JP5569501B2 - シフトバイワイヤシステム - Google Patents

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Description

本発明は自動変速機のシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤシステムに関する。
従来、車両制御の分野において、車両状態を変化させるアクチュエータを車両の運転者の指令によってバイワイヤ制御回路により電気制御するバイワイヤシステムが実用化されている。例えば、運転者の指令によって車両の自動変速機のシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤシステムが知られている。シフトバイワイヤシステムでは、電動のアクチュエータを回転させて自動変速機の変速機構部を駆動することによりシフトレンジを切り替える。変速機構部は、アクチュエータにより回転駆動されるディテントプレート、当該ディテントプレートに連動可能に設けられ自動変速機のシフトレンジをディテントプレートの回転位置に対応するレンジに設定するマニュアルバルブ、および、ディテントプレートに形成された凹部に嵌り込むことでディテントプレートの回転を規制することにより自動変速機のシフトレンジを所定のレンジに保持可能な規制部を有するディテントスプリング等を備えている。ここで用いられるアクチュエータは、高速で回転するモータ部、および、当該モータ部の回転を減速して出力軸から出力する減速部を有している。また、モータ部としてSRモータ等のブラシレスモータを採用する場合、アクチュエータには、モータ部の回転角の変化分に応じたパルス信号を出力するインクリメンタル型のエンコーダが設けられることが一般的である。このエンコーダからのパルス信号に基づきモータ部の回転状態を検出し、検出した回転状態をフィードバックすることにより、モータ部の最適な回転駆動制御が可能となる。
特開2009−162309号公報
特許文献1には、アクチュエータの出力軸の回転角を検出する出力角検出手段を備え、当該出力角検出手段からの信号に基づき、自動変速機の実際のレンジである実レンジを判定するシフトバイワイヤシステムが開示されている。このシフトバイワイヤシステムでは、モータ部の回転駆動中、すなわち、シフトレンジの切り替え中のレンジ判定範囲を、モータ部の停止中のレンジ判定範囲よりも大きく設定することにより、実レンジの誤判定を抑制しようとしている。しかしながら、特許文献1のシフトバイワイヤシステムでは、モータ部が回転駆動しているときにおいても実レンジを判定する構成のため、検出ばらつきにより、実レンジを誤判定するおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、実レンジの誤判定を抑制可能なシフトバイワイヤシステムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、車両の運転者により操作されるシフト選択手段からの信号に応じてレンジを切り替えるシフトバイワイヤシステムであって、モータ部とマニュアルシャフトとディテントプレートとディテントスプリングと目標レンジ決定手段とレンジ切替手段と回転位置検出手段とレンジ判定手段と判定禁止手段とを備えている。マニュアルシャフトは、モータ部の回転が出力される出力軸に接続される。ディテントプレートは、複数の凹部を有し、マニュアルシャフトと一体に設けられることでモータ部により回転駆動される。ディテントスプリングは、規制部を有し、規制部をディテントプレートの凹部の凹み方向へ付勢し、規制部がディテントプレートの複数の凹部のいずれかに嵌り込むことでディテントプレートの回転を規制することによりレンジを所定のレンジに保持可能である。目標レンジ決定手段は、シフト選択手段からの信号に基づき目標レンジを決定する。レンジ切替手段は、目標レンジ決定手段により決定した目標レンジとなるようレンジを切り替える。回転位置検出手段は、マニュアルシャフトの回転位置を直接または間接的に検出する。レンジ判定手段は、回転位置検出手段により検出したマニュアルシャフトの回転位置に基づき、実際のレンジである実レンジを判定する。判定禁止手段は、レンジ切替手段によりモータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、所定の期間であるレンジ判定禁止時間が経過するまで、レンジ判定手段による実レンジの判定を禁止する。
上記構成により、本発明では、例えばモータ部の回転駆動中にレンジ判定手段によって実レンジが判定されるといった事態を抑制することができる。したがって、レンジ判定手段による実レンジの誤判定を抑制することができる。
また、請求項に記載の発明では、判定禁止手段は、レンジ切替手段によりモータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部が目標回転位置に到達するまで、レンジ判定手段による実レンジの判定を禁止する。すなわち、本発明では、前記レンジ判定禁止時間は、「レンジ切替手段によりモータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部が目標回転位置に到達するまでの期間」である。
記構成により、本発明では、モータ部によるディテントプレートの回転駆動が停止した後、レンジ判定手段により実レンジが判定される。そのため、ディテントプレートの凹部の中心(最深部)とディテントスプリングの規制部の中心との距離が近い状態のときにレンジ判定手段により実レンジが判定される。よって、レンジ判定手段による実レンジの誤判定をより抑制することができる。
請求項に記載の発明では、判定禁止手段は、レンジ切替手段によりモータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部が目標回転位置に到達後、所定の期間である待機時間がさらに経過するまで、レンジ判定手段による実レンジの判定を禁止する。すなわち、本発明では、前記レンジ判定禁止時間は、「レンジ切替手段によりモータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部が目標回転位置に到達するまでの期間」と前記待機時間との和である。
