JP2009068538A - 状態切替要素の作動装置、自動変速機のレンジ切替装置、ならびにパーキング装置 - Google Patents

状態切替要素の作動装置、自動変速機のレンジ切替装置、ならびにパーキング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】状態切替要素10の変位部材22,33を変位させて位置決めするディテント機構50と、ディテント機構50を駆動するアクチュエータ60と、アクチュエータ60を制御する制御装置5とを含む作動装置40において、ディテント部材51を素早くかつ正確に動作させるようにする。
【解決手段】制御装置5は、ディテント部材51を実際に往復駆動させて、その往路過程および復路過程でそれぞれディテント部材51の自走開始位置を検出して記憶する情報収集手段(S1〜S5,S11〜S16)と、収集した情報に基づいて谷56の底の位置情報を学習する学習手段(S17)とを含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、機械的に変位されることで状態が切り替わる状態切替要素を作動するための作動装置に関する。
なお、状態切替要素としては、例えば自動車等の車両に搭載される自動変速機のレンジ切替装置や、車両用の変速機内に設置されるパーキング装置等が挙げられる。つまり、レンジ切替装置やパーキング装置等が、本発明に係る作動装置の利用対象とされる。
一般的に、車両用の自動変速機では、例えば車両の運転席付近に設置されるシフトレバーを運転者が操作することにより、パーキングレンジ(P),リバースレンジ(R),ニュートラルレンジ(N),ドライブレンジ(D)等の中から、選択されたシフトレンジを成立させるように構成されている(例えば特許文献1〜3参照。)。
近年のレンジ切替装置は、一般的に、バイワイヤ方式と呼ばれるものとされており、運転者がシフトレバーを操作すると、シフトレバーで選択されたレンジポジションをセンサ等で検出し、この検出信号に基づいて下記作動装置がシフトレンジ切替用の油圧制御装置の一構成要素であるマニュアルバルブの状態やパーキング機構の状態を変更するようになっている。
ここで、前記作動装置は、マニュアルバルブのスプールやパーキング機構のパーキングロッドを段階的に押し引きして位置決めするためのディテント機構と、ディテント機構を駆動するためのアクチュエータと、アクチュエータを制御する電子制御装置とを含んでいる。
前記ディテント機構は、前記アクチュエータにより傾動されることで前記スプールやパーキングロッドを押し引きするディテントプレートと、ディテント部材の停止姿勢を保持するディテントスプリングとを含む。
前記ディテントプレートには、その傾動中心にアクチュエータの出力軸に連結される支軸が一体的に取り付けられており、また、ディテントプレートの回転角毎に対応する複数の谷および当該谷間の山からなる波形部が設けられている。
前記ディテントスプリングは、その自由端側に前記波形部のいずれかの谷に係合される係合部としてのローラが設けられている。このディテントスプリングは、ローラを谷に係合すると、当該係合状態を保つように弾性力をディテントプレートに付与する。
アクチュエータは、電動モータ等と、電動モータの出力を減速して出力軸に伝える減速機構とを備えている。このようなアクチュエータは、一般的に、電動モータのロータから出力軸までの間に回転方向の遊び(バックラッシや組立誤差等)が存在している。
ここで、参考までに、シフトレバーでパーキングレンジPが選択された場合には、ディテントプレートが所定角度傾動され、このディテントプレートの傾きに連動して、パーキング装置のパーキングロッドを例えば奥へ押して、自動変速機のアウトプットシャフトを回転不可能なロック状態とするようになっている。
また、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDが選択された場合には、ディテントプレートが所定角度傾動され、このディテントプレートの傾きに連動して、パーキングロッドを例えば手前に引っ張って自動変速機のアウトプットシャフトを回転可能なアンロック状態にするとともに、マニュアルバルブのスプールを軸方向に変位させることによって、自動変速機の変速機構部に備えるクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素を係合または解放させることにより、要求のレンジを成立させるようになっている。
ところで、上記いずれの状況でも、ディテントプレートが停止されると、ディテントプレートの波形部のいずれかの谷に、ディテントスプリングのローラが係合されることになって、ディテントプレートの姿勢が位置決め保持される。
特開平5−99326号公報 特開平5−203042号公報 特開2006−322553号公報
上記レンジ切替装置は、一般的に、アクチュエータの内部に回転方向の遊び(がたつき)が存在するために、ディテントプレートを姿勢変更させる際に、アクチュエータの電動モータの目標回転角とディテントプレートの実際の回転角とにずれが生じる。
そこで、前記アクチュエータの目標回転角について、実験等で一義的に決定した前記内部遊びの標準値を加味して設定することが単純に考えられるが、前記内部遊びには、作動装置毎の個体差があるために、依然としてディテントプレートの姿勢変更制御を正確に行えていないと言える。
これに対して、特許文献1には、前記アクチュエータの内部遊びを実際に検出して、この検出した内部遊びを加味して、ディテントプレートを姿勢変更させるときのアクチュエータの目標回転角を設定することが記載されている。この場合、内部遊びの個体差を考慮しているから、ディテントプレートの姿勢変更制御を正確に行えると考えられる。
しかし、アクチュエータの出力軸とディテントプレートの支軸との連結をスプライン嵌合とするような場合において、アクチュエータからディテント部材までの動力伝達経路における総遊びとしては、前述したアクチュエータの内部遊びに、前記連結部分に存在するバックラッシ(連結遊び)を加える必要がある。この場合、前述したような特許文献1の対処では、ロータ角検出手段の出力と出力角検出手段の出力との差で遊びを検出する形態であるので、実質的にアクチュエータの内部遊びを検出していて、前記連結遊びを検出していないと考えられる。ここに改良の余地があると言える。
本発明は、例えば車両に備えるシフト切替機構やパーキング機構等の状態切替要素の作動装置において、ディテント部材を素早くかつ正確に動作させるようにすることを目的としている。
また、本発明は、前述した作動装置を備えるパーキング装置の提供を目的としている。さらに、本発明は、前述した作動装置を備えるレンジ切替装置の提供を目的としている。
本発明は、機械的に変位されることで状態が切り替わる状態切替要素の作動装置であって、前記状態切替要素が備える変位部材を変位させて位置決めするためのディテント機構と、ディテント機構を駆動するためのアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御装置とを含み、前記ディテント機構は、前記アクチュエータにより駆動されることで前記変位部材を変位させるディテント部材と、ディテント部材の停止姿勢を保持する位置決め部材とを含み、かつ、前記ディテント部材は、複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記波形部を押圧する係合部を有し、前記制御装置は、前記ディテント部材を実際に往復駆動させて、その往路過程および復路過程でそれぞれディテント部材の自走開始位置を検出して記憶する情報収集手段と、前記情報収集手段で収集した情報に基づいて前記谷の底の位置を学習する学習手段とを含む、ことを特徴としている。
例えば、ディテント機構を用いる作動装置において、例えばアクチュエータからディテント部材までの動力伝達経路に遊び(例えば回転方向の遊び)が存在していると、アクチュエータの目標動作量(例えば目標回転角)とディテント部材の実際動作量(例えば実際回転角)との相関関係にずれが生じることになる。特に前記遊びに個体差がある関係より、前記ずれは一定にならない。
本発明は、実際にディテント部材を駆動(例えば傾動)させることにより、前記遊びを詰めた状態でのディテント部材の波形部における谷の底の位置を学習するようにしている。
そこで、例えば状態切替要素の切り替え要求を受けてディテント部材を動作(例えば姿勢変更)させる場合に、アクチュエータの目標動作量を設定するにあたって前記学習した情報を利用することが可能となる。そのようにすれば、ディテント部材を素早くかつ正確に動作させることが可能になって、応答性ならびに動作安定性の向上に貢献できるようになる。
