JP5587314B2 - 含フッ素化合物、含フッ素界面活性剤およびその組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、含フッ素化合物、含フッ素界面活性剤およびその組成物に関する。
界面活性剤は組成物として配合することにより、界面に集まることで表面張力を低下させ、これにより、その組成物の塗り広げ易さ、浸透性を向上させることができる。
従来、フッ素系界面活性剤の表面張力低下能力は、対応構造の炭化水素系界面活性剤あるいはシリコーン系界面活性剤よりも優れていることが知られている。このため、フッ素系界面活性剤は、広範な分野で使用されてきた(特許文献1〜3等参照)。
フッ素系界面活性剤としてはパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)またはそれらをベースとしたフッ素系界面活性剤が広く使用されている。PFOSはパーフルオロアルキル基にスルホニル基が直結した構造であり、PFOAはパーフルオロアルキル基にカルボキシ基が直結した構造である。従来はその性能の高さから、鎖長が8以上のパーフルオロアルキル基を有するものが好んで使用されている。
しかし、PFOSおよびPFOAは極めて分解されにくく、また生物蓄積性も高いことから、近年は地球規模での環境汚染が懸念されている。このPFOS・PFOA問題では、鎖長が8以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物が問題とされ、各国で法規制や各企業で自主規制の動きがあり、鎖長が8以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物の入手及び使用が困難になりつつある。
PFOS・PFOA問題の解決方法としては、フッ素系界面活性剤として鎖長が8よりも短いパーフルオロアルキル基を有する化合物を用いる方法が挙げられる。しかし、鎖長が8以上のパーフルオロアルキル基が好んで使われていた理由は表面張力低下能力やレベリング性が高いためであり、パーフルオロアルキル基の鎖長が短いと著しく表面張力低下能やレベリング性が低くなるという問題があった。
特開平11−310789号公報 特開2002−90937号公報 特開平07−173034号公報
本発明は、PFOS・PFOA問題の要因となる鎖長8以上のパーフルオロアルキル基を有さず環境負荷の低いフッ素系材料を用いるにも関わらず、優れた表面張力低下能を有する含フッ素化合物、含フッ素界面活性剤およびその組成物を提供する。更に、該含フッ素界面活性剤を含有し、高いレベリング性を有する水性樹脂エマルジョンおよびフロアポリッシュ組成物も提供する。
本発明は、下式(1)で表される含フッ素化合物を提供する。
Rf−C2p−CH(OH)−C2q−NR−C2r−(O)−SOM(1)
式中の記号は以下の意味を示す。
Rf:炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基。
p、qおよびr:相互に独立して、1〜6の整数。
M:陽イオン性の原子または原子団。
n:0または1。
R:水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、または下式(2)で表される基。
Rf−C2s−CH(OH)−C2t− (2)
式中の記号は以下の意味を示す。
Rf:炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基。
sおよびt:相互に独立して、1〜6の整数。
前記式(1)において、nが0である含フッ素化合物が好ましい。
また、前記式(1)において、Rfが炭素数6のパーフルオロアルキル基である含フッ素化合物が好ましい。
また、前記式(1)において、Rが前記式(2)で表される基である含フッ素化合物が好ましく、Rfが炭素数6のパーフルオロアルキル基である含フッ素化合物がより好ましい。
また、本発明は、前記式(1)で表される化合物からなる含フッ素界面活性剤を提供する。
また、本発明は、前記含フッ素界面活性剤と、水系媒体とを含有する界面活性剤組成物を提供する。
また、本発明は、前記含フッ素界面活性剤を含有する水性樹脂エマルジョンを提供する。
また、本発明は、前記含フッ素界面活性剤を含有するフロアポリッシュ組成物を提供する。
本発明によれば、低い濃度においても十分に高い表面張力低下能を有する界面活性剤となる新規含フッ素化合物が提供される。また、界面活性剤が配合された組成物は、作業上の取り扱いの容易さ、安全性、また環境上の問題から、近年特に水を主成分とする水性媒体により構成されることが多くなったが、本発明の界面活性剤はこのような水系媒体において特に有効に作用するものである。
また、本発明の界面活性剤組成物は、本発明の含フッ素界面活性剤を含有することにより、使用時の界面活性剤濃度が低い場合でも、十分に高い表面張力低下能力を有するため、各種用途に用いることができる。
