JP5557930B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部に位置している左右のフロントサイドフレームから車体後方へ、衝突力を効率良く伝えることができるように改良された車体前部構造に関する。
車体の前部には、該車体の主要な構成要素の一部である、左右のフロントサイドフレームと左右のサイドシルと中央のトンネル部とが設けられている。車両の前面に衝突力が作用する、いわゆる正面衝突が発生したときに、前方からの衝突力は、左右のフロントサイドフレームから左右のサイドシルと中央のトンネル部とに伝わって、車体の後部に分散する。左右のフロントサイドフレームに関する技術は、特許文献1や特許文献2から知られている。
特許文献1から知られる車体は、左右のフロントサイドフレームの前半部の間に走行用動力装置(エンジン及びトランスミッション)が配置されるとともに、該左右のフロントサイドフレームの後半部の車幅方向外側に、左右の前輪が配置されている。特に、車体前後方向のスペースが狭いエンジンルームを採用した車体の場合には、該エンジンルームに搭載される走行用動力装置は、車幅方向に細長くなるように配置される。例えば、エンジンは、クランクシャフトが車幅方向を向く、いわゆる横置き型エンジンと称するものが採用される。特許文献1から知られる車体前部は、左右の前輪の転舵範囲を広くするために、左右のフロントサイドフレームの後半部が、後方へ向かうに連れて互いに接近し合うように湾曲しており、該湾曲している後半部の強度を高めている。
特許文献2から知られる車体前部は、前方からの衝突力に対し、左右のフロントサイドフレームの急激な折れ曲がり現象の発生を抑制している。
近年、前方からの衝突力を車体の全体に効率良く分散する技術が、求められている。
特開2006−290311号公報 特開2009−234495号公報
本発明は、車両の前面に作用した衝突力を、フロントサイドフレームから車体の後部へ効率良く伝えて分散することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明によれば、車体の前部の左右両側に位置して車体前後方向へ延びている左右のフロントサイドフレームと、該左右のフロントサイドフレームの後に位置して前記車体を前と後とに区画するダッシュボードロアパネルと、該ダッシュボードロアパネルの下部から後方へ延びているフロアパネルと、該フロアパネルの車幅方向中央に位置して車体前後方向へ延びているトンネル部と、前記フロアパネルの車幅方向両端に位置して車体前後方向へ延びている左右のサイドシルと、を含む車体前部構造において、前記左右のフロントサイドフレームは、閉断面に形成されるとともに、後半部分が車幅方向外側から車幅方向内側へ湾曲しつつ後方へ延び、該左右の湾曲した部位の内部には、左右の補強部材が設けられ、該左右の補強部材は、前記左右のフロントサイドフレームのなかの、前記左右の湾曲した部位よりも前における車幅方向内側の壁から、前記左右の湾曲した部位よりも後における車幅方向外側の壁まで、車体前後方向に略直線状に延び、前記左右のフロントサイドフレームの閉断面に連続しながら、該左右のフロントサイドフレームの後端から車幅方向外側へ且つ後方へ屈曲し、該車幅方向外側へ且つ後方へ傾斜しつつ延びて、前記左右のサイドシルに接合される左右のサイドシル側エクステンションと、該左右のサイドシル側エクステンションの前記屈曲した部位の、前記左右のフロントサイドフレームの後端から前記屈曲した部位の、車幅方向内側の壁から分岐し、車幅方向内側へ且つ後方へ傾斜しつつ延びて、前記トンネル部に接合される左右のトンネル側エクステンションと、を更に備え、該左右のトンネル側エクステンションが車幅方向内側へ傾斜する傾斜角は、前記左右のサイドシル側エクステンションが車幅方向外側へ傾斜する傾斜角に対して、実質的に同一に設定されている、ことを特徴とする車体前部構造が提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記左右のサイドシル側エクステンションの前端部の、車幅方向外側の壁から車幅方向外側へ延びて、前記左右のサイドシルに接合された左右のアウトリガを、更に備えている。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記左右の補強部材は、前記左右の湾曲した部位の内部を前と後とに区画する左右のバルクヘッドを有し、該左右のバルクヘッドは、前記左右のフロントサイドフレーム間に配置される走行用動力装置を支持するための左右のナット部材を有している。
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記左右のフロントサイドフレームの後部は、前記ダッシュボードロアパネルの下を通るように後下方へ一旦屈曲するとともに後下端が後方へ屈曲した、折れ曲がり構造であり、該折れ曲がった左右の後部の内部には、左右のスチフナが設けられ、該左右のスチフナの前端は、前記左右の補強部材の後端に対して、車体前後方向の荷重を互いに伝達可能に位置している。
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記左右の補強部材は、U字状断面に形成されており、U字状断面の底を成す左右の底壁には、車体前後方向に延びる左右のビードが形成されている。
請求項6に記載のごとく、好ましくは、前記トンネル部は、前記フロアパネルの車幅方向中央から車体上方へ膨出して、車体前後方向へ延びているセンタトンネルと、該センタトンネルに対し車幅方向の両側に位置して、車体前後方向に延びている左右のトンネルフレームと、該左右のトンネルフレームの前端同士と、前記左右のトンネル側エクステンションの後端同士と、の少なくともいずれか一方を繋ぐトンネルクロスメンバと、から成る。
請求項7に記載のごとく、好ましくは、前記左右の湾曲した部位の車幅方向内側の壁には、車体前後方向の荷重に対して、前記左右のフロントサイドフレームのなかの他の部位よりも脆弱な、左右の脆弱部が設けられ、該左右の脆弱部は、前記左右のバルクヘッドよりも車体後方に位置している。
請求項8に記載のごとく、好ましくは、前記左右の脆弱部は、前記左右の湾曲した部位の車幅方向内側の壁から、該左右の湾曲した部位の閉断面の内方へ窪んだ、左右の凹部によって構成され、該左右の凹部は、前記左右の湾曲した部位のなかの、他よりも幅が小さい部位に位置している。
請求項9に記載のごとく、好ましくは、前記左右の補強部材は、U字状断面に形成されるとともに、車体前後方向の途中には、該U字の一部が欠けた断面に形成されている左右の欠落断面部を有し、前記左右の脆弱部は、前記左右の欠落断面部に対向して位置している。
請求項1に係る発明では、左右のフロントサイドフレームの長手途中の部分が、車幅方向外側から車幅方向内側へ湾曲しつつ後方へ延びてはいるものの、該左右の湾曲した部位の内部に左右の補強部材が設けられている。該左右の補強部材は、左右のフロントサイドフレームのなかの、左右の湾曲した部位よりも前における車幅方向内側の壁から、該左右の湾曲した部位よりも後における車幅方向外側の壁まで、車体前後方向に略直線状に延びている。
