JP5566389B2 - 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 - Google Patents

堆積膜形成装置および堆積膜形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、基材上に例えば薄膜Si等の堆積膜を形成する堆積膜形成装置および堆積膜形成方法に関する。
従来の堆積膜形成装置は、チャンバーと、チャンバー内に原料ガスを導入するガス導入経路と、チャンバー内に配置された一対の電極とが設けられている。そして、一対の電極の一方には、堆積膜が形成される基材が載置されている。一対の電極の他方には、この電極に高周波電力を印加するための高周波電源が接続されている。
ここで、原料ガスは、一対の電極に挟まれた空間において、印加された高周波電力を解離エネルギーとして分解・励起活性化されて種々の反応種を生じる。そして、これら反応種の一部が基材上に堆積することで膜が形成される。
このような堆積膜形成装置として、高品質膜を高速に形成できる装置が求められている。特に、薄膜Si系太陽電池においては、太陽電池の製造コスト低減のため、Si系薄膜を高品質で高速に形成できることが要求されている。
そこで出願人らは、Si系薄膜の高品質・高速製膜を実現する装置として、ガス分離型熱触媒体内蔵プラズマCVD装置を提案した(例えば、下記の特許文献1を参照)。
特開2001−313272号公報
しかしながら、このガス分離型熱触媒体内蔵プラズマCVD装置では、装置の大型化に伴い、堆積膜の面内膜質分布が不均一になることが考えられる。これは主に、カソード電極の面内温度分布が不均一になりやすいことに起因する。
本発明は、膜品質の面内不均一を生じることなく、高品質膜を製膜することのできる堆積膜形成装置および堆積膜形成方法を提供することを目的としており、特に、薄膜Si系太陽電池に好適に用いられる堆積膜形成装置および堆積膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る堆積膜形成装置は、
チャンバーと、
該チャンバー内に位置している第1電極と、
前記チャンバー内に前記第1電極と所定間隔を隔てて位置しており、原料ガスを供給する複数の供給部を有する第2電極と、
前記供給部に接続されており、原料ガスが導入される導入経路と、
該導入経路内に設けられている加熱手段と、
前記第2電極の面内温度分布が均一になるように冷却する冷却機構とを備え、
T1>T2>T3の条件において、前記第1電極と前記第2電極との間に前記原料ガスを供給して、グロー放電を発生させる。(ただし、T1は前記原料ガスの温度、T2は前記第2電極の表面温度、T3は前記第1電極の表面温度である。)
本発明の一形態に係る堆積膜形成方法は、
チャンバー内に、第1電極と、該第1電極と所定間隔を隔てて位置しており、第1原料ガスを供給する第1供給部を有する第2電極と、前記第1供給部に接続された、前記第1原料ガスが導入される第1導入経路と、該第1導入経路内に設けられている加熱手段と、前記第2電極の面内温度分布が均一になるように冷却する冷却機構と、基材とを準備する準備工程と、
前記第1電極と前記第2電極との間に前記基材を配置する基材配置工程と、
前記加熱手段の加熱によって前記第1原料ガスを加熱するガス加熱工程と、
前記第1電極と前記第2電極との間に前記第1原料ガスを供給して、グロー放電を発生させる放電発生工程とを有しており、
該放電発生工程は、下記式の条件下に行なわれることを特徴とする。
T1>T2>T3
(ただし、T1は前記第1原料ガスの温度、T2は前記第2電極の表面温度、T3は前記第1電極の表面温度である。)

上述の堆積膜形成装置および堆積膜形成方法によれば、下記1)〜3)による第2電極の温度上昇を抑制することができる。
1)加熱手段への電力印加に伴う温度上昇を起因とした第2電極への熱伝達(輻射、第1原料ガスを介した熱伝導)
2)第2電極への高周波電力印加に伴う第2電極自体の抵抗加熱
3)励起されたプラズマから第2電極への入熱
以上により、基材温度の上昇が抑制される。その結果として、良好な膜品質を有する堆積膜を形成することができる。加えて、第2電極の面内温度分布を均一にすることができるため、基材の面内温度分布が改善されて、さらには、第2電極から供給される原料ガスの面内温度分布が改善されるため、良好な膜品質を有する堆積膜が均一に形成することができる。また、第2電極の温度上昇による変形が生じにくくなるため、良好な膜特性分布を得ることができて、さらには装置のメンテナンスサイクルが長くなり、生産性を向上させることが可能となる。