また、本発明の含フッ素界面活性剤は、水性樹脂エマルジョンの表面張力を下げることができるため、本発明の樹脂エマルジョンの表面張力を低くすることができる。これにより、本発明の水性樹脂エマルジョンはレベリング性が良好であり、床等の被処理物が優れた外観を有する。同様に、本発明の含フッ素界面活性剤を含有する本発明のフロアポリッシュ組成物は、レベリング性が良好であり、床に優れた外観を付与することができる。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)とも記す。他の式で示される化合物および基についても同様に記す。また、本明細書において%で表示されるものは、特にことわりの無い限り質量%を表す。
本発明の化合物(1)において、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。パーフルオロアルキル基は直鎖状でも分岐状でも構わないが直鎖状が好ましい。合成の容易さや表面張力低下能力が良好であることから、Rfとしては、炭素数4〜6の直鎖のパーフルオロアルキル基が好ましく、中でも原料が入手しやすいことから炭素数4または6の直鎖のパーフルオロアルキル基がより好ましく、中でも特に表面張力低下能力が良好であることから炭素数6の直鎖のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。
本発明の化合物(1)において、p、qおよびrは1〜6の整数である。p、qおよびrの炭素数で決定する各アルキレン基は直鎖状でも分岐状でも構わないが直鎖状が好ましい。中でも、炭素数1〜3の直鎖のアルキレン基が好ましく、とりわけpおよびqは1、すなわち−C2p−および−C2q−はメチレン、rは1〜2、すなわち−C2r−はメチレンまたはエチレンが好ましい。アルキレン基の鎖長が短いと、水への溶解性が良好になりやすいとともに、混合物中で使用したとき他のハイドロカーボン系の有機溶媒や界面活性剤との併用時に、界面活性能の阻害がされにくい。
本発明の化合物(1)において、Mは陽イオン性の原子もしくは原子団である。これらの原子および原子団としては、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウム基またはその水素原子の一部または全部がアルキル基またはヒドロキシアルキル基(アルキル基の炭素数は1または2)で置換されたアンモニウム基が挙げられる。合成の反応後に副生成物が少ないことや、溶媒への溶解のしやすさから、Mとしてはアルカリ金属が好ましく、Na、K、Liが特に好ましい。
本発明の化合物(1)において、nは0または1である。化合物(1)の、熱やアルカリに対する安定性、表面張力低下能などを考慮するとnは0が好ましい。
本発明の化合物(1)において、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基または下式(2)で表される基である。
Rf−C2s−CH(OH)−C2t− (2)
Rfの定義および好ましい態様は、前記Rfと同じである。また、sおよびtの定義および好ましい態様は、前記pおよびqと同じである。
混合物中で使用したとき他のハイドロカーボン系の有機溶媒や界面活性剤との相互作用を持たせて相溶性の向上を求める場合にはアルキル基の導入が効果的であるが、単に表面張力低下能を求める場合Rは、式(2)で表される基または水素原子が好ましく、中でも、水性樹脂エマルジョンに添加したときの表面張力低下能力に優れることから式(2)で表される基が特に好ましい。
本発明の好ましい化合物(1)としては、以下のような化合物が例示される。特に好ましいものは、n=0、Rが式(2)、かつRf及びRfが炭素数6のパーフルオロアルキル基である化合物(1A−66a)〜(1A−66c)である。
13−CHCH(OH)CHNH(CHSOLi (1A−60a)
13−CHCH(OH)CHNH(CHSONa (1A−60b)
13−CHCH(OH)CHNH(CHSOK (1A−60c)
−CHCH(OH)CHNH(CHSOLi (1A−40a)
−CHCH(OH)CHNH(CHSONa (1A−40b)
−CHCH(OH)CHNH(CHSOK (1A−40c)
(C13−CHCH(OH)CHN(CHSOLi (1A−66a)
(C13−CHCH(OH)CHN(CHSONa (1A−66b)
(C13−CHCH(OH)CHN(CHSOK (1A−66c)
(C−CHCH(OH)CHN(CHSOLi (1A−44a)
(C−CHCH(OH)CHN(CHSONa (1A−44b)
(C−CHCH(OH)CHN(CHSOK (1A−44c)
13−CHCH(OH)CH(C−CHCH(OH)CH)N(CHSOLi (1A−64a)
13−CHCH(OH)CH(C−CHCH(OH)CH)N(CHSONa (1A−64b)
13−CHCH(OH)CH(C−CHCH(OH)CH)N(CHSOK (1A−64c)
13−CHCH(OH)CHNH(CHOSOLi (1B−60a)
13−CHCH(OH)CHNH(CHOSONa (1B−60b)
13−CHCH(OH)CHNH(CHOSOK (1B−60c)
