JP2009162309A - 自動変速機のレンジ切替装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディテント機構およびアクチュエータを有するバイワイヤ方式のレンジ切替装置において、自動変速機のレンジポジションを検出するために用いるレンジ判定範囲を適切に設定することを可能にして、レンジポジションの検出精度を高める。
【解決手段】アクチュエータ60からディテント部材51までの動力伝達経路における変位要素(例えば63)の変位位置を検出する非接触式の検出手段が設けられる。制御装置40は、前記検出手段の出力と所定のレンジ判定範囲とを対比することによりレンジポジションを検出する処理を行うもので、アクチュエータ60の駆動状態に応じて前記レンジ判定範囲を変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される自動変速機のレンジ切替装置に関する。
一般的に、車両用の自動変速機では、例えば車両の運転席付近に設置されるシフトレバー等を運転者が操作することにより、パーキングレンジ(P),リバースレンジ(R),ニュートラルレンジ(N),ドライブレンジ(D)等の中から、要求されたシフトレンジを成立させるように構成されている。
近年では、運転者がシフトレバー等を操作して適宜のレンジを要求すると、要求されたレンジをセンサ等で検出し、この検出信号に基づいてシフトレンジ切替用の油圧制御装置の一構成要素であるマニュアルバルブの状態やパーキング機構の状態を変更するような、いわゆるバイワイヤ方式のレンジ切替装置が提案されている(例えば特許文献1,2参照。)。
ここで、前記レンジ切替装置は、マニュアルバルブのスプールやパーキング機構のパーキングロッドを段階的に押し引きして位置決めするためのディテント機構と、ディテント機構を駆動するためのアクチュエータと、必要に応じてアクチュエータを制御する制御装置とを含んだ構成になっている。
前記ディテント機構は、前記アクチュエータにより傾動されることで前記スプールやパーキングロッドを押し引きするディテントプレートと、ディテントプレートの停止姿勢を保持するディテントスプリングとを含む。
ディテントプレートには、その回転角毎に対応する複数の谷および山からなる波形部が設けられている。各谷の底の位置は、マニュアルバルブのスプールのレンジ設定位置に対応付けられている。
前記ディテントスプリングは、その自由端側に前記波形部のいずれかの谷に係合される係合部としてのディテントローラが設けられている。このディテントスプリングは、ディテントローラを谷に係合すると、当該係合状態を保つように谷底にディテントローラを吸い込むような付勢力をディテントプレートに付与する。
アクチュエータは、回転動力を発生する電動式のモータ等と、モータの出力を減速して出力軸に伝える減速機構とを備えている。アクチュエータの出力軸には、前記ディテントプレートの支軸が例えばスプライン嵌合により連結されている。
ここで、参考までに、パーキングレンジPが要求された場合には、ディテントプレートが所定角度傾動され、このディテントプレートの傾きに連動して、パーキング機構のパーキングロッドを例えば奥へ押して、自動変速機のアウトプットシャフトを回転不可能なロック状態とするようになっている。
また、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDが要求された場合には、ディテントプレートが所定角度傾動され、このディテントプレートの傾きに連動して、パーキングロッドを例えば手前に引っ張って自動変速機のアウトプットシャフトを回転可能なアンロック状態にするとともに、マニュアルバルブのスプールを軸方向に変位させることによって、自動変速機の変速機構部に備えるクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素を係合または解放させることにより、要求のレンジを成立させるようになっている。
上記いずれの状況でも、ディテントプレートが停止されると、ディテントプレートの波形部のいずれかの谷の底に、ディテントローラがディテントスプリングの弾性力で吸い込まれて係合されることになって、ディテントプレートの姿勢が位置決め保持される。
ところで、従来のレンジ切替装置では、レンジ切り替えを行うときに、アクチュエータのモータのロータ角を検出するためのロータ角検出手段の出力(回転角に応じた数のパルスを有するデジタル信号)に基づき、前記モータの駆動量をフィードバック制御するようにしている。
なお、特許文献1に係る従来例では、レンジポジションを検出するために、接点式のニュートラルスイッチを用いている。この接点式のニュートラルスイッチは、ディテントプレートの一側面に設けてある複数の電極と、ディテントプレート側の各電極に接触する固定電極とで構成されている。
この場合、接点式のニュートラルスイッチによる引きずり抵抗によって、ディテントプレートの傾動時においてディテントスプリングによる吸い込み作用が弱められることになるので、いわゆる吸い込み範囲が狭くなるために、ディテントプレートを駆動するときアクチュエータの制御性が低下することが懸念される。
また、特許文献2に係る従来例では、レンジポジションを検出するために、アクチュエータの出力軸の回転角を検出する非接触式のアナログ磁気センサを用いているので、前記特許文献1に係る従来例で発生している引きずり抵抗に起因する不具合はないと言える。
特開2006−336680号公報 特開2006−322553号公報
上記特許文献2に係る従来例の場合、アクチュエータを構成するモータから減速機構の出力軸までの動力伝達経路に回転方向の遊び(バックラッシや組立誤差等)が存在している。また、上述したようにアクチュエータの出力軸とディテントプレートの支軸との連結をスプライン嵌合とするような場合には、この連結部分にバックラッシ(連結遊び)が不可避的に存在する。したがって、アクチュエータからディテント部材までの動力伝達経路には、前述したアクチュエータの内部遊びと、前記スプライン嵌合部分の連結遊びとが存在する。
このように動力伝達経路に回転方向の遊びがあると、前記アクチュエータを駆動開始してから前記遊びを詰める期間について、ディテントプレートの実際の傾動動作が遅れることになる等、アクチュエータのモータの目標回転角とディテントプレートの実際の回転角とにずれが生じる。そのため、レンジ切り替え時に、前記動作遅れによって要求レンジに対応する谷をディテントローラに係合させることができなくなるおそれがある等、結果的に要求レンジに切り替えられなくなることが懸念される。
このような事情を考慮し、特許文献2に係る従来例では、レンジ切り替え時に、前記遊びを検出して、この検出した遊び量をモータの制御量に盛り込むように対処しているが、その場合、当然ながらレンジ切り替えの制御が複雑になる。
ところで、特許文献2に係る従来例の場合、段落番号〔0054〕に、「電動機制御装置に、目標シフトレンジと前記アナログ磁気センサによって検出される実シフトレンジとに差がある場合に、目標シフトレンジと実シフトレンジとを一致させた後でモータへの通電を停止するモータ制御プログラムが搭載されている」といった記載がある。
しかしながら、上記特許文献2に係る従来例の場合、アナログ磁気センサの出力に基づいて実シフトレンジを判定するための判定基準値を用いると考えられるが、このレンジ判定の判定基準値についての記載はない。そのため、前記の判定基準値については、アクチュエータの駆動中や停止中に関係なく、また駆動中の駆動方向に関係なく、固定値に設定するものと考えるのが妥当であり、そのために、レンジポジションの検出精度が低いと言える。
というのは、そもそも、アクチュエータの停止中では、動力伝達経路に存在する遊びによって、ディテントプレートの支軸に対してアクチュエータの出力軸がパーキングレンジ側またはドライブレンジ側のどちらの駆動方向に片寄っているのか、あるいは片寄っていないのか等、状態が不明であると言える。その一方で、アクチュエータの駆動中は、動力伝達経路に存在する遊びが駆動方向下流側へ詰められている。このようなことから、アクチュエータの停止時と駆動中とで非接触式のアナログ磁気センサの検出出力にばらつきが発生すると言えるが、前記レンジ判定基準値に前記ばらつきを加味して設定しているといった記載や示唆はない。
