JP5565424B2 - ロングレールの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)2本のレールをフラッシュバッド溶接又はガス圧接し、溶接部に形成されたビードを、該レールの外周に沿った形状のバイトにより打ち抜き、レール足部に残存した前記ビードのうち、打ち抜き方向の下流側に位置する止端部に超音波ピーニング処理を行い、該超音波ピーニング処理に用いる打撃用部材を、5mm/秒以上20mm/秒以下の速度で前記止端部に沿って3パス以上移動させ、前記止端部は表面から50μm以内の組織がパーライトを含むものであることを特徴とするロングレールの製造方法。
また、上記した断面において止端部10bの表面から50μm以内のパーライトの10%以上のラメラー間隔(隣り合う2つのフェライト相の中心間隔)が70nm以下である場合も硬度が上昇する(例えばHv50以上)為、特に疲労強度が向上する。この場合、上記した断面において止端部10bの表面から50μm以内に位置するパーライトの5%以上のラメラー間隔が50nm以下である場合、さらに疲労強度が向上する。
一方、鋼材温度がさらに低下するに従って、鋼材の靭性、延性は低下していく。このため、周囲温度が−20℃を下回ると、超音波ピーニング処理部に加工による亀裂発生の懸念があるため、−20℃以上の温度で処理を行うことが望ましい。
荷重繰返し速度は5Hzとし、溶接部が破断した時点で試験を終了した。また、荷重繰返し回数が200万回まで非破断であった場合は、そこで試験を終了した。
まず参考例について説明する。テルミット溶接法を用いてロングレールを製造し、このロングレールの溶接部に形成されたビードの止端部に、上記した条件で超音波ピーニング処理を行うことにより、複数の試料を作製した。複数の試料相互間は、超音波ピーニング処理の処理回数が異なっているが、他の作製条件は同じである。また、比較例として溶接まますなわち超音波ピーニング処理を行わないロングレールを作製した。
フラッシュバット溶接法を用いてロングレールを製造し、形成されたビードの大部分を高温時に打ち抜き除去した。そしてビードの残部の止端部の全域に、上記した条件で超音波ピーニング処理を行うことにより、複数の試料を作製した。複数の試料相互間は、超音波ピーニング処理の処理回数が異なっているが、他の条件は同じである。また、比較例として、超音波ピーニング処理を行わずにビードの残部をグラインダー等で研磨除去したロングレールを作製した。
ガス圧接法を用いて複数のロングレールを製造し、これらのロングレールの溶接部に形成されたビードの大部分を、バイトを用いて熱間で押し抜いて除去した。そして、残存しているビードの止端部に、上記した条件で超音波ピーニング処理を行うことにより、複数の試料を作製した。複数の試料相互間は、超音波ピーニング処理の処理回数が異なっているが、他の条件は同じである。また、比較例として、ビードの残部をグラインダー等で研磨除去したロングレールを作製した。
フラッシュバッド溶接法を用いてロングレールを製造し、これらのロングレールの溶接部に形成されたビードの大部分を、バイトを用いて熱間で押し抜いて除去した。そして、このロングレールの溶接部に形成されたビードの止端部の全域に、上記した条件で超音波ピーニング処理(UIT処理)を3パス行い、さらにビードの残部を研磨除去した。また、比較例として、フラッシュバット溶接法を用いてロングレールを製造し、このロングレールの溶接部に形成されたビードをそのまま残して超音波ピーニング処理を行わなかった試料と、ロングレールの溶接部に形成されたビードの大部分を打ち抜き除去し、かつビードの残部をグラインダー等で研磨除去したロングレールを作製した。
ガス圧接法を用いてロングレールを製造し、これらのロングレールの溶接部に形成されたビードの大部分を、バイトを用いて熱間で押し抜いて除去した。そして、このロングレールの溶接部に形成されたビードの止端部の全域に、上記した条件で超音波ピーニング処理(UIT処理)を3パス行い、さらにビードの残部を研磨除去した。また、比較例として、ガス圧接法を用いてロングレールを製造し、このロングレールの溶接部に形成されたビードをそのまま残して超音波ピーニング処理を行わなかった試料と、ロングレールの溶接部に形成されたビードの大部分を打ち抜き除去し、かつビードの残部をグラインダー等で研磨除去したロングレールを作製した。
