JP5595318B2 - 単結晶引上装置及び単結晶引き上げ方法 - Google Patents

単結晶引上装置及び単結晶引き上げ方法 Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によって単結晶を育成しながら引き上げる単結晶引上装置及び単結晶引き上げ方法に関する。
シリコン単結晶の育成に関し、CZ法が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容されたシリコンの溶融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、この種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることによって、種結晶の下端に単結晶を形成していくものである。
前記CZ法による単結晶育成工程においては、単結晶に所定の抵抗率を与えるために、ルツボ内のシリコン溶融液にドーパント不純物(添加剤)を添加するドーピング処理が行われる。従来、このドーピング処理の方法としては、ドーパント不純物として砒素やアンチモン等の微量元素を石英ガラスルツボ内のシリコン融液に直接的に添加することによって行われている。具体的には、例えば特許文献1に示されるように、ドーピング用の微量元素を粒状にしたものを落下させてシリコン融液中に投入することにより行われている。
ところで、シリコン溶融液への添加物として揮発性の高いドーパント不純物を使用した場合、予め設定された引上速度で単結晶を育成し、シーケンシャル制御に従い炉内圧力を変化させ、結晶内の成長軸方向の抵抗率分布を制御することが行われている。
具体的には、炉内圧力を単結晶の成長(引上経過時間)に合わせて予め設定された圧力値に変化させ、結晶中のドーパント不純物が高濃度とならないようにし、結晶の乱れを抑制することにより結晶の収率を向上させている。
特開2010−64930号公報
しかしながら、実際には、結晶の育成速度は、様々な条件(種結晶をシリコンの溶融液の表面に接触させる際の溶融液の表面温度の変化、ルツボの肉厚変化、ホットゾーンの放射率、ヒータの経時変化等)により操業毎にばらつくことがあった。
即ち、結晶の引上速度を同一設定としても、その育成速度がそれぞれ異なる場合があり、結果的に単位時間あたりの蒸発量が変化し、炉内圧力のシーケンシャル制御を行っても、結晶長さ方向の抵抗率分布が大きくばらつくという課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、ルツボ内のシリコン溶融液にドーパント不純物を添加し、チョクラルスキー法によって前記ルツボからシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、結晶の長さ方向に沿った抵抗率分布のばらつきを抑制することのできる単結晶引上装置及び引き上げ方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するためになされた、本発明に係る単結晶引上装置は、ルツボ内のシリコン溶融液にドーパント不純物を添加し、前記ルツボからチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる単結晶引上装置であって、前記ルツボを収容する炉体内に導入された不活性ガスを所定の排気速度で排気する排気手段と、前記排気手段の排気速度を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、単結晶の直胴部の育成工程において、所定の計測期間に育成された直胴部の結晶径平均値を算出する結晶径算出手段と、前記所定の計測期間における引上速度平均値を算出する引上速度算出手段と、前記結晶径算出手段が算出した結晶径平均値と、前記引上速度算出手段が算出した引上速度平均値とから、前記シリコン溶融液中のドーパント不純物の必要蒸発速度を算出する蒸発速度算出手段と、前記蒸発速度算出手段が算出したドーパント不純物の必要蒸発速度から、炉体内の必要な圧力を算出する炉内圧力算出手段と、前記炉内圧力算出手段が算出した炉体内の必要な圧力から、炉体内から排気する不活性ガスの排気速度を算出する排気速度算出手段とを有し、前記排気手段に、前記排気速度算出手段が算出した排気速度に従って排気させる単結晶引上装置であって、前記シリコン溶融液中のドーパント不純物の蒸発速度をE(cm/sec)、抵抗率傾きをm、実効偏析係数をK eff 、結晶の自由表面積をA(cm )、結晶単位体積が固化する時間をR(sec/cm )、炉内圧力をPR(Torr)としたとき、前記蒸発速度算出手段により、前記ドーパント不純物の必要蒸発速度は、下記式(1)によって算出され、前記炉内圧力算出手段により、前記炉体内の必要な圧力は、下記式(2)により算出されることに特徴を有する。
