JP2019083677A - 中空アクチュエータ - Google Patents

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Seiichi Takada
声一 高田
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【課題】ケーブルを通した状態で使用される中空アクチュエータにおいて、そのケーブル自体が回転するような用途でも、ケーブルの断線等のトラブルを防止できるようにする。【解決手段】中空モータ1のモータ軸12、ブレーキユニット4のうちの逆入力遮断機構2の出力部21、減速機構5の入力軸51のそれぞれの内周面と径方向の隙間をもって対向する筒状の中空カバー8を、中空モータ1の回転検出部13の内周側に組み込んだ入力側軸受81と出力部材7の内周側に組み込んだ出力側軸受82とで回転自在に支持する状態で設けることにより、中空カバー8の内側に通されたケーブルCがモータ軸12、ブレーキユニット4および減速機構5と接触せず、ケーブルCが中空カバー8と接触する状態で回転しても、中空カバー8がケーブルCと摺動することなく回転し、ケーブルCの断線等のトラブルを防止できるようにしたのである。【選択図】図1

Description

本発明は、産業ロボットの関節部等に用いられる中空アクチュエータに関する。
産業ロボット等のケーブルの配線方法として、ロボットの関節部等を駆動するアクチュエータに中空のものを用い、その中空アクチュエータにケーブルを通して配線を行う方法がある。しかし、この配線方法では、ケーブルを通している中空アクチュエータの中空軸自体が回転するため、ケーブルが中空軸に接触して断線等のトラブルを生じるおそれがある。
これに対しては、中空アクチュエータの中空軸よりも内周側に筒状の中空カバーを固定的に設けることにより、中空アクチュエータに通したケーブルが回転する中空軸と接触しないようにしていることが多い(例えば、特許文献1参照。)。
特許第5003369号公報
しかしながら、例えば多関節ロボット等、複数のアクチュエータが組み合わされ、そのアクチュエータがそれぞれ別々に作動する装置では、上記のような中空カバーを設けた中空アクチュエータを用いても、各中空アクチュエータの内部でケーブル自体が回転することがあるため、回転するケーブルが固定的に設けられている中空カバーと摺動して断線するおそれがある。
そこで、本発明は、ケーブルを通した状態で使用される中空アクチュエータにおいて、そのケーブル自体が回転するような用途でも、ケーブルの断線等のトラブルを防止できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、中空のモータ軸を有する中空モータを一端部に配し、前記モータ軸から中空の減速機構を介して伝達された回転を出力する環状の出力部材を他端部に配した中空アクチュエータにおいて、前記中空モータの内周側に、転がり軸受からなる入力側軸受が前記モータ軸と干渉しないように組み込まれるとともに、前記出力部材の内周側に転がり軸受からなる出力側軸受が組み込まれており、前記モータ軸の内周面および前記減速機構の内周面と径方向の隙間をもって対向する筒状の中空カバーが、その両端部を前記入力側軸受の内輪と出力側軸受の内輪に支持された状態で設けられている構成を採用した。
すなわち、モータ軸の内周面および減速機構の内周面と径方向の隙間をもって対向する筒状の中空カバーを、回転自在な状態で設けることにより、中空カバー内に通されたケーブルのモータ軸や減速機構との接触を防止するとともに、ケーブルが中空カバーと接触する状態で回転しても、中空カバーがケーブルと摺動することなく回転してケーブルの断線等のトラブルが生じないようにしたのである。
ここで、前記入力側軸受および出力側軸受は、それぞれの内輪と外輪の間の環状空間の軸方向外側を塞ぐシールを有する片側シール付き軸受であり、それぞれの内輪に、前記環状空間の軸方向内側を塞ぐシール部を有し、前記中空カバーの軸方向端部を支持する環状のカバー保持部材が取り付けられている構成とするとよい。このようにすれば、入力側軸受および出力側軸受を良好な潤滑状態で使用できるし、中空カバーの内径を両軸受の内輪内径以上にしてケーブルを通すスペースを広くとり、ケーブルどうしの絡み合いによるトラブルも生じにくくすることができる。
また、前記中空カバーがメッシュ状に形成されている構成とすれば、中空アクチュエータの放熱性が向上して、中空モータや減速機構の発熱によるトラブルの防止が図れるし、中空アクチュエータ全体の軽量化を図ることもできる。
