JPH06143846A - 熱転写記録用材料 - Google Patents

熱転写記録用材料

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JPH06143846A
JPH06143846A JP4294614A JP29461492A JPH06143846A JP H06143846 A JPH06143846 A JP H06143846A JP 4294614 A JP4294614 A JP 4294614A JP 29461492 A JP29461492 A JP 29461492A JP H06143846 A JPH06143846 A JP H06143846A
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JP
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dye
layer
thermal transfer
donor
image
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JP4294614A
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English (en)
Inventor
Tomoyoshi Tateishi
朋美 立石
Toshiaki Aono
俊明 青野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子画像信号を用いて熱転写記録を行うシステ
ムにおいて、搬送時の色素供与層と色素受像層の間の滑
りにより生じる画像不良を防止する。 【構成】熱転写色素供与材料のバインダー樹脂が非相溶
のポリマーブレンドで、且つ熱転写色素受像材料を構成
する層で色素受像層を設けた側の少なくとも一層にマッ
ト剤を含んでいる熱転写記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写色素供与材料と
熱転写色素受像材料とからなる熱転写記録用材料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、またそれぞれの情報
処理システムに適した記録方法及び装置も開発、採用さ
れている。このような記録方法の一つとして熱転写記録
方法は、使用する装置が軽量かつコンパクトで騒音がな
く、操作性、保守性にも優れており、カラー化も容易で
あり、最近広く使用されている。この熱転写記録方法に
は大きく分けて熱溶融型と熱移行型の2種類がある。後
者の方法は支持体上にバインダーと熱移行性色素を含有
する色素供与層を有する熱転写色素供与材料を熱転写色
素受像材料と重ね合わせて、色素供与材料の支持体側か
ら熱印加し、熱印加したパターン状に熱移行性色素を記
録媒体(熱転写色素受像材料)に転写させて転写像を得
る方法である。なお、ここで熱移行性の色素とは、昇華
または媒体中での拡散により熱転写色素供与材料から熱
転写色素受像材料へ転写しうる色素をいう。
【0003】このような熱転写記録方法において、カラ
ー画像情報をイエロー、マゼンタ、及びシアンの電気信
号に変換し、熱プリンター装置に伝達し、記録させる。
【0004】次にこれらの信号を熱印加する際に、支持
体上にバインダーとイエロー、マゼンタ、またはシアン
の色素供与層が面順次塗設された熱転写色素供与材料の
色素供与層側の面と支持体上に色素受容性物質を含む色
素受容層を設けた熱転写色素受像材料の色素受容層側の
面を重ね合わせて、サーマルヘッドとプラテンローラー
との間に配置させた後、熱転写色素供与材料の裏面から
熱印加する。このとき熱転写色素供与材料はロール状で
使用に供される。そして、サーマルヘッドは多数の加熱
要素を有しており、イエロー、マゼンタ、及びシアンの
電気信号に応答して、逐次イエロー、マゼンタ、または
シアンの色素供与層の熱印加と転写開始位置を合わせる
ための色素供与層及び色素受容層の搬送が繰り返され、
元のカラー画像に対応するカラーハードコピーが得られ
る。
【0005】このような熱印加の際のイエロー、マゼン
タ、及びシアンの色素供与層及び色素受容層の転写開始
位置合わせのための搬送は、通常主として熱転写色素供
与材料の色素供与層と熱転写色素受像材料の色素受容層
との間の摩擦力によって行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この熱移行型
の熱転写記録方法に用いられる熱転写受像材料には次の
ような問題点がある。
【0007】一般に、熱転写記録方法では熱印加時に色
素供与層と色素受容層とが熱融着し易く、それを防止す
るために変性及び/または無変性のシリコーンオイル及
び/またはフッ素系の離型剤を色素供与材料及び/また
は色素受容材料に含有させることが有効だが、その結
果、熱転写色素供与材料の色素供与層と熱転写色素受像
材料の色素受容層との間の摩擦力が低下するために両者
の間で滑りが生じ、色素供与層及び色素受容層の転写開
始位置にズレが生じてしまう。そして、本来転写される
べき色素供与層の前に位置する異なる色相の色素供与層
の上に転写開始位置がきてしまい、そこをサーマルヘッ
ドで熱印加してしまうので“色ずれ転写”が起きる。
【0008】また、色素供与材料は通常ロール状に巻か
れて供給されるが、保存中に色素供与層の色素の一部が
バック層に移行するため、熱転写時にサーマルヘッドを
汚染したり、ひどい場合には転写濃度の低下や濃度ムラ
が発生することがある。
【0009】従って本発明の目的は、色素供与層と色素
受容層との熱融着等の問題点を改良するために各種の離
型剤を含有させても、熱転写色素供与材料の色素供与層
と熱転写色素受像材料の色素受容層との間の滑りが起こ
らない、すなわち、“色ずれ転写”の様な画像不良を起
こさない熱転写記録用材料を提供することにある。
【0010】また、本発明の第二の目的はロール状で保
存しても色素供与層の色素が裏移りしない色素供与材料
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題は、支持体上少
なくとも熱移行性色素、及びバインダー樹脂よりなる色
素供与層を有する熱転写色素供与材料と、支持体上に色
素受容性物質を含む色素受容層を設けた熱転写色素受像
材料とからなり、色素供与層と色素受容層を接触させ、
