JPH0761147A - 熱転写記録材料 - Google Patents

熱転写記録材料

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JPH0761147A
JPH0761147A JP5210662A JP21066293A JPH0761147A JP H0761147 A JPH0761147 A JP H0761147A JP 5210662 A JP5210662 A JP 5210662A JP 21066293 A JP21066293 A JP 21066293A JP H0761147 A JPH0761147 A JP H0761147A
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JP
Japan
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dye
thermal transfer
layer
image
resin
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Application number
JP5210662A
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English (en)
Inventor
Tomoyoshi Tateishi
朋美 立石
Takayoshi Kamio
隆義 神尾
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子画像信号を用いて熱転写記録を行うシステ
ムにおいて、鉛筆等の筆記が可能で、転写濃度が高く、
記録画像が保存中ににじんで画質が低下することのない
画像記録を得る熱転写記録材料を提供する。 【構成】熱転写色素受像材料の色素受容性物質の少なく
とも一つがN−イミダゾールをモノマー単位に有するビ
ニル樹脂であり、同一層にゼラチンを含有し、熱転写色
素供与材料に用いられる熱移行性色素が該色素受容層に
移行することにより色素受容性物質に水素原子を供与し
て陰イオンとなり得る解離性色素を用いた熱転写記録材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像情報に対応した加熱
により色素を色素供与層から色素受容層へ移行させて記
録させる熱転写方式によって画像記録を行うための、熱
転写記録用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、またそれぞれの情報
処理システムに適した記録方法及び装置も開発、採用さ
れている。このような記録方法の一つとして熱転写記録
方法は、使用する装置が軽量かつコンパクトで騒音がな
く、操作性、保守性にも優れており、カラー化も容易で
あり、最近広く使用されている。この熱転写記録方法に
は大きく分けて熱溶融型と熱移行型の2種類がある。後
者の方法は支持体上にバインダーと熱移行性色素を含有
する色素供与層を有する熱転写色素供与材料を熱転写色
素受像材料と重ね合わせて、色素供与材料の支持体側か
ら熱印加し、熱印加したパターン状に熱移行性色素を記
録媒体(熱転写色素受像材料)に転写させて転写像を得
る方法である。なお、ここで熱移行性の色素とは、昇華
または媒体中での拡散により熱転写色素供与材料から熱
転写色素受像材料へ転写しうる色素をいう。このような
熱転写記録方法において、カラー画像情報をイエロー、
マゼンタ、及びシアンの電気信号に変換し、熱プリンタ
ー装置に伝達し、記録させる。プリントを得るには、色
素供与材料を受像材料に面と面とを重ね合わせて、サー
マルヘッドとプラテンローラーとの間に挿入する。サー
マルヘッドは、電送された信号に応じて通電され加温さ
れる。色素供与材料は裏面からサーマルヘッドにより加
熱される。色素供与材料中の色素は受像材料に移行し、
画像状に記録される。カラー画像の場合は、この操作を
イエロー、マゼンタ、シアン及び場合により黒の色素供
与材料を順次用いて、加熱を行い元のカラー画像に対応
するカラーハードコピーが得られる。従来の熱転写受像
材料は受容層の材料として、例えばポリエステル樹脂、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、
ポリカーボネイト樹脂等を主成分とするポリマー組成物
を一般に用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この熱移行型
の熱転写記録方法に用いられる熱転写受像材料には次の
ような問題点がある。従来の昇華型熱転写記録方法の改
良すべき問題の1つとして油性のペンでは書けるが、水
性のペンや鉛筆では筆記性が非常に悪く、字の線上のイ
ンクが分離したり、全く字が書けないという点が指摘さ
れている。このため、筆記性に優れ、かつ昇華性染料の
受容層への転写性が低下しない様な昇華性染料の開発及
び/または受容層の開発が一層望まれている。従って本
発明の第一の目的は、筆記性に優れる受像層を形成し、
かつ昇華性染料の受容層への転写性が低下しない熱転写
記録用材料を提供することにある。また、従来の熱転写
受像材料の受容層のポリマー組成物は転写性を改良する
と受像層中で色素の熱拡散し易くなるために保存後、記
録画像がにじんでしまう。従って本発明の第二の目的
は、高濃度で印字しても保存後の記録画像がにじまない
受容層のポリマー組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題は、支持体上に
少なくとも熱移行性色素、及びバインダー樹脂よりなる
色素供与層を有する熱転写色素供与材料と、支持体上に
色素受容性物質を含む色素受容層を設けた熱転写色素受
像材料とからなる熱転写記録用材料において、該熱移行
性色素が該色素受容層に移行することにより、該色素受
容性物質に水素原子を供与して陰イオンとなり得る解離
性色素であり、かつ該色素受容性物質の少なくとも一つ
がN−イミダゾール誘導体をモノマー単位に有するビニ
ル樹脂であり、同一層にゼラチンを含有する熱転写記録
用材料によって解決された。また上記N−イミダゾール
