JP5595254B2 - 部品、時計、および部品の製造方法 - Google Patents

部品、時計、および部品の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、部品、この部品を用いた時計、および部品の製造方法に関するものである。
一般に、純チタン(以下、単に「チタン」という)やチタン合金は軽量であり、かつ比強度が大きいという特徴を有し、さらに耐食性などの点で優れた金属であるため、幅広い分野においてチタンやチタン合金の利用量が増大している。
例えば、機械式時計に用いられる部品には、落下等による耐衝撃性が高く、高強度、高弾性、高振動吸収性等が求められるため、チタンやチタン合金等は使用に適していると言える。また、チタンやチタン合金は十分な耐食性を有するため、防錆等の後処理は必要ないが、部品がチタンやチタン合金以外の金属である場合、鉄等のような防錆処理が必要になる。
防錆処理としては、例えばメッキ等を施すことが考えられるが、メッキが薄膜であるとピンホールを生じやすく耐久性が低下する虞がある。一方、メッキを厚膜にすると、公差の厳しい時計部品においては寸法誤差が大きくなる虞がある。このため、部品をチタンやチタン合金で形成し、陽極酸化処理を施すことにより、防錆処理を必要とせずかつ発色させ装飾性を高めることができる。このように部品を発色させて装飾性を高める技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特願昭62−278872号公報
ところで、部品に陽極酸化処理を施す場合、部品を薬品に浸漬し電流を印加するため、発色させる部品の他、この部品に固定される他の部品も薬品や電流の印加に耐え得る部材を使用するか、若しくは陽極酸化処理可能な部材を使用する必要がある。発色する部品として陽極酸化処理可能な部材を使用する一方、他の固定される部品として陽極酸化処理不可能な部材を使用し、これらの部品を固定した状態で陽極酸化処理を施そうとすると、陽極酸化不可能な材料は薬品中で溶解が起こり発色させたい陽極酸化処理可能な部品に陽極酸化処理を施すことができない。
このため、使用する部材が制約されてしまうことに伴って、デザイン上の構成が制約を受けてしまうという課題がある。
また、発色させたい部品を陽極酸化処理した後、この部品に他の部品を固定することも考えられる。この場合、作業が煩わしいものとなり、製造工程上の制約が生じるという課題がある。また、陽極酸化処理を施した部分の色彩が変化したり、傷や打痕等の悪影響を及ぼし、外観上見栄えの悪いものになったりするという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、使用する部材が制約されてしまうことを回避してデザイン上のバリエーションを広げることができると共に、容易に製造することができ、美観性を向上させることができる部品、時計、および部品の製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る部品は、少なくとも陽極酸化処理可能な第1部材と、第2導電性部材とを有し、これら第1部材と第2導電性部材とが互いに固定されている部品であって、前記第1部材と前記第2導電性部材との間に、絶縁部材が介装されていることを特徴とする。
このように、第1部材と第2導電性部材との間に絶縁部材を介装させることにより、両者を固定した状態で第1部材に陽極酸化処理を施しても、第2導電性部材に電流が流れてしまうことを防止できる。このため、第2導電性部材が陽極酸化処理可能な部材、および陽極酸化処理不可能な部材の何れかであっても、第1部材のみに陽極酸化処理を施すことができる。よって、第2導電性部材として選定可能な材料を増大させることができ、部品のバリエーション、およびデザイン上のバリエーションを増大させることができる。
また、第1部材と第2導電性部材とを互いに固定した後、陽極酸化処理を施すことができるので、容易に部品の製造を行うことができる。さらに、陽極酸化処理を施した部分の色彩が変化してしまうことを防止したり、傷や打痕を防止したりすることができ、美観性を向上させることができる。
そして、陽極酸化処理を施す前に第1部材と第2導電性部材とを固定しているので、各部材間に隙間や段差等を意図的に設けることもでき、装飾性が高くさらにデザイン上のバリエーションを増大させることができる。
本発明に係る部品は、前記第1部材と前記第2導電性部材とが互いに固定部材を介して固定されており、前記固定部材は、陽極酸化処理可能な部材であることを特徴する。
このように構成することで、容易に第1部材と第2導電性部材とを固定することができる。また、固定部材も陽極酸化可能な部材であった場合、第1部材と同様に陽極酸化処理を施すことが可能なので、固定部材が第1部材から露出している状態であっても美観性を損なわず、かつ更に配色を変えることが可能である。
本発明に係る部品は、前記第1部材は、チタン、およびチタン合金の何れか一方により形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、部品の強度、弾性、衝撃吸収性等を高めることでき、信頼性の高い製品を提供することが可能になる。
本発明に係る部品は、前記第2導電性部材は、陽極酸化処理不可能な材料により形成されていることを特徴とする。
このように構成した場合であっても第1部材と第2導電性部材とを互いに固定した後、第1部材のみに陽極酸化処理を施すことが可能になる。
本発明に係る部品は、少なくとも前記第1部材の表面を、この第1部材と前記第2導電性部材とを互いに固定した後、陽極酸化処理により発色させたことを特徴とする。
このように構成することで、美観性の優れた部品を提供することができる。また、陽極酸化処理により発色させることで、色彩が経年劣化したり、自然剥離したりすることを防止できる。さらに、陽極酸化膜はナノオーダーの膜なので、部品の寸法変化を極力抑えることが可能になる。
