JPH06115270A - 熱転写受像材料 - Google Patents

熱転写受像材料

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JPH06115270A
JPH06115270A JP4284947A JP28494792A JPH06115270A JP H06115270 A JPH06115270 A JP H06115270A JP 4284947 A JP4284947 A JP 4284947A JP 28494792 A JP28494792 A JP 28494792A JP H06115270 A JPH06115270 A JP H06115270A
Authority
JP
Japan
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group
dye
layer
chemical
thermal transfer
Prior art date
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Pending
Application number
JP4284947A
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English (en)
Inventor
Hideo Usui
英夫 臼井
Mitsugi Tanaka
貢 田中
Toru Kamosaki
徹 鴨崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP4284947A priority Critical patent/JPH06115270A/ja
Publication of JPH06115270A publication Critical patent/JPH06115270A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱転写記録において画像保存性特に光堅牢性
に優れた熱転写受像材料を提供する。 【構成】 支持体上に熱転写色素供与材料の色素供与層
から熱印加により移行する熱移行性色素を受容しうる受
像層を有してなる熱転写受像材料において、該受像層が
褪色防止基または紫外線防止基を分子中に有するシリコ
ーン化合物を含有することを特徴とする熱転写受像材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録法に用いる熱
転写受像材料に関するものであり、特に画像保存安定性
に優れた熱転写受像材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、またそれぞれの情報
処理システムに適した記録方法および装置も開発、採用
されている。このような記録方法の一つとして熱転写記
録方法は、使用する装置が軽量かつコンパクトで騒音が
少なく、操作性、保守性にも優れており、カラー化も容
易であり、最近広く使用されている。この熱転写記録方
法には大きく分けて熱溶融型と熱移行型の2種類があ
る。後者の方法は支持体上にバインターと熱移行性色素
を含有する色素供与層を有する熱転写色素供与材料を熱
転写受像材料と重ね合わせて、色素供与材料の支持体側
から熱印加し、熱印加したパターン状に熱移行性色素を
記録媒体(熱転写受像材料)に転写させて転写像を得る
方法である。なお、ここで熱移行性の色素とは、昇華ま
たは媒体中での拡散により熱転写色素供与材料から熱転
写受像材料へ転写しうる色素をいう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱転写
受像材料を用いて得られる画像は、画像の保存安定性、
特に光堅牢性が十分でなく画像を太陽光または蛍光灯な
どに長時間暴露すると画像の色相が変化したり画像濃度
が低下するなどの問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、受像層中に
少なくとも1種の褪色防止基又は紫外線吸収基を分子内
に有するシリコーン化合物を添加することにより解決さ
れた。これまで褪色防止剤、紫外線吸収剤を受像層中に
添加し、画像の保存安定性を良化させる手段はすでに考
案されている。しかし、従来知られている褪色防止剤や
紫外線吸収剤は受像層中に均一に分布し、熱転写により
転写される色素は表面に転写されるため下層への浸透が
遅れどうしても受像層表面に色素は多く存在し、褪色防
止剤や紫外線吸収剤の存在比率が低くなり、充分な効果
を与えるためには褪色防止剤や紫外線吸収剤を多く添加
する必要があった。褪色防止剤や紫外線吸収剤を多く添
加すると、これらが低分子化合物であるため、熱により
色素の移動を助長し熱転写時に画像がにじみ易くなるこ
と、保存時にも徐々に色素が移動してにじみ易くなるこ
と、重ねて保存すると再転写し易くなること、等の問題
を克服できなかった。本発明では、褪色防止剤や紫外線
吸収剤をシリコーン化合物に化学的に結合することによ
り、受像層の熱可塑性樹脂との相容性を適度に低下さ
せ、これら色像の保存性に有効な化合物を色素が多く存
在する受像層表面付近に多く分布させることが可能とな
った。色素の多く分布する受像層表面付近に集中的に褪
色防止剤又は紫外線吸収剤を存在させることにより、褪
色防止効果が充分出せるようになり、かつ、全体への添
加量を減らすことで副作用の発生を抑えることが可能と
なった。
【0005】本発明に用いる褪色防止基又は紫外線吸収
基を分子内に有するシリコーン化合物は、好ましくは下
記一般式(I)〜(VI)で表される。
【0006】
【化1】
【0007】式(I)中、R1 、R2 、R3 及びR
4 は、各々独立に、低級アルキル基、アラルキル基、ま
たはアリール基を、X1 は水素原子、アシル基、または
2 を、X2 は紫外線吸収基または褪色防止基を結合し
たアシル基を、mは10以上の数を、nは5以上の数を
表わす。
【0008】
【化2】
【0009】式(II)中、R1 、R2 、R3 、R4 、m
およびnは式(I)のそれと同義であり、X3 は紫外線
吸収基又は褪色防止基を結合したアシル基を表わす。
【0010】
【化3】
【0011】式(III)中、X4 は水素原子又はX5 と同
一を、X5 は紫外線吸収基または褪色防止基を結合した
アシル基を、n′は8以上30以下の数を表わす。
【0012】
【化4】
【0013】式(IV)中、mおよびnは式(I)のそれ
と同義であり、X6 は紫外線吸収基または褪色防止基を
結合した、アルキル基又はアシル基を表わす。
【0014】
【化5】
【0015】式(V)中、n′は式(III)のそれと同義
であり、R5 及びR6 は、各々独立に、アルキレン基ま
たはアリーレン基を、X7 は水素原子又は紫外線吸収基
もしくは褪色防止基を結合したアシル基を、X8 は紫外
線吸収基または褪色防止基を結合したアシル基を表わ
す。
【0016】
【化6】
【0017】式(VI)中、R7 はアルキレン基またはア
リーレン基を、X9 は紫外線吸収基または褪色防止基を
結合した、アミノ基又はアルコール残基を表わす。
【0018】本発明に用いる前記一般式(I)〜(VI)
で表されるシリコーン化合物について以下に詳しく説明
する。R1 、R2 、R3 及びR4 は、各々独立に、炭素
数1〜4の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、
n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチ
ル、t−ブチル等)、炭素数7〜8のアラルキル基(例
えば、ベンジル、フェネチル等)または炭素数6〜10
のアリール基(例えば、フェニル等)を表す。R5 、R
6 及びR7 は、各々独立に、アルキレン基(例えば、メ
チレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等)またはア
リーレン基(例えば、フェニレン等)を表す。X1 は水
素原子、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル
等)、またはX2を表す。mは10以上の数を、好まし
くは10〜1000の数を表す。nは5以上の数を、好
ましくは5〜1000の数を表わす。n′は8以上10
0以下の数を、好ましくは10〜30の数を表わす。
【0019】X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X
7 、X8 が紫外線吸収基を結合したアシル基を表わす場
合の具体例としては、例えば、下記化7に記載のものが
挙げられる。
【0020】
【化7】
【0021】X1 、X2 、X3 、X4 、X5 、X6 、X
7 、X8 が褪色防止基を結合したアシル基を表わす場合
の具体例としては、例えば、下記化8に記載のものが挙
げられる。
【0022】
【化8】
【0023】X6 が紫外線吸収基を結合したアルキル基
を表わす場合の具体例としては、例えば、下記化9に記
載のものが挙げられる。
【0024】
【化9】
【0025】X6 が褪色防止基を結合したアルキル基を
表わす場合の具体例としては、例えば、下記化10に記
