JP2006257148A - ゲル状組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性が高いゲル状組成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性高分子と、イオン性液体と、ゲル化剤とを含み、導電性高分子の少なくとも一部が、イオン性液体に溶解していることを特徴とするゲル状組成物。ここで、イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度をイオン性液体に対する導電性高分子の飽和質量濃度の0.2倍以上とすることができる。また、イオン性液体に対するゲル化剤の質量濃度を0.03g/ml以上0.5g/ml以下とすることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】 導電性高分子と、イオン性液体と、ゲル化剤とを含み、導電性高分子の少なくとも一部が、イオン性液体に溶解していることを特徴とするゲル状組成物。ここで、イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度をイオン性液体に対する導電性高分子の飽和質量濃度の0.2倍以上とすることができる。また、イオン性液体に対するゲル化剤の質量濃度を0.03g/ml以上0.5g/ml以下とすることができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、導電性高分子とイオン性液体とゲル化剤とを含むゲル状組成物に関する。
イオン性液体とは、カチオンとアニオンとから形成されており、室温(たとえば、10℃〜30℃)において液体であるものをいい、常温溶融塩とも呼ばれている。このようなイオン性液体は、イオン伝導性が高く、電池などの電解質としての応用が期待されている。
さらに、液体状態の電解質では、電池などからの電解質の漏洩の問題が存在することから、イオン性液体を含む固体電解質を形成するため、イオン性液体をゲル化することが提案されている(たとえば、特許文献1〜特許文献4を参照)。また、導電性のあるゲル状材料は、固体電解質としての用途の他、生体電極、センサとしての用途などにも期待されている。
しかし、イオン性液体をそのままゲル化したゲル化イオン性液体(イオン伝導体)であっても、ゲル化によりその導電率(電気伝導率)は低減するため、固体電解質、生体電極またはセンサとしての用途を拡大するためには、さらなる導電率の向上が求められている。
特開2002−003478号公報
特開2003−257240号公報
特開2003−303630号公報
特開2004−098199号公報
本発明は、固体電解質、生体電極またはセンサとしての幅広い用途に応用が可能な導電性が高いゲル状組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、導電性高分子と、イオン性液体と、ゲル化剤とを含み、導電性高分子の少なくとも一部が、イオン性液体に溶解していることを特徴とするゲル状組成物である。
本発明にかかるゲル状組成物において、イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度をイオン性液体に対する導電性高分子の飽和質量濃度の0.2倍以上とすることができる。イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度が飽和質量濃度の0.2倍未満である場合には溶解した導電性高分子による粘度増加効果のため、結果として同じ温度で測定した場合の比抵抗(電気抵抗率)低減効果は小さい。
また、イオン性液体に対するゲル化剤の質量濃度を0.03g/ml以上0.5g/ml以下とすることができる。また、導電性高分子として、ポリピロールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリパラフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリキノンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含めることができる。
また、本発明にかかるゲル状組成物において、イオン性液体のカチオン成分は、アンモニウムおよびその誘導体、イミダゾリニウムおよびその誘導体、ピリジニウムおよびその誘導体、ピロリジニウムおよびその誘導体、ピロリニウムおよびその誘導体、ピラジニウムおよびその誘導体、ピリミジニウムおよびその誘導体、トリアゾニウムおよびその誘導体、トリアジニウムおよびその誘導体、トリアジン誘導体カチオン、キノリニウムおよびその誘導体、イソキノリニウムおよびその誘導体、インドリニウムおよびその誘導体、キノキサリニウムおよびその誘導体、ピペラジニウムおよびその誘導体、オキサゾリニウムおよびその誘導体、チアゾリニウムおよびその誘導体、モルフォリニウムおよびその誘導体ならびにピペラジンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含むことができる。また、イオン性液体のアニオン成分は、スルホン酸基アニオン(−SO3 -)、硫酸基アニオン(−OSO3 -)、カルボキシル基アニオン(−COO-)、BF4 -、PF6 -、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドアニオン((CF3SO2)2N-)、トリス(トリフルオロメチルスルフォニル)カルボアニオン((CF3SO2)3C-)、NO3 -、ニトロ基アニオン(−NO2 -)からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含むことができる。また、導電性高分子は、ポリピロールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリパラフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリキノンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含むことができる。さらに、ゲル化剤を、少なくとも2以上の極性基または2以上の反応性官能基を含む化合物とすることができる。
本発明は、導電性高分子の少なくとも一部をイオン性液体に溶解させる溶解工程と、ゲル化剤を用いて導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体をゲル化するゲル化工程とを含むゲル状組成物の製造方法である。
本発明にかかるゲル状組成物の製造方法において、ゲル化工程は、導電性高分子の一部が溶解しているイオン性液体にゲル化剤を溶解または分散させる工程を含むことができる。また、ゲル化工程は、前記ゲル化剤として2以上の第1の反応性官能基を含む第1のゲル化剤と2以上の第2の反応性官能基を含む第2のゲル化剤とを準備する工程と、導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体に、第1のゲル化剤と第2のゲル化剤とを溶解または分散させる工程と、第1のゲル化剤と第2のゲル化剤とを重合させる工程とを含むことができる。
本発明によれば、固体電解質、生体電極またはセンサとしての幅広い用途に応用が可能な導電性が高いゲル状組成物およびその製造方法を提供することができる。
