JP5523303B2 - 高甘味度甘味料含有安定化組成物 - Google Patents

高甘味度甘味料含有安定化組成物 Download PDF

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Description

本発明は、高甘味度甘味料を含有する安定化組成物に関する。
近年、食生活の高度化に伴い、特に糖分の摂取過多による肥満及びこれに伴う各種の疾病が問題となっており、砂糖に替わる低カロリー甘味料の開発が望まれている。
現在、低カロリー甘味料として安全性及び甘味の質の観点から優れているアスパルテームが広汎に使用されている。
しかしながら、アスパルテームは、その構造的特徴(ペプチド結合)から、中性域で分解しやすい傾向がある。従って、中性域における水溶液中での安定性に問題があることが知られている(非特許文献1〜4)。ここで、アスパルテーム濃度の減少に伴い、甘味は減少するが、それに伴う生成物の味への影響のないことが報告されている(非特許文献5)。しかしながら、食品に用いられるアスパルテーム濃度の減少は、食品に含まれる他の成分の渋味等の異味を生じる可能性がある。かかる場合に、アスパルテームの甘味の低下を補填し、渋みを呈する食品の渋味をマスキングする方法として、アスパルテームと甘味の閾値以下の量の甘味剤を添加する方法が知られている(特許文献1)。この方法は、アスパルテームの甘味の低下を他の甘味料で補填するもので、アスパルテームの分解を抑制するものではない。
また、ネオテームは、アスパルテームを構成するアスパラギン酸の窒素原子上に3,3−ジメチルブチル基を導入した誘導体で砂糖の約8000倍の甘味度を有することが知られている(非特許文献1)。ネオテームは、同様にペプチド結合を有する点がアスパルテームと一致するものの、pH3.0から5.5の水溶液中においてアスパルテームよりも安定であることが知られている。しかし、ネオテームはpH5.5から7.0の中性域において、アスパルテームより安定であるがエステル部分が比較的容易に加水分解されることが報告されている。従って、中性域でのネオテームの使用は、制限されるため、広範な食品等への応用が困難であった。
特開平10−262600号公報
食品と科学 27巻 2号 78〜83頁 1985年 月刊フードケミカル 1巻 6号 48〜53頁 1985年 月刊フードケミカル 13巻 8号 32〜42頁 1997年 食品の包装 18巻 2号 29〜34頁 1987年 Food Chemistry 69 (2000) 245-257
ペプチド結合を有するネオテームまたはアスパルテーム等の高甘味度甘味料(アスパルチルジペプチドエステル誘導体)の特定条件下における加水分解を防止すること、更に加水分解による該甘味料の純度の低下およびそれに伴う甘味力の低下を防止することが解決しようとする課題である。加えて、高甘味度甘味料の食品等への広範な応用が解決しようとする課題である。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ネオテームに代表される高甘味度甘味料とポリフェノール類が共存する組成物に中性域の条件下において加水分解されにくい性質を見出し、本発明を完成するに到った。更に、高温条件下においても加水分解されにくい性質を見出した。すなわち、本発明は、以下の通りである。
項1:高甘味度甘味料およびポリフェノール類を含有する安定化組成物。
項2:高甘味度甘味料が、アスパルチルジペプチドエステル誘導体である、項1に記載の安定化組成物。
項3:アスパルチルジペプチドエステル誘導体が、アスパルテームまたはネオテームである、項2に記載の安定化組成物。
項4:アスパルチルジペプチドエステル誘導体が、ネオテームである、項3に記載の安定化組成物。
項5:ポリフェノール類が、カテキン類、フラバノン、没食子酸、没食子酸プロピル、クロロゲン酸、およびプロトアントシアニジン類からなる群から選択される1種以上のポリフェノール類である、項1〜項4のいずれか一項に記載の安定化組成物。
項6:ポリフェノール類が、カテキン類である、項5に記載の安定化組成物。
項7:カテキン類が、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンおよびエピカテキンからなる群から選択される1種〜4種である、項6に記載の安定化組成物。
項8:ポリフェノール類が、フラバノンである、項5に記載の安定化組成物。
項9:ポリフェノール類が、没食子酸である、項5に記載の安定化組成物。
項10:ポリフェノール類が、クロロゲン酸である、項5に記載の安定化組成物。
項11:ポリフェノール類が、プロトアントシアニジン類である、項5に記載の安定化組成物。
項12:高甘味度甘味料1重量部に対してポリフェノール類を5.0重量部〜500重量部含有してなる、項1〜項11のいずれか一項に記載の安定化組成物。
項13:高甘味度甘味料1重量部に対してポリフェノール類を5.0重量部〜30重量部含有してなる、項12に記載の安定化組成物。