本発明に係る部品は、前記第1部材の表面のうち、一面と他面とが異なる色で発色されていることを特徴とする。
このように構成することで、色彩のバリエーションが多い部品を提供することができ、よりユーザーの要望に応じた商品を提供することが可能になる。
本発明に係る時計は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の部品を備えていることを特徴とする。
このように構成することで、デザイン上のバリエーションを広げることができると共に、容易に製造することができ、美観性を向上させることが可能な時計を提供できる。
本発明に係る部品の製造方法は、陽極酸化処理可能な第1部材と、第2導電性部材とを互いに固定する部品の製造方法であって、第2導電性部材の表面のうち、少なくとも前記第1部材と接触する箇所に予め絶縁部材を被覆させる絶縁部材形成工程と、前記絶縁部材形成工程を経た前記第2導電性部材に、前記第1部材を固定する固定工程と、前記第2導電性部材に固定された前記第1部材に、陽極酸化処理を施す陽極酸化処理工程とを有することを特徴とする。
このような方法とすることで、デザイン上のバリエーションを広げることができると共に容易に製造することができる部品を提供することができる。
また、使用する部材が制約されてしまうことを回避しつつ、美観性を向上させることができる部品を提供することができる。
本発明に係る部品の製造方法は、陽極酸化処理可能な第1部材と、第2導電性部材とを互いに固定する部品の製造方法であって、前記第1部材の表面のうち、少なくとも前記第2導電性部材と接触する箇所に陽極酸化処理を施し、絶縁膜を形成する第1陽極酸化処理工程と、前記第1陽極酸化処理工程を経た第1部材に、前記第2導電性部材を固定する固定工程と、前記第2導電性部材に固定された前記第1部材に、再度陽極酸化処理を施す第2陽極酸化処理工程とを有することを特徴とする。
このような方法とすることで、部品の製造方法のバリエーションを増大させることでき、用途に応じて適切な処理を部品に施すことが可能になる。
本発明によれば、第1部材と第2導電性部材との間に絶縁部材を介装させることにより、両者を固定した状態で第1部材に陽極酸化処理を施しても、第2導電性部材に電流が流れてしまうことを防止できる。このため、第2導電性部材が陽極酸化処理可能な部材、および陽極酸化処理不可能な部材の何れかであっても、第1部材のみに陽極酸化処理を施すことができる。よって、第2導電性部材として選定可能な材料を増大させることができ、部品のバリエーション、およびデザイン上のバリエーションを増大させることができる。
また、第1部材と第2導電性部材とを互いに固定した後、陽極酸化処理を施すことができるので、容易に部品の製造を行うことができる。さらに、陽極酸化処理を施した部分の色彩が変化してしまうことを防止したり、傷や打痕を防止したりすることができ、美観性を向上させることができる。
さらに、陽極酸化処理を施す前に第1部材と第2導電性部材とを固定しているので、各部材間に隙間や段差等を意図的に設けることもでき、装飾性が高くさらにデザイン上のバリエーションを増大させることができる。
本発明の第1実施形態における自動巻機構を取り外した状態でムーブメントを表側からみた平面図である。 本発明の第1実施形態における自動巻機構の概略構成図である。 本発明の第1実施形態における回転錘の平面図である。 本発明の第1実施形態における回転錘の縦断面図である。 本発明の第1実施形態における回転錘体、および回転重錘の製造方法の説明図であって、(a)、(b)は各工程を示す。 本発明の回転錘体、および回転重錘の製造方法の第1変形例の説明図であって、(a)、(b)は各工程を示す。 本発明の回転錘体、および回転重錘の製造方法の第2変形例の説明図であって、(a)、(b)は各工程を示す。 本発明の第2実施形態における回転錘の縦断面である。 本発明の第2実施形態の変形例における回転錘の縦断面図である。 本発明の第3実施形態における回転錘の縦断面図である。 本発明の第3実施形態の変形例における回転錘の縦断面図である。
(第1実施形態)
(自動巻腕時計)
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、自動巻機構を取り外した状態でムーブメントを表側からみた平面図、図2は、自動巻機構の概略構成図である。
図1、図2に示すように、本発明に係る部品(例えば、後述の回転錘160)が組み込まれた自動巻腕時計10は、ムーブメント100と、このムーブメント100を収納する不図示のケーシングとにより構成され、ムーブメント100に不図示の文字板が取り付けられている。ムーブメント100は、基板を構成する地板102と、一番受105と、二番受106と、てんぷ受108と、アンクル受109とを備えている。二番受106は、一番受105と地板102との間に配置される。地板102には巻真案内孔103が形成されており、ここに巻真110が回転可能に組み込まれている。
ここで、地板102の両側のうち、文字板が配置される側(図1、図2における紙面奥側)をムーブメント100の裏側と称し、文字板が配置される側とは反対側(図1、図2における紙面手前側)をムーブメント100の表側と称する。ムーブメント100の裏側には、裏輪列と称する輪列や、おしどり140、かんぬき142、およびおしどり押さえ144を含む切換装置が配置されている。この切換装置により、巻真110の軸方向の位置が決定するようになっている。
一方、ムーブメント100の表側には、表輪列と称する輪列、表輪列の回転を制御するための脱進・調速装置40、および自動巻機構60等が組み込まれている。
表輪列は、香箱車120、二番車124、三番車126、四番車128により構成されている。香箱車120は、一番受105と地板102とにより回転可能に支持されており、不図示のぜんまいを有している。そして、巻真104を回転させると不図示のつづみ車が回転し、さらにきち車、丸穴車(何れも不図示)、および角穴車118を介してぜんまいが巻き上げられる。
