JP2011032503A - プラズマcvd装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜を成膜するプラズマCVD装置において、プレートをヒーターにより加熱することにより成膜用基板を昇温して成膜する時に、プレートの中央部に比べ周辺部は放熱が大きいため、プレートの中央部と周辺部とで温度の不均一が発生し、プレートの中央部においた成膜用基板とプレートの周辺部においた成膜用基板とでは、成膜した薄膜の膜質や膜厚に差異が発生することがあった。
【解決手段】反応室内に対向して配置された一対の電極板と、該電極板間に配置された、成膜用基板を載置するためのプレートと、を備えたプラズマCVD装置において、前記プレートは、基体と、該基体の表面に形成されてなる表層部と、から成り、該表層部は前記プレートの中央部よりも周辺部の方が厚いこと。
【選択図】 図3

Description

本発明は、プラズマCVD装置に関するものである。
真空排気機構を備えた反応室内で成膜用基板上に薄膜を成膜するプラズマCVD装置は、半導体装置や液晶表示装置などの製造工程で使用されている。
一般にこのようなプラズマCVD装置では、反応室内に互いに対向するように配置された一対の電極板の間に、成膜用基板を載置するプレートを配置して、真空排気機構で所定の圧力まで減圧した後、モノシランガスや水素ガスなどの原料ガスを反応室内部に導入して、両電極間に電圧を印加してプラズマを発生させ、成膜用基板の表面に膜を堆積させるものである。
プラズマCVD装置で成膜する時にはその反応による熱で反応室内が加熱されるため、良好な膜質を得るために成膜用基板を載置するプレートをヒーターで加熱する。例えば、成膜用基板の温度を400℃程度まで加熱して成膜することが行われている(特許文献1参照)。
これに伴い加熱したプレートが反るという問題があるが、プレートの表面に溶射膜などを成膜して、このプレートを繰り返し使用した場合の加熱による反りを低減することも提案されている(特許文献2参照)。
特開平10−340896号公報 特開2008−156718号公報
上述のようにプラズマCVD装置においてプレートをヒーターにより加熱する場合では、プレートの中央部に比べて周辺部の放熱が大きいため、プレートの中央部と周辺部とで温度の不均一が発生し、プレートの中央部に載置した成膜用基板とプレートの周辺部においた成膜用基板とでは、成膜した薄膜の膜質や膜厚に差異が発生するという問題点があった。
このような差異が発生すると、例えばシリコンウエハなどの半導体基板を使用した太陽電池素子の場合、プラズマCVD装置により半導体基板の表面上に反射防止膜として窒化シリコン薄膜を成膜するが、成膜した薄膜の膜質や膜厚に差異が発生すると、完成した太陽電池素子の光電変換効率がばらつき、歩留り低下の原因となる。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、成膜時のプレートの中央部と周辺部とで温度の不均一を低減することにより、膜質、膜厚のばらつきの少なくできるプラズマCVD装置を提供することを目的とする。
上記に鑑みて本発明のプラズマCVD装置は、反応室内に対向して配置された一対の電極板と、前記電極板間にプラズマを発生させるための電力供給手段と、前記電極板間に配置された成膜用基板を載置するためのプレートと、を備えたプラズマ化学的気相成長(PCVD)装置において、前記プレートは基体と、該基体の表面に形成されてなる表層部と、から成り、該表層部は前記プレートの中央部よりも周辺部の方が厚いことを特徴とする。
さらに、前記プレートの前記周辺部における前記表層部の厚さは、前記プレートの前記中央部における前記表層部の厚さの3倍以上6倍未満であることを特徴とする。
さらに、前記プレートの一主面において、前記周辺部の前記プレート主面全体に対する面積比率が30%〜55%であることを特徴とする。
さらに、前記基体の材質はカーボンであることを特徴とする。
また、前記表層部の材質はアルミニウムニッケル合金であることを特徴とする。
