JP5574136B1 - 溶質抽出装置 - Google Patents

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Abstract

間隙を設けて第1捕捉剤層(340)と第2捕捉剤層(350)とが充填された溶質捕捉カラム(300)は、その本体部(310)の上部から延びる第1分岐経路(320)と両捕捉剤層の間から延びる第2分岐経路(330)とを有し、上部に精製カラム(200)が連結している。精製カラム(200)にダイオキシン類溶液を注入し、展開溶媒を供給すると、ダイオキシン類は精製カラム(200)から溶質捕捉カラム(300)へ流れて両捕捉剤層で捕捉される。精製カラム(200)および第1分岐経路(320)を大気系から閉鎖して溶質捕捉カラム(300)の下端側から供給した抽出溶媒は、第2捕捉剤層(350)に捕捉されたダイオキシン類を抽出して第2分岐経路(330)に流れる。精製カラム(200)および第2分岐経路(330)を大気系から閉鎖して同様に供給した抽出溶媒は、第1捕捉剤層(340)に捕捉されたダイオキシン類を抽出して第1分岐経路(320)に流れる。

Description

本発明は、抽出装置、特に、溶液から溶質を抽出するための装置に関する。
溶質の分析において、溶液中の夾雑成分と溶質との分離や溶媒置換を目的とし、溶液から溶質を抽出することがある。例えば、毒性の強い環境汚染物質であるダイオキシン類の分析では、通常、夾雑成分を含むダイオキシン類溶液からダイオキシン類を選択的に抽出し、その抽出液がダイオキシン類の分析用試料として用いられる。
特許文献1は、ダイオキシン類溶液からダイオキシン類を抽出するための装置を開示している。この装置は、複数のシリカ層からなるフイルタ材が充填されたリザーバと、アルミナや活性炭等のダイオキシン類を吸着可能な吸着材が充填されたガラス製の吸着カラムとを備え、分岐部を有する直通管によりリザーバと吸着カラムとを連結した構造を有している。
この抽出装置によりダイオキシン類を抽出するときは、先ず、リザーバにダイオキシン類溶液を注入し、続いてリザーバにヘキサンを供給する。リザーバに供給されたヘキサンは、ダイオキシン類溶液のダイオキシン類を溶解しながらフイルタ材を通過し、また、直通管を経由して吸着カラムへ流れて吸着材を通過する。この際、ダイオキシン類溶液に含まれる夾雑成分は、フイルタ材に捕捉され、ダイオキシン類から分離される。また、ヘキサンに溶解したダイオキシン類は、吸着材に捕捉され、ヘキサンから分離される。
次に、吸着カラムに対してヘキサンの通過方向の反対方向側からダイオキシン類の抽出溶媒、例えばトルエンやジメチルスルホキシドを供給し、吸着材を通過した抽出溶媒を直通管の分岐部に流して確保する。この際、抽出溶媒は、吸着材に捕捉されたダイオキシン類を抽出した溶液として確保される。この結果、夾雑成分が分離されたダイオキシン類抽出液が得られる。こうして得られたダイオキシン類抽出液は、抽出溶媒の種類に応じ、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS法)やバイオアッセイ法等の分析方法によって分析される。
ところで、ダイオキシン類は、一般に、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル(DL−PCBs)を総称する用語である。DL−PCBsは、209種類のポリ塩化ビフェニル類(PCBs)のうち、PCDDsおよびPCDFsと同様の毒性を示すPCBsであり、ノンオルソPCBsおよびモノオルソPCBsを含む。
このため、上記抽出装置により得られるダイオキシン類抽出液は、これらの多種類のダイオキシン類を同時に含むものになる。ところが、そのような抽出液を分析したとき、その結果は信頼性を欠くことがある。例えば、高分解能GC/MS法により抽出液を分析する場合、モノオルソPCBsがPCDDsおよびPCDFsの定量分析結果に影響し、逆に、PCDDsおよびPCDFsがモノオルソPCBsの定量分析結果に影響することが知られている。
また、上記抽出装置は、吸着カラムに充填された吸着材により全種類のダイオキシン類を捕捉しようとするものであるため、一部のダイオキシン類が流失して回収できない場合や、一部のダイオキシン類の回収率が大きく低下する場合がある。この場合、ダイオキシン類の吸着能が高い吸着材を選択することも考えられるが、そのような吸着材を用いたときは大量の抽出溶媒を使用する必要が生じたり、ダイオキシン類が脱着しにくいことからダイオキシン類全体の回収率を犠牲にしたりする可能性がある。
国際公開 WO2005/062016
本発明は、溶液から溶質を抽出する場合において、溶質を分画したり、溶質の回収率を高めたりしようとするものである。
本発明は、溶液から溶質を抽出するための装置に関するものであり、この装置は、一端に溶液の注入口を備えた注入部を有しかつ他端に排出口を有する、溶質を捕捉可能な複数の捕捉剤層を間隙を設けて充填した溶質捕捉カラムと、溶質捕捉カラムに対し、溶質捕捉カラム内で溶質を展開するための展開溶媒を供給するための第1供給装置と、溶質捕捉カラムに対し、溶質の抽出溶媒を供給するための第2供給装置とを備えている。
ここで、溶質捕捉カラムは、注入部および上記間隙のそれぞれから延びる、第2供給装置からの抽出溶媒を流通させるための、互いに独立した分岐経路を有している。また、第2供給装置は、その動作時において、抽出溶媒の供給側から順次選択された分岐経路の一つについては抽出溶媒が流通するよう設定可能であるとともに、他の分岐経路および溶質捕捉カラムの注入口については抽出溶媒の流通を遮断するよう設定可能であり、第1供給装置の動作時において、分岐経路への展開溶媒の流通を遮断するよう設定可能である。
この抽出装置により溶液から溶質を抽出する場合は、溶質捕捉カラムに対し、注入口から溶液を注入する。溶液を注入された溶質捕捉カラムに対して第1供給装置が展開溶媒を供給すると、この展開溶媒は、溶質捕捉カラム内の複数の捕捉剤層を順に通過し、排出口から排出される。この際、溶液に含まれる溶質は、展開溶媒に溶解しながら複数の捕捉剤層上で展開し、複数の捕捉剤層において捕捉される。そして、溶質捕捉カラムに対し、第2供給装置が抽出溶媒を供給すると、この抽出溶媒は、溶質捕捉カラムに対する供給側に位置する捕捉剤層を通過して当該捕捉剤層に捕捉された溶質を抽出し、当該捕捉剤層と次の捕捉剤層との間隙の分岐経路に選択的に流れる。第2供給装置は、これと同様の動作を捕捉剤層の数だけ繰り返し、各捕捉剤層に捕捉された溶質を順次抽出溶媒により抽出して分岐経路に流す。
結果的に、この抽出装置によれば、各捕捉剤層から個別に溶質を抽出した複数の抽出液が得られることになるため、溶質を分画して抽出したり、溶質の回収率を高めたりすることができる。
本発明の抽出装置の一形態では、複数の捕捉剤層の少なくとも一つが異なる捕捉剤により形成されている。また、この抽出装置の他の一形態では、複数の捕捉剤層が同じ捕捉剤により形成されている。
本発明の抽出装置の第2供給装置は、例えば、分岐経路のそれぞれに連絡しかつ抽出溶媒の回収容器を有する、開閉可能な通気経路を有しており、通気経路の開閉により分岐経路のそれぞれについての抽出溶媒または展開溶媒の流通を制御する。この場合、通気経路は、例えば、分岐経路と回収容器との間の経路が柔軟な材料からなり、かつ、ピンチバルブを有している。
また、第2供給装置は、例えば、溶質捕捉カラムに対して排出口から抽出溶媒を供給可能である。
本発明の抽出装置は、溶質捕捉カラムに対し、分岐経路を通じて気流を供給するための給気装置をさらに備えているのが好ましい。
本発明の抽出装置の一形態では、溶液がダイオキシン類の脂肪族炭化水素溶媒溶液であり、複数の捕捉剤層がダイオキシン類を捕捉可能である。この場合、溶質捕捉カラムは、例えば、注入部側から活性炭含有シリカゲルとグラファイト含有シリカゲルとをこの順に積層した第1捕捉剤層と、第1捕捉剤層のグラファイト含有シリカゲル側に配置された、アルミナを含む第2捕捉剤層とを備えている。
また、この形態の抽出装置は、例えば、一端に脂肪族炭化水素溶媒溶液の導入部を有しかつ他端が溶質捕捉カラムの注入口に連絡する、ダイオキシン類の脂肪族炭化水素溶媒溶液に含まれる夾雑成分を捕捉するための精製層を充填した精製カラムをさらに備えている。この場合、第1供給装置は、精製カラムを経由して溶質捕捉カラムへ展開溶媒を供給するよう、上記導入部に連絡している。
精製カラムの精製層は、例えば、硝酸銀シリカゲル層と硫酸シリカゲル層とを含む積層体である。この積層体は、上記導入部側に硝酸銀シリカゲル層を有しているのが好ましい。
本発明の他の目的および効果は、以下の詳細な説明において触れる。
