JP2909544B2 - 水溶性導電性有機重合体組成物の溶液の製造方法 - Google Patents

水溶性導電性有機重合体組成物の溶液の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水溶性導電性有機重合体組成物の溶液の製
造方法に関し、詳しくは、溶剤中、水溶性重合体多価ス
ルホン酸の存在下に、アニリン若しくはその誘導体を酸
化剤にて化学酸化重合させて、直ちに、上記水溶性重合
体多価スルホン酸をドーパントとして有する導電性有機
重合体組成物が溶剤に溶解してなる溶液を得る方法に関
する。
従来の技術 アニリン及びその誘導体による導電性有機重合体組成
物の製造方法としては、アニリン又はその誘導体を電極
上に電解酸化重合させることによって、そのフィルムを
得ることが特開昭62−230825号公報、特開昭62−149724
号公報等によって既に知られている。この電解酸化重合
によれば、導電性等の性能のすぐれたフィルム状重合体
が得られるが、化学酸化重合に較べて、製造コストが高
く、大量生産には適さない。
一方、アニリン、その誘導体又はこれらの塩を酸化剤
を含む酸化液中にて化学酸化重合して、ドーパントとし
ての電子受容体を含み、電導度が10-6S/cm以上である導
電性有機重合体組成物を製造する方法も既に知られてお
り、更に、かかる化学酸化重合による導電性有機重合体
組成物の製造において、標準水素電極を基準とする還元
半電池反応における起電力として定められる標準電極電
位が0.6V以上である酸化剤が特に好適に用いられること
も、既に特開昭61−258831号公報に記載されている。
しかし、上記した化学酸化重合による導電性有機重合
体組成物は、いずれも、水及び有機溶剤に難溶性又は不
溶性であるので、一般に、フィルム化が困難である。
また、ポリマーアニオンをドーピングしたポリアニリ
ンについては、特開昭59−098165号公報及び特開昭62−
164730号公報に記載されているが、これらはいずれも、
ポリマーアニオンを加えることによって、ポリアニリン
の物理的性質の向上を目指すものであり、重合方法も電
解酸化重合である。
発明が解決しようとする課題 本発明者らは、アニリン又はその誘導体の酸化重合体
からなる導電性有機重合体組成物における上記した問題
を解決して、この導電性有機重合体組成物に水溶性の付
与すべく鋭意研究した結果、溶剤中、水溶性重合体多価
スルホン酸の存在下に、アニリン又はその誘導体を化学
酸化重合させることによって、直ちに、上記水溶性重合
体多価スルホン酸をドーパントとして有する導電性有機
重合体組成物が溶剤に溶解してなる溶液を得ることがで
きることを見出して、本発明に至ったものである。
問題点を解決するための手段 本発明によれば、標準水素電極を基準とする還元半電
池反応における起電力として定められる標準電極電位が
0.6V以上である酸化剤を用いて、水、水混和性有機溶剤
及びこれらの混合溶剤から選ばれる溶剤中にて、アニリ
ン又はアルキルアニリン又はこれらの塩から選ばれる単
量体に対して少なくとも等モル量の酸解離定数pkaが3.0
以下の水溶性重合体多価スルホン酸の存在下に、上記単
量体を化学酸化重合して、ドーパントとして上記水溶性
重合体多価スルホン酸を含み、電導度が10-6S/cm以上で
ある水溶性導電性有機重合体組成物が上記溶剤に溶解さ
れてなる溶液を得ることを特徴とする水溶性導電性有機
重合体組成物の溶液の製造方法が提供される。
本発明の方法において用いる酸化剤は、単量体を酸化
重合させ得る酸化力を有することが必要であり、かかる
酸化剤としては、特開昭61−258831号公報に記載されて
いるように、標準水素電極を基準とする還元半電池反応
における起電力として定められる標準電極電位が0.6V以
