JP4369898B2 - 接着フィルム - Google Patents
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Description
フリップチップ実装においては、半導体パッケージ全体を封止するモールド樹脂は使用されず、アンダーフィルと呼ばれる樹脂でバンプ接続部分のみを封止し、チップ裏面が剥き出しになっているのが一般的である(特許文献2参照)。
チップの厚みは年々薄型化しているが、一般に、チップは薄くなると機械的強度が大きく低下する。そのため、薄いチップを搭載したフリップチップ型半導体パッケージにおいて、剥き出しになったチップに外部からの衝撃で欠けや割れが発生し問題になっていた。
前記熱硬化性樹脂層がフェノール性ヒドロキシル基を主鎖内に有するポリイミドを含有することは接着性の点で好ましい態様である。
コア層である耐熱性樹脂層は、耐熱性の観点から、ガラス転移温度は200℃以上が好ましく、より好ましくは300℃以上である。また、支持性の観点から、厚みは25μm以上であることが好ましい。材質は特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。本発明の接着フィルムをフリップチップ型半導体パッケージで使用した場合、パッケージ認証のために耐熱性樹脂層表面にレーザーで製造番号等が刻印される。レーザー刻印性の観点から、耐熱性樹脂はポリイミドが好ましい。
熱硬化性樹脂層は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を含むものが好ましい。
一般に、ポリイミドはジアミンと酸二無水物とを反応させて得る。フェノール性ヒドロキシル基を主鎖内に導入するためにはフェノール性ヒドロキシル基を有するジアミンを使用することが好ましい。
フェノール性ヒドロキシル基を有するジアミンとしては、特に限定なく使用できるが、一般式(1)〜(3)で表されるジアミンが好ましい。
(式中、Zはそれぞれ独立に直結あるいは2価の有機基を表す。)
Zの2価の有機基としては、炭素数2〜27の、脂肪族基、脂環族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、さらに芳香族基が直接または架橋員によって相互に連結された非縮合環式芳香族基等が挙げられる。
また、この反応における反応原料の溶媒中の濃度は、通常、2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であり、テトラカルボン酸成分とジアミン成分との反応モル比は、テトラカルボン酸成分/ジアミン成分で0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、耐熱性が低下することがなく好ましい。
ポリイミドの分子量に特に制限はなく、用途や加工方法に応じ、任意の分子量とすることができる。本発明のポリイミドは、用いるジアミン成分、テトラカルボン酸二無水物の量比を調節することにより、例えば、ポリイミドを0.5g/dlの濃度でN−メチル−2−ピロリドンに溶解した後、35℃で測定した対数粘度の値を、0.1〜3.0dl/gの任意の値とすることができる。
また、上記反応で得られたポリイミド溶液はそのまま用いても良いが、該ポリイミド溶液を貧溶媒中に投入してポリイミドを再沈析出させても良い。
本発明に関わる熱硬化性樹脂は、硬化性の観点から、上記ポリイミドに分子内に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂を配合することが好ましい。
エポキシ樹脂の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部である。この範囲であれば、耐熱性が維持され、フィルム形成能が悪くなることがない。
硬化剤の配合量は、エポキシ化合物100重量部に対して、0〜20重量部の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、樹脂溶液状態でゲルが生じにくく、樹脂溶液の保存安定性に優れる。
フィラーの配合量は熱可塑性樹脂100重量部に対して0〜5000重量部、好ましくは0〜3000重量部の範囲内である。この範囲内であれば、樹脂溶液状態でフィラーが沈降し難く、樹脂溶液の保存安定性に優れる。一方、フィラーが多すぎると接着性が低下することがある。
カップリング剤の配合量は熱可塑性樹脂100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは0〜30重量部の範囲内である。この範囲内であれば、耐熱性が低下することはない。
本発明の接着フィルム製造の際に用いる有機溶媒は、材料を均一に溶解、混練または分散できるものであれば制限はなく使用でき、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、メシチレン、フェノール、クレゾール等が挙げられる。
ポリイミド樹脂(固形分換算)をN−メチル−2−ピロリドンに0.5g/dlの濃度で溶液にした後、35℃において、ウベローデ粘度計を用いて測定した。
樹脂を表面処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、A54、厚さ50μm)上に塗布し、100℃で30分間加熱後、PETフィルムを剥離し、厚さ750μmの単層フィルムとした後、固体粘弾性測定(レオメトリックス社製、RSA−II、周波数:10Hz)を行った。その測定で観測されるtanδピーク温度をガラス転移温度とした。
攪拌機、窒素導入管、温度計、メシチレンを満たしたディーンスターク管を備えた300mlの五つ口のセパラブルフラスコに、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(イハラケミカル工業株式会社製、商品名:エラスマー1000、平均分子量1268)18.7494g、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物45.8680g、N−メチル−2−ピロリドン100g、メシチレン45gを計り取り、窒素雰囲気下で溶解させ、そこにビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:PAM−E)32.0000gを少量ずつ添加した。その後、窒素導入管を溶液内に挿入し(バブリング状態にし)、系内の温度を170℃〜180℃に加熱し、水を共沸除去しながら12時間保持した。冷却後、メシチレン145gを加え希釈し、4,4’−ジミアノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(和歌山精化工業株式会社製、商品名:HAB)0.9311gを添加し、ポリイミドの溶液を得た。このポリイミドの対数粘度は0.81dl/gであった。
そのフィルム状熱硬化性樹脂層を、ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、ユーピレックス、厚さ75μm、ガラス転移温度300℃以上)に100℃でラミネートし、片面接着フィルムを得た。
試験片を300℃のはんだ槽に3分間浸漬させたが膨れや剥がれといった問題は見られず、耐熱性に優れていることがわかった。
また、試験片接着フィルム側表面を炭酸ガスレーザーマーカーにて刻印したところ、特に視認性に問題は見られず、レーザー刻印性に優れていることがわかった。
Claims (2)
- フリップチップ型半導体パッケージ用接着フィルムであって、ガラス転移温度が200℃以上でかつ厚みが25μm以上の耐熱性樹脂層と、ガラス転移温度が100℃以下でかつ厚みが25μm以下の熱硬化性樹脂層から構成される、2層構造の接着フィルム。
- 前記熱硬化性樹脂層がフェノール性ヒドロキシル基を主鎖内に有するポリイミドを含有することを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
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