本発明は、導電性高分子と、イオン性液体と、ゲル化剤とを含み、導電性高分子の少なくとも一部が、イオン性液体に溶解していることを特徴とするゲル状組成物である。導電性高分子が溶解しているイオン性液体をゲル化することにより、導電性の高いゲル化組成物が得られる。
(イオン性液体)
本発明において用いられるイオン性液体は、カチオンとアニオンとから形成されており、室温(たとえば、10℃〜30℃で)において液体であるものをいい、常温溶融塩とも呼ばれている。
本発明において用いられるイオン性液体は、カチオンとアニオンとから形成されており、室温(たとえば、10℃〜30℃で)において液体であるものをいい、常温溶融塩とも呼ばれている。
このイオン性液体を形成するカチオン成分としては、特に制限はないが、イオン性液体の化学的安定性および導電性を高める観点から、各種4級窒素を含むカチオンを用いることが好ましい。たとえば、アンモニウムおよびその誘導体、イミダゾリニウムおよびその誘導体、ピリジニウムおよびその誘導体、ピロリジニウムおよびその誘導体、ピロリニウムおよびその誘導体、ピラジニウムおよびその誘導体、ピリミジニウムおよびその誘導体、トリアゾニウムおよびその誘導体、トリアジニウムおよびその誘導体、トリアジン誘導体カチオン、キノリニウムおよびその誘導体、イソキノリニウムおよびその誘導体、インドリニウムおよびその誘導体、キノキサリニウムおよびその誘導体、ピペラジニウムおよびその誘導体、オキサゾリニウムおよびその誘導体、チアゾリニウムおよびその誘導体、モルフォリニウムおよびその誘導体ならびにピペラジンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。ここで、誘導体とは、その基本形となる化合物において置換可能な水素原子のうち少なくとも1つを、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基、アシル基またはアミノ基などの置換基に置換した化合物をいう。
このイオン性液体を形成するアニオン成分としては、特に制限はないが、イオン性液体の導電性を高める観点から、スルホン酸基アニオン(−SO3 -)、硫酸基含有アニオン(−OSO3 -)、カルボキシル基アニオン(−COO-)、BF4 -、PF6 -、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドアニオン((CF3SO2)2N-)、(トリス(トリフルオロメチルスルフォニル)カルボアニオン((CF3SO2)3C-)、NO3 -、ニトロ基アニオン(−NO2 -)からなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。
本発明に好ましく用いられるアニオン成分として、スルホン酸基アニオン(−SO3 -)、硫酸基アニオン(−OSO3 -)を含む原子団が挙げられる。これらは、それぞれRASO3 -、RBOSO3 -と記載される(ここで、RA、RBは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、アシル基などを含む置換基を示す、また、フッ素原子を含んでもよい)。
RASO3 -としては、たとえば、p−CH3C6H4SO3 -(p−トルエンスルホン酸アニオン)、C6H5SO3 -(ベンゼンスルホン酸アニオン)などが挙げられる。また、RASO3 -においては、RAにフッ素原子を含むものがより好ましい。たとえば、CF3SO3 -、CHF2CF2CH2SO3 -、CHF2−(CF2)3−CH2SO3 -などが挙げられる。
RBOSO3 -としては、たとえば、CH3CH2OCH2CH2OSO3 -、C6H5OCH2CH2OSO3 -などが挙げられる。またRBOSO3 -においては、RBにフッ素原子を含むものがより好ましい。たとえば、CHF2CF2CH2OSO3 -、CHF2−(CF2)3−CH2OSO3 -、CF3−(CF2)2−CH2OSO3 -、CF3−(CF2)6−CH2OSO3 -などが挙げられる。
また、本発明に好ましく用いられるアニオン成分として、カルボキシル基アニオン(−COO-)を含む原子団が挙げられる。たとえば、RCCOO-、HOOCRCCOO-、-OOCRCCOO-、NH2CHRCCOO-などが挙げられる(ここで、RCは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、アシル基などを含む置換基を示す、また、フッ素原子を含んでもよい)。
また、本発明に好ましく用いられるアニオン成分として、ニトロ基アニオン(−NO2 -)を含む原子団が挙げられる。たとえば、RDNO2 -などが挙げられる(ここで、RDは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、アシル基などを含む置換基を示す、また、フッ素原子を含んでもよい)。
本発明において用いられるイオン性液体は、公知の方法、たとえば、アニオン交換法、酸エステル法、中和法などの方法により合成することができる。
(導電性高分子)
本発明において用いられる導電性高分子としては、導電性を有する高分子であれば特に制限はないが、導電性が高い観点から、ポリピロールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリパラフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリキノンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。ここで、誘導体とは、その基本形となる化合物において置換可能な水素原子のうち少なくとも1つを、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基、アシル基またはアミノ基などの置換基に置換した化合物をいう。
本発明において用いられる導電性高分子としては、導電性を有する高分子であれば特に制限はないが、導電性が高い観点から、ポリピロールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリパラフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリキノンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。ここで、誘導体とは、その基本形となる化合物において置換可能な水素原子のうち少なくとも1つを、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基、アシル基またはアミノ基などの置換基に置換した化合物をいう。
また、これらの導電性高分子は、化学重合法または電解重合法などにより合成される。化学重合法とは、適当な酸化剤の存在下で、たとえばピロールなどの原料モノマーを酸化脱水して重合する方法である。酸化剤としては、過硫酸塩、過酸化水素、または鉄、銅、マンガンなどの遷移金属元素の塩が用いられる。電解重合法とは、たとえば、ピロールなどの原料モノマーを溶媒に溶解し、陽極上で酸化重合を行なう方法である。一般的に、ポリマーの酸化還元電位はモノマーの酸化還元電位に比べて低いため、重合過程でポリマー骨格の酸化重合が進む。
