JP2002328180A - 時計用動力伝達部材、この時計用動力伝達部材の製造方法、および時計 - Google Patents

時計用動力伝達部材、この時計用動力伝達部材の製造方法、および時計

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JP2002328180A
JP2002328180A JP2001135363A JP2001135363A JP2002328180A JP 2002328180 A JP2002328180 A JP 2002328180A JP 2001135363 A JP2001135363 A JP 2001135363A JP 2001135363 A JP2001135363 A JP 2001135363A JP 2002328180 A JP2002328180 A JP 2002328180A
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Koichi Kamijo
浩一 上條
Kazuhiro Tsuchiya
和博 土屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よくエネルギを伝達でき、かつ、錆びの
発生を防止することで管理のための作業負担を軽減でき
る時計用動力伝達部材、この時計用動力伝達部材の製造
方法、および、前述の時計用動力伝達部材または前述の
方法で製造された時計用動力伝達部材を備える時計を提
供すること。 【解決手段】三番軸部材231では、三番軸部材231
全体にめっき処理が施されてから、摺動面10Aに摺動
面研磨処理が施され、摺動面研磨処理後には、摺動面1
0Aのめっきが全て研削されている。摺動面10Aを鏡
面状態に近い状態に研磨したので、摺動面10Aにおけ
る耐摩耗性を向上させることができ、摩擦によるエネル
ギの伝達ロスを抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時計用動力伝達部
材、この時計用動力伝達部材の製造方法、およびこの時
計用動力伝達部材またはこの方法により製造された時計
用動力伝達部材を備える時計に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、時計の動力伝達部材としては、
多数の歯車を用いた輪列が多用されている。このような
歯車は、一般的に、炭素鋼からなる母材に切削加工とし
ての歯割り加工を施して形成される。この際、歯車に
は、他の歯面に接触して摺動する摺動面が形成される。
また、歯車としての強度を確保するために、この歯車に
は、焼き入れ等の熱処理が施される。
【0003】そして、機械式時計や電子制御式機械時計
に歯車を使用する場合には、歯車でのエネルギの伝達ロ
スが、時計としての精度に大きく影響するので、十分な
精度を確保するために、熱処理後の歯車の摺動面に研磨
処理を施して、この摺動面を平滑な面に仕上げている。
このように機械式時計や電子制御式機械時計に使用され
る歯車には、めっき処理が施されないのが一般的であ
る。
【0004】一方、クォーツ時計に歯車を使用する場合
には、熱処理後の歯車にバレル処理を施してから、めっ
き処理等の防錆処理を施している。このバレル処理は、
前述の研磨処理に比べてやや表面粗さが大きくなるもの
の、手軽でコストが抑えられる利点から、機械式時計等
程の表面粗さが要求されないクォーツ時計用の歯車に利
用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、機械式
時計や電子制御式機械時計に使用される歯車の場合に
は、摺動面以外の研磨されない部分、例えば、歯面の中
でも接触しない部分や、歯車の側面等は、その表面状態
が荒れているため錆びやすく、この歯車の保管のための
十分な湿度管理が必要であり、管理上の作業負担や工数
が非常に大きくなるという問題がある。
【0006】また、クォーツ時計に使用される歯車の場
合には、防錆処理としてのめっき処理が施された際に、
そのめっき部分には、突起状の小さなふくれや、穴状の
ピンホール等が生じたり、めっきと母材との間の密着強
度が小さいために、めっきの剥離が生じたりしていた。
このため、歯車の摺動面が粗くなって、耐摩耗性が損な
われ、エネルギの伝達ロスが大きくなるという問題があ
る。
【0007】本発明の目的は、効率よくエネルギを伝達
でき、かつ、錆びの発生を防止することで管理のための
作業負担を軽減できる時計用動力伝達部材、この時計用
動力伝達部材の製造方法、および、前述の時計用動力伝
達部材または前述の方法で製造された時計用動力伝達部
材を備える時計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の時計用動力伝達
部材は、一部に摺動面を有する時計用動力伝達部材であ
って、研磨処理で平滑な面に研磨された研磨部と、めっ
き処理が施されているめっき部とを備え、この研磨部で
前記摺動面が形成されていることを特徴とするものであ
る。本発明によれば、平滑な面にまで研磨された研磨部
