JP5551314B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に係り、より詳細には、簡単で単純な構造を有するために、設置高を低めることができて、コンパクトな装備に適用が容易であり、従来のように複雑な周辺付属品の使用を減らすことができ、さらに、メインテナンス(maintenance)作業及びクリーニング(cleaning)作業の頻度を従来より格段に減らせて、工程の遅延を予防することができる動力伝達装置に関する。
動力伝達装置は、回動を直線運動に、または直線運動を回動に転換させるラックとピニオン、回動のみを伝達するが、回転速度とトルクとを変換させるギア列に大別される。
通常、動力伝達装置の動力伝達体系は、インボリュート曲線を原理とした歯形が主に使われているが、珍しくサイクロイド曲線を原理とした歯形とピン歯車とを使う場合もある。
このような動力伝達装置は、半導体装備などを含めた多様な産業機械などに広く使われている。
図1は、従来技術による動力伝達装置の使用状態側面構造図である。
従来技術による動力伝達装置1は、図1に示したように、例えば、ベースプレート2に対してレール4構造で結合されたスライダー3(図1に斜線でハッチングされた部分)を直線運動させるために、スライダー3に部分的に結合されうる。
ベースプレート2に対するスライダー3の直線運動のために、スライダー3に連結される動力伝達装置1には、ベースプレート2領域に位置固定されるラック5と歯形噛み合うピニオン6とが設けられる。
ピニオン6は、動力伝達装置1の外側に延設されるシャフト7の端部に結合されて、図1のような装置への結合時に、ラック5と歯形噛み合う。
このような構造によって、動力伝達装置1のモータ8が動作すれば、動力伝達装置1の内臓部品の相互作用に基づいてシャフト7が回転しながら、ピニオン6が回転する。
この際、ピニオン6は、位置固定されたラック5と歯形噛み合っているために、結果的に、回転するピニオン6は、ラック5の長手方向に沿って直線運動することによって、ベースプレート2に対するスライダー3の直線運動が具現され、スライダー3上に所望の部品や装置をローディングさせる場合、当該部品や装置を直線運動させることができる。
このような図1の動力伝達装置1の構造は、現場で最も多く使われている形態である。しかしながら、図1の動力伝達装置1は、シャフト7が外側に突出した構造でシャフト7の端部にピニオン6が結合される構造を有しているために、フットプリント(foot print)、特に、設置高Hが高くなって、コンパクトな装備に適用が難しい問題、ギアボックス(gear box)ないしは、シュリンクフィッティングカップリング(shrink fitting coupling)などの複雑な周辺付属品が要求される問題、ピニオン6の外面に潤滑剤が塗布されなければならないために、装備の周辺が汚染される問題、構造上、メインテナンス作業とクリーニング作業とが随時に要求されて、工程が遅延される問題など多様な問題を発生させているので、これについての構造改善が要求される。
本発明が解決しようとする技術的課題は、簡単で単純な構造を有するために、設置高を低めることができて、コンパクトな装備に適用が容易であり、従来のように複雑な周辺付属品の使用を減らすことができ、さらに、メインテナンス作業及びクリーニング作業の頻度を従来より格段に減らせて、工程の遅延を予防することができる動力伝達装置を提供するところにある。
本発明の一側面によれば、モータと連結されて、前記モータによって正・逆転自在な入力歯車と、前記入力歯車を中心に前記入力歯車に外接され、前記入力歯車の回転に連動して回転する遊星歯車列と、前記遊星歯車列が内接され、前記遊星歯車列によって相対回転するリングギアと、ラックと相互作用しながら相対回転する多数のローラーが円周方向に沿って結合され、前記リングギアの外郭で前記リングギアと結合されるメインフレームと、前記入力歯車が位置された領域に配される非回転リアサイドフィクスチャーと、前記リングギア及び前記メインフレームを挟んで、前記非回転リアサイドフィクスチャーの反対側に配されて、前記非回転リアサイドフィクスチャーと結合される非回転フロントサイドフィクスチャーと、を含む動力伝達装置が提供されうる。
前記メインフレームは、前記多数のローラーが挿入される多数の第1ローラー挿入ホールを備えるフロントフレーム部と、前記多数の第1ローラー挿入ホールと連通される多数の第2ローラー挿入ホールを備え、前記フロントフレーム部と平行に配されるリアフレーム部と、前記フロントフレーム部と前記リアフレーム部とを連結する連結部と、を含みうる。
