JP5589811B2 - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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本発明は、圧電アクチュエータに関する。
従来から、様々な技術分野において、圧電層に電界が作用したときの圧電層の変形(圧電歪み)を利用して対象を駆動する、圧電アクチュエータが用いられている。例えば、特許文献1には、ノズルからインクを噴射するインクジェットヘッドに用いられる圧電式のアクチュエータユニットについて開示されている。
特許文献1のアクチュエータユニットは、積層型の圧電素子が平面的に複数配置されたものであり、各圧電素子からは2種類の電極が絶縁性の基板の上面にそれぞれスルーホール内に充填された充填材で引き出されている。そして、2種類の電極のうち一方の電極はは、基板に形成されたスルーホール内の充填材を介して基板の上面に引き出されて、基板の上面の中央領域に形成された個別引出電極の端部と接続されている。また、他方の電極は、基板に形成されたスルーホール内の充填材を介して基板の上面に引き出されて、基板の上面の上記中央領域の外側に形成された共通電極の端部と接続されている。この個別引出電極や共通電極などの各電極には、AgPd、AgPt、Auなどが使用され、スルーホール内の充填材には、Agが使用されている。
そして、共通電極には、常時グランド電位が付与され、個別引出電極には、高電位の駆動電位とグランド電位のいずれかの電位が選択的に付与される。個別引出電極に上記駆動電位が付与されると、複数の内部電極に挟まれた圧電層部分の積層方向に電界が発生して、複数の圧電層は積層方向に伸び、グランド電位が付与されると、元に戻る。この圧電素子の圧電歪みを利用して、圧電素子と接続された液室ユニット内のインクをノズルから噴射している。このように、絶縁性の基板の上面の個別引出電極と共通電極には、互いに異なる電位が付与されて、電位差が生じる。
特開2001−71490号公報(特に図6)
ところで、金属成分が電界の影響で非金属媒体の上を移動する現象として、マイグレーションが知られているが、一般的に、マイグレーションは、AgPd、AgPt、Au、Agの材料を比較すると、Agが最も生じやすい。このとき、特許文献1では、スルーホール内の充填材である導電性材料は、個別引出電極や共通電極などの各電極を形成する導電性材料よりも、マイグレーションが生じやすい材料となっており、高電位である駆動電位が付与されうる個別引出電極に接続されたスルーホール内の充填材から、絶縁性の基板の表面を介して、グランド電位の共通電極に対してマイグレーションが生じてしまう。
そこで、本発明の目的は、高い電位が付与されうる引出部からマイグレーションが生じるのを抑制した圧電アクチュエータ及びこれの製造方法を提供することである。
本発明の圧電アクチュエータは、圧電層と、前記圧電層の一面において所定方向に配列され、且つ、それぞれの電位が、第1電位とこの第1電位よりも低い第2電位の間で切り替えられる、複数の第1電極と、前記複数の第1電極に対向して配置され、前記第1電位が付与される第2電極と、前記複数の第1電極に対向して配置され、前記第2電位が付与される第3電極と、を備えており、
前記圧電層には、スルーホールが形成されるとともに、このスルーホール内に導電性の充填材が充填されることによって、前記第2電極を前記圧電層の前記一面に引き出す複数の第1引出部が設けられており、前記圧電層には、スルーホールが形成されるとともに、このスルーホール内に導電性の充填材が充填されることによって、前記第3電極を前記圧電層の前記一面に引き出す複数の第2引出部が設けられており、前記複数の第1引出部と前記複数の第2引出部とを形成する前記充填材は、前記第1電極を形成する導電性材料とは異なる材料であり、前記第1電極を形成する導電性材料は、前記充填材よりもマイグレーションが生じにくい材料であり、
前記圧電層の前記一面の、前記複数の第1電極と前記所定方向と直交する方向に隣接する領域において、前記複数の第1引出部が前記所定方向に配列され、且つ、前記複数の第2引出部も前記所定方向に配列され、さらに、前記複数の第1引出部と前記複数の第2引出部とが、前記所定方向に並んでおり、前記圧電層の前記一面には、前記第1電極と同じ導電性材料により、前記複数の第1引出部の露出部分と導通する第1引出電極と、前記複数の第2引出部の露出部分と導通する第2引出電極が形成され、前記第1引出電極は、前記複数の第1引出部の前記露出部分を取り囲み、前記第2引出電極の前記所定方向と直交する方向の幅は、前記第1引出電極の前記所定方向と直交する方向の幅よりも小さい。
本発明の圧電アクチュエータによると、第1引出部の露出部分を、この第1引出部よりもマイグレーションが生じにくい材料で形成された第1引出電極で取り囲むことで、高い電位が付与される第1引出部からこれよりも低い電位が付与される第1電極に対してマイグレーションが生じるのを抑制することができる。
また、第2電極を複数の第1引出部で複数箇所から引き出しているため、付与された正電位の降下を抑制することができる。そして、複数の第1引出部を1つの第1引出電極で導通させることで、例えば、配線部材との導通に用いるバンプを、引出部ごとに形成する必要がない。
また、前記複数の第1電極、前記第1引出電極、及び、前記第2引出電極には、電源に接続されるとともに前記圧電層の前記一面を覆うように配置された配線部材を接続するためのバンプが、それぞれ設けられていることが好ましい。
