JPH0699667A - 熱転写色素供与材料 - Google Patents

熱転写色素供与材料

Info

Publication number
JPH0699667A
JPH0699667A JP4276834A JP27683492A JPH0699667A JP H0699667 A JPH0699667 A JP H0699667A JP 4276834 A JP4276834 A JP 4276834A JP 27683492 A JP27683492 A JP 27683492A JP H0699667 A JPH0699667 A JP H0699667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
thermal transfer
layer
image
donor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4276834A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Kubodera
征一 久保寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP4276834A priority Critical patent/JPH0699667A/ja
Publication of JPH0699667A publication Critical patent/JPH0699667A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高濃度かつ鮮明で、記録後の保存中も安定な
熱転写画像記録が得られ、転写中のしわ、融着、すべり
等による画質の劣化のない画像記録が得られる熱転写色
素供与材料を提供する。 【構成】 支持体上に、熱移行性色素、バインダー樹
脂、離型剤、含フッ素化合物、及び沸点が100℃から
170℃の一価アルコールを含む有機溶剤などからなる
色素供与層塗布用組成物を塗布・乾燥して作製された熱
転写色素供与材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像情報に対応した加
熱による熱転写方式により画像記録を行うための熱転写
記録材料に関するものであり、特に、鮮明で高濃度の記
録画像を得るための熱転写色素供与材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、カラービデオカメラで電子的に形
成された画像からプリントを得るための熱転写システム
が開発されてきた。このようなプリントを得る一方法に
よれば、電子画像を先ずカラーフィルターで色分解す
る。次に色分解された各画像を電気信号に交換する。引
続きこれらの信号を操作してイエロー、マゼンタ及びシ
アンの電気信号を発生させる。次にこれらの信号を熱プ
リンタに伝達する。プリントを得るには、イエロー、マ
ゼンタ又はシアンの色素供与材料を色素受像材料に面と
面を合わせて配置する。続いてこの両者をサーマルヘッ
ドとプラテンローラとの間に挿入する。ライン型の熱ヘ
ッドを用いて、色素供与材料の裏面から加熱する。熱ヘ
ッドは多数の加熱要素を有し、イエロー、マゼンタ及び
シアンの信号に応答して逐次加熱される。引続きこの過
程を他の二色で繰り返すのである。このようにしてスク
リーン上に視えた元の画像に対応するカラーハードコピ
ーが得られる。
【0003】前述の電気信号を用いて熱的にプリントを
得る別法は、熱ヘッドの代わりにレーザを用いる方法で
ある。このシステムでは、色素供与材料は、レーザ光線
を強く吸収する材料を含有する。色素供与材料にレーザ
光線を照射すると、この吸収性材料が光エネルギーを熱
エネルギーに変換してすぐに近くの色素にその熱を伝達
し、色素を受像材料に転写するための熱移行温度まで加
熱する。この吸収性材料は色素の下部に層をなして存在
し及び/又は色素と混合される。レーザビームは、元の
画像の形状及び色を表わす電気信号で変調され、元の対
象の色を再構成するため色素供与材料上に存在する必要
ある域の色素のみが加熱されて熱移行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記熱移行転写方式で
使用する色素供与材料には、熱ヘッドへの負担を小さく
するため、また記録速度を上げるため、できるだけ熱移
行しやすい色素を用いるのが望ましいが、一方、保存中
あるいは高温、高湿の環境下において色素が析出した
り、接触物に移行し汚染したりする問題がある。また、
熱ヘッド又はレーザーによる加熱により色素供与材料と
受像材料が融着し、画質が低下したりする問題がある。
通常色素供与材料は記録装置の中で搬送され必要な部分
に加熱が行われるのであるが、このとき色素供与材料に
しわが生じたり、あるいは熱転写中に受像材料との間で
すべりを生じたりして画質が低下する問題がある。ま
た、色素供与層に含有させる種々の化合物は通常有機溶
媒に溶解又は分散された組成物として支持体上に塗布さ
れ乾燥して設けられるのであるが、組成物が十分に溶解
しなかったり、分散物が凝集したり、あるいは組成物の
保存中に析出などの問題が生ずることがある。また、塗
布あるいは乾燥工程において、塗布むらや乾燥むらを生
じ、転写画像の画質を低下させるなどの問題がある。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記問題を克服した新規の色素
供与材料を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下に示す本発明の色素供与材料により解決できることを
見出した。支持体上に熱移行性の色素およびバインダー
樹脂を含有する色素供与層を設けた熱転写色素供与材料
において、該色素供与層が、前記色素とバインダー樹脂
および離型剤と含フッ素化合物を沸点100℃〜170
℃の一価アルコールを含む有機溶媒に溶解又は分散し、
該支持体上に塗布し乾燥して設けたことを特徴とする熱
転写色素供与材料。
【0007】以下に色素供与材料および受像材料につい
て説明する。熱転写色素供与材料の支持体としては従来
公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラ
シン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、弗素ポ
リマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフィ
ン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプ
ロピレン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。
【0008】熱移行性色素を用いた熱転写色素供与材料
は、基本的には、支持体上に熱によって可動性になる色
素とバインダーを含有する色素供与層を有するものであ
る。この熱転写色素供与材料は、従来公知の熱によって
昇華するか可動性になる色素とバインダー樹脂とを本発
明の沸点が100℃〜170℃の一価アルコールを含む
有機溶剤中に溶解または分散させて塗工液を調製し、こ
れを従来公知の熱転写色素供与材料用の支持体の一方の
面に、例えば約0.2〜5μm、好ましくは0.4〜2
μmの乾燥膜厚になる塗布量で塗布乾燥して色素供与層
を形成することによって得られる。色素供与層は一層で
形成されてもよいが、多数回繰り返し使用する方法に用
いる場合等のために、2層以上の構成で形成してもよ
い。この場合、各層中の色素含有量、色素/バインダー
比はそれぞれ異なっていてもよい。色素塗布量は0.0
3〜1g/m2 、好ましくは0.1〜0.6g/m2
ある。
【0009】このような色素供与層の形成に有用である
色素としては、従来熱転写色素供与材料に使用されてい
る色素はいずれも使用できるが、本発明で特に好ましい
ものは、約150〜800程度の小さい分子量を有する
ものであり、転写温度、色相、耐光性、インキおよびバ
インダー樹脂中での溶解性、分散性などを考慮して選択
される。具体的には、例えば分散染料、塩基性染料、油
溶性染料などが挙げられる。また下記の一般式(Y)で
表されるイエロー色素を用いることが好ましい。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、D1 は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、アルコキシカルボニル基、シ
アノ基又はカルバモイル基を表わし、D2 は水素原子、
アルキル基又はアリール基を表わし、D3 はアリール基
またはヘテリル基を表わし、D4 、D5 は水素原子又は
アルキル基を表わす。上記の基はさらに置換されてもよ
い。) 具体的な化合物例を以下に示す。
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】マゼンタ色素としては次の一般式(M)で
表される色素が好ましい。
【0016】
【化5】
【0017】(式中、D6 〜D10は水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリー
ルオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルア
ミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アシル基またはアミノ基を表わし、D11、D12は水
素原子、アルキル基またはアリール基を表わす。D11
12は互いに結合して環を形成してもよく、またD8
11又は/およびD9 とD12が結合して環を形成しても
よい。X、Y及びZは =C(D13)− 又は窒素原子
を表わす(D13は水素原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表わ
す)。またXとYが =C(D13)− の時またはYと
Zが =C(D13)− の時、2つのD13は互いに結合
して飽和ないし不飽和炭素環を形成してもよい。上記の
基はさらに置換されてもよい。) 具体的な化合物例を以下に示す。
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】またシアン色素としては次の一般式(C)
で表される色素が好ましい。
【0023】
【化10】
【0024】(式中、D14〜D21はD6 〜D10と同意で
あり、D22、D23はD11、D12と同意である。) 具体的な化合物例を以下に示す。
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】上記一般式(Y)、(M)、(C)で表さ
れる色素において、特開平3−205189号記載の退
色防止基を導入すると、光堅牢性が向上するので好まし
い。
【0029】又、上記の色素と共に用いるバインダー樹
脂としては、このような目的に従来公知であるバインダ
ー樹脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が高
く、しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないもの
が選択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポ
リアクリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリ
ル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどの部
分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系樹脂、ロジン
誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペン系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン)などが用いられる。このようなバインダー樹脂
は、例えば色素100重量部当たり約20〜600重量
部の割合で使用するのが好ましい。
【0030】本発明において、上記の色素およびバイン
ダー樹脂を溶解または分散するための有機溶媒として
は、沸点が100℃〜170℃の一価アルコールを含む
ものが用いられる。沸点が100℃〜170℃の一価ア
ルコールの具体例としては、n−ブチルアルコール
(b.p.117.4℃)、イソブチルアルコール
(b.p.108.1℃)、sec−ブチルアルコール
(b.p.100℃)、n−アミルアルコール(b.
