JP2000508522A - アポトーシス誘導分子ii - Google Patents

アポトーシス誘導分子ii

Info

Publication number
JP2000508522A
JP2000508522A JP9533436A JP53343697A JP2000508522A JP 2000508522 A JP2000508522 A JP 2000508522A JP 9533436 A JP9533436 A JP 9533436A JP 53343697 A JP53343697 A JP 53343697A JP 2000508522 A JP2000508522 A JP 2000508522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aim
polypeptide
amino acid
seq
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9533436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000508522A5 (ja
Inventor
エブナー,ラインハルト
ルーベン,スティーブン・エム
ユ,グオ―リアン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Human Genome Sciences Inc
Original Assignee
Human Genome Sciences Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Human Genome Sciences Inc filed Critical Human Genome Sciences Inc
Publication of JP2000508522A publication Critical patent/JP2000508522A/ja
Publication of JP2000508522A5 publication Critical patent/JP2000508522A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70575NGF/TNF-superfamily, e.g. CD70, CD95L, CD153, CD154
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/08Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease
    • A61P19/10Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease for osteoporosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • A61P33/02Antiprotozoals, e.g. for leishmaniasis, trichomoniasis, toxoplasmosis
    • A61P33/06Antimalarials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2799/00Uses of viruses
    • C12N2799/02Uses of viruses as vector
    • C12N2799/021Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid
    • C12N2799/026Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid where the vector is derived from a baculovirus

Abstract

(57)【要約】 本発明はTNFリガンドスーパーファミリーの新規要素アポトーシス誘導分子II(AIM II)に関する。具体的には、ヒトAIM IIタンパク質をコードする単離された核酸分子を提供する。またAIM IIポリペプチドと、それを生産するためのベクター、宿主細胞および組換え法も提供する。さらに本発明は、AIM II活性の作動薬および拮抗薬を同定するためのスクリーニング法に関する。またリンパ節症、自己免疫疾患、移植片対宿主疾患を処置するための治療法と、腫瘍細胞増殖などの異常増殖を抑制するための治療法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 アポトーシス誘導分子II 発明の背景 発明の分野 本発明は、TNFリガンドスーパーファミリーの新規要素に関する。具体的には 、ヒトアポトーシス誘導分子II(Apoptosis Inducing Molecule II;AIM II)を コードする単離された核酸分子を提供する。AIM IIポリペプチドと、それを生産 するためのベクター、宿主細胞および組換え法も提供する。さらに本発明は、AI M II活性の作動薬および拮抗薬を同定するためのスクリーニング法に関する。ま たリンパ節症、自己免疫疾患、移植片対宿主疾患を処置するための治療法と、腫 瘍細胞増殖などの異常増殖を抑制するための治療法も提供する。 関連技術 ヒト腫瘍壊死因子α(TNF-α)とヒト腫瘍壊死因子β(TNF-βまたはリンホト キシン)は、インターフェロン、インターロイキンおよび増殖因子を含む広範な ポリペプチド媒介物質群(これらはサイトカインと総称される)の関連要素であ る(Beultler,B.およびCerami,A.,Annu.Ret.,Immnol.,7:625-665 (1989))。 腫瘍壊死因子(TNF-αとTNF-β)はもともとはその抗腫瘍活性に基づいて発見 されたのだが、現在では、いくつかの形質転換細胞系のアポトーシス、細胞の活 性化および増殖の媒介を含む数多くの生理活性を持ち、免疫調節と炎症にも重要 な役割を果たす能力を持つ多面性サイトカインであると認識されている。 現在までに知られているTNFリガンドスーパーファミリーの要素には、TNF-α 、TNF-β(リンホトキシン-α)、LT-β、OX40L、Fasリガンド、CD30L、CD27L、 CD40および4-IBBLがある。TNFリガンドスーパーファミリーのリガンド群は、細 胞外ドメインに約20%(12%〜36%)の配列相同性を持つ酸性のTNF様分子で、主に 膜結合型として存在し、その生理活性型は三量体/多量体型複合体である。TNFリ ガンドスーパーファミリーの可溶型要素は、現在までのところTNF、LTαおよびF asリガンドにしか認められていない(概要については、参考文献として本明細書 の一部を構成するGruss,H.およびDower,S.K.,Blood,85(12):3378-3404 (1995)を参照されたい)。 これらのタンパク質は細胞の増殖、活性化および分化の調節(細胞の生存とア ポトーシスまたは細胞毒性による死の制御を含む)に関与している(Armitage,R .J.,Curr.Opin.Immunol.6:407(1994)およびSmith,C.A.,Cell 75:959 (1994))。 哺乳類の発生は、細胞の増殖および分化と、アポトーシスによって起こるプロ グラムされた細胞死の両方に依存している(Walkerら,Methods Achiev.Exp. Pathol.13:18(1988))。アポトーシスは自己抗原を認識する免疫胸腺細胞の破壊 に不可欠な役割を果たしている。この正常な除去過程の欠損は、自己免疫疾患に ある役割を果たすと思われる(Gammonら,Immunology Today 12:193(1991))。 Itohら(Cell 66:233(1991))は、アポトーシスを媒介しT細胞の特定クローン 欠失に関与する細胞表面抗原Fas/CD95について記述している。Fasは活性化したT 細胞、B細胞、好中球に発現し、成体マウスでは活性化したT細胞、B細胞、好中 球に加えて胸腺、肝臓、心肺および卵巣にも発現する(Watanabe-Fukunagaら,J .Immunolo.148:1274(1992))。Fasに対するモノクローナル抗体をFasに架橋す る実験では、アポトーシスが誘導される(Yoneharaら,J Exp.Med. 169:1747(1989)、Trauthら,Science 245:301(1989))。また、Fasへのモノクロ ーナル抗体の結合が一定の条件下でT細胞を刺激しうるという例もある (Aldersonら,J.Exp.Med.178:2231(1993))。 Fas抗原は相対分子量45Kdの細胞表面タンパク質である。Fasのヒト遺伝子とネ ズミ遺伝子はどちらもWatanabe-Fukunagaら(J.Immnol.148:1274(1992))とIt ohら(Ce1166:233(1991))によってクローン化されている。これらの遺伝子がコ ードするタンパク質はいずれも、神経成長因子/腫瘍壊死因子レヤプタースーパ ーファミリー(これには2つのTNFレセプターと、低親和性神経成長因子レセ プター、LTf3レセプタ-CD40、CD27、CD30および0X40が含まれる)と構造的に相 同な膜貫通タンパク質である。 最近になって、Fasリガンドが記述された(Sudaら,Ce1175:1169(1993))。そ のアミノ酸配列によると、FasリガンドはTNFファミリーに属する11型膜貫通タン パク質である。Fasリガンドは牌細胞と胸腺細胞で発現する。精製Fasリガンド は40kdの分子量を持つ。 最近、T細胞の活性化に続くアポトーシスにはFas/Fasリガンド相互作用が必要 であることが明らかになった(Juら,Nature 373:444(1995)、Brunnerら, Nature 373:441(1995))。T細胞の活性化は細胞表面に両タンパク質を誘導する。 続いて起こるそのリガンドとレセプターの相互作用が、その細胞のアポトーシス をもたらす。このことは、正常な免疫反応においてFas/Fasリガンド相互作用に よって誘導されるアポトーシスが果たすと考えれる調節的役割を裏付けている。 本発明のポリペプチドは、構造上の類似性と生物学的類似性に基づいて、TNF リガンドスーパーファミリーの新規要素であると同定された。 正常細胞と異常細胞の活性化と分化を調節する因子が必要とされていることは 明らかである。したがって、正常時と疾患状態の両方で細胞の活性化と分化を調 節するそのような因子の同定と特徴づけが必要である。特に、自己免疫疾患、移 植片対宿主疾患およびリンパ節症を治療するには、アポトーシスを制御する新な Fasリガンドを単離し、特徴づける必要がある 発明の要約 本発明は、図1A〜Cに示すアミノ酸配列(配列番号2)または1996年8月22日にA TCC寄託物・受託番号97689として寄託された細菌宿主中のcDNAクローンがコード するアミノ酸配列を持つAIM IIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含 む単離された核酸分子を提供する。 また本発明は、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、その組換 えベクターを含有する宿主細胞、およびそれらのベクターと宿主細胞を作成する 方法、ならびに組換え法によるAIM IIポリペプチドまたはAIM IIペプチドの生産 にそれらを使用する方法にも関係する。 さらに本発明は、本明細書に記述するポリヌクレオチドによってコードされる アミノ酸配列を持つ単離されたAIM IIポリペプチドを提供する。 本明細書で使用する「AIM II」ポリペプチドという用語は、膜結合型タンパク 質(細胞質ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞外ドメインを含む)と、AIM II ポリペプチド活性を持つ先端切断型タンパク質を包含する。一態様として、可溶 性AIM IIポリペプチドはAIM IIタンパク質の細胞外ドメインの全部または一部を 含むが、そのポリペプチドを細胞膜に留めておく膜貫通領域を欠く。またその可 溶性AIM IIタンパク質が分泌されうるのであれば、膜貫通領域の一部や、細胞質 ドメインの一部またはその他の配列も、可溶性AIM IIに含まれうる。可溶性AIM IIポリペプチドが発現時に分泌されるように、異種シグナルペプチドを可溶性 AIM IIポリペプチドのN末端に融合することができる。 また本発明は、末梢トレランスを刺激し、いくつかの形質転換細胞系を破壊し 、細胞の活性化と増殖を媒介するために使用することができ、免疫調節と炎症反 応の一次媒介物質として機能的に関連づけられ、リンパ節症、自己免疫疾患、移 植片対宿主疾患を治療するために使用できるAIM IIポリペプチド、具体的にはヒ トAIM IIポリペプチドを提供する。 さらに本発明は、試験管内の細胞、生体外の細胞および生体内の細胞、もしく は多細胞生物に投与するための、AIM IIポリヌクレオチドまたはAIM IIポリペプ チドを含む組成物を提供する。本発明のこの側面のとりわけ好ましいある態様で は、その組成物が疾患を治療するために宿主生物内でAIM IIポリペプチドを発現 させるためのAIM IIポリヌクレオチドを含む。この点については、異常な内因性 AIM II活性と関係する機能不全を治療するための人間の患者での発現が、とりわ け好ましい。 また本発明は、AIM IIが誘導する細胞反応を増進または抑制することができる 化合物を同定するためのスクリーニング法を提供する。このスクリーニング法で は、AIM IIを発現させる細胞を候補化合物と接触させ、細胞反応を測定し、その 細胞反応を基準細胞反応(この基準は接触をその候補化合物の不在下で行なうこ とによって測定される)と比較する。この場合、基準より高い細胞反応はその化 合物が作動薬であることを示し、基準より低い細胞反応はその化合物が拮抗薬で あることを示す。 もう1つの側面として、AIM II作動薬とAIM II拮抗薬のスクリーニング検定法 を提供する。拮抗薬は敗血症性ショック、炎症、大脳マラリア、HIVウイルスの 活性化、移植片宿主拒絶、骨吸収、慢性関節リウマチ、悪液質(消耗性または栄 養失調性)を予防するために使用することができる。 本発明のもう1つの側面は、体内のAIM II活性レベルを増大させる必要がある 個体の処置法であって、そのような個体に本発明の単離されたAIM IIポリペプチ ドまたはその作動薬の治療有効量を含む組成物を投与することからなる方法に関 する。 本発明のさらなる側面は、体内のAIM II活性レベルを減少させる必要がある個 体の処置法であって、そのような個体にAIM II拮抗薬の治療有効量を含む組成物 を投与することからなる方法に関する。 図面の簡単な説明 図1A〜CはAIM IIのヌクレオチド配列(配列番号1)と推定アミノ酸配列(配列 番号2)を表わす。このタンパク質は約26.4kDaの推定分子量を持つ。下線部は AIM IIタンパク質の予想される膜貫通ドメインである。 図2A〜FはAIM IIタンパク質とヒトTNF-α(配列番号3)、ヒトTNF-β(配列番号4 )、ヒトリンホトキシン(配列番号5)およびヒトFasリガンド(配列番号6)のア ミノ酸配列間の類似領域を表わす。 図3A〜FはAIM IIアミノ酸配列の分析を表わす。α、β、ターンおよびコイル 領域、親水性と疎水性、両親媒性領域、可撓性領域、抗原性指数および表面確率 を示している。「ジェームソン・ウルフの抗原性指数」のグラフでは、図1A〜C のほぼアミノ酸残基13〜20、23〜36、69〜79、85〜94、167〜178、184〜196、 221〜233が、高抗原性領域と表示されているAIM IIタンパク質の領域に対応する 。 詳細な説明 本発明は、クローン化cDNAの配列決定によって得た図1A〜Cに示すアミノ酸配 列(配列番号2)を持つAIM IIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含 む単離された核酸分子を提供する。本発明のAIM IIタンパク質は、ヒトTNF-α( 配列番号3)、ヒトTNF-β(配列番号4)、ヒトリンホトキシン(配列番号5)および ヒトFasリガンド(配列番号6)と相同な配列を持つ(図2A〜F)。図1A〜Cに示すヌ クレオチド配列(配列番号1)は、1996年8月22日にアメリカンタイプカルチャー コレクション(20852メリーランド州ロックビル・パークローンドライブ12301) に寄託され、受託番号97689を与えられたcDNAクローンの配列決定によって得た 。この寄託クローンは、pBluescript SK(−)プラスミド(Stratagene社,カリフ ォルニア州ラホーヤ)に含まれている。 核酸分子 特に断わらない限り、DNA分子の配列決定によって得たヌクレオチド配列は、 ここではすべて自動DNA配列決定装置(Applied Biosystems社のモデル373など) を用いて決定し、ここで決定したDNA分子によってコードされるポリペプチドの アミノ酸配列はすべて、上述のように決定したDNA配列の翻訳によって予想した ものである。したがって、このような自動法によって決定されたどのDNA配列に ついてもそうであることが知られているように、ここで決定したヌクレオチド配 列はいずれもいくつかの誤りを含みうる。自動操作によって決定されたヌクレオ チド配列は、通例、配列決定したDNA分子の実際のヌクレオチド配列と少なくと も約90%同一、より一般的には少なくとも約95%〜少なくとも99.9%同一である。 実際の配列は、当技術分野でよく知られている手動DNA配列決定法などといった 他の方法によってより正確に決定することができる。決定したヌクレオチド配列 が実際の配列と比べて単一の挿入または欠失を含む場合は、ヌクレオチド配列の 翻訳にフレームシフトが起こり、決定したヌクレオチド配列によってコードされ る予想アミノ酸配列は、その挿入点または欠失点以降が、配列決定したDNA分子 によって実際にコードされているアミノ酸配列とは全く異なってしまうことも、 当技術分野で知られている通りである。 本明細書に記載の情報(図1A〜Cのヌクレオチド配列など)を利用することに より、標準的なクローニングおよびスクリーニング法(例えばmRNAを出発物質と してcDNAをクローニングする方法など)で、AIM IIポリペプチドをコードする本 発明の核酸分子を得ることができる。本発明の実例となる図1A〜Cに記載の核酸 分子(配列番号1)は、ヒトマクロファージoxLDL(HMCCB64)に由来するcDNAラ イブラリー中に発見された。この遺伝子は活性化T細胞(HT4CC72)から得たcDNA ライブラリーにも認められた。図1A〜Cに示すAIM II cDNAの決定されたヌクレオ チド配列(配列番号1)は、240アミノ酸残基のタンパク質をコードするオープン リーディングフレームを含有する。これは、図1A〜Cのヌクレオチド配列(配列 番号1)の49〜51番目に開始コドンがあり、図1A〜C(配列番号2)の約60番目か ら約240番目までのアミノ酸残基からなる細胞外ドメイン、図1A〜C(配列番号2 )の約37番目から約59番目までのアミノ酸残基からなる膜貫通ドメイン、図1A 〜C(配列番号2)の約1番目から約36番目までのアミノ酸残基からなる細胞内ド メイン、および約26.4kDaの推定分子量を持っている。図1A〜Cに示すAIM IIタン パク質(配列番号2)は、ヒトFasリガンドのアミノ酸配列(図2A〜F)に対して 約26.4%の同一性と約51%の類似性を持ち、ヒトTNF-αのアミノ酸配列(図2A〜F )に対して約26%の同一性と約47%の類似性を持つ。 当業者には理解されるだろうが、寄託したcDNAによってコードされる予想AIM IIポリペプチドは約240アミノ酸を含むのであるが、上述のように配列決定上の 誤りが考えられるので、だいたい230〜250アミノ酸の範囲になるかもしれない。 また使用する基準によっては、AIM IIポリペプチドの細胞外ドメイン、細胞内ド メインおよび膜貫通ドメインの正確な「所在」に関して、わずかに相違すること も理解されるだろう。例えば、図1A〜C(配列番号2)中のAIM II細胞外ドメイン の正確な位置は、そのドメインの定義に使用する基準に依存して極めてわずかに 変動しうる(例えばその所在は約1〜5残基分「シフト(移動)」しうる)。 本発明の核酸分子はmRNAなどのRNA型であってもよいし、例えばクローニング や合成によって得られるcDNAやゲノムDNAなどを含むDNA型であってもよい。DNA は二本鎖であってもよいし、一本鎖であってもよい。一本鎖のDNAやRNAはコード 鎖(センス鎖ともいう)であってもよいし、非コード鎖(アンチセンス鎖ともい う)であってもよい。 「単離された」核酸分子とは、その自然環境から取り出された核酸分子(DNA またはRNA)を意味する。例えばベクター中に含まれる組換えDNA分子は、本発明 においては単離されているとみなされる。単離されたDNA分子のその他の例には 、異種宿主細胞中に維持されている組換えDNA分子や(部分的または実質的に) 精製された溶液状態のDNA分子がある。単離されたRNA分子には、本発明のDNA分 子の生体内または試験管内RNA転写物がある。本発明の単離された核酸分子には 、合成的に生産されたそのような分子も含まれる。 本発明の単離された核酸分子には、図1A〜C(配列番号1)に示すオープンリー ディングフレーム(ORF)を含むDNA分子、図1A〜C(配列番号2)に示すAIM IIタ ンパク質のコード配列を含むDNA分子、および上述の配列とは実質的に異なるが 、遺伝暗号の縮重ゆえに、やはりAIM IIタンパク質をコードする配列を含むDNA 分 子が含まれる。もちろん、遺伝コードは当技術分野でよく知られている。したが って、そのような縮重変種を作成することは、当業者にとっては日常的作業に過 ぎないだろう。 もう1つの側面として、本発明は、1996年8月22日にATCC寄託物・受託番号 97689として寄託されたプラスミドに含まれるcDNAクローンがコードするアミノ 酸配列を持つAIM IIポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供する。 好ましくは、この核酸分子は上述の寄託cDNAクローンによってコードされるポリ ペプチドをコードする。さらに本発明は、図1A〜Cに示す核酸配列(配列番号1) または上述の寄託クローンに含まれるAIM II cDNAのヌクレオチド配列を持つ単 離された核酸分子、もしくは上述の配列の一つに相補的な配列を持つ核酸分子を 提供する。このような単離された分子、とくにDNA分子は、染色体とのin situハ イブリダイゼーションによる遺伝子マッピングや、ノーザンブロット分析などに よるヒト組織でのAIM II遺伝子の発現の検出に使用するプローブとして有用であ る。 さらに本発明は、ここに記述する単離された核酸分子の断片にも向けられる。 