これによると、第1電極、第1引出電極、及び、第2引出電極は、同じ導電性材料で形成されているため、同じ形成方法を用いたときに、引出部に充填された充填材と比較して、その高さがほぼ同じである。そして、第2電極と導通するバンプと第3電極と導通するバンプとが、第1電極と同じ高さの第1引出電極、第2引出電極にそれぞれ形成されるため、第1電極上に形成されるバンプとその高さが同じになり、配線部材と確実に接続することができる。
また、前記第1電極に設けられているバンプは、この第1電極よりもマイグレーションが生じやすい材料で形成され、前記所定方向と直交する方向において、前記第2引出電極と前記第1電極のバンプとの距離が、前記第1引出電極と前記第1電極のバンプとの距離よりも大きいことが好ましい。
また、前記第1電極は、前記バンプが設けられる接点部を有し、前記バンプは、前記接点部に取り囲まれており、前記複数の第1電極のうち、前記第1引出電極よりも前記第2引出電極に近い位置にある前記第1電極の前記接点部は、前記第1引出電極に近い前記第1電極と比べて、前記バンプを大きく取り囲むように形成されていることが好ましい。
さらに、前記第1引出電極に設けられているバンプは、この第1引出電極よりもマイグレーションが生じやすい材料で形成され、前記第1引出電極に設けられた前記バンプは、前記第1引出電極に取り囲まれていることが好ましい。
これによると、第2電極と導通するバンプを、このバンプよりもマイグレーションが生じにくい第1引出電極で取り囲むことで、バンプから第1電極に対してマイグレーションが生じるのを抑制することができる。
引出部の露出部分を、この引出部よりもマイグレーションが生じにくいマイグレーション阻止部で取り囲むことで、高い電位が付与されうる引出部からこれよりも低い電位が付与される第1電極に対してマイグレーションが生じるのを抑制することができる。
本実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 インクジェットヘッドの部分拡大図であり、(a)は図2の一部拡大平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図であり、(c)は(a)のB−B線断面図である。 図2の圧電アクチュエータの左端部の一部拡大平面図であり、(a)は第1圧電層(最上層)の上面から見た平面図であり、(b)は第2圧電層(中間層)の上面から見た平面図であり、(c)は第3圧電層(最下層)の上面から見た平面図である。 図4(a)のC−C線断面図である。 圧電アクチュエータの製造工程について説明する図であり、(a)はスルーホール形成工程であり、(b)は内部電極形成工程であり、(c)は焼成工程であり、(d)は引出部形成工程であり、(e)は表面電極形成工程である。 導通検査工程について説明する圧電アクチュエータの断面図である。 変形例1での圧電アクチュエータの断面図である。 変形例1における圧電アクチュエータの製造工程について説明する図であり、(a)は引出部形成工程であり、(b)は充填材検査及び不良判別工程であり、(c)は電極形成工程であり、(d)は導通検査工程である。 変形例2での圧電アクチュエータの断面図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、記録用紙に対してインクを噴射して画像や文字などを記録するインクジェットヘッドの圧電アクチュエータに、本発明を適用した一例である。
図1は、本実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。図2は、インクジェットヘッドの平面図である。なお、以下では、図1、図2の紙面手前側を上方、紙面向こう側を下方と定義して説明する。図1、図2に示すインクジェットヘッド3は、図中の走査方向に往復移動しつつ、この走査方向と直交する紙送り方向に搬送される記録用紙(図示省略)に対して、下面に開口する複数のノズル15(図3参照)からインクを噴射する、いわゆる、シリアル式のインクジェットヘッドである。
図1、図2に示すように、インクジェットヘッド3は、ノズル15や圧力室10を含むインク流路が形成された流路ユニット31と、この流路ユニット31の上面に配置された圧電アクチュエータ32とを有している。また、図1に示すように、圧電アクチュエータ32の上面には、電源(図示省略)に接続され、ドライバIC51を実装したフレキシブル配線基板50(FPC)が接合される。
まず、流路ユニット31について説明する。図1、図2に示すように、流路ユニット31の上面には、インクジェットヘッド3で使用される4色のインク(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)がそれぞれ供給される4つのインク供給口9が設けられている。そして、流路ユニット31内には、インク供給口9に接続されたインク流路が形成されている。
図3はインクジェットヘッド3の部分拡大図であり、(a)は図2の一部拡大平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図であり、(c)は(a)のB−B線断面図である。図3に示すように、流路ユニット31は、互いに積層された4枚のプレート11〜14で構成されており、この流路ユニット31には、インク供給口9に接続されたマニホールド16と、マニホールド16に連通した複数の圧力室10と、複数の圧力室10にそれぞれ連通する複数のノズル15が形成されている。