上述のように、本発明では、ディテントスプリングが規制部をディテントプレートの凹部の凹み方向へ付勢している。そのため、例えば、ディテントプレートを回転駆動するモータ部が停止(モータ部への通電をオフ)したとき、規制部が凹部の中心(最深部)に位置していない場合、規制部がディテントスプリングにより凹部の凹み方向へ付勢されることでディテントプレートが回転し、規制部が凹部の中心に相対移動する。これにより、規制部が凹部の中心に一致するようディテントプレートが揺動回転する。その結果、規制部の中心と凹部の中心とが略一致し、自動変速機のシフトレンジが所定のレンジに設定される。以下、ディテントプレートに対する規制部の相対的な位置に関し、上述の「規制部がディテントスプリングにより凹部の凹み方向へ付勢されることでディテントプレートが回転」する範囲を「吸い込み範囲」とよぶ。
本発明は、請求項1に記載の発明のより具体的な構成を示すものである。上記構成により、本発明では、モータ部によるディテントプレートの回転駆動が停止(モータ部への通電をオフ)した後、さらに待機時間が経過した後でレンジ判定手段により実レンジが判定される。例えば規制部が吸い込み範囲内に位置するときにモータ部の回転駆動が停止した場合、規制部が凹部の中心に一致するようディテントプレートが揺動回転し、待機時間の経過後は、規制部の中心と凹部の中心とは略一致した状態になっていると考えられる。本発明では、このとき(待機時間経過後、規制部の中心と凹部の中心とが略一致した状態のとき)、レンジ判定手段により実レンジが判定される。よって、レンジ判定手段による実レンジの誤判定をさらに抑制することができる。
本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムを含む車両制御システムを示す概略図。 本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムのアクチュエータを示す断面図。 本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムの変速機構部およびその近傍を示す図。 本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムのディテントプレートおよびその近傍を示す図。 本発明の第1実施形態のシフトバイワイヤシステムによる実レンジの判定処理を示すフロー図。 本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムのディテントプレートの一部を示す部分拡大図。 本発明の第2実施形態のシフトバイワイヤシステムによる実レンジの判定処理を示すフロー図。 本発明の第2実施形態によるシフトバイワイヤシステムのディテントプレートの一部を示す部分拡大図。
以下、本発明の複数の実施形態によるシフトバイワイヤシステムを図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、以下の説明では、電子制御ユニットを「ECU」と略記する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステム3を含む車両制御システム1を示している。例えば四輪の車両に搭載される車両制御システム1は、自動変速機制御システム2、シフトバイワイヤシステム3、エンジン制御システム4および統合ECU10などから構成されている。
自動変速機制御システム2、シフトバイワイヤシステム3およびエンジン制御システム4は、それぞれAT−ECU12、SBW−ECU13およびEC−ECU14を有している。AT−ECU12、SBW−ECU13およびEC−ECU14は、いずれも演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。AT−ECU12、SBW−ECU13およびEC−ECU14は、それぞれ車内のLAN回線17を経由して電気的または光学的に相互に接続されている。また、AT−ECU12、SBW−ECU13、EC−ECU14および統合ECU10は、車両の電源であるバッテリ18に電気的に接続されており、このバッテリ18から供給された電力によって作動する。統合ECU10は、上述のAT−ECU12、SBW−ECU13およびEC−ECU14と共同して車両制御システム1全体を制御する。
自動変速機制御システム2は、車両の自動変速機20を油圧により駆動する。自動変速機制御システム2は、自動変速機20のシフトレンジおよび変速段を切り替える油圧回路21を備えている。本実施形態では、自動変速機20には、走行レンジとして前進用のレンジであるDレンジおよび後進用のレンジであるRレンジと、非走行レンジとして駐車用のレンジであるPレンジおよび中立のレンジであるNレンジとが設定されている。油圧回路21には、棒状のマニュアルバルブ22が設けられている。マニュアルバルブ22は、軸方向へ移動することにより、油圧回路21を切り替える。マニュアルバルブ22が油圧回路21を切り替えることにより、自動変速機20は上記のシフトレンジのいずれかに設定される。自動変速機20は、いずれかのシフトレンジで締結する複数の摩擦係合要素を備えている。油圧回路21に設置されている複数の電磁弁23は、対応する摩擦係合要素を油圧により駆動する。これにより、各摩擦係合要素は、電磁弁23から供給される油圧によって締結または解放される。
AT−ECU12は、油圧回路21の電磁弁23などの電気要素に電気的に接続されている。これにより、AT−ECU12は、各電磁弁23からの出力油圧を電気的に制御する。AT−ECU12によって電磁弁23からの出力油圧を制御することにより、自動変速機20の各摩擦係合要素は締結または解放される。また、本実施形態の場合、AT−ECU12は、例えば自動変速機20の出力軸の回転数などから車両の速度を検出する車速センサ24と電気的に接続している。AT−ECU12は、車速センサ24から出力された検出信号を受信して車速を検出し、各電磁弁23を制御する。
