JPH05238173A - 熱転写受像材料 - Google Patents

熱転写受像材料

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JPH05238173A
JPH05238173A JP4078751A JP7875192A JPH05238173A JP H05238173 A JPH05238173 A JP H05238173A JP 4078751 A JP4078751 A JP 4078751A JP 7875192 A JP7875192 A JP 7875192A JP H05238173 A JPH05238173 A JP H05238173A
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dye
thermal transfer
layer
resin
isocyanate compound
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JP4078751A
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Hideo Usui
英夫 臼井
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱転写記録において高濃度で熱融着の発生し
ない熱転写受像材料を提供する。 【構成】 支持体上に熱転写色素供与材料の色素供与層
から熱印加により移行する熱移行性色素を受容しうる受
像層を有してなる熱転写受像材料において、該受像層が
3官能以上のイソシアネート化合物及び1官能イソシア
ネート化合物を含有して成ることを特徴とする熱転写受
像材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録用の受像材料
に関するものであり、特に熱転写時における熱転写色素
供与材料との融着を改良しかつ転写濃度を改良した熱転
写受像材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、またそれぞれの情報
処理システムに適した記録方法および装置も開発、採用
されている。このような記録方法の一つとして熱転写記
録方法は、使用する装置が軽量かつコンパクトで騒音が
少なく、操作性、保守性にも優れており、カラー化も容
易であり、最近広く使用されている。この熱転写記録方
法には大きく分けて熱溶融型と熱移行型の2種類があ
る。後者の方法は支持体上にバインダーと熱移行性色素
を含有する色素供与層を有する熱転写色素供与材料を熱
転写受像材料と重ね合わせて、色素供与材料の支持体側
から熱印加し、熱印加したパターン状に熱移行性色素を
記録媒体(熱転写受像材料)に転写させて転写像を得る
方法である。なお、ここで熱移行性の色素とは、昇華ま
たは媒体中での拡散により熱転写色素供与材料から熱転
写受像材料へ転写しうる色素をいう。
【0003】しかしながら、熱転写記録方法は転写時に
色素供与材料と受像材料を重ねて加熱した際、両者が熱
で融着し、転写面に色素供与材料の色素層がはりついて
取れてしまう故障や、ひどい場合には転写が止まってし
まうというトラブルが発生することがあった。この融着
を防ぐ方法としては離型剤としてシリコーン化合物、フ
ッ素化合物、炭化水素等を用いることが知られている
が、これだけで完全に融着を抑えることは困難であっ
た。また、架橋剤を用いて使用する熱可塑性樹脂を架橋
することにより融着を防ぐことが知られているが、架橋
剤を多く使用して架橋を充分行なうと転写濃度がそこな
われるという問題が生じ、高い転写濃度と融着防止の両
立が困難であった。架橋剤、特にイソシアネート化合物
と熱可塑性樹脂との架橋反応をよく調べたところ、融着
防止には3官能以上のイソシアネート化合物の効果が大
であり、2官能のイソシアネート化合物や1官能のイソ
シアネート化合物では融着防止効果が低いことがわかっ
た。しかし、3官能以上イソシアネート化合物は架橋反
応により硬化する力が過大なためか濃度低下をひきおこ
しやすい。従って、融着を防止しながら、転写濃度を低
下させない融着防止技術が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は転写濃度が充
分高く融着の発生がない熱転写用受像材料を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本課題は、支持体上に加
熱により熱転写色素供与材料から移行してくる色素を受
容して画像を形成するための受像層を有する熱転写受像
材料において、該受像層が3官能以上のイソシアネート
化合物及び1官能のイソシアネート化合物を添加し形成
されたことを特徴とする熱転写受像材料により達成され
た。
【0006】本発明に用いられるイソシアネート化合物
において、ポリエステルの架橋反応によって三次元構造
を形成し得る3官能以上のイソシアネート化合物が融着
防止に有効であり、ヘキサメチレンジイソシアネートの
トリメチロールプロパン反応体や、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートのビューレット結合体が優れている。イソ
ホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン反応
体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート結
合体も良好な性能を有する。芳香族イソシアネート化合
物は反応性に優れているが受像材料にわずかではあるが
黄色味がつくので脂肪族のイソシアネート化合物の方が
好ましい。3官能以上のイソシアネート化合物の具体例
としてはポリイソシアネートKP−90(大日本インキ
製)、コロネートHL(日本ポリウレタン製)、タケネ
ートD120N(武田薬品製)、スミジュールIL(住
友化学製)、デスモジュールZ4370(住友バイエル
製)、コロネートEH(日本ポリウレタン製)、スミジ
ュールN(住友化学製)等の市販品がある。
【0007】同時に使用する1官能のイソシアネート化
合物としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙
げられる。 一般式(I) R−NCO 式中、Rは置換もしくは無置換の、アルキル基またはア
ラルキル基を表す。Rは、好ましくは炭素数6以上のア
ルキル基であり、特に好ましくは炭素数8〜20のアル
キル基である。本発明に用いられる1官能のイソシアネ
ート化合物は、ポリエステルのOH基との反応性が高
く、早く反応して、3官能以上のイソシアネート化合物
との反応による転写濃度の低下を防ぐことのできるもの
が好ましい。以上の点からは、メチルイソシアネート、
