JP5560336B2 - 固定具、シート、及びカバー固定方法 - Google Patents
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Description
これに対し、カバーをクッション材(本体部)に密着させた状態で固定する固定具(吊り部材)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、開リングがフレーム部に掛止された際には、引き上げた位置から第2掛止部が引き戻される。このため、吊り部材によりフレーム部及びカバーに加わる張力が低下し、本体部にカバーが安定しない場合という問題がある。
また、開口部に挿入部が挿入された状態で適切な張力が紐状部材に加わるように、当該紐状部材の長さ寸法が設定されていれば、必要以上に係止部材を引き寄せる等の作業が不要となる。このため、開口部に挿入部を挿入する際の作業者の力を低減させることができる。
従って、シート本体に対する係止部材の係止操作を容易に行うことができ、ひいては、シート本体に対するカバーの固定を容易に行うことができる。
また、第1規制部が、第2端縁に当接される挿入部の部位に位置することにより、開口部への当該挿入部の挿入操作が完了するのと略同時に、開口部からの挿入部の抜けを規制できる。従って、シート本体に対する係止部材の係止をより簡易に行うことができる。
また、挿入部が開口部に挿入された際に、第2当接部が板状体に当接することにより、開口部から第1当接部が抜けることが規制されるので、前述の第1規制部と合わせて、当該開口部からの係止部材の抜けを確実に防止できる。従って、シート本体に係止部材を確実に係止でき、ひいては、当該シート本体にカバーを確実に固定できる。
更に、前述の第2当接部が設けられている場合には、第1当接部を支点として係止部材を回動させた際(挿入部が開口部に挿入された際)には、当該第2当接部及び第3当接部により、開口部の第1端縁近傍の部位を挟持できる。従って、当該係止部材を安定してシート本体に取り付けることができる。
また、第4当接部は、挿入部から第1当接部に向かう方向に延出しているので、当該方向と、挿入部が開口部に挿入される方向とにそれぞれ直交する方向の固定具の寸法を、前述の第3当接部が設けられた固定具に比べて小さくできる。
本発明によれば、シートが、シート本体及びカバーの他に、前述の固定具を備えることにより、前述の固定具と同様の効果を奏することができる。
本発明によれば、前述の工程及び手順に沿って、前述の固定具を用いてシート本体にカバーを固定することにより、前述の固定具と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るシート1を示す斜視図である。また、図2は、当該シート1の背もたれ部3を構成するシート本体4及びカバー5を示す斜視図である。
本実施形態に係るシート1は、自動車等の車両に用いられるシートである。このシート1は、図1に示すように、座部2と、背もたれ部3とを備える。
このうち、背もたれ部3は、図2に示すように、シート本体4と、当該シート本体4を被覆するカバー5と、当該シート本体4にカバー5を固定する固定具6(図1参照)とを備える。
シート本体4は、図示を省略するが、合成樹脂発泡体により形成され、角が取れた全体略直方体形状を有するクッション材と、当該クッション材が取り付けられるフレームにより構成されている。このシート本体4における正面側(使用者の背に対向する側)には、略平坦な中央部41と、当該中央部41の左右に位置し、中央部41より突出した左突部42及び右突部43とが形成されている。これら中央部41と左突部42との間、及び、中央部41と右突部43との間には、それぞれ凹部44が形成されている。これら凹部44には、シート本体4にカバー5が取り付けられる際に、後述する固定具6の紐状部材63が配置される。
第1開口部454は、シート本体4を立てた際に下方に位置する。この第1開口部454における下側の端縁454B(前記作用方向の端縁454B)には、係止部材62の後述する第1当接部622が当接される。この端縁454Bは、本発明の第1端縁に相当する。
第2開口部455は、シート本体4を立てた際に第1開口部454の上方に位置する。この第2開口部455には、後述する挿入部625が挿入され、当該第2開口部455の上側の端縁455T(前記作用方向とは反対方向の端縁455T)には、後述する第1規制部626が当接される。この端縁455Tは、本発明の第2端縁に相当する。
