JP5585133B2 - 半導体素子及び半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子及び半導体素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板の残留応力を低減して、反りが生じにくい半導体素子及び該半導体素子の製造方法に関する。
図4は、従来の半導体素子の概略図であって、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)のY−Y線で切断した断面図である。この半導体素子は、基板61の表面側に、図示しない半導体部セルを回路でつなぐようにして第1表面電極62が形成されている。そして、該第1表面電極62を覆うようにして、基板61の表面側全面に絶縁膜63が形成されている。また、第1表面電極62上には、コンタクト電極64が複数形成されており、該コンタクト電極64を介して、絶縁膜63の膜上に形成された第2表面電極65に接合している。また、基板61の裏面側には、裏面電極66が形成されている。
このように、外部環境の影響による劣化を抑制するため、半導体素子の表面を絶縁膜で被覆している。このような絶縁膜には、熱的、電気的、機械的に良好な特性を有するポリイミドが主に使用されている。
しかしながら、ポリイミドの熱膨張率は、半導体素子の基板材料として使用されているシリコン、SiC、GaN等に比べて高い。このため、半導体素子の製造工程や使用時における加熱や発熱により、半導体素子の表面に被覆したポリイミド膜にクラックが発生したり、ポリイミド膜と基板との熱膨張差により基板に反りが生じ易かった。また、近年では、半導体素子の電気的特性向上を目的に、基板厚の薄板化が検討されているが、基板厚の薄板化に伴い、基板強度が急速に低下して反りが生じやすくなる。このため、このようなトラブルは、基板をより薄膜にした半導体素子や、半導体素子の使用最高温度がより高温に曝されるパワー半導体素子の製造時や使用時に特に生じ易かった。
このような問題の解決策として、熱膨張率の低いポリイミド膜で半導体素子の表面を被覆し、基板と絶縁膜との界面で生じる熱応力を緩和して、半導体素子の使用時や製造時における絶縁膜のクラックや、基板の反りを抑制する試みが行われている。例えば、特許文献1には、シリコンウエハに形成された回路上に、主鎖中にテトラカルボン酸またはその酸無水物とジアミンとの重縮合生成物から形成された繰り返し単位を有し、その両末端に化学線官能基を有する感光性ポリイミド前駆体を成膜することが開示されている。このようにして成膜されたポリイミド膜の熱膨張率は20ppm/℃以下であることが好ましいと記載されている。
特開2004−285129号公報
しかしながら、表面電極に用いる金属材料の熱膨張率は、基板の熱膨張率に比べて高いことから、熱履歴によって第2表面電極が応力剥離し易かった。特に温度使用最高温度が175℃以上となる薄板化シリコンパワー半導体素子、高耐電圧次世代パワー半導体素子(SiC,GaN)の場合、このような問題が生じ易かった。
よって、本発明の目的は、長期にわたって信頼性に優れた半導体素子及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するにあたり、本発明の半導体素子は、
基板の表面に形成された第1表面電極と、
前記第1表面電極上を含む基板の表面側に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の表面に形成された第2表面電極と、
前記絶縁膜を連通して前記第1表面電極と前記第2表面電極とを導通するように形成されたコンタクト電極とを備えた半導体素子であって、
前記絶縁膜は、前記基板に隣接する側に形成された熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜と、前記第2表面電極に隣接する側に形成された熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜とを有することを特徴とする。
本発明の半導体素子は、前記絶縁膜の合計膜厚が1〜50μmであることが好ましい。
本発明の半導体素子は、前記第1絶縁膜及び第2絶縁膜が、芳香族テトラカルボン酸及び芳香族テトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種以上のアシル化合物を、前記芳香族ジアミンよりも1モル%以上多く反応して得られるポリアミド酸を含むポリイミド前駆体組成物をイミド化して得られるポリミド樹脂で構成されていることが好ましい。この場合、前記芳香族ジアミンが、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−5,5’−ビスベンゾオキサゾール、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル及び4,4’−ジアミノベンズアニリドから選ばれる1種以上を70〜100モル%含有するものが好ましい。また、前記アシル化合物が、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種以上を70〜100モル%含有するものが好ましい。
本発明の半導体素子は、前記絶縁膜と第1表面電極との間に無機薄膜絶縁層が形成されていることが好ましい。この場合、前記無機薄膜絶縁層が、酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素で形成されていることが好ましい。
本発明の半導体素子は、前記基板の厚みが150μm以下であることが好ましい。
本発明の半導体素子は、前記基板が、シリコン、SiC、GaNから選ばれる一種以上で構成されていることが好ましい。
また、本発明の半導体素子の製造方法の第1の態様は、
基板の一方の面に第1表面電極を形成する第1表面電極形成工程と、
第1表面電極が形成された基板の表面にレジスト組成物を塗布し、プリベークしてレジスト膜を形成し、該レジスト膜を貫通して前記第1表面電極上にコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にコンタクト電極を形成し、前記レジスト膜を剥離するコンタクト電極形成工程と、
第1表面電極が形成された基板の表面に、熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜を形成し、次いで、該第1絶縁膜上に熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜を積層して絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
コンタクト電極を介して前記絶縁膜上に第2表面電極を形成する第2表面電極形成工程と、
第1表面電極、第2表面電極及び絶縁膜が形成された基板の裏面側を支持体に固定し、第1表面電極側からダイシングして素子ユニットを分離するダイシング工程とを含むことを特徴とする。
本発明の半導体素子の製造方法の第2の態様は、
基板の一方の面に第1表面電極を形成する第1表面電極形成工程と、