本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の一形態に係る堆積膜形成装置に用いられる冷却機構における冷媒経路の構造例を模式的に示す図であり、図1のA−A線断面図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)の冷却機構における冷媒経路の構造例を示す斜視図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す図であり、(a)は断面図、(b)は(a)の冷却機構における冷媒経路の構造例を示す斜視図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の他の実施形態を模式的に示す断面図である。
本発明の一形態に係る堆積膜形成装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において同一構成についての重複した説明を省略する。
<堆積膜形成装置S1>
図1に示すように、堆積膜形成装置S1は、チャンバー1と、チャンバー1内に位置している第1電極6と、チャンバー1内に第1電極6と所定間隔を隔てて位置しており、原料ガスを供給する複数の供給部4を有する第2電極2と、供給部4に接続され原料ガスが導入される導入経路3と、導入経路3内に設けられている加熱手段11である加熱触媒体(heated catalyzer)と、第2電極2を冷却する冷却機構14とを備えている。ここで、第1電極6はチャンバー1の下方に配置されており、第1電極6の上には基材10が配置されている。また、第1電極6と対向して配置された第2電極2はシャワー電極として機能する。なお、基材10は、第1電極6と第2電極2との間に位置させるようにすればよく、図示されているように第1電極6で保持しなくともよい。
チャンバー1は、少なくとも上壁、周囲壁および底壁によって構成される真空気密可能な反応空間を有する反応容器である。このようなチャンバー1の内部は、真空ポンプ7により真空排気されて、図示しない圧力調整器により内部の圧力が調整される。
第1電極6は、アノード電極の機能を有しており、基材10の温度を任意の温度に調整する基材加熱手段(ヒーター)15を内蔵する。このように、第1電極6は基材10の温度調整機構としても機能する。これにより、基材10は例えば100〜400℃、より好ましくは150〜350℃に調整される。
基材10は、ガラス基板等からなる平板状のもの、あるいは金属材料または樹脂等からなるフィルム状のものを用いることができる。
高周波電源5は第2電極2に接続されており、13.56MHz〜100MHz程度までの周波数を用いることができる。1m以上の大面積に製膜する場合には60MHz程度以下の周波数が好適に用いられる。高周波電源5から第2電極2に電力を印加することにより、第2電極2と基材10の間の空間8にはプラズマが形成される。
第2電極2は、第1電極6と対向するように配置されており、カソード電極として機能する。第2電極2は複数の導入経路3から導入されたガスをチャンバー1内に供給する供給部4を有する。これら供給部4は基材10に向かって開口している。
複数の供給部4には、複数の導入経路3を通じて、それぞれ異なるガスを貯留する複数の図示しないガスボンベが連結されている。第1導入経路3aおよび第2導入経路3bから導入されたガスは、それぞれ第1供給部4aおよび第2供給部4bを通してプラズマが形成される空間8に達するまで基本的に混合しない。
複数の供給部4に供給されるガスは、例えば、第1原料ガスと、第1原料ガスより分解確率が大きい第2原料ガスとを含む。単位面積当たりのガスの総分解速度はexp(−ΔEa/kTe)×Ng×Ne×ve×σgに比例する。なお、ΔEaは原料ガスの励起活性化エネルギー(解離エネルギー)、kはボルツマン定数、Teは電子温度、Ngは原料ガス濃度、Neは電子濃度、veは電子速度、σgは原料ガスの衝突断面積をそれぞれ示す。また、exp(−ΔEa/kTe)は分解確率を意味する。なお、exp(−ΔEa/kTe)×σgをσ(Ea)として表す場合もある。第1原料ガスは、第1導入経路3aを通じて第1供給部4aから供給される。第2原料ガスは第1導入経路3bを通じて第2供給部4bから供給される。ただし、後述するように第1導入経路3aを流れる第1原料ガスを分割して一部を第2導入経路3bに流す(第2原料ガスと混合させる)場合もある。
第1導入経路3a内には、加熱用電源12に接続された加熱手段11が設けられている。加熱手段11は加熱触媒体、抵抗加熱体あるいは加熱流体が用いられる。第1原料ガスは、500〜2000℃程度に加熱された加熱手段11によって加熱されるとともに、プラズマが形成されている空間8において活性化される。
例えば、加熱触媒体は、触媒体に電流を流して加熱高温化することで接触するガスを励起活性化(分解)させる熱触媒体として機能するものである。加熱触媒体は、少なくともその表面が金属材料からなる。この金属材料は好ましくは高融点の金属元素であるTa、W、Re、Os、Ir、Nb、Mo、RuおよびPtのうちの少なくとも1種を含む、純金属または合金材料からなることが望ましい。また、加熱触媒体の形状は、例えば、上記のような金属材料をワイヤ状にしたもの、板状またはメッシュ状にしたものである。