また、本発明は、機械的に変位されることで状態が切り替わる状態切替要素の作動装置であって、前記状態切替要素が備える変位部材を変位させて位置決めするためのディテント機構と、ディテント機構を駆動するためのアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御装置とを含み、前記ディテント機構は、前記アクチュエータにより駆動されることで前記変位部材を変位させるディテント部材と、ディテント部材の停止姿勢を保持する位置決め部材とを含み、かつ、前記ディテント部材は、複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記波形部を押圧する係合部を有し、前記制御装置は、前記ディテント部材を一方向へ動かすとともに、この往路過程でディテント部材の自走開始位置を検出して記憶する往路情報収集手段と、前記ディテント部材を前記と逆向きに動かすとともに、この復路過程でディテント部材の自走開始位置を検出して記憶する復路情報収集手段と、前記両情報収集手段で収集した情報に基づいて前記谷の底の位置を学習する学習手段とを含む、ことを特徴としている。
この場合、制御装置の機能実現手段をより細かく特定しており、この特定によって制御装置の構成を具現化することが容易となる。
好ましくは、前記アクチュエータは、必要に応じて前記ディテント部材を傾動させるもので、回転動力を発生する電動モータと、この電動モータで発生した回転動力を減速して前記ディテント部材の支軸に同軸かつ一体回転可能に連結される出力軸から出力させる減速機構とを含むものとされ、また、前記情報収集手段は、前記電動モータのロータの回転角を検出するロータ角検出手段で検出される回転角変化より、ディテント部材の支軸の回転角を検出するディテント角検出手段で検出される回転角変化が先行したときを、前記自走開始位置として認識し、当該認識した時点での前記ディテント角検出手段による検出出力を自走開始位置の位置情報として記憶するものとされる。
このように、ディテント部材の動作形態、アクチュエータで発生する動力形態、ならびに情報収集手段による自走開始位置の検出形態等を特定することができる。このように特定すれば、作動装置の構成を具現化することが容易となる。
好ましくは、前記アクチュエータは、必要に応じて前記ディテント部材を傾動させるもので、回転動力を発生する電動モータと、この電動モータで発生した回転動力を減速して前記ディテント部材の支軸に同軸かつ一体回転可能に連結される出力軸から出力させる減速機構とを含むものとされる。前記両情報収集手段は、前記電動モータのロータの回転角を検出するロータ角検出手段で検出される回転角変化より、前記アクチュエータの出力軸の回転角を検出する出力角検出手段で検出される回転角変化が先行したときを、前記自走開始位置として認識し、当該認識した時点での前記出力角検出手段による検出出力を自走開始位置の位置情報として記憶するものとされる。
このように、ディテント部材の動作形態、アクチュエータで発生する動力形態、ならびに情報収集手段による自走開始位置の検出形態等を特定することができる。このように特定すれば、作動装置の構成を具現化することが容易となる。
好ましくは、前記ディテント部材の波形部は、各谷の形状が底を中心として左右対称とされ、前記学習手段は、前記谷毎において、前記往路側自走開始位置と前記復路側自走開始位との中点を算出し、当該算出値を各谷の底の位置情報として学習するものとされるものとされる。
ここで、仮に、アクチュエータで回転動力を発生してディテント部材を傾動させる構成とする場合には、各谷の往路側自走開始位置におけるディテント部材の回転角(動作量)をθF、復路側自走開始位置におけるディテント部材の回転角(動作量)をθBとしたとき、前記両回転角θF,θBの中点が谷底の位置となる。そのため、要するに、各谷の底の位置は、(θF+θB)/2といった簡単な計算式で求めることが可能になる。
好ましくは、前記制御装置は、状態切替要素の切り替え要求を受けることにより前記アクチュエータでディテント部材を駆動させる際、当該アクチュエータの制御に前記学習した情報を利用するものとされる。
この場合、実際にディテント部材を駆動させる際にアクチュエータの目標動作量(目標回転角)を設定するにあたって、前記学習した情報を利用するようにしているから、ディテント部材を素早くかつ正確に動作させることが可能になる。これにより、ディテント部材の動作終了時においてディテント部材が動作方向前後に揺らぐ現象の発生を抑制または防止することも可能になる。
好ましくは、前記情報収集手段の始動タイミングは、作動装置を使用場所に実装した状態で最初に作動電源が投入されたとき、あるいは作動電源がリセットされたとき等とされる。
そもそも、本発明において学習を行うことの狙いが、作動装置の機構的な個体差を吸収するということであるので、その点を考慮し、前述したように通常行われる状態切り替え動作とは無関係となる状況に特定している。その場合、仮に通常の状態切り替え動作の度に行わせるようにする場合に比べて、いろいろな無駄を省けるようになる。
ところで、前述したような状態切替要素としては、例えば自動変速機のレンジ切替装置や、パーキング装置等とすることが可能である。
本発明に係る自動変速機のレンジ切替装置は、人的に操作されてシフトレンジを選択するためのシフト操作手段と、シフト操作手段で選択されるシフトレンジの位置を検出するレンジ検出手段と、レンジ検出手段からの検出出力に基づき自動変速機に備えるシフトレンジ切替用の油圧制御装置の一構成要素であるマニュアルバルブの状態を変更するための作動装置とを含み、前記作動装置が、前述した構成とされている、ことを特徴としている。
この場合、レンジ切替装置の作動装置を前述した構成としているから、マニュアルバルブの状態切り替えを素早くかつ正確に行うことが可能になる等、動作安定性を向上することが可能になる。
本発明に係るパーキング装置は、変速機の出力軸に外装固定されるパーキングギアと、パーキングギアに係止される爪を有しかつ前記パーキングギアに接近してパーキングギアに爪を係止させて回転不可能とするロック位置や、前記パーキングギアから離隔してパーキングギアから爪を離脱させて回転可能とするアンロック位置に変位されるパーキングロックポールと、パーキングロックポールをパーキングギアに対して遠近変位させるよう押し引きされるパーキングロッドと、パーキングロッドを押し引きするための作動装置とを含み、前記作動装置が、前述した構成とされている、ことを特徴としている。
この場合、パーキング装置の作動装置を前述した構成としているから、パーキングギアの状態切り替えを素早くかつ正確に行うことが可能になる等、動作安定性を向上することが可能になる。
本発明では、アクチュエータからディテント部材までの動力伝達経路に存在する遊びを含んだディテント部材の実際の動きによって当該ディテント部材の波形部における各谷の底の位置情報を学習しているから、その学習結果を、アクチュエータによるディテント部材の動作制御に利用することによって、ディテント部材を素早く正確に動作させることが可能になる等、応答性ならびに動作安定性の向上に貢献できるようになる。
本発明に係る自動変速機のレンジ切替装置では、それの作動装置を前述した構成としているから、マニュアルバルブの状態切り替えを迅速かつ正確に行うことが可能になる。
本発明に係るパーキング装置は、それの作動装置を前述した構成としているから、パーキングギアの状態切り替えを迅速かつ正確に行うことが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図1から図12を参照して詳細に説明する。
まず、図1から図8に、本発明に係る作動装置の使用対象となる自動変速機のレンジ切替装置の一実施形態を示している。ここで、本発明の特徴を適用した部分の説明に先立ち、レンジ切替装置の概略構成について、図1から図3を参照して説明する。
自動車等の車両に搭載される自動変速機は、例えば車両運転席近傍に設置されるシフト操作手段としてのシフトレバー1等で選択されたシフトレンジに対応し、例えばパーキングレンジP,リバースレンジR,ニュートラルレンジN,ドライブレンジD等を成立するようになっている。
この実施形態のレンジ切替装置10は、いわゆるバイワイヤ方式と呼ばれるものであり、主として、自動変速機のレンジ切替用のマニュアルバルブ20と、パーキング装置30と、作動装置40とを含んだ構成になっている。
