JPH0890938A - 熱転写記録型idカード - Google Patents

熱転写記録型idカード

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JPH0890938A
JPH0890938A JP6251594A JP25159494A JPH0890938A JP H0890938 A JPH0890938 A JP H0890938A JP 6251594 A JP6251594 A JP 6251594A JP 25159494 A JP25159494 A JP 25159494A JP H0890938 A JPH0890938 A JP H0890938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
group
layer
general formula
card
Prior art date
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Pending
Application number
JP6251594A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Kubodera
征一 久保寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP6251594A priority Critical patent/JPH0890938A/ja
Publication of JPH0890938A publication Critical patent/JPH0890938A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高濃度で、保存中に画像のにじみのない記録が
得られ、さらに他のものと重ねて保存した場合に色素の
付着のないIDカードを安価で容易にかつ迅速に提供す
る。 【構成】支持体上にジエン(又はジエノフィル)を有す
る色素を含む色素供与層を設けた色素供与材料と組み合
わせて用い、支持体上に色素を受容するジエノフィル化
合物(又はジエン化合物)を含む水性バインダー中に分
散された受容層を設けた受像材料からなる熱転写型ID
カード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIDカードに関し、更に
詳しくは色素供与材料と組み合わせて用いられる色素受
容層を設けた熱転写記録型IDカードに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、免許証類、身分証明証、会員証、
名刺等のIDカードが普及するようになった。これらの
IDカードは、しばしば本人の確認用に顔写真がその表
面に形成されている。特にカラーの画像が有効に用いら
れている。また顔写真に限らず、各種認識用に、図形、
記号等を色相に変えて記録する等の利用が行なわれてい
る。また、上記の各種の色相が利用されるフルカラー画
像の他に、文字、記号等が形成される。これらの文字、
記号はCIマークのようにIDカード毎に同じ場合もあ
るが、氏名;日付等のようにそれぞれのIDカードで異
なる場合も多い。従来、前記のようなIDカードは銀塩
写真法により形成されることが多かった。しかしこの方
法は露光、現像、貼付けなどの複雑な工程を要し、迅速
にIDカードを作成するには適切な方法とはいえない。
このような事情から、最近、熱転写型IDカードの利用
が行なわれている。特に熱移行性の色素を用いる、いわ
ゆる昇華型熱転写方式はフルカラーの画像が容易に形成
できることから、IDカードの作成には有効な方法であ
る。この熱転写方式は以下の方法により画像を得る。す
なわち、カラービデオで電子的に形成された画像からプ
リントを得る熱転写システムが用いられる。このような
プリントを得る一方法によれば、電子画像を先ずカラー
フィルターで色分解する。次に色分解された各画像を電
気信号に交換する。引続きこれらの信号を操作してイエ
ロー、マゼンタ及びシアンの電気信号を発生させる。次
にこれらの信号を熱プリンタに伝達する。プリントを得
るには、イエロー、マゼンタ又はシアンの色素供与材料
を色素受像材料に面と面を合わせて配置する。続いてこ
の両者をサーマルヘッドとプラテンローラとの間に挿入
する。ライン型の熱ヘッドを用いて、色素供与材料の裏
面から加熱する。熱ヘッドは多数の加熱要素を有し、イ
エロー、マゼンタ及びシアンの信号に応答して逐次加熱
される。引続きこの過程を他の二色で繰り返すのであ
る。このようにしてスクリーン上に視えた元の画像に対
応するカラーハードコピーが得られる。
【0003】前述の電気信号を用いて熱的にプリントを
得る別法は、熱ヘッドの代わりにレーザを用いる方法で
ある。このシステムでは、色素供与材料は、レーザ光線
を強く吸収する材料を含有する。色素供与材料にレーザ
光線を照射すると、この吸収性材料が光エネルギーを熱
エネルギーに変換してすぐに近くの色素にその熱を伝達
し、色素を受像材料に転写するための熱移行温度まで加
熱する。この吸収性材料は色素の下部に層をなして存在
し及び/又は色素と混合される。レーザビームは、元の
画像の形状及び色を表わす電気信号で変調され、元の対
象の色を再構成するため色素供与材料上に存在する必要
ある域の色素のみが加熱されて熱移行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱転写方式によって形成されたIDカードはフルカラー
の画像を得るために、くりかえしの熱転写をするため、
時間がかかるという問題がある。この問題は熱移行性の
よい色素を用いることで解決できるのであるが、この場
合、記録された画像が保存中に滲んだり、布、プラスチ
ックシート等の他の表面と重ねておくと画像が移動して
しまうなどの問題を生ずる。本発明の目的は、これらの
問題を解決することである。すなわち、簡易でかつ迅速
にフルカラー画像を含むIDカードを形成でき、かつ、
形成されたIDカードが保存中に画像の滲みなどの劣化
を生ぜず、また、IDカードに接したものを汚染するこ
とのないIDカードを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下の手
段により解決された。すなわち、本発明の目的は、支持
体上に熱移行性色素を有する熱転写色素供与材料と組み
合わせて用いられ、加熱により色素供与材料から移行す
る該色素を受容するための色素受容層を支持体上に設け
た熱転写記録型IDカードであって、前記色素がジエン
を有する色素であり、かつ前記受容層中にジエノフィル
化合物を含有するか、あるいは前記色素がジエノフィル
を有する色素であり、かつ前記受容層中にジエン化合物
を含有し、これらのジエン化合物又はジエノフィル化合
物が水性バインダー中に分散してなることを特徴とする
熱転写記録型IDカードによって達成された。本発明の
材料の構成等について詳細に説明する。熱移行性色素を
用いた熱転写色素供与材料は、基本的には、支持体上に
熱によって可動性になる色素とバインダーを含有する色
素供与層を有するものである。この熱転写色素供与材料
は、熱によって可動性になる色素とバインダー樹脂とを
適当な溶剤中に溶解または分散させて塗工液を調製し、
これを従来混合の熱転写色素供与材料用の支持体の一方
の面に、例えば約0.2〜5μm、好ましくは0.4〜
2μmの乾燥膜厚になる塗布量で塗布乾燥して色素供与
層を形成することによって得られる。色素供与層は一層
で形成されてもよいが、多数回繰り返し使用する方法に
用いる場合等のために、2層以上の構成で形成してもよ
い。この場合、各層中の色素含有量、色素/バインダー
比はそれぞれ異なっていてもよい。色素塗布量は0.0
3〜1g/m2、好ましくは0.1〜0.6g/m2であ
る。本発明の色素供与材料に用いられるジエンを有する
色素は一般式(I)で表わされる。また、ジエンを有す
る色素と組み合わせて用いるジエノフィル化合物は一般
式(II)又は(III) で表わされるものである。 一般式(I) A−(B−X)n ここでAは色素本体部を表わし、Bは単結合又は2価の
連結基を表わし、XはCR1 (R2 )=CR3 −CR4
=CR5 (R6 )を表わす。ここでR1 〜R6は水素原
子又は非金属原子団を表わす。R1 とR5 および/又は
3 とR4 および/又はR1 とR2 および/又はR3
4 および/又はR1 とR2 および/又はR5 とR6
よび/又はR1 とR3 および又はR4 とR5 は一緒にな
って炭素環又はヘテロ環を形成してもよい。BとはR1
〜R6 のいずれとでも結合してよいし、又はR1 〜R6
のいずれかに代って直接ジエン骨格と結合してもよい。
その中でもBとR1 又はR2 との結合が特に好ましい。
nは1〜3の整数を表わす。 一般式(II) CR7 (R8 )=CR9 (R10) ここでR7 〜R10は水素原子又は非金属原子団を表わ
す。但し、R7 〜R10のすべてが水素原子であることは
ない。R7 とR9 および/又はR7 とR8 および/又は
9 とR10および/又はR8 とR9 は一緒になって炭素
環又はヘテロ環を形成してもよい。 一般式(III) CR11≡CR12 ここでR11、R12は水素原子又は非金属原子団を表わ
す。但し、R11、R12が両方とも水素原子であることは
ない。R11とR12は一緒になって炭素環又はヘテロ環を