本発明のプラズマPVD装置によれば、反応室内に対向して配置された一対の電極板と、該電極板間に配置された成膜用基板を載置するためのプレートとを備えたプラズマCVD装置において、前記プレートは基体と、該基体の表面に形成されてなる表層部とから成り、該表層部は前記プレートの中央部よりも周辺部の方が厚いことにより、プレートの中央部と周辺部との温度を均一にできるため、薄膜の膜質、膜厚のばらつきを小さくすることが可能となる。
例えば、150mm以上の大型シリコン基板を10〜50枚に対して、プラズマCVD装置により窒化シリコン膜を同時に成膜するときに、プレート上のすべての成膜用基板1に均一な膜厚、膜質の成膜が可能となり、特に、太陽電池素子のロット毎の光電変換効率の平均値のばらつきを少なくすることが可能となった。
プラズマCVD装置の構造を示した透視図である。 本発明に係るプラズマCVD装置に用いられる搬送カートの構造の一例を示す平面図である。 (a)は本発明に係るプラズマCVD装置のプレートの一例の平面図、(b)は(a)のプレートのX−Xにおける構造を示す断面図である。 本発明に係るプラズマCVD装置のプレート表面への溶射の状態の一例を示した断面図である。
本発明のプラズマCVD装置の一実施形態は、反応室内に対向して配置された一対の電極板と、該電極板間に配置された成膜用基板を載置するためのプレートとを備えたプラズマCVD装置(プラズマ化学的気相成長装置、以下PCVD装置と略す)において、前記プレートは基体と、該基体の表面に形成されてなる表層部とから成り、該表層部は前記プレートの中央部よりも周辺部の方が厚いというものである。
図1において、1は成膜用基板、2は搬送カート、3はロードロック室、4は成膜室、5はアンロードロック室、6は搬送機構、7は電極板、8は電力供給手段、9はマスフローコントローラー、10は真空ポンプ、11はアース、12はヒーターを示す。
搬送機構について、成膜用基板1が載置された搬送カート2は、搬送機構6でロードロック室3に搬入され、大気状態から真空状態に排気されると共に、所定の温度まで昇温されるものである。そして、基板1と搬送カート2は昇温されたまま成膜室4に搬送され、成膜室4で成膜される。そして、成膜後にアンロードロック室5に運ばれ、真空状態から大気状態にパージされて搬出される。
薄膜の成膜について、成膜室4内を真空ポンプ10で排気し、マスフローコントローラー9からガスを成膜室4内に導入しながら、RF電源などの電力供給手段8からRF電力を印加することで、導入したガスを活性状態に励起させて、電極板7とアース11側の搬送カート2との間でプラズマを発生させるものである。これにより搬送カート2上のプレート17に載置した成膜用基板1の上面に半導体膜や絶縁膜や導電膜などの薄膜を成膜することができる。
図2は本発明に係るPCVD装置のプレートを載せるための搬送カートの構造の一例を示す平面図で、17はプレート、18は基板位置決めピン、19は金属枠、20はプレート固定冶具、21は搬送カート固定治具、22はプレート17上に成膜用基板1が載置されない部分を示す。
本発明に係るPCVD装置における搬送カート2の一例としては、金属枠19にプレート17をはめ込んで、プレート固定冶具20により固定する構造であり、PCVD装置の搬送機構6によりその内部を移動し、ロードロック室3、成膜室4、アンロードロック室5の各チャンバー内の所定の位置で、搬送カート固定治具21により固定されるようになっている。このような金属枠19、プレート固定冶具20、搬送カート固定治具21はステンレスなどの材質から成る。
図3は、PCVD装置に用いる本発明に係るプレート17の一例を示すもので、(a)はその平面図、(b)は(a)のX−Xにおける構造を示す断面図で、25はプレートの基体、26は表層部、27はプレートの中央部、28はプレートの周辺部を示す。
本発明に係るPCVD装置におけるプレート17の一例としては、搬送中の成膜用基板1が振動などにより動いて成膜用基板1同士が重ならないように、また、プレート17から成膜用基板1が転落しないようにするために、基板位置決めピン18が設けられている。この基板位置決めピン18は、その間隔は成膜用基板1の縦横の寸法に対して大きくなるように形成されている。このような基板位置決めピン18は、カーボンやアルミナなどのセラミック、ステンレスなどの材質から成る。プレート17の大きさは使用するPCVD装置のチャンバーの大きさなどにより最適に決定すれば良いが、例えば700×1400mm程度の大きさのプレート17に、150〜160mm角程度のシリコン多結晶基板が48枚程度載置される。