第1表面電極が形成された基板の表面に、熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜を形成し、次いで、該第1絶縁膜上に熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜を積層して絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
絶縁膜形成工程で形成した絶縁膜にビア部分を開口させ、開口したビア部分にコンタクト電極をメッキプロセスで形成した後、コンタクト電極を介して前記絶縁膜上に第2表面電極を形成する第2電極形成工程と、
第1表面電極、第2表面電極及び絶縁膜が形成された基板の裏面側を支持体に固定し、第1表面電極側からダイシングして素子ユニットを分離するダイシング工程とを含むことを特徴とする。
本発明の半導体素子の製造方法は、前記絶縁膜上に第2表面電極を形成した後、前記基板の他方の面を研磨して厚みを150μm以下に調整し、研磨した側の面に裏面電極を形成するか、あるいは、前記絶縁膜形成工程を終えた後、前記基板の他方の面を研磨して厚みを150μm以下に調整し、研磨した側の面に裏面電極を形成した後、前記絶縁膜上に第2表面電極を形成することが好ましい。
本発明の半導体素子によれば、絶縁膜の基板に隣接する側には、熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜が形成されており、絶縁膜の第2表面電極に隣接する側には、熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜が形成されている。この第1絶縁膜は基板に近い熱膨張率を有しており、第2絶縁膜は第2表面電極に近い熱膨張率を有していることから、基板及び第2電極のそれぞれ界面における残留応力を低減できる。このため、製造時や使用時に半導体素子が高温に過熱されても、基板の反り、第2表面電極の剥離、絶縁膜のクラック等の発生を抑制できる。
また、本発明の半導体素子の製造方法によれば、第1表面電極が形成された基板の表面に、熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜を形成し、次いで、該第1絶縁膜上に熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜を積層して絶縁膜を形成するので、製造時に半導体素子が高温に過熱されても、基板の反り、第2表面電極の剥離、絶縁膜のクラック等の発生を抑制でき、長期にわたって信頼性に優れた半導体素子を製造できる。
本発明の半導体素子の概略図である。 本発明の半導体素子の製造工程の第1の実施形態を示す概略図である。 本発明の半導体素子の製造工程の第2の実施形態を示す概略図である。 従来の半導体素子の概略図である。
(半導体素子)
本発明の半導体素子について説明する。
図1は、本発明の半導体素子の概略図であって、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した断面図である。
この半導体素子は、基板1の表面側に、図示しない半導体部セルを回路でつなぐようして第1表面電極2が形成されている。そして、該第1表面電極を覆うようにして、基板1の表面側全面に絶縁膜3が形成されている。また、第1表面電極2上には、コンタクト電極4が複数形成されており、該コンタクト電極4を介して、絶縁膜3の膜上に形成された第2表面電極5に接合している。また、基板1の裏面側には、裏面電極6が形成されている。
基板1としては、特に限定はない。半導体素子用の基板として用いられているものであればいずれも好ましく使用できる。なかでも、シリコン、SiC、GaNから選ばれる一種以上で構成されているものが好ましく用いられる。
基板1の厚みは、150μm以下であることが好ましく、130μm以下がより好ましい。基板の厚みを薄くすることで、半導体素子の小型化が可能となる。150μmを超えると、薄板化による機能向上が十分得られないことがある。
第1表面電極2は、ニッケル合金、アルミ合金等で構成されたものなどが挙げられる。第1表面電極2は、スパッタ、蒸着、メッキプロセス等の従来公知の方法で形成できる。
コンタクト電極4は、銅、アルミ等で構成されたものなどが挙げられる。コンタクト電極4の表面積の合計値は、第1表面電極2の表面積の10〜50%であることが好ましく、25〜30%であることがより好ましい。コンタクト電極4の表面積の合計値が上記範囲内であれば、第1表面電極2での発熱を上部に伝達し易くなり、放熱性が向上する。コンタクト電極4は、スパッタ、蒸着、メッキプロセス等の従来公知の方法で形成できる。
第2表面電極5は、銅、アルミ上にニッケル/クロム/金の層積層し、半田接合対応配線等で構成されたものなどが挙げられる。第2表面電極5は、スパッタ、蒸着、メッキプロセス等の従来公知の方法で形成できる。
裏面電極6は、Al層/Ti層/Ni層/Au層の4層構造からなるものが挙げられる。裏面電極6は、基板の裏面全面に形成されていてもよく、一部に形成されていてもよい。裏面電極6は、スパッタ、蒸着、メッキプロセス等の従来公知の方法で形成できる。
本発明において、絶縁膜3は、第1絶縁膜3aと第2絶縁膜3bとで構成されている。
絶縁膜3の合計膜厚は、1〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。絶縁膜3の合計膜厚が1μm未満であると、保護膜としての効果が殆ど得られないことがある。また、50μmを超えると、半導体素子の小型化が困難になる。更には、ポリイミド膜由来の残留応力が大きくなり、基板のそりを増加する危険性がある。
第1絶縁膜3aの熱膨張率は、2ppm/℃以上7ppm/℃未満である。第1絶縁膜3aの熱膨張率が上記範囲内であれば、基板1の熱膨張率に近いので、基板界面での残留応力を低減できる。
第1絶縁膜3aの膜厚は、1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。1μm未満であると、基板との熱応力緩和機能が減少する。50μmを超えると絶縁膜厚が厚くなり、絶縁膜の熱残留応力が大きくなり、コンタクト電極への負荷が増加し、接合部位剥離の危険性が高くなる。
第2絶縁膜3bの熱膨張率は、7ppm/℃以上24ppm/℃以下である。第2絶縁膜3bの熱膨張率が上記範囲内であれば、第2表面電極5の熱膨張率に近いので、電極界面での残留応力を低減できる。
第2絶縁膜3bの膜厚は、1〜30μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。1μm未満であると、残留応力緩和能力が低下し、配線剥離の危険性がある。30μmを超えると基板との熱応力差が拡大する。
第1絶縁膜3a及び第2絶縁膜の弾性率は、2〜8Gpaが好ましく、4〜7Gpaがより好ましい。弾性率が8Gpa未満であれば、破断伸びに優れ、切削加工時の表面抵抗が好くなる傾向にあり、平坦性など有利に働く。弾性率が8Gpaを超えると、膜表面が硬く、もろくなり切削平坦性が悪くなる。
第1絶縁膜3a及び第2絶縁膜のガラス転移温度は、350℃以上が好ましく、400℃が以上より好ましい。ガラス転移温度が350℃以上であれば、絶縁膜耐熱性をして充分な耐熱機能を示す。
