JP5561773B2 - 熱アシスト磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

熱アシスト磁気記録媒体及び磁気記憶装置 Download PDF

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Description

本発明は熱アシスト磁気記録媒体、及びそれを用いた磁気記憶装置に関する。
媒体に近接場光等を照射して表面を局所的に加熱し、媒体の保磁力を低下させて書き込みを行う熱アシスト記録は、1Tbit/inchクラスの面記録密度を実現できる次世代記録方式として注目されている。熱アシスト記録を用いた場合、室温における保磁力が数十kOeの記録媒体でも、現状ヘッドの記録磁界により容易に書き込みを行うことができる。このため、記録層に10J/m台の高い結晶磁気異方性Kuを有する材料を使用することが可能となり、熱安定性を維持したまま、磁性粒径を6nm以下まで微細化できる。このような高Ku材料としては、L1型結晶構造を有するFePt合金(Ku〜7×10 J/m)や、CoPt合金(Ku〜5×10J/m)等が知られている。
磁性層に、L1型結晶構造を有するFePt合金を用いる場合、該FePt層は(001)配向をとっている必要がある。これは、下地層に適切な材料を用いることによって実現できる。例えば、特許文献1にはMgO下地層を用いることによって、FePt磁性層が(001)配向を示すことが示されている。また、非特許文献1には、RuAl下地層を用いることにより、FePt磁性層が(001)配向を示すことが記載されている。
特開平11−353648
J. Appl. Phys. 97, 10H301 (2005)
熱アシスト記録媒体において、媒体ノイズを低減するには、磁性粒子間の交換結合を十分に低減し、磁気クラスターサイズを低減する必要がある。交換結合を低減するには、磁性層にSiOやC等の粒界偏析材料を添加することが望ましい。しかし、粒界偏析材料を多量に添加すると、L1構造を有するFePt合金の規則度が劣化し、Kuが低下する。このため、粒界偏析材料を多量に添加することなく、磁性粒子間の交換結合を低減する必要がある。
上記課題は、基板と、該基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層からなる磁気記録媒体において、該下地層の少なくとも一つが、Ru、もしくはRuを主成分とするHCP構造を有する合金であることを特徴とする熱アシスト磁気記録媒体を用いることによって解決できる。すなわち、本願発明は次の構成による。
(1)基板と、該基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層を含む熱アシスト磁気記録媒体において、該下地層の少なくとも一つが、Ru、もしくはRuを主成分とするHCP構造を有する合金であることを特徴とする熱アシスト磁気記録媒体。
(2)Ruを主成分とする下地層が、RuAl、RuCo、RuNi、RuMn、RuCr、RuV、RuMo、RuW、RuTi、RuTa、RuZr、RuCu、RuSi、RuB合金の何れかであることを特徴とする(1)に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
(3)Ru、もしくはRu合金下地層が(11・0)面を基板面と平行とした配向をとっていることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
(4)Ru、もしくはRu合金下地層が5Pa以上のArガス雰囲気中でのスパッタリング法で形成されていることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
(5)Ru、もしくはRu合金下地層上に、MgO下地層が形成されており、該MgO下地層上に磁性層が形成されていることを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
(6)Ru、もしくはRu合金下地層が、Cr、もしくはCrを主成分とするBCC構造の合金からなる下地層上に形成されていることを特徴とする(1)乃至(5)の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
(7)Crを主成分とするBCC構造の合金が、CrTi、CrMo、CrV、CrMn、CrW合金の何れかであることを特徴とする(6)に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
(8)Ru、もしくはRu合金下地層が、B2構造を有するNiAl、もしくはRuAl合金下地層上に形成されていることを特徴とする(1)乃至(5)の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
