JPH05309959A - 熱転写受像材料 - Google Patents

熱転写受像材料

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JPH05309959A
JPH05309959A JP4113561A JP11356192A JPH05309959A JP H05309959 A JPH05309959 A JP H05309959A JP 4113561 A JP4113561 A JP 4113561A JP 11356192 A JP11356192 A JP 11356192A JP H05309959 A JPH05309959 A JP H05309959A
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JP
Japan
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thermal transfer
resin
dye
image receiving
heat
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JP4113561A
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English (en)
Inventor
Toru Kamosaki
徹 鴨崎
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱転写記録において、転写画像濃度の高い熱転
写受像材料を提供する。 【構成】支持体上に、熱転写色素供与材料の色素供与層
から熱印加により移行する熱移行性色素を受容しうる受
像層を有してなる熱転写受像材料において、受像層と支
持体との間に微細空孔を有するエチレンビニルアルコー
ル酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分とする断熱層を有す
ることを特徴とする熱転写受像材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録法に用いる熱
転写受像材料に関するものであり、特に高濃度で画像保
存安定性に優れた画像を得ることができる熱転写受像材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、またそれぞれの情報
処理システムに適した記録方法および装置が開発、採用
されている。このような記録方法の一つとして熱転写記
録方法は、使用する装置が軽量かつコンパクトで騒音が
少なく、操作性、保守性にも優れており、カラー化も容
易であり、最近広く使用されている。この熱転写記録方
法には大きく分け熱溶融型と熱移行型の2種類がある。
後者の方法は支持体上にバインダーと熱移行性色素を含
有する色素供与層を有する熱転写色素供与材料を熱転写
受像材料と重ね合わせて、色素供与材料の支持体側から
熱ヘッドなどにより熱印加し、熱印加したパターン状に
熱移行性色素を記録媒体(熱転写受像材料)に転写させ
て転写像を得る方法である。なお、ここで熱移行性の色
素とは、昇華または拡散により熱転写色素供与材料から
熱転写受像材料へ転写しうる色素をいう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでの熱
転写受像材料は、熱転写時に熱印加された熱エネルギー
が効率良く保持されないために記録感度が十分でないた
めに、十分な転写画像濃度が得られないなどの問題があ
った。
【0004】受像層の下層に断熱層を設けることは、熱
転写時に印加された熱エネルギーが効率良く受像層に保
持されるために転写感度の向上には有効な手段である。
これまで断熱層に関しては以下に示すような先行技術が
ある。 イ.断熱層の主成分となるバインダーとして熱伝導率の
小さな樹脂を使用する。 ロ.断熱層中に内部に空気を有する中空粒子を含有す
る。 ハ.断熱層中に微細空孔を形成する。 上記イは、ポリスチレンなどの熱伝導率の小さな樹脂を
主成分のバインダーとして断熱層を形成する方法だが、
樹脂は空気に比べて断熱効果が少ないために転写画像濃
度の向上がわずかしか認められない、また転写後に熱履
歴を受けやすく転写後のカールが大きいことなどの問題
がある。上記ロは、スチレンアクリル樹脂などを壁材と
する中空粒子をバインダー中に分散して断熱層を形成す
る方法だが、中空粒子の粒径が十分に小さくないため
に、中空粒子に起因した受像層表面の凹凸が生じ、その
結果転写画像のむら、転写抜けが生じるなどの問題があ
る。上記ハは、合成紙を支持体に用いる方法が一般的で
ある。合成紙はポリプロピレンなどの樹脂中に無機粒子
を含有させ延伸により微細空孔を形成するなどの方法に
より製造されるが、微細空孔を有する支持体のみを用い
ると転写後のカールが大きいなどの問題がある。また、
合成紙を、紙またはポリエステルフィルムなどに積層し
たものを支持体として用いる方法がある。この方法は転
写後のカールは小さくなるが、支持体自体が高価になる
などの問題がある。上記に関しては、特開昭63−87
286号、特開平1−145192号、特開平2−60
790号、特開平2−248289号、特開平2−28
6290号などに記載されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
微細空孔を有するエチレンビニルアルコール酢酸ビニル
共重合体樹脂を主成分とする断熱層を有し、さらに該断
熱層上に熱転写色素供与材料の色素供与層から熱印加に
より移行する熱移行性色素を受容しうる熱可塑性樹脂を
含む受像層を有することを特徴とする熱転写受像材料に
よって達成された。
【0006】本発明の熱転写受像材料は、支持体上に微
細空孔を有するエチレンビニルアルコール酢酸ビニル共
重合体樹脂を主成分とする断熱層を設ける。この方法は
断熱層が微細空孔を有するため断熱効果が高く十分な画
像濃度が得られること、また転写後のカールが小さく、
安価であるなどの利点がある。
【0007】本発明の熱転写受像材料の断熱層に用いら
れるエチレンビニルアルコール酢酸ビニル共重合体樹脂
は、アルコール系溶剤に対して溶解度が高く、膜形成し
た場合の機械的強度、弾性率、表面硬度が大きいことが
必要なため、各モノマー成分の比率としては、エチレン
