JP5573303B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は熱転写シートに関し、熱転写法により得られる印画物に使用するための熱転写記録媒体に関するものである。
さらに具体的には、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に、バインダー樹脂と滑剤を有する熱転写層と、該基材フィルムのもう一方の面に、バインダー樹脂と無機粒子を有する耐熱滑性層からなる熱転写記録媒体に関するものである。
従来から、文字または画像等を被転写体に形成する方式として、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式等が採用されている。例えば、昇華型熱転写方式の場合、支持体上に染料やバインダー等を含む熱転写層等を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、支持体上に染料を受容する受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない面から文字または画像情報により温度制御されたサーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層中の染料を昇華させ、受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を形成する。一方、溶融型熱転写方式の場合、支持体上に顔料やワックス等を含む熱溶融性の熱転写層を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、支持体上に受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、サーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層を融着させ、受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を形成する。上記の方式のうち、昇華型熱転写方式は、文字や図表などのモノクロコピーや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像などのカラーコピーに広く採用されている。
近年、このような熱転写方式において、印字、画像形成速度の高速化に伴い、印字、画像形成時のサーマルヘッドによる単位時間当たりの印加エネルギーが高くなり、熱転写記録媒体にかかるピーク温度が従来と比較して高くなった結果、基材フィルムが伸びてシワが発生し、著しい場合には基材フィルムが破断したり、熱転写層と被熱転写体が融着したりするなどして良好な画像形成が行えないという問題が生じるようになった。
このような問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。例えば特許文献1では、昇華型熱転写受像シートに変性ポリビニルアセタール樹脂を用い、また熱転写シートの染料層にビスフェノール骨格を有するポリエステル系樹脂を用いる事により、染料層と受像シートの融着を防止している。特許文献2では基材フィルムの伸びを吸収するように、基材フィルムの収縮率を最適化している。
特開2006−281446号公報 特開2000−326637号公報
しかしながら、特許文献1では、受像シートに使用される変性ポリビニルアセタール樹脂と染料層に用いる樹脂の相溶性が良いと熱融着するという問題が生じる。また、特許文献2では、基材フィルムの製膜工程の中で延伸を強くするには限界がある為、特殊な工程を通すことが必要となり、その結果、基材フィルムのコストアップにつながる。また、上記方法は、熱転写層又は耐熱滑性層それぞれ単体の成分を特定しているものであるが、一方に不備があれば良好な画像は得られない為、問題を完全に解決することはできない。
本発明は上記の問題点を解決しようとする為のものであり、印画時のリボン強度を強くし、また熱転写層と被熱転写体の融着を防止することで、ムラやスジ抜けのない良好な印画物を得る事ができる。
本発明者は、熱転写記録媒体を構成する耐熱滑性層と熱転写層のバインダー樹脂及び添加物を特定することで、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の具体的な構成を以下に示す。
[請求項1]
基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する熱転写層と、該基材フィルムのもう一方の面に、少なくともバインダー樹脂と無機粒子を有する耐熱滑性層からなる熱転写記録媒体において、
該熱転写層に用いるバインダー樹脂が、重合度1000以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂(A)と、重合度1000未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂(B)の2種のポリビニルアセタール樹脂と多価イソシアネートの反応物であって、且つ2種のポリビニルアセタール樹脂の比が、A:B=70〜90:30〜10重量%であって、且つ多価イソシアネートの添加量がNCO/OHの比で0.5以上であり、
該耐熱滑性層に用いるバインダー樹脂が水酸基価100mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートの反応物で、且つ多価イソシアネートの添加量がNCO/OHの比で0.8以上である事を特徴とする熱転写記録媒体。
[請求項2]
該熱転写層で使用される滑剤がシリコーン系の滑剤である事を特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