図3(b)に示されるマニホールド16は、インク供給口9から紙送り方向(図3(b)の紙面垂直方向)に延在している。図3(a)に示すように、複数の圧力室10は、それぞれ、走査方向を長手方向とする略楕円形の平面形状を有する。また、図2に示すように、複数の圧力室10は、紙送り方向に延在するマニホールド16に沿って配列されることで、1つの圧力室列8が構成されている。さらに、走査方向に隣接する2つの圧力室列8によって1つの圧力室群7が構成され、流路ユニット31には、合計5つの圧力室群7が設けられている。なお、5つの圧力室群7のうち、図2中右側に位置する2つの圧力室群7は、インク供給口9からブラックインクが供給される、ブラック用の圧力室群7である。また、図2中左側に位置する3つの圧力室群7は、3つのインク供給口9からそれぞれ3色のカラーインク(イエロー、マゼンタ、シアン)が供給される、カラー用の圧力室群7である。
複数の圧力室10にそれぞれ連通する複数のノズル15は、流路ユニット31の下面(最下層に位置するプレート14の下面)に開口している。また、図示は省略するが、これら複数のノズル15も、複数の圧力室10と同様に配列されており、図2中右側には、2つの圧力室群7にそれぞれ対応した、ブラックインクを噴射する2つのノズル群が配置され、図2中左側には、3つの圧力室群7にそれぞれ対応した、3色のカラーインク用を噴射する3つのノズル群が配置されている。
そして、図3(b)に示すように、流路ユニット31内には、インク供給口9に接続されたマニホールド16から分岐して、圧力室10を経てノズル15に至る、複数の個別インク流路17が形成されている。
次に、圧電アクチュエータ32について説明する。圧電アクチュエータ32は、3枚の圧電層(第1圧電層40、第2圧電層41、第3圧電層42)、複数の個別電極43、第1共通電極44、及び、第2共通電極45を有する。図4は、図2の圧電アクチュエータ32の左端部の一部拡大平面図であり、(a)は第1圧電層40(最上層)の上面から見た平面図であり、(b)は第2圧電層41(中間層)の上面から見た平面図であり、(c)は第3圧電層42(最下層)の上面から見た平面図である。図5は、図4(a)のC−C線断面図である。なお、図4(a)〜(c)において、ハッチングされた部分は電極が形成されている領域と引出部が形成されている領域を示している。
3枚の圧電層40〜42は、それぞれ、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする強誘電性の圧電材料によって形成されており、互いに積層された状態で、複数の圧力室10を覆うように流路ユニット31の上面に配置されている。
複数の個別電極43は、最上層の第1圧電層40の上面における、複数の圧力室10とそれぞれ対向する領域に設けられ、第1圧電層40の上面において平面的に配置されている。図3(a)〜(c)に示すように、各個別電極43は、圧力室10とほぼ同じ平面形状を有し、最上層の圧電層40の上面の、1つの圧力室10と対向する領域全体に設けられている。また、各個別電極43からは、圧力室10と対向しない領域へ、個別電極43をFPC50(図1参照)と接続するための接点部43aが引き出されている。そして、接点部43a上の中央には、バンプ61が配置されている。バンプ61は、接点部43aの径よりも小さな径となっており、接点部43aを形成する電極に取り囲まれており、FPC50と接続されている。
第1共通電極44は、第1圧電層40と中間層の第2圧電層41との間に配置されている。この第1共通電極44は、複数の圧力室10の短手方向(図3(c)における左右方向)に関する中央部とそれぞれ対向する複数の電極部分44aを含んでいる。また、電極部分44aは、第1圧電層40を挟んで個別電極43と対向している。さらに、図4(b)に示すように、複数の電極部分44aは互いに導通している。
第2共通電極45は、第2圧電層41と最下層の第3圧電層42との間に配置されている。この第2共通電極45は、複数の圧力室10の短手方向端部とそれぞれ対向する複数の電極部分45aを含んでいる。また、電極部分45aは、第1圧電層40及び第2圧電層41を挟んで個別電極43と対向している。さらに、図4(c)に示すように、複数の電極部分45aは互いに導通している。
図4(b)に示すように、第2圧電層41の図中左上部分の上面には、第1共通電極44の複数の電極部分44aに導通するとともに、平面的に広がった大きな電極面積を有する第1導通電極部44bが形成されている。また、図4(a)に示すように、第1圧電層40の上面には、この第1圧電層40を挟んで第1導通電極部44bと対向する、第1引出電極46が形成されている。そして、第1引出電極46上には、複数(ここでは3つ)のバンプ62が配置されている。複数のバンプ62は、第1引出電極46に取り囲まれており、FPC50と接続されている。
また、図5に示すように、第1圧電層40の第1引出電極46が配置されている部分には複数(ここでは6つ)のスルーホール37が形成され、これら複数のスルーホール37にはそれぞれペースト状の導電性材料からなる充填材65が充填されており、複数の第1引出部68を構成している。これら複数の第1引出部68は、複数のバンプ62と平面的にずれて配置されており、スルーホール37内の充填材65は第1圧電層40の上面から露出して、1つの大きな第1引出電極46に取り囲まれている。以上により、第1共通電極44の第1導通電極部44bと第1引出電極46とが、複数の第1引出部68により接続されている。このように、第1共通電極44を複数の第1引出部68で複数箇所から引き出していることで、第1引出電極46と第1共通電極44との間における電圧降下を抑制することができる。