エチルイソシアネート等の低級アルキルイソシアネート
が良いが、揮発性、刺激臭、安全性の面から炭素数6以
上のアルキルイソシアネートが好ましい。特に炭素数8
〜20のアルキルイソシアネートが好ましい。好ましい
1官能性イソシアネートの具体例を以下に示す。n−ヘ
キシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネー
ト、フェニルエチルイソシアネート、n−オクチルイソ
シアネート、n−ノニルイソシアネート、n−ドデシル
イソシアネート、n−オクタデシルイソシアネート。
【0008】本発明の1官能イソシアネート化合物と3
官能以上のイソシアネート化合物の使用方法はポリエス
テル樹脂にまず1官能イソシアネート化合物を添加し、
ポリエステル樹脂のOH残基と反応させた後、3官能以
上のイソシアネート化合物を添加して支持体に塗布する
ことが好ましい。1官能イソシアネート化合物をあらか
じめポリエステル樹脂と反応させることで3官能以上の
イソシアネート化合物による過度の架橋を妨げることが
濃度の高いレベルでの維持に有効である。3官能以上の
イソシアネート化合物をポリエステル樹脂と反応させる
と濃度が低下してしまう。しかし、1官能イソシアネー
ト化合物だけでは融着の防止効果は不充分で、3官能以
上のイソシアネート化合物を添加することが融着を防ぐ
ためには必須であった。
【0009】イソシアネート類の添加量は1官能イソシ
アネート化合物は添加されているポリエステル樹脂の水
酸基含量に対して1〜5当量で、好ましくは1〜3当量
である。3官能以上のイソシアネート化合物は、0.0
1g/m2 〜10g/m2 、好ましくは0.1〜5g/
2 、より好ましくは1.0〜2.0g/m2 である。
【0010】本発明の熱転写受像材料に用いる支持体に
は特に制限はなく、知られている支持体のいずれもが使
用できる。支持体の一般的な具体例を下記に挙げる。
合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系などの合成
紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート
紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸
紙、合成ゴムラテックス合浸紙、合成樹脂内添紙、板
紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙(特に
ポリエチレンで両側を被覆した紙)などの紙支持体、
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボ
ネート等の各種プラスチックフィルムまたはシートとこ
のプラスチックに白色反射性を与える処理をしたフィル
ムまたはシートなど。また、上記〜の任意の組合せ
による積層体も使用できる。この中でもポリオレフィン
コート紙は熱転写時の加熱による凹状の変形を起こさな
いこと、白色度に優れること、カールが少ないことなど
の特長を有しているので好ましい。ポリオレフィンコー
ト紙については、例えば日本写真学会編「写真工学の基
礎(銀塩写真編)」(コロナ社発行、1979)223
〜240頁に記述されている。このポリオレフィンコー
ト紙は基本的には支持シートとその裏面にコートされた
ポリオレフィン層からなるものである。支持シートは合
成樹脂以外のものからなり、一般的には上質紙が用いら
れる。ポリオレフィンコートは支持シートの表面にポリ
オレフィン層が密着すればどんな方法で設けられてもよ
いが、通常はエクストルージョン法によって塗設され
る。ポリオレフィンコート層は支持シートの受容層(色
素受容層、受像層ともいう)を設ける側の表面にだけ設
けてもよいが、表裏両面に設けてもよい。使用されるポ
リオレフィンとしては高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどがあるが、いずれを用い
てもかまわない。但し、転写時の断熱効果から考えて、
受容層を設ける側はより熱伝導性の低い低密度ポリエチ
レンを用いるのが好ましい。ポリオレフィンコートの厚
みは特に制限はないが、通常は片面で5〜100μmが
好ましい。但し、より高い転写濃度を得るためには受容
層側のポリオレフィンコートの厚みは薄い方が好まし
い。ポリオレフィンコートには白色度を増すための酸化
チタンや群青などの顔料や充填剤を加えてもよい。また
ポリオレフィンコート紙はその表面(受容層を設ける側
および/またはその裏面)に0.05〜0.4g/m2
程度の薄いゼラチン層を設けたものでもよい。
【0011】熱転写受像材料には、色素の受像層が設け
られる。この受像層は印字の際に熱転写色素供与材料か
ら移行してくる色素を受け入れ色素を染着する働きをす
るものである。該受像層は、色素受容性物質として熱可
塑性樹脂を含む。また該受像層は厚み0.5〜50μm
の被膜であることが好ましい。
【0012】本発明では、この受像層に用いる熱可塑性
樹脂として、主鎖にシクロヘキサンを有する熱可塑性樹
脂を用いる。本発明に用いる主鎖にシクロヘキサンを有
する樹脂は、共重合熱可塑性ポリエステル樹脂であるこ
とが好ましい。これは共重合熱可塑性ポリエステル樹脂
が、他の熱可塑性樹脂に比べて熱移行性色素に対する染
着性が高く、これを受像層の染着性物質として用いると
得られる画像の濃度が高くなるためである。
【0013】本発明に用いる主鎖にシクロヘキサンを有
する共重合熱可塑性ポリエステル樹脂は、共重合熱可塑
性ポリエステル樹脂を構成する成分としてシクロヘキサ
ンを含むモノマーを用いる。シクロヘキサンを含有する
モノマー成分としては、カルボン酸成分として1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、アルコール成分として
1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2′−ビス
(4−シクロヘキサノール)プロパンなどが挙げられ
る。また本発明の共重合熱可塑性ポリエステル樹脂に用
いられるシクロヘキサンを有しないモノマー成分として
は、カルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、、ビフェニルジ
カルボン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸、トリメリット酸等を挙
げることができる。またアルコール成分としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール等を挙げることがで
きる。また水酸基、カルボキシル基の両方を含有する成
分としてはβ−オキシカプロン酸、β−ヒドロキシエト
キシ安息香酸等を挙げることができる。