このため、車両の正面衝突が発生したときに、前方からの衝突力は、左右のフロントサイドフレームの前端から左右の湾曲した部位を通って後端へ伝わる。さらに、該衝突力は、左右の湾曲した部分よりも前の部位における車幅方向内側の壁から、略直線状の左右の補強部材を介して、左右の湾曲した部位よりも後における車幅方向外側の壁にも伝わる。つまり、左右のフロントサイドフレームの湾曲した部分を貫通するように、前後方向に延びる略直線状の左右の補強部材によって、前方からの衝突力を該左右のフロントサイドフレームの前端から後端へ効率良く伝えることができる。
さらには、左右のフロントサイドフレームの後半部分が車幅方向外側から車幅方向内側へ湾曲しつつ後方へ延びているので、左右のフロントサイドフレームの前半部間は、後半部間よりも幅広である。左右のフロントサイドフレームの全長が短い場合であっても、幅広の前半部間に、走行用動力装置(例えば横置き型エンジン及びトランスミッション)を横長にして配置することができる。また、狭い幅の後半部分の車幅方向外側に左右の前輪を配置することによって、左右の前輪の転舵範囲を広くすることができる。
さらに、請求項1に係る発明では、左右のフロントサイドフレームの後端に連なる屈曲した部位に対し、左右のサイドシル側エクステンションと左右のトンネル側エクステンションとは、車幅方向へ同一又は略同一の傾斜角で分岐される。このため、該前方からの衝突力を、左右のフロントサイドフレームの後端から左右のサイドシル側エクステンションに伝える他に、左右のトンネル側エクステンションにも伝えて、効率良く分散することができる。
請求項2に係る発明では、左右のサイドシル側エクステンションの屈曲した部位に対し、左右のトンネル側エクステンションが分岐した部位とは反対側の部位から、左右のアウトリガが分岐している。該左右のアウトリガが、左右の屈曲した部位の車幅方向外側の壁から車幅方向外側へ延びて、左右のサイドシルに接合されている。このため、車両の側面に衝突力が作用する、いわゆる側面衝突が発生したときに、側方からの衝突力は、左右一方のサイドシルからアウトリガと、サイドシル側エクステンションの屈曲した部位と、トンネル側エクステンションとを介して、車幅中央のトンネル部に伝わり、更にトンネル部から車幅中央部へ伝わる。つまり、左右のサイドシル側エクステンションが、左右の湾曲した部位から車幅方向外側へ且つ後方へ大きく傾きつつ、左右のサイドシルまで延びる構成であるにもかかわらず、側方からの衝突力を、左右一方のサイドシルから車幅中央部へ効率良く分散することができる。
請求項3に係る発明では、左右の補強部材は、左右の湾曲した部位の内部を前と後とに区画するように位置した左右のバルクヘッドを有する。該左右のバルクヘッドは、左右のフロントサイドフレーム間に配置される走行用動力装置を支持するための左右のナット部材を有している。このため、前方からの衝突力が走行用動力装置へ伝わった場合に、該衝突力は走行用動力装置から左右のナット部材、左右のバルクヘッド及び左右の補強部材を介して、左右のフロントサイドフレームに伝わる。該前方からの衝突力が走行用動力装置から左右のフロントサイドフレームへ、効率良く伝えて分散することができる。
請求項4に係る発明では、左右のフロントサイドフレームの後部は、ダッシュボードロアパネルの下を通るように折れ曲がっている。該折れ曲がっている左右のフロントサイドフレームの後部は、内部に設けられた左右のスチフナによって補強されているので、外力による折れ曲がりが抑制される。
さらに、請求項4に係る発明では、該左右のスチフナの前端は、左右のフロントサイドフレームの車幅方向内側へ湾曲した部位に位置する左右の補強部材の後端に対して、車体前後方向の荷重を互いに伝達可能に位置している。このため、前方からの衝突力を左右の補強部材から該左右のスチフナに速やかに効率良く伝えることができる。このように、左右のフロントサイドフレームが、車幅方向内側へ湾曲するとともに、後下方へ折れ曲がっているにもかかわらず、前方からの衝突力は、該左右のフロントサイドフレームの前端から後端へ、効率良く伝えられる。従って、前方からの衝突力を、該左右のフロントサイドフレームの前端から後方へ効率良く分散することができる。
請求項5に係る発明では、左右の補強部材がU字状断面に形成され、しかも、該U字状断面の底を成す左右の底壁に車体前後方向に延びる左右のビードが形成されている。このため、左右の補強部材は、車体前後方向の強度及び剛性が高まる。従って、前方からの衝突力を、該左右のフロントサイドフレームの前端から後端へ効率良く伝えることができる。
請求項6に係る発明では、トンネル部は、センタトンネルと、該センタトンネルの両側に位置した左右のトンネルフレームと、トンネルクロスメンバと、から成る。該トンネルクロスメンバは、左右のトンネルフレームの前端同士と、左右のトンネル側エクステンションの後端同士と、の少なくともいずれか一方を繋いでいる。このため、車体の幅方向の一方に位置するトンネル側エクステンションから、トンネル部へ伝わった荷重を、トンネルクロスメンバを介して車体の幅方向の他方へ、効率良く分散することができる。
請求項7に係る発明では、左右のフロントサイドフレームの、それぞれ湾曲した部位の車幅方向内側の壁に、左右の脆弱部が設けられている。該左右の脆弱部は、車体前後方向の荷重に対して、左右のフロントサイドフレームのなかの他の部位よりも脆弱である。しかも、該左右の脆弱部は、左右の湾曲した部位の内部を前後に区画する左右のバルクヘッドよりも、車体後方に位置している。該左右のバルクヘッドは、左右のフロントサイドフレーム間に配置される走行用動力装置を支持するための左右のナット部材を有している。
このため、前方からの衝突力が走行用動力装置へ伝わった場合に、該衝突力は走行用動力装置から左右のナット部材及び左右のバルクヘッドを介して、左右のフロントサイドフレームに伝わる。該左右のフロントサイドフレームの車幅方向内側の壁に設けられた左右の脆弱部は、該前方からの衝突力によって潰れる。この結果、左右のフロントサイドフレームは車幅方向の外方に折れ曲がる。このように、左右のフロントサイドフレームに、左右の脆弱部が設けられているので、車体前部の衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。
請求項8に係る発明では、左右の脆弱部は、左右の湾曲した部位の車幅方向内側の壁から、該左右の湾曲した部位の閉断面の内方へ窪むだけの、簡単な構成の左右の凹部によって構成されている。該左右の凹部は、左右の湾曲した部位のなかの幅が小さい部位、つまり断面積が小さい部位に位置している。このため、前方からの衝突力による、左右のフロントサイドフレームの折れ曲がり作用を促進させることができる。
請求項9に係る発明では、U字状断面に形成されている左右の補強部材は、車体前後方向の途中に欠落断面部を有している。該欠落断面部は、左右の補強部材のなかの他の部位に比べて、低強度で低剛性である。左右の脆弱部は、該欠落断面部に対向して位置している。このため、前方からの衝突力による、左右のフロントサイドフレームの折れ曲がり作用を、更に促進させることができる。
