルエーテル中の臭化メチルマグネシウムを添加することができ、次に、得られたヒドロキシル化合物をメチルケトンへ酸化することができる。
加えて、式(I)の化合物は、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)もしくはトシレート化合物などの芳香族クロロ、ブロモ、ヨード、または擬ハロゲンと、芳香族ボロン酸またはスタンナン誘導体との間のパラジウム媒介カップリング化学によって、容易に作製される。特に、鈴木カップリング化学がこれら化合物の合成に広く適用可能である。鈴木反応は、ビス(トリ‐t‐ブチルホスフィン)パラジウム、テトラキス‐(トリフェニルホスフィン)パラジウム、またはパラダサイクル触媒(例:Bedford, R.B. and Cazin, C.S.J. (2001) Chem. Commun., 1540-1541に記載のパラダサイクル触媒)などのパラジウム触媒、および以下でより詳細に考察される塩基(例:炭酸カリウムなどの炭酸塩)の存在下にて、典型的条件下で行うことができる。反応は、水性エタノールを含む水性溶媒系、またはジメトキシエタンもしくはジオキサンなどのエーテルを例とする極性溶媒中で行ってよく、典型的には、反応混合物には加熱が施され、例えば、100℃を超える温度を例とする80℃もしくはそれを超える温度までの加熱である。
スキーム1Aに示すように、コアであるイミダゾ[1,2‐a]ピリジンは、以下で概説するように市販の出発物質から合成することができ、3,7‐二置換環が得られる。
Figure 0005718897
適切な溶媒および塩基中の2‐アミノ‐イソニコチン酸メチルエステルを、クロロアセトアルデヒドと共に還流させることで環化させることができ、イミダゾピリジン環が得られる。
式(I)の化合物のR基の合成のために、このカルボン酸エステルがケトンに変換される。ケトンは、対応するカルボン酸から、N,O‐ジメチルヒドロキシアミック酸(ワインレブアミド(Weinreb Amide))またはN‐メチル,O‐t‐ブチルヒドロキシアミック酸(ワインレブ型アミド(Weinreb type Amide))中間体、および続いての適切なグリニャール反応による反応を介して合成することができる(Labeeuw, O. et al Tetrahedron Lett 2004, 45(38), 7107-7110)。対応するワインレブアミドへの誘導体化は、L. De Luca, G. Giacomelli, M. Taddei, J. Org. Chem., 2001, 66, 2534-2537に記載のように、N,O‐ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を用いる。標準的な芳香族ワインレブアミドのメチルケトンへの変換は、Murphy, J.A. et al Org Lett 2005, 7(7), 1427-1429に報告されるように、テトラヒドロフランなどの溶媒中、メチレン‐トリフェニル‐ラムダ‐ホスファンを必要とするか、またはアルキリデントリフェニルホスホランを用いて直接行うことができる。別の選択肢として、これは、グリニャール試薬の添加(Labeeuw, O. et al. Tetrahedron Letters 2004, 45(38), 7107-7110)および得られたアルコールの酸化により、段階的に行うこともできる。
別の選択肢として、ケトンは、ハロ芳香族またはハロへテロ芳香族化合物とのビニルエーテルスズ(スティル型)カップリングを用いて、塩化物から作製することができる。例として、アセチルケトンは、トリブチル‐(1‐エトキシ‐ビニル)‐スタンナン、塩化リチウム、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)‐パラジウム(0)を、アセトニトリルなどの溶媒中で加熱することにより、またはMo, J. Angew Chem, Int Ed, 2006, 45(25), 4152に報告されるヘック型反応(Heck type reaction)を介して作製することができる。
ケトン化合物はまた、クロスカップリング反応を用いて作製することもでき、例えば、パラジウム媒介(Tetrahedron Lett., 1997, 38(11), 1927-1930)または銅媒介(Org. Lett., 2003, 5(8), 1229-1231)反応を、適切な7‐クロロイミダゾピリジニル化合物と共に、適切な酸塩化物と共に行うことができる。
イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐カルボン酸メチルエステルまたはアルデヒドを例とするイミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐誘導体は、適切な溶媒中にて、次に、例えばN‐ヨウドスクシンイミドを室温で用いることで、ヨウ素化することができる。
次に、適切な官能基を、例えば様々な金属触媒反応を用いて、ハロゲン化位に付加することができる。特に、適切に官能化されたボロン酸、トリフルオロボロネート、またはそれらのボロネートエステルを、ハロゲン化アリールと反応させることができる。一般的には鈴木反応として知られるこの変換は、Rossi et al (2004), Synthesis 15, 2419でレビューされている。
鈴木反応は、水と有機溶媒との混合物中で行われることが多い。適切な有機溶媒の例としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4‐ジオキサン、1,2‐ジメトキシエタン、アセトニトリル、N‐メチルピロリジノン、エタノール、メタノール、およびジメチルホルムアミドが挙げられる。典型的には、反応混合物には加熱が施され、例えば100℃を超える温度までの加熱である。反応は、塩基の存在下にて行われる。適切な塩基の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、およびリン酸カリウムが挙げられる。適切な触媒の例としては、ビス(トリ‐t‐ブチルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロビス(トリ‐o‐トリルホスフィン)パラジウム(II)、2’‐(ジメチルアミノ)‐2‐ビフェニリル‐パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体、および2‐(ジメチルアミノ)フェロセン‐1‐イル‐パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体が挙げられる。場合によっては、追加のリガンドを添加して、カップリング反応を促進してよい。適切なリガンドの例としては、トリ‐t‐ブチルホスフィン、2,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1‐ビナフチル、トリフェニルホスフィン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリシクロヘキシルホスフィン、9,9‐ジメチル‐4,5‐ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、1,3‐ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2‐(ジ‐t‐ブチルホスフィノ)ビフェニル、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2’‐(n,n‐ジメチルアミノ)ビフェニル、トリ‐o‐トリルホスフィン、2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2’,4’,6’‐トリイソプロピルビフェニル、トリ(2‐フリル)ホスフィン、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2’,6’‐ジメトキシビフェニル、および2‐ジ‐tert‐ブチルホスフィノ‐2’,4’,6’‐トリイソプロピルビフェニルが挙げられる。
ハロゲン化物の考え得る金属触媒官能化のその他の例としては、有機スズ試薬との反応(スティル反応)、グリニャール試薬との反応、および窒素求核剤との反応である。これらの変換の全般的なレビュー、およびさらなる主要な参考文献は、'Palladium Reagents and Catalysts' [Jiro Tsuji, Wiley, ISBN 0-470-85032-9]、およびHandbook of OrganoPalladium Chemistry for Organic Synthesis [Volume 1, Edited by Ei-ichi Negishi, Wiley, ISBN 0-471 -31506-0]に提供されている。
特に、利用することができる1つの反応としては、アリールアミンのパラジウム触媒合成のための手段を提供するブッフバルト・ハートウィッグ型反応である(レビュー:J.F. Hartwig (1998), Angew. Chem. Int. Ed. 37, 2046-2067参照)。出発物質は、ナトリウムtert‐ブトキシドなどの強塩基、およびトリス‐(ジベンジリデンアセトン)‐ジ‐パラジウム(Pd(dba))などのパラジウム触媒、または2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル(BINAP)の存在下における、ハロゲン化アリールまたは擬ハロゲン化物(例えば、トリフレート)、および一級または二級アミンである。
特に、式(I)の化合物の合成の場合、ハロゲン化アリールは、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリドを例とする適切な金属触媒を用いて、3‐アミノベンゼンボロン酸と反応させることにより、二級アミン結合形成のためのアミノ前駆体を形成することができる。
スキーム1Aに概略を示したこの反応順序は、スキーム1Bまたは1Cに概略を示すように入れ替えることができる。
Figure 0005718897
スキーム1Bでは、イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐カルボン酸メチルエステルが、まずヨウ素化され、金属触媒カップリング反応が行われ、その後、メチルエステルがアルデヒド基へ変換される。
Figure 0005718897
スキーム1Cでは、イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐メタノールを、4‐ヒドロキシメチル‐ピリジン‐2‐イルアミンから直接合成することができる。イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐メタノールは市販もされている。このメタノール化合物を、例えばN‐ヨードスクシンイミドを用いてヨウ素化し、次に例えば酸化マンガンを用いて酸化することができ、または逆も同様である。次に、このヨード化合物を金属触媒カップリング反応に用いることができる。別の選択肢として、メタノール基をまずケトンに変換し、次にヨウ素を芳香族基で置き換えることもできる。
別の選択肢として、適切な溶媒および塩基中の4‐クロロ‐ピリジン‐2‐イルアミンまたは4‐ブロモ‐ピリジン‐2‐イルアミンを、クロロアセトアルデヒドと共に還流下にて環化することで、7‐ハロ‐イミダゾピリジン環を得ることができる(スキーム2に示すように)。次に、イミダゾ[1,2‐a]ピリジンの7位におけるハロゲン官能基を、スキーム2に概略を示す2つの経路のいずれかによりオキシムへ変換することができる。
Figure 0005718897
ハロゲン化物は、n‐ブチルリチウムまたはマグネシウムを用いて酸へ変換することができ、中間体とCOなどのカルボニル化剤との続いての反応により、本明細書で述べるように用いられるカルボン酸が生成する。加えて、ハロゲン化物は、一酸化炭素およびパラジウム触媒を用いて、アルデヒドへ変換することができる。ハロゲン化物はまた、一酸化炭素、パラジウム触媒、および適切なアルコールを用いて、直接エステルへ変換することもできる。続いて、これを本明細書で述べるようにして変換することができる。
芳香族臭化物の芳香族アルデヒドへのその他の変換は、スティルカルボニル合成(Stille, JACS, 1983, 105, 7175)、またはEinchorn, J, Tetrahedron Lett., 1983, 27, 1791に記載のボドロウ‐チチバビン‐アルデヒド合成を用いて行うことができる。次に、アルデヒドを酸化して酸とし、本明細書で述べるようにオキシムへ変換することができる。
多官能性の2‐アミノ‐5‐ブロモピリジンまたは芳香族臭化物は、グリニャール型の形成を介し、DMFで反応停止することによりアルデヒドへ変換することができ(Misra, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14(11), 2973)、またはそれらは、アルコールの存在下、標準的なパラジウムカルボニル化を介してエチルエステルへ変換することができる(Cheung, M. Heterocycles, 2001, 55, 1583)。
別の選択肢として、4‐メチル‐ピリジン‐2‐イルアミンを環化反応に用いて、7‐メチル‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン環を得ることができ、一方、これは市販もされている。次に、メチルを、エタール反応を用いて酸化してアルデヒドとするか、または過マンガン酸塩などの酸化剤を用いてカルボン酸とすることができる。エタール反応は、塩化クロミルを用い、芳香族またはヘテロシクリルに結合したメチル基を直接酸化してアルデヒドとすることを含む。
別の選択肢として、やはり市販もされているエチルイミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐カルボキシレートを、変換またはヨウ素化および金属触媒反応のための出発点として用いることができる。
Figure 0005718897
様々な式(I)の化合物を、鈴木反応において3‐アミノベンゼンボロン酸を用い、続いて誘導体化することによって得ることができる。特に、スキーム3に概略を示すように、導入されたアミン官能基を用いて、例えば、スルホニル尿素、スルホンアミド、尿素、アミド、二級アミン、およびカルバメートを合成することができる。
アミド結合は、カルボン酸またはその反応性誘導体とアミンとの反応により、標準的なアミド形成条件下にて作製することができる。カルボン酸とアミンとの間のカップリング反応は、好ましくは、ペプチド結合の形成に一般的に用いられる種類の試薬の存在下で行われる。そのような試薬の例としては、1,3‐ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(Sheehan et al, J. Amer. Chem. Soc., 1955, 77, 1067)、1‐エチル‐3‐(3’‐ジメチルアミノプロピル)‐カルボジイミド(本明細書にてEDCまたはEDACと称するが、本技術分野にてEDCIおよびWSCDIとしても知られる)(Sheehan et al, J. Org. Chem., 1961, 26, 2525)、O‐(7‐アザベンゾトリアゾール‐1‐イル)‐N,N,N’,N’‐テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)またはO‐(ベンゾトリアゾール‐1‐イル)‐N,N,N’,N’‐テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)などのウロニウムを主体とするカップリング剤、および1‐ベンゾ‐トリアゾリルオキシトリス‐(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(Castro et al, Tetrahedron Letters, 1990, 31, 205)などのホスホニウムを主体とするカップリング剤が挙げられる。カルボジイミドを主体とするカップリング剤は、有利には、1‐ヒドロキシ‐7‐アザベンゾトリアゾール(HOAt)(L.A. Carpino, J. Amer. Chem. Soc., 1993, 115, 4397)または1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(Konig et al, Chem. Ber., 103, 708, 2024-2034)と組み合わせて用いられる。好ましいカップリング剤としては、HOAtまたはHOBtと組み合わせた、TBTU、EDC(EDAC)、またはDCCが挙げられる。
カップリング反応は、典型的には、アセトニトリル、1,4‐ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、もしくはN‐メチルピロリジンなどの非水性、非プロトン性溶媒中にて、または所望される場合は1もしくは2つ以上の混和性共溶媒と共に、水性溶媒中にて行われる。反応は、室温で行ってよく、または、反応物の反応性が低い場合(例えば、スルホンアミド基などの電子求引基を持つ電子不足アニリンの場合)は、適切に上昇させた温度で行ってよい。反応は、トリエチルアミンまたはN,N‐ジイソプロピルエチルアミンなどの三級アミンを例とする干渉しない塩基(non-interfering base)の存在下で行ってよい。
別の選択肢として、無水物または酸塩化物を例とするカルボン酸の反応性誘導体を用いてもよい。無水物などの反応性誘導体との反応は、典型的には、ピリジンなどの塩基の存在下、室温にてアミンと無水物とを攪拌することで行われる。
この反応に用いられるアミンは、市販業者から入手することができ、または当業者に公知の数ある標準的な合成方法のいずれかによって作製することもでき、例えば、Advanced Organic Chemistry by Jerry March, 4th Edition, John Wiley & Sons, 1992、およびOrganic Syntheses, Volumes 1-8, John Wiley, edited by Jeremiah P. Freeman (ISBN: 0-471-31192-8), 1995を、ならびに以下の実験セクションに記載の方法も参照されたい。例えば、適切なニトロ化合物を還元して対応するアミノ化合物を得ることができる。この還元は、例えば炭素担持パラジウムの存在下、エタノールまたはジメチルホルムアミドなどの極性溶媒中にて室温で行う接触水素化などの標準的な方法によって行うことができる。別の選択肢として、還元は、エタノール中の塩化スズ(II)などの還元剤を用い、典型的には、溶媒の還流温度までを例とする加熱と共に実施することができる。
尿素もまた、標準的な方法を用いて作製することができる。例えば、そのような化合物は、アミノ化合物を、適切に置換されたイソシアネートと、DMFなどの極性溶媒中で反応させることで作製することができる。この反応は、室温で実施されることが好都合である。
別の選択肢として、式(I)の尿素は、カルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下にてアミンを適切に置換されたアミンと反応させることで作製することができる。この反応は、典型的には、THFなどの極性溶媒中にて約150℃までの温度に加熱して(例えばマイクロ波ヒーターを用いて)行われる。CDIを用いる代わりに、2つのアミンをカップリングさせることによる尿素の形成は、トリエチルアミンなどの干渉しない塩基の存在下、ジクロロメタンなどの溶媒中にて、室温もしくはそれ未満の温度でトリホスゲン(炭酸ビス(トリクロロメチル))を用いて行うこともできる。CDIのさらなる代替物として、トリホスゲンの代わりにホスゲンを用いてもよい。
加えて、アミドまたは尿素化合物は、1‐メチル‐3‐[3‐(4,4,5,5‐テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン‐2‐イル)‐フェニル]尿素または3‐メトキシ‐5‐ニトロ‐フェニルボロン酸ピナコールエステルを例とする適切に置換されたボロン酸を、適切に置換されたイミダゾ[1,2‐a]ピリミジンとの鈴木反応に用いることで合成することができる。これらは、本明細書で述べるようにして合成することができる。
カルバメートを含有する式(I)の化合物は、カルバメートを合成するための標準的な方法を用いて作製することができ、例えば、当業者に公知の条件下における、アミノ化合物と式R−O−C(O)−Clのクロロホルメート誘導体との反応である。
スルホンアミドを含有する式(I)の化合物は、スルホンアミドを形成するための標準的な方法により、アミノ化合物から作製することができる。例えば、アミン化合物を、式RSOClの塩化スルホニル、または式(RSOOの無水物と反応させることができる。この反応は、典型的には、アセトニトリルまたは塩素化炭化水素(例えばジクロロメタン)などの非極性溶媒中、三級アミン(例:トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンまたはピリジン)などの干渉しない塩基の存在下にて行われる。別の選択肢として、ピリジンを例とする液体の塩基の場合、塩基自体を反応溶媒として用いてよい。
スルホニル尿素は、THFなどの適切な非極性溶媒中、トリエチルアミンを例とする塩基および適切に置換された塩化スルファモイルとの反応により、アミン化合物から作製することができる。
チオウレア、チオアミド、O‐置換チオカルバメートまたはS‐置換チオカルバメートを例とするチオカルバメート、ジチオカルバメート、アミジン、およびグアニジンなどRの別の選択肢としての例を含む式(I)のその他の化合物は、Advanced Organic Chemistry by Jerry March, 4th Edition, John Wiley & Sons, 1992に記載の様々な公知の官能基相互変換を用いることにより、アミン中間体から合成することができる。
一級アミンは、別の選択肢として、標準的な条件下における対応するニトロ化合物の還元によって作製することができる。この還元は、例えば、炭素担持パラジウムなどの触媒の存在下、エタノールまたはジメチルホルムアミドなどの極性溶媒中にて室温で行う接触水素化によって行うことができる。
このような反応のための適切な出発物質および試薬は、市販のものを入手してよく、または当業者に公知の数ある標準的な合成方法のいずれかによって入手してもよく、例えば、Advanced Organic Chemistry by Jerry March, 4th Edition, John Wiley & Sons, 1992、およびOrganic Syntheses, Volumes 1-8, John Wiley, edited by Jeremiah P. Freeman (ISBN: 0-471-31192-8), 1995を、ならびに以下の実験セクションに記載の方法も参照されたい。例えば、様々な適切な官能化アニリンおよびアミノピリジン出発物質、ならびに金属触媒が市販されている。
本発明の化合物の作製における使用に適する、ボロン酸、エステル、またはトリフルオロボレートを例とする多くのボロネートは、例えばオーストラリア、ノーブルパークのボロンモレキュラー社(Boron Molecular Limited)または米国、サンディエゴのコンビブロックス社(Combi-Blocks Inc.)から市販されている。適切に置換されたボロネートが市販されていない場合、それらは、Miyaura, N. and Suzuki, A. (1995) Chem. Rev. 95, 2457のレビュー論文に記載のものを例とする、本技術分野で公知の方法によって作製することができる。従って、ボロネートは、対応するブロモ化合物をブチルリチウムなどのアルキルリチウムと反応させ、次に(PrO)Bを例とするボレートエステルと反応させることによって作製することができる。この反応は、典型的には、低温にて(例えば−78℃)、テトラヒドロフランなどの乾燥極性溶媒中で行われる。ボロネートエステル(例えばピナコラートボロネート)はまた、ブロモ化合物から、トリシクロヘキシル‐ホスフィンなどのホスフィンおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)‐ジパラジウム(0)などのパラジウム(0)試薬の存在下におけるビス(ピナコラート)ジボロンなどのジボロネートエステルとの反応によっても作製することができる。このボロネートエステルの形成は、典型的には、ジオキサンまたはDMSOなどの乾燥極性非プロトン性溶媒中、約80℃を例とする100℃までの温度へ加熱して行われる。得られたボロネートエステル誘導体は、所望される場合、加水分解して対応するボロン酸を得るか、またはトリフルオロボレートへ変換することができる。
上述の反応はすべて、別の選択肢としての式(I)のヘテロシクリルテンプレートの官能化に用いることができ、その合成は以下で概略を説明する。
合成後、様々な官能基変換を置換イミダゾピリジン化合物に用いて、式(I)のさらなる化合物を生成させることができる。例えば、以下の反応のいくつかを用いて水素化、加水分解、脱保護、および酸化を行い、式(I)のある化合物を式(I)の別の化合物へ変換することができる。
ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン
ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジンテンプレートは、スキーム5Aに示すように、適切に置換されたアミノピラゾール(VI)およびフラグメント(VII)から合成することができ、ここで、Rは、水素またはA−Rであってよい。これは、一段階または二段階プロセスで行ってよく、ここで、XおよびXは、求電子性炭素(すなわち、カルボニル、保護カルボニル、すなわち、アセタール、エナミン、共役アルケン、またはアルキン)である(Perkin I, J. C. S. (1979), 3085-3094)。Xは、適切な置換基であり、基R、または本明細書で述べるRを導入する反応を可能とするハロゲンまたは擬ハロゲンまたはメチルなどの基である。適切に置換された遊離または保護1,3‐ジカルボニル誘導体とのピラゾール(VI)の環化を用いて、置換ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジンを作製することができる。この環化は、典型的には、アルコール溶媒またはトルエンまたは酢酸中にて行われ、ピペリジン、ナトリウムエトキシド、HCl、AcOH、pTsOH、またはZnClなどの添加剤を存在させてもよい(J. Med. Chem. (2001), 44(3), 350-361;Bull. Korean Chem. Soc. (2002), 23(4), 610-612;Australian Journal of Chemistry (1985), 38(1), 221-30)。
Figure 0005718897
二置換ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジンを作製するための特定の合成スキームの概略をスキーム5Bに示す。ピラゾロピリミジン環は、フラグメントVIIとしての置換マロンアルデヒドのアミノピラゾールとの反応によって形成される。置換マロンアルデヒドは、メチルで置換されていてよく、または2‐ブロモ‐マロンアルデヒドのようにハロゲンを例とする潜在的官能基で置換されていてもよく、これは、以下に示すスキームのように、本明細書で概略を示す反応を用いて、この位置でのさらなる誘導体化を可能とする。
Figure 0005718897
この環化反応では、溶媒中のマロンアルデヒドを3‐アミノピラゾールに添加し、続いて、氷酢酸を例とする酸を添加する。次に、これらの試薬を還流下で加熱することにより環化させる。次に、本明細書で概説する酸化およびカップリングプロセスを用いて、式(I)の化合物を合成することができる。
式(VI)および(VII)の化合物は、公知の化合物であるか、または公知の方法に類似させて作製してもよい。多くの式(VI)のピラゾールが市販されている。別の選択肢として、それらは、欧州特許第308020号(メルク)に記載のプロセスでのケトンからを例とする公知の方法から、またはHelv. Chim. Acta. (1956), 39, 986-991およびHelv. Chim. Acta. (1958), 41, 1052-1060にてSchmidtにより考察された方法から、またはRが水素、ハロゲン、ニトロ、エステル、もしくはアミドである式(VI)のピラゾールまたは式(I)の化合物を当業者に公知の標準的な方法によって所望されるR官能基へ変換することにより、入手することができる。例えば、Rがハロゲンである場合、スズまたはパラジウム化学によるカップリング反応を、本明細書の記載に従って実施することが可能である。
別の選択肢として、ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジン‐6‐カルボン酸またはアルデヒドが市販されており、これらを本明細書で述べる反応に用いて、二置換ピラゾロ[1,5‐a]ピリミジンを合成することができる。
ピラゾロ[1,5‐a]ピラジン
Figure 0005718897
2‐ブロモ‐5‐ヨードピラジンおよびヨウ化銅(I)の混合物を、不活性条件下、DMF/EtNを例とする適切な溶媒および塩基中にて、Pd(PPhを例とするパラジウム触媒を用いて、エチニル‐トリメチル‐シランと室温で反応させることにより、2‐ブロモ‐5‐トリメチルシラニルエチニル‐ピラジンが得られる。この物質をさらなる精製を行わずに用い、6‐ブロモ‐2‐トリメチルシラニル‐ピラゾロ[1,5‐a]ピラジンを形成させるために、O‐(メシチレンスルホニル)ヒドロキシルアミンを用いて反応させ、N‐アミノ付加物を形成させることができる。次にこれを、KCOを例とする塩基と反応させることで環化して、ピラゾロピラジンコアを形成することができる(スキーム6)。
次に、本明細書で述べるように、ハロゲン化、および金属触媒反応におけるその潜在的官能基の反応、ならびに他の位置でのケトン‐アルデヒドおよびオキシム変換により、適切な基を導入することができる。
ピラゾロ[1,5‐a]ピリジン
O‐(メシチレンスルホニル)ヒドロキシルアミンを不活性条件下にて3‐置換ピリジンと反応させてN‐アミノピリジンを形成し、これはさらなる精製を行わずに用いることができる(スキーム7)。不活性雰囲気中、塩基(KCO)および2‐ベンゼンスルホニル‐3‐ジメチルアミノアクリル酸メチルエステルを用いてN‐付加物を環化することで、3‐カルボン酸エステルピラゾロ[1,5‐a]ピリジンが得られる。このカルボン酸エステルの除去は、例えば水酸化ナトリウムを用いるケン化によって酸を形成し、次にポリリン酸中での脱カルボキシル化によって行うことができる。次に、この臭化物を、本明細書で述べる方法を用いて所望されるR基へ変換することができる。
Figure 0005718897
本明細書で概説するように、N‐ヨードスクシンイミドによるヨウ素化およびハロゲン化アリールの金属触媒反応を用いて、所望される官能基を導入することができる。
