JP2005105045A - 界面活性剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等の組成物に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いることができる、水溶性と界面活性効果のバランスに優れた、界面活性剤組成物を提供すること。
【解決手段】 F(CF)2m(CH)−(式中、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数である。)で表される部分フッ素化アルキル基と、親媒性基とを有する化合物からなるフッ素系界面活性剤であり、該親媒性基が、その末端に親水性基Yを有し、さらに該親水性基Yが結合する炭素上に置換基として炭素数1〜12の炭化水素基を有するフッ素系化合物(a)からなるフッ素系界面活性剤(A)と、その他の水溶性の界面活性剤(B)とを併用することを特徴とする界面活性剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いることができる、水溶性と界面活性効果のバランスに優れた界面活性剤組成物に関する。
一般に、フッ素系界面活性剤は表面張力低下機能を実現するためのパーフルオロアルキル(Rf)基と、例えば該活性剤を添加剤として使用する、コーティング用、成形材料用等の各種組成物に対する親和性に寄与する親媒性基とを同一分子内に有する化合物からなるものであり、炭化水素系やシリコーン系の界面活性剤よりも表面張力低下能力に優れている事が知られている。
Rf基が−SO2−、−CO−等の極性基を介して親水性基と連結した構造を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤は、前述のような添加剤として使用される場合、コーティング材料や成形材料等に対する親和性は比較的優れる。それらの中でも、その末端に親水性基を有し、さらに該親水性基が結合する炭素上に置換基を持つ化合物、例えば、N−フルオロオクタノイルアミノ酸塩〔C715CONHRCOOM、R=CH(CH3)、M=Na,K,Li〕は親水性基(−COOM)が結合する炭素上に置換基(メチル基)を有しないものに比べてクラフト点が低いことが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、該化合物からなるフッ素系界面活性剤は表面張力低下の割合が満足のいくレベルではなく、クラフト点が低くても水に対する溶解性が不十分であるためその添加量が制限されることから、水系溶媒を用いて使用する重合乳化剤、写真用乳剤あるいはフォトレジスト感光液等のレベリング剤、塗料、インキ、床ワックスなどコーティング分野での塗工液の基材へのレベリング剤、顔料分散安定化剤等には界面活性効果が十分に機能しない問題があった。
一方、フッ素系界面活性剤をその化合物の持つ表面張力低下機能を応用して各種コーティング材料や成形材料等の組成物に添加剤として使用するに際し、少量で十分な機能を発現するためにはRf鎖長を長くする必要があるが、この場合は必然的に、該組成物に対する親和性が低下するという現象がある。この現象は、該組成物が水、親水性有機溶媒、または親水性有機溶媒と水との混合溶媒等を用いてなる場合に顕著である。
また、Rf基は疎水性の基であると共に、疎油性でもあることから、油と水との界面張力や基材と水との界面張力を小さくする効果をほとんど有しておらず、幅広い用途に適応させる為には、炭化水素系の界面活性剤等と併用して用いることが提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。このような場合においても、用いるフッ素系界面活性剤の水溶性が不足すると、適用範囲が狭くなることになり、界面活性効果と水溶性のバランスに優れた界面活性剤組成物が切望されている。
Chikai KIMURA 他4名、"Preparation and Surface Active Properties of Alkali Salts of N-Perfluorooctanoylamino Acids"、「油化学」(日)1984年、第33巻、第12号、p.838−841 小野祐資、大歳幸男、"フッ素系界面活性剤"、「油化学」(日)1985年、第34巻、第12号、p.1035−1040
上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等の組成物に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いることができる、水溶性と界面活性効果のバランスに優れた、特定の構造を有するフッ素系化合物からなるフッ素系界面活性剤とその他の水溶性の界面活性剤を併用して用いることを特徴とする界面活性剤組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、F(CF2)2m(CH2)n−(式中、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数である。)