本発明に係る溶質抽出装置の一形態の概要の部分断面図。 前記溶質抽出装置の動作の一状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作の他の状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作のさらに他の状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作のさらに他の状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作のさらに他の状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作のさらに他の状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作のさらに他の状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作のさらに他の状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作のさらに他の状態を示す図。 前記溶質抽出装置の動作のさらに他の状態を示す図。
図1を参照して、本発明に係る溶質抽出装置の一形態を説明する。図1は、溶質抽出装置の概要を示したものであり、各部の構造、形状および大きさ等を正確に反映したものではない。
図1において、溶質抽出装置100は、ダイオキシン類の分析を目的として、ダイオキシン類溶液からその溶質であるダイオキシン類を抽出するためのものであり、起立状態で配置された精製カラム200および溶質捕捉カラム300並びに供給装置400を主に備えている。
精製カラム200は、ダイオキシン類溶液に含まれるダイオキシン類以外の夾雑成分をダイオキシン類から分離するためのものであり、少なくとも耐溶媒性、耐薬品性および耐熱性を有する材料、例えば、これらの特性を備えたガラス、樹脂または金属等からなるものである。精製カラム200は、内部に精製層230を充填した本体部210と、本体部210の下部から延びる連絡部220を有している。
本体部210は、概ね円筒状に形成されており、上端部にダイオキシン類溶液の導入部211となる開口を有している。連絡部220は、本体部210よりも小径の円筒状に形成されており、下端が開口している。
精製層230は、導入部211側から順に硝酸銀シリカゲル層231、第1シリカゲル層232、硫酸シリカゲル層233および第2シリカゲル層234を積層状態で配置した多層シリカゲル層である。
硝酸銀シリカゲル層231は、硝酸銀シリカゲルからなるものであり、ダイオキシン類溶液に混入している夾雑成分の一部を分解または吸着するためのものである。ここで用いられる硝酸銀シリカゲルは、粒径が40〜210μm程度の粒状のシリカゲル(通常は加熱により活性度を高めた活性シリカゲル)の表面に硝酸銀の水溶液を均一に添加した後、減圧加熱により水分を除去することで調製されたものである。シリカゲルに対する硝酸銀水溶液の添加量は、通常、シリカゲルの重量の5〜20%に設定するのが好ましい。
硝酸銀シリカゲル層231における硝酸銀シリカゲルの充填密度は、特に限定されるものではないが、通常、0.3〜0.8g/cmに設定するのが好ましく、0.4〜0.7g/cmに設定するのがより好ましい。
硫酸シリカゲル層233は、硫酸シリカゲルからなるものであり、ダイオキシン類溶液に混入しているダイオキシン類以外の夾雑成分の一部を分解または捕捉するためのものである。ここで用いられる硫酸シリカゲルは、粒径が40〜210μm程度の粒状のシリカゲル(通常は加熱により活性度を高めた活性シリカゲル)の表面に濃硫酸を均一に添加することで調製されたものである。シリカゲルに対する濃硫酸の添加量は、通常、シリカゲルの重量の10〜130%に設定するのが好ましい。
硫酸シリカゲル層233における硫酸シリカゲルの充填密度は、特に限定されるものではないが、通常、0.3〜1.1g/cmに設定するのが好ましく、0.5〜1.0g/cmに設定するのがより好ましい。
第1シリカゲル層232は、硝酸銀シリカゲル層231と硫酸シリカゲル層233とが直接的に接触することで相互に化学反応するのを避けるために配置されており、粒径が40〜210μm程度の粒状のシリカゲルからなるものである。ここで用いられるシリカゲルは、加熱することで活性度を適宜に高めたものであってもよい。
第2シリカゲル層234は、第1シリカゲル層232と同様のシリカゲルからなるものであり、硫酸シリカゲル層233と反応して分解された夾雑成分の一部、分解生成物および硫酸シリカゲル層233から溶出する硫酸を捕捉し、これらが溶質捕捉カラム300へ移動するのを防止するためのものである。
精製層230において、硝酸銀シリカゲル層231と硫酸シリカゲル層233との比率は、硝酸銀シリカゲル層231に対する硫酸シリカゲル層233の重量比を1.0〜50倍に設定するのが好ましく、3.0〜30倍に設定するのがより好ましい。硫酸シリカゲル層233の重量比が50倍を超えるときは、硝酸銀シリカゲル層231の割合が相対的に小さくなるため、精製層230において、ダイオキシン類溶液に含まれる夾雑成分の捕捉能が不十分になる可能性がある。逆に、硫酸シリカゲル層233の重量比が1.0倍未満のときは、精製層230において、ダイオキシン類溶液に含まれる夾雑成分の分解能が不十分になる可能性がある。
精製カラム200の大きさは、溶質抽出装置100により処理するダイオキシン類溶液の量に応じて適宜設定することができるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、ダイオキシン類溶液量が1〜20mL程度の場合、精製層230を充填可能な部分の大きさが内径10〜20mmで長さが100〜300mm程度に設定されているのが好ましい。
精製カラム200は、その外周を囲むように第1加熱装置250が配置されている。第1加熱装置250は、精製層230の硝酸銀シリカゲル層231および第1シリカゲル層232と、硫酸シリカゲル層233の一部、すなわち、硝酸銀シリカゲル層231の近傍部分とを加熱するためのものである。
溶質捕捉カラム300は、ダイオキシン類溶液に含まれるダイオキシン類を捕捉するためのものであり、精製カラム200と同様の材料を用いて形成された、上端および下端が開口する円筒状に形成されている。
溶質捕捉カラム300は、内部に複数の捕捉剤層、すなわち、第1捕捉剤層340と第2捕捉剤層350とを充填した本体部310と、本体部310から突出して設けられた2本の分岐経路、すなわち、本体部310において間隙を設けて突出する第1分岐経路320と第2分岐経路330とを有している。
第1捕捉剤層340は、活性炭含有シリカゲル層341とグラファイト含有シリカゲル層342とを含む。
活性炭含有シリカゲル層341は、第1捕捉剤層340において精製カラム200側に配置されており、活性炭と粒状のシリカゲルとの混合物からなるものである。このような混合物は、活性炭とシリカゲルとを単純に混合することで得られる活性炭分散シリカゲルであってもよいし、珪酸ナトリウム(水ガラス)と活性炭との混合物を鉱酸と反応させることで得られる活性炭埋蔵シリカゲルであってもよい。活性炭は、市販の各種のものを用いることができるが、通常、粒径が40〜100μm程度の粒状または粉末状であって、BET法により測定した比表面積が100〜1,200m/g、特に500〜1,000m/gのものが好ましい。活性炭分散シリカゲルにおけるシリカゲルは、第1シリカゲル層232と同様のものが用いられる。
活性炭とシリカゲルとの混合物における活性炭の割合は、0.013〜5.0重量%が好ましく、0.1〜3.0重量%がより好ましい。活性炭が0.013重量%未満の場合または5.0重量%を超える場合は、第1捕捉剤層340において、塩素数の多いPCDDsまたは塩素数の多いPCDFsの捕捉能が低下する可能性がある。
活性炭含有シリカゲル層341の充填密度は、特に限定されるものではないが、通常、0.3〜0.8g/cmに設定するのが好ましく、0.45〜0.6g/cmに設定するのがより好ましい。
グラファイト含有シリカゲル層342は、第1捕捉剤層340において、活性炭含有シリカゲル層341に隣接して配置されており、グラファイトと粒状のシリカゲルとを単純に混合することで得られる混合物からなるものである。グラファイトは、市販の各種のものを用いることができるが、通常、粒径が40〜200μm程度の粒状または粉末状であって、BET法により測定した比表面積が10〜500m/g、特に50〜200m/gのものが好ましい。また、シリカゲルは、第1シリカゲル層232と同様のものが用いられる。