で摺動面が形成されているので、摺動面における耐摩耗
性を向上させることができ、摩擦によるエネルギの伝達
ロスを抑えることができる。なお、摺動面以外のめっき
部では、めっきの剥離やピンホール等が生じる可能性は
あるが、この部分は他の面と接触しないので、小さい表
面粗度が要求されず、エネルギ伝達に影響を与えること
はない。また、このような摺動面以外のめっき部では、
摺動による負荷等がかからないため、めっきの剥離等が
発生する可能性はほとんどない。一方、摺動面では、研
磨処理によってめっきが研削されるが、表面が平滑な面
となるように仕上げられるので、表面上での電位差の発
生を抑えることができ、錆の発生を防止できる。そし
て、摺動面以外の部分をめっき処理が施されためっき部
とすることにより、このめっき部における錆の発生も防
止でき、これらのことにより、時計用動力伝達部材の管
理上の負担を軽減できる。
【0009】本発明の時計用動力伝達部材の製造方法
は、一部に摺動面を有する時計用動力伝達部材の製造方
法であって、前記部材の全表面にめっき処理を施した後
に、前記摺動面に研磨処理を行って当該摺動面を平滑な
面に仕上げることを特徴とするものである。このような
発明によれば、前述したような、効率よくエネルギを伝
達でき、かつ、管理のための作業負担を軽減できる時計
用動力伝達部材を製造できる。また、めっき処理の後に
研磨処理を行うので、研磨後の摺動面にマスキング等を
施す等してめっき処理を行う必要がなく、製造時の作業
負担を軽減できる。
【0010】ここで、本発明の時計用動力伝達部材の製
造方法は、前記摺動面に施しためっきを、前記研磨処理
で全て研削するとともに、当該摺動面を平滑な面に仕上
げることが好ましい。このような方法では、摺動面のめ
っきを全て研削するので、摺動面にめっきを残す場合の
ように、残っためっきが剥がれたりすることがない。こ
のため、エネルギ伝達を確実に行うことができる。ま
た、このような場合において、例えば、めっき処理とし
て、他のめっきに比べて比較的柔らかいニッケル電解め
っき処理を採用すれば、研磨処理によって簡単にめっき
を研削でき、研磨処理の作業性を向上させることができ
る。
【0011】また、本発明の時計用動力伝達部材の製造
方法は、前記摺動面に施しためっきを前記研磨処理後の
摺動面に残すとともに、当該摺動面を平滑な面に仕上げ
てもよい。このような方法では、例えば、めっきを厚め
に施すことにより、研磨処理後の摺動面にもめっきが残
り、時計用動力伝達部材の全表面がめっきによって被覆
される。このため、錆びの発生を確実に防止できる。ま
た、厚めにめっきを施すと、一般的な厚さのめっき処理
に比べて、析出による角が発生しやすい欠点があるもの
の、その後の研磨処理により、摺動面においては角がと
れ、特に問題とならない。
【0012】さらに、このように研磨処理後の摺動面に
めっきを残す場合において、前記めっき処理は、ニッケ
ルリンの無電解のめっき処理であることが好ましい。こ
のような場合には、ニッケルリンの無電解のめっきが、
他のめっきに比べて比較的硬度が高いことから、摺動面
の硬度を高めることができ、耐摩耗性を向上させること
ができる。従って、このような時計用動力伝達部材は、
側圧の高い時計用の部品として最適である。
【0013】また、本発明の時計用動力伝達部材の製造
方法は、前記めっき処理後に、加熱処理を行い、この後
に前記研磨処理を行うことが好ましい。このような発明
によれば、めっき処理後に加熱処理を行うので、母材と
めっきとの間の密着強度が向上し、よって、摺動面から
のめっきの剥離を抑えることができ、摺動面の耐摩耗性
を向上させることができる。さらに、めっき処理後の加
熱処理により、摺動面における硬度が高くなるので、摺
動面の耐摩耗性を向上させることができる。
【0014】さらに、本発明の時計用動力伝達部材の製
造方法は、前記めっき処理を行う前に前記部材の全表面
にバレル処理を施すことが好ましい。ここで、歯割り加
工等によって摺動面を形成する際には、その摺動面に
は、バリやかえりが生じる場合がある。このため、この
ような手順で行えば、バレル処理で、バリやかえりを除
去できる。従って、めっきの析出が生じやすいバリやか
えりを除去できるので、めっきの厚さを均一にできる。
また、バレル処理で、部材の全表面が研磨されることに
より、表面にめっきが着きやすくなるから、めっき処理
の作業性を向上させることができる。
【0015】本発明の時計は、前述の時計用動力伝達部
材または前述の方法で製造された時計用動力伝達部材を
備えて構成されることを特徴とするものである。このよ
うにすれば、前述した時計用動力伝達部材や、前述した
方法で製造された時計用動力伝達部材と同様の効果を奏
する時計が得られるとともに、時計としての時間精度
や、耐久性、信頼性等の各種性能を向上させることがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明の
第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1には、本
発明の第1実施形態に係る電子制御式機械時計の要部を
示す平面図が示され、図2および図3にはその断面図が