第1絶縁膜3a及び第2絶縁膜は、後述する実施例記載の破断強度、破断伸び測定の方法で測定した常温評価時の伸びが10%以上であることが好ましく、30%以上がより好ましい。伸びが30%以上であれば、コンタクト電極などへの応力を膜の伸びで十分緩和できる。
本発明において、第1絶縁膜3a及び第2絶縁膜3bは、ポリイミド膜で構成されていることが好ましい。より好ましくは、芳香族ジアミンと、芳香族テトラカルボン酸及び芳香族テトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種以上のアシル化合物とを反応して得られるポリアミド酸を含むポリイミド前駆体組成物をイミド化して成膜したポリイミド膜である。
芳香族ジアミンとしては、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−5,5’−ビスベンゾオキサゾール、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル及び4,4’−ジアミノベンズアニリドから選ばれる1種以上を、70〜100モル%含有するものが好ましく用いられる。これらの芳香族ジアミンは、比較的剛直な構造を有し、熱膨張率を低くしつつ耐熱性に優れたポリイミド膜を形成できる。芳香族ジアミン全体に対する上記した芳香族ジアミン(以下、剛直構造ジアミンともいう)の割合が70モル%未満であると、耐熱性が低下する傾向にある。
剛直構造ジアミンとして、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−5,5’−ビスベンゾオキサゾールを用いた場合、非常に高耐熱性でフレキシブルなポリイミド膜が得られる。また、このポリイミド膜は、比較的小さい弾性率を有し、切削加工時の面平坦性に優れ、更には、フィラー分散性に優れる。
また、剛直構造ジアミンとして、4,4’−ジアミノベンズアニリドを用いた場合、フィラー分散性に非常に優れたポリイミド膜が得られる。
また、剛直構造ジアミンとして、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリドを使用した場合、これらは薬品コストが低いので製造コストを低減できる。更には、アシル化合物との反応性が高いので、反応時のサイクルタイムを短縮できる。
芳香族ジアミンには、上記した剛直構造ジアミンの他に、柔軟構造のジアミン(以下、柔軟構造ジアミンともいう)を併用しても良い。柔軟構造ジアミンを併用することにより、ポリイミド膜の柔軟性、金属や基板との密着性を高めることができる。
柔軟構造ジアミンを使用する場合、芳香族ジアミン全体に対する柔軟構造ジアミンの割合は、30モル%以下が好ましく、2〜20モル%がより好ましく、3〜10モル%が特に好ましい。柔軟構造ジアミンの割合が30モル%を超えると、ポリイミド膜の耐熱性が不十分な場合がある。また、3モル%未満であると、添加効果がほとんど得られないことがある。
柔軟構造ジアミンとしては、主鎖にエーテル構造を含有するジアミン、主鎖にヘテロ環を含有するジアミン、主鎖にシロキサン構造を有するジアミン等が挙げられる。
上記主鎖にエーテル構造を含有するジアミンとしては、オキシジアニリン等が挙げられる。
上記主鎖にヘテロ環を含有するジアミンとしては、チオフェン環を有するジアミンが好ましい。具体的には、2,5‐ビス(4−アミノベンゾイル)チオフェンが好ましい一例として挙げられる。2,5‐ビス(4−アミノベンゾイル)チオフェンを使用することにより、金属との密着性に優れたポリイミド膜を形成できる。この理由としては次のように推測できる。すなわち、2,5‐ビス(4−アミノベンゾイル)チオフェンは、柔軟性があり、樹脂の柔軟性によるアンカー効果と同時に、チオフェン環のS元素が金属に配位することにより金属との密着性に有効に寄与していると考えられる。
上記主鎖にシロキサン構造を有するジアミンとしては、下式(1)に示すジアミンが好ましく挙げられる。より好ましくは、下式(2)のジアミンである。下式(1)のジアミンを使用することにより、基板や金属との密着性を向上できる。
(式(1)中、R、Rは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい二価の炭化水素基である。R〜Rは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい一価の炭化水素基である。nは、1以上の整数である。)
アシル化合物としては、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種以上を、70〜100モル%含有するものが好ましく用いられる。これらのアシル化合物は、比較的剛直な構造を有し、棒状の剛直鎖を形成することができるので、熱膨張率を低くしつつ耐熱性に優れたポリイミド膜を形成できる。アシル化合物全体に対する上記したアシル化合物(以下、剛直構造アシル化合物とうもいう)の割合が70モル%未満であると、耐熱性が低下する傾向にある。
剛直構造アシル化合物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を使用した場合、理由は不明であるが、ポリイミド前駆体のワニス安定性が良好にできる。更には、得られるポリイミド膜の弾性率が低く、破断伸びに優れ、切削加工時の表面抵抗が好くなる傾向にあり、平坦性など有利に働く。
剛直構造アシル化合物として、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物を使用した場合、ポリイミド膜の熱膨張率をより低下できる。
アシル化合物には、上記した剛直構造アシル化合物の他に、2つ以上の芳香族環が、エステル結合、エーテル結合、ケトン結合により結合した構造をなす芳香族テトラカルボン酸及びこれらの酸無水物(以下、柔軟構造アシル化合物ともいう)を含有しても良い。これらの柔軟構造アシル化合物は、屈曲性があり、柔軟構造を有しており、ポリイミド膜の柔軟性を高めることができる。
柔軟構造アシル化合物を使用する場合、アシル化合物全体に対する柔軟構造アシル化合物の割合は、30モル%以下が好ましく、3〜20モル%がより好ましく、5〜20モル%が特に好ましい。柔軟構造アシル化合物の割合が30モル%を超えると、ポリイミド膜の耐熱性が不十分な場合がある。また、3モル%未満であると、添加効果がほとんど得られないことがある。
柔軟構造アシル化合物としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ポリイミド前駆体組成物は、上記芳香族ジアミンと上記アシル化合物とを反応させて得られるポリアミド酸を少なくとも含有する。前記ポリアミド酸は、上記アシル化合物を、上記芳香族ジアミンよりも1モル%以上多く反応して得られるポリアミド酸を用いることが好ましい。より好ましくは、上記芳香族ジアミン1モルに対し、上記アシル化合物を1.01〜1.15モル、さらに好ましくは1.02〜1.08モル、特に好ましくは1.02〜1.05モル反応させて得られるポリアミド酸である。
このポリアミド酸を含むポリイミド前駆体組成物をイミド化して得られるポリイミド膜は、熱分解温度が高く、更には、熱分解初期に発生する分解ガスは、分子末端のカルボキシル基や酸無水物基が熱分解して発生した炭酸ガス(CO)を主成分とするものであり、ポリイミド膜の主鎖ポリマーの分解を抑制でき、耐熱性に優れている。
