JP3976033B2 - クロロメチル基含有化合物の製造方法 - Google Patents

クロロメチル基含有化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、クロロメチル基含有化合物の製造方法に関する。この化合物はオキセタン化合物等の製造原料として重要である。オキセタン化合物は、エポキシ樹脂で知られるオキシランより1つ炭素数が多い4員環エーテル構造を有する化合物である。
光カチオン硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂、及びビニルエーテル系樹脂がある。これらの中でもエポキシ樹脂は、耐薬品性および接着性等に優れていることから、従来広い分野で使用されている。しかし、エポキシ樹脂は、重合反応性が低く、堅くて脆い物性の被膜しか得られないこと、更に耐衝撃性、加工性等にも問題があることから、より良い物性を持つ材料の開発が望まれている。
オキセタン化合物のカチオン重合により得られる樹脂は、エポキシ樹脂よりも高分子量で、その物性はエポキシ樹脂と比較し、伸びや靱性が高く、特に熱や塩基に対し高い安定性を示すものである。また、オキセタン化合物は、毒性も少ない等の特徴を有することから、今後期待されるものである。
オキセタン樹脂等の原料であるオキセタン化合物を得る方法としては、従来種々のものが提案されている。これらの中で、多価アルコールの塩素化体から合成する方法がある。
例えば、この多価アルコールの塩素化体の一種である1,1−ビス(クロロメチル)−1−ヒドロキシメチルプロパン(BCP)の製造方法が知られている(例えば非特許文献1参照)。
この方法は、トリクロロベンゼンを溶媒とし、180〜200℃で、トリメチロールプロパン(TMP)と、TMPと等モル以上の酢酸との混合物に塩化水素ガスを供給し、生成する水を留去させながら反応させてBCPの酢酸エステル体を得る。その後、これに過剰のメタノールを加え、加熱しながら少量の塩化水素ガスを供給し、これにより生成する酢酸メチル及び過剰なメタノールを留去させながら、前記BCPの酢酸エステル体のエステル交換を行ってBCPを製造するものである。
しかしながら、上記方法による場合は、中間体であるBCPの酢酸エステル体のエステル交換を行う工程を要し、更に利用価値の少ない酢酸メチルとメタノールとが副生する問題があり、工業的には経済性において満足できるものではない。
上記問題を解決する製造方法として、TMPと塩化水素ガスとを反応させてBCP又は1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−1−クロロメチルプロパン(MCP)を製造する方法において、TMP1.0モル当り、炭素数が2〜5個の低級脂肪族カルボン酸を0.01〜0.2モル存在させる方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この方法によれば、収率良く目的化合物が得られることが記載されている。
1,1−ビス(クロロメチル)−1−ヒドロキシメチルアルカン又は1−クロロメチル−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)アルカンを製造する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
下記式(4)で示される多価アルコールに、炭素数が2〜8個の低級脂肪族カルボン酸及び金属塩化物の存在下に塩化水素ガスを反応させて、水酸基の塩素化方法が知られている(例えば特許文献3参照)。
mC(CH2OH)n (4)
式(4)のmは0、1または2を示し、nは4、3または2を示し、且つm+n=4であり、Rは1価の有機基を示す。
この方法によれば、より低い反応温度でオキシメチル基の水酸基を塩素化できることが記載されている。
少なくとも2個の反応器を直列に連結し、上流側反応器から下流側反応器に向って下記式(1)で示されるメチロールアルキルを順次送りながら、有機酸の存在下で塩化水素と反応させる製造方法が知られている(例えば特許文献4参照)。
mC(CH2OH)n (1)
式(1)のmは0、1または2を示し、nは4、3または2を示し、且つm+n=4であり、Rは独立して水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基である。
これらの製造方法によって得られたクロロメチル基含有化合物を含む塩素化反応液を原料にして、アルカリ存在下に脱塩化水素反応させることにより、オキセタン化合物が合成できる。しかし、この塩素化反応液にはクロロメチル基含有化合物のカルボン酸エステル類も含まれており、脱塩化水素反応時に排水中にカルボン酸塩として排出されることになる。このカルボン酸塩を回収することは困難であり、塩素化時に用いたカルボン酸が浪費され、経済的に不利になること、また、カルボン酸塩が含まれる排水の処理が必要になるなどの課題を有している。この課題を解決するために塩素化反応液を蒸留することにより、カルボン酸エステルを分離回収することが考えられるが、得られるクロロメチル基含有化合物の種類によっては、カルボン酸エステルとの分離が困難となり、課題を解決することができない場合がある。
特開平10−139700号公報 特開平10−251176号公報 特開2002−20333号公報 特開2003−342213号公報 工業化学雑誌、1963年、第67巻、第485頁
