JP5587280B2 - 抗体のヒト化 - Google Patents
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Description
抗体は我々の免疫反応において極めて重要な役割を担っている。それらはウイルスや細菌毒素を不活化することができ、また、補体系と様々なタイプの白血球を動員して、侵入してくる微生物や大型の寄生生物を死滅させるのに不可欠である。抗体はもっぱらBリンパ球によって数限りない形態で作られており、それぞれの形態が異なるアミノ酸配列を有し、異なる抗原結合部位をもっている。抗体は、まとめて免疫グロブリン(Ig)と呼ばれているが、血液中で最も豊富に存在するタンパク質成分の一つである。Albertsら, Molecular Biology of the Cell, 2nd ed., 1989, Garland Publishing, Inc.。
本発明は、一部には、抗体の可変重鎖フレームワーク領域と可変軽鎖フレームワーク領域のためのフレームワーク領域サブバンクの作製、ならびに、ドナー抗体由来の相補性決定領域(CDR)とフレームワーク領域サブバンク由来のフレームワーク領域とをin frameに一緒に融合することにより作製された、可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む抗体のコンビナトリアルライブラリーの作製、に基づいている。フレームワーク領域サブバンクの作製は、迅速で手間のかからない、抗体(定常領域を含むまたは含まない)のコンビナトリアルライブラリーの作製を可能にし、これらの抗体は、対象の抗原に対するそれらの免疫特異性だけでなく、対象の生物におけるそれらの免疫原性を容易にスクリーニングすることができる。本発明で記載するライブラリーアプローチでは、アクセプターフレームワーク(例えば、ヒトフレームワーク)の効率的な選択および同定が可能である。フレームワーク領域サブバンクの作製に加えて、CDRのサブバンクを作製して、フレームワーク領域サブバンクからのフレームワーク領域とランダムにin frame融合させることにより、抗体(定常領域を含むまたは含まない)のコンビナトリアルライブラリーを作製することができ、これらの抗体は、対象の抗原に対するそれらの免疫特異性だけでなく、対象の生物におけるそれらの免疫原性を容易にスクリーニングすることができる。本発明のコンビナトリアルライブラリー法は、本明細書では、人間に使用するためのヒト化抗体の作製について例証される。しかしながら、本発明のコンビナトリアルライブラリー法は、どのような対象生物用の抗体の作製にも容易に応用することが可能である。
(a) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(e)をさらに含んでいてよい。
(a) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(e)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(e)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(c) 前記核酸配列を、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入すること、
(d) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化またはヒト軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(e)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(d) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(g)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(d) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(g)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(d) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(g)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(d) 軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されるものであり、その際、少なくとも1つのCDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られるものであること、
(e) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(f) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(g)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ここで、重鎖可変領域のCDRはドナー抗体の重鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の重鎖可変領域)に由来し、軽鎖可変領域のCDRはドナー抗体の軽鎖可変領域(好ましくは、非ヒトドナー抗体の軽鎖可変領域)に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、
(d) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(e) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(f)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体に由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(e) ヒト化重鎖可変領域とヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(f)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ここで、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体に由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(e) ヒト化重鎖可変領域とヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(f)をさらに含んでいてよい。
(a) 軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(b) 重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製すること、
(c) (i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製された、軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成すること、ここで、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRはドナー抗体(好ましくは、非ヒトドナー抗体)由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域は重鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域は軽鎖フレームワーク領域のサブバンク(好ましくは、ヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンク)から得られたものであること、
(d) 前記核酸配列を細胞に導入すること、
(e) 重鎖可変領域(好ましくは、ヒト化重鎖可変領域)と軽鎖可変領域(好ましくは、ヒト化軽鎖可変領域)をコードするヌクレオチド配列を発現させること、
を含んでなる。この実施形態によれば、前記方法は前記抗原と免疫特異的に結合する抗体(好ましくは、ヒト化抗体)をスクリーニングすることからなるステップ(f)をさらに含んでいてよい。