Figure 0005595318
ここで、前記排気手段は、前記炉体内の雰囲気を排気する真空ポンプであって、前記真空ポンプの排気速度を決定するための電力の周波数をF(Hz)としたとき、前記排気速度算出手段により、前記排気速度を決定する前記周波数は、下記式(3)により算出されることが望ましい。
Figure 0005595318
或いは、前記排気手段は、排気口の開効率により制御するスロットルバルブであって、前記開効率をX(%)としたとき、前記排気速度算出手段により、前記炉体内から排気する不活性ガスの排気速度を決定する前記開効率は、下記式(4)により算出されることが望ましい。
Figure 0005595318
また、前記制御手段は、単結晶の直胴部の育成工程において、前記計測期間を複数回設定すると共に、各計測期間において排気速度が算出される度に、その排気速度に従って、前記排気手段により排気させることが望ましい。
このような構成によれば、単結晶育成の各工程を予め設定された操業条件(引上速度)で単に引き上げるではなく、実際の育成速度に応じて炉内雰囲気の排気速度(炉内圧力)を調整し、シリコン溶融液からのドーパント蒸発速度にフィードバックすることができる。このとき制御されるドーパント不純物の蒸発速度は、結晶中のドーパント濃度と固化率との関係(抵抗率傾き)を一定に保持するために必要な値であり、結晶長さ方向のドーパント濃度、即ち抵抗率分布を均一にすることができる。
また、前記課題を解決するためになされた、本発明に係る単結晶引上方法は、ルツボを収容する炉体内に導入された不活性ガスを、所定の排気速度で排気すると共に、ルツボ内のシリコン溶融液にドーパント不純物を添加し、前記ルツボからチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、単結晶の直胴部の育成工程において、所定の計測期間に育成された直胴部の結晶径平均値を算出するステップと、前記所定の計測期間における引上速度平均値を算出するステップと、前記結晶径算出手段が算出した結晶径平均値と、前記引上速度算出手段が算出した引上速度平均値とから、前記シリコン溶融液中のドーパント不純物の必要蒸発速度を算出するステップと、前記蒸発速度算出手段が算出したドーパント不純物の必要蒸発速度から、炉体内の必要な圧力を算出するステップと、前記炉内圧力算出手段が算出した炉体内の必要な圧力から、炉体内から排気する不活性ガスの排気速度を算出するステップと、前記算出された排気速度に従って炉体内の排気を行うステップとを含む単結晶引上方法であって、前記シリコン溶融液中のドーパント不純物の蒸発速度をE(cm/sec)、抵抗率傾きをm、実効偏析係数をKeff、結晶の自由表面積をA(cm )、結晶単位体積が固化する時間をR(sec/cm )、炉内圧力をPR(Torr)としたとき、前記ドーパント不純物の必要蒸発速度は、下記式(1)によって算出され、前記炉体内の必要な圧力は、下記式(2)により算出されることに特徴を有する。
Figure 0005595318
ここで、前記炉体内の雰囲気は、真空ポンプによって排気され、前記真空ポンプの排気速度を決定するための電力の周波数をF(Hz)としたとき、前記排気速度を決定する前記周波数は、下記式(3)により算出されることが望ましい。
Figure 0005595318
或いは、前記炉体内から排気する不活性ガスの排気速度は、スロットルバルブの開効率により制御され、前記開効率をX(%)としたとき、前記炉体内から排気する不活性ガスの排気速度を決定する前記開効率は、下記式(4)により算出されることが望ましい。
Figure 0005595318