[請求項3]
耐熱滑性層で使用される熱可塑性樹脂のガラス転移温度が40℃以上である事を特徴とする請求項1または2に記載の熱転写記録媒体。
[請求項4]
該耐熱滑性層で使用される無機粒子が、比重3.0×10 kg/m 以上である事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写記録媒体。
本発明の方法を用いることにより、熱転写記録媒体において、印画時のリボン強度が強く、また熱転写層と被熱転写体の融着を防止する効果を奏した。
本発明に係る熱転写記録媒体の層構成の1実施例を示す側断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1に基づいて詳細に説明する。本発明の1実施例の熱転写記録媒体1は、図1に示すように、基材フィルム2と、該基材フィルムの一方の面に、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する熱転写層3と、該基材のもう一方の面に、少なくともバインダー樹脂と無機粒子を有する耐熱滑性層4からなる。
基材フィルム2としては、従来公知の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム等が挙げられる。また、該基材フィルムの厚さは、2.0〜50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性等を考慮すると、2.0〜9.0μm程度のものを用いる事が好ましい。
熱転写層は、熱転写層に含まれる成分が、熱転写記録媒体の熱転写層の反対側の面からサーマルヘッドによる加熱により被熱転写体上に転写され、文字や画像を形成する為の色材を含む層である。
例えば熱昇華性染料を含む熱転写層は、熱昇華性染料、バインダー、溶剤等を配合して調製された塗布液を、塗布、乾燥する事により得られる。この転写層の塗布量は、乾燥厚で1.0μm程度が好適である。
熱転写層3に含まれる昇華性染料としては主に昇華性分散染料が好ましく、公知の染料が使用できる。例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等が挙げられる。
具体的には、イエロー成分では、C.I.ソルベントイエロー14、16、29、30、33、56、93等、C.I.ディスパースイエロー7、33、60、141、201、231等、マゼンタ成分としては、C.I.ソルベントレッド18、19、27、143、182、C.I.ディスパースレッド60、73、135、167、C.I.ディスパースバイオレット13、26、31、56等、シアン成分としては、C.I.ソルベントブルー11、36、63、105、C.I.ディスパースブルー24、72、154、354等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの染料を単体で使用しても、複数組み合わせて使用してもよい。
該熱転写層3に用いるバインダー樹脂としては、重合度とガラス転移温度が異なる2種のポリビニルアセタール樹脂を組み合わせたものと多価イソシアネートの混合物を用いることができる。
重合度とガラス転移温度が異なる2種のポリビニルアセタール樹脂としては、該バインダー樹脂組成が、重合度1000以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂と、重合度1000未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂の混合物であることが好ましい。
重合度が1000以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂を用いる事により熱転写層が被熱転写体に融着する危険性を減らす事ができた。
しかし、一方で、ポリビニルアセタール樹脂の重合度が高すぎると、樹脂の流動性が低く、塗工性が低下する為、均一な塗工面が得られないといった欠点が生じていた。
そこで本発明では重合度が1000以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂に加えて、重合度が1000未満、好ましくは700未満のポリビニルアセタール樹脂を併せて使用する。これにより熱転写層が被転写体に融着せず、且つバインダー樹脂の塗工性が向上し均一な塗工面を得る事ができたのである。
重合度とガラス転移温度が異なる2種のポリビニルアセタール樹脂の組成比は、重合度1000以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂が70重量%以上90重量%以下、重合度1000未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂が10重量%以上30重量%以下が好適であると考える。重合度1000未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂が10重量%未満の場合、均一な塗工面が得られず、また、30重量%より多いと、耐熱性の点で問題が生じる。
該熱転写層を構成するバインダー樹脂中に使用される多価イソシアネートの添加量は、NCO/OHの比で0.5以上、特に0.5〜1.5の範囲が好ましい。NCO/OH=0.5より小さい場合、架橋密度が低く耐熱性が不十分となる。一方、NCO/OH=1.5より大きい場合、熱転写層に残った未反応のNCO基と空気中の水分、或いは未反応のNCO基同士が反応し、造膜性の低いバインダー樹脂が形成されてしまうという問題が生じる。ここで用いる多価イソシアネートの例として、パラフェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4―フェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
