JP2008189523A - 単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】全長に亘り所定濃度以上の高酸素濃度を有すると共に、面内酸素濃度分布が均一な単結晶を得ることのできる単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】単結晶Cを引き上げる際、単結晶Cと融液Mとの境界面である固液界面M2から、少なくとも所定深さd1までの融液内の領域において、単結晶の引上げ軸方向に沿って下方から上方に向かう磁場強度の減少率を、0.4ガウス/mm以上とした状態で、ルツボ3を0.2rpm〜5.0rpmの範囲の回転速度で回転させ、単結晶Cの回転方向をルツボ3の回転方向とは逆方向に8rpm以上の回転速度で回転させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によって単結晶を育成しながら引上げる単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶の育成に関し、CZ法が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容されたシリコンの溶融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、この種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることによって、種結晶の下端に単結晶を形成していくものである。
図7に示すように、従来のCZ法を用いた引上げ法は、先ず、石英ガラスルツボ51に原料ポリシリコンを装填し、ヒータ52により加熱してシリコン溶融液Mとする。しかる後、引上げ用のワイヤ50に取り付けられた種結晶Pをシリコン溶融液Mに接触させてシリコン単結晶Cを引上げる。
一般に、引上げ開始に先立ち、シリコン溶融液Mの温度が安定した後、図8に示すように、種結晶Pをシリコン溶融液Mに接触させて種結晶Pの先端部を溶解するネッキングを行う。ネッキングとは、種結晶Pとシリコン溶融液Mとの接触で発生するサーマルショックによりシリコン単結晶に生じる転位を除去するための不可欠の工程である。このネッキングによりネック部P1が形成される。また、このネック部P1は、一般的に、直径が3〜7mmで、その長さが30〜40mm以上必要とされている。
また、引上げ開始後の工程としては、ネッキング終了後、直胴部直径にまで結晶を広げた拡径部を形成するクラウン工程、製品となる単結晶(直胴部)を育成する直胴工程、直胴工程後の単結晶直径を徐々に小さくし縮径部を形成するテール工程が行われる。
ところで、このような工程を経て得られたシリコン単結晶には、石英ガラスルツボからシリコン融液に溶出した酸素が含有される。この単結晶中の酸素は、単結晶から切り出されたウエハ中においては、酸素析出物(核)からなる内部微小欠陥(BMD)として現れる。BMDは、ウエハ中に含まれる重金属汚染を、その歪み応力により捕獲するIG法(内部からの不純物ゲッタリング法)に利用できるため、ウエハ中のBMD密度は高いほうが好ましい。
BMD密度を高くするには、酸素濃度が高く均一な単結晶、好ましくは全長に亘り酸素濃度が1.0×1018atoms/cm3以上の単結晶を育成する必要がある。
単結晶の酸素濃度を高くする方法として、ルツボ内の原料融液に対し磁場を印加しつつルツボの回転数を高める方法があるが、その場合、酸素濃度の面内分布が悪化したり、結晶径の変動により有転位化を生じ易いという問題があった。
このような問題に対し特許文献1には、ルツボ内の原料融液に電磁石により水平磁場を印加しつつ、融液面に対する電磁石の上下方向位置を変更することにより酸素濃度を制御する方法が開示されている。この方法によれば、ルツボ回転数を低く抑制した状態で、酸素濃度をある程度制御することができる。
特開2004−189559号公報
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、酸素濃度を高くする場合、単に融液表面位置に対する電磁石の高さ方向位置が低くなるよう制御するものであり、酸素濃度面内分布に影響を与える融液表面近傍の磁場強度を考慮した制御を行っていない。