さらに、角穴車118の歯部には、板状のこはぜ117が噛合されており、これにより、角穴車118の回転が規制されるようになっている。
一方、ぜんまいが巻き戻される際の回転力により香箱車120が回転し、さらに二番車124が回転するように構成されている。二番車124は、二番受106と地板102とにより回転可能に支持されている。二番車124が回転すると、三番車126が回転する。
三番車126は、一番受105と地板102とにより回転可能に支持されている。三番車126が回転すると、四番車128が回転する。四番車128は、一番受105と二番受106とにより回転可能に支持されている。四番車128が回転することにより脱進・調速装置40が駆動する。
(脱進・調速装置)
脱進・調速装置40は、てんぷ136と、がんぎ車134と、アンクル138とを備えている。アンクル138は、アンクル受109と地板102とにより回転可能に支持されている。てんぷ136は、てんぷ受108と地板102とにより回転可能に支持されている。てんぷ136は、てん真136aと、てん輪136bと、ひげぜんまい136cとを有している。
このような構成のもと、脱進・調速装置40は、二番車124が1時間に1回転するように制御する。二番車124の回転に基づいて不図示の筒かなが同時に回転するように構成されており、この筒かなに取り付けられた不図示の分針が「分」を表示するようになっている。
また、筒かなには、二番車124に対するスリップ機構が設けられている。筒かなの回転に基づいて、日の裏車の回転を介し、筒車(何れも不図示)が12時間に1回転するように構成されている。そして、筒車に取付けられた不図示の時針が「時」を表示するようになっている。
さらに、二番車124の回転により、三番車126の回転を介し、四番車128が1分間に1回転するように構成されている。四番車128には、不図示の秒針が取り付けられている。
(自動巻機構)
自動巻機構60は、この自動巻機構60を構成する回転錘160をユーザーの腕の動きで動かし、香箱車120の不図示のぜんまいを巻き上げるものである。回転錘160は、ボールベアリング162と、回転錘体164と、回転重錘166とを有している。ボールベアリング162は、内輪と、外輪と、これら外輪と内輪との間に設けられた複数のボール(何れも不図示)とを有しており、内輪がボールベアリング止めねじ168を介して一番受105に固定されている。
(回転錘体、および回転重錘)
図3は、回転錘の平面図、図4は、回転錘の縦断面図である。
図2〜図4に示すように、回転錘160の回転錘体164は、陽極酸化処理が可能なチタン(Ti)、およびチタン合金の何れか一方により、平面視略扇状に形成されたものである。回転錘体164の回転中心には、ボールベアリング162が配置され、ボールベアリング162の外輪と回転錘体164とが固定されている。
また、回転錘体164の外周縁に回転重錘166がビス61を介して固定されている。回転重錘166は、重金属粉末を主成分とするコンパウンド、例えばタングステン(W)にニッケル(Ni)や銅(Cu)を含有させた粉末を成形・焼成することにより形成されたものである。すなわち、回転重錘166は、導電性を有し、重金属により形成されている。
回転重錘166は、回転錘体164の外周縁に対応するように湾曲形成されており、回転錘体164を載置可能な座面63aと、座面63aの外周部に立ち上がり形成され、回転錘体164の外周縁を覆う外周壁63bとを有している。座面63aには、ビス61を挿通可能な挿通孔166aが複数(この第1実施形態では3つ)形成されている。一方、回転錘体164の外周部46には、回転重錘166の挿通孔166aに対応する箇所に、ビス61を挿通可能な挿通孔164aが形成されている。また、ビス61は、回転錘体164と同様に、陽極酸化処理が可能なチタン、およびチタン合金の何れか一方により形成されている。
このような構成のもと、回転重錘166の座面63aに回転錘体164の外周部46を載置し、各挿通孔164a,166aにビス61を挿入した後、ビス61の先端を座屈変形させることにより、回転錘体164と回転重錘166とが一体化される。
ここで、回転重錘166の回転錘体164と接触する箇所には、絶縁層62が形成されている。すなわち、回転重錘166の座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aには、絶縁層62が形成されている。一方、回転錘体164の表面、およびビス61の露出している部位には、陽極酸化膜64が形成され、回転錘体164の表面が発色されている。陽極酸化膜64は、回転錘体164の表面、およびビス61の露出している部位に、十分な厚み、例えば、数十〜数百μmで被覆されている。この製造方法についての詳細は後述する。
図2に戻り、ボールベアリング162の外輪には、回転錘かな178が設けられている。この回転錘かな178は、一番伝え車182の一番伝え歯車182aに噛合わされる。一番伝え歯車182aは、一番受105と地板102とにより回転可能に支持されている。さらに、一番伝え車182と一番受105との間には、つめレバー180が組み込まれている。つめレバー180は、一番伝え車182の軸心から偏心した形で取り付けられたものであって、引きつめ180a、および押しつめ180bを有している。これら引きつめ180a、および押しつめ180bは、二番伝え車184の二番伝え歯車184aに噛合わされる。
二番伝え車184は、二番伝え歯車184aの他に二番伝えかな184bを有している。二番伝え歯車184aは、回転錘体164と一番受105との間に位置している。一方、二番伝えかな184bは、角穴車118と噛み合うようになっている。
そして、二番伝え歯車184aに噛合うつめレバー180の引きつめ180a、および押しつめ180bは、二番伝え歯車184aの中心に向かって弾性力により付勢されている。