p.138℃)、イソアミルアルコール(b.p.13
2℃)、ヘキシルアルコール(b.p.155.7℃)
などである。また、上記のアルコール類と他の有機溶媒
を混合して用いてもよい。混合して用いる有機溶媒とし
ては、従来公知のインキ溶剤が使用でき、具体的には、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香
族類;ジクロルメタン、トリクロロエタン等のハロゲン
類;酢酸エチル、酪酸プロピル等のエステル類;ジオキ
サン;テトラヒドロフラン等、およびこれらの混合物が
挙げられる。これらの溶媒は色素などの色素供与層に用
いられる化合物を十分に溶解または分散し、安定な組成
物を形成しうるものがよい。色素とバインダー樹脂の合
計重量の約5倍〜50倍の溶剤を使用するのが好まし
い。一価アルコールは全溶剤の5重量%以上100重量
%以下、好ましくは20重量%〜90重量%、使用する
のが好ましい。
【0031】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
層中に離型剤を含有させる。離型剤としては、ポリエチ
レンワックス、アミドワックス、シリコン系樹脂の微粉
末、フッ素系樹脂の微粉末等の固形あるいはワックス状
物質;フッ素系、リン酸エステル系等の界面活性剤;パ
ラフィン系、シリコーン系、フッ素系のオイル類等、従
来公知の離型剤がいずれも使用できるが、特にシリコー
ンオイルが好ましい。
【0032】シリコーンオイルとしては、無変性のもの
以外にカルボキシ変性、アミノ変性、エポキシ変性、ポ
リエーテル変性、アルキル変性等の変性シリコーンオイ
ルを単独あるいは2種以上併用して用いることができ
る。その例としては、信越シリコーン(株)発行の「変
性シリコーンオイル」技術資料の6〜18B頁に記載の
各種変性シリコーンオイルを挙げることができる。有機
溶媒系のバインダー中に用いる場合は、このバインダー
の架橋剤と反応しうる基(例えばイソシアネートと反応
しうる基)を有するアミノ変性シリコーンオイルが有効
であり、また水溶性バインダー中に乳化分散して用いる
場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例えば信越
シリコーン(株)製:商品名X−22−3710)ある
いはエポキシ変性シリコーンオイル(例えば信越シリコ
ーン(株)製:商品名KF−100T)が有効である。
【0033】本発明で使用されるシリコーン系化合物と
しては、無変性または変性のシリコーンオイル、トルエ
ンなど有機溶媒可溶性の固形シリコーンポリマー及び使
用溶剤に不溶性のシリコーン微粒子が挙げられる。変性
シリコーンオイル(固形シリコーンオイルを含む)とし
ては、例えば次のような骨格構造を有するもの及びその
化合物例が挙げられる。 (1) エポキシ変性シリコーンオイル
【0034】
【化14】
【0035】ここで、Ra は結合基〔例えば、−CH2
−、−C3 6 −O−CH2 −など(以下同じ)〕を表
す。 (2) アルキル変性シリコーンオイル
【0036】
【化15】
【0037】ここで、Rはアルキル基、アルキル基/ア
ラルキル基(アルキル基である単量体とアラルキル基で
ある単量体との共重合体)を表す。 (3) ポリエーテル変性シリコーンオイル
【0038】
【化16】
【0039】ここで、Ra は前記結合基を表し、POA
はポリオキシアルキレン基〔例えば、オキシエチレン/
オキシプロピレン(以下同じ)〕を表す。 (4) アルコール変性シリコーンオイル
【0040】
【化17】
【0041】ここで、Ra は前記結合基を表す。 (5) アミノ変性シリコーンオイル
【0042】
【化18】
【0043】ここで、Ra は前記結合基を表し、RはC
3 又はOCH3 を表す。 (6) カルボキシル変性シリコーンオイル
【0044】
【化19】
【0045】ここで、Ra は前記結合基を表す。 (7) フッ素変性シリコーンオイル
【0046】
【化20】
【0047】(8) 高級脂肪酸変性シリコーンオイル
【0048】
【化21】
【0049】ここで、Ra は前記結合基を表し、Rは脂
肪族炭化水素基を表す。 (9) エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル
【0050】
【化22】
【0051】ここで、Ra は前記結合基を表し、POA
は前記ポリオキシアルキレン基を表す。 (10)アルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイル
【0052】
【化23】
【0053】ここで、Ra は前記結合基を表し、POA
は前記ポリオキシアルキレン基を表し、Rはアルキル基
を表す。
【0054】本発明に用いるシリコーン系微粒子として
は、三次元に架橋したシリコーンゴムまたはシリコーン
レジンの不定形または真球状微粒子で、例えばトーレ・
シリコーン(株)社製トレフィル(登録商標)R−90
2、R−925、R−930、E−500、E−50
1、E−600、E−601、E−602、E−60
3、東芝シリコーン社製のトスパール(登録商標)12
0、130、145、240等が挙げられる。本発明に
用いるシリコーン系微粒子の平均粒径は0.01〜20
μm、好ましくは0.1〜10μmのものが用いられ
る。
【0055】本発明に用いられるシリコーン系化合物は
2種以上を併用することもできる。特に無変性または変
性シリコーンオイルとシリコーン系固形微粒子を併用す
ることは好ましい。本発明に用いられる無変性または変
性シリコーンオイルおよび溶剤に溶解しうるシリコーン
化合物の添加量は、シリコーン系化合物を添加する層の
バインダーの総重量の0.001〜20%、好ましくは
0.01〜10%、特に好ましくは0.1〜1%であ
る。又、本発明に用いられるシリコーン系微粒子の塗布
量は通常0.001〜3g/m2 、好ましくは0.00
5〜1g/m2 、特に好ましくは0.01〜0.5g/
2 である。
【0056】本発明で用いる無変性または変性シリコー
ンオイルは次のようにして塗布液に添加される。 シリコーンオイルをそのまま有機溶剤で希釈して、
バインダーと色素の溶媒中に添加する。 色素およびバインダーの有機溶剤溶液を親水性ポリ
マー中に乳化分散する際に、シリコーンオイルをそのま
ま有機溶剤で希釈して一緒に乳化分散して添加する。 また、本発明に用いるシリコーンポリマー(固形)はト
ルエン等の有機溶剤に溶解して上記シリコーンオイルと
同様にして塗布液中に添加する。本発明に用いるシリコ
ーン系微粒子は、色素およびバインダーの有機溶剤溶液
中にホモジナイザー等で分散して添加する。また、これ
らの離型剤は受像材料に用いることもできる。
【0057】本発明に使用される含フッ素化合物は、含
フッ素高分子化合物であっても、また含フッ素界面活性