即ち、特許文献1に開示の方法にあっては、融液表面近傍の磁場による対流抑制効果が最適な状態から大きくずれる虞があり、その場合、所望の酸素濃度(好ましくは1.0×1018atoms/cm3)以上の単結晶が得られない上、酸素濃度面内分布が悪化するという課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、チョクラルスキー法によってルツボから単結晶を引上げる単結晶引上装置を用いた単結晶の製造方法において、全長に亘り所定濃度以上の高酸素濃度を有すると共に、面内酸素濃度分布が均一な単結晶を得ることのできる単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る単結晶の製造方法は、炉体内のルツボに溶融されたシリコン融液に磁場を印加し、チョクラルスキー法によって前記ルツボから単結晶を引上げる単結晶の製造方法であって、前記単結晶を引き上げる際、前記単結晶と前記融液との境界面である固液界面から、少なくとも所定深さまでの前記融液内の領域において、前記単結晶の引上げ軸方向に沿って下方から上方に向かう磁場強度の減少率を、0.4ガウス/mm以上とした状態で、前記ルツボを0.2rpm〜5.0rpmの範囲の回転速度で回転させ、前記単結晶の回転方向を前記ルツボの回転方向とは逆方向に8rpm以上の回転速度で回転させることに特徴を有する。
尚、前記磁場強度の減少率が制御される固液界面からの所定深さは、100mmであることが望ましい。
また、前記固液界面下のシリコン融液に印加される磁場強度が、1000G〜5000Gの範囲内であることが望ましい。
また、前記単結晶を引き上げる際、前記シリコン融液の表面高さと前記磁場を発生させる電磁石の高さとの相対位置のずれを、±10mm以内に制御することが望ましい。
このような方法によれば、固液界面下の所定深さまでの領域内における融液内の対流が適度に拡散され、その領域における融液の酸素濃度が均一になされる。
さらに、このような磁場が形成された状態で、ルツボ及び単結晶の回転数が制御されることにより固液界面下における酸素濃度が向上されると共に、単結晶引上げ工程に亘り、固液界面下の対流拡散効果が維持される。
したがって、本発明の製造方法によれば、全長に亘り高酸素濃度であって、酸素濃度面内分布が均一な単結晶を得ることができる。
本発明によれば、チョクラルスキー法によってルツボから単結晶を引上げる単結晶引上装置を用いた単結晶の製造方法において、全長に亘り所定濃度以上の高酸素濃度を有すると共に、面内酸素濃度分布が均一な単結晶を得ることのできる単結晶の製造方法を得ることができる。
以下、本発明に係る単結晶の製造方法の実施の形態について図面に基づき説明する。図1は本発明に係る単結晶の製造方法が実施される単結晶引上装置1の全体構成を示すブロック図である。
この単結晶引上装置1は、円筒形状のメインチャンバ2aの上にプルチャンバ2bを重ねて形成された炉体2と、炉体2内に設けられたルツボ3と、ルツボ3に装填された半導体原料(原料ポリシリコン)Mを溶融するヒータ4と、育成される単結晶Cを引上げる引上げ機構5とを有している。尚、ルツボ3は、二重構造であり、内側が石英ガラスルツボ3a、外側が黒鉛ルツボ3bで構成されている。
また、引上げ機構5は、モータ駆動される巻取り機構5aと、この巻取り機構5aに巻き上げられる引上げワイヤ5bを有し、このワイヤ5bの先端に種結晶Pが取り付けられている。
また、ルツボ3の下方には、このルツボ3を回転させるモータ10と、ルツボ3の高さを制御する昇降装置11とが設けられている。
また、メインチャンバ2a内において、ルツボ3の上方且つ近傍には、単結晶Cの周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成され、育成中の単結晶Cにヒータ4等からの余計な輻射熱を遮蔽すると共に、炉内のガス流を整流するための輻射シールド6が設けられている。尚、輻射シールド6下端と溶融液面との間の距離寸法(ギャップ)は、育成する単結晶の所望の特性に応じて所定の距離を維持するよう制御される。
また、図1に示すようにメインチャンバ2aの外側には、磁場印加用電気コイル13(電磁石)が設置され、ルツボ3のシリコン溶融液内に水平磁場を印加して単結晶を育成するMCZ法(Magnetic field applied CZ法)が使用される。
この磁場印加用電気コイル13は、図示しない昇降機構により、その高さ位置が調整可能に構成されており、単結晶引上げ時のシリコン融液Mとの高さ方向の相対位置が制御されるようになされている。磁場印加用電気コイル13によるシリコン融液Mへの磁場印加は次のように制御がなされる。
図2に示すように、固液界面M2から深さ寸法d1が100mm以上までの領域において、下方から上方の固液界面M2に向け、単結晶引き上げ軸方向の磁場強度減少率が0.4ガウス/mm以上となるよう磁場の印加がなされる。固液界面M2下の磁場強度は、1000〜5000Gとなされる。
即ち、固液界面M2下の磁場強度は、下方から上方に向けて徐々に弱くなされ、これにより固液界面M2下の対流が拡散された状態、即ち固液界面M2下の所定深さの領域における融液内の酸素濃度が均一な状態となされる。