【0014】本発明に用いる熱可塑性樹脂は、熱可塑性
樹脂を構成する全モノマー成分のうちシクロヘキサンを
有するモノマー成分を1モル%以上含有することが好ま
しい。また本発明の熱可塑性樹脂は、支持体1m2 あた
り1g〜100gの塗布量で用いることが好ましい。さ
らに、本発明の熱可塑性樹脂はシクロヘキサンを主鎖に
含有する2種以上の熱可塑性樹脂を混合して使用しても
良いし、また主鎖にシクロヘキサンを含有しない色素受
容性樹脂と混合して使用しても良い。この場合、受像層
に含まれる樹脂成分のうち、本発明の熱可塑性樹脂が5
〜100wt%含まれることが好ましい。この際、本発
明の熱可塑性樹脂と混合する色素受容性樹脂としては以
下に示す様な樹脂が挙げられる。
【0015】(イ)エステル結合を有するもの テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボ
ン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸
基、カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール
Aなどの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポ
リアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エス
テル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹
脂:スチレンアクリレート樹脂:ビニルトルエンアクリ
レート樹脂など。具体的には特開昭59−101395
号、同63−7971号、同63−7972号、同63
−7973号、同60−294862号に記載のものを
挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製の
バイロン290、バイロン200、バイロン280、バ
イロン300、バイロン103、バイロンGK−14
0、バイロンGK−130、花王製のATR−200
9、ATR−2010、ユニチカ製のエリーテルUE3
500、UE3210、XA−8153、日本合成化学
製のポリエスターTP−220、R−188等が使用で
きる。 (ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するもの ポリスルホン樹脂など。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体なども使用できる。
【0016】熱転写受像材料中、特に受像層中には、熱
移行性色素を受容しうる物質として、または色素の拡散
助剤として高沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させるこ
とができる。高沸点有機溶剤としては、特開昭59−8
3154号、同59−178451号、同59−178
452号、同59−178453号、同59−1784
54号、同59−178455号、同59−17845
7号等に記載されているようなエステル類(例えばフタ
ル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル
類)、アミド類(例えば脂肪酸アミド類、スルホアミド
類)、エーテル類、アルコール類、パラフィン類、シリ
コーンオイル類などの化合物が挙げられる。
【0017】熱溶剤としては、色素と相溶性がある水
溶性バインダーとは非相溶性であること、常温では固
体であるが、転写時サーマルヘッドによって加熱された
ときに融解(他の成分との混合融解でもよい)するこ
と、サーマルヘッドによる加熱によって分解しないこ
と、といった諸性質を有する化合物が用いられる。好ま
しくは35〜250℃、特に35〜200℃の融点を示
し、(無機性/有機性)値<1.5である化合物が好ま
しい。ここで無機性、有機性とは化合物の性状を予測す
るための概念であり、詳細は例えば「化学の領域」1
1、719頁(1957)に記載されている。高沸点有
機溶剤および熱溶剤の具体例としては、特開昭62−1
74754号、同62−245253号、同61−20
9444号、同61−200538号、同62−814
5号、同62−9348号、同62−30247号、同
62−136646号に記載の化合物を挙げることがで
きる。高沸点有機溶媒および/または熱溶剤は受像層中
にミクロに分散された形態で単独で用いることもできる
が、色素受容性ポリマーと混合して用いることもでき
る。また、上記の高沸点有機溶剤は、スベリ性、剥離
性、カールバランス等の改良の目的で使用してもよい。
【0018】本発明の熱転写受像材料の受像層は、熱
移行性色素を受容しうる物質を単独で支持体上に設けた
構成としてもよいし、また熱移行性色素を受容しうる
物質を水溶性バインダーに分散して担持する構成として
もよい。の場合に用いられる水溶性バインダーとして
は公知の種々の水溶性ポリマーを使用しうるが、硬膜剤
により架橋反応しうる基を有する水溶性のポリマーが好
ましい。本発明に用いられる水溶性ポリマーとしては、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジニウム、カチ
オン性変性ポリビニルアルコール等のビニルポリマーお
よびその誘導体(特開昭60−145879号、同60
−220750号、同61−143177号、同61−
235182号、同61−245183号、同61−2
37681号、同61−261089号参照)、ポリア
クリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメ
チルアミノアクリレート、ポリアクリル酸またはその
塩、アクリル酸−メタクリル酸共重合体またはその塩、
ポリメタクリル酸またはその塩、アクリル酸−ビニルア
ルコール共重合体またはその塩等のアクリル基を含むポ
リマー(特開昭60−168651号、同62−998
8号参照)、でんぷん、酸化でんぷん、酢酸でんぷん、
アミノでんぷん、カルボキシルでんぷん、ジアルデヒド
でんぷん、カチオンでんぷん、デキストリン、アルギン
酸ソーダ、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、プルラ
ン、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースなどの天然ポリマーまたはその誘導体(特開
昭59−174382号、同60−262685号、同
61−143177号、同61−181679号、同6
1−193879号、同61−287782号参照)、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリビニルメチルエーテル、マレイン酸−酢酸ビニル共