画像信号に応じた加熱により色素を色素供与層から色素
受容層へ移行させて記録させる熱転写記録用材料におい
て、該熱転写受像材料を構成する層で色素受像層を設け
た側の少なくとも一層に有機及び/または無機の微粒子
を含有し、且つ該色素供与層の該バインダー樹脂が非相
溶のポリマーブレンドであることを特徴とする熱転写記
録用材料によって解決された。
【0012】以下本発明に用いる熱転写記録用材料の内
容を具体的に説明する。
【0013】本発明に用いられる様な有機及び/または
無機の微粒子(以下マット剤と略す。)は写真技術分野
に於いてよく知られており、水性有機コロイドバインダ
ー中に分散可能な有機及び/または無機材料の不連続固
体粒子であると定義できる。
【0014】無機のマット剤の例としては酸化物(例え
ば二酸化珪素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム等)、アルカリ土類金属塩(例えば硫酸塩や
炭酸塩であり、具体的には硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、画像を形
成しないハロゲン化銀粒子(塩化銀や臭化銀等で更にハ
ロゲン成分としてヨウ素原子がわずかながら加わってい
てもよい)やガラス等である。なかでも二酸化珪素が好
ましい。
【0015】そして、有機のマット剤としては例えば澱
粉、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテー
トプロピオネート等)、セルロースエーテル(例えばエ
チルセルロース等)、合成樹脂等が挙げられる。合成樹
脂の例としては水不溶または難溶性合成ポリマーであ
り、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ
アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル
(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン
(例えばエチレン、プロピレン)、スチレン等の単独も
しくは組み合わせ、またはこれらとアクリル酸、メタク
リル酸、α,β─不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)ア
クリレート、スチレンスルホン酸等の組み合わせを単量
体成分とするポリマーを用いることができる。なかでも
ポリメチルメタアクリレートや、ポリエチレンが好まし
い。
【0016】
【化1】
【0017】また、ベンゾグアナミン樹脂も好ましく用
いることができる。
【0018】
【化2】
【0019】これらのマット剤の平均粒子サイズは、熱
転写色素受像材料に用いる場合、その熱転写色素受像材
料の膜厚の0.2倍〜5倍の平均粒子サイズが好まし
く、更に好ましくは平均粒子サイズが0.5倍〜3倍の
マット剤である。また、これらのマット剤の塗布量は熱
転写色素受像材料に用いる場合、0.05〜8g/m2
位が適当で、好ましくは0.1〜5g/m2 、更に好ま
しくは0.3〜3g/m2 である。
【0020】本発明の色素供与層に用いる互いに非相溶
なポリマーブレンドとは次の場合を意味する。即ち、 (1)2種以上のポリマー溶液(1〜30重量%)を混
合したとき、その溶液に濁りが生じ、静置すれば上下2
相に分離する場合(濁ったままでなかなか分離しない場
合もある。) (2)2種以上のポリマー溶液(1〜30重量%)を混
合したときは透明で相溶状態であるが、該溶液を塗布乾
燥する工程で層分離が生起する場合。 上記(1)及び(2)の場合、いずれも塗布乾燥後の膜
表面は、光学干渉顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡によ
って、ミクロに相分離した相に対応した凹凸の形状が観
察される。本発明においては、ミクロ相分離形態の再測
性及び製造適正より、(2)の場合の方が好ましい。
【0021】本発明の色素供与層に用いる互いに非相溶
なバインダー樹脂の組み合わせとしては、通常耐熱性が
高く、しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないも
のが選択される。例えば次のものが挙げられる。即ち、
ポリビニルブチラールとポリ酢酸ビニル、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエステル、ニトロセルロース、スチレンブタジエン共
重合体或いはポリウレタン;ポリカーボネイトとポリカ
プロラクタム;ポリ塩化ビニルとポリ酢酸ビニル、ポリ
スチレン或いはポリ塩化ビニリデン;ポリ酢酸ビニルと
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン;スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン或いは
ポリエステル;ポリメチルメタクリレートとニトロセル
ロース、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリエステル、スチレンブタジエン共重合体
或いはポリウレタン等の組み合わせが好ましく挙げられ
る。
【0022】上記ポリマーの組み合わせは、2種類でも
良いが3種以上の組み合わせでも良い。とくに、ポリビ
ニルブチラールを含むポリマーブレンドが好ましい。組
み合わせるポリマーのいずれをも溶解または微分散する
溶剤を用いて溶解または微分散し、さらに色素及びその
他の添加剤を加えて塗布液を調整し、これを支持体上に
塗布乾燥して、ミクロに相分離し、表面に微細な凹凸を
有した色素供与層を形成する。
【0023】このようなバインダー樹脂は、例えば色素
100重量部当たり約50〜200重量部の割合で使用
するのが好ましい。また、これらのバインダー樹脂のブ
レンド比は、例えば2種類のバインダー樹脂を組合せる
場合、全体のバインダー樹脂100重量部当たり一方の
バインダー樹脂を5〜95重量部の割合でブレンドする
のが良く、好ましくは10〜90重量部、更に好ましく
は20〜80重量部の割合でブレンドする。
【0024】本発明において、上記の色素及びバインダ
ー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤として
は、従来公知のインキ溶剤が自由に使用できる。
