JP6596681B2 - ドグクラッチ - Google Patents
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Description
本発明の目的は、締結動作を何度も繰り返すことなく締結可能なドグクラッチを提供することにある。
前記第1回転体に軸方向移動可能に支持され、軸方向噛合い側への移動により前記第1ドグと噛合う第2ドグと、
前記第2ドグの軸方向移動を行うアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御部と、
を備え、
前記第1及び第2ドグの円周上でドグ歯が円周に対して占有する第1占有率を25%以下とし、ドグ歯とドグ歯の間が円周に対して占有する第2占有率を75%以上とし、前記第1占有率を前記第2占有率で除した値が1/3以下であり、
前記制御部は、前記アクチュエータに前記第2ドグを軸方向噛合い位置に向けて軸方向噛合い側に移動する締結指令を出力したときに、前記第2ドグの軸方向噛合い側への移動が前記第1ドグと前記第2ドグとの軸方向噛み合い位置よりも軸方向解放側で停止したときは、前記指令を停止し、前記第2ドグの移動が停止したときから、前記第1ドグの円周上で一つのドグ歯が占有する回転角と前記第2ドグの円周上で一つのドグ歯が占有する回転角の和である所定相対角度を前記第1ドグと前記第2ドグの相対角速度で除した時間が経過したときに、前記アクチュエータに前記締結指令を再出力することを特徴とする。
図1は実施例1の自動変速機を表す概略システム図である。エンジン1のエンジン出力軸には、クラッチ2が接続されている。クラッチ2は乾式クラッチであり、クラッチプレートの位置をクラッチアクチュエータ2aにより制御する。クラッチアクチュエータ2aは、要求されたトルク伝達容量に応じてクラッチプレートを押圧するクラッチピストンの位置を制御し、クラッチ2の相対回転を許容しながらトルクを伝達するスリップ制御や、クラッチ2の相対回転を許容しない完全締結制御を行う。クラッチアクチュエータ2aは、クラッチピストンのストローク位置を検出するピストンストロークセンサ11を有し、検出されたストローク位置に基づいてトルク伝達容量を制御する。
(回避条件)
Pθ1/Pθ2≦1/3
の関係が成立する場合、入り不状態を検知後、回避角度の相対角度が生じれば、入り不状態を確実に回避できることを見出した。図4は、実施例1の6つのドグ歯に代えて4つのドグ歯を備えたドグクラッチで検証した場合の概略図である。図4に示すように4つのドグ歯を備えた構成であっても、同じ回避条件が成立することを見出した。尚、4つのドグ歯を備えた場合、例えばバックラッシュに歯高さが低いドグ歯を追加して8つのドグ歯を備えた構成であっても、実質的に4つのドグ歯を備えた場合と変わりはない。更に、4つのドグ歯以外にも回避条件を満たせば、何歯であってもよい。
ステップ1では、NレンジからDレンジへのセレクト(以下、N−Dセレクトと記載する。)が行われたか否かを判断し、行われていないときには本制御フローを終了し、N−Dセレクトと判断したときはステップS2に進む。
ステップS2では、クラッチ2を解放する。
ステップS3では、シフト用モータ53に、1速用クラッチリングドグ311aを軸方向噛合い位置に向けて軸方向噛合い側に移動する締結指令を出力する。
ステップS4では、シフト用モータ53の駆動電流Isがシフトドラム50の回転により生じる所定電流より大きな入り不電流I1以上か否かを判断し、Is<I1のときは入り不が生じていないと判断して本制御フローを終了し、それ以外のときは入り不の恐れがあると判断してステップS5に進む。すなわち、入り不状態となると、シフトフォークが軸方向に移動できないことからシフトドラム50が回転できない。そうすると、所望の変速段に応じた回転位置に移動しようとしてもシフト用モータ53の駆動負荷が大きくなり、駆動電流Isが増大する。この特性を利用して、駆動電流Isによる入り不判定を行う。
ステップS6では、ステップS4で入り不状態を検知したときの第1シャフト3aの回転数に基づいて1速用クラッチリングドグ311aの回転角速度(相対角速度)を演算する。実施例1では、車両停止中のドグクラッチ締結を想定しているため、第2シャフト3b及び第1ドグ31aの回転は停止している。よって、1速用クラッチリングドグ311aの回転角速度は、第1ドグ31aとの相対角速度と一致する。両シャフトが回転している場合には、第1シャフト3aの回転数と第2シャフト3bの回転数の両方を検出し、相対回転数から相対角速度を検出すればよい。
時刻t1において、運転者がシフトレバー7を操作し、NレンジからDレンジへと操作すると、発進に備えるためにクラッチ2が解放される。これにより、第1シャフト3aの回転数が惰性回転しながら徐々に低下する。
時刻t3において、駆動電流Isが入り不電流I1を超えると、一旦、シフトドラム50を逆方向に回転させる。このとき、1速用クラッチリングドグ311aと第1ドグ31aとの間の相対回転角を演算し、回避角度を達成する時間を演算し、タイマのカウントアップを開始する。
時刻t4において、タイマのカウント値が回避角度を達成する時間以上経過すると、再度締結指令を出力し、シフトドラム50を締結側に回転駆動する。このとき、1速用クラッチリングドグ311aと第1ドグ31aとは回避角度だけ相対回転しているため、入り不状態となることはない。
時刻t5において、1速用クラッチリングドグ311aと第1ドグ31aとが噛合うと、シフトストローク量Strが入り不ストローク量Str0を超えて増大し、1速へのシフトを完了できる。時刻t6において、シフトドラム50の回転が完全に目標位置まで回転すると、駆動電流Isを停止する。