重合体、マレイン酸−N−ビニルピロリドン共重合体、
マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重合体、ポリエ
チレンイミンなどの合成ポリマー(特開昭61−327
87号、同61−237680号、同61−27748
3号参照)、および特開昭56−58869号に記載の
水溶性ポリマーなどを挙げることができる。また、SO
3 - 基、COO- 基、SO2 - 基等を含むモノマー成分
により水可溶化された種々の共重合体も使用できる。
【0019】水溶性バインダーにゼラチンを使用するこ
とはセット乾燥できるため乾燥負荷が格段に少ないので
特に好ましい。具体的には、石灰処理ゼラチン、脱カル
シウム処理した石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、フ
タル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン、コハク化ゼラチ
ンなどのゼラチンおよびその誘導体、Bull.So
c.Phot.Japan,No.16,P3(196
6)に記載されているような酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ンの加水分解物や酵素分解物を挙げることができる。こ
れらの水溶性ポリマーは1種のみを用いてもよいし、2
種以上組み合わせて使用してもよい。水溶性バインダー
と色素受容性物質は、重量比で色素受容性物質/水溶性
バインダー=1〜20、好ましくは2〜10、特に好ま
しくは2.5〜7の範囲で使用する。
【0020】水溶性バインダーを用いる場合には、色素
受容性物質を含む水溶液を塗布乾燥して受容層を得るこ
とができる。色素受容性物質を水溶性バインダー中に分
散する方法としては、疎水性物質を水溶性ポリマーに分
散する際の公知の分散方法のいずれもが使用できる。代
表的には、受容性物質を水と非混和性の有機溶剤に溶解
した液を水溶性バインダーの水溶液と混合して乳化分散
する方法、受容性物質(ポリマー)のラテックスを水溶
性バインダーの水溶液と混合する方法などがある。該水
性溶液は水溶性の色素受容性樹脂の水溶液又はそれと色
素受容性の低い水溶性ポリマーとのブレンド溶液であっ
ても、色素受容性の微粒子分散液または該分散液と色素
受容性の低い水溶性ポリマーとのブレンド溶液であって
もよい。また受容性物質(ポリマー)に水溶性基〔例え
ばCOOM、SO3 M、−O−SO3 M、(−OCH2
CH2 n ;但しMはアルカリ金属イオン、n=整数〕
を導入し、水溶性ポリマーとし、単独又は上記水溶性バ
インダーと併用して用いてもよい。受容性ポリマーのラ
テックスあるいは受容性の水溶性ポリマーの具体例とし
ては互応化学製のプラスコートZ−466、Z−44
8、Z−455、Z−461、Z−761、Z−77
1、高松油脂製のペスレジンA−1243、A−214
1、A−2151、大日本インキ製のファインテックス
ES−611、ES−650、ES−670、ES−6
75、ES−850などが挙げられる。
【0021】受像層は1層でもよいし、2層以上の層で
構成してもよい。2層以上設ける場合、支持体に近い方
の層にはガラス転位点の低い合成樹脂を用いたり、高沸
点有機溶剤や熱溶剤を用いて色素に対する染着性を高め
た構成にし、最外層にはガラス転位点のより高い合成樹
脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要
最小限にするかもしくは使用しないで表面のベタツキ、
他の物質との融着、転写後の色素の他物質への再転写、
熱転写色素供与材料とのブロッキング等の故障を防止す
る構成にすることが望ましい。受像層の厚さは全体で
0.5〜50μm、特に3〜30μm、2層構成の場
合、最外層は0.1〜20μm、特に0.2〜10μm
の範囲にするのが好ましい。
【0022】本発明の熱転写受像材料は、支持体と受像
層の間に中間層を有してもよい。中間層は構成する材質
により、クッション層、多孔層、色素の拡散防止層のい
ずれか又はこれらの2つ以上の機能を備えた層であり、
場合によっては接着剤の役目も兼ねている。
【0023】色素の拡散防止層は、特に熱移行性色素が
支持体に拡散するのを防止する役目を果たすものであ
る。この拡散防止層を構成するバインダーとしては、水
溶性でも有機溶剤可溶性でもよいが、水溶性のバインダ
ーが好ましく、その例としては前述の受像層のバインダ
ーとして挙げた水溶性バインダー、特にゼラチンが好ま
しい。
【0024】多孔層は、熱転写時に印加した熱が受像層
から支持体へ拡散するのを防止し、印加された熱を有効
に利用する役目を果す層である。多孔層のバインダーと
して水溶性ポリマーを用いる場合には、水溶性ポリマ
ーに多孔質の微粒子を分散させ塗布乾燥する、機械的
な攪はんにより気泡を発生させた水溶性ポリマーの液を
塗布乾燥する、発泡剤を加えた水溶性ポリマーの液を
塗布前に発泡させて塗布するかまたは塗布乾燥過程で発
泡させる、水溶性ポリマー溶液中に有機溶剤(好まし
くは水より沸点の高い溶剤)を乳化分散し、塗布乾燥す
る過程でミクロボイドを形成する等の方法で形成するこ
とができる。多孔層として有機溶剤可溶性のバインダー
を用いる場合には、1)ポリウレタン等の合成樹脂エマ
ルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合
成ゴムラテックスを機械的に攪はんして気泡を発生させ
た液を支持体上に塗布し乾燥させる、2)上記合成樹脂
エマルジョンまたは合成ゴムラテックスに発泡剤を混合
した液を支持体上に塗布し乾燥させる、3)塩ビプラス
チゾル、ポリウレタン等の合成樹脂またはスチレン−ブ
タジエン系等の合成ゴムに発泡剤を混合した液を支持体
上に塗布し加熱することにより発泡させる。4)熱可塑
性樹脂または合成ゴムを有機溶剤に溶解した溶液と該有
機溶剤に比べ蒸発しにくく該有機溶剤に対し相溶性を有
しかつ熱可塑性樹脂または合成ゴムに対して溶解性を有
しない非溶剤(水を主成分とするものを含む)との混合
液を支持体上に塗布し乾燥させミクロポーラス層を形成
するなどの方法を用いることができる。
【0025】中間層は、受像層が支持体の両面にある場
合は両面に設けてもよいし、片面のみに設けてもよい。
中間層の厚みは0.5〜50μm、特に1〜20μmが
好ましい。
【0026】本発明の熱転写受像材料を構成する受像
層、クッション層、多孔層、拡散防止層、接着層等に
は、シリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニ
ウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、リトポン、酸化チタ