本明細書で使用される「アクセプター」および「アクセプター抗体」という用語は、1以上のフレームワーク領域のアミノ酸配列の、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%を与える、もしくはコードする、抗体または核酸配列を示す。ある実施形態において、「アクセプター」という用語は、定常領域を与える、もしくはコードする、抗体または核酸配列を指す。具体的な実施形態において、「アクセプター」という用語は、1以上のフレームワーク領域のアミノ酸配列の、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%を与える、もしくはコードする、ヒト抗体または核酸配列を指す。アクセプターフレームワーク領域および/またはアクセプター定常領域は、例えば、生殖系列抗体遺伝子、成熟抗体遺伝子、機能性抗体(例:当技術分野で知られている抗体、開発中の抗体、もしくは市販の抗体)に由来し、あるいはそれらから得ることができる。
本発明は、第1の生物種に由来する抗体を再設計もしくは改造する方法を提供するが、この場合、この再設計もしくは改造された抗体は第2の生物種において望ましくない免疫応答を引き起こすことなく、しかも第1の生物種に由来する抗体と実質的に同じ抗原結合能を保持する。本発明によれば、第2の生物種に由来するフレームワーク領域のバンクから得られたフレームワーク領域とin frameで融合された第1の生物種に由来する抗体のCDRを含んでなるコンビナトリアルライブラリを構築し、望ましい改変抗体を求めてスクリーニングすることができる。
(i)アクセプターフレームワーク領域の包括的バンクの構築
(ii)CDRの選択
(iii)コンビナトリアルサブライブラリーの構築
(iv)コンビナトリアルライブラリーの構築
(v)コンビナトリアルライブラリの発現
(vi)ヒト化抗体の選択
(vii)ヒト化抗体の作製および特徴付け
(viii)抗体コンジュゲート
(ix)本発明の組成物の用途
(x)投与および製剤
(xi)投与量および投与回数
(xii)生物学的アッセイ
(xiii)キット
(xiv)製造物品
本発明にしたがって、1以上のアクセプター抗体(例えば、ヒト抗体)のフレームワーク領域(軽鎖のFR1、FR2、FR3、FR4、ならびに重鎖のFR1、FR2、FR3、FR4)をコードする核酸配列、およびドナー抗体の相補性決定領域(軽鎖のCDR1、CDR2、CDR3、ならびに重鎖のCDR1、CDR2、CDR3)をコードする核酸配列を一緒に融合することによって、ドナー抗体(例えば、非ヒト抗体)の軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を改変する(例えばヒト化する)ことができる。好ましくは、改変された(例えば、ヒト化された)抗体軽鎖は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含んでなる。改変された(例えば、ヒト化された)抗体重鎖は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4を含んでなる。おのおののアクセプター(例えばヒト)フレームワーク領域(軽鎖のFR1、2、3、4、ならびに重鎖のFR1、2、3、4)は、軽鎖のFRサブバンク、および重鎖のFRサブバンクからそれぞれ作製することができる。アクセプター(例えば、ヒト)フレームワーク領域の包括的バンクは2つ以上のFRサブバンクを含んでなる。
軽鎖サブバンク1、2、3および4を構築するが、このサブバンク1は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は軽鎖FR1をコードする;サブバンク2はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は軽鎖FR2をコードする;サブバンク3はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は軽鎖FR3をコードする;ならびにサブバンク4はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は軽鎖FR4をコードする。いくつかの実施形態において、FR配列は、機能性ヒト抗体配列(例えば、当技術分野で知られている抗体、および/または市販の抗体)から得られ、もしくは由来する。いくつかの実施形態において、FR配列はヒト生殖系列軽鎖配列に由来する。ある実施形態において、サブバンクFR配列は、ヒト生殖系列κ鎖配列に由来する。別の実施形態において、サブバンクFR配列は、ヒト生殖系列λ鎖配列に由来する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VK&seqType=nucleotide; これらはそれぞれその全体を参照することにより本明細書に含めるものとする。軽鎖FRサブバンク4(FR4をコードする)は、5つのヒト生殖系列κ鎖配列(Jκ1、Jκ2、Jκ3、Jκ4およびJκ5)を包含する。Hieterら、1982、J. Biol. Chem. 257:1516-1522を参照されたいが、これはその全体を参照することにより本明細書に含めるものとする。配列はNCBIウェブサイトに取りまとめられている:
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VK&seqType=nucleotide; これはその全体を参照することにより本明細書に含めるものとする。
いくつかの実施形態において、重鎖FRサブバンク5、6、7および11が構築されるが、サブバンク5は、ヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、それぞれのヌクレオチド配列は重鎖FR1をコードする;サブバンク6はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は重鎖FR2をコードする;サブバンク7はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は重鎖FR3をコードする;ならびにサブバンク11はヌクレオチド配列を含む複数の核酸配列を含んでなり、各ヌクレオチド配列は重鎖FR4をそれぞれコードする;前記において、重鎖FR1、FR2およびFR3は、CDR H1およびH2に関するKabatの定義にしたがって定義される。いくつかの実施形態において、FR配列は機能性ヒト抗体配列に由来する。他の実施形態において、FR配列はヒト生殖系列重鎖配列に由来する。
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VH&seqType=nucleotide。重鎖FRサブバンク11(FR4をコードする)は、6個のヒト生殖系列重鎖配列(JH1、JH2、JH3、JH4、JH5およびJH6)を包含する。Ravetchら、1981、Cell 27(3 Pt 2):583-591を参照されたい。配列はNCBIウェブサイトに取りまとめられている:
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VH&seqType=nucleotide。
www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/showGermline.cgi?organism=human&chainType=VH&seqType=nucleotide。重鎖FRサブバンク11(FR4をコードする)は、上記のサブバンク11と同じである。
フレームワーク領域サブバンクの合成に加えて、CDRのサブバンクを作製し、フレームワーク領域サブバンクからのフレームワーク領域とランダムにin frame融合させて、対象の抗原に対する免疫特異性ならびに対象の生物における免疫原性についてスクリーニング可能な抗体のコンビナトリアルライブラリー(定常領域を含むもの、または含まないもの)を作製することができる。ここでは、本発明のコンビナトリアルライブラリー法を、ヒトにおいて使用するためのヒト化抗体の作製について例示する。しかし、本発明のコンビナトリアルライブラリー法は、あらゆる対象生物において使用するための抗体の作製に容易に適用可能である。