これらの導電性高分子には、導電性を高めるために、ドーパントが添加されていることが好ましい。ドーパントは、上記化学重合法または電解重合法において、原料モノマーとドーパントとを共存させた状態で原料モノマーを重合させることにより、導電性高分子に添加される。導電性高分子に添加されるドーパントとしては、特に制限はないが、p−トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、アントラキノン−2−スルホン酸アニオン、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸アニオン、ポリビニルスルホン酸アニオン、ドデシルベンゼンスルホン酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、n−プロピルリン酸アニオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -などが挙げられる。
(導電性高分子のイオン性液体への溶解)
本発明の重要な構成要素の一つは、導電性高分子がイオン性液体に溶解することを利用することである。導電性高分子がイオン性液体に溶解することは今まで知られておらず、本発明者らによって確認されたことである。
本発明の重要な構成要素の一つは、導電性高分子がイオン性液体に溶解することを利用することである。導電性高分子がイオン性液体に溶解することは今まで知られておらず、本発明者らによって確認されたことである。
なお、本発明にかかるゲル状組成物において、導電性高分子少なくとも一部がイオン性液体に溶解していることは、紫外・可視スペクトルにおける導電性高分子による吸収強度の増大などにより確認することができる。
本発明にかかるゲル状組成物において、イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度は、イオン性液体に対する導電性高分子の飽和質量濃度の0.2倍以上であることが、導電性を高める観点から好ましい。イオン性液体に導電性高分子を溶解すると、通常高分子を溶媒に溶解した場合と同様にその溶液の粘度は大きくなる。通常、溶液やゲル状組成物の電気伝導はイオン伝導によるものであると考えられ、イオン伝導は分子運動に支配される要因が大きいため粘度の低い液体やゲルでは比抵抗も小さく、粘度が高くなるに従って、比抵抗も大きくなる。したがって、導電性高分子を溶解する事によって粘度が著しく上昇する場合には結果として比抵抗の低減効果が期待できない場合が発生する。単純にイオン性液体と導電性導電性高分子からなる系においては、溶解による比抵抗低減の効果は高分子の種類やイオン性液体の種類によって異なるが、一般的には、イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度が、イオン性液体に対する導電性高分子の飽和質量濃度の0.2倍以上であることが好ましく、0.5倍以上であることがより好ましい。
しかし、本発明にかかるゲル状組成物においては、単純にイオン性液体と導電性高分子からなる組成ではなく、ゲル化剤という第3の組成要素が加わる。すなわち、ゲル化によって組成物の粘度はさらに高くなり、比抵抗も大きくなる。この様な3元系においてはゲル化の程度を制御することにより、ゲル状組成物の比抵抗値や機械的強度、柔軟性を制御することができる。したがって、イオン性液体と導電性導電性高分子からなる組成物の場合に比較して、導電性高分子の溶解による比抵抗低減の効果を出現させるための許容範囲は広くなる。無論これらの範囲は高分子の種類やイオン性液体の酒類によって異なるが、一般的には、イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度が、イオン性液体に対する導電性高分子の飽和質量濃度の0.2倍以上であることが好ましい。
なお、ここで、イオン性液体に対する導電性高分子の飽和質量濃度とは、以下のようにして算出されるものである。
たとえば、よく乾燥した100ml(cm3)の二口フラスコに、攪拌ペラとリービッヒ還流管を取り付け、10mlのイオン性液体にXgの導電性高分子を加えて、攪拌しながら150℃で30分間加熱して、イオン性液体に導電性高分子を溶解または分散させる。この溶解液または分散液を、室温(たとえば10℃〜30℃)に冷却した後、ろ紙(東洋濾紙社製No.2)でろ過すると、ろ紙上にイオン性液体に分散または溶解していない導電性高分子が残る。この未分散または未溶解の導電性高分子を水およびメタノールで洗浄して乾燥した重量をYgとすると、飽和質量濃度MSは、式(1)
MS(g/ml)=(X−Y)/10 ・・・(1)
で算出される。また、紫外・可視スペクトルにおける導電性高分子による吸収強度が、イオン性液体に溶解した導電性高分子量に比例することから、吸収強度が最大になるときのイオン性液体における導電性高分子の質量濃度を飽和質量濃度とすることができる。
MS(g/ml)=(X−Y)/10 ・・・(1)
で算出される。また、紫外・可視スペクトルにおける導電性高分子による吸収強度が、イオン性液体に溶解した導電性高分子量に比例することから、吸収強度が最大になるときのイオン性液体における導電性高分子の質量濃度を飽和質量濃度とすることができる。
したがって、導電性高分子の飽和質量濃度MS(g/ml)に対する質量濃度M(g/ml)の比rは、式(2)
r=M/MS ・・・(2)
で表される。換言すれば、この比rは、イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度が、イオン性液体の対する導電性高分子の飽和質量濃度のr倍であることを示す。
r=M/MS ・・・(2)
で表される。換言すれば、この比rは、イオン性液体に対する導電性高分子の質量濃度が、イオン性液体の対する導電性高分子の飽和質量濃度のr倍であることを示す。
(ゲル化剤)
本発明において用いられるゲル化剤は、特に制限はないが、2以上の極性基または2以上の反応性官能基を含む化合物であることが好ましい。ここで、極性基とは、極性を有する官能基をいい、水酸基、ハロゲン化物基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基、アミド基、アミノ基、酸アミド基、糖アミド基、ビニル基などが挙げられる。2以上の極性基は、互いに同じものであっても異なるものであってもよい。また、反応性官能基とは、化学反応によりゲル化剤の分子鎖を架橋する官能基をいう。反応性官能基としては、イソシアネート基、不飽和二重結合を有する基、活性水素を有する求核基、エポキシ基、アミン基、カルボキシル基などを挙げられる。ここで、イソシアネート基と活性水素を有する求核基とが反応し、不飽和二重結合を有する基と活性水素を有する求核基とが反応し、エポキシ基とアミン基またはカルボキシル基とが反応して架橋する。2以上の極性基または2以上の反応性官能基を含むゲル化剤は、2以上の極性基間に生じる水素結合などの分子間結合または2以上の反応性官能基によって生じる共有結合によって3次元網目構造を形成し、この3次元網目構造により導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体が容易にゲル化する。ゲル化剤が3次元網目構造を形成することにより、ゲル状組成物を形成していることは、暗視野光学顕微鏡などにより観察することができる。
