JP5590546B2 - オルガノゲル及びオルガノゲルの製造方法 - Google Patents
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Description
一方、各種植物油及び動物油に代表される食用油は、主に家庭で使用され、使用後は廃棄する必要があるが、その多くは排水溝にそのまま流され、水質を汚染する原因となっている。使用済み食用油をゲル化して廃棄させるための製品(例えば、水素添加ひまし油や、12−ヒドロキシステアリン酸等)が市販されているが、食用油が高温のうちに該製品を添加混合しなければならないなど、使用に不便な点が多く、日常的に簡便に使用されるに至っていない。また、油吸収性のスポンジ等網状構造物に油を吸収させることを目的とする製品が市販されているが、吸収可能な油の量に限りがあり、また吸収した油が漏れ出てくるなどの不都合があるため、こちらも日常的に使用されるには至っていない。
1.以下の式:
で表されるシクロデキストリンを含有することを特徴とする、有機液体をゲル化するためのオルガノゲル化組成物。
2.シクロデキストリンが超分子集合体を形成していることを特徴とする、上記1に記載のオルガノゲル化組成物。
3.以下の式:
で表されるシクロデキストリンを含有するオルガノゲル化組成物と、有機液体とから形成される、オルガノゲル。
4.シクロデキストリンが超分子集合体を形成していることを特徴とする、上記3に記載のオルガノゲル。
5.シクロデキストリンの超分子集合体が、チャンネル型シクロデキストリンである、上記4に記載のオルガノゲル。
6.有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物を含む、上記3〜5のいずれかに記載のオルガノゲル。
7.以下の式:
で表されるシクロデキストリンを含有するオルガノゲル化組成物と、有機液体とを混合し、撹拌することを特徴とする、オルガノゲルの製造方法。
8.シクロデキストリンが超分子集合体を形成していることを特徴とする、上記7に記載の製造方法。
9.シクロデキストリンの超分子集合体が、チャンネル型シクロデキストリンである、上記8に記載の製造方法。
10.有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物を含む、上記7〜8のいずれかに記載の製造方法。
本発明のさらなる態様は、シクロデキストリンが超分子集合体を形成していることを特徴とする、オルガノゲル化組成物である。ここで「超分子集合体」とは、分子間の弱い相互作用(「分子間力」)によって、いくつかの分子が自発的に集合した会合体のことを指す。複数のシクロデキストリンが分子間力によって会合し、超分子集合体を形成することが知られている(Rusaら、Inclusion Compound Formation with a New Columnar Cyclodextrin Host,Langmuir 2002,18,10016−10023等)。本発明者らは、かかるシクロデキストリン超分子集合体の応用を鋭意検討したところ、シクロデキストリンの超分子集合体と有機液体とを混合すると、有機液体が固化或いはゲル化し、オルガノゲルを形成することを発見した。
シクロデキストリンの超分子集合体の模式図は、上記Rusaら文献のほか、UyarらのPolymerization of Styrene in Cyclodextrin Channels,Macromolecular Rapid Commun.,2004,25,1382−1386にも例示されている。図1にシクロデキストリンの超分子集合体の例を示す。シクロデキストリンの超分子集合体として、例えば、チャンネル型、ケージ型、層状等のモデルが提唱されているが、本発明のオルガノゲルを製造するために特に有用なものは、シクロデキストリンのチャンネル型超分子集合体である。
本明細書において油組成物とは、一般的な油(絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤)に、1以上の他の成分が溶解した混合物であっても良いことを意味するものである。すなわち、油は一般に種々の成分を溶解可能であるので、各種有機物や無機物、及び溶剤などの複数の成分が溶解した組成物の形で存在することが多い。特に使用後の油には種々の成分が溶解しうる。したがって本明細書では、純粋の油を含め、混合物の形態の油をも総称して「油組成物」と呼ぶものとする。すなわち、塗料やインキのような、油成分と溶剤ならびに顔料等との混合物も本発明における油組成物である。