載のものが挙げられる。
【0026】
【化10】
【0027】X9 が紫外線吸収基を結合したアミノ基を
表わす場合の具体例としては、例えば、下記化11に記
載のものが挙げられる。
【0028】
【化11】
【0029】X9 が褪色防止基を結合したアミノ基を表
わす場合の具体例としては、例えば、下記化12に記載
のものが挙げられる。
【0030】
【化12】
【0031】X9 が紫外線吸収基を結合したアルコール
残基を表わす場合の具体例としては、例えば、下記化1
3に記載のものが挙げられる。
【0032】
【化13】
【0033】X9 が褪色防止基を結合したアルコール残
基を表わす場合の具体例としては、例えば、下記化14
に記載のものが挙げられる。
【0034】
【化14】
【0035】本発明において、紫外線吸収剤としては以
下の一般式(A−I)〜(A−IV)で表される化合物が
挙げられる。
【0036】
【化15】
【0037】上記一般式(A−I)〜(A−IV)におい
て、R11〜R15は同じでも異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、アシルオキシ基、脂肪族基、芳香族
基、R27O−またはR27SO2−を表し、R16〜R19
同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原
子、ヒドロキシ基、脂肪族基、芳香族基、カルボンアミ
ド基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシ基また
はR27O−を表し、R20及びR21は同じでも異なってい
てもよく、水素原子、脂肪族基、ハロゲン原子またはR
27O−を表し、R22、R25及びR26は同じでも異なって
いてもよく、水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し
(ただしR25とR26は同時に水素原子であることはな
い。)、R23及びR24は同じでも異なっていてもよく、
シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、フォル
ミル基、−COR27、−SOR27、−SO227、−S
2OR27または−COOR27を表す。R27は脂肪族基
または芳香族基を表す。ここで脂肪族基とは置換もしく
は無置換の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を
示し、芳香族基とは置換もしくは無置換の単環または縮
合環のベンゼン環よりなる基を示す。以下に紫外線吸収
剤の具体例を示すが本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】本発明において、褪色防止剤としては以下
の一般式(B−I)〜(B−V)で表される化合物が挙
げられる。
【0041】
【化18】
【0042】一般式(B−I)において、R1は好まし
くは水素原子、炭素数1〜22のアルキル基(例えば、
メチル、エチル、プロピル、n−オクチル、ドデシル、
ヘキサデシル等)、アシル基(例えば、アセチル、ベン
ゾイル、ペンタノイル、(2,4−ジ−tert−アミ
ルフェノキシ)アセチルなど)、スルホニル基(例え
ば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル、ベンゼンス
ルホニル、トルエンスルホニル、ヘキサデカンスルホニ
ルなど)、カルバモイル基(例えば、N−メチルカルバ
モイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ドデシル
カルバモイル、N−フェニルカルバモイルなど)、スル
ファモイル基(例えば、N−メチルスルファモイル、
N,N−ジメチルスルファモイル、N−テトラデシルス
ルファモイル、N−フェニルスルファモイルなど)、ア
ルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フェ
ネチルオキシカルボニルなど)、トリアルキルシリル基
(例えば、トリメチルシリル、ジメチルブチルシリルな
ど)を表わす。
【0043】AはCおよびOと共に5員または6員環を
完成するに必要な非金属原子を表わし、この環は置換さ
れていてもよく、好ましい置換基としてアルキル基(例
えば、メチル、t−ブチル、シクロヘキシル、オクチ
ル、ドデシル、オクタデシルなど)、アルコキシ基(例
えば、メトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシなど)、ア
リール基(例えば、フェニルなど)、アリールオキシ基
(例えば、フェノキシなど)、アラルキル基(例えば、
ベンジル、フェネチルなど)、アラルコキシ基(例え
ば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシなど)、アルケ
ニル基(例えば、アリルなど)、N−置換アミノ基(例
えば、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N−アルキ
ル−N−アリールアミノ、ピペラジノなど)、ヘテロ環
基(例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾイルな
ど)などが挙げられ、また、縮合環を形成する残基によ
って置換されていてもよい。上記アルキル基及びアリー
ル基は好ましい置換基としてハロゲン原子、ヒドロキシ
基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオ
キシ基、スルホ基、スルホニルオキシ基、アミド基(例
えば、アセトアミド、エタンスルホンアミド、ベンゾア
ミドなど)、アルコキシ基、アリールオキシ基などで置
換されていてもよい。
【0044】R2 、R3 、R4 はそれぞれ水素原子、ア
ルキル基(例えば、メチル、t−ブチル、シクロペンチ
ル、n−オクチル、t−オクチル、ドデシル、オクタデ
シルなど)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシ
ルなど)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキ
シ、ドデシルオキシなど)、アリール基(例えば、フェ
ニルなど)、アリールオキシ基(例えばフェノキシな
ど)、アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチルな
ど)、アラルコキシ基(例えば、ベンジルオキシ、フェ
ネチルオキシなど)、アルケニル基(例えば、アリルな
ど)、アルケノキシ基(例えば、アリルオキシなど)、
アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンズアミ
ド、(2,4−ジ−tert−アミノフェノキシ)アセ
トアセチルアミノなど)、ハロゲン原子(例えば、クロ
ル原子、ブロム原子など)、アルキルチオ基(例えば、
エチルチオ、ドデシルチオ、オクタデシルチオなど)、
ジアシルアミノ基(例えば、コハク酸イミド、ヒダント
イニルなど)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ
など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボ
ニルなど)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキ
シ、ベンゾイルオキシなど)、アシル基(例えば、メチ
ルカルボニルなど)又はスルホンアミド基を表わし、こ
れらは互いに同じでも異なっていてもよい。
【0045】さらに一般式(B−I)で表わされる化合
物にはAを含む5員または6員環のビススピロ化合物が
包含される。そのうちで本発明に有用なビススピロ化合
物は次の一般式(B−I′)で表わされる。
【0046】
【化19】
【0047】一般式(B−I′)におけるR1及びR1
はそれぞれ一般式(B−I)におけるR1と同じ意味を
表わし、一般式(B−I′)におけるR2、R3、R4
2′、R3′、R4′はそれぞれ一般式(B−I)にお
けるR2、R3、R4と同じ意味を表わす。
【0048】好ましくは分子中に含まれる炭素原子の総
数が40程度までの、前記一般式(B−I)においてR
2 及びR3 の一方が水素原子である5−ヒドロキシクマ
ラン類および6−ヒドロキシクロマン類、並びに一般式
(B−I′)で表わされる6,6′−ジヒドロキシビス
−2,2′−スピロクロマン類が特に有用である。更に
好ましくは一般式(B−I)、並びに一般式(B−
I′)のR2 、R3 、R4 、R2′、R3′、R4′はア
ルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ
基またはアルキルチオ基である。
【0049】
【化20】
【0050】一般式(B−II)中、R1 は一般式(B−
I)で定義したものと同じであり、R5 は好ましくは、
炭素数1〜22の直鎖または分枝鎖アルキル基(例え
ば、メチル、t−ブチル、n−オクチル、t−オクチ
ル、ドデシル、ヘキサデシルなど)、炭素数1〜22の
アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オクチル
オキシ、テトラデシルオキシなど)、アルコキシカルボ
ニル基(例えば、エトキシカルボニルなど)、アリール
チオ基(例えば、フェニルチオなど)、アリールスルフ
ィニル基(例えば、フェニルスルフィニルなど)、アリ
ールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニルな
ど)、アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチルな
ど)、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子な
ど)、アリール基(例えば、フェニル、α−またはβ−
ナフチルなど)、またはアシル基(例えば、アセチル、
ブタノイル、ベンゾイルなど)を表し、R6 は好ましく
は、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基(例えば、
メチル、エチル、t−ブチル、t−オクチル、n−ドデ
シル、n−ヘキサデシルなど)、炭素数1〜22のアル
コキシ基(例えば、メトキシ、n−ブチルオキシ、n−
オクチルオキシ、n−テトラデシルオキシ、2−エチル
ヘキシルオキシなど、但し、R1O−とR6が同一の置換
基であることはない)、炭素数7〜22のアラルキルオ
キシ基(例えば、ベンジルオキシ、β−フェネチルオキ
シなど、但し、R1O−とR6が同一の置換基であること
はない)、炭素数1〜22のアルキルチオ基(例えば、
メチルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ、ヘキサデシ
ルチオなど)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチ
オ、β−フェネチルチオなど)、炭素数2〜22のアシ
ルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾアミドな
ど)、炭素数2〜22のアシル基(例えば、アセチル、
ブタノイル、ベンゾイルなど)、炭素数1〜22のアル
キルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、
N,N−ジメチルアミノ、N−メチル−N−ドデシルア
ミノなど)、炭素数6〜22のアリールアミノ基(例え
ば、フェニルアミノ、N−フェニル−N−メチルアミ
ノ、β−ナフチルアミノなど)、またはヘテロ環アミノ
基(例えば、下記化21など)を表す。
【0051】
【化21】
【0052】R7 は、好ましくは、水素原子、ハロゲン
原子(例えば、塩素原子、臭素原子など)、炭素数1〜
22のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチ
ル、t−オクチル、t−アミル、t−ヘキシル、n−ヘ
キサデシルなど)、炭素数6〜22のアリールチオ基
(例えば、フェニルチオなど)、炭素数1〜22のアル
キルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、ドデ
シルチオ、オクタデシルチオなど)、炭素数6〜22の
アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニルな
ど)、炭素数6〜22のアリールスルフィニル基(例え
ば、フェニルスルフィニルなど)、炭素数7〜32のア
ラルキル基(例えば、ベンジル、α−またはβ−フェネ
チルなど)、炭素数6〜32のアリール基(例えば、フ
ェニル、α−またはβ−ナフチルなど)、炭素数6〜3
2のアリールジチオ基または炭素数6〜22のアリール
オキシ基を表わす。また上記R5 、R6 、R7 の置換基
は、さらにR5 、R6 、R7 に記載の任意の置換基又は
ヒドロキシル基で置換されていてもよい。
【0053】一般式(B−II)で示されるもののうち本
発明の効果の点で好ましいのは一般式(B−II′)で表
わされる化合物である。
【0054】
【化22】
【0055】一般式(B−II′)において、Bは、−S
−、−S−S−、−O−、−CH2−S−CH2 −、−
SO2 −、−SO−、−CH2 −O−CH2 −、
【0056】
【化23】
【0057】を示す。R21、R22、R23、R24は好まし
くは、各々水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜2
0の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキ
ルチオ基、アルコキシ基、アリールチオ基、アラルキル
コキシ基、アリールオキシ基、−COOR29、−NHC
OR29、−NHSO2 29、−SO2 29、−O−CO
29
【0058】
【化24】
【0059】を示す。R25は水素原子、アルキル基又は
アリール基を示し、R26、R27は各々水素原子、アルキ
ル基、アリール基または互いに結合し、置換された5員
もしくは6員の環を示す。R28は水素原子またはメチル
基を示す。R29はアルキル基又はアリール基を示し、R
30、R31は各々水素原子、アルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基、アラルキル基または互いに結合し、前記した
任意の置換基を有する5員もしくは6員のヘテロ環を示
す。Zは
【0060】
【化25】
【0061】を示す。Aはエステル基または
【0062】
【化26】
【0063】を示す。m、nは1〜3の整数を示す。
【0064】
【化27】
【0065】一般式(B−III)中、R8 は、好ましくは
水素原子、炭素数1〜22の直鎖、分岐鎖アルキル基
(例えば、メチル、エチル、t−ブチル、t−オクチ
ル、i−プロピル、t−ペンチル、t−ヘキシル、n−
オクタデシル、3−メチル−3−ペンチル、3−エチル
−3−ペンチルなど)、または炭素数3〜22のアルケ
ニル(例えば、アリル、1−t−ブチル−1−アリルな
ど)を表し、R9 は、好ましくは炭素数1〜22の直
鎖、分岐鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、t−
ブチル、t−オクチル、i−プロピル、t−ペンチル、
t−ヘキシル、n−オクタデシル、3−メチル−3−ペ
ンチル、3−エチル−3−ペンチルなど)、または炭素
数3〜22のアルケニル基(例えば、アリル、1−t−
ブチル−1−アリルなど)を表し、R8 とR9 は互いに
同じでも異なっていてもよい。またR1は一般式(B−
I)のR1 と同一の意味を表わす。また、上記置換基R
8 、R9 は置換基内に−NHCO−結合を有してもよ
い。
【0066】
【化28】
【0067】一般式(B−IV)中、R10はアルキル基
(例えば、メチル、エチル、プロピル、n−オクチル、
tert−オクチル、ベンジル、ヘキサデシルなど)、
アルケニル基(例えば、アリル、オクテニル、オレイル
など)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチルな
ど)、アラルキル基(例えば、ベンジルなど)、ヘテロ
環基(例えば、テトラヒドロピラニル、ピリミジルな
ど)またはR18CO−、R19SO2 −もしくはR20NH
CO−で表される基を表す。ここで、R18、R19および
20は各々アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、n−ブチル、n−オクチル、tert−オク
チル、ベンジルなど)、アルケニル基(例えば、アリ
ル、オクテニル、オレイルなど)、アリール基(例え
ば、フェニル、メトキシフェニル、ナフチルなど)また
はヘテロ環基(例えば、ピリジル、ピリミジルなど)を
表す。R11およびR12は各々水素原子、ハロゲン原子
(例えば、沃素、塩素、臭素など)、アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、n−ブチル、ベンジルなど)、ア
ルケニル基(例えば、アリル、ヘキセニル、オクテニル
など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、
ベンジルオキシなど)、又はアルケノキシ基(例えば、
2−プロペニロキシ、ヘキセニロキシなど)を表し、R
13、R14、R15、R16、R17は各々水素原子、アルキル
基(例えば、メチル、エチル、n−ブチル、ベンジルな
ど)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル、ヘキセ
ニル、オクテニルなど)、またはアリール基(例えば、
フェニル、メトキシフェニル、クロルフェニル、ナフチ
ルなど)を表す。
【0068】
【化29】
【0069】一般式(B−V)中、Bは5員〜7員環を
形成するのに必要な非金属原子群(例えば、ピロリジン
環、ピペラジン環、モルホリン環、ピペリジン環などを
形成するに必要な非金属原子群)を表す。R40は水素原
子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−オクチ