イミダゾ[4,5‐b]ピリジン
イミダゾ[4,5‐b]ピリジン環系は、J. Heterocyclic Chemistry (1983), 20(5), 1339に記載のように、アニリンと2‐クロロ‐3‐アミノピリジンとの反応によって構築することができる(スキーム8)。
Figure 0005718897
スキーム8で得られた二環式環は、本明細書で述べるように、ハロゲン化またはアルキル化によって官能化し、Rへ変換することができることは理解されるであろう。
さらに官能化された中間体は、例えば米国特許第06723735号に記載の方法に基づいたスキーム9Aにて概略を示すようにして作製することが可能である。
Figure 0005718897
本明細書で述べるように、上記で示したものに類似のハロゲン化アリールは、様々な金属触媒反応を経て、所望される式(I)の化合物を生成することができる。
Figure 0005718897
別の選択肢として、それらは、スキーム9Bにて上記で概略を示すようにして合成することが可能である。
イミダゾ[4,5‐c]ピリジン
3‐アリール‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジン環系は、Biorg. Med. Chem. Lett. (2004), 14, 5263で考察されるように、3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジンとヨウ化アリールとの反応によって構築することができる(スキーム10)。
Figure 0005718897
位置異性体生成物をクロマトグラフィによって分離することができることが報告されている。この物質をさらに修飾して所望される置換パターンを得るための考え得る方法を以下に示す(スキーム11)。
Figure 0005718897
3‐クロロ過安息香酸などの酸化剤との反応を用いてN‐オキシドを作製することが可能であり、これは、POCl、SOClを例とするいくつかの試薬により、二置換3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジンへ転位させることができる。この位置異性体生成物は、次に、クロマトグラフィによって分離することが可能である。DMSO中のシアン化カリウムによるハロゲンの置換、またはパラジウムおよびZn(CN)との反応により(Bioorg. Med. Chem. Lett., 2003, 13(9), 1591)、前記にて概説するように、酸へ変換することができるニトリルが生成される。
別の選択肢としての方法をスキーム12に示す。6‐クロロ‐3H‐イミダゾ[4,5‐c]ピリジンの合成が、J. Heterocyclic Chem (1965), 2(2), 196-201に記載されている。このクロロ基は、本明細書で概説するようにして変換することができる。次に、続いてのN‐アリール化合物への修飾は、スキーム10に示される条件に従って行うことが可能である。
Figure 0005718897
1,5‐ジアリール‐1H‐ベンゾイミダゾール
Figure 0005718897
1,5‐ジアリール‐1H‐ベンゾイミダゾールの合成は、Bioorg. Med. Chem. Lett. (2003), 13, 2485-2488に報告されている(スキーム13)。
Figure 0005718897
適切なアニリンによる4‐ブロモ‐1‐フルオロ‐2‐ニトロベンゼンからのフッ素の置換、ならびにこれに続く還元およびトリエチルオルソホルメートでの環化により、所望される置換パターンのブロモ‐ベンゾイミダゾールが得られる。この生成物は、本明細書で述べるように臭化物の反応によってさらに修飾して、1,5‐二置換ベンゾイミダゾールを得ることができる。
1,5‐二置換ベンゾイミダゾールは、スキーム11で述べるものに類似の化学を用いて合成することができる。
イミダゾ[1,2‐c]ピリミジン
二置換イミダゾ[1,2‐c]ピリミジンは、スキーム14に概略を示すようにして作製することができる。
Figure 0005718897
これは、7‐クロロ‐イミダゾ[1,2‐c]ピリミジンから出発するが、その合成は、Yanai et al, Heterocyclic compounds. XVIII. Synthesis of imidazo[1,2-c]-pyrimidine derivatives, Yakugaku Zasshi (1974), 94(12), 1503-14に記載されている。この物質は、次に、上述の反応のいずれかを用いてさらに修飾することができる。
3位がアリールまたはヘテロアリール基である場合、SAr基は、本明細書で述べる類似の化学を用いて、標準的なパラジウムクロスカップリング反応によって置換することができる(スキーム16)。
Figure 0005718897
別の選択肢として、6‐クロロピリミジン‐4‐イルアミンを反応させて二環式環系を形成させ、次にこのクロロをR基へ変換することができる。
別の選択肢として、6‐アミノ‐ピリミジン‐4‐カルボン酸を出発物質として用いることができる。
イミダゾ[1,2‐c]ピリミジン‐5‐オン
3,7‐二置換イミダゾ[1,2‐c]ピリミジン‐5‐オンは、7‐クロロ‐6H‐イミダゾ[1,2‐c]ピリミジン‐5‐オン(CAS番号56817‐09‐5)から合成することができ、その合成は、Maggiali et al (1982), Acta Naturalia de l'Ateneo Parmense, 18(3), 93-101およびBartholomew et al (1975) Journal of Organic Chemistry, 40(25), 3708-13に記載されている。
7‐クロロ‐6H‐イミダゾ[1,2‐c]ピリミジン‐5‐オンは、SArなどの求核置換反応を用いて誘導体化し、7位に官能基を付加することができる(スキーム17)。SAr反応は、シアン化カリウムを用いて行うことができ、次にアミドへ変換される。この化合物は、次に、上述のようにしてヨウ素化することができ、その後、鈴木反応を用いてさらに官能化される。
Figure 0005718897
別の選択肢として、7‐クロロ‐6H‐イミダゾ[1,2‐c]ピリミジン‐5‐オンは、本明細書で述べる反応に用いるために、直接ヨウ素化して以下の中間体とすることが可能である(スキーム18)。
Figure 0005718897
加えて、その他のオキソ‐へテロ環を、適切なクロロ誘導体から加水分解によって合成することが可能である。保護化合物を塩基加水分解に掛けることで、ピリドンが得られる。これは、HO中のNaOH(またはNaOH/H)/MeOHまたはHO/ジオキサンにより、文献に記載のクロロピリジンの加水分解のための手順に従って実施することが可能である(例:Australian J. Chem. (1984), 37(12), 2469-2477)。
イミダゾ[1,2‐b]ピリダジン
Figure 0005718897
イミダゾ[1,2‐b]ピリダジンコアの合成は、ピリダジン‐3‐イルアミン誘導体を用い、スキーム19に示すようにして実施することができる。
メチル、カルボン酸、カルボン酸エステル、またはハロゲン化物で置換された多くの二環式または単環式芳香族化合物が市販されている。従って、これらのおよびその他のヘテロ環は、メチル、カルボン酸、カルボン酸エステル、もしくはハロゲン化物で置換された二環式化合物から、またはメチル、カルボン酸、カルボン酸エステル、もしくはハロゲン化物で置換された単環式芳香族化合物から、本明細書で述べる環化反応を用いて直接合成することができる。
その他のヘテロ環は、公知の反応を用いて合成することができ、例えば、Comprehensive Heterocyclic Chemistry I (Edited by Katritzky, A.R. and Rees, C.W. (1982) Elsevier)およびComprehensive Heterocyclic Chemistry II (Edited by Katritzky, A.R., Rees, C.W. and Scriven, E.F.V. (1996) Elsevier, ISBN 0-08-042072-9)に記載のものである。
上述の反応の多くにおいて、1もしくは2つ以上の基を保護して、分子の望ましくない位置での反応の発生を防ぐことが必要となる場合がある。保護基、ならびに官能基の保護および脱保護の方法の例は、Protective Groups in Organic Synthesis (Green, T. and Wuts, P. (1999); 3rd Edition; John Wiley and Sons)に記載されている。
ヒドロキシ基は、例えば、エーテル(−OR)またはエステル(−OC(=O)R)として、例えばt‐ブチルエーテル;ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)、もしくはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリルもしくはt‐ブチルジメチルシリルエーテル;またはアセチルエステル(−OC(=O)CH、−OAc)として保護することができる。アルデヒドまたはケトン基は、例えば、それぞれアセタール(R−CH(OR))またはケタール(RC(OR))として保護され、ここで、カルボニル基(>C=O)は、例えば一級アルコールとの反応により、ジエーテル(>C(OR))へ変換される。アルデヒドまたはケトン基は、酸の存在下にて大過剰の水を用いる加水分解によって容易に再生される。アミン基は、例えば、アミド(−NRCO−R)またはウレタン(−NRCO−OR)として、例えば:メチルアミド(−NHCO−CH);ベンジルオキシアミド(−NHCO−OCH、−NH−Cbz);t‐ブトキシアミド(−NHCO−OC(CH、−NH‐Boc);2‐ビフェニル‐2‐プロポキシアミド(−NHCO−OC(CH、−NH−Bpoc)として、9‐フルオレニルメトキシアミド(−NH−Fmoc)として、6‐ニトロベラトリルオキシアミド(−NH−Nvoc)として、2‐トリメチルシリルエチルオキシアミド(−NH−Teoc)として、2,2,2‐トリクロロエチルオキシアミド(−NH−Troc)として、アリルオキシアミド(−NH−Alloc)として、または2(‐フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(−NH−Psec)として保護することができる。環状アミンおよびヘテロ環式N−H基などのアミンに対するその他の保護基としては、トルエンスルホニル(トシル)およびメタンスルホニル(メシル)基、ならびにパラ‐メトキシベンジル(PMB)基などのベンジル基が挙げられる。カルボン酸基は、エステルとして、例えば:C1‐7アルキルエステル(例:メチルエステル;t‐ブチルエステル);C1‐7ハロアルキルエステル(例:C1‐7トリハロアルキルエステル);トリC1‐7アルキルシリル−C1‐7アルキルエステル;もしくはC5‐20アリール−C1‐7アルキルエステル(例:ベンジルエステル;ニトロベンジルエステル)として、またはアミドとして、例えばメチルアミドとして保護することができる。チオール基は、例えば、チオエーテル(−SR)として、例えば:ベンジルチオエーテル;アセタミドメチルエーテル(−S−CHNHC(=O)CH)として保護することができる。
一つの実施態様では、中間体は、ベンジル、ノシル、トシル、またはfmoc(フルオレニルメチルオキシカルボニル)、特にベンジルを例とする保護基が結合した式(I)の化合物であってよい。保護基は、R、R、またはRの1もしくは2つ以上に結合していてよく、またはこれらと置き換えられていてもよい。
式(I)の化合物の作製において重要な中間体は、式(II)および(III)の化合物である。式(II)および(III)の新規な化学中間体、ならびにその保護された形態は、本発明のさらなる態様を形成する。
本発明のさらなる態様は、本明細書で定める式(I)の化合物を製造するための方法であり、この方法は:
(i) 式(II):
Figure 0005718897
の化合物もしくはその保護された形態と、適切に置換されたイソシアネートもしくは適切に置換されたアミンとの、カルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下における反応;または、
(ii) 式(II):
Figure 0005718897
の化合物もしくはその保護された形態と、適切に置換されたカルボン酸もしくは反応性誘導体との反応;または、
(iii) 式(II):
Figure 0005718897
の化合物もしくはその保護された形態と、適切に置換されたアルデヒドもしくはケトンとの反応;または、
(iv) 式(III):
Figure 0005718897
〔式中、Yは、ケトンもしくはアルデヒドを例とする、式−CR=N−ORのオキシムへ変換することができる基である〕
の化合物もしくはその保護された形態の反応;
ならびに、式−CR=N−ORのオキシムへの変換;
ならびに、その後の、存在する任意の保護基の除去;
を含んでなり、ここで、X1‐5、A、およびRは、本明細書で定める通りであり;ならびに、所望される場合は、その後、式(I)のある化合物を別の式(I)の化合物へ変換することを含んでもよい。
さらなる実施態様では、本発明は、式(IV):
Figure 0005718897
〔式中、
Aは、1つのR基によって置換されていてもよいフェニル基を表し、ここで、Rは、C2‐4アルキルオキシ、ハロC2‐4アルキルオキシ、C1‐4アルコキシC1‐4アルキル、シクロブトキシ、シクロプロポキシ、−NH−C1‐4アルキル、−N(C1‐4アルキル)、−C1‐4アルキル−NH(C1‐4アルキル)、−C1‐4アルキル−N(C1‐4アルキル)、または−S(=O)−C1‐4アルキルを表し、Rは、−NHCONRを表し;
は、水素を表し;
は、ハロC1‐6アルキルを表し;
は、−COR基またはCH=N−ORを表し;
は、ハロC2‐4アルキル、−(CH−COOR、−(CH−NR、または−Z’−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記へテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のC1‐6アルキルまたはC(=O)−O−C1‐6アルキルで置換されていてもよく;
は、水素またはC1‐6アルキルであり;
nは、1〜4の整数であり、
は、式(I)の化合物に対して定められる通りであり;
は、−Y’−アリールを表し、Y’は、(CHを表し;
Z’は、−(CHを表し;
Aが−O−C2‐6アルキル基で置換される場合、Rは、C1‐6アルキル、C3‐8シクロアルキル、または−(CH)−C3‐8シクロアルキルを表し;
Aが無置換の場合、Rは、C2‐6アルキルまたは−(CH)−C3‐8シクロアルキルを表す〕
の新規な中間体を提供する。
一つの実施態様では、Rは、−COR基を表す。
一つの実施態様では、Rは、C2‐4アルキルオキシを表す。
一つの実施態様では、Rは、−(CH−O−C1‐6アルキルを表す。
一つの実施態様では、AがC2‐4アルキルオキシで置換される場合、Rは、C1‐4アルキル、C3‐6シクロアルキル、または−(CH)−C3‐6シクロアルキルを表す。別の実施態様では、Aが無置換の場合;Rは、C2‐4アルキルまたは−(CH)−C3‐6シクロアルキルを表す。
一つの実施態様では、新規な中間体は:
1‐[3‐(7‐プロピオニル‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;
1‐{3‐[7‐(2‐シクロプロピル‐アセチル)‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル]‐フェニル}‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素;および、
1‐[3‐(7‐シクロプロパンカルボニル‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル)‐5‐イソプロポキシ‐フェニル]‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素、
から選択される。
一つの実施態様では、Rは、CH=N−ORを表し、ここで、Rは、ハロC2‐4アルキル、−(CH−COOR、もしくは−Z−ヘテロシクリル基を表し、この場合、前記へテロシクリル基は、1もしくは2つ以上(例:1、2、または3つ)のC1‐6アルキルもしくはC(=O)−O−C1‐6アルキルで置換されていてもよく、およびZは、−(CHを表し、Rは、水素もしくはC1‐6アルキルであり、およびnは、1〜4であるか、または、−(CH−NRを表し、この場合、Rは、−(CH−O−C1‐6アルキルを表し、およびRは、−Y−カルボシクリル表し、およびYは、−(CHを表す。
一つの実施態様では、新規な中間体は:
1‐(3‐{7‐[(3‐クロロ‐プロポキシイミノ)‐メチル]‐イミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐3‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチル)‐尿素
である。
薬理学的に許容される塩、溶媒和物、または誘導体
本セクションでは、本願のその他のすべてのセクションと同様に、文脈からそうでないことが示されていない限りにおいて、式(I)への言及は、本明細書で定めるそのすべての他のサブグループ、優先性、および例に対する言及を含む。
特に断りのない限り、特定の化合物への言及はまた、そのイオンの形態、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N‐オキシド、エステル、プロドラッグ、アイソトープ、および保護された形態も含み、例えば、以下で考察するように;好ましくは、そのイオンの形態、または塩、または互変異性体、または異性体、またはN‐オキシド、または溶媒和物であり;より好ましくは、そのイオンの形態、または塩、または互変異性体、または溶媒和物、または保護された形態である。式(I)の多くの化合物は、塩の形態で存在し得るものであり、例えば、酸付加塩、または特定の場合では、カルボキシレート、スルホネート、およびホスフェート塩などの有機ならびに無機塩基の塩である。そのような塩は、すべて本発明の範囲内であり、式(I)の化合物への言及は、その化合物の塩の形態を含む。一つの実施態様では、式(I)の化合物への言及は、式(I)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む。
本発明の塩は、Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, P. Heinrich Stahl (Editor), Camille G. Wermuth (Editor), ISBN: 3-90639-026-8, Hardcover, 388 pages, August 2002に記載の方法などの従来の化学的方法により、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般的に、このような塩は、水中、または有機溶媒中、またはこの2つの混合物中において、これら化合物の遊離の酸または塩基の形態を適切な塩基または酸と反応させることによって作製することができ;一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が用いられる。
酸付加塩は、無機および有機の両方の広く様々な酸によって形成され得る。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2‐ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例:L‐アスコルビン酸)、L‐アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4‐アセタミド安息香酸、ブタン酸、(+)カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)‐(1S)‐カンファー‐10‐スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン‐1,2‐ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D‐グルコン酸、グルクロン酸(例:D‐グルクロン酸)、グルタミン酸(例:L‐グルタミン酸)、α‐オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例:(+)‐L‐乳酸、(±)‐DL‐乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)‐L‐リンゴ酸、マロン酸、(±)‐DL‐マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(例:ナフタレン‐2‐スルホン酸)、ナフタレン‐1,5‐ジスルホン酸、1‐ヒドロキシ‐2‐ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L‐ピログルタミン酸、サリチル酸、4‐アミノ‐サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)‐L‐酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(例:p‐トルエンスルホン酸)、ウンデシレン酸、および吉草酸から成る群より選択される酸、ならびにアシル化アミノ酸およびカチオン交換樹脂と共に形成される塩が挙げられる。
塩の1つの特定の群は、酢酸、塩酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メシレート)、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸、およびラクトビオン酸から形成される塩から成る。
酸付加塩の別の群は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、クエン酸、DL‐乳酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、馬尿酸、塩酸、グルタミン酸、DL‐リンゴ酸、メタンスルホン酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、および酒石酸から形成される塩を含む。
本発明の化合物は、塩を形成する酸のpKaに応じて、一または二塩として存在し得る。
化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基(例:−COOHは−COOであり得る)を有している場合、塩は、適切なカチオンと共に形成され得る。適切な無機カチオンの例としては、これらに限定されないが、NaおよびKなどのアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+などのアルカリ土類金属カチオン、およびAl3+などのその他のカチオンが挙げられる。適切な有機カチオンの例としては、これらに限定されないが、アンモニウムイオン(すなわち、NH )および置換アンモニウムイオン(例:NH、NH 、NHR 、NR )が挙げられる。
いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例としては:エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、ならびにリジンおよびアルギニンなどのアミノ酸、から誘導されるものである。一般的な四級アンモニウムイオンの例は、N(CH である。
式(I)の化合物がアミン官能基を含有している場合、これらは、例えば当業者に公知の方法に従うアルキル化剤との反応により、四級アンモニウム塩を形成し得る。このような四級アンモニウム化合物は、式(I)の範囲内である。
本発明の化合物の塩の形態は、典型的には、薬理学的に許容される塩であり、薬理学的に許容される塩の例は、Berge et al. (1977) "Pharmaceutically Acceptable Salts," J. Pharm. Sci., Vol. 66, pp. 1-19にて考察されている。しかし、薬理学的に許容されない塩もまた、中間体として作製し、これを次に、薬理学的に許容される塩へ変換してもよい。このような薬理学的に許容されない塩の形態もまた、例えば本発明の化合物の精製または分離において有用であり得るものであり、本発明の一部を形成する。
アミン官能基を含有する式(I)の化合物はまた、N‐オキシドも形成し得る。アミン官能基を含有する式(I)の化合物への本明細書における言及は、N‐オキシドも含む。
化合物が複数のアミン官能基を含有している場合、1もしくは2つ以上の窒素原子が酸化されて、N‐オキシドを形成し得る。N‐オキシドの特定の例は、三級アミンまたは窒素含有ヘテロ環の窒素原子のN‐オキシドである。
N‐オキシドは、過酸化水素または過酸(例:過カルボン酸)などの酸化剤で対応するアミンを処理することによって形成することができ、例えば、Advanced Organic Chemistry, by Jerry March, 4th Edition, Wiley Interscience, pages、を参照されたい。より詳細には、N‐オキシドは、L.W. Deady(Syn. Comm. (1977), 7, 509-514)の手順によって作製することができ、ここで、アミン化合物を、例えばジクロロメタンなどの不活性溶媒中にて、m‐クロロ過安息香酸(MCPBA)と反応させる。
本発明の化合物は、例えば水(すなわち、水和物)または一般的な有機溶媒と共に、溶媒和物を形成してよい。本明細書で用いる「溶媒和物」という用語は、1もしくは2つ以上の溶媒分子と本発明の化合物との物理的な会合を意味する。この物理的な会合には、水素結合を含む、様々な程度のイオンまたは共有結合が関与する。特定の場合では、溶媒和物は、例えば1もしくは2つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子中に取り込まれている場合に、単離することができる。「溶媒和物」という用語は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含することを意図している。適切な溶媒和物の限定されない例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミンなどと組合せた本発明の化合物が挙げられる。本発明の化合物は、溶解した状態で、その生物学的効果を発揮し得る。
溶媒和物は、製薬化学において公知である。それらは、物質作製のためのプロセス(例:それらの精製に関連して、物質の保存(例:その安定性)、および物質の取り扱い易さにとって重要であり、また、多くの場合、化学合成の単離または精製段階の一部として形成される。当業者であれば、標準的で長い間用いられてきた技術により、水和物またはその他の溶媒和物が、所定の化合物を作製するために用いられる単離条件または精製条件によって形成したかどうかを判断することができる。そのような技術の例としては、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線結晶解析(例:単結晶X線結晶解析または粉末X線回折)、および固体NMR(SS‐NMR、マジック角回転NMRまたはMAS‐NMRとしても知られる)が挙げられる。そのような技術は、NMR、IR、HPLC、およびMSと同様に、当業者である化学者の標準的な分析ツールキットの一部である。
別の選択肢として、当業者は、特定の溶媒和物に必要とされる量の溶媒を含む結晶化条件を用いる結晶化を用いて、溶媒和物を意図的に形成することができる。その後、上述の標準的な方法を用いて、溶媒和物が形成されたかどうかを判断することができる。
さらに、本発明の化合物は、1もしくは2つ以上の多形、アモルファス、または結晶の形態であってよく、それらは本発明の範囲に含まれることを意図している。
式(I)の化合物は、多くの異なる幾何異性体および互変異性体の形態で存在し得るものであり、式(I)の化合物への言及には、このような形態のすべてが含まれる。不明確さを回避するため、化合物が複数の幾何異性体または互変異性体の形態うちの1つで存在し得るものであり、1つのみが具体的に記載または示されている場合であっても、その他のすべてが式(I)に包含される。
互変異性体の形態のその他の例としては、例えば以下の互変異性体ペア:ケト/エノール(以下に示す)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/エンジアミン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、およびニトロ/aci‐ニトロの場合のように、例えば、ケト‐、エノール‐、およびエノレート‐の形態が挙げられる。
Figure 0005718897
式(I)の化合物が、1もしくは2つ以上のキラル中心を含有し、2もしくは3つ以上の光学異性体の形態で存在し得る場合、式(I)の化合物への言及には、文脈からそれ以外が必要とされない限りにおいて、個々の光学異性体または混合物(例:ラセミ混合物)または2もしくは3つ以上の光学異性体として、そのすべての異性体の形態(例:エナンチオマー、エピマー、およびジアステレオ異性体)が含まれる。
光学異性体は、それらの光学活性(すなわち、+および−異性体、またはdおよびl異性体として)によって特徴付け、識別するか、またはCahn,Ingold and Prelogによって開発された「RおよびS」命名法を用いることによりそれらの絶対立体化学に関して特徴付けてもよく、Advanced Organic Chemistry by Jerry March, 4th Edition, John Wiley & Sons, New York, 1992, pages 109-114を参照されたく、およびCahn, Ingold & Prelog (1966) Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 5, 385-415も参照されたい。
光学異性体はキラルクロマトグラフィ(キラル担体上でのクロマトグラフィ)を含む数多くの技術によって分離することができ、そのような技術は、当業者に公知である。
キラルクロマトグラフィに対する別の選択肢として、光学異性体の分離は、(+)‐酒石酸、(−)‐ピログルタミン酸、(−)‐ジ‐トルオイル‐L‐酒石酸、(+)‐マンデル酸、(−)‐リンゴ酸、および(−)‐カンファースルホン酸などのキラル酸と共にジアステレオ異性体塩を形成し、選択的結晶化(preferential crystallisation)によりジアステレオ異性体を分離し、次に塩を解離させて遊離塩基の個々のエナンチオマーを得ることによって行うことができる。