図4(c)に示すように、第3圧電層42の図中左下部分の上面には、第2共通電極45の複数の電極部分45aに導通するとともに、平面的に広がった大きな電極面積を有する第2導通電極部45bが形成されている。また、図4(a)に示すように、第1圧電層40の上面には、第1圧電層40、第2圧電層41を挟んで第2導通電極部45bと対向する、第2引出電極47が形成されている。そして、第2引出電極47上には、複数(ここでは3つ)のバンプ63が配置されている。複数のバンプ63は、第2引出電極47に取り囲まれており、FPC50と接続されている。
図2、図4(a)に示すように、第2引出電極47の幅は、第1引出電極46の幅よりも狭くなっている。また、第2引出電極47に近接する個別電極43の接点部43aは、第1引出電極46に近接する個別電極43の接点部43aに比べて、大きく形成されている。
また、図5に示すように、第1圧電層40、第2圧電層41の第2引出電極47が配置されている部分と重なる部分には複数(ここでは6つ)のスルーホール38が形成され、これら複数のスルーホール38にはそれぞれペースト状の導電性材料からなる充填材66が充填されており、複数の第2引出部69を構成している。これら複数の第2引出部69は、複数のバンプ63と平面的にずれて配置されており、スルーホール38内の充填材66は第1圧電層40の上面から露出して、1つの大きな第2引出電極47に取り囲まれている。以上により、第2共通電極45の第2導通電極部45bと第2引出電極47とが、複数の第2引出部69により接続されている。
また、第1圧電層40の、個別電極43と第1共通電極44の電極部分44aとに挟まれた圧電層部分(図3(c)における圧力室10の中央部と対向する部分:第1活性部35という)は、あらかじめ、その厚み方向に分極されている。また、第1圧電層40及び第2圧電層41の、個別電極43と第2共通電極45の電極部分45aとに挟まれた圧電層部分(図3(c)における圧力室10の左右両端部と対向する部分:第2活性部36という)も、あらかじめ、その厚み方向に分極されている。
なお、図1のように、圧電アクチュエータ32の上面(第1圧電層40の上面)にはFPC50が配置される。そして、第1圧電層40の上面に位置する複数の個別電極43は、それぞれから引き出された接点部43a上のバンプ61を介してFPC50と接続される。また、第1圧電層40と第2圧電層41の間に位置する第1共通電極44は、第1圧電層40の上面に形成された第1引出電極46上のバンプ62を介してFPC50と接続される。さらに、第2圧電層41と第3圧電層42の間に位置する第2共通電極45も、第1圧電層40の上面に形成された第2引出電極47上のバンプ63を介してFPC50と接続される。
これにより、複数の個別電極43、第1共通電極44、及び、第2共通電極45は、それぞれ、FPC50に実装されたドライバIC51と接続されることになる。そして、ドライバIC51により、個別電極43の電位は、所定の駆動電位とグランド電位の間で切り替えられるようになっている。また、第1共通電極44は常に前記駆動電位に保持される一方、第2共通電極45は常にグランド電位に保持される。
以上説明した圧電アクチュエータ32の、インク噴射時における動作について述べる。インクを噴射しない待機状態においては、ドライバIC51によって、複数の個別電極43にはそれぞれグランド電位が付与されている。また、ドライバIC51によって、第1共通電極44は常時駆動電位に保持されるとともに、第2共通電極45は常時グランド電位に保持されている。したがって、待機状態では、個別電極43と第1共通電極44の間に電圧が印加されることになり、電極43、44の間に挟まれる第1活性部35に厚み方向の電界が作用する。この電界の方向は第1活性部35の分極方向と平行であるから、この第1活性部35は厚み方向と直交する面方向に収縮する。これにより、圧電層40〜42の圧力室10と対向する部分が、圧力室10側(図3(c)における下側)に凸となるように変形した状態となっている。このとき、圧力室10は、圧電層40が変形していない状態と比較して、その容積が小さくなっている。
この状態から、ドライバIC51によって、ある個別電極43の電位がグランド電位から前記所定の駆動電位に切り換えられると、この個別電極43と第1共通電極44の間に電圧が印加されなくなり、変形していた第1活性部35が元に戻る。同時に、個別電極43と第2共通電極45との間には電圧が印加されることになるため、電極43、45の間に挟まれる第2活性部36に厚み方向の電界が作用する。この電界の方向は第2活性部36の分極方向と平行であるから、第2活性部36は厚み方向と直交する面方向に収縮する。これにより、圧電層40〜42の圧力室10の略中央部と対向する部分が上方に引っ張られることとなり、圧電層40〜42の圧力室10と対向する部分は全体として圧力室10と反対側(図3(c)上側)に凸となるように変形して、圧力室10の容積が増加する。
その後、ドライバIC51によって、個別電極43の電位が再びグランド電位に戻されると、個別電極43と第2共通電極45の間に電圧が印加されなくなり、第2活性部36の変形が元に戻る。同時に、第1活性部35が再び面方向に収縮して、圧電層40〜42の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10側に凸となる。このときに、圧力室10の容積が大きく減少するため、圧力室10内のインクの圧力が増加して、圧力室10に連通するノズル15からインクが噴射される。