このような事情により、本願発明者は、レンジ検出の判定基準値を、アクチュエータの停止中と駆動中とで同じに設定しているのでは不備があり、アクチュエータの駆動状態に応じてレンジ検出の判定基準値を変更するのが好ましいと考え、本発明を提案するに至った。
本発明は、自動変速機に用いるバイワイヤ方式のレンジ切替装置において、レンジ検出に非接触式の出力角検出手段を用いる構成を前提とし、レンジ検出におけるレンジ判定範囲を適切に設定することを可能にして、検出精度を高めることを目的とする。
本発明は、自動変速機のレンジ切替用のバルブを変位させるディテント部材と、ディテント部材を位置決めするための位置決め部材と、前記ディテント部材を変位させるアクチュエータと、このアクチュエータを制御する制御装置とを含むバイワイヤ方式のレンジ切替装置であって、前記ディテント部材は、切り替え対象となるレンジ毎に対応する複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記いずれかの谷に係合される係合部を有しかつ当該係合部を谷底へ吸い込むよう付勢するものであり、前記アクチュエータから前記ディテント部材までの動力伝達経路における変位要素の変位位置を検出する非接触式の検出手段が設けられ、前記制御装置は、前記検出手段の出力と所定のレンジ判定範囲とを対比することによりレンジポジションを検出する処理を行うもので、前記アクチュエータの駆動状態に応じて前記レンジ判定範囲を変更する、ことを特徴としている。
この構成では、アクチュエータの駆動状態、つまりアクチュエータを非駆動とする場合やアクチュエータを駆動してディテント部材を変位させるときの方向に応じて、最適なレンジ判定範囲に変更することが可能になる。
例えばアクチュエータの停止中にレンジポジションを検出する場合に、前記動力伝達経路に存在する遊びによって発生しうるアクチュエータとディテントプレートとの相対的なずれが変位方向のどちら側に片寄っていても、レンジポジションを検出するときの検出精度を高めるようにレンジ判定範囲を設定することが可能になる。
また、例えばレンジ切り替え要求に応答してアクチュエータでディテント部材を変位させる場合、動力伝達経路に存在する遊びが駆動方向下流側に詰められることを考慮し、レンジ判定範囲を前記遊び詰め方向に広く設定することが可能になる。そのため、前記レンジ切り替えを行うことによって、実際に要求レンジに対応する谷が位置決め部材の係合部に係合したか否かを検出するときの判定を可及的に早く行えるとともに、レンジポジションの検出精度を高めることが可能になる。
本発明は、自動変速機のレンジ切替用のバルブを変位させるディテント部材と、ディテント部材を位置決めするための位置決め部材と、前記ディテント部材を変位させるアクチュエータと、このアクチュエータを制御する制御装置とを含むバイワイヤ方式のレンジ切替装置であって、前記ディテント部材は、切り替え対象となるレンジ毎に対応する複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記いずれかの谷に係合される係合部を有しかつ当該係合部を谷底へ吸い込むよう付勢するものであり、前記アクチュエータから前記ディテント部材までの動力伝達経路における変位要素の変位位置を検出する非接触式の検出手段が設けられ、前記制御装置は、アクチュエータの停止中に前記検出手段の出力と前記各谷毎に設定されるレンジ判定範囲とを対比することにより現在のレンジポジションを検出する処理と、レンジ切り替え要求に応答してアクチュエータを駆動した後、前記検出手段の出力と前記要求レンジに対応する谷に設定されるレンジ判定範囲とを対比することにより要求レンジに対応する谷が前記係合部に係合したか否かを確認する処理とを行うもので、前記アクチュエータの駆動状態に応じて前記レンジ判定範囲を変更する、ことを特徴としている。
この構成では、アクチュエータの駆動状態、つまりアクチュエータを非駆動とする場合やアクチュエータを駆動してディテント部材を変位させるときの方向に応じて、最適なレンジ判定範囲に変更することが可能になる。
例えばアクチュエータの停止中にレンジポジションを検出する場合に、前記動力伝達経路に存在する遊びによって発生しうるアクチュエータとディテントプレートとの相対的なずれが変位方向のどちら側に片寄っていても、レンジポジションを検出するときの検出精度を高めるようにレンジ判定範囲を設定することが可能になる。
また、例えばレンジ切り替え要求に応答してアクチュエータでディテント部材を変位させる場合、動力伝達経路に存在する遊びが駆動方向下流側に詰められることを考慮し、レンジ判定範囲を前記遊び詰め方向に広く設定することが可能になる。そのため、前記レンジ切り替えを行うことによって、実際に要求レンジに対応する谷が位置決め部材の係合部に係合したか否かを検出するときの判定を可及的に早く行えるとともに、レンジポジションの検出精度を高めることが可能になる。
好ましくは、前記制御装置は、前記アクチュエータが停止中の場合と駆動中の場合とで専用のレンジ判定範囲を用いる、ものとすることができる。その場合、前記駆動中用のレンジ判定範囲を、停止中用のレンジ判定範囲に比べて広く設定することができる。
好ましくは、前記制御装置は、前記アクチュエータが駆動中の場合には、駆動方向に応じて専用のレンジ判定範囲を用いる、ものとすることができる。その場合、前記駆動中用のレンジ判定範囲を、駆動方向下流側に広く設定することができる。
好ましくは、前記制御装置は、前記アクチュエータが停止中の場合に、各谷における係合部の吸い込み範囲の上限側および下限側から、前記動力伝達経路に存在する遊びと前記検出手段の検出誤差とを加算した結果の半分を減算してなる停止中用のレンジ判定範囲を用いるように設定する処理と、前記アクチュエータが駆動中の場合に、駆動方向に応じて、前記停止中用のレンジ判定範囲における前記駆動方向下流側に前記遊び分を加算してなる正転中用または負転中用のレンジ判定範囲を用いるように設定する処理とを行う、構成とすることができる。
要するに、アクチュエータを駆動していない停止中は、動力伝達経路の遊びによって発生しうるアクチュエータとディテントプレートとの相対的なずれが変位方向のどちら側にも詰まっていない状態になっているか、あるいはどちらかに詰まっている状態になっているかが不明である。また、検出手段に検出誤差が正側と負側とに発生する場合には、それが前記遊びに上乗せされるようになる。
しかし、前記構成によれば、アクチュエータの停止中に用いるレンジ判定範囲を、正転中用のレンジ判定範囲や負転中用のレンジ判定範囲に比べて、前記遊びや検出誤差を考慮して狭く設定するようにしているから、前記遊びや検出誤差を含めた状態でのレンジ判定が精度良く行えるようになると言える。
しかも、正転中用のレンジ判定範囲や負転中用のレンジ判定範囲は、前記遊びが駆動方向下流側に詰められていることを考慮して、当該遊び分を駆動方向に応じて各駆動方向の下流側に加算するようにしているから、レンジ判定を可及的に早くかつ精度良く行えるようになると言える。
好ましくは、前記アクチュエータは、前記ディテント部材を傾動させるもので、回転動力を発生する電動式のモータと、このモータで発生した回転動力を減速して前記ディテント部材の支軸に同軸かつ一体回転可能に連結される出力軸から出力させる減速機構とを含む、構成とすることができる。
このように、ディテント部材の動作形態、アクチュエータで発生する動力形態等を特定すれば、レンジ切替装置の構成を明確にすることができる。
好ましくは、前記検出手段は、前記アクチュエータの出力軸の回転角を検出して、それに対応する電圧値を出力するものとされ、前記レンジ判定範囲は、前記検出手段の出力に対応する電圧値として設定される、構成とすることができる。
このように、検出手段の出力信号の形態ならびにレンジ判定範囲の設定を明確にすることができる。
本発明では、自動変速機に用いるバイワイヤ方式のレンジ切替装置において、レンジポジションを検出するときに用いるレンジ判定範囲を、アクチュエータの駆動状態に応じて適切に設定することを可能にしているから、検出精度を高めることが可能になる。
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1から図10に、本発明の一実施形態を示している。