寄託したcDNAのヌクレオチド配列または図1A〜Cに示すヌクレオチド配列(配列 番号1)を持つ単離された核酸分子の断片とは、長さが少なくとも約15ヌクレオ チド、より好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくと も約30ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも約40ヌクレオチドであって、 本明細書に記述するように診断プローブおよびプライマーとして有用な断片を意 味する。もちろん本発明によれば、さらに長い50〜1500ヌクレオチド長の断片も 、寄託したcDNAのヌクレオチド配列や図1A〜C(配列番号1)に示すヌクレオチド 配列の(すべてではないにしても)大半に相当する断片と同様に有用である。少 なくとも20ヌクレオチド長の断片とは、例えば寄託したcDNAのヌクレオチド配列 または図1A〜C(配列番号1)に示すヌクレオチド配列に由来する20個またはそれ 以上の連続する塩基を含む断片をいう。 本発明の好ましい核酸断片には、AIM IIタンパク質のエピトープ保持部分をコ ードする核酸配列がある。具体的には、本発明のこのような核酸断片には、図1A 〜C(配列番号2)の約13番目から約20番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチ ド、図1A〜C(配列番号2)の約23番目から約36番目までのアミノ酸残基を含むポ リペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約69番目から約79番目までのアミノ酸残基 を含むポリペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約85番目から約94番目までのアミ ノ酸残基を含むポリペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約167番目から約178番目 までのアミノ酸残基を含むポリペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約184番目か ら約196番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド、および図1A〜C(配列番号 2)の約221番目から約233番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチドをコード する核酸分子が含まれる。本発明者らは、上記のポリペプチド断片がAIM IIタン パク質の抗原性領域であることを決定した。その他のこのようなAIM IIタンパク 質のエピトープ保持部分を決定する方法については後に詳述する。 AIM-IIポリペプチドは本発明に従って様々な用途、具体的にはAIM-IIの化学的 特性と生物学的特性を利用する用途に使用できる。これらの用途には、自己免疫 疾患や異所性細胞増殖への適用がある。また、細胞、組織および生物の診断と処 置に関する用途もある。 また本発明は、相補的ポリヌクレオチドを検出するための(例えば診断試薬な どとしての)AIM-IIポリヌクレオチドの使用に関する。機能不全に関係するAIM- IIの突然変異型の検出は、例えば自己免疫疾患などといったAIM-IIの過少発現、 過剰発現または発現変化がもたらす疾患またはその疾患に対する感受性の診断を 加えうるまたは下しうる診断手段となるだろう。AIM-IIをコードするポリヌクレ オチドは、本発明のポリペプチドの発現に関する診断マーカーとしても使用でき る。というのは、この遺伝子は膵臓腫瘍、精巣腫瘍、子宮内膜腫およびT細胞リ ンパ腫を含む多くの腫瘍細胞系に認められるからである。 もう1つの側面として、本発明は、上述の本発明核酸分子(例えばATCC寄託物 ・受託番号97689に含まれるcDNAクローン)中のポリヌクレオチドの一部に、厳 密なハイブリッド形成条件下でハイブリッド形成するポリヌクレオチドを含む単 離された核酸分子を提供する。「厳密なハイブリッド形成条件」とは、50%ホル ムアミド、5×SSC(150mM NaCl,15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリ ウム(pH7.6)、5×デンハート液、10%硫酸デキストランおよび20g/ml変性剪断サ ケ精子DNAを含む溶液中、42℃で終夜保温した後、そのフィルターを65℃ の0.1×SSC中で洗浄することを意味する。 ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリッド形成するポリヌクレオチドとは、 基準ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド、より好ましくは少なくと も約20ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも約30ヌクレオチド、さらに好 ましくは約30〜70ヌクレオチドとハイブリッド形成するポリヌクレオチド(DNA またはRNA)を意味する。これらは上に述べたような診断プローブおよびプライ マーとして有用であり、これらについては後に詳述する。 「長さが少なくとも20ヌクレオチド」のポリヌクレオチドの一部とは、例えば 基準ポリヌクレオチド(例:寄託したcDNAまたは図1A〜C(配列番号1)に示すヌ クレオチド配列)のヌクレオチド配列に由来する20個またはそれ以上の連続した ヌクレオチドを意味する。 もちろん、ポリA配列(図1A〜C(配列番号1)に示すAIM II cDNAの3'末端ポリ (A)区間など)やT(またはU)残基からなる相補的区間にのみハイブリッド形成 するポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部にハイブリッド形成させるために 使用する本発明のポリヌクレオチドには含まれない。というのは、そのようなポ リヌクレオチドは、ポリ(A)区間またはその相補区間を含有する核酸分子(例え ば実質上すべての二本鎖cDNAクローン)ならいずれにもハイブリッド形成するか らである。 AIM IIポリペプチドをコードする本発明の核酸分子には、次に挙げるものが含 まれうるが、これらに限るわけではない:そのポリペプチドのアミノ酸配列のみ をコードするもの;そのポリペプチドのコード配列と付加的コード配列(リーダ ーまたは分泌配列をコードするものなど)、例えばプレー、プロ-またはプレプロ -タンパク質配列など;そのポリペプチドのコード配列(上述の付加的コード配 列を伴うもの、または伴わないもの)と付加的非コード配列、例えばイントロン や非コード5'および3'配列(転写、mRNAプロセシング(例えばスプライシングや ポリアデニル化シグナルなど)、リボソーム結合、およびmRNAの安定性などに役 割を果たす非転写非翻訳配列など)がその例であるが、これらに限らない;付加 的アミノ酸(例えば付加的機能を与えるものなど)をコードする付加的コード配 列。したがって、本ポリペプチドをコードする配列を、融合ポリペプチドの精製 を容 易にするペプチドをコードする配列などのマーカー配列に融合してもよい。本発 明のこの側面の好ましい態様として、とくにそのマーカーアミノ酸配列をヘキサ ヒスチジンペプチド、例えばその多くが市販されているpQEベクター(Qiagen社 )に含まれている標識などにする。例えばGentzら,Proc.Natl.Acad.Sci.,U SA 86:821-824(1989)に記述されているように、ヘキサヒスチジンを使用すると 、その融合タンパク質の精製が便利になる。「HA」標識は、インフルエンザ赤血 球凝集素タンパク質由来のエピトープに相当する、精製に有用なもう1つのペプ チドであり、これは例えばWilsonら,Cell 37:767(1984)に記述されている。後 述するように、このような融合タンパク質としてはその他に、N末端またはC末端 でFcに融合したAIM IIが挙げられる。 本発明の核酸分子には、N末端メチオニンを欠く全長AIM-IIポリペプチドをコ ードするものも含まれる。 さらに本発明は、AIM IIタンパク質の一部、類縁体または誘導体をコードする 、本発明核酸分子の変種に関する。変種は、天然の対立遺伝子変種のように自然 界に存在するものであってもよい。「対立遺伝子変種」とは、ある生物の染色体 上のある一つの遺伝子座を占める遺伝子の数種類の互換型の一つをいう。Genes II(Lewin,B.編,John Wiley & Sons社,ニューヨーク,1985)。非天然変種は当 技術分野で知られる突然変異誘発法を用いて作ることができる。 このような変種には、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失または 付加などによって作られるものがある。これらの変種はコード領域内、非コード 領域内のどちらに変異をもっていてもよく、またその両方に変異をもってもよい 。コード領域内の変異は保存的または非保存的アミノ酸置換、欠失または付加を もたらしうる。これらのうち特に好ましいものは、AIM IIタンパク質またはその 一部の特性と活性を変化させないサイレントな置換、付加および欠失である。ま た、この点で特に好ましいものは、保存的置換である。 本発明のさらなる態様には、次の(a)〜(g)に挙げるヌクレオチド配列と少 なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一 なヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子がある: (a)図1A〜Cの全アミノ酸配列(配列番号2)を持つAIM IIポリペプチドをコー ドするヌクレオチド配列、(b)ATCC寄託物・受託番号97689に含まれるcDNAクロ ーンによってコードされる全アミノ酸配列を持つAIM IIポリペプチドをコードす るヌクレオチド配列、(c)AIM IIポリペプチド細胞外ドメインをコードするヌ クレオチド配列、(d)AIM IIポリペプチド膜貫通ドメインをコードするヌクレ オチド配列、(e)AIM IIポリペプチド細胞内ドメインをコードするヌクレオチ ド配列、(f)細胞外ドメインと細胞内ドメインを持つが膜貫通ドメインを欠く 可溶性AIM IIポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、および(g)上記(a) 、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌク レオチド配列。 AIM IIポリペプチドをコードする基準ヌクレオチド配列と少なくとも(例えば )95%「同一」なヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチドとは、そのポリヌク レオチドのヌクレオチド配列が、AIM IIポリペプチドをコードする基準ヌクレオ チド配列の100ヌクレオチドにつき5個までの点変異を含みうる点を除いて、その 基準配列と同一であることを意味する。言い換えれば、基準ヌクレオチド配列と 少なくとも95%同一なヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチドを得るには、基 準配列中のヌクレオチドの5%までを削除するか、別のヌクレオチドで置換する ことができ、もしくは基準配列中の全ヌクレオチドの5%までの数のヌクレオチド をその基準配列に挿入してもよい。基準配列のこれらの突然変異は、その基準ヌ クレオチド配列の5'または3'末端位置に存在してもよいし、またそれら末端位置 間の任意の位置で、基準配列内のヌクレオチドのなかにそれぞれ個別に分散して 、あるいは基準配列内の1または複数の連続したグループとして存在してもよい 。 実際問題として、各核酸分子が、例えば図1A〜Cに示すヌクレオチド配列また は寄託したcDNAクローンのヌクレオチド配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、 98%または99%同一であるかどうかは、Bestfitプログラム(Unix用ウィスコンシ ン・シークエンス・アナリシス・パッケージ・バージョン8;Genetics Computer Group,53711ウィスコンシン州マディソン・サイエンスドライブ575・ユニバー シティーリサーチパーク)などといった既知のコンピュータープログラムを用い て定型的に決定することができる。BestfitはSimithおよびWaterman,Advance i n Applied Mathematics 2:484-489(1981)のローカルホモロジーアルゴリズム を用いて、2つの配列間の最適な相同区間を見つけるものである。ある配列が本 発明の基準配列と例えば95%同一であるかどうかを決定するためにBestfitや他の 配列整列プログラムを使用する場合は、もちろん、同一率がその基準ヌクレオチ ド配列の全長にわたって計算され、相同性のギャップがその基準配列中の総ヌク レオチド数の5%まで許容されるように、パラメーターを設定する。 本願は、それらがAIM II活性を持つポリペプチドをコードするかどうかとは無 関係に、図1A〜Cに示す核酸配列(配列番号1)または寄託したcDNAの核酸配列と 少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一な核酸分子に向けられる。こ れは、たとえある核酸分子がAIM II活性を持つポリペプチドをコードしないとし ても、当業者はなおその核酸分子を、例えばハイブリッド形成プローブやポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとして使用する方法を知っているだろうから である。AIM II活性を持つポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の用途 には、例えば(1)cDNAライブラリー中のAIM II遺伝子またはその対立遺伝子変 種の単離、(2)Vermaら,Human Chromosomes:A Manual of Basic Techniques( Pergamon Press社,ニューヨーク,1988)に記述されているような、AIM II遺伝 子の正確な染色体位置を特定するための中期染色体スプレッドに対するin sjtuハイブリダイゼーション(例:FISH)、および特定組織におけるAIM II mRNA 発現を検出するためのノーザンブロット分析などがある。 しかし、図1A〜C(配列番号1)に示す核酸配列または寄託したcDNAの核酸配列 と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一な配列を持つ核酸分子であ って、実際にAIM IIタンパク質活性を持つポリペプチドをコードするものが好ま しい。「AIM II活性を持つポリペプチド」とは、特定の生物学的検定法で測定し たときに、本発明のAIM IIタンパク質の活性と類似する(必ずしも同一である必 要はない)活性を示すポリペプチドを意味する。例えば、AIM IIタンパク質細胞 障害活性は、Zarresら,Cell 70:31-46(1992)に記述されているように、ヨウ化 プロピジウム染色法でアポトーシスを立証することによって測定できる。別法と して、AIM IIが誘導するアポトーシスは、Gavierliら,J.Cell.Biol. 119:493-501(1992)に記述されているようなTUNEL染色法を用いて測定することも できる。 簡単に述べると、ヨウ化プロピジウム染色法は次のように行われる。組織また は培養から得た細胞をホルムアルデヒドで固定し、凍結切片に切断し、ヨウ化プ ロピジウムで染色する。共焦点蛍光顕微鏡を用いて、細胞核をヨウ化プロピジウ ムで可視化する。細胞死はピクノーゼ状の核(染色体凝集、縮小および/または 核の断片化)によって示される。 もちろん、遺伝コードの縮重ゆえに、寄託したcDNAの核酸配列または図1A〜C (配列番号1)に示す核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99% 同一な配列を持つ極めて多数の核酸分子が「AIM IIタンパク質活性を持つ」ポリ ペプチドをコードすることは、当業者にはすぐにわかるだろう。実際、これらの ヌクレオチド配列の縮重変種はすべて同じポリペプチドをコードするので、この ことは上述の比較検定を行なわなくても当業者には明らかだろう。また、縮重変 種でない核酸分子についても、やはりかなりの数がAIM IIタンパク質活性を持つ ポリペプチドをコードすることは、当技術分野では理解されるだろう。当業者は 、タンパク質の機能に有意に影響する可能性の少ないもしくは有意に影響しそう にないアミノ酸置換(例:ある脂肪族アミノ酸の別の脂肪族アミノ酸による置換 する)を十分に認識しているからである。 例えば、表現型上サイレントなアミノ酸置換の作り方に関する指針は、Bowie ,J.U.ら,“Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions(タンパク質配列中のメッセージの解読:アミノ酸置 換に対する耐性)”,Science247:1306-1310(1990)に記述されており、その中で その著者らは、タンパク質がアミノ酸置換に対して驚くほどの耐性を持つことを 示している。 ベクターと宿主細胞 本発明は、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、その組換えベクター で遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法によるAIM IIポリペプチドまたは その断片の生産に関する。 本ポリヌクレオチドは、宿主での増殖用の選択マーカーを含有するベクターに 結合することが好ましい。一般にプラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿 などの沈殿物か、荷電脂質との複合体として導入される。ベクターがウイルスで ある場合は、適当なパッケージング細胞系を用いて試験管内でパッケージし、宿 主細胞に形質導入することができる。 DNA挿入物は適当なプロモーターに機能的に連結されるべきである。適当なプ ロモーターの例を少しだけ挙げると、ラムダファージPLプロモーター、大腸菌la c,trpおよびtacプロモーター、SV40初期および後期プロモーター、レトロウイ ルスLTRのプロモーターなどがある。その他の好適なプロモーターは、当業者に はわかるだろう。発現構築物はさらに転写の開始、終結用の部位と、転写される 領域に翻訳用のリボソーム結合部位を含有するだろう。これらの構築物によって 発現される成熟転写物のコード部分は、好ましくは、翻訳されるポリペプチドの 最初の部分に翻訳開始コドンを含み、最後の部分に適当に配置された停止コドン (UAA、UGAまたはUAG)を含むだろう。 上述のように、発現ベクターは好ましくは、少なくとも1つの選択マーカーを 含むだろう。このようなマーカーには、真核細胞培養用のジヒドロ葉酸レダクタ ーゼやネオマイシン耐性、大腸菌とその他の細菌で培養するためのテトラサイク リンまたはアンピシリン耐性がある。適当な宿主の代表例には、大腸菌、ストレ プトミセス、ネズミチフス菌細胞などの細菌細胞、酵母細胞などの真菌細胞、 Drosophila S2やSpodoptera Sf9細胞などの昆虫細胞、CHO、COSおよびボーズ黒 色腫細胞などの動物細胞、植物細胞などがあるが、これらに限るわけではない。 上述の宿主細胞に適した培養培地と培養条件は、当技術分野で知られている。 細菌での使用に好ましいベクターには、pQE70、pQE60、pQE-9(以上、Qiagen製 )、pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16a、 pNH18A、pNH46A(以上、Stratagene製)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540 、pRIT5(以上、Pharmacia製)がある。好ましい真核ベクターには、pWLNEO、 pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(以上、Stratagene製)、pSVK3、pBPV..pMSG)pSVL( 以上、Pharmacia製)がある。その他の好適なベクターは当業者には直ちに明ら かになるだろう。 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクシヨン、 DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、陽イオン脂質媒介トランスフェ クション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、その他の方法によって達 成できる。このような方法は、Davisら,Basic Methods In Molecular Biology( 1986)など、数多くの標準的実験書に記述されている。 ポリペプチドは融合タンパク質などの修飾型として発現させることができ、ま た分泌シグナルだけでなく、その他の異種機能領域を含んでもよい。例えば精製 中またはその後の操作および貯蔵中の宿主細胞内での安定性と持続性を向上させ るために、追加のアミノ酸(具体的には荷電アミノ酸)からなる領域をそのポリ ペプチドのN末端に付加してもよい。また、精製を容易にするために、ペプチド 成分をそのポリペプチドに付加してもよい。このような領域は、そのポリペプチ ドの最終調製前に除去することができる。分泌または排出を引き起こすため、安 定性を向上させるため、精製を容易にするためなどの目的で、ポリペプチドにペ プチド成分を付加することは、当技術分野ではよく知られた日常的技術である。 好ましい融合タンパク質は、タンパク質の可溶化に役立つ免疫グロブリン由来の 異種領域を含む。例えばEP-A-O 464 533(対応カナダ特許2045869)は、免疫グ ロブリン分子の定常領域の様々な部分をもう1つのヒトタンパク質またはその一 部と共に含む融合タンパク質を開示している。多くの場合、融合タンパク質中の Fc部分は治療や診断での使用に非常に有利であって、例えば薬物動態特性(EP-A 0232 262)などの向上をもたらす。一方、いくつかの用途については、融合タ ンパク質を発現させ、検出し、記述されている有利な方法で精製した後、そのFc 部分を削除できることが望ましいだろう。Fc部分が治療や診断での使用の妨げと なることがわかった場合、例えば融合タンパク質を免疫用の抗原として使用する 場合などが、これに相当する。例えば創薬の研究では、hIL-5などのヒトタンパ ク質が高処理量スクリーニング検定法のためにFc部分に融合されて、hIL-5の拮 抗薬の同定に使用されている。D.Bennettら,Journal of Molecular Recogniti on,Vol.8:52-58(1995)およびK.Johansonら,The Journal of Biological Chemistry,Vol.270,No.16:9459-9471(1995)を参照されたい。 