式(I)の化合物が、2もしくは3つ以上の光学異性体の形態で存在する場合、エナンチオマーのペアのうちの一方のエナンチオマーは、例えば生物活性に関して、他方のエナンチオマーよりも有利であることを示す場合がある。従って、特定の状況では、エナンチオマーのペアの一方のみを、または複数のジアステレオ異性体のうちの1つのみを治療薬として用いることが望ましい場合がある。従って、本発明は、1もしくは2つ以上のキラル中心を有する式(I)の化合物を含有する組成物を提供し、ここで、式(I)の化合物の少なくとも55%(例:少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)は、単一の光学異性体(例:エナンチオマーまたはジアステレオ異性体)として存在する。1つの一般的実施態様では、式(I)の化合物の総量の99%もしくはそれ以上(例:実質的に全量)が、単一の光学異性体(例:エナンチオマーまたはジアステレオ異性体)として存在し得る。
式(I)の化合物が1もしくは2つ以上の二重結合を含有し、2つの幾何異性体の形態で存在し得る場合、式(I)の化合物への言及には、文脈からそれ以外が必要とされない限りにおいて、個々の異性体または2つの異性体の混合物として、その両方の立体異性体の形態(すなわち、シス‐トランス異性、または(E)および(Z)異性)が含まれる。
「幾何異性体」という用語は、炭素‐炭素二重結合、炭素‐窒素二重結合、シクロアルキル環、または架橋二環式系に対する置換基原子の配置が異なる異性体を意味する。炭素‐炭素または炭素‐窒素二重結合の各々の側にある置換基原子(水素以外)は、EまたはZ配置であり得る。分子の配置がEと称されるかZと称されるかは、カーン‐インゴルド‐プレローグ順位則で決定される(原子番号の大きい方が高い順位を与えられる)。二重結合中の2つの原子の各々について、2つの置換基のどちらの順位が高いかを決定する必要がある。「E」配置の場合、順位の高い置換基の両方が、炭素‐窒素二重結合に対して逆側に存在する。「Z」配置の場合、順位の高い置換基の両方が、炭素‐窒素二重結合に対して同じ側に存在する。
本発明の特定の化合物について炭素および窒素原子間の交差する二重結合で示されるのは、炭素‐窒素二重結合に対するO−R置換基原子の配置が、EともZとも称されないことを表すことを意図している。従って、交差二重結合を含む構造は、化合物が異性体の混合物として作製されたことを示す。化合物が、特定の異性体として図示または表記される場合、もう一方の異性体および異性体の混合物もまた、本出願の範囲内である。
異性体の記号(「R」、「S」、「E」、および「Z」)は、原子配置を示すものであり、文献で定められる通りに用いられることを意図している。
芳香族アルドキシムを除くアルドキシムは、通常、E異性体としてのみ存在し、一方ケトキシムは、ほぼ完全に分離して、EおよびZ異性体として得ることができる。合成プロセスからは、幾何異性体の混合物が得られ得るものであり、次に、クロマトグラフィを含む数多くの技術によってキラルに安定である異性体を分離することができ、このような技術は当業者に公知である。オキシムのいくつかはキラルに安定ではなく、従って、分離することができない。別の選択肢として、種々の合成プロセスを用いて、EまたはZ幾何異性体が生成したかどうかに影響を与えることができる。
本発明の化合物がEおよびZ異性体として存在する場合、本発明は、個々の異性体、ならびにそれらの混合物を含む。式(I)の化合物が2もしくは3つ以上の立体異性体の形態として存在する場合、ペアの一方の立体異性体が、例えば生物活性に関して、他方よりも有利であることを示す場合がある。従って、特定の状況では、立体異性体のペアの一方のみを治療薬として用いることが望ましい場合がある。従って、本発明は、1もしくは2つ以上の二重結合を有する式(I)の化合物を含有する組成物を提供し、ここで、式(I)の化合物の少なくとも55%(例:少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)は、単一の異性体(例:(E)または(Z)異性体)として存在する。1つの一般的実施態様では、式(I)の化合物の総量の99%もしくはそれ以上(例:実質的に全量)が、単一の立体異性体として存在し得る。本発明の化合物は、1もしくは2つ以上の同位体置換基を有する化合物を含み、特定の元素への言及には、その範囲内にその元素のすべての同位体が含まれる。例えば、水素への言及には、その範囲内に、H、H(D)、およびH(T)が含まれる。同様に、炭素および酸素への言及には、それらの範囲内に、それぞれ、12C、13C、および14C、ならびに16Oおよび18Oが含まれる。
同位体は、放射性であっても非放射性であってもよい。本発明の一つの実施態様では、化合物は、放射性同位体を含有しない。そのような化合物は、治療用途に好ましい。しかし、別の実施態様では、化合物は、1もしくは2つ以上の放射性同位体を含有していてよい。そのような放射性同位体を含有する化合物は、診断的な意味合いにおいて有用であり得る。
カルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のカルボン酸エステルおよびアシルオキシエステルなどのエステルもまた、式(I)によって包含される。本発明の一つの実施態様では、式(I)は、その範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のエステルを含む。本発明の別の実施態様では、式(I)は、その範囲内にカルボン酸基またはヒドロキシル基を有する式(I)の化合物のエステルを含まない。エステルの例は、基−C(=O)ORを含有する化合物であり、ここで、Rは、エステル置換基であり、例えばC1‐7アルキル基、C3‐20ヘテロシクリル基、またはC5‐20アリール基、好ましくはC1‐7アルキル基である。エステル基の特定の例としては、これらに限定されないが、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−C(=O)OC(CH、および−C(=O)OPhが挙げられる。アシルオキシ(逆エステル)基の例は、−OC(=O)Rで表され、ここで、Rは、アシルオキシ置換基であり、例えばC1‐7アルキル基、C3‐20ヘテロシクリル基、またはC5‐20アリール基、好ましくはC1‐7アルキル基である。アシルオキシ基の特定の例としては、これらに限定されないが、−OC(=O)CH(アセトキシ)、−OC(=O)CHCH、−OC(=O)C(CH、−OC(=O)Ph、および−OC(=O)CHPhが挙げられる。
化合物の任意の多形の形態、溶媒和物(例:水和物)、化合物の複合体(例:シクロデキストリンなどの化合物との包接複合体もしくはクラスレート、または金属との錯体)、および化合物のプロドラッグもまた、式(I)に包含される。「プロドラッグ」とは、例えば、式(I)の生物活性化合物へインビボにて変換されるいずれの化合物をも意味する。
例えば、いくつかのプロドラッグは、活性化合物のエステルである(例:生理学的に許容される代謝が容易なエステル)。代謝の過程で、エステル基(−C(=O)OR)は開裂され、活性薬物を生じる。このようなエステルは、例えば、親化合物中のいずれのカルボン酸基(−C(=O)OH)のエステル化によって形成されてもよく、必要に応じて、親化合物に存在する他のいずれの反応性基をも予め保護すること、および所望される場合はこれに続く脱保護を伴う。
このような代謝が容易なエステルの例としては、式−C(=O)ORのものが挙げられ、ここでRは:
1‐7アルキル(例:−Me、−Et、−nPr、−iPr、−nBu、−sBu、−iBu、−tBu);
1‐7アミノアルキル(例:アミノエチル;2‐(N,N‐ジエチルアミノ)エチル;2‐(4‐モルホリノ)エチル);ならびに、
アシルオキシ−C1‐7アルキル(例:アシルオキシメチル;アシルオキシエチル;ピバロイルオキシメチル;アセトキシメチル;1‐アセトキシエチル;1‐(1‐メトキシ‐1‐メチル)エチル‐カルボニルオキシエチル;1‐(ベンゾイルオキシ)エチル;イソプロポキシ‐カルボニルオキシメチル;1‐イソプロポキシ‐カルボニルオキシエチル;シクロヘキシル‐カルボニルオキシメチル;1‐シクロヘキシル‐カルボニルオキシエチル;シクロヘキシルオキシ‐カルボニルオキシメチル;1‐シクロヘキシルオキシ‐カルボニルオキシエチル;(4‐テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル;1‐(4‐テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル;(4‐テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチル;および1‐(4‐テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)、である。
また、いくつかのプロドラッグは、酵素によって活性化されて、活性化合物、またはさらなる化学反応によって活性化合物を生じる化合物を生じる(例えば、抗原指向性酵素プロドラッグ療法(antigen-directed enzyme pro-drug therapy)(ADEPT)、遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法(gene-directed enzyme pro-drug therapy)(GDEPT)、およびリガンド指向性酵素プロドラッグ療法(ligand-directed enzyme pro-drug therapy)(LIDEPT)などにおける場合)。例えば、プロドラッグは、糖誘導体もしくはその他のグリコシド抱合体であってよく、またはアミノ酸エステル誘導体であってもよい。
「誘導体」への言及には、そのイオンの形態、塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、N‐オキシド、エステル、プロドラッグ、同位体、および保護された形態への言及が含まれることは理解されるであろう。
本発明の1つの態様によると、本明細書で定める化合物、またはその塩、互変異性体、N‐オキシド、もしくは溶媒和物が提供される。
本発明のさらなる態様によると、本明細書で定める化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
本明細書で定める式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)の化合物、ならびにそのサブグループへの言及には、それらの範囲内に、化合物の塩、または溶媒和物、または互変異性体、またはN‐オキシドが含まれる。
タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)
本明細書で述べる本発明の化合物は、特定のチロシンキナーゼの活性を阻害または調節するものであり、従って、この化合物は、これらのチロシンキナーゼ、特にFGFRによって媒介される疾患状態もしくは病状の治療または予防に有用である。
FGFR
タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)受容体の線維芽細胞成長因子(FGF)ファミリーは、有糸分裂誘発、創傷治癒、細胞分化、および血管新生を含む様々な数多くの生理学的機能、ならびに発育を調節する。正常および悪性の両方の細胞成長ならびに増殖は、オートクリンならびにパラクリン因子として作用する細胞外シグナル伝達分子、FGFの局所濃度の変化によって影響を受ける。オートクリンFGFシグナル伝達は、ステロイドホルモン依存性癌のホルモン非依存性状態への進行において特に重要であり得る(Powers, et al. (2000) Endocr. Relat. Cancer, 7, 165-197)。
FGFおよびそれらの受容体は、複数の組織および細胞株にて高いレベルで発現され、過剰発現は、悪性の表現型に寄与すると考えられる。さらに、数多くの癌遺伝子は、成長因子受容体をコードする遺伝子のホモログであり、ヒト膵臓癌におけるFGF依存性シグナル伝達を異常活性化する可能性がある(Ozawa, et al. (2001), Teratog. Carcinog. Mutagen., 21, 27-44)。
2つの原型メンバー(prototypic members)は、酸性線維芽細胞成長因子(aFGFまたはFGF1)および塩基性線維芽細胞成長因子(bFGFまたはFGF2)であり、現在までのところ、少なくとも20の異なるFGFファミリーメンバーが識別されている。FGFに対する細胞の反応は、1〜4(FGFR1〜FGFR4)と番号付けされた4つの種類の高親和性膜貫通タンパク質チロシンキナーゼ線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)を介して伝達される。リガンドが結合すると、この受容体は、二量体化し、特定の細胞質チロシン残基を自己リン酸化またはトランスリン酸化して、最終的に核転写因子エフェクターを制御する細胞内シグナルを伝達する。
FGFR1経路の破壊は、腫瘍細胞の増殖に影響を与えるはずであり、それは、このキナーゼが、内皮細胞を増殖させることに加えて多くの種類の腫瘍において活性化されるからである。腫瘍関連脈管構造においてFGFR1が過剰発現され、および活性化されることは、腫瘍血管新生におけるこれらの分子の役割を示唆している。
線維芽細胞成長因子受容体2は、酸性および/または塩基性線維芽細胞成長因子、ならびにケラチノサイト成長因子リガンドに対して高い親和性を有している。線維芽細胞成長因子受容体2はまた、骨芽細胞の成長および分化の過程で、FGFの強力な骨形成効果も伝達する。複雑な機能変化をもたらす線維芽細胞成長因子受容体2の変異は、頭蓋縫合の異常な骨化(頭蓋骨癒合症)を誘発することが示され、これは、膜内骨形成におけるFGFRシグナル伝達の主たる役割を示唆している。例えば、早期頭蓋縫合骨化を特徴とするアぺール(AP)症候群において、ほとんどのケースは、線維芽細胞成長因受容体2において機能獲得を生じる点変異を伴っている(Lemonnier, et al. (2001), J. Bone Miner. Res., 16, 832-845)。加えて、症候性頭蓋骨癒合症の患者における変異スクリーニングから、数多くの反復FGFR2変異が、パイフェル症候群の重症の形態の原因であることが示されている(Lajeunie et al, European Journal of Human Genetics (2006) 14, 289-298)。FGFR2の特定の変異としては、FGFR2におけるW290C、D321A、Y340C、C342R、C342S、C342W、N549H、K641Rが挙げられる。
アぺール、クルーゾン、ジャクソン‐ワイス(Jackson-Weiss)、ベーレ‐スティーブンソン脳回転状皮膚(Beare-Stevenson cutis gyrate)、およびパイフェル症候群を含むヒト骨格発育における重症であるいくつかの異常は、線維芽細胞成長因子受容体2における変異の発生と関連している。すべてではないにしてもパイフェル症候群(PS)のほとんどのケースは、線維芽細胞成長因子受容体2遺伝子のデノボ変異でも引き起こされ(Meyers, et al. (1996) Am. J. Hum. Genet., 58, 491-498;Plomp, et al. (1998) Am. J. Med. Genet., 75, 245-251)、最近、線維芽細胞成長因子受容体2における変異が、リガンド特異性を決定する基本的な規則の1つからはずれることが示された。すなわち、線維芽細胞成長因子受容体の2つのスプライス変異体、FGFR2cおよびFGFR2bは、非定型なFGFリガンドと結合し、およびこれによって活性化されるという能力を獲得した。このリガンド特異性の喪失が、異常なシグナル伝達を引き起こし、これら疾患症候群の重症の表現型が、線維芽細胞成長因子受容体2の異所的なリガンド依存性活性化に起因することを示唆している(Yu, et al. (2000), Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 97, 14536-14541)。
染色体転座または点変異などのFGFR3受容体チロシンキナーゼの遺伝子異常は、異所発現されるか、または調節解除される、構成的に活性なFGFR3受容体をもたらす。このような異常は、多発性骨髄腫の部分群、ならびに膀胱癌、肝細胞癌、口腔扁平上皮癌、および子宮頸癌に関連している(Powers, C.J. (2000), et al., Endocr. Rel. Cancer, 7, 165;Qiu, W. et. al. (2005), World Journal Gastroenterol, 11(34))。従って、FGFR3阻害薬は、多発性骨髄腫、膀胱および子宮頸癌の治療に有用であろう。FGFR3はまた、膀胱癌、特に浸潤性膀胱癌でも過剰発現される。FGFR3は、多くの場合、尿路上皮癌(UC)での変異によって活性化される(Journal of Pathology (2007), 213(1), 91-98)。発現の増加は、変異と関連していたが(変異腫瘍の85%が高レベルの発現を示した)、検出可能な変異のない腫瘍の42%も過剰発現を示し、多くの筋肉浸潤性腫瘍が含まれていた。
このように、FGFRを阻害する化合物は、特に血管新生を阻害することによる、腫瘍の成長の阻止、または腫瘍中でのアポトーシスの誘発のための手段を提供する上で有用である。従って、この化合物は、癌などの増殖性障害を治療または予防する上で有用であることが示されるであろうと期待される。特に、受容体チロシンキナーゼの活性化変異体または受容体チロシンキナーゼの上方制御を伴う腫瘍は、この阻害薬に対して特に感受性を有し得る。本明細書で考察する具体的なRTKのいずれかのアイソフォームの活性化変異体を有する患者にとっても、RTK阻害薬による治療は特に有益なものとなり得る。
FGFR4の過剰発現は、前立腺癌および甲状腺癌の両方における予後不良と関連付けられている(Ezzat, S., et al. (2002) The Journal of Clinical Investigation, 109, 1;Wang et al. (2004) Clinical Cancer Research, 10)。加えて、生殖系列多形(Gly388Arg)は、肺癌、乳癌、結腸癌、および前立腺癌の発生率増加と関連している(Wang et al. (2004) Clinical Cancer Research, 10)。さらに、FGFR4の切断型(キナーゼドメインを含む)が、下垂体腫瘍の40%に存在するが、正常組織には存在しないことも見出された。FGFR4の過剰発現は、肝臓、結腸、および肺の腫瘍で観察された(Desnoyers et al. (2008) Oncogene, 27;Ho et al. (2009) Journal of Hepatology, 50)。これらの研究では、FGFR4キナーゼ活性またはそのリガンドFGF19を抗体アンタゴニストで標的化することにより、細胞株モデルにおいて、増殖が阻害され、アポトーシスが誘発されたことが報告された。Ho et al.は、FGFR4遺伝子において共通の多形性を持つ患者の3分の1が、高レベルのmRNAを発現することを示し、これらの腫瘍は、肝細胞癌マーカーであるアルファ‐フェトプロテインの高レベルの分泌と関連付けられた。
最近の研究から、古典的小葉癌(Classic Lobular Carcinomas)(CLC)におけるFGFR1発現と腫瘍原性との間の関連性が示されている。CLCは、全乳癌の10〜15%を占め、一般的には、p53およびHer2の発現が欠損しているが、エストロゲン受容体の発現は保持している。8p12‐p11.2の遺伝子増幅がCLCのケースの約50%で実証され、これは、FGFR1の発現の増加と関連していることが示された。FGFR1に対して指向されたsiRNAまたは受容体の小分子阻害薬による予備研究から、この増幅を有している細胞株がこのシグナル伝達経路の阻害に特に感受性を持つことが示された(Reis-Filho et al. (2006) Clin Cancer Res. 12(22): 6652-6662。
最も一般的である小児軟部組織肉腫である横紋筋肉腫(RMS)は、骨格筋形成の過程での異常な増殖および分化に起因している可能性が高い。FGFR1は、原発性横紋筋肉腫の腫瘍で過剰発現され、5’CpG島の低メチル化、ならびにAKT1、NOG、およびBMP4遺伝子の異常発現に関連している(Genes, Chromosomes & Cancer (2007), 46(11), 1028-1038)。
線維症の病状は、線維組織の異常または過剰な沈着に起因する大きな医学的問題である。これは、肝硬変、糸球体腎炎、肺線維症、全身性線維症、関節リウマチを含む多くの疾患、ならびに創傷治癒の自然プロセスにおいて発生する。病的線維症のメカニズムは完全には理解されていないが、線維芽細胞の増殖および細胞外基質タンパク質(コラーゲンおよびフィブロネクチンを含む)の沈着に関与する様々なサイトカインの作用に起因していると考えられる(腫瘍壊死因子(TNF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、および形質転換成長因子ベータ(TGFβ)を含む。これは組織構造および機能の変化、ならびにそれに続く病変をもたらす。
数多くの前臨床研究では、肺線維症の前臨床モデルにおいて線維芽細胞成長因子の上方制御が示された(Inoue, et al. (1997 & 2002);Barrios, et al. (1997))。TGFβ1およびPDGFは、線維形成プロセスに関与していることが報告され(Atamas & White, 2003によるレビュー)、さらに公開された研究からは、FGFの上昇、およびその結果としての線維芽細胞増殖の増加が、上昇したTGFβ1に対する反応であり得ることが示唆されている(Khalil, et al., 2005)。線維症の病状においてこの経路が治療上の妥当性を持つ可能性が、特発性肺線維症(IPF)において報告されたピルフェニドンの臨床効果(Arata, et al., 2005)によって示唆されている。
特発性肺線維症(原因不明の線維化性胞隔炎とも称される)は、肺の瘢痕を伴う進行性の病状である。肺の気嚢が徐々に線維組織によって置き換えられ、それが厚みを増し、酸素を血流へ運搬する組織の能力の不可逆的な喪失が引き起こされる。この病状の症状としては、息切れ、慢性乾性咳、疲労、胸痛、および急な体重減少をもたらす食欲不振が挙げられる。この病状は極めて重度であり、5年後死亡率がおよそ50%である。
血管内皮細胞成長因子(VEGFR)
慢性増殖性疾患は、多くの場合重大な血管新生を伴い、これは炎症および/もしくは増殖状態に寄与するかまたはこれを維持し得るものであり、または血管の浸潤性増殖を介しての組織破壊を引き起こすものである(Folkman (1997), 79, 1-81;Folkman (1995), Nature Medicine, 1, 27-31;Folkman and Shing (1992) J. Biol. Chem., 267, 10931)。
血管新生は、一般的には、新血管または交換血管の発生、または新生血管形成を説明するために用いられる。それは、それによって血管構造が胚で確立される、必要かつ生理的な正常プロセスである。血管新生は、一般的に、ほとんどの正常成人組織では発生せず、ただし例外は、排卵、月経、および創傷治癒の部位である。しかし、多くの疾患は、持続的で制御されない血管新生を特徴とする。例えば、関節炎では、新しい毛細血管が関節に侵入し、軟骨を破壊する(Colville-Nash and Scott (1992), Ann. Rhum. Dis., 51, 919)。糖尿病(および多くの種々の眼疾患)では、新血管は、斑または網膜またはその他の眼構造に侵入し、盲目を引き起こす場合がある(Brooks, et al. (1994) Cell, 79, 1157)。アテローム性動脈硬化症のプロセスが、血管新生と関連付けられている(Kahlon, et al. (1992) Can. J. Cardiol., 8, 60)。腫瘍の成長および転移が、血管新生に依存することが見出されている(Folkman (1992), Cancer Biol., 3, 65;Denekamp, (1993) Br. J. Rad., 66, 181;Fidler and Ellis (1994), Cell, 79,185)。
主要な疾患に血管新生が関与していることの認識は、血管新生の阻害薬を識別および開発するための研究と共に行われてきた。これらの阻害薬は、血管新生シグナルによる内皮細胞の活性化;分解性酵素の合成および放出;内皮細胞遊走;内皮細胞の増殖;および毛細血管の形成、などの血管新生カスケードにおける個々の標的に応じて一般的には分類される。従って、血管新生は多くの段階で発生し、これらの様々な段階で血管新生を阻止するように作用する化合物を発見、開発する試みが進行中である。
多様なメカニズムで作用する血管新生の阻害薬が、癌および転移(O'Reilly, et al. (1994) Cell, 79, 315;Ingber, et al. (1990) Nature, 348, 555)、眼疾患(Friedlander, et al. (1995) Science, 270,1500)、関節炎(Peacock, et al. (1992), J. Exp. Med., 175, 1135;Peacock et al. (1995), Cell. Immun., 160,178)、および血管腫(Taraboletti, et al. (1995) J. Natl. Cancer Inst, 87, 293)などの疾患に有益であることを教示する刊行物が存在する。
受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞の細胞膜を通る生化学シグナルの伝達において重要である。これらの膜貫通分子は、特徴的に、細胞膜のセグメントを介して細胞内チロシンキナーゼドメインと結合した、細胞外リガンド結合ドメインから成る。受容体へのリガンドの結合は、受容体関連チロシンキナーゼ活性を刺激する結果となり、これは、受容体およびその他の細胞内タンパク質の両方のチロシン残基のリン酸化を引き起こして、様々な細胞反応へと繋がる。現在までのところ、アミノ酸配列相同性で定められる、少なくとも19個の異なるRTKサブファミリーが識別されている。
血管内皮細胞成長因子(VEGF)、ポリペプチドは、インビトロにて内皮細胞に対する分裂促進因子であり、インビボにて血管新生反応を刺激する。VEGFは、不適切な血管新生とも関連付けられている(Pinedo, H.M., et al. (2000), The Oncologist, 5(90001), 1-2)。VEGFRは、タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)である。PTKは、細胞機能に関与するタンパク質内の特定のチロシン残基のリン酸化を触媒し、それによって細胞の成長、生存、および分化を制御する(Wilks, A.F. (1990), Progress in Growth Factor Research, 2, 97-111;Courtneidge, S.A. (1993) Dev. Supp.I, 57-64;Cooper, J.A. (1994), Semin. Cell Biol., 5(6), 377-387;Paulson, R.F. (1995), Semin. Immunol., 7(4), 267-277;Chan, A.C. (1996), Curr. Opin. Immunol., 8(3), 394-401)。
VEGFに対する3つのPTK受容体が識別されている:VEGFR‐1(Flt‐1)、VEGFR‐2(Flk‐1またはKDR)、およびVEGFR‐3(Flt‐4)。これらの受容体は、血管新生に関与し、シグナル伝達に関わっている(Mustonen, T. (1995), et al., J. Cell Biol., 129, 895-898)。
特に興味深いのはVEGFR‐2であり、これは、主として内皮細胞で発現される膜貫通受容体PTKである。VEGFによるVEGFR‐2の活性化は、腫瘍血管新生を開始するシグナル伝達経路において極めて重要な段階である。VEGF発現は、腫瘍細胞に対して構成的であり得るものであり、特定の刺激に反応して上方制御される場合もある。このような刺激の1つは低酸素であり、この場合、VEGF発現は、腫瘍および関連する宿主組織の両方で上方制御される。VEGFリガンドは、VEGFR‐2の活性化を、その細胞外VEGF結合部位との結合によって行う。これは、VEGFRの受容体二量体化、およびVEGFR‐2の細胞内キナーゼドメインにおけるチロシン残基の自己リン酸化を引き起こす。キナーゼドメインは、ATPからチロシン残基へリン酸を転移する働きをし、このようにしてVEGFR‐2の下流でシグナル伝達タンパク質のための結合部位を提供し、最終的には血管新生を開始させる(McMahon, G. (2000), The Oncologist, 5(90001), 3-10)。
VEGFR‐2のキナーゼドメイン結合部位における阻害は、チロシン残基のリン酸化を阻止し、血管新生の開始を妨害するように作用する。
血管新生は、血管新生因子と称される様々なサイトカインによって媒介される新血管形成の生理学的プロセスである。固形腫瘍におけるその考え得る病態生理学的役割は30年以上にわたり広く研究されてきたが、より最近になって、慢性リンパ性白血病(CLL)およびその他の悪性血液障害における血管新生の増大が認識されてきた。血管新生レベルの上昇は、CLL患者の骨髄およびリンパ節の両方において、様々な実験的方法により記録されている。この疾患の病態生理学における血管新生の役割は完全には解明されていないが、実験データから、いくつかの血管新生因子が疾患の進行において役割を担っていることが示唆されている。血管新生の生物学的マーカーは、CLLの予後と関連することも示された。このことは、VEGFR阻害薬が、CLLなどの白血病の患者にも有益であり得ることを示している。
腫瘍塊が限界サイズを超えるには、それに付随する脈管構造を発達させる必要がある。腫瘍脈管構造を標的とすることは、腫瘍の拡張を制限し、有用な癌治療となり得ることが提案されている。腫瘍成長の観察から、小腫瘍塊が、腫瘍特異的脈管構造がまったくない状態で組織において存続し得ることが示されている。血管新生されない腫瘍の成長停止は、腫瘍の中央部における低酸素の効果に起因するとされている。より最近になって、様々な血管新生促進および血管新生抑制因子が識別され、それらにから、腫瘍塊における血管新生の刺激とインヒビターの正常比の乱れが自律性の血管新生を可能とするプロセス、「血管新生スイッチ(angiogenic switch)」の概念が導かれた。血管新生スイッチは、悪性の変換を進行させるものと同じ遺伝子変化:癌遺伝子の活性化、および腫瘍抑制遺伝子の喪失により支配されていると思われる。いくつかの成長因子が、血管新生のポジティブ制御因子として作用する。これらの中で最も重要なものは、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、およびアンジオゲニンである。トロンボスポンジン(Tsp‐1)、アンジオスタチン、およびエンドスタチンなどのタンパク質は、血管新生のネガティブ制御因子として機能する。