項14:高甘味度甘味料1重量部に対してポリフェノール類を10重量部〜30重量部含有してなる、項13に記載の安定化組成物。
項15:項1〜14に記載の安定化組成物を含有する食品。
項16:食品が、ゲル状食品、飲料、菓子、調味料またはつけものである、項15に記載の食品。
項17:ゲル状食品が、ゼリー、プリン、または氷菓である、項16に記載の食品。
項18:飲料が、茶飲料、果汁配合飲料、コーヒー飲料、乳飲料、炭酸飲料、豆乳、ニアウォーター飲料、ダイエットサポート飲料、栄養補給飲料、またはアルコール飲料である、項16に記載の食品。
本発明は、高甘味度甘味料の経時的分解を防止することができるので、長期保存可能な安定化組成物を提供することができる。また、本発明における安定化組成物を含有する長期保存可能な茶飲料、コーヒー飲料、ニアウォーター飲料、ダイエットサポート飲料、栄養補給飲料等の飲料;ゼリー、プリン、氷菓等のゲル状食品;チューインガム等の菓子;調味料;またはつけものを提供することができる。前記安定化組成物および該組成物を含有する食品は、高甘味度甘味料の特性を最大限に活用することができる。すなわち、甘味を付与することができるだけでなく、高甘味度甘味料に特有のフレーバー増強効果、不快な風味のマスキング効果を生かした食品を提供することができる。また、これらの効果を長期にわたり保持することもできる。加えて、食品等に用いられる砂糖等の一部を高甘味度甘味料と置換しても、砂糖と同等の甘味を保持することができるため、糖及びカロリーが低減された食品等を提供できる。更に、ポリフェノール類自体の効果、効能、薬効も提供できる。ポリフェノール類は、緑茶、果実等に含まれるものであり安全性も確認されていることから、長期に摂取した場合であっても安全な食品を提供することができる。
以下に本発明の実施の態様について説明する。
本明細書において使用する用語の意味は以下のとおりである。
「高甘味度甘味料」とは、アスパルチルジペプチドエステル誘導体を意味する。アスパルチルジペプチドエステル誘導体の具体例としてはアスパルテーム(L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン メチルエステル);ネオテーム(N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン メチルエステル);特許第3959964号に記載のアスパルチルジペプチドエステル誘導体(N−[N−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(3−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−チロシン 1−メチルエステル、N−[N−3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(2,4−ジメトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(3−メチル−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、N−[N−3−(4−メチルフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステルなど);特開2001−97998号公報に記載のアスパルチルジペプチドエステル誘導体(N−[N−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステルなど);WO00/00608号公報に記載のアスパルチルジペプチドエステル誘導体(N−[N−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−(α‐メチル)フェニルアラニン 1−メチルエステルなど);特開平7−285991号公報に記載のジペプチド誘導体(α−L−アスパルチル−D−α−アミノ酸(S)α−エチルベンジルエステルなど)などが挙げられる。
「アスパルチルジペプチドエステル誘導体」としては、アスパルテーム、ネオテーム、または特許第3959964号に記載のいずれか一つのアスパルチルジペプチドエステル誘導体が好ましく、アスパルテームまたはネオテームがより一層好ましく、ネオテームが特に好ましい。
「ポリフェノール類」とは、水酸基を複数有するフェノール構造を有する一連の化合物を意味し、例えば、フラボノイド、クロロゲン酸類(コーヒー豆由来)、プロトアントシアニジン類(ブドウ種子由来)、テアフラビン類(紅茶由来)、テアルビジン類(紅茶由来)、没食子酸(茶由来)、没食子酸プロピル(茶由来)等が挙げられる。