ン、アルミナ等の微粉末を含有させてもよい。熱転写受
像材料には蛍光増白剤を用いてもよい。その例として
は、K.Veenkataraman編「The Ch
emistry of Synthetic Dye
s」第V巻第8章、特開昭61−143752号などに
記載されている化合物を挙げることができる。より具体
的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフ
ェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル系化合物、ナフタ
ルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリ
ル系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェン
系化合物などが挙げられる。蛍光増白剤は褪色防止剤と
組み合わせて用いることができる。
【0027】本発明に用いられる熱転写色素供与材料
は、支持体上に熱移行性の色素を含有する色素供与層を
有する熱転写色素供与材料であって、熱印加したパター
ン状に色素を熱転写受像材料の受像層に移行させて記録
を行うものである。
【0028】色素供与層は、印字したときに所望の色相
を転写できるように色素を選択し、必要に応じて、色素
の異なる2層以上の色素供与層を一つの熱転写色素供与
材料に並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号
に応じて各色の印字を繰り返してカラー写真のような画
像を形成するときは、印字したときの色相がシアン、マ
ゼンタ、イエローの各色であることを望ましく、このよ
うな色相を与える色素を含有する3つの色素供与層を並
べる。あるいは、シアン、マゼンタ、イエローに加えて
更にブラックの色相を与える色素を含有する色素供与層
を追加してもよい。なお、これら色素供与層の形成の際
にいずれかの色素供与層の形成と同時に位置検出用のマ
ークを設けると、色素供与層形成とは別のインキや印刷
工程を要しないので好ましい。色素供与層は一層で形成
されても良いが、多数回繰り返し使用する方法に用いる
場合等のため、2層以上の構成で形成しても良い。この
場合、各層中の色素含有量、色素/バインダー比はそれ
ぞれ異っていてもよい。
【0029】熱転写色素供与材料の支持体としては従来
公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート;ポリアミド;ポリカーボネート;グラ
シン紙;コンデンサー紙;セルロースエステル;弗素ポ
リマー;ポリエーテル;ポリアセタール;ポリオレフィ
ン;ポリイミド;ポリフェニレンサルファイド;ポリプ
ロピレン;ポリスルフォン;セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。まは、親水性のポリマーよりなる色素の拡散防止層
を支持体と色素供与層の中間に設けてもよい。これによ
って転写濃度が一層向上する。親水性のポリマーとして
は、前記した水溶性ポリマーを用いることができる。ま
た、サーマルヘッドが色素供与材料に粘着するのを防止
するためにスリッピング層を設けてもよい。このスリッ
ピング層はポリマーバインダーを含有したあるいは含有
しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固体あるいは液体
潤滑剤またはこれらの混合物から構成される。
【0030】熱移行性色素を用いた熱転写色素供与材料
は、基本的には、支持体上に熱によって昇華するか可動
性になる色素とバインダーを含有する色素供与層を有す
るものである。この熱転写色素供与材料は、従来公知の
熱によって昇華するか可動性になる色素とバインダー樹
脂とを適当な溶剤中に溶解または分散させて塗工液を調
製し、これを支持体の一方の面に、例えば約0.2〜5
μm、好ましくは0.4〜2μmの乾燥膜厚になる塗布
量で塗布乾燥して熱転写色素供与層を形成することによ
って得られる。このような熱転写色素供与層の形成に有
用である色素としては、従来熱転写色素供与材料に使用
されている色素はいずれも使用できるが、本発明で特に
好ましいものは、約150〜800程度の小さい分子量
を有するものであり、転写温度、色相、耐光性、インキ
およびバインダー樹脂中での溶解性、分散性などを考慮
して選択される。具体例には、例えば分散染料、塩基性
染料、油溶性染料などが挙げられるが、とりわけ、スミ
カロンイエローE4GL、ダイアニクスイエローH2G
−FS、ミケトンポリエルテルイエロー3GSL、カヤ
ッセトイエロー937、スミカロンレッドEFBL、ダ
イアニクスレッドACE、ミケトンポリエルテルレッド
FB、カヤッセトレッド126、ミケトンファストブリ
リアントブルーB、カヤセットブルー136などが好適
に用いられる。その他にも公知の熱移行性色素を用いる
ことができる。
【0031】また、上記の色素と共に用いるバインダー
樹脂としては、このような目的に従来公知であるバイン
ダー樹脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が
高く、しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないも
のが選択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リアクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、
ポリアクリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニト
リル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどの部
分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系樹脂、ロジン
誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペン系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン)などが用いられる。このようなバインダー樹脂
は、例えば色素100重量部当たり約80〜600重量
部の割合で使用するのが好ましい。
【0032】本発明において、上記の色素およびバイン
ダー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤として
は、従来公知のインキ溶剤が自由に使用できる。
【0033】色素供与材料には背面より印字するときに
サーマルヘッドの熱によりスティッキングを防止し、滑
りをよくする意味で、支持体の色素供与層を設けない側