VEGFR1ではなくVEGFR2の阻害は、マウスモデルにおいて、血管新生スイッチ、持続的血管新生、および初期腫瘍成長を強く妨害する。後期の腫瘍では、治療の過程で初期の成長抑制期間後に腫瘍が再成長し、VEGFR2の遮断に対する表現型の抵抗性が現れた。VEGF遮断に対するこの抵抗性は、VEGFとは独立し、FGFファミリーのメンバーを含むその他の血管新生促進因子の低酸素が媒介する誘発と関連する腫瘍血管新生の再活性化を含む。このようなその他の血管新生促進シグナルは、VEGF阻害の状態でFGF遮断が進行を低下させるため、機能的には、回避期における腫瘍の再血管新生および再成長に関係付けられる。VEGFR1ではなくVEGFR2の阻害は、血管形成スイッチ、持続的血管新生、および初期腫瘍成長を強く妨害した。後期の腫瘍では、治療の過程で初期の成長抑制期間後に腫瘍が再成長し、VEGFR2の遮断に対する表現型の抵抗性が現れた。VEGF遮断に対するこの抵抗は、VEGFとは独立に、FGFファミリーのメンバーを含むその他の血管新生促進因子の低酸素が媒介する誘発と関連する腫瘍血管新生の再活性化を含む。このようなその他の血管新生促進シグナルは、VEGF阻害の状態でFGF遮断が進行を低下させるため、機能的には、回避期における腫瘍の再血管新生および再成長に関係付けられる。
FGF‐トラップアデノウイルスは、FGF1、FGF3、FGF7、およびFGF10を含むFGFファミリーの様々なリガンドと結合してそれらを遮断し、それによってインビトロおよびインビボにおいて血管新生が効果的に阻害されるものであるとこれまでに報告されている。実際に、マウスモデルの再成長期にFGF‐トラップ治療を加えると、抗VEGFR2単独と比較して腫瘍成長が大きく低減された。この腫瘍量の減少は、腫瘍内血管密度の減少として観察される血管新生の減少を伴っていた。
Batchelor et al. (Batchelor et al., 2007, Cancer Cell, 11(1), 83-95)は、フェーズ2の研究において、pan‐VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬、AZD2171で治療した患者において、神経膠芽腫血管の正常化に関する証拠を提供している。AZD2171を用いる理論的根拠は、一部、インビボ乳癌モデルでの灌流および血管密度の減少を示す結果に基づいていた(Miller et al., 2006, Clin. Cancer Res. 12, 281-288)。さらに、同所性グリオーマモデルを用いて、放射線との相乗効果が得られるように抗VEGFR2抗体を送達するための最適な期間が過去に識別されていた。正常化の期間内において、酸素供給の改善、周皮細胞被覆度の増加、およびアンジオポエチン‐1の上方制御が発生し、腫瘍内で間質圧および透過性の低下が引き起こされた(Winkler et al., 2004, Cancer Cell 6, 553-563)。正常化の期間は、MRI勾配エコー、スピンエコー、およびコントラスト強調を用いる磁気共鳴画像法(MRI)を用いて、血液量、相対的血管サイズ、および血管透過性を測定することで定量することができる。
著者らは、AZD2171による治療中の進行がCEC、SDF1、およびFGF2の増加を伴い、一方薬物中断後の進行が循環前駆細胞(CPC)および血漿中FGF2レベルの増加と相関することを示した。MRI測定と相関したSDF1およびFGF2の血漿中レベルの増加は、相対的な血管の密度およびサイズの増加を示した。従って、循環バイオマーカーと組み合わせた血管正常化のMRI測定は、血管新生抑制薬に対する反応を評価するための有効な手段を提供する。
PDGFR
悪性腫瘍は、制御されない細胞増殖の産物である。細胞成長は、成長促進因子と成長阻害因子との間の微妙なバランスによって制御されている。正常組織において、これら因子の産生および活性は、臓器の正常な完全性および機能性を維持する制御、調節された方法で成長する分化細胞をもたらす。悪性細胞はこの制御を回避したものであり、自然バランスが(様々なメカニズムを介して)撹乱され、非制御状態となり、異常な細胞成長が発生する。腫瘍発生において重要である成長因子は、細胞表面チロシンキナーゼ受容体(PDGFR)を介してシグナルを送り、成長、増殖、および分化を含む様々な細胞機能を刺激するペプチド成長因子のファミリーを成す血小板由来成長因子(PDGF)である。PDGFの発現は、神経膠芽腫および前立腺癌を含む数多くの種々の固形腫瘍において示されている。化学名4‐[(4‐メチル‐1‐ピペラジニル)メチル]‐N‐[4‐メチル‐3‐[[4‐(3‐ピリジニル)‐2‐イルピリジニル]アミノ]‐フェニル]ベンズアミドメタンスルホネートを持つチロシンキナーゼ阻害薬イマチニブメシレートは、Bcr‐Abl癌タンパク質および細胞表面チロシンキナーゼ受容体c‐Kitの活性を遮断し、そのために、慢性骨髄性白血病および胃腸間質腫瘍の治療用として承認されている。イマチニブメシレートはまた、PDGFRキナーゼの強力な阻害薬でもあり、慢性骨髄単球性白血病および多形性神経膠芽腫の治療用としての評価が、これらの疾患がPDGFRの変異を活性化するという証拠に基づいて、現在行われている。加えて、化学名4‐(4‐(3‐(4‐クロロ‐3‐(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)‐N2‐メチルピリジン‐2‐カルボキシアミドを持つソラフェニブ(BAY43‐9006)は、細胞増殖を阻害するためのRafシグナル伝達経路、および腫瘍血管新生を阻害するためのVEGFR/PDGFRシグナル伝達カスケードの両方を標的とする。ソラフェニブは、肝臓癌および腎臓癌を含む数多くの癌の治療用として研究されている。
好酸球増加症候群などのPDGFRの活性化に依存する病状が存在する。PDGFRの活性化はまた、慢性骨髄単球性白血病(CMML)を含むその他の悪性腫瘍とも関連している。別の障害、浸潤性皮膚腫瘍である隆起性皮膚線維肉腫では、PDGF‐Bリガンドをコードする遺伝子が関与する相互転座は、キメラリガンドの構成的分泌および受容体活性化をもたらす。PDGFRの公知の阻害薬であるイマチニブは、これら3つの疾患のすべてに対して活性を有する。
選択的阻害薬の利点
差別化された選択性プロファイルを持つFGFRキナーゼ阻害薬の開発は、その疾患がFGFRの調節解除によって進行されるものである患者のサブグループにおいてこれらの標的化薬を用いる新たな機会を提供する。追加のキナーゼ、特にVEGFR2およびPDGFR‐ベータに対して低下した阻害作用を示す化合物は、差別化された副作用または毒性プロファイルを有する機会を提供し、そのため、これら適応症のより効果的な治療が可能となる。VEGFR2およびPDGFR‐ベータの阻害薬は、それぞれ、高血圧または浮腫などの有害性を伴う。VEGFR2阻害薬の場合、この高血圧効果は、多くの場合用量制限的であり、特定の患者集団で禁忌となり得るものであり、臨床管理を要する。
生物活性および治療用途
本発明の化合物およびそのサブグループは、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)阻害もしくは調節活性、および/または血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)阻害もしくは調節活性、および/または血小板由来成長因子受容体(PDGFR)阻害もしくは調節活性を有し、本明細書で述べる疾患状態または病状の予防または治療に有用であろう。加えて、本発明の化合物およびそのサブグループは、キナーゼによって媒介される疾患または病状の予防または治療に有用であろう。癌などの疾患状態または病状の防止、または予防、または治療への言及には、それらの範囲内に、癌の発生率の軽減または低下が含まれる。
本明細書で用いる、キナーゼの活性に適用される「調節(modulation)」という用語は、タンパク質キナーゼの生物活性のレベルにおける変化を定義することを意図している。従って、調節には、関連するタンパク質キナーゼ活性の増加または減少を生じさせる生理学的変化が包含される。後者の場合、調節は、「阻害」と記載される場合がある。調節は、直接的または間接的に生じてよく、いかなるメカニズムにより、いかなる生理学的レベルで媒介されてもよく、例えば、遺伝子発現のレベル(例えば、転写、翻訳、および/または翻訳後修飾を含む)、キナーゼ活性のレベルで直接的または間接的に作用する制御エレメントをコードする遺伝子の発現のレベルを含む。従って、調節は、遺伝子増幅(すなわち、複数の遺伝子コピー)を含むキナーゼの高められた/抑制された発現または過剰もしくは過少発現、および/または、転写効果による増加したもしくは減少した発現、ならびに1もしくは複数の変異による1もしくは複数のタンパク質キナーゼの高(もしくは低)活性および(非)活性化((非)活性化を含む)を意味する場合がある。用語「調節された」、「調節している」、および「調節する」という用語は、状況に応じて解釈されるべきである。
例えば本明細書で述べるキナーゼと合わせて用いられる(および、例えば様々な生理学的プロセス、疾患、状態、病状、療法、治療、または介入に適用される)、本明細書で用いる「媒介される」という用語は、この用語が適用される様々なプロセス、疾患、状態、病状、治療、および介入が、キナーゼが生物学的役割を担うものであるように、限定的に用いられることを意図している。この用語が、疾患、状態、または病状に適用される場合、キナーゼが担う生物学的役割は、直接的であってもまたは間接的であってもよく、その疾患、状態、または病状の症状の出現(またはその病因もしくは進行)に必要および/または十分なものであってよい。従って、キナーゼ活性(特に、異常レベルのキナーゼ活性、例えばキナーゼ過剰発現)は必ずしも疾患、状態、または病状の基本的な原因である必要はなく:むしろ、キナーゼに媒介される疾患、状態、または病状には、問題のキナーゼが部分的に関与するだけである多因子性の病因および複雑な進行を有するものを含むことが意図される。この用語が、治療、予防、または介入に適用される場合、キナーゼが担う役割は、直接的であってもまたは間接的であってもよく、治療、予防の実施、または介入の結果に必要および/または十分なものであってよい。従って、キナーゼに媒介される疾患状態または病状には、いずれかの特定の抗癌薬または治療に対する耐性の発生を含む。
従って、例えば、本発明の化合物は、癌の発生率を軽減または低下させるのに有用であることが想定される。
より詳細には、式(I)の化合物およびそのサブグループは、FGFRの阻害薬である。例えば、本発明の化合物は、FGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4、特にFGFR1、FGFR2、およびFGFR3から選択されるFGFRに対して活性を有する。
好ましい化合物は、FGFR1、FGFR2、およびFGFR3から選択される1もしくは2つ以上のFGFR、さらにはFGFR4を阻害する化合物である。本発明の好ましい化合物は、0.1μM未満のIC50値を有するものである。
本発明の化合物はまた、VEGFRに対しても活性を有する。
本発明の化合物はまた、PDGFRキナーゼに対しても活性を有する。特に、本化合物は、PDGFRの阻害薬であり、例えば、PDGFR Aおよび/またはPDGFR Bを阻害する。
加えて、本発明の化合物の多くは、VEGFR(特にVEGFR2)および/またはPDGFRと比較して、FGFR1、2、および/もしくは3キナーゼ、ならびに/またはFGFR4への選択性を示し、このような化合物は、本発明の1つの好ましい実施態様を表す。特に、本化合物は、VEGFR2に対する選択性を示す。例えば、本発明の多くの化合物は、FGFR1、2、および/もしくは3、ならびに/またはFGFR4に対するIC50値が、VEGFR(特にVEGFR2)および/またはPDGFR Bに対するIC50の10分の1から100分の1である。特に、本発明の好ましい化合物は、VEGFR2と比較して、FGFR、特にFGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4に対する活性または阻害が少なくとも10倍大きい。より好ましくは、本発明の化合物は、VEGFR2と比較して、FGFR、特にFGFR1、FGFR2、FGFR3、および/またはFGFR4に対する活性または阻害が少なくとも100倍大きい。これは本明細書で述べる方法を用いて測定することができる。
FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRキナーゼを調節または阻害するその活性の結果として、本化合物は、特に血管新生を阻害することによって、新生物の成長の予防またはアポトーシス誘発の手段を提供する上で有用であろう。従って、この化合物は、癌などの増殖性障害の治療または予防に有用であることが示されると予見される。加えて、本発明の化合物は、増殖、アポトーシス、または分化の障害がある疾患の治療に有用であり得る。
特に、VEGFRの活性化変異体を有するかまたはVEGFRが上方制御された腫瘍、および血清乳酸デヒドロゲナーゼのレベルが高められた患者は、特に本発明の化合物に感受性を有し得る。本明細書で考察した特定のRTKのアイソフォームのいずれかの活性化変異体を有する患者にとっても、本発明の化合物による治療が特に有益であり得る。例えば、クローン前駆細胞がVEGFRを発現し得る急性白血病細胞におけるVEGFRの過剰発現。さらに、FGFR1、FGFR2、もしくはFGFR3、またはFGFR4などのFGFRのアイソフォームのいずれかの活性化変異体を有するか、またはこれらが上方制御もしくは過剰発現された特定の腫瘍もまた、特に本発明の化合物に感受性を有し得るものであり、従って、このような特定の腫瘍を有する本明細書で考察する患者にとっても、本発明の化合物による治療が特に有益であり得る。治療は、本明細書で考察するものなどの受容体チロシンキナーゼの1つの変異形に関するか、またはそれに指向されることが好ましい場合がある。このような変異を有する腫瘍の診断は、RTPCRおよびFISHなど、当業者に公知の、本明細書で述べる技術を用いて行うことが可能である。
治療(または阻害)することができる癌の例としては、これらに限定されないが、癌腫、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌(例:結腸腺癌および結腸腺腫などの結腸直腸癌)、腎臓癌、表皮癌、肝臓癌、肺癌、例えば腺癌、小細胞肺癌、および非小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、例えば膵外分泌癌、胃癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、前立腺癌、または皮膚癌、例えば扁平上皮癌;リンパ細胞系列の造血器腫瘍、例えば白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、またはバーキットリンパ腫(Burkett's lymphoma);骨髄細胞系列の造血器腫瘍、例えば白血病、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性症候群、骨髄異形成症候群、または前骨髄球性白血病;多発性骨髄腫;甲状腺濾胞癌;間葉系由来の腫瘍、例えば線維肉腫または横紋筋肉腫;中枢または末梢神経系の腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽細胞腫、グリオーマ、またはシュワン腫;メラノーマ;セミノーマ;奇形癌;骨肉腫;色素性乾皮症;角化細胞腫(keratoctanthoma);甲状腺濾胞癌;またはカポジ肉腫が挙げられる。
特定の癌は、特定薬物による治療に耐性を有する。これは、腫瘍の種類に起因する場合もあり、または化合物による治療に起因して生じる場合もある。この点において、多発性骨髄腫への言及には、ボルテゾミブ感受性多発性骨髄腫または難治性多発性骨髄腫が含まれる。同様に、慢性骨髄性白血病への言及には、イミタニブ感受性慢性骨髄性白血病および難治性慢性骨髄性白血病が含まれる。慢性骨髄性白血病は、慢性骨髄球性白血病、慢性顆粒球性白血病、またはCMLとしても知られる。同様に、急性骨髄性白血病は、急性骨髄芽球性白血病、急性顆粒球性白血病、急性非リンパ球性白血病、またはAMLとも称される。
本発明の化合物はまた、骨髄増殖性疾患など、前悪性または安定型であっても、異常細胞増殖の造血疾患の治療にも用いることができる。骨髄増殖性疾患(「MPD」)とは、細胞が過剰に産生される骨髄の疾患群のことである。それらは、骨髄異形成症候群と関連しており、それへ進行する場合がある。骨髄増殖性疾患としては、真性多血症、本態性血小板血症、および原発性骨髄線維症が挙げられる。
従って、異常細胞成長を含む疾患または病状を治療するための本発明の医薬組成物、使用、または方法において、異常細胞成長を含む疾患または病状は、一つの実施態様において、癌である。
さらに、T細胞リンパ球増殖性疾患には、ナチュラルキラー細胞由来の疾患が含まれる。B細胞リンパ腫という用語には、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が含まれる。
加えて、本発明の化合物は、胃腸癌(胃癌としても知られる)、例えば胃腸間質腫瘍に用いることができる。胃腸癌は、食道、胃、肝臓、胆管系、膵臓、腸、および肛門を含む胃腸管の悪性の病状を意味する。
間葉系由来の腫瘍のさらなる例は、ユーイング肉腫である。
従って、異常細胞成長を含む疾患または病状を治療するための本発明の医薬組成物、使用、または方法において、異常細胞成長を含む疾患または病状は、一つの実施態様において、癌である。
癌の特定の部分群には、多発性骨髄腫、膀胱、子宮頸部、前立腺、および甲状腺の癌、肺癌、乳癌、および結腸癌が含まれる。
癌のさらなる部分群には、多発性骨髄腫、膀胱、肝細胞、口腔扁平上皮の癌、および子宮頸癌が含まれる。
FGFR1などのFGFR阻害活性を有する本発明の化合物は、乳癌、特に古典的小葉癌(CLC)の治療または予防に特に有用であることがさらに想定される。
本発明の化合物は、FGFR4活性を有するため、それらは、前立腺癌または下垂体癌の治療にも有用である。
特に、FGFR阻害薬としての本発明の化合物は、多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害、子宮内膜癌、前立腺癌、膀胱癌、肺癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、および口腔扁平上皮癌の治療に有用である。
癌のさらなる部分群は、多発性骨髄腫、子宮内膜癌、膀胱癌、子宮頸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、および甲状腺癌である。
特に、本発明の化合物は、多発性骨髄腫(特に、t(4;14)転座またはFGFR3過剰発現を伴う多発性骨髄腫)、前立腺癌(ホルモン難治性前立腺癌)、子宮内膜癌(特に、FGFR2における変異の活性化を伴う子宮内膜腫瘍)、および乳癌(特に、小葉乳癌)の治療におけるものである。
特に、この化合物は、CLC(古典的小葉癌)などの小葉癌の治療に有用である。
この化合物は、FGFR3に対する活性を有しているため、それらは、多発性骨髄腫および膀胱の治療に有用である。
特に、この化合物は、t(4;14)転座陽性多発性骨髄腫の治療に有用である。
この化合物は、FGFR2に対する活性を有しているため、それらは、子宮内膜、卵巣、胃、および結腸直腸の癌の治療に有用である。FGFR2はまた、上皮卵巣癌でも過剰発現され、従って、本発明の化合物は、上皮卵巣癌などの卵巣癌の治療に特に有用であり得る。
本発明の化合物はまた、VEGFR2阻害薬またはVEGFR2抗体(例:アバスチン)で前治療された腫瘍の治療にも有用であり得る。
特に、本発明の化合物は、VEGFR2耐性腫瘍の治療に有用であり得る。VEGFR2阻害薬および抗体は、甲状腺癌および腎臓細胞癌の治療に用いられ、従って、本発明の化合物は、VEGFR2耐性甲状腺癌および腎臓細胞癌の治療に有用であり得る。
癌は、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4から選択されるいずれかの1もしくは2つ以上のFGFR、例えばFGFR1、FGFR2、またはFGFR3から選択される1もしくは2つ以上のFGFRの阻害に感受性を有する癌であり得る。
特定の癌がFGFR、VEGFR、またはPDGFRシグナル伝達の阻害に感受性であるかどうかは、下記で示す細胞成長アッセイによって、または「診断の方法」の表題のセクションで示す方法によって判断することができる。
本発明の化合物、および特にFGFR、VEGFR、またはPDGFR阻害活性を有する化合物は、高くなったレベルのFGFR、VEGFR、もしくはPDGFRの存在と関連するか、またはそれによって特徴付けられる種類の癌、例えばこの意味において本願の導入セクションで言及された癌、の治療または予防に特に有用であることがさらに想定される。
一部のFGFR阻害薬は、その他の抗癌薬と組み合わせて用いることができることが見出された。例えば、アポトーシスを誘発する阻害薬を、異なるメカニズムを介して細胞成長を制御するように作用する別の剤と組み合わせ、それによって癌の発達の特徴的な特色のうちの2つを治療することが有益であり得る。このような組み合わせの例を以下に示す。
また、本発明の化合物は、II型または非インスリン依存性真性糖尿病、自己免疫疾患、頭部外傷、脳卒中、癲癇、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症、およびピック病などの神経変性疾患、例えば自己免疫疾患および神経変性疾患、などの増殖の障害に起因するその他の病状の治療に有用であることも想定される。
本発明の化合物が有用であることが想定される疾患状態および病状の1つのサブグループは、炎症性疾患、心血管疾患、および創傷治癒からなる。
FGFR、VEGFR、およびPDGFRはまた、アポトーシス、血管新生、増殖、分化、および転写で役割を担っていることも知られており、従って、本発明の化合物はまた、癌以外の以下の疾患:慢性炎症性疾患、例えば全身性エリテマトーデス、自己免疫介在性糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性真性糖尿病、湿疹過敏症反応(Eczema hypersensitivity reactions)、喘息、COPD、鼻炎、および上気道疾患;心血管疾患、例えば心肥大、再狭窄、アテローム性動脈硬化症;神経変性障害、例えばアルツハイマー病、エイズ関連認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、網膜色素変性症、脊髄性筋萎縮症、および小脳変性症;糸球体腎炎;骨髄異形成症候群、虚血傷害関連心筋梗塞、脳卒中、および再灌流傷害、不整脈、アテローム性動脈硬化症、毒素誘発性またはアルコール関連肝疾患、血液疾患、例えば慢性貧血および再生不良性貧血;筋骨格系の変性疾患、例えば骨粗しょう症および関節炎、アスピリン感受性副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎臓疾患、ならびに癌性疼痛、の治療にも有用である可能性がある。
加えて、FGFR2の変異は、ヒト骨格発達におけるいくつかの重度な異常と関連しており、従って、本発明の化合物は、頭蓋縫合の異常な骨化(頭蓋骨癒合症)、アぺール(AP)症候群、クルーゾン症候群、ジャクソン‐ワイス症候群、ベーレ‐スティーブンソン脳回転状皮膚症候群、およびパイフェル症候群を含む、ヒト骨格発達における異常の治療に有用である可能性がある。
FGFR2またはFGFR3などのFGFR阻害活性を有する本発明の化合物は、骨格疾患の治療または予防に特に有用であることがさらに想定される。特定の骨格疾患は、軟骨無形成症および致死性低身長症(致死性骨異形成症としても知られる)である。
FGFR1、FGFR2、またはFGFR3などのFGFR阻害活性を有する本発明の化合物は、進行性線維症が症状である病態における治療または予防に特に有用であることがさらに想定される。本発明の化合物が治療に有用であり得る線維症の病状としては、線維組織の異常または過剰な沈着を示す疾患、例えば肝硬変、糸球体腎炎、肺線維症、全身性線維症、関節リウマチ、ならびに創傷治癒の自然プロセスが挙げられる。特に、本発明の化合物は、肺線維症、特に特発性肺線維症の治療にも有用であり得る。
腫瘍関連脈管構造におけるFGFRおよびVEGFRの過剰発現および活性化はまた、腫瘍血管新生の開始を予防および妨害する上での本発明の化合物の役割も示唆している。特に、本発明の化合物は、癌、転移、CLLなどの白血病、加齢性黄斑変性症、特に滲出型の加齢性黄斑変性症などの眼疾患、未熟児網膜症(ROP)および糖尿病性網膜症などの虚血性増殖性網膜症、関節リウマチ、ならびに血管腫の治療に有用であり得る。
本発明の化合物はPDGFRを阻害することから、それらは、多形性神経膠芽腫などの神経膠芽腫、前立腺癌、胃腸間質腫瘍、肝臓癌、腎臓癌、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、ならびに好酸球増加症候群、稀な増殖性血液障害(rare proliferative hematological disorder)、および隆起性皮膚線維肉腫、浸潤性皮膚腫瘍を含む数多くの腫瘍、ならびに白血病の種類の治療にも有用であり得る。
FGFR1〜4、VEGFR、および/またはPDGFR A/Bの阻害薬としての本発明の化合物の活性は、以下の実施例で示すアッセイを用いて測定することができ、所定の化合物によって示される活性のレベルは、IC50値として定められる。本発明の好ましい化合物は、IC50値が1μM未満、より好ましくは0.1μM未満である化合物である。
本発明は、FGFR阻害または調節活性を有し、FGFRキナーゼによって媒介される疾患状態または病状の予防または治療に有用であることが想定される化合物を提供する。
一つの実施態様では、治療に用いるための本明細書で定める化合物が提供される。さらなる実施態様では、FGFRキナーゼによって媒介される疾患状態または病状の予防または治療に用いるための本明細書で定める化合物が提供される。
従って、例えば、本発明の化合物は、癌の発生率の軽減または低下に有用であることが想定される。従って、さらなる実施態様では、癌の予防または治療に用いるための本明細書で定める化合物が提供される。
従って、1つの態様では、本発明は、FGFRキナーゼによって媒介される疾患状態または病状の予防または治療用の医薬の製造のための化合物の使用を提供し、この化合物は、本明細書で定める式(I)を有している。
一つの実施態様では、本明細書で述べる疾患状態または病状の予防または治療用の医薬の製造のための、本明細書で定める化合物の使用が提供される。
さらなる実施態様では、癌の予防または治療用の医薬の製造のための、本明細書で定める化合物の使用が提供される。
従って、本発明は、とりわけ:
FGFRキナーゼによって媒介される疾患状態または病状の予防または治療のための方法を提供し、その方法は、それを必要とする被験体へ、本明細書で定める式(I)の化合物を投与することを含む。
一つの実施態様では、本明細書で述べる疾患状態または病状の予防または治療のための方法が提供され、その方法は、それを必要とする被験体へ、本明細書で定める式(I)の化合物を投与することを含む。
さらなる実施態様では、癌の予防または治療のための方法が提供され、その方法は、それを必要とする被験体へ、本明細書で定める式(I)の化合物を投与することを含む。
FGFRキナーゼによって媒介される疾患状態または病状の発生率を低減または低下させるための方法であって、その方法は、それを必要とする被験体へ、本明細書で定める式(I)の化合物を投与することを含む。
FGFRキナーゼを阻害する方法であって、その方法は、キナーゼを、本明細書で定める式(I)のキナーゼ阻害化合物と接触させることを含む。
本明細書で定める式(I)の化合物を用いてFGFRキナーゼの活性を阻害することにより、細胞プロセス(例えば、細胞分裂)を調節する方法。
FGFRキナーゼの活性を阻害することによる細胞プロセス(例えば、細胞分裂)の調節薬として用いるための、本明細書で定める式(I)の化合物。
FGFRの調節薬(例:阻害薬)として用いるための、本明細書で定める式(I)の化合物。
FGFR活性の調節(例:阻害)用の医薬の製造のための、本明細書で定める式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼの活性を阻害することによって細胞プロセス(例えば、細胞分裂)を調節するための医薬の製造における、本明細書で定める式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼ(例:FGFR1、またはFGFR2、またはFGFR3、またはFGFR4)の上方制御を特徴とする疾患または病状の予防または治療用の医薬の製造のための、本明細書で定める式(I)の化合物の使用。
癌の予防または治療用の医薬の製造のための、本明細書で定める式(I)の化合物の使用であって、この癌は、FGFRキナーゼ(例:FGFR1、またはFGFR2、またはFGFR3、またはFGFR4)の上方制御を特徴とする。
FGFR3キナーゼの遺伝子異常を有するサブ集団から選択される患者における癌の予防または治療用の医薬の製造のための、本明細書で定める式(I)の化合物の使用。
FGFR3キナーゼの遺伝子異常を有するサブ集団の一部を形成すると診断された患者における癌の予防または治療用の医薬の製造のための、本明細書で定める式(I)の化合物の使用。
FGFRキナーゼ(例:FGFR1、またはFGFR2、またはFGFR3、またはFGFR4)の上方制御を特徴とする疾患または病状の予防または治療のための方法であって、その方法は、本明細書で定める式(I)の化合物を投与することを含む。
FGFRキナーゼ(例:FGFR1、またはFGFR2、またはFGFR3、またはFGFR4)の上方制御を特徴とする疾患または病状の発生率を軽減または低下させるための方法であって、その方法は、本明細書で定める式(I)の化合物を投与することを含む。
癌に罹患しているか、または癌に罹患していると疑われる患者における癌の予防または治療(またはその発生率の低減もしくは低下)のための方法であって;その方法は、(i)患者に診断試験を施して、その患者がFGFR3遺伝子の遺伝子異常を有するかどうかを判定すること;および(ii)その患者が前記バリアントを有する場合は、その後、FGFR3キナーゼ阻害活性を有する本明細書で定める式(I)の化合物をその患者に投与することを含む。
FGFRキナーゼ(例:例:FGFR1、またはFGFR2、またはFGFR3、またはFGFR4)の上方制御を特徴とする疾患状態または病状の予防または治療(またはその発生率の低減もしくは低下)のための方法であって;その方法は、(i)患者に診断試験を施して、FGFRキナーゼ(例:FGFR1、またはFGFR2、またはFGFR3、またはFGFR4)の上方制御に特徴的なマーカーを検出すること、および(ii)その診断試験がFGFRキナーゼの上方制御を示唆する場合は、その後、FGFRキナーゼ阻害活性を有する本明細書で定める式(I)の化合物をその患者に投与することを含む。
