JP5476563B2 - オルガノゲル及びオルガノゲルの製造方法 - Google Patents

オルガノゲル及びオルガノゲルの製造方法 Download PDF

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本発明は、オルガノゲル及びオルガノゲルの製造方法に関する。より詳細には、有機液体を固化或いはゲル化することにより、運搬、廃棄、保存に便利で、かつ機能性食品等の食用にも用いることが可能なオルガノゲル及びかかるオルガノゲルを製造する方法に関する。
絶縁油、機械油、熱媒体、潤滑油等に代表される油組成物は、基材となる油分の他、添加剤や不純物が含まれた混合系となっており、廃棄が困難である場合がある。油組成物だけでなく広く産業界で用いられている有機溶剤は、種々の成分を溶解しやすいため、例えばハロゲン化芳香族化合物(ダイオキシン、ポリクロロビフェニル類等)等の毒性成分が含まれていることもあり、容易に運搬できない場合もある。また、環境の影響を受けやすい(例えば酸化しやすい等)油組成物ならびに有機液体は、保管が困難である場合もある。
一方、各種植物油及び動物油に代表される食用油は、主に家庭で使用され、使用後は廃棄する必要があるが、その多くは排水溝にそのまま流され、水質を汚染する原因となっている。使用済み食用油をゲル化して廃棄させるための製品(例えば、水素添加ひまし油や、12−ヒドロキシステアリン酸等)が市販されているが、食用油が高温のうちに該製品を添加混合しなければならないなど、使用に不便な点が多く、日常的に簡便に使用されるに至っていない。また、油吸収性のスポンジ等網状構造物に油を吸収させることを目的とする製品が市販されているが、吸収可能な油の量に限りがあり、また吸収した油が漏れ出てくるなどの不都合があるため、こちらも日常的に使用されるには至っていない。
本発明者らは、特定の構造を有するシクロデキストリンが、油組成物をゲル化し、固形のオルガノゲルを形成することを発見し、特許出願した(特許文献1)。特許文献1では、シクロデキストリンの超分子集合体と各種有機溶剤及び油組成物とを用い、シクロデキストリン超分子集合体のオルガノゲル化特性を詳細に検討した。
本願発明は、シクロデキストリンと有機二塩基酸、特にテレフタル酸またはテレフタル酸誘導体との縮合ポリマーが、有機溶剤を含む油組成物を特に有効にゲル化することができることを新たに発見したことに基づく。
PCT/JP2008/058318
本発明者らは、室温付近の温度で容易に油組成物ならびに有機溶剤等の有機液体を固化或いはゲル化する方法を鋭意検討したところ、シクロデキストリンと有機二塩基酸とを縮合させて得たポリマーに、有機液体を固化或いはゲル化する作用があることを発見し、本発明を完成するに至った。本発明の態様は以下の通りである。
1.以下の式:
(ここで、mは6、7または8である。)
で表されるシクロデキストリンと有機二塩基酸とを反応させて得たポリマーを含有することを特徴とする、有機液体をゲル化するためのオルガノゲル化組成物。
2.有機二塩基酸がテレフタル酸またはテレフタル酸の酸ハロゲン化物である、上記1に記載のオルガノゲル化組成物。
3.以下の式:
(ここで、mは6、7または8である。)
で表されるシクロデキストリンと有機二塩基酸類とを縮合させて得たポリマーを含有するオルガノゲル化組成物と、有機液体とから形成される、オルガノゲル。
4.有機二塩基酸類がテレフタル酸またはテレフタル酸の酸ハロゲン化物である、上記3に記載のオルガノゲル。
5.有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物を含む、上記3または4に記載のオルガノゲル。
6.以下の式:
(ここで、mは6、7または8である。)
で表されるシクロデキストリンと有機二塩基酸類とを縮合させて得たポリマーを含有するオルガノゲル化組成物と、有機液体とを混合し、撹拌することを特徴とする、オルガノゲルの製造方法。
7.有機二塩基酸類がテレフタル酸またはテレフタル酸の酸ハロゲン化物である、上記6に記載の製造方法。
8.有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物を含む、上記6または7に記載の製造方法。
γ−シクロデキストリンと二塩化フタロイルとを縮合させて得たポリマーの写真である。 β−シクロデキストリンと二塩化フタロイルとを縮合させて得たポリマーの写真である。 本発明のオルガノゲル(γ−CD縮合ポリマーと絶縁油)の写真である。 本発明のオルガノゲル(γ−CD縮合ポリマーとトルエン)の写真である。 本発明のオルガノゲル(β−CD縮合ポリマーと絶縁油)の写真である。 本発明のオルガノゲル(β−CD縮合ポリマーとトルエン)の写真である。