剤であってもよい。本発明に使用される含フッ素高分子
化合物は、米国特許第4,175,969号、同4,0
87,394号、同4,016,125号、同3,67
6,123号、同3,676,411号、同4,30
4,852号、特開昭52−129520号、同54−
158222号、同55−57842号、同57−11
342号、同57−19735号、同57−17983
7号、化学総説, No. 27, 「新しいフッ素化学」(日
本化学会編, 1980年)、「機能性含フッ素高分子」
(日刊工業新聞社編, 1982年)等に記載の化合物を
挙げることができる。これらの含フッ素化合物は、上記
特許公報および文献に記載の方法により製造することが
できる他、さらに一般的には、相当する炭化水素類のフ
ッ素化により合成することができる。炭化水素類のフッ
素化については、「新実験化学講座」vol.14〔I〕
(丸善, 1982年), 308〜331頁に詳しい記載
がある。本発明において含フッ素化合物は、0.001
g/m2 〜3g/m2 、好ましくは0.002g/m2
〜1.5g/m2 、特に好ましくは0.005g/m2
〜1.0g/m2 を色素供与材料の色素供与層に添加す
る。以下に本発明に用いられる含フッ素化合物の具体例
を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】また、本発明に使用される含フッ素界面活
性剤としては、フッ化炭化水素を部分構造として含む界
面活性剤で、アニオン型、カチオン型、ノニオン型、ベ
タイン型等のいずれであってもよい。含フッ素界面活性
剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0061】
【化26】
【0062】
【化27】
【0063】
【化28】
【0064】
【化29】
【0065】
【化30】
【0066】
【化31】
【0067】その他に、大日本インキ化学(株)製のメ
ガファックF−131〜133、F−141〜144、
F−170〜173、F−180〜184、F−190
〜195、F−522;旭硝子(株)製のサーフロンS
−111〜113、S−131〜133、S−141、
S−101、S−105、S−381、S−382;ネ
オス(株)製のフタージエント400S等が挙げられ
る。
【0068】また、サーマルヘッドが色素供与材料に粘
着するのを防止するためにスリッピング層を設けてもよ
い。このスリッピング層はポリマーバインダーを含有し
たあるいは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固
体あるいは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成さ
れる。色素供与材料には背面より印字するときにサーマ
ルヘッドの熱によるスティッキングを防止し、滑りをよ
くする意味で、支持体の色素供与層を設けない側にステ
ィキング防止処理を施すのがよい。例えば、ポリビニ
ルブチラール樹脂とイソシアネートとの反応生成物、
リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金
属塩、および充填剤を主体とする耐熱スリップ層を設
けるのがよい。ポリビニルブチラール樹脂としては分子
量が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80〜110
℃であるもの、またイソシアネートとの反応サイトが多
い観点からビニルブチラール部分の重量%が15〜40
%のものがよい。リン酸エステルのアルカリ金属塩また
はアルカリ土類金属塩としては東邦化学製のガファック
RD720などが用いられ、ポリビニルブチラール樹脂
に対して1〜50重量%、好ましくは10〜40重量%
程度用いるとよい。耐熱スリップ層は下層に耐熱性を伴
うことが望ましく、加熱により硬化しうる合成樹脂とそ
の硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブチラールと多価
イソシアネート、アクリルポリオールと多価イソシアネ
ート、酢酸セルロースとチタンキレート剤、もしくはポ
リエステルと有機チタン化合物などの組合せを塗布によ
り設けるとよい。
【0069】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。
【0070】色素供与層は、印字したとき所望の色相を
転写できるように色素を選択し、必要に応じて、色相の
異なる2層以上の色素供与層を一つの熱転写色素供与材
料に並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号に
応じて各色の印字を繰り返してカラー写真のような画像
を形成するときには、印字したときの色相がシアン、マ
ゼンタ、イエローの各色であることが望ましく、このよ
うな色相を与える色素を含有する3つの色素供与層を並
べる。あるいは、シアン、マゼンタ、イエローに加えて
更にブラックの色相を与える色素を含有する色素供与層
を追加してもよい。なお、これら色素供与層の形成の際
にいずれかの色素供与層の形成と同時に位置検出用のマ
ークを設けると、色素供与層形成とは別のインキや印刷
工程を要しないので好ましい。
【0071】本発明において、熱転写受像材料に用いる
支持体は転写温度に耐えることができ、平滑性、白色
度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、転写後のへこみなど
の点で要求を満足できるものならばどのようなものでも
使用できる。例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリ
スチレン系などの合成紙)、上質紙、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂また
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィ
ンコート紙(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)な
どの紙支持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリスチレンメタクリレー
ト、ポリカーボネート等の各種のプラスチックフィルム
またはシートとこのプラスチックに白色反射性を与える
処理をしたフィルムまたはシート、また上記の任意の組
合せによる積層体も使用できる。また透過観察用の受像
材料の支持体としては、透明度のよいものが用いられ、
具体的には、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリイミド等の樹脂フィルムが