本発明に係る車体の前部を左上方から見た斜視図である。 図1に示された車体の前部の左半分の平面図である。 図2に示された左のフロントサイドフレームの湾曲部周りの拡大図である。 図1に示された車体の前部の底面図である。 図1に示された車体の前部を右下方から見た斜視図である。 図4に示された左のフロントサイドフレームから左のサイドシル側エクステンションと左のトンネル側エクステンションとが分岐した構成の底面図である。 図4に示された左のフロントサイドフレームから左のサイドシル側エクステンションと左のトンネル側エクステンションとが分岐した構成を拡大した図である。 図2に示された左の補強部材と左のスチフナと左のサイドシル側エクステンションと左のトンネル側エクステンションとの関係を上から見た斜視図である。 図8に示された左の補強部材と左のスチフナと左のサイドシル側エクステンションと左のトンネル側エクステンションとの関係を表した平面図である。 図8に示された左の補強部材と左のスチフナの前部を拡大した斜視図である。 図1の11矢視線方向の斜視図である。 図11の12矢視線方向の斜視図である。 図7に示された分岐部周りを前下方から見た斜視図である。 図5に示された左の分岐部周りを車幅中央側から見た側面図である。 図11の15−15線に沿った断面図である。 図11の16−16線に沿った断面図である。 図11の17−17線に沿った断面図である。 図3に示された左の補強部材周りを車幅中央側から左のフロントサイドフレームを透視して見た斜視図である。 図3に示された左のフロントサイドフレームを車幅中央側から見た側面図である。 図19の20−20線に沿った断面図である。 図19の21−21線に沿った断面図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1に示されるように、車両10は例えば乗用車であり、車体11の内側には、前部のパワーユニット収容室13と、該パワーユニット収容室13の真後ろに位置する車室12とが、形成されている。該車体11は、モノコックボディから成り、車両10の車幅方向の中心を通って車両前後方向へ延びる車幅中心線CLに対し、左右対称形に形成されている。
図1及び図4に示されるように、該車体11の前半部分は、フロントバルクヘッド15と、左右のフロントサイドフレーム16,16と、左右のフロントダンパハウス17,17と、ダッシュボードロアパネル21と、フロアパネル22と、左右のサイドシル23,23と、トンネル部24と、を含む。
左右のフロントサイドフレーム16,16は、車体11の前部の左右両側に位置して車体前後方向へ延びている。フロントバルクヘッド15は、左右のフロントサイドフレーム16,16の前端に接合されている。左右のフロントダンパハウス17,17は、左右のフロントサイドフレーム16,16の中間に且つ車幅方向外側に設けられて、図示せぬ前輪の上半分を覆うものである。
図1に示されるように、左右のフロントサイドフレーム16,16の下端部には、サブフレーム18が下から重ねられ且つ取り付けられている。サブフレーム18の取付構造については後述する。該サブフレーム18の前部は、左右のロードパス部材25によってフロントバルクヘッド15の下部に連結されている。このため、車両10の正面衝突が発生したときに、前方からの衝突力を、フロントバルクヘッド15から左右のロードパス部材25を介してサブフレーム18に円滑に伝えることができる。
図4及び図14に示されるように、ダッシュボードロアパネル21は、左右のフロントサイドフレーム16,16の後に位置して車体11を前と後に区画する、つまり前のパワーユニット収容室13と後の車室12との間を仕切る隔壁である。
図4に示されるように、フロアパネル22は、該ダッシュボードロアパネル21の下部から後方へ延びている、平板状の部材である。左右のサイドシル23,23は、ダッシュボードロアパネル21の後方に位置し且つフロアパネル22の車幅方向両端に位置して、車体前後方向へ延びている。該フロアパネル22は、左右のサイドシル23,23間に張られている。
トンネル部24は、ダッシュボードロアパネル21の後方に且つフロアパネル22の車幅方向中央に位置して、車体前後方向へ延びている。
以下、車体11の前部構造について詳しく説明する。図1、図2、図19及び図21に示されるように、該左右のフロントサイドフレーム16,16は、閉断面に形成されている。つまり、該左のフロントサイドフレーム16は、底板16aと、車幅方向内側の内板16b(車幅方向内側の壁16b)と、車幅方向外側の外板16c(車幅方向外側の壁16c)と、天板16dと、から成る、略矩形状断面の中空体である。該内壁16bには、車体前後方向に細長いビード74が形成されている。該ビード74の断面形状は、外板16cに向かって凸状である。
該左右のフロントサイドフレーム16,16は、前半部分の左右のストレート部27,27と、後半部分の左右の湾曲部28,28と、から成る。つまり、左右のフロントサイドフレーム16,16の前半部分は、車体前後方向に真っ直ぐに延びている。また、左右のフロントサイドフレーム16,16の後半部分は、車幅方向外側から車幅方向内側へ湾曲しつつ後方へ延びている。
図1及び図14に示されるように、左右のフロントサイドフレーム16,16の後部29,29は、ダッシュボードロアパネル21の下を通るように後下方へ一旦屈曲するとともに後下端29a,29aが後方へ屈曲した、折れ曲がり構造である。以下、左右の後部29,29のことを、適宜「左右の折れ曲がり部29,29」と言い換えることにする。このように、左右の折れ曲がり部29,29は、ダッシュボードロアパネル21の下端に沿って車体後方へ向かうにつれて後下方に傾斜し、後下端が後方に水平に延びている。
図1、図4、図7、図11〜図15に示されるように、左右のフロントサイドフレーム16,16の後端、つまり、左右の折れ曲がり部29,29の後端29a,29a(図7参照)は、左右のサイドシル側エクステンション45,45と、左右のトンネル側エクステンション46,46と、に分岐している。つまり、左右の折れ曲がり部29,29の後端29a,29aと、左右のサイドシル側エクステンション45,45と、左右のトンネル側エクステンション46,46とが、互いに組み合っている全体の構成は、平面視略Y字状に形成されている。
ここで、左右のフロントサイドフレーム16,16の後端に対して、左右のサイドシル側エクステンション45,45と、左右のトンネル側エクステンション46,46とに、分岐している部分48,48のことを、適宜「分岐部48,48」ということにする。
左右のサイドシル側エクステンション45,45は、左右のフロントサイドフレーム16,16の閉断面に連続しながら、左右のフロントサイドフレーム16,16の後端、つまり、左右の折れ曲がり部29,29の後端29a,29a(図7参照)から車幅方向外側へ且つ後方へ屈曲するとともに、該車幅方向外側へ且つ後方へ傾斜しつつ延びて、前記左右のサイドシル23,23の前部に接合されている。
左右のトンネル側エクステンション46,46は、左右のサイドシル側エクステンション45,45の前記屈曲した部位の、車幅方向内側の壁45b,45bから分岐し、車幅方向内側へ且つ後方へ傾斜しつつ延びて、トンネル部24の前部に接合されている。
該左右のトンネル側エクステンション46,46が車幅方向内側へ傾斜する傾斜角θ2,θ2は、左右のサイドシル側エクステンション45,45が車幅方向外側へ傾斜する傾斜角θ1,θ1に対して、実質的に同一に設定されている。
詳しく述べると、図7に示されるように、車体11を下から見て、左の分岐部48の後部の車幅方向の中心を通って車体前後方向へ延びる直線C1のことを、第1延長線C1という。該第1延長線C1は、車幅中心線CL(図4参照)に平行である。左の分岐部48の後部の車幅方向の中心から、左のサイドシル側エクステンション45の長手方向に沿って、車幅方向外側へ且つ後方へ延びる直線C2のことを、第2延長線C2という。左の分岐部48の後部の車幅方向の中心から、左のトンネル側エクステンション46の長手方向に沿って、車幅方向内側へ且つ後方へ延びる直線C3のことを、第3延長線C3という。第1延長線C1と第2延長線C2とのなす傾斜角θ1は、第1延長線C1と第3延長線C3とのなす傾斜角θ2に対して、実質的に同一に設定されている。該各傾斜角θ1,θ2は、荷重伝達効率を配慮して好ましくは30°±10°に設定される。右側についても同様であり、説明を省略する。