本発明を詳細に説明する。本発明の一の態様は、シクロデキストリンと有機二塩基酸類とを縮合させて得たポリマーを含有することを特徴とする、有機液体をゲル化するためのオルガノゲル化組成物である。ここでシクロデキストリンとは、数分子のD−グルコースが α(1→4) グルコシド結合によって結合し、環状構造をとった環状オリゴ糖の一種であり、結合するD−グルコースの数に応じてα−(6個)、β−(7個)及びγ−シクロデキストリン(8個)が存在する。本願発明のオルガノゲル化剤として特に有用なのは、β−またはγ−タイプのシクロデキストリンである。シクロデキストリンは環状構造の外側にヒドロキシ基を有しているため水溶性が高いが、空孔内部には疎水性分子を包接することが可能になっている。シクロデキストリンは、以下の式:
(ここでmは6、7または8である。)で表されるが、本願発明のオルガノゲル化剤として特に有用なのはβ−タイプまたはγ−タイプのシクロデキストリンであるので、mは7または8である。
有機二塩基酸類とは、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪酸の他、広く酸ハロゲン化物あるいはエステル類を含むことを意図しており、本発明においては、シクロデキストリン分子中の水酸基と反応して逐次縮合し、ポリマーを形成しうる化合物のことである。このような有機二塩基酸類として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられ、本発明では特にテレフタル酸又はテレフタル酸ジクロライド(二塩化テレフタロイル)を用いることが好適である。
シクロデキストリンと有機二塩基酸類とを縮合させてポリマーを製造することができる。ここでポリマーとは、複数のシクロデキストリンと有機二塩基酸類とが縮合したものを総称することとする。したがって、例えばシクロデキストリンと有機二塩基酸類とが合計で数個〜10個程度縮合した、いわゆるオリゴマーと呼ばれるような化合物も、本明細書ではポリマーと総称するものとする。本発明のポリマーは、分子量の異なる重合体が混合した組成物であってよい。
本明細書において油組成物とは、一般的な油(絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤)に、1以上の他の成分が溶解した混合物であっても良いことを意味するものである。すなわち、油は一般に種々の成分を溶解可能であるので、各種有機物や無機物、及び溶剤などの複数の成分が溶解した組成物の形で存在することが多い。特に使用後の油には種々の成分が溶解しうる。したがって本明細書では、純粋の油を含め、混合物の形態の油をも総称して「油組成物」と呼ぶものとする。すなわち、塗料やインキのような、油成分と溶剤ならびに顔料等との混合物も本発明における油組成物である。
また本発明のオルガノゲル化組成物により固化或いはゲル化することができる有機液体は、上記油組成物の他、広く産業界で用いられる有機溶剤を含むものとする。有機溶剤は一般に良溶媒であり、種々の成分を溶解可能であるので、各種有機物や無機物、及び溶剤などの複数の成分が溶解した組成物の形で存在することがある。したがって本明細書では、単一種類の有機溶剤を含め、混合物の形態の有機溶剤をも総称して「有機溶剤」と呼ぶものとする。すなわち、化学反応終了後の反応液等も本発明における有機溶剤である。本明細書においては「油組成物」と「有機溶剤」とをまとめて「有機液体」と称する。なお、本明細書における「有機液体」であるかどうかの目安として、水に対する溶解度(20℃)が7.8重量%以下であることが挙げられる。あるいは溶解度パラメータが7.0〜14.4であることも別の指標となりうる。溶解度パラメータについては「高分子データハンドブック(基礎編)」高分子学会編を参照されたい。
上述の通り、本発明者らはシクロデキストリンと有機二塩基酸とを縮合させて得たポリマーと、有機液体とを混合し、撹拌すると、有機液体がゲル化し、オルガノゲルを形成することを発見した。ここで本発明で形成される「オルガノゲル」とは、上記の有機液体が、見た目上固形の状態となったものを指す。すなわち、オルガノゲルは周囲温度雰囲気下において一定の固体の形状を有している。オルガノゲルを入れた容器を横にする或いは逆さにしても、当該オルガノゲルの形状は変化せず、たとえ変化したとしてもごくわずかである。オルガノゲルは通常は弾性を有しているが、場合によっては、弾性を有しない、いわゆる堅い固体の状態のこともあり得る。本明細書における「オルガノゲル」であるかどうかの目安として、水に対する溶解度(20℃)が7.8重量%以下である有機液体をゲル化したものであることが挙げられる。あるいは有機液体の溶解度パラメータが7.0〜14.4であることも別の指標となりうる。