前記連結部の内側には、前記リングギアが連結されるリングギア連結リブがさらに設けられうる。
前記ローラーの内部には、前記ローラーの長手方向に沿って潤滑剤が流動する潤滑剤流動ホールが設けられうる。
前記ローラーの側壁には、前記潤滑剤流動ホールと連通されて、前記潤滑剤が出入りする潤滑剤出口と潤滑剤入口とがさらに設けられうる。
前記潤滑剤出口と前記潤滑剤入口は、前記潤滑剤流動ホールの両端部領域で前記ローラーの半径方向に沿って互いに逆方向に配置される。
前記第1ローラー挿入ホールの間、または前記第2ローラー挿入ホールの間には、前記潤滑剤の流動を許容する潤滑剤流動チャネルがさらに設けられうる。
前記潤滑剤流動チャネルは、前記フロントフレーム部に設けられて、前記第1ローラー挿入ホールに連結されうる。
前記ローラーの両端部領域にそれぞれ結合されて、当該位置を気密に保持させるオイルシールと、前記オイルシールを挟んで、前記ローラーの両端部にそれぞれ結合されて、前記ローラーの回転を倍加させる遠心弁をさらに含みうる。
前記非回転リアサイドフィクスチャーと前記メインフレームとの間の領域、または前記メインフレームと前記非回転フロントサイドフィクスチャーとの間の領域に配されて、前記メインフレームの回転を倍加させる少なくとも1つのメイン弁をさらに含みうる。
前記メイン弁は、前記非回転リアサイドフィクスチャーと前記メインフレームとの間に配されるリアメイン弁と、前記メインフレームと前記非回転フロントサイドフィクスチャーとの間に配されるフロントメイン弁と、を含みうる。
前記非回転フロントサイドフィクスチャーには、前記非回転リアサイドフィクスチャーに向けて延びる多数の突起部が設けられ、前記多数の突起部のそれぞれには、ニードル弁が結合されて、前記遊星歯車列に連結されうる。
前記非回転リアサイドフィクスチャーの外側に配されて、前記非回転リアサイドフィクスチャーを支持するリアサイドシーリングカバーと、前記非回転フロントサイドフィクスチャーの外側に配されて、前記非回転フロントサイドフィクスチャーを支持するフロントサイドシーリングカバーと、をさらに含みうる。
前記リアサイドシーリングカバーと前記非回転リアサイドフィクスチャーとの間、そして、前記フロントサイドシーリングカバーと前記非回転フロントサイドフィクスチャーとの間には、それぞれオイルシールがさらに配置される。
前記入力歯車を支持する入力歯車支持部材と、前記モータが載置されるモータアダプダと、前記モータアダプダに前記入力歯車支持部材を回転自在に連結させる少なくとも1つの連結口と、をさらに含みうる。
前記連結口は、前記入力歯車支持部材に係止されて、前記入力歯車支持部材のフランジ領域に連結される入力歯車支持弁と、前記入力歯車支持弁と共に前記入力歯車支持部材に係止されるが、前記モータのモータ軸を前記入力歯車支持部材に結合させるクランプと、前記入力歯車支持弁と前記クランプとの間の漏油防止のために、前記入力歯車支持部材に結合されるオイルシールと、を含みうる。
前記遊星歯車列は、前記入力歯車の外面と前記リングギアの内面とに歯形噛み合って、前記入力歯車の回転に連動して回転する3つの遊星歯車であり得る。
本発明によれば、簡単で単純な構造を有するために、コンパクトな装備に適用が容易であるだけではなく、多様な周辺付属品が使われることを減少させ、さらに、メインテナンス作業及びクリーニング作業の頻度を従来より格段に減らせて、工程の遅延を予防することができる。
従来技術による動力伝達装置の使用状態側面構造図である。 本発明の一実施形態による動力伝達装置の斜視図である。 図2でモータアダプダを分離した状態の斜視図である。 図2の分解斜視図である。 図4のA領域の拡大図である。 本発明の一実施形態による動力伝達装置の使用状態斜視図である。 図6の側面構造図である。 本発明の一実施形態による動力伝達装置の他のタイプとして使っている使用状態斜視図である。 図8の側面構造図である。 本発明の一実施形態による動力伝達装置を多様なタイプとして使っている使用状態斜視図である。 本発明の一実施形態による動力伝達装置を多様なタイプとして使っている使用状態斜視図である。 本発明の一実施形態による動力伝達装置を多様なタイプとして使っている使用状態斜視図である。
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載の内容を参照しなければならない。
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部材を表わす。