形成してもよい。
【0006】本発明の組合せの他の一つはジエノフィル
を有する色素が一般式(IV)で表わされ、ジエン化合物が
一般式(V)で表わされるものである。 一般式(IV) A−(B−Y)n ここでA、B、nは一般式(I)のそれらと同意であ
る。YはCR13(R14)=CR15(R16)又はCR17
CR18を表わす。R13〜R18は水素原子又は非金属原子
団を表わす。R13とR15および/又はR13とR14および
/又はR15とR16および/又はR14とR16又R17とR18
は一緒になって炭素環又はヘテロ環を形成してもよい。
BとはR13〜R18のいずれとでも結合してよいし、又は
13〜R18のいずれかに代って直接ジエノフィル骨格と
結合してもよい。 一般式(V) CR19(R20)=CR21−CR22=CR23(R24) ここでR19〜R24は水素原子又は非金属原子団を表わ
す。但しR19〜R24のすべてが水素原子であることはな
い。R19とR23および/又はR21とR22および/又はR
19とR20および/又はR23とR24および/又はR20とR
24は一緒になって炭素環又はヘテロ環を形成してもよ
い。
【0007】一般式(I)について詳しく述べる。Aは
色素本体部を表わし、公知の色素ならなんでもよい。例
えばアゾ系、アゾメチン系、アントラキノン系、ナフト
キノン系、メチン系、キノフタロン系などが挙げられ
る。Aで表わされるアゾ系色素としては例えば一般式
(VI)で表わされるもの、 一般式(VI)
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R25は水素原子又は非金属原子団
を表わし、R26はアリール基又はヘテリル基を表わし、
27は水素原子、アルキル基又はアリール基、ヘテリル
基を表わし、R28はアルキル置換されてもよいアミノ基
又は水酸基を表わす。また式中、*は色素本体部Aと連
結基Bとが結合可能な箇所を表わし、連結基Bは*印の
付いた何れか一箇所と結合する)(以下、*印は上記色
素の場合と同じ意味を表わすものとする。) 一般式(VII) で表わされるもの、 一般式(VII)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R29はヘテリル基又はアリール基
を表わし、R30は水素原子又は非金属原子団を表わし、
31、R32は水素原子、アルキル基又はアリール基を表
わし、n2 は1〜4の整数を表わす。Bとの結合はR29
〜R32いずれとでもよいが特にR29、R31とが好まし
い。) 一般式(VIII)で表わされるもの等が挙げられる。 一般式(VIII)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R33はアリール基又はヘテリル基
を表わし、R34はアルキル基を表わし、R35はシアノ
基、カルバモイル基、アシル基を表わし、R36はアルキ
ル基を表わす。Bとの結合はR33〜R36いずれとでもよ
いが特にR33とが好ましい。)
【0014】Aで表わされるアゾメチン系色素としては
例えば一般式(IX)で表わされるもの、 一般式(IX)
【0015】
【化4】
【0016】(式中R37、R38は水素原子又は非金属原
子団を表わし、R39はアルキル基又はアリール基で置換
されてもよいアミノ基又は水酸基を表わし、Yは含窒素
ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、
3 は1〜4の整数を表わす。Bとの結合はR37
38、R39、Yいずれとでもよいが特にR39のアルキル
アミノ基又はYとが好ましい。) 一般式(X)で表わされるもの、 一般式(X)
【0017】
【化5】
【0018】(式中R40、R41、R43は水素原子又は非
金属原子団を表わし、R42はアルキル基又はアリール基
により置換されてもよいアミノ基又は水酸基を表わし、
Zは含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群
を表わし、n4 は1〜4の整数を表わす。Bとの結合は
40〜R43、Zいずれとでもよいが特にR42のアルキル
アミノ基、R41又はZとが好ましい。) 一般式(XI)で表わされるもの、 一般式(XI)
【0019】
【化6】
【0020】(式中R44、R45は非金属原子団を表わ
し、R46は水素原子又は非金属原子団を表わし、R47
アルキル基又はアリール基により置換されてもよいアミ
ノ基又は水酸基を表わし、n5 は1〜4の整数を表わ
す。Bとの結合はR44〜R47いずれとでもよいが特にR
47のアルキルアミノ基とが好ましい。) 一般式(XII) で表わされるもの、 一般式(XII)
【0021】
【化7】
【0022】(式中R48、R49、R50は水素原子又は非
金属原子団を表わし、R51はアルキル基又はアリール基
により置換されてもよいアミノ基又は水酸基を表わし、
6は1〜4の整数を表わす。Bとの結合はR48〜R51
いずれとでもよいが特にR51のアルキルアミノ基、又は
48とが好ましい。) 一般式(XIII)(又はXIV)で表わされるもの、 一般式(XIII)、一般式(XIV)
【0023】
【化8】
【0024】(式中R52、R53、R54、R55、R56、R
58、R59、R60は水素原子又は非金属原子団を表わし、
57、R61はアルキル基又はアリール基により置換され
てもよいアミノ基又は水酸基を表わし、Qは炭素環又は
含ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を表わ
し、n7 、n8 は1〜4の整数を表わす。Bとの結合は
52〜R61、Qいずれとでもよいが特にR57、R61のア
ルキルアミノ基、又はR54又はR58とが好ましい。) 一般式(XV)で表わされるもの、 一般式(XV)
【0025】
【化9】
【0026】(式中R62はアシル基又はカルバモイル基
を表わし、R63、R64は水素原子又はアルキル基又はア
リール基を表わし、R65は水素原子又は非金属原子団を
表わし、R66はアルキル基又はアリール基により置換さ
れてもよいアミノ基又は水酸基を表わし、n9 は1〜4
の整数を表わす。Bとの結合はR62〜R66いずれとでも
よいが特にR66のアルキルアミノ基又はR63とが好まし
い。) Aで表わされるアントラキノン系色素としては例えば一
般式(XVI) で表わされるもの、 一般式(XVI)
【0027】
【化10】
【0028】(式中R67は水素原子又は非金属原子団を
表わし、n10は1〜6の整数を表わす。Bとの結合はR
67のいずれとでもよいが特に1位又は4位のR67とが好
ましい。) Aで表わされるナフトキノン系色素としては例えば一般
式(XVII)で表わされるもの、 一般式(XVII)
【0029】
【化11】
【0030】(式中R68は水素原子又は非金属原子団を
表わし、n11は1〜4の整数を表わす。Bとの結合はR
68のいずれとでもよいが特に5位のR68とが好まし
い。) Aで表わされるメチン系色素としては例えば一般式(XVI
II) で表わされるもの、 一般式(XVIII)
【0031】
【化12】
【0032】(式中R69はアリール基又はヘテロ環基を
表わし、R70は水素原子又はシアノ基を表わす。) 一般式(XIX) で表わされるもの、 一般式(XIX)
【0033】
【化13】
【0034】(式中R71は水素原子又は非金属原子団を
表わし、R72はシアノ基、アリール基、ヘテロ環基又は
置換ビニル基を表わし、Gはヘテロ環基を形成するのに
必要な非金属原子群を表わす。Bとの結合はR71
72、Gいずれとでもよいが特にGとが好ましい。) Aで表わされるキノフタロン系色素としては例えば一般
式(XX)で表わされるもの、 一般式(XX)
【0035】
【化14】
【0036】(式中R73は水素原子又はハロゲン原子を
表わし、R74は水素原子又は非金属原子団を表わし、n
12 は1〜4の整数を表わす。)などが挙げられる。A
で表わされる上記以外の色素を以下に記す。 一般式(XXI)
【0037】
【化15】
【0038】(式中、R75はヘテリル基又はアリール基
を表わし、R76は水素原子又は非金属原子団を表わし、
13は1〜4の整数を表わす。) 一般式(XXII)
【0039】
【化16】
【0040】(式中、R77は水素原子又は非金属原子団
を表わし、R78、R79は水素原子、アルキル基またはア
リール基を表わし、n14は1〜4の整数を表わす。) 一般式(XXIII)
【0041】
【化17】
【0042】(式中、R80はヘテリル基又はアリール基
を表わし、R81、R82は水素原子又は非金属原子団を表
わす。) 一般式(XXIV)
【0043】
【化18】
【0044】(式中、R83は水素原子又は非金属原子団
を表わし、R84はヘテリル基又はアリール基を表わ
す。)
【0045】一般式(XXV)
【0046】
【化19】
【0047】(式中、R85、R86は水素原子又は非金属
原子団を表わし、R87はヘテリル基又はアリール基を表
わし、n15は1〜4の整数を表わす。) 一般式(XXVI)
【0048】
【化20】
【0049】(式中、R88〜R91は水素原子又は非金属
原子団を表わし、n17〜n20は1〜4の整数を表わ
す。) 一般式(I)又は(IV)のBは、単結合、又は色素本体
AとX又はYとを連結する2価の連結基であり、好まし