ここで、本発明の特徴を適用した部分の説明に先立ち、レンジ切替装置の概略構成について、図1から図4を参照して説明する。
これらの図において、1は自動変速機、10はレンジ切替装置である。
自動車等の車両に搭載される自動変速機1は、例えば車両運転席近傍に設置されるパーキングスイッチ11やシフトレバー12等を運転者が手動操作することに応答して、例えばパーキングレンジP,リバースレンジR,ニュートラルレンジN,ドライブレンジD等を成立するようになっている。この自動変速機1の動作は、ECT_ECU(Electronic Controlled automatic Transmission-Electronic Control Unit)2によって制御される。
図2を参照して、パーキングスイッチ11やシフトレバー12の形態を説明する。
パーキングスイッチ11は、人的な押動操作の度に、パーキングレンジPに対応する信号を出力するものであって、例えば運転席近傍に設置されるシフト台9の所定位置に設置されている。
シフトレバー12は、シフト台9においてパーキングスイッチ11の近傍に設置されており、人的な傾動操作を受けることに伴い、シフトセンサ13から適宜の信号(ニュートラルレンジNに対応する信号、リバースレンジRに対応する信号、ドライブレンジDに対応する信号等)を出力させるようになっている。
このシフトレバー12は、いわゆるモーメンタリータイプとされていて、図2に示すように、シフト台9のシフトゲート9a内におけるホームポジションHを起点にしてニュートラルポジションN、リバースポジションR、ドライブポジションD、エンジンブレーキポジションBへと傾動操作可能になっているとともに、ホームポジションHから、ニュートラルポジションN、リバースポジションR、ドライブポジションD、エンジンブレーキポジションBに傾動操作した後は、自動的にホームポジションHに戻るようになっている。
なお、シフトセンサ13は、シフトレバー12がホームポジションHから横方向一方に倒されてニュートラルポジションNに傾動操作されたときにニュートラルレンジNに対応する信号を出力し、また、ニュートラルポジションNから前方向のリバースポジションRに向けて傾動操作されたときにリバースレンジRに対応する信号を出力し、さらに、ニュートラルポジションNから後方向のドライブポジションDに向けて傾動操作されたときにドライブレンジDに対応する信号を出力し、そして、ホームポジションHから後方向のエンジンブレーキポジションBに向けて傾動操作されたときにエンジンブレーキを効かせるための信号を出力するようになっている。
レンジ切替装置10は、いわゆるバイワイヤ方式と呼ばれるものであり、運転者によりパーキングスイッチ11あるいはシフトレバー12等が手動操作されることにより要求されたシフトレンジ(P,R,N,D)を成立させるために、自動変速機1の油圧制御装置4の一構成要素であるマニュアルバルブ20およびパーキング機構30を作動させるものであって、図1に示すように、主として、SBW_ECU(Shift by Wire-Electronic Control Unit)40と、ディテント機構50と、アクチュエータ60とを含んで構成されている。
マニュアルバルブ20は、自動変速機1に備える各種のブレーキやクラッチの係合動作を制御する油圧制御装置4の構成要素の一つである。
なお、油圧制御装置4は、一般的に公知であるが、前記マニュアルバルブ20の他に、前記各種のブレーキやクラッチの係合動作を制御する複数のリニアソレノイドバルブを備えており、シフトレバー12の操作に応答してマニュアルバルブ20が作動されて前記各リニアソレノイドバルブに対する作動油供給経路が変更されることによって、前記操作に対応するレンジを成立するものである。
このマニュアルバルブ20は、一般的に公知のスプールバルブタイプであり、主として、バルブボディ21と、スプール22とを含んだ構成になっている。
バルブボディ21は、自動変速機1のケース内の適宜場所に固定されかつ適宜の給油ポートや排出ポートを有している。スプール22は、バルブボディ21に軸方向変位可能に収納されている。
パーキング機構30は、図3に示すように、自動変速機1のアウトプットシャフト3を回転不可能なロック状態あるいは回転可能なアンロック状態に切り替えるもので、主として、パーキングギア31と、パーキングロックポール32と、パーキングロッド33とを含んだ構成になっている。
パーキングギア31は、自動変速機1のアウトプットシャフト3に一体回転可能に外装固定されている。
パーキングロックポール32は、パーキングギア31の近傍に一端側を支点として傾動自在となるように配置されている。このパーキングロックポール32の長手方向途中には、パーキングギア31の歯間に係入または離脱可能とされる爪32aが設けられている。なお、パーキングロックポール32は、図示省略のばねによってパーキングギア31から引き離される方向に常時付勢されている。
パーキングロッド33は、自動変速機1のアウトプットシャフト3と略平行に前端側または後端側に変位されるように配置されている。
このパーキングロッド33の前端は、下記するディテントプレート51に連結されていて、このディテントプレート51の傾動動作によって押し引きされる。
また、パーキングロッド33の後端には、パーキングロックポール32を傾動させるためのテーパコーン37が設けられている。このテーパコーン37は、コイルスプリング38によりパーキングギア31側へ押圧されている。このコイルスプリング38は、パーキングロッド33に外装されており、その一端がパーキングロッド33に係止固定されている止め輪39によって受け止められている。
SBW_ECU40は、レンジ切替装置10の動作を制御するものであって、詳細に図示していないが、一般的なECUと同様に、CPU、ROM、RAMならびにバックアップRAM等を含んだ構成であり、図示していないエンジン制御用のENG_ECUや自動変速機1制御用のECT_ECU2と、互いに必要な情報を双方向で送受信可能に接続されている。そして、ECT_ECU2とSBW_ECU40とが、必要に応じて自動変速機1を要求の変速段に切り替える変速処理を実行する。
このSBW_ECU40には、図1に示すように、主として、パーキングスイッチ11、シフトセンサ13、ロータ角検出手段14、出力角検出手段15等が図示していない入力インタフェースを介して接続されているとともに、アクチュエータ60のモータ61等が図示していない出力インタフェースを介して接続されている。
この実施形態では、SBW_ECU40に接続される構成要素について本発明の特徴に関連するもののみにして、本発明の特徴に直接的に関連しないものについての記載や説明を割愛している。
なお、ロータ角検出手段14および出力角検出手段15は、従来公知の構成(例えば特許文献2参照)であるので、詳細な図示や説明を割愛し、簡単に説明する。これらの検出手段14,15は、下記する以外の適宜の構成とすることも可能である。
ロータ角検出手段14は、モータ61のロータの回転角を検出するものであって、ロータの外周に設置される磁石あるいはロータの外周に交互に反対の極性で磁化される磁極と、磁気検出用のホールICとで構成され、ロータの回転量に応じた数のパルスを出力するデジタルエンコーダである。
出力角検出手段15は、アクチュエータ60の出力軸63の回転角を検出するものであって、出力軸63の外面側の所定回転角範囲に設置されかつ円周方向一方へ向けて断面積が漸増する磁石と、リニア出力ホールICとで構成され、出力軸63の回転角に応じた前記磁石の磁力を検出し、その検出磁力に応じたリニアなアナログ信号(電圧)を出力するアナログ磁気センサである。このアナログ磁気センサとしては、例えばニュートラルスイッチ(NSW)等と呼ばれるものとされる。
ディテント機構50は、マニュアルバルブ20のスプール22やパーキング機構30のパーキングロッド33を段階的に押し引きして位置決めするものであって、主として、ディテントプレート51と、支軸(マニュアルシャフトとも言う)52と、ディテントスプリング53とを含んだ構成になっている。
ディテントプレート51は、アクチュエータ60により傾動されることでマニュアルバルブ20のスプール22やパーキング機構30のパーキングロッド33を押し引きするものである。