図4及び図5に示されるように、トンネル部24は、センタトンネル66と、左右のトンネルフレーム67,67と、トンネルクロスメンバ68と、から成る。該センタトンネル66は、フロアパネル22の車幅方向中央から車体上方へ膨出して、車体前後方向へ延びている。該左右のトンネルフレーム67,67は、センタトンネル66に対し車幅方向の両側に位置して、車体前後方向に延びている。
トンネルクロスメンバ68は、左右のトンネル側エクステンション46,46の後端73,73同士と、左右のトンネルフレーム67,67の前端67a,67a同士と、の少なくともいずれか一方を繋ぐ部材であって、車幅方向に延びている。本実施例では、該トンネルクロスメンバ68は、左右のトンネル側エクステンション46,46の後端73,73と、左右のトンネルフレーム67,67の前端67a,67aと、を全て繋いでいる。該トンネルクロスメンバ68の車幅方向中央の部分は、センタトンネル66の膨出形状に合わせて、車体上方へ凸となるように屈曲している。
左右のサイドシル側エクステンション45,45の前端部は、左右のアウトリガ47,47によって左右のサイドシル23,23に繋がれている。つまり、左右のアウトリガ47,47は、左右のサイドシル側エクステンション45,45の前端部の、車幅方向外側の壁45c,45cから車幅方向外側へ延びて、左右のサイドシル23,23の前端部に接合されている。
詳しく述べると、該左右のアウトリガ47,47は、左右のサイドシル側エクステンション45,45に対し、左右のトンネル側エクステンション46,46が分岐した部位とは反対側の部位から分岐している。左右のサイドシル23,23に対する、左右のアウトリガ47,47の接合部分は、左右のサイドシル側エクステンション45,45の接合部分よりも前に位置する。図11に示されるように、該左のサイドシル側エクステンション45に左のトンネル側エクステンション46が接合された部位75のことを、以下「内壁側結合部75」という。
図7に示されるように、左右のアウトリガ47,47は上が開放されたU字状断面に形成されており、それぞれ底板47aと、該底板47aの前後両側から起立した前板47b及び後板47cと、から成る。
図11及び図16に示されるように、左右のサイドシル側エクステンション45,45及び左右のトンネル側エクステンション46,46は、上が開放された断面視ハット状の部材である。
つまり、該左のサイドシル側エクステンション45は、底板45aと、該底部45aから起立した車幅方向内側の内板45b(車幅方向内側の壁45b)と、該底部45aから起立した車幅方向外側の外板45c(車幅方向外側の壁45c)と、該内板45bの上端から縁折りされた内側フランジ45dと、該外板45cの上端から縁折りされた外側フランジ45eと、から成る。右のサイドシル側エクステンション45は、左のサイドシル側エクステンション45と同様の構成である。
該左のトンネル側エクステンション46は、底板46aと、該底板46aから起立した内板46b及び外壁46cと、該内板46bの上端から縁折りされた内側フランジ46dと、該外板46cに設けられた外側フランジ46eと、から成る。右のトンネル側エクステンション46は、左のトンネル側エクステンション46と同様の構成である。
図6、図7及び図11に示されるように、左右のサイドシル側エクステンション45,45と、左右のトンネル側エクステンション46,46と、の間は、平面視三角形状の左右の荷重受け部49,49によって繋がれている。左右の荷重受け部49,49は、左右の分岐部46,46の真後ろに位置し、左右のトンネル側エクステンション46,46と一体に形成されるとともに、左右のサイドシル側エクステンション45,45に接合されている。
つまり、左の荷重受け部49は、左のトンネル側エクステンション46の底板46aの一部と、後板49aと、後フランジ49bと、から成る。該後壁49aは、外板46cと連続的に形成されて、車幅方向に延びている。該後フランジ49bは、外側フランジ46eと連続的に形成されている。右の荷重受け部49は、左の荷重受け部49と同様の構成である。
左右の折れ曲がり部29,29の幅と、左右のサイドシル側エクステンション45,45の幅と、左右のトンネル側エクステンション46,46の幅と、左右のアウトリガ47,47の幅とは、互いに実質的に同一である。
左右の分岐部48,48における、左右の折れ曲がり部29,29の断面の高さと、左右のサイドシル側エクステンション45,45の断面の高さと、左右のトンネル側エクステンション46,46の断面の高さと、左右のアウトリガ47,47の断面の高さは、他の部位における各々の断面の高さよりも大きい。
従って、左右の分岐部48,48における、左右の折れ曲がり部29,29の断面積と、左右のサイドシル側エクステンション45,45の断面積と、左右のトンネル側エステンション46,46の断面積と、左右のアウトリガ47,47の断面積は、他の部位における各々の断面積よりも大きい。この結果、左右の分岐部48,48の強度及び剛性は大きい。
図3に示されるように、左右の湾曲部28,28には、それぞれ第1の脆弱部31と、第2の脆弱部32と、第3の脆弱部33とが、形成されている。該第1の脆弱部31と、該第2の脆弱部32と、該第3の脆弱部33とは、この順に前から後に所定の間隔をあけて位置している。該第1の脆弱部31と、該第2の脆弱部32と、該第3の脆弱部33とは、車体前後方向の荷重に対して、左右のフロントサイドフレーム16,16のなかの他の部位よりも脆弱な部分である。
第1の脆弱部31は、左右のフロントサイドフレーム16,16が車幅方向の内側へ折れ曲がることを許容するための、変形容易な凹部によって構成されている。第2の脆弱部32は、左右のフロントサイドフレーム16,16車幅方向の外側へ折れ曲がることを許容するための凹部によって構成されている。第3の脆弱部33は、左右のフロントサイドフレーム16,16車幅方向の内側へ折れ曲がることを許容するための凹部によって構成されている。
車両10の正面衝突が発生したときに、前方からの衝突力が左右のフロントサイドフレーム16,16に作用する。左右の湾曲部28,28のなかで、各脆弱部31,32,33に該前方からの衝突力を集中させることにより、左右のフロントサイドフレーム16,16の折れ曲がりを許容することができる。
ここで、左の第2の脆弱部32について、詳しく説明する。右の第2の脆弱部32は、左の第2の脆弱部32に対し左右対称形である他には同じ構成なので、説明を省略する。該左の湾曲部28の車幅方向内側の壁16bには、車体前後方向の荷重に対して、左のフロントサイドフレーム16のなかの他の部位よりも脆弱な、左の第2の脆弱部32が設けられている。
図3、図18、図19及び図21に示されるように、左の第2の脆弱部32は、左の湾曲部28の車幅方向内側の壁16bから、該左の湾曲部28の閉断面の内方へ最大深さt1(図21参照)だけ窪んだ、左の凹部によって構成されている。以下、第2の脆弱部32のことを、適宜「凹部32」と言い換えることにする。該凹部32は、左の湾曲部28のなかの、他よりも幅Wdが小さい部位Pw(幅狭の部位Pw)に位置している。