一つの実施態様では、FGFRキナーゼによって媒介される疾患は、腫瘍学関連疾患である(例:癌)。一つの実施態様では、FGFRキナーゼによって媒介される疾患は、非腫瘍学関連疾患である(例:癌以外の本明細書で開示されるいずれかの疾患)。一つの実施態様では、FGFRキナーゼによって媒介される疾患は、本明細書で述べる病状である。一つの実施態様では、FGFRキナーゼによって媒介される疾患は、本明細書で述べる骨格の病状である。ヒトの骨格発達における特定の異常としては、頭蓋縫合の異常な骨化(頭蓋骨癒合症)、アぺール(AP)症候群、クルーゾン症候群、ジャクソン‐ワイス症候群、ベーレ‐スティーブンソン脳回転状皮膚症候群、パイフェル症候群、軟骨無形成症、および致死性低身長症(致死性骨異形成症としても知られる)が挙げられる。
変異キナーゼ
薬剤耐性キナーゼ変異が、キナーゼ阻害薬で治療された患者集団で発生する場合がある。これらは、一部、治療で用いられた特定の阻害薬と結合するか、またはこれと相互作用するタンパク質の領域で発生する。このような変異は、問題のキナーゼと結合し、これを阻害する阻害薬の能力を減少または増加させる。これは、阻害薬と相互作用するか、または標的への前記阻害薬の結合を支持するのに重要であるアミノ酸残基のいずれでも発生し得る。変異アミノ酸残基との相互作用を必要とせずに標的キナーゼと結合する阻害薬は、変異によって影響を受けない可能性が高く、その酵素の効果的な阻害薬のままで維持されることになる(Carter et al (2005), PNAS, 102(31), 11011-110116)。
胃癌患者のサンプルの研究により、FGFR2に2つの変異の存在、エキソンIIIaにおけるSer167ProおよびエキソンIIIcにおけるスプライス部位変異940‐2A‐G、が示された。これらの変異は、頭蓋骨癒合症症候群を引き起こす生殖細胞系列活性化変異と同一であり、研究された原発性胃癌組織の13%で観察された。加えて、FGFR3における活性化変異は、試験された患者サンプルの5%で観察され、FGFRの過剰発現は、この患者グループにおける予後不良との相関が見られた(Jang et al. (2001) Cancer Research 61 3541-3543。
イマチニブ治療患者においてPDGFRで観察された変異、特にT674I変異が存在する。これらの変異の臨床的重要性は、著しく大きくなる可能性があり、それは、現在までのところ、それが患者におけるsrc/Abl阻害薬に対する耐性の主たるメカニズムを表していると思われるからである。
加えて、機能獲得型の、過剰発現された、または構成的に活性である生物学的状態を発生させるFGFRで観察された、染色体転座または点変異が存在する。
本発明の化合物は、従って、FGFR、またはPDGFR‐ベータおよびPDGFR‐アルファを含むPDGFRなどの変異分子標的、特にPDGFRのT674I変異を発現する癌に関連する用途を有するであろう。このような変異を有する腫瘍の診断は、RTPCRおよびFISHなどの当業者に公知であり、本明細書で述べる技術を用いて行うことが可能である。
FGFRのATP結合部位における保存スレオニン残基の変異は、阻害薬耐性をもたらすことが示唆されている。FGFR1において、アミノ酸バリン561がメチオニンへ変異されており、これは、選択的阻害薬に対する耐性を付与することが示されたAbl(T315)およびEGFR(T766)で見られるこれまでに報告された変異に相当するものである。FGFR1 V561Mについてのアッセイデータにより、この変異が、野生型の場合と比較してチロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性を付与したことが示された。
本発明の組成物の利点
式(I)の化合物は、先行技術の化合物と比較して数多くの利点を有する。
例えば、化合物は、FGFR3に対する増加した効力、およびVEGFR2に対する高められた選択性を有し得る。
例えば、式(I)の化合物は、先行技術の化合物と比較して、有利なADMETおよび生理化学的特性を有する。特に、化合物は、良好な溶解性を有し得る。
医薬製剤
活性化合物は単独で投与することが可能であるが、1もしくは2つ以上の薬理学的に許容される担体、補助剤、賦形剤、希釈剤、充填剤、緩衝剤、安定剤、保存剤、滑沢剤、または当業者に公知のその他の物質、および所望される場合は存在してよいその他の治療薬または予防薬と共に、少なくとも1つの本発明の活性化合物を含む医薬組成物(例:製剤)としてそれを提供することが好ましい。
従って、本発明は、上記で定める医薬組成物、および、本明細書で述べる1もしくは2つ以上の薬理学的に許容される担体、賦形剤、緩衝剤、補助剤、安定剤、またはその他の物質と共に上記で定める少なくとも1つの活性化合物を混合することを含む医薬組成物を作製する方法をさらに提供する。
本明細書で用いる「薬理学的に許容される」という用語は、確かな医学的判断の範囲内において、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは困難さがなく、妥当な有益性/危険性の比に対応して、被験体(例:ヒト)の組織と接触させての使用に適する化合物、物質、組成物、および/または剤形に関する。各担体、賦形剤なども、製剤のその他の成分と適合するという意味で「許容される」ものである必要がある。
式(I)の化合物を含有する医薬組成物は、公知の技術に従って製剤することができ、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, PA, USA、を参照されたい。
従って、さらなる態様では、本発明は、医薬組成物の形態での、本明細書で定める式(I)の化合物およびそのサブグループを提供する。
医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻腔内、経眼、経耳、直腸、膣内、または経皮投与に適するいずれの形態であってもよい。組成物が非経口投与を意図される場合、それらは静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下投与用に、または注射、注入、もしくはその他の送達手段による標的臓器または組織への直接送達用に製剤してよい。送達は、ボーラス注射、短時間注入、または長時間注入であってよく、受動送達によるか、または適切な注入ポンプの利用によるものであってもよい。
非経口投与用に適合された医薬製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、共溶媒、有機溶媒混合物、シクロデキストリン複合体形成剤、乳化剤(エマルジョン製剤を形成および安定化させるため)、リポソームを形成するためのリポソーム成分、ポリマーゲルを形成するためのゲル化可能ポリマー、凍結乾燥保護剤(lyophilisation protectants)、ならびに、特に活性成分を可溶性の形態で安定化させ、製剤を意図するレシピエントの血液と等張化させるための剤の組合せを含有していてよい、水性および非水性滅菌注射溶液が挙げられる。非経口投与用の医薬製剤はまた、懸濁剤および増粘剤を含有していてよい水性および非水性滅菌懸濁液の形態を取ってもよい(R.G. Strickly (2004), Solubilizing Excipients in oral and injectable formulations, Pharmaceutical Research, Vol 21(2), p 201-230)。
リポソームは、外側脂質二重層膜および内側水性コアから構成され、全体直径が<100μmである閉じた球状小胞である。薬物がリポソーム内にカプセル化または挿入(intercalated)されると、疎水性のレベルに応じて、中程度に疎水性である薬物はリポソームによって可溶化され得る。薬物分子が脂質二重層膜に一体化された部分となる場合も、疎水性薬物はリポソームによって可溶化され得るものであり、この場合、疎水性薬物は、脂質二重層の脂質部分に溶解される。
製剤は、ユニットドーズ型またはマルチドーズ型容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで提供してよく、ならびに使用直前に注射用水を例とする無菌液体担体の添加を必要とするだけであるフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してもよい。
医薬製剤は、式(I)の化合物またはそのサブグループを凍結乾燥することによって作製してよい。凍結乾燥とは、組成物をフリーズドライする手順を意味する。フリーズドライおよび凍結乾燥は、従って本明細書において同義語として用いられる。
即時調合注射溶液および懸濁液を、滅菌粉末剤、顆粒剤、および錠剤から作製してよい。
非経口注射用の本発明の医薬組成物はまた、薬理学的に許容される滅菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁液、またはエマルジョン、ならびに使用直前に滅菌注射溶液または分散液へ再構成するための滅菌粉末も含むことができる。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒、または媒体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびその適切な混合物、植物油(オリーブ油など)、ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング物質の使用、分散液の場合は必要とされる粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用によって維持することができる。
本発明の組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの補助剤も含有してよい。微生物の作用は、パラベン、クロロブタノール、およびフェノールソルビン酸などを例とする種々の抗菌および抗真菌剤を含有させることによって確実に防止することができる。糖類および塩化ナトリウムなどの等張剤を含有させることもまた、望ましい場合がある。注射用医薬剤形の長期間にわたる吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延させる剤の含有によって得ることができる。
本発明の1つの好ましい実施態様では、医薬組成物は、例えば注射または注入によるi.v.投与に適する形態である。静脈内投与の場合、溶液はそのまま投与してよく、または投与前に注入バッグ(0.9%生理食塩水または5%デキストロースなどの薬理学的に許容される賦形剤を含有)へ投入してもよい。
別の好ましい実施態様では、医薬組成物は、皮下(s.c.)投与に適する形態である。
経口投与用に適する医薬剤形としては、錠剤、カプセル、カプレット、丸薬、ロゼンジ、シロップ、溶液、粉末、顆粒、エリキシールおよび懸濁液、舌下錠、ウェファー、またはパッチおよび頬側パッチ(buccal patches)が挙げられる。
従って、錠剤組成物は、ラクトース、スクロース、ソルビトール、またはマンニトールを例とする糖類または糖アルコールなどの不活性希釈剤または担体;および/または、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、またはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースもしくはその誘導体、およびトウモロコシデンプンなどのデンプン、などの非糖類誘導希釈剤と共に、単位用量の活性化合物を含有していてよい。錠剤はまた、ポリビニルピロリドンなどの結合および造粒剤、崩壊剤(disintegrants)(例:架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、滑沢剤(例:ステアレート)、保存剤(例:パラベン)、酸化防止剤(例:BHT)、緩衝剤(例えばリン酸またはクエン酸緩衝剤)、ならびにクエン酸塩/炭酸水素塩混合物などの発泡剤、などの標準的な成分も含有していてよい。このような賦形剤は公知であり、本明細書にて詳細に考察する必要はない。
カプセル製剤は、硬質ゼラチンまたは軟質ゼラチンの種類であってよく、活性成分を固体、半固体、または液体の形態で含有していてよい。ゼラチンカプセルは、動物ゼラチン、または合成もしくは植物由来のその均等物から形成してよい。
固体剤形(例:錠剤、カプセルなど)は、コーティングされていても、または未コーティングであってもよいが、典型的には、保護膜コーティング(例:ワックスまたはワニス)または放出制御コーティングを例とするコーティングを有している。コーティング(例:Eudragit(商標)型ポリマー)は、胃腸管内の所望される位置で活性成分が放出されるように設計することができる。従って、コーティングは、胃腸管内の特定のpH条件下で分解し、それによって胃または回腸または十二指腸で化合物が選択的に放出されるように選択することができる。
コーティングの代わりに、またはそれに加えて、胃腸管内の様々な酸性またはアルカリ性条件下で化合物を選択的に放出するように適合させることができる放出遅延剤を例とする放出制御剤を含む固体マトリックス中に薬物を提供してよい。別の選択肢として、マトリックス物質または放出抑制コーティングは、剤形が胃腸管を通過する際に実質的に連続的に侵食される侵食性ポリマー(erodibie polymer)(例:無水マレイン酸ポリマー)の形態を取ってもよい。さらなる別の選択肢として、活性化合物は、化合物の放出の浸透圧制御を提供する送達系として製剤してよい。浸透圧放出性およびその他の遅延放出性または持続放出性の製剤は、当業者に公知の方法に従って作製することができる。
医薬組成物は、約1%から約95%、好ましくは約20%から約90%の活性成分を含む。本発明に従う医薬組成物は、例えば、アンプル、バイアル、坐薬、糖衣錠、錠剤、またはカプセルの形態などの単位剤形であってよい。
経口投与用の医薬組成物は、活性成分を固体担体と混合し、所望される場合は得られた混合物を造粒し、所望されるかまたは必要とされる場合は適切な賦形剤を添加した後に、この混合物を加工して錠剤、糖衣錠コア、またはカプセルとすることによって得ることができる。また、活性成分の確定量での拡散または放出を可能とするプラスチック担体中へそれらを組み込むことも可能である。
本発明の化合物はまた、固体分散物として製剤してもよい。固体分散物は、2もしくは3つ以上の固体の均質な極微細分散相である。固体分散物の一種である固溶体(分子レベルでの分散系)は、医薬技術での使用が公知であり(Chiou and Riegelman (1971), J. Pharm. Sci., 60, 1281-1300参照)、溶解速度の増加、および難水溶性薬物のバイオアベイラビリティの増加において有用である。
本発明はまた、上述の固溶体を含む固体剤形も提供する。固体剤形としては、錠剤、カプセル、およびチュアブル錠が挙げられる。所望される剤形を提供するために、公知の賦形剤を固溶体とブレンドしてよい。例えば、カプセルは、(a)崩壊剤および滑沢剤、または(b)崩壊剤、滑沢剤、および界面活性剤とブレンドされた固溶体を含有していてよい。錠剤は、少なくとも1つの崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤、および流動促進剤とブレンドされた固溶体を含有していてよい。チュアブル錠は、増量剤、滑沢剤、ならびに所望される場合は追加の甘味剤(人工甘味料など)、および適切な香味剤とブレンドされた固溶体を含有していてよい。
医薬製剤は、単一パッケージに治療の全過程が含まれる「患者用専用パック(patient packs)」として、通常はブリスターパックとして、患者に提供してよい。患者専用パックは、患者向けの処方では通常は含まれない添付文書が患者用専用パックには挿入されており、これを患者がいつでも見ることができるという点で、薬剤師がバルクサプライから医薬の患者用サプライを小分けするという従来の処方と比べて利点を有する。添付文書の挿入により、医師の指示に従う患者の服薬遵守が改善されることが示されている。
局所使用のための組成物は、軟膏、クリーム、スプレー、パッチ、ゲル、液滴、およびインサート(例えば眼内インサート)が挙げられる。このような組成物は、公知の方法に従って製剤することができる。
直腸または膣内投与用の製剤の例としては、例えば活性化合物を含有する成形した成型可能物質またはロウ状物質から形成することができるペッサリーおよび坐薬が挙げられる。
吸入による投与用の組成物は、吸入可能な粉末組成物、または液体もしくは粉末スプレーの形態を取ってよく、粉末吸入器またはエアゾル投与器(aerosol dispensing devices)を用いて、標準的な形態で投与することができる。このような機器は公知である。吸入投与の場合、粉末製剤は、典型的には、ラクトースなどの不活性固体粉末希釈剤と共に、活性化合物を含む。
式(I)の化合物は、一般的には単位剤形で提供され、従って、典型的には所望されるレベルの生物活性を提供するのに十分である化合物を含有する。例えば、製剤は、1ナノグラムから2グラムの活性成分、例えば1ナノグラムから2ミリグラムの活性成分を含有してよい。この範囲内において、化合物の特定のサブ範囲は、0.1ミリグラムから2グラムの活性成分(より通常は10ミリグラムから1グラム、例:50ミリグラムから500ミリグラム)または1マイクログラムから20ミリグラム(例えば1マイクログラムから10ミリグラム、例:0.1ミリグラムから2ミリグラムの活性成分)である。
経口用組成物の場合、単位剤形は、1ミリグラムから2グラム、より典型的には10ミリグラムから1グラム、例えば50ミリグラムから1グラム、例:100ミリグラムから1グラム、の活性化合物を含有していてよい。
活性化合物は、所望される治療効果を達成するのに十分である量で、それを必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物の患者)へ投与される。
当業者であれば、製剤に用いるための適切な量の成分を選択する専門知識を有する。例えば、錠剤およびカプセルは、典型的には、0〜20%の崩壊剤、0〜5%の滑沢剤、0〜5%の流動補助剤(flow aids)、および/または0〜100%の充填剤もしくは増量剤(薬物の用量に応じて異なる)を含有する。それらはまた、0〜10%のポリマー結合剤、0〜5%の酸化防止剤、0〜5%の顔料を含有していてもよい。徐放性錠剤は、加えて、0〜100%のポリマー(用量に応じて異なる)を含有することになる。錠剤またはカプセルのフィルムコートは、典型的には、0〜10%のポリマー、0〜3%の顔料、および/または0〜2%の可塑剤を含有する。
非経口製剤は、典型的には、0〜20%の緩衝剤、0〜50%の共溶媒、および/または0〜100%の注射用水(WFI)を含有する(用量およびフリーズドライとするかどうかによって異なる)。筋肉内デポー用製剤はまた、0〜100%の油類も含有していてよい。
医薬製剤の例
(i)錠剤製剤
式(I)の化合物を含有する錠剤組成物は、50mgの化合物を、希釈剤としての197mgのラクトース(BP)および滑沢剤としての3mgのステアリン酸マグネシウムと混合し、公知の方法で圧縮して錠剤を形成することによって作製される。
(ii)カプセル製剤
カプセル製剤は、100mgの式(I)の化合物を、100mgラクトースと混合し、得られた混合物を標準的な不透明硬質ゼラチンカプセルへ充填することによって作製される。
(iii)注射用製剤I
注射による投与用の非経口組成物は、式(I)の化合物(例:塩の形態)を、10%プロピレングリコールを含有する水に溶解して1.5重量%の活性化合物の濃度を得ることによって作製される。次に、この溶液を滅菌濾過し、アンプルへ充填して、密封する。
(iv)注射用製剤II
注射用の非経口組成物は、式(I)の化合物(例:塩の形態)(2mg/mlおよびマンニトール(50mg/ml)を水に溶解し、この溶液を滅菌濾過し、密封可能な1mlバイアルまたはアンプルへ充填することによって作製される。
v)注射用製剤III
注射または注入によるi.v.送達用の製剤は、式(I)の化合物(例:塩の形態)を水に20mg/mlで溶解することによって作製することができる。次に、バイアルを密封し、オートクレーブ処理によって滅菌する。
vi)注射用製剤IV
注射または注入によるi.v.送達用の製剤は、式(I)の化合物(例:塩の形態)を、緩衝剤(例:0.2Mの酢酸塩、pH4.6)を含有する水に20mg/mlで溶解することによって作製することができる。次に、バイアルを密封し、オートクレーブ処理によって滅菌する。
(vii)皮下注射用製剤
皮下投与用の組成物は、式(I)の化合物を医薬品グレードのトウモロコシ油と混合して5mg/mlの濃度とすることで作製する。この組成物を滅菌し、適切な容器へ充填する。
viii)凍結乾燥製剤
製剤された式(I)の化合物のアリコートを50mlのバイアルへ投入し、凍結乾燥する。凍結乾燥に際して、一段階凍結プロトコル(−45℃)を用いて組成物を凍結させる。温度を−10℃へ引き上げてアニーリングし、次に−45℃へ下げて凍結し、続いて+25℃で約3400分間一次乾燥し、次いで温度を50℃まで段階的に引き上げる二次乾燥を行う。一次および二次乾燥の過程での圧力は80ミリトルに設定する。
治療方法
本明細書で定める式(I)の化合物およびそのサブグループは、FGFRによって媒介される様々な疾患状態または病状の予防または治療に有用であることが想定される。このような疾患状態または病状の例は上記で示す。
本化合物の投与は、一般的に、ヒトまたは動物である患者を例とし、好ましくはヒトである、このような投与を必要とする被験体へ行われる。本化合物の投与は、典型的には、治療または予防上有用であり、一般的に無毒性である量で行われる。
しかし、特定の状況では(例えば、生命にかかわる疾患の場合)、式(I)の化合物を投与することの有益性が、いかなる毒性作用または副作用の欠点よりも重要である場合があり、その場合、ある程度の毒性を伴う量で化合物を投与することが望ましいと見なされ得る。
本化合物は、有益な治療効果を維持するために長期間にわたって投与してよく、または短期間のみの投与を行ってもよい。別の選択肢として、パルス投与、または連続投与の方法で投与してもよい。
式(I)の化合物の典型的な1日量は、体重1キログラムあたり100ピコグラムから100ミリグラム、より典型的には、体重1キログラムあたり5ナノグラムから25ミリグラム、より通常は、体重1キログラムあたり10ナノグラムから1キログラムあたり15ミリグラム(例:10ナノグラムから10ミリグラム、より典型的には1キログラムあたり1マイクログラムから1キログラムあたり20ミリグラム、例えば、1キログラムあたり1マイクログラムから10ミリグラム)の範囲内であってよいが、必要に応じて、それより高いまたは低い用量で投与してもよい。式(I)の化合物は、毎日投与してよく、または2、もしくは3、もしくは4、もしくは5、もしくは6、もしくは7、もしくは10、もしくは14、もしくは21、もしくは28日毎を例とする繰り返しベースで投与してもよい。
本発明の化合物の経口投与は、1から1500mg、2から800mg、または5から500mgを例とする様々な用量で行ってよく、例えば2から200mgまたは10から1000mgであり、用量の特定の例としては、10、20、50、および80mgが挙げられる。本化合物は、1日に1回または2回以上投与してよい。本化合物は、連続的に投与してよい(すなわち、治療レジメンの期間中に中断することなく毎日投与)。別の選択肢として、本化合物は、断続的に投与してもよく、すなわち、治療レジメンの期間を通して、1週間などのある期間にわたって連続的に投与し、次に1週間などの期間にわたって中断し、次いで1週間などの別の期間にわたって連続的に投与する、などである。断続的投与を含む治療レジメンの例としては、1週間の投与、1週間の中断;または2週間の投与、1週間の中断;または3週間の投与、1週間の中断;または2週間の投与、2週間の中断;または4週間の投与、2週間の中断;または1週間の投与、3週間の中断、のサイクルを、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10回、またはそれを超える回数を例とする1もしくは2サイクル以上の回数行って投与するレジメンが挙げられる。
1つの特定の投薬計画では、患者に、毎日1時間にわたる式(I)の化合物の注入を、10日間まで、特には1週間のうち5日間まで与え、この治療を、2〜4週間、特には3週間毎などの所望される間隔で反復する。
より詳細には、患者に、毎日1時間にわたる式(I)の化合物の注入を5日間与え、この治療を3週間毎に反復してよい。
別の特定の投薬計画では、患者に、30分間から1時間にわたる注入を与え、続いて、1から5時間を例とする、例えば3時間といった調節可能時間にわたる維持注入を行う。
さらなる特定の投薬計画では、患者に、12時間から5日間の期間にわたる連続注入、特には、24時間から72時間の連続注入を与える。
しかし、最終的には、投与される化合物の量および用いられる組成物の種類は、治療される疾患の性質または生理学的状態に対応するものであり、医師の判断による。
本明細書で定める化合物は、唯一の治療薬として投与してよく、または上記で定める癌などの腫瘍性疾患を例とする特定の疾患状態を治療するためのさらなるその他の化合物の1つとの併用療法として投与してもよい。式(I)の化合物と共に(同時にまたは異なる時間間隔で)投与し得るその他の治療薬または治療の例としては、これらに限定されないが:
トポイソメラーゼI阻害薬
抗代謝薬
チューブリン標的化薬
DNAバインダーおよびトポイソメラーゼII阻害薬
アルキル化薬
モノクローナル抗体
抗ホルモン薬
シグナル伝達阻害薬
プロテアソーム阻害薬
DNAメチルトランスフェラーゼ
サイトカインおよびレチノイド
クロマチン標的化療法
放射線療法、ならびに、
その他の治療または予防薬;例えば、化学療法に付随する副作用の一部を減少または軽減させる薬剤、が挙げられる。このような薬剤の特定の例としては、制吐薬、ならびに、化学療法に付随する好中球減少症を予防するかまたはその期間を短縮し、および赤血球または白血球のレベルが減少したことから生じる合併症を予防する薬剤が挙げられ、例えばエリスロポエチン(EPO)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM‐CSF)、および顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)である。さらに、ビスホスホネート薬などの骨吸収を阻害する薬剤、例えばゾレドロネート、パミドロネート、およびイバンドロネート、炎症応答を抑制する薬剤(デキサメタゾン、プレドニゾン、およびプレドニゾロンなど)、ならびに先端巨大症患者において成長ホルモンおよびIGF‐Iの血中レベルを減少させるために用いられる薬剤であって、天然ホルモンのソマトスタチンを模倣した薬理学的特性を有する長期間作用するオクタペプチドの酢酸オクトレオチドを含む、脳ホルモン、ソマトスタチンの合成した形態などの薬剤、も挙げられる。さらには、葉酸のレベルを減少させる薬物に対する解毒薬として用いられるロイコボリンまたはフォリン酸自体などの薬剤、ならびに浮腫および血栓塞栓のエピソードを含む副作用の治療のために用いることができる酢酸メゲストロールなどの薬剤も挙げられる。
本発明の組合せに存在する化合物の各々は、独立した様々な投薬計画で、異なる経路を介して投与してよい。式(I)の化合物が、1、2、3、4つ、またはそれ以上のその他の治療薬(好ましくは1または2つ、より好ましくは1つ)との併用療法として投与される場合、本化合物は、同時にまたは順次に投与してよい。順次に投与する場合、それらは短い間隔(例えば、5〜10分間にわたる)、またはより長い間隔(例えば、1、2、3、4時間、もしくはそれ以上の間隔、または必要に応じてそれよりもさらに長い間隔)で投与してよく、厳密な投薬レジメンは、1もしくは複数の治療薬の特性に対応する。
本発明の化合物はまた、放射線療法、光線力学療法、遺伝子療法などの非化学療法治療;手術、および栄養制限食と併用して投与してもよい。
別の化学療法薬との併用療法に用いる場合、式(I)の化合物、および1、2、3、4つ、もしくはそれ以上のその他の治療薬を、例えば、2、3、4つ、もしくはそれ以上の治療薬を含有する剤形として一緒に製剤してよい。別の選択肢として、個々の治療薬を別々に製剤し、所望される場合はそれらの使用説明書を含んでいてよいキットの形態で一緒に提供してもよい。
当業者であれば、自身の通常の一般的な知識から、用いるべき投薬レジメンおよび併用療法が分かるであろう。
診断方法
式(I)の化合物の投与の前に、患者のスクリーニングを行い、患者が罹患しているか、もしくは罹患している可能性がある疾患または病状が、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRに対する活性を有する化合物による治療に感受性を有するものであるかどうかを決定してよい。
例えば、患者から採取された生物学的サンプルの分析を行い、患者が罹患しているか、もしくは罹患している可能性がある癌などの病状または疾患が、FGFR、VEGFR、および/もしくはPDGFRのレベルまたは活性の上方制御、または正常なFGFR、VEGFR、および/もしくはPDGFRの活性に対する経路の感作、または成長因子リガンドレベルもしくは成長因子リガンド活性などのこれら成長因子シグナル伝達経路の上方制御、またはFGFR、VEGFR、および/もしくはPDGFR活性化の下流における生化学的経路の上方制御を引き起こす、遺伝子異常、または異常タンパク質発現を特徴とするものであるかどうかを決定してよい。
FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRシグナルの活性化または感作をもたらすこのような異常の例としては、アポトーシス経路の喪失もしくは阻害、受容体もしくはリガンドの上方制御、またはPTKバリアントを例とする受容体もしくはリガンドの変異バリアントの存在が挙げられる。FGFR1、FGFR2、もしくはFGFR3、またはFGFR4の変異体、または、FGFR1の上方制御、特にはその過剰発現、または、FGFR2もしくはFGFR3の機能獲得変異体、を有する腫瘍は、FGFR阻害薬に対して特に感受性を有し得る。
例えば、FGFR2での機能獲得を生じさせる点変異が、数多くの病状で識別されている(Lemonnier, et al. (2001), J. Bone Miner. Res., 16, 832-845)。特に、FGFR2における活性化変異が、子宮内膜腫瘍の10%で識別されている(Pollock et al, Oncogene, 2007, 26, 7158-7162)。
加えて、異所発現または調節解除された構成的に活性であるFGFR3受容体をもたらす染色体転座または点変異などのFGFR3受容体チロシンキナーゼの遺伝子異常が識別されており、多発性骨髄腫の部分群、膀胱癌、および子宮頸癌と関連付けられている(Powers, C.J., et al. (2000), Endocr. Rel. Cancer, 7, 165)。PDGF受容体の特定の変異T674Iが、イマチニブ治療患者で識別されている。加えて、8p12‐p11.2の遺伝子増幅が、小葉乳癌(CLC)のケースの約50%で実証され、これは、FGFR1の発現の増加と関連していることが示された。FGFR1に対して指向されたsiRNA、またはこの受容体の小分子阻害薬による予備研究から、この増幅を有している細胞株がこのシグナル伝達経路の阻害に特に感受性を持つことが示された(Reis-Filho et al. (2006), Clin Cancer Res. 12(22), 6652-6662)。