ここで、個別電極43、第1共通電極44、第2共通電極45、第1引出電極46及び第2引出電極47の各電極は、各圧電層40〜42との密着性の高い導電性材料を選定しており、本実施形態ではAuを使用している。また、スルーホール37、38内の充填材65、66は、多くの量を必要とするため、Auより安価な導電性材料を選定しており、本実施形態ではAgを使用している。さらに、バンプ61〜63も、厚み(高さ)があり多くの量を必要するため、スルーホール37、38内の充填材65、66と同様に、本実施形態ではAgを使用している。そして、一般的に、AuとAgを比較すると、AuはAgよりもマイグレーションが生じにくい材料と言われている。このマイグレーションの生じやすさの差は、イオン化の電気化学列の順序と異なり、明確な説明はなされていないが、Ag>Pb≧Cu>Sn>Auの順であり、Fe、Pd、Ptは生じにくいと言われている。また、Ag−Pd、Ag−Cuのように合金化することによってマイグレーションの発生を遅くすることができる例も報告されている。
ところで、第1圧電層40の表面に配置された各導電性材料に着眼すると、第1引出電極46及び第1引出部68には、グランド電位よりも高い駆動電位が常に付与される。また、個別電極43にも、グランド電位よりも高い駆動電位が付与されうる。一方、第2引出電極47及び第2引出部69には、グランド電位が常に付与される。すると、第1圧電層40の表面において、互いに隣接し、電位差が生じた2つの導電性材料の間でマイグレーションが生じるおそれがある。具体的には、個別電極43にグランド電位が付与されているときには、第1引出電極46及び第1引出部68と、個別電極43との間で電位差が生じる。また、個別電極43に駆動電位が付与されているときには、個別電極43と、第2引出電極47及び第2引出部69との間で電位差が生じる。
そこで、本実施形態では、グランド電位よりも高い駆動電位が常に付与される、第1圧電層40の表面から露出し、第1引出部68のAgからなる充填材65を、Auからなる第1引出電極46で取り囲んでいる。これにより、第1引出部68の、駆動電位が付与され、Agからなる充填材65と、グランド電位が付与され、Auからなる個別電極43との間に、駆動電位分の電位差が発生するが、Agよりもマイグレーションが生じにくいAuからなる第1引出電極46が配置されていることで、第1引出部68の充填材65から個別電極43に対してマイグレーションが生じるのを抑制することができる。
一方、グランド電位が常に付与される第2共通電極45の第2引出部69を、Auからなる第2引出電極47で取り囲む必要はないが、複数の充填材66に接続される第2共通電極45において、付与される電圧のばらつきが生じないように、第2引出電極47は、複数の充填材66を互いに導通させている。
また、上述では、スルーホール37内の充填材65が、マイグレーションの生じやすいAgで形成されているので、このスルーホール37内の充填材65を、マイグレーションの生じにくいAuからなる第1引出電極46で取り囲んで、マイグレーションが生じるのを抑制していたが、これは、Agで形成されたバンプ61〜63についても同様のことが言える。
具体的には、個別電極43の接点部43aと接続されたバンプ61には、グランド電位よりも高い駆動電位が付与されうる。また、第1引出電極46と接続されたバンプ62には、グランド電位よりも高い駆動電位が付与される。一方、第2引出電極47と接続されたバンプ63には、グランド電位が付与される。そのため、バンプ61に駆動電位が付与されているときには、バンプ61と第2引出電極47との間で電位差が生じる。また、バンプ61にグランド電位が付与されているときには、バンプ62と個別電極43との間で電位差が生じる。
そこで、本実施形態では、グランド電位よりも高い駆動電位が付与される、Agからなるバンプ61を、Auからなる個別電極43で取り囲むとともに、よりマイグレーションが生じやすい第2引出電極47に近接する個別電極43のバンプ61を、それ以外のバンプ61よりも大きく取り囲むように接点部43aが形成されている。また、バンプ61と同様に、Agからなるバンプ62を、Auからなる第1引出電極46で取り囲んでいる。これにより、駆動電位が付与され、Agからなるバンプ61と、グランド電位が付与され、Auからなる第2引出電極47との間に、駆動電位が付与され、Agよりもマイグレーションが生じにくいAuからなる個別電極43が配置されることになり、バンプ61から第2引出電極47に対してマイグレーションが生じるのを抑制することができる。また、駆動電位が付与され、Agからなるバンプ62と、グランド電位が付与され、Auからなる個別電極43との間に、駆動電位が付与され、Auからなる第1引出電極46が配置されることになり、バンプ62から個別電極43に対してマイグレーションが生じるのを抑制することができる。
また、各種電極は、同じ導電性材料であるAuで形成されているため、例えばスクリーン印刷などの同じ形成方法を用いたときに、スルーホール37、38内に充填された充填材65、66と比較して、その高さがほぼ同じになりやすい。例えば、各種電極を、Auで形成した場合と、Agで形成した場合では、同じスクリーン印刷で形成したとしても、粘性などの物性の違いから、同じ高さにするのは困難である。そして、共通電極44、45と導通するバンプ62、63は、個別電極43上に形成されるバンプ61と同じ高さの引出電極46、47に形成されるため、バンプ高さが同じになり、FPC50と確実に接続することができる。