シフトバイワイヤシステム3は、自動変速機制御システム2のマニュアルバルブ22、および、パーキングロック機構70(図3参照)を駆動するアクチュエータ30、および、変速機構部50等を備えている。なお、SBW−ECU13は、シフトバイワイヤシステム3を構成する要素の1つである。電磁駆動式のアクチュエータ30は、モータ部32、エンコーダ34および減速部33などを有している。
ここで、アクチュエータ30について説明する。本実施形態では、モータ部32は、スイッチトリラクタンス(SR)モータであり、永久磁石を用いることなく駆動力を発生するブラシレスモータである。図2に示すように、モータ部32は、回転方向に配列された複数のコイル36が嵌合されているステータ35を有している。また、モータ部32は、ステータ35の内側にロータ37を有している。ロータ37は、中心部に軸部材38を有し、アクチュエータ30のハウジング31に回転可能に支持されている。
SBW−ECU13は、モータ部32の複数のコイル36に所定のタイミングで順次通電し、ロータ37および軸部材38を回転させる。
本実施形態では、エンコーダ34は、アクチュエータ30のハウジング31内に設けられている。エンコーダ34は、ロータ37と一体に回転する磁石、および、ハウジング31に固定された基板に実装され、磁石と対向配置されて磁石における磁束発生部の通過を検出する、磁気検出用のホールIC等により構成されている。エンコーダ34は、モータ部32(ロータ37)の回転角の変化分に応じてパルス信号を出力する。
上述のように、本実施形態でのエンコーダ34は、モータ部32の回転に応じてパルス信号を出力するインクリメンタル型のエンコーダである。SBW−ECU13は、エンコーダ34から出力されたパルス信号に応じてカウント用の値(パルス信号カウント値)を減少(カウントダウン)または増大(カウントアップ)させる。これにより、SBW−ECU13は、モータ部32(ロータ37)の回転状態を検出可能である。SBW−ECU13は、エンコーダ34によってモータ部32の回転状態を検出することにより、モータ部32を脱調させることなく高速回転させることができる。なお、車両電源のオン毎(シフトバイワイヤシステム3の起動毎)に、モータ部32の励磁通電相学習(エンコーダ34から出力されたパルス信号に応じたカウント値と通電相の同期)のための初期駆動制御が行われる。この初期駆動制御により、アクチュエータ30の回転を適切に制御できるようになる。
減速部33は、モータ部32(軸部材38)の回転運動を減速して出力軸39から出力し、変速機構部50に伝達する。変速機構部50は、減速部33から出力された回転駆動力をマニュアルバルブ22、および、パーキングロック機構70へ伝達する。
変速機構部50は、図3に示すようにマニュアルシャフト51、ディテントプレート52、ディテントスプリング55およびマニュアルバルブ22などを有している。マニュアルシャフト51は、アクチュエータ30の減速部33の出力軸39とスプライン結合により接続される。これにより、マニュアルシャフト51は、モータ部32の回転駆動力によって回転駆動される。
ディテントプレート52は、マニュアルシャフト51から径方向外側に延びてマニュアルシャフト51と一体に構成されている。これにより、ディテントプレート52は、マニュアルシャフト51と一体にアクチュエータ30によって回転駆動される。ディテントプレート52には、マニュアルシャフト51と平行に突出するピン54が設置されている。ピン54は、マニュアルバルブ22と接続している。その結果、ディテントプレート52がマニュアルシャフト51とともに回転することにより、マニュアルバルブ22は軸方向へ往復移動する。すなわち、変速機構部50において、アクチュエータ30の回転駆動力は、直線運動に変換されてマニュアルバルブ22に伝達される。
ディテントプレート52は、図4に示すように、マニュアルシャフト51の径方向外側に凹部61、凹部62、凹部63、凹部64を有している。凹部61は、ディテントプレート52の回転方向の一方側に形成されている。凹部64は、ディテントプレート52の回転方向の他方側に形成されている。凹部62および凹部63は、凹部61と凹部64との間に形成されている。ここで、凹部61〜64は、それぞれ、特許請求の範囲における「凹部」に対応している。
本実施形態では、凹部61は、自動変速機20のシフトレンジである「Pレンジ」に対応して形成されている。凹部62は、「Rレンジ」に対応して形成されている。凹部63は、「Nレンジ」に対応して形成されている。凹部64は、「Dレンジ」に対応して形成されている。
ディテントスプリング55は、弾性変形可能な長い板状に形成されており、先端に規制部としてのディテントローラ53を有している。ディテントスプリング55は、ディテントローラ53をディテントプレート52の中心(マニュアルシャフト51)方向、すなわち凹部61〜64の凹み方向へ付勢している。マニュアルシャフト51を経由してディテントプレート52に回転方向の所定の力が加わると、ディテントローラ53は、各凹部61〜64間に形成される凸部を乗り越えて隣接する他の凹部61〜64へ移動する。その結果、アクチュエータ30によってマニュアルシャフト51を回転させることにより、マニュアルバルブ22の軸方向の位置、および、パーキングロック機構70の状態が変化し、自動変速機20のシフトレンジが変更される。なお、ディテントローラ53が各凹部61〜64間の凸部を乗り越えるとき、ディテントスプリング55は撓むようにして弾性変形する。また、このとき、ディテントローラ53は、回転しながら各凹部61〜64および凸部を移動する。
ディテントローラ53が凹部61、凹部62、凹部63、凹部64のいずれかに嵌り込むことでディテントプレート52の回転を規制することにより、マニュアルバルブ22の軸方向の位置、および、パーキングロック機構70の状態が決定される。これにより、自動変速機20のシフトレンジが設定(保持)される。