ここで、PCVD装置による薄膜は、成膜用基板1が載置されない部分22にも成膜されることになる。特に生産において連続して成膜が行われる場合は、成膜用基板1が載置されない部分22で徐々に厚膜化することになる。これにより、搬送カート2を300〜500℃の高温に加熱した状態で連続して成膜を行うと、プレート17の材質と、薄膜との熱膨張係数の違いにより、プレート17が堆積した厚膜に引っ張られて反りが発生し、ヒーター12とプレート17との間に隙間が生じてしまい、プレート17が均一に加熱されなくなるために温度の均一性が低下する。
図3(b)に示すように、本発明に係るPCVD装置におけるプレート17の成膜用基板1を載置する面側の表層部26は、プレート17の中央部27の厚みSに比べ、周辺部28の厚みTが厚いものであり、必然的に周辺部28の熱容量がより高くなる。これによりプレート17の周辺部28の保温機能を高めることができ、周辺部28の温度を中央部27の温度に近いものとすることができる。
薄膜の堆積は基体25の上面、下面、各側面の全面になされるため、本発明に係る表層部26は、基体25の上面、下面、各側面の全面に形成することが望ましい。表層部26の中央部27の厚みSや周辺部28の厚みTは、プレート17の温度分布や、プレート17の各部分の成膜用基板1の膜厚、膜質を観ながら、研磨などで微調整することが可能である。なお、膜質、膜厚のばらつきの評価方法については、エリプソメーターを用いることで測定可能である。
また、本発明のPCVD装置においては、この表層部26を形成することにより、成膜した薄膜とプレート17との付着力を低下させることで、このプレート17の反りを緩和することができるという作用もある。
さらに、本発明のPCVD装置の一実施形態は、前記プレートの前記周辺部における前記表層部の厚さが、前記プレートの前記中央部における前記表層部の厚さの3倍以上6倍未満であることが好ましい。
プレート17の表層部26において、その中央部27の膜厚は、30μm以上が好適であり、周辺部28の膜厚は中央部27の膜厚に比べ3〜6倍であることが適当である。この範囲であれば、保温が十分となりプレート17の温度を均一にし易く、また、電界分布に影響しないので、膜厚、膜質を安定にし易いためである。さらに、この範囲であれば、溶射膜の応力や熱膨張によって基体25から表層部26が剥離することを低減できる。なおプレート17の下面や側面にも形成する場合も30μm以上が好適である。
さらに、本発明のPCVD装置の一実施形態は、前記プレートの一主面において、前記周辺部の前記プレート主面全体に対する面積比率が30%〜55%であることが好ましい。
この範囲であれば、プレート17全体の反りをバランスよく抑制することができる。プレート17の表層部26の周辺部28の幅は、PCVD装置での成膜温度やヒーター12の温度分布、プレート17の基体25と表層部26の材質などを考慮して最適に決定すれば良い。なお周辺部28図3に示されるように、プレート17の周囲に沿っていることが好ましく、例えば700×1400mm程度の大きさのプレート17であれば、このプレート17の周囲に沿って、150〜200mm程度の幅で周辺部28を形成することが好適である。
このような表層部26は、成膜用基板1を載置する面側の表層部26の全面を周辺部28の厚みに成膜し、その後中央部27の部分を機械加工などで切削、研磨して薄くすることや、溶射時に中央部27にのみ別の部材をマスクとして置き、中央部27の膜厚を薄くすることで可能である。
さらに、本発明のPCVD装置の一実施形態は、前記基体の材質がカーボンであることが好ましい。
本発明に係るプレート17の基体25は、厚さ5〜25mm程度の平板状のもので、例えばカーボン、アルミニウム、アルミニウム合金などの材料からなり、特に熱膨張、熱変形の小さいカーボンが好ましい。