カバー5は、図2に示すように、シート本体4に応じた形状を有し、当該シート本体4を座部2とは反対側から覆うように設けられる。
具体的に、カバー5の正面側には、前述の中央部41、左突部42及び右突部43に応じた中央部51、左突部52及び右突部53を有し、また、シート本体4の背面側に設けられた前述の板状体45を覆う背面部54を有する。
なお、このような帯状部55の位置は、左右にそれぞれ1つずつでなくてもよく、複数の帯状部55に分割されていてもよい。また、当該帯状部55の寸法も、適宜設定可能である。
図3〜図5は、固定具6を示す図である。具体的に、図3は、板状体45に対向する側から固定具6を図であり、図4は、板状体45に固定具6を取り付ける側から固定具6を見た図である。また、図5は、側方から固定具6を見た図である。
固定具6は、前述のように、カバー5をシート本体4に密着させた状態で固定するものである。この固定具6は、図3〜図5に示すように、当該固定具6の一端に設けられる取付部材61と、当該固定具6の他端に設けられる係止部材62と、これら取付部材61及び係止部材62を接続する紐状部材63とを有する。
取付部材61は、図3〜図5に示すように、開口部451の端縁451T(図6参照)に掛かり止められる鉤状部611と、紐状部材63がインサート成形により固定された固定部612とを有する。
紐状部材63は、ポリエステル等の合成樹脂により形成されている。この紐状部材63は、前述の帯状部55を挿通することで、カバー5と係合する。
係止部材62は、本体部621、第1当接部622、第2当接部623、第3当接部624、挿入部625、第1規制部626、第2規制部627、及び架橋部628を有する。
本体部621は、係止部材62における略中央に設けられ、当該本体部621には、紐状部材63がインサート成形により取り付けられている。なお、この本体部621の中心軸の延出方向、すなわち、紐状部材63の延出方向は、第1当接部622を支点として係止部材62が回動する際の回動軸方向に直交する方向に設定されている。
この第1当接部622は、詳しくは後述するが、当該端縁454Bに当接した状態で、係止部材62を板状体45に係止する際の回動操作における支点となる。
また、第2当接部623は、第1当接部622を支点として係止部材62が回動された際に、前記挿入方向(X方向)とは反対方向の板状体45の面(詳しくは、当該面における端縁454B近傍の部位)に当接する。これにより、第1開口部454からの第1当接部622の脱落が規制される。
また、第3当接部624は、係止部材62が板状体45に係止された際に、第2当接部623とともに当該板状体45を挟持する。これにより、板状体45からの係止部材62の脱落が規制される。
このような挿入部625は、第1延出部6251、屈曲部6252及び第2延出部6253を有し、側方(前述の第3当接部624の延出方向に正対した位置)から見て横向きの略U字状に形成されている。このため、当該挿入部625は、前記作用方向(Z方向)に伸縮する弾性を有する。
屈曲部6252は、第1延出部6251の延出方向先端部から前記挿入方向(X方向)とは反対方向で、かつ、前記作用方向(Z方向)とは反対方向に屈曲して形成されている。
第2延出部6253は、屈曲部6252から前記挿入方向(X方向)とは反対方向で、かつ、前記作用方向(Z方向)とは反対方向に沿って傾斜するように延出している。
このような第2規制部627は、挿入部625が第2開口部455に挿入された際に、端縁455T近傍の板状体45の部位に当接する。これにより、挿入部625が第2開口部455内に没入することが規制される。
図6は、開口部451に対する取付部材61の係合状態を示す図であり、図7〜図9は、係止部材62の開口部452への係止工程を示す図である。
以下、固定具6によるシート本体4へのカバー5の固定方法を説明する。
まず、取付部材61を板状体45に取り付ける。具体的に、図6に示すように、取付部材61の鉤状部611を、シート本体4の板状体45に形成された開口部451の端縁451Tに掛かり止める。
なお、本実施形態では、取付部材61の板状体45への取付後に、紐状部材63及び係止部材62を帯状部55に挿通させることとしているが、予め紐状部材63が帯状部55を挿通した状態で、取付部材61を板状体45に取り付けてもよい。