それぞれ示されている。電子制御式機械時計は、機械的
エネルギを蓄えるためのゼンマイ1Aと、このゼンマイ
1Aにより回転駆動される香箱歯車1Bと、ゼンマイ1
Aを巻き上げるための香箱真1Cと、香箱蓋1Dとから
なる香箱車1を備えている。
【0017】ゼンマイ1Aは、外端が香箱歯車1B、内
端が香箱真1Cに固定されている。香箱真1Cは、対向
配置された地板2と輪列受3との間に、回転可能に支持
されている。この香箱真1Cには、角穴車4が角穴ネジ
5によって固定されており、香箱真1Cと角穴車4が一
体的に回転するようになっている。そして、図示しない
リューズによって、角穴車4を時計方向に回転させるこ
とで、香箱真1Cによってゼンマイ1Aを巻き上げるこ
とができるようになっている。なお、角穴車4は、時計
方向には回転するが反時計方向には回転しないように、
こはぜ6(図1)と噛み合っている。
【0018】ゼンマイ1Aによって回転駆動される香箱
歯車1Bの回転は、二番車22へ伝達された後、増速さ
れて三番車23へ、さらに順次増速されて四番車24、
五番車25、六番車26、ロータ112(後述)へと伝
達されている。ここで、二番車22には分針8が固定さ
れ、四番車24には秒針9が固定されている。これらの
車22〜26は、ゼンマイ1Aの機械的エネルギをロー
タ112に伝達する輪列117を構成しており、この輪
列117の駆動に伴って、分針8および秒針9等の指針
が駆動されることとなる。
【0019】電子制御式機械時計には、輪列117を介
して伝達されたゼンマイ1Aの機械的エネルギによって
発電を行う発電機120が設けられ、この発電機120
は、前述のロータ112、ステータ113、第1コイル
ブロック114、および第2コイルブロック115を含
んで構成されている。ロータ112は、その回転軸に貫
通された、ロータ磁石112A、ロータかな112B、
およびロータ慣性円板112Cを有している。このう
ち、ロータ慣性円板112Cは、香箱車1からの駆動ト
ルク変動に対しロータ112の回転数変動を少なくする
ために設けられている。
【0020】次に、輪列117を構成する二番車22、
三番車23、四番車24、五番車25、および六番車2
6について説明する。二番車22、三番車23、四番車
24、五番車25、および六番車26は、略同様な構成
を有しており、それぞれ回転軸とされるとともに、二番
カナ221A、三番カナ231A、四番カナ241A、
五番カナ251A、六番カナ261Aがそれぞれ一体的
に形成された二番軸部材221、三番軸部材231、四
番軸部材241、五番軸部材251、六番軸部材261
と、各軸部材221,231,241,251,261
に貫通・固定されて、かつ各カナ221A,231A,
241A,251A,261Aよりも寸法が大きく、か
つ歯数の多い二番歯車222、三番歯車232、四番歯
車242、五番歯車252、六番歯車262とから構成
されている。なお、二番カナ221A、三番カナ231
A、四番カナ241A、五番カナ251A、六番カナ2
61Aを含む各軸部材221,231,241,25
1,261が、それぞれ本発明の動力伝達部材であり、
香箱歯車1B、二番歯車222、三番歯車232、四番
歯車242、五番歯車252のそれぞれの歯車と噛み合
うようになっている。
【0021】ここで、これらの車22〜26の構成につ
いて、さらに詳しく説明すると、図4に三番車23を代
表として示すように、三番軸部材231の両端には、ほ
ぞ231Bが、また三番軸部材231の略中央部分に
は、三番歯車232を支持する支持部231Cが一体的
に形成され、この支持部231Cの外周には、後述する
ドライビングホイール62の複数の歯62A(図8)と
噛み合う複数の歯11が形成されている。
【0022】三番歯車232は、その回転中心に、三番
軸部材231を貫通して固定するための固定孔232B
が形成されており、その外周には、四番車24の四番カ
ナ241Aと噛み合う複数の歯232Aが形成されてい
る。三番カナ231Aは、その外周に、二番車22の二
番歯車222と噛み合う複数の歯10が形成されてい
る。このような三番カナ231Aが形成された三番軸部
材231は、母材が炭素鋼とされている。また、三番カ
ナ231Aの歯10は、図5に示すように、二番歯車2
22の外周に形成された複数の歯222A(図4)の面
に接触して摺動する摺動面10Aと、二番歯車222に
形成された複数の歯222Aの面とは接触しない非摺動
面10Bとからなる。
【0023】このような三番軸部材231の製造手順に
ついて、図6を参照しながら、以下に説明する。まず、
炭素鋼の棒状部材を切断して、所定の長さの円柱部材3
1を形成し(図6(A))、この円柱部材31を切削し
て、三番カナ231Aとなる第1部分32A、支持部2
31Cとなる第2部分32B、および、ほぞ231Bを
削りだし、よって第1加工部材32を形成する(図6
(B))。
【0024】次いで、この第1加工部材32において、
第1部分32Aの外周に歯10を削りだして三番カナ2
31Aを形成し、第2部分32Bの外周に歯11を削り
だして支持部231Cを形成し、よって第2加工部材3