図2は、本発明の一実施形態による動力伝達装置の斜視図であり、図3は、図2でモータアダプダを分離した状態の斜視図であり、図4は、図2の分解斜視図であり、図5は、図4のA領域の拡大図である。
これら図面に示したように、本実施形態による動力伝達装置100は、モータ10(図6及び図7参照)と連結されて、モータ10によって正・逆転自在な入力歯車20と、入力歯車20を中心に入力歯車20に外接され、入力歯車20の回転に連動して回転する遊星歯車列30と、遊星歯車列30が内接され、遊星歯車列30によって相対回転するリングギア40と、ラック15(図6及び図7参照)と相互作用しながら相対回転する多数のローラー60が円周方向に沿って結合され、リングギア40の外郭でリングギア40と結合されるメインフレーム50と、入力歯車20が位置された領域に配される非回転リアサイドフィクスチャー70と、リングギア40及びメインフレーム50を挟んで、非回転リアサイドフィクスチャー70の反対側に配されて、非回転リアサイドフィクスチャー70と結合される非回転フロントサイドフィクスチャー80とを含む。
モータ10は、印加される電源によって回転動力を発生させる部分である。正・逆方向いずれもに回転が可能でありながらも、制御が容易なサーボモータが適用可能である。しかし、本発明の権利範囲が、これに制限されるものではなく、サーボモータ以外の他の多様なモータ、例えば、ステップモータなどが適用されても良い。
入力歯車20は、モータ10から提供される回転動力を伝達されて正方向あるいは逆転する部分である。したがって、入力歯車20は、モータ10と連結されるが、その構造について、図4を参照して説明する。
入力歯車20は、図4に示したように、入力歯車支持部材21によって支持される。
言い換えれば、本実施形態の場合、ほぼシャフト(shaft)の形態を有する入力歯車支持部材21の端部に入力歯車20が結合される、あるいは一体に加工される形態を有する。入力歯車20が位置される入力歯車支持部材21の端部領域には、入力歯車支持部材21の他の領域よりも大径のフランジ22が設けられる。
モータ10は、モータアダプダ11に載置して支持され、このようなモータアダプダ11に入力歯車支持部材21が連結口23によって回転自在に連結される。
連結口23は、入力歯車支持部材21に係止されて、入力歯車支持部材21のフランジ22領域に連結される入力歯車支持弁23aと、入力歯車支持弁23aと共に入力歯車支持部材21に係止されるが、モータ10のモータ軸(図示せず)を入力歯車支持部材21に結合させるクランプ23cと、入力歯車支持弁23aとクランプ23cとの間の漏油防止のために、入力歯車支持部材21に結合されるオイルシール23bとを備える。
入力歯車支持弁23aは、入力歯車支持部材21のフランジ22領域まで接しながら締結される。クランプ23cは、入力歯車支持部材21に締結されて、入力歯車支持部材21と一体型を成す。
このようなクランプ23cは、一側が開放された環状に設けられる。入力歯車支持部材21の端部に設けられる多数の足部21aがクランプ23c内の貫通ホール23dに挿入された時、クランプ23cの一側開放部に位置されたボルトPで開放部を締めることによって、反対側で結合されるモータ10のモータ軸(図示せず)が入力歯車支持部材21と一体型を成すようにする。すなわち、クランプ23cは、多数の足部21aの間にモータ10のモータ軸が挿入された時、多数の足部21aを内側方向に締めることによって、モータ10のモータ軸を多数の足部21aの間で固定させる役割を果たす。
モータアダプダ11にモータ10が連結された後、モータ10のモータ軸(図示せず)がホルダー23cによって入力歯車支持部材21と固定されれば、図2のような最終結合状態になるが、このような状態でモータ10が正・逆転すれば、これに連動して入力歯車支持部材21が回転しながら、その端部の入力歯車20を回転させうる。
遊星歯車列30は、入力歯車20を中心に入力歯車20に外接されて、入力歯車20の回転に連動して回転する。
本実施形態で、遊星歯車列30は、入力歯車20の外面とリングギア40の内面とに歯形噛み合って、入力歯車20の回転に連動して回転する3つの遊星歯車30aで設けられる。3つの遊星歯車30aは、いずれも同じ形状と構造とを有する。
もちろん、本実施形態の場合、平面配列状態の3つの遊星歯車30aを使って遊星歯車列30を設けているが、遊星歯車列30を成す遊星歯車30aの個数と配列構造は、図示したものと異なりうる。