コンビナトリアルサブライブラリーは、非ヒトCDRを、FRサブバンクの対応するヒトフレームワーク領域とin frameに融合することにより構築される。例えば、コンビナトリアルサブライブラリー1は、サブバンク1を用いて、非ヒトCDRを対応するκ軽鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー2は、サブバンク2を用いて、非ヒトCDRを対応するκ軽鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー3は、サブバンク3を用いて、非ヒトCDRを対応するκ軽鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー4は、サブバンク4を用いて、非ヒトCDRを対応するκ軽鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー5、6および7は、それぞれサブバンク5、6および7を用いて、非ヒトCDR(CDR H1およびH2についてのKabat定義)を対応する重鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー8、9および10は、それぞれサブバンク8、9および10を用いて、非ヒトCDR(CDR H1およびH2についてのChothia定義)を対応する重鎖ヒトフレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築され;コンビナトリアルサブライブラリー11は、サブバンク11を用いて、非ヒトCDR H3(KabatおよびChothiaの定義)を対応するヒト重鎖フレームワーク領域とin frameに融合させることにより構築される。いくつかの実施形態では、非ヒトCDRもまた、CDRライブラリーから選択することができる。
コンビナトリアルライブラリーは、対応する可変軽鎖領域または可変重鎖領域のコンビナトリアルライブラリーを一緒にアセンブルすることにより構築される。例えば、ヒトκ軽鎖生殖系列フレームワークのコンビナトリアルライブラリー(コンビネーションライブラリー1)は、後記に記載するように、CDR中の重複領域によってサブライブラリー1、2、3および4を一緒にアセンブルすることにより構築できる。ヒト重鎖生殖系列フレームワークの2つのコンビナトリアルライブラリー(1つはCDRのKabat定義についてのもの、コンビネーションライブラリー2;1つはCDRのChothia定義についてのもの、コンビネーションライブラリー3)は、後記に記載するように、CDR中の重複領域によってサブライブラリー5、6、7、11(Kabat定義)またはサブライブラリー8、9、10、11(Chothia定義)を一緒にアセンブルすることにより構築できる。
本発明に従って構築されるコンビナトリアルライブラリーは、当業界で公知のいずれの方法によっても発現させることができ、そのような方法としては、限定するものではないが、細菌発現系、哺乳動物発現系およびin vitroリボソームディスプレイ系が挙げられる。
,969,108号を参照されたい(それらは全て、参照することによりその全体を本明細書に含めるものとする)。
発現されたコンビナトリアルライブラリーは、当業界で公知のいずれかの方法を用いて、ドナー抗体によって認識される抗原への結合についてスクリーニングすることができる。好ましい実施形態において、それぞれセクション5.4および5.6に記載されるように構築され発現されたファージディスプレイライブラリーは、ドナー抗体によって認識される抗原への結合についてスクリーニングし、その抗原に対して有意な結合を示すVHおよび/またはVLドメインを発現するファージを、慣用のスクリーニング技法(例えば、Harlow, E., およびLane, D., 1988, 前掲、Gherardi, Eら 1990. J. Immunol. meth. 126 p61-68に記載されるもの)を用いてライブラリーから単離することができる。宿主細胞から脱離したファージ粒子を宿主細胞培地から収集(回収)し、望ましい抗体結合特性についてスクリーニングする。典型的には、収集した粒子を、予め選択した抗原との結合について「パンニング」する。次に、強く結合する粒子を回収し、個々の種の粒子をクローニングにより単離し、その抗原に対する結合についてさらにスクリーニングする。望ましい抗原結合特異性の結合部位を生じるファージを選択する。好ましくは、本発明のヒト化抗体は、対象の抗原に対して少なくとも1×106 M-1、好ましくは少なくとも1×107 M-1、少なくとも1×108 M-1または少なくとも1×109 M-1の親和性を有する。
所望の結合活性を有するヒト化抗体およびそのフラグメントをコードする1つ以上の核酸を選択したら、当業界で公知の標準的な技法によりその核酸を回収することができる。好ましい実施形態において、選択したファージ粒子を回収し、それを新たな細菌に感染させてから目的の核酸を回収する。
本発明は、1つ以上の成分(限定するものではないが、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、核酸分子、小分子、ミメティック物質、合成薬物、無機分子および有機分子を含む)にコンジュゲートまたは融合させた抗体またはそのフラグメントを包含する。
本発明は、対象の抗体を効率的にヒト化するための方法を提供する。本発明のヒト化抗体は、疾患またはその1つ以上の症状を治療、管理、予防または改善するために、単独で、または他の予防剤もしくは治療剤と組み合わせて使用することができる。
本発明は、疾患の診断、検出、またはモニタリングにおいて、疾患もしくはその1つ以上の症状の予防、治療、管理、または改善において、および/または研究において使用するための本発明の抗体を含む組成物を提供する。具体的な実施形態では、組成物は本発明の抗体を1種以上含んでなる。別の実施形態では、組成物は1種以上の本発明の抗体および本発明の抗体以外の1種以上の予防薬または治療薬を含んでなる。好ましくは、予防薬または治療薬は、疾患もしくはその1つ以上の症状の予防、治療、管理または改善において有用であることが知られているか、それらに用いられてきたかあるいは現在用いられているものである。これらの実施形態によれば、該組成物は担体、希釈剤または賦形剤をさらに含んでもよい。
具体的な実施形態では、本発明の抗体または本発明の別の予防薬もしくは治療薬をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を、遺伝子治療によって疾患もしくはその1以上の症状を治療、予防、管理、または改善するために投与する。遺伝子治療とは、発現されるかまたは発現されうる核酸の、被験者への投与により行われる治療を指す。本発明のこの実施形態では、核酸は、それがコードする本発明の抗体または予防薬もしくは治療薬(予防効果もしくは治療効果を媒介する)をもたらす。
疾患もしくはその1以上の症状の治療、管理、予防または改善に有効であろう本発明の予防薬もしくは治療薬または組成物の量は、標準的な臨床実務により決定することができる。投与回数および投与量は、投与する具体的な治療剤または治療剤群(例えば具体的な治療薬または予防薬)、障害、疾患もしくは病状の重症度、投与経路、同様に年齢、体重、応答、患者の免疫状態、および患者の過去の医療履歴に依存する、各患者に特異的な因子に応じて変わるであろう。例えば、疾患もしくはその1以上の症状の治療、予防、管理、または改善に有効であろう本発明の予防薬もしくは治療薬または組成物の投与量は、動物モデル(例えば本明細書中に開示されているかまたは当業者に公知の動物モデル)に対して組成物を投与することにより決定することができる。さらに、場合によっては適正な投与量の範囲の特定を助けるためにin vitroアッセイを用いてもよい。好適な処方は、そのような因子を考慮することにより、また例えば文献に報告され、Physician’s Desk Reference (第57版, 2003) において推奨されている投与量に従って、当業者が選択することができる。
本発明の抗体またはそのフラグメントは、当業者に周知の種々の方法で特性決定することができる。特に、本発明の抗体またはそのフラグメントは、抗原に免疫特異的に結合する能力についてアッセイする。そのようなアッセイは、溶液中で(例えば、Houghten, 1992, Bio/Techniques 13:412 421)、ビーズ上で(Lam, 1991, Nature 354:82 84)、チップ上で(Fodor, 1993, Nature 364:555 556)、細菌上で(米国特許第5,223,409号)、胞子上で(米国特許第5,571,698号;同第5,403,484号;および同第5,223,409号)、プラスミド上で(Cull ら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865 1869)、またはファージ上で(Scott および Smith, 1990, Science 249:386 390;Cwirla ら, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378 6382;および Felici, 1991, J. Mol. Biol. 222:301 310)行うことができる(これらの引用文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる)。特定された抗体またはそのフラグメントは、その後特異性および親和性についてアッセイすることができる。