3を形成する(図6(C))。
【0025】次に、第2加工部材33に焼入れ処理を施
して、第2加工部材33を硬化させ(図6(D))、そ
の後、所定の砥粒や、研磨剤とともに第2加工部材33
をバレル40内に投入してかえり取りバレル処理を施
し、第2加工部材33に生じたかえり等の除去や、第2
加工部材33の研磨を行う(図6(E))。そして、か
えり取りバレル処理後の第2加工部材33に焼戻し処理
を施して、炭素鋼からなる第2加工部材33の靭性を向
上させる(図6(F))。
【0026】次に、図7に示すように、焼戻し処理が完
了した第2加工部材33に、ニッケル電解めっき処理を
施す。具体的には、めっきタンク51にニッケル(Ni
2+)溶液(例えば、硫酸ニッケル溶液)52を入れて、
第2加工部材33を陰極53とし、ニッケル板を対極
(陽極)54として、ニッケル溶液52の中に浸す。そ
して、極53,54に対して、電源55から直流電流を
流す(電気分解)。すると、陰極である第2加工部材3
3では、以下の化1に示す還元反応が起こり、通電して
から数十秒後には、第2加工部材33にニッケル電解め
っきが施される。この際、通電時間を調節して、ニッケ
ル電解めっきの厚さが約0.1μm程度となるようにす
る(以下、このようなめっき処理をフラッシュめっきと
称す)。
【0027】
【化1】
【0028】次に、図8に示すように、フラッシュめっ
きが施された第2加工部材33を、ほぞ研磨処理装置6
0に取り付けて、第2加工部材33のほぞ231Bの周
面に研磨処理を施す。
【0029】ここで、ほぞ研磨処理装置60は、第2加
工部材33のほぞ231Bを下側から支持する支持台6
1と、第2加工部材33の上側にあって、支持部231
Cの歯11と噛み合う歯62Aが形成されたドライビン
グホイール62と、ほぞ231Bを上側から圧するバニ
ッシングホイール63とを備える。ドライビングホイー
ル62は、軸62Bを中心にして矢印Aの方向に回転す
るものであり、歯62Aが支持部231Cの歯11に噛
み合って、第2加工部材33を矢印Bの方向に回転させ
る。なお、支持部231Cには、歯11が形成されない
場合もあり、この場合には、歯62Aを三番カナ231
Aの歯10に噛み合わせるようにする。このため、ドラ
イビングホイール62と噛みあう歯は、支持部231C
の歯11には限定されない。バニッシングホイール63
は、軸63Bを中心にして矢印Cの方向にそれぞれ回転
するものであり、超硬合金製の接触部63Aが、回転し
ているほぞ231Bの周面を上側から圧し、これによ
り、ほぞ231Bの周面を研磨する。
【0030】このようなほぞ研磨処理が施されたほぞ2
31B周面の算術平均粗さ(Ra)を調べると、研磨処
理前のRaは150nmであったが、研磨処理後のRa
は10nmとなっており、ほぞ231B周面が平滑な面
である鏡面状態に近い状態まで研磨されていることが分
かる。なお、図示しないが、このような研磨処理によっ
て、ほぞ231B周面のフラッシュめっきは、全て研削
されている。
【0031】次に、図9に示すように、ほぞ研磨処理が
なされた第2加工部材33を、摺動面研磨処理装置70
に取り付けて、三番カナ231Aの摺動面10Aに摺動
面研磨処理を施し、三番軸部材231を完成させる。
【0032】ここで、摺動面研磨処理装置70は、第2
加工部材33を下側から支持する支持台71と、第2加
工部材33の上側において、三番カナ231Aの歯10
と噛み合う歯72Aが形成されたホイール72とを備え
る。ホイール72は、軸72Bを中心にして矢印Dの方
向に回転するものであり、その外周には、三番カナ23
1Aの歯10の方向に対して、やや斜めにねじられた木
製の歯72Aが形成されている。そして、この歯72A
は、三番カナ231Aの歯10に噛み合うようになって
いる。ホイール72が矢印Dの方向へ回転することによ
って、第2加工部材33は、歯10,72A同士の噛み
合いを介して、ウォームギアの様に連続的に矢印Eの方
向へ回転する。この際、ホイール72の歯72Aの面
は、歯10の摺動面10Aに対してやや斜めに形成され
ているので、この歯72Aの面は、歯10の摺動面10
Aを圧しながら摺動し、摺動面10Aを研磨する。
【0033】このような摺動面研磨処理が施された摺動
面10Aの表面粗さ(Ra)を調べると、研磨前のRa
は150nmであったが、研磨処理後のRaは10nm
となっており、摺動面10Aが鏡面状態に近い状態に研
磨されていることが分かる。ここで、図10に示すよう
に、このような研磨処理によって、摺動面10Aを被覆
していたフラッシュめっきは、全て研削されており、摺
動面10Aには母材である炭素鋼が鏡面状態に近い状態
で露出している。
【0034】以上のような手順で三番軸部材231を製
造する。そして、このようにして完成した三番軸部材2
31は、前述のように、三番車23の一部を構成し、隣
接する二番車22の歯車222と噛み合うようになって
いる。なお、二番軸部材221、四番軸部材241、五
番軸部材251、および六番軸部材261も、前述の三
番軸部材231の場合と同様の手順で製造される。
【0035】このような第1実施形態によれば、以下の