これに対し、芳香族ジアミン1モルに対し、アシル化合物を1モル以下の割合で反応させることにより、分子末端にアミノ基を有するポリアミド酸が得られ易くなるが、分子末端にアミノ基を有するポリアミド酸は、ポリアミド酸のカルボキシル基と分子末端のアミノ基とが反応して塩を形成し易い。このような塩が形成されると、触媒効果によってポリアミド酸の分子量が低下し易く、ポリイミド前駆体組成物の粘度が経時変化し易い。更には、ポリイミド前駆体組成物の熱イミド化時に生成する水などによりポリアミド酸の加水分解が促進され易く、得られるポリイミド膜の分子量が低下し易い。更にまた、末端アミノ基は熱に対して不安定であることから、分子末端がカルボキシル基又は酸無水物基でエンドキャップされた構造のポリアミド酸をイミド化して成膜したポリイミド膜よりも熱分解開始温度が低くなり易く、耐熱性が損なわれ易い。
ポリアミド酸は、ポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上200,000以下であるポリアミド酸の割合が70〜100質量%で、ポリスチレン換算重量平均分子量が10,000以上50,000未満であるポリアミド酸の割合が0〜30質量%であることが好ましい。
ポリスチレン換算重量平均分子量が50,000以上200,000以下であるポリアミド酸(以下、高分子量ポリアミド酸ともいう)は、ワニス粘度が高くなり過ぎずハンドリング性が良好で、フィラー分散性が良好である。更には、耐熱性、機械強度(破断強度、破断伸び等)に優れたポリイミド膜とすることができる。
また、ポリスチレン換算重量平均分子量が10,000以上50,000未満であるポリアミド酸(以下、低分子量ポリアミド酸ともいう)は、成膜後のポリイミド膜の機械強度などが低下する傾向にあるが、分子末端のカルボキシル基や酸無水物基の割合が増加することから、ワニス安定性、フィラー分散性、基板密着性が向上する。
そして、高分子量ポリアミド酸の割合が70〜100質量%で、低分子量ポリアミド酸の割合が0〜30質量%であれば、ワニス安定性に優れ、フィラー分散性が良好であり、更には、膜機械強度に優れ、耐熱性に優れたポリイミド膜が得られやすくなる。また、高分子量ポリアミド酸と低分子量ポリアミド酸とを混合して用いた場合には、両樹脂の機能を有するポリイミド膜を得ることができる。
なお、高分子量ポリアミド酸と低分子量ポリアミド酸とを混合して用いる場合、高分子量ポリアミド酸と低分子量ポリアミド酸との組み合わせは、相溶性に優れるものを選択して使用することが好ましい。特に好ましくは、それぞれの主鎖構造が同一のポリアミド酸を用いる。高分子量ポリアミド酸と低分子量ポリアミド酸との相溶性が良好であれば、イミド化後のポリイミド膜は完全に一体化し、長期信頼性に優れる。
ポリアミド酸のポリスチレン換算重量平均分子量は、芳香族ジアミンに対するアシル化合物の比率を高めて反応させることで、ポリスチレン換算重量平均分子量の低いポリアミド酸が得られる。
本発明において、ポリスチレン換算重量平均分子量とは、後述する実施例に記載した重量平均分子量測定で求めた値である。
ポリイミド前駆体組成物には、絶縁性放熱フィラーを含有させても良い。絶縁性放熱フィラーを含有させることにより、得られるポリイミド膜の放冷特性を向上できる。また、このポリイミド前駆体組成物は、フィラー分散性に優れるため、絶縁性放熱フィラーを含有させてもハンドリング性が損なわれ難い。
絶縁性放熱フィラーとしては特に限定はなく、従来公知のものを使用できる。好ましくは、窒化ホウ素である。窒化ホウ素は、放冷特性に優れ、更には、アミド構造との親和性に優れることから、ポリイミド前駆体組成物中に均一分散し易く、また、成膜後のポリイミド膜から分離しにくい。
絶縁性放熱フィラーは、ポリイミド前駆体組成物中にポリイミド樹脂重量に対して1〜30重量%含有することが好ましく、3〜30重量%含有することがより好ましい。絶縁性放熱フィラーの含有量が3重量%未満であると、添加効果が殆ど得られない。30重量%を超えると、ポリイミド前駆体組成物中に均一分散し難くなり、更には、ワニス安定性が低下する傾向にある。
ポリイミド前駆体組成物の成膜方法は、特に限定はなく、従来公知の方法により成膜できる。例えば、ポリイミド前駆体組成物を基板等の被塗装物の表面に塗布し、加熱乾燥等の処理を行ってポリイミド前駆体組成物の塗膜を形成し、これを熱イミド化して行う方法等が挙げられる。また、被塗装物の表面をあらかじめカップリング剤で処理しておくことにより、被塗装物との密着性を向上できる。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、アルミ系カップリング剤、チタン系カップリング剤などが使用できる。カップリング剤による処理方法は従来公知の方法で行うことができる。例えば、カップリング剤を溶剤に溶かして被塗装物の表面に塗布するウエット処理法、被塗装物をカップリング剤の蒸気に曝すドライ法などが挙げられる。
上記ポリイミド前駆体組成物を成膜して得られるポリイミド膜の熱膨張率を2ppm/℃以上7ppm/℃未満にするには、剛直構造ジアミン及び剛直構造アシル化合物を使用すればよい。そして、上記範囲内で熱膨張率を高めるには、剛直構造アシル化合物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用い、剛直構造ジアミンとして2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾールを用いることが好ましい。また、上記範囲内で熱膨張率を下げるには、剛直構造アシル化合物として、ピロメリット酸二無水物を用いることが好ましい。
また、上記ポリイミド前駆体組成物を成膜して得られるポリイミド膜の熱膨張率を7ppm/℃以上24ppm/℃以下にするには、柔軟構造ジアミンの共重合体とすればよい。そして、上記範囲内で熱膨張率を高めるには、柔軟構造ジアミン比率を高くすればばよい。また、上記範囲内で熱膨張率を下げるには、柔軟構造ジアミン比率を小さくすればよい。
本発明の半導体素子は、第1表面電極2を含む基板1の表面側と、絶縁膜3との間に、無機絶縁薄膜を介在させてもよい。無機絶縁膜を介在させることで、基板表面の耐リーク電流性能が向上する。無機絶縁膜として、例えば窒化ケイ素、酸化ケイ素などが挙げられる。窒化ケイ素薄膜は薄膜下の過剰な帯電を抑制し、素子の安定性に寄与する。無機絶縁膜は第1表面電極2を形成した後、蒸着プロセスを用い、必要とする部位に任意に形成するとよい。
無機絶縁膜を介在させる場合、無機絶縁膜の膜厚は、0.1〜5μmが好ましく、0.3〜2.5μmがより好ましい。0.1μm未満であると、無機絶縁膜による効果が殆ど得られない。また、5μmを超えると、無機絶縁膜へクラックが入りやすくなる。
なお、図1に示す半導体素子は、裏面電極6を備えているが、裏面電極6は必ずしも必要ではなく、裏面電極6は備えていなくてもよい。