上であることが必要である。ここに、本発明の方法にお
いては、標準電極電位は、Cr2O7 2-のように、その還元
半電池反応にプロトンが関与する場合は、プロトンが関
与する反応における標準電極電位によるものとする。こ
のような標準電極電位は、例えば、「CRCハンドブック
・オブ・ケミストリー・アンド・フィジックス」(CRC
プレス社)D−155〜D−160や、電気化学協会編「電気
化学便覧」(丸善(株))第71〜74頁に記載されてい
る。
前述したような条件を満たす酸化剤として、過酸化水
素、過マンガン酸塩、二酸化鉛、重クロム酸鉛、二酸化
マンガン、過硫酸塩等を挙げることができ、これらは、
水溶液又は固体として用いられる。
本発明の方法において、上記酸化剤は、単量体の酸化
重合に対して、当量を用いるのが好ましい。当量を越え
て過多に用いるときは、反応系に酸化剤が過剰に残存
し、得られる導電性有機重合体組成物がその電気的な特
性において劣化するおそれがあるからである。
次に、本発明の方法において、プロトンを供給して、
ドーパントとなる水溶性重合体多価スルホン酸は、先
ず、前述したような単量体の酸化重合体をドーピングし
得るように、酸解離定数pkaが3.0以下であることが必要
である。酸解離定数pkaが3.0よりも大きい水溶性重合体
多価スルホン酸を用いるときは、生成する酸化重合体を
ドーピングすることができず、従って、電導度10-6S/cm
以上の導電性有機重合体組成物を得ることができない。
更に、本発明において用いる水溶性重合体多価スルホン
酸は、その0.5g/dl水溶液が30℃において対数粘度0.05
以上であることが好ましい。水溶性重合体多価スルホン
酸の分子量が小さすぎるときは、得られる導電性有機重
合体組成物を水に溶解させたときに、上記水溶性重合体
多価スルホン酸が一部、導電性有機重合体組成物から遊
離し、導電性有機重合体組成物を水不溶化させるおそれ
があるからである。
本発明において用い得る酸解離定数pkaが3.0以下であ
る水溶性重合体多価スルホン酸としては、例えば、ポリ
ビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリ
ルスルホン酸、ポリメタリルスルホン酸、ポリ−2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の高分
子量重合体の多価スルホン酸を挙げることができる。
これら水溶性重合体多価スルホン酸は、市販品をその
まま用いてもよく、或いは市販の単量体を通常の方法に
よってラジカル重合させることによって、容易に得るこ
とができる。水溶性重合体多価スルホン酸のアルカリ金
属塩は、これを通常の酸処理やイオン交換樹脂処理する
ことによって、遊離酸としての水溶性重合体多価スルホ
ン酸を得ることができる。
本発明においては、水溶性重合体多価スルホン酸は、
単量体を塩として水に溶解させるために、少なくとも単
量体に対して等モル量が必要であり、更に、酸化剤の当
量以上を用いることが好ましい。
また、分子量によって異なるものの、反応液中の水溶
性重合体多価スルホン酸の濃度が高いときは、重合時に
過度に重合体多価スルホン酸を取り込んでゲル化する結
果、水難溶性の酸化重合体が生成しやすいので、水溶性
重合体多価スルホン酸は、反応系において比較的低濃度
で用いることが好ましい。例えば、水溶性重合体多価ス
ルホン酸として、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを
イオン交換して酸型とした分子量50万程度のものを用い
るときは、反応液におけるその濃度は、0.3モル/以
下が好ましい。
本発明の方法においては、上記水溶性重合体多価スル
ホン酸と共に、解離定数pkaが3.0以下である低分子量の