AIM IIタンパク質は、硫酸アンモニウム沈殿、エタノール沈殿、酸抽出、陰イ オン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロ ースクロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、アフィニティーク ロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロ マトグラフィーなどといったよく知られる方法によって、組換え細胞培養から回 収、精製することができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー (HPLC)を精製に使用する。本発明のポリペプチドには、天然の精製品、化学合 成法の生成物、組換え法によって例えば細菌、酵母、高等植物、昆虫、哺乳類細 胞などの原核または真核宿主から生産された産物が含まれる。組換え生産法で使 用した宿主に依存して、本発明のポリペプチドはグリコシル化される場合もある し、グリコシル化されない場合もある。また、本発明のポリペプチドは、宿主が 媒介する過程の結果として、修飾された開始メチオニン残基を含む場合もある。 AIM IIポリペプチドおよび断片 さらに本発明は、寄託したcDNΛによってコードされるアミノ酸配列または図1 A〜C(配列番号2)のアミノ酸配列を持つ単離されたAIM IIポリペプチド、もし くはそのポリペプチドの一部を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。 AIM IIポリペプチドのいくつかのアミノ酸配列を、そのタンパク質の構造また は機能に有意な影響を与えることなく変化させうることは、当技術分野では認め られるだろう。このような配列の相違を企図するのであれば、このタンパク質に は活性を決定づける重要な領域が存在することに留意すべきである。 したがって本発明はさらに、実質的なAIM IIポリペプチド活性を示す、または 後述するタンパク質領域などのAIM IIタンパク質の領域を含むAIM IIポリペプチ ドの変種を包含する。このような突然変異体は、欠失、挿入、反転、反復および タイプ置換を含む。上述のように、どのアミノ酸変化が表現型上サイレントにな りそうかという指針は、Bowie,J.U.ら,“Deciphering the Message in Protei n Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions(タンパク質配列中のメッ セージの解読:アミノ酸置換に対する耐性)”,Science 247:1306-1310(1990) に求めることができる。 したがって、図1A〜C(配列番号2)のポリペプチドまたは寄託したcDNAがコー ドするポリペプチドの断片、誘導体または類縁体は、次に挙げるいずれであって もよい:(i)1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が保存的または非保存的アミノ 酸残基(好ましくは保存的アミノ酸残基)で置換されているものであって、その 置換アミノ酸残基は遺伝暗号によってコードされるものであってもよいし、そう でなくてもよい;(ii)1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの ;(iii)成熟ポリペプチドがもう1つの化合物、例えばそのポリペプチドの半減 期を増大させるための化合物(例:ポリエチレングリコール)などに融合してい るもの;(iv)例えばIgG Fc融合領域ペプチド、リーダーまたは分泌配列、その 成熟ポリペプチドの精製に使用される配列、またはプロタンパク質配列などの付 加的アミノ酸が成熟ポリペプチドに融合しているもの。このような断片、誘導体 および類縁体は、本明細書の内容に基づけば、当業者の技術範囲に含まれると考 えられる。 荷電アミノ酸を別の荷電アミノ酸および中性または負に荷電したアミノ酸で置 換することは、とりわけ興味深い。後者は正電荷が減少したタンパク質をもたら し、AIM IIタンパク質の特徴を改善する。凝集の防止は極めて望ましい。タンパ ク質の凝集は活性の喪失をもたらすばかりでなく、医薬製剤を製造する際に、免 疫原性を持ちうるという理由で問題にもなりうる(Pinckardら,Clin.Exp. Immunol.2:331-340(1967);Robbinsら,Diabetes 36:838-845(1987); Clelandら,Crit.ReV.Therapeutic Drug Carrier Systems 10:307-377 (1993))。 アミノ酸の置換は、細胞表面レセプターへの結合の選択性をも変化させうる。 Ostadaら,Nature 361:266-268(1993)には、一定の突然変異によってTNF-αが2 種類の既知TNFレセプターの一方だけに選択的に結合するようになることが記述 されている。したがって本発明のAIM IIレセプターは、自然の突然変異または人 為的操作による1つまたはそれ以上のアミノ酸の置換、欠失または付加を含みう る。 上述のように、変化は、タンパク質の折りたたみや活性に有意な影響を与えな い保存的アミノ酸置換などの小さな変化であることが好ましい(表1参照)。 表1:保存的アミノ酸置換 本発明のAIM IIタンパク質中で機能に必須なアミノ酸は、当技術分野で知られ ている方法、例えば部位特異的突然変異誘発法やアラニンスキャニング突然変異 誘発法などによって同定することができる(CunninghamおよびWells,Science 24 4:1081-1085(1989))。後者の方法では、分子中の各残基に単一アラニン突然変異 を導入する。次に、得られた突然変異体分子をレセプター結合性や試験管内また は生体内での増殖活性などといった生物活性について調べる。リガンド-レセプ ター結合に重要な部位は、結晶化、核磁気共鳴法、フォトアフィニティーラベル などの構造分析によって決定することもできる(Smithら,J.Mol.Biol.224:89 9-904(1992)およびde Vosら,Science 255:306-312(1992))。 本発明のポリペプチドは、好ましくは単離された形態で提供される。「単離さ れたポリペプチド」とは、その自然環境から取り出されたポリペプチドを意味す る。したがって組換え宿主細胞内で生産され、それに含まれるポリペプチドは、 本発明においては「単離」されているとみなされる。組換え宿主から部分的また は実質的に精製されたポリペプチドも「単離されたポリペプチド」であると解釈 される。例えば、組換え生産型のAIM IIポリペプチドは、SmithおよびJohnson, Gene 67:31-40(1988)に記載の一段階法で実質的に精製することができる。 本発明のポリペプチドには、寄託したcDNAによってコードされるポリペプチド 、図1A〜C(配列番号2)のポリペプチド、N末端メチオニンを欠く図1A〜C(配列 番号2)のポリペプチド、その細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内ドメイ ン、細胞外ドメインと細胞内ドメインの全部または一部を含むが膜貫通ドメイン を欠く可溶性ポリペプチド、および寄託したcDNAがコードするポリペプチドまた は図1A〜C(配列番号2)のポリペプチドと少なくとも80%同一、より好ましくは 少なくとも90%または95%同一、さらに好ましくは少なくとも96%、97%、98%また は99%同一なポリペプチドが含まれ、また、少なくとも30アミノ酸、より好まし くは少なくとも50アミノ酸を持つそのようなポリペプチドの一部も含まれる。 基準となるAIM IIポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも(例えば)95% 「同一」なアミノ酸配列を持つポリペプチドとは、そのポリペプチドのアミノ酸 配列が、AIM IIポリペプチドの基準アミノ酸の100アミノ酸につき5個までのアミ ノ酸変異を含みうる点を除いて、その基準配列と同一であることを意味する。言 い換えれば、基準アミノ酸配列と少なくとも95%同一なアミノ酸配列を持つポリ ペプチドを得るには、基準配列中のアミノ酸残基の5%までを削除するか、別のア ミノ酸で置換することができ、もしくは基準配列中の全アミノ酸残基の5%までの 数のアミノ酸をその基準配列に挿入してもよい。基準配列のこれらの変異は、そ の基準アミノ酸配列のアミノ末端またはカルボキシ末端位置に存在してもよいし 、またそれら末端位置間の任意の位置で、基準配列内の残基のなかにそれぞれ個 別に分散して、あるいは基準配列内の1または複数の連続したグループとして存 在してもよい。 実際問題として、各ポリペプチドが、例えば図1A〜C(配列番号2)に示すアミ ノ酸配列または寄託したcDNAクローンがコードするアミノ酸配列と少なくとも90 %、95%、96%、97%、98%または99%同一であるかどうかは、Bestfitプログラム(U nix用ウィスコンシン・シークエンス・アナリシス・パッケージ・バージョン8; Genetics Computer Group,53711ウィスコンシン州マディソン・サイエンスドラ イブ575・ユニバーシティーリサーチパーク)などといった既知のコンピュータ ープログラムを用いて定型的に決定することができる。ある配列が本発明の 基準配列と例えば95%同一であるかどうかを決定するためにBestfitや他の配列整 列プログラムを使用する場合は、もちろん、同一率がその基準アミノ酸配列の全 長にわたって計算され、相同性のギャップがその基準配列中の総アミノ酸残基数 の5%まで許容されるように、パラメーターを設定する。 本明細書で使用する場合、「AIM II」ポリプチドという用語には、膜結合型タ ンパク質(細胞質ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞外ドメインを含む)と、 AIM IIポリペプチド活性を保っている先端切断型タンパク質が含まれる。一態様 として、可溶性AIM IIポリペプチドはAIM IIタンパク質の細胞外ドメインの全部 または一部を含むが、そのポリペプチドを細胞膜に留めておく膜貫通領域を欠く 。またその可溶性AIM IIタンパク質が分泌されうるのであれば、膜貫通領域の一 部や、細胞質ドメインの一部またはその他の配列も、可溶性AIM IIに含まれうる 。可溶性AIM IIポリペプチドが発現時に分泌されるように、異種シグナルペプチ ドを可溶性AIM IIポリペプチドのN末端に融合することができる。 本発明のポリペプチドは、当業者によく知られている方法によるSDS-PAGEゲル や分子篩ゲル濾過カラムでの分子量マーカーとして使用できるだろう。 もう1つの側面として、本発明は、本発明ポリペプチドのエピトープ保持部分 を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチド部分のエピト ープは、ここに記述するポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトープである 。「免疫原性エピトープ」とは、あるタンパク質全体が免疫原である場合に、そ のタンパク質のうち抗体反応を引き起こす部分と定義される。一方、あるタンパ ク質のうち、そこに抗体が結合できる領域は、「抗原性エピトープ」と定義され る。あるタンパク質の免疫原性エピトープの数は、一般に抗原性エピトープの数 より少ない。例えばGeysenら,Proc.Natl.Acad Sci.USA 81:3998-4002(1983) を参照されたい。 抗原性エピトープを保持する(すなわち、タンパク質分子のうち、そこに抗体 が結合できる領域を含有する)ペプチドまたはポリペプチドの選択に関して、タ ンパク質配列の一部を模倣した比較的短い合成ぺプチドが通常、部分的に模倣さ れたそのタンパク質と反応する抗血清を誘導しうることは、当技術分野ではよく 知られている。例えば、Sutcliffe,J.G.,Shinnick,T.M.,Green,N.および Learner,R.A.(1983),Antibodies that react with predetermined sites on proteins(タンパク質の予定した部位と反応する抗体),Science 219:660-666を 参照されたい。タンパク質反応性血清を誘導できるペプチドは、タンパク質の一 次配列に現れることが多く、簡単な一組の化学則で特徴づけることができ、無傷 のタンパク質の免疫優性領域(すなわち免疫原性エピトープ)にもアミノ末端や カルボキシル末端にも限定されない。 したがって、本発明の抗原性エピトープ保持ペプチドおよびポリペプチドは、 本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗体(モノクローナル抗体を含む)を 生じさせるのに役立つ。例えばWilsonら,Cell 37:767-778(1984)の777頁を参照 されたい。 本発明の抗原性エピトープ保持ペプチドおよびポリペプチドは、好ましくは、 本発明のポリペプチドのアミノ酸配列に含まれる少なくとも7個、より好ましく は少なくとも9個、最も好ましくは少なくとも約15〜約30個のアミノ酸からなる 配列を含有する。 AIM II特異抗体を生成させるのに使用できる抗原性ポリペプチドまたはペプチ ドには、次に挙げるものがある(ただしこれらに限らない):図1A〜C(配列番号 2)の約13番目から約20番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド、図1A〜C( 配列番号2)の約23番目から約36番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド、 図1A〜C(配列番号2)の約69番目から約79番目までのアミノ酸残基を含むポリペ プチド、図1A〜C(配列番号2)の約85番目から約94番目までのアミノ酸残基を含 むポリペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約167番目から約178番目までのアミノ 酸残基を含むポリペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約184番目から約196番目ま でのアミノ酸残基を含むポリペプチド、および図1A〜C(配列番号2)の約221番 目から約233番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド。上述のように、本発 明者らは、上記のポリペプチド断片がAIM IIタンパク質の抗原性領域であること を決定した。 本発明のエピトープ保持ペプチドおよびポリペプチドは、任意の従来法で生産 することができる。Houghten,R.A.(1985),General method for the rapid solid-phase synthesis of large numbers of peptides:specificity of antigen-antibody interaction at the level of individual amino acids(多数 のペプチドを迅速に固相合成するための一般法:個々のアミノ酸レベルにおける 抗原抗体相互作用の特異性),Proc.Natl.Acad Sci.USA 82:5131-5135。この “同時多重ペプチド合成(Simultaneous Multiple Peptide Synthesis (SMPS)” 法は、Houghtenらに付与された米国特許第4,631,211号に詳述されている。 本発明のAIM IIポリペプチドは、リンパ節症をもたらすリンパ増殖性疾患を治 療するために使用できる。AIM IIはT細胞の特定クローン欠失を刺激することに よってアポトーシスを媒介するので、自己免疫疾患の治療、末梢トレランスと細 胞障害性T細胞媒介性アポトーシスの刺激に使用できる。AIM IIは、全身性エリ テマトーデス(SLE)、免疫増殖性疾患リンパ節症(IPL)、血管免疫増殖性リンパ節 症(AIL)、免疫芽細胞性リンパ節症(IBL)、慢性関節リウマチ、糖尿病および多発 性硬化症を含む自己免疫異常やアレルギーの生物学を解明するための研究手段と して使用することもでき、また移植片対宿主疾患を治療するためにも使用できる 。 本発明のAIM IIポリペプチドは、腫瘍細胞増殖などの異常増殖を抑制するため にも使用できる。AIM IIポリペプチドは、一定の細胞に対するアポトーシスと細 胞障害性による腫瘍破壊の原因となりうる。AIM IIは内皮起源の細胞に対して増 殖作用を持つので、増殖促進活性を必要とする疾患、例えば再狭窄などを治療す るためにも使用できる。したがってAIM IIは、内皮細胞発達時の造血作用を調節 するためにも使用できる。 本発明は、AIM IIを結合する分子(レセプター分子など)の同定法をも提供す る。AIM IIを結合するレセプタータンパク質などのタンパク質をコードする遺伝 子は、当業者に知られている数多くの方法、例えばリガンドパニング法やFACSソ ーティング法などによって同定することができる。このような方法は、例えば Coliganら,Current Protocols in Immunology,1(2):第5章(1991)など、数多く の実験書に記述されている。 例えば、この目的には発現クローニングを使用することができる。そのために は、ポリアデニル化RNAをAIM IIに反応する細胞から調製し、そのRNAからcDNAラ イブラリーを作成し、そのライブラリーを複数のプールに分けて、そのプールを AIM IIに反応しない細胞に個別に導入する。次に、遺伝子導入した細胞を標識AI M IIに暴露する(AIM IIは、標準的な放射性ヨウ素化法や、部位特異的タンパク 質キナーゼの認識部位の包含などといった、様々な周知の方法によって標識でき る)。暴露後、細胞を固定し、AIM IIの結合量を測定する。これらの方法は通常 、ガラススライド上で行われる。 AIM II結合細胞をもたらしたcDNAのプールを同定する。それらの陽性プールか らサブプールを調製し、宿主細胞に導入し、上述のようにスクリーニングする。 サブプール化と再スクリーニング工程を繰り返すことにより、レセプター分子な どの結合分子と推定されるものをコードする1つまたはそれ以上の単一クローン を単離することができる。 また、標識リガンドを、それが結合する分子(レセプター分子など)を発現さ せる細胞から調製した膜または膜抽出物などの細胞抽出物にフォトアフィニティ ー結合することもできる。架橋物をポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に よって分割し、X線フィルムにさらす。そのリガンド-レセプターを含有する標識 された複合体を切り出し、ペプチド断片に分割し、タンパク質微量配列決定にか けることができる。微量配列決定によって得たアミノ酸配列は、その推定レセプ ター分子をコードする遺伝子を同定する際に、cDNAライブラリーをスクリーニン グするための特異オリゴヌクレオチドプローブまたは縮重オリゴヌクレオチドプ ローブの設計に使用できる。 また本発明のポリペプチドは、細胞または無細胞調製物中のレセプター分子な どのAIM II結合分子のAIM11結合能を評価するためにも使用できる。 当業者には理解されるだろうが、上述の本発明AIM IIポリペプチドとそのエピ トープ保持断片を免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの一部と組み合せて、 キメラポリペプチドにすることができる。これらの融合タンパク質は精製を容易 にし、また生体内で増大した半減期を示す。このことは、例えばヒトCD4ポリペ プチドの最初の2つのドメインと、哺乳類免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定 常領域の様々なドメインとからなるキメラタンパク質について示されている (EPA 394,827;Trauneckerら,Nature 331:84-86(1988))。また、IgG部分があ るためにジスルフィド結合した二量体構造を持つ融合タンパク質は、単量体型AI M IIタンパク質またはタンパク質断片だけよりも、他の分子を効率よく結合およ び中和できる(Fountoulakisら,J.Biochem.270:3958-3964(1995))。 本発明者らは、AIM IIが脾臓、胸腺および骨髄組織中で発現していることを発 見した。敗血症性ショック、炎症、大脳マラリア、HIVウイルスの活性化、移植 片宿主拒絶、骨吸収、慢性関節リウマチおよび悪液質などのいくつかの疾患の場 合、そのような疾患を持つ個体から採取した一定の組織(例えば脾臓、胸腺、骨 髄組織)や体液(例えば血清、血漿、尿、関節液、脊髄液)中には、”標準”AI M II遺伝子発現レベル(すなわち、その疾患を持たない個体から得た組織または 体液中のAIM II発現レベル)よりも有意に上昇または低下したAIM II遺伝子発現 レベルが検出できると考えられる。したがって本発明は、疾患の診断に有用な診 断法であって、(a)個体の細胞または体液中のAIM II遺伝子発現レベルを測定 し、(b)そのAIM II遺伝子発現レベルを標準AIM II遺伝子発現レベルと比較す ることにより、標準発現レベルと比較したAIM II遺伝子発現レベル測定値の上昇 または低下を疾患の指標とする方法を提供する。 AIM II作動薬およびAIM II拮抗薬 また本発明は、細胞に対するAIM IIの作用(例えばレセプター分子などのAIM II結合分子との相互作用)を増進または遮断する化合物を同定するための化合物 スクリーニング法をも提供する。作動薬とはAIM IIの天然の生物学的機能を増大 させるか、AIM IIと類似する機能を果たす化合物であり、一方、拮抗薬はそのよ うな機能を減少または消失させる。 例えば、膜調製物などの細胞区画を、AIM IIを結合する分子(AIM IIによって 調節されるシグナル伝達経路または調節経路の分子など)を発現させる細胞から 調製することができる。その調製物をAIM II作動薬または拮抗薬であるかもしれ ない候補分子の存在下または不在下に、標識AIM IIと共にインキュベートする。 その候補分子がその結合分子またはAIM II自体を結合する能力は、標識リガンド の結合量の減少に反映される。無償的に結合する分子、すなわちAIM II結合分子 に結合したときにAIM IIの作用を誘導しないものは、よい拮抗薬である可能性が 高い。よく結合し、AIM IIと同じ効果または密接に関係する効果を誘発する分子 は作動薬である。 作動薬候補と拮抗薬候補のAIM II様作用は、例えばその候補分子と細胞または 適当な細胞調製物との相互作用後に、第2メッセンジャー系の活性を測定し、そ の作用をAIM IIまたはAIM IIと同じ作用を誘発する分子の効果と比較することに よって測定できる。この点で役立ちうる第2メッセンジャー系には、AMPグアニル 酸シクラーゼ、イオンチャネル、またはホスホイノシチド加水分解第二メッセン ジャー系があるが、これらに限るわけではない。 