また本発明のオルガノゲル化組成物により固化或いはゲル化することができる有機液体は、上記油組成物の他、広く産業界で用いられる有機溶剤を含むものとする。有機溶剤は一般に良溶媒であり、種々の成分を溶解可能であるので、各種有機物や無機物、及び溶剤などの複数の成分が溶解した組成物の形で存在することがある。したがって本明細書では、単一種類の有機溶剤を含め、混合物の形態の有機溶剤をも総称して「有機溶剤」と呼ぶものとする。すなわち、化学反応終了後の反応液等も本発明における有機溶剤である。本明細書においては「油組成物」と「有機溶剤」とをまとめて「有機液体」と称する。なお、本明細書における「有機液体」であるかどうかの目安として、水に対する溶解度(20℃)が7.8重量%以下であることが挙げられる。あるいは溶解度パラメータが7.0〜14.4であることも別の指標となりうる。溶解度パラメータについては「高分子データハンドブック(基礎編)」高分子学会編を参照されたい。
上述の通り、本発明者らはシクロデキストリンの超分子集合体と有機液体とを混合し、撹拌すると、有機液体がゲル化し、オルガノゲルを形成することを発見した。ここで本発明で形成される「オルガノゲル」とは、上記の有機液体が、見た目上固形の状態となったものを指す。すなわち、オルガノゲルは周囲温度雰囲気下において一定の固体の形状を有している。オルガノゲルを入れた容器を横にする或いは逆さにしても、当該オルガノゲルの形状は変化せず、たとえ変化したとしてもごくわずかである。オルガノゲルは通常は弾性を有しているが、場合によっては、弾性を有しない、いわゆる堅い固体の状態のこともあり得る。本明細書における「オルガノゲル」であるかどうかの目安として、水に対する溶解度(20℃)が7.8重量%以下である有機液体をゲル化したものであることが挙げられる。あるいは有機液体の溶解度パラメータが7.0〜14.4であることも別の指標となりうる。
シクロデキストリンの超分子集合体と有機液体とを混合すると有機液体がゲル化する仕組みについては明らかではない。しかし本発明者らは、特定の形態(例えば、一列に並ぶ等)に集合したシクロデキストリンの疎水性部位(空孔)に有機液体が包接され、結果としてシクロデキストリン部分と有機液体とが網状構造体あるいは擬似的な網状構造体を形成してゲル化するのではないかと考えている。ゲル化は常温付近で進行し、従来の食用油ゲル化剤のように油組成物を高温にする必要がない。またスポンジ等に油組成物を吸収させた場合のように、一度吸収された油が漏れ出てくるなどの不都合が起こりにくく、安定なゲル形態を維持することができる。従来液状のまま保管していた絶縁油を本発明に従うオルガノゲルの形態で保管することにより、油の流出等のおそれなく、安全に保管することが可能である。
さらに本発明においてゲル化機能を有するシクロデキストリンの超分子集合体は、食用であり人体に安全な物質である。したがって、家庭における食用油ゲル化剤として使用し、万一それが口に入るようなことがあっても、人体に悪影響を及ぼすおそれがない。
このように、シクロデキストリンの超分子集合体が食用であることに起因して、本発明のオルガノゲルには非常に有用な用途が存在する。例えば、人体に有益な成分であるが常温で酸化しやすい等、使用に際して不都合のある成分をシクロデキストリンの超分子集合体でゲル化し、これを機能性食品として摂取することができる。あるいは、魚油、肝油等の油脂類をシクロデキストリンの超分子集合体でゲル化したものを、サプリメントとして摂取することも可能である。例として、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等の不飽和脂肪酸類、油脂類、ビタミン誘導体、カロテノイド類等を、この目的で使用することができる。さらに、食用たり得る安全なシクロデキストリンの超分子集合体を利用して、テルペン化合物、エッセンシャルオイル、アロマオイル等に代表される香油或いは香料をゲル化すると、芳香剤やインテリアとして利用することも可能である。したがってこのような目的で本発明のオルガノゲルを用いる場合は、不飽和脂肪酸類、油脂類、ビタミン誘導体、カロテノイド類、香料等の脂溶性成分も本発明の「油組成物」と呼ぶべきである。
さらに、食用油を本発明のオルガノゲルとすれば、酸化等の環境による劣化を防ぐことができるので保存に便利であり、使用に際して必要量を切り出し、固形のまま加熱すれば通常の食用油として使用することもできる。