にスティッキング防止処理を施すのがよい。例えば、
ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの反応生
成物、リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカ
リ土類金属塩、および充填剤を主体とする耐熱スリッ
プ層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹脂とし
ては分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80
〜110℃であるもの、またイソシアネートとの反応サ
イトが多い観点からビニルブチラール部分の重量%が1
5〜40%のものがよい。リン酸エステルのアルカル金
属塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学製のガ
ファックRD720などが用いられ、ポリビニルブチラ
ール樹脂に対して1〜50重量%、好ましくは10〜4
0重量%程度用いるとよい。耐熱スリップ層は下層に耐
熱性を伴うことが望ましく、加熱により硬化しうる合成
樹脂とその硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブチラー
ルと多価イソシアネート、アクリルポリオールと多価イ
ソシアネート、酢酸セルロースとチタンキレート剤、も
しくはポリエステルと有機チタン化合物などの組合せを
塗布により設けるとよい。
【0034】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソピロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物、またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。
【0035】色素供与材料には下塗り層を設けてもよ
い。本発明では所望の作用をすればどのような下塗り層
でもよいが、好ましい具体例としては、(アクリロニト
リル/塩化ビニリデン/アクリル酸)共重合体(重量比
14:80:6)、(アクリル酸ブチル/メタクリ酸−
2−アミノエチル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル)共重合体(重量比30:20:50)、線状/飽和
ポリエステル例えばボスティック7650(エムハート
社、ボスティック・ケミカル・グループ)または塩素化
高密度ポリ(エチレン−トリクロロエチレン)樹脂が挙
げられる。下塗り層の塗布量には特別な制限はないが、
通常0.1〜2.0g/m2 の量で用いられる。
【0036】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料および/または受像材料を構成する層中、特に好ま
しくは両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤
を含有させるのが好ましい。離型剤としては、ポリエチ
レンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の
固形あるいはワックス状物質:弗素系、リン酸エステル
系等の界面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗素
系のオイル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用でき
るが、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオ
イルとしては、無変性のもの以外にカルボキシ変性、ア
ミノ変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを用
いることができる。その例としては、信越シリコーン
(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜
18B頁に記載の各種変成シリコーンオイルを挙げるこ
とができる。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合
は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイ
ソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変性シリ
コーンオイルが、また水溶性バインダー中に乳化分散し
て用いる場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例
えば信越シリコーン(株)製:商品名X−22−371
0)が有効である。
【0037】本発明に用いる熱転写色素供与材料を構成
する層は硬膜剤によって硬化されていてもよい。有機溶
剤系のポリマーを硬化する場合には、特開昭61−19
9997号、同58−215398号等に記載されてい
る硬膜剤が使用できる。水溶性ポリマーの硬化には、米
国特許第4,678,739号第41欄、特開昭59−
116655号、同62−245261号、同61−1
8942号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より
具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドな
ど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニル
スルホン系硬膜剤(N,N′−エチレンビス(ビニルス
ルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系
硬膜剤(ジメチロール尿素など)、あるいは高分子硬膜
剤(特開昭62−234157号などに記載の化合物)
が挙げられる。
【0038】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系
化合物(米国特許第3,533,794号など)、4−
チアゾリドン系化合物(米国特許第3,352,681
号など)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−27
84号など)、その他特開昭54−48535号、同6
2−136641号、同61−88256号等に記載の
化合物がある。また、特開昭62−260152号記載
の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯体として
は、米国特許第4,241,155号、同4,245,
018号第3〜36欄、同4,254,195号第3〜
8欄、特開昭62−174741号、同61−8825