また、前記中空モータは、前記モータ軸の回転数を検出するエンコーダを組み込むための回転検出部が固定的に設けられており、その回転検出部の内周側に前記入力側軸受が組み込まれている構成とすることができる。このようにすれば、入力側軸受は、モータ軸の内周に組み込んだ場合に比べて回転量が少なくなるので、良好な潤滑状態が維持される時間が長くなって軸受寿命の延長が図れる。
そして、前記出力部材の回転位置を検出するアブソリュートエンコーダと、前記モータ軸の回転数を検出するエンコーダを組み込み、前記出力部材の回転位置の検出値および前記モータ軸の回転数の検出値に基づいて、前記出力部材の回転位置が目標位置となるように前記中空モータを制御するクローズド制御を行うことにより、出力部材の位置決め精度の向上が図れる。
ここで、前記アブソリュートエンコーダが、前記出力部材に取り付けられる磁気ホイールと、前記磁気ホイールに軸方向で対向する位置に固定的に設けられる磁気センサを構成要素とするものである場合、前記磁気センサを磁気ホイールの軸心に対して対称に複数配置するようにすれば、その複数の磁気センサの信号を平均化して用いることにより、磁気ホイールの傾き等による誤差を吸収して、出力部材の回転位置の検出精度を向上させることができる。
また、前記減速機構として、高減速率でもコンパクトな構造とすることができる波動歯車装置を採用することにより、中空アクチュエータ全体の小型化が可能となる。
本発明の中空アクチュエータは、上述したように、中空モータのモータ軸の内周面および減速機構の内周面と径方向の隙間をもって対向する筒状の中空カバーを、回転自在な状態で設けたものであるから、中空カバー内に通されたケーブルのモータ軸や減速機構との接触を防止できるうえ、ケーブルが中空カバーと接触する状態で回転しても、中空カバーがケーブルと摺動することなく回転して、ケーブルの断線等のトラブルを防止することができる。
第1実施形態の中空アクチュエータの縦断正面図 図1のII−II線に沿った拡大断面図 図1のIII−III線に沿った断面図 図1のIV−IV線に沿った断面図 図1の入力側端部を拡大して示す縦断正面図 図1の出力側端部を拡大して示す縦断正面図 第2実施形態の中空アクチュエータの縦断正面図 図7のVIII−VIII線に沿った断面を一部含む左側面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図6は第1実施形態を示す。この中空アクチュエータは、図1に示すように、中空モータ1と、逆入力遮断機構2および動作制御機構3からなるブレーキユニット4と、減速機構5と、クロスローラ軸受6と、環状の出力部材7とを軸方向に連結して、その中空部に筒状の中空カバー8を設け、中空カバー8の内側にケーブルCを通すようにしたものである。
前記中空モータ1は、図示省略したステータ等を内蔵する本体部11の内周側に中空のモータ軸12が配されている。本体部11の一端側には回転検出部13が配され、その本体部11と回転検出部13とは、中空アクチュエータ全体の外周部を軸方向に貫通する長軸ボルト9によって固定一体化されている。また、モータ軸12の一端部の外周に固定された環状の取付部材14の外周に磁気ホイール15が取り付けられ、回転検出部13には磁気ホイール15と軸方向で対向する位置に磁気センサ16が取り付けられており、この磁気ホイール15と磁気センサ16を構成要素とするエンコーダ17によって、モータ軸12の回転数が検出されるようになっている。そして、回転検出部13の内周側に、中空カバー8を保持するための入力側軸受81が、モータ軸12と干渉しないように組み込まれている。
なお、モータ軸12の回転数を検出するエンコーダは、一般に、インクリメンタルエンコーダが用いられるが、アブソリュートエンコーダをインクリメンタルエンコーダとして使用してもよい。
前記ブレーキユニット4のうちの逆入力遮断機構2は、図1および図2に示すように、中空モータ1のモータ軸12の他端部を入力部としており、この入力部のほか、減速機構5に連結される環状の出力部21が一体に形成された内輪22と、内輪22の径方向外側に配されて動作制御機構3に連結される外輪23と、内輪22と外輪23の径方向隙間に挿入される複数の柱部24aを有するロック解除片24と、内輪22と外輪23の径方向隙間に組み込まれるころ25およびコイルばね26とで構成されている。なお、コイルばねは、板ばね等の他の弾性部材に代えることもできる。
この逆入力遮断機構2の入力部となるモータ軸12の他端部の外周面と内輪22の内周面には、ほぼ同形状の二面幅が形成されている。そして、そのモータ軸12他端部が内輪22内周に僅かな回転方向の隙間が生じる状態で挿入されて、モータ軸12の回転が僅かな角度遅れをもって内輪22に伝達されるようになっている。