好ましい。
【0072】熱転写受像材料には色素受容層が設けられ
る。この受容層は印字の際に熱転写色素供与材料から移
行してくる熱移行性色素を受け入れ、熱移行性色素が染
着する働きを有している熱移行性色素を受容しうる物質
を単独で、またはその他のバインダー物質とともに含ん
でいる厚み0.5〜50μm程度の被膜であることが好
ましい。熱移行性色素を受容しうる物質の代表例である
ポリマーとしては次のような樹脂が挙げられる。ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリ
酢酸ビニル等のエステル結合を有するもの;ポリウレタ
ン等のウレタン結合を有するもの;ポリアミド等のアミ
ド結合を有するもの;ポリウレア等の尿素結合を有する
もの;ポリスルホン等のスルホン結合を有するもの;そ
の他ポリカプロラクトン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ルなど。上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合
物あるいは共重合体なども使用できる。
【0073】熱転写受像材料中、特に受容層中には、熱
移行性色素を受容しうる物質として、または色素の拡散
助剤として高沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させるこ
とができる。高沸点有機溶剤および熱溶剤の具体例とし
ては特開昭62−174754号、同62−24525
3号、同61−209444号、同61−200538
号、同62−8145号、同62−9348号、同62
−30247号、同62−136646号に記載の化合
物を挙げることができる。
【0074】本発明において、熱転写受像材料の受容層
は、熱移行性色素を受容しうる物質を水溶性バインダー
に分散して担持する構成としてもよい。この場合に用い
られる水溶性バインダーとしては公知の種々の水溶性ポ
リマーを使用しうるが、硬膜剤により架橋反応しうる基
を有する水溶性のポリマーが好ましく、中でもゼラチン
類が特に好ましい。受容層は2層以上の層で構成しても
よい。その場合、支持体に近い方の層にはガラス転位点
の低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤を
用いて色素に対する染着性を高めた構成にし、最外層に
はガラス転位点のより高い合成樹脂を用いたり、高沸点
有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限にするかもしく
は使用しないで表面のベタツキ、他の物質との接着、転
写後の他物質への再転写、熱転写色素供与材料とのブロ
ッキング等の故障を防止する構成にすることが望まし
い。受容層の厚さは全体で0.5〜50μm、特に3〜
30μmの範囲が好ましい。2層構成の場合最外層は
0.1〜2μm、特に0.2〜1μmの範囲にするのが
好ましい。
【0075】本発明において、熱転写受像材料は、支持
体と受容層の間に中間層を有してもよい。中間層は構成
する材質により、クッション層、多孔層、色素の拡散防
止層のいずれか又はこれらの2つ以上の機能を備えた層
であり、場合によっては接着剤の役目も兼ねている。色
素の拡散防止層は、特に熱移行性色素が支持体に拡散す
るのを防止する役目を果たすものである。この拡散防止
層を構成するバインダーとしては、水溶性でも有機溶剤
可溶性でもよいが、水溶性のバインダーが好ましく、そ
の例としては前述の受像層のバインダーとして挙げた水
溶性バインダー、特にゼラチンが好ましい。多孔層は、
熱転写時に印加した熱が受像層から支持体へ拡散するの
を防止し、印加された熱を有効に利用する役目を果たす
層である。
【0076】本発明において、熱転写受像材料を構成す
る受容層、クッション層、多孔層、拡散防止層、接着層
などには、シリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸ア
ルミニウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、リトポン、酸
化チタン、アルミナなどの微粉末を含有させてもよい。
【0077】熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いても
よい。その例としては、K.Veenkatarama
n編「The Chemistry of Synth
etic Dyes」第V巻,第8章、特開昭61−1
43752号などに記載されている化合物を挙げること
ができる。より具体的には、スチルベン系化合物、クマ
リン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリ
ル系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化
合物、カルボスチリル系化合物、2, 5−ジベンゾオキ
サゾールチオフェン系化合物などが挙げられる。蛍光増
白剤は退色防止剤と組み合わせて用いることができる。
【0078】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド等)、アジ
リジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系
硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニル
アセタミド)エタン等)、N−メチロール系硬膜剤(ジ
メチロール尿素等)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭6
2−234157号などに記載の化合物)が挙げられ
る。
【0079】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
退色防止剤を用いてもよい。退色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダ−ドフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダ−ドアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。
【0080】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系化合物(米国特許第3,533,794号など)、
4−チアゾリドン系化合物(米国特許3,352,68
1号など)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−2
784号など) 、その他の特開昭54−48535号、
同62−136641号、同61−88256号等に記