マニュアルバルブ20は、図示していない自動変速機の変速機構部に備える各種のブレーキやクラッチの係合動作を制御する油圧制御装置の構成要素の一つである。
なお、前記油圧制御装置は、一般的に公知であるが、前記マニュアルバルブ20の他に、前記各種のブレーキやクラッチの係合動作を制御する複数のリニアソレノイドバルブを備えており、シフトレバー1が操作されたときに、マニュアルバルブ20が作動されて前記各リニアソレノイドバルブに対する作動油供給経路が変更されることによって、前記操作に対応するレンジを成立するものである。
このマニュアルバルブ20は、一般的に公知のスプールバルブと呼ばれる形態とされており、主として、バルブボディ21と、スプール22とを含んだ構成になっている。
バルブボディ21は、自動変速機ケース内の適宜場所に固定されかつ適宜の給油ポートや排出ポートを有している。スプール22は、バルブボディ21に軸方向変位可能に収納されている。
パーキング装置30は、自動変速機のアウトプットシャフト2を回転不可能なロック状態あるいは回転可能なアンロック状態に切り替えるもので、主として、パーキングギア31と、パーキングロックポール32と、パーキングロッド33とを含んだ構成になっている。
パーキングギア31は、自動変速機のアウトプットシャフト2に一体回転可能に外装固定されている。
パーキングロックポール32は、パーキングギア31の近傍に一端側を支点として傾動自在となるように配置されている。このパーキングロックポール32の長手方向途中には、パーキングギア31の歯間に係入または離脱可能とされる爪32aが設けられている。なお、パーキングロックポール32は、図示省略のばねによってパーキングギア31から引き離される方向に常時付勢されている。
パーキングロッド33は、自動変速機のアウトプットシャフト2と略平行に前端側または後端側に変位されるように配置されている。
このパーキングロッド33の前端は、図1に示すように、下記する作動装置40のディテントプレート51に連結されていて、このディテントプレート51の傾動動作によって押し引きされる。
また、パーキングロッド33の後端には、パーキングロックポール32を傾動させるためのテーパコーン37が設けられている。このテーパコーン37は、コイルスプリング38によりパーキングギア31側へ押圧されている。このコイルスプリング38は、パーキングロッド33に外装されており、その一端がパーキングロッド33に係止固定されている止め輪39によって受け止められている。
作動装置40は、シフトレバー1で選択されたシフトレンジ(P,R,N,D)を成立させるために、マニュアルバルブ20やパーキング装置30を作動させるもので、主として、ディテント機構50と、アクチュエータ60と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)5とを含んで構成されている。
ディテント機構50は、マニュアルバルブ20のスプール22やパーキング装置30のパーキングロッド33を段階的に押し引きして位置決めするものである。アクチュエータ60は、ディテント機構50を駆動するものである。電子制御装置5は、アクチュエータ60を制御するものである。
ディテント機構50は、ディテントプレート51と、支軸52と、ディテントスプリング53とを含んだ構成になっている。
ディテントプレート51は、アクチュエータ60により傾動されることでマニュアルバルブ20のスプール22やパーキング装置30のパーキングロッド33を押し引きするものである。
このディテントプレート51は、外形が扇形に形成されており、その傾動中心となる領域には、当該ディテントプレート51と別体の支軸52が貫通する状態で一体回転可能に固定されるようになっている。
具体的に、ディテントプレート51と支軸52との連結は、例えばディテントプレート51の傾動支点部分に円筒ボス部(例えば図3参照)を設けるとともに、この円筒ボス部の内孔に支軸52を嵌合し、例えばスプリングピン等(図示省略)を打ち込むことにより連結する形態になっているが、その他の形態でもよい。
これにより、支軸52が回転されると、それと一体にディテントプレート51が回転(または傾動)するようになる。なお、ディテントプレート51と支軸52とを一体に形成してもよい。
支軸52の軸方向一端側は、アクチュエータ60の出力軸63に同軸かつ一体回転可能に連結されており、また、支軸52の軸方向他端は、図示していないが、例えば自動変速機ケース3等に回動可能に支持される。
このディテントプレート51の支軸52とアクチュエータ60の出力軸63との連結は、例えばスプライン嵌合とされている。つまり、支軸52の一端側外周には、オススプライン(符号省略)が設けられており、また、アクチュエータ60の出力軸63には、その内径側の横穴部分の内周面にメススプライン(符号省略)が設けられている。これにより、アクチュエータ60でもって支軸52を正逆両方向に所定角度回転駆動すると、ディテントプレート51が傾動されるようになるのである。
そして、ディテントプレート51の所定位置には、マニュアルバルブ20のスプール22の前端が連結されているとともに、パーキング装置30のパーキングロッド33の前端が連結されている。これにより、ディテントプレート51を傾動させると、マニュアルバルブ20のスプール22が軸方向に変位させられるとともに、パーキングロッド33が軸方向に変位させられるようになる。
なお、ディテントプレート51に対するスプール22の連結形態については、ディテントプレート51の所定位置に支軸52と平行に取り付けられるピン58を、スプール22の外端部分に設けられている二枚の円板の間に介装させるようにしている。
また、ディテントプレート51に対するパーキングロッド33の連結形態としては、ディテントプレート51の長手方向一端側に設けられる貫通孔59に、パーキングロッド33の先端屈曲部を挿入してから、この先端屈曲部に図示省略のスナップリングや係止ピン等を装着したり、あるいは先端屈曲部を塑性変形したりすることによって抜け止め固定するようになっている。
このディテントプレート51は、シフトレバー1により選択されるシフトレンジ(例えばパーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジNならびにドライブレンジD)に対応して例えば四段階に傾動されて、その傾動姿勢に応じてマニュアルバルブ20のスプール22を軸方向に四段階に変位させるようになっている。
そのために、ディテントプレート51の上端側には、波形部54が設けられている。波形部54の山の部分に符号55を、谷の部分に符号56を付している。この実施形態での波形部54は、サインカーブのように、各谷56の形状が底を中心として左右対称とされているが、この形状は任意である。
この波形部54は、シフトレバー1における四段階のシフトレンジ(パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジNならびにドライブレンジD)に対応する数(四つ)の谷56を有している。そして、図2に示すように、ディテントプレート51において四つの谷56の近傍には、「P,R,N,D」というマークが付記されている。
ディテントスプリング53は、ディテントプレート51の四段階の傾動姿勢を個別に位置決め保持するもので、可撓性を有する帯状の板ばねからなり、その先端の二股部分に、ローラ57を回動可能に支持させた構成になっている。
なお、ローラ57は、詳細に図示していないが、中空形状であり、その中心孔に支軸が挿通され、この支軸の軸方向両端がディテントスプリング53の二股部分に固定されている。
このディテントスプリング53の一端側は、この実施形態においてマニュアルバルブ20のバルブボディ21等に固定されている。また、ローラ57は、ディテントプレート51の波形部54におけるいずれかの谷56に係合されるが、その状態において、ディテントスプリング53そのものが若干弾性変形して反った姿勢となるように設置することによって、ディテントスプリング53の弾性復元力でローラ57を谷56の底に押し付けるように作用させて、係合状態を強くする形態としている。
但し、ディテントスプリング53のローラ57を谷56に係合した状態において、ディテントスプリング53そのものを略真っ直ぐな自然姿勢とするように設置することも可能である。
アクチュエータ60は、詳細に図示していないが、例えば図3に示すように、回転動力発生部としての電動モータ61と、減速機構62と、出力軸63とを、ケース64内に収納した構成になっている。