また、加熱触媒体は、製膜に使用される前に、予め製膜時の加熱温度以上の温度で数分間以上、予備加熱される。これにより、膜形成の際に、膜中に加熱触媒体の金属材料中の不純物が堆積膜にドーピングされるのを低減できる。以下の説明においては加熱手段11として加熱触媒体を例に挙げて説明する。
また、加熱手段11の上流側に第1分散板13aを設けることにより、加熱手段11にガスを均一に接触させることができて、効率よくガスを活性化させることができる。
第2電極2の内部には、供給部4の近傍に第2電極2を冷却する冷却機構14を備える。この冷却機構14は、例えば、図2に示すように、第2電極2の内部に冷却媒体が流れる冷媒経路14aを備えている。また、チャンバー1の外部に配管された不図示の経路内に設けた例えばポンプ等によりシリコンオイルもしくはフッ素オイル等の流体、または、水素ガスもしくはヘリウムガス等の熱伝導率の高いガスからなる冷却媒体を流すように構成されている。このように、冷媒経路14aに冷却媒体を流すことにより、第2電極2の基材10と対向した面2aの温度分布を均一にすることができる。
冷媒経路14aは、例えば図2(a)に示すように、第2電極2のほぼ全面に供給部4を避ける形で格子状経路に形成してもよい。または、図2(b)に示すように、複数列の直線状経路に形成してもよい。
各供給部4a、4bは、例えば格子状パターン、千鳥状パターン等、種々のパターンで配列してもよい。なお、第1供給部4aと第2供給部4bの数が異なっていてもよい。第1原料ガスのガス流量と第2原料ガスのガス流量が異なる場合、例えば、第2原料ガスより第1原料ガスのガス流量が多い場合には、第2供給部4bより第1供給部4aの数を多くすることによって、供給バランスが保たれ均一な膜厚・膜質分布を有する堆積膜を形成することができる。
導入経路3は各ボンベに直接接続されていてもよく、また導入経路3は、ガスの流量、流速、および温度などを調整するガス調整部と連結されていてもよい。
真空ポンプ7は、排気系からの膜中への不純物混入を抑制するために、ターボ分子ポンプ等のドライ系の真空ポンプを用いることが望ましい。到達真空度は少なくとも1×10−3Pa以下、好適には1×10−4Pa以下とし、製膜する膜種によって異なるが製膜時の圧力は50〜7000Paとする。
堆積膜形成装置S1は複数の製膜室を設けたものでもよい。薄膜太陽電池素子を形成する場合、例えばp型膜形成用製膜室、i型膜形成用製膜室、n型膜形成用製膜室が含まれ、少なくとも1つの製膜室が上記構造を有すればよい。特に、膜厚が厚く、高品質な膜が要求されるi型膜形成用製膜室に上記構造を適用することにより、生産性を向上させ、変換効率の高い薄膜太陽電池を形成することができる。
第1原料ガスおよび第2原料ガスは堆積膜の種類によって適宜選択される。例えば、a−Si:H(水素化アモルファスシリコン)またはμc−Si:H(水素化微結晶シリコン)等のSi系薄膜を形成する場合、第1原料ガスとしては非Si系ガスを用いて、第2原料ガスとしてはSi系ガスをそれぞれ用いることができる。非Si系ガスとしては水素(H)ガス等が用いられる。Si系ガスとしてはシラン(SiH)、ジシラン(Si)、四フッ化ケイ素(SiF)、六フッ化ケイ素(Si)またはジクロロシラン(SiHCl)ガス等が用いられる。なお、ドーピングガスを導入する場合は、p型ドーピングガスにはジボラン(B)ガス等を用い、n型ドーピングガスにはホスフィン(PH)ガス等を用いる。ドーピングガスの導入経路3としては、第1導入経路3aまたは第2導入経路3bのいずれかを必要に応じて選択することができるが、第2導入経路3bを通して導入することが望ましい。
堆積膜形成装置S1は上述の構成を備えることから、第1原料ガスの分解を加熱手段11による加熱により促進させることができる。また、分解しなかった第1原料ガス、あるいは、分解後、再度結合した第1原料ガスは、いずれのガスも温度上昇しているので、プラズマが発生している空間8にてガス分解がより促進される。また、第2原料ガスを加熱手段11に接触させずに第2供給部4bより供給して、プラズマが発生している空間8にて励起活性化させる。以上により、第2原料ガスが過剰に分解されることがなく、高速に製膜できると同時に高品質な薄膜を形成することができる。
特に、加熱手段11によって温められた水素ガス(第1原料ガス)がプラズマが発生している空間8に供給されるため、ガスヒーティング効果によって空間8での高次シラン生成反応が抑制される。
ここで、高次シラン生成反応とは、
1) SiH+SiH→Si
2) Si+SiH→Si
・・・ 以下、同様なSiH挿入反応が続く・・・
といったSiH挿入反応によって高分子ガスが生成していく反応である。
SiHはSiHがプラズマ中の電子と衝突することで製膜主成分となるSiHとともに生成される。SiHは特に製膜速度を上げるために、プラズマ電力を高めるほどより多く生成するようになる。その結果、高次シラン分子もより多く生成されるようになる。