ここで、多数のノズル15から同時にインクを噴射させる場合に、第1共通電極44や第2共通電極45に大きな電流が流れやすくなるように、ドライバIC51から共通電極44、45の電極部分44a、45aまでの電気抵抗はできるだけ小さくすることが好ましい。そのために、引出電極46、47は大きな面積を有する、ベタ電極に形成されている。また、引出部68、69が複数形成されている。このように、引出部68、69が複数形成されていることで、引出電極46、47と共通電極44、45の間の引出部68、69での電圧降下を抑制することができる。また、引出電極46、47が、複数の引出部68、69を導通させていることで、バンプを引出部68、69ごとにそれぞれ形成する必要がない。
次に、圧電アクチュエータの製造方法について説明する。図6は、圧電アクチュエータの製造工程について説明する図であり、(a)はスルーホール形成工程であり、(b)は内部電極形成工程であり、(c)は焼成工程であり、(d)は引出部形成工程であり、(e)は表面電極形成工程である。図7は、導通検査工程について説明する圧電アクチュエータの断面図である。なお、図6においては、図2のD部の断面を図示している。
まず、圧電層40〜42となる3枚のグリーンシートを形成した後、図6(a)に示すように、第1圧電層40となるグリーンシートにスルーホール37、38aを形成し、且つ、第2圧電層41となるグリーンシートにスルーホール38bを形成する(スルーホール形成工程)。次に、図6(b)に示すように、第1圧電層40となるグリーンシートの一方の面に第1共通電極44、第2圧電層41となるグリーンシートの一方の面に第2共通電極45をAuを電極材料として用いてスクリーン印刷で形成する(内部電極形成工程)。このとき、スルーホール37、38aの開口近傍の内周面にも電極が形成されている。
その後、図6(c)に示すように、3枚のグリーンシートを積層して、焼成する(焼成工程)。このとき、スルーホール38aとスルーホール38bとを重ならせて連通させる。
続いて、図6(d)に示すように、第1圧電層40の上面からスルーホール37、38内にAgを充填材65、66として充填して、引出部68、69を形成する(引出部形成工程)。その後、スルーホール37、38内の充填材65、66の導通状態、すなわち、充填材65、66と共通電極44、45の電気抵抗を検査する(導通検査工程)。このスルーホール37内の充填材65と第1共通電極44の導通状態の検査方法について具体的に説明し、スルーホール38内の充填材66と第2共通電極45の導通状態の検査方法については同様であるため、その説明を省略する。
図7に示すように、2つのプローブ81a、81bの間の電気抵抗を測定するテスター80を用いて、テスター80の一方のプローブ81aをあるスルーホール37(ここでは、スルーホール37a)内の充填材65の露出部分に接触させ、他方のプローブ81bを上記スルーホール37とは異なるスルーホール(ここでは、スルーホール37b)内の充填材65の露出部分に接触させる。このとき、2つのプローブ81a、81bの間の電気抵抗が非常に小さく、導通していると判定したときには、テスター80のどちらのプローブ81a、81bに接続された充填材65も第1共通電極44と導通状態であることを検出することができる。その後、一方のプローブ81aは、そのまま同じスルーホール37a内の充填材65の露出部分に接触させたまま、他方のプローブ81bを残りのスルーホール37内の充填材65の露出部分に順に接触させて、2つのプローブ81a、81bの間の電気抵抗が非常に大きく、絶縁していると判定したときには、他方のプローブ81bに接触したスルーホール37内の充填材65と第1共通電極44が絶縁状態であることを検出することができる。
一方、テスター80の一方のプローブ81aをスルーホール37a内の充填材65の露出部分に接触させ、他方のプローブ81bをスルーホール37b内の充填材65の露出部分に接触させたときに、2つのプローブ81a、81bの間の電気抵抗が非常に大きく、絶縁していると判定したときには、一方のプローブ81aは、そのまま同じスルーホール37a内の充填材65の露出部分に接触させたまま、他方のプローブ81bを残りのスルーホール37内の充填材65の露出部分に順に接触させていき、2つのプローブ81a、81bの間の電気抵抗が非常に小さく、導通していると判定したときに、他方のプローブ81bに接触したスルーホール37内の充填材65が第1共通電極44と導通状態であることを検出することができる。
そして、上述したような導通検査工程において、複数のスルーホール37のうち、2以上のスルーホール37内の充填材65が第1共通電極44と絶縁状態である、または、複数のスルーホール38のうち、2以上のスルーホール38内の充填材66が第2共通電極45と絶縁状態であると検出した場合に、この製造途中の圧電アクチュエータ32を不良と判別する(不良判別工程)。
そして、図6(e)に示すように、不良と判別されなかった第1圧電層40の上面に、個別電極43(図6(e)には図示されていない)、及び、複数の引出部68、69のそれぞれを互いに接続させる引出電極46、47(接続部)をAuを電極材料として用いてスクリーン印刷で形成し(表面電極形成工程)、その後、個別電極43、引出電極46、47の上面に、Agを材料として、バンプ61〜63を形成し、圧電アクチュエータ32が完成する。