ような効果がある。 (1)摺動面10Aに摺動面研磨処理を施して、エネルギ
の伝達に大きな影響を及ぼす摺動面10Aを、荒れた状
態(Ra=150nm)から鏡面状態に近い状態(Ra
=10nm)としたので、摺動面10Aにおける耐摩耗
性を向上させることができ、かつ摩擦によるエネルギの
伝達ロスを抑えることができる。また、ほぞ231Bの
周面にもほぞ研磨処理を施して、ほぞ231Bの周面を
鏡面状態に近い状態としたので、耐摩耗性を向上させる
ことができる。
【0036】(2)そして、このように摺動面10Aおよ
びほぞ231B周面を鏡面状態に近い状態まで研磨した
ので、表面上での電位差が発生せず、摺動面10Aやほ
ぞ231B周面における錆の発生を防止できる。
【0037】(3)カナ221A,231A,241A,
251A,261Aを含む各軸部材221,231,2
41,251,261にニッケル電解めっき処理を施し
たので、非摺動面10B等の研磨されない部分での錆の
発生を防止でき、軸部材221,231,241,25
1,261の管理上の負担を軽減できる。
【0038】(4)研磨処理によって、摺動面10Aおよ
びほぞ231B周面に施したフラッシュめっきをすべて
取り除いたので、めっきの剥離で生じた摩耗粉によって
発生する耐久性の低下を抑制できる。
【0039】(5)エネルギの伝達に最も重要な摺動面1
0Aを研磨したので、他の部分を研磨する時間を省い
て、加工時間を短縮でき、製造コストを削減できる。
【0040】(6)摺動面10A以外のめっき部分では、
めっきの剥離やピンホール等が生じる可能性はあるが、
この部分は他の面等と接触しないので、エネルギ伝達に
は影響がなく、前述のような効率的なエネルギ伝達性能
を阻害する心配がない。
【0041】(7)例えば、研磨処理の後にめっき処理を
行う場合には、研磨後の摺動面10Aやほぞ231B周
面にマスキング等を施してから、部材221,231,
241,251,261全体にめっき処理を行う必要が
あるが、本実施形態では、めっき処理の後に、摺動面研
磨処理やほぞ研磨処理を行うので、そのような場合に比
べて、製造時の作業負担を軽減できる。
【0042】(8)他のめっきに比べて比較的柔らかいニ
ッケル電解めっき処理を採用したので、摺動面研磨処理
およびほぞ研磨処理の際に、簡単にめっき部分を研削で
き、研磨処理の作業性を向上させることができる。ま
た、ニッケル電解めっき処理は、他のめっき処理にくら
べて、比較的安価なので、製造コストを抑えることがで
きる。
【0043】(9)他の分野で使用される歯車に比べて、
摺動面10Aの単位面積当たりにかかる力が大きくて、
かつ使用条件が厳しい時計用のカナ221A,231
A,241A,251A,261Aにおいて、摺動面研
磨処理を施したので、動力を確実に伝達でき、時計とし
ての時間精度や信頼性等を向上させることができる。
【0044】[第2実施形態]次に、本発明の第2実施
形態を図面に基づいて説明する。なお、前記第1実施形
態と同一または相当構成品には同じ符号を付し、説明を
省略または簡略する。また、後述する第3,第4実施形
態でも、同様に説明を省略または簡略する。第2実施形
態の電子制御式機械時計は、前記第1実施形態の電子制
御式機械時計と全く同じ構成であり、時計を構成する動
力伝達部材としての軸部材221,231,241,2
51,261への処理手順のみが相違している。具体的
な相違点は、第1には、前記第1実施形態のニッケル電
解めっき処理(図7)が、以下のニッケルリンの無電解
の厚めっき処理に変更された点である。第2には、前記
第1実施形態では、ほぞ研磨処理(図8)後および摺動
面研磨処理(図9)後には、各研磨処理部分にめっきが
残されていなかったが、ほぞ研磨処理後および摺動面研
磨処理後にも、各研磨部分に被覆されためっきが残され
ている点である。このため、相違するめっき処理の方法
と研磨後の研磨部分の状態についてのみ説明する。
【0045】図11に示すように、焼戻し処理が完了し
た第2加工部材33に、ニッケルリン無電解の厚めっき
処理を施す。具体的には、前述のめっきタンク51に、
所定の還元剤を添加したニッケルリン酸溶液(Ni
3(PO42溶液)56を入れ、そのニッケルリン酸溶
液56の中に第2加工部材33を浸す。すると、第2加
工部材33には、ニッケルリンの無電解めっきが施され
る。この際、ニッケルリンの無電解めっきの厚さが約1
0.0μm程度となるように、浸す時間やニッケルリン
酸溶液56の濃度等を調節する。なお、めっきの厚さは
10.0μmに限定されず、例えば、6.0μm等であ
ってもよく、この場合には、後工程となる各研磨処理に
おいて、母材の炭素鋼が表面に露出しないように注意し
ながら、処理を行えばよい。このため、めっきの厚さ
は、特に限定されない。
【0046】次いで、前記第1実施形態と同様に、ほぞ
研磨処理、摺動面研磨処理の順に処理する。摺動面研磨
処理後の摺動面10Aは、図12に示すように、他の部
分よりもめっきの厚さが薄くなっているが、めっきが残
されたまま鏡面状態に近い状態に研磨されている。な
お、図示しないが、ほぞ231Bの周面も、摺動面10
Aと同様に、めっきが残されたまま鏡面状態に近い状態