「フラボノイド」としては、例えば、フラボン(ルチン、ルテオリン等)、フラノロール(ケルセチン、ケンフェロール等)、フラバノン(へスペリジン、ナリンジン等)、カテキン類、アントシアニジン(シアニジン等)、イソフラボン(ゲニステイン、ゲニスチン、ダイゼイン等)等が挙げられる。かかる「フラボノイド」は、茶、コーヒー、ココア、ワイン、ブドウ、リンゴ、ベリー類、チェリー、レモン、オレンジ、シークワシャー、グレープフルーツ、メロン、タマネギ、ブロッコリー、ホウレンソウ、ニンジン、セロリ、ナス、ニンニク、キャベツ、メキャベツ、キュウリ、ソバ、玄米、大豆、小豆、大麦、バジル、タラゴン、ハッカ、オレガノ、タイム、セージ、ローズマリーまたはそれらの混合物に由来するものが挙げられる。「フラボノイド」としては、フラバノンまたはカテキン類が好ましく、カテキン類がより好ましい。
「カテキン類」としては、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等が挙げられる。とりわけ、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンまたはエピカテキンがより好ましい。エピカテキンガレートが更に好ましい。「カテキン類」は、これらの混合物であってもよい。混合物としては、例えば、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピカテキンおよびエピガロカテキンからなる群から選択される2種以上の混合物、具体的には、かかる4種からなるカテキンミクスチャーなどが挙げられる。
「ポリフェノール類」としては、茶由来またはブドウ種子由来のポリフェノール類、すなわち、カテキン類、フラバノン、没食子酸、没食子酸プロピル、またはプロトアントシアニジン類が好ましい。特に、茶に由来するものは、飲料としての応用も容易であり、好適である。茶に含まれるカテキン類は、水溶性に優れ、日常的に飲用される嗜好飲料としての実績から好ましい。ポリフェノール類は、これら植物原料から水ないし熱湯で抽出し、残渣をろ過する方法、あるいは搾汁液から不溶性物を取り除く方法等公知ないし周知の一般的方法より製造することができる。
安定化組成物の全量における「高甘味度甘味料」と「ポリフェノール類」の配合割合は、「高甘味度甘味料」の経時的分解を抑制し「高甘味度甘味料」の安定化効果が見出せる配合割合であればよく、具体的には、「高甘味度甘味料」1重量部に対して「ポリフェノール類」を5.0重量部〜500重量部用いるのが好ましく、5.0重量部〜30重量部用いるのがより好ましい。「高甘味度甘味料」1重量部に対して10重量部〜30重量部用いるのがより一層好ましい。
「安定化組成物」とは、「高甘味度甘味料」が加水分解されることなく安定した状態で存在し得る組成物を意味する。すなわち、「高甘味度甘味料」の加水分解による経時的分解が抑制される組成物を意味し、「高甘味度甘味料」の加水分解速度の半減期が延長されることを意味する。安定化組成物は、固体または液体のいずれの状態であってもよい。具体的には、「高甘味度甘味料」および「ポリフェノール類」を粉体で混合してなる配合用原体としての固体組成物(粉末、錠剤等)、これら固体粉末組成物を飲料用に原液に加えてなる飲料等の液体組成物、または「高甘味度甘味料」および「ポリフェノール類」をそれぞれ含有する水溶液を混合してなる液体組成物として存在してもよい。また、食品、例えば、ゲル状食品、飲料、または調味料等を製造する際に高甘味度甘味料とポリフェノール類を固体、抽出液、または水溶液等の液体の形で別々に添加することにより、結果として食品中で安定化組成物を形成する態様であってもよい。
「安定化組成物」は、「高甘味度甘味料」および「ポリフェノール類」の他に、本願発明の効果を損なわない限り、食品添加物として使用可能な各種の甘味料(砂糖、ブドウ糖、果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムカリウム、フラクトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、酸味料(天然成分から抽出した果汁類の他、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸等)、無機酸もしくは無機酸塩類(リン酸、リン酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等)、有機酸もしくは有機酸塩類(クエン酸、コハク酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム等)、栄養強化剤(β―カロテン、ビタミンA、ビタミンB、ビオチン、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、コエンザイムQ10、α―リポ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸、タウリン、カルチニン、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅等)、酸化防止剤、香料、色素類、乳化剤、保存料、調味料、脂質類、タンパク質類、ペプチド類、多糖類、食物繊維類、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤等を単独または併用することができる。