くは一般式(XXVII) で表わされる。 *−(Z1 −L−)r −Z2 −** (XXVII) 一般式(XXVII)において、*はAと結合する位置を、*
*X又はYと結合する位置を表わし、Z1 、Z2 は各々
独立に単結合、−NH−、−O−、−S−、−CO−、
−SO2 −、−OCO−、−COO−、−NHCO−、
−CONH−、−SO2 NH−、−NHSO2 −、−S
2 O−、−OSO2 −、−OCOO−、−OCONH
−、−NHCOO−、−NHCONH−、−NHSO2
NH−、−OCOS−、−SCOO−、−OSO2 NH
−、又は−NHSO2 O−を表わす。Lは単結合、アル
キレン基(炭素数1〜6)、アリーレン基(例えばo−
フェニレン、p−フェニレン)、シクロアルキレン基
(例えば1,4−シクロヘキシレン)、2価のヘテロ環
基(例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペ
ラジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,
2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、スクシン
イミド、フタルイミド、オキサゾリジン−2,4−ジオ
ン、イミダゾリジン−2,4−ジオン、1,2,4−ト
リアゾリジン−3,5ジオン、ピリジン、チオフェン)
を表わし、さらにはこれらの基を複合した連結基であっ
てもよい。rは0または1〜3の整数を表わす。
【0050】Bはさらに好ましくは単結合または以下の
連結基が具体例として挙げられる。 *−CH2 −**、*−C2 4 −**、*−(C
2 3 −** *−C2 4 OC2 4 −**、*−NHCONH−*
*、*−NHCO−** *−CONH−**、*−CO−**、*−CONHC
2 −**、*−SO2 −**、*−C2 4 NHCO
−**、*−CH2 CONH**− *−NHCH2 CH2 OCO−**、*−NH−**、
*−O−**、*−S−**、*−OCO−**、*−
COO−**、*−SO2 NH−**、*−NHSO2
−**、*−OCONH−**、*−NHCOO−*
*、*−C2 4 −CO−**
【0051】CR1 (R2 )=CR3 −CR4 =CR5
(R6 )においてR1 〜R6 は水素原子、アルキル基
(炭素数1〜10。置換基を有するものを含む。例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル);アルコキ
シ基(炭素数1〜10。置換基を有するものを含む。例
えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ);ハロゲン原子;アシルアミノ基〔炭素数1〜10
のアルキルカルボニルアミノ基(置換基を有するものを
含む。例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピ
オニルアミノ、イソブチルアミノ、ヘキサハイドロベン
ゾイルアミノ、ピバロイルアミノ、トリフルオロアセチ
ルアミノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ、クロロプロ
ピオニルアミノ、シアノアセチルアミノ、フェノキシア
セチルアミノ)、炭素数7〜15のアリールカルボニル
アミノ基(置換基を有するものを含む。例えばベンゾイ
ルアミノ、p−トルイルアミノ、ペンタフルオロベンゾ
イルアミノ、o−フルオロベンゾイルアミノ、m−メト
キシベンゾイルアミノ、p−トリフルオロメチルベンゾ
イルアミノ、2,4−ジクロロベンゾイルアミノ、p−
メトキシカルボニルベンゾイルアミノ、1−ナフトイル
アミノ)、炭素数2〜15のヘテリルカルボニルアミノ
基(置換基を有するものを含む。例えばピコリノイルア
ミノ、ニコチノイルアミノ、ピロール−2−カルボニル
アミノ、チオフェン−2−カルボニルアミノ、フロイル
アミノ、ピペリジン−4−カルボニルアミノ)〕;アル
コキシカルボニル基(炭素数2〜10。置換基を有する
ものを含む。例えばメトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル);シアノ基;アルコキシカルボニルアミノ基
(炭素数2〜10。置換基を有するものを含む。例えば
メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミ
ノ、イソプロポキシカルボニルアミノ、メトキシエトキ
シカルボニルアミノ、N−メチルメトキシカルボニルア
ミノ);アミノカルボニルアミノ基(炭素数1〜10。
置換基を有するものを含む。例えばメチルアミノカルボ
ニルアミノ、ジメチルアミノカルボニルアミノ、ブチル
アミノカルボニルアミノ);スルホニルアミノ基(炭素
数1〜10。メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニ
ルアミノ、N−メチルメタンスルホニルアミノ、ベンゼ
ンスルホニルアミノ);カルバモイル基〔炭素数1〜1
0のアルキルカルバモイル基(置換基を有するものを含
む。例えばメチルカルバモイル、ジメチルカルバモイ
ル、ブチルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、
t−ブチルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイ
ル、シクロヘキシルカルバモイル、メトキシエチルカル
バモイル、クロロエチルカルバモイル、シアノエチルカ
ルバモイル、エチルシアノエチルカルバモイル、ベンジ
ルカルバモイル、エトキシカルボニルメチルカルバモイ
ル、フルフリルカルバモイル、テトラヒドロフルフリル
カルバモイル、フェノキシメチルカルバモイル)、炭素
数7〜15のアリールカルバモイル基(置換基を有する
ものを含む。例えばフェニルカルバモイル、p−トルイ
ルカルバモイル、m−メトキシフェニルカルバモイル、
4,5−ジクロロフェニルカルバモイル、p−シアノフ
ェニルカルバモイル、p−アセチルアミノフェニルカル
バモイル、p−メトキシカルボニルフェニルカルバモイ
ル、m−トリフルオロメチルフェニルカルバモイル、o
−フルオロフェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバ
モイル)、炭素数3〜15のヘテリルカルバモイル基
(置換基を有するものを含む。例えば、2−ピリジルカ
ルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジル
カルバモイル、2−チアゾリルカルバモイル、2−ベン
ズチアゾリルカルバモイル、2−ベンズイミダゾリルカ
ルバモイル、2−(4−メチル)ピリジルカルバモイ
ル、2−(5−メチル)1,3,4−チアジアゾリルカ
ルバモイル)〕;スルファモイル基(炭素数0〜10。
例えばメチルスルファモイル、ジメチルスルファモイ
ル、ブチルスルファモイル、フェニルスルファモイ
ル);アシル基〔炭素数1〜10のアルキルカルボニル
基(置換基を有するものを含む。例えばホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ヘキサハイドロベンゾイル、ピバ
ロイル、トリフルオロアセチル、ヘプタフルオロブチリ
ル、クロロプロピオニル、シアノアセチル、フェノキシ
アセチル)、炭素数7〜15のアリールカルボニル基
(置換基を有するものを含む。例えばベンゾイル、p−
トルイル、ペンタフルオロベンゾイル、o−フルオロベ
ンゾイル、m−メトキシベンゾイル、p−トリフルオロ
メチルベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル、p−
メトキシカルボニルベンゾイル、1−ナフトイル〕、炭
素数1〜10のアルキルチオ基(置換基を有するものを
含む。例えばメチルチオ、エチルチオ)、炭素数6〜1
5のアリールチオ基(置換基を有するものを含む。例え
ばフェニルチオ)、または炭素数2〜15のジアルキル
アミノ基(例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ)を
表わす。R1 〜R6 のなかで好ましいものは水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコ
キシ基である。R1 とR5 が一緒になって炭素環又はヘ
テロ環を形成するものも好ましい。特に好ましいものを
一般式(XXVIII)で表わす。
【0052】
【化21】
【0053】ここでR2 〜R6 は上述と同意である。Q
1 は−CR92(R93)−、−O−、−S−、又は−NR
94−を表わす。R92、R93はR1 と同意であり、R94
水素原子、アルキル基(炭素数1〜5)、アリール基
(炭素数6〜10)、アシル基(炭素数1〜5)を表わ
す。Bとの結合はR2 とが好ましい。nは1が好まし
い。一般式(II)について詳しく説明する。R7 〜R10
1 と同意である。R7 〜R10で好ましいものは水素原
子又は電子吸引性基(好ましくはハメットσp 値が0.
2以上)である。それらの例としてハロゲン原子、エス
テル基(炭素数2〜40。置換基を有するものを含む。
例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オク
チルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニ
ル、フェノキシカルボニル、p−オクタデシルオキシフ
ェノキシカルボニル)、シアノ基、カルバモイル基(炭
素数1〜40。置換基を有するものを含む。例えばメチ
ルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ブチルカルバ
モイル、シクロヘキシルカルバモイル、オクタデシルカ
ルバモイル、ベンジルカルバモイル、フェニルカルバモ
イル、p−トルイルカルバモイル、4,5−ジクロロフ
ェニルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数0〜
40。例えばメチルスルファモイル、フェニルスルファ
モイル)、アシル基(炭素数1〜40。例えばアセチ
ル、フェノキシアセチル、ベンゾイル)、スルホニル基
(炭素数1〜40。例えばメチルスルホニル、オクチル
スルホニル、フェニルスルホニル)又はニトロ基が挙げ
られる。R7 とR9 が一緒になって炭素環又はヘテロ環
を形成するのも好ましい。特に好ましいものを一般式(X
XIX)で表わす。
【0054】
【化22】
【0055】ここでR8 、R10は上述と同意である。Q
2 は−O−、−S−又は−NR95−を表わす。R95は水
素原子、アルキル基(炭素数1〜40)、アリール基
(炭素数6〜50)を表わす。一般式(XXIX)の化合物
は、互いに適当な連結基(上述のBで表わされる)によ
り結合されて、ビス型又はトリス型を形成してもよい。
また一般式(XXIX)を側鎖および又は主鎖に含むポリマー
型としても用いられる。その場合ホモポリマー型、コポ
リマー型いずれでもよい。一般式(III) について詳しく
説明する。R11、R12はR1 と同意である。R11、R12
のなかで好ましいものは水素原子又は電子吸引性基(好
ましくはハメットσp 値が0.2以上)である。これら
のなかでも好ましいものはエステル基(炭素数2〜4
0。置換基を有するものを含む。例えばメトキシカルボ
ニル、ヘキサデシルオキシカルボニル、フェノキシカル
ボニル、p−オクタデシルオキシフェノキシカルボニ
ル)、カルバモイル基(炭素数1〜40。置換基を有す
るものを含む。例えばメチルカルバモイル、ブチルカル
バモイル、オクタデシルカルバモイル、フェニルカルバ
モイル)が挙げられる。
【0056】ジエノフィル化合物としては一般式(II)で
表わされるものの方が一般式(III)で表わされるものよ
りも好ましい。一般式(II)および一般式(III) で表わさ
れる化合物中に特開平3−205189号に記載の褪色
抑制効果を有する原子団を内蔵させるとさらに好まし
い。一般式(I)で表わされる色素のなかで特に好まし
いものは一般式(XXX)で表わされる。
【0057】
【化23】
【0058】ここでAは上述と同意であり、Wは−NH
−又は−O−である。
【0059】一般式(II)で表わされる化合物のなかで特
に好ましいものは一般式(XXXI)で表わされる。
【0060】
【化24】
【0061】ここでR96はアルキル基(炭素数1〜4
0。置換基を有するものを含む)、アリール基(炭素数
6〜50。置換基を有するものを含む)を表わす。一般
式(IV)について詳しく説明する。A、B、nは上述と同
意である。R13〜R16はR7 〜R10と同意であり、好ま
しい例もR7 〜R10と同意である。R17、R18はR11
12と同意であり、好ましい例もR11、R12と同意であ
る。一般式(V)について詳しく説明する。R19〜R24
はR1 〜R6 と同意であり、好ましい例もR1 〜R6
同意である。一般式(V)の化合物は互いに適当な連結
基(上述のBで表わされる)により結合されてビス型又
はトリス型を形成してもよい。また一般式(V)の化合
物を側鎖又は主鎖に含むポリマー型としても用いられ
る。その場合、ホモポリマー型、コポリマー型いずれで
もよい。一般式(IV)で表わされる色素のなかで特に好ま
しいものは一般式(XXXII) で表わされる。
【0062】
【化25】
【0063】ここでA、Bは上述と同意である。一般式
(V)で表わされる化合物中に特開平3−205189
号に記載の褪色抑制効果を有する原子団を内蔵させると
さらに好ましい。一般式(V)で表わされる化合物のな
かで特に好ましいものは一般式(XXXIII)で表わされる。
【0064】
【化26】
【0065】ここでWは−NH−又は−O−であり、R
30はアルキル基(炭素数1〜40。置換基を有するもの
を含む。)、アリール基(炭素数1〜40。置換基を有
するものを含む。)、ヘテリル基(炭素数2〜40。置
換基を有するものを含む。)、アミノ基(炭素数0〜4
0。置換基を有するものを含む。)、アルコキシ基(炭
素数1〜40。置換基を有するものを含む。)、アリー
ルオキシ基(炭素数6〜40。置換基を有するものを含
む。)を表わす。以下に本発明に用いられる一般式
(I)で表わされる色素の具体例を示す。
【0066】
【化27】
【0067】
【化28】
【0068】
【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
【化31】
【0071】
【化32】
【0072】
【化33】
【0073】以下に本発明に用いられる一般式(II)で表
わされる化合物の具体例を示す。
【0074】
【化34】
【0075】
【化35】
【0076】
【化36】
【0077】
【化37】
【0078】
【化38】
【0079】以下に本発明に用いられる一般式(III) で
表わされる化合物の具体例を示す。
【0080】
【化39】
【0081】以下に本発明に用いられる一般式(IV)で表
わされる色素の具体例を示す。
【0082】
【化40】
【0083】
【化41】
【0084】
【化42】
【0085】
【化43】
【0086】
【化44】
【0087】
【化45】
【0088】以下に本発明に用いられる一般式(V)で
表わされる化合物の具体例を示す。
【0089】
【化46】
【0090】
【化47】
【0091】
【化48】
【0092】またこれまでにジエン部、又はジエノフィ
ル部について炭素骨格の例のみを挙げたがヘテロ原子
(N、S、Oが好ましい)を含むいわゆるヘテロディー
ルス・アルダー反応を行なうジエン部又はジエノフィル
部を有する色素又は化合物を用いてもよい。それらの具
体例を示す。
【0093】
【化49】
【0094】
【化50】
【0095】上記の色素と共に用いるバインダー樹脂と
しては、このような目的に従来公知であるバインダー樹
脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が高く、
しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないものが選
択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアク
リル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリア
クリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリ
ル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルブチラールなどの部分ケン化ポリビニルアルコー
ル)、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン
樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが用いられ
る。本発明においてこのようなバインダー樹脂は、例え
ば色素100重量部当たり約20〜600重量部の割合
で使用するのが好ましい。本発明において、上記の色素
およびバインダー樹脂を溶解または分散するためのイン
キ溶剤としては、従来公知のインキ溶剤がいずれも使用
できる。
【0096】色素供与材料の支持体としては従来公知の
ものがいずれも使用できる。例えばポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラシン
紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、弗素ポリマ
ー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフィン、
ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピ
レン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられる。熱
転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜200
μmが好ましい。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。
【0097】また、サーマルヘッドが複合熱転写材料に
粘着するのを防止するためにスリッピング層を設けても
よい。このスリッピング層はポリマーバインダーを含有
したあるいは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、
固体あるいは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成