別の選択肢として、患者から採取された生物学的サンプルを、FGFR、VEGFR、またはPDGFRのネガティブ制御因子または抑制因子の喪失について分析してもよい。本文脈において、「喪失」という用語は、制御因子または抑制因子をコードする遺伝子の欠失、遺伝子の切断(例えば、変異による)、遺伝子の転写産物の切断、または転写産物の不活性化(例:点変異による)、または他の遺伝子産物による隔離(sequestration)を包含する。
上方制御という用語には、遺伝子増幅(すなわち、複数の遺伝子コピー)を含む高められた発現または過剰発現、ならびに転写効果による増加した発現、ならびに変異による活性化を含む機能亢進および活性化が含まれる。従って、患者に、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの上方制御に特徴的なマーカーを検出する診断試験を施してよい。診断という用語には、スクリーニングが含まれる。マーカーには、発明者らは、例えばFGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの変異を識別するためのDNA組成の測定を含む遺伝子マーカーを含める。マーカーという用語にはまた、酵素活性、酵素レベル、酵素状態(例:リン酸化されているかどうか)、および前述のタンパク質のmRNAレベルを含む、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRの上方制御に特徴的なマーカーも含まれる。
診断試験およびスクリーニングは、典型的には、腫瘍生検サンプル、血液サンプル(脱離した腫瘍細胞の単離および濃縮)、便生検、痰、染色体分析、胸水、腹水、頬側スピア(buccal spear)、生検、または尿から選択される生物学的サンプルで行われる。タンパク質の変異および上方制御の識別および分析の方法は、当業者に公知である。スクリーニングの方法としては、これらに限定されないが、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)または蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)などのin‐situハイブリダイゼーション、などの標準的な方法を挙げることが可能である。
FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRに変異を有する個体の識別は、その患者がFGFR、VEGFR、および/またはPDGFR阻害薬による治療に特に適するであろうことを意味し得る。腫瘍は、治療前に、FGFR、VEGFR、および/またはPDGFRバリアントの存在に関して選択的にスクリーニングし得る。スクリーニングプロセスには、典型的には、直接配列決定、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ分析、または変異体特異的抗体が含まれる。加えて、このような変異を有する腫瘍の診断は、RT‐PCRおよびFISHなど、当業者に公知であり、本明細書で述べる技術を用いて行うことが可能である。
加えて、例えばFGFRまたはVEGFR2の変異形態は、PCRおよび上記で述べたPCR産物を直接配列決定する方法を用いた、例えば腫瘍生検の直接配列決定によって識別することができる。当業者であれば、前述のタンパク質の過剰発現、活性化、または変異を検出するためのこのようなすべての公知の技術を本ケースに適用することが可能であると認識するであろう。
RT‐PCRによるスクリーニングでは、腫瘍中のmRNAのレベルを、mRNAのcDNAコピーを作製し、続いてPCRによりcDNAを増幅することによって評価する。PCR増幅の方法、プライマーの選択、および増幅の条件は、当業者に公知である。核酸操作およびPCRは、例えば、Ausubel, F.M. et al., eds. (2004) Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Inc.,、またはInnis, M.A. et al., eds. (1990) PCR Protocols: a guide to methods and applications, Academic Press, San Diego、に記載のような標準的な方法によって行われる。核酸技術を伴う反応および操作は、Sambrook et al., (2001), 3rd Ed, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press、にも記載されている。別の選択肢として、RT‐PCR用の市販キット(例えば、ロシェモレキュラーバイオケミカルズ(Roche Molecular Biochemicals))を用いてもよく、または参照することで本明細書に組み入れられる米国特許第4,666,828号;第4,683,202号;第4,801,531号;第5,192,659号;第5,272,057号;第5,882,864号、および第6,218,529号に示される方法論を用いてもよい。mRNA発現を評価するためのin‐situハイブリダイゼーション技術の例としては、蛍光in‐situハイブリダイゼーション(FISH)であろう(Angerer (1987) Meth. Enzymol., 152: 649参照)。
一般に、in situハイブリダイゼーションは、以下の主な工程を含む:(1)分析されるべき組織の固定;(2)標的核酸への到達性を高め、非特異的結合を低減するためのサンプルのプレハイブリダイゼーション処理;(3)生物学的構造または組織中の核酸に対する核酸混合物のハイブリダイゼーション;(4)ハイブリダイゼーションで結合されなかった核酸断片を除去するためのポストハイブリダイゼーション洗浄、および(5)ハイブリダイズした核酸断片の検出。このような用途で用いられるプローブは、典型的には、放射性同位体または蛍光レポーターで標識される。好ましいプローブは、ストリンジェントな条件下で1もしくは複数の標的核酸と特異的にハイブリダイズする能力を有するのに十分な長さであり、例えば約50、100、または200ヌクレオチドから約1000、またはそれを超える数のヌクレオチドの長さである。FISHを行うための標準的な方法は、Ausubel, F.M. et al., eds. (2004) Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons IncおよびFluorescence In Situ Hybridization: Technical Overview by John M.S. Bartlett in Molecular Diagnosis of Cancer, Methods and Protocols, 2nd ed.; ISBN: 1-59259-760-2; March 2004, pps. 077-088; Series: Methods in Molecular Medicine、に記載されている。
遺伝子発現プロファイリングのための方法は(DePrimo et al. (2003), BMC Cancer, 3:3)に記載されている。簡潔に述べると、プロトコルは以下の通りである:全RNAから、(dT)24オリゴマーを用いて第一鎖cDNA合成をプライミングし、続いてランダムヘキサマープライマーにより第二鎖cDNA合成を行うことで二本鎖cDNAが合成される。二本鎖cDNAは、ビオチン化リボヌクレオチドを用いるcRNAのインビトロ転写のためのテンプレートとして用いられる。cRNAは、アフィメトリクス(Affymetrix)(サンタクララ,カリフォルニア州、米国)によって報告されるプロトコルに従って化学的に断片化され、次にヒトゲノムアレイ上にて一晩ハイブリダイズされる。
別の選択肢として、mRNAから発現されたタンパク質産物を、腫瘍サンプルの免疫組織化学、マイクロタイタープレートによる固相イムノアッセイ、ウェスタンブロッティング、二次元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリー、および特定のタンパク質検出のための本技術分野で公知のその他の方法によって分析してもよい。検出方法としては、部位特異的抗体の使用が挙げられるであろう。当業者であれば、FGFR、VEGFR、および/もしくはPDGFRの上方制御の検出、またはFGFR、VEGFR、および/もしくはPDGFRバリアントまたは変異体の検出のためのこのようなすべての公知の技術が本ケースで適用可能であり得ると理解されるであろう。
FGFRまたはVEGFRなどのタンパク質の異常レベルは、本明細書で述べるアッセイを例とする標準的な酵素アッセイを用いて測定することができる。活性化または過剰発現も、腫瘍組織を例とする組織サンプルでの検出が可能である。ケミコンインターナショナル(Chemicon International)からのものなどのアッセイでチロシンキナーゼ活性を測定することによる。対象であるチロシンキナーゼは、サンプルライセートから免疫沈降させ、その活性を測定する。
そのアイソフォームを含むFGFRまたはVEGFRの過剰発現または活性化の測定のための別の選択肢としての方法として、微小血管密度の測定が挙げられる。これは、例えば、Orre and Rogers(Int J Cancer (1999), 84(2) 101-8)によって報告される方法を用いて測定することができる。アッセイ法としては、マーカーの使用も挙げられ、例えばVEGFRの場合、これらとしては、CD31、CD34、およびCD105が挙げられる(Mineo et al. (2004) J Clin Pathol. 57(6), 591-7)。
従って、すべてのこれらの技術もまた、本発明の化合物による治療に特に適する腫瘍の識別に用いることが可能である。
本発明の化合物は、変異FGFRを有する患者の治療に特に有用である。FGFR3におけるG697C変異は、口腔扁平上皮癌の62%で観察され、キナーゼ活性の構成的活性化を引き起こす。FGFR3の活性化変異はまた、膀胱癌のケースでも識別されている。これらの変異は、罹患率の度合いの異なる6種類:R248C、S249C、G372C、S373C、Y375C、K652Qであった。加えて、FGFR4におけるGly388Arg多形が、前立腺癌、結腸癌、肺癌、および乳癌の発症率および侵襲性の上昇と関連していることも見出されている。
従って、本発明のさらなる態様では、スクリーニングを受け、FGFRに対する活性を有する化合物での治療に感受性の高い疾患または病状に罹患しているかまたは罹患するリスクを有すると判定された患者において疾患状態または病状の治療または予防を行うための医薬の製造のための本発明に従う化合物の使用が含まれる。
患者がスクリーニングされる特定の変異としては、FGFR3におけるG697C、R248C、S249C、G372C、S373C、Y375C、K652Q変異、およびFGFR4におけるGly388Arg多形が挙げられる。
本発明の別の態様では、FGFR遺伝子のバリアント(例えば、FGFR3におけるG697C変異およびFGFR4におけるGly388Arg多形)を有するサブ集団から選択される患者における癌の予防または治療に用いるための本発明の化合物が含まれる。
循環バイオマーカー(循環前駆細胞(CPC)、CEC、SDF1、およびFGF2)と組み合わせた血管正常化のMRI測定(例:MRI勾配エコー、スピンエコー、およびコントラスト強調を用いた血液量、相対血管サイズ、および血管透過性の測定)もまた、本発明の化合物によって治療するためのVEGFR‐2耐性腫瘍の識別に用いてよい。
一般的合成経路
以下の実施例によって本発明を実証するが、これらは単なる例であり、いかなる形であっても請求項の範囲を限定することを意図するものではない。
以降、「DCM」は、ジクロロメタンとして定義し、「DIPE」は、ジイソプロピルエーテルとして定義し、「DMA」は、ジメチルアセタミドとして定義し、「DMF」は、N,N‐ジメチルホルムアミドとして定義し、「DMSO」は、ジメチルスルホキシドとして定義し、「MeOH」は、メタノールとして定義し、および「THF」は、テトラヒドロフランとして定義する。
化合物の合成
実施例1.1.a
1.1.a(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMF(5ml)中のイミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐メタノール[342613‐80‐3](2.025mmol)の溶液を、N‐気流下、0℃で攪拌した。DMF(1ml)中のN‐ヨードスクシンイミド(2.126mmol)の溶液を0℃にて滴下し、添加後、この反応混合物を1時間攪拌した。この混合物を周囲温度に到達させ、攪拌を2時間継続した。この溶液を水で処理し、生成物をDCMで抽出した。有機層を水、20%チオ硫酸ナトリウム、水、および鹹水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、蒸発乾固させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィ(溶離液:DCM‐DCM/MeOH 95/5)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させて、示した中間体390mgを得た。
1.1.a(2) 中間体の合成
Figure 0005718897
DCM(15ml)中の上記の実施例1.1.a(1)の中間体(1.387mmol)の懸濁液へ、酸化マンガン(4.16mmol)を少しずつ添加した。追加の酸化マンガン(1当量、121mg)を添加し、この反応物を48時間静置した。この混合物をセライトでろ過し、DCMで洗浄した。溶媒を減圧留去して、示した中間体320mgを得た。
1.1.a(3) 中間体の合成
Figure 0005718897
THF(120ml)中の2,2,2‐トリフルオロエチルアミン(0.167mmol)の溶液へ、3‐ブロモフェニルイソシアネート(0.112mol)を5℃にて15分間かけて滴下した。この混合物を5℃にて1時間、次に室温にて4時間攪拌した。この混合物を蒸発乾固させることで示した中間体33.1gが得られ、この粗生成物をさらなる精製をせずに次の工程に用いた。
1.1.a(4) 中間体の合成
Figure 0005718897
実施例1.1.a(3)の中間体(16.831mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(18.514mmol)、および酢酸カリウム(50.492mmol)をDMSO(15ml)中に溶解し、窒素をこの攪拌混合物へバブリングした。ジクロロ(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム[72287‐26‐4](0.505mmol)を添加し、窒素のバブリングを10分間継続した。この反応混合物を一晩100℃で加熱した。この反応物を酢酸エチル/水で希釈した。水相を再度酢酸エチルで洗浄した。1つにまとめた有機相を水、鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。残渣を最小限のDCMおよびn‐ヘプタンで激しく攪拌しながら研和した。析出物をろ過し、n‐ヘプタンで洗浄し、示した中間体5.07gを得た。
1.1.a(5) 中間体の合成
Figure 0005718897
ジオキサン(60ml)中の実施例1.1.a(2)の中間体(10.921mmol)および実施例1.1.a(4)の中間体(13.105mmol)を、丸底フラスコに投入した。攪拌しながら、窒素をこの反応混合物へバブリングした。水中(15ml)のリン酸カリウム塩(1:3)(21.842mmol)を添加し、続いてジクロロ(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム[72287‐26‐4](0.546mmol)を添加し、窒素のバブリングをしながらの攪拌を10分間継続した。この反応混合物を80℃まで一晩加熱した。この反応物を室温まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。1つにまとめた有機相を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をDCM/n‐ヘプタン中で析出させ、ろ過し、DCM/n‐ヘプタンで洗浄し、50℃にて減圧乾燥して、示した中間体4.168gを得た。
1.1.a(6) 中間体の合成
Figure 0005718897
エタノール(80ml)およびピリジン(20ml)中の実施例1.1.a(5)の中間体(11.399mmol)の攪拌懸濁液へ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1:1)(22.798mmol)を添加した。この溶液を水(1L)に注ぎ入れ、析出物をろ過し、水で洗浄し、50℃にて減圧乾燥した。残渣をジエチルエーテル中で10分間攪拌し、ろ過した。析出物をメタノール中で加熱し、ジエチルエーテルの攪拌溶液へゆっくり添加した。新たに形成した析出物をろ過し、50℃にて減圧乾燥し、示した中間体2.79gを得た。
1.1.a(7) 最終化合物の合成
Figure 0005718897
DMSO(15ml)中の実施例1.1.a(6)の中間体(1.325mmol)、2‐ブロモ‐エタノール(7.951mmol)、および炭酸セシウム(6.626mmol)を、密封チューブに入れ、室温にて20時間攪拌した。この溶液を水中へ注ぎ入れ、酢酸エチルで2回抽出した。1つにまとめた有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、減圧蒸発させた。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(HO中の0.25%NHHCO)/CHCN 90/10〜0/100 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。生成物を再度高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(HO中の0.25%NHHCO)/MeOH 30/70 体積/体積)で精製した。生成物をトルエンと共蒸発させ、残渣画分を50℃にて真空乾燥し、示した化合物46mgを得た。
実施例1.1.b
化合物の合成
Figure 0005718897
DMSO(10ml)中の実施例1.1.a(6)の中間体(1.06mmol)および3‐ピリジンメタノール、3‐メタンスルホネート(1.166mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(4.24mmol)を添加した。この反応混合物を室温にて1時間攪拌した。この反応混合物を蒸留水中へ滴下した。このスラリーをろ過し、蒸留水で洗浄した。残渣を、Hyperprep C18 HS BDS 100Å 8μm(シャンドン(Shandon))カラム(直径50mm、長さ16,5cm)、および溶離液としてアセトニトリル‐水混合物を用いた逆相クロマトグラフィによって精製した。所望される画分を回収し、示した化合物259mgを得た。
実施例1.2
1.2(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
DCM(2L)中のイミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐メタノール(409.815mmol)の懸濁液へ、激しく攪拌しながら酸化マンガン(819.631mmol)を添加した。2時間後、さらに2当量の酸化マンガン(71.3g)を添加し、この反応物を一晩静置した。さらに1当量の酸化マンガン(36g)を添加し、この反応物を4時間静置した。反応を停止させた。この反応混合物をダイカライト(dicalite)でろ過し、ろ液を40℃で減圧蒸発させ、50℃にて一晩真空乾燥して、示した中間体45gを得た。
1.2(2) 中間体の合成
Figure 0005718897
乾燥THF(120ml)中の実施例1.2(1)の中間体(27.369mmol)の溶液へ、THF中0.5Mの臭化シクロプロピルマグネシウム(41.053mmol)を、窒素雰囲気下、0℃にて添加した。この反応物を0℃にて2時間攪拌した。次に、この反応混合物を濃縮乾固させた。残渣を酢酸エチル(80ml)および塩化アンモニウム水溶液(40ml)で希釈した。鹹水(40ml)による抽出を行った。水層を再度EtOAc(80ml)で抽出した。有機層を回収し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮乾固させることで示した中間体5.5gが得られ、これは粗物質のまま次の工程で用いた。
1.2(3) 中間体の合成
Figure 0005718897
DCM(132ml)中の実施例1.2(2)の中間体(27.36mmol)の懸濁液へ、激しく攪拌しながら酸化マンガン(54.721mmol)を添加した。2時間後、4時間後、および6時間後に、2当量の酸化マンガン(3×4.8g)を添加し、この反応物を一晩静置した。さらに2当量の酸化マンガン(4.8g)を添加し、この反応物を4時間静置した。反応を停止させた。この反応混合物をダイカライトでろ過し、ろ液を40℃で減圧蒸発させ、50℃にて真空乾燥して、示した中間体3.7gを得た。生成物は、そのまま次の反応に用いた。
1.2(4) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMF(25ml)中の実施例1.2(3)の中間体(23.057mmol)の混合物へ、0.6当量(3.1g)のN‐ヨードスクシンイミドを添加し、この反応混合物を室温にて1時間攪拌した。0.7当量(3.6g)のN‐ヨードスクシンイミドを添加し、1時間反応させた。反応を停止させた。この溶液を200mlの蒸留水および20mlの20%亜硫酸水素ナトリウム溶液へゆっくり滴下した。室温にて10分間攪拌後、スラリーをろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、得られた固体を50℃にて真空乾燥して、示した中間体3.14gを得た。
1.2(5) 中間体の合成
Figure 0005718897
ジオキサン(150ml)中の実施例1.2(4)の中間体(14.738mmol)および実施例1.1.a(4)の中間体(15.475mmol)を、大型のバイアルに投入した。攪拌しながら、窒素をこの反応混合物へバブリングした。水(50ml)中のリン酸カリウム塩(1:3)(29.477mmol)を添加し、続いてジクロロ(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム(0.737mmol)を添加し、窒素のバブリングをしながらの攪拌を10分間継続した。この反応混合物を95℃(還流)で4時間維持し、次に20mlの水で希釈し、酢酸エチル(100ml)で抽出した。水相を酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。1つにまとめた有機相を水で再度洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をMeOH/DCM 5/95溶液で研和し、ろ取し、DIPE(5ml)で洗浄し、40℃にて一晩真空乾燥して、示した中間体2.678gを得た。ろ液を一晩静置し、形成した析出物をろ取し、DIPEで洗浄し、50℃にて4時間真空乾燥して、示した中間体1.237gを得た。ろ液を減圧蒸発させ、20mlの2/98 MeOH/DCM中で研和し、激しく攪拌しながら300mlのDIPE中へ注ぎ入れた。析出物をろ取し、DIPEで洗浄し、50℃にて4時間真空乾燥した。残渣(1.71g)をアセトニトリル中で結晶化させ、ろ過し、DIPEで洗浄して、示した中間体1.1gを得た。
1.2(6) 化合物の合成
Figure 0005718897
エタノール(30ml)およびピリジン(2ml)中の実施例1.2(5)の中間体(6.636mmol)の攪拌懸濁液へ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1:1)(13.271mmol)を添加し、この反応物を50℃にて1時間攪拌した。エタノールおよびピリジンを溶解するまで添加し(30mlエタノール、6mlピリジン)、この反応物を50℃で一晩攪拌した。溶媒を、3ミリバールまで40℃にて減圧蒸発させた(2時間)。粘稠な画分を最小限の水と共に超音波処理によって研和し、ろ過し、エジエチルエーテル(Ediethyl ether)で洗浄し、50℃にて一晩真空乾燥した。残渣(2.33g)をアセトニトリル中で結晶化させた。この結晶をアセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄し、50℃にて4時間真空乾燥し、示した化合物1.1gを得た。
実施例1.3.a
1.3.a(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMSO(25ml)中の実施例1.1.a(6)の中間体(5.3mmol)および1,3‐ブロモクロロプロパン(10.601mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(10.601mmol)を添加した。この反応混合物を室温にて1時間攪拌した。この反応混合物を蒸留水中へ滴下し、次に生成物を酢酸エチルおよびNaOH 1Mで抽出した。有機層を回収し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮乾固させた。残渣をクロマトグラフィ(DCM/MeOH)で精製した。純粋画分を回収し、溶媒を蒸発させて、示した中間体1.505gを得た。
1.3.a(2) 最終化合物の合成
Figure 0005718897
1‐メチル‐ピペラジン(1.5ml)中の実施例1.3.a(1)の中間体(0.881mmol)を70℃にて20時間攪拌した。この粗サンプルを分取精製に供した(Gemini C18 120 A 10ミクロン(フェノメネックス(Phenomenex))、50mm×16.5cm)(勾配:(A:0.25%炭酸水素アンモニウム水溶液;B:アセトニトリル 90/10から65/35を44分間、続いて0/100を8分間)。所望される画分を回収し、仕上げ処理を施して、示した化合物224mgを得た。
実施例1.3.b
1.3.b(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMSO(50ml)中の実施例1.1.a(6)の中間体(5.3mmol)、1‐ブロモ‐2‐クロロ‐エタン(26.502mmol)、および炭酸セシウム(26.502mmol)を、密封チューブに入れ、室温にて1時間攪拌した。この溶液を水へ注ぎ入れ、酢酸エチルで2回抽出した。1つにまとめた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧蒸発させて、示した中間体2.3gを得た。粗生成物をそのまま次の工程で用いた。
1.3.b(2) 化合物の合成
Figure 0005718897
DMF(15ml)中の実施例1.3.b(1)の中間体(0.909mmol)およびヨウ化カリウム(0.136mmol)の溶液を、周囲温度にて、2‐(メチルスルホニル)‐エタナミン、塩酸塩(1:1)(2.728mmol)で処理した。この反応混合物を、100℃まで加熱し、18時間攪拌した。反応を完了させ、溶媒を減圧留去した。残渣画分を氷水で処理し、生成物を酢酸エチルで抽出した(3×)。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、蒸発乾固させた。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(HO中の0.25%NHHCO)/CHCN/MeOH//80/10/10;20/40/40;0/50/50 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。生成物をトルエンと共に共蒸発させ、残渣画分をN2気流下、30℃で乾燥して、示した化合物141mgを得た。
実施例1.3.c
化合物の合成
Figure 0005718897
DMA(15ml)中の実施例1.3.b(1)の中間体(0.909mmol)、ヨウ化カリウム(0.136mmol)、およびN‐エチルジイソプロピルアミン(3.638mmol)の溶液を、周囲温度にて、2‐(メチルスルホニル)‐エタナミン、塩酸塩(1:1)(1.819mmol)で処理した。この反応混合物を、100℃まで加熱し、18時間攪拌した。反応を完了させ、室温まで到達させた。この溶液を氷水へ注ぎ入れ、生成物を酢酸エチルで抽出した(3×)。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、蒸発乾固させた。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(0.25%NHHCO水溶液)/CHCN / 100/0〜65/35〜0/100 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。残渣画分を同じ条件下にて再度精製した。生成物をトルエンと共に共蒸発させ、残渣画分を30℃にて真空乾燥して、示した化合物30mgを得た。
実施例1.3.d
化合物の合成
Figure 0005718897
DMA(10ml)中の実施例1.3.b(1)の中間体(0.909mmol)および2‐(メチルアミノ)‐エタノール(4.547mmol)を密封チューブに入れ、室温にて18時間攪拌した。この混合物を水中へ注ぎ入れ、形成した析出物をろ取し、水で洗浄した。残渣を酢酸エチルに溶解し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。黄色固体が形成された。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(0.25%NHHCO水溶液)/CHCN//90/10;40/60;0/100 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。生成物をトルエンと共に共蒸発させ、残渣画分をN気流下、30℃にて乾燥して、示した化合物232mgを得た。
実施例1.4.a