グラファイトとシリカゲルとの混合物におけるグラファイトの割合は、2.5〜50重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましい。グラファイトが2.5重量%未満の場合は、第1捕捉剤層340において、ノンオルソPCBsの捕捉能が低下する可能性がある。逆に、グラファイトが50重量%を超える場合は、第1捕捉剤層340において、非DL−PCBs、特に、塩素数が1〜2の非DL−PCBsが捕捉されやすくなる可能性がある。
グラファイト含有シリカゲル層342の充填密度は、特に限定されるものではないが、通常、0.2〜0.6g/cmに設定するのが好ましく、0.3〜0.5g/cmに設定するのがより好ましい。
第1捕捉剤層340において、活性炭含有シリカゲル層341とグラファイト含有シリカゲル層342との割合は、前者(A)に対する後者(B)の体積比(A:B)が1:1〜1:12になるよう設定するのが好ましく、1:1〜1:9になるよう設定するのがより好ましい。この体積比よりも活性炭含有シリカゲル層341の割合が少ない場合、第1捕捉剤層340においてPCDDsおよびPCDFsの一部、特に、塩素数が8のPCDDsおよびPCDFsの捕捉能が低下する可能性がある。逆に、活性炭含有シリカゲル層341の割合が多い場合は、第1捕捉剤層340において、モノオルソPCBsが捕捉されやすくなる可能性がある。
第2捕捉剤層350は、本体部310内において、第1捕捉剤層340と間隙を設けて配置されており、粒状のアルミナを用いて形成されている。ここで用いられるアルミナは、塩基性アルミナ、中性アルミナおよび酸性アルミナのいずれのものであってもよい。また、アルミナの活性度は、特に限定されるものではない。アルミナの好ましい粒径は、通常、40〜300μmである。
第2捕捉剤層350におけるアルミナの充填密度は、特に限定されるものではないが、通常、0.5〜1.2g/cmに設定するのが好ましく、0.8〜1.1g/cmに設定するのがより好ましい。
第1分岐経路320は、本体部310の上端側の開口(ダイオキシン類溶液の注入口に該当する。)と第1捕捉剤層340との間の部分(ダイオキシン類溶液の注入口を有する注入部に該当する。)から水平方向に突出しており、内部が本体部310内に通じ、かつ、先端が開口している。第2分岐経路330は、第1捕捉剤層340と第2捕捉剤層350との間から水平方向に突出しており、内部が本体部310に通じ、かつ、先端が開口している。
溶質捕捉カラム300の本体部310の大きさは、精製カラム200と同じく、溶質抽出装置100により処理するダイオキシン類溶液の量に応じて適宜設定することができるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、ダイオキシン類溶液量が1〜20mL程度の場合、内径3〜10mmで、第1捕捉剤層340を充填可能な部分の長さが20〜80mm程度に、また、第2捕捉剤層350を充填可能な部分の長さが20〜80mm程度に設定されているのが好ましい。
溶質捕捉カラム300は、第1捕捉剤層340の充填部分の外周を囲むように第2加熱装置360が配置されており、また、第2捕捉剤層350の充填部分の外周を囲むように第3加熱装置370が配置されている。
溶質捕捉カラム300は、本体部310の上端部が連結具260により精製カラム200の連絡部220と連結されている。連結具260は、例えば、各種の有機溶媒、特に炭化水素溶媒への耐性を有する樹脂材料やその他の材料を用いて形成された円筒状に形成されており、精製カラム200の連絡部220と溶質捕捉カラム300の本体部310の上端部とをそれぞれ両端の開口から挿入することで、精製カラム200と溶質捕捉カラム300とを液密にかつ分離可能に連結している。
供給装置400は、精製カラム200を通じて溶質捕捉カラム300へ展開溶媒を供給するための第1の溶媒供給装置、溶質捕捉カラム300へ抽出溶媒を供給するための第2の溶媒供給装置および溶質捕捉カラム300に対して気流を供給するための給気装置を兼ねたものであり、展開溶媒を供給するための第1供給経路500、抽出溶媒を供給するための第2供給経路550、第1通気経路600、第2通気経路700、給気経路800および供給装置400の動作を切換えるための動作切換え装置900を主に備えている。
第1供給経路500は、動作切換え装置900から延びており、第1弁510を有している。第1弁510は、第1供給経路500を開閉するためのものである。第1供給経路500の先端部は、精製カラム200の導入部211に対して着脱可能であり、導入部211へ装着されたときに導入部211を気密に閉鎖可能である。
第2供給経路550は、動作切換え装置900から延びており、第2弁560を有している。第2弁560は、三方弁であり、溶質捕捉カラム300の下端の開口部へ気密に連絡する導入路570と、溶質捕捉カラム300からの廃液を流すための廃液路580とが連絡している。導入路570は、ゴムや樹脂等の柔軟な材料からなる管であり、交換可能に装着されている。
第1通気経路600は、第1分岐経路320から延び、かつ、ピンチバルブ620を有する第1経路610を有している。第1経路610は、ゴムや樹脂等の柔軟な材料からなる交換可能な管であり、一端が第1分岐経路320に気密に連絡し、他端が溶媒を回収するための第1回収容器630内に気密に挿入されている。第1経路610は、第1通気経路600において、交換可能である。第1回収容器630には、第1経路610とは別に第2経路640の一端が気密に挿入されている。第2経路640は、第3弁650に連絡している。第3弁650は、三方弁であり、大気への開放路660と、後記する給気経路800の第1給気経路810とが連絡している。
第2通気経路700は、第2分岐経路330から延び、かつ、ピンチバルブ720を有する第1経路710を有している。第1経路710は、ゴムや樹脂等の柔軟な材料からなる交換可能な管であり、一端が第2分岐経路330に気密に連絡し、他端が溶媒を回収するための第2回収容器730内に気密に挿入されている。第1経路710は、第2通気経路700において、交換可能である。第2回収容器730には、第1経路710とは別に第2経路740の一端が気密に挿入されている。第2経路740は、第4弁750に連絡している。第4弁750は、三方弁であり、大気への開放路760と、後記する給気経路800の第2給気経路820とが連絡している。
給気経路800は、動作切換え装置900から延びており、第1給気経路810と第2給気経路820の二つに分岐している。第1給気経路810は、第1通気経路600の第3弁650に連絡している。第2給気経路820は、第2通気経路700の第4弁750に連絡している。
動作切換え装置900は五方弁910と四方弁920とを備えており、これらの弁は、ポンプ931を有する連絡経路930により連絡している。
五方弁910には、第1供給経路500、第2供給経路550および給気経路800が連絡しており、また、溶媒回収経路970が連絡している。溶媒回収経路970は、廃棄溶媒容器971を有している。五方弁910は、連絡経路930と、第1供給経路500、第2供給経路550、給気経路800および溶媒回収経路970のうちのいずれか一つとの連絡を切換え可能である。
四方弁920には、展開溶媒を貯留するための第1溶媒容器941から延びる第1流路940、抽出溶媒を貯留するための第2溶媒容器951から延びる第2流路950、および、エアフイルタ961を有する大気導入路960が連絡している。四方弁920は、連絡経路930と、第1流路940、第2流路950および大気導入路960のうちのいずれか一つとの連絡を切換え可能である。
第1溶媒容器941に貯留する展開溶媒は、ダイオキシン類を溶解可能なものであり、通常、脂肪族炭化水素溶媒、好ましくは炭素数が5〜8個の脂肪族飽和炭化水素溶媒である。例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタンまたはシクロヘキサンなどである。これらの溶媒は、適宜混合して用いられてもよい。
第2溶媒容器951に貯留する抽出溶媒は、ダイオキシン類を溶解可能なものであって、後述するダイオキシン類の分析方法に応じて選択することができる。分析方法としてガスクロマトグラフィー法を採用する場合は、それに適した溶媒、例えば、トルエンまたはベンゼンを用いることができる。また、トルエンまたはベンゼンに対して脂肪族炭化水素溶媒または有機塩素系溶媒を添加した混合溶媒を用いることもできる。混合溶媒を用いる場合、トルエンまたはベンゼンの割合は50重量%以上に設定する。混合溶媒において用いられる脂肪族炭化水素溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタンまたはシクロヘキサンなどが挙げられる。また、有機塩素系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタンまたはテトラクロロメタンなどが挙げられる。これらの抽出溶媒のうち、少量の使用でダイオキシン類を効率的に抽出できることから、トルエンが特に好ましい。