ル、ベンジル、ヘキサデシルなど)、アルケニル基(例
えば、アリル、オレイルなど)、アルキニル基(例え
ば、エチニル、プロピニルなど)、アシル基(例えば、
アシル、ベンゾイル、ペンタノイルなど)、スルホニル
基(例えば、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、
トルエンスルホニル、ヘキサデカンスルホニルなど)、
スルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル、ベンゼ
ンスルフィニル、ブタンスルフィニルなど)、オキシラ
ジカル基または水酸基を表す。R41、R42、R43および
44は互いに同一でも異なってもよく、それぞれ水素原
子またはアルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル
など)を表す。このうち、Bによってピペリジン環を形
成するものが好ましく、さらに好ましくは、Bによって
ピペリジン環を形成し、かつR41、R42、R43、R44
うち少なくとも2個以上がメチル基である場合である。
以下に一般式(B−I)〜(B−V)および(B−
I′)、(B−II′)で表わされる褪色防止剤の具体例
を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0070】
【化30】
【0071】
【化31】
【0072】
【化32】
【0073】
【化33】
【0074】
【化34】
【0075】
【化35】
【0076】
【化36】
【0077】
【化37】
【0078】
【化38】
【0079】
【化39】
【0080】
【化40】
【0081】
【化41】
【0082】
【化42】
【0083】
【化43】
【0084】
【化44】
【0085】
【化45】
【0086】
【化46】
【0087】
【化47】
【0088】
【化48】
【0089】
【化49】
【0090】
【化50】
【0091】
【化51】
【0092】
【化52】
【0093】本発明に用いられる一般式(I)〜(VI)
で表される褪色防止基又は紫外線吸収基を分子内に有す
るシリコーン化合物の化合物例を表−A〜表−Fに示
す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】表−A中、Rはメチル基、エチル基、フェ
ニル基のいずれでもよい。
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】
【0101】表−B中、Rはメチル基、エチル基、フェ
ニル基のいずれでもよい。
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】
【0104】
【表9】
【0105】
【表10】
【0106】
【表11】
【0107】表−E中、Rは−CH2−、−(CH22
−、−(CH23−、フェニレン基のいずれでもよい。
【0108】
【表12】
【0109】表−F中、Rは−CH2−、−(CH22
−、−(CH23−のいずれでもよい。
【0110】本発明のシリコーン化合物の合成は、下記
に示す合成例に準じて行なうことにより合成された。 合成例
【0111】
【表13】
【0112】1.中間体(3)の合成 原料(1)21.4g、原料(2)19.5g、炭素水
素ナトリウム8.4gおよびジメチルアセトアミド10
0mlを、内温94℃に保ちながら3時間加熱、攪拌し
た。反応混合物に水300mlおよび酢酸エチル300
mlを加え攪拌後分液した。酢酸エチル溶液を1回水洗
したのち、酢酸エチルを留去した。残留物に温メタノー
ル220ml加え2時間かきまぜた。析出した結晶を濾
取し、メタノールで洗い、風乾により、中間体(3)を
21.0g得た。
【0113】2.中間体(4)の合成 上記で得た中間体(3)3.3g、メタノール20m
l、水酸化カリウム2.4g及び水10mlを1時間攪
拌、加熱還流した。反応混合物を氷水100mlに注
ぎ、これへ塩酸を加えて中和した。析出した結晶を濾
取、水洗、風乾し、中間体(4)を得た。
【0114】3.中間体(5)の合成 上記で得た中間体(4)0.72g、塩化チオニル0.
72mlおよびベンゼン5mlを75℃の湯浴上で2.
5時間加熱攪拌した。反応混合物より過剰の塩化チオニ
ル及びベンゼンを減圧下留去した。残留物は中間体
(5)であった。
【0115】4.化合物No.1の合成 アミノ変性シリコンオイルKF−857(信越シリコー
ン製)2.00gおよびトルエン30mlを攪拌し、こ
れへ上記3で得た中間体(5)全量をトルエン5mlに
溶かしたものを10分間かけて徐々に滴下した。次にト
リエチルアミン0.29gを加え、10分間攪拌を続け
た。反応液へ水40mlを加え攪拌後、分液した。トル
エン層を飽和食塩水で2回洗った後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾去後、トルエン
を減圧下留去して、化合物No.1を2.3g得た。
【0116】本発明の褪色防止基又は紫外線吸収基を分
子内に結合したシリコーン化合物は受像層に添加し、そ
の添加量は0.05g/m2 〜2g/m2 であり、好ま
しくは0.05g/m2 〜1.3g/m2 、より好まし
くは0.1g/m2 〜0.6g/m2 である。
【0117】本発明の熱転写受像材料に用いる支持体に
は特に制限はなく、知られている支持体のいずれもが使
用できる。支持体の一般的な具体例を下記に挙げる。 合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系などの合
成紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコー
ト紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含
浸紙、合成ゴムラテックス合浸紙、合成樹脂内添紙、板
紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙(特に
ポリエチレンで両側を被覆した紙)などの紙支持体、
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボ
ネート等の各種プラスチックフィルムまたはシートとこ
のプラスチックに白色反射性を与える処理をしたフィル
ムまたはシートなど。また、上記〜の任意の組合せ
による積層体も使用できる。この中でもポリオレフィン
コート紙は熱転写時の加熱による凹状の変形を起こさな
いこと、白色度に優れること、カールが少ないことなど
の特長を有しているので好ましい。
【0118】ポリオレフィンコート紙については、例え
ば日本写真学会編「写真工学の基礎(銀塩写真編)」
(コロナ社発行、1979)223〜240頁に記述さ
れている。このポリオレフィンコート紙は基本的には支
持シートとその裏面にコートされたポリオレフィン層か
らなるものである。支持シートは合成樹脂以外のものか
らなり、一般的には上質紙が用いられる。ポリオレフィ
ンコートは支持シートの表面にポリオレフィン層が密着
すればどんな方法で設けられてもよいが、通常はエクス
トルージョン法によって塗設される。ポリオレフィンコ
ート層は支持シートの受像層を設ける側の表面にだけ設
けてもよいが、表裏両面に設けてもよい。使用されるポ
リオレフィンとしては高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどがあるが、いずれを用い
てもかまわない。但し、転写時の断熱効果から考えて、
受像層を設ける側はより熱伝導性の低い低密度ポリエチ
レンを用いるのが好ましい。ポリオレフィンコートの厚
みは特に制限はないが、通常は片面で5〜100μmが
好ましい。但し、より高い転写濃度を得るためには受像
層側のポリオレフィンコートの厚みは薄い方が好まし
い。ポリオレフィンコートには白色度を増すための酸化
チタンや群青などの顔料や充填剤を加えてもよい。また
ポリオレフィンコート紙はその表面(受像層を設ける側
および/またはその裏面)に0.05〜0.4g/m2
程度の薄いゼラチン層を設けたものでもよい。
【0119】熱転写受像材料には、色素の受像層が設け
られる。この受像層は印字の際に熱転写色素供与材料か
ら移行してくる色素を受け入れ色素を染着する働きをす
るものである。該受像層は、色素受容性物質として熱可
塑性樹脂を含む。また該受像層は厚み0.5〜50μm
の被膜であることが好ましい。
【0120】本発明では、この受像層に熱可塑性樹脂を
用いる。熱可塑性樹脂の代表的なものを以下に示す。 (イ)ポリエステル樹脂 エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA等のジオ
ール成分と、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジオン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、トリメリット酸等の酸成分との縮合で得られ