多価アルコールからクロロメチル基含有化合物を製造する際、クロロメチル基含有化合物とそのエステル体との分離が容易で、且つ当該エステル体を再利用することができる経済的なクロロメチル基含有化合物の製造方法の提供である。
本発明者は、上記課題を解決するために種々検討した結果、多価アルコールからクロロメチル基含有化合物を製造する際に、炭素数が8以上の有機酸を用いることにより、多価アルコールの塩素化反応に影響を及ぼすことなく、且つクロロメチル基含有化合物の有機酸エステルを再利用でき、このものの混入が少ないクロロメチル基含有化合物が容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。従って、本発明の目的とするところは、前記の課題を解決するクロロメチル基含有化合物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 下記式(1)で示される多価アルコールを、炭素数が8以上の有機酸の存在下に塩化水素と反応させることを特徴とするクロロメチル基含有化合物の製造方法である。
mC(CH2OH)n (1)
式(1)のmは0、1または2を示し、nは4、3または2を示し、且つm+n=4であり、Rは独立して水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基であり、この置換基としては、フッ素原子、塩素原子、アルコキシ基、アリール基等を例示できる。
〔2〕 クロロメチル基含有化合物の合成反応液からクロロメチル基含有化合物の有機酸エステル体を分離して合成反応液へ戻すことを特徴とする〔1〕に記載のクロロメチル基含有化合物の製造方法である。これは、式(1)で示される多価アルコールから誘導されるクロロメチル基含有化合物のカルボン酸エステルを、反応液から分離して反応系へ戻すクロロメチル基含有化合物の製造方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、上記式(1)で示される多価アルコールを塩化水素と反応させ、塩素付加数の異なる各種の対応する下記式(2)で示されるクロロメチル含有化合物を製造するものである。
mC{(CH2OH)x(CH2Cl)y} (2)
式(2)のRは独立して水素原子、または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を示し、炭素数は2〜4が特に工業的需要の点で重要である。前記アルキル基Rは、直鎖状でも、分岐鎖状でも良く、更にアルキル基の水素原子が各種置換基により置換されていても良い。置換基としては、フッ素原子、塩素原子、アルコキシ基、アリール基等を例示できる。
式(2)のmは0、1、2を示し、x、yは1以上の整数で、且つm+x+y=4である。
ここで、工業的に特に重要なトリメチロールプロパン(TMP)の塩素化を例にして説明する。
有機酸を触媒として、TMPを塩化水素で塩素化すると、下記式(3)で示される様に、反応する塩化水素(HCl)と等モルの水が生成し、TMPのモノクロロメチル体(MCP)、ビスクロロメチル体(BCP)、モノクロロメチル体のカルボン酸エステル(MCPE)、ビスクロロメチル体のカルボン酸エステル(BCPE)等が生成する。
Figure 0003976033
この塩素化反応においては、先ずMCPが生成し、次いでBCPと逐次的に塩素化反応が進行し、同時にこれらのエステル体も生成する(以下、MCPとMCPEとをMCP類と、BCPとBCPEとをBCP類と称する)。この塩素化反応液を原料にして、アルカリ存在下に脱塩化水素して、3−エチル−3−クロロメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを製造することができるが、この場合、塩素化反応液に含有されるエステル体からカルボン酸塩が生じ、有機酸が無駄に消費されることなり、更にはカルボン酸塩を含む排水の処理が必要となる。このことを避けるため、塩素化反応液を蒸留することにより、エステル体と分離回収することが提案されるが、酢酸などの低級カルボン酸を触媒として用いた場合、MCPとBCPEの沸点が近似しており、エステル体を純度よく、効率的に分離回収することが困難となる。
本発明においては、塩素化の際に用いる有機酸として、炭素数が8以上のカルボン酸を用いることにより、生成したエステル体の分離回収が容易なり、回収したエステル体を塩素化反応系に戻すことにより、有機酸を浪費することなく、且つ脱塩化水素してオキセタン化合物を製造する際に排出される排水の処理が軽減され、クロロメチル基含有化合物およびオキセタン化合物をより経済的に製造することができる。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明で用いる有機酸は、炭素数が8以上のカルボン酸であればよく、好ましくは炭素数が30個以下であり、特に好ましくは炭素数が10〜20個である。本発明で用いる有機酸は、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、あるいは多価カルボン酸のいずれでも良いが、触媒能から脂肪族カルボン酸が好ましい。具体例としては、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸などが挙げられ、更に好ましくはn−デカン酸、n−ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸など挙げられる。有機酸の配合量は、式(1)で表される多価アルコール1モルに対し、0.01〜0.5モルが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.3モルである。有機酸の配合量が0.01モル未満の場合は、触媒機能が発現し難いことがある。また、有機酸の配合量が0.5モルを超える場合は、反応速度が配合量に比例して増加せず、むしろエステルの副生量が増加して、反応器容量当りの取得量が低下することがある。