に研磨されている。以上のような手順で処理を施して、
三番軸部材231を完成させる。なお、他の軸部材22
1,241,251,261も同様の手順で処理を施し
て完成させる。
【0047】このような第2実施形態によれば、第1実
施形態の(1),(2),(5),(6),(7),(9)と同様の
効果に加えて、以下のような効果がある。 (10)カナ221A,231A,241A,251A,2
61Aを含む各軸部材221,231,241,25
1,261全体にニッケルリン無電解めっき処理を施す
上、研磨処理後の摺動面10Aおよびほぞ231B周面
にもニッケルリンめっきが残っていることにより、軸部
材221,231,241,251,261全体がめっ
きによって被覆されているから、錆びの発生を確実に防
止でき、軸部材221,231,241,251,26
1の管理を簡単にできる。
【0048】(11)このように摺動面10Aにめっきが残
っているから、摺動面10Aを硬度の高いニッケルリン
めっきで覆われた面にでき、耐摩耗性を向上させること
ができる。このため、カナ221A,231A,241
A,251A,261Aの中でも、特に、側圧の高い二
番カナ221Aおよび三番カナ231Aに使用したの
で、より一層各種効果を高めることができる。
【0049】(12)めっき処理としてニッケルリン無電解
めっきを採用したので、他のめっき処理に比べて、均一
な厚さのめっきを被覆することができ、製品の精度を高
めることができる。
【0050】(13)めっき処理として厚めっき処理を採用
したが、その後の研磨処理によって摺動面10Aおよび
ほぞ231B周面を鏡面状態に近い状態まで研磨するの
で、厚めっき処理の欠点である角の発生も解消できる。
【0051】[第3実施形態]次に、本発明の第3実施
形態を説明する。第3実施形態の電子制御式機械時計
は、前記各実施形態の電子制御式機械時計と全く同じ構
成であり、この時計を構成する動力伝達部材としての軸
部材221,231,241,251,261への処理
手順のみが相違している。具体的には、前記第2実施形
態では、ニッケルリンの厚めっき処理(図11)後に、
ほぞ研磨処理(図8)を施していたが、ニッケルリンの
厚めっき処理後に、以下に示す本発明の請求項5に係る
加熱処理を施してから、ほぞ研磨処理を施す点で、第2
実施形態と相違している。このため、新たに追加された
加熱処理についてのみ説明する。
【0052】ニッケルリンの厚めっき処理を施した第2
加工部材33に、250℃で1時間の加熱処理を施し、
母材である炭素含有量1.0%の炭素鋼とめっきとの密
着強度を向上させる。ここで、図13には、加熱処理温
度とめっきの硬度との関係を示し、図14には、加熱処
理温度と炭素鋼の硬度との関係を示す。図13および図
14に示すように、めっきの硬度は、加熱処理温度が高
くなるとともに、高くなることが分かる。逆に、炭素鋼
の硬度は、加熱処理温度が高くなるとともに、低くなる
ことが分かる。これより、加熱処理温度を200〜30
0℃とした場合には、めっきの硬度と炭素鋼の硬度とが
大きく離れていないためバランスがよい。このため、炭
素鋼とめっきとの密着強度を向上させることができ、確
実に防錆効果を期待できる。また、加熱処理温度を30
0〜400℃とした場合には、炭素鋼がなまって若干硬
度が低下するが、めっきの硬度が向上するため、高い側
圧のかかる摺動面に適している。なお、加熱処理温度を
400℃以上とすると、炭素鋼の硬度が維持できない欠
点があり、また、200℃以下とすると、炭素鋼とめっ
きとの密着強度を向上させることができないという欠点
がある。このため、本実施形態では、処理温度を250
℃としたが、これに限らず、処理温度は、200〜40
0℃の間で選択すればよい。また、本実施形態では、加
熱処理時間を1時間としたが、これに限らず、加熱処理
の状態を観察しながら、適宜設定・変更できる。
【0053】次いで、第2加工部材33を自然冷却した
後に、前述と同様にほぞ研磨処理、摺動面研磨処理の順
に処理を施して、三番軸部材231を完成させる。な
お、他の軸部材221,241,251,261も同様
の手順で処理を施して完成させる。
【0054】このような第3実施形態によれば、前記第
2実施形態の(1),(2),(5),(6),(7),(9)〜(1
3)と同様の効果に加えて、以下のような効果がある。 (14)ニッケルリンの厚めっき処理後に加熱処理を施した
ので、炭素鋼と被覆されためっきとの間の密着強度が向
上し、よって、摺動による摺動面10Aからのめっき剥
離を抑えることができ、摺動面10Aの耐摩耗性を向上
させることができる。なお、ほぞ231B周面において
も同様の効果を奏することができる。
【0055】[第4実施形態]次に、本発明の第4実施
形態を説明する。第4実施形態の電子制御式機械時計
は、前記各実施形態の電子制御式機械時計と全く同じ構
成であり、この時計を構成する動力伝達部材としての軸
部材221,231,241,251,261への処理
手順のみが相違している。具体的には、前記第1実施形
態では、焼戻し処理(図6(F))後に、ニッケル電解