例えば、減速比を高めようとする場合には、遊星歯車30aの個数を減らし、強いトルク出力を提供しようとする時は、遊星歯車30aの個数を増やし、一般的な遊星歯車の代わりに内接式遊星歯車列を備えることもできるので、内部動力伝達部分の構造は、状況に応じて十分に変わることができて、図面に示された事項に本発明の権利範囲が制限されるものではない。結果的に、遊星歯車列30は、内接式遊星歯車列などにいくらでも変更適用可能である。
リングギア40は、3つの遊星歯車30aからなった遊星歯車列30が内接される部分である。
詳しく後述するが、入力歯車20の入力回転動力によって遊星歯車列30が回転する時、リングギア40は、遊星歯車列30に対して相対回転する。これは、遊星歯車列30に連結される非回転フロントサイドフィクスチャー80が、非回転、すなわち、固定された状態を保持しているためである。
通常の場合は、入力歯車20の入力回転動力によって遊星歯車列30が回転する時、非回転フロントサイドフィクスチャー80が同転することが一般的であるが、本実施形態の場合、非回転フロントサイドフィクスチャー80が固定された状態を保持するために、逆に遊星歯車列30が外接されるリングギア40が回転する。結果的に、本実施形態は、入力歯車20の入力回転動力が遊星歯車列30を通じてリングギア40の回動に伝達される原理を有する。
メインフレーム50は、リングギア40の外郭でリングギア40と結合される部分である。前述したように、入力歯車20の入力回転動力は、リングギア40の回動に伝達されるために、リングギア40が回転することによって、メインフレーム50がリングギア40と同転する。
このようなメインフレーム50には、ラック15(図6及び図7参照)と相互作用しながら相対回転する多数のローラー60が円周方向に沿って結合される。ラック15の歯形は、サイクロイドとトロコイドいずれもが含まれうる。
図4及び図5を参照して、メインフレーム50とローラー60との構造についてより具体的に説明する。
メインフレーム50は、図4に示したように、大きく3パート、すなわち、フロントフレーム部51、リアフレーム部52、及び連結部53で設けられうる。もちろん、フロントフレーム部51、リアフレーム部52、及び連結部53は、説明の便宜上、位置別に分類したものであり、これらは一体型に製作されることが望ましい。
フロントフレーム部51は、遊星歯車列30側に向ける円盤型構造を有する。フロントフレーム部51には、多数のローラー60が挿入される多数の第1ローラー挿入ホール51aが設けられる。第1ローラー挿入ホール51aは、ローラー60の個数ほど設けられ、フロントフレーム部51の円周方向に沿って等角度間隙をおいて規則的に配列される。
リアフレーム部52は、モータアダプダ11側に向ける円盤型構造であって、フロントフレーム部51と平行に配される。リアフレーム部52にも、多数のローラー60が挿入される多数の第2ローラー挿入ホール52aが第1ローラー挿入ホール51aと相互連通されるように設けられる。
結果的に、多数のローラー60は、図2及び図3に示したように、第1及び第2ローラー挿入ホール51a、52aにその両端部が挿入される形態でメインフレーム50に連結されうる。
連結部53は、フロントフレーム部51とリアフレーム部52とを連結する部分であって、フロントフレーム部51とリアフレーム部52よりは直径が狭く設けれて、ローラー60が回転する時、干渉されないようにする。
このような連結部53の内側には、リングギア40が連結されるリングギア連結リブ54が設けられる。リングギア連結リブ54は、連結部53の内側から半径方向内側に突出した突出片構造を有する。このような突出片構造のリングギア連結リブ54にリングギア40が接面された後、ボルトあるいはピン結合されることによって、リングギア40はメインフレーム50に連結されて、メインフレーム50と一体型を成しうるが、実施上では、一体型にも製作が可能である。
このように、リングギア40がメインフレーム50と一体型を成し、またメインフレーム50に多数のローラー60が結合されているために、入力歯車20の入力回転動力によって遊星歯車列30が回転し、遊星歯車列30によってリングギア40が相対回転することによって、結果的に、リングギア40と一体型を成すメインフレーム50を回転させうる。