このようにして生じた高次シラン分子は、通常は、製膜表面に付着すると製膜表面での堆積反応(膜成長反応)を乱して膜質を悪化させる。また、高次シラン分子が膜中に取り込まれることでも膜構造を乱して膜質を悪化させる。しかしながら、本実施形態では以下に述べる作用により高次シラン生成反応が抑制される。
高次シラン生成反応は発熱反応であることが既に知られている。すなわち反応によって生じる熱を空間に排出することで進む反応である。ところが上記ガスヒーティング効果によって空間(具体的には水素ガスが主成分のガスが存在している空間)が既にあたためられていると、この空間に反応熱を排出することができにくくなる。すなわち発熱反応たる高次シラン生成反応が進みにくくなる。このようにして、プラズマ電力が大きい高速製膜条件下でも高品質のシリコン膜を製膜することができる。
以上により、堆積膜形成装置S1は、下記1)〜3)による第2電極2の温度上昇を抑制することができる。
1)加熱手段11への電力印加に伴う温度上昇を起因とした第2電極2への熱伝達(輻射、第1原料ガスを介した熱伝導)
2)第2電極2への高周波電力印加に伴う第2電極2自体の抵抗加熱
3)励起されたプラズマから第2電極2への入熱
上記により、基材温度の上昇が抑制される。その結果として、良好な膜品質を有する堆積膜を形成することができる。加えて、第2電極2の面内温度分布を均一にすることができるため、基材10の面内温度分布が改善される。さらに、第2電極2から供給される原料ガスの面内温度分布が改善されるため、良好な膜品質を有する堆積膜が均一に形成することができる。また、第2電極2の温度上昇による変形が生じにくくなるため、良好な膜特性分布を得ることができる。さらに、装置のメンテナンスサイクルが長くなり、生産性を向上させることが可能となる。
<堆積膜形成装置S2>
図3(a)に示す堆積膜形成装置S2のように、冷却機構14として、第2電極2と加熱手段11との間に冷却媒体が流れる冷却シートを備えたものであってもよい。このように、第2電極2とは別に冷却機構14を配置することにより、第2電極2の複雑な加工を不要にできる。さらに、電極内部に冷却経路14aとなる空間を設ける必要がないため、第2電極2の熱変形を低減することができ、繰り返し使用時の耐久性を向上することができる。また、装置メンテナンス時は、第2電極2と冷却機構14を別々に交換することが可能となり、メンテナンス性の向上および生産性の向上が達成される。
また、図3(b)に示すように、冷却媒体が流れる冷媒経路14aを加熱手段11に対して平行に(所定距離隔てて)設けることにより、第2電極2の温度上昇をより効率よく低減することができる。
なお、堆積膜形成装置S1と同様に、格子状に冷媒経路14aを設けてもよい。また、冷却シートからなる冷却機構14と第2電極2とを必ずしも直接接触させる必要はないが、直接接触させることにより、より効率よく第2電極2の温度分布を均一にすることができる。
このような冷却機構14を設けることにより、第2電極2の温度上昇が抑制されるため、第2電極2として耐熱強度の高いタングステン、またはニッケル基の超合金等を使用しなくてもよく、加工性の良いステンレスまたはアルミニウム等を用いることが可能となる。
加熱手段11と第2電極2との間に冷却機構14を設ける場合、冷却機構14が加熱手段11から照射される赤外波長の輻射熱を反射させる反射板としての機能を備えることにより、さらに第2電極2の温度上昇の抑制および加熱手段温度の低下抑制に効果がある。その方法として、例えば反射率を80%以上、好適には90%以上となるように、反射面の鏡面加工を施す、またはAg、AlまたはAu等の蒸着膜形成処理を施す。
冷却媒体としては、上述したようにシリコンオイルもしくはフッ素オイル等の流体、または、水素ガスもしくはヘリウムガス等の熱伝導率の高いガスが好適に用いられる。
冷却媒体の温度は、400℃以下と設定することにより、基材温度の上昇を低減するとともに、ガスの温度分布を改善することができる。また、第2電極2の温度を基材温度よりも高くすることにより、加熱手段11により分解した第1原料ガスが励起活性化状態から再結合することを抑制することができる。
また、第2電極2の中央部と周辺部とにおいて、温度が異なる又は種類の異なる冷却媒体を流すことにより、第2電極2の面内温度分布をより均一化できる。
<堆積膜形成装置S3>
図4に示す堆積膜形成装置S3のように、冷媒経路をその高さ方向(厚み方向)に複数設置して、例えば図示されているように冷却経路14bと、その上方に位置する冷却経路14cとを設けてもよい。これにより、加熱手段11側に位置している冷媒経路14bを流れる冷却媒体の温度を低くし、第2電極2側に位置している冷媒経路14cを流れる冷却媒体の温度を高くすることができる。そして、冷却機構14の温度上昇しやすい加熱手段11側を素早く冷却することができて、第2電極2の温度分布を均一にすることができる。