(9)磁性層がL1構造を有するFePt、もしくはCoPt合金を主成分とし、かつ、SiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、ZnO、Cから選択される少なくとも一種類の酸化物、もしくは元素を含有していることを特徴とする(1)乃至(8)の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
(10)磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を回転させるための駆動部と、該磁気記録媒体を加熱するためのレーザー発生部と、該レーザー発生部から発生したレーザー光をヘッド先端まで導く導波路と、ヘッド先端に取り付けられた近接場光発生部を備えた磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを移動させるための駆動部と、記録再生信号処理系から構成さる磁気記憶装置において、該磁気記録媒体が(1)乃至(9)の何れか1項に記載の熱アシスト媒体であることを特徴とする磁気記憶装置。
本発明により、高いL1規則度を有し、かつ、磁性粒子間の交換結合が十分に低減された磁性粒子からなる熱アシスト記録媒体が実現され、これを用いた磁気記憶装置を提供することができる。
本発明の磁気記録媒体の層構成の一例を表す図 本発明の磁気記録媒体の層構成の一例を表す図 本発明の磁気ヘッドを表す図 本発明の磁気記録媒体のArガス圧とSNRの関係を表す図 本発明の磁気記憶装置の傾視図
本願発明の熱アシスト磁気記録媒体は、基板と、該基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層を含み、該下地層の少なくとも一つが、Ru、もしくはRuを主成分とするHCP構造を有する合金であることを特徴とする。
Ru下地層は、CoCrPt合金と酸化物からなるグラニュラー磁性層の下地層として広く用いられている。この場合、Ru下地層は(00・1)配向をとっている。CoCrPt合金はRuと同じHCP構造を有し、格子定数も比較的近い。よって、(00・1)配向したRu下地層の上にCoCrPt合金を形成することにより、該CoCrPt合金がエピタキシャル成長により、良好な(00・1)配向を示す。これが、CoCrPt合金磁性層を用いた現行の垂直記録媒体でRu下地層が広く使用されている理由である。
一方、磁性層にL1構造を有する合金、例えばFePt合金等を用いる場合、上記Ru下地層を使用することは困難と考えられていた。これは、L1−FePt合金の(00・1)面は、4回対称の正方形であるため、六回対称のRu(00・1)面上にエピタキシャル成長しないと考えられていたためである。
ここでRu下地層を、スパッタリング法を用いて5Pa以上の高ガス圧で形成することにより、Ru結晶粒の初期成長部よりも上層部(先端部)が細くなったdome形状のRu結晶粒を形成することができる。これは、自己陰影効果によるものであるが、これにより、隣接するRu結晶粒間に深い溝が形成され、Ru下地層表面の凹凸が大きくなる。本願発明者は、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層を、前期Ru下地層上に形成することにより、磁性粒子間にも溝が形成され、これにより粒子間の交換結合を低減できることを見いだした。これにより、磁気クラスターサイズが低減され、低ノイズな熱アシスト媒体を得ることができる。
Ru下地層は、Al、Co、Ni、Mn、Cr、V、Mo、W、Ti、Ta、Zr、Cu、Si、B等の元素を含有していても良い。Ru合金がHCP構造を維持できる範囲内であれば、上記元素の含有量に特に制限はないが、より顕著な凹凸を形成するため、添加量は30at%(原子%)以下が望ましい。
また、L1−FePt合金に(001)配向をとらせるため、Ru下地層は(11・0)配向をとっていることが望ましい。Ruに(11・0)配向をとらせるには、例えば、Cr下地層を150〜300℃の高温で作製し、該Cr下地層上にRu下地層を形成すればよい。高温で形成されたCr下地層は、(100)配向をとるため、該Cr下地層上にRu下地層を形成することにより、該Ru下地層がエピタキシャル成長によって、(11・0)配向を示す。Cr下地層の代わりに、CrTi、CrMo、CrV、CrMn、CrW等のBCC構造を有するCr合金を用いても良い。Ru下地層に(11・0)配向をとらせるための、Cr、もしくはCr合金下地層を、以後、配向制御層と記す。配向制御層にCr合金を用いる場合、該Cr合金に含まれるTi、Mo、V、W等の添加元素の含有量は、概ね40at%以下が望ましい。40at%を上回ると、配向制御層の(100)配向が劣化するため、好ましくない。
また、配向制御層として、B2構造を有するNiAl合金、もしくはRuAl合金を用いても良い。NiAl合金、もしくはRuAl合金を概ね150℃以上の高温で形成した場合、(100)配向を示す。よって、該NiAl合金、もしくはRuAl合金からなる配向制御層の上にRuを形成することにより、該Ruに(11・0)配向をとらせることができる。
配向制御層と、Ru、もしくはRu合金下地層の間に、格子ミスフィットを緩和するためのミスフィット緩和層を形成してもよい。これにより、磁性層の配向性が改善され、Hcを更に高くすることができる。ミスフィット緩和層には、BCC構造、もしくはHCP構造を有する合金を用いことができる。ミスフィット緩和層にBCC構造の合金を用いる場合、該BCC合金の格子定数aBCCは、配向制御層の格子定数をa、Ru、もしくはRu合金のa軸の格子定数をaとすると、a < aBCC < 1.22aであることが望ましい。また、ミスフィット緩和層にHCP構造の合金を用いる場合、該HCP合金のa軸の格子定数aHCPは、a < 1.22aHCP < 1.22aであることが望ましい。配向制御層には、例えば、MoCr、MoV、WCr、WV、WMo等のBCC合金や、RuCo、RuCr等のHCP合金を用いることができる。
L1−FePt合金からなる磁性層は、Ru、もしくはRu下地層上に直接形成してもよいが、Ru、もしくはRu下地層上にMgO下地層を形成し、該MgO下地層上に形成してもよい。Ru下地層と、磁性層間にMgOを導入することにより、下地層中の元素が磁性層中に拡散するのを防ぐことができる。但し、MgO層を厚くしすぎると、表面の凹凸が低下するため、MgO膜厚は5nm以下、望ましくは3nm以下が好ましい。
磁性層には、L1型結晶構造を有するFePt合金、もしくはCoPt合金を用いることができる。磁性層は、SiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、ZnO、Cから選択される少なくとも一種類の酸化物、もしくは元素を含有していることが望ましい。上記酸化物、もしくは元素が磁性結晶粒を分断したグラニュラー構造をとらせることによって、磁性粒子間の交換結合を低減できると同時に、磁性結晶粒を微細化できる。
Cr、もしくはCr合金下地層(配向制御層)と基板の間に、密着性を改善するための密着層を設けても良い。また、ヒートシンク層として、熱伝導率の高いCu、Ag、Au、Al、もしくはこれらの合金層を設けても良い。また、書き込み能力を改善するため、軟磁性下地層(SUL)を形成しても良い。SULとしては、CoTaZr、CoFeZrTa、CoFeTaSi、CoFeZrB、FeTaC、FeAlSi、NiFe等を用いることができる。SULは上記軟磁性合金単層としても良いし、Ruを介して反強磁性結合した積層膜でもよい。
(実施例1)
図1に本実施例で作製した磁気記録媒体の層構成の一例を示す。ガラス基板101、Co−50at%Tiシード層102、Co−3at%Nb−5at%Zr軟磁性下地層(SUL)103、Cr−20at%V下地層104、Ru、もしくはRu合金下地層105、(Fe−45at%Pt)−12mol%TiO磁性層106、Fe−30at%Niキャップ層107、DLC保護膜108が順次形成されている。シード層からキャップ層までの成膜はスパッタリング法、DLC保護膜はイオンビーム法を用いた。Ru合金には、RuAl、RuCo、RuNi、RuMn、RuCr、RuV、RuMo、RuW、RuTi、RuTa、及びRuZr合金を用いた。CrV合金下地層の(100)配向化を促進するため、該下地層形成前に、150〜300℃の基板加熱を行うことが望ましいが本実施例では280 ℃で加熱を行った。また、磁性層の規則度改善のため、磁性層形成前に400℃以上の基板加熱を行った。Ru、もしくはRu合金下地層は、5Pa以上、望ましくは10Pa以上のArガス雰囲気中で形成することが好ましいが、本実施例では、12Paで形成した。
また、上記媒体と同一層構成で、Ru、もしくはRu合金下地層を形成しない(w/o Ru)媒体を比較例1として作製した。
本実施例媒体のX線回折測定を行ったところ、CrV下地層のBCC(100)配向、Ru、もしくはRu合金下地層のHCP(11・0)配向、磁性層のL1(001)配向が確認できた。表1に本実施例媒体の保磁力Hc、磁性層の平均粒径<D>、及びクラスターサイズDnを示す。ここで、平均粒径は、TEM観察により見積もった。また、クラスターサイズは、IEEE Trans. Magn., vol. 27, pp4975−4977, 1991に記載の方法を用いて室温で測定した。具体的には、マイナーループ解析から見積もった反磁界係数Ndと磁性膜tmagを用いて、Dn=tmag×√Ndとしてクラスターサイズを算出した。尚、表には、Ru下地層を形成せず、CrV下地層上に直接MgO下地層を形成した比較例媒体の値も示してある。本実施例媒体は、いずれも15kOe以上の高いHcを示した。これに対し、比較例媒体のHcは10.2kOeと低かった。平均粒径は、実施例、比較例共に概ね6−6.5nmで大きな差はみられなかった。一方、実施例媒体のDnはいずれも30nm以下であったのに対し、比較例媒体のDnは56nmと、実施例媒体よりも大幅に大きかった。実施例媒体と比較例媒体の平均粒径が、ほぼ同程度であったことから、実施例媒体のクラスターサイズが小さいのは、交換結合がより低減されているためと考えられる。