成分を0.01〜10mol %、ビニルアルコール成分を
70〜99mol %、酢酸ビニル成分を0.1〜30mol
%含有することが好ましい。またエチレン成分を0.1
〜3mol %、ビニルアルコール成分を80〜98mol
%、酢酸ビニル成分を1〜20mol %含有することが特
に好ましい。
【0008】エチレンビニルアルコール酢酸ビニル共重
合体樹脂の断熱層は、エチレンビニルアルコール酢酸ビ
ニル共重合体樹脂を良溶媒と貧溶媒の混合溶媒に溶解し
た後、支持体上に塗工して高温で乾燥する方法により形
成される。良溶媒としてはn−プロピルアルコール、貧
溶媒としては水を用いることが望ましい。微細空孔は、
樹脂の溶解性が良溶媒と貧溶媒で異なること、またさら
に混合する溶媒の沸点が異なるため塗膜形成時に乾燥階
段に溶媒の組成が変化する性質を利用して形成される。
断熱層は、0.1〜50μm の厚みであることが望まし
い。また特に1〜15μm の厚みであることが望まし
い。微細空孔は0.1〜10μm の空孔であることが望
ましい。また断熱層中の微細空孔の占有率は0.1〜5
0%であることが望ましい。さらに断熱層には、安定に
微細空孔を形成するために、微粒子を添加することも可
能である。また受像層の白色度の向上を目的として蛍光
増白剤の添加、断熱層の上層に形成される受像層との密
着性向上または断熱層と支持体の密着性向上を目的とし
て極性度の高い化合物の添加、架橋剤の添加をすること
も可能である。微粒子としては、シリカ微粉末を用いる
ことが好ましい。
【0009】本発明の熱転写受像材料に用いる支持体に
は特に制限はなく、知られている支持体のいずれもが使
用できる。支持体の一般的な具体例を下記に挙げる。 合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系などの合
成紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコー
ト紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含
浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板
紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙(特に
ポリエチレンで両側を被覆した紙)などの紙支持体、
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボ
ネート等の各種プラスチックフィルムまたはシートとこ
のプラスチックに白色反射性を与える処理をしたフィル
ムまたはシートなど。また、上記〜の任意の組合せ
による積層体も使用できる。この中でもポリオレフィン
コート紙は熱転写時の加熱による凹状の変形を起こさな
いこと、白色度に優れること、カールが少ないことなど
の特長を有しているでの好ましい。
【0010】ポリオレフィンコート紙については、例え
ば日本写真学会編「写真工学の基礎(銀塩写真編)」
(コロナ社発行、1979)223〜240頁に記述さ
れている。このポリオレフィンコート紙は基本的には支
持シートとその表面にコートされたポリオレフィン層か
らなるものである。支持コートは合成樹脂以外のものか
らなり、一般的には上質紙が用いられる。ポリオレフィ
ンコートは支持コートの表面にポリオレフィン層が密着
すればどんな方法で設けられてもよいが、通常はエクス
トルージョン法によって塗設される。ポリオレフィンシ
ート層は支持コートの受像層を設ける側の表面にだけ設
けてもよいが、表裏両面に設けてもよい。使用されるポ
リオレフィンとしては高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどがあるが、いずれを用い
てもかまわない。但し、転写時の断熱効果がら考えて、
受像層を設ける側はより熱伝導性の低い低密度ポリエチ
レンを用いるのが好ましい。ポリオレフィンコートの厚
みは特に制限はないが、通常は片面で5〜100μm が
好ましい。但し、より高い転写濃度を得るためには受像
層側のポリオレフィンコートの厚みは薄い方が好まし
い。ポリオレフィンコートには白色度を増すための酸化
チタンや群青などの顔料や充填剤を加えてもよい。また
ポリオレフィンコート紙はその表面(受像層を設ける側
および/またはその裏面)に0.05〜0.4/m2程度
の薄いゼラチン層を設けたものでもよい。
【0011】本発明の熱転写受像材料の受像層に用いる
樹脂としては以下に示すような樹脂があげられる。(各
構造式中のR及びR′はアルキル基又はアリール基を表
わし、m、nは1以上の整数を表わす。)
【0012】イ.ポリエステル樹脂 下記一般式(a) で表わされるポリエステル樹脂
【0013】
【化1】
【0014】Aはカルボン酸成分、Bはアルコール成分
をあらわし両者はエステル結合で連結されている。カル
ボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルカ
ルボン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジオン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸などのジカルボン酸、及びトリメリット酸
などのトリカルボン酸をあげることができる。アルコー
ル成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ピロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオールレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分及びト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多
価アルコールをあげることができる。一般式(I)のポ
リエステル樹脂は上記のカルボン酸成分の1種以上の成
分と上記のアルコール成分の1種以上の成分との共重合
によって得られる。具体的には特開昭59−10139
5号、同63−7971号、同63−7972号、同6
3−7973号、同60−294862号に記載のもの
をあげることができる。また市販品としては東洋紡製の