プロトン酸を用いることもできる。かかる低分子量のプ
ロトン酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素
酸、臭化水素酸、ホウフッ化水素酸、リンフッ化水素
酸、ピクリン酸等のフェノール類、種々の有機スルホン
酸類、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ニトロ安息香
酸、酒石酸等を挙げることができる。低分子量プロトン
酸は、水溶性重合体多価スルホン酸の分子量によって、
種々の量にて用いることができ、水溶性重合体多価スル
ホン酸の分子量が大きいときは高い割合にて、また、水
溶性重合体多価スルホン酸の分子量が小さいときは低い
割合にて用いられる。例えば、前述したように、ポリス
チレンスルホン酸ナトリウムをイオン交換して酸型とし
た分子量50万程度の高分子量重合体多価スルホン酸の場
合は、それが必要とされる量のうち、約70%までを低分
子量プロトン酸に代えても、本発明による水溶性導電性
有機重合体組成物を得ることができる。しかし、約70%
を越える量を低分子プロトン酸に代えるときは、導電性
有機重合体組成物のフィルムが高分子量重合体多価スル
ホン酸の成膜性によるため、フィルムにひび割れが生ず
るようになる。
本発明の方法において、単量体としては、アニリンが
特に好ましく用いられるが、o−メチルアニリン、m−
メチルアニリン、o−エチルアニリン、m−エチルアニ
リン等のアルキルアニリン等も用いることができる。こ
れら単量体を塩として用いるときは、得られる酸化重合
体にドーピングさせるためのプロトン酸と同じプロトン
酸の塩として用いる必要があることは明らかであろう。
本発明の方法においては、反応媒体としては、水、水
混和性有機溶剤又はこれらの混合溶剤が用いられる。水
混和性有機溶剤を用いるときは、用いる酸化剤によって
酸化されないことが必要である。例えば、水混和性有機
溶剤としては、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸等
のケトン類、エーテル類又は有機酸類、アルコール類が
用いられる。
本発明による導電性有機重合体組成物の好ましい製造
方法は、アニリン若しくはアルキルアニリン又はこれら
の塩を水溶性重合体多価スルホン酸を含む溶剤中に溶解
させ、この溶液に酸化剤を加えて、酸化重合させる方法
である。
反応温度は溶剤の沸点以下であれば特に制限されない
が、反応温度が高温になるほど、得られる酸化重合体の
導電性が小さくなる傾向があるので、高い導電性を有す
る水溶性有機重合体組成物を得る観点からは常温以下が
好ましい。
本発明の方法においては、酸化剤の添加後、直ちに導
電性有機重合体組成物が生成する場合があるが、通常
は、数分程度の誘導期間を経た後、反応が開始されて、
導電性有機重合体組成物が生成する。いずれにしても、
反応は短時間で終了するが、通常、その後数分乃至数時
間、熟成のために撹拌してもよい。通常は、得られた反
応溶液をそのまま、或いは濃縮して流延用のドープ液と
して利用して、フィルム化或いは基材への塗布に用い
る。しかしながら、本発明の水溶性導電性有機重合体組
成物を単離する場合には、反応混合物を有機溶剤中に投
入して、導電性有機重合体組成物を沈殿させ、これを濾
別し、次に、これを水に溶解した後、更に有機溶剤中で
沈殿させ、これを回収すればよい。この再沈殿法を繰返
すことにより、本発明による水溶性導電性有機重合体組
成物の精製を行なうことができ、この後、真空乾燥すれ
ば、本発明による水溶性導電性有機重合体組成物の精製
品を得る。
本発明の方法によって、アニリン又はアルキルアニリ
ン又はこれらの塩から選ばれる単量体の化学酸化重合に
よって得られる水溶性導電性有機重合体組成物は、一般