また、固液界面M2下の磁場強度が1000〜5000Gとなされるのは、次の理由による。即ち、磁場強度が1000Gより小さいと、固液界面M2周囲における低酸素融液の対流を抑えることができず、融液の温度変動が大きくなり、安定した結晶育成ができないためである。また、磁場強度が5000Gより大きいと、対流の抑制効果が過大となり、高酸素濃度(1.0×1018atoms/cm3以上)の結晶を得ることができない上、固液界面M2下の対流拡散効果が維持されずに酸素濃度面内分布が悪化するためである。また、固液界面M2から深さ寸法d1が100mm以上までの領域で、前記磁場制御を行うのは、深さ寸法d1が100mmより小さいと、対流の抑制効果が過大となり、酸素濃度面内分布が悪化するためである。
また、融液表面に印加される磁場強度は、1000G以上になされる。この制御により、固液界面M2の外周における低酸素濃度融液の対流が抑制され、その低酸素濃度融液の固液界面M2下への取り込みが抑制される。また、これにより固液界面M2下における結晶Cの酸素濃度が上昇すると共に、酸素濃度の均一性が維持される。
また、融液表面M1における低酸素融液の対流が抑制されることによって、融液内部の酸素濃度は、対流が抑制された融液とルツボ3との相対速度差による酸素溶け込みが支配的となり、ルツボ回転による酸素濃度の制御が容易となる。
また、前記のように磁場が形成された状態において、ルツボ3の回転数は0.2〜5.0rpmの範囲内で制御され、単結晶引上時の回転がルツボ3の回転方向と逆方向で、回転数が8.0rpm以上に制御される。
これにより、固液界面M2下の所定深さ領域における融液Mの酸素濃度が向上されると共に、磁場印加によって形成された対流拡散効果が維持される。
尚、単結晶Cの回転速度が8.0rpm以上とされるのは、これより低いと、固液界面M2下の対流の抑制効果が過大となり、結晶回転による強制対流が弱くなり、酸素濃度分布が不均一となるためである。
また、ルツボ3の回転数が0.2rpm〜5.0rpmとされるのは、0.2rpmより低いと融液表面M1の対流による酸素の拡散効果を維持できず、5.0rpm以上より大きいと酸素の面内分布が悪化し、磁場分布による効果が得られないためである。
また、図2に示すように、融液表面M1の高さと磁場印加用電気コイル13の高さ(例えば高さ方向中心位置MC)との相対位置のずれが、±10mm以内となるよう制御される。これは、相対位置のずれが±10mmよりも大きいと、酸素輸送に影響する融液表面の流速と経路とが変化し、酸素濃度分布を均一にする効果が低下するためである。
尚、融液表面M1及び固液界面M2の高さ位置測定は、炉体2の外側に設けられた液面位置検出装置14により行われる。
この液面位置検出装置14は、コヒーレントな検出光を発振するレーザ光発振器15と、撮像装置、例えばCCDカメラ16と、このCCDカメラ16により撮像された画像を処理する画像処理装置17とを有する。
レーザ光発振器15は、メインチャンバ2b上方に配置され、コンピュータ8からの指令信号により、グリーンレーザ光(波長490〜550nm)を発振し、このグリーンレーザ光を融液表面M1の所定スポットに照射するようになされている。
また、CCDカメラ16は前記レーザ光発振器15によりグリーンレーザ光が照射される融液面M1の所定スポットに焦点が合わされており、この所定スポットの画像を撮像し、撮像した画像を画像処理装置17に出力するようになされている。
また、画像処理装置17は、CCDカメラ16から入力された画像信号を処理し、シリコン融液液面M1の高さ位置を検出して、コンピュータ8の演算制御装置8bに出力するようになされている。
また、図1に示すように単結晶引上装置1は、シリコン溶融液Mの温度を制御するヒータ4の供給電力量を制御するヒータ制御部9と、ルツボ3を回転させるモータ10の回転数を制御するモータ制御部10aとを備えている。また、ルツボ3の高さを制御する昇降装置11を制御する昇降装置制御部11aと、成長結晶の引上げ速度と回転数を制御するワイヤリール回転装置制御部12とを備えている。さらには、磁場印加用電気コイル13の動作制御を行う電気コイル制御部13aを備えている。これら各制御部9、10a、11a、12、13aはコンピュータ8の演算制御装置8bに接続されている。
このように構成された単結晶引上装置1においては、最初に石英ガラスルツボ3aに原料ポリシリコンMを装填し、コンピュータ8の記憶装置8aに記憶されたプログラムに基づき図3のフローに沿って結晶育成工程が開始される。
先ず、炉体2内を図示しない雰囲気制御手段により所定の雰囲気にした状態で、演算制御装置8bの指令によりヒータ制御部9を作動させてヒータ4を加熱し、石英ガラスルツボ3aの原料ポリシリコンMが溶融される(図3のステップS1)。