AIM II拮抗薬に関する検定法のもう1つの例は、AIM IIと拮抗薬候補を、競合 阻害測定法に適した条件下で、膜結合型AIM IIレセプター分子または組換えAIM IIレセプター子と混合する競合測定法である。AIM IIは、放射活性などで、レセ プター分子に結合したAIM II分子の数を正確に測定して拮抗薬候補の有効性を評 価できるように標識することができる。 潜在的拮抗薬としては、本発明のポリペプチドに結合してその活性を阻害また は消失させる小さな有機分子、ペプチド、ポリペプチドおよび抗体がある。また 潜在的拮抗薬は、レセプター分子などの結合分子上で同じ部位に結合するが、 AIM IIが誘導する活性を誘導せず、AIM IIの結合を許さないことによって、AIM IIの作用を妨害する、小さな有機分子、ペプチド、ポリペプチド(近縁タンパク 質など)または抗体であってもよい。 考えうるその他の拮抗薬として、アンチセンス分子がある。アンチセンス技術 は、アンチセンスDNAまたはアンチセンスRNAによる、もしくは三重らせん形成に よる遺伝子発現の制御に使用できる。アンチセンス技術は、例えばOkano,J.Ne urochem.56:560(1991)、Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression(CRC Press社,フロリダ州ボカラトン,1988)などで議論され ている。三重らせん形成については、例えばLeeら,Nucl.Acids Research 6:3073(1979)、Cooneyら,Science 241:456(1988)、Dervanら,Science 251:1360(1991)などで議論されている。これらの方法は、相補的DNAまたは相補 的RNAに対するポリヌクレオチドの結合に基づいている。例えば、本発明の成熟 ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5'コード部分を用いて、約10〜40 塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計することができる。DNAオ リゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の領域に対して相補的であることに より、AIM IIの転写と生産を妨害するように設計される。アンチセンスRNAオリ ゴヌクレオチドは生体内でmRNAとハイブリッド形成し、そのmRNA分子のAIM IIポ リペプチドへの翻訳を遮断する。アンチセンスRNAまたはアンチセンスDNAが生体 内で発現して、AIM IIの産生を阻害しうるように、上述のオリゴヌクレオチドを 細胞に送達することもできる。 本拮抗薬は、例えば後述するような製薬上許容できる担体との組成物として使 用できる。 本拮抗薬は、例えばリポタンパク質リパーゼ(これはAIM IIによって抑制され ると考えられる)の全身性欠乏症に起因する脂質浄化異常である悪液質を治療す るために使用することができる。AIM II拮抗薬は、AIM IIが病因としての役割を 果たしうる大脳マラリアを治療するためにも使用できる。またこれらの拮抗薬は 、滑膜細胞におけるIL-1などの炎症性サイトカインのAIM-II誘導性産生を阻害す ることによって慢性関節リウマチを治療するためにも使用できる。関節炎を治療 する場合は、AIM II拮抗薬を関節内注射することが好ましい。 AIM II拮抗薬は、移植片存在下での免疫系の刺激を阻止することによる移植片 宿主拒絶の予防にも使用できる。 AIM II拮抗薬は、骨吸収の抑制にも使用でき、したがって骨粗鬆症の治療およ び/または予防にも使用できる。 これらの拮抗薬は、抗炎症薬としても使用でき、また内毒素ショックを治療す るためにも使用できる。この危機状態は、細菌感染症やその他のタイプの感染症 に対する過大な反応によって生じる。 癌予後 癌を持つ哺乳動物のある種の組織では、AIM IIタンパク質とAIM IIタンパク質 をコードするmRNAの発現レベルが、対応する"標準"哺乳動物(すなわちその癌を 持たない同じ種の哺乳動物)と比べて有意に減少していると考えられる。また、 癌を持つ哺乳動物から採取したある種の体液(例えば血清、血漿、尿および脊髄 液)では、その癌を持たない同じ種の哺乳動物から採取した血清と比べてAIM II タンパク質のレベルの低下が検出されうると考えられる。したがって本発明は、 腫瘍の診断に役立つ診断法であって、哺乳動物の細胞または体液中のAIM IIタン パク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定し、その遺伝子発現レベルを標準 AIM II遺伝子発現レベルと比較することにより、標準値と比較した遺伝子発現レ ベルの低下を一定の腫瘍の指標とする方法を提供する。 腫瘍の診断が既に従来の方法に従ってなされている場合は、本発明は予後の指 標として役立つ。この場合、AIM II遺伝子発現が増大している患者では、遺伝子 の発現量が少ない患者よりもより良い治療結果が得られるだろう。 「AIM IIタンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定」という表現は、 ある生体試料(第1生体試料)中のAIM IIタンパク質のレベルまたはAIM IIタン パク質をコードするmRNAのレベルを、直接(例えば絶対的なタンパク質レベルま たはmRNAレベルを測定または推定することによって)または相対的に(例えば別 の生体試料(第2生体試料)中のAIM IIタンパク質レベルまたはmRNAレベルと比 較することによって)、定性的または定量的に測定または推定することを意味す る。 好ましくは、第1生体試料中のAIM IIタンパク質レベルまたはmRNAレベルを測 定または推定し、それを標準AIM IIタンパク質レベルまたはmRNAレベル(この標 準値はその癌を持たない個体から得た第2生体試料から得られる)と比較する。 当技術分野では理解されるだろうが、標準AIM IIタンパク質レベルまたはmRNAレ ベルが一旦わかったら、それを標準値として繰り返し比較に利用することができ る。 「生体試料」とは、AIM IIタンパク質またはAIM II mRNAを含有する個体、細 胞系、組織培養またはその他の供給源から得られる任意の生体試料を意味する。 生体試料には、分泌された成熟AIM IIタンパク質を含有する哺乳動物の体液(血 清、血漿、尿、関節液、脊髄液など)と、卵巣、前立腺、心臓、胎盤、膵臓、肝 臓、脾臓、肺、胸および臍組織がある。 本発明は哺乳動物中の癌の検出に役立つ。具体的には、本発明は、哺乳動物中 の次に挙げるタイプの癌の診断に役立つ:乳癌、卵巣癌、前立腺癌、骨癌、肝臓 癌、肺癌、膵臓癌、脾臓癌。好ましい哺乳動物には、サル、類人猿、ネコ、イヌ 、ウシ、ブタ、ウマ、ウサギおよびヒトが含まれる。ヒトは特に好ましい。 全細胞RNAは、ChomczynskiおよびSacchi,Anal.Biochem 162:156-159(1987) に記述されている一段階グアニジウムチオシアネート・フェノール・クロロホル ム法で、生体試料から単離することができる。次に、AIM IIタンパク質をコード するmRNAのレベルを適当な方法で測定する。そのような方法には、ノーザンブロ ット分析(Haradaら,Cell 63:303-312(1990))、S1ヌクレアーゼマッピング(Fuji taら,Cell 49:357-367(1987)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖 反応と組み合せた逆転写(RT-PCR)(Makinoら,Technique 2:295-301(1990))、リ ガーゼ連鎖反応と組み合せた逆転写(RT-LCR)がある。 生体試料中のAIM IIタンパク質レベルの測定は、抗体に基づく技術で行なうこ とができる。例えば組織におけるAIM IIタンパク質発現は、古典的な免疫組織学 的方法で調べることができる(Jalkanen,M.ら,J.Cell.Biol.101:976-985 (1985);Jalkanen,M.ら,J.Cell.Biol.,105:3087-3096(1987))。 AIM IIタンパク質遺伝子発現の検出に役立つその他の抗体法には、固相酵素免 疫測定法(ELISA)やラジオイムノアッセイ(RIA)などの免疫測定法がある。 好適なラベルは当技術分野で知られており、グルコースオキシダーゼなどの酵 素ラベルや、ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、イ ンジウム(112In)およびテクネチウム(99mTc)などの放射性同位体、フルオレ セインやローダミンなどの蛍光ラベル、およびビオチンなどがある。 治療薬 AIM IIポリペプチド、とくにヒトAIM-IIポリペプチドは、異常増殖、リンパ節 症、自己免疫疾患、移植片対宿主疾患を治療するために使用できる。また、本発 明のAIM IIポリペプチドは、腫瘍細胞増殖などの異常増殖の阻害にも使用できる 。AIM IIポリペプチドは、ある種の細胞に対する細胞毒性とアポトーシスによる 腫瘍の破壊の原因となりうる。AIM IIは内皮起源の細胞に対して増殖作用を持つ ので、増殖促進活性を必要とする疾患、例えば再狭窄などを治療するためにも使 用できる。したがってAIM IIは、内皮細胞発達時の造血作用を調節するためにも 使用できる。 投与法 AIM IIタンパク質の投与によって、例えば上述したような状態を治療できるこ とは理解されるだろう。したがって本発明はさらに、AIM II活性のレベルを増大 させる必要がある個体の処置法であって、その個体中のAIM II活性レベルを増大 させるのに有効な本発明の単離されたAIM IIポリペプチド(特に成熟型のAIM II )の有効量を含む医薬組成物を、その個体に投与することからなる方法を提供す る。 非経口的に投与される1回あたりのAIM IIポリペプチドの総医薬有効量は、上 述のように治療上の自由な判断に任されることになるが、一般的な提案として、 患者の体重1kgにつき約1μg/日〜10mg/日の範囲になるだろう。より好ましくは 、この投与量は少なくとも0.01mg/kg/日、最も好ましくはヒトに関して約0.01〜 1mg/kg/日である。持続的に投与する場合は、一般的には、AIM IIポリペプチド を約1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間の投与速度で、一日に1〜4回の注射、また はミニポンプなどによる持続的皮下注入によって投与する。静脈内バッグ溶液剤 も使用できる。 本発明のAIM IIを含有する医薬組成物は、経口投与、直腸内投与、非経口投与 、槽内投与、腟内投与、腹腔内投与、局所投与(粉末剤、軟膏、滴剤、経皮パッ チなどによる)、口腔内投与することができ、また経口または経鼻スプレーとし て投与することもできる。「製薬上許容できる担体」とは、非毒性で固体、半固 体または液体の充填剤、希釈剤、封入材料、または任意のタイプの製剤佐剤を意 味する。本明細書で使用する「非経口」という用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内 、胸骨内、皮下および動脈内への注射と注入を指す。 可溶性AIM IIポリペプチドに加えて、膜貫通領域を含有するAIM IIポリペプチ ドも、トリトンX-100などの界面活性剤を緩衝剤と共に含めることによって適当 に可溶化した場合は使用できる。 染色体検査 本発明の核酸配列は染色体同定にも有効である。この配列は、個々のヒト染色 体上の特定の位置に特異的に誘導され、それとハイブリッド形成することができ る。本発明による染色体に対するDNAのマッピングは、それらの配列を疾患に関 係する遺伝子と相関させる際の重要な第一段階である。 この点に関して好ましい態様として、ここに開示するcDNAを用いて、AIM IIタ ンパク質遺伝子のゲノムDNAをクローン化する。これは、よく知られている種々 の技術と、一般に市販されているライブラリーとを用いて達成することができる 。そのゲノムDNAを、よく知られている方法でin situ染色体マッピングに使用す る。 また場合によっては、そのcDNAからPCRプライマー(15〜25bpが好ましい)を 調製することによって、配列を染色体にマッピングすることもできる。ゲノムDN A中の2個以上のエクソンにまたがることによって増幅過程を複雑にすることのな いプライマーをすばやく選択するには、その遺伝子の3'非翻訳領域のコンピュー ター分析を用いる。次に、個々のヒト染色体を含有する体細胞ハイブリッドのPC Rスクリーニングに、それらのプライマーを用いる。 正確な染色体位置を一段階で特定するには、中期染色体スプレッドに対するcD NAクローンの蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を使用することがで きる。この技術では、cDNAに由来する50または60bp程度の短いプローブでも使用 できる。この技術の概要については、Vermaら,Human Chromosomes:A Manual Of Basic Techniques(Pergamon Press社,ニューヨーク,1988)を参照されたい。 配列を正確な染色体位置にマッピングしたら、その染色体上のその配列の物理 的位置を遺伝子マップデータと相関させることができる。そのようなデータは、 例えばV.McKusick,Mendelian Inheritance in Man(ジョーンズホプキンス大 学ウェルチ・メディカル・ライブラリーからオンラインで入手できる)に求めるこ とができる。次に、同じ染色体領域にマッピングされた疾患と遺伝子の関係を連 鎖分析(物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝)によって同定する。 次に、患者と非患者の間で、そのcDNAまたはゲノム配列中の相違を決定する必 要がある。ある突然変異がその患者の一部または全部に観測され、正常な個体に は観測されない場合、その突然変異はその疾患の原因因子であるかもしれない。 ここに本発明の概要を説明し終えたが、下記の実施例を参照すれば、本発明が より理解しやすくなるだろう。ただしこれらの実施例は例示のために記載するの であって、本発明を限定するものではない。 実施例 実施例1:大腸菌におけるAIM IIの発現と精製 A.N末端HA標識を持つAIM IIの発現 寄託したcDNAクローン中のAIM IIをコードするDNA配列を、AIM IIタンパク質 のアミノ末端配列と、その遺伝子の3'側にあるベクター配列とに特異的なPCRオ リゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。クローニングを容易にするため の制限部位を含有する追加のオリゴヌクレオチドを、その5'配列と3'配列のそれ ぞれに付加する。 22kDa AIM IIタンパク質断片(N末端と膜貫通領域を欠く)は、次のプライマ ーを用いて発現させる。 5'オリゴヌクレオチドプライマーは、BamHI制限部位(下線部)を含有する5'G CGGGATCCGGAGAGATGGTCACC3'(配列番号7)という配列を持ち、図1A〜CのAIM II タンパク質コード配列(配列番号1)のヌクレオチド224〜258をコードする。 3'プライマーの配列は5'CGCAAGCTTCCTTCACACCATGAAAGC3'(配列番号8)であっ て、これはHind III制限部位(下線部)を含有し、その後に図1A〜C(配列番号1 )に示すヌクレオチド756〜783が続いている。 全AIM IIタンパク質は、次のプライマーを用いて発現させることができる。 5'オリゴヌクレオチドプライマーは、BamHI制限部位(下線部)を含有する5'G ACC GGATCC ATG GAG GAG AGT GTC GTA CGG C 3'(配列番号9)という配列を持ち 、図1A〜CのAIM IIタンパク質コード配列(配列番号1)の22ヌクレオチドをコー ドする。 3'プライマーの配列は、5' CGC AAGCTT CCT TCA CAC CAT GAA AGC 3'(配列番 号10)であって、これはHindIII制限部位(下線部)を含有し、その後に図1A〜C に示すヌクレオチド756〜783が続いている。 これらの制限部位は、この実施例で細菌発現に使用する細菌発現ベクターpQE9 中の制限酵素部位に好都合である(Qiagen社,91311カリフォルニア州チャッツワ ース・イートンアベニュー9259)。pQE9はアンピシリン抗生物質耐性(Ampr)を コードし、細菌複製起点(ori)、IPTG誘導性プロモーター、リボソーム結合部位( RBS)、6-His標識および制限酵素部位を含有する。 次に、増幅したAIM II DNAとベクターpQE-9をどちらもBam HIとHindIIIで消化 した後、消化したDNAを互いに連結する。制限消化したpQE9ベクターにAIM IIタ ンパク質DNAを挿入すると、AIM IIタンパク質コード領域はそのベクターのIPTG 誘導性プロモーターの下流に機能的に連結され、AIM IIタンパク質の翻訳に適し た位置にある開始AUGと読み枠が一致する。 B.C末端HA標識を持つAIM IIの発現 この実施例では細菌発現ベクターpQE60を細菌発現に使用する(Qiagen社, 91311カリフォルニア州チャッツワース・イートンアベニュー9259)。pQE60はア ンピシリン抗生物質耐性(Ampr)をコードし、細菌複製起点(ori)、IPTG誘導性 プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、ヒスチジン残基をコードする6つのコ ドン(これは、上記のQIAGEN社が販売しているニッケルニトリロトリ酢酸 (Ni-NTA)アフィニティー樹脂を用いるアフィニティー精製を可能にする)、お よび適当な単一制限酵素切断部位を含有する。これらの要素は、ポリペプチドを コードするDNA断片を挿入した時に、そのポリペプチドのカルボキシル末端に共 有結合した6つのHis残基(すなわち"6×His標識")を持つポリペプチドが発現す るように配置されている。 AIM IIタンパク質の目的部分をコードするDNA配列を、AIM IIタンパク質の目 的部分のアミノ末端配列と、cDNAコード配列の3'側にある寄託構築物中の配列と にアニールするPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、寄託したcDNAクロ ーンから増幅する。pQE60ベクターへのクローニングを容易にするための制限部 位を含有する追加のヌクレオチドを、その5'および3'配列のそれぞれに付加する 。 このタンパク質をクローニングするための5'プライマーの配列は5'GACGCCCATGG AG GAG GAG AGT GTC GTA CGG C 3'(配列番号17)で、これはNcoI制限部 位を含有し、その後ろに図1A〜CのAIM II配列のアミノ末端コード配列に相補的 なヌクレオチドが続いている。タンパク質コード配列中の5'プライマーが始まる 点を変えることにより、短いものであれ長いものであれ、全タンパク質の任意の 部分をコードするDNA部分を増幅できることは、当業者にはもちろん理解される だろう。3'プライマーの配列は5'GACC GGATCC CAC CAT GAA AGC CCC GAA GTA AG 3'(配列番号18)である。このプライマーはBamHI制限部位(下線部)を含有し 、その後に図1A〜Cに示すAIM II DNA配列中の停止コドンの直前にあるコード配 列の3'末端に相補的なヌクレオチドが続いており、そのコード配列は制限部位に 対して、その読み枠がpQE60ベクターの6Hisコドンの読み枠と一致するように 配置されている。 増幅したAIM II DNA断片とベクターpQE60をどちらもBam HIとNcoIで消化した 後、消化したDNAを互いに連結する。制限消化したpQE60ベクターにAIM II DNAを 挿入すると、AIM IIタンパク質コード領域は、IPTG誘導性プロモーターの下流に 、開始AUGおよび6ヒスチジンコドンと同じ読み枠で置かれることになる。 上記AおよびBで作成したHA標識発現構築物の連結混合物を用いて、標準的な方 法でコンピテント大腸菌細胞を形質転換する。そのような方法は、Sambrookら, Molecular Cloning:a Laboratory Manual(第2版,Cold Harbor Laboratory Press,ニューヨーク・コールドスプリングハーバー,1989)に記述されている。 ここに記述する代表的実施例を実施する際には、lacリプレッサーを発現させ、 カナマイシン耐性(Kanr)を付与する複数コピーのプラスミドpREP4を含有する 大腸菌M15/rep4株を使用する。この菌株はQiagen社から購入できる。ただしこの 菌株は、AIM IIタンパク質の発現に適した数多くの菌株の一つに過ぎない。 形質転換体は、アンピシリンとカナマイシンの存在下にLBプレート上で生育す るというその能力によって同定される。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離 し、制限分析によってクローン化したDNAを確認する。 目的の構築物を含有するクローンを、アンピシリン(100μg/ml)とカナマイ シン(25μg/ml)の両方を添加したLB培地での液体培養で終夜(O/N)生育する 。 そのO/N培養物を、約1:100〜1:250の希釈率で大量培養に接種する。600nmにお ける光学密度(OD600)が0.4〜0.6になるまで細胞を生育する。次に、lacIリプ レッサーを不活化してlacリプレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導す るために、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を最終濃度が1m Mになるように加える。次に細胞をさらに3〜4時間培養する。次に遠心分離によ って細胞を収集し、標準的な方法で破砕する。封入体を破砕した細胞から通常の 収集法によって精製し、タンパク質を封入体から8M尿素へ可溶化する。可溶化し たタンパク質を含有するその8M尿素溶液を、2×リン酸緩衝食塩水(PBS)中のPD -10に通すことにより、尿素を除去し、緩衝液を交換し、タンパク質を再生する 。内毒素を除去するために、そのタンパク質をさらなるクロマトグラフィー処置 によって精製する。次に、それを滅菌濾過する。滅菌濾過したタンパク質調 製物は、2×PBS中に95μg/mLの濃度で保存する。 C.HA標識を持たないAIM IIの発現と精製 この実施例では細菌発現ベクターpQE60を細菌発現に使用する(Qiagen社, 91311カリフォルニア州チャッツワース・イートンアベニュー9259)。