図2は本発明のオルガノゲル(絶縁油、右)と、比較実施例1により得られた物質(左)の写真である。
図3は本発明のオルガノゲル(サラダ油、右)と、比較実施例1により得られた物質(左)の写真である。
図4は本発明のオルガノゲル(オリーブ油、右)と、比較実施例1により得られた物質(左)の写真である。
図5は本発明のオルガノゲル(DHA、右)と、比較実施例1により得られた物質(左)の写真である。
図6は本発明のオルガノゲル(トルエン、右)と、比較実施例1により得られた物質(左)の写真である。
図7はチャンネル型γ−シクロデキストリンのX線回折パターンの例である。
図8は本発明のオルガノゲル(大豆油)の写真である。
図9は本発明のオルガノゲル(ベンゼン)の写真である。
シクロデキストリンとして、市販のα−、β−及びγ−シクロデキストリンを使用することができる。シクロデキストリンの超分子集合体は、シクロデキストリン水溶液を激しく撹拌した有機溶媒中に滴下して結晶化させることにより形成することができる。チャンネル型γ−シクロデキストリンの製造は例えば以下のように行う:
γ−シクロデキストリンを水(好ましくはイオン交換水)に溶解し、室温〜60℃の温度で10時間以上、好ましくは15時間以上撹拌する。このようにして得たγ−シクロデキストリン水溶液を、激しく撹拌した有機溶媒に滴下する。撹拌の際、加温や冷却は特に必要なく、チャンネル化は室温で好ましく進行する。好ましい有機溶媒として、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、イソプロパノール等が挙げられ、特に好ましい有機溶媒はアセトンである。撹拌下の好適な有機溶媒にγ−シクロデキストリン水溶液を滴下すると、γ−シクロデキストリンが頭−頭及び尾−尾で会合して筒状になり、チャンネル型を形成する。このように形成された結晶を吸引濾過し、得られた結晶を洗浄して乾燥すると、チャンネル型γ−シクロデキストリンが得られる。チャンネル型γ−シクロデキストリンの形成は、主にX線回折により確認することができる。図7に示すように、2θ=6.5°に特徴的なピークが観測されるので、これをもってチャンネル型シクロデキストリンの形成を確認することができる。γ−シクロデキストリンの他、α−及びβ−シクロデキストリンも超分子集合体を形成することができ、これらのチャンネル型集合体を形成することもまた可能である。
得られたチャンネル型シクロデキストリンと有機液体とを、0.1:1〜1:1(重量比)の割合で混合し、穏やかに撹拌すると、数秒間〜数分間で有機液体がゲル化し、本発明のオルガノゲルとなる。有機液体としては、上述の通り有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物等が挙げられる。ゲル化した有機液体は、室温で安定な固体形状であり、有機液体成分が漏れ出てくるなどの不都合がない。また液体よりも安定性が高く、保存に便利である。ゲル化剤として働くシクロデキストリンは食用であり、人体に大きな害を及ぼさないため、例えば本発明のオルガノゲルを食用油(サラダオイル、天ぷら油、オリーブオイル、ごま油、グレープシードオイル等)で調製すれば、保存安定性の高い固形食用油が得られ、使用に際して必要量を切り出す等の用い方が可能である。さらに不飽和脂肪酸類や高機能性油脂、ビタミン誘導体、カロテノイド類、テルペン化合物、エッセンシャルオイル、アロマオイル等を用いて本発明のオルガノゲルを調製すると、各種機能性食品あるいはサプリメントとしての利用あるいはインテリア製品、芳香剤としての利用が可能である。
500mlのナスフラスコに入れたγ−シクロデキストリン(γ−CD)(Wacker)(45g)をイオン交換水(200ml)に溶かし、50℃で20時間撹拌した。そのγ−CD水溶液を、激しく撹拌したアセトン(1.25l)に滴下した。析出した結晶を吸引濾過した後、その得られた結晶をアセトンで洗浄し、3日間自然乾燥した。46.45gのチャンネル型γ−CDが得られた。
[合成例2]チャンネル型α−シクロデキストリンの調製
50mLのナスフラスコに入れたα−シクロデキストリン(α−CD)(Wako)(1.83g)をイオン交換水12.5mLに溶かし、50℃で1時間撹拌した。そのα−CD水溶液を、激しく撹拌したアセトン50mLに滴下した。析出した結晶を吸引濾過した後、その得られた結晶をアセトンで洗浄し、3日間自然乾燥した。1.18gのチャンネル型α−CDが得られた。
[実施例1]絶縁油オルガノゲルの製造