このディテントプレート51は、外形が扇形に形成されており、その傾動中心となる領域には、当該ディテントプレート51と別体の支軸52が貫通する状態で一体回転可能に固定されるようになっている。
具体的に、ディテントプレート51と支軸52との連結は、例えばディテントプレート51の傾動支点部分に円筒ボス部(図示省略)を設けるとともに、この円筒ボス部の内孔に支軸52を嵌合し、例えばスプリングピン等(図示省略)を打ち込むことにより連結する形態になっているが、その他の形態でもよい。
これにより、支軸52が回転されると、それと一体にディテントプレート51が回転(または傾動)するようになる。なお、ディテントプレート51と支軸52とを一体に形成してもよい。
支軸52の軸方向一端側は、アクチュエータ60の出力軸63に同軸かつ一体回転可能に連結されており、また、支軸52の軸方向他端は、図示していないが、例えば自動変速機ケース1a等に回動可能に支持される。
このディテントプレート51の支軸52とアクチュエータ60の出力軸63との連結は、例えばスプライン嵌合とされている。つまり、支軸52の一端側外周には、オススプライン(符号省略)が設けられており、また、アクチュエータ60の出力軸63には、その内径側の横穴部分の内周面にメススプライン(符号省略)が設けられている。これにより、アクチュエータ60でもって支軸52を正逆両方向に所定角度回転駆動すると、ディテントプレート51が傾動されるようになるのである。
そして、ディテントプレート51の所定位置には、マニュアルバルブ20のスプール22の前端が連結されているとともに、パーキング機構30のパーキングロッド33の前端が連結されている。これにより、ディテントプレート51を傾動させると、マニュアルバルブ20のスプール22が軸方向に変位させられるとともに、パーキングロッド33が軸方向に変位させられるようになる。
なお、ディテントプレート51に対するスプール22の連結形態については、ディテントプレート51の所定位置に支軸52と平行に取り付けられるピン58を、スプール22の外端部分に設けられている二枚の円板の間に介装させるようにしている。
また、ディテントプレート51に対するパーキングロッド33の連結形態としては、ディテントプレート51の長手方向一端側に設けられる貫通孔59に、パーキングロッド33の先端屈曲部を挿入してから、この先端屈曲部に図示省略のスナップリングや係止ピン等を装着したり、あるいは先端屈曲部を塑性変形したりすることによって抜け止め固定するようになっている。
このディテントプレート51は、シフトレバー12により選択されるシフトレンジ(例えばパーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジNならびにドライブレンジD)に対応して例えば四段階に傾動されて、その傾動姿勢に応じてマニュアルバルブ20のスプール22を軸方向に四段階に変位させるようになっている。
そのために、ディテントプレート51の上端側には、波形部54が設けられている。波形部54の山の部分に符号55を、谷の部分に符号56a〜56dを付している。この実施形態での波形部54は、各谷56a〜56dの形状が谷底を中心として左右非対称とされている。
この波形部54は、シフトレバー12における四段階のシフトレンジ(パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジNならびにドライブレンジD)に対応する数(四つ)の谷56a〜56dを有している。そして、図3に示すように、ディテントプレート51において四つの谷56a〜56dの近傍には、「P,R,N,D」というマークが付記されている。
このようなディテントプレート51においては、図7に示すように、パーキングレンジPに対応する谷56aの底YPの回転角θPをレンジ切り替え制御上の零点位置(基準位置)とするとともに、パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDに対応する各谷56a〜56dの底YP,YR,YN,YD間における中心角θP-R,θR-N,θN-Dを設計上の定数値とし、これらの定数値が予めSBW_ECU40のバックアップRAM等に記憶されている。
ディテントスプリング53は、ディテントプレート51の四段階の傾動姿勢を個別に位置決め保持するもので、可撓性を有する帯状の板ばねからなり、その先端の二股部分に、係合部としてのディテントローラ57を回動可能に支持させた構成になっている。
なお、ディテントローラ57は、詳細に図示していないが、中空形状であり、その中心孔に支軸が挿通され、この支軸の軸方向両端がディテントスプリング53の二股部分に固定されている。
このディテントスプリング53の一端側は、この実施形態においてマニュアルバルブ20のバルブボディ21等に固定されている。また、ディテントローラ57は、ディテントプレート51の波形部54におけるいずれかの谷56a〜56dに係合されるものであるが、その状態において、ディテントスプリング53そのものが若干弾性変形して反った姿勢となるように設置することによって、ディテントスプリング53の弾性復元力でもってディテントローラ57を谷56a〜56dの底に押し付けるように作用させて、係合状態を強くする形態としている。
但し、ディテントスプリング53のディテントローラ57を谷56a〜56dに係合した状態において、ディテントスプリング53そのものを略真っ直ぐな自然姿勢とするように設置することも可能である。
アクチュエータ60は、ディテント機構50を駆動するものであって、詳細に図示していないが、回転動力発生部としての電動式のモータ61と、減速機構62と、出力軸63とを、ケース64内に収納した構成になっている。このアクチュエータ60は、例えば自動変速機1のケース1a(図4のみ記載)にボルト等で着脱可能に取り付けられる、外付けタイプとされている。
モータ61は、例えば永久磁石を用いないブラシレスのSR(スイッチトリラクタンス)モータとされ、図示していないが、回転自在に支持されるロータと、このロータの回転中心と同軸上に配置されるステータとで構成される。
減速機構62は、詳細に図示していないが、例えば、サイクロイドギヤを用いる機構や、複数の歯車を組み合わせた歯車機構や、遊星歯車機構等のいずれかとされる。この減速機構62の入力部材(図示省略)は、モータ61のロータ(図示省略)に連結されており、また、減速機構62の出力部材(図示省略)に、出力軸63が一体に設けられている。
ケース64の所定範囲には、図4に示すように、出力軸63の端部を外部に露呈するための筒形ボス部66が設けられている。この筒形ボス部66に対して出力軸63が非接触とされていて、出力軸63が回転自在になっている。筒形ボス部66の開口から出力軸63が外部に露呈している。
次に、上述した構成のレンジ切替装置10の基本的な動作を説明する。
そもそも、運転者がパーキングスイッチ11またはシフトレバー12を手動操作することにより、自動変速機1のパーキングレンジ(P),リバースレンジ(R),ニュートラルレンジ(N),ドライブレンジ(D)等のいずれかが選択されると、SBW_ECU40は、パーキングスイッチ11やシフトセンサ13からの出力に基づき前記選択されたレンジポジションを認識する。
SBW_ECU40は、前記認識した結果に応じて、アクチュエータ60の出力軸63を正回転または逆回転させるよう駆動し、支軸52およびディテントプレート51を適宜、回転(傾動)させる。詳しくは、SBW_ECU40は、レンジ切り替え要求に応答して、要求レンジに対応する目標回転角(目標パルスカウント値)を設定して、モータ61への通電を開始し、ロータ角検出手段14の検出出力つまりモータ61のロータの検出回転角(実パルスカウント値)が前記目標回転角と一致する位置で停止させるようにモータ61をフィードバック制御する。
このとき、ディテントプレート51の波形部54の山55がディテントローラ57に当接することによってディテントスプリング53が一旦上向きに弾性変形されて、ディテントローラ57が波形部54における次の谷(56a〜56d)に係合することになり、ディテントプレート51がディテントスプリング53の弾性復元力(付勢力)により位置決め保持される。