図19及び図21に示されるように、略矩形状断面に形成されている左のフロントサイドフレーム16は、下隅に前後方向のコーナ線76(稜線76)を有する。該コーナ線76は、底板16aと車幅方向内側の壁16bとのコーナに沿っている。該左の凹部32は、内壁16bのビード74の下に隣接し、且つコーナ線76上に位置して、例えば平面視略雌テーパ状に形成されている。
正面衝突が発生したときに、該左の凹部32(第2の脆弱部32)には、他の部分よりも前方からの衝突力が集中しやすい。しかも、内壁16bのビード74の下に凹部32が形成されているので、フロントサイドフレーム16のコーナ線76の部分に、応力が集中する。この結果、該コーナ線76の部分が局部的に曲げられる。略矩形状断面に形成されているフロントサイドフレーム16は、コーナ線76の部分が局部的に変形するだけなので、全体の断面積の変化が少なくてすむ。従って、フロントサイドフレーム16の全体的な強度や剛性を維持しやすい。
図2、図3、図9及び図10に示されるように、左右のフロントサイドフレーム16,16のなかの、左右の湾曲した部位28,28、つまり左右の湾曲部28,28の内部には、それぞれ補強部材35が設けられている。以下、左の補強部材35について詳しく説明する。右の補強部材35は、左の補強部材35に対し左右対称形である他には同じ構成なので、説明を省略する。
該左の補強部材35は、左の湾曲部28よりも前における車幅方向内側の壁16bから、左の湾曲部28よりも後における車幅方向外側の壁16cまで、車体前後方向に略直線状に延びている。該左の補強部材35の前端は、車幅方向内側の壁16bに接合されている。該左の補強部材35の後端69は、車幅方向外側の壁16cに接合されている。該左の補強部材35は、左の第1の脆弱部31と左の第3の脆弱部33との間に位置している。
図8〜図10及び図18〜図20に示されるように、左の補強部材35は車幅中央側が開放したU字状断面に形成されている。詳しく述べると、左の補強部材35は、図10、図18及び図20に示されるように、板材の折り曲げ成形品であって、該U字状断面の底を成すための底壁64と、上フランジ35a,35bと、下フランジ35c,35dと、から成る。
底壁64は、左のフロントサイドフレーム16の内板16bに沿って起立している縦板である。該底壁64には、車体前後方向に延びるビード65が形成されている。該ビード65は、左のフロントサイドフレーム16の内板16bのビード74に沿って細長く形成されている。該ビード65の断面形状は、車幅方向の外側に向かって凸状である。
第1上フランジ35a及び第2上フランジ35bは、底壁64の上端から車幅方向の外側へ向かって略水平に延びている横板である。該上フランジ35a,35bは、左のフロントサイドフレーム16の天板16dの内面に重ねられ且つ接合されている。第1下フランジ35c及び第2下フランジ35dは、底壁64の下端から車幅方向の外側へ向かって略水平に延びている横板である。該下フランジ35c,35dは、左のフロントサイドフレーム16の底板16aの内面に重ねられ且つ接合されている。
図18及び図21に示されるように、左の補強部材35は、U字状断面に形成されるとともに、車体前後方向の途中、例えば幅狭の部位Pwには、該U字の一部が欠けた断面に形成されている左の欠落断面部81を有する。該左の欠落断面部81は、例えば、左の補強部材35の上端部及び下端部に切り欠き部35e,35fが形成されることによって、構成される。第1上フランジ35aと第2上フランジ35bとは、上の切り欠き部35eによって車体前後方向に分割されている。第1下フランジ35c及び第2下フランジ35dとは、下の切り欠き部35fによって車体前後方向に分割されている。図21に示されるように、前記左の脆弱部32は、左の欠落断面部81に対向して位置している。
図3、図8〜図10及び図18に示されるように、左の補強部材35は、左の湾曲部28の内部を前と後とに区画する、左のバルクヘッド41,42を有している。該左の第1のバルクヘッド41は、第1のナット部材38を有する。該左の第2のバルクヘッド41は、第2のナット部材39を有する。該第1及び第2のナット部材38,39は、上下方向に形成された雌ネジを有する。第1及び第2のバルクヘッド41,42と、第1及び第2のナット部材38,39は、第1の凹部31と第2の凹部32との間に位置している。
右のバルクヘッド41,42及び右のナット部材38,39は、左のバルクヘッド41,42及び左のナット部材38,39に対し、左右対称形である他には同じ構成なので、説明を省略する。
該左の第1のバルクヘッド41は、左の補強部材35の前端部から、車幅方向の内側へ且つ前方へ向かって斜め前方へ延び、左のフロントサイドフレーム16の外壁16c(図2参照)に接合された、縦板状の部材である。該第1のナット部材38は、第1のバルクヘッド41を介して外壁16cによって支持されるとともに、補強部材35を介してフロントサイドフレーム16の内壁16b(図2参照)によって支持される。
該左の第2のバルクヘッド41は、左の補強部材35の前後方向中央から、車幅方向の内側へ且つ後方へ向かって斜め後前方へ延び、左のフロントサイドフレーム16の外壁16cに接合された、縦板状の部材である。該第2のナット部材39は、第2のバルクヘッド42を介して外壁16cによって支持されるとともに、補強部材35を介して内壁16bによって支持される。
左右のフロントサイドフレーム16,16の左右のストレート部27,27間に配置された走行用動力装置19(図1参照)は、左右の第1のナット部材38,38及び左右の第2のナット部材39,39にボルトによって取り付けられる。該左右の各ナット部材38,38,39,39は、左右の各バルクヘッド41,41,42,42を介して、左右のフロントサイドフレーム16,16に堅固に固定されているので、重量の嵩む走行用動力装置19を強固に支持することが可能である。
該左右の脆弱部32,32は、左右の各バルクヘッド41,41,42,42よりも車体後方に位置している。
図1、図2及び図11〜図13に示されるように、左右のフロントサイドフレーム16,16の、折れ曲がった左右の後部29,29、つまり左右の折れ曲がり部29,29の内部には、左右のスチフナ36,36が設けられている。以下、左のスチフナ36について、詳しく説明する。右のスチフナ36は、左のスチフナ36に対し左右対称形である他には同じ構成なので、説明を省略する。
該左のスチフナ36は、車体前方からの衝突力による左の折れ曲がり部29の折れ曲がりを抑制するように、該左の折れ曲がり部29を補強する部材である。さらに、該左のスチフナ36は、車体側方から左のフロントサイドフレーム16に衝突力が作用したときに、該衝突力を左のアウトリガ47及び左のトンネル側エクステンション46に伝達可能な部材である。
図8〜図10に示されるように、該左のスチフナ36の前端71は、左の補強部材35の後端69に対して、車体前後方向の荷重を互いに伝達可能に位置している。例えば、該左のスチフナ36の前端71は、左の補強部材35の後端69に対して、互いに荷重を伝達可能な範囲に位置し、且つ向かい合っている(接近又は接触を含む)。又は、該左のスチフナ36の前端71は、左の補強部材35の後端69に対して接合されている。
