JP5585658B2 - 新規含フッ素ビニルエーテル化合物およびその製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規含フッ素ビニルエーテル化合物およびその製造法に関する。さらに詳しくは、炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する新規含フッ素ビニルエーテル化合物およびその製造法に関する。
パラジウム触媒の存在下に、フルオロアルキルアルコールとアルキルビニルエーテルとを反応させ、フルオロアルキルビニルエーテルを製造する方法が報告されているが、この反応ではフルオロアルキルアルコールに対して大過剰のアルキルビニルエーテルが用いられているばかりではなく、反応に要する時間が72時間以上で、また収率も75%程度にすぎない(特許文献1,非特許文献1参照)。さらに、この反応により得られる転化率の低い粗生成物の蒸留による精製を行った場合には、揮発性の高い未反応フルオロアルキルアルコールが生成物と同伴して蒸留されるため、精製操作が困難となるという問題点もみられる。
Rf(CH2)nOH + H(CH2)mOCH=CH2 → Rf(CH2)nOCH=CH2
n:2〜6、m:1〜6
また、同様の反応原料物質を用い、触媒として酢酸水銀Hg(OAc)2を用いた例も報告されているが、収率が50%程度と低いばかりではなく、環境負荷の点からも水銀系触媒の使用は好ましいものではない(非特許文献2参照)。
C6F13CH2CH2OH + C2H5OCH=CH2 → C6F13CH2CH2OCH=CH2
さらに、パラジウム触媒の存在下に、脂肪族炭化水素系アルコールR1OH(R1:炭素10〜18のアルキル基)とアルキルビニルエーテルR2OCH=CH2(R2:炭素数1〜4のアルキル基)とを反応させ、所望するアルキルビニルエーテルR1OCH=CH2を合成する方法も提案されている。この反応は、平衡反応の特徴を利用し、反応に伴って生成する原料アルキルビニルエーテル由来の副生成アルコールR2OHを系外に留去することにより反応平衡を生成側に偏らせ、収率を向上させている(特許文献2参照)。
しかしながら、この反応では、反応系中に存在する原料アルコール、原料ビニルエーテル、目的生成物ビニルエーテル、副生成物アルコールの内、平衡を生成側に偏らせるためには、系外に除去される副生成物アルコールの沸点が最も低くなければならず、このため目的生成物ビニルエーテルの構造ばかりではなく、原料アルコールや原料ビニルエーテルの構造も大きく制限されることとなり、汎用性の点に欠けるものがある。その上、副生成物アルコールを系外に排出させる必要があるため、反応装置や実験操作が煩雑となり、容易にスケールアップすることが難しいという問題点もみられる。
この他、イリジウム触媒〔Ir(cod)Cl〕2の存在下で、アルコールROHと酢酸ビニルCH3COOCH=CH2とを反応させ、対応するアルキルビニルエーテルROCH=CH2を合成する方法も報告されているが(特許文献3参照)、用いられるイリジウム触媒が高価であるばかりではなく、アルコールとしてのトリエチレングリコールに対するビニルエーテル収率は63%と低く(実施例42参照)、この反応はアルコール類の酸性度に大きく影響されるものと考えられる。
また、ここで得られる化合物の多くはパーフルオロアルキル基を有し、この基は剛直なことから柔軟性に欠けるため、この分子が導入されたポリマーは、側鎖部分が柔軟性に欠けることとなり、ポリマーの溶解性低下などが引き起こされる可能性がある。
近年、パーフルオロオクタン酸(PFOA)あるいは炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル基含有カルボン酸(PFCA)は難分解性であり、生体蓄積性が高く、生体毒性が疑われるなど無視できない環境問題として報告されている。上記各文献で報告されているビニルエーテルは、原料としてこのパーフルオロカルボン酸前駆体であるパーフルオロアルキルエチルアルコールが使用されることが多いが、このような反応では環境中で炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロカルボン酸となる可能性が示唆されており、問題視されているので、それに代わる官能基が必要とされている。
WO92/05135 特開2001−114718号公報 特開2003−073321号公報 WO2007/105633 WO2005/123643
Macromol. Chem. 第193巻第275〜284頁(1992) J. Fluorine Chem. 第44巻第395〜412頁(1989)
本発明の目的は、生体蓄積性が低いといわれている炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する新規含フッ素ビニルエーテル化合物およびその製造法を提供することにある。
本発明によって、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOCH=CH2 〔I〕
(ここで、nは1〜6の整数であり、aは1〜4の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは1〜3の整数である)で表わされる含フッ素ビニルエーテル化合物が提供される。
かかる含フッ素ビニルエーテル化合物は、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH 〔II〕
(ここで、n、a、bおよびcは上記定義と同じである)で表わされる含フッ素アルコールと一般式
XCH2CH2OCH=CH2 〔III〕