載の化合物がある。また、特開昭62−260152号
記載の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯体と
しては、米国特許第4,241,155号、同第4,2
45,018号第3〜36欄、同第4,254,195
号第3〜8欄、特開昭62−174741号、同61−
88256号(27)〜(29)頁、特開平1−755
68号、特開昭63−199248号等に記載されてい
る化合物がある。
【0081】有用な退色防止剤の例は特開昭62−21
5272号(125)〜(137)頁に記載されてい
る。受像材料に転写された色素の退色を防止するための
退色防止剤は予め受像材料に含有させておいてもよい
し、色素供与材料から転写させるなどの方法で外部から
受像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせ
て使用してもよい。
【0082】熱転写受像材料の構成層には塗布助剤、剥
離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的
で種々の界面活性剤を使用することができる。非イオン
性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤を用いることができる。これ
らの具体例は特開昭62−173463号、同62−1
83457号等に記載されている。
【0083】また、熱移行性色素を受容しうる物質、離
型剤、退色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、その他
の疎水性化合物を水溶性バインダー中に分散する際に
は、分散助剤として界面活性剤を用いるのが好ましい。
この目的のためには、上記の界面活性剤の他に、特開昭
59−157636号の37〜38頁に記載の界面活性
剤が特に好ましく用いられる。
【0084】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
マット剤を用いることができる。マット剤としては二酸
化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレートな
どの特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物
の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネー
ト樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−27
4944号、同63−274952号記載の化合物があ
る。
【0085】本発明においては、色素供与材料を受像材
料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ましくは熱転写
色素供与材料の裏面から、例えばサーマルヘッド等の加
熱手段により画像情報に応じた熱エネルギーを与えるこ
とにより、色素供与層の色素を熱転写受像材料に加熱エ
ネルギーの大小に応じて転写することができ、優れた鮮
明性、解像性の階調のあるカラー画像を得ることができ
る。加熱手段はサーマルヘッドに限らず、レーザ光(例
えば半導体レーザ)、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの
公知のものが使用できる。レーザを用いるシステムで
は、熱転写色素供与材料は、レーザ光を強く吸収する材
料を含有することが好ましい。熱転写色素供与材料にレ
ーザ光を照射すると、この吸収性材料が光エネルギーを
熱エネルギーに変換し、すぐ近くの色素にその熱を伝達
し、色素は熱転写受像材料に転写される温度(熱移行温
度)まで加熱される。この吸収性材料は色素の下部に層
を成して存在し、及び/又は色素と混合される。レーザ
ビームは元の画像の形状及び色を表す電気信号で変調さ
れ、元の対象の色を再構成するため熱転写色素供与材料
上に存在する必要ある領域の色素のみが加熱されて熱移
行する。
【0086】本発明において、熱転写色素供与材料は熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載を参照できる。
【0087】本発明の好ましい実施態様では、熱転写色
素供与材料はポリエチレンテレフタレート支持体上にシ
アン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素の逐次繰返
し領域で塗布したものからなり、前記熱転写工程を各色
素毎に逐次実施して三色の転写画像を形成する。勿論、
この熱転写工程を単色で実施した際には、モノクローム
の転写画像が得られる。熱転写色素供与材料から熱転写
受像材料に色素を熱転写するのに、サーマルヘッドへの
電気信号に対応した通電、またはアルゴンやクリプトン
のようなイオンガスレーザ、銅、金及びカドミウムのよ
うな金属蒸気レーザ、ルビーやYAGのような固体レー
ザ、又は750〜870nmの赤外域で放出するガリウ
ム−ヒ素のような半導体レーザなど数種のレーザによる
加熱が使用できる。しかしながら実際的には、小型、低
コスト、安定性、信頼性、耐久性及び変調の容易さの点
で半導体レーザーが有利である。
【0088】
【実施例】以下に本発明の詳細な実施例を示す。但し、
本発明の熱転写記録材料は以下に示す実施例に限られる
ものではない。 実施例1 (熱転写色素供与材料1の作製)片面に耐熱滑性層を設
けた厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
を支持体とし、この支持体の耐熱滑性層を設けた側と反
対の側に下記組成の色素供与層塗布用組成物(1) をグラ
ビアコーターにより、乾燥後の厚みが0.6μmとなる
ように塗布して熱転写色素供与材料1を得た。
【0089】色素供与層塗布用組成物(1) 色素 Y−1 10 g ポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール5000A: 電気化学製) 10 g シリコーンオイル(KF−96:信越化学工業製) 0.2 g ポリイソシアネート(タケネートD110N:武田薬品製) 0.5 g 含フッ素化合物 F−11 0.1 g メチルエチルケトン 100 ml トルエン 50 ml n−ブチルアルコール 100 ml
【0090】(熱転写受像材料1の作製)支持体として
厚み150μmの積層型合成紙を用い、表面に下記組成
の受容層塗布用組成物(1) をワイヤーバーコーターによ
り乾燥時の厚さが5μmとなるように塗布して、熱転写
受像材料1を作製した。乾燥はドライヤーで仮乾燥後、
温度80℃のオーブン中で1時間行った。