さらに、演算制御装置8bの指令によりモータ制御部10aと昇降装置制御部11aとが作動し、ルツボ3が所定の高さ位置において所定の回転速度で回転動作される。
次いで、演算制御装置8bの指令により電気コイル制御部13aを作動し、磁場印加用電気コイル13に所定の電流が流される。これにより溶融液M内に所定の強度の磁場が印加される(図3のステップS2)。
ここで、溶融液Mに対する磁場印加は、固液界面M2から深さ寸法d1が100mm以上までの領域において、下方から上方の固液界面M2に向けて平均磁場強度勾配が0.4ガウス/mm以上の割合で減少するようになされ、固液界面M2下の磁場強度が1000〜5000Gとなされる。また、融液表面M1に印加される磁場強度が、1000G以上になされる。
そして、演算制御装置8bの指令により、ワイヤリール回転装置制御部12が作動し、巻取り機構5aが作動してワイヤ5bが降ろされる。そして、ワイヤ5bに取付けられた種結晶Pがシリコン溶融液Mに接触され、種結晶Pの先端部を溶解するネッキングが行われてネック部P1が形成される(図3のステップS3)。
ネック部P1が形成されると、演算制御装置8bの指令によりヒータ4への供給電力や、引上げ速度(通常、毎分数ミリの速度)などをパラメータとして引上げ条件が調整され、拡径部を形成するクラウン工程(図3のステップS4)、製品部分となる直胴部を形成する直胴工程(図3のステップS5)が順に行われる。
直胴工程においては、前記した磁場環境下において、ルツボ3の回転数が0.2〜5.0rpmの範囲内で制御され、単結晶Cの回転がルツボ3の回転方向と逆方向で、回転数が8.0rpm以上に制御される。
直胴工程が終了すると、縮径部を形成するテール工程(図3のステップS6)が行われ、単結晶Cの形成が終了する。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、単結晶Cを引き上げる際、固液界面M2から深さ寸法d1が100mm以上までの領域において、下方から上方の固液界面M2に向けて平均磁場強度勾配が0.4ガウス/mm以上の割合で減少するようになされ、固液界面M2下の磁場強度が1000〜5000Gとなされる。
これにより、固液界面M2下の所定の深さまでの領域内における融液M内の対流が適度に拡散され、その領域における融液Mの酸素濃度が均一になされる。
また、融液表面M1に印加される磁場強度が、1000G以上になされることで、固液界面M2周囲における低酸素濃度融液の対流が抑えられ、固液界面M2下への低酸素濃度融液の入り込みが抑制される。
さらに、このような磁場が形成された状態で、ルツボ3の回転数が0.2〜5.0rpmの範囲内で制御され、単結晶Cの回転がルツボ3の回転方向と逆方向で、回転数が8.0rpm以上に制御されることで、固液界面M2下における酸素濃度が向上されると共に、単結晶引上げ工程に亘り、固液界面M2下の対流拡散効果が維持される。
したがって、本発明の製造方法によれば、全長に亘り高酸素濃度(1.0×1018atoms/cm3以上)であって、酸素濃度面内分布が均一な単結晶を得ることができる。
尚、前記実施の形態においては、融液面M1の高さ位置を測定する液面位置検出装置14の構成として、レーザ光を利用した光学的手法により測定する構成としたが、この構成に限定されず、他の公知技術により液面位置を検出するようにしてもよい。
続いて、本発明に係る単結晶の製造方法について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に示した構成の単結晶引上装置を用い、実際に実験を行うことにより、その効果を検証した。
〔実施例1〕
実施例1では、本発明に係る単結晶の製造方法により引上げを行い、育成した単結晶の酸素濃度及び分布を測定した。
条件として、固液界面より深さ100mmまでの領域において、下方から上方に向けて単結晶引上げ軸上の磁場減少率が0.7ガウス/mmとなるよう磁場の印加を行った。この磁場減少率は、ルツボ回転軸上の磁場中心0mm位置と、同軸上の100mm離れた位置の磁場強度の差を距離100mmで除した値とした。
また、石英ガラスルツボのサイズは直径24インチ、チャージ量は100kg、ルツボ回転軸上の磁場中心の磁場強度は3000G、磁場中心の位置は融液表面から100mm下、結晶回転数は12rpm、ルツボ回転数は結晶と逆方向に1rpmとした。
また、電磁石と融液表面との相対位置のずれが1mm以内の精度で維持されるよう融液表面の高さ位置を測定し、磁場中心位置が一定となるようルツボ高さを制御した。
尚、単結晶の酸素濃度は、育成した単結晶をウエハ加工し、FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)にてウエハ面内中心の酸素濃度を測定した。