このディテントプレート51の傾動によりマニュアルバルブ20のスプール22が軸方向にスライドされ、マニュアルバルブ20が「P」,「R」,「N」,「D」のうちの選択されたレンジポジションへと切り替えられる。これにより、油圧制御装置4が適宜に駆動されて自動変速機1における適宜の変速段を成立することになる。
なお、SBW_ECU40は、出力角検出手段15から出力される実電圧値を読み込んで、その実電圧値に基づいて現在の出力軸63の回転角(マニュアルバルブ20の操作量)、つまり、現在のレンジ(実レンジ)がパーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDのいずれであるかを認識し、この認識した現在のレンジ(実レンジ)と要求レンジ(目標レンジ)とを対比することによりレンジ切り替えが正常に行われたか否かを確認する。この出力角検出手段15の出力電圧値VP,VR,VN,VDは、図8に示すように、予め、パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDの回転角θP,θR,θN,θDと対応付けられており、この対応関係のマップが、予めSBW_ECU40のバックアップRAM等に記憶されている。
そして、パーキングレンジPが選択された場合には、マニュアルバルブ20が「P」ポジションに切り替えられるとともに、パーキング機構30のパーキングロッド33が軸方向にスライドされ、パーキングロックポール32の爪32aをパーキングギア31に係合させるようになる。これにより、自動変速機1のアウトプットシャフト3が回転不可能なロック状態にされる。
また、パーキングレンジPの位置からそれ以外のレンジが選択された場合には、SBW_ECU40は、アクチュエータ60を駆動することにより、支軸52を所定方向に所定角度回転させることにより、ディテントプレート51が傾動されることになり、それに伴いパーキングロッド33およびテーパコーン37が前記と逆向きに軸方向にスライドされて、テーパコーン37によるパーキングロックポール32の押し上げ力を解除する。
これにより、パーキングロックポール32が下向きに下がって、その爪32aがパーキングギア31の歯間から抜け出るので、アウトプットシャフト3が回転可能なアンロック状態にされる。それと同時に、マニュアルバルブ20のスプール22が目標の位置に変位されて、油圧制御装置4において適宜の作動油供給経路を作成する。
ところで、上述したレンジ切替装置10において、アクチュエータ60のモータ61からディテントプレート51までの動力伝達経路に回転方向の遊び(バックラッシや組立誤差等)が存在していると、ディテントプレート51の姿勢変更過程でアクチュエータ60の駆動力を受けずにディテントプレート51が自走する現象が発生する。この自走現象の他の表現としては、ディテントローラ57が谷56の底に吸い込まれる現象とも言われる。
このような現象について、図5および図6を参照して説明する。なお、図5および図6では、説明をわかりやすくするために、各谷56a〜56dの形状について、底を中心として左右対称の形状としたものを例に挙げている。
仮に、ディテントプレート51をパーキングレンジPからリバースレンジRへ切り替えるために、1レンジ分傾動させる場合、まず、図5に示すように、ディテントローラ57がディテントプレート51の波形部54においてパーキングレンジに対応する谷(以下、パーキングレンジ谷という)56aから山55へ上るとき、アクチュエータ60のモータ61を駆動開始してから、当該モータ61からディテントプレート51までの動力伝達経路に存在する回転方向の遊びαを詰めるまでの間は、モータ61からディテントプレート51に駆動力が伝達されない。
図5の実線で示すように、前記遊びαが詰まってモータ61の駆動力がディテントプレート51に伝達されると、ディテントプレート51が傾動されてディテントローラ57がパーキングレンジ谷56aから山55を上り始める。この上り過程では、ディテントローラ57が図5中の−F方向に押されるために、ディテントスプリング53が弾性変形して、弾性復元力が蓄積されることになる。
この後、図6に示すように、ディテントローラ57が波形部54の山55を越えて要求レンジ(ここではリバースレンジR)に対応する谷56bに係入し始めるときに、前記蓄積されたディテントスプリング53の弾性復元力Fによってディテントローラ57が谷側に押さえ込まれることになる。このディテントローラ57からの付勢力によってディテントプレート51が図6中の実線から一点鎖線で示すように傾動方向前方へ押されることになる。その間、モータ61の駆動力がディテントプレート51に伝達されないので、前記詰められた遊びαが再度広がって、ディテントローラ57が要求レンジに対応する谷56bへ滑り落ちるようになる。
この現象をディテントプレート51の「自走」、あるいはディテントローラ57の「吸い込み」と呼んでおり、その間、ディテントプレート51の回転角変化が、モータ61のロータの回転角変化より先行するので、再度、図6の一点鎖線で示すように、前記詰められた遊びαが広がりながら、要求レンジに対応するリバースレンジ谷56bの底がディテントローラ57の中心に到達して係合することになる。
参考までに、ディテントプレート51をP→D方向へ傾動させる過程でディテントプレート51が自走し始める自走開始位置から、ディテントプレート51をD→P方向へ傾動させる過程でディテントプレート51が自走し始める自走開始位置までの範囲を、吸い込み範囲と言うことにする。自走開始位置とは、要するに、谷56a〜56dがディテントローラ57に係合し始める位置とも言える。
ここで、本発明の特徴を適用した部分について、図7から図10を参照して詳細に説明する。
先に、この実施形態で提示するディテントプレート51について説明すると、例えば図7に示すように、波形部54における複数の谷56a〜56dの底(最深位置)YP,YR,YN,YDが、マニュアルバルブ20のスプール22によるレンジ設定位置に応じて設計されていて、各谷56a〜56dの開口幅および吸い込み範囲WP,WR,WN,WDがそれぞれ異なるサイズに設定されている。
しかも、ニュートラルレンジ谷56cを除いた各谷56a,56b,56dは、その底YP,YR,YDを中心として左右非対称となる形状とされている。但し、ニュートラルレンジ谷56cのみは、その底YNを中心として左右対称となる形状とされている。
詳しくは、パーキングレンジ谷56aは、ストッパとしてパーキングレンジ側端壁51aが設けられていて、その関係より、リバースレンジ谷56b寄りにのみ斜面(ドライブレンジ側斜面)が設けられるようになっている。また、ドライブレンジ谷56dは、ストッパとしてドライブレンジ側端壁51bが設けられていて、その関係より、ニュートラルレンジ谷56c寄りにのみ斜面(パーキングレンジ側斜面)が設けられるようになっている。さらに、リバースレンジ谷56bは、ドライブレンジ側斜面に比べてパーキングレンジ側斜面のほうが長くなっている。
このようなディテントプレート51を用いるので、前記したが、パーキングレンジPに対応する谷56aの底YPの回転角θPを、制御上の基準点つまり零点位置として、図7に示すように、各レンジP,R,N,Dに対応する各谷56a,56b,56c,56dの底YP,YR,YN,YD間における中心角θP-R,θR-N,θN-Dが、設計上の定数値として予めSBW_ECU40のバックアップRAM等に記憶されている。
この実施形態では、上述したレンジ切り替え処理を行ったときに、出力角検出手段15の出力に基づいて、要求レンジが成立したか否かを調べることにより、レンジ切り替えが正常に行えたか否かを確認するようにしている。
そこで、本発明では、要するに、前記のレンジポジション検出に用いるレンジ判定範囲を、モータ61の駆動状態に応じて適切に変更するように工夫している。
この実施形態で用いるディテントプレート51は、前記しているように、各谷56a〜56dの開口幅および吸い込み範囲WP,WR,WN,WDがそれぞれ異なるサイズになっているので、前記レンジ毎のレンジ判定範囲は、当然ながら、各谷56a〜56dの吸い込み範囲WP,WR,WN,WDに合わせて、異なるサイズに設定されている。
具体的に、モータ61の停止中は、動力伝達経路に存在する遊びαによって、モータ61のロータに対してアクチュエータ60の出力軸63が駆動方向のどちらに片寄っているのかが不明である。