<堆積膜形成装置S4>
図5(a)に示す堆積膜形成装置S4のように、加熱手段11と第2電極2との間に冷却機構14としてヒートパイプを備えたものでもよい。なお、ヒートパイプとは、作動流体と、その流体を毛細管現象によって迅速に移動させるための毛細管を中空の管の内部に設けたものである。このような構成により、高温部で蒸発した作動流体の蒸気が低温部に移動して凝縮し、その凝縮した流体が毛細管を伝って高温部に戻るサイクルを繰り返すことによって、極めて高い効率での熱伝導を可能にする。
図5(a)に示す冷却機構における冷媒経路の構造では、加熱手段11と第2電極2との間にヒートパイプを設けているが、第2電極2の内部にヒートパイプを設けてもよい。
また、図5(b)に示すように、ヒートパイプを加熱手段11と平行に設けることにより、第2電極2の温度上昇をより効率よく低減することができる。
<堆積膜形成装置S5>
図6に示す堆積膜形成装置S5のように、加熱手段11の下流側に、例えば材質がステンレスで形状がガスが通過する開口部を有する板状の第2分散板13bを設けるようにしてもよい。
これにより、加熱手段11に接触したガスを各第1供給部に、均一に分散させることができる。加熱手段11と第2電極2との間に冷却機構14を設ける場合においては、加熱手段11に接触したガスが冷却機構14と接触することを低減させることができる。さらに、第2分散板13bが加熱手段11から照射される赤外波長の輻射熱を反射させる反射板としての機能を備えることにより、第2電極2の温度上昇をよりいっそう抑制することができる。
加熱手段11から照射される輻射熱が直接、基材10に達しないように、冷却機構14および第2分散板13b、または別途、輻射遮断部材を設けることが好ましい。また、第1供給部4aの直上に加熱手段11を設けず、例えば、第1供給部4a間に加熱手段11が位置するように設けることが好ましい。
<堆積膜形成装置S6>
図7に示す堆積膜形成装置S6のように、第1電極6の内部に上述した気体または液体の冷却媒体を流す経路を設けることにより、基材10から抜熱する基材抜熱手段16を構成することが望ましい。
基材加熱手段15により、基材10を所定温度まで加熱し良好な製膜温度に制御し、加熱手段11による加熱が行われる際には、加熱手段11と接触する第1原料ガスが加熱され、高温となった第1原料ガスが基材10と接触する。また、プラズマからの入熱により基材10の温度が上昇するが、加熱手段15を停止させ抜熱手段14により基材10を所定温度に制御することができる。これによって、基材10の全体を一定の温度に制御することが可能となり、堆積膜の品質を均一にすることができる。
また、第1電極6に静電チャックを設けてもよい。これにより、基材10を第1電極6と密着させることにより、効率よく基材10の温度制御を行うことができる。
<堆積膜形成装置S7>
図8に示す堆積膜形成装置S7のように、基材抜熱手段16において冷却媒体が流れる冷媒経路16aを加熱手段11の直下では、他の部分よりも密に設けることにより、均一に基材10を所定温度に制御することができる。また、加熱手段11の直下と他の部分で、温度が異なる又は種類の異なる冷却媒体を流すことにより、均一に基材10を所定温度に制御することができる。
<堆積膜形成装置S8>
図9に示す堆積膜形成装置S8のように、第1電極6の基材加熱手段15と基材抜熱手段16を中央部と周辺部とに分けて設けるとよい。これにより、高温になりやすい中央部と、低温になりやすい周辺部をそれぞれ別途温度制御することが可能となり、基材10の温度を均一にすることができる。
<堆積膜形成装置S9>
図10に示す堆積膜形成装置S9のように、第1電極6を基材載置面6aと載置面6aより外側の外周部6bとに分離して設け、それぞれの部分に基材加熱手段15と、基材抜熱手段16を設ける、載置面の外周部の温度を基材載置面よりも高く設定するとよい。これにより、基材10の温度を最適値に制御しつつ、載置面の外周部に堆積膜が付着しにくくすることができる。
<堆積膜形成装置S10>
図11に示す堆積膜形成装置S10のように、一方向に延びている加熱手段11(図面に対して奥行き方向(図面に対して垂直方向))に対して側方からガスを吹付ける構造17であってもよい。積極的に原料ガスを加熱手段11に接触させることができ、原料ガスを効率よく活性化させることができる。
<堆積膜形成装置S11>
図12に示す堆積膜形成装置S11のように、加熱手段11の周囲を囲うような形状とし、その空間にガスが滞留するような構造とするとよい。これにより、積極的に原料ガスを加熱手段11に接触させることができ、原料ガスを効率よく活性化させることができる。また、加熱手段11の下流側よりも上流側における導入経路の開口径を大きくすることにより、加熱手段11を有する空間内にガスを滞留させる時間を長くすることができ、ガスを効率よく活性化させることができる。