また、単結晶の直胴部の育成工程において、前記計測期間を複数回設定すると共に、各計測期間において排気速度が算出される度に、その排気速度に従って、前記排気手段により排気させることが望ましい。
このような方法によれば、単結晶育成の各工程を予め設定された操業条件(引上速度)で単に引き上げるではなく、実際の育成速度に応じて炉内雰囲気の排気速度(炉内圧力)を調整し、シリコン溶融液からのドーパント蒸発速度にフィードバックすることができる。このとき制御されるドーパント不純物の蒸発速度は、結晶中のドーパント濃度と固化率との関係(抵抗率傾き)を一定に保持するために必要な値であり、結晶長さ方向のドーパント濃度、即ち抵抗率分布を均一にすることができる。
本発明によれば、ルツボ内のシリコン溶融液にドーパント不純物を添加し、チョクラルスキー法によって前記ルツボからシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、結晶の長さ方向に沿った抵抗率分布のばらつきを抑制することのできる単結晶引上装置及び引き上げ方法を得ることができる。
図1は、本発明に係る単結晶引上装置の全体構成を示すブロック図である。 図2は、図1の単結晶引上装置による単結晶引上工程の流れを示すフローである。 図3は、本発明に係る実施例1の実験結果を示し、結晶長さ方向の抵抗率分布を示すグラフである。 図4は、従来方法に係る比較例1の実験結果を示し、結晶長さ方向の抵抗率分布を示すグラフである。 図5は、本発明に係る実施例1の実験結果を示し、固化率に対する無転位化率を示すグラフである。 図6は、従来方法に係る比較例1の実験結果を示し、固化率に対する無転位化率を示すグラフである。
以下、本発明に係る単結晶引上装置及び単結晶引上方法の実施形態について図面に基づき説明する。図1は本発明に係る単結晶引上装置1の全体構成を示すブロック図である。
この単結晶引上装置1は、円筒形状のメインチャンバ2aの上にプルチャンバ2bを重ねて形成された炉体2と、炉体2内に設けられたルツボ3と、ルツボ3に装填された半導体原料(原料ポリシリコン)Mを溶融するヒータ4と、育成される単結晶Cを引上げる引上げ機構5とを有している。尚、ルツボ3は、二重構造であり、内側が石英ガラスルツボ、外側が黒鉛ルツボで構成されている。
また、引上げ機構5は、モータ駆動される巻取り機構5aと、この巻取り機構5aに巻き上げられる引上げワイヤ5bを有し、このワイヤ5bの先端に種結晶Pが取り付けられている。
また、プルチャンバ2bの上部には、炉体2内に所定の不活性ガス(本実施形態ではArガスGとする)を導入するためのガス導入口18が設けられ、メインチャンバ2bの底部には炉体2内に導入されたガスを排出するガス排出口19が設けられている。
前記ガス導入口18には、バルブ25を介してArガス供給源26が接続されている。
一方、前記ガス排出口19は、ガス流量を調整するためのバルブ20を介して真空ポンプ21(排気手段)に繋がれている。前記真空ポンプ21はインバータ回路を有し、ポンプを駆動するモータの回転数がコンピュータ8の演算制御装置8b(制御手段)によって制御される構成となっている。
したがって、バルブ20が開かれた状態で真空ポンプ21が駆動されることによって、ガス導入口18からガス排出口19に向かうArガスGの流れ(即ち、炉体2内を上方から下方に向かう所定流量のガス流)が形成される。
また、メインチャンバ2a内において、ルツボ3の上方且つ近傍には、炉内のガス流を整流するための輻射シールド6が設けられている。この輻射シールド6は、単結晶Cの周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成され、育成中の単結晶Cにヒータ4等からの余計な輻射熱を遮蔽する。尚、輻射シールド6下端と溶融液面との間の距離寸法(ギャップ)は、育成する単結晶の所望の特性に応じて所定の距離を維持するよう制御される。
また、炉体2内には、炉内圧力を検出する圧力センサ14が設けられ、検出した値をコンピュータ8の演算制御装置8bに出力するようになされている。
更に炉体2の外側には、育成される単結晶Cに向けてCCDカメラ等からなる撮像装置23が設置され、演算制御装置8bは、この撮像装置23により撮像された画像に基づき、単結晶Cの直径を測定するようになされている。