表3は、フラッシュバッド溶接法又はガス圧接を用いて製造されたロングレールに本発明を適用した場合(発明例A22〜A24)と適用しなかった場合(比較例A1〜A9、参考例A1〜A21)の200万回疲労限界(MPa)を示している。発明例A22〜A24は、いずれも200万回疲労限界が325MPa以上であった。以下、詳細に説明するが、この説明において、組織、ラメラ−比率、及びパーライト比率は、ビード止端部の表面から50μm以内の組織を見た結果である。
また参考例A4〜A6は、表面とパーライトラメラーの角度が±45°以下の組織が60%以上であり、かつ表面とパーライトラメラーの角度が±15°以下の組織が40%以上であるため、200万回疲労限界が330MPaとなった。
また、参考例A10〜A12は、表面とパーライトラメラーの角度が±45°以下の組織が60%以上であり、かつラメラー間隔が50nm以下のパーライトが5%以上であるため、200万回疲労限界が335MPa以上となった。
表4は、フラッシュバッド溶接法又はガス圧接を用いて製造されたロングレールにおいて、ビードをバイトで押し抜き除去し、かつ押し抜き方向の下流側のビート止端部に超音波ピーニング処理を行った場合(発明例B2,B4)と、ビードを除去しないでビート止端部に超音波ピーニング処理を行った場合(比較例B1,B3〜B5)それぞれの場合における200万回疲労限界の値を示す表である。なお、200万回疲労限界の値は、ビードを除去せず、かつビート止端部に超音波ピーニング処理を行わなかった場合(比較例B2)の200万回疲労限界の値(230MPa)との差で示している。
表5は様々な疲労強度改善方策をレールのフラッシュバット溶接部に適用した場合の疲労試験の結果と処理時間を示したものである。なお200万回疲労限界の値はビードを除去し、さらにグラインディング処理を行った比較例C4の200万回疲労限界の値(300MPa)との差で示している。
比較例C4はビード10をグラインディングによって完全に除去した例である。研磨工具は小型のディスクグラインダーを用いた。フラッシュバット溶接のビードは幅20mm、厚さ2mm程度であり、処理作業には20分以上を要する。生産性向上のためにはこの研磨作業が短縮できることが望ましい。
比較例C6は溶接ビードを高温時に油圧バイトで打ち抜いたままの状態である。疲労強度は標準工法である比較例C4のグラインディング材より30MPa程度低い。
比較例C2は、鋼材表面に打撃される工具の先端曲率が15mmφの工具を用い、ビード10の止端部を集中的にハンマーピーニングした例である。加工は同じ位置を10パス繰り返した。加工部の凹みは深い部分ではレール母材表面から1.6mm程度あり、疲労強度は非処理材に比較して僅かに低下した。
以上、超音波ピーニングは、他の疲労強度改善方法より効率的で効果的に疲労強度の向上が得られることが示された。
Claims (2)
- 2本のレールをフラッシュバッド溶接又はガス圧接し、溶接部に形成されたビードを、該レールの外周に沿った形状のバイトにより打ち抜き、レール足部に残存した前記ビードのうち、打ち抜き方向の下流側に位置する止端部に超音波ピーニング処理を行い、該超音波ピーニング処理に用いる打撃用部材を、5mm/秒以上20mm/秒以下の速度で前記止端部に沿って3パス以上移動させ、前記止端部は表面から50μm以内の組織がパーライトを含むものであることを特徴とするロングレールの製造方法。
- 荷重繰り返し回数200万回での疲労限界が、前記超音波ピーニング処理を行わない非処理材と比較して30MPa以上高いことを特徴とする請求項1に記載のロングレールの製造方法。
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