本発明は、対象の生物種の抗体フレームワーク領域のサブバンクを含んでなるキットを提供する。本発明はまた、対象の生物種のCDRのサブバンクを含んでなるキットを提供する。本発明はまた、ヌクレオチド配列を包含する複数の核酸配列を含むコンビナトリアルサブライブラリーを含んでなるキットであって、各ヌクレオチド配列が1つの対応するCDR(例えばCDR1)とin frameに融合された1つのフレームワーク領域(例えばFR1)をコードする、上記キットを提供する。本発明はさらに、ヌクレオチド配列を包含する複数の核酸配列を含むコンビナトリアルライブラリーを含んでなるキットであって、各ヌクレオチド配列がin frameに融合されたフレームワーク領域とCDR(例えばFR1+CDR1+FR2+CDR2+FR3+CDR3+FR4)をコードする、上記キットを提供する。
本発明はまた、梱包済みの、ラベルされた医薬品を包含する。本製品は、ガラスバイアルもしくは他の密閉容器のような所定の容器中の所定の単位剤形を含む。非経口投与に好適な投与剤形の場合、有効成分は無菌状態で、微粒子を含まない溶液としての投与に好適なものである。言い換えれば、本発明は、非経口投与用溶液および凍結乾燥粉末剤(いずれも無菌)の両者を包含し、後者は注入前の再調製に好適なものである。あるいはまた、単位剤形は、経口、経皮、局所または粘膜送達に好適な固体であってもよい。
1. ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列を含む核酸配列であって、前記ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、各重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものである、上記核酸配列。
(a)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記第1のヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
を含む方法により作製される、上記細胞。
(a)重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
を含む方法により作製される、上記細胞。
(a)重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
を含む方法により作製される、上記細胞。
(a)重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を細胞に導入するステップ、ここで、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成されたものであり、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
を含む方法により作製される、上記細胞。
(a)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(c)前記核酸配列を、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入するステップ、
(d)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(c)前記核酸配列を、ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入するステップ、
(d)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(c)前記核酸配列を、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入するステップ、
(d)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(c)前記核酸配列を、ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を含有する細胞に導入するステップ、
(d)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(e)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(f)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(e)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(f)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(e)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(f)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)ヒト化重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(d)ヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を合成するステップ、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成され、その際、少なくとも1つのCDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られたものであり、また、少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られたものであること、
(e)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(f)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成するステップ、その際、重鎖可変領域のCDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、軽鎖可変領域のCDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(e)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成するステップ、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、軽鎖可変領域CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(e)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成するステップ、その際、重鎖可変領域CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(e)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
(a)軽鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(b)重鎖フレームワーク領域のサブバンクを作製するステップ、
(c)(i)重鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化重鎖可変領域をコードする第1のヌクレオチド配列、および(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより合成された、ヒト化軽鎖可変領域をコードする第2のヌクレオチド配列、を含む核酸配列を合成するステップ、その際、少なくとも1つの重鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の重鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの軽鎖可変領域CDRは抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体由来の軽鎖CDRのサブバンクから得られ、少なくとも1つの重鎖フレームワーク領域はヒト重鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られ、そして少なくとも1つの軽鎖フレームワーク領域はヒト軽鎖フレームワーク領域のサブバンクから得られるものであること、
(d)前記核酸配列を細胞に導入するステップ、
(e)ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を発現させるステップ、
を含んでなる上記方法。
試薬