バイロン200、バイロン290、バイロン280、バ
イロン300、バイロン103、バイロンGK−14
0、バイロンGK−130、花王製のATR−200
9、ATR−2010などが使用できる。
【0015】ロ.ポリアクリレート樹脂 (1) 下記一般式(b) の構造を有するポリメタクリレート
樹脂
【0016】
【化2】
【0017】ハ.下記一般式(c) の構造を有するポリア
クリレート樹脂
【0018】
【化3】
【0019】ニ.ポリカーボネート樹脂 下記一般式(d) の構造を有するポリカーボネート樹脂
【0020】
【化4】
【0021】ホ.ポリ酢酸ビニル樹脂 下記一般式(e) の構造を有するポリ酢酸ビニル樹脂
【0022】
【化5】
【0023】ヘ.ポリ塩化ビニル樹脂 下記一般式(f) の構造を有するポリ塩化ビニル樹脂
【0024】
【化6】
【0025】ト.ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 下記一般式(g) の構造を有するポリ塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合樹脂
【0026】
【化7】
【0027】チ.ポリスチレンアクリレート樹脂 下記一般式(h) の構造を有するポリスチレンアクリレー
ト樹脂
【0028】
【化8】
【0029】リ.ポリビニルトルエンアクリレート樹脂 下記一般式(i) の構造を有するポリビニルトルエンアク
リレート樹脂
【0030】
【化9】
【0031】ヌ.ポリウレタン樹脂 下記一般式(j) の構造を有するポリウレタン樹脂
【0032】
【化10】
【0033】ル.ポリアミド樹脂 下記一般式(k) の構造を有するポリアミド樹脂
【0034】
【化11】
【0035】オ.尿素樹脂 下記一般式(l) の構造を有する尿素樹脂
【0036】
【化12】
【0037】ワ.ポリスルホン樹脂 下記一般式(m) の構造を有するポリスルホン樹脂
【0038】
【化13】
【0039】カ.ポリカプロラクトン樹脂 下記一般式(n) の構造を有するポリカプロラクトン樹脂
【0040】
【化14】
【0041】ヨ.スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂 下記一般式(o) の構造を有するスチレン−無水マレイン
酸共重合樹脂
【0042】
【化15】
【0043】タ.アクリロニトリル樹脂 下記一般式(p) の構造を有するアクリロニトリル樹脂
【0044】
【化16】
【0045】さらに上記のような樹脂に加えて、これら
の混合物あるいは共重合体なども使用できる。
【0046】本発明の熱転写受像材料には受像層中に色
素受容性物質または色素の拡散助剤として熱溶剤または
高沸点有機溶媒を含有させることができる。熱溶剤とし
ては、色素と相溶性がある水溶性バインダーとは非相
溶性であること、常温では固体であるが、転写時サー
マルヘッドによって加熱されたときに融解(他の成分と
の混合融解でもより)すること、サーマルヘッドによ
る加熱によって分解しないこと、といった諸性質を有す
る化合物が用いられる。好ましくは35〜250℃、特
に35〜200℃の融点を示し、(無機性/有機性)値
<1.5である化合物が好ましい。ここで無機性、有機
性とは化合物の性状を予測するための概念であり、詳細
は例えば「化学の領域」11、719頁(1957)に
記載されている。高沸点有機溶剤および熱溶剤の具体例
としては、特開昭62−174754号、同62−24
5253号、同61−209444号、同61−200
538号、同62−8145号、同62−9348号、
同62−30247号、同62−136646号に記載
の化合物を挙げることができる。高沸点有機溶媒および
/または熱溶剤は受像層中にミクロに分散された形態で
単独で用いることもできるが、色素受容性ポリマーと混
合して用いることもできる。また、上記の高沸点有機溶
剤は、スベリ性、剥離性、カールバランス等の改良の目
的で使用してもよい。
【0047】本発明の熱転写受像材料の受像層は、熱
移行性色素を受容しうる物質を単独で支持体上に設けた
構成としてもよいし、また熱移行性色素を受容しうる
物質を水溶性バインダーに分散して担持する構成として
もよい。の場合に用いられる水溶性バインダーとして
は公知の種々の水溶性ポリマーを使用しうるが、硬膜剤
により架橋反応しうる基を有する水溶性のポリマーが好
ましい。
【0048】本発明に用いられる水溶性ポリマーとして
は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジニウム、
カチオン性変性ポリビニルアルコール等のビニルポリマ
ーおよびその誘導体(特開昭60−145879号、同
60−220750号、同61−143177号、同6
1−235182号、同61−245183号、同61
−237681号、同61−261089号参照)、ポ
リアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ
ジメチルアミノアクリレート、ポリアクリル酸またはそ
の塩、アクリル酸−メタクリル酸共重合体またはその
塩、ポリメタクリル酸またはその塩、アクリル酸−ビニ
ルアルコール共重合体またはその塩等のアクリル酸を含
むポリマー(特開昭60−168651号、同62−9
988号参照)、でんぷん、酸化でんぷん、酢酸でんぷ
ん、アミンでんぷん、カルボキシルでんぷん、ジアルデ
ヒドでんぷん、カチオンでんぷん、デキストリン、アル
ギン酸ソーダ、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、プ
ルラン、デキストラン、メチルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロースなどの天然ポリマーまたはその誘導体
(特開昭59−174382号、同60−262685
号、同61−143177号、同61−181679
号、同61−193879号、同61−287782号
参照)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリビニルメチルエーテル、マレイン酸−酢酸
ビニル共重合体、マレイン酸−N−ビニルピロリドン共
重合体、マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重合