また、内輪22の外周にはカム面22aが周方向に複数設けられ、外輪23の内周円筒面と内輪22の各カム面22aとの間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間27が形成されている。これらの各楔形空間27には前記ころ25が一対ずつ組み込まれ、前記コイルばね26がその一対のころ25に挟まれるように組み込まれて各ころ25を楔形空間27の狭小部へ押し込んでいる。そして、各楔形空間27の周方向両側(ころ25を挟んでコイルばね26と周方向で対向する位置)に、前記ロック解除片24の柱部24aが挿入されており、そのロック解除片24は、モータ軸12他端部の外周に隙間なく嵌め込まれて、モータ軸12と一体回転するようになっている。
この逆入力遮断機構2は、各ころ25がコイルばね26の弾力で楔形空間27の狭小部に押し込まれているので、後述するように外輪23が拘束された状態では、出力部21および内輪22に逆入力トルクが加えられても、回転方向後側のころ25が外輪23と内輪22に係合することにより内輪22が外輪23にロックされて回転しない。
また、外輪23が拘束された状態で中空モータ1が駆動されたときは、まず、モータ軸12の回転に伴って、モータ軸12と一体のロック解除片24の柱部24aが回転方向後側のころ25をコイルばね26の弾力に抗して楔形空間27の広大部へ押し出すことにより、そのころ25と外輪23および内輪22との係合が解除されて、内輪22がロック状態から解放される。そしてモータ軸12がさらに回転して、モータ軸12の他端部が内輪22の内周面と係合すると、モータ軸12の回転が内輪22および出力部21に伝達されるようになる(このとき、回転方向前側のころ25は楔形空間27の広大部に相対移動するので、外輪23および内輪22と係合することはない)。
一方、前記動作制御機構3は、逆入力遮断機構2の外輪23にねじ止めされる可撓性のブレーキ板31と、ブレーキ板31の一側面と軸方向で対向するアーマチュア32と、ブレーキ板31の他側面と軸方向で対向する摩擦板33と、アーマチュア32をブレーキ板31に押し付ける複数のブレーキばね34と、通電によりアーマチュア32をブレーキばね34の弾力に抗してブレーキ板31から離反させる電磁石35とを備えた無励磁型電磁ブレーキである。
この動作制御機構3のブレーキ板31の径方向外側には、アーマチュア32を貫通して摩擦板33と電磁石35とに挟まれる複数の円管状のスペーサ36が配され、各スペーサ36に摩擦板33と電磁石35を連結するボルト37または前記長軸ボルト9が通されることにより、摩擦板33と電磁石35とスペーサ36とが固定一体化されるとともに、アーマチュア32が軸方向移動可能かつ回転不能に保持されている。なお、ブレーキ板31を挟むアーマチュア32の他側面と摩擦板33の一側面には、環状のライニングが取り付けられている。そして、電磁石35のアーマチュア32との対向面に設けられた複数の凹部にブレーキばね34が弾性圧縮状態で保持されており、これらの各ブレーキばね34がアーマチュア32をブレーキ板31に向けて押圧している。なお、ブレーキばね34はコイルばねが用いられているが、他の弾性部材を採用することもできる。
したがって、電磁石35に通電していないときには、図1に示したように、ブレーキばね34に押されたアーマチュア32がブレーキ板31を撓ませて摩擦板33に押し付け、電磁石35に通電すると、図示は省略するが、電磁石35に吸引されたアーマチュア32がブレーキばね34の弾力に抗して軸方向移動し、ブレーキ板31は弾性復元してアーマチュア32および摩擦板33から離れて回転自在に解放される。
このブレーキユニット4では、通常は、動作制御機構3(の電磁石35)が非通電状態であり、ブレーキ板31とこれに連結された外輪23が回転不能に拘束されているので、中空モータ1駆動時はモータ軸12の回転を出力部21から出力側に伝達し、中空モータ1停止時に出力側から出力部21に逆入力トルクが加えられたときには、内輪22を外輪23とロックさせて回転させないようにする(ブレーキの役割を果たす)。そして、中空モータ1停止中にメンテナンス等を行う際には、動作制御機構3に通電して、ブレーキ板31および外輪23を回転自在に解放することにより、出力側からの逆入力トルクに対してブレーキをかけず、出力部21の回転をモータ軸12へ伝達するようになっている。
前記減速機構5は、ブレーキユニット4の出力部21と一体回転するように連結される中空の入力軸51のまわりに、第1遊星歯車機構52aと第2遊星歯車機構52bを軸方向に並ぶ状態で配置した差動遊星歯車機構であり、両遊星歯車機構52a、52bの径方向外側に、長軸ボルト9が通される筒状のハウジング53が配されている。なお、ハウジング53はフランジ部に複数の取付孔53aが設けられており、これらの取付孔53aを利用して中空アクチュエータ全体を外部装置に固定できるようになっている。