全ての化学薬品は分析グレードのものを使用した。制限酵素とDNA改変酵素はNew England Biolabs, Inc. (Beverly, MA)から購入した。pfu DNAポリメラーゼとオリゴヌクレオチドはInvitrogen (Carlsbad, CA)から購入した。ヒトEphA2-Fc融合タンパク質 (ヒトIgG1のFc部分と融合されたヒトEphA2からなる (Carles-Kinchら Cancer Res. 62: 2840-2847 (2002)) はヒト胚性腎(HEK) 293細胞において発現させ、標準的なプロトコルを用いてプロテインGアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。ストレプトアビジン磁性ビーズはDynal (Lake Success, NY)から購入した。ヒトEphA2-Fcのビオチン化は、EZ-Link Sulfo-NHS-LC-ビオチン化キット(Pierce, Rockford, IL)を用いて製造業者の使用説明書に従って実施した。
ヒト受容体チロシンキナーゼEphA2に対するモノクローナル抗体(mAb)を分泌するマウスハイブリドーマ細胞株(B233)をMedImmune, Inc.から取得した (Kinchら Clin. Exp. Metastasis. 20:59-68 (2003))。このマウスmAbを以後mAb B233という。mAb B233の可変重鎖(VH)および軽鎖(VL)遺伝子のクローニングおよび配列決定は、B233由来のメッセンジャーRNAをStraight A’s mRNA精製キット(Novagen, Madison, WI)を用いて製造業者の使用説明書に従って単離・精製した後で実施した。cDNAは第1鎖cDNA合成キット(Novagen, Madison, WI)を用いて製造業者が推奨するとおりに合成した。VHおよびVL遺伝子の増幅は、マウスIg-プライマーセット(Novagen, Madison, WI)からのIgGVHおよびIgκVLオリゴヌクレオチドを用いて製造業者が提案するとおりに実施した。生産的増幅より得られるDNA断片は、Perfectly Bluntクローニングキット(Novagen, Madison, WI)を用いてpSTBlue-1にクローニングした。その後、ABI3000シークエンサー(Applied Biosystems, Foster City, CA)を使ってジデオキシチェーンターミネーション法(Sangerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 74: 5463-5467 (1977))により多数のVHおよびVLクローンの配列決定を行った。mAb B233 VL (VL-233)およびVH (VH-233)遺伝子のコンセンサス配列を図1に示す。
ヒトフレームワーク遺伝子は公に利用可能な抗体生殖系列遺伝子のプールから選択した。より詳細には、これは、第1、第2および第3フレームワークについては46のヒト生殖系列κ鎖遺伝子 (A1, A10, A11, A14, A17, A18, A19, A2, A20, A23, A26, A27, A3, A30, A5, A7, B2, B3, L1, L10, L11, L12, L14, L15, L16, L18, L19, L2, L20, L22, L23, L24, L25, L4/18a, L5, L6, L8, L9, O1, O11, O12, O14, O18, O2, O4およびO8; K.F. Schableら, Biol. Chem. Hoppe Seyler 374:1001-1022, (1993); J. Brensing-Kuppersら, Gene 191:173-181(1997)) を含み、第4フレームワークについては5つのヒト生殖系列J配列 (Jκ1, Jκ2, Jκ3, Jκ4およびJκ5; P.A. Hieterら, J. Biol. Chem. 257:1516-1522 (1982)) を含んでいた。このライブラリーの重鎖部分は、第1、第2および第3フレームワークについては44のヒト生殖系列重鎖配列 (VH1-18, VH1-2, VH1-24, VH1-3, VH1-45, VH1-46, VH1-58, VH1-69, VH1-8, VH2-26, VH2-5, VH2-70, VH3-11, VH3-13, VH3-15, VH3-16, VH3-20, VH3-21, VH3-23, VH3-30, VH3-33, VH3-35, VH3-38, VH3-43, VH3-48, VH3-49, VH3-53, VH3-64, VH3-66, VH3-7, VH3-72, VH3-73, VH3-74, VH3-9, VH4-28, VH4-31, VH4-34, VH4-39, VH4-4, VH4-59, VH4-61, VH5-51, VH6-1およびVH7-8; F. Matsudaら, J. Exp. Med. 188:1973-1975 (1998)) を含み、第4フレームワークについては6つのヒト生殖系列J配列 (JH1, JH2, JH3, JH4, JH5およびJH6; J.V. Ravetchら, Cell 27(3 Pt 2): 583-591 (1981)) を含んでいた。
5.3.1 ライブラリーの説明
3つの主なフレームワークシャフル型ライブラリー(ライブラリーA、BおよびC)を構築した。ライブラリーAは、mAb B233の重鎖(VH-233)と対合させた軽鎖フレームワークシャフル型サブライブラリー(VL sub1)を含んでいた。ライブラリーBは、固定化したフレームワークシャフル型軽鎖VL-12C8およびVL-8G7と対合させた重鎖フレームワークシャフル型サブライブラリー(VH sub1)を含んでいた(§5.4.1.1、§5.4.1.2および§5.4.1.3を参照のこと)。ライブラリーCは、重鎖フレームワークシャフル型サブライブラリー(VH sub2)と対合させた軽鎖フレームワークシャフル型サブライブラリー(VL sub2)を含んでいた。
VL sub1サブライブラリーは、オーバーラップ伸長によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて順次アセンブルした。Hoら, Gene 77:51-59 (1989)。より詳細には、対応するドナーCDRの部分とin frame融合された個々のヒト生殖系列フレームワークを合成するために、次のオリゴヌクレオチドの組合せを用いて、いわゆる「中間体」PCRを行った:第1、第2、第3および第4フレームワークについて、それぞれAL1〜13/AL1U〜10U/1〜46、BL1〜10/BL1U〜16U/47〜92、CL1〜11/CL1U〜12U/93〜138およびDL1〜4/DL1U〜4U/139〜143。これは100μl容量中のpfu DNAポリメラーゼ(PCR SuperMix, Invitrogen)および約5 pmolのオリゴヌクレオチドAL1〜13、AL1U〜10U、BL1〜10、BL1U〜16U、CL1〜11、CL1U〜12U、DL1〜4およびDL1U〜4U、ならびに約100 pmolのオリゴヌクレオチド1〜143を用いて実施した。PCRプログラムは、95℃で5分;94℃で1分、45℃で1分、72℃で1分を30サイクル、その後72℃で8分とした。次に、2回目のPCR(「アセンブリPCR」)を実施するために、100μl反応容量中のpfu DNAポリメラーゼ(PCR SuperMix, Invitrogen)、0.5〜2μlずつの「中間体」PCR、25 pmolずつのオリゴヌクレオチドDL1U、DL2U、DL3U、DL4U (表64参照)および100 pmolのビオチン化オリゴヌクレオチド5’-GGTCGTTCCATTTTACTCCCAC-3’(配列番号1734)を使用した。アセンブリPCR プログラムは、95℃で5分;94℃で30秒、50℃で30秒、72℃で45秒を30サイクル、その後72℃で8分とした。
ライブラリーB (VL-12C8+VL-8G7+VH sub1)に関連して用いられる、VL-12C8およびVL-8G7軽鎖遺伝子は、それぞれ12C8for/12C8backおよび8G7for/8G7backのオリゴヌクレオチド組合せを用いて対応するV領域コード化M13ファージベクター(§§5.4.1.1、5.4.1.2、5.4.1.3参照)からPCRにより合成した(下記参照)。
キメラFab陽性対照(VH-233+VL-233)またはライブラリーA (VL sub1+VH-233)との関連で用いられるVH-233およびVL-233重鎖および軽鎖遺伝子は、PCRでそれぞれ233Hfor/233Hbackおよび233Lfor/233Lbackオリゴヌクレオチド組合せを用いて、対応するpSTBlue-1 (§ 5.1参照)ベクターから合成した(下記参照)。