本発明に用いられる式(1)で表される多価アルコールにおいて、Rは独立して水素原子、または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を示し、炭素数は2〜4が特に好ましい。式(1)のRにおいてアルキル基としては、直鎖状でも、分岐鎖状でも良く、更にアルキル基の水素原子が各種置換基により置換されていても良い。この置換基としては、フッ素原子、塩素原子、アルコキシ基、アリール基等を例示できる。アルコキシ基としては、炭素数1〜6個のものであり、アリール基としてはフェニル基、トリル基やナフチル基などが例示できる。Rは独立してとは、複数のRが存在するとき、これらが同一でも異なっていることである。
本発明に用いられる式(1)で表される多価アルコールの具体例としては、例えば、
1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール(別名:トリメチロールエタン)、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール(別名:トリメチロールプロパン)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(別名:ペンタエリスリトール)、2−クロロメチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,1−ジメタノール、2−メチル−シクロヘキサン−1,1−ジメタノールなどがあげられる。
本発明に用いる溶媒としては、本反応に不活性な溶媒であれば、特に制限はない。本反応は反応系内の水を除去することにより円滑に進行するものであるので、溶媒としては水と共沸する溶媒が好ましい。このような共沸溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエチレン等のハロゲン系溶媒が例示される。なお、アルコール系溶媒及びエステル系溶媒類は反応を阻害する場合があるので用いることは好ましくない。
本発明に用いる溶媒量は、原料及び/または反応生成物の合計量1質量部に対し、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。溶媒量が10質量部を超える場合は、単位容積当りの収量の低下、及び反応溶媒の回収に必要なエネルギーの増大などの面で経済的とは言えなくなる。溶媒量が0.05質量部未満の場合は溶媒の奏する作用を期待できないことがある。
本反応は、反応で生成する水を溶媒、塩化水素と共に留出させながら反応を行うため、生成する水が蒸発する温度および圧力条件で反応を行うことが望ましく、好適な温度は50℃〜250℃であり、特に好ましくは80℃〜200℃である。この温度が50℃より低い温度では十分な反応速度が得られるとは言えず、一方、250℃を超える温度ではオリゴマー状物質などの副生物が増加する恐れがある。本反応の圧力は、用いる温度により調節すれば良い。
更に、本反応をより円滑に進めるために、助触媒として金属塩化物が配合されても良い。この金属塩化物としては、塩化亜鉛、塩化第1鉄、塩化第2鉄、塩化カルシウム、塩化銅、塩化ニッケル等が挙げられる。これらの金属塩化物のうち、塩化亜鉛、塩化第1鉄、塩化第2鉄が、触媒作用が高く、好ましいものである。この金属塩化物の配合量は、式(1)で表される多価アルコール1モル当り0.001〜0.1モルが好ましく、更に好ましくは0.01〜0.07モルが好ましい。この金属塩化物の配合量が0.001モル未満の場合は、十分な反応促進作用が得られないことがある。また、この金属塩化物の配合量が0.1モルを超える場合は、配合量に応じた反応の促進作用の増加が認められないことがあり、副生成物の増加が著しくなることがある。
本塩素化反応の反応形態としては、回分式、連続式いずれの方式でも行うことができる。回分式では、前記(1)式で表される多価アルコール、有機酸、および反応溶媒を反応器に仕込み、次いで、塩化水素ガスを供給し、生成する水を反応系内から留出させ、留出したガスの凝縮液から水を除いた溶媒を反応器に戻しながら反応を行い、所定量の水が留出したら反応を終了させる。一方、連続式では、前記(1)式で表される多価アルコール、有機酸、反応溶媒、および塩化水素ガスを反応器に連続的に供給し、生成する水を反応系内から留出させ、留出したガスの凝縮液から水を除いた溶媒を反応器に戻しながら反応を行い、原料の供給量に応じて、反応液を抜き出せばよい。また、反応器としては、漕型、管型あるいは反応液と塩化水素ガスを向流あるいは並流接触させる塔型(充填物を詰めてもよい)などを用いることができる。
前記製造方法で得られた反応液は、反応溶媒、原料、反応生成物であるモノクロロメチル体、ビスクロロメチル体等と、そのエステル体を含む混合液であり、蒸留操作によって、反応生成物であるモノクロロメチル体、ビスクロロメチル体等とそれらのエステル体とを容易に分離することが出来る。反応液から分離したエステル体は、反応系に戻すことにより、有機酸と同様な触媒作用を有し、有機酸の代替となる。