本実施形態では、図4に示すように、シフトレンジが「Pレンジ」側から「Rレンジ」、「Nレンジ」および「Dレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ30の出力軸39が回転する方向を、正回転方向と定義している。一方、シフトレンジが「Dレンジ」側から「Nレンジ」、「Rレンジ」および「Pレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ30の出力軸39が回転する方向を、逆回転方向と定義している。
図3は、シフトレンジが「Dレンジ」であるとき、すなわち、「Pレンジ」以外のレンジであるときのパーキングロック機構70の状態を示している。この状態では、パーキングギア74は、パーキングロックポール73によってロックされていない。そのため、車両の車輪の回転は妨げられない。この状態から、アクチュエータ30の出力軸39が逆回転方向に回転すると、ディテントプレート52を介してロッド71が図3に示す矢印Xの方向に押され、ロッド71の先端に設けられたテーパ部72がパーキングロックポール73を図3に示す矢印Yの方向に押し上げる。これにより、パーキングロックポール73がパーキングギア74に噛み合い、パーキングギア74がロックされる。その結果、車輪の回転が規制された状態となる。このとき、ディテントスプリング55のディテントローラ53はディテントプレート52の凹部61に嵌り込んだ状態(ディテントローラ53が凹部61の中心に位置する状態。図4参照)であり、自動変速機20の実際のレンジ(以下、「実レンジ」という。)は「Pレンジ」である。
上述のように、本実施形態では、ディテントスプリング55がディテントローラ53をディテントプレート52の凹部61〜64の凹み方向へ付勢している。そのため、例えば、ディテントプレート52を回転駆動するモータ部32が停止(モータ部32、すなわち全てのコイル36への通電をオフ)したとき、ディテントローラ53が凹部61〜64の中心(最深部)に位置していない場合、ディテントローラ53がディテントスプリング55により凹部61〜64の凹み方向へ付勢されることでディテントプレート52が回転し、ディテントローラ53が凹部61〜64の中心に相対移動する。これにより、ディテントローラ53が凹部61〜64の中心に一致するようディテントプレート52が揺動回転する。その結果、所定の期間の経過後はディテントローラ53の中心と凹部61〜64の中心とが略一致し、自動変速機20のシフトレンジが所定のレンジに設定される。ここで、ディテントプレート52に対するディテントローラ53の相対的な位置に関し、上述の「ディテントローラ53がディテントスプリング55により凹部61〜64の凹み方向へ付勢されることでディテントプレート52が回転」する範囲を「吸い込み範囲」とよぶ。
本実施形態では、上記構成により、モータ部32によってディテントプレート52が回転駆動されることでシフトレンジが目標レンジに切り替わった直後、ディテントプレート52が暫く回転方向(正回転方向および逆回転方向)に揺動する。図4では、シフトレンジが「Pレンジ」に切り替わった直後のディテントプレート52、ディテントスプリング55およびディテントローラ53の状態を実線で示しており、ディテントプレート52が揺動しているときの各部材の状態を破線で示している。ディテントプレート52が揺動する時間(シフトレンジが目標レンジに切り替わった直後、ディテントプレート52が揺動し始めてから揺動が停止するまでの時間)の長さは、変速機構部50の部品公差、互いに接続する部材同士のあそびの量、モータ部32の制御精度、および、環境温度等の環境条件等により変動する。
SBW−ECU13は、アクチュエータ30のモータ部32およびエンコーダ34、ならびに、シフト選択手段としてのレンジセレクタ45のセレクタセンサ46等に電気的に接続している。
セレクタセンサ46は、車両の運転者がレンジセレクタ45を操作することにより指令したレンジ(以下、「指令レンジ」という。)を検出する。セレクタセンサ46は、検出した信号をSBW−ECU13へ出力する。
SBW−ECU13は、セレクタセンサ46から出力された指令レンジに関する信号に基づき、目標レンジを決定する。より具体的には、本実施形態では、セレクタセンサ46の信号、ブレーキの信号、および、車速センサ24の信号等に基づき目標レンジを決定する。ここで、SBW−ECU13は、特許請求の範囲における「目標レンジ決定手段」として機能する。SBW−ECU13は、自動変速機20のシフトレンジが、目標レンジ決定手段により決定された目標レンジとなるようアクチュエータ30の回転を制御する。これにより、自動変速機20の実レンジが、運転者の意図するレンジに切り替わる。
上述のように、SBW−ECU13は、通常、エンコーダ34からのパルス信号に基づきステータ35に対するロータ37の回転位置を検出しつつモータ部32の通電相を順次切り替えることでロータ37を目標回転位置まで回転駆動する。すなわち、SBW−ECU13は、ロータ37(モータ部32)の回転状態をフィードバックしながらモータ部32を回転駆動することでシフトレンジを目標レンジに切り替える。以下、SBW−ECU13による上記制御を「フィードバック駆動制御」という。ここで、SBW−ECU13は、特許請求の範囲における「レンジ切替手段」として機能する。
本実施形態のエンコーダ34は、インクリメンタル型のエンコーダのため、モータ部32の相対的な回転位置(ステータ35に対するロータ37の相対的な回転位置)しか検出することができない。そのため、アクチュエータ30を回転させることでシフトレンジを所望のレンジに切り替えるにあたっては、アクチュエータ30の出力軸39に接続されるマニュアルシャフト51の絶対的な回転位置に対応する基準位置を学習しておく必要がある。アクチュエータ30の基準位置を学習した後は、学習した基準位置と所定回転量(制御定数)とに基づき各シフトレンジに対応するアクチュエータ30の回転位置を演算により求め、当該演算により求めた回転位置となるようアクチュエータ30を回転させることで、実レンジを所望のシフトレンジに切り替えることができる。本実施形態では、SBW−ECU13は、ディテントプレート52の回転可能範囲の端部(PレンジまたはDレンジ)に対応するアクチュエータ30の基準位置を学習する。ここで、SBW−ECU13は、エンコーダ34からのパルス信号に基づき、マニュアルシャフト51の回転位置を間接的に検出可能である。すなわち、SBW−ECU13およびエンコーダ34は、特許請求の範囲における「回転位置検出手段」として機能する。