ライブラリーA、BおよびC、ならびにmAb B233のキメラFab型は、M13系ファージ発現ベクターにクローニングした。このベクターは、lacZプロモーターの制御下でヒトγ1重鎖の第1定常ドメインとヒトκ軽鎖の定常ドメインを含むFabフラグメントの発現を可能にする(図2)。クローニングは、ハイブリダイゼーション変異誘発(Kunkelら, Methods Enzymol. 154:367-382 (1987))を用いて、Wuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)に記載されるように行った。簡単に述べると、対象となる各種V領域に対応するマイナス一本鎖DNA(§5.3.2、§5.3.3および§5.3.4参照)を最終PCR産物からエタノール沈殿により精製したが、それに先だって、二本鎖PCR産物を水酸化ナトリウムにより解離させ、記載(H. Wuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233(2003); H. Wu, Methods Mol. Biol. 207: 197-212 (2003))のとおりにストレプトアビジンコーティング磁性ビーズによりビオチン化鎖を除去した。等モル量の異なるマイナス鎖を次のように混合した:ライブラリーA、ライブラリーB、ライブラリーC、およびキメラFab 233を構築するために、それぞれVH-233/VL sub1、VH sub1/VL-8G7/VL-12C8、VH sub2/VL sub2、およびVH-233 /VL-233。その後、これらの異なる混合物を、それぞれ1つのパリンドロームループを含む該ベクターの2つの領域に個別にアニールさせた。これらのループはユニークなXbaI部位を含み、これにより、ヒトκ定常領域および第1ヒトγ定常領域とそれぞれin frame融合されたVL鎖とVH鎖の両方を含むベクターの選択が可能となる。次に、合成されたDNAを、Wuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)に記載されるように、XL1-Blue菌叢上でのプラーク形成またはFabフラグメントの生産のためにXL1-Blueにエレクトロポレーションした。
5.4.1 一次スクリーニング
5.4.1.1 説明
一次スクリーニングはシングルポイントELISA (single point ELISA: SPE)からなり、これは、本質的にWuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)に記載されるように、96深底ウェルプレートで増殖させて個々の組換えM13クローン(§5.3.5参照)を感染させた、1 mLの細菌培養物から調製したペリプラズム(周辺細胞質)抽出物を用いて行った。簡単に述べると、96ウェルMaxisorp Immunoplateの各ウェルに20〜500 ngのヤギ抗ヒトFab抗体をコーティングし、3% BSA/PBSを用いて37℃で2時間ブロックし、その後サンプル(ペリプラズムに発現されたFab)と共に室温で1時間インキュベートした。次に、300 ng/ウェルのビオチン化ヒトEphA2-Fcを室温で1時間添加した。続いて、neutravidin-ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートと共に室温で40分間インキュベートした。HRP活性をテトラメチルベンジジン(TMB)基質により検出し、この反応を0.2 M H2SO4で停止させた。プレートを450 nmで読み取った。
100 ngのヤギ抗ヒトFab捕捉試薬を用いてスクリーニングしたライブラリーAからの約500個のクローンのうち、14個が有意なシグナル(OD450が0.2〜0.6)を示した。これは、典型的には、無関係な抗体(MEDI-493; S. Johnsonら, J. Infect. Dis. 176: 1215-1224 (1997))の対応するバックグラウンドシグナル(OD450が0.1〜0.4)を少なくとも1.3倍上回るシグナルに相当した。こうした条件下で、Fab 233は0.4〜0.6のOD450を示した。
まとめて、ライブラリーAからの9個のクローン、ライブラリーBからの7個のクローン、そしてライブラリーCからの0個のクローンが、第2の独立したシングルポイントELISAで、15 mLの細菌培養物から調製したペリプラズム抽出物と500 ngのヤギ抗ヒトFab捕捉試薬を用いて再確認された。詳細には、中でも最も高い[特異的OD450/バックグラウンドOD450]比(約15〜50の範囲)を示した、ライブラリーAからの2個のクローン (VH-233/VL-12C8およびVH-233/VL-8G7) を、ABI3000 ゲノムアナライザを使ってジデオキシ塩基配列決定によりさらに特徴づけた。クローンVH-233/VL-12C8のDNA配列解析は、その重鎖が塩基104に単一塩基置換を含み、その結果として位置H35(Kabatナンバリング)に置換(NからS)が生じていることを明らかにした。この変異は、QuickChange XL 部位特異的変異誘発キット (Stratagene, La Jolla, CA) を用いて製造業者の使用説明書に従って修正された。この修正クローンVH-233/VL-12C8は、最大で約50(変異型VH-233/VL-12C8と類似)の[特異的OD450/バックグラウンドOD450]比を示し、EphA2-Fcとの結合を保持していた。部分的にヒト化されたクローンVH-233/VL-12C8およびVH-233/VL-8G7はその後、二次スクリーニングによるさらなる特徴付けのために選択された(§5.4.2参照)。VL-12C8およびVL-8G7の配列を図3に示す。上述したように、これら2つのヒト化軽鎖はその後ライブラリーBの設計に加えられた。中でも最も高い[特異的OD450/バックグラウンドOD450]比(約40)を示した、このライブラリーからの3個のクローンは、ジデオキシ塩基配列決定によりさらに特徴づけた。これは、3つの異なるヒト化重鎖(VH-2G6、VH-6H11およびVH-7E8; 図3参照)の同定をもたらした。VH-2G6、VH-6H11およびVH-7E8は、それぞれVL-12C8、VL-8G7およびVL-8G7と対を形成することが分かった。これら3個の、十分にヒト化されたクローンはその後、二次スクリーニングによるさらなる特徴付けのために選択された(§5.4.2参照)。
5.4.2.1 説明
先に同定したヒト化クローン(§5.4.1.3参照)をさらに特徴付けるために、15 mLの細菌培養物から調製したペリプラズム抽出物中の発現されたFabフラグメントを用いて二次スクリーニングを実施した。より詳細には、2つのELISAを使用した: (i) 機能的ELISA、ここでは、96ウェルMaxisorp Immunoplateの各ウェルに500 ngのヒトEphA2-Fcをコーティングして、3% BSA/PBSを用いて37℃で2時間ブロックした。次に、2倍連続希釈したサンプルを加え、室温で1時間インキュベートした。その後、ヤギ抗ヒトκホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートとのインキュベーションを行った。HRP活性をTMB基質により検出し、0.2 M H2SO4で反応を停止させた。プレートを450 nmで読み取った; (ii) 抗ヒトFab定量ELISA、これは本質的にWuら, Methods Mol. Biol. 207: 213-233 (2003)に記載されるとおりに実施した。簡単に説明すると、96ウェルImmulon Immunoplateの各ウェルに100 ngのヤギ抗ヒトFab抗体をコーティングし、次に2倍連続希釈したサンプル(1/25 希釈で開始)または標品(ヒトIgG Fab、500-3.91 ng/ml)と共にインキュベートした。その後、ヤギ抗ヒトκホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートとのインキュベーションを行った。HRP活性をTMB基質により検出し、0.2 M H2SO4で反応を停止させた。プレートを450 nmで読み取った。
2部の二次ELISAスクリーニングにより、ヒトEphA2との結合に関してFabクローンVH-233/VL-12C8、VH-233/VL-8G7、VH-2G6/VL-12C8、VH-6H11/VL-8G7およびVH-7E8/VL-8G7を互いに比較し、さらにmAb B233のキメラFab (VH-233/VL-233)と比較することができた。図4に示すように、全てのフレームワークシャフル型Fabは、mAb B233のキメラFabと比較して、ヒトEphA2との結合を保持している。興味深いことに、重鎖と軽鎖が両方ともヒト化されている一部のクローン (VH-2G6/VL-12C8およびVH-7E8/VL-8G7) は、同じ軽鎖のみがヒト化されているクローン (VH-233/VL-12C8およびVH-233/VL-8G7) よりも良好なヒトEphA2-Fcへの見かけの結合を示す。このことは、最適な抗原結合のために、所定のヒト化軽鎖との関連においてヒト化重鎖を特異的に選択するプロセスが存在することを示している。十分にヒト化された分子をさらに特徴付けるために、クローンVH-2G6/VL-12C8、VH-6H11/VL-8G7およびVH-7E8/VL-8G7、ならびにmAb B233のキメラ体 (VH-233/VL-233) をその後クローニングして、全長ヒトIgG1として発現させた(§5.5参照)。