(ここで、Xはハロゲン原子である)で表わされる2-ハロエチルビニルエーテルとを、パラジウム系触媒および脂肪族アミンの存在下で、脱XCH2CH2OH化反応させることによって製造される。
本発明に係る含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法によれば、原料ビニルエーテルの重合禁止剤として脂肪族アミンを用いることにより、ほぼ定量的な転化率を与えるので、含フッ素ビニルエーテル化合物の収率を向上せしめるといった効果を奏する。また、従来この種の反応に重合禁止剤として用いられていたアルカリ金属水酸化物と比較して、原料ビニルエーテルに対する使用割合を1桁程度少くすることができる。
従来報告されているパーフルオロアルキルエチルビニルエーテルは何らかの分解を受けた際、もしくは不純物として含まれるCnF2n+1基を含有する化合物が、パーフルオロカルボン酸に化学変化を起こす可能性があったが、本発明に係る含フッ素ビニルエーテル化合物は、パーフルオロアルキル基が生体蓄積性の低い炭素数6以下であり、また分子中のフッ化ビニリデン由来のCH2CF2基が容易に脱HFして二重結合を形成し、それがオゾン分解を受けて分解され易いため、長鎖のフルオロアルキル単位は環境中に長時間残存しないことが期待できる。
現に、得られた含フッ素ビニルエーテル中のC8以上のカルボン酸およびその誘導体の含有量は、液体クロマトグラフ/タンデム質量分析装置を用いたLC/MS/MS分析で非検出である。
一般式〔I〕で表わされる含フッ素ビニルエーテル化合物としては、次のような化合物が例示される。
CF3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)OCH=CH2
CF3(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)OCH=CH2
CF3(CH2CF2)4(CF2CF2)(CH2CH2)OCH=CH2
CF3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCH=CH2
CF3(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)OCH=CH2
CF3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)3OCH=CH2
C3F7(CH2CF2)2(CF2CF2)2(CH2CH2)2OCH=CH2
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCH=CH2
C6F13(CH2CF2)3(CF2CF2)(CH2CH2)OCH=CH2
C6F13(CH2CF2)4(CF2CF2)2(CH2CH2)2OCH=CH2
これらの含フッ素ビニルエーテル化合物〔I〕は、一般式〔II〕で表わされる含フッ素アルコールと一般式〔III〕で表わされる2-ハロエチルビニルエーテルとを、パラジウム系触媒および脂肪族アミンの存在下で、脱XCH2CH2OH化反応させることによって製造される。
一方の反応原料である含フッ素アルコール〔II〕としては、例えば次のものが挙げられる(特許文献4参照)。
CF3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)OH
CF3(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)OH
CF3(CH2CF2)4(CF2CF2)(CH2CH2)OH
CF3(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OH
CF3(CH2CF2)(CF2CF2)3(CH2CH2)OH
CF3(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)3OH
C3F7(CH2CF2)2(CF2CF2)2(CH2CH2)2OH
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OH
C6F13(CH2CF2)3(CF2CF2)(CH2CH2)OH
C6F13(CH2CF2)4(CF2CF2)2(CH2CH2)2OH
これらの含フッ素アルコールと反応させる、他方の反応原料である2-ハロエチルビニルエーテルとしては、Xがハロゲン原子、好ましくは塩素原子または臭素原子、さらに好ましくは塩素原子である2-ハロエチルビニルエーテルが好んで用いられる。2-ハロエチルビニルエーテルを用いることにより、その反応転化率は90%以上に達する。これは、この脱XCH2CH2OH化反応は可逆反応であるが、すぐれた脱離能を有する2-ハロエチルビニルエーテルが反応の転化率を向上させ、逆反応を抑えるため、反応転化率の著しい向上がもたらされるものと考えられる。2-ハロエチルビニルエーテルは、含フッ素アルコールに対して2倍モル以上、好ましくは5倍モル量以上、特に好ましくは10倍モル量程度用いられる。
含フッ素アルコールと2-ハロエチルビニルエーテルとの間の脱XCH2CH2OH化反応は、パラジウム系触媒および脂肪族アミンの存在下で行われる。
パラジウム系触媒としては、(1,10-フェナントロリン)酢酸パラジウム、(2,2′-ビピリジル)酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィノ)酢酸パラジウム等が用いられ、特に好ましくは(1,10-フェナントロリン)酢酸パラジウムが用いられる。これらの触媒は、含フッ素アルコールに対して、0.5モル%以上で用いられ、特に好ましくは0.5〜2.5モル%の間で使用される。