−CHCH(OH)CHNH(CHOSOLi (1B−40a)
−CHCH(OH)CHNH(CHOSONa (1B−40b)
−CHCH(OH)CHNH(CHOSOK (1B−40c)
(C13−CHCH(OH)CHN(CHOSOLi (1B−66a)
(C13−CHCH(OH)CHN(CHOSONa (1B−66b)
(C13−CHCH(OH)CHN(CHOSOK (1B−66c)
(C−CHCH(OH)CHN(CHOSOLi (1B−44a)
(C−CHCH(OH)CHN(CHOSONa (1B−44b)
(C−CHCH(OH)CHN(CHOSOK (1B−44c)
13−CHCH(OH)CH(C−CHCH(OH)CH)N(CHOSOLi (1B−64a)
13−CHCH(OH)CH(C−CHCH(OH)CH)N(CHOSONa (1B−64b)
13−CHCH(OH)CH(C−CHCH(OH)CH)N(CHOSOK (1B−64c)
(式中のmは1〜3の整数である)
本発明の化合物(1)は、特にその製法について限定されるものではなく、目的に応じて公知の有機化学反応、公知の設備を適用して製造することができる。
本発明の化合物(1)の製造例としては、nが0でかつqが1である場合は、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するRfエポキシド(3)を塩基性下でアミノスルホン酸(4)と反応させることが挙げられる。Rfエポキシド(3)は1種類だけ用いてもよく、2種以上混合して用いても良い。Rfエポキシド(3)は、市販品としてはダイキン化成品販売株式会社などから入手できる。アミノスルホン酸(4)としては入手が容易であることからタウリン、アミノメタンスルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−メチルタウリンが好ましい。アミノスルホン酸(4)は、市販品としては和光純薬工業株式会社、東京化成工業株式会社、シグマアルドリッチジャパン株式会社、本荘ケミカル株式会社などから入手できる。なお、アミノスルホン酸(4)のRがHの場合はアミノスルホン酸(4)を1モルに対して、Rfエポキシド(3)を2倍量用いると、化合物(1)において、Rが式(2)で表される基である構造が多く得られる。
NHR−C2r−SOM (4)
式中の記号は、前記と同じ意味を示す。
本発明の化合物(1)の製造例としては、nが1でかつqが1である場合は、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を有するRfエポキシド(3)を塩基性下でアミノ硫酸エステル(5)と反応させ合成することが挙げられる。Rfエポキシド(3)は1種類だけ用いてもよく、2種以上混合して用いても良い。アミノ硫酸エステル(5)としては入手が容易であることから硫酸水素2−アミノエチルが好ましい。アミノ硫酸エステル(5)は、市販品としては和光純薬工業株式会社や東京化成工業株式会社などから入手できる。
なお、アミノ硫酸エステル(5)のRがHの場合はアミノ硫酸エステル(5)を1モルに対して、Rfエポキシド(3)を2倍量用いると、化合物(1)において、Rが式(2)で表される基である構造が多く得られる。
NHR−C2r−O−SOM (5)
式中の記号は、前記と同じ意味を示す。
反応溶媒について特に制限はされないが、溶解性や作業性、コストの面から、水、アルコール系の溶媒の使用が好ましく、特に水、メタノール、エタノール、プロピルアルコールの単独または、2種以上の混合が好ましい。
反応の温度については特に制限されないが、0℃〜150℃が好ましく、温度が低いと反応が遅く、温度が高いと副生成物も発生しやすいことから特に50℃〜100℃が好ましい。圧力についても特に制限はなく、大気圧〜1MPaが好ましく、取り扱いの面で特に大気圧が好ましい。
反応は前記のとおり塩基性条件下で行われる。塩基としては特に限定されないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。また、本発明の化合物(1)のMは、合成後に置き換えてもよいが、工程数を少なくすることを考えると、前記アルカリ金属水酸化物等を用いて、塩基に含まれる原子等をそのまま用いることが好ましい。
本発明の含フッ素界面活性剤は、化合物(1)が1種だけからなるものでもよく、化合物(1)が2種以上からなるものでもよい。具体的には、パーフルオロアルキル基の鎖長の異なるもの同士の組み合わせや、Rが水素原子のものと式(2)で表される基のものとの組み合わせが挙げられる。
本発明の界面活性剤組成物は、前記本発明の含フッ素界面活性剤と水系媒体のみからなるものでもよく、他の界面活性剤を含有するものでもよい。他の界面活性剤として、フッ素系、シリコーン系あるいは炭化水素系の界面活性剤と併用することができる。その含有比率は目的に応じて適宜設定されうる。
また、本発明の界面活性剤組成物は、化合物(1)を1種だけ含むものであってもよく、2種以上含むものであってもよい。