このアクチュエータ60は、ケース64の外径側円周数ヶ所に設けられている取付片65を、自動変速機ケース3(図3のみに記載)にボルトで留めることによって、取り付けられる。
減速機構62は、詳細に図示していないが、例えば、サイクロイドギヤを用いる機構や、複数の歯車を組み合わせた歯車機構や、遊星歯車機構等のいずれかとされる。この減速機構62の入力部材(図示省略)は、電動モータ61のロータ(図示省略)に連結されており、また、減速機構62の出力部材(図示省略)に、出力軸63が一体に設けられている。
ケース64の所定領域には、出力軸63の端部を外部に露呈するための筒形ボス部66が設けられている。この筒形ボス部66に対して出力軸63が非接触とされていて、出力軸63が回転自在になっている。筒形ボス部66の開口から出力軸63が外部に露呈している。
次に、このような構成のレンジ切替装置10の動作について、詳細に説明する。
そもそも、通常の変速処理では、シフトレバー1を運転者が手動操作することにより、自動変速機のパーキングレンジ(P),リバースレンジ(R),ニュートラルレンジ(N),ドライブレンジ(D)等のいずれかが選択されると、この選択されたレンジポジションが何なのかがレンジポジションセンサ4で検出される。
このレンジポジションセンサ4からの検出出力に基づき電子制御装置5が前記選択されたレンジポジションを認識し、この電子制御装置5がアクチュエータ60の出力軸63を正回転または逆回転させるよう駆動し、支軸52およびディテントプレート51を適宜、回転(傾動)させる。
このとき、ディテントプレート51の波形部54の山55を乗り越えることによってディテントスプリング53が一旦弾性変形してローラ57が波形部54における次の谷56に係合することになり、ディテントプレート51がディテントスプリング53により位置決め保持される。
このディテントプレート51の傾動によりマニュアルバルブ20のスプール22が軸方向にスライドされ、マニュアルバルブ20が「P」,「R」,「N」,「D」のうちの選択されたレンジポジションへと切り替えられる。これにより、前記図示していない油圧制御装置が適宜に駆動されて自動変速機における適宜の変速段を成立することになる。
なお、パーキングレンジPが選択された場合には、マニュアルバルブ20が「P」ポジションに切り替えられるとともに、パーキング装置30のパーキングロッド33が軸方向にスライドされ、パーキングロックポール32の爪32aをパーキングギア31に係合させるようになる。これにより、自動変速機のアウトプットシャフト2が回転不可能なロック状態にされる。
また、パーキングレンジPの位置からそれ以外のレンジが選択された場合には、電子制御装置5は、アクチュエータ60を駆動することにより、支軸52を逆回転方向に適宜、回転させることにより、ディテントプレート51が前記と同方向に傾けられることになり、それに伴いパーキングロッド33およびテーパコーン37が前記と逆向きに軸方向にスライドされて、テーパコーン37によるパーキングロックポール32の押し上げ力を解除する。
これにより、パーキングロックポール32が下向きに下がって、その爪32aがパーキングギア31の歯間から抜け出るので、アウトプットシャフト2が回転可能なアンロック状態にされる。それと同時に、マニュアルバルブ20のスプール22が目標の位置に変位されて、油圧制御装置において適宜の作動油供給経路を作成する。
ここで、本発明の特徴を適用した部分について、図3から図8を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、ディテントプレート51の波形部54における複数の谷56の底の位置情報(ディテントプレート51の回転角)を検出して、それを記憶させるような学習処理を行い、その学習結果を利用して、それ以降のディテントプレート51の姿勢変更制御を行うようにしている。
前記学習処理は、要するに、実際にディテントプレート51の傾動動作を往復で行い、往路過程と復路過程とでそれぞれディテントプレート51の自走開始位置(係合開始位置ともいう)を認識し、この認識した自走開始位置毎の位置情報としてディテントプレート51の回転角を検出し、この検出結果に基づいて谷56毎の底の位置情報を算出し、この算出値を電子制御装置5のメモリ(図示省略)に記憶させるようにしている。
ところで、上述したレンジ切替装置10のようにディテント機構50を用いる構成において、アクチュエータ60からディテントプレート51までの動力伝達経路に回転方向の遊び(バックラッシや組立誤差等)が存在していると、ディテントプレート51の姿勢変更過程でアクチュエータ60の駆動力を受けずにディテントプレート51が自走する現象が発生する。
しかも、ディテントプレート51を傾動させるときのアクチュエータ60の制御について、例えばディテントプレート51の目標となる谷56の底がディテントスプリング53のローラ57に係合する位置に到達するときに、アクチュエータ60の駆動を停止させるように電動モータ61の目標回転角を設定していると、ディテントプレート51が傾動方向前後に揺らぐ現象が発生する。
前記自走現象および揺らぎ現象について、図4から図6を参照して説明する。
まず、ディテントプレート51を、仮にパーキングレンジPの位置からリバースレンジRへと、1レンジ分傾動させると、ディテントプレート51の支軸52の回転角変化が、電動モータ61のロータの回転角変化より先行する現象が発生する。この現象が発生している期間は、図4の区間cに相当している。
なお、図4では、支軸52の回転角変化を実線で、また、電動モータ61のロータの回転角変化を細線でそれぞれ示しており、また、aは電動モータ61から支軸52までの動力伝達経路に存在する遊びαを詰める区間、bは電動モータ61から支軸52に動力を伝達している区間、cは支軸52が自走して電動モータ61のロータより先行する区間、dは電動モータ61が支軸52に追いついて再度動力伝達している区間を示している。
そもそも、ディテントプレート51の姿勢変更過程において、まず、図5に示すように、ディテントスプリング53のローラ57がディテントプレート51の波形部54の谷56から山55に上る場合、例えばアクチュエータ60の電動モータ61を駆動開始してから、当該電動モータ61からディテントプレート51までの動力伝達経路に存在する回転方向の遊びαを詰めるまでの間、つまり図5中の一点鎖線位置から実線位置までの変位過渡期間(図4の区間aに相当)は、電動モータ61からディテントプレート51に駆動力が伝達されない。
そして、図5の実線で示すように前記遊びαが詰まって電動モータ61の駆動力がディテントプレート51に伝達されると、ディテントプレート51が傾動されてローラ57が谷56から山55に上り始める(図4の区間bに相当)。この上り過程では、ローラ57が図5中の−F方向に押されるために、ディテントスプリング53が弾性変形して、弾性復元力が蓄積されることになる。
この後、図6に示すように、ローラ57が波形部54の山55を越えて目標となる谷56が係合し始めるときに、前記蓄積されたディテントスプリング53の弾性復元力Fによってローラ57が谷側に押さえ込まれる。このローラ57からの荷重によってディテントプレート51が図6中の実線から一点鎖線で示すように傾動方向前方へ押されることになる(図4の区間cに相当)。その間、電動モータ61の駆動力がディテントプレート51に伝達されないので、前記詰められた総遊びαが再度広がって、ローラ57が目標となる谷56を滑り落ちるようになる。この現象をディテントプレート51の「自走」と呼んでおり、その間、出力軸63の回転角変化が、電動モータ61のロータの回転角変化より先行するので、再度、図6の一点鎖線で示すように、前記詰められた遊びαが広がる。そして、ローラ57が目標となる谷56の底に位置するようになる。
そのために、ローラ57を目標となる谷56の底に停止させるように電動モータ61のロータの目標回転角を設定していても、ローラ57が目標となる谷56の底に位置したときに、電動モータ61の駆動力が遅れてディテントプレート51に伝達されることになってしまい、前記遊びαが詰まって無くなったときにローラ57が目標となる谷56の底から次の山側へ上るようにオーバーランさせられることになり、遅れてアクチュエータ60が駆動停止されたときに、前記オーバーランしたローラ57が目標となる谷56の底側へ戻されるようになる。このような現象を、前記揺らぎ現象と呼んでいる。