具体的に、この係止工程では、図7に示すように、まず、第1当接部622を端縁454Bに当接させる(当接手順)。
この際、挿入部625は、第2延出部6253が端縁455Tに当接しつつ挿入される。このため、当該挿入部625は、屈曲部6252とは反対側の各延出部6251,6253の端部間が収縮するように弾性変形して、第2開口部455に挿入される。
端縁454Bに当接した第1当接部622を支点として係止部材62を回動させ、当該第1当接部622から離れた挿入部625を第2開口部455に挿入させることで、当該係止部材62が板状体45に係止される。これによれば、固定具6をシート本体4に容易に係止でき、ひいては、カバー5をシート本体4に容易に固定できる。
また、第1規制部626が、端縁455Tに当接される挿入部625(第2延出部6253)の部位に位置することにより、第2開口部455への挿入部625の挿入操作が完了するのと略同時に、当該第2開口部455からの挿入部625の抜けを規制できる。
また、挿入部625が第2開口部455に挿入された際には、第2当接部623は、板状体45における本体部621が位置する側とは反対側の面に当接する。これによれば、第1開口部454から第1当接部622が抜けることが規制されるので、第1規制部626と合わせて、板状体45からの係止部材62の抜けを確実に防止できる。従って、シート本体4に係止部材62を確実に係止でき、当該シート本体4にカバー5を確実に固定できる。
また、係止部材62が板状体45に係止された際には、第2当接部623及び第3当接部624により、端縁454B近傍の板状体45の部位が挟持される。従って、係止部材62を安定してシート本体4に係止できる。
次に、本発明の第2実施形態に係るシートついて説明する。
本実施形態に係るシートは、前述のシート1と同様に構成を備えるが、当該シートに用いられる固定具の係止部材の構成が、シート1に用いられた固定具6の係止部材62の構成と異なる。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一、或いは、略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るシートは、固定具6に代えて固定具7を備える他は、前述のシート1と同様の構成を備える。また、固定具7は、係止部材62に代えて係止部材72を備える他は、固定具6と同様の構成を備える。
係止部材72は、図10に示すように、第3当接部624に代えて第4当接部724を有する他は、係止部材62と同様の構成を有する。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
更に、係止部材62,72が係止される位置は、シート本体4に設けられた板状体45(開口部452)に限らない。すなわち、固定具の係止部材を係止可能であれば、板状体は無くてもよい。
Claims (8)
- シート本体(4)と、当該シート本体(4)を覆うカバー(5)とを備えるシート(1)に用いられ、前記シート本体(4)に前記カバー(5)を固定する固定具であって、
前記シート本体(4)に取り付けられる取付部材(61)と、
前記シート本体(4)が有する開口部(452)に係止される係止部材(62,72)と、
前記取付部材(61)及び前記係止部材(62,72)を接続し、前記カバー(5)と係合する紐状部材(63)と、を有し、
前記係止部材(62,72)は、
前記紐状部材(63)が取り付けられる本体部(621)と、
前記本体部(621)に設けられ、前記開口部(452)の第1端縁(454B)に当接される第1当接部(622)と、
前記第1当接部(622)から離れた前記本体部(621)の位置に設けられ、前記開口部(452)に挿入される弾性を有する挿入部(625)と、を有し、
前記挿入部(625)は、
当該挿入部(625)が前記開口部(452)に挿入される挿入方向に沿って延出する第1延出部(6251)と、
前記第1延出部(6251)の先端から、前記第1当接部(622)から離れる方向に屈曲する屈曲部(6252)と、
前記屈曲部(6252)から、前記挿入方向とは反対方向に延出する第2延出部(6253)と、
前記第2延出部(6253)における延出方向先端部に位置する第1規制部(626)と、を有し、