第1遊星歯車機構52aは、図1および図3に示すように、入力軸51の外周に相対回転不能に嵌め込まれる第1太陽歯車54aと、第1太陽歯車54aの径方向外側に配される第1内歯車55aと、第1太陽歯車54aと第1内歯車55aの両方に噛み合う複数の第1遊星歯車56aと、各第1遊星歯車56aの中心から突出する軸部を自転可能に支持する歯車支持部57とからなる。その歯車支持部57は、ハウジング53の内周側に一体形成されている。また、第1太陽歯車54aは、入力軸51の断面D字状部分の外周に嵌合固定されているが、入力軸51と一体に形成してもよい。
また、第2遊星歯車機構52bは、図1および図4に示すように、入力軸51に一体形成された第2太陽歯車54bと、第2太陽歯車54bの径方向外側に配され、第1内歯車55aと異なる歯車仕様で一体に形成された第2内歯車55bと、第2太陽歯車54bと第2内歯車55bの両方に噛み合う複数の第2遊星歯車56bと、各第2遊星歯車56bの中心に通される支軸を有し、各第2遊星歯車56bを自転可能に支持する出力キャリア58とからなる。そして、その出力キャリア58が、後述するようにクロスローラ軸受6に連結されている。
なお、入力軸51はその一端部が軸受を介して歯車支持部57に回転自在に支持されており、第1内歯車55aと第2内歯車55bは、2つの軸受を介してハウジング53に回転自在に支持されている。また、出力キャリア58には出力側に延びる円筒部が形成されており、この出力キャリア58の円筒部と入力軸51の他端部の間に組み込まれた2つの軸受により、出力キャリア58と入力軸51とが相対回転可能に保持されている。
この減速機構5では、ブレーキユニット4の出力部21から入力軸51にトルクが加えられたときは、まず、入力軸51と第1太陽歯車54aおよび第2太陽歯車54bが一体回転する。すると、第1遊星歯車機構52aでは、第1遊星歯車56aが歯車支持部57に公転を拘束された状態で自転して、第1内歯車55aを入力軸51と逆の方向に回転させる。そして、第2遊星歯車機構52bでは、第2内歯車55bが第1内歯車55aと一体に回転するので、第2遊星歯車56bが第2太陽歯車54bと第2内歯車55bの回転速度差に応じて自転しながら公転し、この第2遊星歯車56bの公転が出力キャリア58の回転となる。したがって、ブレーキユニット4の出力部21の回転を高い減速率で減速して出力側に伝達することができる。
前記クロスローラ軸受6は、内輪61と外輪62の間に複数のローラ63を周方向で隣り合うものどうしが互いに直交するように配したもので、その内輪61が減速機構5の出力キャリア58および出力部材7と一体回転するようにボルト結合されている。また、外輪62は、その出力側端面から前記長軸ボルト9が挿入されるようになっており、この長軸ボルト9が減速機構5のハウジング53、ブレーキユニット4の摩擦板33、スペーサ36、電磁石35を貫通して中空モータ1の本体部11および回転検出部13にねじ込まれることにより、中空アクチュエータ全体が一体化されている。
前記出力部材7は、上記のようにクロスローラ軸受6の内輪61と一体化されており、適宜の手段により被駆動部材(図示省略)に連結されるようになっている。そして、出力部材7の内周側には、前記入力側軸受81とともに前記中空カバー8を保持するための出力側軸受82が組み込まれている。
前記入力側軸受81と出力側軸受82は、同じ構成の片側シール付きの転がり軸受(玉軸受)からなり、図5および図6に示すように、それぞれ内輪83と外輪84の間の環状空間の軸方向外側を塞ぐシール85を有し、その内輪83に環状のカバー保持部材86が取り付けられている。カバー保持部材86は、各軸受81、82の環状空間の軸方向内側を塞ぐ断面略L字状のシール部86aを有し、そのシール部86aの軸方向突出部が内輪83の軸方向内側の肩部に嵌合している。そして、各カバー保持部材86の内周面と内側面との間に形成された環状の凹部86bに、中空カバー8の軸方向端部が嵌合固定されている。
前記中空カバー8は、中空モータ1のモータ軸12、ブレーキユニット4の出力部21、減速機構5の入力軸51のそれぞれの内周面と径方向の隙間をもって対向し、上記のように両端部がそれぞれカバー保持部材86を介して入力側軸受81の内輪83と出力側軸受82の内輪83に支持された状態で設けられている。また、図示は省略するが、中空カバー8はメッシュ状に形成されており、これにより、中空アクチュエータの放熱性が向上して、中空モータ1や減速機構5の発熱によるトラブルを防止できるとともに、中空アクチュエータ全体の軽量化が図れるようになっている。