また、本発明のPCVD装置の一実施形態は、前記表層部の材質がニッケルアルミドであることが好ましい。
本発明に係るプレート17に溶射により形成される表層部26としては、アルミニウム、アルミニウムニッケル合金、アルミニウムニッケルクロム合金、アルミニウムシリコン合金、アルミブロンズ、銅、ニッケル、銅ニッケル合金、モリブデン、モリブデン鉄合金、タンタル、タングステン、炭化タングステン、炭化クロム、炭化チタン、アルミナ、酸化クロム、酸化チタンなどがある。
このうち、アルミニウムや銅などの導電性の膜では、基板1とプレート17の間の電気抵抗が部分的に異なり、PCVD装置による成膜で膜厚や膜質で差が生じることがあるため、アルミナ、酸化クロム、酸化チタンなどの絶縁膜からなり、特に耐プラズマ性と赤外線吸収が良いアルミニウムニッケル合金が好ましい。
次に本発明のPCVD装置の一実施形態における表層部26の形成方法について説明する。
表層部26は基体25の全面、もしくは、プレート17の成膜用基板1を載置する側の面(上面)に形成されるものである。この表層部26は溶射により形成可能であり、すなわち金属やセラミックを高温で融かして、高速でプレート17の表面で吹きつけて形成したものである。
図4は本発明に係るプレート17表面への溶射の状態の一例を示した図である。図4において30は陰極、32は冷却水出口、33は作動ガス導入口、34は材料投入口、36はノズル、37は溶射粒子のプラズマジェット、38は冷却水入り口、39は陽極を示す。
これにおいて、材料投入口34より粉末材料を投入し、作動ガス導入口33より作動ガスとしてアルゴンやヘリウムなどを投入して、陽極39、陰極30の間に電圧をかけると投入された粉末材料は高速のプラズマジェット37となり、プレート17の表面に吹き付け、表層部26を形成することができる。
1;成膜用基板
2;搬送カート
3;ロードロック室
4;成膜室
5;アンロードロック室
6;搬送機構
7;電極板
8;電力供給手段
9;マスフローコントローラー
10;真空ポンプ
11;アース
12;ヒーター
17;プレート
18;基板位置決めピン
19;金属枠
20;プレート固定冶具
21;搬送カート固定治具
22;プレート上の基板が載置されない部分
25;基体
26;表層部
27;中央部
28;周辺部
30;陰極
32;冷却水出口
33;作動ガス導入口
34;材料投入口
36;ノズル
37;溶射粒子のプラズマジェット
38;冷却水入り口
39;陽極
40a;プレート中央部に堆積した膜
40b;プレート周辺部に堆積した膜
41a;プレート中央部に堆積した膜に働く応力
41b;プレート周辺部に堆積した膜に働く応力

Claims (5)

  1. 反応室内に対向して配置された一対の電極板と、
    該電極板間に配置された、成膜用基板を載置するためのプレートと、を備えた
    プラズマCVD装置において、
    前記プレートは、基体と、
    該基体の表面に形成されてなる表層部と、から成り、
    該表層部は前記プレートの中央部よりも周辺部の方が厚い
    ことを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 前記プレートの前記周辺部における前記表層部の厚さが、
    前記プレートの前記中央部における前記表層部の厚さの3倍以上6倍未満である
    ことを特徴とする請求項1記載のプラズマCVD装置。
  3. 前記プレートの一主面において、前記周辺部の前記プレート主面全体に対する面積比率が30%〜55%である
    ことを特徴とする請求項2に記載のプラズマCVD装置。
  4. 前記基体の材質がカーボンであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
  5. 前記表層部の材質がアルミニウムニッケル合金であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
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