「ゲル状食品」とは、水分含量が全体に対して50%以上である食品のことを意味する。「ゲル状食品」は、飲料および上記安定化組成物を原材料に適量配合して定法にしたがって加工することによって製造することができる。「ゲル状食品」の具体例としては、ヨーグルト、ゼリー、プリン、氷菓等が挙げられる。
「飲料」としては、例えば、緑茶、ウーロン茶、または紅茶等の茶飲料;リンゴジュース、グレープフルーツジュース、またはオレンジジュース等のジュース類等の果汁配合飲料;野菜汁配合飲料;コーヒー飲料;ココア飲料;牛乳、またはドリンクヨーグルト等の乳飲料;コーラ、またはサイダー等の炭酸飲料;スポーツ飲料;アミノ酸飲料;豆乳;ミネラルウォーター;ニアウォーター飲料;ダイエットサポート飲料;栄養補給飲料;またはビール、発泡酒、雑酒、ワイン、または日本酒等のアルコール飲料等が挙げられる。
前記飲料は、緑茶、ウーロン茶、または紅茶等の茶飲料;コーヒー飲料;果汁配合飲料ないしその原材料(例えば、茶抽出液、果汁、コーヒー抽出液)に上記安定化組成物を適量配合することによって製造することができる。茶飲料の場合は、茶飲料それ自体にカテキン等のポリフェノール類が含有されているので、結果的にネオテームを安定化し得る範囲で適量配合することによっても製造することができる。
「菓子」としては、チョコレート、チューインガム、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、クッキー、ケーキ等が挙げられる。
「調味料」としては、例えば、醤油、ドレッシング、たれ、マヨネーズ、食酢、味噌、みりん等が挙げられる。
「つけもの」としては、例えば、調味液に野菜を浸して製造する甘酢漬け、浅漬け等が挙げられる。
食品全体に対する「高甘味度甘味料」の含有量は、食品(飲料、ゲル状食品、菓子、またはつけものなど)に所望の甘味を付与するために有効な量であればよい。有効な量は、飲料、ゲル状食品、菓子またはつけものの種類によって異なってもよい。
なお、甘味は対象とする飲料、ゲル状食品、菓子またはつけものの種類、それに含まれる他の成分、並びに甘味の個々の嗜好性等の要因によって種々変動し得るものである。従って、本発明の「高甘味度甘味料」の配合量も、最終製品において所望の呈味を得るために、当業者の通常の能力に応じて裁量的に変化して用いることができる。
食品全体に対する高甘味度甘味料の含有量は、具体的には、食品の全量に対して0.1〜3000重量ppmが好ましい。前記含量は、用いる高甘味度甘味料の甘味度によって異なってよい。例えば、アスパルテームを用いる場合には、食品の全量に対して3.0〜3000重量ppmが好ましい。コーヒー飲料、紅茶カテキン含有緑茶飲料において、ネオテームを全量に対して0.1重量ppm添加することによりこれらの飲料の苦味、渋みを抑制することができる。また、砂糖や、液糖を使用して甘味を出している食品において砂糖や液糖の20〜30%をネオテームで置換し、全量に対してネオテームを1.0〜5.0重量ppmを添加することにより甘味を変えずに砂糖や液糖の使用量を減らすことができる。ノンシュガーのチューインガムにネオテームを全量に対して2000重量ppm添加することにより長時間甘味を持続させることができる。上記のような配合例から、ネオテームを用いる場合には、食品の全量に対して0.1〜2000重量ppmが好ましい。尚、高甘味度甘味料の含有量は、対象とする食品の種類、それに含まれる他の成分、並びに甘味の個々の嗜好性等の要因によって種々変動し得るものであるため、前記範囲に限定されることはない。
高甘味度甘味料に特有のフレーバー増強効果、不快な風味のマスキング効果については、どのような作用機序で呈味改善作用をしめすのか明らかではないが、これら高甘味度甘味料は他の甘味料と比較して甘味の立ち上がりが遅く、甘味が長く続くという特徴を持っている。この特長により、甘味の立ち上がりが遅いことから、甘味がフレーバーを覆い隠すことなく、フレーバーが際立つ効果、すなわちフレーバー増強効果が見られ、また、甘味が長く続くことにより、甘味で不快な風味が覆い隠される効果、すなわちマスキング効果が得られると考えられる。
高甘味度甘味料及びポリフェノール類を含有する安定化組成物の一般製造法について説明する。安定化組成物は、高甘味度甘味料とポリフェノール類を固体で配合することにより固体として製造することができる。また、ポリフェノール類を植物原料から抽出した抽出液に高甘味度甘味料を固体、あるいはその水溶液を配合することにより水溶液として製造することもできる。前記で得られる水溶液を濃縮乾固や凍結乾燥などの方法で乾燥し、固体として製造することもできる。
安定化組成物を含有する食品は、上記組成物を食品の一成分として添加するだけでよい。また、ポリフェノール類、高甘味度甘味料をそれぞれ別の成分として食品に添加してもよい。対象食品への安定化組成物の添加は、常法により行うことができる。例えば、食品類の製造工程において、混和、混練、溶解、浸漬、浸透、散布、噴霧、注入などの適宜の方法を採用して、対象食品類に含有させることができる。
