JP5534350B2 - コネクタ装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、機器用コネクタの取付公差によらずコネクタの嵌合検知を確実に行えるようにするところにある。
ハーネス側コネクタの嵌合検知部をショートピンと中継端子によって構成したから、機器側コネクタの取付公差を中継端子の隙間によって吸収でき、嵌合検知を確実に行うことができる。ショートピン、中継端子共に既存品が適用でき、従来のショートハーネスと比べて安価に対応できる。
(1)前記ハーネス側コネクタの嵌合端面には、前面に開口した装着孔が形成され、この装着孔の奥面には、前記ショートピンの前記連結部が圧入される圧入溝が形成されているとともに、前記一対の中継端子を後方から個別に挿入可能な収容室を備え、かつ両収容室の前面に嵌合検知用の前記雄端子が挿入される端子挿入口が開口されたカバーが前記装着孔内に前方から挿入可能に設けられ、前記カバーと前記装着孔との間に前記カバーを抜け止めする抜け止め部が設けられている。
ハーネス側コネクタの嵌合検知部は、ショートピン、中継端子及びカバーを装着孔の前方から順次に挿入することで組み付けられ、組付作業を能率良く行うことができる。
カバーを径方向の位置ずれを規制した状態で装着孔内に挿入することができるから、先に装着されている中継端子を収容室にスムーズに収容しつつカバーを挿入することができ、すなわちカバーの挿入作業を能率良く行うことができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図25に基づいて説明する。
本実施形態は、バッテリと車載機器とを結ぶ電気系統に介設されるコネクタ装置を例示しており、図1に示すように、ケース10内に装備される機器側コネクタ20と、ワイヤハーネスの端末に接続されて上記機器側コネクタ20と嵌合されるハーネス側コネクタ30とから構成されている。
雌端子31は、導電性に優れた金属板をプレス加工して形成され、図22に示すように、上記した機器側コネクタ20に設けられたバスバー25が嵌合接続される扁平な角筒形の接続部32を有しており、同接続部32の後方に設けられたバレル33が、被覆電線wにおける皮剥きされて露出した芯線waの端末にかしめられることで、被覆電線wの端末に固着されている。
なお、雌ハウジング35の前面における両キャビティ36の間の位置には、相手の雄ハウジング21の嵌合凹部23の奥面に立てられた仕切壁26が挿入されるガイド溝39が形成されている。
各雌端子31は、対応するキャビティ36内にランスを撓み変位させつつ後方から挿入され、前壁37に当たる正規位置まで挿入されると、ランス36Aが復元変位してランス孔32Aに嵌ることによって、雌端子31はキャビティ36内に抜け止めされて収容されるようになっている。
ショートピン50は導電性に優れた金属板をプレス加工して形成され、方形状をなす連結板51の前縁から一対のピン52が所定間隔を開けて並んで突設された形状である。両ピン52の間隔は、雄ハウジング21の嵌合検知部27における両雄タブ28の間隔に等しく、またピン52の長さは、上記雄タブ28の突出長さの半分程度である。連結板51の両側縁には食込突起53が形成されている。
各接続部57の側面の上縁(点対称位置)にはスタビライザ59が形成されている。
カバー本体61内には、間に仕切壁63が形成されることにより、中継端子55を全長に亘って後方からほぼ緊密に挿入可能とした収容室64が形成されている。各収容室64の前面壁64Aには、雄ハウジング21側の嵌合検知部27に設けられた雄タブ28が挿入されるタブ挿入口65が開口されている。各収容室64の天井面の左右両側縁には、中継端子55のスタビライザ59を挿通案内するガイド溝66が形成されている。
また、取付筒部70における正面視右側の側壁には、上記した装着孔41の右側面に形成されたリブ45を挿入して逃がす逃がし溝72が、奥縁から手前側に切り込み形成されている。
各ガイドリブ75の前端には、雌ハウジング35の外面から直角に外方に突出したストッパ76が形成されている。
雌ハウジング35の上下の面におけるガイドリブ75の間の位置には、ロック片78が後方を向いた片持ち状に形成され、同ロック片78の先端には、シールドシェル80の後縁に係止する係止突起79が形成されている。