染料とバインダーとの重量比(染料/バインダー)は、0.1〜3.0が好ましく、0.5〜1.5がより好ましい。0.1より小さい場合、染料の濃度が小さくなるため、発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られない。一方、3.0より大きい場合、バインダーに対する染料の溶解性が極端に低下するため、熱転写層の保存安定性が低下し染料が析出し易くなるため好ましくない。
該熱転写層に滑剤を含有させることで、印画時の熱転写層と被転写体との間の融着を防止することができる。滑剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや界面活性剤が挙げられるが、特に、シリコーン系のオイルや界面活性剤が好ましい。
具体的には、シリコーン系として、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のストレートシリコーンオイル、アミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性等の反応性変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性、アラルキル変性、フロロアルキル変性、長鎖アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フェニル変性等の非反応性変性シリコーンオイル等が挙げられる。
滑剤は熱転写層のバインダー樹脂に対して、0.5〜2.0重量%の範囲であることが好ましく、特に1.0〜1.5の範囲が好ましい。0.5重量%より小さい場合、印画時の熱転写層と被転写体との間で融着が生じやすくなり、融着により熱シワが酷くなるため、結果として転写ムラが生じる。一方、2.0重量%より大きい場合、被転写体との滑り性は向上するものの、染料の昇華を阻害し、転写ムラや所望の濃度の印画物を得ることができない。
該熱転写層には染料の裏移りやブロッキング防止する目的で粒子を含有しても良い。粒子としては、例えば、タルク、クレー、カオリン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムなどの無機系粒子や、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子などの有機系粒子が挙げられる。
耐熱滑性層は、バインダー樹脂と無機粒子からなる。この該耐熱滑性層に用いるバインダー樹脂には、水酸基価100mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートの反応物を用いることができる。この水酸基価100mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂としては、反応性のポリオール基を持つ樹脂が挙げられ、多価イソシアネートとの反応性や相溶性の観点から考えても好適である。
また、水酸基価100mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgは40℃以上が好適であると考えられる。Tgを40℃以上にする事により、印画時のリボン強度がさらに強くなり、耳切れ(リボンの両サイドの非印画部が熱収縮に負けて切れる現象)、ちぎれ、裂け(印画部終点が切れる現象)のような印画不良が起こりにくくなると考えられる。
耐熱滑性層を構成するバインダー中に使用される多価イソシアネートの添加量はNCO/OHの比で0.8以上、特に0.8〜1.3の範囲が好ましい。多価イソシアネートの含有量が0.8未満の場合、架橋密度が低く耐熱性が不十分となる。一方、多価イソシアネートの含有量が多すぎると、耐熱滑性層に残った未反応のNCO基と空気中の水分、或いは未反応のNCO基同士が反応し、造膜性の低いバインダー樹脂が形成されてしまうという問題が生じる。ここで用いる多価イソシアネートの例として、パラフェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4―フェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
該耐熱滑性層4に無機粒子を含有させることで耐熱性を付与することができる。無機粒子としては、従来公知の水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化ケイ素粉、アルミナ、硫酸バリウム等が挙げられるが、その比重が3.0×103kg/m3以上の無機粒子が特に好適であると考える。3.0×103kg/m3以上の無機粒子を用いる事により無機粒子が耐熱滑性層中に沈み込むので、無機粒子が脱落しにくく、しかも研磨性も十分確保する事が可能となる。
無機粒子の平均粒子径は、3.0μm以下、特に好ましくは0.1〜1.5μmの範囲である。平均粒子径が0.1μmより小さいと、耐熱性を確保する為に含有量を多くしなければならないのでコストが高くなる。また平均粒子径が3.0μmを超えると、サーマルヘッドの磨耗や無機粒子の脱落による印画、画像形成不良が生じるという問題が発生する。
該耐熱滑性層4に含有される無機粒子の含有量は固形分に対して0.5〜2.0重量%であると、耐熱性が良好となる。この範囲未満であると十分な耐熱性が得られない可能性がある一方、この範囲を超えると、無機粒子によっては耐熱滑性層自体の膜強度の低下に結び付く危険性がある。
該耐熱滑性層4には滑剤を含有してもよい。滑剤としては、例えば、動物系ワックス、植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルとグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸金属塩、リン酸エステル系等の界面活性剤などが挙げられるが、特にリン酸エステル系界面活性剤が好ましい。