なお、基板加熱手段15と基板抜熱手段16を両方設けた場合で説明したが、基材加熱手段15を設けずに基板抜熱手段の冷却媒体の温度を制御することにより、基材10を制御するようにしてもよい。
<堆積膜の形成方法>
次に、本発明の一形態に係る堆積膜形成方法の実施形態について、主に堆積膜形成装置S1を例にとり説明する。なお、他の堆積膜形成装置においても、以下に説明する工程により高品質の堆積膜を形成できる。
まず、チャンバー1内に、第1電極6と、第1電極6と所定間隔を隔てて位置しており、第1原料ガスを供給する第1供給部4aを有する第2電極2と、第1供給部4aに接続された、第1原料ガスが導入される第1導入経路3aと、第1導入経路3a内に設けられている加熱手段11と、第2電極2を冷却する冷却機構14と、基材10とを準備する準備工程を行なう。次に、第1電極6と第2電極2との間に基材10を配置する基材配置工程を行なう。次に、加熱手段11の加熱によって第1原料ガスを加熱するガス加熱工程を行なう。次に、第1電極6と第2電極2との間に第1原料ガスを供給して、グロー放電を発生させる放電発生工程を行なう。
ここで、放電発生工程は、第1電極6と第2電極2との間において下記式の条件下に行なわれる。
T1>T2>T3
(ただし、T1は第1原料ガスの温度、T2は第2電極2の表面温度、T3は第1電極6の表面温度である。)
これらの工程により、原料ガス中の成分が基材10上に堆積されることで、堆積膜が基材10上に好適に形成される。なお、上述の工程において、基材10は、基材搬送機構等により搬送され、第1電極6上に支持されて、保持される。
第1原料ガスを第1供給経路3内の加熱手段11で加熱し、第1供給部4のみから供給することにより、加熱手段11によって温められた第1原料ガスがプラズマが発生する空間8に供給されるため、ガスヒーティング効果によって空間8での高次シラン生成反応が抑制される。
また、水素化アモルファスシリコン膜を形成する場合は、Hガスを第1導入経路3aに、SiHガスを第2導入経路3bに供給して、ガス圧力を50〜700Paに設定して、H/SiHの比を2/1〜20/1とし、高周波電力密度を0.02〜0.2W/cmとすればよい。i型アモルファスシリコン膜を有するpin接合の薄膜太陽電池においては、i型アモルファスシリコン膜の膜厚を0.1〜0.5μm、好ましくは0.15〜0.3μmに形成すればよい。
また、水素化微結晶シリコン膜を形成する場合は、Hガスを第1導入経路3aに、SiHガスを第2導入経路3bに供給し、ガス圧力を100〜7000Paに設定し、H/SiHの比を10/1〜60/1とし、高周波電力密度を0.1〜1W/cmとすればよい。i型微結晶シリコン膜を有するpin接合の薄膜太陽電池においては、i型微結晶シリコン膜の膜厚を1〜4μm、好ましくは1.5〜3μmに、結晶化率を70%前後に形成すればよい。
本実施形態の堆積膜形成方法では、基材加熱手段15により基材10を所定温度に加熱し、加熱手段11を加熱した後、例えば、冷却機構14により第2電極2を冷却する、基材加熱手段15の加熱を小さくする、または、基材加熱手段15の加熱を停止してもよい。例えば図7に示す堆積膜形成装置S6に備えられた基材抜熱手段16により抜熱を行うことによって、高温となった原料ガスまたはプラズマからの入熱による基材10の過度の加熱を低減できる。これにより、冷却機構14にて第2電極2を所定温度に制御するとともに、基材加熱手段15および基材抜熱手段16にて基材10を所定温度に制御できる。よって、すぐに基材10を所定温度に保ち、効率よく基材10全体を一定の温度に制御することが可能となる。このように、第2電極2の温度を所定温度に制御した後、さらに、基材10を所定温度に制御した後に堆積膜を基材10に形成することが好ましい。
また、加熱手段11によって温められた水素ガス等からなる第1原料ガスがプラズマが発生する空間8に供給された際の第1原料ガスの温度と、第2電極2の表面温度と、第1電極6の表面温度との関係が、第1原料ガスの温度T1>第2電極2の表面温度T2>第1電極6の表面温度T3を満たすことが好ましい。ここで、第1原料ガスの温度T1>第2電極2の表面温度T2の関係は、第1原料ガスが加熱手段11により加熱されるという、独特の構造を有するため実現できるものである。
上記の温度の大小関係により、第2電極2の熱歪による変形を低減しつつ、ガスヒーティング効果による高次シラン重合体の生成抑制効果をより大きくすることができる。また、T2>T3とすることで、基材10の温度を膜形成に適した温度に制御しやすくなり、加えて、第2電極2への膜形成にともなう堆積寄与種の消費が低減する。これにより、基材10に効果的に膜形成を行なうことが可能である。その結果として、基材10上に高品質な膜を高速かつ均一に形成することが可能である。前記効果を得るためには、第1原料ガスの温度は300〜1000℃、第2電極2の温度は200〜500℃、第1電極6の温度は100〜400℃に設定されることが好ましい。