分析方法としてバイオアッセイ法を採用する場合は、それに適した溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)やメタノール等の親水性溶媒が用いられる。
溶質抽出装置100は、その動作を制御するための、図示しない制御装置を備えている。制御装置は、例えばコンピュータであり、溶質抽出装置100の各部の動作をプログラムに従って制御する。
次に、図1から図11を参照し、上述の溶質抽出装置100の動作を説明する。各図において、第1弁510、第2弁560、第3弁650、第4弁750およびピンチバルブ620、720は、理解の便のため、連絡しているときの状態を黒塗りで表示している。また、同じく理解の便のため、各種経路において、経路が成立している部分は太線で表示し、併せて溶媒等の流通方向を示す矢印を付している。
操作者が溶質抽出装置100を起動すると、制御装置が溶質抽出装置100を次のような初期状態(図1参照)に設定する。初期状態において、五方弁910および四方弁920の位置は特に限定されない。
・第1弁510:閉鎖
・第2弁560:導入路570と廃液路580とを連絡
・第3弁650:第2経路640と第1給気経路810とを連絡
・第4弁750:第2経路740と第2給気経路820とを連絡
・ピンチバルブ620、720:閉鎖
・ポンプ931:停止状態を維持
この初期設定により、第1通気経路600および第2通気経路700は、大気系に対して閉鎖した状態に設定される。
この初期状態において、操作者は、精製カラム200の導入部211から第1供給経路500を取り外し、導入部211から精製カラム200内にダイオキシン類溶液を注入することができる。
ここで注入可能なダイオキシン類溶液は、例えば、大気や土壌等の環境試料や食品試料等のダイオキシン類を含む可能性のある試料から溶媒を用いてダイオキシン類を抽出した抽出液であるが、ダイオキシン類を含む可能性のある魚油(フィッシュオイル)等の油状の食品そのものでもよい。このようなダイオキシン類溶液は、ダイオキシン類と化学構造や化学挙動が類似し、ダイオキシン類の分析結果に影響を与える可能性があるPCDEや非DL−PCBs等のポリ塩化多環芳香族炭化水素類などを夾雑成分として含むことが多い。
また、土壌試料からの抽出液の場合、この抽出液は、土壌に多く含まれるパラフィン類(直鎖炭化水素化合物類)を夾雑成分として含むことが多い。パラフィン類は、PCDDs、PCDFsおよびノンオルソPCBsとともに炭素系の吸着剤に吸着されやすく、また、当該吸着剤からPCDDs、PCDFsおよびノンオルソPCBsとともに抽出されやすいため、ダイオキシン類をGC/MS法(特に、GC−HRMS法)により分析する場合において、分析精度に影響するロックマス変動の原因物質として知られている。
ダイオキシン類の抽出液は、通常、脂肪族炭化水素溶媒を用いたものであれば、そのまま精製カラム200へ注入することができる。また、抽出液が脂肪族炭化水素溶媒以外の有機溶媒、例えばトルエンなどの芳香族炭化水素溶媒を用いた抽出により得られたものの場合、当該抽出液は、抽出用に用いた芳香族炭化水素溶媒を脂肪族炭化水素溶媒に置換することで精製カラム200へ注入することができる。抽出あるいは溶媒置換に用いられる脂肪族炭化水素溶媒は、通常、炭素数が5〜10の脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、例えば、n−ヘキサン、イソオクタン、ノナンおよびデカンなどを挙げることができる。特に、安価なn−ヘキサンが好ましい。
精製カラム200へのダイオキシン類溶液の注入量は、通常、1〜10mL程度が好ましい。注入する溶液は、溶媒の一部を留去することで濃縮しておくこともできる。
ダイオキシン類溶液が魚油等の油状のものの場合、このダイオキシン類溶液は、それを溶解可能な脂肪族炭化水素溶媒とともに、または、当該溶媒に予め溶解した溶液として精製カラム200に注入することもできる。この場合、ダイオキシン類溶液と脂肪族炭化水素溶媒との合計量が上記注入量になるよう設定する。
操作者が注入したダイオキシン類溶液は、精製層230に浸透し、保持される。
ダイオキシン類溶液の注入後、操作者が導入部211に第1供給経路500を再装着すると、制御装置は、第1加熱装置250を作動し、精製カラム200を加熱する。第1加熱装置250による加熱温度は、35℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上に設定する。この加熱により、ダイオキシン類溶液に含まれるダイオキシン類以外の夾雑成分の一部が精製層230と反応し、分解される。加熱温度が35℃未満の場合は、夾雑成分と精製層230との反応が進行しにくくなり、溶質抽出装置100により得られるダイオキシン類の抽出液に夾雑成分の一部が残留しやすくなる可能性がある。加熱温度の上限は、特に限定されるものではないが、通常は安全性の観点から沸騰温度以下が好ましい。
加熱時において、硝酸銀シリカゲル層231および硫酸シリカゲル層233は、第1シリカゲル層232を挟んで積層されているため、相互の反応が抑制される。
加熱開始から10〜60分経過後、制御装置は、精製カラム200の加熱を維持しながら展開溶媒の供給工程を実行する。この工程において、制御装置は、各部の設定を初期状態から次のように変更(図2参照)した後、ポンプ931を作動させる。
第1弁510:開放
五方弁910:第1供給経路500と連絡経路930とを連絡
四方弁920:第1流路940と連絡経路930とを連絡
作動したポンプ931は、図2に示すように、第1溶媒容器941に貯留された展開溶媒を吸引し、第1流路940、連絡経路930および第1供給経路500を通じて精製カラム200内に連続的に供給する。なお、精製カラム200および溶質捕捉カラム300が既述の大きさに設定されている場合、展開溶媒の供給速度は、ポンプ931の制御により、通常、0.5〜5.0mL/分に設定するのが好ましく、また、供給する展開溶媒の総量は、通常、50〜150mLに設定するのが好ましい。
精製カラム200に供給された展開溶媒は、ダイオキシン類溶液に含まれるダイオキシン類、夾雑成分の分解生成物および分解されずに残留している夾雑成分(この夾雑成分には、非DL−PCBsが含まれる。)を溶解し、ダイオキシン類を含む展開溶媒溶液、すなわち、ダイオキシン類の脂肪族炭化水素溶媒溶液として精製層230を通過する。この際、分解生成物および夾雑成分の一部は、硝酸銀シリカゲル層231、第1シリカゲル層232、硫酸シリカゲル層233および第2シリカゲル層234に吸着する。また、精製層230を通過する展開溶媒は、第1加熱装置250での非加熱部分、すなわち、硫酸シリカゲル層233の下部および第2シリカゲル層234を通過するときに自然に冷却される。
精製層230を通過した展開溶媒は、溶質捕捉カラム300へ流れて第1捕捉剤層340と第2捕捉剤層350とを通過し、下端の開口から導入路570へ流れ、廃液路580を通じて廃棄される。この際、精製層230からの展開溶媒に含まれるダイオキシン類は、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350において展開して捕捉され、展開溶媒から分離される。より具体的には、ダイオキシン類のうちのノンオルソPCBs、PCDDsおよびPCDFsは第1捕捉剤層340に捕捉され、また、モノオルソPCBsは第2捕捉剤層350に捕捉される。したがって、展開溶媒に含まれるダイオキシン類は、溶質捕捉カラム300において、ノンオルソPCBs、PCDDsおよびPCDFsを含むダイオキシン群と、モノオルソPCBsとに分画される。
精製層230を通過した展開溶媒に含まれる夾雑成分は、一部が展開溶媒とともに溶質捕捉カラム300を通過して廃棄され、また、一部が第1捕捉剤層340または第2捕捉剤層350に捕捉される。例えば、非DL−PCBsおよびPCDEは、モノオルソPCBsとともに第2捕捉剤層350に捕捉される。一方、パラフィン類は、展開溶媒とともに溶質捕捉カラム300を通過し、廃液路580を通じて廃棄される。