で表される部分フッ素化アルキル基と、親媒性基とを有する化合物からなるフッ素系界面活性剤であり、該親媒性基が、その末端に親水性基Yを有し、さらに該親水性基Yが結合する炭素上に置換基として炭素数1〜12の炭化水素基を有するフッ素系化合物(a)からなるフッ素系界面活性剤(A)と、その他の水溶性の界面活性剤(B)とを併用することを特徴とする界面活性剤組成物は、界面活性効果と水溶性のバランスに優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、F(CF2)2m(CH2)n−(式中、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数である。)で表される部分フッ素化アルキル基と、親媒性基とを有する化合物からなるフッ素系界面活性剤であり、該親媒性基が、その末端に親水性基Yを有し、さらに該親水性基Yが結合する炭素上に置換基として炭素数1〜12の炭化水素基を有するフッ素系化合物(a)からなるフッ素系界面活性剤(A)と、その他の水溶性の界面活性剤(B)とを併用する界面活性剤組成物を提供するものである。
本発明によれば、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等の組成物に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いることができる、水溶性と界面活性効果のバランスに優れた、特定の構造を有するフッ素系化合物からなるフッ素系界面活性剤とその他の水溶性の界面活性剤を併用して用いることを特徴とする界面活性剤組成物を提供することができ、種々の界面活性効果、例えば、コーティング、モールディング用途における組成物の濡れ性、浸透性、はじき防止性、レベリング性、塗膜の均一性・均質性、表面改質性等を改良することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるフッ素系化合物(A)中のF(CF2)2m(CH2)n−(式中、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数である。)で表される部分フッ素化アルキル基は、優れた界面活性効果を得るためには必要不可欠なセグメントである。該基の鎖長は、用途、これを添加剤として混合するコーティング材料や成形材料等の組成物の組成、目的とする性能のレベル等により適宜、選択されるものであるが、界面活性効果が満足できるレベルにあるためには、式中のm及びnが1〜12の整数であることを必須とする。また、優れた界面活性効果が得られ、且つ特に水系溶媒を用いる前述の組成物との親和性に優れることからは2〜6の整数であることが好ましく、特に3または4であることが好ましい。またnは、実用的な界面活性効果が得られ且つ前述の組成物との親和性が高く、製造が容易なことから、2〜4の整数であることが好ましい。
次に、フッ素系化合物(A)中の親媒性基について述べる。一般にフッ素系化合物中の親媒性基は、これを添加剤として使用する場合に用いられる各種の溶媒、樹脂、顔料、フィラー等に対して親和性を向上させ界面活性効果を発現させるために必要不可欠なセグメントであり、用途、これを添加剤として混合するコーティング材料や成形材料等の組成物の組成、目的とする性能のレベル等により適宜選択される。本発明で用いるフッ素系化合物(A)中の親媒性基は、水系溶媒を用いる用途に対して好適に用いられるために、その末端に親水性基Yを有し、さらに該親水性基Yが結合する炭素上に、置換基として、炭素数1〜12の炭化水素基を有することを必須とする。ここで、炭化水素基は添加される前記組成物との親和性と界面活性効果のバランスに優れる点からアルキル基であることが好ましく、その炭素数としては1〜6のものが好ましく、1〜3のものが特に好ましい。
前記親水性基Yとしては、例えば、−SO3H、−COOH、−PO(OH)3等の酸基、これら酸基の金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等)、これら酸基の有機アミン塩(アンモニア塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、n−プロピルアミン塩、iso−プロピルアミン塩、n−ブチルアミン塩、tert−ブチルアミン塩、ジ(n−ブチル)アミン塩、エチレンジアミン塩、ジエチレンジアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、プロパノールアミン塩、トルイジン塩、ピリジン塩等)、これら酸基と各種アルコールの反応等により得られるエステル基(硫酸エステル基、カルボン酸エステル基、リン酸エステル基、硝酸エステル基等)、水酸基、アルコキシル基(メトキシル基、エトキシル基等)、アミノ基、スルホニルアミド基、カルボニルアミド基、メルカプト基、エポキシ基、ポリアルキレンオキシド基(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド等)、下記一般式(3)
−N+234・Z- (3)