このような構成のもと、回転錘160が回転すると、回転錘かな178も同時に回転し、回転錘かな178の回転により、一番伝え車182が回転する。この一番伝え車182の軸心から偏心した形で取り付けられているつめレバー180は、一番伝え車182の回転により往復運動を行う。そして、引きつめ180a、および押しつめ180bにより二番伝え車184を一定の方向に回転させる。すると、二番伝え車184の回転により角穴車118が回転し、香箱車120の不図示のぜんまいを巻き上げる。
(回転錘体、および回転重錘の製造方法)
次に、図5に基づいて、回転錘の回転錘体164、および回転重錘166の製造方法について説明する。
図5は、回転錘体、および回転重錘の製造方法の説明図であって、(a)、(b)は各工程を示す。
まず、図5(a)に示すように、予め回転重錘166の回転錘体164と接触する箇所、つまり、回転重錘166の座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aに、絶縁層62を形成する(絶縁部材形成工程)。
そして、座面63aに回転錘体164の外周部46を載置し、各挿通孔164a,166aにビス61を回転錘体164側から挿入する。
ここで、絶縁層62の形成方法としては、例えば、ディッピング等の印刷法により絶縁層を形成したり、電着塗装等の塗装により樹脂膜を形成したり、イオンプレーティング等の乾式メッキ法により酸化膜(SiO2)やチッ化膜(SiN)を形成したりする場合などが挙げられる。
そして、回転重錘166の座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aのみに絶縁層62を形成する場合、座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aが露出するようにパターニングされたマスクを被覆し、座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aのみに絶縁層62を形成する。しかしながら、これに限られるものではなく、所定のマスクで被覆することなく、回転重錘166の表面全体に絶縁層62を被覆してもよい。
なお、本第1実施形態においては、回転重錘166の座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aのみに絶縁層62を形成した場合について説明する。
続いて、図5(b)に示すように、ビス61の回転重錘166側に突出している先端を座屈変形させ、回転錘体164と回転重錘166とを一体させる(固定工程)。
このとき、回転錘体164と回転重錘166との間に隙間が形成された状態であってもよいし、両者164,166が完全に密着した状態であってもよい。なお、本第1実施形態にあっては、回転錘体164と回転重錘166との間に隙間が形成された状態の場合について説明する。
回転錘体164と回転重錘166とをビス61を介して一体化させた後、これらに陽極酸化処理を施す(陽極酸化処理工程)。
具体的には、例えばリン酸水溶液の電解液中に、チタン板を浸漬して陰極とすると共に、一体化された回転錘体164、および回転重錘166を浸漬し、回転錘体164に電解電圧を印加して陽極とする。すると、回転錘体164の表面にチタン酸化物の陽極酸化膜64が全体的に均一に形成され、回転錘体164の表面が発色される。
ここで、回転重錘166は、重金属粉末を主成分とするコンパウンドを成形・焼成することにより形成され、導電性を有している。しかしながら、回転重錘166の座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aに絶縁層62が形成されている、つまり、回転錘体164と回転重錘166との間に絶縁層62が介装されているので、回転重錘166に電流が流れない。このため、回転錘体164にのみ膜厚が略均一な陽極酸化膜64が形成される。
また、回転錘体164と回転重錘166との間に隙間が形成されているので、回転錘体164の表面全体に陽極酸化膜64が形成される。つまり、回転錘体164の回転重錘166に接触する面にも陽極酸化膜64が形成される。このような状態であっても、回転重錘166の座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aに絶縁層62が形成されているので、回転重錘166に陽極酸化膜64が形成されることがない。
なお、回転錘体164と回転重錘166とが密着されている場合、回転錘体164の表面全体に陽極酸化膜64が形成されることはなく、回転錘体164の表面のうち、回転重錘166に接触している箇所には陽極酸化膜64が形成されないことはいうまでもない。
(効果)
したがって、上述の第1実施形態によれば、陽極酸化処理が可能なチタン、およびチタン合金により形成された回転錘体164と、導電性を有し、かつ陽極酸化処理が不可能な材料により形成された回転重錘166とを固定した状態で陽極酸化処理を施した場合であっても、回転錘体164にのみ確実に陽極酸化膜64を形成することができる。
また、例え回転重錘166を陽極酸化処理が可能な材料により形成した場合であっても回転錘体164と回転重錘166との間に絶縁層62が介装されているので、回転重錘166に電流が流れてしまうことを防止できる。このため、回転重錘166の部材として選定可能な材料を増大させることができ、部品のバリエーション、およびデザイン上のバリエーションを増大させるこが可能になる。
さらに、回転錘体164と回転重錘166とを互いに固定した後、陽極酸化処理を施すことができるので、容易に部品の製造を行うことができる。また、回転錘体164に陽極酸化膜64を形成した後、回転重錘166と固定する場合と比較して回転錘体164が傷ついてしまうことを防止できる。つまり、陽極酸化処理を施した部分の色彩が変化してしまうことを防止したり、傷や打痕を防止したりすることができ、美観性を向上させることができる。
そして、陽極酸化処理を施す前に回転錘体164と回転重錘166とを固定しているので、両者の間に隙間や段差等を意図的に設けることもでき、装飾性が高くさらにデザイン上のバリエーションを増大させることができる。