滑剤は耐熱滑性層のバインダー樹脂に対して、10〜25重量%の範囲であることが好ましく、特に15〜20重量%の範囲が好ましい。10重量%より小さい場合、印画時のサーマルヘッドと耐熱滑性層との間で融着が生じやすくなり、融着が著しい場合には途中で印画が停止する。一方、20重量%より大きい場合、サーマルヘッドとの滑り性は向上するものの、滑剤が表面に浮きやすくなるため、裏移り等の問題が生じる。
被熱転写体は、支持体及び受容層からなる。この支持体は、熱転写記録媒体の基材として使用されているものと同等なものを使用することができ、機械的強度、柔軟性、耐熱性などを有することが好ましい。具体的には、ポリエチレンテフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルや、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリサルファン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミドフィルムなどのプラスチックフィルム、上質紙、コート紙、合成紙などの紙基材等が挙げられる。支持体の厚みには特に限定はないが、一般的には25〜250μm、さらには75〜200μmが好ましい。
また、受容層としては、熱転写層に昇華性染料を用いる場合、例えば、染着性を有するブチラール樹脂、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリビニルアセタール、エポキシ、ケトン、或いはこれらの変性樹脂やブレンド品などの熱可塑性樹脂や、これらの架橋生成物、等を使用することができる。これらは単独でも2種以上を混合してもよい。
受像層の膜厚は、薄すぎると画像の反射濃度が低下し、十分な画像を形成することが困難になる。一方、厚すぎると色のにじみ等の画像品位の低下が生じる。従って、一般的には1〜30μm、好ましくは3〜10μmとする。
この場合の受像層には、画像形成時の熱転写記体への熱融着を防止する目的で、種々の離型剤を含有させることが好ましい。このような離型剤としては、公知の離型剤を適宜選択して使用することができる。例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系、といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ、等の各種フィラー等が使用でき、中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。また、その添加量は、受像層の構成条件により異なるが、一般的には、1〜30重量%で配合することが好ましい。
以下、実施例について詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液−1を調製し、基材フィルムである厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に塗布、乾燥させた後、50℃で24時間加熱することで硬化処理を行い、膜厚1.0μmの耐熱滑性層を形成した。
<耐熱滑性層形成用塗布液−1>
アクリルポリオール樹脂(KOH=150mgKOH/g、Tg=37℃) 25重量部
トリレンジイソシアネート 10重量部(NCO/OH=1.0)
水酸化マグネシウム(比重:2.4×10 kg/m )0.2重量部
トルエン 45.5重量部
メチルエチルケトン 19.5重量部
また、下記組成の熱昇華転写層形成用塗布液−1を調製し、ポリエチレンテレフタレートフィルムの耐熱滑性層を形成した面と反対の面に、塗布後、乾燥させ、膜厚1.0μmの熱転写層を形成し、実施例1の熱転写記録媒体を作製した。
<熱昇華転写層形成用塗布液−1>
ポリビニルアセタール樹脂(A)(平均重合度約2100、Tg110℃)4.0重量部
ポリビニルアセタール樹脂(B)(平均重合度約約600、Tg701.0重量部
トリレンジイソシアネート 0.6重量部(NCO/OH=1.2)
C.I.ソルベントブルー63 5.0重量部
リン酸エステル系界面活性剤 0.04重量部
トルエン 45重量部
メチルエチルケトン 45重量部
次に、基材シートとして発泡ポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)/接着樹脂層/コート紙(塗布量:108g/m )/接着樹脂層/発泡ポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)を用い、この片方の面に下記の受容層用インキを乾燥後の膜厚が4μmとなるように塗布、乾燥を行い、その後45℃で1週間エージングを行い、受容層付きの被熱転写体を得た。
〔受容層用インキ〕
・塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 50部
・シリコーンオイル 2部
・メチルエチルケトン 25部
・トルエン 25部
実施例2
実施例1において、熱昇華転写層形成用塗布液で使用されているリン酸エステル系界面活性剤の代わりに、ポリエーテル変性シリコーンオイルを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例3の熱転写記録媒体を得た。
実施例3
実施例2において、耐熱滑性層形成用塗布液−1で使用されている水酸基価150mgKOH/g、Tg=37℃のアクリルポリオール樹脂の代わりに、水酸基価150mgKOH/g、Tg=43℃のアクリルポリオール樹脂を使用した以外は実施例2と同様にして、実施例3の熱転写記録媒体を得た。
実施例4