るポリエステル樹脂。 (ロ)アクリレート樹脂 (ハ)ポリカーボネート樹脂 (ニ)ポリ酢酸ビニル樹脂 (ホ)スチレンアクリレート樹脂 (ヘ)ビニルトルエンアクリレート樹脂 (ト)ポリウレタン樹脂 (チ)ポリアミド樹脂 (リ)尿素樹脂 (ヌ)ポリスルホン樹脂 (ル)ポリカプロラクトン樹脂 スチレン−無水マレイン酸樹脂 ポリ塩化ビニル樹脂 ポリアクリロニトリル樹脂などの合成樹脂に加えて、こ
れらの混合物あるいは共重合体なども使用できる。
【0121】好ましくはポリエステル樹脂であり、特開
昭59−101395号、同63−7971号、同63
−7972号、同63−7973号、同60−2948
62号に記載のものを挙げることができる。また、市販
品としては東洋紡製のバイロン200、280、29
0、300、103、GK−130、GK−140、花
王製のATR−2009、ATR−2010、ユニチカ
製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8
153、日本合成化学製のポリエスターTP−220、
R−188等が使用できる。
【0122】本発明の熱転写受像材料には受像層中に色
素受容性物質または色素の拡散助剤として熱溶剤または
高沸点有機溶剤を含有させることができる。熱溶剤とし
ては、色素と相溶性がある水溶性バインダーとは非相
溶性であること、常温では固体であるが、転写時サー
マルヘッドによって加熱されたときに融解(他の成分と
の混合融解でもよい)すること、サーマルヘッドによ
る加熱によって分解しないこと、といった諸性質を有す
る化合物が用いられる。好ましくは35〜250℃、特
に35〜200℃の融点を示し、(無機性/有機性)値
<1.5である化合物が好ましい。ここで無機性、有機
性とは化合物の性状を予測するための概念であり、詳細
は例えば「化学の領域」11、719頁(1957)に
記載されている。高沸点有機溶剤としては、特開昭59
−83154号、同59−178451号、同59−1
78452号、同59−178453号、同59−17
8454号、同59−178455号、同59−178
457号等に記載されているようなエステル類(例えば
フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステ
ル類)、アミド類(例えば脂肪酸アミド類、スルホアミ
ド類)、エーテル類、アルコール類、パラフィン類、シ
リコーンオイル類などの化合物が挙げられる。高沸点有
機溶剤および熱溶剤の具体例としては、特開昭62−1
74754号、同62−245253号、同61−20
9444号、同61−200538号、同62−814
5号、同62−9348号、同62−30247号、同
62−136646号に記載の化合物を挙げることがで
きる。高沸点有機溶媒および/または熱溶剤は受像層中
にミクロに分散された形態で単独で用いることもできる
が、色素受容性ポリマーと混合して用いることもでき
る。また、上記の高沸点有機溶剤は、スベリ性、剥離
性、カールバランス等の改良の目的で使用してもよい。
【0123】本発明の熱転写受像材料の受像層は、熱
移行性色素を受容しうる物質を単独で支持体上に設けた
構成としてもよいし、また熱移行性色素を受容しうる
物質を水溶性バインダーに分散して担持する構成として
もよい。の場合に用いられる水溶性バインダーとして
は公知の種々の水溶性ポリマーを使用しうるが、硬膜剤
により架橋反応しうる基を有する水溶性のポリマーが好
ましい。
【0124】本発明に用いられる水溶性ポリマーとして
は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジニウム、
カチオン性変性ポリビニルアルコール等のビニルポリマ
ーおよびその誘導体(特開昭60−145879号、同
60−220750号、同61−143177号、同6
1−235182号、同61−245183号、同61
−237681号、同61−261089号参照)、ポ
リアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ
ジメチルアミノアクリレート、ポリアクリル酸またはそ
の塩、アクリル酸−メタクリル酸共重合体またはその
塩、ポリメタクリル酸またはその塩、アクリル酸−ビニ
ルアルコール共重合体またはその塩等のアクリル酸を含
むポリマー(特開昭60−168651号、同62−9
988号参照)、でんぷん、酸化でんぷん、酢酸でんぷ
ん、アミノでんぷん、カルボキシルでんぷん、ジアルデ
ヒドでんぷん、カチオンでんぷん、デキストリン、アル
ギン酸ソーダ、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、プ
ルラン、デキストラン、メチルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロースなどの天然ポリマーまたはその誘導体
(特開昭59−174382号、同60−262685
号、同61−143177号、同61−181679
号、同61−193879号、同61−287782号
参照)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリビニルメチルエーテル、マレイン酸−酢酸
ビニル共重合体、マレイン酸−N−ビニルピロリドン共
重合体、マレイン酸−アルキルビニルエーテル共重合
体、ポリエチレンイミンなどの合成ポリマー(特開昭6
1−32787号、同61−237680号、同61−
277483号参照)、および特開昭56−58869
号に記載の水溶性ポリマーなどを挙げることができる。
【0125】また、SO3 - 基、COO- 基、SO2 -
基等を含むモノマー成分により水可溶化された種々の共
重合体も使用できる。
【0126】水溶性バインダーにゼラチンを使用するこ
とはセット乾燥できるため乾燥負荷が格段に少ないので
特に好ましい。具体的には、石灰処理ゼラチン、脱カル
シウム処理した石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、フ
タル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン、コハク化ゼラチ
ンなどのゼラチンおよびその誘導体、Bull.So
c.Phot.Japan,No.16,P3(196
6)に記載されているような酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ンの加水分解物や酵素分解物を挙げることができる。
【0127】これらの水溶性ポリマーは1種のみを用い
てもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。水
溶性バインダーと色素受容性物質は、重量比で色素受容
性物質/水溶性バインダー=1〜20、好ましくは2〜
10、特に好ましくは2.5〜7の範囲で使用する。
【0128】水溶性バインダーを用いる場合には、色素
受容性物質を含む水溶液を塗布乾燥して受像層を得るこ
とができる。色素受容性物質を水溶性バインダー中に分
散する方法としては、疎水性物質を水溶性ポリマーに分
散する際の公知の分散方法のいずれもが使用できる。代
表的には、受容性物質を水と非混和性の有機溶剤に溶解
した液を水溶性バインダーの水溶液と混合して乳化分散
する方法、受容性物質(ポリマー)のラテックスを水溶
性バインダーの水溶液と混合する方法などがある。該水
性溶液は水溶性の色素受容性樹脂の水溶液又はそれと色
素受容性の低い水溶性ポリマーとのブレンド溶液であっ
ても、色素受容性の微粒子分散液または該分散液と色素
受容性の低い水溶性ポリマーとのブレンド溶液であって
もよい。また受容性物質(ポリマー)に水溶性基〔例え
ばCOOM、SO3 M、−O−SO3 M、(−OCH2
CH2 n ;但しMはアルカリ金属イオン、n=整数〕
を導入し、水溶性ポリマーとし、単独又は上記水溶性バ
インダーと併用して用いてもよい。受容性ポリマーのラ
テックスあるいは受容性の水溶性ポリマーの具体例とし
ては互応化学製の(商品名)プラスコートZ−466、
Z−448、Z−455、Z−461、Z−761、Z
−771、高松油脂製の(商品名)ペスレジンA−12
43、A−2141、A−2151、大日本インキ製の
(商品名)ファインテックスES−611、ES−65
0、ES−670、ES−675、ES−850などが
挙げられる。
【0129】受像層は1層でもよいし、2層以上の層で
構成してもよい。2層以上設ける場合、支持体に近い方
の層にはガラス転位点の低い合成樹脂を用いたり、高沸
点有機溶剤や熱溶剤を用いて色素に対する染着性を高め
た構成にし、最外層にはガラス転位点のより高い合成樹
脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要
最小限にするかもしくは使用しないで表面のベタツキ、
他の物質との融着、転写後の色素の他物質への再転写、
熱転写色素供与材料とのブロッキング等の故障を防止す
る構成にすることが望ましい。受像層の厚さは全体で
0.5〜50μm、特に3〜30μm、2層構成の場
合、最外層は0.1〜20μm、特に0.2〜10μm
の範囲にするのが好ましい。
【0130】本発明の熱転写受像材料は、支持体と受像
層の間に中間層を有してもよい。中間層は構成する材質
により、クッション層、多孔層、色素の拡散防止層のい