また、回転錘体164を発色させる手段として陽極酸化処理を採用することにより、回転錘体164の寸法変化を極力抑えることが可能になる。すなわち、陽極酸化膜64は、ナノオーダーの膜なので、部品の寸法変化を極力抑えることができる。
また、回転錘体164と回転重錘166とを固定するためのビス61を用いることにより、両者164,166を容易に一体化することができる。さらに、ビス61を、回転錘体164と同様にチタン、およびチタン合金の何れか一方により形成することで、ビス61にも陽極酸化膜64が形成され、回転錘160全体の美観性が損なわれることを防止できる。
さらに、回転錘体164、およびビス61をチタン、およびチタン合金の何れか一方により形成することで、回転錘160全体の強度、弾性、衝撃吸収性等を高めることができると共に耐食性を高めることができ、信頼性を向上させることが可能になる。
なお、上述の第1実施形態では、ビス61をチタン、およびチタン合金の何れか一方により形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えばビス61に陽極酸化膜64が形成されることを阻止したい場合、ビス61を陽極酸化処理が不可能な材料により形成することも可能である。
また、上述の第1実施形態では、回転錘体164と回転重錘166とを固定するための固定部材としてビス61を用いた場合について説明した。しかしながら、固定部材はビス61に限られるものではなく、回転錘体164と回転重錘166とを互いに固定できるものであればよい。例えば、ビス61に代わってねじを用いて回転錘体164と回転重錘166とを固定してもよい。
また、上述の第1実施形態では、絶縁層62の形成方法として、例えば、ディッピング等の印刷法、電着塗装等の塗装、イオンプレーティング等の乾式メッキ法を挙げた。しかしながら、これに限られるものではなく、回転重錘166の少なくとも座面63a、および挿通孔166aに陽極酸化処理を施して酸化膜を形成し、この酸化膜を絶縁層として構成してもよい。この場合、回転重錘166に絶縁層としての陽極酸化膜を形成した後、回転重錘166と回転錘体164とを固定する。
そして、上述の第1実施形態では、回転錘体164、および回転重錘166の製造方法について、図5に示すように、回転錘体164と回転重錘166とを互いに固定した後のみに陽極酸化処理を施す場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、以下の製造方法を採用することができる。
(第1実施形態における製造方法の第1変形例)
図6は、回転錘体、および回転重錘の製造方法の第1変形例の説明図であって、(a)、(b)は各工程を示す。
ここで、前述の第1実施形態における図5では、回転錘体164と回転重錘166とを固定する前にあっては、回転錘体164に陽極酸化膜64が形成されていないが(図5(a)参照)、本第1変形例では回転錘体164の挿通孔164aにビス61を挿入した状態で、これら回転錘体164、およびビス61の表面に、予め陽極酸化処理を施し、陽極酸化膜64が形成されている(第1陽極酸化処理工程、図6(a)参照)。
一方、図6(a)に示すように、回転重錘166の座面63a、外周壁63bの内周面、および挿通孔166aには、予め絶縁層62が形成されている。そして、絶縁層62が形成されている回転重錘166の座面63a、および外周壁63bの内周面に予め陽極酸化膜64が形成されている回転錘体164、およびビス61をセットし、ビス61の先端を座屈変形させて回転錘体164と回転重錘166とを一体化させる(固定工程)。
このようにして回転錘体164と回転重錘166とを一体化させると、陽極酸化膜64が傷つき、陽極酸化膜64が形成されている部分の色彩が変化したり、陽極酸化膜64が剥離したりする場合がある。
そこで、図6(b)に示すように、回転錘体164と回転重錘166とを互いに固定した後に再度陽極酸化処理を施す(第2陽極酸化処理工程)。
つまり、例えばリン酸水溶液の電解液中に、一体化された回転錘体164、および回転重錘166を浸漬し、回転錘体164に電解電圧を印加して陽極とする。すると、回転錘体164、およびビス61の表面にさらに新しい陽極酸化膜64aが形成され、傷ついた表面が新しい陽極酸化膜64aにより被覆される。
したがって、上述の第1変形例によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第1実施形態における製造方法の第2変形例)
図7は、回転錘体、および回転重錘の製造方法の第2変形例の説明図であって、(a)、(b)は各工程を示す。
図7(a)に示すように、第2変形例において、回転錘体164の挿通孔164aにビス61を挿入した状態で、これら回転錘体164、およびビス61の表面に、予め陽極酸化処理を施し(第1陽極酸化処理工程)、回転重錘166に回転錘体164を固定した後、さらに陽極酸化処理工程を施す(第2陽極酸化処理工程)点は、前述の第1変形例と同様である。
ここで、第1陽極酸化処理工程において、回転錘体164、およびビス61の表面に形成される陽極酸化膜64bは、絶縁性を有している。さらに、第1陽極酸化処理工程において回転錘体164に印加される電解電圧の値は、第2陽極酸化処理工程において回転錘体164に印加される電解電圧の値よりも高く設定されている。
そして、このような陽極酸化膜64bが形成された回転錘体164、およびビス61を回転重錘166にセットする。ここで、陽極酸化膜64bが絶縁性を有する膜なので、回転重錘166には、前述の第1実施形態、および第1変形例のように絶縁層62を形成する必要がない。
図7(b)に示すように、回転重錘166に回転錘体164、およびビス61をセットした後、ビス61の先端を座屈変形させ、回転錘体164と回転重錘166とを一体化させる。