(式中、R2、R3、R4はフェニル基または炭素数1〜8のアルキル基、Zはハロゲン原子、CH3(C64)SO3 -等のアニオンを示す。)
で表わされる4級アミン塩残基、下記一般式(4)
−NR56・Ac (4)
(式中、R5、R6は水素原子、フェニル基または炭素数1〜18のアルキル基、Acは塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸等の酸を示す。)
で表わされるアミンと酸の塩残基等が挙げられる。
前記フッ素系化合物(A)としては特にその構造が限定されるものではないが、例えば下記一般式(1)又は(2)
F(CF2)2m(CH2)nCHRY (1)
F(CF2)2m(CH2)nXCHRY (2)
(式中、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数であり、Yは親水性基であり、Rは炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xは2価の連結基である。)
で表されるフッ素系化合物(a1)が挙げられる。
前記一般式(2)中のXとしては、工業的製造方法の容易性、原料の入手の容易性、界面活性剤組成物として添加される時に混合するコーティング材料や成形材料等の組成物に対する親和性等に優れることから、−SO−、−SO2−、−SONR1−、−SO2NR1−、−NR1−(R1は水素原子、フェニル基または炭素数1〜18のアルキル基)、酸素原子、硫黄原子であることが好ましい。
前記フッ素系化合物としては、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物であって、Xが−SO−、−SO2−、−SO2NR1−(R1は水素原子、フェニル基または炭素数1〜18のアルキル基である。)、酸素原子又は硫黄原子である化合物が特に好ましい。
また、前記一般式(1)又は(2)において、mは優れた界面活性効果が得られ、且つ特に水系溶媒を用いる前述の組成物との親和性に優れることから、2〜6の整数であることが好ましく、特に3または4であることが好ましい。またnは、実用的な界面活性効果が得られ且つ前述の組成物との親和性が高く、製造が容易なことから、2〜4の整数であることが好ましい。さらに、Yは、汎用性に優れ、且つ水系溶媒を用いる前述の組成物との親和性に優れることから、酸基、その金属塩またはアミン塩が好ましく、カルボン酸、その金属塩またはアミン塩が特に好ましく、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニアから誘導されるアミン塩が最も好ましい。
前記フッ素系化合物(a1)の具体例としては、以下の如き化合物が挙げられる。
Figure 2005105045
Figure 2005105045
尚、本発明がこれら具体例により、なんら限定されないことは勿論である。
前記フッ素系化合物(a1)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、
(I)下記一般式(5)
F(CF2)2m(CH2)n1H (5)
(式中、X1は2価の連結基であり、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数である。)
で表される化合物に、アルキル化剤を反応させる製造方法、
(II)下記一般式(6)
F(CF2)2m(CH2)nZ (6)
(式中、Zはハロゲン原子であり、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数である。)
で表される化合物と、ヒドロキシカルボン酸、その誘導体、メルカプトカルボン酸またはその誘導体とを反応させる製造方法等が挙げられる。
先ず、(I)の製造方法について詳細に説明する。
前記一般式(5)の化合物については、優れた界面活性効果が得られ、且つ特に水系溶媒を用いる前述の組成物との親和性が良好なものが得られることから、前記一般式(3)中のmが2〜6の整数で、nが2〜4の整数であるものが好ましく、特に2−パーフルオロヘキシルエタノール、2−パーフルオロヘキシルエチルメルカプタン、2−パーフルオロオクチルエタノール、2−パーフルオロオクチルエチルメルカプタン、N−アルキル−2−パーフルオロヘキシルエチルスルホン酸アミド、N−アルキル−2−パーフルオロオクチルエチルスルホン酸アミドが好ましい。
(I)の製造方法で用いるアルキル化剤としては、炭素数1〜12のものであれば良く、中でも炭素数1〜6のものが好ましく、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸アンモニウム、メタクリル酸リチウム、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸エステル、メタアクリロニトリル、2−クロロプロピオン酸、2−クロロプロピオン酸アンモニウム塩、2−クロロプロピオン酸リチウム、2−クロロプロピオン酸ナトリウム、2−クロロプロピオン酸カリウム、2−クロロプロピオン酸エステル、2−クロロブチリックアシッド、2−クロロブチリックアシッドエステル、2−ブロモプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸リチウム、2−ブロモプロピオン酸ナトリウム、2−ブロモプロピオン酸カリウム、2−ブロモプロピオン酸エステル、4−クロロ−2−メチルブチリックアシッド、4−クロロ−2−メチルブチリックアシッドエステル等が挙げられ、これらの中でも炭素数1〜3のものが更に好ましく、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸リチウム、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸エステル、2−クロロプロピオン酸、2−クロロプロピオン酸リチウム、2−クロロプロピオン酸ナトリウム、2−クロロプロピオン酸カリウム、2−クロロプロピオン酸エステルが挙げられる。
前記アルキル化剤は、前記一般式(5)で表される化合物1モルに対し、0.5〜5.0モル使用され、好ましくは0.8〜1.5モル使用される。
(I)の製造方法は、前記一般式(5)で表される化合物と前記アルキル化剤を用いてフッ素系化合物(a1)を得る製造方法であればよく、これ以外に特に制限されるものではないが、アルキル化剤の種類によっては、必要に応じて反応促進のための反応助剤を用いることも可能である。
前記反応助剤としては、塩基性化合物が好ましく、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等のアミン類が挙げられ、これらの中でも金属水酸化物、ナトリウムメチラート、トリエチルアミンが好ましい。前記反応助剤を用いる場合、前記一般式(5)で表される化合物1モルに対し、0.01〜5モル、好ましくは0.1〜1.5モル使用される。
また、必要に応じて反応には溶媒を使用することが好ましい。溶媒を使用する場合は、前記一般式(5)で表される化合物と前記アルキル化剤を溶解でき、かつそれらに対して不活性である溶媒であれば制限されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの中でも、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましく、ケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。また、溶媒は単独で使用しても、あるいは複数を混合して用いてもよい。
反応条件にも、特に制限はないが、反応制御が容易なことから、前記一般式(5)で表される化合物に対して、前記アルキル化剤を滴下する方法が挙げられ、連続的あるいは断続的滴下が好ましい。反応温度にも制限はないが、通常0〜100℃であり、好ましくは10〜70℃である。反応雰囲気にも制限はないが、空気雰囲気下または窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行われ、不活性ガス雰囲気下がより好ましい。
前述の製造方法により得られたフッ素系化合物(a1)は、使用する用途、目的あるいは用いるアルキル化剤の種類によって、未精製で用いることも出来るが、必要に応じて中和反応、ケン化反応にそのまま進むことも可能である。また、蒸留、溶媒による洗浄、再結晶、各種クロマトグラフィー、吸着剤等により精製することも可能である。
前述の中和・ケン化反応に用いる、中和剤・ケン化剤としては、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属、塩化リチウム等のハロゲン化アルカリ金属、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等のアミン類等が挙げられる。これら中和剤・ケン化剤は得られたフッ素系化合物(a1)1モルに対し、1〜5モル、好ましくは1〜2.5モル使用することが好ましい。
前記中和並びにケン化反応時の反応条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、反応溶媒として、水単独、あるいは水とメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類との混合溶媒等が挙げられる。また、反応温度は、中和反応の場合は、5℃〜50℃、特に10℃〜30℃であることが好ましい。また、ケン化反応の場合は、10℃〜還流温度、特に40℃〜90℃であることが好ましい。
また、前記一般式(5)中のX1が硫黄原子である化合物を用いた場合、前記アルキル化剤と反応させた後、過酸化水素水等の酸化剤を用いて酸化反応を行うことにより、前記一般式(2)で表される化合物であって、Xが−SO−、−SO2−であるものを得ることができる。このようにして得られた化合物はそのままでも、精製しても、また前記手法により中和・ケン化反応を行っても良い。
次に、(II)の製造方法について詳細に説明する。
前記一般式(6)の化合物については、優れた界面活性効果が得られ、且つ特に水系溶媒を用いる前述の組成物との親和性が良好なものが得られることから、前記一般式(6)中のmが2〜6の整数で、nが2〜4の整数であるものが好ましく、特に2−パーフルオロヘキシルエチルアイオダイド、2−パーフルオロオクチルエチルアイオダイドが好ましい。