この中空アクチュエータは、上記の構成であり、ブレーキユニット4の動作制御機構3に通電しない状態では、中空モータ1を駆動すると、そのモータ軸12の回転がブレーキユニット4の逆入力遮断機構2を介して減速機構5に伝達され、減速機構5で減速された回転がクロスローラ軸受6を介して出力部材7から被駆動部材に出力される。また、中空モータ1停止中に被駆動部材から出力部材7に逆入力トルクが加えられても、ブレーキユニット4の逆入力遮断機構2がブレーキの役割を果たすので、出力部材7は回転せず、被駆動部材の位置(姿勢)を保持することができる。一方、中空モータ1停止中に動作制御機構3に通電すれば、逆入力遮断機構2が逆入力トルクに対してブレーキをかけなくなるので、メンテナンス等の際には、被駆動部材を出力側から動かして効率よく作業を行うことができる。
そして、中空モータ1のモータ軸12、ブレーキユニット4の出力部21、減速機構5の入力軸51のそれぞれの内周面と径方向の隙間をもって対向する筒状の中空カバー8を、入力側軸受81と出力側軸受82で回転自在に支持しているので、中空カバー8の内側に通されたケーブルCがモータ軸12、ブレーキユニット4および減速機構5と接触しないし、ケーブルCが中空カバー8と接触する状態で回転しても、中空カバー8がケーブルCと摺動することなく回転し、ケーブルCの断線等のトラブルを防止することができる。このため、特に多関節ロボットの関節部等、中空部に通したケーブル自体が回転するような用途に有効に適用できる。
また、中空カバー8を支持する入力側軸受81と出力側軸受82は片側シール付き軸受とし、各軸受81、82の内輪83と中空カバー8の軸方向端部との間に、各軸受81、82の開放側をシールするカバー保持部材86を設けているので、各軸受81、82を良好な潤滑状態で使用できるし、中空カバー8の内径を両軸受81、82の内輪83の内径以上にしてケーブルCを通すスペースを広くとり、ケーブルCどうしの絡み合いによるトラブルも生じにくくすることができる。
さらに、入力側軸受81は、中空モータ1の本体部11に固定された回転検出部13の内周側に組み込まれており、モータ軸12の内周に組み込んだ場合に比べると回転量が少ないので、長期間潤滑状態が良好に維持され安定して使用できる。
図7および図8は第2実施形態を示す。この実施形態は、第1実施形態をベースとし、差動遊星歯車機構からなる減速機構5に代えて、楕円と真円の差動を利用した波動歯車装置を減速機構10として採用している。
前記減速機構10は、ブレーキユニット4の出力部21と一体回転するように連結される中空の入力軸91と、ブレーキユニット4とクロスローラ軸受6の間に配され、軸受を介して入力軸91の一端部を回転自在に支持する環状の軸支持部材92と、入力軸91の他端部の外周に固定されるウェイブジェネレータ93と、ウェイブジェネレータ93の径方向外側に配されるクロスローラ軸受6の内輪61の一部と一体形成されたサーキュラースプライン94と、ウェイブジェネレータ93とサーキュラースプライン94との間に一部を挟まれるフレックススプライン95とを備えている。
軸支持部材92は、長軸ボルト9を通されてクロスローラ軸受6の外輪62および中空モータ1の本体部11等と一体化されており、中空アクチュエータ全体の外周から突出する外周部に、中空アクチュエータ全体を外部装置に固定するための複数の取付孔92aが設けられている。そして、サーキュラースプライン94が出力部材7に固定され、フレックススプライン95がクロスローラ軸受6の外輪62に固定されることにより、ブレーキユニット4の出力部21の回転を高い減速率で減速して出力部材7に伝達するようになっている。
この第2実施形態では、上述したように、高減速率でもコンパクトな構造とすることができる波動歯車装置を減速機構10として採用したので、差動遊星歯車機構からなる減速機構5を組み込んだ第1実施形態に比べて、中空アクチュエータ全体が軸方向に小型化されたものとなっている。
また、この第2実施形態では、出力部材7の外周に取り付けた磁気ホイール18と、磁気ホイール18に軸方向で対向するようにクロスローラ軸受6の外輪62に取り付けた磁気センサ19を構成要素とするアブソリュートエンコーダ20によって、出力部材7の回転位置を検出するようにしている。このアブソリュートエンコーダ20は、クロスローラ軸受6の外輪62に取り付けられたカバー64で覆われている。
ここで、磁気センサ19は、図8に示すように、2つ(1対)が磁気ホイール18の軸心に対して対称に配置されており、これらの磁気センサ19の信号を平均化して用いることにより、磁気ホイール18の傾き等による誤差を吸収して、出力部材7の回転位置を精度よく検出できるようになっている。なお、磁気センサの配置は2対以上とすることもできる。