【0025】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料及び/または受像材料を構成する層中、特に好まし
くは両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を
含有させるのが好ましい。離型剤としては、ポリエチレ
ンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固
形あるいはワックス状物質、フッ素系、リン酸エステル
系等の界面活性剤、パラフィン系、シリコーン系、フッ
素系のオイル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用で
きるが、特にシリコーンオイルやフッ素系界面活性剤、
フッ素系オイル(又はグリース)、フッ素系固形微粒子
が好ましい。
【0026】シリコーンオイルとしては、無変性のもの
以外にカルボキシ変性、アミノ変性、エポキシ変性、ポ
リエーテル変性、アルキル変性等の変性シリコーンオイ
ルを用いることができる。その例としては、信越シリコ
ーン(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の
6〜18Bページに記載の各種変性シリコーンオイルを
挙げることができる。有機溶剤系のバインダー中に用い
る場合は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例
えばイソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変
性シリコーンオイルが好ましく、また水溶性バインダー
中に乳化分散して用いる場合は、カルボキシ変性シリコ
ーンオイル(例えば信越シリコーン(株)製:商品名X
−22−3710)が好ましい。変性シリコーンオイル
としては例えば次のような骨格構造を有するもの及びそ
の化合物例が挙げられる。
【0027】(1)エポキシ変性シリコーンオイル
【化3】
【0028】(2)アルキル変性シリコーンオイル
【化4】
【0029】(3)ポリエーテル変性シリコーンオイル
【化5】
【0030】(4)アルコール変性シリコーンオイル
【化6】
【0031】(5)アミノ変性シリコーンオイル
【化7】
【0032】(6)カルボキシル変性シリコーンオイル
【化8】
【0033】(7)フッ素変性シリコーンオイル
【化9】
【0034】(8)高級脂肪酸変性シリコーンオイル
【化10】
【0035】(9)エポキシ・ポリエーテル変性シリコ
ーンオイル
【化11】
【0036】(10)アルキル・ポリエーテル変性シリ
コーンオイル
【化12】
【0037】本発明に用いられるシリコーンオイルは二
種以上を併用することもできる。また、本発明に用いら
れる変性及び/又は無変性シリコーンオイルの添加量は
シリコーン系化合物を添加する層の色素受容性ポリマー
と水溶性バインダーの総重量の0.1〜50重量%、好
ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜30重量
%である。
【0038】本発明で用いる変性及び/又は無変性シリ
コーンオイルは次のようにして塗布液に添加される。 〔1〕塗布液が有機溶剤系のとき シリコーンオイルをそのまま、必要量、塗布液中に添加
して、攪拌均一化する。 〔2〕塗布液が水系のとき (イ)シリコーンオイルをそのまま又は水に非相溶の有
機溶剤で希釈して、水又は親水性ポリマー水溶液中に乳
化分散して添加する。 (ロ)色素受容性ポリマーの有機溶剤溶液を親水性ポリ
マー中に乳化分散する際に色素受容性ポリマー溶液中に
溶解して乳化分散して添加する。 (ハ)シリコーンオイルが水又は水と混合性の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、アセトン等)に溶解
する場合はその溶媒に溶解して添加するか又は直接塗布
液中に添加する。
【0039】本発明で用いる含フッ素化合物は低分子で
も高分子でもよい。それらの化合物例としては低分子の
ものでは、米国特許第3775126号、同35899
06号、同3798265号、同3779768号、同
4407937号、西独特許第1293189号、英国
特許第1259398号、特開昭48─87826号、
同49─10722号、同49─46733号、同50
─16525号、同50─113221号、同50─1
61236号、同50─99525号、同50─160
034号、同51─43131号、同51─10641
9号、同51─7917号、同51─32322号、同
51─151125号、同51─151126号、同5
1─151127号、同51─129229号、同52
─127974号、同52─80023号、同53─8
4712号、同53─146622号、同54─142
24号、同54─48520号、同55─7762号、
同56─55942号、同56─114944号、同5
6─114945号、特公昭57─8456号、同57
─12130号、同57─12135号、同58─94
08号等に記載の化合物が挙げられる。また、高分子の
ものとしては、米国特許第4175969号、同408
7394号、同4016125号、同3676123
号、同3679411号、同4304852号、特開昭
52─129520号、同54─158222号、同5
5─57842号、同57─11342号、同57─1
9735号、同57─179837号、「化学総説N
o.27、新しいフッ素化学」(日本化学会編、198
0年)、「機能性含フッ素高分子」(日刊工業新聞社
編、1982年)等に記載の化合物を挙げることができ
る。これらの含フッ素化合物は、上記関係文献に記載の
方法により製造することができる他、更に一般的には、
相当する炭化水素類のフッ素化により合成することがで
きる。炭化水素類のフッ素化については「新実験化学講
座」Vol.14〔I〕(丸善、1977年)、308
〜331ページに詳しい記載がある。
【0040】本発明で用いる含フッ素化合物の好ましい
例を以下に示す。 〔1〕フッ素系界面活性剤
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】
【0047】その他に大日本インキ(株)製のメガファ
ックF−171〜173、F−141〜144、F17