使用するヒドロキシカルボン酸、その誘導体、メルカプトカルボン酸またはその誘導体としては、例えば、ヒドロキシカルボン酸誘導体としてラクティックアシッド、ラクティックアシッドアンモニウム、ラクティックアシッドリチウム、ラクティックアシッドナトリウム、ラクティックアシッドカリウム、ラクティックアシッドエステル、光学活性ラクティックアシッド、光学活性ラクティックアシッド誘導体、ヒドキシフェニル酢酸、ヒドキシフェニル酢酸リチウム、ヒドキシフェニル酢酸ナトリウム、ヒドキシフェニル酢酸カリウム、ヒドキシフェニル酢酸アンモニウム、ヒドキシフェニル酢酸エステル、メルカプトカルボン酸として、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸エステル、2−メルカプトプロピオン酸リチウム、2−メルカプトプロピオン酸ナトリウム、2−メルカプトプロピオン酸カリウム、2−メルカプトプロピオン酸アンモニウム、3−メルカプトイソブチリックアシッド、3−メルカプトイソブチリックアシッドリチウム、3−メルカプトイソブチリックアシッドナトリウム、3−メルカプトイソブチリックアシッドカリウム、3−メルカプトイソブチリックアシッドアンモニウム、3−メルカプトイソブチリックアシッドエステル等が挙げられ、これらの中でもラクティックアシッド、ラクティックアシッドリチウム、ラクティックアシッドナトリウム、ラクティックアシッドカリウム、ラクティックアシッドエステル、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸エステル、2−メルカプトプロピオン酸リチウム、2−メルカプトプロピオン酸ナトリウム、2−メルカプトプロピオン酸カリウムが好ましい。
前記ヒドロキシカルボン酸、その誘導体、メルカプトカルボン酸またはその誘導体は、前記一般式(6)で表される化合物1モルに対し、0.5〜5.0モル使用され、好ましくは0.8〜1.5モル使用する。
(II)の製造方法は、前記一般式(6)で表される化合物と前記ヒドロキシカルボン酸、その誘導体、メルカプトカルボン酸またはその誘導体を用いてフッ素系化合物(a1)を得る製造方法であればよく、これ以外に特に制限されるものではないが、必要に応じて反応促進のための反応助剤を用いることも可能である。
前記反応助剤としては、塩基性化合物が好ましく、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等のアミン類が挙げられ、これらの中でも金属水酸化物、ナトリウムメチラート、トリエチルアミンが好ましい。前記反応助剤を用いる場合、前記一般式(6)で表される化合物1モルに対し、0.01〜5モル、好ましくは0.1〜1.5モル使用される。
また、必要に応じて反応には溶媒を使用することが好ましい。溶媒を使用する場合、前記一般式(6)で表される化合物と前記ヒドロキシカルボン酸、その誘導体、メルカプトカルボン酸またはその誘導体を溶解でき、かつそれらに対して不活性である溶媒であれば制限されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの中でもケトン類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましく、ケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。また、溶媒は単独で使用しても、あるいは複数を混合して用いてもよい。
反応条件にも特に制限はないが、反応制御の点から反応温度は通常、0℃〜還流温度、好ましくは20℃〜60℃である。反応雰囲気等にも制限はないが、(I)の製造方法の場合と同様に不活性ガス雰囲気下が好ましい。また、(II)の製造方法により得られたフッ素系化合物は前記(I)の製造方法と同様、そのまま用いても良いし、精製後に用いても良い。
本発明で用いることができるその他の水溶性の界面活性剤(B)としては、単独での水への溶解度が重量基準で1000ppm以上、特に1重量%以上溶解するものであることが好ましく、その他のフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤等を挙げることができ、これらは、単独でも2種以上を併用して用いることも可能である。前記その他の水溶性の界面活性剤(B)単独では十分な性能が得られない場合に、前述のフッ素系界面活性剤(A)を同時に用いることによって、水溶性の界面活性剤(B)が有する水溶性を損なうことなく、界面活性効果を高めることが可能となり、本発明の目的である水溶性と界面活性効果のバランスに優れる界面活性剤組成物を得ることができる。