また、この実施形態では、絶縁膜3は、第1絶縁膜3aと、第2絶縁膜3aの2層で構成されているが、第1絶縁膜3aと、第2絶縁膜3aとの間に、第1絶縁膜3aと、第2絶縁膜3aとの中間の熱膨張率の第3の絶縁膜を介在させ、3層以上の複数構造にしてもよい。これにより、絶縁膜の熱膨張率を、基板1側から第2表面電極5側に向かって、より傾斜的にすることができ、基板と第二表面電極間の熱残留応力をより緩和する効果が高くなるという効果が得られやすくなる。
(半導体素子の製造方法)
[第1実施形態]
次に、本発明の半導体素子の製造方法の第1の実施形態について、図2を用いて説明する。
まず、基板1(研磨前の基板)上に、図示しない半導体部セルを回路でつなぐようにして第1表面電極2を形成する(図2(a))。
次に、第1表面電極2が形成された側の基板1の表面に、レジストを塗布し(図2(b))、これをプリベークしてレジスト膜10を形成する。そして、レジスト膜10を貫通して第1表面電極2上にコンタクトホールを形成し、コンタクトホール内に電解メッキ法を用いてコンタクト電極4を作製する(図2(c))。レジスト膜10を剥離することで、第1表面電極2上にコンタクト電極4が形成された基板が得られる(図2(d))。
次に、第1表面電極2、コンタクト電極4を埋め込む形で基板1の表面側全面に、熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜を形成しうる第1のポリイミド前駆体組成物を塗布し、プリベーク処理して第1のポリイミド前駆体組成物の塗膜15を形成する(図2(e))。ついで、第1のポリイミド前駆体組成物の塗膜15上に、熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜を形成しうる第2のポリイミド前駆体組成物を塗布し、プリベーク処理して第2のポリイミド前駆体組成物の塗膜16を形成する(図2(f))。そして、第1のポリイミド前駆体組成物の塗膜15と、第2のポリイミド前駆体組成物の塗膜16のイミド化を同時に行うことで、第1絶縁膜3a上に、第2絶縁膜3bが積層された絶縁層3が形成される。それぞれの塗膜のイミド化を同時に行うことで、それぞれのポリイミド前駆体組成物によって形成されるポリイミド膜どうしが界面間で一体化して、接合界面の強度が向上する。各々のポリイミド前駆体組成物は、芳香族ジアミン及び/又はアシル化合物が、同一の化合物を用いて反応させたポリアミド酸を含むものが好ましい。このようなポリイミド前駆体組成物を用いることで、プリベーク膜の界面間で相溶化が生じ、イミド化によって一体化し易くなる。イミド化は、最終キュア温度を300〜400℃となるようにすることが好ましい。この高温処理はコンタクト電極4のメッキ層のアニール処理をかねることからコンタクト電極4の強度向上有効に働く。
なお、絶縁膜3と第1表面電極との間に無機絶縁膜を介在させる場合は、第1のポリイミド前駆体組成物を塗布する前に、基板1の表面側及び第1表面電極2の必要とする部位に任意に、蒸着プロセス等の方法を経て形成する。
次に、第2絶縁膜3bを研磨または切削等により表面を削り、コンタクト電極4の上部を第2絶縁膜3b上に削り出して露出させる(図2(g))。
次に、第2絶縁膜3b上に露出したコンタクト電極4を介して、第2絶縁膜3b上部に第2表面電極5(エミッター電極、ゲート電極)を形成する(図2(h))。
次に、表面電極側を治具などに固定し、基板1の裏面側を研磨して、基板1を所定の厚み(好ましくは、150μm以下)に調整する。研磨方法としては、公知のCMP(ケミカルメカニカルポリッシング法)等が挙げられる。
次に、所定の厚みに調整した基板1の裏面側に、裏面電極6を形成する(図2(i))。裏面電極6は、基板の裏面全面に形成してもよく、部分的に形成してもよい。
そして、裏面電極側を治具などに固定し、表面電極側を、絶縁膜3から、ダイヤモンド回転刃を用いるダイサイーなどの方法でダイシングし、各素子を切り出すことで、本発明の半導体素子を製造できる。
なお、裏面電極6を有しない半導体素子を製造する場合においては、基板1の裏面側を研磨して、所定の厚みに調整した後、裏面電極側を治具などに固定し、表面電極側を、絶縁膜3かダイシングして各素子を切り出す製造できる。ダイシング時のチッピングおよびクラック抑制には、ハーフカット/裏面研磨ダイシングなどの方法が採用できる。
[第1の実施形態の変形例]
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。
上記した第1の実施形態では、第2表面電極5を形成した後、基板1の裏面側を研磨したが、この実施形態では、第2絶縁膜3bを研磨または切削等により表面を削り、コンタクト電極4の上部を第2絶縁膜3b上に削り出した後、表面電極側を基板1の裏面側を研磨して所定の厚みに調整し、裏面電極6を形成した後、第2絶縁膜3b上に第2表面電極5を形成する。
このようにして基板1の裏面側を研磨することで、基板研磨後の基板厚、絶縁膜厚の面内均一性が高くなり、基板1をより薄膜にし易くなる。
[第2実施形態]
次に、本発明の半導体素子の製造方法の第2の実施形態について、図3を用いて説明する。
まず、基板1(研磨前の基板)上に、図示しない半導体部セルを回路でつなぐようにして第1表面電極2を形成する(図3(a))。
次に、上記第1の実施形態と同様にして、第1表面電極2を埋め込む形で基板1の表面側全面に、第1絶縁膜3a上に、第2絶縁膜3bが積層された絶縁層3を形成する(図3(b))。
次に、絶縁膜3を貫通して第1表面電極2上にビアホール11を形成する(図3(c))。ビアホール11の形成方法としては、特に限定はなく、レーザービア形成法、ドライエッチング法など従来公知の方法を用いることができる。
次に、ビアホール11内に電解メッキ法を用いてコンタクト電極4を作製する(図3(d))。
次に、第2絶縁膜3b上に露出したコンタクト電極4を介して、第2絶縁膜3b上部に第2表面電極5(エミッター電極、ゲート電極)を形成する(図3(e))。
次に、表面電極側を治具などに固定し、基板1の裏面側を研磨して、基板1を所定の厚みに調整する(図3(f))。
次に、所定の厚みに調整した基板1の裏面側に、裏面電極6を形成する(図3(g))。
そして、裏面電極側を治具などに固定し、表面電極側を、絶縁膜3からダイシングして各素子を切り出すことで、本発明の半導体素子を製造できる。
[測定方法]
・重量平均分子量測定
測定装置:島津製作所製LC−10AD(解析ソフト:CLASS−VP、GPC for CLASS−VP)
UV検出:測定波長 270nm
カラム:PL製 Plgel 5μm MIXED−C 300×7.5mm
PL製 Plgel 5μm Guard 50×7.5m 2本
カラム温度:36℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)500ml/Lと、テトラヒドロフラン(THF)500ml/Lと、リン酸5.8g/Lの混合液
流量:1ml/min(ポンプ流量誤差±2%)
標準ポリスチレン:東ソー標準キッド
樹脂濃度0.1Wt%
・ワニス安定性
ポリイミド前駆体組成物の粘度が30Psになるように、N−メチルピロリドン(NMP)とジメチルアセトアミド(DMAc)とを重量比で1:1の割合で混合した混合溶剤を加えて調整し、25℃で48時間放置後の粘度を、東機産業株株式会社製E型回転粘度計、中粘度用M型を用い、25℃、20rpmまたは100rpmの条件で測定した。±10%以内の粘度変化の場合は○とし、±10〜12%の粘度変化の場合は△とし、それ以外を×とした。