なお、実際にはローラ57は転動しないが、ローラ57とディテントプレート51との相対位置が変化するので、上記説明では、ローラ57を転動させているような表現をすることで、説明をわかりやすくしている。
次に、前記学習処理に関する手順や動作について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
図7に示すフローチャートは、電子制御装置5による処理であり、例えば車両の製造工場出荷前の検査過程において最初にイグニッションスイッチ等の作動電源が投入されたとき、あるいは車両の整備過程においてバッテリから一旦ケーブルを外して再度取り付けることによって作動電源がリセットされたとき等に、エントリーされる。
まず、ステップS1において、ディテントプレート51をパーキングレンジPの位置からドライブレンジDの位置へ向かう方向へ1レンジ分傾動させる。この傾動方向を往路とする。
一般的に、パーキングレンジPの位置からドライブレンジDの位置に切り替える場合、ディテントプレート51を「P→R→N→D」と段階的に傾動させるようにする。そのため、アクチュエータ60の電動モータ61に各レンジ間の移動に必要な目標回転角に対応する駆動信号を順次与えることにより、電動モータ61のロータおよびディテントプレート51の支軸52を例えば正回転方向に所定角度ずつ回転(傾動)させる。したがって、前記ステップS1では、前記段階的な切り替えのうち、何から何へのレンジ切り替えであるかを認識し、そのレンジ切り替えに必要な目標回転角だけ、アクチュエータ60の電動モータ61を駆動するようになっている。
なお、アクチュエータ60の駆動は、その電動モータ61のロータの回転角を検出するロータ角検出手段6の出力(検出回転角)が、前記目標回転角に一致するまで、前記電動モータ61への通電を行う。ロータ角検出手段6は、詳細に図示していないが、簡単に説明すると、ロータの外周に設置される磁石あるいはロータの外周に交互に反対の極性で磁化される磁極と、磁気検出用のホールICとで構成され、ロータの回転量に応じた数のパルスを出力するデジタルエンコーダ等とされる。このロータ角検出手段6は、前記以外の適宜の構成とすることも可能である。
続くステップS2において、レンジ切り替えのカウンタCF(初期値は1)が、予め設定した閾値NF(但しNFは整数)であるか否かを判定する。前記閾値NFは、レンジ切り替えが四段階であることから、「4」とされる。このカウンタCFは、要するに、ディテントスプリング53のローラ57に、波形部54の谷56が係合した回数をカウントするものであるが、制御の都合上、下記ステップS3,S4が終了する毎にカウントされるようになっている。
ここで、カウンタCFが閾値NF未満の場合には前記ステップS2で否定判定して、続くステップS3〜S5の流れに移行するが、カウンタCFが閾値NFである場合には前記ステップS2で肯定判定して、ステップS6に移行する。
まず、ステップS3〜S5について説明する。
ステップS3では、ディテントプレート51の往路方向への傾動に伴いディテントスプリング53のローラ57がディテントプレート51の適宜の山55を乗り越えて谷56を滑り落ちることによってディテントプレート51が自走し始める自走開始位置、換言すれば谷56がローラ57に係合し始める位置に到達したか否かを判定する。
この往路側の自走開始位置の判定方法については、支軸52の回転角変化が、電動モータ61のロータの回転角変化よりも先行することにより、支軸52の回転角変化が大きくなった場合、つまり下記関係(a)が成立した場合に到達したものと判定する形態とされる。
(ΔθO/Δt)>θ・・・(a)
但し、ΔθOは支軸52の回転角変化量、Δtは経過時間、θは判定閾値である。
この他、自走開始位置の検出は、下記関係(b)で示すように、判定閾値に適宜の幅を持たせるように設定することも可能である。
(Δθm/Δt−α)<(ΔθO/Δt)<(Δθm/Δt+α)・・・(b)
但し、ΔθOは支軸52の回転角変化量、Δθmは電動モータ61のロータの回転角変化量、αは定数である。
ここで、ディテントプレート51の往路側自走開始位置は、図8において実線で示すローラ57を参照されたい。なお、図8では、説明をわかりやすくするために、ディテントプレート51を不動としてローラ57が変位したような形で記載している。
ここで、ディテントプレート51が往路側自走開始位置に到達していない場合には前記ステップS3で否定判定して、到達するのを待つ。一方、ディテントプレート51が往路側自走開始位置に到達した場合には前記ステップS3で肯定判定して、続くステップS4に移行する。
ステップS4では、前記往路側自走開始位置に到達した時点で当該往路側自走開始位置の位置情報としてディテントプレート51の実際の回転角(図8のθF1〜θF3参照)を検出し、この検出値を電子制御装置5に一時的に記憶する。
ここでの回転角(θF1〜θF3)は、支軸52の回転角を検出するディテント角検出手段7の出力に基づいて検出することができる。ディテント角検出手段7は、詳細に図示してないが、簡単に説明すると、支軸52の外周面の所定回転角範囲に設置されかつ円周方向一方へ向けて断面積が漸増する磁石と、リニア出力ホールICとで構成され、支軸52の回転角に応じた前記磁石の磁力を検出し、その検出磁力に応じたリニアなアナログ信号を出力するアナログ磁気センサとされる。このディテント角検出手段7は、前記以外の適宜の構成とすることも可能である。
また、パーキングレンジPに対応する谷55にローラ57が係合している状態でのディテントプレート51の回転角を0°とするので、パーキングレンジPに対応する谷55の端縁の位置をゼロ点位置(基準位置)とするように定めている。この端縁の位置情報としての回転角θF0(図8参照)は、設計上の定数として予め電子制御装置5に記憶されているものとする。但し、端縁の回転角θF0を、学習するようにしてもよい。
続くステップS5では、カウンタCFをインクリメントしてから、ステップS1に戻り、カウンタCFが閾値NF(例えば4)になるまでステップS1〜S5を繰り返す。
そして、カウンタCFが閾値NFになって前記ステップS2で肯定判定することによって移行するステップS6について説明する。
ステップS6では、カウンタCFを初期値「1」に戻すようにリセットしてから、ステップS11へ移行する。
このステップS11では、ディテントプレート51をドライブレンジDの位置からパーキングレンジPの位置へ向かう方向つまり戻す方向へ1レンジ分傾動させる。この傾動方向を復路とする。
一般的に、ドライブレンジDの位置からパーキングレンジPの位置に切り替える場合、ディテントプレート51を「D→N→R→P」と段階的に傾動させるようにする。そのため、アクチュエータ60の電動モータ61に各レンジ間の移動に必要な目標回転角に対応する駆動信号を順次与えることにより、電動モータ61のロータおよびディテントプレート51の支軸52を例えば逆回転方向に所定角度ずつ回転(傾動)させる。したがって、前記ステップS11では、前記段階的な切り替えのうち、何から何へのレンジ切り替えであるかを認識し、そのレンジ切り替えに必要な目標回転角だけ、アクチュエータ60の電動モータ61を駆動するようになっている。
なお、アクチュエータ60の駆動は、ロータ角検出手段6の出力(検出回転角)が、前記目標回転角に一致するまで、前記電動モータ61への通電を行う。
続くステップS12においては、レンジ切り替えのカウンタCB(初期値は1)が、予め設定した閾値NB(但しNBは整数)であるか否かを判定する。前記閾値NBは、レンジ切り替えが四段階であることから、「4」とされる。このカウンタCBは、要するに、ディテントスプリング53のローラ57に、波形部54の谷56が係合した回数をカウントするものであるが、制御の都合上、下記ステップS13,S14が終了する毎にカウントされるようになっている。
ここで、カウンタCBが閾値NB未満の場合には前記ステップS12で否定判定して、ステップS13〜S15の流れに移行するが、カウンタCBが閾値NBである場合には前記ステップS12で肯定判定して、ステップS16に移行する。
まず、ステップS13〜S15について説明する。
ステップS13では、ディテントプレート51の復路方向への傾動に伴いディテントスプリング53のローラ57がディテントプレート51の適宜の山55を乗り越えて谷56を滑り落ちることによってディテントプレート51が自走し始める自走開始位置、換言すれば谷56がローラ57に係合し始める位置に到達したか否かを判定する。