誘導体をモノマー単位に有するビニル樹脂は、好ましく
は下記一般式(A)で表される樹脂である。一般式
(A)
【0005】
【化2】
【0006】式中、a1 は水素原子または炭素数1〜4
の置換または無置換アルキル基を表す。D1 は炭素原子
とD2 を連結する2価の基を表す。D2 は水素原子、ハ
ロゲン原子、シアノ基、含窒素複素環基、炭素数1〜1
0の置換または無置換アルキル基を表す。D3 はD1
同義である。D4 はD2 と同義である。D1 とD3 及び
/またはD2 とD4 は互いに同一でも異なっていてもよ
い。b1 ,b2 ,b3はそれぞれ単独に水素原子または
炭素数1〜5のアルキル基、または炭素数6〜15のア
リール基を表わす。l,m,nは各モノマー単位の成分
比(モル百分率)であり、0<l≦100、0≦m<1
00、0≦n<100、また、l+m+n=100であ
る。
【0007】以下本発明に用いる熱転写記録用受像材料
及び熱転写色素供与材料の内容を具体的に説明する。熱
転写色素受像材料には受像層が設けられる。この受像層
は印字の際に熱転写色素供与材料から移行してくる熱移
行性色素を受入れ、熱移行性色素が染着する働きを有し
ている熱移行性色素を受容しうる物質を単独で、または
そのバインダー物質とともに含んでいる厚み0.5〜5
0μm程度の皮膜であることが好ましい。
【0008】本発明の色素受容性物質について詳しく説
明する。本発明に用いられる水溶性バインダーは、ビニ
ル基と塩基性部位をもつモノマーをラジカル重合して合
成することができる。必要に応じてポリマー化した後
に、アミン類を用いて塩基性部位をアルキル化反応を経
て導入してもよい。または、4級アミン化反応を経て、
4級アミノ基を導入してもよい。
【0009】一般式(A)において、a1 として具体的
には、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭
素原子等)、シアノ基または炭素数1〜4のアルキル基
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)を表
す。a1 は好ましくは水素原子、メチル基を表す。D1
及びD3 として具体的には、−OCO−、−COO−、
−(CH2 V −、−SO2 −、−COO−(CH2
V −、−OCO−(CH2 V −(vは1〜3の整数を
表す)、−O−、−CONH−、−CON(R1 )−、
−SO2 N(R1 )−、−CONHCONH−、−CO
NHCOO−又は−C6 4 −(ここで、R1 は水素原
子又はベンゼン環に置換可能な有機基を表わす)の単独
又はこれらの組み合わせにより構成された基を表す。D
1 及びD3 が−C6 4 −を表わす場合、ベンゼン環は
置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲン原子
(例えば塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば
メチル、エチル、プロピル、ブチル、クロロメチル、メ
トキシメチル等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エ
トキシ、プロピオキシ、ブトキシ等)、スルフィン酸基
等が挙げられる。D1 及びD3 は、好ましくは−OCO
−、−OCO−(CH2 V −、−COO−(CH2
V −、−CH2 −又は−C6 4 −CH2 −を表わす。
【0010】D2 及びD4 が三級アミノ基を表す場合、
三級アミノ基は−N(D5 )D6 で表され、D5 及びD
6 は各々独立にR1 と同義である。D5 とD6 は、環構
造を形成してもよく、環構造としては酸素、窒素あるい
は硫黄を含んでもよい5〜6員環を表す。D5 及びD6
は、好ましくは各々独立に炭素数1〜6のアルキル基又
はベンジル基を表す。D2 及びD4 が含窒素複素環基を
表す場合、含窒素複素環基としてはピリジル基が好まし
く、これらは置換されてもよい。その置換基としては上
記R1 が挙げられる。D2 及びD4 が四級カチオン基を
表す場合、四級カチオン基としては、好ましくは四級ア
ンモニウム基、四級イミダゾール基が挙げられる。四級
アンモニウム基は、下記一般式(B)で表される。
【0011】
【化3】
【0012】式(B)中、D5 、D6 、D7 は各々独立
にR1 と同義である。D5 とD6 又はD6 とD7 または
5 とD7 は、環構造を形成してもよく、環構造はD5
とD 6 が形成するものと同義である。Mは置換基中の陽
イオン電荷を中和する陰イオンを表す。陰イオンとして
は、無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであっ
てもよく、好ましくは過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、
臭素イオン、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、
p−トルエンスルホン酸イオン等)である。D5
6 、D7 は好ましくは、各々独立に炭素数1〜6のア
ルキル基またはベンジル基を表す。四級イミダゾール基
としては、下記一般式(C)が挙げられる。
【0013】
【化4】
【0014】式(C)中、D8 は上記R1 と同義であ
る。Mは上記と同義である。D8 は好ましくは、置換あ
るいは非置換のアルキル基である。b1 ,b2 ,b3
しては具体的に水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、フェニル基を表し、好ましくはb1
水素原子またはメチル基であり、b2 ,b3 は水素原子
がよい。
【0015】式(A)で示される繰り返し単位は、ゼラ
チン中10モル%〜100モル%含まれる。更には、式
(A)で示される重合体成分とともに該ポリマー中に含
有され得る重合体成分として、該式(A)の重合体成分
と共重合しうる他の繰り返し単位に相当する単量体であ
ればいずれでもよい。好ましくは、ビニル系化合物であ
り、更に具体的には、メタクリル酸エステル類、アクリ
ル酸エステル類、スチレン類、複素環ビニル類等が挙げ
られる。これら他の単量体はイミダゾール基を有する部