図2、図11及び図12に示されるように、該左のスチフナ36の後端72は、左のサイドシル側エクステンション45の前後方向の途中に位置している。つまり、該左のスチフナ36は、左の折れ曲がり部29の前端から左の分岐部48を超えて、左のサイドシル側エクステンション45まで設けられている。さらに、該左のスチフナ36の後端72は、図12及び図15に示されるように、左のサイドシル側エクステンション45の底板45aから所定の高さだけ離間している。
図11及び図12に示されるように、該左のスチフナ36は、上が開放された断面視ハット状の部材であり、平板状のスチフナ底板36aと、該スチフナ底部36aから起立したスチフナ内板36b及びスチフナ外板36cと、該スチフナ内板36bの上端から縁折りされた内側フランジ36dと、該スチフナ外板36cの上端から縁折りされた外側フランジ36eと、から成る。
該左のスチフナ36の前端71の部分において、スチフナ底板36aとスチフナ内板36bとスチフナ外板36cとは、折れ曲がり部29の底板16aと内壁16bと外壁16cとに接合されている(例えば、スポット溶接されている)。さらに、スチフナ内板36bとスチフナ外板36cとは、左のサイドシル側エクステンション45の内板45b及び外板45cに内側から重ねられ且つ接合されている。該左のスチフナ36の後端72の部分において、内側フランジ36dと外側フランジ36eとは、左のサイドシル側エクステンション45の各フランジ45d,45eを介して、左のトンネル側エクステンション46の各フランジ46d,46eに接合されている。
該スチフナ底板36aには、段差部51及びビード52が形成されている。図12及び図15に示されるように、該段差部51は、左のスチフナ36の後端72の近傍において、スチフナ底板36aが前後方向に上下2段に折り曲げ形成された部分である。該段差部51は、上の山折れ線54と下の谷折れ線55とを有し、車幅方向に延びて左のアウトリガ47の後板47cと、左の荷重受け部49の後板49aと、の間に概ね連続するように位置している。このため、車体側方からの衝突力を、左のアウトリガ47から段差部51を介して左のトンネル側エクステンション46へ効率良く伝えることができる。
ビード52は、左のスチフナ36の剛性を高めるために、スチフナ底板36aの幅中央から上方へ膨出した部分であり、該スチフナ底板36aの長手方向に延びている。
図1、図4及び図5に示されるように、左右のフロントサイドフレーム16,16の下端部には、サブフレーム18の左右の前端部18a,18aを、左右の締結部材62によって取り付けるための、左右の前端支持部58が設けられている。また、左右の分岐部48,48の下端部には、サブフレーム18の左右の後端部18b,18bを、左右の締結部材62によって取り付けるための、左右の後端支持部59,59が設けられている。以下、左の後端支持部59について詳しく説明する。右の後端支持部59は、左の後端支持部59に対して左右対称形である他には同じ構成なので、説明を省略する。
図7、図11、図13及び図17に示されるように、左の後端支持部59は、左のスチフナ36と、左のサブフレームマウントブラケット61と、左のカラーナット63と、から成る。該左のサブフレームマウントブラケット61は、スチフナ底板36aから下方へ所定の間隔を有し、左の折れ曲がり部29に接合されている。該左のカラーナット63は、上下方向に貫通した雌ネジを有する筒状の部材であって、第1延長線C1と第2延長線C2と第3延長線C3との交点に位置している。つまり、該左の後端支持部59は、平面視三角形状の左の荷重受け部49の直前に位置する。
該左のカラーナット63の上端部は、左のスチフナ36のビード52に形成された支持孔53を貫通し且つ接合されている。該左のカラーナット63の下端部は、該左のサブフレームマウントブラケット61に接合されている。このように、該左のカラーナット63の上下が、左のスチフナ36と左のサブフレームマウントブラケット61とに接合されている。該左のカラーナット63には、締結部材62(図1参照)がねじ込まれる。
次に、車体11に作用した衝突力の伝達経路の一例を、図2及び図5に基づいて説明する。車両の前面に衝突力が作用する、いわゆる正面衝突が発生したときに、図2に示されるように、前方からの衝突力(矢印a1参照)は、例えば矢印a2のように、左のフロントサイドフレーム16の内壁16bから左の補強部材35を経由して、左のフロントサイドフレーム16の外壁16cに直線的に伝わり、左の分岐部48(図4参照)から左右に分かれる。
この場合において、図9に示されるように、スチフナ36の前端71は、補強部材35の後端69に対して、車体前後方向の荷重を互いに伝達可能に位置している。このため、前方からの衝突力は、左のフロントサイドフレーム16の内壁16bから、左の補強部材35を経由して、左のフロントサイドフレーム16の外壁16cに直線的に伝わりやすい。
該左の分岐部48から車幅方向外側へ分かれた衝突力は、図2の矢印a3のように、左のサイドシル側エクステンション45及び左のスチフナ36を経由して、左のサイドシル23に伝わる。一方、該左の分岐部48から車幅方向内側へ分かれた衝突力は、図2の矢印a4のように、左のトンネル側エクステンション46を経由して、左のトンネルフレーム67に伝達されるとともに、矢印a5のようにトンネルクロスメンバ68を経由して、右のサイドシル23及び左のトンネルフレーム67に伝わる。
このように、前方からの衝突力は、一方のフロントサイドフレーム16から一方のサイドシル23と車幅中央のトンネル部24とに伝わって、車体11の後部に十分に分散する。
上述のように、左右のサイドシル側エクステンション45,45は、左右のスチフナ36,36(図2参照)によって補強されているので、強度及び剛性は大きい。一方、左右のトンネル側エクステンション46,46は、スチフナによって補強されておらず、左右のサイドシル側エクステンション45,45よりも強度及び剛性を抑えた構成である。また、左右のサイドシル23,23の強度及び剛性は大きい。従って、前方からの衝突力を、高剛性である左右のサイドシル側エクステンション45,45及び左右のサイドシル23,23によって、多く受けることができる。このため、トンネル部24は前方からの多くの衝突力を負担する必要がないので、左右のトンネルフレーム67,67を小型化する、又は廃止することが可能である。この結果、車体11の軽量化をすることが可能である。
また、車両の側面に衝突力が作用する、いわゆる側面衝突が発生したときに、図5に示されるように、側方からの衝突力(矢印b1参照)は、例えば矢印b2のように、左右一方のサイドシル23からアウトリガ47の後壁47c(図2参照)に伝わる。該後壁47cに伝わった衝突力は、荷重受け部49(図11参照)の後壁49aを介して、矢印b3のように一方のトンネル側エクステンション46に伝わる。該トンネル側エクステンション46に伝わった衝突力は、矢印b4のようにトンネルクロスメンバ68を経由し、矢印b5のように他方のトンネル側エクステンション46から、荷重受け部49とアウトリガ47とを経由して、他方のサイドシル23に伝わる。さらに、他方の荷重受け部49に伝わった衝突力は、矢印b6のようにサイドシル側エクステンション45を経由して他方のサイドシル23に伝わる。
このように、側方からの衝突力は、一方のサイドシル23から車幅中央のトンネル部24と他方のサイドシル23とに伝わって、車幅方向に十分に分散する。