前記第1規制部(626)は、前記挿入部(625)が弾性変形されて前記開口部(452)に挿入された際に、当該挿入部(625)において前記第1端縁(454B)とは反対側の前記第2端縁(455T)に当接される部位に位置し、
前記第1規制部(626)は、前記開口部(452)において前記第2端縁(455T)に当接して、前記挿入部(625)の前記開口部(452)からの抜けを規制可能に構成される
ことを特徴とする固定具。 - 請求項1に記載の固定具において、
前記第2端縁(455T)に応じた位置に設けられ、前記挿入部(625)が前記開口部(452)に挿入された際に前記シート本体(4)に当接して、当該挿入部(625)の前記開口部(452)への没入を規制する第2規制部(627)を有する
ことを特徴とする固定具。 - 請求項1または請求項2に記載の固定具において、
前記シート本体(4)は、前記開口部(452)が形成された板状体(45)を有し、
前記挿入部(625)から前記第1当接部(622)に向かう方向に当該第1当接部(622)から延出し、前記開口部(452)に挿入されて、前記本体部(621)が位置する側とは反対側の前記板状体(45)の面に当接される第2当接部(623)を有する
ことを特徴とする固定具。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固定具において、
前記挿入部(625)から前記第1当接部(622)に向かう方向、及び、前記挿入部(625)の前記開口部(452)への挿入方向のそれぞれに直交する方向に前記第1当接部(622)から延出し、前記挿入方向から見て前記開口部(452)の外側の部位に当接される第3当接部(624)を有する
ことを特徴とする固定具。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固定具において、
前記挿入部(625)から前記第1当接部(622)に向かう方向に当該第1当接部(622)から延出し、前記挿入部(625)の前記開口部(452)への挿入方向から見て前記開口部(452)の外側の部位に当接される第4当接部(724)を有する
ことを特徴とする固定具。 - シート本体(4)と、
前記シート本体(4)を覆うカバー(5)と、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の固定具(6,7)と、を備える
ことを特徴とするシート。 - 請求項6に記載のシートにおいて、
前記シート本体(4)は、前記係止部材(62,72)が係止される開口部(452)を有し、
前記開口部(452)は、分離部(453)により、
前記第1当接部(622)が端縁(454B)に当接される第1開口部(454)と、
前記挿入部(625)が挿入される第2開口部(455)と、に分離されている
ことを特徴とするシート。 - 請求項6または請求項7に記載のシート(1)に用いられ、前記シート本体(4)に前記カバー(5)を固定するカバー固定方法であって、
前記シート本体(4)に対し、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の固定具(6,7)の取付部材(61)が取り付けられ、かつ、前記カバー(5)と、前記取付部材(61)に接続される紐状部材(63)とが係合した状態とする係合工程と、
前記シート本体(4)が有する開口部(452)に、前記紐状部材(63)を挟んで前記取付部材(61)とは反対側に設けられた係止部材(62,72)を係止する係止工程と、を有し、
前記係止工程は、
前記開口部(452)を形成する端縁のうち、前記紐状部材(63)に作用する張力の作用方向の第1端縁(454B)に、前記係止部材(62,72)に設けられた当接部(622)を当接させる当接手順と、
前記当接部(622)を支点として前記係止部材(62,72)を回動させて、前記当接部(622)から前記作用方向とは反対方向に設けられた挿入部(625)を、前記開口部(452)に挿入する挿入手順と、
前記第1端縁(454B)とは反対側の前記開口部(452)の第2端縁(455T)に、前記挿入部(625)の一部を当接させて、当該挿入部(625)の前記開口部(452)からの抜けを規制する規制手順と、を有する
ことを特徴とするカバー固定方法。
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