脂肪族アミンとしては、原料ビニルエーテルに対して可溶性のものがビニルエーテルの重合禁止剤として用いられ、例えばトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミンなどの炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を少くとも1個有するモノアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどの炭素数1〜8のアルキル基を有するトリアルキルアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどの炭素数1〜8のアルキレン基を有するアルキレンジアミンまたはこれらの混合物が挙げられ、好ましくはトリエタノールアミン、トリオクチルアミン、ヘキサメチレンジアミンが、原料ビニルエーテルに対して5〜1000ppm、好ましくは300〜700ppmの範囲で使用される。
本出願人は先に、重合禁止剤として水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物を用いた含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法を提案している(特許文献5参照)。しかるに、アルカリ金属水酸化物は有機溶媒にほぼ不溶であり、その効果が限定的であるため、さらなる収率の向上が望まれていた。これに対して、本発明では前述のアミンを重合禁止剤として使用することにより、より少い使用割合で収率をさらに向上させることを可能としている。
反応は無溶媒で行われるが、溶媒を用いることもできる。その場合、トルエンやキシレンなどの炭化水素系溶媒やテトラヒドロフランや1,4-ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒が適当量用いられる。
反応温度は特に制限されないが、一般に室温〜80℃の間で行われ、特に好ましくは40℃〜70℃の間で行われる。
未反応の2-ハロエチルビニルエーテル、副生成物の2-ハロエタノールおよび目的物たる含フッ素ビニルエーテル化合物は、分別蒸留により精製され、分子量が大きく高沸点のものは分子蒸留により精製され、重合等の反応に供される。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
窒素雰囲気下、2-クロロエチルビニルエーテル688g(6.46モル)に、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ノナデカフルオロドデカノール C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OH(LC/MS/MS分析によるC8以上のパーフルオロカルボン酸およびその誘導体の含有量は、検出限界である10ppb以下である)341g(0.646モル)、(1,10-フェナントロリン)酢酸パラジウム 2.4g(0.006モル;ノナデカフルオロドデカノールに対して1.0モル%)およびトリエタノールアミン 0.34g(0.002モル;2-クロロエチルビニルエーテルに対して500ppm)を加え、65℃で8時間撹拌した。未反応の2-クロロエチルビニルエーテルを減圧下で留去し、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ノナデカフルオロドデシルビニルエーテル C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCH=CH2 377g(90.1 GC%)を得た。収率は、95%であった。
得られたノナデカフルオロドデシルビニルエーテルを、真空ポンプを取り付けた蒸留装置に用いて、純度91 GC%以上となるように蒸留精製した。この精製反応物は、1H-NMRおよび19F-NMRの結果から、次式で示される化合物であることが確認された。なお、LC/MS/MS分析によるC8以上のパーフルオロカルボン酸およびその誘導体の含有量は、全くの非検出であった。
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCH=CH2
1H-NMR(d-アセトン,TMS):ppm 6.58〜6.41、4.29〜4.24(CH=CH 2 )
4.08〜4.04(CH=CH2、CH2CH 2 )
2.71〜2.55(CH 2 CH2)
3.59〜3.48(CF2CH 2 CF2)
19F-NMR(d-アセトン,C6F6):ppm -80.34〜-79.94(CF 3 )
-124.9(CF3CF 2 CF2CF2)
-122.69〜-122.59(CF3CF2CF 2 CF2
CF2CF2CF2CF 2 CF2CH2)
-110.34(CF3CF2CF2CF 2 、CF 2 CF2CF2CF2CF2CH2)
-120.26(CF2CF 2 CF2CF2CF2CH2)
-121.93(CF2CF2CF 2 CF2CF2CH2)
-112.81〜112.17(CF2CF2CF2CF2CF 2 CH2)
実施例2
実施例1において、トリエタノールアミン 0.34g(0.002モル;2-クロロエチルビニルエーテルに対して500ppm)の代りに、トリオクチルアミン0.48g(0.001モル;2-クロロエチルビニルエーテルに対して700ppm)を用い、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ノナデカフルオロドデシルビニルエーテル C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCH=CH2 378g(89.0 GC%)を得た。収率は、94%であった。