めっき処理(図7)を施したが、焼戻し処理後に、以下
に示すバレル処理を施してから、ニッケル電解めっき処
理を施す点で、第1実施形態と相違している。このた
め、新たに追加されたバレル処理についてのみ説明す
る。
【0056】焼戻し処理(図6(F))を施した第2加
工部材33に、バレル処理を施す。具体的には、図6
(E)のかえり取りバレル処理と略同様に、バレル内
に、前述のかえり取りバレル処理で使用した砥粒より
も、やや大きい砥粒としての銅ボール(径:100μ
m)、所定の研磨剤、および第2加工部材33を投入
し、かえり取りバレル処理で除去しきれなかったかえり
を除去したり、第2加工部材33の表面を研磨する。
【0057】次いで、前述と同様に、ニッケル電解めっ
き処理(図7)、ほぞ研磨処理(図8)、摺動面研磨処
理(図9)の順に処理を施して、三番軸部材231を完
成させる。なお、他の軸部材221,241,251,
261も同様の手順で処理を施して完成させる。
【0058】このような第4実施形態によれば、前記第
1実施形態の(1)〜(9)と同様の効果に加えて、以下のよ
うな効果がある。 (15)バレル処理によって、各軸部材221,231,2
41,251,261の表面を研磨することにより、表
面にめっきが着きやすくなるので、めっき処理の作業時
間を短縮でき、製造コストを抑えることができる。さら
に、バレル処理によって、各軸部材221,231,2
41,251,261の表面を研磨したので、めっきの
析出が生じやすいバリやかえりを除去でき、めっきの厚
さを均一にできる。
【0059】なお、本発明は、前記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での
変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、
前記各実施形態では、各軸部材221,231,24
1,251,261に各カナ221A,231A,24
1A,251A,261Aを一体成型したが、これに限
らず、軸部分およびカナが別体として形成されてもよ
い。この際には、本発明に係る動力伝達部材をカナ22
1A,231A,241A,251A,261Aとし
て、前述の各種処理を施せばよい。
【0060】また、前記各実施形態では、同じ手順で処
理した軸部材221,231,241,251,261
を用いて時計を構成したが、これに限らず、例えば、第
1実施形態の手順で処理した軸部材221,231と、
第2実施形態の手順で処理した軸部材241,251,
261とを用いて時計を構成してもよい。さらに、全て
の軸部材221,231,241,251,261を本
発明に係る動力伝達部材としなくてもよく、例えば、軸
部材221,231のみを本発明に係る動力伝達部材と
し、その他の軸部材241,251,261を従来の手
順で処理された軸部材として時計を構成してもよい。要
するに、時計において、本発明に係る動力伝達部材とし
ての軸部材が採用されていればよく、その数は任意であ
る。
【0061】また、前記各実施形態では、動力伝達部材
をカナを含む軸部材としたが、これに限らず、例えば、
リューズに接続された巻真の操作によって回動し、係合
するかんぬきを回動させて、時刻合わせ等を可能にする
おしどりとしてもよい。この際には、かんぬきと係合す
る面が摺動面となる。要するに、本発明の動力伝達部材
は、時計に使用されるものであって、他の面に接触して
摺動する摺動面が形成されたものであればよい。
【0062】また、前記各実施形態では、めっき処理の
後に研磨処理を行っていたが、これに限らず、研磨処理
の後にめっき処理を行ってもよい。この際には、研磨処
理の後に、摺動面をマスキングしてから、めっき処理を
行うようにすればよい。ただし、このようなマスキング
の作業が必要となるため、前記各実施形態のほうが、作
業負担を少なくできる利点がある。
【0063】また、前記各実施形態では、電解めっき処
理または無電解めっき処理を採用したが、これに限ら
ず、例えば、スパッタリング法や真空蒸着、イオンプレ
ーティング等を採用してもよい。要するに、めっき処理
の方法は、目的や用途、コスト等を考慮して、適宜選択
すればよい。
【0064】また、前記各実施形態では、ニッケルまた
はニッケルリンを用いてめっき処理を施したが、これに
限らず、クロムや金、パラジウム、ロジウム等のその他
の金属でめっき処理を施してもよい。ただし、前記実施
形態のほうが、比較的硬度が高く、耐食性に優れるとい
う利点がある。また、めっき処理としては、ニッケルリ
ンのテフロン(登録商標)共析めっき処理や、ニッケル
ボロンの無電解めっき処理等も採用できる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、鏡面状
態に近い状態まで研磨された研磨部で摺動面が形成され
ているので、摺動面における耐摩耗性を向上させること
ができ、摩擦によるエネルギの伝達ロスを抑えることが
できるという効果がある。また、摺動面では、表面が鏡
面状態に近い状態となるように仕上げられるので、表面
上での電位差の発生を抑えることができ、錆の発生を防
止できる。さらに、摺動面以外の部分でも、表面をめっ