0〜173、F−180〜184、F−192〜19
5、F−522;旭硝子(株)製のサーフロンS−11
1〜113、S−131〜133、S−141、S−1
01、S−105、S−381、S−382;ネオス
(株)製のフタージェント400S等が挙げられる。こ
れらの中でもベタイン系界面活性剤が好ましく用いられ
る。
【0048】〔2〕フッ素系オイル(又はグリース)
【0049】
【化19】
【0050】〔3〕フッ素系固形微粒子 これらの微粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、四フ
ッ化エチレンテロマー、四フッ化エチレン─六フッ化プ
ロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、三フ
ッ化塩化エチレン樹脂等よりなる微粒子が挙げられる。
【0051】これらは微粉末、有機溶剤分散液又は水性
分散液として市販されており、例えば三井・デュポンフ
ロロケミカル(株)社より テフロン(R) 6−J(微粉末) 60─J(微粉末) 62─J(微粉末) 30─J(水性分散液) 120─J(水性分散液) デュポン社より Vydax(R)1000(有機溶剤分散液) AR (有機溶剤分散液) WD (水性分散液) ダイキン工業(株)社より ポリフロン(R) TFE(有機溶剤分散液) ネオフロン(R) FEP(有機溶剤分散液) VDF(微粉末) CTFE(有機溶剤分散液) ルブロン(R) L−5(粉末) L−2(粉末) LD−1(有機溶剤分散液) 等がある。
【0052】本発明で用いられる含フッ素化合物よりな
る固体微粒子は上記含フッ素化合物の微粉末であり、該
フッ素固形微粒子の粒径は好ましくは0.01〜30μ
m、更に好ましくは0.1〜10μmである。
【0053】本発明に用いられる含フッ素化合物は次の
ようにして塗布液に添加される。 〔1〕フッ素系界面活性剤の場合 (イ)水又は水と相溶しうる有機溶媒あるいはそれらの
混合溶媒に溶解して塗布液中に添加する。 (ロ)水と非相溶の有機溶媒に溶解して水又は親水性ポ
リマー水溶液中に乳化分散して塗布液中に添加する。 (ハ)色素受容性ポリマーの有機溶剤溶液を、親水性ポ
リマー中に乳化分散する際に色素受容性ポリマー溶液中
に溶解して含有させる。 〔2〕フッ素系オイルの場合 (イ)フッ素系オイルをそのまま又は水に非相溶の有機
溶剤で希釈して、水又は親水性ポリマー水溶液中に乳化
分散して添加する。 (ロ)〔1〕の(ハ)と同様な方法で添加する。 〔3〕フッ素系固形微粒子の場合 (イ)界面活性剤(特にフッ素系界面活性剤が好まし
い)を分散助剤として水又は親水性ポリマー中にホモジ
ナイザー等の分散機を用いて分散する。 (ロ)先ず有機溶剤(特にフッ素系溶剤が好ましい)中
に分散し、次に界面活性剤(特にフッ素系界面活性剤が
好ましい)を分散助剤として水又は親水性ポリマー水溶
液中に乳化分散して添加する。
【0054】本発明において、含フッ素固形微粒子は好
ましくは0.001〜5g/m2 、更に好ましくは0.
002〜1g/m2 、特に好ましくは0.005〜0.
5g/m2 の範囲で使用される。含フッ素固形微粒子
は、少なくとも最外層を含む色素供与材料及び/または
受像材料のいずれの構成層に存在させてもよいが、最外
層が好ましい。該含フッ素化合物として少なくともフッ
素系界面活性剤を用い、これと併用してフッ素系オイル
及び/またはフッ素系固形微粒子を併用するのが好まし
い。
【0055】熱転写色素供与材料の支持体としては従来
告知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラ
シン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、フッ素
ポリマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフ
ィン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
プロピレン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。また、親水性のポリマーよりなる色素の拡散防止層
を支持体と色素供与層の中間に設けてもよい。
【0056】熱移行性色素を用いた熱転写色素供与材料
は、基本的には、支持体上に熱によって可動性になる色
素とバインダーを含有する色素供与層を有するものであ
る。この熱転写色素供与材料は、従来公知である熱によ
って昇華するか可動性になる色素とバインダー樹脂とを
適当な溶剤中に溶解または分散させて塗布液を調製し、
これを従来公知の熱転写色素供与材料の支持体の一方の
面に、例えば約0.2〜5μm、好ましくは0.4〜2
μmの乾燥膜厚になる塗布量で塗布、乾燥して色素供与
層を形成することによって得られる。色素供与層は一層
で形成されていてもよいが、多数回繰り返し使用する方
法に用いる場合等のために、二層以上の構成で形成して
もよい。この場合、各層中の色素含有量や、色素/バイ
ンダー比はそれぞれ異なっていてもよい。
【0057】このような色素供与層の形成に有用である
色素としては、従来熱転写色素供与材料に使用されてい
る色素はいずれも使用できるが、本発明で特に好ましい
ものは約150〜800程度の小さい分子量を有するも
のであり、転写温度、色相、耐光性、インキおよびバイ
ンダー樹脂中での溶解性、分散性等を考慮して選択され
る。具体的には、例えば分散染料、塩基性染料、油溶性
染料等が挙げられるが、とりわけ、スミカロンイエロー
E4GL、ダイアニクスイエローH2G−FS、ミケト
ンポリエステルイエロー3GSL、カヤセットイエロー
937、スミカロンレッドEFBL、ダイアニクスレッ
ドACE、ミトケンポリエステルレッドFB、カヤセッ
トレッド126、ミケトンファストブリリアントブルー
B、カヤセットブルー136等が好んで用いられる。
【0058】また、下記の一般式(Y)で表されるイエ
ロー色素を用いることが好ましい。一般式(Y)
【0059】
【化20】
【0060】(式中、D1 は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、アルコキシカルボニル基、シ
アノ基またはカルバモイル基を表し、D2 は水素原子、
アルキル基またはアリール基を表し、D3 はアリール基
またはヘテリル基を表し、D 4 、D5 は水素原子または