また、SBW−ECU13は、基準位置を学習した後においては、当該基準位置とエンコーダ34からのパルス信号とに基づき、そのときの実レンジを間接的に判定することができる。より具体的には、SBW−ECU13は、例えば、基準位置からのパルス信号カウント値(量)と実レンジとの対応関係を表すマップをROMに記憶している。そして、当該マップと基準位置とエンコーダ34からのパルス信号とに基づき、そのときの実レンジを判定する。すなわち、図4に示す各シフトレンジ(P、R、N、D)のそれぞれの範囲(レンジ判定範囲)内にディテントローラ53の中心が位置するか否か、つまり、マニュアルシャフト51(ディテントプレート52)の回転位置が各レンジ判定範囲内にあるか否かによって、実レンジを判定する。ここで、SBW−ECU13は、特許請求の範囲における「レンジ判定手段」として機能する。
SBW−ECU13は、判定した実レンジに関する信号をEC−ECU14に出力する。また、本実施形態では、SBW−ECU13は、判定した実レンジの情報を、統合ECU10を経由して、車両の運転席前方に設けられた表示装置47に表示する。これにより、運転者は、その時点の実レンジを視認することができる。
EC−ECU14は、車両の内燃機関(以下、「エンジン」という。)40のスロットル41、インジェクタ42、および、アクセルペダル43のアクセルセンサ44に電気的に接続している。スロットル41は、エンジン40の吸気通路を流れる吸気の流量を調整する。インジェクタ42は、エンジン40の吸気通路または各気筒へ噴射する燃料の量を調整する。アクセルセンサ44は、車両の運転者によるアクセルペダル43の操作量を検出し、検出した信号をEC−ECU14に出力する。このような構成により、EC−ECU14は、車両の運転者によってアクセルペダル43が操作されると、その操作、および、SBW−ECU13からの実レンジに関する信号に基づいてスロットル41およびインジェクタ42などを電気的に制御する。その結果、EC−ECU14は、エンジン40の回転数および出力トルクを調整する。
ところで、SBW−ECU13がフィードバック駆動制御を行っているとき、例えば、エンコーダ34からのパルス信号が何らかの原因で一時的に欠けたり、エンコーダ34の信号線に重畳したノイズが正規のパルス信号と誤認されたり、脱調が生じたりすると、通電相とロータ37の回転位相との同期が取れなくなり、ロータ37を正常に回転駆動できなくなる。これにより、ロータ37の回転が停止したり、逆回転したりするおそれがある。そこで、本実施形態では、SBW−ECU13は、モータ部32への通電状態、および、エンコーダ34からのパルス信号を常時監視し、上述のようなパルス信号に関する異常を検出すると、エンコーダ34が異常な状態であると判定する(エンコーダ34の異常を検出する)。SBW−ECU13は、エンコーダ34が異常な状態であると判定すると、エンコーダ34に関する異常フラグの値を0から1に変更し、RAMに記憶する。
本実施形態では、SBW−ECU13は、シフトレンジを切り替えるためにモータ部32を回転駆動している期間、すなわち、モータ部32のロータ37が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、ロータ37が目標回転位置に到達するまでの期間、実レンジの判定を禁止する。具体的には、SBW−ECU13は、モータ部32を回転駆動している期間、実レンジを判定しない。そのため、モータ部32が回転駆動している期間、SBW−ECU13が実レンジに関する判定結果をEC−ECU14に出力することはなく、表示装置47の実レンジの表示が別のレンジの表示に変更されることはない。ここで、SBW−ECU13は、特許請求の範囲における「判定禁止手段」として機能する。また、「モータ部32のロータ37が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、ロータ37が目標回転位置に到達するまでの期間」は、特許請求の範囲における「レンジ判定禁止時間」に対応する。
次に、SBW−ECU13による実レンジの判定処理について、図5に基づき説明する。
図5は、SBW−ECU13が実行する実レンジの判定処理について、一連の処理フロー(S100)を示す図である。当該処理フローS100は、例えば車両電源がオンになったことをきっかけとして開始される。
S101では、SBW−ECU13は、初期学習が完了しているか否かを判定する。具体的には、上述した初期学習としての「モータ部32の励磁通電相学習」および「基準位置の学習」が完了しているか否かを判定する。初期学習は完了していると判定した場合(S101:YES)、処理はS102へ移行する。一方、初期学習は完了していないと判定した場合(S101:NO)、処理はS105へ移行する。
S102では、SBW−ECU13は、シフトレンジの切り替え中であるか否かを判定する。具体的には、例えば、モータ部32への通電状態、および、目標レンジと実レンジとの異同等に基づき、シフトレンジの切り替え中であるか否かを判定する。シフトレンジの切り替え中であると判定した場合(S102:YES)、処理はS106へ移行する。一方、シフトレンジの切り替え中でないと判定した場合(S102:NO)、処理はS103へ移行する。
S103では、SBW−ECU13は、エンコーダ34に関する異常フラグの値を確認する。エンコーダ34に関する異常フラグの値が1であった場合(S103:YES)、処理はS108へ移行する。一方、エンコーダ34に関する異常フラグの値が0であった場合(S103:NO)、処理はS104へ移行する。