なお、反応時間、あるいは滞留時間によって、モノクロロメチル体(そのエステル体)、ビスクロロメチル体(そのエステル体)等の含有比率を調整でき、所望する比率でモノクロロメチル体、ビスクロルメチル体等を製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
攪拌機、ガス吹込み管、温度計、分水管、及びコンデンサーを装着したガラス製の300ml円筒型フラスコに、トリメチロ−ルプロパン(TMP)を134.2g、n−オクタン酸(炭素数:8)を36.0g、メタキシレン(XYL)を23g仕込み、この溶液を攪拌しながら、常圧下で還流状態まで加熱(約140℃)した。そして、この溶液に塩化水素ガスを1.5モル/時間の流量で供給し、反応を開始した。その後も攪拌しながら、還流状態を維持すべく、徐々に温度を上昇させながら、水とXYLとを留出させ、留出液を液々分離した後、XYLのみを反応器に戻しながら、後記表1に示す時間、反応を継続した。反応終了後、この反応混合物の組成を、ガスクロマトグラフ(以下、GCと略す)。分析条件は、キャピラリ−カラム:TC−WAX(GLサイエンス社製、キャリア−ガス:ヘリウム、検出器:FID)を用いて分析した。その結果を表1に示した。
次に、この反応混合物を精留塔(直径16mm×長さ500mm,直径5mmガラス製ヘリコイルを80cc充填)を取付けたフラスコに仕込み、還流比R/D=2の条件(R:塔戻り,D:留出)で、減圧下(1.3kPa)にてバッチ精留を行い、1,1−ビス(クロロメチル)−1−ヒドロキシメチルプロパン(BCP)と1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−1−クロロメチルプロパン(MCP)の分取を行なった。その結果、BCP留分として76.6g(BCP含有率:99.4質量%)、MCPを含む留分として37.7g(MCP含有率:79.0質量%、BCP含有率:20.0質量%、BCPのエステル体(BCPE)含有率:1.0%)を得た。含有率は、GCにより測定した。
n−オクタン酸の代わりにラウリン酸(炭素数:10)を43.1g用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、ついで、バッチ精留を行った。その反応結果を表1に示す。また精留した結果、BCP留分として25.9g(BCP含有率:99.0質量%)、MCPを含む留分として84.2g(MCP含有率:90.7質量%、BCP含有率:8.1質量%、BCPE含有率:1.2%)が得られた。含有率は、GCにより測定した。
<比較例1>
n−オクタン酸の代わりにn−ヘキサン酸(炭素数:6)を29.0g用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、ついで、バッチ精留を行った。その反応結果を表1に示す。また精留した結果、BCPを含む留分として83.0g(BCP含有率:98.9質量%、MCP含有率:0.6質量%)、MCPを含む留分として36.1g(MCP含有率:80.7質量%、BCP含有率:2.8質量%、BCPE含有率:16.5%)が得られた。この留分には、エステル体が含まれ、目的物を純度よく分離することが出来なかった。これらの含有率は、GCにより測定した。
<比較例2>
n−オクタン酸の代わりに酪酸(炭素数:4)を22.0g用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、ついで、バッチ精留を行った。その反応結果を表1に示す。また精留した結果、BCPを含む留分として90.1g(BCP含有率:98.8質量%、MCP含有率:0.5質量%)、MCPを含む留分として57.8g(MCP含有率:31.7質量%、BCP含有率:17.5質量%、BCPE含有率:50.9%)が得られた。この留分にエステル体が含まれ、目的物を純度よく分離することは出来なかった。これらの含有率は、GCにより測定した。
Figure 0003976033
表1の略号を下記に記載する。
MCP :1−クロロメチル−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン
MCPE:MCPのエステル体
BCP :1,1−ビス(クロロメチル)−1−ヒドロキシメチルプロパン
BCPE:BCPのエステル体
本発明においては、炭素数8以上のカルボン酸の存在下に、多価アルコールを塩化水素で塩素化し、次いで、得られた塩素化反応液を蒸留することにより、クロロメチル基含有化合物とそのエステル体とを容易に分離することができる。この分離したエステル体を反応系にリサイクルすることにより、有機酸を浪費することなく、クロロメチル基含有化合物をより経済的に製造することができる。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で示される多価アルコールを、炭素数が8以上の有機酸の存在下に塩化水素と反応させることを特徴とするクロロメチル基含有化合物の製造方法。
    mC(CH2OH)n (1)
    (式(1)のmは0、1または2を示し、nは4、3または2を示し、且つm+n=4であり、Rは独立して水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基である。)
  2. クロロメチル基含有化合物の合成反応液からクロロメチル基含有化合物の有機酸エステル体を分離して合成反応液へ戻すことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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