しかし、モータ61の駆動中は、P→R→N→Dの切り替え方向あるいはD→N→R→Pの切り替え方向に関係なく、共に、動力伝達経路に存在する遊びαがそれぞれ前記切り替え方向に詰められるために、この遊びαについては無視できる。この動力伝達経路に存在する遊びαは、この実施形態において、アクチュエータ60の内部遊び(バックラッシや組立誤差等)に、アクチュエータ60の出力軸63とディテントプレート51の支軸52とのスプライン嵌合部分の連結遊び(バックラッシ)を加えたものとされる。
なお、P→R→N→Dの切り替え方向でのモータ61の駆動方向を「正回転」とするとともに、そのときのディテントプレート51の傾動方向を「正転」とする。一方、D→N→R→Pの切り替え方向でのモータ61の駆動方向を「負回転」とするとともに、そのときのディテントプレート51の傾動方向を「負転」とする。
このようなことを考慮し、予め、モータ61の停止中用のレンジ判定範囲100P〜100Dについては、例えば図9の(b)に示すように設定したものとする。また、P→D駆動中用つまり正転中用のレンジ判定範囲200P〜200Dについては、例えば図9(c)に示すように設定したものとする。さらに、D→P駆動中用つまり負転中用のレンジ判定範囲300P〜300Dについては、例えば図9(d)に示すように設定したものとする。
これらのレンジ判定範囲100P〜100D,200P〜200D,300P〜300Dは、各谷56a〜56d毎に定められる設計上の吸い込み範囲WP,WR,WN,WDを基準として、下記するように個別に設定される。
この実施形態でのディテントプレート51の各谷56a〜56dが、図9(a)に示すように、互いに異なる形状になっている関係より、次のようにしている。
(1)停止中用のレンジ判定範囲100P〜100Dのうち、リバースレンジ谷56bとニュートラルレンジ谷56cとに関する停止中用のレンジ判定範囲100R,100Nは、吸い込み範囲WR,WNのパーキングレンジ側(出力角検出手段15の出力電圧値の下限側に相当)とドライブレンジ側(出力角検出手段15の出力電圧値の上限側に相当)との両方からそれぞれ適宜のマージンΔxを差し引いて、吸い込み範囲WR,WNよりも狭く設定されている。
前記のマージンΔxとは、図9(b)に示すように、動力伝達経路に存在する正逆方向の遊びαと、出力角検出手段15の出力ばらつき(検出誤差)βとを加算した最大ずれ量(α+β)の半分とされている。なお、前記の遊びαおよび出力ばらつきβは、予め実験により個体差を把握して平均化した値とするのが好ましい。
しかし、パーキングレンジ谷56aには、ストッパとしてのパーキングレンジ側端壁51aが設けられていてドライブレンジ側斜面しか存在していないので、このパーキングレンジ谷56aに関する停止中用のレンジ判定範囲100Pは、吸い込み範囲WPのドライブレンジ側から前記のマージンΔxを差し引いているが、吸い込み範囲WPのパーキングレンジ側は狭くしていない。この場合も、停止中用のレンジ判定範囲100Pは吸い込み範囲WPよりも狭くなっている。
また、ドライブレンジ谷56dには、ストッパとしてのドライブレンジ側端壁51bが設けられていてパーキングレンジ側斜面しか存在していないので、このドライブレンジ谷56dに関する停止中用のレンジ判定範囲100Dは、吸い込み範囲WDのパーキングレンジ側から適宜のマージンΔxを差し引いているが、吸い込み範囲WDのドライブレンジ側は狭くしていない。この場合も、停止中用のレンジ判定範囲100Dは吸い込み範囲WDよりも狭くなっている。
(2)正転中用のレンジ判定範囲200P〜200Dのうち、パーキングレンジ谷56aとリバースレンジ谷56bとニュートラルレンジ谷56cとに関する正転中用のレンジ判定範囲200P,200R,200Nは、停止中用のレンジ判定範囲100P,100R,100NのドライブレンジD側に、動力伝達経路に存在する正逆方向の遊びαを加えることにより、停止中用のレンジ判定範囲100P,100R,100Nよりも広く設定されている。
但し、ドライブレンジ谷56dには、ストッパとしてのドライブレンジ側端壁51bが設けられていてパーキングレンジ側斜面しか存在していないので、このドライブレンジ谷56dに関する正転中用のレンジ判定範囲200Dは、そのドライブレンジ側に、図9(c)に二点鎖線で示すような遊びα分を加算せずに、停止中用のレンジ判定範囲100Dと同一幅に設定されている。
(3)負転中用のレンジ判定範囲300P〜300Dのうち、リバースレンジ谷56bとニュートラルレンジ谷56cとドライブレンジ谷56dに関する負転中用のレンジ判定範囲300R,300N,300Dは、停止中用のレンジ判定範囲100R,100N,100DのパーキングレンジP側に、動力伝達経路に存在する正逆方向の遊びαを加えることにより、停止中用のレンジ判定範囲100R,100N,100Dよりも広く設定されている。
但し、パーキングレンジ谷56aには、ストッパとしてのパーキングレンジ側端壁51aが設けられていてドライブレンジ側斜面しか存在していないので、このパーキングレンジ谷56aに関する負転中用のレンジ判定範囲200Pは、そのパーキングレンジ側に、図9(d)に二点鎖線で示すような遊びα分を加算せずに、停止中用のレンジ判定範囲100Pと同一幅に設定されている。
次に、本発明の特徴を適用したレンジ切替装置10の動作について、図10のフローチャートを参照して説明する。
図10に示すフローチャートは、SBW_ECU40による処理であり、例えば運転者によるパーキングスイッチ11やシフトレバー12の操作に伴い、パーキングレンジ(P),リバースレンジ(R),ニュートラルレンジ(N),ドライブレンジ(D)等のいずれかが選択されたときに、パーキングスイッチ11やシフトセンサ13から出力される信号に基づき、前記レンジ変更の要求を認識したときに、エントリーされる。
まず、ステップS1において、要求レンジが現在レンジと同じか否かを判定する。ここでは、SBW_ECU40の内部メモリに一時的に記憶されている現在レンジを読み出し、前記認識した要求レンジとを対比する。
このとき、同じであれば、レンジ切り替えを行う必要がないので、前記ステップS1で肯定判定して、このフローチャートを抜ける。一方、異なっていれば、レンジ切り替えを行う必要があるので、前記ステップS1で否定判定して、続くステップS2に移行する。
このステップS2では、レンジ切り替え制御を開始する。つまり、ここでは、レンジ切り替え要求に伴いモータ61を駆動するにあたって、要求レンジに対応する谷56a〜56dの吸い込み範囲WP,WR,WN,WDをディテントローラ57に係合させるのに必要な、モータ61の目標回転角を設定し、モータ61を駆動開始させることにより、ディテントプレート51を傾動させる。
なお、ステップS2では、現在レンジから要求レンジへの傾動に必要なディテントプレート51の目標回転角を調べるとともに、それに基づいてモータ61への通電量を設定し、通電を開始し、ロータ角検出手段14からの検出出力に基づきモータ61をフィードバック制御する。このディテントプレート51の目標回転角に対応するモータ61への通電電圧値は、前記したように、予めSBW_ECU40のバックアップRAM内に記憶させてある内容を参照して設定される。これにより、ディテントプレート51が目標回転角だけ傾動される。
この後、ステップS3〜S6において、レンジ切り替えが正常に行えたか否かを確認するようにしている。
まず、ステップS3では、前記要求レンジへの切り替えが正転方向か否かを判定する。なお、前記しているが、正転方向とは、P→D側へ切り替えるときのディテントプレート51の傾動方向であり、一方、負転方向とは、D→P側へ切り替えるときのディテントプレート51の傾動方向である。
ここで、正転方向であれば、前記ステップS3で肯定判定して、ステップS4に移行するが、負転方向であれば、前記ステップS3で否定判定して、ステップS5に移行する。
前記のステップS4では、下記レンジポジションを検出するためのレンジ判定範囲を、図9(c)に示す正転中用のレンジ判定範囲200P〜200Dのうち、要求レンジに対応するものに設定してから、ステップS6に移行する。
一方、前記のステップS5では、下記レンジポジションを検出するためのレンジ判定範囲を、図9(d)に示す負転中用のレンジ判定範囲300P〜300Dのうち、要求レンジに対応するものに設定してから、ステップS6に移行する。