S104では、SBW−ECU13は、シフトレンジの判定を許可し、そのときのシフトレンジ(実レンジ)を判定する。具体的には、マニュアルシャフト51(ディテントプレート52)の回転位置が、各シフトレンジに対応する範囲(レンジ判定範囲)内のいずれにあるかによって、実レンジを判定する。そして、SBW−ECU13は、判定した実レンジに関する信号をEC−ECU14および統合ECU10に出力する。その後、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を抜ける。このとき、車両電源がオンのままであれば、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を再び開始する。
S105では、SBW−ECU13は、初期学習に関し、「学習前」であると判定する。その後、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を抜ける。このとき、車両電源がオンのままであれば、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を再び開始する。
S106では、SBW−ECU13は、モータ部32が目標回転位置に到達したか否かを判定する。モータ部32は目標回転位置に到達したと判定した場合(S106:YES)、処理はS103へ移行する。一方、モータ部32は目標回転位置に到達していないと判定した場合(S106:NO)、処理はS107へ移行する。
S107では、SBW−ECU13は、シフトレンジの切り替えに関し、「切り替え中」であると判定する。その後、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を抜ける。このとき、車両電源がオンのままであれば、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を再び開始する。
S108では、SBW−ECU13は、エンコーダ34の状態に関し、「異常」であると判定する。その後、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を抜ける。このとき、車両電源がオンのままであれば、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を再び開始する。
以上のように、SBW−ECU13は、シフトレンジの切り替え中でないときに限り、シフトレンジ(実レンジ)の判定を許可する。すなわち、SBW−ECU13は、シフトレンジの切り替え中(モータ部32が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部32が目標回転位置に到達するまでの期間であるレンジ判定禁止時間中)は、実レンジの判定を禁止する。
なお、S104、S105、S107、S108の後、SBW−ECU13は、図5に示す一連の処理S100を抜け、このとき、車両電源がオンのままであれば、処理S100を再び開始する。つまり、処理S100は、車両電源がオンの間中、繰り返し実行される処理である。
図6では、自動変速機20のシフトレンジが「Pレンジ」から「Rレンジ」に切り替わったときのディテントプレート52およびディテントローラ53の状態を示している。本実施形態では、モータ部32による位置決めばらつき範囲は、図6にA1で示すとおりの範囲である。当該A1は、目標回転位置(本実施形態ではディテントローラ53の中心がRレンジの凹部62の中心と一致する位置)に対するディテントプレート52の回転位置の位置決めばらつき範囲であり、変速機構部50の部品公差、互いに接続する部材同士のあそびの量、および、モータ部32の制御精度等により大きさが変化する。
本実施形態では、モータ部32による位置決めばらつき範囲がA1のため、例えばモータ部32が目標回転位置に到達し、全コイル36への通電をオフすることでモータ部32の回転駆動を停止した場合、ディテントプレート52に対するディテントローラ53の中心の位置は、A1の範囲内であると想定される。なお、図6にA2で示す範囲は、シフトレンジが「Rレンジ」であると判定されるときのエンコーダ34のカウント値の範囲(レンジ判定範囲)であり、ディテントローラ53の中心が凹部62の中心(最深部)に位置する場合のエンコーダ34のカウント値のばらつき範囲相当に設定されている。このばらつきは、変速機構部50の部品公差、互いに接続する部材同士のあそびの量等により大きさが変化する。A2は、ディテントローラ53の中心が凹部62の中心(最深部)に位置するときに確実に「Rレンジ」であると判定できる範囲に設定されている。
本実施形態では、上述のように、SBW−ECU13は、シフトレンジの切り替え中(モータ部32が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部32が目標回転位置に到達するまでの期間。レンジ判定禁止時間。)は実レンジの判定を禁止する。よって、例えばディテントローラ53が図6に破線で示す位置にあるとき(シフトレンジが「Pレンジ」から「Rレンジ」に切り替わる途中)にエンコーダ34のカウント値のばらつきに伴い実レンジが誤判定されることはない。
一方、SBW−ECU13は、シフトレンジの切り替え後は実レンジの判定を許可する。本実施形態ではシフトレンジの切り替え後(モータ部32の回転駆動の停止後)、ディテントローラ53はA1の範囲内に位置しているはずである。よって、シフトレンジの切り替え後、実レンジの判定を行った場合、確実に「Rレンジ」であると判定することができる。
本実施形態では、図6に示すように、『機械構成上、シフトレンジを「Rレンジ」であると判定してもよい範囲A3(レンジ判定要件)』は、「モータ部32による位置決めばらつき範囲A1」よりも大きく設定されている。上述のように、本実施形態では、ディテントローラ53がA1の範囲内に位置すると想定されているときに実レンジの判定処理を行うため、実レンジの誤判定を抑制することができる。よって、当該判定処理は、「A3がA1より大きく設定されている構成のシフトバイワイヤシステム3」に好適である。