・フィラー分散性
ポリイミド前駆体組成物に、平均粒径5μmの窒化ホウ素を樹脂重量に対して25質量%添加した後、攪拌して分散させた。25℃で3時間放置した後の分散性を目視で観察し、均一分散の場合は○とし、僅かに沈降分離の場合は△とし、沈降分離の場合は×とした。
・熱膨張率測定
測定装置:Seiko instruments製 EXSTAR TMA/SS6000
測定試料:4mm×20mm×10μm
測定条件:25℃→300℃→25℃→300℃→25℃サイクルの2回目の冷却時における熱膨脹率変化を記録した。
昇温速度:5℃/分
荷重:2g(空気雰囲気)
・1%重量減衰開始温度
測定装置:Seiko instruments製 EXSTAR 6000
測定試料:2g〜500mg
測定条件:N2ガスを200ml/分の流量で供給しながら、昇温速度10℃/℃にて、室温から600℃まで昇温し、1%重量減衰開始温度を記録した。
・弾性率測定
測定装置:Seiko instruments製 EXSTAR TMA/SS6000
測定試料:9mm×20mm×10μm
測定条件:最小張力/圧縮力=50mN、張力/圧力ケ゛イン=1.2、力振幅初期=50mN、周波数=1Hz、温度変化プログラム=室温〜300℃、昇温速度=5℃/min
・破断強度、破断伸び
測定装置:島津製作所製 精密万能試験機オートグラフ 床置型AG−10kNX
測定試料:0.01mm×10mm×35mm
測定条件:引張速度10mm/分(25℃)
・熱分解開始温度および分解ガス測定
測定装置:FT/IR−470Plus−Irtron IRT−30 (ニコレー製)
加熱温度:開始温度100℃〜700℃(30min)
昇温速度:20℃/min
(GC部)
カラム:Ultra ALLOY−DTM 2.5m×0.15mm
温度:300℃
注入口:300℃
インターフェース:280℃
キャリアガス:50Kpa 全流量60mL/min
・熱伝導率測定
シリコン基板上に製膜後の膜厚が30〜40μmとなるように、ポリイミド前駆体組成物を塗布後、プリベークした。この上にさらに該ポリイミド前駆体組成物を重ね塗布した。この操作を繰り返して膜厚を調整後、熱イミド化して試料を作製し、京都電子工業株式会社製、迅速熱伝導率計(QTM−50)を用いて熱伝導率を測定した。
[絶縁膜の製造]
(製造例1)
高粘度攪拌装置、窒素ガスラインを備えた500mLセパラブルフラスコ中に2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾール12.54g(0.03モル)を秤量した。次いで、N−メチルピロリドン(NMP)とジメチルアセトアミド(DMAc)とを重量比で1:1の割合で混合した混合溶剤(以下、混合溶剤という)90gを加え、室温にて30分間攪拌した。
この混合反応液を氷冷攪拌下にて、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.18g(0.0312モル)を粉体のまま添加した。さらに、上記混合溶剤20gを用い反応容器内に付着した3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を洗浄しながら追加添加した。氷冷攪拌2時間後、25℃に昇温後24時間攪拌し、ポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の重量平均分子量、ワニス安定性、フィラー分散性を表1に記載する。
得られたポリアミド酸に、上記混合溶剤を適宜加えて粘度を30〜50Psに調整してポリイミド前駆体組成物を得た。このポリイミド前駆体組成物を、カップリング剤処理を施したシリコン基板にスピナーを用い塗布し、90℃6分ホットプレートを用いプリベーク処理した。(塗工膜厚はキュア後膜厚が8μmとなるように調整した)。次いで、イナートオーブンを用い、50℃×60分→150℃×30分→250℃×60分×最終キュア温度(350又は400℃)×60分→冷却(室温)の温度プロセスで熱イミド化して成膜した。
そして、50%フッ化水素酸を用い、シリコン基板から成膜した膜を剥離し、十分水洗後130℃3時間加熱乾燥して評価用フィルムを得て、破断強度(MPa)、破断の伸び(%)、熱膨張率(ppm/℃)、弾性率(GPa)、1%重量減衰開始温度(℃)、脱ガス検知温度(℃)、分解ガスの種類を評価した。結果を表1にまとめて記す。
(製造例2)
製造例1において、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾール12.54g(0.03モル)の代わりに、p−フェニレンジアミン3.25g(0.03モル)を用いた以外は製造例1と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
(製造例3)
製造例1において2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾール12.54g(0.03モル)の代わりに、4,4’−ジアミノベンズアニリド6.82g(0.03モル)を用いた以外は製造例1と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
(製造例4)
製造例1において、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾール12.54g(0.03モル)の代わりに、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾール12.18g(0.0291モル)と下式(2)に示すSiジアミン0.224g(0.0009モル)とを用いた以外は製造例1と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
(製造例5)
製造例1において、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾール12.54g(0.03モル)の代わりに、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾール9.16g(0.0219モル)と、2,5‐ビス(4−アミノベンゾイル)チオフェン2.61g(0.0081モル)とを用いた以外は製造例1と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
(製造例6)
製造例1において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.18g(0.0312モル)の代わりに、ピロメリット酸二無水物6.8g(0.0312モル)を用いた以外は製造例1と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
(製造例7)
製造例3において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.18g(0.0312モル)の代わりに、ピロメリット酸二無水物6.8g(0.0312モル)を用いた以外は製造例3と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