1.4.a(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMSO(30ml)中の実施例1.1.a(6)の中間体(2.65mmol)、4‐(2‐クロロエチル)‐1‐ピペリジンカルボン酸(CAS 184042‐53‐3)、1,1‐ジメチルエチルエステル(5.3mmol)、および炭酸セシウム(7.951mmol)を密封チューブに入れ、室温にて20時間攪拌した。この溶液を水中へ注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。1つのまとめた有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、減圧蒸発させて、示した中間体1.5gを得た。粗残渣画分をそのまま次の工程で用いた。
1.4.a(2) 化合物の合成
Figure 0005718897
実施例1.4.a(1)の中間体(2.548mmol)、トリフルオロ酢酸(2.548mmol)、およびDCM(20ml)の溶液を、室温にて1時間攪拌した。この溶液を減圧濃縮し、残渣をDCM中に溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)し、ろ過し、蒸発乾固させて、示した化合物1.2gを得た。
実施例1.4.b
1.4.b(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
実施例1.3.a(1)の中間体(5.31mmol)および4‐t‐ブチルオキシ‐ピペラジン(53.101mmol)を、丸底フラスコ中にて70℃で20時間加熱した。追加の4‐t‐ブチルオキシ‐ピペラジンを添加し、70℃での攪拌をさらに50時間継続した。この混合物をDCM(250ml)中に溶解し、飽和NaHCO溶液で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧蒸発させた。粗サンプルを、DCM/MeOH 98/2から95/5の勾配を用いたフラッシュクロマトグラフィにより精製して、示した中間体7.8gを得た。この中間体をさらなる精製を行わずに次の工程で用いた。
1.4.b(2) 化合物の合成
Figure 0005718897
DCM(300ml)中の1.4.b(1)の中間体(12.922mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(30ml)を添加した。5時間後、この反応混合物をアンモニアの飽和メタノール溶液で塩基性化した。溶媒を減圧蒸発させた。残渣をHyperprep C18 HS BDS 100Å 8μm(シャンドン)カラム(直径50mm、長さ16,5cm)、および溶離液として炭酸水素アンモニウム0.25%水溶液‐アセトニトリル‐メタノール混合物を用いた逆相クロマトグラフィによって精製した。精製された生成物は、精製工程で用いた溶媒と反応して、示した化合物1.4.b(2)Aおよび化合物1.4.b(2)Bが得られた。
実施例1.5
1.5(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
エタノール(10ml)中の実施例1.1.a(6)の中間体(2.65mmol)、2‐プロペン酸、1,1‐ジメチルエチルエステル(18.022mmol)、および水酸化カリウム(1.855mmol)を、密封チューブに入れ、数日間、45℃にて2日間攪拌した。次に、5日間にわたって、1当量の2‐プロペン酸、1,1‐ジメチルエチルエステルを毎日この反応混合物へ添加した。反応を約70%まで完了させ、反応物の仕上げ処理を開始した。溶媒を減圧留去し、残渣画分をDCMへ溶解し、10%NaOH溶液および水で洗浄した。不溶画分をろ過により除去した。有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮して、示した中間体1.3gを得た。この粗生成物をそのまま次の工程で用いた。
1.5(2) 中間体の合成
Figure 0005718897
DCM(40ml)中の実施例1.5(1)の中間体(1.978mmol)の溶液を室温で攪拌し、トリフルオロ酢酸(15ml)を添加した。この反応混合物を室温にて2時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、トルエンと共に共蒸発乾固させた。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐180)(溶離液:(0.25%NHHCO水溶液)/CHCN 90/10〜70/30〜0/100〜90/10 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。生成物をトルエンと共に共蒸発させ、残渣画分を30℃にて真空乾燥して、示した中間体880mgを得た。
1.5(3) 化合物の合成
Figure 0005718897
DMF(15ml)中の中間体1.5(2)(0.668mol)、1‐ヒドロキシ‐1H‐ベンゾトリアゾール、水和物(2.103mmol)、およびN‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N’‐エチルカルボジイミド塩酸塩(2.203mmol)の溶液を室温で30分間攪拌し、次に1‐メチル‐ピペラジン(3.338mmol)を添加し、反応混合物全体を18時間攪拌した。出発物質が消費され、そして溶媒を減圧留去した。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(0.25%NHHCO水溶液)/MeOH/CHCN / 40/60/0〜0/50/50〜40/60/0 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。生成物をトルエンと共に共蒸発させ、残渣画分を30℃にて真空乾燥して、示した化合物150mgを得た。
実施例1.6
1.6(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMSO(15ml)中の実施例1.1.a(6)の中間体(0.265mmol)、2‐(クロロメチル)‐オキシラン(0.53mmol)、および炭酸セシウム(0.795mmol)を、密封チューブに入れ、室温にて20時間攪拌した。この溶液を氷水へ注ぎ入れ、形成された析出物をろ取した。残渣画分をDCM/MeOH(95/5)に溶解し、MgSOで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させて、示した中間体100mgを得た。
1.6(2) 化合物の合成
Figure 0005718897
エタノール(10ml)中の実施例1.6(1)の中間体(0.923mmol)およびシクロプロパナミン(3.692mmol)の溶液を、130℃にて20分間攪拌した(マイクロ波)。反応を完了させ、溶媒を減圧留去した。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(HO中の0.25%NHHCO)/CHCN)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。生成物をトルエンと共に共蒸発させ、残渣画分を50℃にて真空乾燥して、示した化合物108mgを得た。
実施例1.7.a
1.7.a(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMF(15ml)中の実施例1.3.b(1)の中間体(0.909mmol)およびヨウ化カリウム(0.136mmol)の溶液を、周囲温度にてN‐(2‐メトキシエチル)‐ベンゼンメタナミン(5.457mmol)で処理した。この反応混合物を100℃まで加熱し、18時間攪拌した。反応を完了させ、室温まで到達させた。この溶液を氷水へ注ぎ入れ、生成物を酢酸エチルで抽出した(3×)。有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、蒸発乾固させた。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(0.25%NHHCO水溶液)/CHCN / 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。生成物をトルエンと共に共蒸発させ、残渣画分を50℃にて真空乾燥して、示した中間体215mgを得た。
1.7.a(2) 化合物の合成
Figure 0005718897
メタノール(50ml)を、窒素雰囲気下、触媒Pd/C 10%(50mg)へ添加した。実施例1.7.a(1)の中間体を添加した。この反応混合物を、水素雰囲気下(0.352mmol)、25℃にて、1当量の水素が吸収されるまで攪拌した。ダイカライトでのろ過によって触媒を除去した。粗生成物に対してHPLCを行って、示した化合物1mgを得た。
この生成物は、別の選択肢として、実施例1.1.a(1)の中間体、CH‐O‐CH‐CH‐NH、およびDMAを密封チューブに入れ、室温にて18時間攪拌することによって作製した。この混合物を水へ注ぎ入れ、形成した析出物をろ取し、水で洗浄した。残渣をAcOEt中に溶解し、乾燥し(MgSO)、ろ過した。ろ液を減圧濃縮した。黄色固体が形成された。粗残渣画分を高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:(HO中の0.25%NHHCO)/CHCN // 90/10〜75/25〜0/100 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。生成物をトルエンと共に共蒸発させ、残渣画分を、N気流中、30℃にて乾燥した。生成物を同じ条件下にて再度精製して、示した化合物を27.6%の収率で得た。
実施例1.7.b
1.7.b(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
THF(150ml)中のイミダゾ[1,2‐a]ピリジン‐7‐カルボキシアルデヒド[136117‐73‐2](13.685mmol)の溶液へ、ジエチルエーテル中のブロモメチル‐マグネシウム(3M)(20.527mmol)を、窒素雰囲気下、0℃にて添加した。この反応物を0℃にて2時間攪拌した。次に、この反応混合物を濃縮乾固させた。残渣を塩化アンモニウムおよび酢酸エチルの溶液で希釈した。鹹水による抽出を行った。有機層を回収し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮乾固させた。粗生成物をクロマトグラフィ(DCM/MeOH混合物)で精製した。純粋画分を回収し、溶媒を蒸発させて、示した中間体1902mgを得た。
1.7.b(2) 中間体の合成
Figure 0005718897
DCM(50ml)中の1.7.b(2)の中間体(11.252mmol)の溶液へ、酸化マンガン(活性化、56.261mmol)を添加した。この反応混合物を室温にて12時間攪拌した。次に、この反応混合物をセライトケーキでろ過し、DCMで洗浄した。有機層を濃縮乾固させて、示した中間体1180mgを得た。残渣を次の工程で直接用いた。
1.7.b(3) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMF(30ml)中の実施例1.7.b(2)の中間体(7.367mmol)およびN‐ヨードスクシンイミド(7.735mmol)の混合物を室温にて5時間攪拌した。この溶液を300mlの蒸留水および10mlの亜硫酸水素ナトリウム10%溶液中へゆっくり滴下した。室温にて10分間攪拌した後、このスラリーをろ過し、得られた固体を真空乾燥して、示した中間体1524mgを得た。水層を酢酸エチルおよび1M NaOHで抽出した。有機層を回収し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮乾固させた。残渣をジエチルエーテル中に懸濁させ、ろ過して、示した中間体649mgを得た。
1.7.b(4) 中間体の合成
Figure 0005718897
ジオキサン(50ml)および水(10ml)中の実施例1.7.b(3)の中間体(6.991mmol)、実施例1.1.a(4)の中間体(8.39mmol)、ジクロロ(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム(0.35mmol)、およびリン酸、カリウム塩(1:3)(13.983mmol)の溶液を、窒素で数分間脱気した。この反応混合物を5時間80℃へ加熱した。次に、反応混合物をセライトケーキでろ過し、酢酸エチルで洗浄した。真空下で溶媒量を半分に減らし、次に400mlの蒸留水中へ滴下した。得られたスラリーのろ過後、水および鹹水による抽出を行った。有機層を回収し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮乾固させた。残渣をMeOH中で研和し、ろ過して、示した中間体2.16gを得た。
1.7.b(5) 最終化合物の合成
Figure 0005718897
ピリジン(9.353mmol)およびエタノール(25ml)中の実施例1.7.b(4)の中間体(4.677mmol)の攪拌懸濁液へ、ヒドロキシルアミン、塩酸塩(1:1)(9.353mmol)を添加した。この溶液を濃縮乾固させた。残渣をDCM/MeOHの混合物中で結晶化させて、示した化合物867mgを得た。液層を濃縮し、クロマトグラフィ(DCM/MeOH)により精製した。純粋画分を回収し、溶媒を蒸発させて、示した化合物331mgを得た。
1.7.b(6) 最終化合物の合成
Figure 0005718897
DMSO(10ml)中の実施例1.7.b(5)の化合物(0.958mmol)および2‐ブロモ‐エタノール(9.582mmol)の混合物へ、炭酸セシウム(3.833mmol)を添加した。この反応混合物を室温にて12時間攪拌した。この反応混合物を100mlの蒸留水へゆっくり滴下した。数分間攪拌した後、このスラリーをろ過し、真空乾燥した。粗生成物をアセトニトリル中で研和し、続いてろ過した。生成物をクロマトグラフィ(DCM/MeOH混合物)によって精製し、さらに、Hyperprep C18 HS BDS 100Å 8μm(シャンドン)カラム(直径50mm、長さ16.5cm)および溶離液としてアセトニトリル‐水混合物を用いた逆相クロマトグラフィによって精製して、示した化合物211mgを得た。
実施例1.7.c
最終化合物の合成
Figure 0005718897
アセトニトリル(5ml)中の実施例1.4.b(2)Bの化合物(1.704mmol)およびN,N‐ジエチル‐エタナミン(1.022mmol)の溶液へ、塩化ジメチルスルファモイル(0.852mmol)を室温で添加した。3時間後、0.1当量の塩化ジメチルスルファモイル(18uL)を添加した。塩化ジメチルスルファモイルおよびN‐ジエチル‐エタナミンを再度添加し、この懸濁液を48時間攪拌した。アセトニトリル(10ml)を添加し、析出物をろ過し、アセトニトリルで洗浄した。ろ液を窒素気流下、50℃で蒸発させた。粗サンプル(ろ液の蒸発による)を分取精製に供した(Hyperprep C18 HS BDS 100A 8μm、50mm×16.5cm)(勾配:(A:0.25%炭酸水素アンモニウム水溶液;B:アセトニトリル 80/20から20/80で45分間、続いて0/100で8分間、最後に80/20でさらに10分間)。所望される画分を回収し、仕上げ処理を施して、示した化合物78mgを得た。
実施例1.8
1.8(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMF(80ml)中の3‐ブロモ‐5‐ニトロフェノール(CAS 116632‐23‐6)(16g、73.39mmol)、2‐ヨードプロパン(14.68ml、146.79mmol)、およびK2CO3(20.29g、146.79mmol)の溶液を、室温にて一晩攪拌した。この反応混合物を水およびAcOEtへ注ぎ入れた。有機層を水、続いて鹹水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発させて、示した中間体18.3g(95.9%)を得た。
1.8(2) 中間体の合成
Figure 0005718897
THF(240ml)中の実施例1.8(1)の中間体(16g、61.52mmol)の溶液へ、TiCl(474.53ml、553.66mmol)を室温にて滴下した。この混合物を室温にて2日間攪拌した。水およびAcOEtを添加した。KCO粉末を、塩基性pHとなるまで添加した。この混合物をセライトでろ過した。セライトをAcOEtで洗浄した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発させて、示した中間体14g(98.9%)を得た。
1.8(3) 中間体の合成
Figure 0005718897
THF(400ml)中の実施例1.8(2)の中間体(16g、69.53mmol)および4‐ニトロフェニルカルボノクロリジン酸、エステル(15.42g、76.49mmol)の混合物を、60℃にて1時間加熱し、続いて室温まで冷却させた。N,N‐ジエチルエタナミン(9.68m、69.53mmol)、続いて5% 2,2,2‐トリフルオロエタナミン(6.11ml、76.49mmol)を室温にて滴下した。この混合物を60℃にて12時間加熱した。室温まで冷却後、THFを蒸発させた。この混合物を氷/水へ注ぎ入れ、AcOEtを添加した。有機層を、10% KCO水溶液、3N HCl水溶液、および水で順に洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、溶媒を蒸発させた。残渣をジエチルエーテル中へ取り出し、ろ過し、乾燥して、11.6gの画分1を得た。ろ液を蒸発させて、EtO中へ取り出した。析出物をろ取し、乾燥させて、5.5gの画分2を得た。画分1および画分2を1つにまとめて、示した中間体17.1g(69.2%)を得た。
1.8(4) 中間体の合成
Figure 0005718897
ジメチルスルホキシド(100ml)中の実施例1.8(3)の中間体(6.5g、18.30mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン(6.3g、24.7mmol)、および酢酸カリウム(5.39g、54.91mmol)の混合物を攪拌し、Nで15分間脱気した。1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(401.75mg、0.55mmol)を添加した。この混合物を100℃にて6時間加熱した。4,4,4’,4’,5,5,5’,5’‐オクタメチル‐2,2’‐ビ‐1,3,2‐ジオキサボロラン(900mg、3.55mmol)をさらに添加し、この混合物を100℃にてさらに4時間攪拌した。この混合物を水中へ注ぎ入れ、AcOEtを添加し、この混合物をセライトの層を通してろ過した。有機層を分離し、有機層を水、次いで鹹水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させた。粗生成物をDIPE中へ取り出し、室温にて1時間攪拌し、析出物をろ過し、DIPEで洗浄し、ろ液を蒸発させて、示した中間体5.6g(76.0%)を得た。
1.8(5) この中間体を用いて、実施例1.2(6)に従い、表1の最終化合物1‐31を合成した。
実施例1.9
1.9(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
最小限のメタノール中の実施例1.2(1)の中間体を、ジメチルアミン塩酸塩およびシアン化ナトリウムの水溶液へゆっくり(45分間)添加した。この溶液を、N気流下、室温にて5時間攪拌した。この反応物を一晩静置した。この反応混合物を水(100ml)で反応停止し、水に対して減圧蒸発を施し、DCM(3×100ml)で、および鹹水(50ml)で1回、抽出を行った。次に、この反応混合物を水10mlとなるまで蒸発させ、再度DCM(100ml)で抽出した。1つにまとめた緑色の有機層をメタ亜硫酸水素ナトリウムの飽和水溶液(3×50ml)で洗浄し、再度水(2×50ml)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、ろ過した。ろ液を、10ミリバールとなるまで40℃にて3時間減圧蒸発させて、示した中間体13.3gを得た。
1.9(2) 中間体の合成
Figure 0005718897
ヘキサンで洗浄し、N気流下にて乾燥DMF(2ml)中に懸濁させたオイル中のNaH懸濁液へ、4mlの乾燥DMF中の実施例1.9(1)の中間体の溶液を添加した。得られた赤色の懸濁液を、N下、室温にて1時間攪拌した。臭化シクロブチルをゆっくり(10分間)添加し、この反応物を6時間静置した。反応は48時間であった。この反応混合物を、激しく攪拌しながら5N HCl水溶液(200ml)へ添加し、AcOEt(2×200ml)で抽出した。水層を25% NaOH溶液で塩基性とし、DCM(2×200ml)で抽出した。1つにまとめた有機層を水(3×30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧蒸発させた。得られたオイルを、3×30mlの水を添加することでエマルジョンとし、このエマルジョンをDCM(3×30ml)で抽出した。1つにまとめた有機層を、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧蒸発させ、50℃にて1時間真空乾燥して、示した中間体5.99gを得た。
1.9(3) この中間体を反応プロトコルにそのまま用いて、以下の表A1に詳述する化合物1‐28を合成した。
1.9(4) この中間体を反応プロトコルにそのまま用いて、以下の表A1に詳述する化合物1‐27を合成した。
実施例1‐10
1.10(1) 中間体の合成
Figure 0005718897
ジオキサン(30mL)および水(5mL)中の、実施例1.2(4)の中間体(750mg、2.07mmol)、実施例1.8(4)の中間体(962.5mg、2.27mmol)、PdCl(dppf)(84.3mg、0.1mmol、0.05当量)、およびKPO・HO(952mg、4.1mmol)の混合物を、N気流下にて6時間、還流攪拌した。この反応混合物を水(150mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層をHOで洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を1つにまとめ、乾燥し(MgSO)、ろ過し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィ(溶離液:96%DCM/4%MeOH)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させて、融点=192℃である示した中間体830mg(84%)を得た。
1.10(2) 最終化合物1‐64および1‐65の合成
Figure 0005718897
エタノール(25ml)中の、実施例1.10(1)の中間体(350mg、0.76mmol)、2‐アミノオキシ‐エタノール(CAS番号 1025727‐45‐0)(292mg、3.801mmol)、およびピリジン(10mL)の混合物を、70℃にて5日間攪拌した。溶媒を減圧留去した。粗残渣画分を、高速液体クロマトグラフィ(RP‐18)(溶離液:勾配:[HO中の0.25% NHHCO]/CHCN 90/10〜20/80〜0/100 体積/体積)で精製した。所望される画分を回収し、蒸発乾固させた。この生成物を、Hyperprep C18 HS BDS 100A 8mu(シャンドン)によるHPLC(溶離液:60%[HO中の0.25% NHHCO]/40% CHCN、次いでカラムを100% CHCNでリンス)でさらに精製して、168mg(42%)の化合物1‐65(E異性体)および57mg(14%)の化合物1‐64(Z異性体)を得た。
1.10(3) 最終化合物1‐66および1‐67の合成
Figure 0005718897
エタノール(80mL)およびピリジン(10mL)中の実施例1.10(1)の中間体(8.54g、14.096mmol)の攪拌懸濁液へ、ヒドロキシルアミン・HCl(1.959g、28.191mmol)を添加した。この反応物を50℃にて一晩攪拌した。溶媒を45℃にて減圧蒸発(4ミリバール)させた。残渣をシリカゲル上で精製した(不定形SiOH、勾配 95% DCM/5% MeOHから90% DCM/10% MeOH)。所望される生成物画分を回収し、減圧蒸発させて、化合物1‐66を白色固体として得た(2.0g)(NMRにより93% (E)/7% (Z)、融点=222〜223℃)。その他の生成物画分を回収し、200gのシリカゲル上で再度精製した(60Å 25〜40μm、メルク;art.9390;勾配 96% DCM/4% MeOHから90% DCM/10% MeOH)。残りの画分の回収および蒸発により、白色固体(80mg)および褐色残渣(860mg)として化合物1‐67が得られ、これらはいずれもEおよびZ異性体の混合物である。
1.10(4) 中間体の合成
Figure 0005718897
DMSO(35.4mL;496.2mmol)中の実施例1.10(3)からの化合物1‐66(1g、2.1mmol)および炭酸セシウム(1370mg、4.2mmol)の混合物へ、(2‐ブロモエトキシ)(tert‐ブチル)ジメチルシラン(CAS番号 86864‐60‐0)(2.5mL、11.6mmol)を室温で添加した。この反応物を1時間静置した。この反応混合物を、激しく攪拌しながら10mLの水へ注ぎ入れた。酢酸エチル(20mL)を攪拌しながら添加した。両層を分離し、水層を酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層を1つにまとめ、水(2×5ml)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、28℃にて乾固するまで減圧蒸発させた。この残渣(1.334g)をそのまま次の1もしくは複数の反応に用いた。
1.10(5) 最終化合物1‐65の合成
Figure 0005718897
化合物1‐65を、別の選択肢として、以下のようにして合成した:
THF(5.2mL)および水(5.2mL)中の、実施例1.10(4)の中間体(1.332g、2.1mmol)へ、酢酸(100%、15.6mL)を添加し、この反応物を室温にて48時間攪拌した。50mLの炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で反応を停止した。30分間の攪拌後、DCM(100mL)を添加し、層を分離した。水層をDCM(2×100mL)で抽出した。有機層を1つにまとめ、水(2×20mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧蒸発して、オレンジ色の残渣(1.78g)を得た。この残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィで精製し(Hyperprep C18 HS BDS 100A 8mu(シャンドン);溶離液:75%[HO中の0.25% NHHCO]/25% CHCN、次いでカラムを100% アセトニトリルでリンスして、777mg(収率70%)の化合物1‐65を得た。
表A1に、上記の実施例うちの1つの反応プロトコルに従い、必要に応じて別の出発物質を用いて合成した化合物を挙げる。表A1において、化合物は特定の異性体(例:E異性体)として、またはEおよびZ異性体の混合物(表中、これらの化合物は、交差した二重結合によって示される(例えば化合物1‐1を参照))として示す。
Figure 0005718897
Figure 0005718897
Figure 0005718897
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Figure 0005718897
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Figure 0005718897
Figure 0005718897
Figure 0005718897
分析の部
LCMS
LCMS − 一般手順A
LC測定は、バイナリポンプ、サンプルオーガナイザー、カラムヒーター(55℃に設定)、ダイオードアレイ検出器(DAD)、および以下のそれぞれの方法において指定されるカラムを含むAcquity UPLC(ウォーターズ(Waters))システムを用いて行った。カラムからのフローを分割してMS分光器へ向けた。MS検出器は、エレクトロスプレーイオン化ソースで構成した。質量スペクトルは、0.02秒のドエルタイムを用い、100から1000までの0.18秒でのスキャンによって取得した。キャピラリーニードル電圧(capillary needle voltage)は3.5kVとし、ソース温度は140℃に維持した。ネブライザーガスとしては窒素を用いた。データ取得は、Waters‐Micromass MassLynx‐Openlynxデータシステムを用いて行った。
LCMS − 一般手順B
HPLC測定は、デガッサー付きクォータナリポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン(特に断りのない限り40℃に設定)、ダイオードアレイ検出器(DAD)、および以下のそれぞれの方法において指定されるカラムを含むAlliance HT 2790(ウォーターズ)システムを用いて行った。カラムからのフローを分割してMS分光器へ向けた。MS検出器は、エレクトロスプレーイオン化ソースで構成した。質量スペクトルは、0.1秒のドエルタイムを用い、100から1000までの1秒でのスキャンによって取得した。キャピラリーニードル電圧は3kVとし、ソース温度は140℃に維持した。ネブライザーガスとしては窒素を用いた。データ取得は、Waters‐Micromass MassLynx‐Openlynxデータシステムを用いて行った。
LCMS − 一般手順C
LC測定は、デガッサー付きバイナリポンプ、オートサンプラー、ダイオードアレイ検出器(DAD)、および以下のそれぞれの方法において指定されるカラムを含むUPLC(超高速液体クロマトグラフィ)Acquity(ウォーターズ)システムを用いて行い、カラムの温度は40℃に維持する。カラムからのフローをMS分光器へ向けた。MS検出器は、エレクトロスプレーイオン化ソースで構成した。キャピラリーニードル電圧は3kVとし、ソース温度は、Quattro(ウォーターズ製三連四重極型質量分析器)上にて130℃に維持した。ネブライザーガスとしては窒素を用いた。データ取得は、Waters‐Micromass MassLynx‐Openlynxデータシステムを用いて行った。
LCMS − 手順1
一般手順Aに加えて:逆相UPLC(超高速液体クロマトグラフィ)を、架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド(BEH)C18カラム上(1.7μm、2.1×50mm;Waters Acquity)、流速0.8ml/分にて行った。2つの移動相(移動相A:H2O中の0.1% ギ酸/メタノール 95/5;移動相B:メタノール)を用いて、95% Aおよび5% Bから5% Aおよび95% Bまでの勾配条件を1.3分間実施し、0.2分間保持した。注入体積は0.5μlを用いた。コーン電圧は、陽イオン化モードは10V、陰イオン化モードでは20Vであった。