アルキル基を表す。上記の基はさらに置換されてもよ
い。)具体的な化合物例を以下に示す。
【0061】
【化21】
【0062】
【化22】
【0063】マゼンタ色素としては次の一般式(M)の
色素が好ましい。一般式(M)
【0064】
【化23】
【0065】(式中、D6 〜D10は水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリー
ルオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルア
ミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アシル基またはアミノ基を表し、D11、D12は水素
原子、アルキル基またはアリール基を表す。D11とD12
は互いに結合していて環を形成してもよく、またD8
11または/及びD2 とD12が結合して環を形成しても
よい。X、Y及びZは =C(D13)− または窒素原
子を表す(D13は水素原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表す)。
またXとYが =C(D13)− の時またはYとZが
=C(D13)− の時、二つのD13は互いに結合して飽
和ないし不飽和炭素環を形成してもよい。また上記の基
はさらに置換されてもよい。具体的な化合物例を以下に
示す。
【0066】
【化24】
【0067】
【化25】
【0068】またシアン色素としては次の一般式(C)
の色素が好ましい。一般式(C)
【0069】
【化26】
【0070】(式中、D14〜D21はD6 〜D10と同意で
あり、D22、D23はD11、D12と同意である。)具体的
な化合物例を以下に示す。
【0071】
【化27】
【0072】
【化28】
【0073】上記一般式(Y)、(M)、(C)の化合
物について、特願平1─271078号記載の退色防止
基を導入すると、光堅牢性が向上するので好ましい。
【0074】色素供与層は、印字したとき所望の色相を
転写できるように色相を選択し、必要に応じて色相の異
なる二層以上の色素供与層を一つの熱転写色素供与材料
に並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号に応
じて各色の印字を繰り返してカラー写真のような画像を
形成するときには、印字したときの色相がシアン、マゼ
ンタ、イエローの各色であることが望ましく、このよう
な色相を与える色素を含有する3つの色素供与層を並べ
る。あるいは、シアン、マゼンタ、イエローに加えて更
にブラックの色相を与える色素を含有する色素供与層を
追加してもよい。なお、これら色素供与層の形成の際に
いずれかの色素供与層の形成と同時に位置検出用のマー
クを設けると、色素供与層形成とは別のインキや印刷工
程を要しないので好ましい。
【0075】本発明において、熱転写色素受像材料に用
いる支持体は転写温度に耐えることができ、平滑性、白
色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、転写後のへこみ等
の点で要求を満足できるものならばどのようなものでも
使用できる。例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリ
スチレン系などの合成紙)、上質紙、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂また
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィ
ンコート紙(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)等
の紙支持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリスチレンメタクリレート、
ポリカーボネート等の各種のプラスチックフィルムまた
はシートと、このプラスチックに白色反射性あるいは多
孔質性を与える処理をしたフィルムまたはシート、また
は上記の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。
【0076】熱転写色素受像材料には受像層が設けられ
る。この受像層は印字の際に熱転写色素供与材料から移
行してくる熱移行性色素を受入れ、熱移行性色素が染着
する働きを有している熱移行性色素を受容しうる物質を
単独で、またはそのバインダー物質とともに含んでいる
厚み0.5〜50μm程度の皮膜であることが好まし
い。熱移行性色素を受容しうる物質の代表例であるポリ
マーとしては次のような樹脂が挙げられる。
【0077】(イ)エステル結合を有するもの。 テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等のジカルボン
酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、
カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プルピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA等の
縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタ
クリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルア
クリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル
酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン
アクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂
等。具体的には特開昭59─101395号、同63─
7971号、同63─7972号、同63─7973
号、同60─294862号に記載のものを挙げること
ができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン2
90、バイロン200、バイロン280、バイロン30
0、バイロン103、バイロンGK−140、バイロン