分のの全重合体成分中90モル%を超えない範囲で用い
られる。式(A)で示される繰り返し単位とその他の重
合体成分は、ポリマー中にランダム形態でもブロック形
態でも存在してもよい。l,m,n,kは各モノマー単
位の成分比(モル百分率)であり、0<l<100、0
≦m<100、0<n<100、また、l+m+n=1
00である。好ましくは30<l<90、10≦m<5
0、5<n<50であり、更に好ましくは40<l<8
0、20≦m<50、5<n<20である。一般式
(A)で表される本発明のN−イミダゾールをモノマー
重合単位に有するビニル樹脂を含むホモポリマーやコポ
リマーの具体例としては、米国特許第4,282,30
5号、同第4,115,124号、同第3,148,0
61号、特開昭60−118834号、同60−122
941号,特開昭62−244043号、特開昭62−
244036号などに記載されている水溶性バインダー
を含め、以下のものが挙げられる。
【0016】
【表1】
【0017】上記、表1において、P−1,P−6,P
−10が特に好ましい。
【0018】本発明において、上記のビニル樹脂は同一
層にゼラチンを含有する。本発明に用いるゼラチンは、
石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやブリテン・
ソサイヤティ・オブ・ザ・サイエンティフィック・フォ
トグラフィ・オブ・ジャパン(Bull Soc Sci Phot Japa
n)No.16(p)30(1966) に記載されたような酵素処理ゼラ
チンを用いてもよく、またゼラチンの加水分解物や酵素
分解物も用いることができる。さらにゼラチン誘導体、
ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマーやゼラチンと
硬膜剤との架橋生成物も使用できる。また、該ポリマー
媒染剤と共に用いられるゼラチンの量は、ポリマー媒染
剤に対し、重量比で200%以下が適当であり、なかで
も100%以下で使用するのが好ましい。
【0019】本発明において熱転写受像材料の受容層
は、同一層に上記のポリビニル樹脂とゼラチン以外にも
水溶性バインダーを混合して担持する構成としてもよ
い。この場合に用いられる水溶性バインダーとしては公
知の種々の水溶性ポリマーを使用しうるが、硬膜剤によ
り架橋反応しうる基を有する水溶性のポリマーが好まし
く、更に好ましくは下記に記載する水溶性バインダーが
よい。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】本発明の水溶性バインダーの分子量は1×
103 〜1×106 が適当であり、特に1×104 〜2
×105 が好ましい。イミダゾール基をペンダントに有
するポリビニル樹脂の塗布量は0.2〜15g/m2
適当であり、好ましくは0.5〜8g/m2 で使用する
のが好ましい。
【0023】また、下記に述べる合成樹脂を分散する構
成としてもよい。この場合に用いられる合成樹脂として
は公知の種々の合成樹脂を使用することができる。本発
明で、合成樹脂を分散して使用する場合は、ゼラチンと
上記のポリマー媒染剤の種類や組成、更に用いられる画
像形成過程に応じて当業者が容易に定めることができる
が、好ましくは、(ゼラチン+ポリビニル樹脂)/合成
樹脂比が10/90〜100/0で用いるのが好まし
い。合成樹脂としては転写シートから移行してくる染料
を受け入れるものであれば通常の合成樹脂が用いられ
る。本発明において、上記ポリビニル樹脂と共に用いら
れる合成樹脂の具体例を以下に挙げる。 (イ)エステル結合を有するもの。 テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等のジカルボン
酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、
カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プルピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA等の
縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタ
クリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルア
クリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル
酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン
アクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂
等。具体的には特開昭59─101395号、同63─
7971号、同63─7972号、同63─7973
号、同60─294862号に記載のものを挙げること
ができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン2
90、バイロン200、バイロン280、バイロン30
0、バイロン103、バイロンGK−140、バイロン
GK−130、花王製のATR−2009、ATR−2
010、ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3
210、XA−8153、日本合成化学製のポリエスタ
ーTP−220、R−188等が使用できる。 (ロ)ウレタン結合を有するもの。 ポリウレタン樹脂等。 (ハ)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂等。 (ニ)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 (ホ)スルホン結合を有するもの。 ポリスルホン樹脂等。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの。 ポリカプロラクトン樹脂、スチレン─無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂
等。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体等も使用できる。
【0024】受容層には必要に応じて保護層、剥離層、
カール防止層等の補助層を設けることができる。特に保
護層を設けるのは有用である。受容層の厚さは全体で
0.5〜50μm、特に3〜30μmの範囲が好まし
い。2層構成の場合、最外層は0.1〜2μm、特に
0.2〜1μmの範囲にするのが好ましい。
【0025】本発明に用いられる熱移行性の色素は、熱
移行性色素が色素受容層に移行することにより、色素受
容性物質に水素原子を供与して陰イオンとなり得る解離
性色素である。解離性の置換基としては、置換された色
素のpkaが12以下のものが好ましく、特にpkaが
7以下のものが好ましい。解離性の置換基は上記の性質
を有するものなら公知の置換基が利用できるが、具体的
には、フェノール性水酸基、カルボン酸基、スルホン酸
基、エノール性水酸基、スルホニルアミノ基、活性メチ
レン基、−CONHCO−、−SO2 NHCO−、−S
2 NHSO2 −または−NH−の構造を含むヘテロ環
などである。また、従来公知の解離性色素として、特開
平3−90387、同3−114890、同3−836
87、同3−83688、同3−83689、同3−9
2385、同3−92386の色素を用いることができ
る。
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】上記の本発明に用いられる色素の合成法と
しては、従来の合成法が用いられるが、例えば、各々の
色素に対するカプラー化合物とp−ヒドロキシアニリン
化合物の酸化カップリング(X1 が−N=の時)又はカ
プラー化合物とp−ヒドロキシアリールアルデヒドの脱
水縮合反応(Xが−CR100 =の時)で合成することが
できる。
【0031】また、上記の色素と共に用いるバインダー
樹脂としては、このような目的に従来公知であるバイン
ダー樹脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が
高く、しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないも
のが選択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リアクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、
ポリアクリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニト
リル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどの部
分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系樹脂、ロジン
誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペン系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン)などが用いられる。このようなバインダー樹脂
は、例えば色素100重量部当たり約20〜600重量
部の割合で使用するのが好ましい。本発明において、上
記の色素およびバインダー樹脂を溶解または分散するた
めのインキ溶剤としては、従来公知のインキ溶剤が自由
に使用できる。
【0032】熱転写色素受像材料中、特に受像層中には
熱移行性色素を受容しうる物質として、または色素の拡
散助剤として高沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させる
ことができる。高沸点有機溶剤及び熱溶剤の具体例とし
ては特開昭62─174754号、同62─24525
3号、同61─209444号、同61─200538
号、同62─8145号、同62─9348号、同62
─30247号、同62─136646号に記載の化合
物を挙げることができる。
【0033】本発明に用いられる受像シートの支持体と
しては転写温度に耐えることができ、平滑性、白色度、
滑り性、摩擦性、帯電防止性、転写後のへこみ等の点で
要求を満足できるものならばどの様なものでも使用でき
る。例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン
系等の合成紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャス
トコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジ
ョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添
紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート
紙、(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)等の紙支
持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリスチレンメタクリレート、ポリカ
ーボネイト等の各種プラスチックフィルムまたはシート
と該プラスチックに白色反射性を与える処理をしたフィ
ルムまたはシート、また上記の任意の組合せによる積層
体も使用できる。透過観察用(例えばOHP等)の受像
材料の支持体としては、熱転写処理に耐える程度の耐熱
性だと、転写画像が観察できる程度の透明性を有してい
れば、一般に知られている支持体が用いられる。具体的
には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリカー
ボネイト、ポリアミド、ポリスチレン、エチレン/酢酸
ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合
体、アイオノマー、アセチルセルロース、セルロースエ
ステル、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ
フェニレンサルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリア
クリレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂フィル
ムが用いられる。透明性、屈曲性、耐熱性等を考慮した
場合、ポリエステル、ポリカーボネイト、ポリアミド等
のフィルムが好ましい。なかでも、ポリエチレンテレフ
タレート及びポリエチレンナフタレートのフィルムが特
に好ましい。これらの樹脂フィルムは単独で用いても良
いし、積層フィルムの形で使用してもよい。これらの支
持体の厚みは、通常25mμ〜360μmで、好ましく
は75mμ〜200μm程度である。
【0034】本発明において、熱転写受像材料は、支持
体と受容層の間に中間層を有してもよい。中間層は構成
する材質により、クッション層、多孔層、色素の拡散防
止層のいずれか又はこれらの2つ以上の機能を備えた層
であり、場合によっては接着剤の役目も兼ねている。色
素の拡散防止層は、特に熱移行性色素が支持体に拡散す
るのを防止する役目を果たすものである。この拡散防止
層を構成するバインダーとしては、水溶性でも有機溶剤
可溶性でもよいが、水溶性のバインダーが好ましく、そ
の例としては前述の受容層のバインダー、特にゼラチン
が好ましい。多孔層は、熱転写時に印加した熱が受容層
から支持体へ拡散するのを防止し、印加された熱を有効
に利用する役目を果たす層である。
【0035】本発明において、熱転写受像材料を構成す
る受容層、クッション層、多孔層、拡散防止層、接着層
等には、シリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アル
ミニウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、リトボン、酸化
チタン、アルミナ等の微粉末を含有させてもよい。
【0036】熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いても
よい。その例としては、K.Veenkatarama
n編「The Chemistry of Synth
etic Dyes」第V巻、第8章、特開昭61−1
43752号等に記載されている化合物を挙げることが
できる。より具体的には、スチルベン系化合物、クマリ
ン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル
系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合
物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾオキサ
ゾールチオフェン系化合物等が挙げられる。蛍光増白剤
は褪色防止剤と組み合わせて用いることができる。
【0037】熱転写色素供与材料の支持体としては従来
告知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラ
シン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、フッ素
ポリマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフ
ィン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリ
プロピレン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。また、親水性のポリマーよりなる色素の拡散防止層
を支持体と色素供与層の中間に設けてもよい。
【0038】熱移行性色素を用いた熱転写色素供与材料
は、基本的には、支持体上に熱によって可動性になる色
素とバインダーを含有する色素供与層を有するものであ
る。この熱転写色素供与材料は、従来公知である熱によ
って昇華するか可動性になる色素とバインダー樹脂とを
適当な溶剤中に溶解または分散させて塗布液を調製し、
これを従来公知の熱転写色素供与材料の支持体の一方の
面に、例えば約0.2〜5μm、好ましくは0.4〜2
μmの乾燥膜厚になる塗布量で塗布、乾燥して色素供与
層を形成することによって得られる。色素供与層は一層
で形成されていてもよいが、多数回繰り返し使用する方
法に用いる場合等のために、二層以上の構成で形成して
もよい。この場合、各層中の色素含有量や、色素/バイ
ンダー比はそれぞれ異なっていてもよい。このような色
素供与層の形成に有用である色素としては、従来熱転写
色素供与材料に使用されている色素はいずれも使用でき
る。本発明で好ましいものは約150〜800程度の小
さい分子量を有するものであり、特に好ましくは求電子
置換基及び/または解離してアニオン性を帯びる置換基
を有する熱移行性色素であり、転写温度、色相、耐光
性、インキおよびバインダー樹脂中での溶解性、分散性
等を考慮して選択される。色素塗布量は、0.03〜5
g/m2 、好ましくは0.1〜2g/m2 である。
【0039】また、サーマルヘッドが色素供与材料に粘
着するのを防止するためにスリッピング層を設けてもよ
い。このスリッピング層はポリマーバインダーを含有し
たあるいは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固
体あるいは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成さ
れる。色素供与材料には背面より印字するときにサーマ
ルヘッドの熱によるスッティキングを防止し、滑りをよ
くする意味で、支持体の色素供与層を設けない側にスッ
ティキング防止処理を施すのがよい。例えば、(1)ポ
リビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの反応生成
物、(2)リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアル
カリ土類金属塩、および(3)充填剤を主体とする耐熱
スリップ層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹
脂としては分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点
が80〜110℃であるもの、またイソシアネートとの
反応サイトが多い観点からビニルブチラール部分の重量
%が15〜40%のものがよい。リン酸エステルのアル
カリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学
製のガファックRD720等が用いられ、ポリビニルブ
チラール樹脂に対して1〜50重量%、好ましくは10
〜40重量%程度用いるとよい。耐熱スリップ層は下層
に耐熱性を伴うことが望ましく、加熱により硬化しうる
合成樹脂とその硬化剤の組み合わせ、例えばポリビニル
ブチラールと多価イソシアネート、アクリルポリオール
と多価イソシアネート、酢酸セルロースとチタンキレー
ト剤、もしくはポリエステルと有機チタン化合物等の組
み合わせを塗布により設けるとよい。
【0040】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。
【0041】色素供与層は、印字したとき所望の色相を
転写できるように色相を選択し、必要に応じて色相の異
なる二層以上の色素供与層を一つの熱転写色素供与材料
に並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号に応
じて各色の印字を繰り返してカラー写真のような画像を
形成するときには、印字したときの色相がシアン、マゼ
ンタ、イエローの各色であることが望ましく、このよう
な色相を与える色素を含有する3つの色素供与層を並べ
る。あるいは、シアン、マゼンタ、イエローに加えて更
にブラックの色相を与える色素を含有する色素供与層を
追加してもよい。なお、これら色素供与層の形成の際に
いずれかの色素供与層の形成と同時に位置検出用のマー
クを設けると、色素供与層形成とは別のインキや印刷工
程を要しないので好ましい。
【0042】本発明の色素供与材料は、シート形態また
は連続のロールもしくはリボンとして使用される。連続
のロールもしくはリボンを使用する場合には、唯一種の
色素を有するか、あるいは熱移行性のシアン及び/また
はマゼンタ及び/またはイエロー及び/またはブラック
その他の色素のような相異する色素の域を別々に有す
る。すなわち、一色、二色、三色、または四色の材料が
(あるいは更に多色の材料も)、本発明の範囲内に含ま
れる。
【0043】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料及び/または受像材料を構成する層中、特に好まし
くは両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を
含有させるのが好ましい。離型剤としては、ポリエチレ
ンワックス、アミドワックス、シリコン系樹脂の微粉
末、フッ素系樹脂の微粉末等の固形あるいはワックス状
物質:フッ素系、リン酸エステル系等の界面活性剤:パ
ラフィン系、シリコーン系、フッ素系のオイル類等、従
来公知の離型剤がいずれも使用できるが、特にシリコー
ンオイルが好ましい。
【0044】シリコーンオイルとしては、無変性のもの
以外にカルボキシ変性、アミノ変性、エポキシ変性、ポ
リエーテル変性、アルキル変性等の変性シリコーンオイ
ルを単独あるいは2種以上併用して用いることができ
る。その例としては、信越シリコーン(株)発行の「変
性シリコーンオイル」技術資料の6〜18B頁に記載の
各種変性シリコーンオイルを挙げることができる。有機
溶剤系のバインダー中に用いる場合は、このバインダー
の架橋剤と反応しうる基(例えばイソシアネートと反応
しうる基)を有するアミノ変性シリコーンオイルが、ま
た水溶性バインダー中に乳化分散して用いる場合は、カ
ルボキシ変性シリコーンオイル(例えば信越シリコーン
(株)製:商品名X−22−3710)あるいはエポキ
シ変性シリコーンオイル(例えば信越シリコーン(株)
製:商品名KF−100T)が有効である。
【0045】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に敵している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド等)、アジ
リジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系
硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニル
アセタミド)エタン等)、N−メチロール系硬膜剤(ジ
メチロール尿素等)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭6
2−234157号等に記載の化合物)が挙げられる。
【0046】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。
【0047】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系化合物(米国特許第3,533,794号等)、4
−チアゾリドン系化合物(米国特許3,352,681
号等)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−278
4号等)、その他の特開昭54−48535号、同62
−136641号、同61−88256号等に記載の化
合物がある。また、特開昭62−260152号記載の
紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯体として
は、米国特許第4,241,155号、同第4,24
5,018号第3〜36欄、同第4,254,195号
第3〜8欄、特開昭62−174741号、同61−8
8256号(27)〜(29)ページ、特開平1−75
568号、特開昭63−199248号等に記載されて
いる化合物がある。
【0048】有用な褪色防止剤の例は特開昭62−21
5272号(125)〜(137)ページに記載されて
いる。受像材料に転写された色素の褪色を防止するため