本発明において用いられるゲル化剤は、特に制限はないが、2以上の極性基または2以上の反応性官能基を含む化合物であることが好ましい。ここで、極性基とは、極性を有する官能基をいい、水酸基、ハロゲン化物基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル基、エステル基、アミド基、アミノ基、酸アミド基、糖アミド基、ビニル基などが挙げられる。2以上の極性基は、互いに同じものであっても異なるものであってもよい。また、反応性官能基とは、化学反応によりゲル化剤の分子鎖を架橋する官能基をいう。反応性官能基としては、イソシアネート基、不飽和二重結合を有する基、活性水素を有する求核基、エポキシ基、アミン基、カルボキシル基などを挙げられる。ここで、イソシアネート基と活性水素を有する求核基とが反応し、不飽和二重結合を有する基と活性水素を有する求核基とが反応し、エポキシ基とアミン基またはカルボキシル基とが反応して架橋する。2以上の極性基または2以上の反応性官能基を含むゲル化剤は、2以上の極性基間に生じる水素結合などの分子間結合または2以上の反応性官能基によって生じる共有結合によって3次元網目構造を形成し、この3次元網目構造により導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体が容易にゲル化する。ゲル化剤が3次元網目構造を形成することにより、ゲル状組成物を形成していることは、暗視野光学顕微鏡などにより観察することができる。
2以上の極性基を含む化合物としては、ペンタエリトリオール、β−D−グルコース、α−シクロデキストリン、ポリビニルアルコール、ポリビニル系高分子(ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロポロピレン共重合体など)、ポリエーテル系高分子(ポリエチレンオキシド誘導体など)、ポリエステル系高分子、ポリウレタン系高分子、ポリアミド系高分子、ポリアクリロニトリル系高分子、ポリカーボネート系高分子、蛋白質(グルコースオキシターゼなど)、多糖類、糖誘導体、分子集合体(C8AzoC10N+Br-またはジアゾアルキルアンモニウム塩などからなる二分子膜など)などが挙げられる。また、2以上の反応性官能基を含む化合物としては、イソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物、不飽和二重結合を有する基を2以上有する化合物、活性水素を有する求核基を2以上有する化合物、エポキシ基を2以上有するエポキシ化合物、アミン基を2以上有するアミン化合物、カルボキシル基を2以上有するカルボキシ化合物などが挙げられる。
本発明にかかるゲル状組成物において、イオン性液体に対するゲル化剤の質量濃度は、0.03g/ml以上0.5g/ml以下であることが好ましい。0.03g/ml未満であるとゲル化が不十分となり、0.5g/mlを超えるとゲル状組成物としての弾力性や柔軟性が失われて硬くなり、その導電率も低下する(すなわち、比抵抗も増大する)。かかる観点から、0.05g/ml以上0.4g/ml以下がより好ましい。
(ゲル状組成物の製造方法)
本発明にかかるゲル状組成物の製造方法は、特に制限はないが、導電性高分子の少なくとも一部をイオン性液体に溶解させる溶解工程と、ゲル化剤を用いて導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体をゲル化するゲル化工程とを含むことが好ましい。かかる工程を含むことにより、導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体をそのままゲル化することができ、導電性の高いゲル状組成物を得ることができる。
本発明にかかるゲル状組成物の製造方法は、特に制限はないが、導電性高分子の少なくとも一部をイオン性液体に溶解させる溶解工程と、ゲル化剤を用いて導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体をゲル化するゲル化工程とを含むことが好ましい。かかる工程を含むことにより、導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体をそのままゲル化することができ、導電性の高いゲル状組成物を得ることができる。
導電性高分子の少なくとも一部をイオン性液体に溶解させる溶解工程においては、所定量のイオン性液体に導電性高分子を加えて、イオン性液体の沸点未満の温度(たとえば、150℃)まで加温して攪拌などにより混合させて、イオン性液体に導電性高分子を溶解させる。このとき、未溶解の導電性高分子をろ紙などにより分別除去することにより、導電性高分子(の全部)が溶解しているイオン性液体を得ることができる。
ゲル化剤を用いて導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体をゲル化するゲル化工程は、特に制限はないが、ゲル化剤の種類によっては、このイオン性液体にゲル化剤を溶解または分散させる工程を含むことが好ましい。このようなゲル化剤としては、イオン性液体と相溶性または親和性の高いゲル化剤、たとえば、2以上の極性基をもつ化合物であって、その極性基とイオン性液体のカチオンおよびアニオンの少なくともいずれとの親和性が高い化合物が好ましく用いられる。たとえば、ペンタエリトリオール、β−D−グルコース、α−シクロデキストリン、ポリビニルアルコール、ポリビニル系高分子(ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体など)、ポリエーテル系高分子(ポリエチレンオキシド誘導体など)、ポリエステル系高分子、ポリウレタン系高分子、ポリアミド系高分子、ポリアクリロニトリル系高分子、ポリカーボネート系高分子、蛋白質(グルコースオキシターゼなど)、多糖類、糖誘導体、分子集合体(C8AzoC10N+Br-またはジアゾアルキルアンモニウム塩などからなる二分子膜など)などが好ましく用いられる。
また、ゲル化剤を用いて導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体をゲル化するゲル化工程は、ゲル化剤の種類によっては、ゲル化剤として2以上の第1の反応性官能基を含む第1のゲル化剤と2以上の反応性官能基を含む第2のゲル化剤とを準備する工程と、導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体に、第1のゲル化剤と第2のゲル化剤とを溶解または分散させる工程と、第1のゲル化剤と第2のゲル化剤とを重合させる工程とを含むことが好ましい。第1のゲル化剤と第2のゲル化剤とを重合させることにより、導電性高分子の少なくとも一部が溶解したイオン性液体を容易にゲル化することができる。イオン性液体に第1のゲル化剤と第2のゲル化剤とを溶解または分散させる工程において、第1のゲル化剤と、第2のゲル化剤とをイオン性液体に溶解または分散させる順序には特に制限はないが、第1のゲル化剤原料と第2のゲル化剤原料とを直接混合するのは急激な反応が起こりそのまま固化してしまうおそれがあり好ましくない。
このような第1のゲル化剤と第2のゲル化剤との組み合わせとしては、(a)イソシアネート基を2以上有する化合物と活性水素を有する求核基を2以上有する化合物の組み合わせ、(b)不飽和二重結合と2以上有する化合物と活性水素を有する求核基を2以上有する化合物の組み合わせ、(c)エポキシ基を2以上有するエポキシ化合物とポリアミンおよび/または酸無水物との組み合わせが好ましく挙げられる。