本実施形態の動力伝達装置100には、メインフレーム50の回転を倍加させるための手段として、メイン弁57a、57bがさらに設けられる。すなわち、非回転リアサイドフィクスチャー70とメインフレーム50との間にリアメイン弁57aが、そして、メインフレーム50と非回転フロントサイドフィクスチャー80との間にフロントメイン弁57bが配されて、メインフレーム50の回転をより円滑にしている。メイン弁57a、57bは、ボール弁であり得るが、他の弁が適用されても良い。
一方、多数のローラー60がメインフレーム50に結合される時、多数のローラー60がメインフレーム50に圧入式などの方法で固定されているならば、メインフレーム50の回転時に、ローラー60は、メインフレーム50に沿って空転のみする。
しかし、本実施形態の場合、ローラー60は、その位置で自転を並行できるように、メインフレーム50に相対回転自在に結合される。
したがって、メインフレーム50の回転時に、ローラー60は、メインフレーム50に沿って空転しながら、自転を並行する。もちろん、ローラー60の自転は、図6及び図7のようにローラー60にラック15が接して、相互作用する時のみ具現される運動である。
このように、ローラー60が自転を並行することができる構造でメインフレーム50に結合されるためには、メインフレーム50上でローラー60を回転させるための構造と回転を円滑に保持させる潤滑構造とが共に適用されることが望ましい。
これについて説明する。図5に示したように、ローラー60の内部には、ローラー60の長手方向に沿って潤滑剤が流動する潤滑剤流動ホール61が設けられる。そして、ローラー60の側壁には、潤滑剤流動ホール61と連通されて、潤滑剤が潤滑剤流動ホール61を通じて出入りする潤滑剤出口62と潤滑剤入口63とが設けられる。
必ずしもそういうことではないが、潤滑剤出口62と潤滑剤入口63は、図5のように潤滑剤流動ホール61の両端部領域でローラー60の半径方向に沿って互いに逆方向に配置されても良い。
このようなローラー60の潤滑構造に加えて、フロントフレーム部51の第1ローラー挿入ホール51aには、図5に示したように、第1ローラー挿入ホール51aを通じて潤滑剤が流動するように、第1ローラー挿入ホール51aを連結する潤滑剤流動チャネル51bが設けられる。潤滑剤流動チャネル51bは、フロントフレーム部51とリアフレーム部52の両側、または何れか一側に設けられることもあり、本実施形態では、フロントフレーム部51側に図示した。
このような構造によって、潤滑剤は、潤滑剤入口63、潤滑剤流動ホール61、及び潤滑剤出口62を経由する一方、潤滑剤流動チャネル51bを通じて第1ローラー挿入ホール51aを経由することができ、これにより、メインフレーム50上でのローラー60に対する自転がより円滑になりうる。
図2ないし図4を参照すると、ローラー60の両端部領域には、それぞれオイルシール55a、55bが係止され、オイルシール55a、55bを挟んで、ローラー60の両端部には、ローラー60の回転、すなわち、自転を倍加させる遠心弁56a、56bが結合される。
このように、ローラー60の両端部領域には、それぞれオイルシール55a、55bが結合され、また後述するように、最終的に装置の両端部にリアサイドシーリングカバー96aとフロントサイドシーリングカバー96bとが結合されるために、従来と異なって、潤滑剤が外部に露出されて、周辺環境を汚染させる問題を解消することができる。
非回転リアサイドフィクスチャー70と非回転フロントサイドフィクスチャー80は、その間に位置されるリングギア40及びメインフレーム50、そして、メイン弁57a、57bが1つのアセンブリーを設けるように相互間結合される部分である。
前述したように、非回転リアサイドフィクスチャー70と非回転フロントサイドフィクスチャー80は、回転するメインフレーム50とは異なって、回転せずに位置固定された状態を保持する。
特に、本実施形態の場合、キャリアと呼ばれる非回転フロントサイドフィクスチャー80が遊星歯車列30と共に回転せずに位置固定されているために、入力歯車20の入力回転動力によって遊星歯車列30が回転する時、遊星歯車列30の相手側であるリングギア40が相対回転できるようになって、ローラー60が結合されたメインフレーム50の回動を誘導させうる。
非回転フロントサイドフィクスチャー80には、非回転リアサイドフィクスチャー70に向けて延びる多数の突起部81が設けられる。そして、多数の突起部81には、それぞれニードル弁82が結合されて、遊星歯車列30に連結される。このような構造によって、非回転フロントサイドフィクスチャー80は、遊星歯車列30と同転せずに位置固定されうる。