この復路側の自走開始位置の判定方法については、前記ステップS3と同じであるので、ここでの説明を割愛する。なお、ディテントプレート51の復路側自走開始位置は、図8において破線で示すローラ57を参照されたい。なお、図8では、説明をわかりやすくするために、ディテントプレート51を不動としてローラ57が変位したような形で記載している。
ここで、ディテントプレート51が復路側自走開始位置に到達していない場合には前記ステップS13で否定判定して、到達するのを待つ。一方、ディテントプレート51が復路側自走開始位置に到達した場合には前記ステップS13で肯定判定して、続くステップS14に移行する。
ステップS14では、前記復路側自走開始位置に到達した時点で当該復路側自走開始位置の位置情報としてディテントプレート51の実際の回転角(図8のθB1〜θB3参照)を検出し、この検出値を電子制御装置5のメモリ(図示省略)に一時的に記憶する。
ここでの回転角(θB1〜θB3)の検出形態は、前記ステップS4と同じであるので、ここでの説明を割愛する。但し、ドライブレンジDに対応する谷55の端縁の回転角θB0(図8参照)は、設計上の定数として予め電子制御装置5に記憶されている。
続くステップS15では、カウンタCBをインクリメントしてから、ステップS11に戻り、カウンタCBが閾値NB(例えば4)になるまでステップS11〜S15を繰り返す。
そして、カウンタCBが閾値NBになって前記ステップS12で肯定判定することによって移行するステップS16について説明する。
ステップS16では、カウンタCBを初期値「1」に戻すようにリセットしてから、続くステップS17に移行する。
ステップS17では、「P」、「R」、「N」、「D」に対応する各谷56の底の位置(回転角)を算出するとともに、この算出値を各谷56の底の絶対位置情報として電子制御装置5のメモリ(図示省略)に保存する。その後、このフローチャートを抜ける。
前記ステップS17の処理を具体的に説明する。
まず、「P」、「R」、「N」、「D」に対応する各谷56の底の位置(回転角)を求める手法としては、例えば上述したステップS4で記憶した往路側自走開始位置毎の回転角(θF1〜θF3)と、ステップS14で記憶した復路側自走開始位置毎の回転角(θB1〜θB3)とを読み出すとともに、予め記憶されている波形部54の両端の谷56における端縁の回転角θF0、θB0を読み出し、これらを、下記計算式(c)、(d)、(e)、(f)に代入して算出することができる。
(θF0+θB1)/2・・・(c)
(θF1+θB2)/2・・・(d)
(θF2+θB3)/2・・・(e)
(θF3+θB0)/2・・・(f)
つまり、計算式(c)では、パーキングレンジPに対応する谷56の底の位置、計算式(d)では、リバースレンジRに対応する谷56の底の位置、計算式(e)では、ニュートラルレンジNに対応する谷56の底の位置、計算式(f)では、ドライブレンジDに対応する谷56の底の位置を算出することができる。
以上説明したようにして求める各谷56の底の絶対位置情報は、アクチュエータ60によるディテントプレート51の姿勢変更制御を行う際に利用される。そのようにすれば、シフトレバー1によって選択されたシフトレンジを成立するために必要な電動モータ61の目標回転角を、動力伝達経路に存在する遊びの個体差を加味して、正確に設定することができる。したがって、ディテントプレート51の自走現象が不可避的に発生するような構成の作動装置40であっても、ディテントプレート51の姿勢変更時にディテントプレート51がオーバーランすることを抑制または防止することが可能になる。
特に、ディテントプレート51が自走開始する位置で電動モータ61の駆動を停止させるように、電動モータ61の目標回転角を設定すれば、ディテントプレート51の目標となる谷56がローラ57に係合した後で電動モータ61の駆動力が遅れてディテントプレート51に伝達されるといったことを無くせるので、ディテントプレート51のオーバーランを抑制または防止することが可能になるとともに、揺らぎ現象も発生せずに済むようになる。そのため、ディテントプレート51の姿勢変更を素早くかつ正確に行うことが可能になる。
ところで、上述した動作説明から明らかなように、請求項1,2に記載の情報収集手段がステップS1〜S6やステップS11〜S16に相当している。請求項3,4に記載の往路情報収集手段がステップS1〜S6に、また、請求項3,4に記載の復路情報収集手段がステップS11〜S16にそれぞれ相当している。請求項1から5に記載の学習手段がステップS17に相当している。
次に、図9から図11を参照して、本発明に係るパーキング装置30の一実施形態について、詳細に説明する。
この実施形態のパーキング装置30は、要するに、前述したレンジ切替装置10において自動変速機のレンジ切替用のマニュアルバルブ20を排除するとともに、ディテントプレート51に設けてある位置決め用の波形部54の谷56を二つに減らしたような構成になっている。
パーキング装置30の主たる構成は、前述したとおりであり、パーキングギア31と、パーキングロックポール32と、パーキングロッド33と、作動装置40(ディテント機構50、アクチュエータ60、電子制御装置5)とを含んで構成されている。
このパーキング装置30の作動装置40は、例えばパーキングボタン等のパーキング操作部材8の操作に応答して電子制御装置5により電気的に制御されるようになっている。
なお、ディテントプレート51の波形部54は、図示しているように、ロック用の谷56aと、アンロック用(パーキング解除)の谷56bとの二つが設けられていて、これらの谷56a,56bの間に一つ山55が存在しているだけになっている。また、ディテントスプリング53の基端側は、図示していないが、例えば自動変速機ケース3等のような固定部分に取り付けられる。
このようなパーキング装置30の基本的な動作を説明する。
まず、運転者がパーキング操作部材8によりパーキングロックを選択する操作を行うと、パーキング操作部材8から電子制御装置5にパーキングロック信号が入力される。この電子制御装置5は、パーキングロック信号の入力に応答してアクチュエータ60を駆動することにより、出力軸63および支軸52をロック方向例えば正回転方向に所定角度回転させる。
これにより、支軸52と一体的にディテントプレート51が前記同方向に傾けられることになり、それに伴いパーキングロッド33が後端側へ押される。そして、テーパコーン37の大径側がパーキングロックポール32を上向きに押し上げて、その爪32aがパーキングギア31の歯間に係入される。これにより、自動変速機のアウトプットシャフト2が回転不可能なロック状態にされる。
一方、運転者がパーキング操作部材8でパーキング解除を選択する操作を行うと、パーキング操作部材8から電子制御装置5にパーキング解除信号が入力される。この電子制御装置5は、パーキング解除信号の入力に応答してアクチュエータ60を駆動することにより、出力軸63および支軸52をアンロック方向例えば逆回転方向に所定角度回転させる。
これにより、支軸52と一体的にディテントプレート51が前記と同方向に傾けられることになり、それに伴いパーキングロッド33およびテーパコーン37が前端側へ引かれて、テーパコーン37によるパーキングロックポール32の押し上げ力が解除されるので、パーキングロックポール32が下向きに下がって、その爪32aがパーキングギア31の歯間から抜け出る。これにより、アウトプットシャフト2が回転可能なアンロック状態にされる。
なお、前述したロック状態やアンロック状態が成立すると、ディテントプレート51の波形部54における二つの谷56のうちのいずれか一方に、ディテントスプリング53のローラ57が係合してディテントプレート51の姿勢が位置決め保持されるようになる。
以上説明したようなパーキング装置30の作動装置40でも、前述したレンジ切替装置10の作動装置40と同様の学習処理を行い、この学習結果に基づいてアクチュエータ60によるディテントプレート51の姿勢変更制御を行うようにしている。
つまり、パーキング装置30の作動装置40に関する学習処理についても、基本的に図7に示すフローチャートの処理が流用できる。そこで、上記実施形態と重複する説明は割愛し、相違する事柄について詳細に説明する。
まず、パーキング装置30においては、図11に示すように、ディテントスプリング53のローラ57にディテントプレート51のロック用(パーキングレンジ)の谷56aを係合させている状態からアンロック用(非パーキングレンジ)の谷56bを係合させる状態へと変更するようにディテントプレート51を傾動させる方向が往路となり、その逆向きが復路となる。したがって、図7のステップS1の処理内容としては、ディテントプレート51をロック側からアンロック側に傾動させるものとし、図7のステップS11の処理内容としては、ディテントプレート51をアンロック側からロック側に傾動させるものとする。