たとえば、(a)の組み合わせにおいては、イソシアネート基を2以上有する化合物とを有する求核基を2以上有する化合物とが重付加反応により重合して、導電性高分子の少なくとも一部を溶解しているイオン性液体をゲル化する。イソシアネート基を2以上有する化合物としては、たとえば、2,4−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、ヘキメチレンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、ヘキメチレンジイソシアネート、ヘキメチレンジイソシアネートの三量体、イソシアネートエチルメタクリレートの重合体などが挙げられる。また、活性水素を有する求核基を2以上有する化合物としては、ジオール、トリオール、テトラオールなどのポリオール化合物、ジアミン、トリアミン、テトラアミンなどのポリアミン化合物、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸などのポリカルボン酸などが挙げられる。第1のゲル化剤であるイソシアネート基を2以上有する化合物と第2のゲル化剤である活性水素を有する求核基を2以上有する化合物との配合比は、特に制限はないが、化学当量比で2:1〜1:2が好ましい。また、第1のゲル化剤および第2のゲル化剤の合計のイオン性液体に対する質量濃度は0.05g/ml以上0.4g/ml以下が好ましい。
また、上記重付加反応を効率よく進行させるために触媒を用いることができる。かかる触媒としては、ポリウレタン合成用の触媒である錫系触媒(ジブチル錫ジラウリレート)および/またはアミン系触媒が好ましく用いられる。かかる触媒は、第1のゲル化剤であるイソシアネート基を2以上有する化合物と第2のゲル化剤である活性水素を有する求核基を2以上有する化合物との合計に対して0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.2質量%〜2質量%であることがより好ましい。
たとえば、(b)の組み合わせにおいては、不飽和二重結合と2個以上有する化合物と活性水素を有する求核基を2個以上有する化合物とがマイケル付加反応により重合して、導電性高分子の少なくとも一部を溶解しているイオン性液体をゲル化する。ここで、不飽二重結合とは、活性水素を有する求核基とマイケル付加反応を起こすものであれば特に制限はないが、α,β−不飽和カルボニル基、α,β−不飽和スルホニル基、α,β−ニトリル基が好ましく、その中でもα,β−不飽和カルボニル基がより好ましい。また、活性水素を有する求核基を2個以上有する化合物については、上記(a)の組み合わせにおいて既に説明したとおりである。第1のゲル化剤である不飽和二重結合を2以上有する化合物と第2のゲル化剤である活性水素を有する求核基を2以上有する化合物との配合比は、特に制限はないが、化学当量比で2:1〜1:2が好ましい。また、第1のゲル化剤および第2のゲル化剤の合計のイオン性液体に対する質量濃度は0.05g/ml以上0.4g/ml以下が好ましい。
たとえば、(c)の組み合わせにおいては、エポキシ基を2以上有するエポキシ化合物とポリアミンおよび/または酸無水物とが重合して、2以上の架橋点を有するゲル化剤が形成される。ここで、エポキシ化合物としては、特に制限はないが、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、ハロゲン化エポキシ化合物、変性ビスフェノールA系エポキシ化合物などが好ましく用いられる。また、ポリアミンとしては、ジアミン、トリアミン、テトラアミンなどが好ましく用いられる。アミンは、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのいずれであってもよい。また、脂肪族アミン、芳香族アミンのいずれであってもよい。また、酸無水物としては、芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、ハロゲン化酸無水物などが好ましく用いられる。第1のゲル化剤であるエポキシ化合物と第2のゲル化剤であるポリアミンおよび/または酸無水物との配合比は、化学当量比で2:1〜1:2が好ましい。また、第1のゲル化剤および第2のゲル化剤の合計の質量濃度は0.05g/ml以上0.4g/ml以下が好ましい。
以下に、導電性高分子が溶解しているイオン性液体をゲル化剤をもちいてゲル化させたゲル状組成物について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、以下の実施例および比較例においては、導電性高分子の少なくとも一部を溶解しているイオン性液体およびそのイオン性液体をゲル化したゲル状組成物の導電性の評価については、それらの比抵抗率を測定することによって行なった。導電率は比抵抗の逆数であり、比抵抗の値が小さいほど、導電率の値が大きいことを意味する。
ここで、ゲル化剤を用いて導電性高分子が溶解しているイオン性液体をゲル化する前に、イオン性液体であるエチルメチルイミダゾリウム・p−トルエンスルホン酸(EMImTsOという、以下同じ)に、導電性高分子であるポリピロール(PPyという、以下同じ)またはポリアニリン(PAnという、以下同じ)を溶かしたときの導電率を通常の二端子測定法(測定装置:(株)ビー・エー・エス社製、Electro Chemical Analyzer Model ALS608B)により25℃の雰囲気下で測定した。なお、ここで用いたポリピロールはp−トルエンスルホン酸鉄塩をもちいて化学重合したものであり、ポリアニリンはアルドリッチ社製(製品番号42832)のものである。
10mlのEMImTsOに対して、PPyおよびPAnのそれぞれを0.05g(質量濃度:0.005g/ml)、0.1g(質量濃度:0.01g/ml)溶解させた試料を作成した。ここで、EMImTsOに対するPPyの飽和質量濃度は0.01g/ml、PAnの飽和質量濃度は0.012g/mlである。したがって、これらの溶液はいずれも導電性高分子がEMImTsOに完全溶解した試料である。得られた比抵抗の値を表1にまとめた。
この結果から明らかなように、PPyおよびPAnのいずれの試料でも導電性高分子を0.005g/ml溶解させた試料では、EMImTsO単独の比抵抗よりも大きくなった。一方、PPyおよびPAnのいずれの試料でも導電性高分子を0.01g/ml溶解させた試料では、EMImTsO単独の比抵抗よりも小さくなった。
液体状の試料における比抵抗は液体の粘度に大きく影響され、粘度が大きくなると比抵抗が大きくなることが知られている。導電性高分子の質量濃度が0.005g/mlの場合は、導電性高分子の添加による比抵抗低下の効果よりも粘度上昇による比抵抗上昇の効果の方が大きく、そのために全体の比抵抗が大きくなったものと思われる。一方、導電性高分子の質量濃度が0.01g/mlの場合は、導電性高分子の添加による比抵抗低下の効果が粘度上昇による比抵抗上昇の効果を上回り、そのために全体の比抵抗が小さくなったものと考えられる。
ゲル状組成物においても、ゲル化剤と液体の種類や比率によって、極めてやわらかい物から機械的強度に優れ強靭なものまでいろいろな物性の物が得られることが知られており、その使用目的によって制御されている。したがって、本発明の目的のひとつは、同じ機械的強度や柔軟性を得る処方としたときに、より電気伝導度の高いゲル状組成物を得ることにある。
(実施例1)