合成例1で調製したチャンネル型γ−CD(174mg)を3mLのサンプル管に入れ、絶縁油(谷口石油精製株式会社)174mgを加えて撹拌した。数秒間経過後、絶縁油がゲル化した。
[実施例2〜4]
チャンネル型γ−CDと絶縁油との混合比を変え、実施例1を繰り返した。両者の比は以下の通りである:
実施例2:チャンネル型γ−CD 189mg/絶縁油 567mg
実施例3:チャンネル型γ−CD 8g/絶縁油 12g
実施例4:チャンネル型γ−CD 8g/絶縁油 24g
いずれの実施例においても、チャンネル型γ−CDと絶縁油とを混合して撹拌すると、数秒間経過後に絶縁油がゲル化した。
[比較実施例1]
チャンネル型でないγ−CD(ネイティブγ−CD)(8g)をサンプル管に入れ、絶縁油24gを加えて撹拌したが、絶縁油はゲル化しなかった。図2は、実施例4と比較実施例1の結果を示す写真である。実施例4の方法により得られた物質は、サンプル管を横倒しにしても流動せず、絶縁油がゲル化していることが明らかである。これに対し、比較実施例1の方法により得られた物質は、サンプル管を横倒しにすると流動し、絶縁油はゲル化していないことがわかった。
[実施例5〜7]
合成例1で調製したチャンネル型γ−CDを用いて、各種油組成物をゲル化することができるかどうか確認した。用いた油は、実施例5=サラダ油(日清)、実施例6=オリーブ油(味の素)及び実施例7=ドコサヘキサエン酸(DHA)(Cayman Chemical)である。
いずれの実施例も、油成分1gに対してチャンネル型γ−CDを0.4g加えた。室温で数秒間の後には油成分がゲル化した。図3〜5に、実施例5〜7(各々右)と比較実施例1(各々左)の結果を示す。実施例5〜7の方法により得られた物質は、サンプル管を横倒しにしても流動せず、これら油成分がゲル化していることが明らかである。
[実施例8〜18]
合成例1で調製したチャンネル型γ−CDを用いて、各種有機溶剤をゲル化することができるかどうか確認した。用いた有機溶剤は、実施例8=トルエン、実施例9=ヘキサン、実施例10=ベンゼン、実施例11=四塩化炭素、実施例12=酢酸エチル、実施例13=キシレン、実施例14=クロロホルム、実施例15=ジエチルエーテル、実施例16=ジクロロメタン、実施例17=t−ブチルエチルエーテル及び実施例18=t−ブチルメチルエーテル、である。
いずれの実施例も有機溶剤1.5gに対してチャンネル型γ−CDを0.5g加えた。室温で数秒間の後には有機溶剤ゲル化した。有機溶剤を用いた実験の代表として図6にトルエンをゲル化した様子を示す。サンプル管を横倒しにしても流動せず、トルエンがゲル化していることが明らかである。他の実施例も同様であった。
[実施例19]
合成例2で調製したチャンネル型α−CD(100mg)を3mLのサンプル管に入れ、大豆油(Wako)160μLを加えて撹拌した。数秒後、大豆油がゲル化した。図8に、α−CDを用いて大豆油をゲル化した様子を示す。サンプル管を横倒しにしてもゲルは流動せず、大豆油がゲル化していることが明らかである。
[実施例20]
合成例2で調製したチャンネル型α−CD(100mg)を3mLのサンプル管に入れ、ベンゼン(Wako)160μLを加えて撹拌した。数秒後、ベンゼンがゲル化した。図9に、α−CDを用いてベンゼンをゲル化した様子を示す。サンプル管を横倒しにしてもゲルは流動せず、ベンゼンがゲル化していることが明らかである。
Claims (4)
- 以下の式:
(ここで、mは6、7または8である。)
で表されるシクロデキストリンが形成する超分子集合体と、有機液体とを含有するオルガノゲルであって、該超分子集合体がチャンネル型である、前記オルガノゲル。 - 有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料、インキ又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載のオルガノゲル。
- 以下の式:
(ここで、mは6、7または8である。)
で表されるシクロデキストリンと、有機液体とを混合して撹拌し、チャンネル型シクロデキストリン超分子集合体を形成させることを特徴とする、オルガノゲルの製造方法。 - 有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、塗料、インキ又はこれらの混合物を含む、請求項3に記載のオルガノゲルの製造方法。
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