また、この実施形態でのディテントプレート51の波形部54には、二つの谷56a,56bと一つの山55しかない関係上、往路過程および復路過程でディテントプレート51の自走開始位置がそれぞれ一箇所だけとなる。
そのため、図11に示すように、往路側の自走開始位置と復路側の自走開始位置とを認識し、当該認識した位置毎にディテントプレート51の回転角θF1,θB1を検出する。したがって、図7のステップS2やS12のカウンタCF,CBの初期値を「0」とし、閾値NF,NBを「1」とする必要がある。
そして、この実施形態の場合も、上記実施形態と同様に、波形部54においてロック用の谷56aの端縁位置(回転角θF0)およびアンロック用の谷56bの端縁位置(回転角θB0)を、予め電子制御装置5に固定情報として記憶させておくものとする。
さらに、図7のフローチャートのステップS4,S14では、前記検出した位置情報や電子制御装置5に記憶してある固定情報を読み出し、下記する計算式(g),(h)に代入することよって、谷56a,56bの底における位置情報としてディテントプレート51の回転角を算出する。
つまり、ロック用の谷56aの場合、計算式(g)を、また、アンロック用の谷56bの場合、計算式(h)をそれぞれ用いる。
(θF0+θB1)/2・・・(g)
(θF1+θB0)/2・・・(h)
以上説明したようにして求める二つの谷56a,56bの底の絶対位置情報は、アクチュエータ60によるディテントプレート51の姿勢変更制御を行う際に利用される。そのようにすれば、パーキング操作部材8によって選択されたパーキングロック状態またはパーキング解除状態を成立するために必要な電動モータ61の目標回転角を、動力伝達経路に存在する遊びの個体差を加味して、正確に設定することができる。したがって、ディテントプレート51の自走現象が不可避的に発生するような構成の作動装置40であっても、ディテントプレート51の姿勢変更時にディテントプレート51がオーバーランすることを抑制または防止することが可能になる。
特に、ディテントプレート51が自走開始する時点で電動モータ61の駆動を停止させるように、電動モータ61の目標回転角を設定すれば、ディテントプレート51の目標となる谷56a,56bがローラ57に係合した後で電動モータ61の駆動力が遅れてディテントプレート51に伝達されるといったことを無くせるので、ディテントプレート51のオーバーランを抑制または防止することが可能になるとともに、揺らぎ現象も発生せずに済むようになる。そのため、ディテントプレート51の姿勢変更を素早くかつ正確に行うことが可能になる。
なお、本発明は、前記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下、本発明の他の実施形態を例に挙げる。
(1)前記各実施形態で説明したレンジ切替装置10やパーキング装置30は、フロントエンジン・リアドライブ(FR)形式やフロントエンジン・フロントドライブ(FF)形式やその他の方式の自動変速機に組み込まれて使用される。また、前記自動変速機は有段式あるいは無段式に限られない。さらに、自動変速機に限らず、トルクコンバータを用いない手動式変速機にも組み込むことが可能である。
(2)上記実施形態では、自走開始位置を検出する際に、ディテントプレート51の支軸52の回転角を検出するディテント角検出手段7を用いているが、それに代えて、アクチュエータ60の出力軸63の回転角を検出するための出力角検出手段を用いることも可能である。
この出力角検出手段は、従来公知(例えば特許文献3参照)であるので、詳細な図示や説明を割愛するが、簡単に説明すると、例えば出力軸63の外面側の所定回転角範囲に設置されかつ円周方向一方へ向けて断面積が漸増する磁石と、リニア出力ホールICとで構成され、出力軸63の回転角に応じた前記磁石の磁力を検出し、その検出磁力に応じたリニアなアナログ信号を出力するアナログ磁気センサとされる。この出力角検出手段は、前記以外の適宜の構成とすることも可能である。
つまり、そもそもディテントプレート51が自走する際に、アクチュエータ60からディテントプレート51までの動力伝達経路に存在する遊び分について出力軸63が電動モータ61のロータよりも先行することになる。ここで、上記出力角検出手段を用いて前記自走開始位置を検出するには、出力角検出手段で検出される出力軸63の回転角変化が、ロータ角検出手段6で検出されるロータの回転角変化より先行したか否かを判定する形態とする必要がある。
この場合、出力軸63とロータとの回転差を検出しているが、この回転差はアクチュエータ60の内部の遊び分によって発生することになる。このような形態で谷56の開口側における往路側自走開始位置と復路側自走開始位置とを検出する場合でも、両自走開始位置ではアクチュエータ60からディテントプレート51までの動力伝達経路に存在するすべての遊びが詰められた状態になって、前記両自走開始位置が出力軸63と支軸52との連結部分の遊びによって変化することがないから、前述した出力角検出手段とロータ角検出手段6との検出出力によって前記両自走開始位置を検出する形態であっても、上記実施形態の場合と同等の精度で検出することが可能になる。
(3)上記実施形態では、ディテントプレート51の波形部54における谷56の位置を学習する時期として、車両を運転していない場合に特定していた。
しかし、本発明は、前記学習時期について、例えば車両運転のために運転者がシフトレバー1をパーキングレンジPからドライブレンジDへと操作するような状況において、前記レンジ切り替え毎に往路側自走開始位置の位置情報(回転角θF1〜θF3)を検出し、運転者がシフトレバー1をドライブレンジDからパーキングレンジPへと操作するような場合にレンジ切り替え毎に復路側自走開始位置の位置情報(回転角θB1〜θB3)を検出するようにし、両方の自走開始位置における位置情報の検出が終了してから、図7のステップS17に示すような処理を実行する形態にしてもよい。
(4)上記実施形態では、説明を簡単にするために、ディテントプレート51の波形部54をサインカーブ形状としたが、波形部54の形状については特に限定されるものでなく、例えば谷の形状が、その底を中心として左右対称になっていない場合であっても、本発明を適用することが可能である。
ここで、例えばパーキング装置30の作動装置40におけるディテントプレート51の波形部54の形状を、前述したような非対称形状とする場合を、図12に示して説明する。
つまり、ロック用の谷56aとアンロック用の谷56bにおいて、底P1,P2から傾動方向一方(往路側)への上り斜面と傾動方向他方(復路側)への上り斜面とについて、傾動方向長さや傾斜角度等を異ならせたようなものとすることが可能である。
この場合、図7のステップS17において二つの谷56a,56bの底の位置(回転角)を算出するときの計算式については、次のようにすればよい。
ロック用の谷56aの場合、(x1θF0+x2θB1)/x1+x2を用いる。
アンロック用の谷56bの場合、(x1θF1+x2θB0)/x1+x2を用いる。
但し、θF1は往路側自走開始位置の位置情報(上記実施形態ではθF1〜θF3に相当)、θB1は復路側自走開始位置の位置情報(上記実施形態ではθB1〜θB3に相当)、x1はロック用の谷56aの底P1からロック側端縁θF0までの距離およびアンロック用の谷56bの底P2から往路側自走開始位置θF1までの距離、x2はロック用の谷56aの底P1から復路側自走開始位置θB1までの距離およびアンロック用の谷56bの底P2からアンロック側端縁θB0までの距離である。
この場合、ロック用の谷56aの端縁における位置情報(回転角θF0)およびアンロック用の谷56bの端縁における位置情報(回転角θB0)や、前記x1とx2との設計上の比率を、予め電子制御装置5に固定情報として記憶させておき、この固定情報を前記計算式に用いるようにすればよい。
