JP5229643B2 - シフトバイワイヤシステム - Google Patents
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Description
本発明では、制御部は、車両電源がオンしたとき、当該オンが、運転者による通常のオン操作によるものであると電源オン判別手段により判別された場合、第1位置学習手段により第1基準位置を学習する。通常のオン操作により車両電源がオンしたときは、通常、実レンジはPレンジであり、車両は停止した状態であると考えられる。そのため、このとき、第1基準位置の学習が開始されても実レンジはPレンジのまま(車両は停止状態を維持したまま)なので、安全に、第1基準位置を学習でき、通常の制御状態に移行することができる。また、例えば実レンジがDレンジ等Pレンジ以外のレンジのとき車両電源が何らかの理由によりオフし、その後、運転者による通常のオン操作により車両電源がオンした場合、車両は停止状態のため、第1基準位置の学習が開始されることで車輪がロック(Pロック)されても何ら不都合はない。
さらに、本発明によるシフトバイワイヤシステムは、電源オン判別手段による判別後の処理が比較的単純なため、システム全体および制御ソフト(プログラム)を容易に構築することができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステム3を含む車両制御システム1を示している。例えば四輪の車両に搭載される車両制御システム1は、自動変速機制御システム2、シフトバイワイヤシステム3、エンジン制御システム4および統合ECU10などから構成されている。
ここで、アクチュエータ30について説明する。本実施形態では、アクチュエータ30は、スイッチトリラクタンス(SR)モータであり、永久磁石を用いることなく駆動力を発生するブラシレスモータである。図2に示すように、モータ部32は、回転方向に配列された複数のコイル36が結線されているステータ35を有している。また、モータ部32は、ステータ35の内側にロータ37を有している。ロータ37は、中心部に軸部材38を有し、アクチュエータ30のハウジングに回転可能に支持されている。
本実施形態では、エンコーダ34は、アクチュエータ30のハウジング内に設けられている。エンコーダ34は、ロータ37と一体に回転する磁石と、ハウジングに固定された基板に実装され、磁石と対向配置されて磁石における磁束発生部の通過を検出する、磁気検出用のホールIC等により構成されている。エンコーダ34は、モータ部32(ロータ37)の回転角の変化分に応じてパルス信号を出力する。
減速部33は、モータ部32(軸部材38)の回転運動を減速して変速機構部31に伝達する。変速機構部31は、減速部33から出力された回転駆動力をマニュアルバルブ22、および、パーキングロック機構70へ伝達する。
本実施形態では、図4に示すようにシフトレンジが「Pレンジ」側から「Rレンジ」、「Nレンジ」および「Dレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ30の減速部33が回転する方向を、正回転方向と定義している。一方、シフトレンジが「Dレンジ」側から「Nレンジ」、「Rレンジ」および「Pレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ30の減速部33が回転する方向を、逆回転方向と定義している。
セレクタセンサ46は、車両の運転者がレンジセレクタ45を操作することにより指令したレンジ(以下、「指令レンジ」という。)を検出する。セレクタセンサ46は、検出した信号をSBW−ECU13へ出力する。
本実施形態では、図4に示す各シフトレンジ(P、R、N、D)のそれぞれの範囲内にディテントローラ53の中心が位置するときのモータ部32の回転位置に基づき、対応する実レンジを検出可能である。上述の「アクチュエータ30の基準位置の学習」については、後に詳述する。
図5に示すように、S101では、車両電源がオンすることにより、車両制御システム1に電源が投入される。ここで、車両電源がオンする場合としては、「運転者が車両を停車し例えばイグニッションキーにより意識的に車両電源をオフし、その後、再びイグニッションキーによりオン(正常オン)する場合」および「運転者の意思とは関係なく何らかの不具合等により車両電源がオフし、再び自動でオン(瞬断後オン)する場合」を含む。
S104では、SBW−ECU13は、第1位置学習手段として機能し、アクチュエータ30の第1基準位置を学習する。S104の後、処理はS105へ移行する。
なお、S107で車両電源がオフされても、S106で記憶部15に記憶された「電源オフに関する情報」は消去されない。
SBW−ECU13は、車両電源がオンしたとき、当該オンが、運転者による通常のオン操作によるものであると電源オン判別手段により判別された場合、第1位置学習手段により第1基準位置を学習する。通常のオン操作により車両電源がオンしたときは、通常、実レンジはPレンジであり、車両は停止した状態であると考えられる。そのため、このとき、第1基準位置の学習が開始されても実レンジはPレンジのまま(車両は停止状態を維持したまま)なので、安全に、第1基準位置を学習でき、通常の制御状態に移行することができる。また、例えば実レンジがDレンジ等Pレンジ以外のレンジのとき車両電源が何らかの理由によりオフし、その後、運転者による通常のオン操作により車両電源がオンした場合、車両は停止状態のため、第1基準位置の学習が開始されることで車輪がロック(Pロック)されても何ら不都合はない。
さらに、本実施形態によるシフトバイワイヤシステム3は、電源オン判別手段による判別後の処理が比較的単純なため、システム全体および制御ソフト(プログラム)を容易に構築することができる。
本発明の第2実施形態によるシフトバイワイヤシステムの構成部品のうちの1つ(ディテントプレート)を図6に示す。第2実施形態は、物理的な構成としては、ディテントプレートのみが第1実施形態と異なる。