6号(27)〜(29)頁、同63−199248号、
特開平1−75568号、同1−74272号等に記載
されている化合物がある。有用な褪色防止剤の例は特開
昭62−215272号(125)〜(137)頁に記
載されている。受像材料に転写された色素の褪色を防止
するための褪色防止剤は予め受像材料に含有させておい
てもよいし、色素供与材料から転写させるなどの方法で
外部から受像材料に供給するようにしてもよい。上記の
酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組
み合わせて使用してもよい。
【0039】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性
剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤を用いること
ができる。これらの具体例は特開昭62−173463
号、同62−183457号等に記載されている。ま
た、熱移行性色素を受容しうる物質、離型剤、褪色防止
剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、その他の疎水性化合物
を水溶性バインダー中に分散する際には、分散助剤とし
て界面活性剤を用いるのが好ましい。この目的のために
は、上記の界面活性剤の他に、特開昭59−15763
6号の37〜38頁に記載の界面活性剤が特に好ましく
用いられる。
【0040】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオ
ロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第
8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−13
5826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四
フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂など
の疎水性フッ素化合物が挙げられる。具体的な例として
は、ダイキン工業(株)製ダイフリーME−313、M
E−413、ME−414、ME−810、MS−44
3、MS−743、MS−043、MS−843、旭硝
子(株)製アサヒガードAG−530、AG−533
(S)、AG−550、AG−650、AG−710、
AG−730、AG−740、AG−780、AG−8
00、第一工業製薬(株)製エラスガンド100等が挙
げられる。
【0041】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
マット剤を用いることができる。マット剤としては二酸
化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレートな
どの特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物
の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネー
ト樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−27
4944号、同63−274952号記載の化合物があ
る。
【0042】本発明においては、熱転写色素供与材料を
熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ま
しくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマル
ヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギ
ーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像
材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することがで
き、優れた鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得
ることができる。加熱手段はサーマルヘッドに限らず、
レーザー光(例えば半導体レーザー)、赤外線フラッシ
ュ、熱ペンなどの公知のものが使用できる。
【0043】本発明において、熱転写色素供与材料は熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載を参照できる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
の効果を更に詳細に説明する。ただし本発明の具体例は
これに限られるものではない。
【0045】実施例1 (熱転写用色素供与材料の作成)片面に熱硬化アクリル
樹脂からなる耐熱滑性層を設けた厚さ5.5μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを支持体とし、この支
持体の耐熱滑性層を設けた側とは反対の側に下記組成の
熱転写色素供与層形成用塗料組成物をグラビアコーター
により塗布乾燥し、熱転写色素供与材料を得た。
【0046】 イエロー色素供与層形成用塗布組成物 イエロー色素 Y−1 3.2g イエロー色素 Y−2 0.8g ポリビニルブチラール樹脂 デンカブチラール 5000−A:電気化学製 3.2g デンカブチラール 3000−1:電気化学製 0.8g メチルエチルケトン 45 g トルエン 45 g ポリイソシアネート(タケネートD−110N: 武田薬品製) 0.7g シリコンオイル(KF96:信越シリコーン製) 0.3g フッ素ポリマー(AG660:旭硝子製) 0.2g マット剤(エポスターMS:日本触媒化学製) 0.2g 乾燥塗布量 1.0g/m2
【0047】
【化1】
【0048】 マゼンタ色素供与層形成用塗布組成物 マゼンタ色素 M−1 1.8g マゼンタ色素 M−2 1.2g ポリビニルブチラール樹脂 デンカブチラール 5000−A:電気化学製 3.2g デンカブチラール 3000−1:電気化学製 0.8g メチルエチルケトン 45 g トルエン 45 g ポリイソシアネート(タケネートD−110N: 武田薬品製) 0.7g シリコンオイル(KF96:信越シリコーン製) 0.3g フッ素ポリマー(AG660:旭硝子製) 0.2g マット剤(エポスターMS:日本触媒化学製) 0.2g 乾燥塗布量 0.8g/m2
【0049】
【化2】