GK−130、花王製のATR−2009、ATR−2
010、ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3
210、XA−8153、日本合成化学製のポリエスタ
ーTP−220、R−188等が使用できる。
【0078】(ロ)ウレタン結合を有するもの。 ポロウレタン樹脂等。 (ハ)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂等。 (ニ)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 (ホ)スルホン結合を有するもの。 ポリスルホン樹脂等。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの。 ポリカプロラクトン樹脂、スチレン─無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂
等。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体等も使用できる。
【0079】熱転写色素受像材料中、特に受像層中には
熱移行性色素を受容しうる物質として、または色素の拡
散助剤として高沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させる
ことができる。高沸点有機溶剤及び熱溶剤の具体例とし
ては特開昭62─174754号、同62─24525
3号、同61─209444号、同61─200538
号、同62─8145号、同62─9348号、同62
─30247号、同62─136646号に記載の化合
物を挙げることができる。
【0080】本発明において、熱転写色素受像材料の受
像層は、熱移行性色素を受容しうる物質を水溶性バイン
ダーに分散して担持する構成としてもよい。この場合に
用いられる水溶性バインダーとしては公知の種々の水溶
性ポリマーを使用しうるが、硬膜剤により架橋反応しう
る基を有する水溶性のポリマーが好ましく、中でもゼラ
チン類が特に好ましい。
【0081】受像層は2層以上の層で構成してもよい。
その場合、支持体に近い方の層にはガラス転位点の低い
合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤を用いて
色素に対する染着性を高めた構成にし、最外層にはガラ
ス転位点のより高い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶
剤や熱溶剤の使用量を必要最小限にするかもしくは使用
しないで表面のベタツキ、他の物質との接着、転写後の
他物質への再転写、熱転写色素供与材料とのブロッキン
グ等の故障を防止する構成にすることが望ましい。受像
層の厚さは全体で0.5〜50μm、特に3〜30μm
の範囲が好ましい。2層構成の場合最外層は0.1〜2
μm、特に0.2〜1μmの範囲にするのが好ましい。
【0082】受容性物質を水溶性バインダー中に分散す
る方法としては、疎水性物質を水溶性ポリマーに分散す
る際の公知の分散方法のいずれもが使用できる。代表的
には、受容性物質を水と非混和性の有機溶剤に溶解した
液を水溶性バインダーの水溶液と混合して乳化分散する
方法、受容性物質(ポリマー)のラテックスを水溶性バ
インダーの水溶液と混合する方法などがある。
【0083】本発明において、熱転写受像材料は、支持
体と受像層の間に中間層を有してもよい。中間層は構成
する材料により、クッション層、多孔層、色素の拡散防
止層のいずれかまたはこれらの二つ以上の機能を備えた
層であり、場合によっては接着剤の役目も兼ねている。
色素の拡散防止層は、特に熱移行性色素が支持体に拡散
するのを防止する役目を果たすものである。この拡散防
止層を構成するバインダーとしては、水溶性でも有機溶
剤可溶性でもよいが、水溶性のバインダーが好ましく、
その例としては前述の受像層のバインダー、特にゼラチ
ンが好ましい。多孔層は、熱転写時に印加した熱が受像
層から支持体へ拡散するのを防止し、印加された熱を有
効に利用する役目を果たす層である。
【0084】本発明において、本発明の目的以外に熱転
写受像材料を構成する受像層、クッション層、多孔層、
色素の拡散防止層、接着層等には、シリカ、クレー、タ
ルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、
酸化亜鉛、リトボン、酸化チタン、アルミナ等の微粉末
を含有させてもよい。
【0085】熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いても
よい。その例としては、K.Veenkatarama
n編「The Chemistry of Synth
etic Dyes」第5巻、第8章、特開昭61−1
43752号等に記載されている化合物を挙げることが
できる。より具体的には、スチルベン系化合物、クマリ
ン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル
系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合
物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾオキサ
ゾールチオフェン系化合物等が挙げられる。蛍光増白剤
は褪色防止剤と組み合わせて用いることができる。
【0086】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に敵している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド等)、アジ
リジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系
硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニル
アセタミド)エタン等)、N−メチロール系硬膜剤(ジ
メチロール尿素等)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭6
2−234157号等に記載の化合物)が挙げられる。
【0087】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。