なお、上述の展開溶媒の供給工程では、供給装置400において五方弁910が給気経路800と各部との連絡を遮断しており、また、ピンチバルブ620、720が閉鎖しているため、第1通気経路600および第2通気経路700は大気系との連通が遮断された状態になる。このため、精製カラム200から溶質捕捉カラム300に流れた展開溶媒は、第1分岐経路320および第2分岐経路330への流入が規制され、円滑に各捕捉剤層340、350を通過して廃液路580から廃棄される。
展開溶媒の供給工程の後、制御装置は、第1加熱装置250およびポンプ931を停止し、精製カラム200内の精製層230並びに溶質捕捉カラム300内の第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350の乾燥工程を実行する。この工程の最初の動作(乾燥動作1)において、制御装置は、各部の設定を展開溶媒の供給工程から次のように変更(図3参照)した後、ポンプ931を作動する。
四方弁920:大気導入路960と連絡経路930とを連絡
乾燥動作1において、ポンプ931は、図3に示すように、大気導入路960から大気を吸引し、エアフイルタ961を通過した清浄な空気を連絡経路930および第1供給経路500を通じて精製カラム200内に連続的に供給する。
精製カラム200内に供給された空気は、同カラム内の精製層230および溶質捕捉カラム300の第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350を通過し、導入路570を経由して廃液路580から排出される。この際、精製層230並びに第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350に残留する展開溶媒は、通過する空気により圧し出され、通過する空気とともに廃液路580から排出される。
乾燥動作1での空気の供給量は、1.0〜10mL/分の範囲で流速を徐々に高め、総量が40〜100mLになるよう設定するのが好ましい。
乾燥動作1の後、制御装置は、ポンプ931を停止して乾燥動作1での各部の設定状況を次のように変更(図4参照)した後、ポンプ931を作動させて次の乾燥動作(乾燥動作2)を実行する。
第1弁510:閉鎖
五方弁910:連絡経路930と給気経路800とを連絡
ピンチバルブ620:開放
乾燥動作2において、大気導入路960からの清浄な空気は、図4に示すように、連絡経路930から給気経路800に流れる。ここで、第2通気経路700のピンチバルブ720は閉鎖状態であるため、給気経路800へ流れた空気は、第1給気経路810に流れ、第2経路640、第1回収容器630および第1経路610を経由して第1分岐経路320から溶質捕捉カラム300内に連続的に供給される。そして、溶質捕捉カラム300内に供給された空気は、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350を通過し、導入路570を経由して廃液路580から排出される。この際、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350に残留する展開溶媒は、通過する空気により圧し出され、通過する空気とともに廃液路580から排出される。これにより、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350に残留する展開溶媒がより効率的に除去され、特に、第1捕捉剤層340の乾燥がさらに進行した状態になる。
乾燥動作2での空気の供給量は、通常、50〜200mL/分の流速で数分程度に設定するのが好ましい。
乾燥動作2の後、制御装置は、ポンプ931を作動させたままで乾燥動作2における各部の設定を次のように変更(図5参照)し、さらに次の乾燥動作(乾燥動作3)を実行する。
ピンチバルブ720:開放
乾燥動作3において、連絡経路930から給気経路800に流れた空気は、図5に示すように、第1給気経路810と第2給気経路820とに分流する。そして、第1給気経路810に流れた空気は、乾燥動作2のときと同様に第1分岐経路320から溶質捕捉カラム300内に連続的に供給されて第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350を通過し、導入路570を経由して廃液路580から排出される。一方、第2給気経路820に流れた空気は、第2経路740、第2回収容器730および第1経路710を経由して第2分岐経路330から溶質捕捉カラム300内に連続的に供給される。そして、第2分岐経路330から溶質捕捉カラム300内に供給された空気は、第1捕捉剤層340を通過した空気と合流して第2捕捉剤層350を通過し、導入路570を経由して廃液路580から排出される。
このような乾燥動作3において、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350に残留する展開溶媒は、通過する空気により圧し出され、通過する空気とともに廃液路580から排出される。これにより、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350に残留する展開溶媒がさらに効率的に除去され、特に、第2捕捉剤層350の乾燥がさらに進行した状態になる。
乾燥動作3での空気の供給量は、通常、50〜200mL/分の流速で数分程度に設定するのが好ましい。
乾燥動作1〜3による乾燥工程の後、制御装置はポンプ931を停止して溶質抽出装置100を初期状態に設定する。そして、第2加熱装置360および第3加熱装置370を作動させ、溶質捕捉カラム300内の第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350の加熱を開始する。ここでは、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350のいずれについても、その内部の温度が80〜95℃程度になるよう加熱するのが好ましい。また、この加熱は、通常、後記する抽出工程の完了まで継続するのが好ましい。
次に、制御装置は、溶質捕捉カラム300において捕捉されたダイオキシン類の抽出のための準備工程を実行する。この準備工程の最初の動作(準備動作1)において、制御装置は、溶質抽出装置100を初期状態から次のように変更(図6参照)し、ポンプ931を作動させる。
五方弁910:連絡経路930と溶媒回収経路970とを連絡
四方弁920:連絡経路930と第2流路950とを連絡
作動したポンプ931は、図6に示すように、第2溶媒容器951に貯留された抽出溶媒を吸引する。吸引された抽出溶媒は、第2流路950、連絡経路930および溶媒回収経路970を流れ、廃棄溶媒容器971に回収される。これにより、第2流路950および連絡経路930が抽出溶媒で満たされる。
準備動作1の後、制御装置は、ポンプ931を停止して準備動作1における各部の設定を次のように変更(図7参照)し、再度ポンプ931を作動させることで次の準備動作(準備動作2)を実行する。
五方弁910:連絡経路930と第2供給経路550とを連絡
第2弁560:第2供給経路550と廃液路580とを連絡
準備動作2において、作動したポンプ931は、図7に示すように、第2溶媒容器951に貯留された抽出溶媒を吸引する。吸引された抽出溶媒は、第2流路950、連絡経路930および第2供給経路550を流れ、第2弁560を経由して廃液路580から排出される。これにより、第2流路950および連絡経路930に加え、第2供給経路550が抽出溶媒で満たされる。
準備動作1〜2による準備工程の後、制御装置は、ポンプ931を停止し、溶質捕捉カラム300からのダイオキシン類の抽出工程を実行する。この工程の最初の動作(抽出動作1)において、制御装置は、準備動作2における各部の設定を次のように変更(図8参照)した後、ポンプ931を作動させる。
第2弁560:第2供給経路550と導入路570とを連絡
ピンチバルブ720:開放
第4弁750:第2経路740と開放路760とを連絡
抽出動作1において、ポンプ931により第2溶媒容器951から吸引された抽出溶媒は、図8に示すように、第2流路950、連絡経路930および第2供給経路550を流れ、第2弁560を経由して導入路570から溶質捕捉カラム300内に供給される。
溶質捕捉カラム300内に供給された抽出溶媒は、第1弁510が閉鎖状態にあり、また、第1通気経路600が大気系との連通を遮断された状態にあるため、第2捕捉剤層350の通過後に第1捕捉剤層340方向への流通が規制され、第2分岐経路330へ選択的に流れる。したがって、抽出溶媒は、第2分岐経路330から第1経路710へ流れ、第2回収容器730に回収される。この際、抽出溶媒は、第2捕捉剤層350に吸着したモノオルソPCBsおよび非DL−PCBsを溶解し、これらのPCBsの抽出溶液として第2回収容器730に回収される。ここで得られる抽出溶液は、乾燥工程において第2捕捉剤層350から展開溶媒が取り除かれていることから、展開溶媒の混入が少ないものである。