非回転リアサイドフィクスチャー70と非回転フロントサイドフィクスチャー80との外側には、それぞれリアサイドシーリングカバー96aとフロントサイドシーリングカバー96bとが結合される。リアサイドシーリングカバー96aとフロントサイドシーリングカバー96bは、その位置でシーリングを担当する。
リアサイドシーリングカバー96aと非回転リアサイドフィクスチャー70との間、そして、フロントサイドシーリングカバー96bと非回転フロントサイドフィクスチャー80との間には、それぞれオイルシール98a、98bがさらに結合される。
このような構成を有する動力伝達装置100の作用について説明すれば、次の通りである。
モータ10が動作すれば、モータ10と連結された入力歯車支持部材21が回転することによって、入力歯車20が一方向に回転する。
入力歯車20が一方向に回転すれば、入力歯車20とギア噛み合っている3つの遊星歯車30aからなった遊星歯車列30が回転する。
この際、先立って反復して説明したように、非回転フロントサイドフィクスチャー80は、突起部81にニードル弁82が結合されて、遊星歯車列30に連結されているために、遊星歯車列30と共に回転せずにその位置に位置固定される。したがって、遊星歯車列30の回転時に、すなわち、遊星歯車列30が諸位置で回転することによって、その反対側であるリングギア40が回転する。
リングギア40は、リングギア連結リブ54によってメインフレーム50と一体型を形成しているので、遊星歯車列30の作用によってリングギア40が回転すれば、メインフレーム50も共に回転する。メインフレーム50の回転時に、メイン弁57a、57bの作用によってメインフレーム50の回転がより円滑になりうる。
前記のような動作によってメインフレーム50が回転すれば、メインフレーム50に結合された多数のローラー60は、メインフレーム50に沿って空転する。
一方、本実施形態の動力伝達装置100は、図2の形態単独で使われるものではなく、図6及び図7のような装置に付属してラック15と共に使われるのが一般的であるが、この際は、ローラー60がラック15と噛み合って、ラック15に対して直線運動するか、ラック15を直線あるいは曲線運動させる。このように、ローラー60がラック15と噛み合って回転する時は、ローラー60の自転もなされる。
それでは、本実施形態による動力伝達装置100を半導体装置やシステムなどに適用して使う1つの使用状態について、図6及び図7を参照して詳しく説明する。
図6は、本発明の一実施形態による動力伝達装置の使用状態斜視図であり、図7は、図6の側面構造図である。
例えば、ラック15が一側に固定されたベースプレート12に対してレール14構造で結合されたスライダー13を、図6の矢印方向に直線運動させようとする時、本実施形態の動力伝達装置100を使うことができる。
この際は、本実施形態の動力伝達装置100に設けられる多数のローラー60がラック15に噛み合って相互作用できるように配置しながら、スライダー13の上部に動力伝達装置100をボルトBで固定させれば、それで十分である。
そうすると、前述したように、モータ10が動作すれば、入力歯車20によって遊星歯車列30の回転を誘導して、結果的に、リングギア40を通じるメインフレーム50の回動を発生させることによって、メインフレーム50に結合されたローラー60は、メインフレーム50と共に回転しながら、ラック15の長手方向に沿って直線運動する。
本実施形態の動力伝達装置100は、スライダー13に固定されているために、ローラー60は、メインフレーム50と共に回転しながら、ラック15の長手方向に沿って直線運動することによって、スライダー13は、図6の矢印方向に沿って直線運動させうる。
一方、スライダー13の直線運動を導き出しているという点では、図1で説明した通常の動力伝達装置100と一見類似しているが、本実施形態の動力伝達装置100は、図1の従来の動力伝達装置1とは異なって、シャフト7が外側に突出した構造でシャフト7の端部にピニオン6が結合される構造を有していない。
すなわち、実質的にラック15と相互作用するローラー60が、メインフレーム50に係止される形態で結合され、非回転リアサイドフィクスチャー70と非回転フロントサイドフィクスチャー80との間でローラー60が結合されたメインフレーム50がコンパクトに組み立てられるアセンブリー構造を有しているために、装置のサイズ、特に、装置の高さを全般的に減らしうる。したがって、コンパクトな装備にも適用が可能である。