前記の界面活性剤(A)及び(B)の混合割合としては、特に制限されるものではなく、目的とする界面活性効果のレベル、適応する前述の各種組成物との相溶性等に応じて適宜選択されるものであるが、前記フッ素系化合物(a)からなるフッ素系界面活性剤(A)とその他の水溶性の界面活性剤(B)との重量比として、(フッ素系界面活性剤)/(その他の水溶性の界面活性剤)が1/99〜99/1であることが好ましく、安定した充分な界面活性効果が得られる点から、前記重量比として80/20〜10/90であることが特に好ましく、50/50〜10/90であることが最も好ましい。これらの混合方法としては特に制限されるものではなく、予め界面活性剤を混合してから、前記各種の組成物に添加しても、1種ずつを各種の組成物に別々に混合しても良く、このときの順序についても特に制限されるものではない。
これらの中でも、界面活性効果に加え、該界面活性剤組成物を添加した組成物が接触する材料(例えば、塗布される場合、ガラス、鋼板やプラスチックフィルム、成形される場合には金型)に対する界面張力を低下させる働きが増す点から、炭化水素系界面活性剤(B1)を併用することが好ましい。
前記炭化水素系界面活性剤(B1)は、1分子中に親水性基と親油性基とを有する炭化水素系化合物(b)からなり、通常、主に親水性基のイオン性により、アニオン、カチオン、ノニオン、ベタインタイプに分類されるが、本発明においては何れのタイプも制限なく使用することができる。代表的なアニオン系界面活性剤としては、スルホン塩、リン酸塩、カルボン酸塩等が挙げられ、具体的には、花王株式会社製エマールシリーズ、ペレックスシリーズ等が例示される。また、カチオン系界面活性剤としては、オキソニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩が挙げられ、具体的には花王株式会社製アセタミンシリーズ、コータミンシリーズが例示される。またノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、具体的には、花王株式会社製エマルゲンシリーズ、レオドールシリーズ等が例示される。またベタイン系界面活性剤として、アミノ酸塩、アミンオキシド等が挙げられ、具体的には、花王株式会社製アンヒトールシリーズ等が例示される。尚、本発明がこれら具体例により、なんら限定されないことは勿論である。
これらの中でも、界面活性効果に優れ、適用できるコーティング材料や成形材料等の組成物の種類が広い点から、ノニオン系の炭化水素系界面活性剤を用いることが好ましい。
本発明の界面活性剤組成物を添加剤として使用する前述の組成物としては、特に制限されるものではなく、例えば、印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成形材料等の組成物を挙げることができる。
前記組成物は、溶媒、溶液等であり、溶液の場合、溶媒を必須成分として含有し、溶質として高分子化合物、低分子有機化合物、無機化合物から選ばれる1種類以上の化合物と、必要に応じて、後述する各種添加剤から構成される。
前記溶質としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース、キチン、キトサン等の天然高分子等、ゼラチン等が挙げられる。これらの溶質は、1種類のみを用いても2種類以上を同時に用いても良い。
前記添加剤としては、例えば、シラン系、チタン系、ジルコ−アルミネート系等のカップリング剤、更にフッ素原子含有アルコキシシラン化合物、フッ素原子含有チタンアシレ−ト化合物、フッ素原子含有アルコキシジルコニウム化合物等のフッ素系カップリング剤、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ガラスフィラー等の無機粉末・充填材、高級脂肪酸、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(テトラフロロエチレン)、ポリエチレン、アクリルビーズ、カーボン等の有機微粉末、感光剤、増感剤、耐光性向上剤、耐候性向上剤、耐熱性向上剤、導電剤、酸化防止剤、防錆剤、レオロジーコントロール剤、増粘剤、沈降防止剤、消泡剤、防臭剤等の各種充填剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種類のみを用いても2種類以上を同時に用いても良い。
本発明の界面活性剤組成物は、種々の加工方法を適用することにより、優れた浸透・濡れ性およびレベリング性等が得られる。加工方法としては特に制限されるものではなく、例えば、グラビアコーター、ナイフコーター、ロールコーター、コンマコーター、スピンコーター、バーコーター、刷毛塗り、デイッピング塗布、スプレー塗布、静電塗装、スクリーン印刷等のコーティング方法・装置、インクジェット法、射出、押し出し、中空、圧縮、反応、真空、FRP、熱、ロールシート、カレンダー、2軸延伸フィルム、積層、回転等の各種成形方法、各種金型、スタンパを用いた射出成形等が挙げられる。
また、前述の組成物の用途にも制限はなく、種々の用途に使用できる。例えば、PS版等の帯電防止剤、LCD、LSI、有機EL、プラズマディスプレイ製造用各種フォトレジスト等の感光性材料、LSI製造用反射防止膜剤、LCD、LSI、有機EL、プラズマディスプレイ製造用洗浄剤、エッチング剤、剥離剤、現像液、乳剤等の写真材料、自動車、航空機、船舶、建材、家電用等の塗料、染料、洗浄剤、フロアポリッシュ、泡消火薬剤、メッキ浴ミスト防止剤、レンズシート、光ファイバ等の光学材料、または有機化学反応用分散媒等に用いられ、浸透・濡れ性、レベリング性等のコーティング・モールディング適正を向上させることが可能である。