Figure 0005561773
以上より、Ru、もしくはRu合金からなる下地層を形成することにより、交換結合が低減され、クラスターサイズを低減できることが明らかになった。また、Ru合金下地層にRuCo、RuNi、RuCrを用いたときに、クラスターサイズが特に小さくなっており、これらの下地層を用いることにより、交換結合を著しく低減できることがわかった。
(実施例2)
図2に本実施例で作製した磁気記録媒体の層構成の一例を示す。ガラス基板201、Ti−50at%Alシード層202、Cu−2at%Zrヒートシンク層203、Ru−50at%Al下地層204、Mo−20at%V下地層205、Ru−2at%Cu下地層206、MgO下地層207、(Fe−50at%Pt)−45mol%C磁性層208、CoCrPtキャップ層209、DLC210が順次形成されている。シード層からキャップ層までの成膜はスパッタリング法、DLC保護膜はイオンビーム法を用いた。ここで、MoV下地層は、NiAl下地層とRuCu下地層の格子整合性を改善するためのミスフィット緩和層である。RuAl下地層に(100)配向をとらせるため、RuAl下地層形成前に200℃程度の基板加熱を行った。また、磁性層の規則度改善のため、磁性層形成前に450℃で基板加熱を行った。本実施例では、RuCu下地層成膜時のArガス圧を3Paから22Paまで変化させた。
本実施例媒体のX線回折測定を行ったところ、RuCu下地層成膜時のArガス圧に依らず、RuAl下地層のB2(100)配向、MoV下地層のBCC(100)配向、RuCu合金下地層のHCP(11・0)配向、磁性層のL1(001)配向が確認できた。
本実施例で作製した媒体の記録再生特性を、図3に示したヘッドを用いて評価した。ヘッドは、主磁極301、補助磁極302、磁界を発生させるためのコイル303、レーザーダイオードLD304、LDから発生したレーザー光305を近接場発生素子306まで伝達するための導波路307から構成される記録ヘッド308、及びシールド309で挟まれた再生素子310から構成される再生ヘッド311からなる。近接場光素子から発生した近接場光により媒体312を加熱し、媒体の保磁力をヘッド磁界以下まで低下させて記録できる。また、LD、導波路、近接場発生素子からなる加熱機構313を主磁極と補助磁極の間に配置しても良い。但し、この場合、主磁極のリーディング側を加熱する必要があるため、媒体の進行方向は図とは逆に右側となる。
上記ヘッドで評価した本実施例媒体のSNRとRuCu下地層形成時のArガス圧の関係を図4に示す。ガス圧の増加と共にSNRが増加し、5Pa以上で14dB以上の高いSNRが得られる。SNRはガス圧増加と共に更に増加し、10Pa以上で15dB以上の値が得られている。
RuCu下地層をArガス圧3Paで形成した媒体と、10Paで形成した媒体の磁性層の平均粒径を、平面TEM観察により見積もったところ、両者の平均粒径は、それぞれ6.1nm、6.3nmでほぼ同程度であった。尚、上記平面TEM観察は、磁性層の平均粒径を精密に見積もるため、CoCrPtキャップ層を形成しない媒体を作製して行った。また、実施例1で述べた手法と同様の手法で両者のクラスターサイズを見積もったところ、RuCu下地層をArガス圧3Paで形成した媒体のクラスターサイズは62nmであった。これに対して、RuCu下地層を10Paで形成した媒体のクラスターサイズは22nmと小さかった。このことは、後者の媒体で磁性粒子間の交換相互作用がより低減されていることを示している。また、両者の断面TEM観察を行ったところ、10Paで形成したRuCu下地層の方が、先端部が細くなっており、粒子間に深い溝が形成されていた。交換相互作用が低減されたのは、このためと考えられる。以上より、RuCu下地層形成時のArガス圧を増加させることにより、磁性粒子間の交換相互作用が低減され、SNRを改善できることがわかった。RuCu形成時のArガス圧を10Paから更に増加させてもSNRに大きな変化はないが、ガス圧を過剰に増加させると、ヘッドの浮上特性等のHDI性能が劣化するため、Arガス圧は40Pa以下が望ましい。
(実施例3)