比較例
窒素雰囲気下、2-クロロエチルビニルエーテル807g(7.57モル)に、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ノナデカフルオロドデカノール C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OH 400g(0.757モル)、(1,10-フェナントロリン)酢酸パラジウム 15.4g(0.038モル;ノナデカフルオロドデカノールに対して5.0モル%)および水酸化カリウム 0.4g(0.007モル;2-クロロエチルビニルエーテルに対して500ppm)を加え、室温で72時間撹拌した。未反応の2-クロロエチルビニルエーテルを減圧下留去し、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ノナデカフルオロドデシルビニルエーテル C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OCH=CH2 490g(75.2 GC%)を得た。収率は、88%であった。
重合禁止剤として水酸化カリウムを用いている比較例では、収率は88%にすぎないのに対し、重合禁止剤としてトリエタノールアミンを用いている実施例1では収率は95%であり、またトリオクチルアミンを用いている実施例2では収率90%であり、重合禁止剤として脂肪族アミンを用いることにより、収率および純度が向上することが確認された。
本発明に係る含フッ素ビニルエーテル化合物は、含フッ素含有量が多いことから、低屈折率であり、ディスプレイ等の反射防止膜や光ファイバーなどのクラッド材への利用が可能である。また、その高いフッ素含有量より、各種樹脂の架橋剤、改質剤等に用いられ、樹脂の硬度、強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等の諸物性の向上や改良が可能となる。さらに、その界面活性特性を活かして、撥水撥油剤、各種表面コーティング剤、各種離型コーティング剤や表面改質剤の形成成分としての利用も図られる。

Claims (9)

  1. 一般式
    CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOCH=CH2 〔I〕
    (ここで、nは1〜6の整数であり、aは1〜4の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは1〜3の整数である)で表わされる新規含フッ素ビニルエーテル化合物。
  2. 一般式
    C n F 2n+1 (CH 2 CF 2 ) a (CF 2 CF 2 ) b (CH 2 CH 2 ) c OH 〔II〕
    (ここで、nは1〜6の整数であり、aは1〜4の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは1〜3の整数である)で表わされる含フッ素アルコールと一般式
    XCH 2 CH 2 OCH=CH 2 〔III〕
    (ここで、Xはハロゲン原子である)で表わされる2-ハロエチルビニルエーテルとを、パラジウム系触媒および脂肪族アミン重合禁止剤の存在下で、脱XCH 2 CH 2 OH化反応させることを特徴とする請求項1記載の新規含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法。
  3. 2-ハロエチルビニルエーテルが、含フッ素アルコールに対して2倍モル量以上用いられる請求項2記載の新規含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法。
  4. 2-ハロエチルビニルエーテルが、2-クロロエチルビニルエーテルまたは2-ブロモエチルビニルエーテルである請求項2記載の新規含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法。
  5. 脂肪族アミンが炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を少くとも1個有するモノアミン、炭素数1〜8のアルキル基を有するトリアルキルアミンまたは炭素数1〜8のアルキレン基を有するアルキレンジアミンである請求項2記載の新規含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法。
  6. 脂肪族アミンが、トリエタノールアミン、トリオクチルアミンまたはヘキサメチレンジアミンである請求項5記載の新規含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法。
  7. 脂肪族アミンが原料ビニルエーテルに対して5〜1000ppmの割合で用いられる請求項2または5記載の新規含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法。
  8. パラジウム系触媒が、(1,10-フェナントロリン)酢酸パラジウム、(2,2′-ビピリジル)酢酸パラジウムまたはビス(トリフェニルホスフィノ)酢酸パラジウムである請求項2記載の新規含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法。
  9. パラジウム系触媒が含フッ素アルコールに対して0.5〜2.5モル%の割合で用いられた請求項2または8記載の新規含フッ素ビニルエーテル化合物の製造法。

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