上記の0.05gのPPyが溶解している10mlのEMImTsO(PPyの質量濃度:0.005g/ml、r=(導電性高分子の質量濃度:M)/(導電性高分子の飽和質量濃度:MS)=0.5):ゲル化剤としてポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PFV−HFPという、以下同じ)を溶解させたテトラヒドロフラン(THFという、以下同じ)溶液を用いてゲル化させ、ゲル状組成物を得た。ゲル化条件は、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.12g/mlとし、還流冷却器を取り付けた反応器中、60℃で3時間加熱し均一溶液を得た。この溶液をドクターブレードをもちいてPET基板上に塗布し、テトラヒドロフランを蒸発させてシート状のゲル状組成物を得た。このゲルシートはPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからはがしても自立性のあるシートであった。得られたゲル状組成物の比抵抗を上記の二端子測定法により25℃の雰囲気下で測定したところ、2×104Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。
上記の0.05gのPPyが溶解している10mlのEMImTsO(PPyの質量濃度:0.005g/ml、r=(導電性高分子の質量濃度:M)/(導電性高分子の飽和質量濃度:MS)=0.5):ゲル化剤としてポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PFV−HFPという、以下同じ)を溶解させたテトラヒドロフラン(THFという、以下同じ)溶液を用いてゲル化させ、ゲル状組成物を得た。ゲル化条件は、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.12g/mlとし、還流冷却器を取り付けた反応器中、60℃で3時間加熱し均一溶液を得た。この溶液をドクターブレードをもちいてPET基板上に塗布し、テトラヒドロフランを蒸発させてシート状のゲル状組成物を得た。このゲルシートはPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからはがしても自立性のあるシートであった。得られたゲル状組成物の比抵抗を上記の二端子測定法により25℃の雰囲気下で測定したところ、2×104Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。
(実施例2)
0.005g/mlのPPyが溶解(r=0.5)しているEMImTsOに替えて0.01g/mlのPPyが溶解(r=1.0)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル組成物の比抵抗は、2×103Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたのは、本実施例で得られるゲルシートを実施例1で得られるゲルシートとほぼ同じ柔軟性を持つ自立性のあるシートとするためである。
0.005g/mlのPPyが溶解(r=0.5)しているEMImTsOに替えて0.01g/mlのPPyが溶解(r=1.0)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル組成物の比抵抗は、2×103Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたのは、本実施例で得られるゲルシートを実施例1で得られるゲルシートとほぼ同じ柔軟性を持つ自立性のあるシートとするためである。
(実施例3)
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて0.005g/mlのPAnが溶解(r=0.42)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.12g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル組成物の比抵抗は、4×104Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.12g/mlとしたのは、実施例2と同じ理由による。
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて0.005g/mlのPAnが溶解(r=0.42)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.12g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル組成物の比抵抗は、4×104Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.12g/mlとしたのは、実施例2と同じ理由による。
(実施例4)
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて、0.01g/mlのPAnが溶解(r=0.83)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル組成物の比抵抗は、5×103Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたのは、実施例2と同じ理由による。
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて、0.01g/mlのPAnが溶解(r=0.83)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル組成物の比抵抗は、5×103Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたのは、実施例2と同じ理由による。
(比較例1)
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えてEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.15g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル組成物の比抵抗は、8×104Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.15g/mlとしたのは、実施例1と同じ理由による。
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えてEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.15g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル組成物の比抵抗は、8×104Ω・cmであった。結果を表2にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.15g/mlとしたのは、実施例1と同じ理由による。
表2より明らかなように、EMImTsOのゲル状組成物の比抵抗が8×104Ω・cmであるのに対して、0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOのゲル状組成物の導電率は2×104Ω・cm、0.01g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOのゲル状組成物の導電率は2×103Ω・cmであった。同様に、0.005g/mlのPAnが溶解しているEMImTsOのゲル状組成物の導電率は4×104Ω・cm、0.01g/mlのPAnが溶解しているEMImTsOのゲル状組成物の導電率は5×103Ω・cmであった。このことから、導電性高分子が溶解しているイオン性液体をゲル化したゲル状組成物は、イオン性液体のみをゲル化したゲル状組成物に比べて、高い導電性を有することがわかった。