ずれか又はこれらの2つ以上の機能を備えた層であり、
場合によっては接着剤の役目も兼ねている。色素の拡散
防止層は、特に熱移行性色素が支持体に拡散するのを防
止する役目を果たすものである。この拡散防止層を構成
するバインダーとしては、水溶性でも有機溶剤可溶性で
もよいが、水溶性のバインダーが好ましく、その例とし
ては前述の受像層のバインダーとして挙げた水溶性バイ
ンダー、特にゼラチンが好ましい。
【0131】多孔層は、熱転写時に印加した熱が受像層
から支持体へ拡散するのを防止し、印加された熱を有効
に利用する役目を果す層である。多孔層のバインダーと
して水溶性ポリマーを用いる場合には、水溶性ポリマ
ーに多孔質の微粒子を分散させ塗布乾燥する、機械的
な撹はんにより気泡を発生させた水溶性ポリマーの液を
塗布乾燥する、発泡剤を加えた水溶性ポリマーの液を
塗布前に発泡させて塗布するかまたは塗布乾燥過程で発
泡させる、水溶性ポリマー溶液中に有機溶剤(好まし
くは水より沸点の高い溶剤)を乳化分散し、塗布乾燥す
る過程でミクロボイドを形成する等の方法で形成するこ
とができる。
【0132】多孔層として有機溶剤可溶性のバインダー
を用いる場合には、1)ポリウレタン等の合成樹脂エマ
ルジョン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合
成ゴムラテックスを機械的に撹はんして気泡を発生させ
た液を支持体上に塗布し乾燥させる、2)上記合成樹脂
エマルジョンまたは合成ゴムラテックスに発泡剤を混合
した液を支持体上に塗布し乾燥させる、3)塩ビプラス
チゾル、ポリウレタン等の合成樹脂またはスチレン−ブ
タジエン系等の合成ゴムに発泡剤を混合した液を支持体
上に塗布し加熱することにより発泡させる。4)熱可塑
性樹脂または合成ゴムを有機溶剤に溶解した溶液と該有
機溶剤に比べ蒸発しにくく該有機溶剤に対し相溶性を有
しかつ熱可塑性樹脂または合成ゴムに対して溶解性を有
しない非溶剤(水を主成分とするものを含む)との混合
液を支持体上に塗布し乾燥させミクロポーラス層を形成
するなどの方法を用いることができる。
【0133】中間層は、受像層が支持体の両面にある場
合は両面に設けてもよいし、片面のみに設けてもよい。
中間層の厚みは0.5〜50μm、特に1〜20μmが
好ましい。
【0134】本発明の熱転写受像材料を構成する受像
層、クッション層、多孔層、拡散防止層、接着層等に
は、シリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニ
ウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、リトポン、酸化チタ
ン、アルミナ等の微粉末を含有させてもよい。熱転写受
像材料には蛍光増白剤を用いてもよい。その例として
は、K.Veenkataraman編「The Ch
emistry of Synthetic Dye
s」第V巻第8章、特開昭61−143752号などに
記載されている化合物を挙げることができる。より具体
的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフ
ェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル系化合物、ナフタ
ルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリ
ル系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェン
系化合物などが挙げられる。蛍光増白剤は褪色防止剤と
組み合わせて用いることができる。
【0135】本発明に用いられる熱転写色素供与材料に
は、支持体上に熱移行性の色素を含有する色素供与層を
有する熱転写色素供与材料であって、熱印加したパター
ン状に色素を熱転写受像材料の受像層に移行させて記録
を行うものと、支持体上に熱溶融性のインク層(色素供
与層)を有する熱転写色素供与材料であって、熱印加し
たパターン状に上記インクを溶融させ熱転写受像材料に
転写させて記録を行うものの2つが含まれる。
【0136】色素供与層は、印字したときに所望の色相
を転写できるように色素を選択し、必要に応じて、色素
の異なる2層以上の色素供与層を一つの熱転写色素供与
材料に並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号
に応じて各色の印字を繰り返してカラー写真のような画
像を形成するときは、印字したときの色相がシアン、マ
ゼンタ、イエローの各色であることを望ましく、このよ
うな色相を与える色素を含有する3つの色素供与層を並
べる。あるいは、シアン、マゼンタ、イエローに加えて
更にブラックの色相を与える色素を含有する色素供与層
を追加してもよい。なお、これら色素供与層の形成の際
にいずれかの色素供与層の形成と同時に位置検出用のマ
ークを設けると、色素供与層形成とは別のインキや印刷
工程を要しないので好ましい。
【0137】熱転写色素供与材料の支持体としては従来
公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラ
シン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、弗素ポ
リマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフィ
ン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプ
ロピレン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。また、親水性ポリマーよりなる色素の拡散防止層を
支持体と色素供与層の中間に設けてもよい。これによっ
て転写濃度が一層向上する。親水性ポリマーとしては、
前記した水溶性ポリマーを用いることができる。
【0138】また、サーマルヘッドが色素供与材料に粘
着するのを防止するためにスリッピング層を設けてもよ
い。このスリッピング層はポリマーバインダーを含有し
たあるいは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固
体あるいは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成さ
れる。
【0139】熱移行性色素を用いた熱転写色素供与材料
は、基本的には、支持体上に熱によって昇華するか可動
性になる色素とバインダーを含有する色素供与層を有す
るものである。この熱転写色素供与材料は、従来公知の
熱によって昇華するか可動性になる色素とバインダー樹
脂とを適当な溶剤中に溶解または分散させて塗工液を調
製し、これを支持体の一方の面に、例えば約0.2〜5
μm、好ましくは0.4〜2μmの乾燥膜厚になる塗布
量で塗布乾燥して色素供与層を形成することによって得
られる。このような色素供与層の形成に有用である色素
としては、従来熱転写色素供与材料に使用されている色
素はいずれも使用できるが、本発明で特に好ましいもの
は、約150〜800程度の小さい分子量を有するもの
であり、転写温度、色相、耐光性、インキおよびバイン
ダー樹脂中での溶解性、分散性などを考慮して選択され
る。具体例には、例えば分散染料、塩基性染料、油溶性
染料などが挙げられるが、とりわけ、スミカロンイエロ
ーE4GL、ダイアニクスイエローH2G−FS、ミケ
トンポリエルテルイエロー3GSL、カヤッセトイエロ
ー937、スミカロンレッドEFBL、ダイアニクスレ
ッドACE、ミケトンポリエルテルレッドFB、カヤッ
セトレッド126、ミケトンファストブリリアントブル
ーB、カヤセットブルー136(いずれも商品名)など
が好適に用いられる。その他にも公知の熱移行性色素を
用いることができる。
【0140】また、上記の色素と共に用いるバインダー
樹脂としては、このような目的に従来公知であるバイン
ダー樹脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が
高く、しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないも
のが選択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リアクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、
ポリアクリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニト
リル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどの部
分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系樹脂、ロジン
誘導体、クマロン−インデン樹脂、テルペン系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン)などが用いられる。このようなバインダー樹脂
は、例えば色素100重量部当たり約80〜600重量
部の割合で使用するのが好ましい。