本発明に係るレンジ切替装置の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。 図1のレンジ切替装置の側面図で、ニュートラルレンジNを示している。 図1のアクチュエータの出力軸とディテントプレートの支軸との連結部分を断面にして示す側面図である。 図2に示すディテント部材の1レンジ分の傾動過程において電動モータのロータの回転角およびディテントプレートの支軸の回転角の変化を示すグラフである。 図2のディテント部材の傾動過程でディテントスプリングのローラが上りとなるときの様子を説明するための図である。 図2のディテントプレートの傾動過程でディテントスプリングのローラが下りとなるときの様子を説明するための図である。 本発明における学習処理に関する説明に用いるフローチャートである。 図2のディテントプレートの波形部における各部の回転角検出時の説明に用いる図である。 本発明に係るパーキング装置の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。 図9のパーキング装置の側面図で、アンロック状態を示している。 図9のパーキング装置の作動装置において、ディテントプレートの谷の位置を学習するときの様子を説明するための図である。 本発明に係るパーキング装置でのディテントプレートの波形部の他実施形態を模式的に示す側面図である。
符号の説明
1 シフトレバー(シフト操作手段)
2 自動変速機のアウトプットシャフト
4 シフトポジションセンサ(レンジ検出手段)
5 電子制御装置
6 ロータ角検出手段
7 ディテント角検出手段
10 レンジ切替装置(状態切替要素)
20 マニュアルバルブ
22 マニュアルバルブのスプール(変位部材)
30 パーキング装置(状態切替要素)
31 パーキングギア
32 パーキングロックポール
32a パーキングロックポールの爪
33 パーキングロッド(変位部材)
40 作動装置
50 ディテント機構
51 ディテントプレート(ディテント部材)
52 ディテントプレートの支軸
53 ディテントスプリング(位置決め部材)
54 ディテントプレートの波形部
55 波形部の山
56 波形部の谷
57 ディテントスプリングのローラ(係合部)
60 アクチュエータ
61 アクチュエータの電動モータ
62 アクチュエータの減速機構
63 アクチュエータの出力軸
64 アクチュエータのケース

Claims (9)

  1. 機械的に変位されることで状態が切り替わる状態切替要素の作動装置であって、
    前記状態切替要素が備える変位部材を変位させて位置決めするためのディテント機構と、ディテント機構を駆動するためのアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御装置とを含み、
    前記ディテント機構は、前記アクチュエータにより駆動されることで前記変位部材を変位させるディテント部材と、ディテント部材の停止姿勢を保持する位置決め部材とを含み、かつ、前記ディテント部材は、複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記波形部を押圧する係合部を有し、
    前記制御装置は、前記ディテント部材を実際に往復駆動させて、その往路過程および復路過程でそれぞれディテント部材の自走開始位置を検出して記憶する情報収集手段と、
    前記情報収集手段で収集した情報に基づいて前記谷の底の位置を学習する学習手段とを含む、ことを特徴とする状態切替要素の作動装置。
  2. 機械的に変位されることで状態が切り替わる状態切替要素の作動装置であって、
    前記状態切替要素が備える変位部材を変位させて位置決めするためのディテント機構と、ディテント機構を駆動するためのアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御装置とを含み、
    前記ディテント機構は、前記アクチュエータにより駆動されることで前記変位部材を変位させるディテント部材と、ディテント部材の停止姿勢を保持する位置決め部材とを含み、かつ、前記ディテント部材は、複数の谷および当該谷間の山からなる波形部を有し、前記位置決め部材は、前記波形部を押圧する係合部を有し、
    前記制御装置は、前記ディテント部材を一方向へ動かすとともに、この往路過程でディテント部材の自走開始位置を検出して記憶する往路情報収集手段と、
    前記ディテント部材を前記と逆向きに動かすとともに、この復路過程でディテント部材の自走開始位置を検出して記憶する復路情報収集手段と、
    前記両情報収集手段で収集した情報に基づいて前記谷の底の位置を学習する学習手段とを含む、ことを特徴とする状態切替要素の作動装置。
  3. 請求項1または2に記載の状態切替要素の作動装置において、
    前記アクチュエータは、必要に応じて前記ディテント部材を傾動させるもので、回転動力を発生する電動モータと、この電動モータで発生した回転動力を減速して前記ディテント部材の支軸に同軸かつ一体回転可能に連結される出力軸から出力させる減速機構とを含み、
    前記情報収集手段は、前記電動モータのロータの回転角を検出するロータ角検出手段で検出される回転角変化より、ディテント部材の支軸の回転角を検出するディテント角検出手段で検出される回転角変化が先行したときを、前記自走開始位置として認識し、当該認識した時点での前記ディテント角検出手段による検出出力を自走開始位置の位置情報として記憶する、ことを特徴とする状態切替要素の作動装置。
  4. 請求項1または2に記載の状態切替要素の作動装置において、
    前記アクチュエータは、必要に応じて前記ディテント部材を傾動させるもので、回転動力を発生する電動モータと、この電動モータで発生した回転動力を減速して前記ディテント部材の支軸に同軸かつ一体回転可能に連結される出力軸から出力させる減速機構とを含み、
    前記情報収集手段は、前記電動モータのロータの回転角を検出するロータ角検出手段で検出される回転角変化より、前記アクチュエータの出力軸の回転角を検出する出力角検出手段で検出される回転角変化が先行したときを、前記自走開始位置として認識し、当該認識した時点での前記出力角検出手段による検出出力を自走開始位置の位置情報として記憶する、ことを特徴とする状態切替要素の作動装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の状態切替要素の作動装置において、
    前記ディテント部材の波形部は、各谷の形状が底を中心として左右対称とされ、
    前記学習手段は、前記谷毎において、前記往路側自走開始位置と前記復路側自走開始位との中点を算出し、当該算出値を各谷の底の位置情報として学習するものとされる、ことを特徴とする状態切替要素の作動装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の状態切替要素の作動装置において、
    前記制御装置は、状態切替要素の切り替え要求を受けることにより前記アクチュエータでディテント部材を駆動させる際、当該アクチュエータの制御に前記学習した情報を利用する、ことを特徴とする状態切替要素の作動装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の状態切替要素の作動装置において、
    前記情報収集手段の始動タイミングは、作動装置を使用場所に実装した状態で最初に作動電源が投入されたとき、あるいは作動電源がリセットされたときとされる、ことを特徴とする状態切替要素の作動装置。
  8. 人的に操作されてシフトレンジを選択するためのシフト操作手段と、
    シフト操作手段で選択されるシフトレンジの位置を検出するレンジ検出手段と、
    レンジ検出手段からの検出出力に基づき自動変速機に備えるシフトレンジ切替用の油圧制御装置の一構成要素であるマニュアルバルブの状態を変更するための作動装置とを含み、
    前記作動装置が、請求項1から7のいずれか一つに記載の構成とされている、ことを特徴とする自動変速機のレンジ切替装置。
  9. 変速機の出力軸に外装固定されるパーキングギアと、
    パーキングギアに係止される爪を有しかつ前記パーキングギアに接近してパーキングギアに爪を係止させて回転不可能とするロック位置や、前記パーキングギアから離隔してパーキングギアから爪を離脱させて回転可能とするアンロック位置に変位されるパーキングロックポールと、
    パーキングロックポールをパーキングギアに対して遠近変位させるよう押し引きされるパーキングロッドと、
    パーキングロッドを押し引きするための作動装置とを含み、
    前記作動装置が、請求項1から7のいずれか一つに記載の構成とされている、ことを特徴とするパーキング装置。
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