シクロデキストリンと有機二塩基酸とを縮合させて得たポリマーと有機液体とを混合すると有機液体がゲル化する仕組みについては明らかではない。しかし本発明者らは、縮合ポリマーが特定の形態をとって、シクロデキストリン部分が特定の形態(例えば一列に並ぶなど)に集合し、シクロデキストリンの疎水性部位(空孔)に有機液体が包接され、結果としてシクロデキストリン部分と有機液体とが網状構造体あるいは擬似的な網状構造体を形成してゲル化するのではないかと考えている。ゲル化は常温付近で進行し、従来の食用油ゲル化剤のように油組成物を高温にする必要がない。またスポンジ等に油組成物を吸収させた場合のように、一度吸収された油が漏れ出てくるなどの不都合が起こりにくく、安定なゲル形態を維持することができる。従来液状のまま保管していた絶縁油を本発明に従うオルガノゲルの形態で保管することにより、油の流出等のおそれなく、安全に保管することが可能である。
さらに本発明においてゲル化機能を有するシクロデキストリンと有機二塩基酸との縮合ポリマーは、高分子化合物であるが故に比較的人体に安全な物質であると考えられる。このように、シクロデキストリンと有機二塩基酸との縮合ポリマーが比較的安全な化合物であることに起因して、本発明のオルガノゲルには非常に有用な用途が存在する。例えば、テルペン化合物、エッセンシャルオイル、アロマオイル等に代表される香油或いは香料をγ−シクロデキストリンと有機二塩基酸との縮合ポリマーを用いてゲル化すると、芳香剤やインテリアとして利用することが可能である。したがってこのような目的で本発明のオルガノゲルを用いる場合は、不飽和脂肪酸類、油脂類、ビタミン誘導体、カロテノイド類、香料等の脂溶性成分も本発明の「油組成物」と呼ぶべきである。
本発明のオルガノゲルを製造する方法を説明する。
本願発明のオルガノゲル化剤としてのシクロデキストリンと有機二塩基酸類との縮合ポリマーは、例えば以下のような方法で製造することができる。シクロデキストリンとして、γ−シクロデキストリンを用いて縮合ポリマーを製造する方法を説明する:
シクロデキストリンとして、市販のγ−シクロデキストリンを使用することができる。γ−シクロデキストリンを有機溶媒(例えばピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等。好ましくは乾燥ピリジン)に溶解させる。一方二塩化テレフタロイルを有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン等。好ましくは乾燥テトラヒドロフラン)に溶解させ、これを先に用意したγ−シクロデキストリン溶液に滴下する。この際、縮合反応による熱が発生するので、γ−シクロデキストリン溶液を氷浴などで冷却しながら滴下することが望ましい。そのまま反応液を撹拌すると結晶が析出するのでこれを適宜洗浄、乾燥すると、γ−シクロデキストリンとテレフタル酸との縮合ポリマーを得ることができる。本明細書では、このように得たポリマーを「γ−CD縮合ポリマー」「テレフタル酸γ−CD」「γ−CDテレフタル酸」等と略称することがあるが、いずれも縮合ポリマーのことである。
得られた縮合ポリマーと有機液体とを、0.1:1〜1:1(重量比)の割合で混合し、穏やかに撹拌すると、数秒間〜数分間で有機液体がゲル化し、本発明のオルガノゲルとなる。有機液体としては、上述の通り有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物等が挙げられる。ゲル化した有機液体は、室温で安定な固体形状であり、有機液体成分が漏れ出てくるなどの不都合がない。また液体よりも安定性が高く、保存に便利である。
ゲル化剤として働く縮合ポリマーは高分子化合物であるが故に比較的人体に安全な化合物であると考えられるため、例えば不飽和脂肪酸類や高機能性油脂、ビタミン誘導体、カロテノイド類、テルペン化合物、エッセンシャルオイル、アロマオイル等を用いて本発明のオルガノゲルを調製すると、インテリア製品、芳香剤としての利用が可能である。
[合成例1]γ−CDとテレフタル酸との縮合ポリマー(以下、「テレフタル酸γ−CD」と称する。)の合成
滴下ロート、風船付き三方コック及びセプタムの付いた300mlの3つ口フラスコに、γ-CD(6.0 g, 3.1 mmol、純正化学株式会社)と乾燥ピリジン(120 ml、和光純薬工業)をいれた。フラスコを氷浴につけた後、乾燥テトラヒドロフラン(40ml)に溶解した二塩化テレフタロイル(7.5g, 25 mmol、東京化成工業)を30分間かけて滴下した。そのまま氷浴で2時間撹拌した後、氷浴を外し、更に17時間室温で攪拌した。析出した白色結晶を吸引濾過した後、得られた結晶を水、アセトンの順で洗浄し、80℃で真空乾燥した。12.7gのテレフタル酸γ-CD(以下、「TPGCD」と称する。)が得られた。得られたTPGCDは白色粉末であった。図1にTPGCDの写真を示す。