実施例1で示した媒体(実施例媒体1.1〜1.12)にパーフルオルポリエーテル系の潤滑剤を塗布したのち、図5に示した磁気記憶装置に組み込んだ。本磁気記憶装置は、磁気記録媒体501と、磁気記録媒体を回転させるための駆動部502と、磁気ヘッド503と、ヘッドを移動させるための駆動部504と、記録再生信号処理系505から構成される。磁気ヘッドは図3で示したヘッドと同一構造のヘッドを用いた。表2に1400kFCIの信号を記録し、記録再生特性を評価したときのSNRと記録トラック幅MWWを示す。ここで、記録トラック幅はトラックプロファイルの半値幅と定義した。実施例媒体はいずれも15dB以上の高いSNRと、60nm以下の狭いMWWを示した。中でも、クラスターサイズが特に小さかった実施例媒体1.3、実施例媒体1.4、実施例媒体1.6が高いSNRを示した。また、RuMn、RuW、RuTa下地層を用いた実施例媒体1.5、実施例媒体1.9、実施例媒体1.11が特に狭いMWWを示した。よって、トラック密度を上げる場合は、RuW、RuMo、RuSi下地層を用いることが望ましいことがわかった。
Figure 0005561773
101…ガラス基板
102…CoTiシード層
103…CoNbZr軟磁性下地層
104…CrV下地層
105…Ru、もしくはRu合金下地層
106…FePt−TiO2磁性層
107…FeNiキャップ層
108…DLC保護膜
201…ガラス基板
202…TiAlシード層
203…CuZrヒートシンク層
204…RuAl下地層
205…MoV下地層
206…RuCu下地層
207…MgO下地層
208…FePtC磁性層
209…CoCrPtキャップ層
2010…DLC保護膜
301…主磁極
302…補助磁極
303…コイル
304…半導体レーザーダイオード
305…レーザー光
306…近接場光発生部
307…導波路
308…記録ヘッド
309…シールド
310…再生素子
311…再生ヘッド
501…磁気記録媒体
502…媒体駆動部
503…磁気ヘッド
504…ヘッド駆動部
505…記録再生信号処理系

Claims (9)

  1. 基板と、該基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層を含む熱アシスト磁気記録媒体において、該下地層の少なくとも一つが、Ru、もしくはRuを主成分とするHCP構造を有し、(11・0)面を基板面と平行とした配向をとっていることを特徴とする熱アシスト磁気記録媒体。
  2. Ruを主成分とする下地層が、RuAl、RuCo、RuNi、RuMn、RuCr、RuV、RuMo、RuW、RuTi、RuTa、RuZr、RuCu、RuSi、RuB合金の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  3. Ru、もしくはRu合金下地層が5Pa以上のArガス雰囲気中でのスパッタリング法で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  4. Ru、もしくはRu合金下地層上に、MgO下地層が形成されており、該MgO下地層上に磁性層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  5. Ru、もしくはRu合金下地層が、Cr、もしくはCrを主成分とするBCC構造の合金からなる下地層上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  6. Crを主成分とするBCC構造の合金が、CrTi、CrMo、CrV、CrMn、CrW合金の何れかであることを特徴とする請求項5に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  7. Ru、もしくはRu合金下地層が、B2構造を有するNiAl、もしくはRuAl合金下地層上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  8. 磁性層がL1構造を有するFePt、もしくはCoPt合金を主成分とし、かつ、SiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、ZnO、Cから選択される少なくとも一種類の酸化物、もしくは元素を含有していることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  9. 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を回転させるための駆動部と、該磁気記録媒体を加熱するためのレーザー発生部と、該レーザー発生部から発生したレーザー光をヘッド先端まで導く導波路と、ヘッド先端に取り付けられた近接場光発生部を備えた磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを移動させるための駆動部と、記録再生信号処理系から構成さる磁気記憶装置において、該磁気記録媒体が請求項1乃至8の何れか1項に記載の熱アシスト媒体であることを特徴とする磁気記憶装置。
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