フレームワークシャフル型クローンVH-2G6、VH-6H11、VH-7E8、VL-12C8およびVL-8G7の可変領域、ならびにVH-233およびVL-233の可変領域を、対応するV領域コード化M13ファージベクターから、pfu DNAポリメラーゼを用いてPCR増幅した。次いでそれらを、ヒトサイトメガロウイルス主要前初期(hCMVie)エンハンサー、プロモーターおよび5'-非翻訳領域をコードする哺乳動物発現ベクターに個々にクローニングした。M. Boshartら, Cell 41:521-530 (1985)。この系では、ヒトγ鎖がヒトκ鎖と共に分泌される。S. Johnsonら, Infect. Dis. 176:1215-1224 (1997)。別個の構築物をヒト胚性腎(HEK)293細胞において一過性に発現させ、トランスフェクションの72時間後に回収した。分泌された可溶性ヒトIgG1は、直接1 mLのHiTrapプロテインAまたはプロテインGカラムで製造業者の使用説明書 (APBiotech, Inc., Piscataway, NJ)に従って、馴らし培地から精製した。精製済みのヒトIgG1(典型的には、SDS-PAGEで判定して>95%の均一性)を2〜13μg/ml(馴らし培地)の収量で回収し、リン酸緩衝溶液(PBS)に対して透析し、瞬間凍結して-70℃で貯蔵した。
可溶性VH-2G6/VL-12C8、VH-6H11/VL-8G7、VH-7E8/VL-8G7およびVH-233/VL-233 IgGと、ならびにmAb B233と、固定化EphA2-Fcとの相互作用は、表面プラズモン共鳴検出によりBIAcore 3000装置 (Pharmacia Biosensor, Uppsala, Sweden) を使ってモニターした。EphA2-Fcは、CM5センサーチップ (Pharmacia Biosensor) のデキストランマトリックスに、Amine Coupling Kitを用いて、記載される(B. Johnssonら, Anal. Biochem. 198: 268-277 (1991))ように105〜160 RUの表面密度でカップリングさせた。IgGは、0.15 M NaCl、3 mM EDTAおよび0.005% P20を含有する0.01 M HEPES pH 7.4中に希釈した。その後の希釈はすべて、同一のバッファーで行った。全ての結合実験は、一般的に100 nMから0.2 nMまでのIgG濃度を用いて75μL/minの流速で25℃にて行った。データを約25分間収集し、1M NaCl、50 mM NaOHの1分パルスを1回用いて表面を再生させた。また、IgGを非コーティングセル上にも流し、これらのブランク実験からのセンサーグラムを、EphA2-Fcをカップリングさせたチップを用いて得られたセンサーグラムから差し引いた。データは1:1 Langmuir結合モデルに適合させた。このアルゴリズムはkonとkoffの両方を計算し、そこから見かけの平衡解離定数KDを2つの速度定数の比(koff / kon)として推論する。得られた値を表66に示す。
5.7.1 配列解析
全体的に、ヒトEphA2-Fcへの効率的な結合を支援する2つの特異なヒト化軽鎖(VL-12C8およびVL-8G7)と3つの特異なヒト化重鎖(VH-2G6、VH-6H11およびVH-7E8)が見いだされた。ヒト化軽鎖VL-8G7の無差別な性質は、2つの異なる重鎖(VH-7E8およびVH-6H11)との関係で生産的結合を媒介するその能力によって反映される。これらのヒト化変異体の全ては、対応するフレームワーク領域において高レベルのmAb B233に対する全体的アミノ酸同一性を示し、重鎖についてが76〜83%、軽鎖についてが64〜69%であった(図5)。このことは、高相同性のヒトフレームワークが親のキー残基を保持しているらしい、ということで説明できる。個々のフレームワークの解析は広範囲の相違を明らかにし、その相違は、VL-12C8の第1フレームワークについての48%からVH-2G6、VH-6H11およびVH-7E8の第4フレームワークについての91%までの範囲にわたる。
mAb B233の軽鎖および重鎖が成功裏にヒト化された(ライブラリーAおよびB)2段階ヒト化方法によってのみ、我々がヒトEphA2-Fcへの結合を保持するヒト化クローンを単離できた、ということは全然価値がないことである。実際、軽鎖と重鎖の両方が同時にヒト化された(ライブラリーC)ライブラリーのスクリーニングから、我々は、この抗原への検出可能な結合を示す分子を回収することができなかった。これはおそらく、最適状態に及ばないライブラリーの質、不完全なライブラリーのサンプリングおよび/またはライブラリーのタンパク質の非効率的な原核生物発現といった要因を反映している。我々は、より多数のクローンをスクリーニングすれば、ヒトEphA2への結合を保持するヒト化抗体フラグメントが同定されたであろう、と予想している。
本明細書中に引用された全ての文献は、個々の刊行物、特許または特許出願があらゆる目的のために参照することにより本明細書に組み入れられるように具体的かつ個別に示されているのと同程度に、あらゆる目的のためにその全体を参照することにより本明細書に含めるものとする。本発明の多くの修飾および変更が、その精神および範囲を逸脱することなく可能であるが、このことは当業者には明らかであろう。
Claims (15)
- 重鎖可変領域ポリペプチドをコードする複数のヌクレオチド配列を含むコンビナトリアルライブラリーの作製方法であって、重鎖可変領域ポリペプチドをコードする該ヌクレオチド配列がそれぞれ、重鎖フレームワーク領域(FR)1をコードする核酸配列、重鎖相補性決定領域(CDR)1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製され、核酸配列はインフレームで、かつ以下の順序:5'-FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4-3'で融合され、その際、前記CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、重鎖フレームワーク領域をコードする少なくとも1つの核酸配列は該重鎖フレームワーク領域をコードする複数の核酸配列を含むサブバンクから得られるものである、上記方法。
- 軽鎖可変領域ポリペプチドをコードする複数のヌクレオチド配列を含むコンビナトリアルライブラリーの作製方法であって、軽鎖可変領域ポリペプチドをコードする該ヌクレオチド配列がそれぞれ、軽鎖フレームワーク領域(FR)1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製され、核酸配列はインフレームで、かつ以下の順序:5'-FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4-3'で融合され、その際、前記CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、軽鎖フレームワーク領域をコードする少なくとも1つの核酸配列は該軽鎖フレームワーク領域をコードする複数の核酸配列を含むサブバンクから得られるものである、上記方法。
- (i)重鎖フレームワーク領域(FR)1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製され、核酸配列はインフレームで、かつ以下の順序:5'-FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4-3'で融合された、重鎖可変領域ポリペプチドをコードする第1セットのヌクレオチド配列、ならびに(ii)軽鎖フレームワーク領域1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することによりそれぞれ作製され、核酸配列はインフレームで、かつ以下の順序:5'-FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4-3'で融合された、軽鎖可変領域ポリペプチドをコードする第2セットのヌクレオチド配列、を含むコンビナトリアルライブラリーの作製方法であって、その際、前記重鎖CDRはドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、前記軽鎖CDRはドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、重鎖フレームワーク領域をコードする少なくとも1つの核酸配列は該重鎖フレームワーク領域をコードする複数の核酸配列を含むサブバンクから得られ、軽鎖フレームワーク領域をコードする少なくとも1つの核酸配列は該軽鎖フレームワーク領域をコードする複数の核酸配列を含むサブバンクから得られるものである、上記方法。