【0050】 シアン色素供与層形成用塗布組成物 シアン色素 C−1 2.1g シアン色素 C−2 0.9g ポリビニルブチラール樹脂 デンカブチラール 5000−A:電気化学製 3.2g デンカブチラール 3000−1:電気化学製 0.8g メチルエチルケトン 45 g トルエン 45 g ポリイソシアネート(タケネートD−110N: 武田薬品製) 0.7g シリコンオイル(KF96:信越シリコーン製) 0.3g フッ素ポリマー(AG660:旭硝子製) 0.2g マット剤(エポスターMS:日本触媒化学製) 0.2g 乾燥塗布量 0.9g/m2
【0051】
【化3】
【0052】(熱転写受像材料の作成)厚さ150μm
の紙の両面に32μm、20μmの厚みにポリエチレン
をラミネートしたレジンコート紙の32μmの厚みにラ
ミネートした面に、下記受像層用塗料組成物を乾燥時の
厚みが10μmになるように塗布して、熱転写受像材料
(試料No.101)を作成した。乾燥はドライヤーで
仮乾燥の後、100℃のオーブン中で30分間行った。
【0053】 受像層用塗布組成物 ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 20g アミノ変性シリコンオイル(KF−857:信越シリコーン製) 1g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ製) 2g メチルエチルケトン 85g トルエン 85g
【0054】試料101のポリイソシアネートKP−9
0を表1に示すイソシアネート化合物に変えて試料10
2〜114を作成した。イソシアネート化合物につい
て、試料101と102は3官能以上のイソシアネート
化合物を単独使用したものであり、試料103と104
は1官能イソシアネート化合物を単独使用したものであ
り、いずれも本発明外の構成である。試料105〜11
0及び114は1官能イソシアネート化合物と3官能以
上のイソシアネート化合物を併用した、本発明の構成で
ある。試料111は2官能イソシアネート化合物を単独
使用したものであり、試料112は2官能イソシアネー
ト化合物と3官能以上のイソシアネート化合物を併用し
たものであり、試料113は1官能イソシアネート化合
物と2官能イソシアネート化合物を併用したものであ
り、いずれも本発明外の構成である。尚、試料105〜
110および112〜114においては、表1の下段に
示すイソシアネート化合物をポリエステル樹脂のメチル
エチルケトン、トルエン溶液に添加し、室温で5時間攪
拌の後、他の添加物及び表1の上段に示すイソシアネー
ト化合物を添加して作成した。従って、本発明の試料1
05〜110は、1官能イソシアネート化合物をポリエ
ステル樹脂溶液に添加し、反応後、3官能以上のイソシ
アネート化合物を添加して作成した。また、本発明の試
料114は、添加順序が上記とは逆に、3官能以上のイ
ソシアネート化合物をポリエステル樹脂溶液に添加し、
反応後、1官能イソシアネート化合物を添加して作成し
た。
【0055】
【表1】
【0056】(転写濃度の測定)作成した熱転写色素供
与材料及び熱転写色素受像材料(試料101〜110)
を富士フイルム製ビデオプリンターVP8000にセッ
トし、黒色ベタ画像を転写し、反射濃度をXriteを
用いB,G,Rの各フィルターを介して測定した。 (融着テスト)上記転写濃度の測定と同じ転写を受像材
料の各試料毎に10枚を35℃50%相対湿度の条件下
で行なった、その際受像面に色素供与層がはがれて付着
した枚数を融着の枚数とした。結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】3官能以上のイソシアネート化合物のみを
用いた試料101では転写濃度は高いが融着が発生して
しまう。3官能以上のイソシアネート化合物の増量で融
着を防止すると転写濃度が低下する(試料102)。1
官能のイソシアネート化合物のみの使用では融着が防止
できない(試料103と104)。これに比べ本発明の
試料105〜110では高い転写濃度と融着の防止が両
立でき優れていることが判る。また、2官能イソシアネ
ート化合物のみの使用では融着が防止できない(試料1
11)。2官能イソシアネート化合物と3官能以上のイ
ソシアネート化合物を併用すると融着を防止できるが転
写濃度が低下する(試料112)。1官能イソシアネー
ト化合物と2官能イソシアネート化合物を併用しても融
着が防止できない(試料113)。更に、3官能以上の
イソシアネート化合物をポリエステル樹脂溶液に添加
し、次に、1官能イソシアネート化合物を添加して作成
した試料114は、融着を防止できるが転写濃度が低下
し、好ましくない。これに比べ、1官能イソシアネート
化合物をポリエステル樹脂溶液に添加し、次に、3官能
以上のイソシアネート化合物を添加して作成した試料1
05〜110では高い転写濃度と融着の防止が両立でき
好ましいことが判る。
【0059】
【発明の効果】本発明に従い、受像層が3官能以上のイ
ソシアネート化合物と1官能のイソシアネート化合物を
含有して成ることにより、高い転写濃度と融着の防止が
両立した熱転写受像材料が得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に加熱により熱転写色素供与材
    料から移行してくる色素を受容して画像を形成するため
    の受像層を有する熱転写受像材料において、該受像層が
    3官能以上のイソシアネート化合物及び1官能のイソシ
    アネート化合物を添加し形成されたことを特徴とする熱
    転写受像材料。
JP4078751A 1992-03-02 1992-03-02 熱転写受像材料 Pending JPH05238173A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4078751A JPH05238173A (ja) 1992-03-02 1992-03-02 熱転写受像材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011212934A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Toppan Printing Co Ltd 熱転写記録媒体
JP2018052076A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 大日本印刷株式会社 熱転写シートと被転写体の組合せ

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JP2011212934A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Toppan Printing Co Ltd 熱転写記録媒体
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