それだけではなく、本実施形態の動力伝達装置100は、装置の内部に位置される入力歯車20、遊星歯車列30、及びリングギア40などの相互相対的なギア回転に連動して、ローラー60の回動を誘導する単純な構造を有しているために、図1の従来の動力伝達装置1とは異なって、ギアボックスないしは、シュリンクフィッティングカップリングなどの複雑な周辺付属品が使われる必要がない。
このように、本実施形態の動力伝達装置100は、単純構造で設けられるために、メインテナンス作業及びクリーニング作業の頻度を従来より格段に減らせて、工程の遅延を予防することができる。
このように、本実施形態によれば、簡単で単純な構造を有するために、設置高を低めることができて、コンパクトな装備に適用が容易であり、従来のように複雑な周辺付属品の使用を減らすことができ、さらに、メインテナンス作業及びクリーニング作業の頻度を従来より格段に減らせて、工程の遅延を予防させうる。
図8は、本発明の一実施形態による動力伝達装置の他のタイプとして使っている使用状態斜視図であり、図9は、図8の側面構造図である。
図6及び図7の場合には、本実施形態の動力伝達装置100が、スライダー13の上部に結合される形態で使われるものに関して図示及び説明した。
しかし、本実施形態の動力伝達装置100は、図8及び図7のように、一部領域、すなわち、メインフレーム50領域がベースプレート12aとスライダー13aとの間に配されて、ローラー60をラック15aと相互作用させる形態で使われることもある。
このような形態で本実施形態の動力伝達装置100を使っても、図8に示された矢印方向へのスライダー13aの直線運動を具現させるのには何らの無理もない。
図10ないし図12は、それぞれ本発明の一実施形態による動力伝達装置を多様なタイプとして使っている使用状態斜視図である。
前述した実施形態の場合、本実施形態の動力伝達装置100が結合されたスライダー13、13a(図6及び図8 参照)を直線運動させることに関して説明した。
しかし、逆の場合も十分に可能である。
例えば、図10のように、本実施形態の動力伝達装置100を位置固定させ、ローラー60を回転させる場合、ラック15bの直線運動を提供することができる。
同様に、図11及び図12のように、本実施形態の動力伝達装置100をラック15c、15dにそれぞれ内接または外接させながら位置固定させ、ローラー60を回転させる場合、ラック15c、15dの回動を導き出すことができる。
結果的に、本実施形態の動力伝達装置100は、本実施形態の動力伝達装置100自体あるいは本実施形態の動力伝達装置100が結合されたスライダー13、13a(図6及び図8参照)を直線運動させようとする用途として使われることもあり、あるいは相手側ラック15b〜15dを直線あるいは回動させようとする用途として使われることもあるが、このような用途は、本実施形態の動力伝達装置100が使われる装置あるいはシステムの環境に合わせて適切に選択されうる。
このように、本発明は、記載の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を外れずに多様に修正及び変形できるということは、当業者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属すると言わなければならない。
本発明は、動力伝達が要求される多様な産業分野の装備、例えば、半導体装備、ディスプレイ装備、自動車または船舶関連装備、精密制御装備、ロボット装備などに利用されうる。

Claims (16)

  1. モータと連結されて、前記モータによって正・逆転自在な入力歯車と、
    前記入力歯車を中心に前記入力歯車に外接され、前記入力歯車の回転に連動して回転する遊星歯車列と、
    前記遊星歯車列が内接され、前記遊星歯車列によって相対回転するリングギアと、
    ラックと相互作用しながら相対回転する多数のローラーが円周方向に沿って結合され、前記リングギアの外郭で前記リングギアと結合されるメインフレームと、
    前記入力歯車が位置された領域に配される非回転リアサイドフィクスチャーと、
    前記リングギア及び前記メインフレームを挟んで、前記非回転リアサイドフィクスチャーの反対側に配されて、前記非回転リアサイドフィクスチャーと非回転的に結合される非回転フロントサイドフィクスチャーと、を含み、
    前記非回転フロントサイドフィクスチャーは、前記遊星歯車列とともに回転せずに位置固定され、前記入力歯車の入力回転動力によって前記遊星歯車列が回転する時、前記リングギアが相対回転できるようになって、前記ローラーが結合された前記メインフレームの回動を誘導させ、
    前記メインフレームは、