抽出動作1では、第3加熱装置370により第2捕捉剤層350を加熱しているため、第2捕捉剤層350で捕捉された上記PCBsを少量の抽出溶媒で効率的に抽出することができる。例えば、溶質捕捉カラム300へ供給する抽出溶媒の流速を0.1〜1.0mL/分に設定したとき、0.5〜1.5mL程度の抽出溶媒で上記PCBsを抽出することができる。
抽出動作1の後、制御装置は、ポンプ931を停止して抽出動作1での各部の設定状況を次のように変更(図9参照)した後、ポンプ931を作動させて次の抽出動作(抽出動作2)を実行する。
ピンチバルブ720:閉鎖
第4弁750:第2経路740と第2給気経路820とを連絡
ピンチバルブ620:開放
第3弁650:第2経路640と開放路660とを連絡
抽出動作2において、ポンプ931により第2溶媒容器951から吸引された抽出溶媒は、図9に示すように、抽出動作1の場合と同様に溶質捕捉カラム300内に供給される。溶質捕捉カラム300内に供給された抽出溶媒は、第1弁510が閉鎖状態にあり、また、第2通気経路700が大気系との連通を遮断された状態にあることから、第2捕捉剤層350の通過後に第2分岐経路330への流通が規制されて第1捕捉剤層340を通過し、第1分岐経路320へ選択的に流れる。したがって、抽出溶媒は、第1分岐経路320から第1経路610へ流れ、第1回収容器630に回収される。この際、抽出溶媒は、第1捕捉剤層340に捕捉されたノンオルソPCBs、PCDDsおよびPCDFsを含むダイオキシン群を溶解し、これらのダイオキシン群の抽出溶液として第1回収容器630に回収される。ここで得られる抽出溶液は、乾燥工程において第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350から展開溶媒が取り除かれていることから、展開溶媒の混入が少ないものである。
抽出動作2では、第2加熱装置360により第1捕捉剤層340を加熱しているため、第1捕捉剤層340で捕捉された上記ダイオキシン類を少量の抽出溶媒で効率的に抽出することができる。例えば、溶質捕捉カラム300へ供給する抽出溶媒の流速を0.1〜1.0mL/分に設定したとき、0.5〜1.5mL程度の抽出溶媒で上記ダイオキシン類を抽出することができる。
以上の抽出工程により、第2回収容器730において回収されたPCBsの抽出溶液、すなわち、モノオルソPCBsの分析用試料と、第1回収容器630において回収されたダイオキシン類の抽出溶液、すなわち、ノンオルソPCBs、PCDDsおよびPCDFsの分析用試料とが分別して得られる。
抽出動作1〜2による抽出工程の後、制御装置は、ポンプ931を停止し、溶質捕捉装置100の洗浄工程を実行する。この工程の最初の動作(洗浄動作1)において、制御装置は、各部の設定を抽出動作2の状態から次のように変更(図10参照)した後、ポンプ931を瞬間的に作動させる。
五方弁910:連絡経路930と溶媒回収経路970とを連絡
四方弁920:大気導入路960と連絡経路930とを連絡
第3弁650:第2経路640と第1給気経路810とを連絡
ピンチバルブ620:閉鎖
洗浄動作1において、瞬間的に作動するポンプ931は、図10に示すように、大気導入路960から大気を吸引し、この空気を連絡経路930から溶媒回収経路970へ送る。これにより、連絡経路930内に残留する抽出溶媒が溶媒回収経路970へ圧し出され、廃棄溶媒容器971に回収される。
洗浄動作1の後、制御装置は、ポンプ931を停止して各部の設定状況を乾燥動作2と同様に設定(図4参照)した後、ポンプ931を作動させて次の洗浄動作(洗浄動作2)を実行する。ここでは、大気導入路960から吸引された空気が乾燥動作2の場合と同様に流れて第1分岐経路320から溶質捕捉カラム300内に供給され、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350を通過した後に導入路570を経由して廃液路580から排出される。この際、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350に残留する抽出溶媒は、通過する空気により圧し出され、通過する空気とともに廃液路580から排出される。
洗浄動作2の後、制御装置は、ポンプ931を停止して各部の設定状況を乾燥動作3と同様に設定(図5参照)した後、ポンプ931を作動させて次の洗浄動作(洗浄動作3)を実行する。ここでは、大気導入路960から吸引された空気が乾燥動作3の場合と同様に流れて第1分岐経路320および第2分岐経路330から溶質捕捉カラム300内に供給され、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350を通過した後に導入路570を経由して廃液路580から排出される。この際、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350に残留する抽出溶媒は、通過する空気により圧し出され、通過する空気とともに廃液路580から排出される。
洗浄動作3の後、制御装置は、ポンプ931を停止して各部の設定状況を準備工程1と同様に設定(図6参照)した後、ポンプ931を作動させて次の洗浄動作(洗浄動作4)を実行する。ここでは、第2溶媒容器951から吸引された抽出溶媒が第2流路950、連絡経路930および溶媒回収経路970を流れて廃棄溶媒容器971に回収されるため、第2流路950および連絡経路930は抽出溶媒で満たされる。
洗浄動作4の後、制御装置は、ポンプ931を停止して各部の設定状況を次のように変更(図11参照)し、再度ポンプ931を短時間作動させることで次の洗浄動作(洗浄動作5)を実行する。
五方弁910:連絡経路930と第2供給経路550とを連絡
第2弁560:第2供給経路550と導入路570とを連絡
ピンチバルブ620:開放
第3弁650:第2経路640と開放路660とを連絡
ピンチバルブ720:開放
第4弁750:第2経路740と開放路760とを連絡
洗浄動作5において、ポンプ931により第2溶媒容器951から吸引された抽出溶媒は、第2流路950、連絡経路930および第2供給経路550を流れ、第2弁560を経由して導入路570から溶質捕捉カラム300に流れる。但し、ポンプ931の作動時間が短時間であるため、抽出溶媒は、第2捕捉剤層350を圧損のために通過しにくく、導入路570を満たす程度に留まる。この結果、第2弁560が抽出溶媒により洗浄される。
洗浄動作5の後、制御装置は、ポンプ931を停止し、各部の設定状況を洗浄動作1と同様に設定(図10参照)した後、ポンプ931を瞬間的に作動させて次の洗浄動作(洗浄動作6)を実行する。ここでは、大気導入路960から吸引された空気が連絡経路930から溶媒回収経路970へ流れ、連絡経路930および溶媒回収経路970内の抽出溶媒を廃棄溶媒容器971へ圧し流す。
洗浄動作6の後、制御装置は、ポンプ931を停止して各部の設定状況を乾燥動作2と同様に設定(図4参照)した後、ポンプ931を瞬間的に作動させて次の洗浄動作(洗浄動作7)を実行する。ここでは、乾燥動作2のときの同様に大気導入路960から吸引された空気が第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350を通過し、導入路570を経由して廃液路580に流れる。この結果、導入路570内の抽出溶媒が廃液路580へ圧し流される。
洗浄動作7の後、制御装置は、ポンプ931を停止して各部の設定状況を乾燥動作3と同様に設定(図5参照)した後、ポンプ931を瞬間的に作動させて次の洗浄動作(洗浄動作8)を実行する。ここでは、乾燥動作3のときの同様に大気導入路960から吸引された空気が第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350を通過し、導入路570を経由して廃液路580に流れる。この結果、洗浄動作7後に導入路570および第2弁560に残留する抽出溶媒が廃液路580へより確実に圧し流される。
洗浄動作5〜7は、数回繰り返されてもよい。この場合、第2弁560の洗浄効果を高めることができる。
洗浄動作1〜7からなる洗浄工程の終了後、溶質抽出装置100は、精製カラム200、溶質捕捉カラム300、第1通気経路600の第1経路610および第1回収容器630、第2通気経路700の第1経路710および第2回収容器730並びに導入路570を新しいものに交換すると、別のダイオキシン類溶液からのダイオキシン類の抽出のために用いることができる。