この後、ステップS6では、出力角検出手段15からの出力電圧値(検出回転角に相当)が、前記ステップS4またはS5で設定したレンジ判定範囲に入ったか否かを判定する。つまり、ここでは、出力角検出手段15からの出力電圧値(検出回転角に対応)に基づいて、要求レンジに対応する谷56a〜56dの吸い込み範囲WP,WR,WN,WDにおけるディテントローラ57の吸い込み誘導位置(自走開始位置)にディテントローラ57が到達したか否かを判定している。
ここで、前記ステップS6で否定判定した場合には、当該ステップS6を繰り返して到達するのを待つが、前記ステップS6で肯定判定した場合には、続くステップS7に移行する。
このステップS7においては、レンジポジションの検出に用いるレンジ判定範囲を、図9(b)に示す停止中用のレンジ判定範囲100P〜100Dのうち、ステップS1で認識した要求レンジに対応するものに変更し、その後、このフローチャートを抜ける。
要するに、このステップS7の処理を行うことによって、後々、アクチュエータ60の停止中においてレンジポジションを検出する際には、停止中用のレンジ判定範囲100P〜100Dが用いられるようになるのである。
なお、以上の説明では、ディテントプレート51の谷56a〜56dを不動としてディテントローラ57が移動しているような表現をすることにより、説明をわかりやすくしているが、実際には、ディテントローラ57は不動でディテントプレート51の谷56a〜56dの位置が変化する。
以上、要するに、本発明の特徴を適用した実施形態では、ディテントスプリング53によるディテントプレート51の自走現象またはディテントローラ57の吸い込み現象が不可避的に発生するような構成のレンジ切替装置10において、例えばアクチュエータ60の停止中にレンジポジションを検出するときや、レンジ切り替えを行った後で正確にレンジ切り替えが終了したか否かを確認するとき等に用いるレンジ判定範囲を、アクチュエータ60の駆動状態、つまり停止中や駆動中の駆動方向等に応じて、それぞれ最適なものに変更するようにしている。
これにより、アクチュエータ60の停止中にレンジポジションを検出する場合に、アクチュエータ60からディテントプレート51までの動力伝達経路に存在する遊びαによって発生しうるアクチュエータ60とディテントプレート51との相対的なずれが変位方向のどちら側に片寄っていても、また、出力角検出手段15の検出誤差が存在していても、当該遊びαや検出誤差を加味して吸い込み範囲WP,WR,WN,WDよりも狭くしたレンジ判定範囲を用いるようにしているから、レンジポジションの検出精度を高めることが可能になる。
また、レンジ切り替え要求に応答してアクチュエータ60でディテントプレート51を変位させる場合に、前記動力伝達経路に存在する遊びαが駆動方向下流側に詰められることを考慮し、この遊びα分を遊び詰め方向に広くしたレンジ判定範囲を用いるようにしているから、レンジポジションの検出精度を高めることが可能になる。そのため、前記レンジ切り替えを行うことによって、実際に要求レンジに対応する谷(56a〜56d)がディテントローラ57に係合したか否かを可及的に早くかつ正確に確認することが可能になる。
なお、本発明は、前記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下、本発明の他の実施形態を例に挙げる。
(1)前記各実施形態で説明したレンジ切替装置10は、フロントエンジン・リアドライブ(FR)形式やフロントエンジン・フロントドライブ(FF)形式やその他の方式の自動変速機に組み込まれて使用される。また、前記自動変速機は有段式あるいは無段式に限られない。さらに、自動変速機に限らず、トルクコンバータを用いない手動式変速機にも組み込むことが可能である。
(2)上記実施形態では、ディテントプレート51を傾動するタイプとした場合を例に挙げている。しかし、ディテントプレート51を直線的に変位させるタイプとする場合も本発明に含まれる。その場合、アクチュエータ60の駆動源としては、直動型シリンダとすることも可能であり、また、電動式のモータとする場合には、回転動力を直線動力に変換するための機構を、モータとディテントプレート51の支軸52との間に介装する必要がある。
(3)上記実施形態において、ディテントプレート51の波形部54における各谷56a〜56dの底YP,YR,YN,YD間の間隔については、マニュアルバルブ20のスプール22によるレンジ設定位置に対応して設定されているので、このスプール22によるレンジ設定位置を変更することにより、変更する必要がある。したがって、底YP,YR,YN,YD間の間隔は、任意とされる。
(4)上記実施形態におけるディテントプレート51の波形部54の谷56a〜56dについては、その底YP,YR,YN,YDを中心として左右非対称の形状にした例を挙げているが、特に限定されるものでない。例えば谷56a〜56dの形状は、その底YP,YR,YN,YDを中心として左右対称の形状であっても、本発明を適用することが可能である。その場合も、上記実施形態と略同様の作用、効果が得られる。
このような左右対称形状の谷56a〜56dの場合、図11(a)に示すように、その開口幅つまり吸い込み範囲WP〜WDを互いに同じサイズに設定することが可能である。その場合、当然ながら、各レンジ判定範囲100P〜100D,200P〜200D,300P〜300Dについては、それぞれ、上記実施形態のようにレンジP〜D毎にサイズを異ならせる必要はなく、各レンジP〜Dのサイズを一定にすることができる。
具体的に、停止中用のレンジ判定範囲100P〜100Dは、図11(b)に示すように、いずれも、吸い込み範囲WP〜WDのパーキングレンジ側(出力角検出手段15の出力の下限側に相当)とドライブレンジ側(出力角検出手段15の出力の上限側に相当)との両方からそれぞれ適宜のマージンΔxを差し引いて、吸い込み範囲WP〜WDよりも狭く設定されている。
前記のマージンΔxとは、動力伝達経路に存在する正逆方向の遊びαと、出力角検出手段15の出力ばらつきβとを足し合わせた最大ずれ量(α+β)の半分とされている。
また、正転中用のレンジ判定範囲200P〜200Dは、図11(c)に示すように、いずれも、停止中用のレンジ判定範囲100P〜100DのドライブレンジD側に、動力伝達経路に存在する正逆方向の遊びαを加えることにより、停止中用のレンジ判定範囲100P〜100Dよりも広く設定されている。
さらに、負転中用のレンジ判定範囲300P〜300Dは、図11(d)に示すように、いずれも、停止中用のレンジ判定範囲100P〜100DのパーキングレンジP側に、動力伝達経路に存在する正逆方向の遊びαを加えることにより、停止中用のレンジ判定範囲100P〜100Dよりも広く設定されている。
このように谷56a〜56dを左右対称形状としたディテントプレート51を用いる場合には、上述したように、レンジ判定範囲100P〜100D,200P〜200D,300P〜300Dの変更を上記実施形態に比べて簡易に設定することができる。この場合も、上記実施形態と同様に、レンジポジションの検出精度を高めることが可能になる。
(5)上記実施形態において、レンジ判定範囲を切り替えるための条件として、アクチュエータ60への通電を停止したときや、ロータ角検出手段14からの出力パルスのカウント数が変化しなくなったときとすることも可能である。
本発明に係る自動変速機のレンジ切替装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図1のレンジ切替装置に用いるシフトレバーのレンジ切り替えパターンを示す斜視図である。 図1のレンジ切替装置の外観を模式的に示す斜視図である。 図1のアクチュエータの出力軸とディテントプレートの支軸との連結部分を断面にして示す側面図である。 図2のディテントプレートの自走作用の発生理由を説明するための図で、ディテントプレートの傾動過程でディテントローラが上りとなるときの様子を示している。 図2のディテントプレートの自走作用の発生理由を説明するための図で、ディテントプレートの傾動過程でディテントローラが下りとなるときの様子を示している。 本発明に係るレンジ切替装置のディテントプレートを模式的に示した側面図である。 図7に示すディテントプレートのレンジ毎の回転角と出力角検出手段の出力電圧との関係を示すグラフである。 図7に示すディテントプレートのレンジ毎のレンジ判定範囲を説明するための図で、(a)はディテントプレートの波形部形状を、(b)は停止中用におけるレンジ毎のレンジ判定範囲を、(c)は正転中用におけるレンジ毎のレンジ判定範囲を、(d)は負転中用におけるレンジ毎のレンジ判定範囲をそれぞれ示している。 図1に示すSBW_ECUによるレンジ切り替え動作の説明に用いるフローチャートである。 ディテントプレートの各谷の形状を左右対称形状とする場合の例を示しており、図9に対応する図である。(a)はディテントプレートの波形部形状を、(b)は停止中用におけるレンジ毎のレンジ判定範囲を、(c)は正転中用におけるレンジ毎のレンジ判定範囲を、(d)は負転中用におけるレンジ毎のレンジ判定範囲をそれぞれ示している。