また、図1に示すように単結晶引上装置1は、シリコン溶融液Mの温度を制御するヒータ4の供給電力量を制御するヒータ制御部9と、ルツボ3を回転させるモータ10と、モータ10の回転数を制御するモータ制御部10aとを備えている。
また、ルツボ3の高さを制御する昇降装置11と、昇降装置11を制御する昇降装置制御部11aと、成長結晶の引上げ速度と回転数を制御するワイヤリール回転装置制御部12とを備えている。これら各制御部9、10a、11a、12はコンピュータ8の演算制御装置8bに接続されている。
また、コンピュータ8の記憶装置8aには、単結晶育成の各工程を実行させるための単結晶育成プログラムPが記憶されている。
この単結晶育成プログラムPは、単結晶育成の各工程を予め設定された操業条件で単に引き上げるのではなく、実際の育成速度に応じて炉内雰囲気の排気速度(圧力)を調整し、シリコン溶融液Mからのドーパント蒸発速度を制御するためのプログラム構成となされている。
また、記憶装置8aには、前記単結晶育成プログラムPが利用する演算式として、ドーパント不純物の蒸発速度E(cm/sec)と、結晶の自由表面積A(cm)、結晶単位体積が固化する時間R(sec/cm )との相関式である式(1)が記憶されている。尚、結晶の自由表面積A、及び結晶単位体積が固化する時間Rは、結晶径と引上速度とにより求められるため、式(1)は、ドーパント不純物の蒸発速度Eと結晶径と引上速度との相関式といえる。
また、式(1)において、mは抵抗率傾きであり、Keff−1<m<0の範囲で予め設定された設計値である。Keffは実効偏析係数である。
Figure 0005595318
この式(1)は、BPS(Burton,Prim,Slichter)理論(角野浩二、「半導体の結晶欠陥制御の科学と技術」−シリコン編、サイエンスフォーラム、p.129)に基づく下記の式(5)から得られた式である。
式(5)は、結晶中のドーパント濃度C(atoms/cm)を求める式であって、CL0(atoms/cm)はシリコン溶融液中の初期ドーパント濃度、Keffは実効偏析係数、E(cm/sec)はドーパント不純物の蒸発速度、Aは自由表面積(cm)、R(sec/cm )は結晶単位体積が固化する時間、gは固化率である。
Figure 0005595318
この式(5)の両辺の対数をとれば、Keff+E・A・R−1が、ドーパント濃度Cと固化率gの関係の傾きとなる。ここで、Keff+E・A・R−1=mとすると、傾きmが常に設計通りであれば、結晶長さ方向の抵抗率分布(ドーパント不純物の濃度)は常に同じとなる。
即ち、ドーパント不純物の蒸発速度Eが、式(1)を満足することにより、抵抗率のばらつきを抑制することができる。
また、記憶装置8aには、前記単結晶育成プログラムPが利用する演算式として、シリコン溶融液中のドーパント不純物の蒸発速度Eと炉内圧力PRとの相関式である下記の式(2)が記憶されている。
この式(2)は、予備の引上試験、或いは実操業における測定データから求められる。
Figure 0005595318
更に、記憶装置8aには、前記単結晶育成プログラムPが利用する演算式として、炉内の排気速度と炉内圧力との相関式である下記の式(3)が記憶されている。
尚、炉内の排気速度は、真空ポンプ21のインバータ回路による供給電力の周波数F(Hz)により制御されるため、式(3)は前記周波数Fと炉内圧力PRとの相関式となる。
この式(3)は、予め操業条件に従い炉体2内にArガスGを流し、炉内圧を圧力センサ14が検出することによって求められる。
Figure 0005595318
このように構成された単結晶引上装置1においては、前記単結晶育成プログラムPが実行され、次のように単結晶育成が行われる。
先ず、バルブ20、25が開かれ、演算制御装置8bの指令により真空ポンプ21が駆動される。これにより、炉体2内には、ガス導入口18からガス排出口19に向けて(即ち上方から下方に向けて)、ArガスGのガス流が形成され、所定の雰囲気が形成される(図2のステップS1)。