溶質抽出装置100を用いて得られた2種類の分析用試料は、それぞれ別々にダイオキシン類の分析に適用される。分析方法としては、用いた抽出溶媒の種類に応じ、通常、GC−HRMS、GC−MSMS、GC−QMS若しくはイオントラップGC/MS等のGC/MS法またはGC/ECD法等のガスクロマトグラフィー法またはバイオアッセイ法を採用することができる。
モノオルソPCBsの分析用試料の分析では、この分析用試料がノンオルソPCBs、PCDDsおよびPCDFsを含むダイオキシン群を実質的に含まないことから、これらのダイオキシン群による影響を受けずにモノオルソPCBsを高精度に定量することができる。また、この分析用試料は、モノオルソPCBsとともに非DL−PCBsを含むため、ダイオキシン類溶液に含まれていた非DL−PCBsを併せて高精度に定量することができる。例えば、欧州連合(EU)の食品規制基準(COMMISSION REGULATION (EU) No 1259/2011)では、牛肉や豚肉等の食肉並びに卵などの食品に含まれる有害物質の分析対象として、ダイオキシン類とともに所定の非DL−PCBs(IUPAC番号が#28、#52、#101、#138、#153および#180である、塩素数が3〜7の6種類のPCBs)を定めているが、これらのPCBsは、この分析用試料の分析により定量することができる。
一方、ノンオルソPCBs、PCDDsおよびPCDFsの分析用試料の分析では、この分析用試料がモノオルソPCBsおよび非DL−PCBsを実質的に含まないことから、これらのPCBsによる影響を受けずにノンオルソPCBs、PCDDsおよびPCDFsを高精度に定量することができる。
他の実施の形態
(1)上述の実施の形態において用いた精製カラム200は、精製層230において、硝酸銀シリカゲル層231が導入部211側に位置するよう配置しているが、硝酸銀シリカゲル層231と硫酸シリカゲル層233との順序は入れ替えることもできる。
但し、硝酸銀シリカゲル層231と硫酸シリカゲル層233とを入れ替えた場合、塩素数の少ない非DL−PCBsが硫酸シリカゲル層233と反応し、分析用試料において塩素数の少ない非DL−PCBsの回収率が低下する可能性がある。このため、ダイオキシン類とともに非DL−PCBs、特に、塩素数の少ない非DL−PCBsを分析する必要がある場合(例えば、EUの食品規制基準により食品のダイオキシン類を分析する場合。)においては、精製層230において、硝酸銀シリカゲル層231が導入部211側に位置するよう配置するのが好ましい。
(2)上述の実施の形態において説明した精製カラム200は、精製層230において、第1シリカゲル層232および第2シリカゲル層234を省くことができる。
(3)上述の実施の形態に係る溶質抽出装置100は、精製カラム200を加熱するための第1加熱装置250並びに溶質捕捉カラム300を加熱するための第2加熱装置360および第3加熱装置370を備えているが、これらの加熱装置は省略可能である。
(4)上述の実施の形態では、溶質捕捉カラム300において、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350の二つの捕捉剤層を充填しているが、溶質を捕捉するための捕捉剤層は、第1捕捉剤層340および第2捕捉剤層350と同様に間隙を設けながら三つ以上の多段に充填することもできる。この場合、溶質捕捉カラムは、捕捉剤層間の間隙部分にそれぞれ分岐経路を設け、各分岐経路に上述の実施の形態における第1通気経路600および第2通気経路700と同様の通気経路を装着する。そして、溶質抽出装置100の動作の各工程において、各分岐経路と大気系との連通を上述の実施の形態に倣って制御し、対応する捕捉剤層からの抽出溶媒を個別に回収できるようにする。
(5)上述の実施の形態では、溶質捕捉カラム300において、異なる材料からなる捕捉剤を用いて複数の捕捉剤層を形成しているが、各捕捉剤層を同じ材料からなる捕捉剤で形成することもできる。
例えば、上述の実施の形態と同じくダイオキシン類溶液からダイオキシン類を抽出する場合、捕捉剤としてダイオキシン類全体の捕捉能を有するもの(例えば、活性炭、グラファイトカーボン、シリカゲル、アルミナ、フロリジル、ゼオライト若しくは多孔質樹脂またはこのような材料を母材として遷移金属等を担持したもの等)を用いる。このようにすると、最初の捕捉剤層に捕捉されずに通過したダイオキシン類を以後の捕捉剤層により順次捕捉できることから、ダイオキシン類が展開溶媒とともに流失するのを抑制可能であり、ダイオキシン類全体の回収率を高めることができる。
この場合、各捕捉剤層で捕捉されたダイオキシン類を抽出溶媒で個別に抽出し、各抽出溶液を合わせてから分析することになる。このため、高分解能GC/MS法での定量分析ではダイオキシン類の種類間の影響により、ダイオキシン類の個別種の分析結果が信頼性を欠く可能性があるが、GC/MS法としてGC−TOFMSを用いると、各種のダイオキシン類が混在した抽出液についてもダイオキシン類の個別種を高精度に分析可能である。
なお、複数の捕捉剤層を同じ捕捉剤で形成した場合であっても、捕捉剤層の数並びに展開溶媒の種類や供給速度等を工夫することで複数の捕捉剤層でダイオキシン類を種類毎に展開可能であるため、その場合はダイオキシン類を分画して抽出可能である。これは、複数の捕捉剤層の一部を異なる捕捉剤を用いて形成した場合においても同様である。
(6)上述の実施の形態では、ダイオキシン類溶液からダイオキシン類を抽出する場合を例に説明したが、本発明の溶質抽出装置は、ダイオキシン類溶液以外の溶液から溶質を抽出する場合においても同様に利用することができる。ダイオキシン類溶液以外の溶液は、複数の溶質を含むものであってもよい。この場合、溶液の状態等によっては、溶液から夾雑成分を除去するための精製カラムを用いずに、溶質捕捉カラムに対して展開溶媒が直接に供給されるようにすることもできる。
この場合、溶質捕捉カラムに充填する複数の捕捉剤層を形成する捕捉剤の種類を適宜選択することで、溶質を分画して抽出したり、溶質全体の回収率を高めたりすることができる。
実験例
以下の実験例では、ダイオキシン類溶液として下記の魚油試料を用い、この魚油試料からダイオキシン類を抽出した。この実験例は、本発明を限定するものではない。
魚油試料:
日本工業規格JIS K 0311(2005)に記載の方法により実質的にダイオキシン類を含まないことが確認された魚油(シグマアルドリッチ社の商品名「Fish oil, from menhaden」)に対し、ダイオキシン類標準物質(Wellington Laboratories社の商品名「DF-LCS-A」)およびPCBs標準物質(Wellington Laboratories社の商品名「PCB-LCS-A1」)を添加したもの。魚油は、夾雑成分として微量のPCDEを含むものである。ダイオキシン類標準物質は、1312によりラベルされたPCDDs、PCDFsおよびDL−PCBsを含むものである。PCBs標準物質は、塩素数が1〜8の、1312によりラベルされた次の8種類の非DL−PCBs(括弧内はIUPAC番号)を含む。
1312−4−MoCB(#3)
1312−4,4’−DiCB(#15)
1312−2,4,4’−TrCB(#28)
1312−2,2’,5,5’−TeCB(#52)
1312−2,3’,4,4’,5−PeCB(#118)
1312−2,2’,4,4’,5,5’−HxCB(#153)
1312−2,2’,3,4,4’,5,5’−HpCB(#180)
1312−2,2’,3,3’,4,4’,5,5’−OcCB(#194)
この8種類の非DL−PCBsは、EUの食品規制対象である#28、#52、#101、#138、#153および#180の6種類のPCBs異性体(塩素数が3〜7のPCBs異性体)のうち、#28、#52、#153および#180の4種類の異性体を含むものであるが、#101(塩素数5)および#138(塩素数6)の2種類の異性体を含まない。但し、EUの食品規制は対象の異性体に代えて同じ塩素数の他の異性体を測定対象にすることを許容しており、上記8種類の非DL−PCBsは#101および#138とそれぞれ同じ塩素数の#118および#153を含むことから、実質的にEUの食品規制対象となる6種類のPCBsを包含するものである。
以下の実験例において、精製カラムに充填した精製剤および溶質捕捉カラムに充填した捕捉剤は次の通りである。
<精製カラム>
硝酸銀シリカゲル層:
活性シリカゲル(関東化学株式会社製)100gに対し、30mLの蒸留水に硝酸銀(和光純薬工業株式会社製)11.2gを溶解した水溶液の全量を添加して均一に混合した後、この活性シリカゲルをロータリーエバポレーターを用いて減圧下で70℃に加熱して乾燥することで調製した硝酸銀シリカゲルを用いた。
硫酸シリカゲル層:
活性シリカゲル(関東化学株式会社製)100gに対して濃硫酸(和光純薬工業株式会社製)78.7gを均一に添加した後に乾燥することで調製された硫酸シリカゲルを用いた。
<溶質捕捉カラム>
活性炭含有シリカゲル層:
活性シリカゲル(関東化学株式会社製)に対して活性炭(クラレケミカル株式会社の商品名「クラレコールPK-DN」)を添加して均一に混合することで得られた活性炭含有シリカゲルを用いた。
グラファイト含有シリカゲル層:
活性シリカゲル(関東化学株式会社製)に対してグラファイト(シグマアルドリッチ社の商品名「ENVI-Carb」)を添加して均一に混合することで得られたグラファイト含有シリカゲルを用いた。
アルミナ層:
Merck社製の商品名「Aluminium Oxide 90 active basic - (activity stage I) for column chromatography」(粒径0.063〜0.200mm)を用いた。
実験例1〜4
図1に示す、溶質捕捉装置を用いて魚油試料からダイオキシン類を抽出し、そのダイオキシン類を分析した。溶質抽出装置で用いた精製カラムおよび溶質捕捉カラムの仕様は次の通りである。
<精製カラム>
外径18.5mm、内径12.5mm、長さ200mmに設定された管体内において、図1に示すように、硫酸シリカゲル8.5g(充填高さ80mm)の上に硝酸銀シリカゲル4.4g(充填高さ60mm)を積層することで形成した(第1シリカゲル層および第2シリカゲル層の積層は省いた。)。
<溶質捕捉カラム>
外径8mm、内径6mm、長さ30mmに設定された管体内において、図1に示すように、グラファイト含有シリカゲル0.25g(充填高さ25mm)および活性炭含有シリカゲル0.065g(充填高さ5mm)を充填することで第1捕捉剤層を形成し、また、アルミナ0.77g(充填高さ30mm)を充填することで第2捕捉剤層を形成した。活性炭含有シリカゲルに含まれる活性炭の割合、グラファイト含有シリカゲルに含まれるグラファイトの割合および第1捕捉剤層における活性炭含有シリカゲル層とグラファイト含有シリカゲル層との積層比(体積比)は、表1の通りである。
ダイオキシン類の抽出操作では、精製カラムの硝酸銀シリカゲル層へ魚油試料溶液約4mLを添加し、精製カラム内の精製層を60℃に加熱した。そして、精製カラムに対し、硝酸銀シリカゲル層側からn−ヘキサン85mLを徐々に供給し、このn−ヘキサンを精製カラムと溶質捕捉カラムとに通過させた。n−ヘキサンが溶質捕捉カラムを通過した後、空気を通過させることで第1捕捉剤層および第2捕捉剤層を乾燥処理した。そして、第1捕捉剤層および第2捕捉剤層を90℃に加熱後、第2捕捉剤層側から溶質捕捉カラム内へトルエン1.0mLを供給し、第2捕捉剤層を通過したトルエンを第2分岐経路を通じて回収することで第1の抽出溶液を得た。次に、第2捕捉剤層側から溶質捕捉カラム内へトルエン1.5mLを供給し、第2捕捉剤層および第1捕捉剤層をこの順に通過したトルエンを第1分岐経路を通じて回収することで第2の抽出溶液を得た。魚油試料の添加から第2の抽出溶液が得られるまでに要した時間は約2時間であった。これは、後記の実験例5についても同様である。
第1の抽出溶液および第2の抽出溶液をそれぞれHRGC/HRMS法により個別に定量分析し、ダイオキシン類および非DL−PCBsの回収率を算出した。結果を表2に示す。
実験例5
精製カラムにおいて、硝酸銀シリカゲル層と硫酸シリカゲル層との積層順序を逆にした点、および、精製カラムを加熱せずに室温(20℃)に維持した点を除き、実験例4と同様にして魚油試料に含まれるダイオキシン類を抽出し、第1の抽出溶液および第2の抽出溶液を得た。そして、第1の抽出溶液および第2の抽出溶液をそれぞれHRGC/HRMS法により個別に定量分析し、ダイオキシン類および非DL−PCBsの回収率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0005574136
Figure 0005574136
表2によると、第2の抽出溶液は、PCDDs、PCDFsおよびノンオルソPCBsを高回収率で含んでいる。一方、第1の抽出溶液は、モノオルソPCBsを高回収率で含んでいる。この結果は、実験例1〜5において、ノンオルソPCBs、PCDDsおよびPCDFsを含むダイオキシン群をモノオルソPCBsから高精度に分離できたことを示している。
また、表2によると、実験例1〜5で得られた第1の抽出溶液は、EUの食品規制対象の非DL−PCBsを同規制での適正範囲の回収率(60〜120%)で含むことを示しており、モノオルソPCBsとともにEUの食品規制対象の非DL−PCBsを定量分析可能である。
第2の抽出溶液は、HRGC/HRMS法での定量においてPCDEによる実質的な妨害ピークが見られなかったことから、PCDEが効果的に分離されているものと考えられる。

Claims (12)

  1. 溶液から溶質を抽出するための装置であって、
    一端に前記溶液の注入口を備えた注入部を有しかつ他端に排出口を有する、前記溶質を捕捉可能な複数の捕捉剤層を間隙を設けて充填した溶質捕捉カラムと、
    前記溶質捕捉カラムに対し、前記溶質捕捉カラム内で前記溶質を展開するための展開溶媒を供給するための第1供給装置と、
    前記溶質捕捉カラムに対し、前記溶質の抽出溶媒を供給するための第2供給装置とを備え、
    前記溶質捕捉カラムは、前記注入部および前記間隙のそれぞれから延びる、前記第2供給装置からの前記抽出溶媒を流通させるための、互いに独立した分岐経路を有し、
    前記第2供給装置は、その動作時において、前記抽出溶媒の供給側から順次選択された前記分岐経路の一つについては前記抽出溶媒が流通するよう設定可能であるとともに、他の前記分岐経路および前記注入口については前記抽出溶媒の流通を遮断するよう設定可能であり、第1供給装置の動作時において、前記分岐経路への前記展開溶媒の流通を遮断するよう設定可能である、
    溶質抽出装置。
  2. 複数の前記捕捉剤層の少なくとも一つが異なる捕捉剤により形成されている、請求項1に記載の溶質抽出装置。
  3. 複数の前記捕捉剤層が同じ捕捉剤により形成されている、請求項1に記載の溶質抽出装置。
  4. 前記第2供給装置は、前記分岐経路のそれぞれに連絡しかつ前記抽出溶媒の回収容器を有する、開閉可能な通気経路を有しており、前記通気経路の開閉により前記分岐経路のそれぞれについての前記抽出溶媒または前記展開溶媒の流通を制御する、請求項1から3のいずれかに記載の溶質抽出装置。
  5. 前記通気経路は、前記分岐経路と前記回収容器との間の経路が柔軟な材料からなりかつピンチバルブを有している、請求項4に記載の溶質抽出装置。
  6. 前記第2供給装置は、前記溶質捕捉カラムに対して前記排出口から前記抽出溶媒を供給可能である、請求項1から5のいずれかに記載の溶質抽出装置。
  7. 前記溶質捕捉カラムに対し、前記分岐経路を通じて気流を供給するための給気装置をさらに備えている、請求項1から6のいずれかに記載の溶質抽出装置。
  8. 前記溶液がダイオキシン類の脂肪族炭化水素溶媒溶液であり、
    複数の前記捕捉剤層は、前記ダイオキシン類を捕捉可能である、
    請求項1から7のいずれかに記載の溶質抽出装置。
  9. 前記溶質捕捉カラムは、前記注入部側から活性炭含有シリカゲルとグラファイト含有シリカゲルとをこの順に積層した第1捕捉剤層と、前記第1捕捉剤層のグラファイト含有シリカゲル側に配置された、アルミナを含む第2捕捉剤層とを備えている、請求項8に記載の溶質抽出装置。
  10. 一端に前記脂肪族炭化水素溶媒溶液の導入部を有しかつ他端が前記溶質捕捉カラムの前記注入口に連絡する、前記脂肪族炭化水素溶媒溶液に含まれる夾雑成分を捕捉するための精製層を充填した精製カラムをさらに備え、
    前記第1供給装置は、前記精製カラムを経由して前記溶質捕捉カラムへ前記展開溶媒を供給するよう、前記導入部に連絡している、
    請求項8または9に記載の溶質抽出装置。
  11. 前記精製層は、硝酸銀シリカゲル層と硫酸シリカゲル層とを含む積層体である、請求項10に記載の溶質抽出装置。
  12. 前記積層体は、前記導入部側に前記硝酸銀シリカゲル層を有している、請求項11に記載の溶質抽出装置。
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