される。複合熱転写材料には背面より印字するときにサ
ーマルヘッドの熱によるスティッキングを防止し、滑り
をよくする意味で、支持体の色素供与層を設けない側に
スティキング防止処理を施すのがよい。例えば、ポリ
ビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの反応生成
物、リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩、および充填剤を主体とする耐熱スリップ
層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹脂として
は分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80〜
110℃であるもの、またイソシアネートとの反応サイ
トが多い観点からビニルブチラール部分の重量%が15
〜40%のものがよい。リン酸エステルのアルカリ金属
塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学製のガフ
ァックRD720などが用いられ、ポリビニルブチラー
ル樹脂に対して1〜50重量%、好ましくは10〜40
重量%程度用いるとよい。耐熱スリップ層は下層に耐熱
性を伴うことが望ましく、加熱により硬化しうる合成樹
脂とその硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブチラール
と多価イソシアネート、アクリルポリオールと多価イソ
シアネート、酢酸セルロースとチタンキレート剤、もし
くはポリエステルと有機チタン化合物などの組合せを塗
布により設けるとよい。
【0098】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。色素供与材
料には下塗り層を設けてもよい。本発明では所望の作用
をすればどのような下塗り層でもよいが、好ましい具体
例としては、(アクリロニトリル/塩化ビニリデン/ア
クリル酸)共重合体(重量比14:80:6)、(アク
リル酸ブチル/メタクリル酸−2−アミノエチル/メタ
クリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(重量比3
0:20:50)、線状/飽和ポリエステル例えばボス
ティック7650(エムハート社、ボスティック・ケミ
カル・グループ)または塩素化高密度ポリ(エチレン−
トリクロロエチレン)樹脂が挙げられる。下塗り層の塗
布量には特別な制限はないが、通常0.1〜2.0g/
m2の量で用いられる。色素供与材料はIDカード上にフ
ルカラーの画像と文字等の情報を記録するため、イエロ
ー、マゼンタ及びシアンの3色の色素供与材料が必要で
あり、文字等の黒色の記録は上記の3色をくりかえし転
写しても得られるが、別に黒色インク層を設けた供与材
料を準備してもよい。これらの供与材料は各色毎に別々
のロールで用意されてもよいし、イエロー、マゼンタ、
シアンの画像情報用供与材料と文字記録用の黒色インク
供与材料に分けて用意されてもよいし、あるいは3色の
色素供与材料と黒色インク層が面順次に設けられた1つ
の供与材料であってもよい。本発明の熱転写型IDカー
ドは基本的には支持体の表面に、前記の色素供与材料が
加熱により移行してくる色素を受容するための色素受容
層を設けたものである。色素受容層は前述のジエン化合
物又はジエノフイル化合物を含む層である。これらの化
合物は水溶性バインダー中に分散されて受容層を構成す
る。上記の化合物と共に有機溶剤に可溶のバインダー物
質を含むことが好ましい。有機溶剤に可溶のバインダー
物質としては各種のポリマーが用いられる。ポリマーと
しては次のような樹脂が挙げられる。
【0099】(イ)エステル結合を有するもの テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボ
ン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸
基、カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール
Aなどの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポ
リアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エス
テル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹
脂:スチレンアクリレート樹脂:ビニルトルエンアクリ
レート樹脂など。また、市販品としては東洋紡製のバイ
ロン290、バイロン200、バイロン280、バイロ
ン300、バイロン103、バイロンGK−140、バ
イロンGK−130、花王製のATR−2009、AT
R−2010などが使用できる。 (ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するもの ポリスルホン樹脂など。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体なども使用できる。
【0100】色素受容層中には、熱移行性色素の受容を
促進する物質として、または色素の拡散助剤として高沸
点有機溶剤または熱溶剤を含有させることができる。
【0101】高沸点有機溶媒としてはエステル類(例え
ばフタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エス
テル類)、アミド類(例えば脂肪酸アミド類、スルホア
ミド類)、エーテル類、アルコール類、パラフィン類、
シリコーンオイル類などの常温で液体で、加熱温度では
蒸発しないものが好ましい。熱溶剤としては、熱移行
性色素と相溶性があるが水溶性バインダーとは非相溶性
であること、常温では固体であるが、転写時サーマル
ヘッドによって加熱されたときに融解(他の成分との混
合融解でもよい)すること、サーマルヘッドによる加
熱によって分解しないこと、といった諸性質を有する化
合物が用いられる。好ましくは35〜250℃、特に3
5〜200℃の融点を示し、(無機性/有機性)値<
1.5である化合物が好ましい。ここで無機性、有機性
とは化合物の性状を予測するための概念であり、詳細は
例えば「化学の領域」11、719頁(1957)に記
載されている。
【0102】高沸点有機溶媒および/または熱溶剤は単
独で用いることもできるが、熱移行性色素を受容しうる
ポリマーと混合して用いるのが好ましい。上記の受容物
質は、支持体1m2当たり0.5〜20g、特に1〜10
gの範囲で用いるのが好ましい。本発明の熱転写受像材
料の色素受容層に用いる水溶性バインダーとしては種々
のものが使用しうるが、硬膜剤により架橋反応しうる基
を有する水溶性のポリマーが好ましい。本発明に用いら
れる水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジニウム、
カチオン性変性ポリビニルアルコール等のビニルポリマ
ーおよびその誘導体(特開昭60−145879号、同
60−220750号、同61−143177号、同6
1−235182号、同61−245183号、同61
−237681号、同61−261089号参照)、
【0103】ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリ
ルアミド、ポリジメチルアミノアクリレート、ポリアク
リル酸ソーダ、アクリル酸−メタクリル酸共重合体塩、
ポリメタクリル酸ソーダ、アクリル酸−ビニルアルコー
ル共重合体塩等のアクリル基を含むポリマー でんぷん、酸化でんぷん、酢酸でんぷん、アミンでんぷ
ん、カルボキシルでんぷん、ジアルデヒドでんぷん、カ
チオンでんぷん、デキストリン、アルギン酸ソーダ、ゼ
ラチン、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デキスト
ラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロースなどの天然ポリマーまたは
その誘導体(特開昭59−174382号、同60−2
62685号、同61−143177号、同61−18
1679号、同61−193879号、同61−287
782号参照)、
【0104】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリビニルメチルエーテル、マレイン酸−
酢酸ビニル共重合体、マレイン酸−N−ビニルピロリド
ン共重合体、マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重
合体、ポリエチレンイミンなどの合成ポリマー(特開昭
61−32787号、同61−237680号、同61
−277483号参照)および特開昭56−58869
号に記載の水溶性ポリマーなどを挙げることができる。
また、SO3 - 基、COO- 基、SO2 - 基等を含むモ
ノマー成分により水可溶化された種々の共重合体も使用
できる。水溶性バインダーにゼラチンを使用することは
セット乾燥できるため乾燥負荷が格段に少ないので特に
好ましい。具体的には、石灰処理ゼラチン、脱カルシウ