本実施形態の圧電アクチュエータ32の製造方法によると、スルーホール37、38内の充填材65、66と共通電極44、45の導通状態を検査することで、圧電層40〜42に挟まれた内部の共通電極44、45が第1圧電層40の上面に引き出されているかを検査することができる。
また、仮に、引出電極46、47を形成した後に、上記導通検査工程を行うと、複数のスルーホール37、38内の充填材65、66が引出電極46、47を介して導通してしまい、スルーホール37、38内の充填材65、66ごとに共通電極44、45との導通状態を検査することが困難となる。そこで、引出電極46、47を形成する前に、導通検査工程を行うことで、スルーホール37、38内の充填材65、66ごとに共通電極44、45との導通状態を検査することができる。
さらに、共通電極44、45から複数箇所で引出部68、69が引き出されているため、いくつかのスルーホール37、38内に充填された充填材65、66と共通電極44、45が絶縁していたとしても、共通電極44、45は第1圧電層40の上面に引き出される。そして、スルーホール37、38内の充填材65、66ごとに共通電極44、45との導通状態を検査して、不良数が2以上の場合には、電圧降下の影響により、それぞれの共通電極44、45の電位にばらつきが生じるため、圧電アクチュエータ32を不良と判別する。このように、スルーホール37、38内の充填材65、66の絶縁数を検出して、この絶縁数から圧電アクチュエータ32の不良を判別することで、圧電アクチュエータ32の不良を簡単に判別することができる。
なお、内部電極形成工程が本発明における「第2電極形成工程」に相当する。また、表面電極形成工程が本発明における「第1電極形成工程」と「接続部形成工程」を同時に行った工程に相当する。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、上述した実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
本実施形態においては、第2引出電極47の幅が第1引出電極46の幅よりも狭くなっていたが、両引出電極46、47の幅が同じであってもよい。また、第2引出電極47に近接する個別電極43の接点部43aは、第1引出電極46に近接する個別電極43の接点部43aに比べて、大きく形成されていたが、これには限られず、すべての個別電極43の接点部43aが同じ大きさであってもよい。
また、本実施形態においては、上記駆動電位が付与されるバンプ62及びスルーホール37は1つの大きな第1引出電極46に取り囲まれていたが、それぞれ独立して電極に取り囲まれていてもよい。
また、本実施形態は、バンプやスルーホール内に充填される充填材が、これらを取り囲む電極よりもマイグレーションが生じやすい導電性材料であれば、AgやAuに限られず、さまざまな導電性材料でも本効果を奏することができる。また、バンプとスルーホール内に充填される充填材は同じ導電性材料でなくてもよい。
また、本実施形態では、圧電アクチュエータ32に第1共通電極44と第2共通電極45と2つの共通電極が設けられていたが、例えば、図8に示すように、1枚の圧電層103からなり、その両面を、駆動電位とグランド電位が選択的に付与される個別電極104と常にグランド電位に維持された共通電極105とで挟まれた、単純なユニモルフ型の圧電アクチュエータ106にも本発明を適用することができる(変形例1)。このとき、圧電層103の個別電極104が形成された面に、スルーホール107内の充填材108を介して共通電極105を引き出す。
この圧電アクチュエータの製造方法は、図9(a)に示すように、スルーホール107を形成したグリーンシートを焼成した後、スルーホール107内に充填材108を充填して、引出部を形成する(引出部形成工程)。その後、図9(b)に示すように、圧電層103の上面から露出した充填材108にプローブ181aを接触させ、圧電層103の下面から露出した充填材108にプローブ181bを接触させて、充填材108の充填状態を検査する(充填材検査工程)。スルーホール107に充填材108が充填不足で、プローブ181a、181bの間の電気抵抗が大きく導通していないと判定したときは、この圧電アクチュエータ106を不良と判別する(不良判別工程)。
その後、図9(c)に示すように、不良と判別されなかった圧電層103の上面に、個別電極104を形成し、圧電層103の下面に、充填材108と導通するように共通電極105を形成する(電極形成工程)。その後、図9(d)に示すように、圧電層103の上面から露出した充填材108と、圧電層103の下面に形成された共通電極105の導通を検査する(導通検査工程)。この製造方法によれば、不良判別工程の後に圧電層103の表面に電極を形成するため、不良と判別された圧電層103に電極を形成することなく、電極材を無駄にすることがない。
また、例えば、図10に示すように、積層された複数枚の圧電層110を有し、これら複数枚の圧電層110の間に、駆動電位とグランド電位が選択的に付与される個別電極111と常にグランド電位に維持される共通電極112とが交互に配置された、いわゆる、積層型のアクチュエータにも本発明を適用させることができる(変形例2)。このとき、最上層の圧電層110の上面に、個別電極111と共通電極112を引き出す。この場合、共通電極112の引出部を複数設け、それらを互いに導通させる接続部を設けてもよい。