そして、演算制御装置8bの指令によりヒータ制御部9が作動し、これによりヒータ4が加熱され、ルツボ3内において原料ポリシリコンMが溶融される(図2のステップS2)。また、ルツボ3内のシリコン溶融液Mに、所定量のドーパント不純物(例えば、赤燐、砒素、アンチモンドープ等のいずれか)が投入される。
さらに、演算制御装置8bの指令によりモータ制御部10aと昇降装置制御部11aとが作動し、ルツボ3が所定の高さ位置において所定の回転数で回転動作される(図2のステップS3)。
次いで、演算制御装置8bの指令により、ワイヤリール回転装置制御部12が作動し、巻取り機構5aが作動してワイヤ5bが降ろされる。そして、ワイヤ5bに取付けられた種結晶Pがシリコン溶融液Mに接触され、種結晶Pの先端部を溶解するネッキングが行われてネック部の形成が開始される(図2のステップS4)。
また、ネック部が所定長さまで育成されると、演算制御装置8bの指令によりヒータ4への供給電力や、引上げ速度(通常、毎分数ミリの速度)などをパラメータとして引上げ条件がさらに調整され、製品部分となる単結晶Cの育成が行われる。
即ち、クラウン部が形成され(図2のステップS5)、続けて直胴部の形成工程に移行する(図2のステップS6)。
直胴部の形成工程が開始され、所定の計測期間(例えば5〜30分の間で設定された時間)が経過すると(図2のステップS7)、演算制御装置8bは、引上速度算出手段として機能し、前記計測期間における引上速度平均値を算出する(図2のステップS8)。
また、演算制御装置8bは、結晶径算出手段として機能し、撮像装置23が撮像した画像から単結晶Cの直径を測定すると共に、前記計測時間における結晶径平均値を算出する(図2のステップS9)。
演算制御装置8bは、前記結晶径平均値と前記引上速度平均値とから、結晶単位体積が固化する時間R、結晶の自由表面積Aを算出する。更には、前記実績引上速度平均値から実効偏析係数Keffを算出する。
そして、演算制御装置8bは、蒸発速度算出手段として機能し、前記式(1)に、前記算出された、結晶単位体積が固化する時間R、結晶の自由表面積A、実効偏析係数Keffを代入することによって、ドーパント不純物の必要蒸発速度Eを算出する(図2のステップS10)。
ステップS10により、必要蒸発速度Eが求められると、演算制御装置8bは、炉内圧力算出手段として機能し、前記式(2)に前記必要蒸発速度Eを代入し、炉体2内に必要な圧力値を算出する(図2のステップS11)。
更に、演算制御装置8bは、排気速度算出手段として機能し、前記式(3)に前記算出された必要な圧力値を代入し、必要な排気速度を算出する(図2のステップS12)。
必要な排気速度が得られると、演算制御装置8bは、その排気速度で炉体2内の排気を行うよう真空ポンプ21を制御する(図2のステップS13)。
そして、直胴部の形成が完了するまで、ステップS7からステップS13の工程が複数回繰り返される(図2のステップS14)。
直胴部の育成が完了すると、単結晶育成プログラムPに従い、テール工程(図2のステップS15)が行われ、育成された単結晶Cは最後に炉体2内の上部まで引上げられる。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、単結晶育成の各工程を予め設定された操業条件(引上速度)で単に引き上げるではなく、実際の育成速度に応じて炉内雰囲気の排気速度(炉内圧力)を調整し、シリコン溶融液Mからのドーパント蒸発速度にフィードバックする構成となされている。
このとき制御されるドーパント不純物の蒸発速度は、ドーパント濃度Cと固化率gとの関係(抵抗率傾き)を一定に保持するために必要な値であるため、結晶長さ方向のドーパント濃度、即ち抵抗率分布を均一にすることができる。
尚、前記実施の形態においては、炉内排気を行う排気手段として、真空ポンプ21を例に説明したが、それに限定されるものではない。例えば、排気手段として、スロットルバルブを設け、その開効率を制御して実効排気速度を変化させるようにしてもよい。
また、その場合、前記開効率をX(%)としたとき、前記開効率は、下記式(4)により算出すればよい。
Figure 0005595318
本発明に係る単結晶引上装置及び単結晶引き上げ方法について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に従い単結晶の育成工程を行い、本発明の効果を検証した。