本発明には、高甘味度甘味料を含有する組成物の安定化方法も含まれる。すなわち、高甘味度甘味料を含有する組成物にポリフェノール類を同時にまたは別々に添加することで、かかる組成物にポリフェノール類を含有せしめることにより、高甘味度甘味料の経時的加水分解を防止することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:
1.緑茶中のネオテームの長期安定性試験
ネオテーム(ニュートラスイート社製。分子量378)0.005g/100ml、緑茶カテキン154mg/100mlとなるように調製したpH5.8の緑茶を25℃の温度で保存し、180日間のネオテームの経時安定性を試験した。
2.ネオテーム濃度の測定
ネオテーム濃度の測定は、紫外吸収検出器を備えた高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。内径4.6mm、長さ100mmで粒子サイズ5μmのODSカラム(ワットマン社製)を用い25%アセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)(0.02Mヘプタンスルホン酸ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)、0.5%トリエチルアミン(ナカライテスク株式会社製)を含む。pH2.6)を流速1.5mL/分で通液した。サンプルは0.45μmのフィルターに通した後、高速液体クロマトグラフィーに供した。210nmでの紫外吸収をモニターすることによりネオテームの濃度を測定した。
上記経時安定性試験の結果からネオテームの半減期を求めた。25℃で保存したときのネオテームの半減期は、210日であった。この半減期をFood Chem.,69,245(2000)に記載のpH5.5のリン酸緩衝液中、保存温度25℃におけるネオテームの半減期、16.01週間(112.07日)と比較すると1.9倍長くなっており、茶カテキンの効果によりネオテームの安定性が増加した。
3.緑茶飲料の調製
ネオテーム(ニュートラスイート社製。分子量378)0.0001g/100ml、緑茶カテキン154mg/100mlとなるように調製したpH5.8の緑茶を140℃、45秒のUHT殺菌を行った。
このようにして調製した緑茶飲料は、ネオテームの甘味はしないもののカテキンの苦味、渋みが抑制された飲料となった。
実施例2:
1.コーヒーゼリー中のネオテームの長期安定性試験
100gのコーヒー豆に対し400mlの95℃の熱水を加え市販のコーヒーメーカーでコーヒー抽出液を調製した。
ゲル化剤(大日本住友製薬株式会社製)1g、液糖8.4g、砂糖2.5g、水61.7gの溶液にコーヒー抽出液16.4g、ネオテーム0.5g/100mlの水溶液10gを加え混合し、ゼリーカップに約70mlを充填し85℃、30分間の殺菌を行った。殺菌後冷却しネオテームを500ppm含有したコーヒーゼリーを調製した。このゼリーを40℃の温度で保存し120日間のネオテームの経時安定性を試験した。
2.ネオテーム濃度の測定
ネオテーム濃度の測定は、実施例1と同様の方法で行った。サンプルは、コーヒーゼリー10gをHPLC移動相に溶解し100mlにメスアップした後、0.45μmのフィルターに通し、高速液体クロマトグラフィーに供した。210nmでの紫外吸収をモニターすることによりネオテームの濃度を測定した。
上記経時安定性試験の結果からネオテームの半減期を求めた。40℃で保存したときのネオテームの半減期は、117日であった。この半減期をFood Chem.,69,245(2000)に記載のpH5.0のリン酸緩衝液中、保存温度25℃におけるネオテームの半減期、37.94日と比較すると3倍長くなっており、コーヒー抽出液に含まれるポリフェノール類の効果によりネオテームの安定性が増加した。
3.砂糖の25%をネオテームで置換したコーヒーゼリーの調製
100gのコーヒー豆に対し400mlの95℃の熱水を加え市販のコーヒーメーカーでコーヒー抽出液を調製した。
ゲル化剤(大日本住友製薬株式会社製)1g、液糖8.4g、砂糖2.5g、水67.8gの溶液にコーヒー抽出液16.4g、ネオテーム100ppmの水溶液3.9gを加え混合し、ゼリーカップに約70mlを充填し85℃、30分間の殺菌を行った。殺菌後冷却しネオテームを3.9ppm含有したコーヒーゼリーを調製した。得られたコーヒーゼリーは、ネオテームで置換していないコーヒーゼリーと同等の甘味を有しており、砂糖を減らしたことによりカロリーの低減されたコーヒーゼリーを得ることができた。
実施例3:
緑茶中のネオテームの安定性加速試験
実施例1及び2で行った試験としては、長期安定性であり、より簡便にネオテームの安定効果を調べることができる試験が必要である。そこで85℃という高い温度でネオテーム含有サンプルを3時間保存した後ネオテーム濃度を評価するという加速試験を行った。