〔比較例1〕
比較例1では、固液界面より深さ100mmまでの領域において、下方から上方に向けて単結晶引上げ軸上の磁場減少率が0.3ガウス/mmとなるよう磁場の印加を行った。
その他の条件は、実施例1と同様とした。
〔比較例2〕
比較例2では、実施例1と同じ条件で単結晶育成を行い、結晶長400mmを越えたところで電磁石を10mm上方に移動させ、シリコン単結晶を育成した。このとき、電磁石と融液表面の相対位置のずれは、実施例1と同様に±1mm以内となるよう制御した。
図4のグラフに実施例1及び比較例1におけるルツボ回転軸上の磁場強度分布を示し、図5のグラフに実施例1、比較例1及び比較例2において育成された単結晶の結晶長に対する酸素濃度分布を示す。また、図6のグラフに、実施例1、比較例1及び比較例2において育成した単結晶から得られたウエハのウエハ面内外周5mmより内側の酸素濃度均一性を示す。この酸素濃度均一性は、((酸素濃度最大値−最小値)/最小値)×100%の式により求めた。
この結果、図5に示すように実施例1では、結晶長さ方向の酸素濃度が、1.4〜1.5×1018atoms/cm3と均一な単結晶が得られた。一方、比較例1では、結晶長さ方向の酸素濃度が、1.0×1018atoms/cm3を下回る結果となった。
また、図6に示すように、実施例1の酸素濃度均一性は2%以内であったのに対し、比較例1では最大6%まで悪化した。比較例2では、単結晶の酸素濃度均一性は、結晶長400mm以降で悪化した。
以上の実施例の実験結果から、本発明によれば、全長に亘り高酸素濃度(1.0×1018atoms/cm3以上)であって、酸素濃度面内分布が均一な単結晶を得ることができると確認した。
本発明は、チョクラルスキー法によって単結晶を引上げる単結晶の製造方法に関するものであり、半導体製造業界等において好適に用いられる。
図1は、本発明に係る単結晶の製造方法が実施される単結晶引上装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図2は、図1の単結晶引上装置の一部拡大図である。 図3は、本発明に係る単結晶の製造方法による工程を示すフローである。 図4は、実施例の結果を示すグラフである。 図5は、実施例の他の結果を示すグラフである。 図6は、実施例の他の結果を示すグラフである。 図7は、従来のCZ法を用いた引上げ法を説明するための図である。 図8は、従来のCZ法を用いた引上げ法においてネック部の形成を説明するための図である。
符号の説明
1 単結晶引上装置
2 炉体
2a メインチャンバ
2b プルチャンバ
3 ルツボ
3a 石英ガラスルツボ
3b 黒鉛ルツボ
4 ヒータ
5 引上げ機構
6 輻射シールド
8 コンピュータ
8a 記憶装置
8b 演算記憶装置
13 磁場印加用電気コイル
14 液面位置検出装置
15 レーザ光発振器
16 CCDカメラ
17 画像処理装置
C 単結晶
M 原料ポリシリコン、シリコン溶融液
P 種結晶
P1 ネック部

Claims (4)

  1. 炉体内のルツボに溶融されたシリコン融液に磁場を印加し、チョクラルスキー法によって前記ルツボから単結晶を引上げる単結晶の製造方法であって、
    前記単結晶を引き上げる際、
    前記単結晶と前記融液との境界面である固液界面から、少なくとも所定深さまでの前記融液内の領域において、前記単結晶の引上げ軸方向に沿って下方から上方に向かう磁場強度の減少率を、0.4ガウス/mm以上とした状態で、
    前記ルツボを0.2rpm〜5.0rpmの範囲の回転速度で回転させ、
    前記単結晶の回転方向を前記ルツボの回転方向とは逆方向に8rpm以上の回転速度で回転させることを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 前記磁場強度の減少率が制御される固液界面からの所定深さは、100mmであることを特徴とする請求項1に記載された単結晶の製造方法。
  3. 前記固液界面下のシリコン融液に印加される磁場強度が、1000G〜5000Gの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された単結晶の製造方法。
  4. 前記単結晶を引き上げる際、
    前記シリコン融液の表面高さと前記磁場を発生させる電磁石の高さとの相対位置のずれを、±10mm以内に制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された単結晶の製造方法。
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