pQE60はア ンピシリン抗生物質耐性(Ampr)をコードし、細菌複製起点(ori)、IPTG誘導性 プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、ヒスチジン残基をコードする6つのコ ドン(これは、上記のQIAGEN社が販売しているニッケルニトリロトリ酢酸 (Ni-NTA)アフィニティー樹脂を用いるアフィニティー精製を可能にする)、お よび適当な単一制限酵素切断部位を含有する。これらの要素は、カルボキシル末 端に共有結合した6つのHis残基(すなわち"6×His標識")を持つポリペプチドが 生産されるように、ポリペプチドをコードするDNA断片を挿入することができる よう配置されている。しかしこの実施例では、6Hisコドンの翻訳が妨害されて、 そのポリペプチドが6×His標識を持たずに生産されるように、ポリペプチドコー ド配列を挿入する。 疎水リーダー配列を欠くAIM IIタンパク質の目的部分をコードするDNA配列を 、AIM IIタンパク質の目的部分のアミノ末端配列と、cDNAコード配列の3'側にあ る寄託構築物中の配列とにアニールするPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用 いて、寄託したcDNAクローンから増幅する。pQE60ベクターへのクローニングを 容易にするための制限部位を含有する追加のヌクレオチドを、その5'および3'配 列のそれぞれに付加する。 このタンパク質をクローニングするための5'プライマーの配列は5'GACGCCCATGG AG GAG GAG AGT GTC GTA CGG C 3'(配列番号17)で、これはNcoI制限部 位(下線部)を含有し、その後ろに図1A〜CのAIM II配列のアミノ末端コード配 列に相補的なヌクレオチドが続いている。タンパク質コード配列中の5'プライマ ーが始まる点を変えることにより、短いものであれ長いものであれ、全タンパク 質の任意の部分を増幅できることは、当業者にはもちろん理解されるだろう。3' プライマーの配列は5'CGC AAGCTT CCTT CAC ACC ATG AAA GC 3'(配列番号19) である。このプライマーはHindIII制限部位(下線部)を含有し、その後に図1A 〜Cに示すAIM II DNA配列中の非コード配列の3'末端に相補的なヌクレオチドが 続いている。 増幅したAIM II DNA断片とベクターpQE60をどちらもNcoIとHindIIIで消化した 後、消化したDNAを互いに連結する。制限消化したpQE60ベクターにAIM II DNAを 挿入すると、AIM IIタンパク質コード領域は付随するその停止コドンと共に、 IPTG誘導性プロモーターの下流に、開始AUGと同じ読み枠で置かれることになる 。付随する停止コドンにより、挿入点の下流にある6つのヒスチジンコドンの翻 訳が防止される。 その連結混合物を用いて、Sambrookら,Molecular Cloning:a Laboratory Manual(第2版,Cold Harbor Laboratory Press,ニューヨーク・コールドスプリ ングハーバー,1989)に記述されているような標準的方法で、コンピテント大腸 菌細胞を形質転換する。ここに記述する代表的実施例を実施する際には、lacリ プレッサーを発現させ、カナマイシン耐性(Kanr)を付与する複数コピーのプラ スミドpREP4を含有する大腸菌M15/rep4株を使用する。この菌株は上記Qiagen社 から購入できる。ただしこの菌株は、AIM IIタンパク質の発現に適した数多くの 菌株の一つに過ぎない。形質転換体は、アンピシリンとカナマイシンの存在下に LBプレート上で生育するというその能力によって同定される。プラスミドDNAを 耐性コロニーから単離し、制限分析、PCRおよびDNA配列決定によってクローン化 したDNAを確認する。 目的の構築物を含有するクローンを、アンピシリン(100μg/ml)とカナマイ シン(5μg/ml)の両方を添加したLB培地での液体培養で終夜(O/N)生育する。 そのO/N培養物を、約1:25〜1:250の希釈率で大量培養に接種する。600nmにおけ る光学密度(OD600)が0.4〜0.6になるまで細胞を生育する。次に、lacIリプレ ッサーを不活化してlacリプレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導する ために、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を最終濃度が1mM になるように加える。次に細胞をさらに3〜4時間培養する。次に遠心分離によっ て細胞を収集する。 次に、細胞を6M塩酸グアニジン(pH8)中、4℃で3〜4時間撹拌する。細胞残渣 を遠心分離によって除去し、AIM IIを含有するその上清を、200mM NaClを添加し た50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH6)に対して透析する。別法として、プロテア ーゼ阻害剤を含む500mM NaCl、20%グリセロール、25mMトリス/HCl(pH7.4)に 対して透析することによっても、タンパク質をうまく再生することができる。再 生後のタンパク質は、イオン交換、疎水相互作用およびサイズ排除クロマトグラ フィーで精製することができる。別法として、抗体カラムなどのアフィニティー クロマトグラフィー処置によって純粋なAIM IIタンパク質を得ることもできる。 精製したタンパク質は4℃で、または−80℃に凍結して保存される。 実施例2:バクロウイルス発現系でのAIM IIタンパク質のクローニングと発現 寄託したクローン中の全長AIM IIタンパク質をコードするcDNA配列を、その 遺伝子の5'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて 増幅する。 その5'プライマーは、5'GCT CCA GGA TCC GCC ATC ATG GAG GAG AGT GTC GTA CGG C 3'(配列番号11)という配列を持つ。この配列はBam HI制限酵素部 位(下線部)を含有し、その後ろに図1A〜CのAIM IIタンパク質の配列の22塩基 が続いている。後述のように発現ベクターに挿入すると、AIM IIをコードする増 幅断片の5'末端は効率のよいシグナルペプチドを与えることになる。Kozak,M. ,J.Mol.Biol.,196:947-950(1987)に記述されているような、真核細胞にお ける翻訳開始用の効率のよいシグナルは、その構築物のベクター部分に適切に配 置される。 3'プライマーは5'GA CGC GGT ACC GTC CAA TGC ACC ACG CTC CTT CCT TC 3'( 配列番号12)という配列を持ち、この配列はAsp718制限部位(下線部)を含有し 、その後ろに図1A〜Cに記載のAIM IIのヌクレオチド769〜795に相補的なヌクレ オチドが続いている。 増幅した断片を、市販のキット(Geneclean,BIO 101社,カリフォルニア州ラ ホーヤ)を用いて、1%アガロースゲルから単離する。次に、その断片をBamHIとA sp718で消化した後、再び1%アガロースゲルで精製する。この断片をF2と呼ぶ。 summersら,“A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures(バクロウイルスと昆虫細胞培養操作法のマニュア ル)”(Texas Agricultural Experimental Station Bulletin No.1555(1987)) に記述されているような標準的方法によるバクロウイルス発現系でのAIM IIタン パク質の発現には、ベクターpA2-GPを使用する。この発現ベクターは、 Autographa californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプ ロモーターと、それに続く便利な制限部位とを含有する。AcMNPV gp67のシグナ ルペプチド(N末端メチオニンを含む)はBamHI部位のすぐ上流に置かれている。 効率のよいポリアデニル化のために、シミアンウイルス40(SV40)のポリアデニ ル化部位が使用されている。組換えウイルスを簡単に選択するため、大腸菌由来 のβ-ガラクトシダーゼ遺伝子が、ポリヘドリンプロモーターと同じ方向に挿入 され、その遺伝子の後ろにはポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルが続 いている。ポリヘドリン配列の両端には、クローニングしたポリヌクレオチドを 発現させる生ウイルスが生成するように、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性相 同組換え用のウイルス配列が隣接している。 当業者には明らかだろうが、その構築物が必要に応じて適切に位置する転写、 翻訳、輸送などのシグナル(例えば読み枠が一致しているAUGやシグナルペプチ ドなど)を供給するのであれば、pA2-GPの代わりに、pAc373、pVL941および pAcIM1などといった他の多くのバクロウイルスベクターも使用できる。そのよう なベクターについては、例えばLuckowら,Virology 170:31-39などに記述されて いる。 そのプラスミドを制限酵素BamHIとAsp718で消化した後、ウシ腸ホスファター ゼを用いて、当技術分野で知られる常法で脱リン酸化する。次に、市販のキット (Geneclean,BIO 101社,カリフォルニア州ラホーヤ)を用いて、そのDNAを1%ア ガロースゲルから単離する。このベクターをここではVと呼ぶ。 断片F2と脱リン酸化プラスミドV2をT4 DNAリガーゼで連結する。次に、大腸菌 HB101細胞をその連結混合物で形質転換し、培養プレートに広げる。ヒトAIM II 遺伝子を持つプラスミドを含有する細菌を、個々のコロニーから得たDNAをXbaI で消化し、その消化産物をゲル電気泳動で分析することによって同定する。クロ ーニングした断片の配列をDNA配列決定によって確認する。このプラスミドをこ こではpBac AIM IIと呼ぶ。 Felgnerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84:7413-7417(1987)に記載のリ ポフェクション法を用いて、5μgのプラスミドpBac AIM IIを、市販の直鎖バク ロウイルスDNA(BaculoGoldTMバクロウイルスDNA,Pharmingen社,カリフォルニ ア州サンディエゴ)1.0μgと同時にトランスフェクションする。1μgの BaculoGoldTMウイルスDNAと5μgのプラスミドpBac AIM IIを、無血清グレース培 地(Life Technologies社,メリーランド州ガイサースブルク)50μlが入ったマ イクロタイタープレートの滅菌ウェル中で混合する。その後、リポフェクチン10 μlとグレース培地90μlを加え、混合し、室温で15分間インキュベートする。次 に、血清を含まないグレース培地1mlが入っている35mm組織培養プレートに接種 したSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に、上記トランスフェクション混合物を滴下 する。プレートを前後にゆすって、新たに加えた溶液を混合する。次に、そのプ レートを27℃で5時間培養する。5時間後、トランスフェクション溶液をプレート から取り除き、10%ウシ胎児血清を添加したグレース昆虫培地1mlを加える。その プレートを培養器に戻し、培養を27℃で4日間続ける。 4日後に上清を集め、SummersおよびSmith(上記)が記述しているようにプラ ークアッセイを行なう。gal発現クローンの同定と単離を容易にするためにBlue Gal(Life Technologies社,ガイサースブルク)を含むアガロースゲルを使用す る。これは、青く染まったプラークをもたらす。「プラークアッセイ」に関する 詳細な説明は、Life Technologies社(ガイサースブルク)発行の昆虫細胞培養 とバクロウイルス学に関するユーザーズガイドの9-10頁にも認められる。 連続希釈の4日後に、ウイルスを細胞に加える。適当な培養後、青く染まった プラークをエッペンドルフピペットのチップで拾う。次に、組換えウイルスを含 有するその寒天を、グレース培地200μlの入ったエッペンドルフチューブに再懸 濁する。短い遠心分離によって寒天を除去し、組換えバクロウイルスを含有する その上清を用いて、35mm皿に接種したSf9細胞を感染させる。4日後に、これらの 培養皿の上清を収集し、4℃で保存する。適切に挿入されたhESSB I、 IIおよびI IIを含有するクローンを、制限マッピングや配列決定を含むDNA分析で同定する 。これをここではV-AIM IIと呼ぶ。 Sf9細胞を、10%熱非働化FBSを添加したグレース培地で生育する。その細胞を 組換えバクロウイルスV-AIM IIに約2(約1〜約3)の感染多重度(MOI)で感染さ せる。6時間後に培地を除去し、メチオニンとシステインを欠くSF900 II培地 (Life Technologies社(ガイサースブルク)から入手できる)に置換する。42 時間後、5μCiの35S-メチオニンと5μCiの35S-システイン(Amersham社から入手 できる)を加える。細胞をさらに16時間培養した後、遠心分離によってそれらを 収集し、溶解し、標識されたタンパク質をSDS-PAGEとオートラジオグラフィーで 可視化する。 実施例3:哺乳類細胞におけるクローニングと発現 哺乳類細胞におけるAIM IIタンパク質遺伝子配列の一過性発現に使用されるベ クターの大半は、SV40複製起点を持っているはずである。これにより、そのベク ターは、ウイルスDNA合成の開始に必要なT抗原を発現させる細胞(例えばCOS細 胞)中で高コピー数に複製することができる。この目的にはその他の哺乳類細胞 も使用できる。 典型的な哺乳類発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介するプロモーター要 素、タンパク質コード配列、および転写の終結と転写物のポリアデニル化に必要 なシグナルを含有する。その他の要素には、エンハンサー、コザック配列、RNA スプライシングの供与部位と受容部位とが隣接する介在配列がある。著しく効率 のよい転写は、SV40の初期および後期プロモーター、レトロウイルス(例えばRS V、HTLVI、HIVI)の末端反復配列(LTR)、およびサイトメガロウイルス (CMV)の初期プロモーターを用いて達成することができる。ただし、細胞性の シグナル(例えばヒトアクチンプロモーター)を使用することもできる。本発明 の実施に適した発現ベクターには、例えばpSVLやpMSG(Pharmacia社,スウェーデ ン・ウプサラ)、pRSVcat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、pBC12MI (ATCC 67109)などのベクターがある。使用できる哺乳類宿主細胞には、ヒトの ヒーラ、283、H9およびジャーカット細胞、マウスのNIH3T3およびC127細胞、 Cos1、Cos7およびCV1、アフリカミドリザル細胞、ウズラQC1-3細胞、マウスL細 胞およびチャイニーズハムスター卵巣細胞がある。 別法として、染色体に統合された遺伝子を含有する安定な細胞系内で遺伝子を 発現させることもできる。dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマイシンなどの 選択マーカーと同時にトランスフェクションすれば、遺伝子が導入された細胞の 同定と単離が可能になる。 コードされているタンパク質を大量に発現させるために、導入された遺伝子を 増幅することができる。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)は、数百あるいは数 千コピーの目的遺伝子を保持する細胞系を開発するのに役立つ選択マーカーであ る。もう1つの有用な選択マーカーは、グルタミンシンターゼ(GS)酵素である( Murphyら,Biochem J.227:277-279(1991)、Bebbingtonら,Bio/Technology 10: 169-175(1992))。これらのマーカーを用いて、哺乳類細胞を選択培地中で生育し 、最も高い耐性を持つ細胞を選択する。これらの細胞系の染色体には、増幅され た遺伝子が組込まれている。タンパク質の生産にはチャイニーズハムスター卵巣 (CHO)細胞がしばしば使用される。 発現ベクターpC1とpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LTR) (Cullenら,Molecular and Cellular Biology,438-447(1985年3月))と、CMVエ ンハンサーの断片(Boshartら,Cell 41:521-530(1985))とを含有している。例 えばBamHI、XbaIおよびAsp718などの制限酵素切断部位を持つ多重クローニング 部位は、目的遺伝子のクローニングを容易にする。さらにこれらのベクターは、 ラットプレプロインスリン遺伝子の3'イントロン、ポリアデニル化シグナルおよ び終結シグナルを含有する。 実施例3(a):COS細胞でのクローニングと発現 AIM IIをコードするcDNAを発現ベクターpcDNAI/Amp(Invitrogen社から入手で きる)にクローニングすることによって、発現プラスミドAIM II HAを作成する 。発現ベクターpcDNAI/ampは(1)大腸菌とその他の原核細胞での増殖に有効な 大腸菌の複製起点、(2)プラスミド含有原核細胞を選択するためのアンピシリ ン耐性遺伝子、(3)真核細胞での増殖用のSV40複製起点、(4)ポリリンカー中 の制限部位を利用してcDNAを便利にCMVプロモーターの発現制御下に置き、SV40 イントロンとポリアデニル化シグナルに機能的連結させることができるように配 置されたCMVプロモーター、ポリリンカー領域、SV40イントロンおよびポリアデ ニル化部位を含有する。 AIM IIタンパク質と、その3'末端に読み枠を合わせて融合したHA標識とをコー ドするDNA断片を、上記ベクターのポリリンカー領域に、組換えタンパク質の発 現がCMVプロモーターによって制御されるようにクローニングする。HA標識は、 Wilsonら,Cell,37:767(1984)に記述されているインフルエンザ血球凝集素タ ンパク質に由来するエピトープに相当する。目的のタンパク質にHA標識を融合す ると、HAエピトープを認識する抗体でその組換えタンパク質を容易に検出できる ようになる。 プラスミド構築法は次の通りである。大腸菌でAIM IIを発現させるための発現 ベクターの構築に関して上述した方法とほとんど同様にして、寄託したクローン のAIM II cDNAを、都合のよい制限部位を含有するプライマーを用いて増幅する 。発現したAIM IIの検出、精製および特徴づけを容易にするため、プライマーの 一つは上述のような赤血球凝集素標識(HA標識)を含有する。 好適なプライマーには次に挙げるものがあり、本実施例ではこれらを使用する 。BamHI部位(下線部)とAUG開始コドンを含有する5'プライマーは、次の配列を 持つ: 5' G CTC GGA TCC GCC ATC ATG 3'(配列番号13)。 XbaI部位(下線部)、停止コドン、それに続いて赤血球凝集素HA標識を形成する 9コドン、および(3'末端にある)3'コード配列の31bpを含有する3'プライマー は、次の配列を持つ: 5' GAT GTT CTA GAA AGC GTA GTC TGG GAC GTC GTA TGG GTA CAC CAT GAA AGC C CC GAA GTA AGA CCG GGT AC 3'(配列番号14)。 PCRで増幅したDNA断片とベクターpcDNAI/Ampを制限酵素HindIIIとXhoIで消化 した後、連結する。その連結混合物で大腸菌SURE株(Stratagene Cloning Systems社(92037カリフォルニア州ラホーヤ・ノーストリーパインロード 11099)から入手できる)を形質転換し、その形質転換培養をアンピシリン培地 プレートに播いて培養することにより、アンピシリン耐性コロニーを成長させる 。プラスミドDNAを形質転換体から単離し、制限分析とゲルサイズ分画によってA IM IIコード断片の存在について調べる。 組換えAIM IIを発現させるために、例えばSambrookら,Molecular Cloning:a Laboratory Manual(Cold Spring Laboratory Press,ニューヨーク・コールドス プリングハーバー,1989)に記述されているようなDEAE-デキストラン法により 、上述のような発現ベクターでCOS細胞をトランスフェクションする。細胞をそ の ベクターによるAIM IIの発現に適した条件下で培養する。 例えばHarlowら,Antibodies:A Laboratory Manual(第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,ニューヨーク・コールドスプリングハーバー,1988) に記述されている方法を用いて、放射標識と免疫沈降により、AIM II HA融合タ ンパク質の発現を検出する。そのために、トランスフェクションの2日後に35S- システインを含む培地で8時間培養することにより、細胞を標識する。Wilsonら (上記)に記述されているように、細胞と培養培地を集め、細胞を洗浄し、界面 活性剤含有RIPA緩衝液(150mM NaCl,1% NP-40,0.1% SDS,1% NP-40,0.5%DOC ,50mMトリス,pH7.5)で溶解する。HA特異モノクローナル抗体を用いて、細胞 溶解液と培養培地からタンパク質を沈殿させる。次に、沈殿したタンパク質をSD S-PAGEゲルとオートラジオグラフィーで分析する。予想されるサイズの発現産物 は細胞溶解液に認められ、これは陰性対照には認められない。 実施例3(b):CHO細胞でのクローニングと発現 ベクターpC4をAIM IIタンパク質の発現に使用する。プラスミドpC1はプラスミ ドpSV2-dhfr[ATCC受託番号37146]の誘導体である。両プラスミドはマウスDHFR 遺伝子をSV40初期プロモーターの制御下に含有する。これらのプラスミドでトラ ンスフェクションされたジヒドロ葉酸活性を欠くチャイニーズハムスター卵巣細 胞やその他の細胞は、化学療法剤メトトレキセートを添加した選択培地(アルフ ァマイナスMEM(alpha minus MEM),Lift Technologies社)中でその細胞を生育 することによって選択できる。メトトレキセート(MTX)に耐性な細胞におけるD HFR遺伝子の増幅は詳細に報告されている(例えばAlt,F.W.,Kellems,R.M.,Be rtino,J.R.およびSchimke,R.T.,1978,J.Biol.Chem.253:1357-1370、 Hamlin,J.L.