(但し、Rは水素又はアルキル基を示す。) で表わされるキノンジイミン構造体を主たる繰返し単位
として有する実質的に線状の重合体が水溶性高分子量多
価スルホン酸をドーパントとして含んでなり、その電導
度は10-6S/cm以上である。
このような本発明による水溶性導電性有機重合体組成
物は、水に溶解している状態及び乾燥した粉末状態にお
いて、通常、緑色乃至黒緑色を呈している。粉末の場合
は、一般に導電性が高いほど、鮮やかな緑色を呈してい
る。しかし、加圧成形した成形物は、通常、光沢のある
青色を示す。
発明の効果 以上のように、本発明の方法によれば、溶剤中、水溶
性重合体多価スルホン酸の存在下に、所定の酸化剤を用
いて、アニリン又はアルキルアニリン又はこれらの塩か
ら選ばれる単量体を化学酸化重合することによって、直
ちに、ドーパントとして上記水溶性重合体多価スルホン
酸を含み、電導度が10-6S/cm以上である水溶性導電性有
機重合体組成物が上記溶剤に溶解されてなる溶液を得る
ことができる。従って、このような溶液を適宜の基材上
に流延塗布すれば、直ちに、導電性有機重合体組成物の
フィルムを容易に得ることができる。
本発明によれば、水溶性導電性有機重合体組成物は、
前記水溶性重合体多価スルホン酸をドーパントとして有
し、ここに、この水溶性重合体多価スルホン酸は、ドー
ピングに関与しない多数の水溶性基、例えば、ポリスチ
レンスルホン酸の場合であればスルホン酸基を有するの
で、導電性有機重合体組成物に水溶性を付与するものと
みられる。
本発明によれば、このような水溶性導電性有機重合体
組成物の溶液から、水溶性導電性有機重合体組成物を単
離することができる。この水溶性導電性有機重合体組成
物においては、ドーパントとして、アニリン等の酸化重
合体に結合されている水溶性重合体多価スルホン酸の分
子鎖が相互に絡み合っているために、導電性有機重合体
組成物を水に溶解させた場合にも、また、脱ドーピング
時にも、上記水溶性重合体多価スルホン酸は有機重合体
組成物から遊離しない。従って、かかる水溶性導電性有
機重合体組成物を再度、水溶液とし、これを適宜の基材
上に流延塗布することによって、容易にフィルムを得る
ことができる。
また、従来のアニリンの酸化重合による導電性有機重
合体組成物においては、負電荷を有する電解質イオンが
有機重合体に取り込まれ、或いは放出されることによっ
て、ドーピング又は脱ドーピングされるが、本発明によ
る水溶性導電性有機重合体組成物においては、その還元
による脱ドーピングの際に、負電荷を有する水溶性重合
体多価スルホン酸は有機重合体から脱離しないので、正
電荷をもつイオンを有機重合体中に取り込んで、水溶性
重合体多価スルホン酸の負電荷を中和する。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は
これら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの20%水溶液(東
ソー(株)製PS5、分子量5万〜10万)50mlを蒸留水1
で希釈し、カラムに充填したH型カチオン交換樹脂
(ダウ・ケミカル社製ダウエックス50W X12)にて処理
して、ポリスチレンスルホン酸を含む留出液を得た。こ
の留出液3をロータリー・エバポレータにて約250ml
に濃縮した。
フェノールフタレインを指示薬として、上記濃縮液1.
50mlは、その中和滴定のために、0.01N水酸化ナトリウ
ム水溶液36.4mlを要したので、ポリスチレンスルホン酸
の濃度は0.243モル/であった。
重クロム酸アンモニウム0.366g(0.0013モル)を蒸留
水20mlに溶解した。別に、300ml容量のガラス製ビーカ
ーに蒸留水50gと上記ポリスチレンスルホン酸水溶液93.