〔実施例1〕
実施例1として、直径22インチの石英ルツボに140gのSi原料を溶融し、700gの赤燐をドーピングし、本発明の実施形態に沿って初期抵抗率1.2(mΩcm)、直胴部径200mmの単結晶育成を行った。
より具体的な実験条件として、炉内圧力を300(Torr)〜500(Torr)の範囲、引上速度を0.8(mm/min)〜0.3(mm/min)の範囲、不活性ガス(Ar)のガス流量を150(l/min)〜50(l/min)の範囲で制御した。
そして、引き上げられた複数の単結晶のうち、3本の単結晶について、その成長軸方向の抵抗率分布を測定し、12本の単結晶を標本として選び、無転位化率を測定した。
尚、抵抗率の目標値を1.2(mΩcm)とし、抵抗率許容範囲を1.2±0.1(mΩcm)とした。
〔比較例1〕
比較例1として、従来のシーケンシャル制御による単結晶育成を行った。その他の諸条件は実施例1と同一とした。
図3に実施例1における抵抗率分布、図4に比較例1における抵抗率分布を示す。図3、図4のグラフにおいて、横軸は固化率、縦軸は抵抗率(mΩcm)とする。
実施例1では、図3に示すように、いずれの単結晶も成長軸方向に沿った抵抗率は、設計値からのばらつきが小さく、狙い値である1.2±0.1(mΩcm)の範囲内に収まった。
一方、比較例1では、図4に示すように、3本中2本の単結晶について、その抵抗値は、設計値からのばらつきが大きく生じた。
また、図5に実施例1における無転位化率、図6に比較例1における無転位化率を示す。図5、図6のグラフにおいて、横軸は固化率、縦軸は転位化の度数とする。即ち、全標本を平均した固化率が高いほど、無転位化率が高いものとなる。
実施例1では、図5に示すように、平均固化率(無転位化率)は、0.843となった。一方、比較例1では、図6に示すように、平均固化率(無転位化率)は、0.7929となり、実施例1によれば無転位化率が向上することを確認した。
以上の実施例の結果から、本発明に係る単結晶引上装置及び引き上げ方法によれば、結晶の長さ方向に沿った抵抗率分布のばらつきが抑制され、生産性が向上することを確認した。
1 単結晶引上装置
2 炉体
3 ルツボ
8b 演算制御装置(制御手段)
14 圧力センサ
21 真空ポンプ(排気手段)
C 単結晶
M シリコン溶融液

Claims (8)

  1. ルツボ内のシリコン溶融液にドーパント不純物を添加し、前記ルツボからチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる単結晶引上装置であって、
    前記ルツボを収容する炉体内に導入された不活性ガスを所定の排気速度で排気する排気手段と、前記排気手段の排気速度を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    単結晶の直胴部の育成工程において、所定の計測期間に育成された直胴部の結晶径平均値を算出する結晶径算出手段と、
    前記所定の計測期間における引上速度平均値を算出する引上速度算出手段と、
    前記結晶径算出手段が算出した結晶径平均値と、前記引上速度算出手段が算出した引上速度平均値とから、前記シリコン溶融液中のドーパント不純物の必要蒸発速度を算出する蒸発速度算出手段と、
    前記蒸発速度算出手段が算出したドーパント不純物の必要蒸発速度から、炉体内の必要な圧力を算出する炉内圧力算出手段と、
    前記炉内圧力算出手段が算出した炉体内の必要な圧力から、炉体内から排気する不活性ガスの排気速度を算出する排気速度算出手段とを有し、
    前記排気手段に、前記排気速度算出手段が算出した排気速度に従って排気させる単結晶引上装置であって、
    前記シリコン溶融液中のドーパント不純物の蒸発速度をE(cm/sec)、抵抗率傾きをm、実効偏析係数をK eff 、結晶の自由表面積をA(cm )、結晶単位体積が固化する時間をR(sec/cm )、炉内圧力をPR(Torr)としたとき、
    前記蒸発速度算出手段により、前記ドーパント不純物の必要蒸発速度は、下記式(1)によって算出され、前記炉内圧力算出手段により、前記炉体内の必要な圧力は、下記式(2)により算出されることを特徴とする単結晶引上装置。