続いて、回転錘体164の一面164bに物理的手法により、一面に形成されている陽極酸化膜64bを除去する。ここで、陽極酸化膜を除去する一面は、使用者が外部から視認しやすい面(例えば、図7(b)における上面)に設定することが望ましい。
そして、回転錘体164の一面164bの酸化膜を除去した後、第2陽極酸化処理工程を行い、陽極酸化膜64cを形成する。このとき、第2陽極酸化処理工程において回転錘体164に印加される電解電圧の値は、第1陽極酸化処理工程において回転錘体164に印加される電解電圧の値よりも低い。このため、第2陽極酸化処理工程における陽極酸化膜64cの膜厚は、第1陽極酸化処理工程における陽極酸化膜64bの膜厚よりも薄くなる。しかも、第2陽極酸化処理工程の印加電圧が第1陽極酸化処理工程の印加電圧よりも低いので、第1陽極酸化処理工程において陽極酸化膜64bが形成されている箇所には、再び陽極酸化膜64cが形成されることがない。よって、第2陽極酸化処理工程における陽極酸化膜64cは、酸化膜除去が施された回転錘体164の一面164bのみに形成される。
したがって、上述の第2変形例によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、回転錘体164の一面164bと、これ以外の面とで異なる陽極酸化膜64b,64cを形成することができるので、一面164bとこれ以外の面との色彩を変化させることができる。よって、回転錘160の発色バリエーションを増大させることができ、ユーザーの選択肢を広げることが可能になる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図1、図2を援用し、図8に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図8は、この第2実施形態における回転錘の縦断面である。
この第2実施形態において、自動巻腕時計10は、ムーブメント100を有し、ムーブメント100の表側に、表輪列と称する輪列、表輪列の回転を制御するための脱進・調速装置40、および自動巻機構60等が組み込まれている点、自動巻機構60の回転錘260は、ボールベアリング162と、回転錘体164と、回転重錘266とを有している点、回転錘体164は、陽極酸化処理が可能なチタン、およびチタン合金の何れか一方により、平面視略扇状に形成されたものである点、回転重錘266は、重金属粉末を主成分とするコンパウンドを成形・焼成することにより形成されたものであって、導電性を有し、かつ陽極酸化処理が不可能な材料により形成されている点等の基本的構成は、前述した第1実施形態と同様である(以下の実施形態についても同様)。
ここで、図8に示すように、第2実施形態と第1実施形態の相違点は、第1実施形態の回転錘160における回転錘体164と回転重錘166は、互いにビス61を介して固定されているのに対し、第2実施形態の回転錘260における回転錘体164と回転重錘266は、互いにカシメ固定されている点にある。
より詳しくは、回転重錘266には、回転錘体164の外周部46に対応する箇所に、この外周部46を受け入れ可能な凹部266aが形成されている。この凹部266aは、塑性変形可能に構成されており、凹部266aに回転錘体164の外周部46を挿入した後、カシメ変形されるようになっている。これにより回転錘体164と回転重錘266とが一体化される。このとき、回転錘体164と回転重錘266との間に隙間が形成された状態であってもよいし、両者164,266が完全に密着した状態であってもよい。
なお、本第2実施形態にあっては、回転錘体164と回転重錘266との間に隙間が形成された状態の場合について説明する。
また、回転重錘266の凹部266aには、予め絶縁層62が形成されている。
このような構成のもと、回転錘体164と回転重錘266とを一体化させた後、陽極酸化処理を施す。すなわち、例えばリン酸水溶液の電解液中に、一体化された回転錘体164、および回転重錘266を浸漬し、回転錘体164に電解電圧を印加して陽極とすると、回転錘体164の表面全体に陽極酸化膜64が形成される。一方、絶縁層62により回転重錘266には電流が流れず、陽極酸化膜が形成されない。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、前述の第1実施形態のようにビス61を用いることなく回転錘体164と回転重錘266を一体化することができるので、部品点数を減少させることができ、製造コストの低減化を図ることが可能になる。
(第2実施形態の変形例)
なお、上述の第2実施形態では、回転重錘266の凹部266aに予め絶縁層62を形成し、回転重錘156と回転錘体164とを一体化させた後、陽極酸化処理を施した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、以下の図9に示すような構成とすることも可能である。
図9は、第2実施形態の変形例における回転錘の縦断面図である。
同図に示すように、回転重錘266の凹部266aに、絶縁層62が形成されていない一方、回転錘体164の外周部46、つまり、凹部266aに挿入される箇所に、絶縁膜65が形成されている。そして、回転錘体164の外周部46以外の箇所、つまり、露出している表面に、陽極酸化膜64が形成されている。
このような構成とする場合の回転錘体164、および回転重錘266の製造方法は、まず、回転錘体164に回転重錘266を固定する前に、回転錘体164に絶縁膜65を形成する。絶縁膜65の形成方法としては、例えば、陽極酸化処理を施すことにより絶縁膜65を形成してもよいし、この他にディッピング等の印刷法、電着塗装等の塗装、イオンプレーティング等の乾式メッキ法などが挙げられる。
ここで、絶縁膜65は、回転錘体164の表面全体に形成してもよいし、回転錘体164の外周部46のみに絶縁膜65を形成するようにしてもよい。回転錘体164の外周部46のみに絶縁膜65を形成する場合、回転錘体164の外周部46以外の部位にマスクを被覆した状態で絶縁膜65を形成する。