実施例3において、耐熱滑性層形成用塗布液で使用されている水酸化マグネシウムの代わりに、酸化マグネシウム(比重:3.3×10 kg/m )を使用した以外は実施例3と同様にして、実施例4の熱転写記録媒体を得た。
<比較例1>
実施例5において、熱昇華転写層形成用塗布液で使用されている平均重合度約2100、Tg110℃のポリビニルアセタール樹脂4.0重量部及び平均重合度約600、Tg70℃のポリビニルアセタール樹脂1.0重量部の代わりに、平均重合度2100、Tg110℃のポリビニルアセタール樹脂5.0重量部を使用した以外は実施例5と同様にして、比較例1の熱転写記録媒体を得た。
<比較例2>
実施例5において、熱昇華転写層形成用塗布液で使用されている平均重合度約2100、Tg110℃のポリビニルアセタール樹脂4.0重量部及び平均重合度約約600、Tg70℃のポリビニルアセタール樹脂1.0重量部の代わりに、平均重合度約600、Tg70℃のポリビニルアセタール樹脂5.0重量部を使用した以外は実施例5と同様にして、比較例2の熱転写記録媒体を得た。
<比較例3>
実施例5において、熱昇華転写層形成用塗布液で使用されているトリレンジイソシアネート0.6重量部の代わりに、0.2重量部使用した以外は実施例5と同様にして、比較例2の熱転写記録媒体を得た。
<比較例4>
実施例5において、耐熱滑性層形成用塗布液で使用されている水酸基価150mgKOH/g、Tg=43℃のアクリルポリオール樹脂の代わりに、水酸基価80mgKOH/g、Tg=43℃のアクリルポリオール樹脂を使用した以外は実施例5と同様にして、比較例4の熱転写記録媒体を得た。
<比較例5>
実施例5において、耐熱滑性層形成用塗布液で使用されているトリレンジイソシアネート10重量部の代わりに、4重量部使用した以外は実施例5と同様にして、比較例5の熱転写記録媒体を得た。
得られた熱転写記録媒体の熱転写層面と被転写体の受容層面とを重ね、サーマルヘッドを用いて染料を転写させ、画像形成を行った。
得られた画像に対して以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(評価基準)
[熱転写層の塗工面]
◎:スジ、ムラなし
○:スジ、ムラあり(印画物に影響なし)
×:スジ、ムラあり(印画物に影響あり)
[基材フィルムの状態]
◎:ちぎれ、裂けなし
○:ちぎれ、裂けが2%未満(以後の印画に影響なし)
×:ちぎれ、裂けが2%以上(以後の印画に影響あり)
[ヘッドのカス付着]
◎:汚れなし
○:僅かに汚れあり(以後の印画に影響なし)
[熱転写層と被転写体の融着]
◎:融着なし(印画時の剥離音なし)
○:融着なし(印画時の剥離音あり)
×:融着がひどく、印画停止(以後の印画に影響あり)
[印画物の状態]
○:欠陥なく、良好
×:ムラ、スジ抜けあり
以上の結果の通り、本発明によると、熱転写層及び耐熱滑性層で使用するバインダー樹脂を限定する事で、印画時のリボン強度を強くし、また熱転写層と被転写体及びサーマルヘッドと基材フィルムの融着が防止され、ムラやスジ抜けのない良好な印画物を得る事ができた。比較例1及び比較例2からは、熱転写層で使用するバインダー樹脂をどちらか一方にすることで、塗工面の悪化もしくは熱転写層と被熱転写体の融着が確認された。比較例3からは、NCO/OH比を小さくすることにより、基材フィルムのちぎれや裂け、熱転写層と被転写体の融着が確認された。比較例4からは、耐熱滑性層で水酸基価が小さい樹脂を使用したことにより、基材フィルムのちぎれや裂けが生じた。比較例5からは、NCO/OH比を小さくすることにより、基材フィルムのちぎれや裂けが確認された。
本発明の熱転写記録媒体は、文字や図表などのモノクロプリントや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像などのカラープリントに広く採用される。
1・・・熱転写記録媒体
2・・・基材フィルム
3・・・熱転写層
4・・・耐熱滑性層

Claims (4)

  1. 基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に、少なくともバインダー樹脂と滑剤を有する熱転写層と、該基材フィルムのもう一方の面に、少なくともバインダー樹脂と無機粒子を有する耐熱滑性層からなる熱転写記録媒体において、
    該熱転写層に用いるバインダー樹脂が、重合度1000以上且つガラス転移温度100℃以上のポリビニルアセタール樹脂(A)と、重合度1000未満且つガラス転移温度100℃未満のポリビニルアセタール樹脂(B)の2種のポリビニルアセタール樹脂と多価イソシアネートの反応物であって、且つ2種のポリビニルアセタール樹脂の比が、A:B=70〜90:30〜10重量%であって、且つ多価イソシアネートの添加量がNCO/OHの比で0.5以上であり、
    該耐熱滑性層に用いるバインダー樹脂が水酸基価100mgKOH/g以上の熱可塑性樹脂と多価イソシアネートの反応物で、且つ多価イソシアネートの添加量がNCO/OHの比で0.8以上である事を特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 該熱転写層で使用される滑剤がシリコーン系の滑剤である事を特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
  3. 耐熱滑性層で使用される熱可塑性樹脂のガラス転移温度が40℃以上である事を特徴とする請求項1または2に記載の熱転写記録媒体。
  4. 該耐熱滑性層で使用される無機粒子が、比重3.0×10 kg/m 以上である事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写記録媒体。
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