【0091】受容層塗布用組成物(1) ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 25 g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ化学製) 4 g シリコーンオイル(KF−857:信越化学工業製) 0.4 g メチルエチルケトン 100 ml トルエン 10 ml
【0092】実施例2 実施例1において、色素供与材料1に用いた色素、バイ
ンダー樹脂、離型剤、含フッ素化合物および一価アルコ
ールを下記表−Aのものに代え、且つメチルエチルケト
ンとトルエンの使用量も表−Aに記載のように変えて、
色素供与材料2〜15を作製した。
【0093】厚さ150μmの上質紙の両面にそれぞれ
25μmの厚さにポリエチレンをラミネートしたレジン
コート紙を支持体とし、下記組成の受容層塗布用組成物
(2)を用い、実施例1の受像材料1と同様にして、熱転
写受像材料2を作製した。
【0094】受容層塗布用組成物(2) ポリエステル樹脂(バイロン280:東洋紡製) 25 g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ化学製) 4 g シリコーンオイル(SH 3771:東レダウコーニング製) 0.4 g メチルエチルケトン 100 ml トルエン 50 ml
【0095】実施例3 (熱転写受像材料3の作製)下記(A)の組成のゼラチ
ン水溶液中に(B)の組成の色素受容性ポリマーの有機
溶剤溶液をホモジナイザーで乳化分散し、色素受容性物
質のゼラチン分散液を調製した。
【0096】 (A)ゼラチン水溶液 ゼラチン 2.3 g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(5%水溶液) 20 ml 水 80 ml (B)色素受容性ポリマー溶液 ポリエステル樹脂(バイロン300 東洋紡製) 7.0 g カルボキシ変性シリコーンオイル(X−22−3710 信越化学工業製) 0.4 g メチルエチルケトン 20 ml トルエン 10 ml トリフェニルフォスフェート 1.5 g
【0097】このようにして調製した分散物に、下記フ
ッ素系界面活性剤(a) C37SO2N(C37)CH2COOK の0.5gを水/メタノール(1:1)の混合溶媒10
mlに溶解した溶液を添加し、受容層用塗料組成物とし
た。この塗料組成物を実施例2のレジンコート紙上にワ
イヤーバーコーティング法によりウェット膜厚75μm
となるように塗布し、乾燥して、熱転写受像材料3を作
製した。
【0098】比較例1 実施例1において、色素供与材料1に用いた色素、バイ
ンダー樹脂、離型剤、含フッ素化合物および一価アルコ
ールを下記表−Aのものに代え、且つメチルエチルケト
ンとトルエンの使用量も表−Aに記載のように変えて、
比較用色素供与材料a〜iを作製した。また、一価アル
コールに代えて、二価のアルコールとしてエチレングリ
コールを用いた比較用色素供与材料jを作製した。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】上記のようにして得られた熱転写色素供与
材料と熱転写受像材料とを色素供与層と受像層が接する
ようにして重ね合わせ、熱転写色素供与材料の支持体側
からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力
0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15msec、ド
ット密度6ドット/mmの条件で熱印加をおこない、熱転
写受像材料の受像層に色素を像様に染着させた。
【0103】得られた記録済の熱転写受像材料の、濃度
が飽和している部分(Dmax )を反射濃度測定機(X R
ite ・ステータスAフィルター)を用いて色像の反射濃
度を測定した。また、転写中の色素供与材料のしわの発
生、受像材料との融着の程度、色素供与材料と受像材料
との間のすべりの程度(即ち、すべりによる画像の劣化
がどの程度発生するかで評価した。)を、目視で判定
し、○、△、×の評価基準で表わした。更に、色素供与
層塗布用組成物の安定性を評価するため、組成物を2日
間放置後の色素の析出の有無を判定し、○、△、×の評
価基準で表わした。以上の試験の結果を表−Bに示す。
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】
【発明の効果】本発明の色素供与材料を用いることによ
り、転写濃度が高く、転写中のしわ、融着、すべり等に
よる画質の劣化のない、鮮明な画像記録を得ることがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に熱移行性の色素およびバイン
    ダー樹脂を含有する色素供与層を設けた熱転写色素供与
    材料において、該色素供与層が、前記色素とバインダー
    樹脂および離型剤と含フッ素化合物を沸点100℃〜1
    70℃の一価アルコールを含む有機溶媒に溶解又は分散
    し、該支持体上に塗布し乾燥して設けたことを特徴とす
    る熱転写色素供与材料。
JP4276834A 1992-09-22 1992-09-22 熱転写色素供与材料 Pending JPH0699667A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4276834A JPH0699667A (ja) 1992-09-22 1992-09-22 熱転写色素供与材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4276834A JPH0699667A (ja) 1992-09-22 1992-09-22 熱転写色素供与材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0699667A true JPH0699667A (ja) 1994-04-12

Family

ID=17575057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4276834A Pending JPH0699667A (ja) 1992-09-22 1992-09-22 熱転写色素供与材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0699667A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7094641B2 (en) 2003-08-12 2006-08-22 Seiko Epson Corporation Method for forming wiring pattern, method for manufacturing semiconductor device, electro-optic device and electronic equipment