- 前記ヌクレオチド配列のコンビナトリアルライブラリーを細胞の集団に導入することをさらに含む、請求項1、2又は3に記載の方法。
- 抗原と免疫特異的に結合する抗体を作製する方法であって、
(a)重鎖可変領域ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をそれぞれ含む複数のポリヌクレオチド配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域(FR)1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製され、核酸配列はインフレームで、かつ以下の順序:5'-FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4-3'で融合されるものであり、その際、前記CDRは、前記抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、重鎖フレームワーク領域をコードする少なくとも1つの核酸配列は該重鎖フレームワーク領域をコードする複数の核酸配列を含むサブバンクから得られるものであること、
(b)重鎖可変領域ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列と軽鎖可変領域ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列とを細胞の集団に導入すること、
(c)重鎖可変領域と軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド配列を発現させること、
を含む、上記方法。 - 抗原と免疫特異的に結合する抗体を作製する方法であって、
(a)軽鎖可変領域ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をそれぞれ含む複数のポリヌクレオチド配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域(FR)1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製され、核酸配列はインフレームで、かつ以下の順序:5'-FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4-3'で融合されるものであり、その際、前記CDRは、前記抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、軽鎖フレームワーク領域をコードする少なくとも1つの核酸配列は該軽鎖フレームワーク領域をコードする複数の核酸配列を含むサブバンクから得られるものであること、
(b)軽鎖可変領域ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列と重鎖可変領域ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列とを細胞の集団に導入すること、
(c)重鎖可変領域と軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド配列を発現させること、
を含む、上記方法。 - 抗原と免疫特異的に結合する抗体を作製する方法であって、
(a)重鎖可変領域ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をそれぞれ含む複数の第1ポリヌクレオチド配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、重鎖フレームワーク領域(FR)1をコードする核酸配列、重鎖CDR1をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、重鎖CDR2をコードする核酸配列、重鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、重鎖CDR3をコードする核酸配列、および重鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製され、核酸配列はインフレームで、かつ以下の順序:5'-FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4-3'で融合されるものであり、その際、前記CDRは、前記抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体の重鎖可変領域に由来し、重鎖フレームワーク領域をコードする少なくとも1つの核酸配列は該重鎖フレームワーク領域をコードする複数の核酸配列を含むサブバンクから得られるものであること、
(b)軽鎖可変領域ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をそれぞれ含む複数の第2ポリヌクレオチド配列を合成すること、ただし、前記ヌクレオチド配列は、軽鎖フレームワーク領域(FR)1をコードする核酸配列、軽鎖CDR1をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域2をコードする核酸配列、軽鎖CDR2をコードする核酸配列、軽鎖フレームワーク領域3をコードする核酸配列、軽鎖CDR3をコードする核酸配列、および軽鎖フレームワーク領域4をコードする核酸配列を一緒に融合することにより作製され、核酸配列はインフレームで、かつ以下の順序:5'-FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4-3'で融合されるものであり、その際、前記CDRは、前記抗原と免疫特異的に結合するドナー抗体の軽鎖可変領域に由来し、軽鎖フレームワーク領域をコードする少なくとも1つの核酸配列は該軽鎖フレームワーク領域をコードする複数の核酸配列を含むサブバンクから得られるものであること、
(c)ステップ(a)および(b)で合成されたポリヌクレオチド配列を、細胞の集団に導入すること、
(d)重鎖可変領域と軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチド配列を発現させること、
を含む、上記方法。 - ポリヌクレオチド配列を発現させるステップの後、抗原と免疫特異的に結合する抗体をスクリーニングするステップをさらに含む、請求項5、6又は7に記載の方法。
- ステップ(a)の前に、フレームワーク領域配列のサブバンクを作製するステップをさらに含む、請求項5、6、7又は8に記載の方法。
- フレームワーク領域サブバンクが、生殖系列フレームワーク配列由来のフレームワーク領域及び/又は機能的抗体配列由来のフレームワーク領域を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- フレームワーク領域サブバンクが、1以上の突然変異が導入された、生殖系列フレームワーク配列由来のフレームワーク領域及び/又は機能的抗体配列由来のフレームワーク領域を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- フレームワーク領域サブバンクが、ヒト生殖系列フレームワーク配列由来のフレームワーク領域及び/又は機能的ヒト抗体配列由来のフレームワーク領域を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- フレームワーク領域サブバンクが、1以上の突然変異が導入された、ヒト生殖系列フレームワーク配列由来のフレームワーク領域及び/又は機能的ヒト抗体配列由来のフレームワーク領域を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- ドナー抗体の重鎖可変領域に由来するCDRの1以上が、該ドナー抗体の対応するCDRをコードする核酸配列に対して1以上の変異を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 各フレームワーク領域が1以上のサブバンクに由来するものである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
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