符号の説明
1 自動変速機
10 レンジ切替装置
11 パーキングスイッチ
12 シフトレバー
13 シフトセンサ
14 ロータ角検出手段
15 出力角検出手段(検出手段に相当)
20 マニュアルバルブ(レンジ切り替え用のバルブに相当)
22 マニュアルバルブのスプール
30 パーキング機構
31 パーキングギア
32 パーキングロックポール
32a パーキングロックポールの爪
33 パーキングロッド
40 SBW_ECU(制御装置に相当)
50 ディテント機構
51 ディテントプレート(ディテント部材に相当)
52 ディテントプレートの支軸
53 ディテントスプリング(位置決め部材に相当)
54 ディテントプレートの波形部
55 波形部の山
56a 波形部のパーキングレンジPに対応する谷
56b 波形部のリバースレンジRに対応する谷
56c 波形部のニュートラルレンジNに対応する谷
56b 波形部のドライブレンジDに対応する谷
57 ディテントローラ(係合部に相当)
60 アクチュエータ
61 アクチュエータのモータ
62 アクチュエータの減速機構
63 アクチュエータの出力軸(変位要素に相当)

Claims (9)

  1. 自動変速機のレンジ切替用のバルブを変位させるディテント部材と、ディテント部材を位置決めするための位置決め部材と、前記ディテント部材を変位させるアクチュエータと、このアクチュエータを制御する制御装置とを含むバイワイヤ方式のレンジ切替装置であって、
    前記ディテント部材は、切り替え対象となるレンジ毎に対応する複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記いずれかの谷に係合される係合部を有しかつ当該係合部を谷底へ吸い込むよう付勢するものであり、
    前記アクチュエータから前記ディテント部材までの動力伝達経路における変位要素の変位位置を検出する非接触式の検出手段が設けられ、
    前記制御装置は、前記検出手段の出力と所定のレンジ判定範囲とを対比することによりレンジポジションを検出する処理を行うもので、前記アクチュエータの駆動状態に応じて前記レンジ判定範囲を変更する、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  2. 自動変速機のレンジ切替用のバルブを変位させるディテント部材と、ディテント部材を位置決めするための位置決め部材と、前記ディテント部材を変位させるアクチュエータと、このアクチュエータを制御する制御装置とを含むバイワイヤ方式のレンジ切替装置であって、
    前記ディテント部材は、切り替え対象となるレンジ毎に対応する複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記いずれかの谷に係合される係合部を有しかつ当該係合部を谷底へ吸い込むよう付勢するものであり、
    前記アクチュエータから前記ディテント部材までの動力伝達経路における変位要素の変位位置を検出する非接触式の検出手段が設けられ、
    前記制御装置は、アクチュエータの停止中に前記検出手段の出力と前記各谷毎に設定されるレンジ判定範囲とを対比することにより現在のレンジポジションを検出する処理と、レンジ切り替え要求に応答してアクチュエータを駆動した後、前記検出手段の出力と前記要求レンジに対応する谷に設定されるレンジ判定範囲とを対比することにより要求レンジに対応する谷が前記係合部に係合したか否かを確認する処理とを行うもので、前記アクチュエータの駆動状態に応じて前記レンジ判定範囲を変更する、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機のレンジ切替装置において、
    前記制御装置は、前記アクチュエータが停止中の場合と駆動中の場合とで専用のレンジ判定範囲を用いる、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  4. 請求項3に記載の自動変速機のレンジ切替装置において、
    前記アクチュエータの駆動中用のレンジ判定範囲は、停止中用のレンジ判定範囲に比べて広く設定される、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  5. 請求項1または2に記載の自動変速機のレンジ切替装置において、
    前記制御装置は、前記アクチュエータが駆動中の場合には、駆動方向に応じて専用のレンジ判定範囲を用いる、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  6. 請求項5に記載の自動変速機のレンジ切替装置において、
    前記アクチュエータの駆動中用のレンジ判定範囲は、駆動方向下流側に広く設定される、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  7. 請求項1または2に記載の自動変速機のレンジ切替装置において、
    前記制御装置は、前記アクチュエータが停止中の場合に、各谷における係合部の吸い込み範囲の上限側および下限側から、前記動力伝達経路に存在する遊びと前記検出手段の検出誤差とを加算した結果の半分を減算してなる停止中用のレンジ判定範囲を用いるように設定する処理と、
    前記アクチュエータが駆動中の場合に、駆動方向に応じて、前記停止中用のレンジ判定範囲における前記駆動方向下流側に前記遊び分を加算してなる正転中用または負転中用のレンジ判定範囲を用いるように設定する処理とを行う、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一つに記載の自動変速機のレンジ切替装置において、
    前記アクチュエータは、前記ディテント部材を傾動させるもので、回転動力を発生する電動式のモータと、このモータで発生した回転動力を減速して前記ディテント部材の支軸に同軸かつ一体回転可能に連結される出力軸から出力させる減速機構とを含む、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  9. 請求項8に記載の自動変速機のレンジ切替装置において、
    前記検出手段は、前記アクチュエータの出力軸の回転角を検出して、それに対応する電圧値を出力するものとされ、
    前記レンジ判定範囲は、前記検出手段の出力に対応する電圧値として設定される、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012107655A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Denso Corp シフトバイワイヤシステム
JP2012255527A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Gkn Driveline Japan Ltd パークロック構造
US8935067B2 (en) 2011-10-28 2015-01-13 Denso Corporation Shift-by-wire system for automatic transmission of vehicle
JP2015040573A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 株式会社デンソー レンジ切替装置

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