WO2006069928A3 (en) * 2004-12-29 2006-11-30 Ciba Sc Holding Ag Dyes that are soluble in organic solvents
JP2007160611A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 General Technology Kk 感熱転写媒体
JP2008007652A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Fujifilm Corp アゾ色素、感熱転写記録用インクシート、感熱転写記録方法、カラートナー、インクジェット用インクおよびカラーフィルタ
WO2016121311A1 (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 凸版印刷株式会社 感熱転写記録媒体
JP2017087688A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 凸版印刷株式会社 感熱転写記録媒体

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7094641B2 (en) 2003-08-12 2006-08-22 Seiko Epson Corporation Method for forming wiring pattern, method for manufacturing semiconductor device, electro-optic device and electronic equipment
WO2006069928A3 (en) * 2004-12-29 2006-11-30 Ciba Sc Holding Ag Dyes that are soluble in organic solvents
US7470780B2 (en) 2004-12-29 2008-12-30 Ciba Specialty Chemicals Corporation Dyes that are soluble in organic solvents
JP2007160611A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 General Technology Kk 感熱転写媒体
JP2008007652A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Fujifilm Corp アゾ色素、感熱転写記録用インクシート、感熱転写記録方法、カラートナー、インクジェット用インクおよびカラーフィルタ
EP1903078A3 (en) * 2006-06-29 2008-12-31 FUJIFILM Corporation Azo dye, heat-sensitive transfer recording ink sheet, heat-sensitive transfer recording method, color toner, inkjet ink and color filter
WO2016121311A1 (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 凸版印刷株式会社 感熱転写記録媒体
CN107206823A (zh) * 2015-01-28 2017-09-26 凸版印刷株式会社 热敏转印记录介质
JPWO2016121311A1 (ja) * 2015-01-28 2017-11-02 凸版印刷株式会社 感熱転写記録媒体
US10099498B2 (en) 2015-01-28 2018-10-16 Toppan Printing Co., Ltd. Thermal transfer recording medium
TWI673185B (zh) * 2015-01-28 2019-10-01 日商凸版印刷股份有限公司 感熱轉印記錄媒體
CN107206823B (zh) * 2015-01-28 2020-06-23 凸版印刷株式会社 热敏转印记录介质
JP2017087688A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 凸版印刷株式会社 感熱転写記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0429889A (ja) 熱転写受像材料
JPH0699667A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH06106861A (ja) 熱転写記録材料
JPH0483684A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH05162468A (ja) 熱転写記録材料
JPH05262055A (ja) 熱転写記録用材料
JPH0699674A (ja) 熱転写受像材料
JPH0699675A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH05162473A (ja) 熱転写受像材料
JPH06206380A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH0558055A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH05116428A (ja) サーマルヘツド用クリーニングテープ
JPH04112085A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH06191147A (ja) 熱転写受像材料
JPH07132684A (ja) 熱転写材料
JPH06171239A (ja) 熱転写記録材料
JPH0532072A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH06183163A (ja) 熱転写記録材料
JPH05238173A (ja) 熱転写受像材料
JPH04216095A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH0752557A (ja) 熱転写色素供与材料
JPH03110196A (ja) 熱転写受像材料
JPH0558044A (ja) レーザーによる熱転写記録方法
JPH04278393A (ja) 熱転写受像材料
JPH06166279A (ja) 熱転写受像材料