体、ポリエチレンイミンなどの合成ポリマー(特開昭6
1−32787号、同61−237680号、同61−
277483号参照)および特開昭56−58869号
に記載の水溶性ポリマーなどを挙げることができる。
【0049】また、SO3 - 基、COO- 基、SO2 -
基等を含むモノマー成分により水可溶化された種々の共
重合体も使用できる。
【0050】水溶性バインダーにゼラチンを使用するこ
とはセット乾燥できるため乾燥負荷が格段に少ないので
特に好ましい。具体的には、石灰処理ゼラチン、脱カル
シウム処理した石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、フ
タル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン、コハク化ゼラチ
ンなどのゼラチンおよびその誘導体、Bull.Soc.Phot.Ja
pan, No.16,p3(1966)に記載されているよう
な酸素処理ゼラチン、ゼラチンの加水分解物や酸素分解
物を挙げることができる。
【0051】これらの水溶性ポリマーは1種のみを用い
てもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。水
溶性バインダーと受容性物質は、重量比で受容性物質/
水溶性バインダー=1〜20、好ましくは2〜10、特
に好ましくは2.5〜7の範囲で使用する。
【0052】水溶性バインダーを用いる場合には、色素
受容性物質を含む水溶液を塗布乾燥して受像層を得るこ
とができる。受容性物質を水溶性バインダー中に分散す
る方法としては、疎水性物質を水溶性ポリマーに分散す
る際の公知の分散方法のいずれもが使用できる。代表的
には、受容性物質を水と非混和性の有機溶剤に溶解した
液を水溶性バインダーの水溶液と混合して乳化分散する
方法、受容性物質(ポリマー)のラテックスを水溶性バ
インダーの水溶液と混合する方法などがある。該水性溶
液は水溶性の色素受容性樹脂の水溶液又はそれと色素受
容性の低い水溶性ポリマーとのブレンド溶液であって
も、色素受容性の微粒子分散液または該分散液と色素受
容性の低い水溶性ポリマーとのブレンド溶液であっても
よい。また受容性物質(ポリマー)は水溶性基(例えば
COOM、SO3 M、−O−SO3 M、(−OCH2
2)n ;但しMはアルカリ金属イオン、n=整数)を導
入し、水溶性ポリマーとし、単独又は上記水溶性バイン
ダーと併用して用いてもよい。受容性ポリマーのラテッ
クスあるいは受容性の水溶性ポリマーの具体例としては
互応化学製の(商品名)プラスコートZ−466、Z−
448、Z−455、Z−461、Z−761、Z−7
71、高松油脂製の(商品名)ペスレジンA−124
3、A−2141、A−2151、大日本インキ製の
(商品名)ファインテックスES−611、ES−65
0、ES−670、ES−675、ES−850などが
挙げられる。
【0053】受像層は1層でもよいし、2層以上の層で
構成してもよい。2層以上設ける場合、支持体に近い方
の層にはガラス転位点の低い合成樹脂を用いたり、高沸
点有機溶剤や熱溶剤を用いて色素に対する染着性を高め
た構成にし、最外層にはガラス転位点のより高い合成樹
脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要
最小限にするかもしくは使用しないで表面のベタツキ、
他の物質との接着、転写後の色素の他物質への再転写、
熱転写色素供与材料とのブロッキング等の故障を防止す
る構成にすることが望ましい。受像層の厚さは全体で
0.5〜50μm 、特に3〜30μm 、2層構成の場
合、最外層は0.1〜20μm 、特に0.2〜10μm
の範囲にするのが好ましい。
【0054】熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いても
よい。その例としては、K.Veenkataraman 編「The Chem
istry of Synthetic Dyes 」第5巻第8章、特開昭61
−143752号などに記載されている化合物等を挙げ
ることができる。より具体的には、スチルベン系化合
物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオ
キサゾリル系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾ
リン系化合物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベ
ンゾオキサゾールチオフェン系化合物などが挙げられ
る。蛍光増白剤は褪色防止剤と組み合わせて用いること
ができる。
【0055】本発明に用いられる熱転写色素供与材料に
は、支持体上に熱移行性の色素を含有する色素供与層を
有する熱転写色素供与材料であって、熱印加したパター
ン状に色素を熱転写受像材料の受像層に移行させて記録
を行うものと、支持体上に熱溶融性のインク層(色素供
与層)を有する熱転写色素供与材料であって、熱印加し
たパターン状に上記インクを溶融させ熱転写受像材料に
転写させて記録を行うものの2つが含まれる。
【0056】色素供与層は、印字したときに所望の色相
を転写できるように色素を選択し、必要に応じて、色素
の異なる2層以上の色素供与層を一つの熱転写色素供与
材料に並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号
に応じて各色の印字を繰り返してカラー写真のような画
像を形成するときは、印字したときの色相がシアン、マ
ゼンタ、イエローの各色であることが望ましく、このよ
うな色相を与える色素を含有する3つの色素供与層を並
べる。あるいは、シアン、マゼンタ、イエローに加えて
更にブラックの色相を与える色素を含有する色素供与層
を追加してもよい。なお、これら色素供与層の形成の際
にいずれかの色素供与層の形成と同時に位置検出用のマ
ークを設けると、色素供与層形成とは別のインキや印刷
工程を要しないので好ましい。
【0057】熱転写色素供与材料の支持体としては従来
公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート;ポリアミド;ポリカーボネート;グラ
シン紙;コンデンサー紙;セルロースエステル;弗素ポ