尚、この加速試験における半減期の延長は、実施例1に示したように25℃保存した場合の約2倍の半減期の差に相当する。従って、このような加速試験で得られた半減期の測定値は、4時間の半減期の延長であっても室温(25℃程度)においては実測値の2倍の半減期に相当すると値として評価することができる。
実施例1で調製した溶液(サンプル1)10mlをネジ付試験管に入れ、85℃の温度で3時間処理した後、ネオテーム濃度を測定する安定性の加速試験を行った。茶カテキンを含まない対照サンプルとしてネオテーム0.005g/100mlを含むpH5.8の10mMクエン酸緩衝液(コントロール)を同様に処理し、実施例1に記載の方法でネオテーム濃度を測定しネオテームの半減期を算出した。上記安定性加速試験の結果(ネオテームの半減期)を表1に示す。
Figure 0005523303
ポリフェノール類を添加していないコントロールのネオテームの半減期7時間に対して茶カテキンを添加したサンプル1では、ネオテームの半減期が11時間と4時間延長されていた。このように茶カテキンの添加によりネオテームが安定化された。
実施例4:
種々のポリフェノール類を添加物として加えたクエン酸緩衝液(pH5.0)中のネオテームの安定性加速試験
ネオテームを全量に対して50ppm含有するpH5.0の10mMクエン酸緩衝液(コントロール)およびこの溶液に添加物を全量に対して1500ppmとなるように加えたサンプルを調製した。これらの溶液を実施例3に記載の方法で85℃、3時間処理を行い、ネオテームの安定性加速試験を行った。実施例1に記載の方法で、ネオテーム濃度を測定しネオテームの半減期を算出した。添加した添加物は以下の通りである。
サンプル2:ビタミンC(L-アスコルビン酸;扶桑化学工業株式会社製)
サンプル3:カフェイン(ナカライテスク株式会社製)
サンプル4:カテキンミクスチャー(茶由来であるエピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピカテキンおよびエピガロカテキン混合物;ナカライテスク株式会社製)
サンプル5:没食子酸(大日本住友製薬株式会社製)
サンプル6:ブドウ種子ポリフェノール(キッコーマン社製)
サンプル7:クロロゲン酸(ナカライテスク株式会社製)
上記安定性加速試験の結果(ネオテームの半減期)を表2に示す。
Figure 0005523303
ビタミンC(サンプル2)およびカフェイン(サンプル3)では、半減期がコントロールより短くネオテームを安定化する効果が見られなかった。一方、カテキンミクスチャー(サンプル4)、没食子酸(サンプル5)、ブドウ種子ポリフェノール(サンプル6)、クロロゲン酸(サンプル7)のようなポリフェノール類化合物では、コントロールに比べ4時間以上の半減期の延長が見られた。これらのことにより、カテキン等のポリフェノール類の添加により、ネオテームの安定性が増加した。
実施例5:
ネオテーム安定化効果に対するカテキンの濃度依存性試験および、pH依存性試験
ポリフェノール類としてカテキンミクスチャー(ナカライテスク株式会社製)の濃度を変化させた場合の濃度依存性試験ならびにpH依存性試験を行った。ネオテームを全量に対して50ppm、カテキンミクスチャーを全量に対して250ppm、500ppm、1000ppm、1500ppm含有する10mMクエン酸水溶液および10mMクエン酸三ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸水溶液とクエン酸三ナトリウム水溶液を混合しpH5.0、5.5、6.0、6.5のクエン酸緩衝液を調製し実施例3と同様に85℃で3時間処理した後、実施例1と同様の方法でネオテーム濃度を測定し、ネオテームの半減期を算出した。その結果を表3に示す。
Figure 0005523303
pH5.0では、最も濃度の低いカテキンミクスチャー250ppmの添加でも半減期が13時間延長され、ネオテーム安定化効果が観察された。そして、その効果は添加量に依存して強くなっていった。しかし1500ppmまで添加するとあたまうちの傾向が見られた。
pH5.5では、1500ppmのカテキンミクスチャーを添加しても半減期の延長が1時間しかなくネオテームの安定化効果は、安定化効果を確認できるもののその効果は弱かった。ネオテームの等電点は、5.5であり、このpHではネオテーム自体の電荷がゼロになるためポリフェノール類の安定化効果が弱くなったと考えられる。pH6.0、6.5では、ネオテームが不安定で半減期も短い傾向があるが1500ppmのカテキンミクスチャーの添加により半減期が2倍に延長され、ネオテーム安定化効果が認められた。
よって、最も強い効果が発揮されたのはpH5.0であり、pH5.0〜6.5の条件下で効果が発揮された。以上より、ネオテームが安定なpH条件下はもとより、pH5.0〜7.0の広い範囲で効果が発揮されることがわかった。
実施例6:
ネオテーム安定化効果に対するブドウ種子ポリフェノールの濃度依存性試験