【0088】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系化合物(米国特許第3,533,794号等)、4
−チアゾリドン系化合物(米国特許3,352,681
号等)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−278
4号等)、その他の特開昭54−48535号、同62
−136641号、同61−88256号等に記載の化
合物がある。また、特開昭62−260152号記載の
紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯体として
は、米国特許第4,241,155号、同第4,24
5,018号第3〜36欄、同第4,254,195号
第3〜8欄、特開昭62−174741号、同61−8
8256号(27)〜(29)ページ、特開平1−75
568号、特開昭63−199248号等に記載されて
いる化合物がある。
【0089】有用な褪色防止剤の例は特開昭62−21
5272号(125)〜(137)ページに記載されて
いる。受像材料に転写された色素の褪色を防止するため
の褪色防止剤は予め受像材料に含有させておいてもよい
し、色素供与材料から転写させる等の方法で外部から受
像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせ
て使用してもよい。
【0090】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活
性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を用いる
ことができる。これらの具体例は特開昭62−1734
63号、同62−183457号等に記載されている。
【0091】また、熱移行性色素を受容しうる物質、離
型剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、その他
の疎水性化合物を水溶性バインダー中に分散する際に
は、分散助剤として界面活性剤を用いるのが好ましい。
この目的のためには、上記の界面活性剤の他に、特開昭
59−157636号の37〜38ページに記載の界面
活性剤が特に好ましく用いられる。
【0092】前述のように、本発明の色素供与材料は、
転写画像の形成に使用される。このようなプロセスは、
サーマルヘッドやレーザーを用いて前述のように色素供
与材料を画像に従って加熱し、色素画像を受像材料に転
写して転写画像を形成することからなる。
【0093】本発明の色素供与材料は、シート形態また
は連続のロールもしくはリボンとして使用される。連続
のロールもしくはリボンを使用する場合には、唯一種の
色素を有するか、あるいは熱移行性のシアン及び/また
はマゼンタ及び/またはイエロー及び/またはブラック
その他の色素のような相異する色素の域を別々に有す
る。すなわち、一色、二色、三色、または四色の材料が
(あるいは更に多色の材料も)、本発明の範囲内に含ま
れる。
【0094】本発明の好ましい実施態様では、色素供与
材料はポリエチレンテレフタレート支持体をシアン色
素、マゼンタ色素及びイエロー色素の逐次繰り返し域で
塗布したものからなり、前記工程を各色毎に逐次実施し
て三色の転写画像を形成する。もちろん、この工程を単
色で実施した際には、モノクロームの転写画像が得られ
る。色素供与材料から受像材料に色素を熱転写するのに
用いるレーザーとしては、アルゴンやクリプトンのよう
なイオンガスレーザー、銅、金及びカドミウムのような
金属蒸気レーザー、ルビーやYAGのような固体レーザ
ー、または750〜870nmの赤外域で放出するガリ
ウム−ヒ素のような半導体レーザー等のレーザーが使用
できる。しかしながら実際的には、小型、低コスト、安
定性、信頼性、耐久性及び変調の容易さの点で半導体レ
ーザーが有効である。
【0095】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、発明の主旨を越えない限り、以下の具体例に
限定されるものではない。
【0096】実施例 実施例1 〔本発明の熱転写色素供与材料の作成〕:片面に熱硬化
アクリル樹脂からなる耐熱滑性層を設けた厚さ6μmの
ポリエステルフィルムを支持体とし、この支持体の耐熱
滑性層を設けた側と反対側の面に、墨版用グラビアイン
クにて20mm長の検知マークと下記組成の色素供与層
形成用インク組成物において、無機及び/または有機の
微粒子及び離型剤としてのシリコーンオイルを表─2に
示したように種々変えて、乾燥後の塗布量が1.2g/
2 となるように面順次に塗布して色素供与材料1を作
成した。
【0097】 (熱転写色素供与層塗布用インク組成物) イエロー色素転写層 イエロー色素(前記色素Y−1) 3g ポリビニルブチラール樹脂 3g (電気化学製デンカブチラール5000─A) シリコーンオイル(信越化学製KF−96) Xml トルエン 50ml メチルエチルケトン 50ml ポリイソシアネート 0.05ml (武田薬品製タケネートD110N) マゼンタ色素転写層 マゼンタ色素(前記色素M−2) 3g ポリビニルブチラール樹脂 3g (電気化学製デンカブチラール5000─A) シリコーンオイル(信越化学製KF−96) Xml トルエン 60ml メチルエチルケトン 60ml ポリイソシアネート 0.05ml (武田薬品製タケネートD110N) シアン色素転写層 シアン色素(前記色素C−2) 3g ポリビニルブチラール樹脂 3g (電気化学製デンカブチラール5000─A) シリコーンオイル(信越化学製KF−96) Xml トルエン 50ml メチルエチルケトン 50ml ポリイソシアネート 0.05ml (武田薬品製タケネートD110N)
【0098】上記色素供与材料1の色素形成用シアン、
マゼンタ及びイエローインク組成物において、ポリビニ
ルブチラール樹脂の3gの代わりに下記のポリマー・バ
インダーを用いる以外同様にして色素供与材料2〜11
を作成した。
【0099】 色素供与材料2;ポリエステル樹脂 (バイロン280:日清紡製) 0.6g ポリビニルブチラール樹脂 (デンカブチラール5000A:電気化学製) 2.4g
【0100】 色素供与材料3;ポリスチレン樹脂 0.6g ポリビニルブチラール樹脂 (デンカブチラール5000A:電気化学製) 2.4g