リマー;ポリエーテル;ポリアセタール;ポリオレフィ
ン;ポリイミド;ポリフェニレンサルファイド;ポリプ
ロピレン;ポリスルフォン;セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。また、親水性ポリマーよりなる色素の拡散防止層を
支持体と色素供与層の中間に設けてもよい。これによっ
て転写濃度が一層向上する。親水性のポリマーとして
は、前記した水溶性ポリマーを用いることができる。
【0058】また、サーマルヘッドが色素供与材料に粘
着するのを防止するためにスリッピング層を設けてもよ
い。このスリッピング層はポリマーバインダーを含有し
たあるいは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固
体あるいは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成さ
れる。
【0059】熱移行性色素を用いた熱転写色素供与材料
は、基本的には、支持体上に熱によって昇華するか可動
性になる色素とバインダーを含有する色素供与層を有す
るものである。この熱転写色素供与材料は、従来公知の
熱によって昇華するか可動性になる色素とバインダー樹
脂とを適当な溶剤中に溶解または分散させて塗工液を調
製し、これを支持体の一方の面に、例えば約0.2〜5
μ、好ましくは0.4〜2μの乾燥膜厚になる塗布量で
塗布乾燥して熱転写層を形成することによって得られ
る。このような熱転写層の形成に有用である色素として
は、従来熱転写色素供与材料に使用されている色素はい
ずれも使用できるが、本発明で特に好ましいものは、約
150〜800程度の小さい分子量を有するものであ
り、転写温度、色相、耐光性、インキおよびバインダー
樹脂中での溶解性、分散性などを考慮して選択される。
具体的には、例えば分散染料、塩基性染料、油溶性染料
などが挙げられるが、とりわけ、スミカロンイエローE
4GL、ダイアニクスイエローH2G−FS、ミケトン
ポリエステルイエロー3GSL、カヤッセトイエロー9
37、スミカロンレッドEFGL、ダイアニクスレッド
ACE、ミケトンポリエステルレッドFB、カヤッセト
レッド126、ミケトンファスブリリンアントブルー
B、カヤセットブルー136(いずれも商品名)などが
好適に用いられる。その他にも公知の熱移行性色素を用
いることができる。
【0060】また、上記の色素と共に用いるバインダー
樹脂としては、このような目的に従来公知であるバイン
ダー樹脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が
高く、しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないも
のが選択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リアクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、
ポリアクリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニト
リル)、ポリビニルピロリドンを綴目とするビニル系樹
脂、Yポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチ
レン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂
(例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、セルロースアセテート水素フタ
レート、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピ
オネート、セルロースアセテートブチレート、セルロー
スシリアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例
えばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなど
の部分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系樹脂、ロ
ジン誘導体、クマローインデン樹脂、テルペン系樹脂、
ポリアレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン)などが用いられる。このようなバインダー樹脂
は、例えば色素100重量部当たり約80〜600重量
部の割合で使用するのが好ましい。
【0061】本発明において、上記の色素およびバイン
ダー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤として
は、従来公知のインキ溶剤が自由に使用できる。インキ
の製造および支持体上への塗布は、既知の技術に従って
実施できる。
【0062】色素供与材料には背面より印字するときに
サーマルヘッドの熱によるスティッキングを防止し、滑
りをよくする意味で、支持体の色素供与層を設けない側
にスティッキング防止処理を施すのがよい。例えば、
ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの反応生
成物、リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカ
リ土類金属塩、および充填剤を主体とする耐熱スリッ
プ層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹脂とし
ては分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80
〜110℃であるもの、またイソシアネートとの反応サ
イトが多い観点からビニルブチラール部分の重量%が1
5〜40%のものがよい。リン酸エステルのアルカリ金
属塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学製のガ
ファックRD720などが用いられ、ポリビニルブチラ
ール樹脂に対して1〜50重量%、好ましくは10〜4
0重量%程度用いるとよい。耐熱スリップ層は下層に耐
熱性を伴うことが望ましく、加熱により硬化しうる合成
樹脂とその硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブチラー
ルと多価イソシアネート、アクリルポリオールと多価イ
ソシアネート、酢酸セルロースとチタンキレート剤、も
しくはポリエステルと有機チタン化合物などの組合せを
塗布により設けるとよい。
【0063】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ゾニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。
【0064】色素供与材料には下塗り層を設けてもよ
い。本発明では所望の作用をすればどのような下塗り層
でもよいが、好ましく具体例としては、(アクリロニト
リル−塩化ビニリデン−アクリル酸)共重合体(重量比
14:80:6)、(アクリル酸ブチル−メタクリル酸
−2−アミノエチル−メタクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル)共重合体(重量比30:20:50)、線状/飽
和ポリエステル例えばボスティック7650(エムハー
ト社、ボスティック・ケミカル・グループ)または塩素
化高密度ポリ(エチレン−トリクロロエチレン)樹脂が
挙げられる。下塗り層の塗布量には特別な制限はない
が、通常0.1〜2.0g/m2の量で用いられる。
【0065】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料および/または受像材料を構成する層中、特に好ま
しくは両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤
を含有させるのが好ましい。離型剤としては、ポリエチ
レンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の
固形あるいはワックス状物質:弗素系、リン酸エステル
系等の界面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗素
系のオイル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用でき
るが、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオ
イルとしては、無変性のもの以外にカルボキシ変性、ア
ミノ変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを用
いることができる。その例としては、信越シリコーン
(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜
18B頁に記載の各種変性シリコーンオイルを挙げるこ
とができる。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合
は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイ
ソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変性シリ
コーンオイルが、また水溶性バインダー中に乳化分散し
て用いる場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例
えば信越シリコーン(株)製:商品名X−22−371
0)が有効である。
【0066】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は架橋剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている架橋剤が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の架橋剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、ア
ジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤
【0067】
【化17】
【0068】など)、ビニルスルホン系硬膜剤(N,
N′−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)エ
タンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿
素など)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234
157号などに記載の化合物)が挙げられる。
【0069】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
さらに褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤として
は、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種
の金属錯体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマ
ン系化合物、クマラン系化合物、フェノール系化合物
(例えばヒンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘
導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合
物がある。また、特開昭61−159644号記載の化
合物も有効である。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリ
アゾール系化合物(米国特許第3,533,794号な
ど)、4−チアゾリドン系化合物(米国特許第3,35
2,681号など)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭
56−2784号など)、その他特開昭54−4853
5号、同62−136641号、同61−88256号
等に記載の化合物がある。また、特開昭62−2601
52号記載の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属
錯体としては、米国特許第4,241,155号、同第
4,245,018号第3〜36欄、同第4,254,