(実施例5)
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて0.001g/mlのPPyが溶解(r=0.1)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.14g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は7×104Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.14g/mlとしたのは、実施例2と同じ理由による。
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて0.001g/mlのPPyが溶解(r=0.1)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.14g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は7×104Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.14g/mlとしたのは、実施例2と同じ理由による。
(実施例6)
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて、0.002g/mlのPPyが溶解(r=0.2)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.13g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は4×104Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.13g/mlとしたのは、実施例2と同じ理由による。
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて、0.002g/mlのPPyが溶解(r=0.2)しているEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.13g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は4×104Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。ここで、EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.13g/mlとしたのは、実施例2と同じ理由による。
(実施例7)
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて0.03g/mlに相当するPPy(r=3.0)を含むEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は8×102Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。本実施例においては、EMImTsOに対して0.03g/ml相当のPPyのうち、0.01g/mlのPPyはEMImTsOに溶解した状態で存在し、0.02g/ml相当のPPyは微粉末状態でEMImTsOに分散した状態で存在しているものと考えられる。また、得られたゲル状組成物は、自立性を有するものの機械的強度が弱く、実施例1で得られたゲル状組成物に比べて柔軟性が小さかった。
0.005g/mlのPPyが溶解しているEMImTsOに替えて0.03g/mlに相当するPPy(r=3.0)を含むEMImTsOを用いたことおよびEMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.1g/mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は8×102Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。本実施例においては、EMImTsOに対して0.03g/ml相当のPPyのうち、0.01g/mlのPPyはEMImTsOに溶解した状態で存在し、0.02g/ml相当のPPyは微粉末状態でEMImTsOに分散した状態で存在しているものと考えられる。また、得られたゲル状組成物は、自立性を有するものの機械的強度が弱く、実施例1で得られたゲル状組成物に比べて柔軟性が小さかった。
(実施例8)
EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.12g/mlとしたこと以外は、実施例7と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は、7×103Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。このゲル状組成物の機械的特性は改良され強靭なゲルとなったが、PFV−HFPの質量濃度が0.12g/mlである実施例1のゲル状組成物に比べて柔軟性が小さかった。
EMImTsOに対するPFV−HFPの質量濃度を0.12g/mlとしたこと以外は、実施例7と同様にして、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は、7×103Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。このゲル状組成物の機械的特性は改良され強靭なゲルとなったが、PFV−HFPの質量濃度が0.12g/mlである実施例1のゲル状組成物に比べて柔軟性が小さかった。
(実施例9)
イオン性液体としてEMImTsOの代わりに、EMIm・((CF3SO2)2N)(EMImTFSIという、以下同じ)を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物は実施例2と同等の柔軟性を有する自立性のあるシートであった。また、得られたゲル状組成物の比抵抗は、3×104Ω・cmであり、この値は実施例2で得られた比抵抗値の15倍であった。結果を表3にまとめた。本実施例において、EMImTFSIはPPyをほとんど溶解せず、0.01g/mlのPPy(r=5.0)のうちでEMImTFSIに溶解している部分は0.002g/mlである。このことから、イオン性液体に対する溶解性の高い導電性高分子が、比抵抗の低減(導電性の向上)に大きく寄与することがわかる。
イオン性液体としてEMImTsOの代わりに、EMIm・((CF3SO2)2N)(EMImTFSIという、以下同じ)を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物は実施例2と同等の柔軟性を有する自立性のあるシートであった。また、得られたゲル状組成物の比抵抗は、3×104Ω・cmであり、この値は実施例2で得られた比抵抗値の15倍であった。結果を表3にまとめた。本実施例において、EMImTFSIはPPyをほとんど溶解せず、0.01g/mlのPPy(r=5.0)のうちでEMImTFSIに溶解している部分は0.002g/mlである。このことから、イオン性液体に対する溶解性の高い導電性高分子が、比抵抗の低減(導電性の向上)に大きく寄与することがわかる。