そして、このアブソリュートエンコーダ20による出力部材7の回転位置の検出値と、入力側のエンコーダ17によるモータ軸12の回転数の検出値に基づいて、出力部材7の回転位置が目標位置となるように中空モータ1を制御するクローズド制御を行うことにより、出力部材7の位置決め精度の向上を図っている。
なお、入力側のエンコーダおよび出力側のアブソリュートエンコーダの検出方式は、光学式のものとすることもできるが、密封構造の重さや回転抵抗の大きさの点では、実施形態のような磁気式のものの方が好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 中空モータ
2 逆入力遮断機構
3 動作制御機構
4 ブレーキユニット
5 減速機構(差動遊星歯車機構)
6 クロスローラ軸受
7 出力部材
8 中空カバー
10 減速機構(波動歯車装置)
12 モータ軸
13 回転検出部
15 磁気ホイール
16 磁気センサ
17 エンコーダ
18 磁気ホイール
19 磁気センサ
20 アブソリュートエンコーダ
81 入力側軸受
82 出力側軸受
83 内輪
84 外輪
85 シール
86 カバー保持部材
86a シール部
C ケーブル

Claims (7)

  1. 中空のモータ軸を有する中空モータを一端部に配し、前記モータ軸から中空の減速機構を介して伝達された回転を出力する環状の出力部材を他端部に配した中空アクチュエータにおいて、
    前記中空モータの内周側に、転がり軸受からなる入力側軸受が前記モータ軸と干渉しないように組み込まれるとともに、前記出力部材の内周側に転がり軸受からなる出力側軸受が組み込まれており、前記モータ軸の内周面および前記減速機構の内周面と径方向の隙間をもって対向する筒状の中空カバーが、その両端部を前記入力側軸受の内輪と出力側軸受の内輪に支持された状態で設けられていることを特徴とする中空アクチュエータ。
  2. 前記入力側軸受および出力側軸受は、それぞれの内輪と外輪の間の環状空間の軸方向外側を塞ぐシールを有する片側シール付き軸受であり、それぞれの内輪に、前記環状空間の軸方向内側を塞ぐシール部を有し、前記中空カバーの軸方向端部を支持する環状のカバー保持部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の中空アクチュエータ。
  3. 前記中空カバーがメッシュ状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の中空アクチュエータ。
  4. 前記中空モータは、前記モータ軸の回転数を検出するエンコーダを組み込むための回転検出部が固定的に設けられており、その回転検出部の内周側に前記入力側軸受が組み込まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中空アクチュエータ。
  5. 前記出力部材の回転位置を検出するアブソリュートエンコーダと、前記モータ軸の回転数を検出するエンコーダを組み込み、前記出力部材の回転位置の検出値および前記モータ軸の回転数の検出値に基づいて、前記出力部材の回転位置が目標位置となるように前記中空モータを制御するクローズド制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の中空アクチュエータ。
  6. 前記アブソリュートエンコーダが、前記出力部材に取り付けられる磁気ホイールと、前記磁気ホイールに軸方向で対向する位置に固定的に設けられる磁気センサを構成要素とするものであり、前記磁気センサは磁気ホイールの軸心に対して対称に複数配置されていることを特徴とする請求項5に記載の中空アクチュエータ。
  7. 前記減速機構が波動歯車装置であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の中空アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021219200A1 (de) * 2020-04-28 2021-11-04 Rethink Robotics Gmbh Antriebseinrichtung für ein robotikgelenk
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WO2024073941A1 (zh) * 2022-10-08 2024-04-11 深圳市越疆科技有限公司 机械臂及其关节模组

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