の褪色防止剤は予め受像材料に含有させておいてもよい
し、色素供与材料から転写させる等の方法で外部から受
像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせ
て使用してもよい。
【0049】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活
性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤を用いる
ことができる。これらの具体例は特開昭62−1734
63号、同62−183457号等に記載されている。
【0050】また、熱移行性色素を受容しうる物質、離
型剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、その他
の疎水性化合物を本発明のゼラチンとポリビニル樹脂水
溶液中に分散する際には、分散助剤として界面活性剤を
用いるのが好ましい。この目的のためには、上記の界面
活性剤の他に、特開昭59−157636号の37〜3
8ページに記載の界面活性剤が特に好ましく用いられ
る。
【0051】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
マット剤を用いることができる。マット剤としては二酸
化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレート等
の特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物の
他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート
樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズ等の特開昭63−2749
44号、同63−274952号記載の化合物がある。
【0052】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオ
ロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第
8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−13
5826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油等のオイル状フッ素系化合物もしくは四フ
ッ化エチレン樹脂等の固体状フッ素化合物樹脂などの疎
水性フッ素化合物が挙げられる。
【0053】本発明においては、熱転写色素供与材料を
熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ま
しくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマル
ヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギ
ーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像
材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することがで
き、優れた鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得
ることができる。また、褪色防止剤も同様にして転写で
きる。本発明の好ましい実施態様では、色素供与材料は
ポリエチレンテレフタレート支持体をシアン色素、マゼ
ンタ色素及びイエロー色素の逐次繰り返し域で塗布した
ものからなり、前記工程を各色毎に逐次実施して三色の
転写画像を形成する。もちろん、この工程を単色で実施
した際には、モノクロームの転写画像が得られる。
【0054】加熱手段はサーマルヘッドに限らず、レー
ザー光:例えば、アルゴンやクリプトンのようなイオン
ガスレーザー、銅、金及びカドミウムのような金属蒸気
レーザー、ルビーやYAGのような固体レーザー、また
は750〜870nmの赤外域で放出するガリウム−ヒ
素のような半導体レーザー等のレーザーが使用できる。
しかしながら実際的には、小型、低コスト、安定性、信
頼性、耐久性及び変調の容易さの点で半導体レーザーが
有効である。
【0055】レーザーを用いるシステムでは、熱転写色
素供与材料は、レーザー光を強く吸収する材料を含有す
ることが好ましい。熱転写色素供与材料にレーザー光を
照射すると、この吸収性材料が光エネルギーを熱エネル
ギーに変換し、すぐ近くの色素にその熱を伝達し、色素
は熱転写受像材料に転写される温度(熱移行温度)まで
加熱される。この吸収性材料は色素の下部に層を成して
存在し、及び/または色素と混合される。レーザービー
ムは元の画像の形状及び色を表す電気信号で変調され、
元の対象の色を再構成するため熱転写色素供与材料上に
存在する必要ある領域の色素のみが加熱されて熱移行す
る。
【0056】熱転写色素供与材料から熱転写受像材料に
色素を熱転写するのに、サーマルヘッドへの電気信号に
対応した通電、またはアルゴンやクリプトンのようなイ
オンガスレーザ、銅、金及びカドミウムのような金属蒸
気レーザ、ルビーやYAGのような固体レーザ、又は7
50〜870nmの赤外域で放出するガリウム−ヒ素の
ような半導体レーザなど数種のレーザによる加熱が使用
できる。しかしながら実際的には、小型、低コスト、安
定性、信頼性、耐久性及び変調の容易さの点で半導体レ
ーザーが有利である。
【0057】本発明において、熱転写色素供与材料は熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載を参照できる。
【0058】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、発明の主旨を越えない限り、以下の具体例に
限定されるものではない。
【0059】実施例1 〔熱転写色素供与材料の作成〕:表2:1〜18 片面に熱硬化アクリル樹脂からなる耐熱滑性層を設けた
厚さ6μm、幅95mmのポリエステルフィルムを支持
体とし、この支持体の耐熱滑性層を設けた側と反対側の