本発明の界面活性剤組成物に用いる水系媒体は、水、水溶性有機溶媒、または水と水溶性有機溶媒を混合したものが挙げられる。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ターシャリーブチルアルコールといったアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、といったエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。
本発明の界面活性剤組成物中の本発明の含フッ素界面活性剤濃度は、特に限定しないが、10〜70%が好ましく、15〜60%が特に好ましい。
この範囲であると、本発明の界面活性剤組成物中の溶媒の量が少ないため、適正な量を添加しやすいとともに、輸送時の含フッ素界面活性剤質量当たりの費用が安くなる。
また、この範囲であると、粘度も高くなり過ぎずハンドリング性が良好であり、保管時に析出しにくい。
本発明の含フッ素界面活性剤および界面活性剤組成物は、各種液体に添加することにより、該液体の表面張力を溶媒組成に制限されずに下げることができる。添加量としては、目的、使用条件により適宜設定されるものであるが、実際に使用される状態で化合物(1)を0.0001〜5%の量で含むことが好ましい。この濃度は、0.001〜1%であることがより好ましい。この範囲内であると、表面張力低下能力を十分に発揮するとともに、主剤の機能性を打ち消さずに済む。化合物(1)を2種以上含む場合は、その合計量が前記範囲内であることが好ましい。また、その表面張力低下能により、添加した液体にレベリング性、浸透性、起泡性、洗浄性、乳化性等の機能を付与できる。
また、本発明の界面活性剤組成物は、低濃度でも充分な表面張力低下能を発揮できるため、各種用途に好適に用いることができる。本発明の界面活性剤組成物は、ワックス等のレベリング剤、発泡助剤、泡消火のための安定な泡沫生成および消火性能向上を目的とした添加剤、洗浄剤、離型剤、乳化剤、防錆剤、ラテックス安定剤、農業用フィルムの防霧剤、顔料分散剤、インク・塗料・レジスト等の濡れ性・浸透性改良、硬化性樹脂への撥水撥油性付与、農業フィルムの防霧剤、防汚剤、浮遊選鉱剤、平滑剤、脱墨剤などにおいてその効果を発揮するものであり、洗浄、グラビア印刷など、幅広い用途に用いることもできる。
本発明の水性樹脂エマルジョンは、化合物(1)を0.1%以下含むのが好ましく、0.001〜0.05%の範囲がより好ましく、0.003〜0.05%の範囲が特に好ましい。前記含有量が0.001%以上であれば、レベリング性が発現しやすい。前記含有量が0.1%以下であれば、他の構成成分の発現する機能に悪影響を与えにくい。
本発明の水性樹脂エマルジョンに使用される樹脂は、水性樹脂エマルジョンに通常用いられる樹脂であれば特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル系、スチレン系、ウレタン系の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独の重合体であってもよく、アクリル−スチレン共重合体等の複数種の組み合わせによる共重合体であってもよい。
市販の樹脂エマルジョンとしては、例えば、デュラプラス2、プライマルE−2409、プライマルB−924、デュラプラス3L0、プライマルJP−308(いずれもロームアンドハース社製)、AE−610H、AE−945H、AE−981H(いずれもJSR社製)が挙げられる。
また、樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂を使用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、プライマルB−644、プライマル1531B(いずれもロームアンドハース社製)が挙げられる。
本発明のフロアポリッシュ組成物は、前述の本発明の含フッ素界面活性剤を含有する組成物である。
本発明のフロアポリッシュ組成物は、樹脂として、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、または、アクリル−スチレン樹脂等の前記樹脂を組み合わせた樹脂が含有されていることが好ましい。また、樹脂として前記樹脂とアルカリ可溶性樹脂が含有され、さらにポリオレフィンワックスが含有されていることがより好ましい。
ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ハイテックE−4B、ハイテックE−8000(いずれも東邦化学工業社製)が挙げられる。
なお、本発明のフロアポリッシュ組成物は、前記市販の樹脂エマルジョンに、本発明の含フッ素界面活性剤を添加してもよい。
以下、アクリル樹脂等とアルカリ可溶性樹脂を含む樹脂およびポリオレフィンワックスを合わせて便宜上「成分(P)」という。
本発明のフロアポリッシュ組成物(100%)中の成分(P)の含有量は、5〜40%が好ましく、10〜35%がより好ましい。成分(P)の含有量が5%以上であれば、耐水性、光沢度といったフロアポリッシュ組成物に求められる機能を発現しやすい。成分(P)の含有量が40%以下であれば、床等への塗布が容易になる。