き部とすることにより錆の発生を防止できる。これらの
ことにより、時計用動力伝達部材の管理上の負担を軽減
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に係る電子制御式機械時計
の要部を示す平面図である。
【図2】前記各実施形態における電子制御式機械時計の
要部を示す断面図である。
【図3】前記各実施形態における電子制御式機械時計の
要部を示す断面図である。
【図4】前記各実施形態における三番車を示す断面図で
ある。
【図5】前記各実施形態における時計用動力伝達部材と
しての三番軸部材の摺動面を示す部分拡大図である。
【図6】前記各実施形態における三番軸部材の製造工程
を示す模式図である。
【図7】前記第1および第4実施形態における三番軸部
材のニッケル電解めっき処理を示す模式図である。
【図8】前記各実施形態におけるほぞの研磨処理を示す
模式図である。
【図9】前記各実施形態における摺動面の研磨処理を示
す模式図である。
【図10】前記第1および第4実施形態における三番軸
部材の摺動面を示す部分拡大図である。
【図11】前記第2および第3実施形態における三番軸
部材のニッケルリンの無電解めっき処理を示す模式図で
ある。
【図12】前記第2および第3実施形態における摺動面
を示す部分拡大図である。
【図13】前記第3実施形態における加熱処理温度とめ
っきの硬度との関係を示す図である。
【図14】前記第3実施形態における加熱処理温度と炭
素鋼の硬度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10,11 歯 10A 摺動面 22 二番車 23 三番車 24 四番車 25 五番車 26 六番車 40 バレル 52 ニッケル溶液 56 ニッケルリン酸溶液 60 ほぞ研磨処理装置 70 摺動面研磨処理装置 117 輪列 221 時計用動力伝達部材としての二番軸部材 221A 二番カナ 231 時計用動力伝達部材としての三番軸部材 231A 三番カナ 241 時計用動力伝達部材としての四番軸部材 241A 四番カナ 251 時計用動力伝達部材としての五番軸部材 251A 五番カナ 261 時計用動力伝達部材としての六番軸部材 261A 六番カナ
フロントページの続き Fターム(参考) 2F001 AA03 AG06 3C043 AC02 CC04 DD05 3J030 AA12 BA01 BC03 BC10 CA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部に摺動面を有する時計用動力伝達部
    材であって、 研磨処理で平滑な面に研磨された研磨部と、 めっき処理が施されているめっき部と、を備え、 この研磨部で前記摺動面が形成されていることを特徴と
    する時計用動力伝達部材。
  2. 【請求項2】 一部に摺動面を有する時計用動力伝達部
    材の製造方法であって、 前記部材の全表面にめっき処理を施した後に、前記摺動
    面に研磨処理を行って当該摺動面を平滑な面に仕上げる
    ことを特徴とする時計用動力伝達部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の時計用動力伝達部材の
    製造方法において、 前記摺動面に施しためっきを、前記研磨処理で全て研削
    するとともに、当該摺動面を平滑な面に仕上げることを
    特徴とする時計用動力伝達部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の時計用動力伝達部材の
    製造方法において、 前記摺動面に施しためっきを前記研磨処理後の摺動面に
    残すとともに、当該摺動面を平滑な面に仕上げることを
    特徴とする時計用動力伝達部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の時計用動力伝達部材の
    製造方法において、 前記めっき処理は、ニッケルリンの無電解のめっき処理
    であることを特徴とする時計用動力伝達部材の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の時計用動力伝達部材の
    製造方法において、 前記めっき処理後に、加熱処理を行い、この後に前記研
    磨処理を行うことを特徴とする時計用動力伝達部材の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の時計用動力伝達部材の
    製造方法において、 前記めっき処理を行う前に前記部材の全表面にバレル処
    理を施すことを特徴とする時計用動力伝達部材の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の時計用動力伝達部材ま
    たは請求項2〜請求項7のいずれかに記載の製造方法で
    製造された時計用動力伝達部材を備えて構成されること
    を特徴とする時計。
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