LCMS − 手順2
一般手順Aに加えて:逆相UPLC(超高速液体クロマトグラフィ)を、架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド(BEH)C18カラム上(1.7μm、2.1×50mm;Waters Acquity)、流速0.8ml/分にて行った。2つの移動相(H2O中の25mM 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95/5;移動相B:アセトニトリル)を用いて、95% Aおよび5% Bから5% Aおよび95% Bまでの勾配条件を1.3分間実施し、0.3分間保持した。注入体積は0.5μlを用いた。コーン電圧は、陽イオン化モードは10V、陰イオン化モードでは20Vであった。
LCMS − 手順3
一般手順Aに加えて:逆相UPLC(超高速液体クロマトグラフィ)を、架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド(BEH)C18カラム上(1.7μm、2.1×50mm;Waters Acquity)、流速0.8ml/分にて行った。2つの移動相(H2O中の25mM 酢酸アンモニウム/アセトニトリル 95/5;移動相B:アセトニトリル)を用いて、95% Aおよび5% Bから5% Aおよび95% Bまでの勾配条件を1.3分間実施し、0.3分間保持した。注入体積は0.5μlを用いた。コーン電圧は、陽イオン化モードは30V、陰イオン化モードでは30Vであった。
LCMS − 手順4
一般手順Bに加えて:カラムヒーターを60℃に設定した。逆相HPLCを、Xterra MS C18カラム上(3.5μm、4.6×100mm)、流速1.6ml/分にて行った。3つの移動相(移動相A:95% 25mM 酢酸アンモニウム+5% アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を用いて、100% Aから50% Bおよび50% Cまでの勾配条件を6.5分間、100% Bまでを0.5分間実施し、これらの条件を1分間保持し、100% Aで1.5分間再度平衡化した。注入体積は10μlを用いた。コーン電圧は、陽イオン化モードは10V、陰イオン化モードでは20Vであった。
LCMS − 手順5
一般手順Cに加えて:逆相UPLCを、Waters Acquity BEH(架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド)C18カラム上(1.7μm、2.1×100mm)、流速0.35ml/分にて行った。2つの移動相(移動相A:95% 7mM 酢酸アンモニウム/5% アセトニトリル;移動相B:100% アセトニトリル)を用いて、90% Aおよび10% B(0.5分間保持)から8% Aおよび92% Bまでの勾配条件を3.5分間実施し、2分間保持し、0.5分間で最初の条件に戻し、1.5分間保持した。注入体積は2μlを用いた。コーン電圧は、陽イオン化および陰イオン化モードで20Vであった。質量スペクトルは、0.1秒のスキャン間隔を用い、100から1000まで0.2秒でスキャンすることによって取得した。
Figure 0005718897
Figure 0005718897
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1H‐NMR(360MHz、DMSO‐d6)
化合物1‐64
1H‐NMR(360MHz、DMSO‐d6):9.05(s,1H),8.59(d,1H),7.92(s,1H),7.89(s,1H),7.28‐7.21(m,3H),6.97(t,1H),6.83(s,1H),4.78‐4.57(m,2H),4.19(t,2H),4.09‐3.95(m,4H),3.68‐3.60(m,2H),1.97‐1.87(m,1H),1.35(d,6H),0.97‐0.83(m,4H)
化合物1‐65
1H‐NMR(360MHz、DMSO‐d6):9.06(s,1H),8.58(d,1H),7.86(s,1H),7.83(s,1H),7.27‐7.20(m,3H),6.96(t,1H),6.82(s,1H),4.84‐4.78(m,1H),4.73(dt,1H),4.19(t,2H),4.08‐3.95(m,2H),3.78‐3.70(m,2H),2.18‐2.08(m,1H),1.35(d,6H),1.13‐1.03(m,2H),0.86‐0.76(m,2H)
生物学的アッセイ
FGFR3、VEGFR2、およびPDGFRのインビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
2×の最終濃度で調製した酵素(アップステート(Upstate)より)を、試験化合物、ビオチン化Flt3基質(ビオチン−VASSDNEYFYVDF)(セルシグナリングテクノロジー社(Cell Signalling Technology Inc.))、およびATPと共に、適切なアッセイバッファー中にてインキュベートした(表1)。反応を、700rpmのプレートシェーカー上、室温にて3時間(FGFR3)、1時間(VEGFR2、PDGFR‐ベータ)進行させ、その後、35mM EDTA、pH8(FGFR3、VEGFR2)または55mM EDTA、pH8(PDGFR‐ベータ)により反応停止させた。次に、5×の検出ミックス(FGFR3用として、50mM HEPES pH7.5、0.1% BSA、11.34nM Eu‐抗‐pY(PY20)(パーキンエルマー(PerkinElmer))、74nM SA‐XL665(シスビオ(Cisbio))、VEGFR2用として、50mM HEPES,pH7.5,0.1% BSA、11.34nM Eu‐抗‐pY(PY20)、187.5nM SA‐XL665、およびPDGFR‐ベータ用として、50mM HEPES、pH7.5、0.1% BSA、11.34nM Eu‐抗‐pY(PT66)(パーキンエルマー)、375nM SA‐XL665(シスビオ))を各ウェルに添加し、プレートを密封し、700rpmのプレートシェーカー上、室温にて1時間インキュベートした。次に、このプレートをPackard FusionプレートリーダーまたはBMG Pherastar上にて、いずれもTRFモードで読み取った。
Figure 0005718897
キナーゼアッセイバッファーは、以下の通りとした:
A: 50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0.01% TritonX‐100
B: 50mM HEPES pH7.5、6mM MnCl、1mM DTT、0.01% TritonX‐100、0.1mM オルソバナジウム酸ナトリウム
C: 20mM HEPES pH 7.5、10mM MnCl、0.01% TritonX‐100、1mM DTT、0.1mM オルソバナジウム酸ナトリウム
上記アッセイにおける本発明の化合物に対するFGFR3およびVEGFR2のデータを、表A3に示す。
FGFR1、FGFR2、FGFR4、VEGFR1、およびVEGFR3のインビトロキナーゼ阻害活性アッセイ
FGFR1、FGFR2、FGFR4、VEGFR1、およびVEGFR3に対する阻害活性は、アップステートディスカバリー社(Upstate Discovery Ltd.)で測定することができる。酵素を、酵素バッファー中(20mM MOPS、pH7.0、1mM EDTA、0.1% B‐メルカプトエタノール、0.01% Brij‐35、5% グリセロール、1mg/ml BSA)、10×の最終濃度で調製する。次に、酵素を、アッセイバッファー中、表に示すように種々の基質および33P‐ATP(約500cpm/pmol)と共にインキュベートする。反応は、Mg/ATPの添加によって開始させる。反応を室温にて40分間進行させ、その後、5μlの3% リン酸溶液により反応停止させる。10μlの反応混合物を、フィルターマットAまたはP30フィルターマットのいずれかへ移し、75mM リン酸で3回、メタノールで1回洗浄し、その後、乾燥させてシンチレーションカウントに掛ける。
化合物を、以下に詳述するアッセイ試薬の濃度にて、すべてのキナーゼに対して2つの反復サンプルで試験し、コントロールと比較した活性パーセントを算出する。阻害が高い場合、IC50を決定することができる。
Figure 0005718897
酵素バッファーA: 8mM MOPS、pH7.0、0.2mM EDTA、10mM 酢酸Mg
酵素バッファーB: 8mM MOPS、pH7.0、0.2mM EDTA、2,5mM MnCl2、10mM 酢酸Mg
酵素バッファーC: 8mM Mops、pH7.0、0.2mM EDTA、10mM MnCl2、10mM 酢酸Mg
細胞に基づくpERK ELISA法
LP‐1またはJIM‐1多発性骨髄腫細胞を、ウェルあたり無血清培地200ul中、1×10細胞/mlにて96ウェルプレートに播種した。HUVEC細胞を2.5×10細胞/mlで播種し、24時間回復させた後、無血清培地へ移した。細胞を、37℃にて16時間インキュベートし、その後、試験化合物を30分間添加した。試験化合物は、0.1%の最終DMSO濃度で投与した。この30分間のインキュベーションに続いて、FGF‐1/ヘパリン(FGF‐1は100ng/mlの最終濃度、ヘパリンは100ug/ml)の混合物またはVEGF165(100ug/ml)を、さらに5分間、各ウェルへ添加した。培地を除去し、50ul ERK ELISAライシスバッファー(pERKおよび全ERK用、R and D Systems DuoSet ELISA #DYC‐1940E、DYC‐1018E)を添加した。ELISAプレートおよび標準を、標準的なDuoSetプロトコルに従って調製し、標準曲線に従って、全ERKに対するpERKの相対量を各サンプルについて算出した。
特に、本発明の化合物は、ヒト多発性骨髄腫由来のLP‐1細胞株(DSMZ no.:ACC41)に対して試験した。
HUVEC細胞に基づく選択性アッセイ
HUVEC細胞を、1×10細胞/ウェルにて6ウェルプレートに播種し、24時間回復させる。これらを無血清培地へ移し、16時間後、0.1%の最終DMSO濃度にて試験化合物で30分間処理する。化合物のインキュベーションに続いて、FGF‐1(100ng/ml)およびヘパリン(100ug/ml)、またはVEGF165(100ng/ml)を5分間添加する。培地を除去し、氷冷したPBSで細胞を洗浄し、100ul TGライシスバッファー(20mM Tris、130nM NaCl、1% Triton‐X‐100、10% グリセロール、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害薬、pH7.5)中に溶解する。等量のタンパク質を含有するサンプルをLDSサンプルバッファーで調製し、SDS PAGEを行い、続いて、ホスホ‐FGFR3、ホスホ‐VEGFR2、およびホスホ‐ERK1/2を含む数多くの下流VEGFRおよびFGFR経路標的についてウェスタンブロッティングを行う。次に、ウェスタンブロットを、目視検査またはデンシトメトリーによって解析することができる。
Ba/F3‐TEL‐FGFR3およびBa/F3(WT)細胞増殖アッセイ
安定にトランスフェクトされたBa/F3‐TEL‐FGFR3細胞を、10% FBSおよび0.25mg/ml G418を含有するRPMI培地中、5×10細胞/ウェルの密度で(ウェルあたり200μl)、底部が透明のブラック96ウェル組織培養プレートへ播種した。野生型Ba/F3親細胞(DSMZ no.:ACC300)を、10% FBSおよび2ng/ml マウスIL‐3(R&Dシステムズ)を含有するRPMI培地中、2.5×10細胞/ウェルの密度で(ウェルあたり200μl)、底部が透明のブラック96ウェル組織培養プレートへ播種した。プレートを一晩インキュベーター内に配置し、翌日、化合物を添加した。化合物の希釈は、10mMから開始してDMSOで行い、アッセイでは、ウェル中で希釈して、0.1%の最終DMSO濃度とした。化合物を細胞上に72時間維持し、その後プレートをインキュベーターから取り出して、20μlのAlamar Blue(商標)(バイオソース(Biosource))を各ウェルに添加した。プレートを4〜6時間インキュベーター内に配置し、その後Fusionプレートリーダー(パッカード(Packard))上で535nm(励起)/590nm(発光)にて読み取りを行った。阻害が高い場合、IC50を決定することができる。
上記のアッセイにおける本発明の化合物のデータを、表A3に示す。
高血圧症のインビボモデル
小分子阻害薬の考え得る高血圧性効果を測定するための数多くの動物モデルが存在する。これらは、間接測定および直接測定という2つの種類に大きく分類することができる。最も一般的な間接法は、カフ法(cuff technique)である。このような方法は、非侵襲性であるという利点を有し、従って、実験動物のより大きなグループに適用することができる反面、そのプロセスは、断続的な血圧の測定しか可能ではなく、何らかの方法で動物を拘束する必要がある。拘束を施すことは、動物にストレスを与えかねず、そのことは、特定の薬物効果に帰することができる血圧の変化を取り出すことが困難となり得ることを意味している。
直接法としては、無線テレメトリー技術を利用するもの、または外部搭載トランスデューサーに接続した留置カテーテルを介するものが挙げられる。このような方法は、インプランテーションを含む最初の外科手術において高いレベルの技術的専門知識を必要とし、高いコストを要する。しかし、重要な利点は、これらに方法によると、実験期間を通して、拘束することなく連続的な血圧のモニタリングが可能であるということである。これらの方法は、Kurz et al. (2005), Hypertension. 45, 299-310にレビューされている。
hERG活性
hERG Kイオンチャネルに対する式(I)の化合物の活性は、M.H. Bridgland-Taylor et al., Journal of Pharmacological and Toxicological Methods, 54 (2006), 189-199の論文に記載のアッセイを用いて測定することができる。このIonWorks(商標)HT hERGスクリーニングアッセイは、アップステート(ミリポア(Millipore))により、PrecisION(商標) hERG‐CHO細胞株を用いて商業的に実施されている。
チトクロムP450に対する効力の測定
チトクロムP450(CYP450)酵素1A2、2C9、2C19、3A4、および2D6に対する式(I)の化合物の効力は、インビトロジェン(Invitrogen)(ペイズリー,英国)から入手可能であるPan Vera Vivid CYP450スクリーニングキットを用いて測定することができる。CYP450は、CYP450およびNADPHレダクターゼを含有するbaculosomesの形態で供給され、用いられる基質は、蛍光Vivid基質である。最終反応混合物は以下の通りである:
1A2
100mM リン酸カリウム、pH8、1% アセトニトリル、2μM 1A2青色vivid基質、100μM NADP、4nM CYP450 1A2、2.66mM グルコース‐6‐リン酸、0.32U/ml グルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
2C9
50mM リン酸カリウム、pH8、1% アセトニトリル、2μM 緑色vivid基質、100μM NADP、8nM CYP450 2C9、2.66mM グルコース‐6‐リン酸、0.32U/ml グルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
2C19
50mM リン酸カリウム、pH8、1% アセトニトリル、8μM 青色vivid基質、100μM NADP、4nM CYP450 2C19、2.66mM グルコース‐6‐リン酸、0.32U/ml グルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
3A4
100mM リン酸カリウム、pH8、1% アセトニトリル、10μM 3A4青色vivid基質、100μM NADP、2.5nM CYP450 3A4、2.66mM グルコース‐6‐リン酸、0.32U/ml グルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
2D6
100mM リン酸カリウム、pH8、1% アセトニトリル、5μM 2D6青色vivid基質、100μM NADP、16nM CYP450 2D6、2.66mM グルコース‐6‐リン酸、0.32U/ml グルコース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ
蛍光は、モレキュラーデバイス Gemini蛍光プレートリーダー上、30秒間隔で20分間モニタリングを行う。励起および発光波長は、1A2、2C19、および3A4に対しては390nmおよび460nmであり、2D6に対しては390nmおよび485nmであり、2C9に対しては485nmおよび530nmである。初期速度は、進行曲線から決定する。
試験化合物をメタノールまたはアセトニトリルで調製し、10μMの濃度にて、CYP450に対して試験を行う。
Figure 0005718897
Figure 0005718897
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Claims (20)

  1. 式(I)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、互変異性体、N‐オキシドもしくは溶媒和物:
    Figure 0005718897
    〔式中、
    、X、およびXは、各々独立して、炭素または窒素から選択されるが、但しX〜Xの少なくとも1つは窒素を表し;
    は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し;
    は、CR、窒素、NH、またはC=Oを表し;
    但し、X〜Xの3つ以下は、窒素を表し;
    Figure 0005718897
    は、単結合または二重結合を表すが、但し、XがC=Oを表す場合、XとXは単結合で結合されており、および5員環系内の少なくとも一つの結合は、二重結合であり;
    は、水素、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、C3‐6シクロアルキル、C3‐6シクロアルケニル、シアノ、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、アミノ、または−C1‐6アルキルアミノを表し;
    は、ハロゲン、水素、C1‐6アルキル、C1‐6アルコキシ、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、−C≡N、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−NHSO、−CH=N−OR、または3〜6員環単環式ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルコキシ、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよく;
    Aは、1、2、または3つのR基によって置換されていてもよい、芳香族もしくは非芳香族のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基を表し;
    は、−NHCONR、−NHCOOR、−NH−CO−(CH−NR、−NH−(CH−CONR、−NH−CO−(CH−COOR、−NH−CO−(CH−CSOR、−NHSO、−NHSONR、−NHCSNR、−NHCOR、−NHCSR、−NHCSSR、−NHC(=NR)NR、−NHC(=N−CN)NR、−NHC(=NR)R、−NH−C(=NH)−NH−CO−R、−NHCSOR、−NHCOSR、またはNH−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記ヘテロシクリル基は、チアジアゾリルまたはオキサジアゾリルを表し、前記ヘテロシクリル基は、1、2、または3つのR基によって置換されていてもよく;
    およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、C1‐6アルカノール、ハロC1‐6アルキル、−(CH−NR、−(CH−COOR、−(CH−O−(CH−OH、−(CH−アリール、−(CH−O−アリール、−(CH−ヘテロシクリル、または−(CH−O−ヘテロシクリルを表し、ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1、2、または3つのR基によって置換されていてもよく;
    、R、およびRは、独立して、水素、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C1‐6アルカノール、−COOC1‐6アルキル、ヒドロキシ、C1‐6アルコキシ、ハロC1‐6アルキル、−(CH−OH、−(CH−O−C1‐6アルキル、−CO−(CH−C1‐6アルコキシ、−(CH−CN、−C1‐6アルキルアミノ、−C1‐6アルキル−N(C1‐6アルキル)、−C1‐6アルキル−NH(C1‐6アルキル)、−(CH−C3‐8シクロアルキル、アミノ、−アミノC1‐6アルキル、−アミノ(C1‐6アルキル)、−(CH−NH−SO−N(C1‐6アルキル)、−(CH−N(C1‐4アルキル)−SO−N(C1‐6アルキル)、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−N(C1‐6アルキル)、−(CH−C3‐8シクロアルケニルを表すか、または、窒素もしくは炭素原子と結合する場合、RおよびRは、環を形成してよく;
    は、−CR=N−OR基を表し;
    は、水素またはRを表し、R は、−(CH−O−R、−(CH−NRまたは−(CH−NR−(CH−SOを表し;
    あるいは、Rは−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表し、かつ、Rは水素またはRを表し、あるいは、Rは水素またはRを表し、かつ、Rは−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は、1、2、または3つのR基によって置換されていてもよく;
    は、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−OR、−(CH−O−R、−O−(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、−Si(R、−(CH−CN、−S−R、−SO−R、−SO−R、−COR、アリール、ヘテロシクリル基、−(CR−COOR、−(CR−CONR、−(CH−NR、−(CH−NRCOR、−(CH‐NR−(CH−SO−R、−NR−(CH−R、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−NR、−(CH−NR−(CH−O−C(=O)−R、−(CR)−O−C(=O)−R、−(CH−NH−SO−NR、−OCONR、−(CH−NRCO、−O−(CH−CR−(CH−OR、−(CH−SONR、または−NH−C(=NH)−NHの基を表し;ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基は、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよく;
    は、−Q−R基、または−Y−カルボシクリルもしくは−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は、1、2、または3つのR基によって置換されていてもよく;
    YおよびZは、独立して、直接結合、−CO−(CR−、−(CR−CO−、−COO−、−(CR−、−NR−(CR−、−(CR−NR−、−CONR−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−NRCONR−、−NRCSNR−、−O−(CR−、−(CR−O−、S−、−SO−、または−(CR−SO−を表し;
    Qは、NR、S(O)、または直接結合を表し;
    mおよびnは、独立して、1〜4の整数を表し;
    sおよびtは、独立して、0〜4の整数を表し;
    qは、0〜2の整数を表す〕。
  2. Aが、1もしくは2つ以上のR基で置換されていてもよいフェニル基を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. Aが、3位において1もしくは2つ以上のR基で置換されていてもよいフェニル基を表す、請求項2に記載の化合物。
  4. Aが、無置換フェニルを表す、請求項2に記載の化合物。
  5. が、−NHCONRを表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. が、−NHCONHCHCFを表す、請求項5に記載の化合物。
  7. および/またはRがRを表し、Rが−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、該カルボシクリルおよびヘテロシクリル基が、1、2、または3つのR基によって置換されており、Rが、ハロゲン、C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、−OR、−(CH−O−R、−O−(CH‐OR、ハロC1‐6アルキル、ハロC1‐6アルコキシ、C1‐6アルカノール、=O、=S、ニトロ、−Si(R、−(CH−CN、−S−R、−SO−R、−SO−R、アリール、ヘテロシクリル基、−(CR−CONR、−(CH−NR、−(CH−NRCOR、−(CH‐NR−(CH−SO−R、−NR−(CH−R、−(CH−O−C(=O)−C1‐4アルキル−NR、−(CH−NR−(CH−O−C(=O)−R、−(CR)−O−C(=O)−R、−(CH−NH−SO−NR、−OCONR、−(CH−NRCO、−O−(CH−CR−(CH−OR、−(CH−SONR、または−NH−C(=NH)−NHを表し;ここで、前記C1‐6アルキル、C2‐6アルケニル、C2‐6アルキニル、C3‐8シクロアルキル、C3‐8シクロアルケニル、アリール、およびヘテロシクリル基が、1もしくは2つ以上のR基によって置換されていてもよい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. が−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表し、かつ、Rが水素またはRを表し、あるいは、Rが水素またはRを表し、かつ、Rが−Y−カルボシクリルまたは−Z−ヘテロシクリル基を表す、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  9. (i)Rが、水素を表し、R が:
    −(CH−O−R
    −(CH−NR;または
    −(CH−NR−(CH−SO
    を表すか、あるいは、
    (ii)R がC 1‐6アルキルを表し、およびRが、−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記へテロシクリル基は、1、2、または3つのR基で置換されていてもよいか、あるいは、
    (iii)Rが、−Y−カルボシクリル基を表し、Rが、水素を表すか、あるいは、
    (iv)Rが、−Y−カルボシクリル基を表し、R、C 1‐6アルキルまたは−(CH−O−Rを表す、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  10. が、水素を表し、Rが、−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記へテロシクリル基は、1、2、または3つのR基で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
  11. が、水素を表し、Rが、−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記へテロシクリル基は、1、2、または3つのC1‐6アルキル、−O−R、−(CH−O−R、−(CH−SO−NR、−(CHNR、または−NH−C(=NH)−NH基で置換されていてもよい、請求項10に記載の化合物。
  12. Zが、直接結合、−(CR、−(CR−NR、または−(CR−CO−を表す、請求項10または11に記載の化合物。
  13. が、−(CR−ヘテロシクリルであり、ここで、前記へテロシクリル基は、窒素含有へテロシクリル基である、請求項10または11に記載の化合物。
  14. (i)R がC 1‐6アルキルを表し、およびRが、−Z−ヘテロシクリル基を表し、ここで、前記へテロシクリル基は、1、2、または3つのR基で置換されていてもよく、Zが、−(CRを表すか、あるいは、
    (ii)Rが、−Y−カルボシクリル基を表し、Rが、水素を表し、Yが、直接結合または−(CR−であるか、あるいは、
    (iii)Rが、−Y−カルボシクリル基を表し、R、C 1‐6アルキルまたは−(CH−O−Rを表し、Yが、直接結合または−(CR−を表す、
    請求項9に記載の化合物。
  15. 〜Xが、以下の環系:
    Figure 0005718897
    で定められる、請求項1に記載の化合物。
  16. 以下の化合物:
    Figure 0005718897
    Figure 0005718897
    Figure 0005718897
    Figure 0005718897
    Figure 0005718897
    Figure 0005718897
    Figure 0005718897
    から選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を含んでなる、医薬組成物。
  19. 多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害、子宮内膜癌、前立腺癌、膀胱癌、肺癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、および口腔扁平上皮癌から選択される疾患状態もしくは病状の予防または治療に用いるための、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 癌の予防または治療に用いるための、請求項18に記載の医薬組成物。
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