なお、成分(P)の含有量は、固形分を意味する。
また、本発明のフロアポリッシュ組成物は、可塑剤、レベリング助剤、防腐剤、消泡剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、2,2,4−トリブチル、1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール モノイソブチレートが挙げられる。中でも、フタル酸系以外のものが好ましい。
レベリング助剤としては、例えば、トリブトキシエチルフォスフェートが挙げられる。
防腐剤としては、例えば、ケーソンCG(ロームアンドハース社製)が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、FS−アンチフォーム013A、FS−アンチフォーム1277(いずれも東レダウコーニング社製)、SE−21、SE−39(旭化成ワッカーシリコーン社製)が挙げられる。
その他、紫外線吸収剤、色素、香料、殺ダニ剤、pH調整剤等が含有されていてもよい。
本発明のフロアポリッシュ組成物は、レベリング性が向上することから、化合物(1)を0.1%以下含むのが好ましく、0.001〜0.05%の範囲がより好ましく、0.003〜0.05%の範囲が特に好ましい。前記含有量が0.001%以上であれば、レベリング性が発現しやすい。前記含有量が0.1%以下であれば、他の構成成分の発現する機能に悪影響を与えにくい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。なお、実施例中の各化合物の構造を表1に示す。
[実施例1]化合物(1−1)の合成
ガラス製100mlフラスコに、水酸化ナトリウム1.5g、イオン交換水24g、メタノール12g、イソプロピルアルコール12g、タウリン(和光純薬工業株式会社製)5.0g(0.04モル)を仕込み65℃まで昇温した。そこに、公知の方法で合成した化合物(3−1)15.0g(0.04モル)を2時間かけて滴下後、そのままの温度で21時間反応させ化合物(1−1)を主とする反応生成物を30%含む水/メタノール/イソプロピルアルコール溶液を得た。反応液のガスクロマトグラフィー分析から、化合物(3−1)の反応率は、99%以上であった。
目的物の確認のために、溶液の一部を120℃で2時間乾燥させて固形物を得て、NMR測定を行った。化合物(1−1)のH−NMRおよび13C−NMRスペクトルデータは以下のとおりである。
H−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):2.05〜2.45(2H)、2.50〜2.64(2H)、2.86〜3.06(6H)、4.10(1H)
13C−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):37.1(t)、46.0、51.5、56.2、64.7
ガスクロマトグラフィー分析およびNMRスペクトルデータから、未反応の化合物(3−1)はほとんど無く、大半が目的物へ転化していると考えられる。
[実施例2]化合物(1−2)の合成
100mLのガラス容器に20%水酸化カリウム水溶液2.2g、イオン交換水4.8g、メタノール2.4g、イソプロピルアルコール2.4g、タウリン(本荘ケミカル株式会社製)1.0g(0.008モル)、公知の方法で合成した化合物(3−1)3.0g(0.008モル)を仕込み密閉してウォーターバスシェーカーにセットしで65℃で15時間反応させ化合物(1−2)を主とする反応生成物26%含む水/メタノール/イソプロピルアルコール溶液を得た。反応液のガスクロマトグラフィー分析から、化合物(3−1)の反応率は、99%以上であった。
目的物の確認のために、溶液の一部を120℃で2時間乾燥させて固形物を得て、NMR測定を行った。化合物(1−2)のH−NMRおよび13C−NMRスペクトルデータは以下のとおりである。
H−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):2.05〜2.45(2H)、2.50〜2.64(2H)、2.86〜3.06(6H)、4.10(1H)
13C−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):37.1(t)、46.0、51.5、56.2、64.6
ガスクロマトグラフィー分析およびNMRスペクトルデータから、未反応の化合物(3−1)はほとんど無く、大半が目的物へ転化していると考えられる。
[実施例3]化合物(1−3)の合成
300mLのフラスコに水酸化ナトリウム3.2g、イオン交換水56.8g、メタノール30g、イソプロピルアルコール30g、タウリン(和光純薬工業株式会社製)10.0g(0.08モル)、公知の方法で合成した化合物(3−1)60.1g(0.16モル)を仕込み60℃で48時間反応させ化合物(1−3)を主とする反応生成物を36%含む水/メタノール/イソプロピルアルコール溶液を得た。反応液のガスクロマトグラフィー分析から、化合物(3−1)の反応率は、97%であった。