なお、本実施形態では、「Rレンジ」以外のレンジに関しても、「Rレンジ」と同様、それぞれレンジ判定範囲が設定されている。そして、ディテントプレート52(マニュアルシャフト51)の回転位置が各レンジ判定範囲内であるか否かを判定することで、実レンジを判定する。
以上説明したように、本実施形態では、SBW−ECU13は、フィードバック駆動制御によりロータ37が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、ロータ37が目標回転位置に到達するまでの期間、すなわち、レンジ判定禁止時間が経過するまで、実レンジの判定を禁止する。本実施形態では、モータ部32によるディテントプレート52の回転駆動が停止又は目標回転位置に到達した後、SBW−ECU13により実レンジが判定される。そのため、ディテントプレート52の凹部61〜64の中心(最深部)とディテントスプリング55のディテントローラ53の中心との距離が近い状態のときに実レンジが判定される。よって、SBW−ECU13による実レンジの誤判定を抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるシフトバイワイヤシステムについて、図7および8に基づき説明する。第2実施形態は、物理的な構成は第1実施形態と同じものの、実レンジの判定処理の仕方が第1実施形態と異なる。
図7は、第2実施形態のSBW−ECU13が実行する実レンジの判定処理について、一連の処理フロー(S200)を示す図である。当該処理フローS200は、第1実施形態の一連の処理フローS100と同様、例えば車両電源がオンになったことをきっかけとして開始される。
図7に示すS101〜105、S107〜108は、第1実施形態の一連の処理フローS100のS101〜105、S107〜108(図5参照)と実質的に同一のため、説明を省略する。S200は、S102とS103との間にS201を含む点、S106の判定を含まない点で、S100と異なる。
S201は、S102でSBW−ECU13がシフトレンジの切り替え中でないと判定した場合(S102:NO)に実行される。S201では、SBW−ECU13は、待機時間が経過したか否かを判定する。ここで、待機時間とは、「SBW−ECU13のフィードバック駆動制御によってモータ部32が目標回転位置に到達し、全コイル36への通電をオフしたときから、所定の期間が経過するまでの期間」である。なお、待機時間は、ディテントプレート52が揺動する時間以上の長さに設定されていることが望ましい。待機時間は経過したと判定した場合(S201:YES)、処理はS103へ移行する。一方、待機時間は経過していないと判定した場合(S201:NO)、処理はS107へ移行する。
本実施形態では、「フィードバック駆動制御によりモータ部32が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部32が目標回転位置に到達し、全コイル36への通電をオフするまでの期間」と前記待機時間との和が、特許請求の範囲における「レンジ判定禁止時間」に対応している。つまり、第2実施形態では、レンジ判定禁止時間が、第1実施形態と比べ、待機時間分長く設定されている。
図8では、自動変速機20のシフトレンジが「Pレンジ」から「Rレンジ」に切り替わったときのディテントプレート52およびディテントローラ53の状態を示している。ディテントローラ53が(凹部62の)吸い込み範囲内に位置するときにモータ部32の回転駆動が停止し、全コイル36への通電をオフした場合、ディテントローラ53が凹部62の中心に一致するようディテントプレート52が揺動回転し、待機時間の経過後は、図8に示すように、ディテントローラ53の中心と凹部62の中心とは略一致した状態になっていると考えられる。
本実施形態では、図8に示すように、『機械構成上、シフトレンジを「Rレンジ」であると判定してもよい範囲A4(レンジ判定要件)』は、「モータ部32による位置決めばらつき範囲A1」よりも小さく設定されている。上述のように、本実施形態ではディテントローラ53の中心と凹部62の中心とが略一致した状態であると想定されているときに実レンジの判定処理を行うため、実レンジの誤判定をより抑制することができる。よって、当該判定処理は、「A4がA1より小さく設定されている構成のシフトバイワイヤシステム3」に好適である。
なお、本実施形態では、「Rレンジ」以外のレンジに関しても、「Rレンジ」と同様、それぞれレンジ判定範囲が設定されている。そして、ディテントプレート52(マニュアルシャフト51)の回転位置が各レンジ判定範囲内であるか否かを判定することで、実レンジを判定する。
以上説明したように、本実施形態では、モータ部32によるディテントプレート52の回転駆動が停止し、全コイル36への通電をオフした後、さらに待機時間が経過した後でSBW−ECU13により実レンジが判定される。例えばディテントローラ53が吸い込み範囲内に位置するときにモータ部32の回転駆動が停止した場合、ディテントローラ53が凹部61〜64のいずれかの中心に一致するようディテントプレート52が揺動回転し、待機時間の経過後は、ディテントローラ53の中心と凹部61〜64のいずれかの中心とは略一致した状態になっていると考えられる。本実施形態では、このとき(待機時間経過後、ディテントローラ53の中心と凹部61〜64のいずれかの中心とが略一致した状態のとき)、SBW−ECU13により実レンジが判定される。よって、SBW−ECU13による実レンジの誤判定をより抑制することができる。
(他の実施形態)
上述の第1実施形態では、レンジ判定禁止時間を「レンジ切替手段によりモータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部が目標回転位置に到達するまでの期間」に設定する例を示した。また、上述の第2実施形態では、レンジ判定禁止時間を「レンジ切替手段によりモータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、モータ部が目標回転位置に到達後、所定の期間である待機時間がさらに経過するまでの期間」に設定する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、レンジ判定禁止時間を、「レンジ切替手段によりモータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、任意の長さの期間が経過するまでの期間」に設定することとしてもよい。また、待機時間は、任意の長さに設定してもよい。