ム処理した石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、フタル
化ゼラチン、アセチル化ゼラチン、コハク化ゼラチンな
どのゼラチンおよびその誘導体、Bull.Soc.Phot.Japan
, No. 16,P30(1966) に記載されているような酵素
処理ゼラチン、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物を挙
げることができる。これらの水溶性ポリマーは1種のみ
を用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよ
い。
【0105】水溶性バインダーと受容物質は、重量比で
受容物質/水溶性バインダー=1〜20、好ましくは2
〜10、特に好ましくは2.5〜7の範囲で使用する。
本発明の熱移行性色素の受容層は水溶性バインダーの水
溶液に受容物質を分散させたものに必要に応じて塗布助
剤、硬膜剤、増粘剤等を加えて支持体上に塗布すること
によって形成される。受容物質を水溶性バインダー中に
分散する方法としては、疎水性物質を水溶性ポリマーに
分散する際の公知の分散方法のいずれもが使用できる。
代表的には、受容物質を水と非混和性の有機溶剤に溶解
した液を水溶性バインダーの水溶液と混合して乳化分散
する方法、受容物質(ポリマー)のラテックスを水溶性
バインダーの水溶液と混合する方法などがある。
【0106】受容層は2層以上の層で構成するのが特に
好ましい。その場合、支持体に近い方の層にはガラス転
位点の低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶
剤を用いて熱移行性色素に対する染着性を高めた構成に
し、最外層にはガラス転位点のより高い合成樹脂を用い
たり、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限に
するかもしくは使用しないで表面のベタツキ、他の物質
との接着、転写後の他物質への再転写、熱転写色素供与
材料とのブロッキング等の故障を防止する構成にするこ
とが望ましい。受容層の厚さは全体で1〜50μm、特
に3〜30μmの範囲が好ましい。2層構成の場合、最
外層は0.1〜2μm、特に0.2〜1μmの範囲にす
るのが好ましい。
【0107】本発明の熱転写受像材料は、支持体と受容
層の間に親水性バインダーを含まない中間層を有しても
よい。中間層は構成する材質により、クッション層、多
孔層、熱移行性色素の拡散防止層のいずれか又はこれら
の2つ以上の機能を備えた層であり、場合によっては接
着剤の役目も兼ねている。熱移行性色素の拡散防止層
は、熱移行性色素が支持体に拡散するのを防止する役目
を果たすものである。この拡散防止層を構成するバイン
ダーとしては、水溶性でも有機溶剤可溶性でもよいが、
水溶性のバインダーが好ましく、その例としては前述の
受容層のバインダーとして挙げた水溶性バインダー、特
にゼラチンが好ましい。多孔層は、熱転写時に印加した
熱が受容層から支持体へ拡散するのを防止し、印加され
た熱を有効に利用する役目を果たす層である。
【0108】多孔層のバインダーとして水溶性ポリマー
を用いる場合には、1)水溶性ポリマーに多孔質の微粒
子を分散させ塗布乾燥する、2)機械的な攪はんにより
気泡を発生させた水溶性ポリマーの液を塗布乾燥する、
3)発泡剤を加えた水溶性ポリマーの液を塗布前に発泡
させて塗布するかまたは塗布乾燥過程で発泡させる、
4)水溶性ポリマー溶液中に有機溶剤(好ましくは水よ
り沸点の高い溶剤)を乳化分散し、塗布乾燥する過程で
ミクロボイドを形成する等の方法で形成することができ
る。
【0109】多孔層として有機溶剤可溶性のバインダー
を用いる場合には、1)ポリウレタン等の合成樹脂エマ
ルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合
成ゴムラテックスを機械的に攪はんして気泡を発生させ
た液を支持体上に塗布し乾燥させる、2)上記合成樹脂
エマルジョンまたは合成ゴムラテックスに発泡剤を混合
した液を支持体上に塗布し乾燥させる、3)塩ビプラス
チゾル、ポリウレタン等の合成樹脂またはスチレン−ブ
タジエン系等の合成ゴムに発泡剤を混合した液を支持体
上に塗布し加熱することにより発泡させる、4)熱可塑
性樹脂または合成ゴムを有機溶剤に溶解した溶液と該有
機溶剤に比べ蒸発しにくく該有機溶剤に対し相溶性を有
しかつ熱可塑性樹脂または合成ゴムに対して溶解性を有
しない非溶剤(水を主成分とするものを含む)との混合
液を支持体上に塗布し乾燥させミクロポーラス層を形成
するなどの方法を用いることができる。中間層は、受容
層が支持体の両面にある場合は両面に設けてもよいし、
片面のみに設けてもよい。中間層の厚みは0.5〜50
μ、特に1〜20μが好ましい。
【0110】色素受容層、クッション層、多孔層、拡散
防止層、接着層等には、シリカ、クレー、タルク、ケイ
ソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、
リトポン、酸化チタン、アルミナ等の微粉末を含有させ
てもよい。
【0111】色素受容層には蛍光増白剤を用いてもよ
い。その例としては、K. Veenkataraman編「The Chemis
try of Synthetic Dyes 」第V巻第8章、特開昭61−
143752号などに記載されている化合物を挙げるこ
とができる。より具体的には、スチルベン系化合物、ク
マリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾ
リル系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系
化合物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾオ
キサゾールチオフェン系化合物などが挙げられる。蛍光
増白剤は褪色防止剤と組み合わせて用いることができ
る。本発明のIDカードの支持体としては各種の紙、加
工紙、プラスチックシート、金属、ガラス、セラミック
ス等いずれでもよい。紙としては、コート紙、合成紙
(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど
を、あるいはこれらと紙を貼り合わせたものを含む)が
好ましい。プラスチックシートとしては、ABS樹脂、
ポリエチレン、塩ビ樹脂、ナイロン、液晶ポリマー、ポ
リウレタン、ユリア樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックのもの
が好ましい。これらの支持体は一般に厚さが、0.2〜
2mm程度であればよい。本発明において、色素供与層と
色素受容層との離型性を向上させるために、色素供与層
及び/又は色素受容層中、特に好ましくは両方の材料が
接触する面に当たる最外層に離型剤を含有させるのが好
ましい。離型剤としては、ポリエチレンワックス、アミ
ドワックス、テフロンパウダー等の固形あるいはワック
ス状物質:弗素系、リン酸エステル系等の界面活性剤:
パラフィン系、シリコーン系、弗素系のオイル類等、従
来公知の離型剤がいずれも使用できるが、特にシリコー
ンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、無変
性のもの以外にカルボキシ変性、アミノ変性、エポキシ
変性等の変性シリコーンオイルを用いることができる。
その例としては、信越シリコーン(株)発行の「変性シ
リコーンオイル」技術資料の6〜18B頁に記載の各種
変性シリコーンオイルを挙げることができる。有機溶剤
系のバインダー中に用いる場合は、このバインダーの架
橋剤と反応しうる基(例えばイソシアネートと反応しう
る基)を有するアミノ変性シリコーンオイルが、また水
溶性バインダー中に乳化分散して用いる場合は、カルボ
キシ変性シリコーンオイル(例えば信越シリコーン
(株)製:商品名KF−100T)が有効である。
【0112】本発明の色素供与材料及び熱転写受像材の
構成層には硬膜剤を含有させることができる。本発明に
用いることの出来る該硬膜剤としては、例えばアルデヒ
ド類(ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタール
アルデヒドなど)、N−メチロール化合物(ジメチロー
ル尿素、メチロールジメチルヒダントインなど)、ジオ
キサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンな
ど)、活性ビニル化合物〔1,3,5−トリアクリロイ
ル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスル
ホニル)メチルエーテル、N,N′−エチレン−ビス
(ビニルスルホニルアセタミド)、N,N′−トリメチ
レン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)など〕、活
性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ
−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロ
ル酸、ムコフェノキシクロル酸など)、エポキシ系化合
物、イソオキサゾール類、ジアルデヒドでん粉、1−ク
ロル−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンなどを挙