続いて、回転重錘266の凹部266aに回転錘体164の外周部46を挿入し、両者266,164をカシメ固定する。そして、一体化された回転錘体164、および回転重錘266に陽極酸化処理を施す。このとき、電解液中に浸漬された回転錘体164に電解電圧を印加して陽極としても絶縁膜65により回転重錘266に電流が流れず、陽極酸化膜が形成されない。
なお、回転錘体164の表面全体に絶縁膜65を形成する場合であっても、少なくとも回転錘体164に電解電圧を印加する部位は、回転錘体164の表面を露出させておく必要がある。さらに、絶縁膜65を陽極酸化処理を施すことにより形成する場合、この後に行う陽極酸化処理の電解電圧の値を絶縁膜65を形成する場合の電解電圧の値よりも高く設定する必要がある。このように構成することにより、絶縁膜65の表面に、さらに陽極酸化膜64を形成することができる。
したがって、上述の第2実施形態の変形例によれば、前述の第2実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、一体化された回転錘体164、および回転重錘266に陽極酸化処理のバリエーションを増大させることができ、用途に応じて陽極酸化処理の方法を選択することが可能になる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を図10に基づいて説明する。
図10は、第3実施形態における回転錘の縦断面図である。
同図に示すように、第3実施形態と第1実施形態の相違点は、第1実施形態の回転錘160における回転錘体164と回転重錘166は、互いにビス61を介して固定されているのに対し、第3実施形態の回転錘360における回転錘体164と回転重錘366は、互いに接着剤66を用いて固定されている点にある。
回転重錘366には、回転錘体164を載置可能な座面67aと、座面67aの外周部に立設され回転錘体164の外周縁を覆う外周壁67bとが形成されており、この座面67、および外周壁67bの内周面に絶縁性の接着剤66が塗布されている。そして、この接着剤66の上に回転錘体164の外周部46が載置されることによって固着され、回転錘体164と回転重錘366とが一体化される。
このように接着剤66を介して一体化された後、回転錘体164に陽極酸化処理を施す。このとき、電解液中に浸漬された回転錘体164に電解電圧を印加して陽極としても、絶縁性の接着剤66により回転重錘266に電流が流れてしまうことを防止できる。このため、回転重錘366に陽極酸化膜が形成されず、回転錘体164に膜厚が略均一な陽極酸化膜64を形成することができる。
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上述の第3実施形態では、接着剤66のみで回転錘体164と回転重錘366とを一体化した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、接着剤66と前述の第1実施形態のビス61(図4参照)を併用することも可能である。すなわち、前述の第1実施形態における回転重錘166の座面63aに接着剤66を塗布し、これを絶縁層62として機能させる。そして、回転錘体164と回転重錘166とを接着剤66を用いて一体化させた後、さらにビス61を用いる。このように構成することで、回転錘体164と回転重錘166との接合強度を高めることができる。
また、上述の第3実施形態では、回転錘体164の表面全体に膜厚が略均一な陽極酸化膜64を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、回転錘体164の表裏面でそれぞれ陽極酸化膜64の膜厚を変化させるように構成してもよい。より具体的に以下の図11に基づいて説明する。
(第3実施形態の変形例)
図11は、第3実施形態の変形例における回転錘の縦断面図である。
同図に示すように、回転錘体164の一面164bには、低圧陽極酸化膜74aが形成されていると共に、それ以外の露出している表面には低圧陽極酸化膜74aよりも膜厚が厚い高圧陽極酸化膜74bが形成されている。
次に、この第3実施形態の変形例における回転錘体、および回転重錘の製造方法について説明する。
ここで、回転錘体164には、回転重錘366と一体化された後、第1陽極酸化処理工程と、第2陽極酸化処理工程の2回の陽極酸化処理が施される。より具体的には、まず、回転錘体164、および回転重錘366を一体化した後、第1陽極酸化処理工程を行い、回転錘体164の露出している表面全体に高圧陽極酸化膜74bを形成する。第1陽極酸化処理工程では、後工程の第2陽極酸化処理工程よりも回転錘体164に印加される電解電圧の値が高く設定されている。
続いて、回転錘体164の一面164bを物理的手法により、一面に形成されている高圧陽極酸化膜74bを除去する。ここで、研磨加工を施す一面は、使用者が外部から視認しやすい面(例えば、図11における上面)に設定することが望ましい。
そして、回転錘体164の一面164bに研磨加工を施した後、第2陽極酸化処理工程を行う。このとき、第2陽極酸化処理工程における電解電圧の値は、第1陽極酸化処理工程における電解電圧の値よりも低い。このため、第1陽極酸化処理工程において形成された高圧陽極酸化膜74b上には、新たに酸化膜が形成されることがない。
一方、物理的手法により高圧陽極酸化膜74bが除去されている一面164bには、新たに低圧陽極酸化膜74aが形成される。この低圧陽極酸化膜74aは、第2陽極酸化処理工程における電解電圧の値が低い分、高圧陽極酸化膜74bと比較して薄膜になる。これにより、回転錘体164の表裏面、つまり、一面164bと他面164cとでそれぞれ陽極酸化膜74a,74bの膜厚を変化させることができる。
したがって、上述の第3実施形態の変形例によれば、前述の第3実施形態と同様の効果に加え、回転錘体164の表裏面の色彩をそれぞれ変化させることができる。このため、色彩のバリエーションが多い回転錘160を提供することができ、よりユーザーの要望に応じた商品を提供することが可能になる。