ここで、Si系ガス等の第2原料ガスは加熱手段11により直接加熱されることなく、第2供給部4bよりプラズマ空間8に供給されることから、第1原料ガスの温度T1の方が第2原料ガスの温度T4よりも高くなる(T1>T4の)ため、Si系ガスの過剰な分解を低減して堆積膜を形成することができる。
また、基材10に堆積膜を形成し、基材10をチャンバー1から排出した後にチャンバー1内にクリーニングガスを供給し、クリーニングガスをプラズマにより分解・活性化させチャンバー内をクリーニングしてもよい。クリーニングガスとしては、分子式にフッ素(F)または塩素(Cl)を含んだガスを用いることができる。
さらに、加熱触媒体からなる加熱手段11を設けている第1導入経路3aからキャリアガスを供給し、加熱手段11を設けていない第2導入経路3bからクリーニングガスを供給することが好ましく、クリーニングガスにより加熱触媒体からなる加熱手段11が腐食劣化するのを低減することができる。キャリアガスとしては、水素ガスあるいは不活性ガスを含んだガスを用いることができる。
また、クリーニングにおいては、基材抜熱手段14を使用しない、または堆積膜形成時よりも高い温度の冷媒を流す等により、堆積膜形成時よりも第1電極6を高い温度にして行うことが好ましく、クリーニング時に生じる反応生成物あるいはクリーニング後の残留ガスの低温部への付着を抑制することができる。
<実施例1>
以下、ステンレス製の第2電極2の内部に、冷却媒体がシリコンオイルの格子状の冷媒経路を有する冷却機構14を設けた場合と、第2電極2の内部に冷却機構14を設け、第1電極6の内部に、冷却媒体がシリコンオイルの格子状の冷媒経路を有する基材抜熱手段16を設けた場合と、冷却機構14と基材抜熱手段16のどちらも設けない場合とを比較した。
堆積膜形成装置は、Hガス(第1原料ガス)が供給される第1供給部4aと、SiHガス(第2原料ガス)が供給される第2供給部4bとを有する第2電極2と、第2電極2と対向して配置され、堆積膜が形成される基材10を保持し、基材10を加熱する基材加熱手段16を有する第1電極6とからなり、第1供給部に接続される第1導入経路にはタンタルからなる加熱触媒体(加熱手段11)を設けた装置を用意した。
そして、第2電極2の内部に冷却機構14を設けた場合を条件Aとし、第2電極2と加熱触媒体との間に冷却機構14を設けた場合を条件Bとし、第2電極2の内部に冷却機構14を設けるとともに第1電極6に基材抜熱手段16を設けた場合を条件Cとし、第2電極2と加熱触媒体との間に冷却機構14を設けるとともに第1電極6に基材抜熱手段16を設けた場合を条件Dとし、冷却機構14と基材抜熱手段16のどちらも設けない場合を条件Eとした。
これらの条件において、ガラスからなる基材10に水素化微結晶シリコン膜からなる堆積膜を形成したときに、第2電極表面(空間8に対面している面)の中央部と端部の温度と、基材10の表面(空間8に対面している面)の中央部と端部の温度を熱電対にて測定した。この場合、基材加熱手段16の設定温度は150℃、冷却機構14の温度は300℃に設定され、冷却機構14は加熱触媒体に対して平行になる(所定距離隔てる)ように直線状に設けた。
各条件における結果を表1に表す。
Figure 0005566389
表1に示すように、条件A〜Dにおいては、第2電極2の中央部と端部の温度、基材10の中央部と端部の温度では、ほとんど差がなく設定温度に近い値であった。しかし、従来例の条件Eにおいては、第2電極また基材の中央部と端部との温度差が大きく、とくに基材の温度においては設定値よりも高い値であった。
<実施例2>
上記の条件A〜Eにおいて、表面に透明導電膜を有するガラス製の基材10上に、アモルファスシリコン膜からなるpin接合を有する光電変換層と、その上に微結晶シリコン膜からなるpin接合を有する光電変換層と、その上に裏面電極を形成したタンデム型薄膜太陽電池を形成し、発電効率の比較を行った。この場合、i型アモルファスシリコン膜の膜厚は2500Å、i型微結晶シリコン膜の膜厚は2.8μmに形成した。
アモルファスシリコン膜からなる光電変換層とp型、n型微結晶シリコン膜は平行平板型のプラズマCVD装置装置を用いて製膜した。また、i型微結晶シリコン膜は上記条件の加熱触媒体を備える堆積膜形成装置を用いて製膜した。
また、i型微結晶シリコン膜を製膜する各種設定条件において、チャンバー内のガス圧力はPout=1333Pa(=10Torr)で行った。
そして、SiHガスはすべて第2供給部からチャンバー内へ導入するともに、Hガスを第1供給部4aと第2供給部4bに分割供給してi型微結晶シリコン膜を製膜した。10cm×10cmのガラス製の基材10上に1cm×1cmの薄膜太陽電池素子を16個形成した。