本発明の界面活性剤組成物は、表面偏析性にも優れ、種々のフッ素系界面活性剤を含有する界面活性剤組成物の持つ界面活性効果を損なわないものであるため、例えば、工業用および家庭用等の接着剤、耐擦傷性、滑り性、非粘着性、撥水撥油性、ガスバリア性、耐熱性、耐光性、耐候性、生理活性、耐水性、防湿性、防汚性、潤滑性等の表面機能性保護膜形成材料、衣料、家具、靴、雑貨等の繊維、人工皮革、合成皮革不織布等の処理剤、紙、フィルム、カード等の各種コーティング剤、自動車、建材、家電、医用材料、OA機器、電気・電子機器、光学部材、電線・配線材料、各種工業用部品等の成形材料、グリース、各種封止材料、離型剤、防錆剤、防曇剤、防霧剤、ブロッキング防止剤等としても好適に用いることができる。
次に本発明をより詳細に説明するために実施例を掲げる。
(合成例1)
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロートを付した1000mlの四ツ口フラスコに、パーフルオロオクチルエチルアイオダイド(C17CHCHI)57.4g、無水炭酸カリウム27.6gおよびアセトン400mlを加え混合した後、2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル13.9gを10分間かけて滴下し、さらに室温で5時間攪拌して反応させた。得られた反応混合物を、濾過後、アセトンを減圧留去し、更に減圧蒸留で原料等を留去後、110℃/667Paの条件下で放置し、2−パーフルオロオクチルエトキシプロピオン酸エチルエステル(C17CHCHOCH(CH)COCHCH)40gを得た。
300mlのフラスコに、得られた2−パーフルオロオクチルエトキシプロピオン酸エチルエステル22.0g、水酸化リチウム1.35g、水50mlを加え、80℃で4時間反応させた後、イソプロパノール30gを加えさらに30分撹拌した。次に減圧下で溶媒を留去し、さらに送風乾燥機にて乾燥させることで、フッ素系化合物(2−17)[パーフルオロオクチルエトキシプロピオン酸リチウム塩(C17CHCHOCH(CH)COLi)]21gを得た。
(合成例2)
2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル13.9gの代わりに、2−メルカプトプロピオン酸エチルエステル16.0gを用いた以外は合成例1と同様にして、フッ素系化合物(2−21)[パーフルオロオクチルエチルメルカプトプロピオン酸リチウム塩(C17CHCHSCH(CH)COLi)]20.0gを得た。
(合成例3)
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロートを付した300mlの四ツ口フラスコに、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン(C17CHCHSH)60g、ナトリウムメチラート0.3gを加えて10分間攪拌した後、室温でメチルメタアクリレート17.5gを30分間かけて滴下した。さらに5時間反応させた後、減圧蒸留を行い、118℃/667Paの条件下で2−メチル−3−パーフルオロオクチルエチルメルカプト−プロピオン酸メチルエステル(C17CHCHSCHCH(CH)COCH)67gを得た。
300mlの四ツ口フラスコに、得られた2−メチル−3−パーフルオロオクチルエチルメルカプト−プロピオン酸メチルエステル66.5g、水酸化リチウム4.1g、水120mlを加え、80℃で4時間攪拌して反応させた後、イソプロパノール70g加えて、さらに30分撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、減圧乾燥して、フッ素系化合物(2−25)[3−パーフルオロオクチルエチルメルカプト−2−メチル−プロピオン酸リチウム塩(C17CHCHSCHCH(CH)COLi)]65gを得た。
(合成例4)
アラニンエチルエステル塩酸塩7.7g、パーフルオロオクチルエチルスルホニルクロライド(C17CHCHSOCl)27.3gの酢酸エチル200ml混合溶液に、室温でトリエチルアミン10.1gを滴下したのち、さらに室温で2時間攪拌した。反応溶液を1規定−塩酸100mlで2回、飽和食塩水で1回洗浄した。減圧下、酢酸エチルを留去することで、N−パーフルオロオクチルエチルスルホニル−アラニンエチルエステル(C17CHCHSONHCH(CH)COCHCH)29.5gを得た。
300mlの四つ口フラスコに、得られたN−パーフルオロオクチルエチルスルホニル−アラニンエチルエステル29.5g、水酸化リチウム1.5g、水60mlを加え、80℃で4時間攪拌して反応させた後、イソプロパノール20g加えてさらに30分撹拌した。溶媒を減圧留去し、乾燥することでフッ素系化合物(2−43)N−パーフルオロオクチルエチルスルホニル−アラニン・リチウム塩(C17CHCHSONHCH(CH)COLi)30.2gを得た。
(合成例5)