以上の説明をまとめると、次の通りである。左右のフロントサイドフレーム16,16の長手途中の部分が、車幅方向外側から車幅方向内側へ湾曲しつつ後方へ延びてはいるものの、該左右の湾曲した部位28,28の内部に左右の補強部材35,35が設けられている。該左右の補強部材35,35は、左右のフロントサイドフレーム16,16のなかの、左右の湾曲した部位28,28よりも前における車幅方向内側の壁16b,16bから、該左右の湾曲した部位28,28よりも後における車幅方向外側の壁16c,16cまで、車体前後方向に略直線状に延びている。
このため、車両10の正面衝突が発生したときに、前方からの衝突力は、左右のフロントサイドフレーム16,16の前端から左右の湾曲した部位28,28を通って後端へ伝わる。さらに、該衝突力は、左右の湾曲した部位28,28よりも前の部位における車幅方向内側の壁16b,16bから、略直線状の左右の補強部材35,35を介して、左右の湾曲した部位28,28よりも後における車幅方向外側の壁16c,16cにも伝わる。つまり、左右のフロントサイドフレーム16,16の湾曲した部分を貫通するように、前後方向に延びる略直線状の左右の補強部材35,35によって、前方からの衝突力を該左右のフロントサイドフレーム16,16の前端から後端へ効率良く伝えることができる。
さらには、左右のフロントサイドフレーム16,16の後半部分が車幅方向外側から車幅方向内側へ湾曲しつつ後方へ延びているので、左右のフロントサイドフレーム16,16の前半部間は、後半部間よりも幅広である。左右のフロントサイドフレーム16,16の全長が短い場合であっても、幅広の前半部間に、走行用動力装置19(例えば横置き型エンジン及びトランスミッション)を横長にして配置することができる。また、狭い幅の後半部分の車幅方向外側に左右の前輪を配置することによって、左右の前輪の転舵範囲を広くすることができる。
さらには、左右のフロントサイドフレーム16,16の後端に連なる屈曲した部位に対し、左右のサイドシル側エクステンション45,45と左右のトンネル側エクステンション46,46とは、車幅方向へ同一又は略同一の傾斜角θ1,θ2で分岐される。このため、該前方からの衝突力を、左右のフロントサイドフレーム16,16の後端から湾曲した部位に伝え、さらに該湾曲した部位から左右のサイドシル側エクステンション45,45に伝える他に、左右のトンネル側エクステンション46,46にも伝えて、効率良く分散することができる。
さらには、左右のサイドシル側エクステンション45,45の屈曲した部位に対し、左右のトンネル側エクステンション46,46が分岐した部位とは反対側の部位から、左右のアウトリガ47,47が分岐している。該左右のアウトリガ47,47が、左右の屈曲した部位の車幅方向外側の壁16c,16cから車幅方向外側へ延びて、左右のサイドシル23,23に接合されている。このため、車両10の側面に衝突力が作用する、いわゆる側面衝突が発生したときに、側方からの衝突力は、左右一方のサイドシル23からアウトリガ7と屈曲した部位とトンネル側エクステンション46とを介して、車幅中央のトンネル部24に伝わり、更にトンネル部24から車幅中央部へ伝わる。つまり、左右のサイドシル側エクステンション45,45が、左右の屈曲した部位から車幅方向外側へ且つ後方へ大きく傾きつつ、左右のサイドシル23,23まで延びる構成であるにもかかわらず、側方からの衝突力を、左右一方のサイドシル23から車幅中央部へ効率良く分散することができる。
さらには、左右の補強部材35,35は、左右の湾曲した部位の内部を前と後とに区画するように位置した左右のバルクヘッド41,41,42,42を有する。該左右のバルクヘッド41,41,42,42は、左右のフロントサイドフレーム16,16間に配置される走行用動力装置19を支持するための左右のナット部材38,38,39,39を有している。このため、前方からの衝突力が走行用動力装置19へ伝わった場合に、該衝突力は走行用動力装置19から左右のナット部材38,38,39,39、左右のバルクヘッド41,41,42,42及び左右の補強部材35,35を介して、左右のフロントサイドフレーム16,16に伝わる。該前方からの衝突力が走行用動力装置19から左右のフロントサイドフレーム16,16へ、効率良く伝えて分散することができる。
さらには、左右のフロントサイドフレーム16,16の後部は、ダッシュボードロアパネル21の下を通るように折れ曲がっている。該折れ曲がっている左右のフロントサイドフレーム16,16の後部は、内部に設けられた左右のスチフナ36,36によって補強されているので、外力による折れ曲がりが抑制される。
さらには、該左右のスチフナ36,36の前端71,71は、左右のフロントサイドフレーム16,16の車幅方向内側へ湾曲した部位に位置する左右の補強部材35,35の後端69,69に対して、車体前後方向の荷重を互いに伝達可能に位置している。このため、前方からの衝突力を左右の補強部材35,35から該左右のスチフナ36,36に速やかに効率良く伝えることができる。このように、左右のフロントサイドフレーム16,16が、車幅方向内側へ湾曲するとともに、後下方へ折れ曲がっている構成であるにもかかわらず、前方からの衝突力は、該左右のフロントサイドフレーム16,16の前端から後端へ、効率良く伝えられる。従って、前方からの衝突力を、該左右のフロントサイドフレーム16,16の前端から後方へ効率良く分散することができる。
さらには、左右の補強部材35,35がU字状断面に形成され、しかも、該U字状断面の底を成す左右の底壁64,64に車体前後方向に延びる左右のビード65,65が形成されている。このため、左右の補強部材35,35は、車体前後方向の強度及び剛性が高まる。従って、前方からの衝突力を、該左右のフロントサイドフレーム16,16の前端から後端へ効率良く伝えることができる。
さらには、トンネル部24は、センタトンネル66と、該センタトンネル66の両側に位置した左右のトンネルフレーム67,67と、トンネルクロスメンバ68と、から成る。該トンネルクロスメンバ68は、左右のトンネルフレーム67,67の前端67a,67a同士と、左右のトンネル側エクステンションの後端73,73同士と、の少なくともいずれか一方を繋いでいる。このため、車体11の幅方向の一方に位置するトンネル側エクステンション46から、トンネル部24へ伝わった荷重を、トンネルクロスメンバ68を介して車体11の幅方向の他方へ効率良く分散することができる。
さらには、左右のフロントサイドフレーム16,16の、それぞれ湾曲した部位28,28の車幅方向内側の壁16b,16bには、左右の脆弱部32,32が設けられている。該左右の脆弱部32,32は、車体前後方向の荷重に対して、左右のフロントサイドフレーム16,16のなかの他の部位よりも脆弱である。しかも、該左右の脆弱部32,32は、左右の湾曲した部位28,28の内部を前後に区画する左右のバルクヘッド41,41,42,42よりも、車体後方に位置している。該左右のバルクヘッド41,41,42,42は、左右のフロントサイドフレーム16,16間に配置される走行用動力装置19を支持するための左右のナット部材38,38,39,39を有している。