3ml(0.023モル、アニリン100重量部に対して1130重量
部)を加え、この水溶液にアニリン0.373g(0.004モ
ル)を加え、撹拌下に溶解させた。氷水で冷却し、5℃
の温度にて、上記重クロム酸アンモニウム水溶液を少量
ずつ加え始めた。数分後に反応液は緑色に着色した。約
30分を要して、重クロム酸アンモニウム水溶液の添加を
終え、その後、更に反応混合物を1時間撹拌した。
このようにして得られた黒緑色の溶液をロータリー・
エバポレータで濃縮した後、この濃縮液をポリエチレン
テレフタレートフィルム上に流延塗布し、前記アニリン
の酸化重合による導電性有機重合体組成物のフィルムを
得た。このフィルムは吸湿性を有し、一旦、乾燥させて
も、空気中に放置すれば、吸湿することが認められた。
この吸湿フィルム0.374gを減圧デシケータ中に置き、恒
量まで乾燥させたとき、その重量は、0.300gであったの
で、フィルムの吸湿量は25%であった。
乾燥フィルムは、厚み約20μmであり、水に容易に溶
解した。また、乾燥フィルムは、外部からの力によって
容易に壊れるが、吸湿したフィルムは、しなやかであっ
て、種々のハンドリングに十分に耐えることが分かっ
た。
1cm四方の前記乾燥フィルムに幅約1mmの銅箔4本をグ
ラファイト・ペーストにて四隅に接着し、空気中にてフ
ァン・デル・ポウ法にて測定した電導度は、2.1×10-2S
/cmであった。
実施例2 300ml容量のガラス製ビーカーに蒸留水50g、0.104モ
ル/のポリスチレンスルホン酸(東ソー(株)製PS5
0、分子量40万〜60万)水溶液67.0ml(0.0069モル、ア
ニリン100重量部に対して340重量部)を仕込み、更に、
これにアニリン0.373g(0.004モル)を加えた。重クロ
ム酸アンモニウム0.336g(0.0013モル)を蒸留水20mlに
溶解した水溶液を上記ポリスチレンスルホン酸を含む水
溶液に少量ずつ加え、撹拌した。
上記重クロム酸アンモニウム水溶液の添加を開始して
数分後に、反応液は緑色に着色した。約30分を要して、
重クロム酸アンモニウム水溶液の添加を終え、その後、
更に反応混合物を1時間撹拌した。反応終了後、反応混
合物を濾過して固形分を除き、得られた黒緑色の反応液
をロータリー・エバポレータにて濃縮し、これをポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に流延塗布して、アニ
リンの酸化重合による導電性有機重合体組成物のフィル
ムを得た。このフィルムは、膜厚40μm、電導度は7.4
×10-2S/cmであった。
実施例3 300ml容量のガラス製ビーカーに蒸留水100g、0.777モ
ル/のポリスチレンスルホン酸(東ソー(株)製PS5
0、分子量40万〜60万)水溶液67.0ml(0.0069モル、ア
ニリン100重量部に対して640重量部)及びアニリン0.37
3g(0.004モル)を加えた。この水溶液を氷冷して5℃
に保ちながら、これに重クロム酸アンモニウム0.336g
(0.0013モル)を蒸留水20mlに溶解した水溶液を少量ず
つ加え、撹拌した。
上記重クロム酸ナトリウムアンモニウム水溶液の添加
を開始して数分後に、反応液は緑色に着色した。約30分
を要して、重クロム酸ナトリウムアンモニウム水溶液の
添加を終え、その後、更に反応混合物を1時間撹拌し
た。反応終了後、得られた黒緑色の反応液をロータリー
・エバポレータにて濃縮し、これをポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に流延塗布して、アニリンの酸化重
合による導電性有機重合体組成物のフィルムを得た。こ
のフィルムは、膜厚25μm、電導度は1.3×10-3S/cmで
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−164730(JP,A) 特開 昭62−109819(JP,A) 特開 昭63−27526(JP,A) 特開 昭61−266435(JP,A) 特開 昭63−225634(JP,A) 特開 昭63−215722(JP,A) 特開 昭63−145326(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標準水素電極を基準とする還元半電池反応
    における起電力として定められる標準電極電位が0.6V以
    上である酸化剤を用いて、水、水混和性有機溶剤及びこ
    れらの混合溶剤から選ばれる溶剤中にて、アニリン又は
    アルキルアニリン又はこれらの塩から選ばれる単量体に
    対して少なくとも等モル量の酸解離定数pkaが3.0以下の
    水溶性重合体多価スルホン酸の存在下に、上記単量体を
    化学酸化重合して、ドーパントとして上記水溶性重合体
    多価スルホン酸を含み、電導度が10-6S/cm以上である水
    溶性導電性有機重合体組成物が上記溶剤に溶解されてな
    る溶液を得ることを特徴とする水溶性導電性有機重合体
    組成物の溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】単量体100重量部に対して640重量部以上の
    水溶性重合体多価スルホン酸の存在下に、上記単量体を
    化学酸化重合する請求項1に記載の水溶性導電性有機重
    合体組成物の溶液の製造方法。
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