およびMa,C.,1990,Biochem.et Biophys.Acta,1097:107-143 、Page,M.J.およびSyndenham,M.A.,1991,Biotechnology Vol.9:64-68を参 照されたい)。MTX濃度を増大させながら生育した細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結 果として、標的酵素DHFRを過剰生産し、それによってこの薬物に対する耐性を発 達させる。そのDHFR遺伝子に第2の遺伝子を連結すると、通常はそれが同時に増 幅されて過剰発現する。当技術分野の技術水準では、1000コピーを超える遺伝子 を持つ細胞系を作出することができる。次いでメトトレキセートの投与を中止す る と、細胞系の染色体には、増幅された遺伝子が組込まれていることになる。 プラスミドpC4は、目的の遺伝子を発現させるために、ラウス肉腫ウイルスの 末端反復配列(LTR)の強力なプロモーター(Cullenら,Molecular and Cellular Biology,1985年3月:438-447)とヒトサイトメガロウイルス(CMV)の 前初期遺伝子のエンハンサーから単離された断片(Boshartら,Cell 41:521-530 ,1985)とを含有する。遺伝子の組込みを可能にするBamHI、XbaIおよびAsp718 制限酵素切断部位は、このプロモーターの下流にある。このプラスミドは、これ らのクローニング部位の後ろに、ラットプレプロインスリン遺伝子の3'イントロ ンとポリアデニル化部位を含有する。発現には、ヒトβ-アクチンプロモーター 、 SV40初期または後期プロモーター、その他のレトロウイルス(例えばHIVや HTLVI)に由来する末端反復配列などといった他の高効率プロモーターも使用で きる。哺乳類細胞でAIM IIを調節しながら発現させるには、Clontech社のTet-Of fおよびTet-On遺伝子発現系とそれに類似する系を使用することができる (Gossen,M.およびBujard,H.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547-55 51)。mRNAのポリアデニル化には、例えばヒト成長ホルモンやグロビン遺伝子な どに由来する他のシグナルも同様に使用できる。染色体に組込まれた目的の遺伝 子を保持する安定な細胞系は、gpt、G418またはハイグロマイシンなどの選択マ ーカーとの同時トランスフェクションによっても選択できる。最初は2種類以上 の選択マーカー(例えばG418とメトトレキヤート)を使用すると有利である。 プラスミドpC4を制限酵素BamHIとAsp718で消化した後、ウシ腸ホスファターゼ を用いて、当技術分野で知られる手法で脱リン酸化する。次に、そのベクターを 1%アガロースゲルから単離する。 リーダー配列を含むAIM IIタンパク質をコードするDNA配列を、その遺伝子の5 'および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。 5'プライマーは、5' GCT CCA GGA TCC GCC ATC ATG GAG GAG AGT GTC GTA CGG C 3'(配列番号15)という配列を持ち、これはBamHI制限酵素部位(下線部)を含 有し、その後ろに、Kozak,M.,J.Mol.Biol.,196:947-950(1987)に記述され ているような真核細胞で翻訳を開始するための効率のよいシグナルと、図1A〜C (配列番号1)に示すAIM IIのコード配列の22塩基が続いている。3'プラ イマーは、5' GA CGC GGT ACC GTC CAA TGC ACC ACG CTC CTT CCT TC 3'(配列 番号16)という配列を持ち、これはAsp718制限部位(下線部)を含有し、その後 ろに、図1A〜C(配列番号1)に示すAIM II遺伝子のヌクレオチド769〜795に相補 的なヌクレオチドが続いている。 増幅した断片をエンドヌクレアーゼBamHIとAsp718で消化した後、1%アガロー スゲルで再び精製する。次に単離した断片と脱リン酸化したベクターをT4 DNAリ ガーゼで連結する。大腸菌HB101細胞またはX1-1 Blue細胞(Stratagene社)を形 質転換し、プラスミドpC4に挿入された断片を含有する細菌を、例えば制限酵素 分析などによって同定する。 活性なDHFR酵素を欠くチャイニーズハムスター卵巣細胞をトランスフェクショ ンに使用する。リポフェクチン法(Felgnerら,上記)を用いて、5μgの発現プラ スミドpC4を0.5μgのプラスミドpSV2-neoと同時にトランスフェクションする。 プラスミドpSV2neoは、優勢選択マーカー(G418を含む抗生物質群に対する耐性 を付与する酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子)を含有する。その細胞を、 1mg/ml G418を添加したアルファマイナスMEMに接種する。2日後、細胞をトリプ シン処理し、10、25または50ng/mlのメトトレキセートと1mg/ml G418を添加した アルファマイナスMEMの入ったハイブリドーマクローニングプレート(Greiner社 ,ドイツ)に播種する。約10〜14日後に、単一クローンをトリプシン処理し、異 なる濃度のメトトレキセート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、 6ウェルペトリ皿または10mlフラスコに接種する。最も高い濃度のメトトレキセ ートで成長するクローンを、さらに高い濃度のメトトレキヤート(1μM、2μM、 5μM、10mM、20mM)を含有する新しい6ウェルプレートに移す。100〜200μMの濃 度で成長するクローンが得られるまで、同じ操作を繰り返す。目的の遺伝子産物 の発現は、例えばSDS-PAGEとウェスタンブロットや、逆相HPLC分析などで分析す る。 実施例4:AIM IIタンパク質発現の組織分布 ヒト組織でのAIM II遺伝子発現を調べるために、例えば上記Sambrookらの著書 に記載の方法を用いて、ノーザンブロット分析を行なう。rediprimeTMDNAラベリ ングシステム(Amersham Life Science社)を製造社の指示に従って使用する ことにより、AIM IIタンパク質の全ヌクレオチド配列(配列番号1)を含有するc DNAプローブを32Pで標識する。標識後、CHROMA SPIN-100TMカラム(Clontech Laboratories社)を製造社のプロトコル番号PT1200-1に従って使用することによ り、そのプローブを精製する。次に、精製した標識プローブを使用して、様々な ヒト組織をAIM IImRNAについて調べる。 様々なヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含有する多組織ノーザン (Multiple Tissue Northern:MTN)ブロットをClontech社から入手し、 ExpressHybTMハイブリダイゼーション液(Clontech社)を製造社のプロトコル番 号PT1190-1に従って使用することにより、そのブロットを標識プローブで調べる 。ハイブリダイゼーションと洗浄の後、そのブロットを−70℃で終夜フィルムに さらし、そのフィルムを標準的方法で現像する。 上述の説明や実施例に詳述した方法とは異なる方法で本発明を実施できること は明らかだろう。 上述の内容に照らせば本発明には数多くの変形や変法が考えられ、したがって それらは添付の請求の範囲に包含される。 ここに引用したあらゆる刊行物(特許、特許出願、雑誌の記事、実験書、単行 本、その他の文書を含む)の全内容は、参考文献として本明細書の一部を構成す るものとする。 微生物 明細書の第4頁第1行に記載の微生物に関する任意書面 (寄託機関の名称) アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション (寄託機関の住所) アメリカ合衆国メリーランド20852、ロックビル、 パークローン・ドライブ12301番 (寄託日) (受託番号) 1996年 8月22日 97689 (追加表示) DNAプラスミドAIM−2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/06 A61K 31/00 637D A61K 31/7088 31/70 623 38/00 45/00 45/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 C12N 1/21 C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 A61K 39/395 D C12P 21/02 48/00 // A61K 39/395 C12N 5/00 B 48/00 A61K 37/02 (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AM,AU ,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,EE,FI, GE,HU,IL,JP,KG,KP,KR,KZ,L T,LV,MD,MN,MX,NO,NZ,PL,RO ,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,UA, US,UZ,VN (72)発明者 ルーベン,スティーブン・エム アメリカ合衆国20832メリーランド州 オ ールニ、ヘリティッジ・ヒルズ・ドライブ 18528番 (72)発明者 ユ,グオ―リアン アメリカ合衆国20878メリーランド州 ダ ーネスタウン、ストロー・ベイル・レイン 13524番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次に挙げるヌクレオチド配列からなる群より選択される配列と少なくとも 95%同一なヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子 : (a)図1A〜C(配列番号2)の全アミノ酸配列を持つAIM IIポリペプチドをコー ドするヌクレオチド配列、 (b)ATCC寄託物・受託番号97689に含まれるcDNAクローンによってコードされる 全アミノ酸配列を持つAIM IIポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、 (c)AIM IIポリペプチド細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列、 (d)AIM IIポリペプチド膜貫通ドメインをコードするヌクレオチド配列、 (e)AIM IIポリペプチド細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列、 (f)細胞外ドメインと細胞内ドメインを持つが膜貫通ドメインを欠く可溶性AIM IIポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、および (g)上記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)のヌクレオチド配列のいずれかに 相補的なヌクレオチド配列。 2.該ポリヌクレオチドが図1A〜C(配列番号1)の全ヌクレオチド配列を持つ 請求項1の核酸分子。 3.該ポリヌクレオチドが図1A〜C(配列番号2)の全アミノ酸配列を持つAIM IIポリペプチドをコードする図1A〜C(配列番号1)のヌクレオチド配列を持つ 請求項1の核酸分子。 4.該ポリヌクレオチドがATCC寄託物・受託番号97689に含まれるcDNAクロー ンの全ヌクレオチド配列を持つ請求項1の核酸分子。 5.該ポリヌクレオチドがATCC寄託物・受託番号97689に含まれるcDNAクロー ンがコードする全アミノ酸配列を持つAIM IIポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を持つ請求項1の核酸分子。 6.請求項1の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)のヌクレオチド配列と同一 なヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチドに厳密なハイブリッド形成条件下で ハイブリッド形成するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子。ただし、ハ イブリッド形成する該ポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみからなる ヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチドには厳密なハイブリッド形成条件下で ハイブリッド形成しないものとする。 7.請求項1の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)または(g)のアミノ酸配列を持 つAIM IIポリペプチドのエピトープ保持部分のアミノ酸配列をコードするポリヌ クレオチドを含む単離された核酸分子。 8.次に挙げるポリペプチドからなる群より選択されるAIM IIリペプチドのエ ピトープ保持部分をコードする請求項7の単離された核酸分子:図1A〜C(配列 番号2)の約13番目から約20番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド、図1A 〜C(配列番号2)の約23番目から約36番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチ ド、図1A〜C(配列番号2)の約69番目から約79番目までのアミノ酸残基を含むポ リペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約85番目から約94番目までのアミノ酸残基 を含むポリペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約167番目から約178番目までのア ミノ酸残基を含むポリペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約184番目から約196番 目までのアミノ酸残基を含むポリペプチドおよび図1A〜C(配列番号2)の約221 番目から約233番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド。 9.請求項1の単離された核酸分子をベクターに挿入することからなる組換え ベクターの製造法。 10.請求項9の方法で製造される組換えベクター。 11.請求項10の組換えベクターを宿主細胞に導入することからなる組換え 宿主細胞の作出法。 12.請求項11の方法で作出される組換え宿主細胞。 13.AIM IIポリペプチドを製造するための組換え法であって、請求項12の 組換え宿主細胞を該ポリペプチドが発現するような条件下で培養し、該ポリペプ チドを回収することからなる方法。 14.次に挙げるアミノ酸配列からなる群より選択される配列と少なくとも95 %同一なアミノ酸配列を持つ単離されたAIM IIポリペプチド: (a)図1A〜C(配列番号2)の全アミノ酸配列を持つAIM IIポリペプチドのアミ ノ酸配列、 (b)ATCC寄託物・受託番号97689に含まれるcDNAクローンによってコードされる 全アミノ酸配列を持つAIM IIポリペプチドのアミノ酸配列、 (c)AIM IIポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列、 (d)AIM IIポリペプチドの膜貫通ドメインのアミノ酸配列、 (e)AIM IIポリペプチドの細胞内ドメインのアミノ酸配列、 (f)細胞外ドメインと細胞内ドメインの全部または一部を持つが膜貫通ドメイ ンを欠く可溶性AIM IIポリペプチドのアミノ酸配列、および (g)上記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)のポリペプチドのいずれかのエピ トープ保持部分のアミノ酸配列。 15.次に挙げるポリペプチドからなる群より選択されるAIM IIタンパク質の エピトープ保持部分を含む単離されたポリペプチド:図1A〜C(配列番号2)の約 13番目から約20番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド、図1A〜C(配列番 号2)の約23番目から約36番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド、図1A〜C (配列番号2)の約69番目から約79番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド 、図1A〜C(配列番号2)の約85番目から約94番目までのアミノ酸残基を含むポリ ペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約167番目から約178番目までのアミノ酸残基 を含むポリペプチド、図1A〜C(配列番号2)の約184番目から約196番目までのア ミノ酸残基を含むポリペプチド、および図1A〜C(配列番号2)の約221番目から 約233番目までのアミノ酸残基を含むポリペプチド。 16.請求項14のAIM IIポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体。 17.リンパ節症、自己免疫疾患および移植片対宿主疾患からなる群より選択 される状態または疾患の処置法であって、その必要がある患者に請求項14の(a )、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)のポリペプチドの有効量を投与することからな る方法。 18.異常増殖を抑制する方法であって、その必要がある患者に請求項14の (a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)のポリペプチドの有効量を投与することから なる方法。 19.敗血症性ショック、炎症、大脳マラリア、HIVウイルスの活性化、骨吸収 、慢性関節リウマチおよび悪液質からなる群より選択される状態または疾患の予 防法であって、その必要がある患者に請求項14のポリペプチドの拮抗薬の有効 量を投与することからなる方法。
JP9533436A 1996-03-22 1996-10-31 アポトーシス誘導分子ii Withdrawn JP2000508522A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US1392396P 1996-03-22 1996-03-22
US60/013,923 1996-03-22
PCT/US1996/016966 WO1997034911A1 (en) 1996-03-22 1996-10-31 Apoptosis inducing molecule ii

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000508522A true JP2000508522A (ja) 2000-07-11
JP2000508522A5 JP2000508522A5 (ja) 2004-10-28

Family

ID=21762534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9533436A Withdrawn JP2000508522A (ja) 1996-03-22 1996-10-31 アポトーシス誘導分子ii

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0904278A4 (ja)
JP (1) JP2000508522A (ja)
KR (2) KR100497017B1 (ja)
CN (2) CN1107072C (ja)
CA (1) CA2248868A1 (ja)
WO (1) WO1997034911A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001509373A (ja) * 1997-07-07 2001-07-24 ラ ホヤ インスティチュート フォー アラジー アンド イムノロジー 単純ヘルペスウイルス侵入メディエーターのためのリガンドおよびその使用方法

Families Citing this family (157)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7888466B2 (en) 1996-01-11 2011-02-15 Human Genome Sciences, Inc. Human G-protein chemokine receptor HSATU68
WO1997033904A1 (en) 1996-03-12 1997-09-18 Human Genome Sciences, Inc. Death domain containing receptors
US6713061B1 (en) 1996-03-12 2004-03-30 Human Genome Sciences, Inc. Death domain containing receptors
US7357927B2 (en) 1996-03-12 2008-04-15 Human Genome Sciences, Inc. Death domain containing receptors
US7964190B2 (en) 1996-03-22 2011-06-21 Human Genome Sciences, Inc. Methods and compositions for decreasing T-cell activity
US6635743B1 (en) 1996-03-22 2003-10-21 Human Genome Sciences, Inc. Apoptosis inducing molecule II and methods of use
US6479254B2 (en) * 1996-03-22 2002-11-12 Human Genome Sciences, Inc. Apoptosis inducing molecule II
US6495520B2 (en) 1996-03-22 2002-12-17 Human Genome Sciences, Inc. Apoptosis Inducing Molecule II and methods of use
CA2260767A1 (en) 1996-07-19 1998-01-29 Takeda Chemical Industries, Ltd. Fas ligand-like protein, its production and use