このため、前方からの衝突力が走行用動力装置19へ伝わった場合に、該衝突力は走行用動力装置19から左右のナット部材38,38,39,39及び左右のバルクヘッド41,41,42,42を介して、左右のフロントサイドフレーム16,16に伝わる。該左右のフロントサイドフレーム16,16の車幅方向内側の壁16b,16bに設けられた左右の脆弱部32,32は、該前方からの衝突力によって潰れる。この結果、左右のフロントサイドフレーム16,16は車幅方向の外方に折れ曲がる。このように、左右のフロントサイドフレーム16,16に、左右の脆弱部32,32が設けられているので、車体前部の衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。
さらには、左右の脆弱部32,32は、左右の湾曲した部位28,28の車幅方向内側の壁16b,16bから、該左右の湾曲した部位28,28の閉断面の内方へ窪むだけの、簡単な構成の左右の凹部によって構成されている。該左右の凹部32,32は、左右の湾曲した部位28,28のなかの幅が小さい部位、つまり断面積が小さい部位に位置している。このため、前方からの衝突力による、左右のフロントサイドフレーム16,16の折れ曲がり作用を促進させることができる。
さらには、U字状断面に形成されている左右の補強部材35,35は、車体前後方向の途中に欠落断面部81,81を有している。該欠落断面部81,81は、左右の補強部材35,35のなかの他の部位に比べて、低強度で低剛性である。左右の脆弱部32,32は、該欠落断面部81,81に対向して位置している。このため、前方からの衝突力による、左右のフロントサイドフレーム16,16の折れ曲がり作用を、更に促進させることができる。
本発明に係る車両の車体前部構造は、セダンやワゴンなどの乗用車、特に小型車に採用するのに好適である。
10…車両、11…車体、16…フロントサイドフレーム、16b…湾曲した部位よりも前における車幅方向内側の壁、16c…左右の湾曲した部位よりも後における車幅方向外側の壁、19…走行用動力装置、21…ダッシュボードロアパネル、22…フロアパネル、23…サイドシル、24…トンネル部、28…湾曲した部位(湾曲部)、29…フロントサイドフレームの後部、32…脆弱部(凹部)、35…補強部材、36…スチフナ、38,39…ナット部材、41,42…バルクヘッド、45…サイドシル側エクステンション、46…トンネル側エクステンション、48…分岐部、64…底壁、65…ビード、66…センタトンネル、67…トンネルフレーム、67a…トンネルフレームの前端、68…トンネルクロスメンバ、73…トンネル側エクステンションの後端、81…欠落断面部、Pw…幅が小さい部位、Wd…幅、θ1…サイドシル側エクステンションが車幅方向外側へ傾斜する傾斜角、θ2…トンネル側エクステンションが車幅方向内側へ傾斜する傾斜角。

Claims (9)

  1. 車体の前部の左右両側に位置して車体前後方向へ延びている左右のフロントサイドフレームと、該左右のフロントサイドフレームの後に位置して前記車体を前と後とに区画するダッシュボードロアパネルと、該ダッシュボードロアパネルの下部から後方へ延びているフロアパネルと、該フロアパネルの車幅方向中央に位置して車体前後方向へ延びているトンネル部と、前記フロアパネルの車幅方向両端に位置して車体前後方向へ延びている左右のサイドシルと、を含む車体前部構造において、
    前記左右のフロントサイドフレームは、閉断面に形成されるとともに、後半部分が車幅方向外側から車幅方向内側へ湾曲しつつ後方へ延び、
    該左右の湾曲した部位の内部には、左右の補強部材が設けられ、
    該左右の補強部材は、前記左右のフロントサイドフレームのなかの、前記左右の湾曲した部位よりも前における車幅方向内側の壁から、前記左右の湾曲した部位よりも後における車幅方向外側の壁まで、車体前後方向に略直線状に延び、
    前記左右のフロントサイドフレームの閉断面に連続しながら、該左右のフロントサイドフレームの後端から車幅方向外側へ且つ後方へ屈曲し、該車幅方向外側へ且つ後方へ傾斜しつつ延びて、前記左右のサイドシルに接合される左右のサイドシル側エクステンションと、
    該左右のサイドシル側エクステンションの前記屈曲した部位の、車幅方向内側の壁から分岐し、車幅方向内側へ且つ後方へ傾斜しつつ延びて、前記トンネル部に接合される左右のトンネル側エクステンションと、を更に備え、
    該左右のトンネル側エクステンションが車幅方向内側へ傾斜する傾斜角、前記左右のサイドシル側エクステンションが車幅方向外側へ傾斜する傾斜角に対して、実質的に同一に設定されている、ことを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記左右のサイドシル側エクステンションの前端部の、車幅方向外側の壁から車幅方向外側へ延びて、前記左右のサイドシルに接合された左右のアウトリガを、更に備えている、請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記左右の補強部材は、前記左右の湾曲した部位の内部を前と後とに区画する左右のバルクヘッドを有し、
    該左右のバルクヘッドは、前記左右のフロントサイドフレーム間に配置される走行用動力装置を支持するための左右のナット部材を有している、請求項1又は請求項2記載の車体前部構造。
  4. 前記左右のフロントサイドフレームの後部は、前記ダッシュボードロアパネルの下を通って後下方へ一旦屈曲するとともに後下端が後方へ屈曲した、折れ曲がり構造であり、
    該折れ曲がった左右の後部の内部には、左右のスチフナが設けられ、
    該左右のスチフナの前端は、前記左右の補強部材の後端に対して、車体前後方向の荷重を互いに伝達可能に位置している、請求項1乃至3のいずれか1項記載の車体前部構造。
  5. 前記左右の補強部材は、U字状断面に形成されており、
    U字状断面の底を成す左右の底壁には、車体前後方向に延びる左右のビードが形成されている、請求項1乃至4のいずれか1項記載の車体前部構造。
  6. 前記トンネル部は、
    前記フロアパネルの車幅方向中央から車体上方へ膨出して、車体前後方向へ延びているセンタトンネルと、
    該センタトンネルに対し車幅方向の両側に位置して、車体前後方向に延びている左右のトンネルフレームと、
    該左右のトンネルフレームの前端同士と、前記左右のトンネル側エクステンションの後端同士と、の少なくともいずれか一方を繋ぐトンネルクロスメンバと、から成る、請求項1乃至5のいずれか1項記載の車体前部構造。
  7. 前記左右の湾曲した部位の車幅方向内側の壁には、車体前後方向の荷重に対して、前記左右のフロントサイドフレームのなかの他の部位よりも脆弱な、左右の脆弱部が設けられ、
    該左右の脆弱部は、前記左右のバルクヘッドよりも車体後方に位置している、請求項3記載の車体前部構造。
  8. 前記左右の脆弱部は、前記左右の湾曲した部位の車幅方向内側の壁から、該左右の湾曲した部位の閉断面の内方へ窪んだ、左右の凹部によって構成され、
    該左右の凹部は、前記左右の湾曲した部位のなかの、他よりも幅が小さい部位に位置している、請求項7記載の車体前部構造。
  9. 前記左右の補強部材は、U字状断面に形成されるとともに、車体前後方向の途中には、該U字の一部が欠けた断面に形成されている左右の欠落断面部を有し、
    前記左右の脆弱部は、前記左右の欠落断面部に対向して位置している、請求項7又は請求項8記載の車体前部構造。
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