ポリフェノール類としてブドウ種子ポリフェノールの濃度を変化させた場合の濃度依存性試験を行った。ネオテームを全量に対して50ppm、ブドウ種子ポリフェノールを全量に対して250ppm、500ppm、1000ppm、1500ppm含有するpH5.0の10mMクエン酸緩衝液を調製し実施例3と同様に85℃で3時間処理した後、実施例1と同様の方法でネオテーム濃度を測定し、ネオテームの半減期を算出した。その結果を表4に示す。
Figure 0005523303
ポリフェノール濃度が250ppmでは、ネオテーム安定化効果が見られなかったが、500ppmで半減期が5時間延長され、これよりも濃い濃度では、濃度依存的にネオテーム安定化効果が増強されることが認められた。
実施例7:
ネオテーム安定化効果に対する没食子酸の濃度依存性試験
ポリフェノール類として没食子酸の濃度を変化させた場合の濃度依存性試験を行った。ネオテームを全量に対して50ppm、没食子酸を全量に対して250ppm、500ppm、750ppm、1000ppm、1500ppm含有するpH5.0の10mMクエン酸緩衝液を調製し実施例3と同様に85℃で3時間処理した後、実施例1と同様の方法でネオテーム濃度を測定し、ネオテームの半減期を算出した。その結果を表5に示す。
Figure 0005523303
没食子酸濃度が250ppmでは、ネオテーム安定化効果が見られなかったが、500ppmで半減期が2時間延長され、1000ppmまで濃度依存的にネオテーム安定化効果が増強されることが認められた。
実施例8:
ネオテーム安定化効果に対するクロロゲン酸の濃度依存性試験
ポリフェノール類としてクロロゲン酸の濃度を変化させた場合の濃度依存性試験を行った。ネオテームを全量に対して50ppm、クロロゲン酸を全量に対して250ppm、500ppm、1000ppm、1500ppm含有するpH5.0の10mMクエン酸緩衝液を調製し実施例3と同様に85℃で3時間処理した後、実施例1と同様の方法でネオテーム濃度を測定し、ネオテームの半減期を算出した。その結果を表6に示す。
Figure 0005523303
クロロゲン酸濃度が250ppmでは、ネオテーム安定化効果が見られなかったが500ppmの添加で半減期が1時間され、1500ppmまで濃度依存的にネオテーム安定化効果が増強されることが認められた。
実施例9:
低濃度のネオテーム安定化効果に対する没食子酸の濃度依存性試験
ポリフェノール類化合物として没食子酸の濃度を変化させた場合の濃度依存性試験を行った。ネオテームを5ppm、没食子酸を12.5ppm、50ppm、125ppm、250ppm、500ppm、1000ppm、1500ppm、2500ppm含有する10mMクエン酸水溶液および10mMクエン酸三ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸水溶液とクエン酸三ナトリウム水溶液を混合しpH5.0のクエン酸緩衝液を調製し実施例3と同様に85℃で3時間処理した後、実施例1と同様の方法でネオテーム濃度を測定し、ネオテームの半減期を算出した。結果を表7に示す。
Figure 0005523303
没食子酸125ppmの添加から半減期の延長が認められた。そして、その効果は添加量に依存して強くなっていった。
実施例10:
低濃度のネオテーム安定化効果に対するカテキンの濃度依存性試験
ポリフェノール類化合物としてカテキンミクスチャーの濃度を変化させた場合の濃度依存性試験を行った。ネオテームを5ppm、カテキンミクスチャー(ナカライテスク株式会社製)を12.5ppm、50ppm、125ppm、250ppm、500ppm、1000ppm、1500ppm、2500ppm含有する10mMクエン酸水溶液および10mMクエン酸三ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸水溶液とクエン酸三ナトリウム水溶液を混合しpH6.0のクエン酸緩衝液を調製し実施例3と同様に85℃で3時間処理した後、実施例1と同様の方法でネオテーム濃度を測定し、ネオテームの半減期を算出した。結果を表8に示す。
Figure 0005523303
カテキンミクスチャー50ppmの添加により半減期が延長され、ネオテーム安定化効果が観察された。そして、その効果は添加量に依存して強くなっていった。
実施例11:
低濃度のネオテーム安定化効果に対するヘスペリジンの濃度依存性試験
ポリフェノール類化合物としてヘスペリジンの濃度を変化させた場合の濃度依存性試験を行った。ネオテームを5ppm、ヘスペリジン(αGへスペリジン;東洋精糖(株))
を12.5ppm、50ppm、125ppm、250ppm、500ppm、1000ppm、1500ppm、2500ppm含有する10mMクエン酸水溶液および10mMクエン酸三ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸水溶液とクエン酸三ナトリウム水溶液を混合しpH6.0のクエン酸緩衝液を調製し実施例3と同様に85℃で3時間処理した後、実施例1と同様の方法でネオテーム濃度を測定し、ネオテームの半減期を算出した。結果を表9に示す。