なお、上述の第3実施形態の変形例では、回転錘体164と回転重錘366とを接着剤66を用いて固定したものについて、第1陽極酸化処理工程、および第2陽極酸化処理工程の2回の陽極酸化処理を施す場合について説明した。
しかしながら、これに限られるものではなく、前述の第1実施形態の回転錘体164、および回転重錘366や、第2実施形態の回転錘体164、および回転重錘266に、第1陽極酸化処理工程、および第2陽極酸化処理工程の2回の陽極酸化処理を施してもよい。
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、回転錘体164は、チタン、およびチタン合金の何れか一方により、平面視略扇状に形成されたものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、回転錘体164は陽極酸化処理可能な材料であればよい。例えば、チタン、およびチタン合金に代えて、マグネシウム(Mg)、マグネシウム合金、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、タングステン、モリブデン(Mo)等の金属材料を用いてもよい。
さらに、回転錘体164は平面視略扇状に限らず、例えば、平面視略円形状であってもよい。
さらに、上述の実施形態では、回転重錘166,266,366は、例えばタングステンにニッケルや銅を含有させた粉末を成形・焼成することにより形成されたものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、回転重錘166,266,366は、導電性を有する材料であればよい。
そして、回転重錘166,266,366は、重金属粉末を成形・焼成したものや導電性を有し、かつ陽極酸化処理が不可能な材料により形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、回転重錘166,266,366を陽極酸化処理が可能な材料で形成してもよい。このような場合であっても回転錘体164と回転重錘166,266,366との間に絶縁層62、絶縁膜65、または絶縁性の接着剤66を介装させることにより、回転錘体164のみに陽極酸化膜64〜74bを形成することが可能になる。
また、上述の実施形態では、自動巻腕時計10のムーブメント100に組み込まれている回転錘160,260,360を構成する、回転錘体164と回転重錘166,266,366とを一体化したものに陽極酸化処理を施す場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくとも陽極酸化処理可能な部材と、導電性部材とを有し、これらが互いに固定されているさまざまな部品に、上述の実施形態における陽極酸化処理を施すことが可能である。
10 自動巻時計(時計)
61 ビス(固定部材)
62 絶縁層(絶縁部材)
64,64a,64b,64c 陽極酸化膜
65 絶縁膜(絶縁部材)
66 接着剤(絶縁部材)
74a 低圧陽極酸化膜
74b 高圧陽極酸化膜
160,260,360 回転錘(部品)
164 回転錘体(第1部材)
164b 一面
164c 他面
166,266,366 回転重錘(第2導電性部材)

Claims (9)

  1. 少なくとも陽極酸化処理可能な回転錘体と、導電性を有した回転重錘とを有し、これらが互いに固定されている回転錘であって、
    前記回転錘体と前記回転重錘との間に、絶縁部材が介装されていることを特徴とする回転錘
  2. 前記回転錘体と前記回転重錘とが互いに固定部材を介して固定されており、
    前記固定部材は、陽極酸化処理可能な部材であることを特徴する請求項1に記載の回転錘
  3. 前記回転錘体は、チタン、およびチタン合金の何れか一方により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転錘
  4. 前記回転重錘は、陽極酸化処理不可能な材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の回転錘
  5. 少なくとも前記回転錘体の表面を、この回転錘体と前記回転重錘とを互いに固定した後、陽極酸化処理により発色させたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の回転錘
  6. 前記回転錘体の表面のうち、一面と他面とが異なる色で発色されていることを特徴とする請求項5に記載の回転錘
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載の回転錘を備えていることを特徴とする時計。
  8. 陽極酸化処理可能な回転錘体と、導電性を有した回転重錘とを互いに固定する回転錘の製造方法であって、
    前記回転重錘の表面のうち、少なくとも前記回転錘体と接触する箇所に予め絶縁部材を被覆させる絶縁部材形成工程と、
    前記絶縁部材形成工程を経た前記回転重錘に、前記回転錘体を固定する固定工程と、
    前記回転重錘に固定された前記回転錘体に、陽極酸化処理を施す陽極酸化処理工程とを有することを特徴とする回転錘の製造方法。
  9. 陽極酸化処理可能な回転錘体と、導電性を有した回転重錘とを互いに固定する回転錘の製造方法であって、
    前記回転錘体の表面のうち、少なくとも前記回転重錘と接触する箇所に陽極酸化処理を施し、絶縁膜を形成する第1陽極酸化処理工程と、
    前記第1陽極酸化処理工程を経た前記回転錘体に、前記回転重錘を固定する固定工程と、
    前記回転重錘に固定された前記回転錘体に、再度陽極酸化処理を施す第2陽極酸化処理工程とを有することを特徴とする回転錘の製造方法。
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