このように雌ハウジング35に装着されたシールドシェル80は、ケース10の嵌合用開口11の表面側の口縁に当てられて固定されるが、そのため嵌合用開口11は、少なくとも、全6個のストッパ76を内側に嵌めることができる大きさに形成されている。
ハーネス側コネクタ30において、嵌合検知部40が組み付けられる。それには、図10及び図11に示す状態から、まずショートピン50が装着孔41内の奥に設けられた装着筒部44の圧入溝46に圧入されて固定され、このときショートピン50の両ピン52は、図23に示すように、先端側の8割程度の長さ部分が装着筒部44の前面から突出する。
次に、左右一対の中継端子55が、基板56を上側に配した姿勢を採った上で、奥側の接続部57が対応するピン52に向けて押し込まれる。各中継端子55は、それぞれの奥端が装着筒部44の前面に当たったところで押し込みが停止され、そのときピン52の先端は、弾性接触片57Aを弾性撓みさせつつ対向した底面との間に割って入り、弾性接触片57Aの頂点を超えた位置まで達している。
このとき、各中継端子55は、カバー本体61の収容室64内に全長がすっぽりと収まった状態となる。カバー本体61の前面は、装着孔41の前面開口とほぼ面一に位置し、各収容室64の前面壁64Aのタブ挿入口65の直後に、中継端子55の前側の接続部57が位置する。後側の接続部57には、上記したように、ショートピン50の対応するピン52が所定量挿入されて、正規接続された状態にある。また、カバー本体61の外周面と装着孔41の内周面との間には、機器側の嵌合検知部40において雄タブ28の回りに立てられた突壁29が嵌合可能なクリアランス62が形成される。
図20に示すように、ハーネス側コネクタ30に装着されたシールドシェル80のフランジ81が、嵌合用開口11の表面側の口縁部に当たったところで押し込みが停止され、すなわち正規に嵌合された状態となる。この間に、図21に示すように、ケース10の嵌合用開口11の口縁部に突設されたボルト14が、シールドシェル80のフランジ81の延出部82に形成された挿通孔83に挿通されるから、同ボルト14にナット(図示せず)を螺合して締め付けることで、フランジ81がケース10に当てられた形態で固定される。
これにより、両コネクタ20,30の対応したバスバー25と雌端子31同士が正規に接続され、また、被覆電線wからバスバー25と雌端子31との嵌合部分に亘ってシールドされた状態となる。
これにより機器側コネクタ20の嵌合検知用の一対の雄タブ28が、両中継端子55とショートピン50とを介して接続され、機器側コネクタ20に設けられた動力用の電気回路が導通状態とされ、結果、両コネクタ20,30が正規嵌合されたことが検知される。
そのため、取付公差内において、図1の矢線Aに示すように、雄ハウジング21の嵌合凹部23の開口面がケース10の嵌合用開口11から大きく離間して配された場合、言い換えると雌ハウジング35の嵌合深さが浅く留められる場合は、図24に示すように、雄タブ28のカバー60内への進入寸法が小さくなるものの、雄タブ28の先端は、中継端子55の前側の接続部57における弾性接触片57Aの頂点を超えた位置までは達し、当該接続部57との電気的な接続は担保される。
結果、J/B22すなわち機器側コネクタ20の公差内での取付誤差によらず、正確に嵌合検知を行うことができる。
カバー60が装着孔41内に装着された場合、カバー本体61の外周面は装着孔41の内面との間に、機器側コネクタ20の嵌合検知部40に設けられた突壁29が嵌合可能なクリアランス62を持って装着されるようになっているが、カバー60の後端側には、カバー本体61よりも径の大きい取付筒部70が形成され、かつその外周面にリブ71が立てられることで、リブ71も含めて取付筒部70の外形が装着孔41の内周面に緊密に嵌る形状に形成されているから、カバー60を径方向の位置ずれを規制した状態で装着孔41内に挿入することができ、そのため先に装着されている中継端子55を収容室64にスムーズに収容しつつカバー60を挿入することができ、すなわちカバー60の挿入作業を能率良く行うことができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ハーネス側コネクタの嵌合検知部の組付手順として、上記実施形態に例示した以外に、例えば、カバー内に先に中継端子を収容し、同カバーを圧入装着されているショートピンに向けて差し込むようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、機器用コネクタの雄ハウジングの形状として、J/Bの外面に単に嵌合凹部を穿設したものを例示したが、J/Bの外面にフード部を形成して同フード部の内側に嵌合凹部を設けた構造であってもよく、そのようなものにも本発明は同様に適用することができる。