げることが出来る。これらのゼラチン硬膜剤のうち、特
にアルデヒド類、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合
物が好ましい。また色素供与材料の場合には、ポリイソ
シアネート化合物系の硬膜剤も用いられる。例えば特開
昭61−199997号、同58−215398号等に
記載されている硬膜剤が使用できる。
【0113】色素供与層や色素受容層には褪色防止剤を
用いてもよい。褪色防止剤としては、例えば酸化防止
剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯体がある。
酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合物、クマラ
ン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒンダードフ
ェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミ
ン誘導体、スピロインダン系化合物がある。また、特開
昭61−159644号記載の化合物も有効である。紫
外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物(米
国特許第3,533,794号など)、4−チアゾリド
ン系化合物(米国特許第3,352,681号など)、
ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−2784号な
ど)、その他特開昭54−48535号、同62−13
6641号、同61−88256号等に記載の化合物が
ある。また、特開昭62−260152号記載の紫外線
吸収性ポリマーも有効である。金属錯体としては、米国
特許第4,241,155号、同第4,245,018
号第3〜36欄、同第4,254,195号第3〜8
欄、特開昭62−174741号、同61−88256
号(27)〜(29)頁、特開平1−75568号、特
開昭63−199248号等に記載されている化合物が
ある。有用な褪色防止剤の例は特開昭62−21527
2号(125)〜(137)頁に記載されている。受容
層に転写された色素の褪色を防止するための褪色防止剤
は予め色素受容層に含有させておいてもよいし、色素供
与層から転写させるなどの方法で外部から受像シートに
供給するようにしてもよい。上記の酸化防止剤、紫外線
吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせて使用して
もよい。
【0114】色素供与層や色素受容層には塗布助剤、剥
離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的
で種々の界面活性剤を使用することができる。例えば、
サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導
体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールア
ルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエ
ステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル
類、ポリアルキレングリコールアルキルアミンまたはア
ミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物
類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸
ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリ
ド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキ
ルエステル類などの非イオン性界面活性剤:アルキルカ
ルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリ
ン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン
類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリエ
チレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルリン酸エステル類などのカルボキシ基、スル
ホ基、フォスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基
等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤:アミノ酸類、
アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸ある
いはリン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオ
キシド類などの両性界面活性剤:アルキルアミン塩類、
脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジ
ニウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウ
ム塩類、および脂肪族あるいは複素環を含むフォスフォ
ニムあるいはスルホニウム塩類などのカチオン性界面活
性剤を用いることができる。これらの具体例は特開昭6
2−173463号、同62−183457号等に記載
されている。また、熱移行性色素を受容しうる物質、離
型剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤その他の
疎水性化合物を水溶性バインダー中に分散する際には、
分散助剤として界面活性剤を用いるのが好ましい。この
目的のためには、上記の界面活性剤の他に、特開昭59
−157636号の37〜38頁に記載の界面活性剤が
特に好ましく用いられる。
【0115】色素供与層や色素受容層には、スベリ性改
良、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合
物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代表例とし
ては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭6
1−20944号、同62−135826号等に記載さ
れているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油などのオ
イル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂な
どの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物
が挙げられる。色素供与層や色素受容層にはマット剤を
用いることができる。マット剤としては二酸化ケイ素、
ポリオレフィンまたはポリメタクリレートなどの特開昭
61−88256号(29)頁記載の化合物の他に、ベ
ンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビー
ズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274944
号、同63−274952号記載の化合物がある。本発
明の色素供与層、及び色素受容層は従来公知の方法によ
り支持体上に形成される。例えば、グラビア印刷法、ス
クリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコ
ーティング法等の形成手段により塗布乾燥することによ
って形成される。
【0116】IDカードへの記録は前述の色素供与材料
と受容層を設けたIDカードを重ね合わせ、サーマルヘ
ッドを記録する情報に応じた電気信号と対応して加熱し
て記録する。あるいはレーザー光を照射して光吸収を熱
エネルギーに変換し像状に加熱してもよい。画像情報用
の3色の色素供与材料と文字用の黒インク供与材料は同
一のサーマルヘッド又はレーザーで加熱してもよいし、
2つ以上のサーマルヘッド又はレーザーを用いてカード
を送りながら順次加熱してもよい。記録されたIDカー
ドはそのままでも充分使用できるが、記録面に保護層を
設けて耐久性を向上させることができる。保護層はフィ
ルム上に設けられた保護層をサーマルヘッド、又はヒー
トローラーで加熱転写してもよいし、接着剤層を設けた
シートをホットメルト装置等で接着して設けてもよい。
保護層を設けたフィルムは色素供与材料と別に準備して
もよいし、色素供与材料の上の別の部分に設けてもよ
い。
【0117】
【実施例】以下に本発明の詳細な実施例を示す。ただし
本発明の複合熱転写材料は以下に示す実施例に限られる
ものではない。 実施例1 支持体として背面に耐熱滑性層を形成してある厚さ5μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。3
色の下記組成の色素供与層用塗布液及び黒色インク層用
塗布液を調製し、各々幅10cmずつ乾燥後の厚みが0.