US6812327B1 (en) 1996-10-25 2004-11-02 Human Genome Sciences, Inc. Neutrokine-alpha polypeptides
US8212004B2 (en) 1999-03-02 2012-07-03 Human Genome Sciences, Inc. Neutrokine-alpha fusion proteins
US6998108B1 (en) 1997-07-07 2006-02-14 La Jolla Institute For Allergy And Immunology Antibodies to p30 polypeptides and methods making and using same
US7118742B2 (en) 1997-07-07 2006-10-10 La Jolla Institute For Allergy And Immunology Ligand for herpes simplex virus entry mediator and methods of use
US6346388B1 (en) 1997-08-13 2002-02-12 Smithkline Beecham Corporation Method of identifying agonist and antagonists for tumor necrosis related receptors TR1 and TR2
CA2321186A1 (en) * 1998-02-20 1999-08-26 Human Genome Sciences, Inc. Apoptosis inducing molecule ii and methods of use
CA2363779A1 (en) 1999-02-26 2000-08-31 Human Genome Sciences, Inc. Human endokine alpha and methods of use
EP1161261A1 (en) * 1999-03-11 2001-12-12 Human Genome Sciences, Inc. Apoptosis inducing molecule ii and methods of use
AU4778700A (en) * 1999-05-21 2000-12-12 Takeda Chemical Industries Ltd. Liver function controlling agents
AU2002219944B2 (en) 2000-11-28 2008-02-21 Medimmune, Llc Methods of administering/dosing anti-RSV antibodies for prophylaxis and treatment
WO2001079496A2 (en) * 2000-03-13 2001-10-25 La Jolla Institute For Allergy And Immunology Ligand for herpes simplex virus entry mediator and methods of use
EP1276849A4 (en) 2000-04-12 2004-06-09 Human Genome Sciences Inc ALBUMIN FUSION PROTEINS
ES2352742T3 (es) * 2000-04-12 2011-02-22 La Jolla Institute For Allergy And Immunology Ligando para el mediador de entrada del virus del herpes simple y procedimientos de utilización.
WO2001096528A2 (en) 2000-06-15 2001-12-20 Human Genome Sciences, Inc. Human tumor necrosis factor delta and epsilon
US7879328B2 (en) 2000-06-16 2011-02-01 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies that immunospecifically bind to B lymphocyte stimulator
PT2275449T (pt) 2000-06-16 2016-12-27 Human Genome Sciences Inc Anticorpos que se ligam imunoespecificamente a blys
US20030091565A1 (en) 2000-08-18 2003-05-15 Beltzer James P. Binding polypeptides and methods based thereon
EP2341060B1 (en) 2000-12-12 2019-02-20 MedImmune, LLC Molecules with extended half-lives, compositions and uses thereof
WO2002066049A1 (fr) * 2001-02-23 2002-08-29 Takeda Chemical Industries, Ltd. Agents pour changement plasmique
WO2002066050A1 (fr) * 2001-02-23 2002-08-29 Takeda Chemical Industries, Ltd. Inhibiteurs de caspase 3
DE60236646D1 (de) 2001-04-13 2010-07-22 Human Genome Sciences Inc Anti-VEGF-2 Antikörper
WO2002097033A2 (en) 2001-05-25 2002-12-05 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies that immunospecifically bind to trail receptors
EP2277889B1 (en) 2001-12-21 2014-07-09 Human Genome Sciences, Inc. Fusion proteins of albumin and interferon beta
JP2005535572A (ja) 2002-04-12 2005-11-24 メディミューン,インコーポレーテッド 組換え抗インターロイキン−9抗体
US7132100B2 (en) 2002-06-14 2006-11-07 Medimmune, Inc. Stabilized liquid anti-RSV antibody formulations
US7425618B2 (en) 2002-06-14 2008-09-16 Medimmune, Inc. Stabilized anti-respiratory syncytial virus (RSV) antibody formulations
EP1534335B9 (en) 2002-08-14 2016-01-13 Macrogenics, Inc. Fcgammariib-specific antibodies and methods of use thereof
EP1551876B1 (en) 2002-10-16 2011-03-16 Purdue Pharma L.P. Antibodies that bind cell-associated ca 125/0722p and methods of use thereof
EP2368578A1 (en) 2003-01-09 2011-09-28 Macrogenics, Inc. Identification and engineering of antibodies with variant Fc regions and methods of using same
KR101224235B1 (ko) 2003-04-11 2013-01-25 메디뮨 엘엘씨 재조합 il­9 항체 및 그의 용도
EP1628992A4 (en) 2003-05-13 2008-04-16 Novartis Vaccines & Diagnostic METHODS FOR MODULATING METASTASIS AND SKELETAL RELATED EVENTS RESULTING FROM METASTASES
EP2272566A3 (en) 2003-08-18 2013-01-02 MedImmune, LLC Humanisation of antibodies
JP4943161B2 (ja) 2003-12-23 2012-05-30 ジェネンテック, インコーポレイテッド 新規抗il13モノクローナル抗体での癌の処置
BRPI0507026A (pt) 2004-02-09 2007-04-17 Human Genome Sciences Inc proteìnas de fusão de albumina
EP1755673B1 (en) 2004-04-12 2014-07-23 MedImmune, LLC Anti-il-9 antibody formulations and uses thereof
EP3073267A1 (en) 2004-09-21 2016-09-28 Medimmune, Inc. Antibodies against and methods for producing vaccines for respiratory syncytial virus
CA2585717A1 (en) 2004-10-27 2006-05-04 Medimmune Inc. Modulation of antibody specificity by tailoring the affinity to cognate antigens
JP5153613B2 (ja) 2005-03-18 2013-02-27 メディミューン,エルエルシー 抗体のフレームワーク・シャッフル
WO2008157379A2 (en) 2007-06-21 2008-12-24 Macrogenics, Inc. Covalent diabodies and uses thereof
CA2605024C (en) 2005-04-15 2018-05-22 Macrogenics, Inc. Covalent diabodies and uses thereof
KR20080025174A (ko) 2005-06-23 2008-03-19 메디뮨 인코포레이티드 응집 및 단편화 프로파일이 최적화된 항체 제제
SI2573114T1 (sl) 2005-08-10 2016-08-31 Macrogenics, Inc. Identifikacija in inženiring protiteles z variantnimi fc regijami in postopki za njih uporabo
KR20140077946A (ko) 2005-10-13 2014-06-24 휴먼 게놈 사이언시즈, 인코포레이티드 자가항체 양성 질환 환자의 치료에 유용한 방법 및 조성물
US9168286B2 (en) 2005-10-13 2015-10-27 Human Genome Sciences, Inc. Methods and compositions for use in treatment of patients with autoantibody positive disease
PL2500030T5 (pl) 2005-11-04 2019-02-28 Genentech, Inc. Zastosowanie inhibitorów drogi aktywacji dopełniacza w leczeniu chorób oczu
WO2007123765A2 (en) 2006-03-31 2007-11-01 Human Genome Sciences Inc. Neutrokine-alpha and neutrokine-alpha splice variant
SG177907A1 (en) 2006-06-14 2012-02-28 Macrogenics Inc Methods for the treatment of autoimmune disorders using immunosuppressive monoclonal antibodies with reduced toxicity
LT2029173T (lt) 2006-06-26 2016-11-10 Macrogenics, Inc. Fc riib specifiniai antikūnai ir jų panaudojimo būdai
US7572618B2 (en) 2006-06-30 2009-08-11 Bristol-Myers Squibb Company Polynucleotides encoding novel PCSK9 variants
EP2054437A2 (en) 2006-08-07 2009-05-06 Teva Biopharmaceuticals USA, Inc. Albumin-insulin fusion proteins
EP2064243A2 (en) 2006-08-28 2009-06-03 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Antagonistic human light-specific human monoclonal antibodies
JP2010506842A (ja) 2006-10-16 2010-03-04 メディミューン,エルエルシー 半減期が短縮された分子、その組成物および使用
DK2117571T3 (en) 2006-12-08 2017-05-08 Monopar Therapeutics Inc Urokinase-type plasminogen activator receptor epitope
US7935791B2 (en) 2006-12-18 2011-05-03 Genentech, Inc. Antagonist anti-Notch3 antibodies and their use in the prevention and treatment of Notch3-related diseases
JP5456658B2 (ja) 2007-03-30 2014-04-02 メディミューン,エルエルシー 抗体製剤
CA2722754A1 (en) 2007-04-27 2009-01-29 The University Of Toledo Modified plasminogen activator inhibitor type-1 molecule and methods based thereon
EP2164868B1 (en) 2007-05-04 2015-03-25 Technophage, Investigação E Desenvolvimento Em Biotecnologia, SA Engineered rabbit antibody variable domains and uses thereof
JP2010535032A (ja) 2007-07-31 2010-11-18 メディミューン,エルエルシー 多重特異性エピトープ結合性タンパク質およびその用途
CA2698203C (en) 2007-08-29 2018-09-11 Sanofi-Aventis Humanized anti-cxcr5 antibodies, derivatives thereof and their use
EP2050764A1 (en) 2007-10-15 2009-04-22 sanofi-aventis Novel polyvalent bispecific antibody format and uses thereof
CA2710680C (en) 2007-12-26 2018-10-16 Vaccinex, Inc. Anti-c35 antibody combination therapies and methods
AU2009205995B2 (en) 2008-01-18 2014-04-03 Medimmune, Llc Cysteine engineered antibodies for site-specific conjugation
EP2260102A1 (en) 2008-03-25 2010-12-15 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Treating cancer by down-regulating frizzled-4 and/or frizzled-1
CA2735433C (en) 2008-09-07 2016-02-16 Glyconex Inc. Anti-extended type i glycosphingolipid antibody, derivatives thereof and use
EP2356251A1 (en) 2008-11-07 2011-08-17 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Teneurin and cancer
SI2786762T1 (sl) 2008-12-19 2019-07-31 Macrogenics, Inc. Kovalentna diatelesa in njihove uporabe
WO2010087927A2 (en) 2009-02-02 2010-08-05 Medimmune, Llc Antibodies against and methods for producing vaccines for respiratory syncytial virus
EP2396035A4 (en) 2009-02-12 2012-09-12 Human Genome Sciences Inc USE OF ANTAGONISTS OF PROTEIN STIMULATING LYMPHOCYTES B TO PROMOTE GRAFT TOLERANCE
WO2010100247A1 (en) 2009-03-06 2010-09-10 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung, Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Novel therapy for anxiety
WO2010120511A2 (en) 2009-03-31 2010-10-21 Altair Therapeutics, Inc. Method of treating respiratory disorders
EP2241323A1 (en) 2009-04-14 2010-10-20 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Tenascin-W and brain cancers
WO2011005481A1 (en) 2009-06-22 2011-01-13 Medimmune, Llc ENGINEERED Fc REGIONS FOR SITE-SPECIFIC CONJUGATION
EP2456790A1 (en) 2009-07-20 2012-05-30 Bristol-Myers Squibb Company Combination of anti-ctla4 antibody with diverse therapeutic regimens for the synergistic treatment of proliferative diseases
EP2292266A1 (en) 2009-08-27 2011-03-09 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Treating cancer by modulating copine III
EP2480573A1 (en) 2009-09-22 2012-08-01 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Treating cancer by modulating mex-3
US9096877B2 (en) 2009-10-07 2015-08-04 Macrogenics, Inc. Fc region-containing polypeptides that exhibit improved effector function due to alterations of the extent of fucosylation, and methods for their use
WO2011045352A2 (en) 2009-10-15 2011-04-21 Novartis Forschungsstiftung Spleen tyrosine kinase and brain cancers
US20120213801A1 (en) 2009-10-30 2012-08-23 Ekaterina Gresko Phosphorylated Twist1 and cancer
EP2542578A1 (en) 2010-03-05 2013-01-09 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Smoc1, tenascin-c and brain cancers
WO2011131611A1 (en) 2010-04-19 2011-10-27 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Modulating xrn1
US20130089538A1 (en) 2010-06-10 2013-04-11 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute forBiomedical Researh Treating cancer by modulating mammalian sterile 20-like kinase 3
CA2807127C (en) 2010-08-02 2019-02-12 Leslie S. Johnson Covalent diabodies and uses thereof
WO2012019061A2 (en) 2010-08-05 2012-02-09 Stem Centrx, Inc. Novel effectors and methods of use
SG10201506782XA (en) 2010-08-27 2015-10-29 Stem Centrx Inc Notum protein modulators and methods of use