195号第3〜8欄、特開昭62−174741号、同
61−88256号(27)〜(29)頁、特願昭62−234
103号、同62−31096号、特願昭62−230
596号等に記載されている化合物がある。有用な褪色
防止剤の例は特開昭62−215272号(125) 〜(13
7) 頁に記載されている。
【0070】受像材料に転写された色素の褪色を防止す
るための褪色防止剤は予め受像材料に含有させておいて
もよいし、色素供与材料から転写させるなどの方法で外
部から受像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸
化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み
合わせて使用してもよい。熱転写色素供与材料や熱転写
受像材料の構成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性
改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤
を使用することができる。非イオン性界面活性剤、アニ
オン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤
を用いることができる。これらの具体例は特開昭62−
173463号、同62−183457号等に記載され
ている。また、熱移行性色素を受容しうる物質、離型
剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤その他の疎
水性化合物を水溶性バインダー中に分散する際には、分
散助剤として界面活性剤を用いるのが好ましい。この目
的のためには、上記の界面活性剤の他に、特開昭59−
157636号の37〜38頁に記載の界面活性剤が特
に好ましく用いられる。
【0071】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオ
ロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第
8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−13
5826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四
フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂など
の疎水性フッ素化合物が挙げられる。具体的な例として
は、ダイキン工業(株)製ダイフリーME−313、M
E−413−ME−414、ME−810、MS−44
3、MS−743、MS−043、MS−843、旭硝
子(株)製、アセヒガード、AG−530、AG−53
3(S)、AG−550、AG−650、AG−71
0、AG−730、AG−740、AG−780、AG
−800、第一工業製薬(株)製、エラスガンド100
等が挙げられる。
【0072】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
マット剤を用いることができる。マット剤としては二酸
化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレートな
どの特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物の中
に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹
脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特願昭62−1100
64号、同62−110065号記載の化合物がある。
【0073】本発明においては、熱転写色素供与材料や
熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ま
しくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマル
ヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギ
ーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像
材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することがで
き、優れた鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得
ることができる。加熱手段はサーマルヘッドに限らず、
レーザー光(例えば半導体レーザー)、赤外線フラッシ
ュ、熱ペンなどの公知のものが使用できる。
【0074】本発明において、熱転写色素供与材料や熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方式の詳細について
は、特開昭60−34895号に記載を参照できる。
【0075】
【実施例】以下に本発明の詳細な実施例を示す。ただし
本発明の熱転写受像材料は以下に示す実施例に限られる
ものではない。
【0076】実施例1 (熱転写色素供与材料の作製)片面に熱硬化カリウム樹
脂からなる耐熱滑性層を設けた厚さ5.5μm のポリエ
チレンテレフタレートフィルム(ルミラー:東レ製)を
支持体とし、この支持体の耐熱滑性層を設けた側と反対
の側に下記組成の熱転写色素供与層塗液をワイヤーバー
コーティングにより、乾燥後の厚みが2μm となるよう
に塗布形成して熱転写色素供与材料を得た。
【0077】 熱転写色素供与層塗液 分散染料−a 4g
【0078】
【化18】
【0079】 ポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール5000−A:電気化学製) 4g メチルエチルケトン 40ml トルエン 40ml ポリイソシアネート(タケネートD110N:武田薬品製) 0.2ml
【0080】(熱転写受像材料1の作製)140μm の
紙の両面に30μm 、33μm の厚みにポリエチレンを
ラミネートしたレンジコート紙を用意し、30μm の厚
みにラミネートされた面に下記組成の断熱層用塗液をワ
イヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが10μm
となるように塗布した。乾燥は80℃のオーブン中で1
0分間おこなった。
【0081】 断熱層用塗液 エチレンビニルアルコール酢酸ビニル樹脂 (エバールES−F101A:クラレ製) 10g 水 59g n−プロピルアルコール 47g
【0082】さらに上記断熱層上に下記組成の受像層用
塗液をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが
10μm となるように塗布した。乾燥は100℃のオー
プン中で30分間おこなった。
【0083】 受像層用塗液 ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 15g アミノ変成シリコーンオイル(KF−857:信越シリコーン製) 1g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ製) 3g メチルエチルケトン 85ml トルエン 85ml
【0084】実施例2 熱転写色素供与材料は実施例1と同内容のものを用い
る。 (熱転写受像材料2の作製)実施例1と同内容の支持体
の30μm の厚みにラミネートされた面に下記組成の断
熱層用塗液をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の
厚みが10μm となるように塗布した。乾燥は80℃の
オーブン中で10分間おこなった。
【0085】 断熱層用塗液 エチレンビニルアルコール酢酸ビニル樹脂 (エバールES−F101A:クラレ製) 16g シリカ微粒子(サイロイド244:日本デヴィソン製) 8g 水 97g n−プロピルアルコール 78g
【0086】ざらに上記断熱層上に下記組成の受像層用
塗液をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが
10μm となるように塗布した。乾燥は100℃のオー
ブン中で30分間おこなった。
【0087】 受像層用塗液 ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 15g アミノ変成シリコーンオイル(KF−857:信越シリコーン製) 1g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ製) 3g メチルエチルケトン 85ml トルエン 85ml
【0088】実施例3 熱転写色素供与材料は実施例1と同内容のものを用い
る。 (熱転写受像材料3の作製)実施例1と同内容の支持体
の30μm の厚みにラミネートされた面に実施例1と同
内容の断熱層用塗液を実施例1と同じ方法で塗布、乾燥
し断熱層を形成した後、下記組成の受像層用塗液をワイ
ヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが10μm と
なるように塗布した。乾燥は100℃のオーブン中で3
0分間おこなった。
【0089】 受像層用塗液 塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(エスレックC:積水化学製) 15g アミノ変成シリコーンオイル(KF−857:信越シリコーン製) 1g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ製) 3g メチルエチルケトン 85ml トルエン 85ml
【0090】比較例1 熱転写色素供与材料は実施例1と同様のものを用いる。 (熱転写受像材料4の作製)実施例1と同内容の支持体
の表面に実施例1と同内容の受像層用塗液をワイヤーバ
ーコーティングにより乾燥時の厚みが10μm となるよ
うに塗布して熱転写受像材料4を作製した。乾燥は10
0℃のオーブン中で30分間おこなった。
【0091】比較例2 熱転写色素供与材料は実施例1と同様のものを用いる。 (熱転写受像材料5の作製)実施例1と同内容の支持体
の表面に実施例3と同内容の受像層用塗液をワイヤーバ
ーコーティングにより乾燥時の厚みが10μm となるよ
うに塗布して熱転写受像材料5を作製した。乾燥は10
0℃のオーブン中で30分間おこなった。
【0092】上記のようにして得られた熱転写色素供与
材料と熱転写受像材料とを色素供与層と受像層が接する
ようにして重ね合わせ、熱転写比基礎供与材料の支持体
側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力
0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15msec、ド
ット密度6ドット/mmの条件で熱印加をおこない、熱転
写受像材料の受像層にマゼンタの色素を像様に染着させ
た。このとき得られた記録済みの熱転写受像材料の、濃
度が飽和している部分(Dmax) を反射濃度、XRite・ス
テータスAフィルターを用いてマゼンタの反射濃度を測
定した。
【0093】
【表1】
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、断熱層を形成すること
により、熱転写時に熱印加される熱エネルギーが効率良
く受像層に保持されるために転写濃度の高い熱転写受像
材料を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、微細空孔を有するエチレン
    ・ビニルアルコール・酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分
    とする断熱層を有し、さらに該断熱層上に熱転写色素供
    与材料の色素供与層から熱印加により移行する熱移行性
    色素を受容しうる熱可塑性樹脂を含む受像層を有するこ
    とを特徴とする熱転写受像材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006075734A1 (ja) * 2005-01-14 2006-07-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 熱転写受像シート及びその製造方法
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