また、本実施形態においては、共通電極44、45から第1圧電層40の上面に複数の引出部68、69で引き出されていたが、1つの引出部で引き出してもよい。この場合、上述した単純なユニモルフ型の圧電アクチュエータ106を例に挙げると、図8に示すようなテスター80を用いて、テスター80の一方のプローブ81aをスルーホール107内の充填材108の一方の表面に接触させ、他方のプローブ81bを個別電極105に接触させて、充填材108と個別電極105の間の導通状態を検査する。充填材108が圧電層103内で充填不足である場合には、電気抵抗が非常に大きく、絶縁していることを検出することができる。
また、本実施形態においては、内部電極形成工程と表面電極形成工程を別工程で行っていたが、同じ工程で行ってもよい。すなわち、共通電極44、45を形成するのと同じ工程で、個別電極43及び引出電極46、47を形成してもよい。また、導通検査工程は、接続部形成工程の後であってもよい。
また、本実施形態では、内部電極形成工程において、第1圧電層40の下面に第1共通電極44を形成しているが、第1圧電層40の下面に重ね合わされる、第2圧電層41の上面に第1共通電極44を形成してもよい。また、第2圧電層41の下面に第2共通電極45を形成しているが、第2圧電層41の下面に重ね合わされる、第3圧電層42の上面に第2共通電極45を形成してもよい。
以上、説明した実施形態及びその変更形態では、本発明を、記録用紙にインクを噴射して画像などを記録するインクジェットヘッド用の圧電アクチュエータ及びこれの製造方法に適用したが、本発明の適用対象は、このようなインクジェットヘッド用の圧電アクチュエータに限られず、様々な用途に使用される圧電アクチュエータ及びこれの製造方法に適用できる。
32 圧電アクチュエータ
37、38 スルーホール
40〜42 圧電層
43 個別電極
44 第1共通電極
45 第2共通電極
46 第1引出電極
47 第2引出電極
65、66 充填材
68 第1引出部
69 第2引出部

Claims (5)

  1. 圧電層と、
    前記圧電層の一面において所定方向に配列され、且つ、それぞれの電位が、第1電位とこの第1電位よりも低い第2電位の間で切り替えられる、複数の第1電極と、
    前記複数の第1電極に対向して配置され、前記第1電位が付与される第2電極と、
    前記複数の第1電極に対向して配置され、前記第2電位が付与される第3電極と、を備えており、
    前記圧電層には、スルーホールが形成されるとともに、このスルーホール内に導電性の充填材が充填されることによって、前記第2電極を前記圧電層の前記一面に引き出す複数の第1引出部が設けられており、
    前記圧電層には、スルーホールが形成されるとともに、このスルーホール内に導電性の充填材が充填されることによって、前記第3電極を前記圧電層の前記一面に引き出す複数の第2引出部が設けられており、
    前記複数の第1引出部と前記複数の第2引出部とを形成する前記充填材は、前記第1電極を形成する導電性材料とは異なる材料であり、
    前記第1電極を形成する導電性材料は、前記充填材よりもマイグレーションが生じにくい材料であり、
    前記圧電層の前記一面の、前記複数の第1電極と前記所定方向と直交する方向に隣接する領域において、前記複数の第1引出部が前記所定方向に配列され、且つ、前記複数の第2引出部も前記所定方向に配列され、さらに、前記複数の第1引出部と前記複数の第2引出部とが、前記所定方向に並んでおり、
    前記圧電層の前記一面には、前記第1電極と同じ導電性材料により、前記複数の第1引出部の露出部分と導通する第1引出電極と、前記複数の第2引出部の露出部分と導通する第2引出電極が形成され、
    前記第1引出電極は、前記複数の第1引出部の前記露出部分を取り囲み、
    前記第2引出電極の前記所定方向と直交する方向の幅は、前記第1引出電極の前記所定方向と直交する方向の幅よりも小さいことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記複数の第1電極、前記第1引出電極、及び、前記第2引出電極には、電源に接続されるとともに前記圧電層の前記一面を覆うように配置された配線部材を接続するためのバンプが、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記第1電極に設けられているバンプは、この第1電極よりもマイグレーションが生じやすい材料で形成され、
    前記所定方向と直交する方向において、前記第2引出電極と前記第1電極のバンプとの距離が、前記第1引出電極と前記第1電極のバンプとの距離よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記第1電極は、前記バンプが設けられる接点部を有し、
    前記バンプは、前記接点部に取り囲まれており、
    前記複数の第1電極のうち、前記第1引出電極よりも前記第2引出電極に近い位置にある前記第1電極の前記接点部は、前記第1引出電極に近い前記第1電極と比べて、前記バンプを大きく取り囲むように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記第1引出電極に設けられているバンプは、この第1引出電極よりもマイグレーションが生じやすい材料で形成され、
    前記第1引出電極に設けられた前記バンプは、前記第1引出電極に取り囲まれていることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の圧電アクチュエータ。
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