(実施例10)
本実施例は、上記の実施例1〜9において用いたゲル化剤(PFV−HEP)以外のゲル化剤を用いた実施例である。まず、0.005g/mlのPPy(r=0.5)が溶解しているEMImTsOに触媒のジブチル錫ジラウリン酸を100ppm添加した後、ポリオキシエチレングリセリン(分子量1200)(POEGという、以下同じ)を混合し、次いでモル比で1:1となるようにトルエンジイソシアネート(TDIという、以下同じ)を加え混合容液を調製した。POEGとTDIとの合計量がEMImTsOに対して0.06g/mlになるように混合した。そして、上記混合溶液を80℃の温度で30分間静置することにより、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は、1×104Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。
本実施例は、上記の実施例1〜9において用いたゲル化剤(PFV−HEP)以外のゲル化剤を用いた実施例である。まず、0.005g/mlのPPy(r=0.5)が溶解しているEMImTsOに触媒のジブチル錫ジラウリン酸を100ppm添加した後、ポリオキシエチレングリセリン(分子量1200)(POEGという、以下同じ)を混合し、次いでモル比で1:1となるようにトルエンジイソシアネート(TDIという、以下同じ)を加え混合容液を調製した。POEGとTDIとの合計量がEMImTsOに対して0.06g/mlになるように混合した。そして、上記混合溶液を80℃の温度で30分間静置することにより、ゲル状組成物を得た。得られたゲル状組成物の比抵抗は、1×104Ω・cmであった。結果を表3にまとめた。
表2の実施例1,2および表3の実施例5,6から明らかなように、r≧0.2(すなわち、イオン性液体(EMImTsO)に対して導電性高分子(PPy)の質量濃度が、導電性高分子(PPy)の飽和質量濃度の0.2倍以上)のとき、比抵抗の低減効果が大きくなることがわかった。また、r≧0.5(すなわち、イオン性液体(EMImTsO)に対して導電性高分子(PPy)の質量濃度が、導電性高分子(PPy)の飽和質量濃度の0.5倍以上)のとき、比抵抗の低減効果がより大きくなることがわかった。
また、表2の実施例1,2および表3の実施例7,8から明らかなように、イオン性液体(EMImTsO)に未溶解の微粉末状のPPyの存在は、ゲル状組成物の機械的特性は悪くするが、比抵抗の低減には効果があることがわかった。
また、表2および表3の実施例1〜10に示すように、イオン性液体に溶解した導電性高分子や微粉末状態で存在する導電性高分子を組みあわせる事により、比抵抗、機械的強靭性、柔軟性などの特性がそれぞれ異なるゲル状組成物を得ることができる。
上記の実施例および比較例で説明したように、導電性高分子の少なくとも一部が溶解しているイオン性液体をゲル化したゲル状組成物は、イオン性液体のみをゲル化したゲル状組成物に比べて、高い導電性を有している。また、導電性高分子の少なくとも一部が溶解していることはゲル状組成物の機械的な特性を劣化させることなくゲル状組成物の比抵抗の低減に極めて有効である。
このように、本発明によれば、従来のゲル状組成物に比べてより導電性の高いゲル状組成物が得られる。本発明にかかる導電性の高いゲル状組成物は、固体電解質、生体電極またはセンサとしての幅広い用途に応用が可能となる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (10)
- 導電性高分子と、イオン性液体と、ゲル化剤とを含み、
前記導電性高分子の少なくとも一部が、前記イオン性液体に溶解していることを特徴とするゲル状組成物。 - 前記イオン性液体に対する前記導電性高分子の質量濃度が、前記イオン性液体に対する前記導電性高分子の飽和質量濃度の0.2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のゲル状組成物。
- 前記イオン性液体に対する前記ゲル化剤の質量濃度が、0.03g/ml以上0.5g/ml以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲル状組成物。
- 前記イオン性液体のカチオン成分が、アンモニウムおよびその誘導体、イミダゾリニウムおよびその誘導体、ピリジニウムおよびその誘導体、ピロリジニウムおよびその誘導体、ピロリニウムおよびその誘導体、ピラジニウムおよびその誘導体、ピリミジニウムおよびその誘導体、トリアゾニウムおよびその誘導体、トリアジニウムおよびその誘導体、トリアジン誘導体カチオン、キノリニウムおよびその誘導体、イソキノリニウムおよびその誘導体、インドリニウムおよびその誘導体、キノキサリニウムおよびその誘導体、ピペラジニウムおよびその誘導体、オキサゾリニウムおよびその誘導体、チアゾリニウムおよびその誘導体、モルフォリニウムおよびその誘導体ならびにピペラジンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含む請求項1から請求項3までのいずれかに記載のゲル状組成物。
- 前記イオン性液体のアニオン成分が、スルホン酸基アニオン(−SO3 -)、硫酸基アニオン(−OSO3 -)、カルボキシル基アニオン(−COO-)、BF4 -、PF6 -、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドアニオン((CF3SO2)2N-)、トリス(トリフルオロメチルスルフォニル)カルボアニオン((CF3SO2)3C-)、NO3 -、ニトロ基アニオン(−NO2 -)からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含む請求項1から請求項4までのいずれかに記載のゲル状組成物。
- 前記導電性高分子が、ポリピロールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリパラフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリキノンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含む請求項1から請求項5までのいずれかに記載のゲル状組成物。
- 前記ゲル化剤は、少なくとも2以上の極性基または2以上の反応性官能基を含む化合物である請求項1から請求項6までのいずれかに記載のゲル状組成物。
- 導電性高分子の少なくとも一部をイオン性液体に溶解させる溶解工程と、ゲル化剤を用いて前記導電性高分子の少なくとも一部が溶解している前記イオン性液体をゲル化するゲル化工程とを含むゲル状組成物の製造方法。
- 前記ゲル化工程は、前記導電性高分子の少なくとも一部が溶解している前記イオン性液体に前記ゲル化剤を溶解または分散させる工程を含む請求項8に記載のゲル状組成物の製造方法。
- 前記ゲル形成工程は、前記ゲル化剤として2以上の第1の反応性官能基を含む第1のゲル化剤と2以上の第2の反応性官能基を含む第2のゲル化剤とを準備する工程と、前記導電性高分子の少なくとも一部が溶解している前記イオン性液体に前記第1のゲル化剤と前記第2のゲル化剤とを溶解または分散させる工程と、前記第1のゲル化剤と前記第2のゲル化剤とを重合させる工程とを含む請求項8に記載のゲル状組成物の製造方法。
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