IR(neat); 3418, 1716, 1409, 1266, 1097, 1041, 1017, 874, 730 cm-1
[合成例2]β−CDとテレフタル酸との縮合ポリマー(以下、「テレフタル酸β−CD」と称する。)の合成
滴下ロート、風船付き三方コック及びセプタムの付いた5Lの3つ口フラスコに、β-CD(150g, 0.13mol、純正化学株式会社)と特級ピリジン(3L、和光純薬工業)をいれた。フラスコを氷浴につけた後、特級テトラヒドロフラン(1L)に溶解した二塩化テレフタロイル(268g, 1.3mol、東京化成工業)を4時間かけて滴下した。滴下後、氷浴をはずし、24時間撹拌した。析出した白色結晶を吸引濾過した後、得られた結晶を水、メタノールの順で洗浄し、120℃で真空乾燥した。290gのテレフタル酸β-CD高分子(以下、「TPBCD」と称する。)が得られた。得られたTPBCDは白色粉末であった。図2にTPBCDの写真を示す。
IR(KBr); 3449, 1719, 1276, 1100, 1015, 735 cm-1
[実施例1]絶縁油オルガノゲルの製造
合成例1で調製したTPGCD(0.5g)を3mLのサンプル管に入れ、絶縁油(谷口石油精製株式会社)1.5gを加えて撹拌した。数秒間経過後、絶縁油がゲル化した。絶縁油のオルガノゲルの写真を図2に示す。
[実施例2〜4]
合成例1で調製したTPGCDを用いて、各種有機溶剤をゲル化することができるかどうか確認した。用いた有機溶剤は、実施例2=ベンゼン、実施例3=トルエン、実施例4=ヘキサン、実施例5=ジクロロメタン、実施例6=四塩化炭素、実施例7=ジエチルエーテル、実施例8=t−ブチルメチルエーテル、実施例9=t−ブチルエチルエーテル、実施例10=酢酸エチル、及び実施例11=クロロホルムである。使用した有機溶剤はいずれも和光純薬工業より入手した。
いずれの実施例も、有機溶剤成分1.5gに対してTPGCDを0.5g加えた。室温で数十秒間の撹拌後には有機溶剤成分がゲル化した。各種有機溶剤を用いた実験の代表として図3にトルエンをゲル化した様子を示す。サンプル管を横倒しにしても流動せず、トルエンがゲル化していることが明らかである。他の実施例についても、同様の結果が得られた。
[実施例5および6]
合成例2で調製したTPBCDを用いて、各種有機溶剤をゲル化することができるかどうか確認した。用いた有機溶剤は、実施例5=絶縁油および実施例6=トルエンである。絶縁油は谷口石油精製より入手し、一方トルエンは和光純薬工業より入手した。いずれの実施例も、有機溶剤成分1.5gに対してTPBCDを0.5g加えた。室温で数十秒間の撹拌後には有機溶剤成分がゲル化した。図5に絶縁油をゲル化した様子、図6にトルエンをゲル化した様子を示す。サンプル管を横倒しにしても流動せず、絶縁油およびトルエンがゲル化していることが明らかである。

Claims (6)

  1. 以下の式:


    (ここで、mは6、7または8である。)
    で表されるシクロデキストリンと有機二塩基酸類とを縮合させて得たポリマーと、7.0〜14.4の範囲の溶解度パラメータを有する有機液体とから成る、オルガノゲル。
  2. 有機二塩基酸類がテレフタル酸またはテレフタル酸の酸ハロゲン化物である、請求項1に記載のオルガノゲル。
  3. 有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物を含む、請求項1または2に記載のオルガノゲル。
  4. 以下の式:


    (ここで、mは6、7または8である。)
    で表されるシクロデキストリンと有機二塩基酸類とを縮合させて得たポリマーと、7.0〜14.4の範囲の溶解度パラメータを有する有機液体とを混合し、撹拌することを特徴とする、オルガノゲルの製造方法。
  5. 有機二塩基酸類がテレフタル酸またはテレフタル酸の酸ハロゲン化物である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 有機液体が、有機溶剤、絶縁油、機械油、食用油、熱媒体、潤滑油、可塑剤、溶剤、塗料及びインキ及びこれらの混合物を含む、請求項4または5に記載の製造方法。
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