(4)本発明は上記実施形態に例示した機器用のシールドコネクタ装置に限らず、例えばパネルの裏側で待ち受けたコネクタに対し、同パネルに形成した嵌合用開口を通して相手のコネクタを嵌合するようにしたコネクタ装置についても、同様に適用可能である。
(5)本発明は、防水型のコネクタ装置にも同様に適用することができる。
10…ケース
11…嵌合用開口
14…ボルト(締結金具)
20…機器側コネクタ
21…雄ハウジング
22…J/B
23…嵌合凹部
25…バスバー(一の接続端子)
27…嵌合検知部(嵌合検知機構)
28…雄タブ(嵌合検知用の雄端子)
29…突壁(壁部)
30…ハーネス側コネクタ
31…雌端子(他の接続端子)
35…雌ハウジング
40…嵌合検知部
41…装着孔
44…装着筒部
46…圧入溝
47…ロック突部(抜け止め部)
50…ショートピン
51…連結板(連結部)
52…ピン
55…中継端子
56…基板
57…接続部
57A…弾性接触片
58…隙間
60…カバー
61…カバー本体
62…クリアランス
64…収容室
65…タブ挿入口(端子挿入口)
70…取付筒部
71…リブ
73…ロック溝(抜け止め部)
80…シールドシェル
81…フランジ(取付板/取付部)
Claims (5)
- 嵌合用開口が形成された機器のケースと、
一の接続端子を備え前記ケース内において前記嵌合用開口に臨んで配置される機器側コネクタと、
前記一の接続端子と接続される他の接続端子を備えワイヤハーネスの端末に接続されたハーネス側コネクタと、が設けられ、
前記ハーネス側コネクタが前記ケースの前記嵌合用開口を通して前記機器側コネクタと嵌合され、かつ同ハーネス側コネクタに設けられた取付部が前記ケースに固定されるようになっているとともに、
前記両コネクタの間には当該両コネクタの嵌合状態を検知する嵌合検知機構が備えられたコネクタ装置において、
前記嵌合検知機構は、前記機器側コネクタに嵌合検知用の一対の雄端子が設けられる一方、
前記ハーネス側コネクタには、一対のピンの基端同士を連結部で連結したショートピンと、当該ショートピンの前記ピンと前記雄端子とがそれぞれ接続される接続部を長さ方向の両端部に間隔を開けて形成してなる一対の中継端子とが設けられることによって形成されていることを特徴とするコネクタ装置。 - 前記ハーネス側コネクタの嵌合端面には、前面に開口した装着孔が形成され、この装着孔の奥面には、前記ショートピンの前記連結部が圧入される圧入溝が形成されているとともに、
前記一対の中継端子を後方から個別に挿入可能な収容室を備え、かつ両収容室の前面に嵌合検知用の前記雄端子が挿入される端子挿入口が開口されたカバーが前記装着孔内に前方から挿入可能に設けられ、
前記カバーと前記装着孔との間に前記カバーを抜け止めする抜け止め部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。 - 前記機器側コネクタの嵌合端面には、前記一対の雄端子が回りを壁部で囲まれた形態で突設されている一方、前記ハーネス側コネクタの前記装着孔には、前記カバーが同装着孔の内面との間に前記壁部が挿入可能なクリアランスを持って装着されるようになっており、かつ前記カバーにおける奥端側の外面には、同カバーの径方向の位置ずれを規制するリブが形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ装置。
- 前記機器側コネクタには動力用の電気回路が構成されており、前記一対の嵌合検知用の雄端子同士が接続状態である場合に前記電気回路が導通される一方、前記雄端子同士が非接続状態である場合に前記電気回路が遮断されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
- 前記機器のケースが金属製である一方、前記ハーネス側コネクタには前記他の接続端子の回りを覆うようにしてシールドシェルが装着され、このシールドシェルから張り出し形成された取付板が、前記ケースの外面に締結金具により固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
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