CN106620693A (zh) 2010-09-03 2017-05-10 艾伯维施特姆森特克斯有限责任公司 新型调节剂及使用方法
US20130171159A1 (en) 2010-09-10 2013-07-04 Brian Arthur Hemmings Phosphorylated twist1 and metastasis
AU2011325833C1 (en) 2010-11-05 2017-07-13 Zymeworks Bc Inc. Stable heterodimeric antibody design with mutations in the Fc domain
WO2012065937A1 (en) 2010-11-15 2012-05-24 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung, Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Anti-fungal agents
EP2648748A1 (en) 2010-12-08 2013-10-16 Stem Centrx, Inc. Novel modulators and methods of use
EP2668210B1 (en) 2011-01-26 2020-06-17 Celldex Therapeutics, Inc. Anti-kit antibodies and uses thereof
SA112330278B1 (ar) 2011-02-18 2015-10-09 ستيم سينتركس، انك. مواد ضابطة جديدة وطرق للاستخدام
EP3235508B1 (en) 2011-03-16 2020-12-30 Sanofi Compositions comprising a dual v region antibody-like protein
KR102030531B1 (ko) 2011-05-21 2019-10-10 마크로제닉스, 인크. 탈면역화된 혈청-결합 도메인 및 혈청 반감기를 연장하기 위한 그것의 용도
WO2012168259A1 (en) 2011-06-06 2012-12-13 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Protein tyrosine phosphatase, non-receptor type 11 (ptpn11) and triple-negative breast cancer
WO2012170740A2 (en) 2011-06-07 2012-12-13 University Of Hawaii Biomarker of asbestos exposure and mesothelioma
US9561274B2 (en) 2011-06-07 2017-02-07 University Of Hawaii Treatment and prevention of cancer with HMGB1 antagonists
US20130058947A1 (en) 2011-09-02 2013-03-07 Stem Centrx, Inc Novel Modulators and Methods of Use
EP2758422A1 (en) 2011-09-23 2014-07-30 Technophage, Investigação E Desenvolvimento Em Biotecnologia, SA Modified albumin-binding domains and uses thereof to improve pharmacokinetics
WO2013063702A1 (en) 2011-11-04 2013-05-10 Zymeworks Inc. Stable heterodimeric antibody design with mutations in the fc domain
EP2776022A1 (en) 2011-11-08 2014-09-17 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research New treatment for neurodegenerative diseases
EP2776838A1 (en) 2011-11-08 2014-09-17 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Early diagnostic of neurodegenerative diseases
JP2015502397A (ja) 2011-12-23 2015-01-22 ファイザー・インク 部位特異的コンジュゲーションのための操作された抗体定常領域、ならびにそのための方法および使用
EP2800583A1 (en) 2012-01-02 2014-11-12 Novartis AG Cdcp1 and breast cancer
DK2817338T3 (en) 2012-02-24 2017-10-23 Abbvie Stemcentrx Llc DLL3 modulators and methods of use
US9592289B2 (en) 2012-03-26 2017-03-14 Sanofi Stable IgG4 based binding agent formulations
WO2013144240A1 (en) 2012-03-29 2013-10-03 Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Inhibition of interleukin- 8 and/or its receptor cxcrl in the treatment her2/her3 -overexpressing breast cancer
WO2014001482A1 (en) 2012-06-29 2014-01-03 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniererlassung, Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Treating diseases by modulating a specific isoform of mkl1
EP2870242A1 (en) 2012-07-05 2015-05-13 Novartis Forschungsstiftung, Zweigniederlassung Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research New treatment for neurodegenerative diseases
WO2014006115A1 (en) 2012-07-06 2014-01-09 Novartis Ag Combination of a phosphoinositide 3-kinase inhibitor and an inhibitor of the il-8/cxcr interaction
US9334332B2 (en) 2012-07-25 2016-05-10 Kolltan Pharmaceuticals, Inc. Anti-kit antibodies
WO2014059028A1 (en) 2012-10-09 2014-04-17 Igenica, Inc. Anti-c16orf54 antibodies and methods of use thereof
WO2014082179A1 (en) 2012-11-28 2014-06-05 Zymeworks Inc. Engineered immunoglobulin heavy chain-light chain pairs and uses thereof
MX2015010682A (es) 2013-02-22 2016-05-31 Stemcentrx Inc Nuevos conjugados de anticuerpos y usos de los mismos.
SG11201509982UA (ja) 2013-06-06 2016-04-28 Igenica Biotherapeutics Inc
US20160178610A1 (en) 2013-08-07 2016-06-23 Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research New screening method for the treatment Friedreich's ataxia
EP3892294A1 (en) 2013-08-28 2021-10-13 AbbVie Stemcentrx LLC Site-specific antibody conjugation methods and compositions
EP3338793A1 (en) 2013-08-28 2018-06-27 AbbVie Stemcentrx LLC Novel sez6 modulators and methods of use
BR112016017248A8 (pt) 2014-01-24 2018-04-17 Ngm Biopharmaceuticals Inc anticorpo ou fragmento seu, agente de ligação, animal transgênico, hibridoma, vetor, composição farmacêutica, método de indução de sinalização de semelhantes a fgf19 e/ou fgf21, método para ativar um complexo klotho beta/receptor de fgf, método para melhorar o metabolismo da glicose em um indivíduo, método de detecção da presença de klotho beta, uso do anticorpo ou fragmento seu, uso da composição farmacêutica, método de tratamento e método para melhorar parâmetros metabólicos
JP2017514143A (ja) 2014-02-21 2017-06-01 アッヴィ・ステムセントルクス・エル・エル・シー メラノーマに使用するための抗dll3抗体および薬物コンジュゲート
GB201403775D0 (en) 2014-03-04 2014-04-16 Kymab Ltd Antibodies, uses & methods
GB201406767D0 (en) 2014-04-15 2014-05-28 Cancer Rec Tech Ltd Humanized anti-Tn-MUC1 antibodies anf their conjugates
DK3143138T3 (da) 2014-05-13 2022-04-25 Bioatla Inc Betinget aktive biologiske proteiner
CN106413750B (zh) 2014-05-16 2022-04-29 免疫医疗有限责任公司 具有增强的治疗和诊断特性的带有改变的新生儿Fc受体结合的分子
EA201692476A1 (ru) 2014-05-28 2017-07-31 Займворкс Инк. Модифицированные антигенсвязывающие полипептидные конструкции и их применение
WO2015189816A1 (en) 2014-06-13 2015-12-17 Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research New treatment against influenza virus
US10308935B2 (en) 2014-06-23 2019-06-04 Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Methods for triggering de novo formation of heterochromatin and or epigenetic silencing with small RNAS
US20170165261A1 (en) 2014-07-01 2017-06-15 Brian Arthur Hemmings Combination of a brafv600e inhibitor and mertk inhibitor to treat melanoma
WO2016046768A1 (en) 2014-09-24 2016-03-31 Friedrich Miescher Institute For Biomedical Research Lats and breast cancer
EP3229838B1 (en) 2014-12-11 2020-09-09 Pierre Fabre Medicament Anti-c10orf54 antibodies and uses thereof
CN107580603A (zh) 2015-02-24 2018-01-12 生物蛋白有限公司 条件活性生物蛋白
WO2016139482A1 (en) 2015-03-03 2016-09-09 Kymab Limited Antibodies, uses & methods
GB201506389D0 (en) 2015-04-15 2015-05-27 Berkel Patricius H C Van And Howard Philip W Site-specific antibody-drug conjugates
GB201506402D0 (en) 2015-04-15 2015-05-27 Berkel Patricius H C Van And Howard Philip W Site-specific antibody-drug conjugates
CA3000869A1 (en) 2015-10-08 2017-04-13 Zymeworks Inc. Antigen-binding polypeptide constructs comprising kappa and lambda light chains and uses thereof
US20180348224A1 (en) 2015-10-28 2018-12-06 Friedrich Miescher Institute For Biomedical Resear Ch Tenascin-w and biliary tract cancers
KR20180100122A (ko) 2015-12-02 2018-09-07 주식회사 에스티사이언스 당화된 btla(b- 및 t-림프구 약화인자)에 특이적인 항체
AU2016365318B2 (en) 2015-12-02 2024-04-18 Board Of Regents, The University Of Texas System Antibodies and molecules that immunospecifically bind to BTN1A1 and the therapeutic uses thereof
US11779604B2 (en) 2016-11-03 2023-10-10 Kymab Limited Antibodies, combinations comprising antibodies, biomarkers, uses and methods
EP3630835A1 (en) 2017-05-31 2020-04-08 STCube & Co., Inc. Antibodies and molecules that immunospecifically bind to btn1a1 and the therapeutic uses thereof
EP3630834A1 (en) 2017-05-31 2020-04-08 STCube & Co., Inc. Methods of treating cancer using antibodies and molecules that immunospecifically bind to btn1a1
CN110997724A (zh) 2017-06-06 2020-04-10 斯特库伯株式会社 使用结合btn1a1或btn1a1-配体的抗体和分子治疗癌症的方法
BR112019025105A2 (pt) 2017-06-30 2020-10-20 Zymeworks Inc. fabs quiméricos estabilizados
WO2019102435A1 (en) 2017-11-27 2019-05-31 Euro-Celtique S.A. Humanized antibodies targeting human tissue factor
BR112021000934A2 (pt) 2018-07-20 2021-04-27 Pierre Fabre Medicament receptor para vista
WO2020198731A2 (en) 2019-03-28 2020-10-01 Danisco Us Inc Engineered antibodies
JP2022532928A (ja) 2019-05-24 2022-07-20 サノフイ 全身性硬化症を治療するための方法
US20230203191A1 (en) 2020-03-30 2023-06-29 Danisco Us Inc Engineered antibodies
WO2024015953A1 (en) 2022-07-15 2024-01-18 Danisco Us Inc. Methods for producing monoclonal antibodies

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2260767A1 (en) * 1996-07-19 1998-01-29 Takeda Chemical Industries, Ltd. Fas ligand-like protein, its production and use
US6346388B1 (en) * 1997-08-13 2002-02-12 Smithkline Beecham Corporation Method of identifying agonist and antagonists for tumor necrosis related receptors TR1 and TR2
WO1999011662A1 (en) * 1997-09-05 1999-03-11 Millennium Biotherapeutics, Inc. Novel molecules of the tnfr-ligand-related protein family and uses thereof

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001509373A (ja) * 1997-07-07 2001-07-24 ラ ホヤ インスティチュート フォー アラジー アンド イムノロジー 単純ヘルペスウイルス侵入メディエーターのためのリガンドおよびその使用方法
JP4712966B2 (ja) * 1997-07-07 2011-06-29 ラ ホヤ インスティチュート フォー アラジー アンド イムノロジー 単純ヘルペスウイルス侵入メディエーターのためのリガンドおよびその使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20000064745A (ko) 2000-11-06
KR100497017B1 (ko) 2005-11-29
EP0904278A1 (en) 1999-03-31
KR20030096450A (ko) 2003-12-31
CA2248868A1 (en) 1997-09-25
CN1107072C (zh) 2003-04-30
EP0904278A4 (en) 1999-09-15
CN1216994A (zh) 1999-05-19
CN1428426A (zh) 2003-07-09
WO1997034911A1 (en) 1997-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000508522A (ja) アポトーシス誘導分子ii
KR100527638B1 (ko) 사망 도메인을 보유하는 수용체 5
US6461823B1 (en) Death domain containing receptor-4 antibodies
US6261801B1 (en) Nucleic acids encoding tumor necrosis factor receptor 5
US6759513B2 (en) Death domain containing receptors
US6607726B1 (en) Human tumor necrosis factor receptor TR10
KR20000070174A (ko) 종양 괴사 인자 수용체 6α 및 6β
WO1999035262A2 (en) Apoptosis inducing molecule ii
WO1999042584A9 (en) Apoptosis inducing molecule ii and methods of use
US20030166097A1 (en) Human tumor necrosis factor receptor
JP2002508166A (ja) ヒトDendriacおよびBrainiac−3
WO1998053069A2 (en) Gdnf receptors
JP2001513641A (ja) T1/st2−レセプターリガンド▲iii▼
US20070020277A1 (en) Human Oncogene Induced Secreted Protein I
AU734384B2 (en) Apoptosis inducing molecule II
US7427492B1 (en) Polynucleotides encoding human tumor necrosis factor receptor-like2
AU771013B2 (en) Apoptosis inducing molecule II
AU2004202460A1 (en) Apoptosis Inducing Molecule II

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060406