【0141】本発明において、上記の色素およびバイン
ダー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤として
は、従来公知のインキ溶剤が自由に使用できる。インキ
の製造および支持体上への塗布は、既知の技術に従って
実施できる。
【0142】色素供与材料には背面より印字するときに
サーマルヘッドの熱によりスティッキングを防止し、滑
りをよくする意味で、支持体の色素供与層を設けない側
にスティッキング防止処理を施すのがよい。例えば、
ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの反応生
成物、リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカ
リ土類金属塩、および充填剤を主体とする耐熱スリッ
プ層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹脂とし
ては分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80
〜110℃であるもの、またイソシアネートとの反応サ
イトが多い観点からビニルブチラール部分の重量%が1
5〜40%のものがよい。リン酸エステルのアルカル金
属塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学製のメ
ガファックRD720などが用いられ、ポリビニルブチ
ラール樹脂に対して1〜50重量%、好ましくは10〜
40重量%程度用いるとよい。耐熱スリップ層は下層に
耐熱性を伴うことが望ましく、加熱により硬化しうる合
成樹脂とその硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブチラ
ールと多価イソシアネート、アクリルポリオールと多価
イソシアネート、酢酸セルロースとチタンキレート剤、
もしくはポリエステルと有機チタン化合物などの組合せ
を塗布により設けるとよい。
【0143】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソピロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物、またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。
【0144】色素供与材料には下塗り層を設けてもよ
い。本発明では所望の作用をすればどのような下塗り層
でもよいが、好ましい具体例としては、(アクリロニト
リル/塩化ビニリデン/アクリル酸)共重合体(重量比
14:80:6)、(アクリル酸ブチル/メタクリ酸−
2−アミノエチル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル)共重合体(重量比30:20:50)、線状/飽和
ポリエステル例えばボスティック7650(エムハート
社、ボスティック・ケミカル・グループ)または塩素化
高密度ポリ(エチレン−トリクロロエチレン)樹脂が挙
げられる。下塗り層の塗布量には特別な制限はないが、
通常0.1〜2.0g/m2 の量で用いられる。
【0145】本発明において、熱転写色素供与材料と熱
転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与
材料および/または受像材料を構成する層中、特に好ま
しくは両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤
を含有させるのが好ましい。離型剤としては、ポリエチ
レンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の
固形あるいはワックス状物質:弗素系、リン酸エステル
系等の界面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗素
系のオイル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用でき
るが、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオ
イルとしては、無変性のもの以外にカルボキシ変性、ア
ミノ変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを用
いることができる。その例としては、信越シリコーン
(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜
18B頁に記載の各種変成シリコーンオイルを挙げるこ
とができる。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合
は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイ
ソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変性シリ
コーンオイルが、また水溶性バインダー中に乳化分散し
て用いる場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例
えば信越シリコーン(株)製:商品名X−22−371
0)が有効である。
【0146】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、ア
ジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン
系硬膜剤(N,N′−エチレンビス(ビニルスルホニル
アセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤
(ジメチロール尿素など)、あるいは高分子硬膜剤(特
開昭62−234157号などに記載の化合物)が挙げ
られる。
【0147】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
さらに公知の褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤と
しては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはあ
る種の金属錯体がある。酸化防止剤としては、例えばク
ロマン系化合物、クマラン系化合物、フェノール系化合
物(例えばヒンダードフェノール類)、ハイドロキノン
誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化
合物がある。また、特開昭61−159644号記載の
化合物も有効である。紫外線吸収剤としては、ベンゾト
リアゾール系化合物(米国特許第3,533,794号
など)、4−チアゾリドン系化合物(米国特許第3,3
52,681号など)、ベンゾフェノン系化合物(特開
昭56−2784号など)、その他特開昭54−485
35号、同62−136641号、同61−88256
号等に記載の化合物がある。また、特開昭62−260
152号記載の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金
属錯体としては、米国特許第4,241,155号、同
4,245,018号第3〜36欄、同4,254,1
95号第3〜8欄、特開昭62−174741号、同6
1−88256号(27)〜(29)頁、同63−19
9248号、特開平1−75568号、同1−7427
2号等に記載されている化合物がある。有用な褪色防止
剤の例は特開昭62−215272号(125)〜(1
37)頁に記載されている。
【0148】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性
剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤を用いること
ができる。これらの具体例は特開昭62−173463
号、同62−183457号等に記載されている。ま
た、熱移行性色素を受容しうる物質、離型剤、褪色防止
剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、その他の疎水性化合物
を水溶性バインダー中に分散する際には、分散助剤とし
て界面活性剤を用いるのが好ましい。この目的のために
は、上記の界面活性剤の他に、特開昭59−15763
6号の37〜38頁に記載の界面活性剤が特に好ましく
用いられる。
【0149】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオ
ロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第
8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−13
5826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四
フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂など