2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル13.9gの代わりに、2−メルカプト酢酸エチルエステル13.0gを用いた以外は合成例1と同様にして、フッ素系化合物(i)[パーフルオロオクチルエチルメルカプト酢酸リチウム塩(C17CHCHSCHCOLi)]21.2gを得た。
(合成例6)
パーフルオロオクタニルフルオロライド(C15COF)20gとアラニンエチルエステル塩酸塩6.9gの酢酸エチル150ml溶液に、5℃に冷却下、トリエチルアミンを8.7gを滴下した。室温でさらに3時間攪拌した後、反応溶液を1N−塩酸100mlで2回、飽和食塩水100mlで1回洗浄した。酢酸エチルを減圧留去することでN−パーフルオロオクタニル−アラニンエチルエステル[C15CONHCH(CH)COCHCH]21.3gを得た。
得られたN−パーフルオロオクタニル−アラニンエチルエステル21.3g、水酸化リチウム1.3g、水80ml溶液を、80℃で4時間攪拌して反応させた後、イソプロパノール20g加えて撹拌後、減圧下で溶媒を留去し、さらに乾燥することでフッ素系化合物(ii) N−パーフルオロオクタニル−アラニン・リチウム塩(C15CONCH(CH)COLi)20.2gを得た。
実施例1〜14及び比較例1〜14
合成例1〜4で得られたフッ素系化合物(A−1)〜(A−4)と、表1に挙げたその他の水溶性の界面活性剤(B−1)〜(B−7)とを表2に示す配合表に従って重量比で50/50で混合し、界面活性剤組成物を得た(実施例1〜14)。これらの水溶解度、及び表面張力を表2に示す。又、比較例として、フッ素系化合物(A−1)〜(A−4)単独、その他の水溶性の界面活性剤(B−1)〜(B−7)、合成例5〜6で得られたフッ素系化合物(i)〜(ii)単独、及びフッ素系化合物(i)とその他の水溶性の界面活性剤(B−6)との50/50(重量比)混合物の水溶解度及び表面張力を表3に示す(市販品のデータはカタログ値)。
試験方法
水溶解度:25℃においてイオン交換水で攪拌、目視で濁りのないクリアーな状態を完溶とした。(単位:重量%)
表面張力:自動表面張力計CBPV−Z(協和界面化学株式会社製)を用いて、ウィルヘルミー白金プレート法にて、20℃における0.001重量%(イオン交換水溶液)での表面張力を測定した。(単位:mN/m)
Figure 2005105045
Figure 2005105045
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本発明の界面活性剤組成物である実施例1〜14では、界面活性剤単独で使用したときよりも、水溶解度と表面張力低下能(界面活性効果)のバランスに優れていることを確認した。一方、比較例14では、その他のフッ素系化合物と炭化水素系界面活性剤を併用しているものであるが、水溶解性において満足できるレベルではないことを確認した。

Claims (6)

  1. F(CF)2m(CH)−(式中、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数である。)で表される部分フッ素化アルキル基と、親媒性基とを有する化合物からなるフッ素系界面活性剤であり、該親媒性基が、その末端に親水性基Yを有し、さらに該親水性基Yが結合する炭素上に置換基として炭素数1〜12の炭化水素基を有するフッ素系化合物(a)からなるフッ素系界面活性剤(A)と、その他の水溶性の界面活性剤(B)とを併用することを特徴とする界面活性剤組成物。
  2. その他の水溶性の界面活性剤(B)が炭化水素基と親水性基とを有する炭化水素系化合物(b)からなる炭化水素系界面活性剤(B1)である請求項1記載の界面活性剤組成物。
  3. 炭化水素系界面活性剤(B1)がノニオン系の炭化水素系界面活性剤である請求項2記載の界面活性剤組成物。
  4. フッ素系界面活性剤(A)とその他の水溶性の界面活性剤(B)との混合比(A)/(B)が50/50〜10/90(重量比)である請求項1記載の界面活性剤組成物。
  5. フッ素系化合物(A)が、下記一般式(1)又は(2)
    F(CF)2m(CH)CHRY (1)
    F(CF)2m(CH)XCHRY (2)
    (式中、m、nはそれぞれ同一または異なる1〜12の整数であり、Yは親水性基であり、Rは炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xは2価の連結基である。)
    で表されるフッ素系化合物(a1)である請求項1〜4のいずれか1項記載の界面活性剤組成物。
  6. 前記一般式(1)及び前記一般式(2)中のmが3または4であり、nが2〜4の整数であり、Yが酸基、その金属塩またはアミン塩であり、Rが炭素数1〜12のアルキル基であり、前記一般式(2)中のXが−SO−、−SO−、−SONR−(Rは水素原子、フェニル基または炭素数1〜18のアルキル基である。)、酸素原子、又は硫黄原子である請求項5記載の界面活性剤組成物。
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