その結果、条件A〜Dでは初期効率12.0〜12.5%程度の発電効率が再現性よく得られたのに対して、条件Eではそれよりも低い7.5〜10.2%程度の発電効率しか得られないことが判明した。条件Eにおける発電効率の低下は、基材10の表面温度の上昇により膜中水素脱離が進むことでi型微結晶シリコン膜中の欠陥密度が高くなり、膜質が低下したことを示している。さらに発電効率の不均一な面内分布は、基材10の温度分布の不均一によりもたらされたと解釈できる。
以上から、第2電極2に冷却機構14を設けて、さらに第1電極6に基材抜熱手段16を設けた場合の顕著な効果が確認できた。
1 :チャンバー
2 :第2電極
3 :導入経路
4 :供給部
4a :第1供給部
4b :第2供給部
6 :第1電極
8 :空間
10 :基材
11 :加熱手段
14 :冷却機構
14a :冷媒経路
16 :基材抜熱手段
16a :冷媒経路

Claims (11)

  1. チャンバーと、
    該チャンバー内に位置している第1電極と、
    前記チャンバー内に前記第1電極と所定間隔を隔てて位置しており、原料ガスを供給する複数の供給部を有する第2電極と、
    前記供給部に接続されており、原料ガスが導入される導入経路と、
    該導入経路内に設けられている加熱手段と、
    前記第2電極の面内温度分布が均一になるように冷却する冷却機構とを備え、
    T1>T2>T3の条件において、前記第1電極と前記第2電極との間に前記原料ガスを供給して、グロー放電を発生させる、堆積膜形成装置。
    (ただし、T1は前記原料ガスの温度、T2は前記第2電極の表面温度、T3は前記第1電極の表面温度である。)
  2. 前記冷却機構は、前記第2電極の内部に冷却媒体が流れる冷媒経路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成装置。
  3. 前記冷却機構は、前記第2電極と前記加熱手段との間に冷却媒体が流れる冷媒経路を有する冷却シートを備えていることを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成装置。
  4. 前記冷却機構は、ヒートパイプを備えていることを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成装置。
  5. 前記冷媒経路は、冷却媒体が流れる格子状経路を備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の堆積膜形成装置。
  6. 前記冷媒経路は、冷却媒体が流れる複数列の直線状経路を備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の堆積膜形成装置。
  7. 前記第1電極は、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される基材の抜熱を行なう基材抜熱手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の堆積膜形成装置。
  8. チャンバー内に、第1電極と、該第1電極と所定間隔を隔てて位置しており、第1原料ガスを供給する第1供給部を有する第2電極と、前記第1供給部に接続された、前記第1原料ガスが導入される第1導入経路と、該第1導入経路内に設けられている加熱手段と、前記第2電極の面内温度分布が均一になるように冷却する冷却機構と、基材とを準備する準備工程と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に前記基材を配置する基材配置工程と、
    前記加熱手段の加熱によって前記第1原料ガスを加熱するガス加熱工程と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に前記第1原料ガスを供給して、グロー放電を発生させる放電発生工程とを有しており、
    該放電発生工程は、下記式の条件下に行なわれることを特徴とする堆積膜形成方法。
    T1>T2>T3
    (ただし、T1は前記第1原料ガスの温度、T2は前記第2電極の表面温度、T3は前記第1電極の表面温度である。)
  9. 前記放電発生工程は、前記第1原料ガスと、前記第1原料ガスとは異なる第2原料ガスとを、前記第1電極と前記第2電極との間で混合するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の堆積膜形成方法。
  10. 前記第1電極と前記第2電極との間に供給された前記第2原料ガスの温度をT4としたときに、下記式を満足することを特徴とする請求項8または9に記載の堆積膜形成方法。
    T1>T4
  11. 前記第1原料ガスに水素ガスを用いることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の堆積膜形成方法。
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