(製造例8)
製造例5において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.18g(0.0312モル)の代わりに、ピロメリット酸二無水物6.8g(0.0312モル)を用いた以外は製造例5と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
(製造例9)
製造例1において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.18g(0.0312モル)の代わりに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物10.06g(0.0312モル)を用いた以外は製造例1と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
(製造例10)
製造例1において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の使用量を12.55g(0.03モル)とした以外は製造例1と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
このポリイミド前駆体組成物の粘度は、100Psを超え、ワニスハンドリングが大幅に悪化した。また、実施例1の混合溶剤を加えて粘度を30Psまで低下させたところ、樹脂濃度5.0%まで低下し、厚膜塗工が困難であった。また、ワニス安定性が悪化した。初期分解ガス成分もベンゼン環由来のガス(C6系ガス)を検知した。
(製造例11)
製造例1において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の使用量を12.55g(0.03モル)とし、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−6,6’−ビベンゾオキサゾールの使用量を13.06g(0.0312モル)とした以外は実施例1と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
このポリイミド前駆体組成物は、ワニス安定性が極めて悪かった。また、膜の破断伸びが低く、強度不足が懸念される。更には、脱ガス開始温度が低く、初期分解ガス成分もベンゼン環由来のガスを検知した。
(製造例12)
製造例2において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の使用量を12.55g(0.03モル)とし、p−フェニレンジアミンの使用量を3.25g(0.03モル)とした以外は製造例2と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
このポリイミド前駆体組成物の粘度は、100Psを超え、ワニスハンドリングが大幅に悪化した。また、実施例1の混合溶剤を加えて粘度を30Psまで低下させたところ、樹脂濃度5.1%まで低下し、厚膜塗工が困難であった。また、フィラー分散性も悪かった。初期分解ガス成分はベンゼン環由来のガスを検知した。
(製造例13)
製造例2において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の使用量を12.55g(0.03モル)とし、p−フェニレンジアミンの使用量を3.38g(0.0312モル)とした以外は製造例2と同様にしてポリアミド酸を得てポリイミド前駆体組成物を調製した。このポリイミド前駆体組成物を用い、製造例1と同様にして成膜した。
このポリイミド前駆体組成物は、ワニス安定性が極めて悪かった。また、膜の破断伸びが低く、強度不足が懸念される。更には、脱ガス開始温度が低く、初期分解ガス成分もベンゼン環由来のガスを検知した。
(製造例14)
市販の低熱膨張自己密着型樹脂ワニス(商品名:「SP−042」 東レ社製)を用い、ワニス安定性、フィラー分散性を評価した。また、この樹脂ワニスを用いて製造例1と同様にして成膜し、破断強度(MPa)、破断の伸び(%)、熱膨張率(ppm/℃)、弾性率(GPa)、1%重量減衰開始温度(℃)、脱ガス検知温度(℃)、分解ガスの種類を評価した。
この樹脂ワニスは、ワニス安定性が悪く、ハンドリング性に問題があった。また、脱ガス開始温度が300℃と極めて低かった。
[複合膜の作製と評価]
製造例1において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物9.18g(0.0312モル)の使用量を9.53g(0.0324モル)とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の重量平均分子量は38000であった。
次に、得られたポリアミド酸30gと、製造例1のポリアミド酸70gと混合した。2種類のポリアミド酸は主鎖構造が同一のため、完全に溶解し、均一ワニスになった。このワニスに窒化ホウ素4.8g(商品名「HP−40」、JFES社製、平均粒径5μm、ポリアミド酸の全質量に対して30質量%に相当)を添加し、攪拌してポリイミド前駆体組成物を調製した。窒化ホウ素はワニスに均一分散した。このポリイミド前駆体組成物から成膜したフィルムの熱伝導率は1.4(W/m/K)であった。
一方、窒化ホウ素を添加しないこと以外は同様にして調製したポリイミド前駆体組成物を用いて成膜したフィルムの熱伝導率は0.2(w/m/k)であった。このように、窒化ホウ素を添加することにより放熱特性が著しく向上した。
[膜積層構造体の成膜]
製造例1のポリイミド前駆体組成物を、最終膜厚が3μmになるようにスピナーを用いてシリコン基板に塗布した。この基板を90℃×6分、ホットプレートを用いてプリベークした。次に、この基板上に、実施例5のポリイミド前駆体組成物を、最終膜厚が2μmになるようにスピナーを用い塗布し、90℃×6分、ホットプレートでプリベークした。塗工およびプリベーク後の膜中のボイドおよび剥離(浮き)は見られなかった。この基板を、イナートオーブンを用い最終キュア温度400℃×60分の条件で熱イミド化して成膜た。膜を通常の方法でシリコン基板より剥離した。剥離した膜の破断強度は310Mpa、破断伸び39%で優れた膜機械特性を示した。また、2種類の膜は界面で剥離することなく一体化していた。
[半導体素子の製造]
図2に示す手順にて、半導体素子を製造した。
半導体セルが回路でつながれて形成された第1表面電極2(ニッケル電極)を有するシリコン基板(基板厚み500μm)上に、めっきレジスト(商品名「ZPN103」,ネガ型感化ゴムレジスト、日本ゼオン製)をコート後、露光、現像処理を行い、第1表面電極2上にコンタクトホール11が貫通して形成された20μm膜厚のレジスト膜を形成した。
電解めっき法を用いてコンタクトホール内にコンタクト電極4を作成した(図2−(c))。専用剥離液を用い、レジスト膜10を剥離してコンタクト電極4を露出させた(図2−(d))。