    前記多数のローラーが挿入される多数の第1ローラー挿入ホールを備えるフロントフレーム部と、
    前記多数の第1ローラー挿入ホールと連通される多数の第2ローラー挿入ホールを備え、前記フロントフレーム部と平行に配されるリアフレーム部と、
    前記フロントフレーム部と前記リアフレーム部とを連結する連結部と、
    を含む動力伝達装置。
  2. 前記連結部の内側には、前記リングギアが連結されるリングギア連結リブがさらに設けられる請求項に記載の動力伝達装置。
  3. 前記ローラーの内部には、前記ローラーの長手方向に沿って潤滑剤が流動する潤滑剤流動ホールが設けられる請求項に記載の動力伝達装置。
  4. 前記ローラーの側壁には、前記潤滑剤流動ホールと連通されて、前記潤滑剤が出入りする潤滑剤出口と潤滑剤入口とがさらに設けられる請求項に記載の動力伝達装置。
  5. 前記潤滑剤出口と前記潤滑剤入口は、前記潤滑剤流動ホールの両端部領域で前記ローラーの半径方向に沿って互いに逆方向に配される請求項に記載の動力伝達装置。
  6. 前記第1ローラー挿入ホールの間、または前記第2ローラー挿入ホールの間には、前記潤滑剤の流動を許容する潤滑剤流動チャネルがさらに設けられる請求項に記載の動力伝達装置。
  7. 前記潤滑剤流動チャネルは、前記フロントフレーム部に設けられて、前記第1ローラー挿入ホールに連結される請求項に記載の動力伝達装置。
  8. 前記ローラーの両端部領域にそれぞれ結合されて、当該位置を気密に保持させるオイルシールと、
    前記オイルシールを挟んで、前記ローラーの両端部にそれぞれ結合されて、前記ローラーの回転を倍加させる遠心軸受をさらに含む請求項1に記載の動力伝達装置。
  9. 前記非回転リアサイドフィクスチャーと前記メインフレームとの間の領域、または前記メインフレームと前記非回転フロントサイドフィクスチャーとの間の領域に配されて、前記メインフレームの回転を倍加させる少なくとも1つのメイン軸受をさらに含む請求項1に記載の動力伝達装置。
  10. 前記メイン軸受は、
    前記非回転リアサイドフィクスチャーと前記メインフレームとの間に配されるリアメイン軸受と、
    前記メインフレームと前記非回転フロントサイドフィクスチャーとの間に配されるフロントメイン軸受と、
    を含む請求項に記載の動力伝達装置。
  11. 前記非回転フロントサイドフィクスチャーには、前記非回転リアサイドフィクスチャーに向けて延びる多数の突起部が設けられ、
    前記多数の突起部のそれぞれには、ニードル軸受が結合されて、前記遊星歯車列に連結される請求項1に記載の動力伝達装置。
  12. 前記非回転リアサイドフィクスチャーの外側に配されて、前記非回転リアサイドフィクスチャーと結合するリアサイドシーリングカバーと、
    前記非回転フロントサイドフィクスチャーの外側に配されて、前記非回転フロントサイドフィクスチャーと結合するフロントサイドシーリングカバーと、をさらに含み、
    前記フロントサイドシーリングカバーおよび前記リアサイドシーリングカバーは、シーリングを担う部材である請求項1に記載の動力伝達装置。
  13. 前記リアサイドシーリングカバーと前記非回転リアサイドフィクスチャーとの間、そして、前記フロントサイドシーリングカバーと前記非回転フロントサイドフィクスチャーとの間には、それぞれオイルシールがさらに配される請求項12に記載の動力伝達装置。
  14. 前記入力歯車を支持する入力歯車支持部材と、
    前記モータが載置されるモータアダプダと、
    前記モータアダプダに前記入力歯車支持部材を回転自在に連結させる少なくとも1つの連結口と、
    をさらに含む請求項1に記載の動力伝達装置。
  15. 前記連結口は、
    前記入力歯車支持部材に係止されて、前記入力歯車支持部材のフランジ領域に連結される入力歯車支持軸受と、
    前記入力歯車支持軸受と共に前記入力歯車支持部材に係止されるが、前記モータのモータ軸を前記入力歯車支持部材に結合させるクランプと、
    前記入力歯車支持軸受と前記クランプとの間の漏油防止のために、前記入力歯車支持部材に結合されるオイルシールと、
    を含む請求項14に記載の動力伝達装置。
  16. 前記遊星歯車列は、前記入力歯車の外面と前記リングギアの内面とに歯形噛み合って、前記入力歯車の回転に連動して回転する3つの遊星歯車である請求項1に記載の動力伝達装置。
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