目的物の確認のために、溶液の一部を120℃で2時間乾燥させて固形物を得て、NMR測定を行った。化合物(1−3)のH−NMRおよび13C−NMRスペクトルデータは以下のとおりである。
H−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):2.1〜2.5(4H)、2.5〜2.7(4H)、2.8〜3.3(6H)、4.1(2H)
13C−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):36.4(t)、36.6(t)、51、6、52.2、62.2、63.0、63.6、64.7
ガスクロマトグラフィー分析およびNMRスペクトルデータから、未反応の化合物(3−1)はほとんど無く、大半が目的物へ転化していると考えられる。
[実施例4]化合物(1−4)の合成
100mLのガラス容器に20%水酸化ナトリウム水溶液1.7g、イオン交換水4.6g、イソプロピルアルコール6g、硫酸水素2−アミノエチル(東京化成工業株式会社製)1.0g(0.007モル)、公知の方法で合成した化合物(3−1)5.3g(0.014モル)を仕込み密閉してウォーターバスシェーカーにセットしで65℃で15時間反応させ化合物(1−4)を主とする反応生成物を得た。一部、固体の析出、および透明液体の沈降分離があったため、上層を回収し、0.45μmのフィルターでろ過をし、化合物(1−4)を主とする反応生成物を28%含む水/イソプロピルアルコール溶液を得た。収率は78%であった。反応液のガスクロマトグラフィー分析から、化合物(3−1)の反応率は96%であった。
目的物の確認のために、溶液の一部を40℃で4時間10mmHgで減圧乾燥させて固形物を得て、NMR測定を行った。化合物(1−4)のH−NMRおよび13C−NMRスペクトルデータは以下のとおりである。
H−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):2.0〜2.5(4H)、2.5〜2.7(4H)、2.7〜3.0(2H)、4.0−4.3(6H)
13C−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):36.6(t)、36.8(t)、55.1、55.5、63.4、64.0、64.8、66.9
[実施例5]化合物(1−5)合成
100mLのガラス容器に水酸化ナトリウム0.80g、イオン交換水18.2g、イソプロピルアルコール18.2g、3−アミノプロパンスルホン酸 2.87g(0.02モル)(シグマアルドリッチジャパン社製)を仕込みリフラックス温度まで昇温させた。そこに、化合物(3−1)15.33g(0.04モル)を2.5時間かけて滴下し36時間反応させて、化合物(1−5)を主とする反応生成物を32.7%含む水/イソプロピルアルコール溶液を得た。反応液のガスクロマトグラフィー分析から、化合物(3−1)の反応率は99.6%であった。
目的物の確認のために、溶液の一部を110℃で2時間乾燥させて固形物を得て、NMR測定を行った。化合物(1−5)のH−NMRおよび13C−NMRスペクトルデータは以下のとおりである。
H−NMR(300MHz 溶媒:CDOD 標準物質:ヘキサメチルジシロキサン) σ(ppm):1.8〜1.9(2H)、2.0〜2.4(2H)、2.4〜2.8(10H)、4.0〜4.1(2H)
13C−NMR(300MHz 溶媒:CDOD 標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)σ(ppm):23.2、36.4〜37.0(t)、50.3、55.4、55.7、62.1、63.0、63.8、64.8
ガスクロマトフィー分析およびNMRスペクトルデータから、未反応の化合物(3−1)はほとんどなく、大半が目的物へ転化していると考えられる。
[実施例6]化合物1−6の合成
100mLガラスフラスコに水酸化リチウム・一水和物(和光純薬工業製)1.26g、イオン交換水26.75g、イソプロピルアルコール26.75g、タウリン(和光純薬工業社製)3.75g(0.03モル)を仕込み78℃まで昇温した。そこに、化合物(3−1)23.00g(0.06モル)を2時間かけて滴下し、54時間反応させて化合物(1−6)を主とする反応生成物を33.0%含む水/イソプロピルアルコール溶液を得た。反応後のガスクロマトフィー分析から、化合物(3−1)の反応率は99.5%であった。
目的物の確認のために、溶液の一部を110℃で2時間乾燥させて固形物を得て、NMR測定を行った。化合物(1−6)のH−NMRおよび13C−NMRスペクトルデータは以下のとおりである。
H−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):2.1〜2.5(4H)、2.5〜2.7(4H)、2.8〜3.3(6H)、4.1(2H)