    Figure 0005595318
  2. 前記排気手段は、前記炉体内の雰囲気を排気する真空ポンプであって、
    前記真空ポンプの排気速度を決定するための電力の周波数をF(Hz)としたとき、前記排気速度算出手段により、前記排気速度を決定する前記周波数は、下記式(3)により算出されることを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上装置。
    Figure 0005595318
  3. 前記排気手段は、排気口の開効率により制御するスロットルバルブであって、
    前記開効率をX(%)としたとき、前記排気速度算出手段により、前記炉体内から排気する不活性ガスの排気速度を決定する前記開効率は、下記式(4)により算出されることを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上装置。
    Figure 0005595318
  4. 前記制御手段は、
    単結晶の直胴部の育成工程において、前記計測期間を複数回設定すると共に、各計測期間において排気速度が算出される度に、その排気速度に従って、前記排気手段により排気させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された単結晶引上装置。
  5. ルツボを収容する炉体内に導入された不活性ガスを、所定の排気速度で排気すると共に、ルツボ内のシリコン溶融液にドーパント不純物を添加し、前記ルツボからチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる単結晶引上方法であって、
    単結晶の直胴部の育成工程において、所定の計測期間に育成された直胴部の結晶径平均値を算出するステップと、
    前記所定の計測期間における引上速度平均値を算出するステップと、
    前記結晶径算出手段が算出した結晶径平均値と、前記引上速度算出手段が算出した引上速度平均値とから、前記シリコン溶融液中のドーパント不純物の必要蒸発速度を算出するステップと、
    前記蒸発速度算出手段が算出したドーパント不純物の必要蒸発速度から、炉体内の必要な圧力を算出するステップと、
    前記炉内圧力算出手段が算出した炉体内の必要な圧力から、炉体内から排気する不活性ガスの排気速度を算出するステップと、
    前記算出された排気速度に従って炉体内の排気を行うステップとを含む単結晶引上方法であって、
    前記シリコン溶融液中のドーパント不純物の蒸発速度をE(cm/sec)、抵抗率傾きをm、実効偏析係数をK eff 、結晶の自由表面積をA(cm )、結晶単位体積が固化する時間をR(sec/cm )、炉内圧力をPR(Torr)としたとき、
    前記ドーパント不純物の必要蒸発速度は、下記式(1)によって算出され、前記炉体内の必要な圧力は、下記式(2)により算出されることを特徴とする単結晶引上方法。
    Figure 0005595318
  6. 前記炉体内の雰囲気は、真空ポンプによって排気され、
    前記真空ポンプの排気速度を決定するための電力の周波数をF(Hz)としたとき、前記排気速度を決定する前記周波数は、下記式(3)により算出されることを特徴とする請求項5に記載された単結晶引上方法。
    Figure 0005595318
  7. 前記炉体内から排気する不活性ガスの排気速度は、スロットルバルブの開効率により制御され、
    前記開効率をX(%)としたとき、前記炉体内から排気する不活性ガスの排気速度を決定する前記開効率は、下記式(4)により算出されることを特徴とする請求項5に記載された単結晶引上方法。
    Figure 0005595318
  8. 単結晶の直胴部の育成工程において、前記計測期間を複数回設定すると共に、各計測期間において排気速度が算出される度に、その排気速度に従って炉体内の排気を行うことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載された単結晶引上方法。
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