本実施形態では、図6に示すようにシフトレンジが「Pレンジ」側から「Lレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ30の減速部33が回転する方向を、正回転方向と定義している。一方、シフトレンジが「Lレンジ」側から「Pレンジ」側へ切り替わるときにアクチュエータ30の減速部33が回転する方向を、逆回転方向と定義している。
すなわち、本実施形態では、SBW−ECU13は、アクチュエータ30の第1基準位置を学習することにより、予め記憶されている複数の第1所定値と第1基準位置とに基づき各シフトレンジ(Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、2レンジ、および、Lレンジ)に対応するアクチュエータ30の回転位置を演算により求め、当該演算により求めた回転位置となるようアクチュエータ30を回転させることで、実レンジを所望のシフトレンジに切り替えることができる。
上記構成により、本実施形態によるシフトバイワイヤシステムは、第1実施形態と同様、車両電源が瞬断しても安全に通常の制御状態に復帰可能である。
本発明の他の実施形態では、第1凹部がPレンジに対応し、第2凹部が「Dレンジまたは最低速段レンジ(Lレンジ等)」に対応し、中間凹部がRレンジおよびNレンジに対応するのであれば、中間凹部は、いくつ形成されていてもよい。すなわち、本発明を適用可能な自動変速機のレンジの数は、4つまたは6つに限らない。
上述の実施形態では、警告手段により、運転者に対し警告を行う例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、運転者に対し、警告手段による警告を行わないこととしてもよい。
本発明によるシフトバイワイヤシステムは、無段変速機(CVT)、およびP、R、N、Dの4ポジションを切り替えるHV(ハイブリッド車)の自動変速機(A/T)等のレンジ切替に用いることもできる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
13 ・・・・・・SBW−ECU(制御部、目標レンジ決定手段、トルク制御手段、第1位置学習手段、電源オン判別手段)
20 ・・・・・・自動変速機
30 ・・・・・・アクチュエータ
34 ・・・・・・エンコーダ
45 ・・・・・・レンジセレクタ(シフト選択手段)
52、57 ・・・ディテントプレート
53 ・・・・・・ディテントローラ(規制部)
55 ・・・・・・ディテントスプリング
61、71 ・・・第1凹部
62、63、72、73、74、75 ・・・中間凹部
64、76 ・・・第2凹部
65、77 ・・・第1壁
Claims (2)
- 車両の運転者により操作されるシフト選択手段の信号に応じて自動変速機のシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤシステムであって、
電力により回転するモータ部、当該モータ部の回転に応じてパルス信号を出力するインクリメンタル型のエンコーダ、および、前記モータ部の回転を減速して出力する減速部を有するアクチュエータと、
前記減速部に接続するよう設けられることで前記アクチュエータにより回転駆動され、回転方向の一方側に形成される第1凹部、回転方向の他方側に形成される第2凹部、および、前記第1凹部と前記第2凹部との間に形成される複数の中間凹部を有するディテントプレートと、
規制部を有し、当該規制部が前記第1凹部、前記複数の中間凹部または前記第2凹部に嵌り込むことで前記ディテントプレートの回転を規制することにより、前記自動変速機のシフトレンジを固定可能なディテントスプリングと、
前記シフト選択手段からの信号に基づき目標レンジを決定する目標レンジ決定手段を有し、前記自動変速機のシフトレンジが、前記目標レンジ決定手段により決定された前記目標レンジとなるよう前記アクチュエータの回転を制御する制御部と、を備え、
前記第1凹部は、駐車用のレンジであるPレンジに対応するとともに、前記第2凹部とは反対側に第1壁を有し、
前記第2凹部は、前進用のレンジである「Dレンジまたは最低速段レンジ」に対応し、
前記複数の中間凹部は、それぞれ、後進用のレンジであるRレンジ、中立のレンジであるNレンジ、または、「前記最低速段レンジ以外の前記前進用のレンジ」に対応し、
前記制御部は、
前記第1壁に前記規制部が当接することによって前記アクチュエータの回転が規制される方向に前記アクチュエータを回転させ、このとき前記エンコーダから出力されたパルス信号のカウント値の最小値または最大値が所定時間変化しない状態を検出することにより、前記Pレンジに対応する前記アクチュエータの第1基準位置を学習する第1位置学習手段、および、
車両電源がオンしたとき、当該オンが、運転者による通常のオン操作によるものか、車両電源が瞬断した後の復帰によるものかを判別する電源オン判別手段、を有し、
車両電源がオンしたとき、当該オンが、運転者による通常のオン操作によるものであると前記電源オン判別手段により判別された場合、前記第1位置学習手段により前記第1基準位置を学習し、
車両電源がオンしたとき、当該オンが、車両電源が瞬断した後の復帰によるものであると前記電源オン判別手段により判別された場合、「シフトレンジを切り替える場合は、停車し、一旦車両電源をオフした後、再度、車両電源をオンする」よう運転者に通知するとともにシフトレンジの切替要求の受け付けを不可とし、前記アクチュエータを駆動しないことにより、そのときの実レンジを維持することを特徴とするシフトバイワイヤシステム。 - シフトレンジの切替要求があった場合、シフトレンジは切替不可であることを運転者に警告する警告手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシフトバイワイヤシステム。
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