Figure 0005523303
ヘスペリジン50ppm〜125ppmの添加により半減期が延長され、ネオテーム安定化効果が観察された。そして、その効果は添加量に依存して強くなっていった。
実施例12:
1.アスパルテームに対する没食子酸の安定化効果の確認試験
アスパルテームに対してポリフェノール類化合物として没食子酸を添加した場合の安定化効果の確認試験を行った。アスパルテームを90ppm、没食子酸を250ppm、500ppm、1000ppm、1500ppm、2500ppm含有する10mMクエン酸水溶液および10mMクエン酸三ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸水溶液とクエン酸三ナトリウム水溶液を混合しpH5.0のクエン酸緩衝液を調製し実施例3と同様に85℃で3時間処理した後、下記の方法でアスパルテーム濃度を測定し、アスパルテームの半減期を算出した。
2.アスパルテーム濃度の測定
アスパルテーム濃度の測定は、紫外吸収検出器を備えた高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。内径4.6mm、長さ100mmで粒子サイズ5μmのODSカラム(ワットマン社製)を用い10%アセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)(0.02Mヘプタンスルホン酸ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)、0.5%トリエチルアミン(ナカライテスク株式会社製)を含む。pH2.6)を流速1.5mL/分で通液した。サンプルは0.45μmのフィルターに通した後、高速液体クロマトグラフィーに供した。210nmでの紫外吸収をモニターすることによりアスパルテームの濃度を測定した。結果を表10に示す。
Figure 0005523303
pH5.0では、最も濃度の低い没食子酸250ppmの添加でも半減期が約3時間延長された。1000ppmで2倍以上、2500ppmで8倍以上の半減期の延長が認められた。このように没食子酸のアスパルテームに対する安定化効果が観察された。そして、その効果は添加量に依存して強くなっていった。
実施例13:
ノンシュガーレモネードの調製
ネオテーム1.5mg、スクラロース155mg、ヘスペリジン20mg、レモン透明果汁4.4g、クエン酸(無水)1.3g、クエン酸三ナトリウム0.3g、ビタミンC0.2g、レモンフレーバー1gを混合し、水を加えて1Lとし、75℃で10分間加熱し、レモネードを調製した。
ノンシュガーでも自然な甘味を有する、レモン風味のさわやかなレモネードを調製することができた。
実施例14:
ノンシュガーピーチ果汁入り飲料の調製
ネオテーム1.2mg、スクラロース123mg、ヘスペリジン20mg、ピーチ透明果汁6g、クエン酸(無水)0.85g、クエン酸三ナトリウム0.3g、ビタミンC0.2g、ピーチフレーバー1gを混合し、水を加えて1Lとし、75℃で10分間加熱し、ピーチ飲料を調製した。
ノンシュガーでも自然な甘味を有する、ピーチ風味の際立つ飲料を調製することができた。
本発明は、高甘味度甘味料の経時的分解を防止することができるので、長期保存可能な安定化組成物を提供することができる。また、本発明における安定化組成物を含有する長期保存可能な茶飲料、コーヒー飲料、ニアウォーター飲料、ダイエットサポート飲料、栄養補給飲料等の飲料、ゼリー,プリン,氷菓等のゲル状食品、チューインガム等の菓子、調味料、またはつけものを提供することができる。前記安定化組成物および該組成物を含有する食品は、高甘味度甘味料の特性を最大限に活用することができる。すなわち、甘味を付与することができるだけでなく、高甘味度甘味料に特有のフレーバー増強効果、不快な風味のマスキング効果を生かした食品を提供することができる。また、これらの効果を長期にわたり保持することもできる。加えて、食品等に用いられる砂糖等の一部を高甘味度甘味料と置換しても、砂糖と同等の甘味を保持することができるため、糖及びカロリーが低減された食品等を提供できる。更に、ポリフェノール類自体の効果、効能、薬効も提供できる。ポリフェノール類は、緑茶、果実等に含まれるものであり安全性も確認されていることから、長期に摂取した場合であっても安全な食品を提供することができる。

Claims (2)

  1. アスパルチルジペプチドエステル誘導体たる高甘味度甘味料を含有する含水組成物にポリフェノール類を配合する、含水組成物における高甘味度甘味料の分解に対する安定化方法。
  2. 前記アスパルチルジペプチドエステル誘導体がネオテームである、請求項に記載の含水組成物における高甘味度甘味料の分解に対する安定化方法。
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