6μmになるようにグラビアコーターにより、塗布及び
乾燥し本発明の色素供与材料(1)を得た。 イエロー色素供与層用塗布液(Y−1) 色素 I−4 4g ポリビニルブチラール(デンカブチラール 5000A:電気化学製) 3g ポリイソシアネート(タケネートD110N:武田薬品製) 0.5 g シリコーンオイル(KF−96:信越化学製) 0.02g メチルエチルケトン 40ml トルエン 40ml マゼンタ色素供与層用塗布液(M−1) 色素 I−8 3g ポリビニルブチラール(デンカブチラール 5000A) 4g ポリイソシアネート(タケネートD110N) 0.4 g シリコーンオイル(KF96) 0.02g メチルエチルケトン 50ml トルエン 30ml シアン色素供与層用塗布液(C−1) 色素 I−1 5g ポリビニルブチラール(デンカブチラール500A) 3g ポリイソシアネート(タケネートD110N) 0.5 g シリコーンオイル(KF96) 0.02g メチルエチルケトン 60ml トルエン 30ml 黒色インク層用塗布液(K−1) カーボンブラック 10g ポリエチレンワックス 5g ポリエステル樹脂 20g メチルエチルケトン 40ml トルエン 30ml また、色素を表1のものに代えて、同様にして色素供与
材料(2〜4)を作成した。また比較例として表1の色
素供与材料−aを作成した。
【0118】
【表1】
【0119】
【化51】
【0120】(IDカード受像材料−1の作成)厚さ
0.56mmの白色塩ビシートの両面に厚さ0.1mmの透
明塩ビシートを熱融着することによって得られた厚さ
0.76mmの白色塩ビシートの片面に下記組成の受容層
用塗布用組成物−1をワイヤーバーコーティングによ
り、乾燥時の厚さが7μmとなるように塗布し、乾燥し
て、受像材料−1を得た。 (受容層塗布用組成物)下記(A)の組成のゼラチン
水溶液中に(B)の組成の色素受容性組成物溶液をホモ
ジナイザーで乳化分散し水溶性ゼラチン分散液を調製し
た。
【0121】 (A)ゼラチン水溶液 ゼラチン 2.5g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(5%水溶液) 20ml 水 80ml (B)色素受容性組成物 ポリエステル(バイロン300) 7g カルボキシ変性シリコーンオイル(X22−371) 0.1g ジエノフィル化合物II−5 2g メチルエチルケトン 20ml トルエン 10ml ジフェニルフタレート 1.5g
【0122】このようにして調製した分散物に、下記フ
ッ素系面活性剤(a) C3 7 SO2 N(C3 7 )CH2 COOK の0.5gを水/メタノール(1:1)の混合溶媒10
ccに溶解した溶液を添加し、受容層用塗布組成物とし
た。熱転写受像材料の化合物II−5を下記のものに代
えて受像材料−1と同様にして、熱転写受像材料〜
を作製した。 また、化合物II−5を添加しないで、他の受像材料−1
と同様にして、比較用受像材料−aを得た。上記のよう
にして得られた熱転写色素供与材料と熱転写受像材料と
を色素供与層と受像層が接するようにして重ね合わせ、
熱転写色素供与材料の支持体側からサーマルヘッドを使
用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パル
ス巾0.15〜15msec、ドット密度12ドット/mmの
条件で熱印加をおこない、熱転写受像材料の受容層に3
色の色素を像様に染着させた。また文字信号をもちいて
黒色インク層を転写し文字状の記録を得た。このとき得
られた記録済の熱転写受像材料の、色素濃度が飽和して
いる部分(Dmax) を反射濃度測定機、(X Rite・310
型、X-Rite, Inc.製)を用いて色像の反射濃度を測定し
た。また得られた画像を80℃オーブン中に1週間保存
し、保存後の像のにじみを目視で判定した。判定基準
は、像が保存前とはとんど変化しないものを○、少しに
じむものを△、非常ににじんでぼけるものを×とした。
得られた画像と白色塩ビシートとを重ね合わせ、1kg/
10cm2 の加重をかけ、60℃のオーブン中に1週間保
存し、保存後の画像の塩ビシートへの付着を目視で判定
した。ほとんど付着のないものを○、少し付着している
ものを△、付着のひどいものを×とした。その結果を下
記表2に示す。
【0123】
【表2】
【0124】表2に示されるように、本発明の熱転写色
素供与材料及び受像材料を用いた場合、保存中の記録画
像のにじみ、さらに他のものと重ねて保存した場合の色
素のうつりがほとんどなく、且つ高い転写濃度の記録画
像が得られた。
【0125】実施例2 下記組成になるように実施例1と同様にして、水溶性ゼ
ラチン分散液を調製し塗布液とした。この塗布液を用い
て白色塩ビシートに実施例1と同様に塗布してIDカー
ド受像材料−5を得た。 受容層塗布用組成物 ゼラチン 1.3g ポリエステル樹脂(バイロン300) 4g 界面活性剤(1) 0.5g 界面活性剤(2) 0.5g ジエノフィル化合物II−5 2g ジフェニルフタレート 1.5g 硬膜剤(1) 0.1g
【0126】
【化52】
【0127】支持体として背面に耐熱滑性層を形成して
ある厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ムを用いて、下記組成の塗布液を乾燥後の厚さが3μm
になるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥して保護
層用シートを作成した。 保護層シート用塗布液組成物 アクリル樹脂(BR−83 三菱レイヨン) 20g 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 (1000ALK 電気化学工業) 20g メチルエルチケトン 40ml トルエン 40ml
【0128】実施例1の色素供与材料と受像材料を
用いて実施例1と同様にして画像及び文字を記録したと
ころ、鮮明な記録が得られた。この表面に上記の保護層
用シートを重ね、同じサーマルヘッドを用いて、カード
の全面に保護層を加熱転写した。得られたカードは油脂
や有機溶剤に浸しても画像が滲むことがなかった。
【0129】
【発明の効果】本発明に従い、ジエンを有する色素を含
有する色素供与材料とジエノフィル化合物を含有し水性
バインダー中に分散された受容層を有するIDカード、
又はジエノフィルを有する色素を含有する色素供与材料
とジエン化合物を含有し、水性バインダー中に分散され
た受容層を有するIDカードを組み合わせて用いて熱転
写記録を行なう場合、高濃度で、保存中に画像のにじみ
のない記録を得ることができる。さらに他のものと重ね
て保存した場合に色素の移りのないIDカードが得られ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱移行性色素を有する熱転写
    色素供与材料と組み合わせて用いられ、加熱により色素
    供与材料から移行する該色素を受容するための色素受容
    層を支持体上に設けた熱転写記録型IDカードであっ
    て、前記色素がジエンを有する色素であり、かつ前記受
    容層中にジエノフィル化合物を含有するか、あるいは前
    記色素がジエノフィルを有する色素であり、かつ前記受
    容層中にジエン化合物を含有し、これらのジエン化合物
    又はジエノフィル化合物が水性バインダー中に分散して
    なることを特徴とする熱転写記録型IDカード。
JP6251594A 1994-09-21 1994-09-21 熱転写記録型idカード Pending JPH0890938A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068918A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Konica Minolta Photo Imaging Inc 熱転写受像シート及びその製造方法
JP2006130810A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Konica Minolta Photo Imaging Inc 熱転写受像シート及びその製造方法
JP2008007652A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Fujifilm Corp アゾ色素、感熱転写記録用インクシート、感熱転写記録方法、カラートナー、インクジェット用インクおよびカラーフィルタ

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