【0101】 色素供与材料4;ポリスチレン樹脂 1.2g ポリビニルブチラール樹脂 (デンカブチラール5000A:電気化学製) 1.8g
【0102】 色素供与材料5;ポリ塩化ビニル樹脂 0.6g ポリビニルブチラール樹脂 (デンカブチラール5000A:電気化学製) 2.4g
【0103】 色素供与材料6;ポリカプロラクタム樹脂 0.6g ポリカーボネート樹脂 2.4g
【0104】 色素供与材料7;ポリカーボネート樹脂 3 g
【0105】 色素供与材料8;ポリカプロラクタム樹脂 3 g
【0106】 色素供与材料9;ポリスチレン樹脂 3 g
【0107】 色素供与材料10;ポリ塩化ビニル樹脂 3 g
【0108】 色素供与材料11;ポリエステル樹脂 (バイロン280:日清紡製) 3 g
【0109】〔本発明の熱転写色素受像材料の作成〕:
表─1に示した支持体上に下記組成の色素受像層塗布液
組成物において、無機及び/または有機の微粒子及び離
型剤の種類及び量を表─2に示すように種々かえて、ワ
イヤーバーコーティング法により乾燥後の厚さが8μm
となるように塗布して熱転写色素受像材料1〜13を作
製した。
【0110】
【表1】
【0111】 (熱転写色素受像材料塗布用組成物) ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン200) 25g 無機及び/または有機の微粒子〔表2〕 Bg 硬化剤(大日本インキ化学製ポリイソシアネートKP−90) 4g 離型剤(信越シリコーン製シリコーンオイルKF−857) Yg メチルエチルケトン 85g トルエン 85g
【0112】
【表2】
【0113】上記のようにして得られた色素供与材料1
〜11と色素受像材料1〜13を表−4に示した組合せ
で、各々色素供与層と受像層が接するように重ね合わせ
て、両者の間のイエローとマゼンタの静止摩擦係数を測
定した。更に、上記材料の組み合わせでグレイの画像を
ビデオプリンターにてプリントした。ただし、各色素供
与層の転写順序はイエロー、マゼンタ、シアンの順で行
った。この時、色素供与材料と色素受像材料の間で滑り
が発生すると、プリント画像の後端部が滑りの発生の程
度に応じて色素供与層と色素受像層の転写開始位置にズ
レが生じ、本来転写されるべき色素供与層の前の色素供
与層の上に転写開始位置がきて、そこをサーマルヘッド
で熱印加してしまうため“色ずれ転写”等の画像不良を
起こしてしまう。離型剤の有無とともにこれらの評価
を、◎(前述した画像不良なし)、○(前述した画像不
良は起きなかったが、ぎりぎりである)、△(前述した
画像不良がやや生じる)、及び×(前述した画像不良を
発生する)にて、静止摩擦と共に表─3に示した。
【0114】また、上記色素供与材料1〜11をロール
状に巻いて60℃で3日間保存しておいた後色素供与層
の色素のバック層への色移りを調べ、◎(バック層より
色素検出できない)、○(バック層より色素検出できた
が目視では分からない)、△(イエローや透明なベース
等比較的観察し易い部分だけ色移りが目視できる)、×
(目視で色移りがはっきりと分かる)で共に表─3に示
した。
【0115】
【表3】
【0116】このように色素供与層に用いるバインダー
樹脂をミクロに相分離させることによって形成された表
面の微細な凹凸と色素受像層にマット剤を含有させるこ
とによって形成された表面の凹凸によって、色素供与層
と色素受像層の静止摩擦係数が高くなり、色素供与層と
色素受像層の間で滑りが発生せず、画像に不良箇所を生
じないことが分かる。
【0117】
【発明の効果】本発明に従い、熱転写受像材料を構成す
る層で色素受像層を設けた側の少なくとも一層に有機及
び/または無機の微粒子を含有し、且つ色素供与層のバ
インダー樹脂が非相溶のポリマーブレンドであることを
特徴とする熱転写記録用材料を用いることにより、熱融
着、給紙性及び/または搬送性等の改良のために離型剤
を用いても色素供与材料と色素受像材料の間に滑りを起
こさない、すなわち、“色ずれ転写”という画像不良を
起こさないプリントを得ることができる。また、色素供
与層のバインダー樹脂が非相溶のポリマーブレンドであ
ることを特徴とする熱転写色素供与材料を用いることに
よって、通常のロール状の保存において、色素供与層中
の色素の一部がバック層に色移りすることがなくなっ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも熱移行性色素、及び
    バインダー樹脂よりなる色素供与層を有する熱転写色素
    供与材料と、支持体上に色素受容性物質を含む色素受容
    層を設けた熱転写色素受像材料とからなり、色素供与層
    と色素受容層を接触させ、画像信号に応じた加熱により
    色素を色素供与層から色素受容層へ移行させて記録させ
    る熱転写記録用材料において、該熱転写受像材料を構成
    する層で色素受像層を設けた側の少なくとも一層に有機
    及び/または無機の微粒子を含有し、且つ該色素供与層
    の該バインダー樹脂が非相溶のポリマーブレンドである
    ことを特徴とする熱転写記録用材料。
  2. 【請求項2】色素供与材料及び/または色素受容材料に
    離型剤を含むことを特徴とする請求項(1)記載の熱転
    写記録用材料。
  3. 【請求項3】離型剤が、色素供与材料及び/または色素
    受容材料に変性及び/または無変性のシリコーンオイル
    及び/またはフッ素系の化合物を含有することを特徴と
    する請求項(2)記載の熱転写記録用材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008265333A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Fujifilm Corp 感熱転写シートおよび熱転写方式を用いた画像形成方法

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JP2008265333A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Fujifilm Corp 感熱転写シートおよび熱転写方式を用いた画像形成方法

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