面に、墨版用グラビアインクにて20mm長の検知マー
クと下記組成の色素供与層形成用インク組成物におい
て、昇華型熱転写用色素を表2に示したように種々変え
て、乾燥後の塗布量が1.2g/m2 となるように長さ
170mmで面順次に塗布して色素供与材料1〜18を
作成した。 (熱転写色素供与層塗布用インク組成物) 解離性色素〔表2〕 3g ポリビニルブチラール樹脂 3g (電気化学製デンカブチラール5000─A) シリコーンオイル(信越化学製KF−96) 0.05ml トルエン 50ml メチルエチルケトン 50ml ポリイソシアネート 0.05ml (武田薬品製タケネートD110N)
【0060】
【表2】
【0061】〔熱転写色素受像材料の作成〕:表4:1
〜16 表3に示した支持体上に下記組成の色素受像層塗布液組
成物において、色素受容性の樹脂を表4に示すように種
々かえて、ワイヤーバーコーティング法により乾燥後の
厚さが8μmとなるように塗布して熱転写色素受像材料
1〜16を作製した。サンプルサイズは100mm×1
40mmにカットした。
【0062】
【表3】
【0063】 (熱転写色素受像材料塗布用組成物) 樹脂〔表4〕 15g ゼラチン 10g 硬化剤〔表4〕 4g 離型剤(信越シリコーン製シリコーンオイルSF−8421) 0.2g 水 145g
【0064】
【表4】
【0065】上記のようにして得られた色素供与材料1
〜18と色素受像材料1〜16を表5、表6に示した組
合せで、各々色素供与層と受像層が接するように重ね合
わせて、熱転写色素供与材料の支持体側から、サーマル
ヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ド
ット、パルス幅0.1〜10msec、ドット密度6ド
ット/mmの条件で加熱を行い、受像材料の受容層に色
素を像状に染着させた。このとき得られた記録済みの受
像材料の濃度が飽和している部分(Dmax ) を、反射型
濃度計(X Rite Inc.製、ステータスAフイ
ルター内蔵)を用いて画像の反射濃度を測定した。記録
後の受像シートに鉛筆で文字が記入できるかHB鉛筆、
ボールペン等で試験した。筆記可能だったものを○、筆
記できない場合を×で表した。そして、記録済みの受像
材料を60℃のオーブンに2週間放置した後の画像のに
じみの程度を観察した。判定基準は、画像が200倍前
後の光学顕微鏡で観て保存前とほとんど変化しないもの
を◎、少しにじむが目視では殆どボケていると感じない
ものを○、少しにじんでいると目視で感じるものを△、
非常ににじんでぼけるものを×で表示した。結果を順に
下記表5、表6に示した。
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】表5、表6に示されるように、本発明の昇
華型熱転写色素受像材料を用いると、鉛筆で筆記でき、
画像の転写濃度は高く、更に、記録済み受像材料の保存
中の画像のにじみも見られなかった。しかし、比較例の
ものを用いると鉛筆で筆記できず、転写濃度は低く、記
録画像保存中の画像のにじみや色移りが見られた。
【0069】
【発明の効果】本発明の熱転写記録材料を用いることに
より、鉛筆で筆記でき、転写濃度が高く、記録画像が保
存中ににじんで画質が低下することのない画像記録を得
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも熱移行性色素、及
    びバインダー樹脂よりなる色素供与層を有する熱転写色
    素供与材料と、支持体上に色素受容性物質を含む色素受
    容層を設けた熱転写色素受像材料とからなる熱転写記録
    用材料において、該熱移行性色素が該色素受容層に移行
    することにより、該色素受容性物質に水素原子を供与し
    て陰イオンとなり得る解離性色素であり、かつ該色素受
    容性物質の少なくとも一つがN−ビニルイミダゾール誘
    導体をモノマー単位に有するビニル樹脂であり、同一層
    にゼラチンを含有することを特徴とする熱転写記録用材
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1において、N−ビニルイミダゾ
    ール誘導体をモノマー単位に有するビニル樹脂が下記一
    般式(A)で表される樹脂であることを特徴とする請求
    項1記載の熱転写録用材料。一般式(A) 【化1】 式中、a1 は水素原子または炭素数1〜4の置換または
    無置換アルキル基を表す。D1 は炭素原子とD2 を連結
    する2価の基を表す。D2 は水素原子、ハロゲン原子、
    シアノ基、含窒素複素環基、炭素数1〜10の置換また
    は無置換アルキル基を表す。D3 は炭素原子とD4 を連
    結する2価の基を表す。D4 はD2 と同議である。D1
    とD3 及び/またはD2 とD4 は互いに同一でも異なっ
    ていてもよい。b1 ,b2 ,b3 はそれぞれ単独に水素
    原子または炭素数1〜5のアルキル基、または炭素数6
    〜15のアリール基を表わす。l,m,nは各モノマー
    単位の成分比(モル百分率)であり、0<l≦100、
    0≦m<100、0≦n<100、また、l+m+n=
    100である。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6183851B1 (en) * 1997-06-09 2001-02-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Ink jet image recording medium

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US6183851B1 (en) * 1997-06-09 2001-02-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Ink jet image recording medium

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