この基板上に、製造例1で合成したポリイミド前駆体組成物を、キュア後膜厚が17〜18μmの膜厚になるように塗布し90℃で6分プリベークした(図2−(e))。次いでこのプリベーク膜上に、製造例5で合成したポリイミド前駆体組成物を、キュア後膜厚が5μm程度になるように塗布した(図2−(f))。重ね塗りたプリベーク膜を製造例1記載のキュア条件で熱イミド化して積層ポリイミド膜(絶縁膜3)を作製した。この積層ポリイミド膜の積層面は完全に一体化しており、剥離することが無かった。
このシリコン基板1上の積層ポリイミド膜を切削加工(切削加工装置DAS8920,株式会社ディスコ社製)してコンタクト電極4を削りだした(図2−(g))。切削面のポリイミド膜(絶縁膜3b)はチオフェン骨格を有する樹脂で熱膨張率が14.8ppm/℃を有し、第2表面電極5(銅電極)と熱膨張率が近似し、しかも銅との密着性に優れていた。
コンタクト電極4より、積層ポリイミド膜表面に第2表面電極5をスパッタ法で作製した後(図2−(h))、ポリイミド面を固定して、シリコン基板裏面を研磨加工してシリコン基板を100μmまで薄板化した。薄膜化したシリコン基板は反ることが無く、平坦であり、シリコン基板の欠けも見られなかった。安定して次工程に進めることが出来た。また、第2表面電極5と積層ポリイミド膜との間での相間隔離がなかった。
裏面電極6をスパッタ法で順次積層した後、ポリイミド面からダイサーを用いてチップを分割したところ、そりおよび欠けのない半導体素子を得ることが出来た。
1:基板
2:第1表面電極
3:絶縁膜
3a:第1絶縁膜
3b:第2絶縁膜
4:コンタクト電極
5:第2表面電極
6:裏面電極
10:レジスト膜
11:ビアホール
61:基板
62:第1表面電極
63:絶縁膜
64:コンタクト電極
65:第2表面電極
66:裏面電極

Claims (12)

  1. 基板の表面に形成された第1表面電極と、
    前記第1表面電極上を含む基板の表面側に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜の表面に形成された第2表面電極と、
    前記絶縁膜を連通して前記第1表面電極と前記第2表面電極とを導通するように形成されたコンタクト電極とを備えた半導体素子であって、
    前記絶縁膜と前記第1表面電極との間に無機薄膜絶縁層が形成され、
    前記絶縁膜は、前記基板に隣接する側に形成された熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜と、前記第2表面電極に隣接する側に形成された熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜とを有することを特徴とする半導体素子。
  2. 前記絶縁膜の合計膜厚が1〜50μmである、請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記第1絶縁膜及び第2絶縁膜が、芳香族テトラカルボン酸及び芳香族テトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種以上のアシル化合物を、前記芳香族ジアミンよりも1モル%以上多く反応して得られるポリアミド酸を含むポリイミド前駆体組成物をイミド化して得られるポリミド樹脂で構成されている、請求項1又は2に記載の半導体素子。
  4. 前記芳香族ジアミンが、2,2’−ジ(p−アミノフェニル)−5,5’−ビスベンゾオキサゾール、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル及び4,4’−ジアミノベンズアニリドから選ばれる1種以上を70〜100モル%含有する、請求項3に記載の半導体素子。
  5. 前記アシル化合物が、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種以上を70〜100モル%含有する、請求項3又は4に記載の半導体素子。
  6. 前記無機薄膜絶縁層が、酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素で形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の半導体素子。
  7. 前記基板の厚みが150μm以下である、請求項1からのいずれかに記載の半導体素子。
  8. 前記基板が、シリコン、SiC、GaNから選ばれる一種以上で構成されている、請求項請求項1からのいずれかに記載の半導体素子。
  9. 基板の一方の面に第1表面電極を形成する第1表面電極形成工程と、
    第1表面電極が形成された基板の表面にレジスト組成物を塗布し、プリベークしてレジスト膜を形成し、該レジスト膜を貫通して前記第1表面電極上にコンタクトホールを形成し、このコンタクトホール内にコンタクト電極を形成し、前記レジスト膜を剥離するコンタクト電極形成工程と、
    第1表面電極が形成された基板の表面に、熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜を形成し、次いで、該第1絶縁膜上に熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜を積層して絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    コンタクト電極を介して前記絶縁膜上に第2表面電極を形成する第2表面電極形成工程と、
    第1表面電極、第2表面電極及び絶縁膜が形成された基板の裏面側を支持体に固定し、第1表面電極側からダイシングして素子ユニットを分離するダイシング工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  10. 基板の一方の面に第1表面電極を形成する第1表面電極形成工程と、
    第1表面電極が形成された基板の表面に、熱膨張率が2ppm/℃以上7ppm/℃未満の第1絶縁膜を形成し、次いで、該第1絶縁膜上に熱膨張率が7ppm/℃以上24ppm/℃以下の第2絶縁膜を積層して絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    絶縁膜形成工程で形成した絶縁膜にビア部分を開口させ、開口したビア部分にコンタクト電極をメッキプロセスで形成した後、コンタクト電極を介して前記絶縁膜上に第2表面電極を形成する第2電極形成工程と、
    第1表面電極、第2表面電極及び絶縁膜が形成された基板の裏面側を支持体に固定し、第1表面電極側からダイシングして素子ユニットを分離するダイシング工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  11. 前記絶縁膜上に第2表面電極を形成した後、前記基板の他方の面を研磨して厚みを150μm以下に調整し、研磨した側の面に裏面電極を形成する、請求項又は10に記載の半導体素子の製造方法。
  12. 前記絶縁膜形成工程を終えた後、前記基板の他方の面を研磨して厚みを150μm以下に調整し、研磨した側の面に裏面電極を形成した後、前記絶縁膜上に第2表面電極を形成する、請求項又は10に記載の半導体素子の製造方法。
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