の疎水性フッ素化合物が挙げられる。具体的な例として
は、ダイキン工業(株)製ダイフリーME−313、M
E−413、ME−414、ME−810、MS−44
3、MS−743、MS−043、MS−843、旭硝
子(株)製アサヒガードAG−530、AG−533
(S)、AG−550、AG−650、AG−660、
AG−710、AG−730、AG−740、AG−7
80、AG−800、第一工業製薬(株)製エラスガン
ド100等が挙げられる。
【0150】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
マット剤を用いることができる。マット剤としては二酸
化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレートな
どの特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物
の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネー
ト樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−27
4944号、同63−274952号記載の化合物があ
る。
【0151】本発明においては、熱転写色素供与材料を
熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ま
しくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマル
ヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギ
ーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像
材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することがで
き、優れた鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得
ることができる。加熱手段はサーマルヘッドに限らず、
レーザー光(例えば半導体レーザー)、赤外線フラッシ
ュ、熱ペンなどの公知のものが使用できる。
【0152】本発明において、熱転写色素供与材料は熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載を参照できる。
【0153】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
の効果を更に詳細に説明する。ただし本発明の具体例は
これに限られるものではない。
【0154】実施例1 (熱転写用色素供与材料の作成)片面に熱硬化アクリル
樹脂からなる耐熱滑性層を設けた厚さ5.5μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを支持体とし、この支
持体の耐熱滑性層を設けた側とは反対の側に下記組成の
熱転写色素供与層形成用塗料組成物をグラビアコーター
により塗布乾燥し、熱転写色素供与材料を得た。
【0155】 イエロー色素供与層形成用塗布組成物 イエロー色素 Y−1 3.2g イエロー色素 Y−2 0.8g ポリビニルブチラール樹脂 デンカブチラール 5000−A:電気化学製 3.2g デンカブチラール 3000−1:電気化学製 0.8g メチルエチルケトン 45 g トルエン 45 g ポリイソシアネート(タケネートD−110N: 武田薬品製) 0.7g シリコンオイル(KF96:信越シリコーン製) 0.3g フッ素ポリマー(AG660:旭硝子製) 0.2g マット剤(エポスターMS:日本触媒化学製) 0.2g 乾燥塗布量 1.0g/m2
【0156】
【化53】
【0157】 マゼンタ色素供与層形成用塗布組成物 マゼンタ色素 M−1 1.8g マゼンタ色素 M−2 1.2g ポリビニルブチラール樹脂 デンカブチラール 5000−A:電気化学製 3.2g デンカブチラール 3000−1:電気化学製 0.8g メチルエチルケトン 45 g トルエン 45 g ポリイソシアネート(タケネートD−110N: 武田薬品製) 0.7g シリコンオイル(KF96:信越シリコーン製) 0.3g フッ素ポリマー(AG660:旭硝子製) 0.2g マット剤(エポスターMS:日本触媒化学製) 0.2g 乾燥塗布量 0.8g/m2
【0158】
【化54】
【0159】 シアン色素供与層形成用塗布組成物 シアン色素 C−1 2.1g シアン色素 C−2 0.9g ポリビニルブチラール樹脂 デンカブチラール 5000−A:電気化学製 3.2g デンカブチラール 3000−1:電気化学製 0.8g メチルエチルケトン 45 g トルエン 45 g ポリイソシアネート(タケネートD−110N: 武田薬品製) 0.7g シリコンオイル(KF96:信越シリコーン製) 0.3g フッ素ポリマー(AG660:旭硝子製) 0.2g マット剤(エポスターMS:日本触媒化学製) 0.2g 乾燥塗布量 0.9g/m2
【0160】
【化55】
【0161】(熱転写受像材料の作成)厚さ150μm
の紙の両面に32μm、20μmの厚みにポリエチレン
をラミネートしたレジンコート紙の32μmの厚みにラ
ミネートした面に、下記受像層用塗料組成物を乾燥時の
厚みが10μmになるように塗布して、熱転写受像材料
(試料No.101)を作成した。乾燥はドライヤーで
仮乾燥の後、100℃のオーブン中で30分間行った。
【0162】 受像層用塗布組成物 ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 20g アミノ変性シリコンオイル(KF−857:信越シリコーン製) 1g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ製) 2g メチルエチルケトン 85g トルエン 85g
【0163】試料101に下記表−Gに記載の如く、褪
色防止基又は紫外線吸収基を結合したシリコーン化合物
を添加し、試料102〜117を作成した。
【0164】
【表14】
【0165】表−Gに記載のシリコーン化合物 No.1,
4,5,12,21,22,28,30としてはRがメ
チル基である化合物を、シリコーン化合物 No.47,4
8,50としてはRが−CH2CH2−である化合物を用
いた。
【0166】
【化56】
【0167】得られた試料101〜117に前記熱転写
用色素供与材料を用いて、富士フイルム製ビデオプリン
ターVP8100を用いて、イエロー、マゼンタ、シア
ンの転写を行なった。転写濃度は反射濃度で0〜1.5
となるよう画像を調節した。得られた転写サンプルを蛍
光灯褪色試験機で10日間光に暴露した後、再び反射濃
度を測定した。褪色試験前のイエローの反射濃度1.
0、マゼンタの反射濃度1.0、シアンの反射濃度1.
0の各部分について、褪色試験後の各反射濃度より、イ
エロー、マゼンタ、シアンの各色素の残存率〔褪色試験
後の反射濃度÷褪色試験前の反射濃度〕を測定した。ま
た転写画像のにじみを測定するため、濃度1.5のグレ
ーに転写した試料を80℃で7日間保存し、転写部と非
転写部の境界を目視により、にじみを判定した。各結果
を表−Hに示す。
【0168】
【表15】
【0169】表−Hの結果より、本発明の試料102〜
115は無添加の試料101より、蛍光灯照射後の濃度
の低下が約1/2に減っており高い残存率を示し、画像
がにじむこともない。シリコーンに結合しない紫外線吸
収剤と褪色防止剤を添加した試料116及び117では
わずかに濃度の低下が減じているがその効果は少なく、
また画像は高温での保存でにじみが発生した。本発明が
画像をにじませるようなこともなく、光堅牢性向上に寄
与していることが明らかである。
【0170】
【発明の効果】本発明に従い、褪色防止基または紫外線
吸収基を分子内に有するシリコーン化合物を受像層に用
いると、保存安定性特に光堅牢性に優れ、且つにじみの
ない画像が得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に色素を受容しうる熱可塑性樹
    脂を含む受像層を有してなる熱転写受像材料において、
    該受像層が褪色防止基又は紫外線吸収基を分子内に有す
    るシリコーン化合物を少なくとも1種含有することを特
    徴とする熱転写受像材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08208668A (ja) * 1994-11-08 1996-08-13 L'oreal Sa 新規なサンスクリーン剤およびそれらを含有する化粧品組成物類とその使用方法
JP2004505984A (ja) * 2000-08-03 2004-02-26 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 光に安定なシリル化ベンゾトリアゾールuv吸収剤及びそれにより安定化された組成物

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