上述の第2実施形態では、『機械構成上、シフトレンジを「所定のレンジ」であると判定してもよい範囲』が、「モータ部による位置決めばらつき範囲」よりも小さく設定されているシフトバイワイヤシステムに、実レンジの判定処理S200を適用する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、『機械構成上、シフトレンジを「所定のレンジ」であると判定してもよい範囲』が、「モータ部による位置決めばらつき範囲」よりも大きく設定されているシフトバイワイヤシステムに、実レンジの判定処理S200を適用することとしてもよい。
また、上述の実施形態では、ディテントプレートに4つの凹部(それぞれ、「Pレンジ」、「Rレンジ」、「Nレンジ」、「Dレンジ」に対応)が形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ディテントプレートに2つの凹部(それぞれ、例えば「Pレンジ」、「notPレンジ」に対応)、または、6つの凹部(それぞれ、例えば「Pレンジ」、「Rレンジ」、「Nレンジ」、「Dレンジ」、「2レンジ」、「Lレンジ」に対応)、あるいは、任意の数の凹部が形成されることとしてもよい。すなわち、本発明を適用する自動変速機のレンジ数は、4つに限らず、2つ、または、6つ、あるいは、いくつであってもよい。
また、上述の実施形態では、ロータ37の回転に応じたパルス信号を出力するエンコーダ34により、マニュアルシャフト51の回転位置を間接的に検出する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、アクチュエータ30の出力軸39の回転位置を検出可能な回転位置検出手段により、マニュアルシャフト51の回転位置を間接的に検出することとしてもよい。あるいは、マニュアルシャフト51の軸回りに回転位置検出手段を設け、当該回転位置検出手段によりマニュアルシャフト51の回転位置を直接検出することとしてもよい。
また、上述の実施形態では、インクリメンタル型のエンコーダ34を用いてマニュアルシャフト51の回転位置を間接的に検出する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、アブソリュート型のエンコーダを回転位置検出手段として用い、マニュアルシャフト51の回転位置を直接または間接的に検出することとしてもよい。
本発明によるシフトバイワイヤシステムは、無段変速機(CVT)、およびP、R、N、Dの4ポジションを切り替えるHV(ハイブリッド車)の自動変速機(A/T)等のレンジ切替に用いることもできる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
3 ・・・・シフトバイワイヤシステム
13 ・・・SBW−ECU(目標レンジ決定手段、レンジ切替手段、回転位置検出手段、レンジ判定手段、判定禁止手段)
32 ・・・モータ部
34 ・・・エンコーダ(回転位置検出手段)
39 ・・・出力軸
45 ・・・レンジセレクタ(シフト選択手段)
51 ・・・マニュアルシャフト
52 ・・・ディテントプレート
53 ・・・ディテントローラ(規制部)
55 ・・・ディテントスプリング
61、62、63、64 ・・・凹部

Claims (2)

  1. 車両の運転者により操作されるシフト選択手段からの信号に応じてレンジを切り替えるシフトバイワイヤシステムであって、
    モータ部と、
    前記モータ部の回転が出力される出力軸に接続されるマニュアルシャフトと、
    複数の凹部を有し、前記マニュアルシャフトと一体に設けられることで前記モータ部により回転駆動されるディテントプレートと、
    規制部を有し、前記規制部を前記凹部の凹み方向へ付勢し、前記規制部が複数の前記凹部のいずれかに嵌り込むことで前記ディテントプレートの回転を規制することにより前記レンジを所定のレンジに保持可能なディテントスプリングと、
    前記シフト選択手段からの信号に基づき目標レンジを決定する目標レンジ決定手段と、
    前記目標レンジ決定手段により決定した前記目標レンジとなるよう前記レンジを切り替えるレンジ切替手段と、
    前記マニュアルシャフトの回転位置を直接または間接的に検出する回転位置検出手段と、
    前記回転位置検出手段により検出した前記マニュアルシャフトの回転位置に基づき、実際のレンジである実レンジを判定するレンジ判定手段と、
    前記レンジ切替手段により前記モータ部が目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、所定の期間であるレンジ判定禁止時間が経過するまで、前記レンジ判定手段による実レンジの判定を禁止する判定禁止手段と、を備え、
    前記判定禁止手段は、前記レンジ切替手段により前記モータ部が前記目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、前記モータ部が前記目標回転位置に到達するまで、前記レンジ判定手段による実レンジの判定を禁止することを特徴とするシフトバイワイヤシステム。
  2. 前記判定禁止手段は、前記レンジ切替手段により前記ロータが前記目標回転位置に向けて回転駆動を開始してから、前記モータ部が前記目標回転位置に到達後、所定の期間である待機時間がさらに経過するまで、前記レンジ判定手段による実レンジの判定を禁止することを特徴とする請求項1に記載のシフトバイワイヤシステム。
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