(1)第1シャフト3a(第1回転体)に相対回転可能に支持された第1ドグ31aと、第1シャフト3aに軸方向移動可能に支持され、軸方向噛合い側への移動により第1ドグ31aと噛合う1速用クラッチリングドグ311a(第2ドグ)と、1速用クラッチリングドグ311aの軸方向移動を行うシフトアクチュエータ5(アクチュエータ)と、シフトアクチュエータ5を制御する変速機コントローラ30(制御部)と、を備え、変速機コントローラ30は、シフトアクチュエータ5に1速用クラッチリングドグ311aを軸方向噛合い位置に向けて軸方向噛合い側に移動する指令である締結指令を出力したときに、1速用クラッチリングドグ311aの軸方向噛合い側への移動が軸方向噛み合い位置よりも軸方向解放側で停止したときは、締結指令を停止し、1速用クラッチリングドグ311aの移動が停止したときの第1ドグ31a及び1速用クラッチリングドグ311aの状態に基づいてシフトアクチュエータ5に締結指令を再出力することとした。
すなわち、第1ドグ31aと1速用クラッチリングドグ311aとが噛み合わなかったときの状態である入り不状態に基づいて、再度の締結指令を出力することで、確実に締結することができ、締結動作を何度も繰り返すことなくドグクラッチを締結できる。
よって、入り不状態が解消する状態がいつ発生するかを推定することができる。
よって、レゾルバのような高精度の回転角センサを用いることなく、確実に入り不状態を回避可能なタイミングでドグクラッチを締結できる。
入り不状態は、1速用クラッチリングドグ311aを軸方向移動させたときに、第1ドグ31aのドグ歯と1速用クラッチリングドグ311aのドグ歯とが、回転方向手前側端部で入り不の状態から回転方向奥側端部で入り不の状態となり、広い範囲に亘って入り不状態が生じ得る。そこで、両ドグ歯が占有する回転角の和だけ相対回転角が生じれば、ドグ歯とバックラッシュとが対向する状態が得られ、入り不状態を確実に回避できる。
よって、入り不状態発生後、回避角度分の相対回転が生じた際、ドグ歯とバックラッシュとが対向する状態が得られ、入り不状態を確実に回避できる。
以上、実施例1に基づいて説明したが、上記実施例に限らず、他の構成を備えた自動変速機に本発明を適用してもよい。例えば、実施例1では、N−Dセレクト時に本発明を適用したが、変速時であれば、どの変速段にも適用できる。この場合、相対回転角速度を推定可能なセンサを備えていればよく、各回転数を高精度に検出する必要はない。また、実施例1では、第1シャフト3aに相対回転体であるドライブギヤを配置し、これらドライブギヤを第1シャフト3aに選択的に固定可能なドグクラッチ機構を設けた例を示したが、第1シャフト3aに限らず、第2シャフト3bに設けてもよいし、それぞれ組み合わせて第1シャフト3aと第2シャフト3bの両方に設定してもよい。
また、前進4速に限らず、前進2速や、更なる多段化した自動変速機にも適用できる。
また、実施例では、動力源として内燃機関であるエンジンを搭載した例を示したが、動力源として駆動用モータやエンジンとモータを併用するハイブリッド車両であっても本発明を適用できる。
2 クラッチ
2a クラッチアクチュエータ
3 自動変速機
3a 第1シャフト
3b 第2シャフト
4 駆動輪
5 シフトアクチュエータ
7 シフトレバー
10 エンジン回転数センサ
12 Input回転数センサ
14 電流センサ
15 Output回転数センサ
30 変速機コントローラ
31 1速ドライブギヤ
31a 第1ドグ
32 2速ドライブギヤ
32a 第2ドグ
33 1速ドリブンギヤ
34 2速ドリブンギヤ
50 シフトドラム
51,52 変速溝
53 シフト用モータ
310 第1シフトフォーク
311 第1クラッチリング
311a 1速用クラッチリングドグ
320 第2シフトフォーク
321 第2クラッチリング
321a 2速用クラッチリングドグ
Claims (1)
- 第1回転体に相対回転可能に支持された第1ドグと、
前記第1回転体に軸方向移動可能に支持され、軸方向噛合い側への移動により前記第1ドグと噛合う第2ドグと、
前記第2ドグの軸方向移動を行うアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御部と、
を備え、
前記第1及び第2ドグの円周上でドグ歯が円周に対して占有する第1占有率を25%以下とし、ドグ歯とドグ歯の間が円周に対して占有する第2占有率を75%以上とし、前記第1占有率を前記第2占有率で除した値が1/3以下であり、
前記制御部は、前記アクチュエータに前記第2ドグを軸方向噛合い位置に向けて軸方向噛合い側に移動する指令を出力したときに、前記第2ドグの軸方向噛合い側への移動が前記第1ドグと前記第2ドグとの軸方向噛み合い位置よりも軸方向解放側で停止したときは、前記指令を停止し、前記第2ドグの移動が停止したときから、前記第1ドグの円周上で一つのドグ歯が占有する回転角と前記第2ドグの円周上で一つのドグ歯が占有する回転角の和である所定相対角度を前記第1ドグと前記第2ドグの相対角速度で除した時間が経過したときに、前記アクチュエータに前記指令を再出力することを特徴とするドグクラッチ。
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- 2015-06-17 JP JP2015121827A patent/JP6596681B2/ja active Active
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