13C−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):36.4(t)、36.6(t)、51、6、52.2、62.2、63.0、63.6、64.7
ガスクロマトグラフィー分析およびNMRスペクトルデータから、未反応の化合物(3−1)はほとんど無く、大半が目的物へ転化していると考えられる。
[実施例7]化合物1−7の合成
100mLガラスフラスコに水酸化リチウム・一水和物(和光純薬工業製)0.84g、イオン交換水18.21g、イソプロピルアルコール18.21g、3−アミノプロパンスルホン酸(シグマアルドリッチジャパン社製)2.87g(0.02モル)を仕込み78℃まで昇温した。そこに、化合物(3−1)15.34g(0.04モル)を2時間かけて滴下し、24時間反応させて化合物(1−7)を主とする反応生成物を33.7%含む水/イソプロピルアルコール溶液を得た。反応後のガスクロマトフィー分析から、化合物(3−1)の反応率は99.1%であった。
目的物の確認のために、溶液の一部を110℃で2時間乾燥させて固形物を得て、NMR測定を行った。化合物(1−7)のH−NMRおよび13C−NMRスペクトルデータは以下のとおりである。
H−NMR(300MHz、溶媒:CDOD、標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)、σ(ppm):1.8〜1.9(2H)、2.0〜2.4(2H)、2.4〜2.8(10H)、4.0〜4.1(2H)
13C−NMR(300MHz 溶媒:CDOD 標準物質:ヘキサメチルジシロキサン)σ(ppm):23.2、36.4〜37.0(t)、50.3、55.4、55.7、62.1、63.0、63.8、64.8
ガスクロマトフィー分析およびNMRスペクトルデータから、未反応の化合物(3−1)はほとんどなく、大半が目的物へ転化していると考えられる。
<評価>
実施例1〜7で得られた各化合物(1−1)〜(1−7)をそれぞれ水に溶かして所定の固形分濃度(%)に調整した水溶液について、自動表面張力計CBVP−A3型(協和界面科学製)を用いて、ウィルヘルミー法にて25℃における静的表面張力を測定した。測定結果を表2に示す。
化合物(1−1)〜(1−7)は、各実施例で得られた反応液を120℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去した乾燥残分(g)を測定して求めた固形分濃度をもとに水で希釈した。
[比較例1]
デュポン社の市販フッ素系界面活性剤「Forafac 1157」(固形分濃度25%)を水で所定濃度に希釈して実施例と同様に評価した。
「Forafac1157」の化学構造は、特開平07−173034号公報を参照すれば下記のとおりである。なお、該公報中にはAtochem社Forafac1157として記載される。
13−C−SONH(CH−N(CH−CHCOO
[比較例2]
市販の炭素数6のフッ素系界面活性剤として、デュポン社のアニオン性界面活性剤「Capstone FS−10」(パーフルオロアルキルスルホン酸)のカタログに掲載された25℃における表面張力の値を表2に示す。
表2より、本発明の化合物(1−1)〜(1−7)は、濃度を低下させても表面張力低下能力があまり低下しないことが分った。また、鎖長が6のパーフルオロアルキル基含有で、一般的に表面張力低下能が高いとされるベタイン化合物である比較例1の化合物と比べて、特に0.01%の低濃度において優れた表面張力低下能力を有することが分った。
また、市販品である比較例2の鎖長が6のパーフルオロアルキルスルホン酸と比べても、優れた表面張力低下能力を有することが分った。
次に、本発明の化合物または以下に示す比較化合物を用いて、水性樹脂エマルジョンおよびフロアポリッシュ組成物を調製し、性能を評価した。
比較化合物は市販の原料を用いて、公知の方法で合成した。
比較化合物3 Rf−COONH (Rfは炭素数の平均が9の直鎖パーフルオロアルキル基)
比較化合物4 C13−CHCH(OH)CHSCHCHCOONa
比較化合物5 C−SONa
[実施例8]水性樹脂エマルジョン
スチレン−ブタジエン系樹脂エマルジョン0569(JSR株式会社製)を水で5倍に希釈し、そこに、予め1%に調製した表3に示す本発明の化合物の水溶液を、化合物量が全体に対して0.012%になるように添加し、水性樹脂エマルジョンを調製した。
調製した各水性樹脂エマルジョンについて、上記<評価>と同様にして静的表面張力を測定した。結果を表3に示す。
なお、ブランクは、化合物を加える前の上記樹脂エマルジョンの5倍希釈液である。
[比較例3]
本発明の化合物を表3に示す比較化合物に代えた以外は、実施例8と同様にして水性樹脂エマルジョンを調製し、評価した。結果を表3に示す。
[実施例9]フロアポリッシュ組成物
表4に示す各成分を混合してフロアポリッシュ組成物を調製した。化合物(1−1)〜(1−7)は、それぞれ、予め調製した濃度1%の水溶液を用いて表4に示す量を満たすよう混合し、組成例1〜10を得た。なお、表4中の各成分の量の単位は「質量部」である。
[比較例4]
化合物(1−1)〜(1−7)の代わりに、前記比較化合物3〜5を用いた以外は、実施例9と同様にしてフロアポリッシュ組成物を調製した。これを比較組成例1〜5とする。
上記で得られたフロアポリッシュ組成物のレベリング性を以下のように評価した。結果を表4に示す。
<レベリング性の評価>
JIS K−3920に準じてレベリング性試験を行った。なお、塗布用具は絵筆を使用し、床タイルにはホモジニアスビニル床タイル(商品名「MS−5608」、東リ社製)を使用した。また、試験は5℃、湿度60%の条件下で行った。性能評価は下記基準で行った。なお、レベリング性が良好であるフロアポリッシュ組成物は、平滑性が良好で、塗布した床タイルが優れた外観を有する。
◎:塗りスジおよびムラが全く見られなかった。
○:塗りスジおよびムラのどちらかもしくは両方がわずかに確認された。
△:塗りスジおよびムラのどちらかもしくは両方がはっきりと確認された。
×:ブランクと比べて外観に有意な差が見られるが、著しい塗りスジおよびムラが確認された。
××:外観がブランクと同等であった。
「ブランク」は、本発明の化合物または比較化合物を含まない組成物である。ブランク1は組成例1〜8および比較組成例1〜5に対するブランクであり、ブランク2は組成例9、10に対するブランクである。
表4中の本発明の化合物または比較化合物以外の成分は以下のとおりである。
<水系媒体>
水系媒体1:水
水系媒体2:ジエチレングリコールモノエチルエーテル(和光純薬工業社製)
水系媒体3:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業社製)
<樹脂>
樹脂1:プライマル1531B(商品名、アクリル樹脂エマルジョン、固形分38質量%、ロームアンドハース社製)
樹脂2:デュラプラス2(商品名、アクリル樹脂エマルジョン、固形分38質量%、ロームアンドハース社製)
樹脂3:プライマルJP−308(商品名、アクリル樹脂エマルジョン、固形分39質量%、ロームアンドハース社製)
<その他の成分>
ワックス:ハイテックE−4000(商品名、ポリエチレンワックス、固形分40質量%、東邦化学工業社製)
可塑剤:テキサノール(商品名、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、イーストマンケミカル社製)
助剤(レベリング助剤):トリブトキシエチルフォスフェート(大八化学工業社製)
表3〜4より、本発明の化合物は水性樹脂エマルジョンに添加した際に、従来から一般的に使用されている比較化合物3や、本発明の化合物と類似な構造を持つ比較化合物4といったものと比べて、ぬれ性、レベリング性を発現させるための表面張力低下能力が高く、実際に使用した際にも、同じ濃度、あるいはより低い濃度で性能を発揮することが出来ることがわかった。

Claims (9)

  1. 下式(1)で表される含フッ素化合物。
    Rf−C2p−CH(OH)−C2q−NR−C2r−(O)−SOM(1)
    式中の記号は以下の意味を示す。
    Rf:炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基。
    p、qおよびr:相互に独立して、1〜6の整数。
    M:陽イオン性の原子または原子団。
    n:0または1。
    R:水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、または下式(2)で表される基。
    Rf−C2s−CH(OH)−C2t− (2)
    式中の記号は以下の意味を示す。
    Rf:炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基。
    sおよびt:相互に独立して、1〜6の整数。
  2. 前記式(1)において、nが0である請求項1に記載の含フッ素化合物。
  3. 前記式(1)において、Rfが炭素数6のパーフルオロアルキル基である請求項1または2に記載の含フッ素化合物。
  4. 前記式(1)において、Rが前記式(2)で表される基である請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素化合物。
  5. 前記式(2)中のRfが炭素数6のパーフルオロアルキル基である請求項4に記載の含フッ素化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素化合物からなる含フッ素界面活性剤。
  7. 請求項6に記載の含フッ素界面活性剤と、水系媒体とを含有する界面活性剤組成物。
  8. 請求項6に記載の含フッ素界面活性剤を含有する水性樹脂エマルジョン。
  9. 請求項6に記載の含フッ素界面活性剤を含有するフロアポリッシュ組成物。
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