JP2006081544A - 高甘味度甘味料の呈味改善剤 - Google Patents

高甘味度甘味料の呈味改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明が解決しようとする問題は、高甘味度甘味料の不快な後味や苦味、エグ味を改善する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
焙煎コーヒーの溶媒抽出物を、高甘味度甘味料を含有する飲食品又は医薬品に添加することにより、高甘味度甘味料の不快な後味を改善することができる。このコーヒー抽出物は、水、極性溶媒またはこれらの混合物で抽出して得られるものであり、特に分子量約10000以上の画分には高い呈味改善効果が認められる。
【選択図】
なし

Description

本発明は高甘味度甘味料の呈味改善剤に関するものである。更に詳しくは、高甘味度甘味料の不快な後味を改善する呈味改善剤に関する。
近年の健康指向の高まりから、ショ糖の使用を控え、甘味料としてアスパルテーム、ステビア、アセスルファムK、スクラロースなどの高甘味度甘味料を使用した商品が増加している。このような高甘味度甘味料はショ糖の数百倍から数千倍の甘味を有し、少ない添加量で飲食品にショ糖と同等の甘味を付与するという優れた性能を持つ反面、後味として甘味が持続し続けるため味の切れが悪く、結果として呈味の質がショ糖に比して劣るという欠点を有している。そのため、高甘味度甘味料の汎用的使用に関しては、その後味の改善が最大の課題となっている。
高甘味度甘味料の呈味改善については、L−アスパラギン等のアミノ酸や、グルコン酸、クエン酸等の有機酸やその塩を使用する方法(特許文献1〜3)、高甘味度甘味料とルチン、ヘスペリジン等の天然物を組み合わせる方法(特許文献4、5)、ガラクトマンナン分解物、ニゲロオリゴ糖、ビートオリゴ糖、マンノース等の糖類を高甘味度甘味料の味質改善に用いる方法(特許文献6〜9)、さとうきび由来のバガス抽出物や酵素処理イチョウ葉エキス等の植物由来の抽出物を高甘味度甘味料に配合する方法(特許文献10、11)などが提案されており、本発明者らもコーヒー豆を酵素またはアルカリで加水分解処理して得られた処理物を精製して得られるキナ酸を甘味改善剤として用いることにより、高甘味度甘味料の不快な後味を抑制する方法を提案している(特許文献12)。しかしながら、このような既存の方法は、少ない添加量では不快な後味を十分に低減できず、添加量を増やすと食品本来の味、香りを変化させたり、高甘味度甘味料の甘味改善剤の製造が煩雑であるといった問題点を有していた。
特開2000−270804号公報 特開2003−210147号公報 特開昭60−188035号公報 特開平10−146165号公報 特開平8−256725号公報 特開平9−19268号公報 特開平10−234331号公報 特開2000−197462号公報 特開2002−272411号公報 特開2000−217540号公報 特開2003−180288号公報 特開2001−321115号公報
本発明が解決しようとする課題は、高甘味度甘味料の不快な後味を少ない添加量で効果的に抑制する呈味改善方法を提供することである。さらに本発明は、高甘味度甘味料に特有の苦味、エグ味および刺激味を低減する呈味改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、高甘味度甘味料を含有する飲食品および医薬品に焙煎コーヒーの溶媒抽出物を添加すると、高甘味度甘味料に特有の不快な後味が抑制され、さらにこの効果は焙煎コーヒー抽出物に含まれる高分子量物質に由来することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は焙煎コーヒーの溶媒抽出物からなる高甘味度甘味料の呈味改善剤であり、さらに本発明は焙煎コーヒーの溶媒抽出物が、水、極性有機溶媒またはこれらの混合物で抽出して得られるものである。さらに本発明は焙煎コーヒーの溶媒抽出物の分画処理により得られる分画分子量約10000以上の画分からなる高甘味度甘味料の呈味改善剤であり、焙煎コーヒーの溶媒抽出物の分画処理により得られる分画分子量約30000以上の画分からなる高甘味度甘味料の呈味改善剤であり、焙煎コーヒーの溶媒抽出物の分画処理により得られる分画分子量約100000以上の画分からなる高甘味度甘味料の呈味改善剤である。さらに詳しくは分画処理が限外ろ過膜またはサイズ排除クロマトグラフィーによる処理であり、また、高甘味度甘味料がアスパルテーム、ステビア、スクラロース、アセスルファムKであることを特徴とする。本発明はさらに高甘味度甘味料または高甘味度甘味料を含有する飲食品または医薬品に前記高甘味度甘味料の呈味改善剤を添加することを特徴とする、高甘味度甘味料による不快な後味の抑制方法である。さらに本発明は前記高甘味度甘味料の呈味改善剤を含有することを特徴とする高甘味度甘味料組成物である。
本発明の高甘味度甘味料の呈味改善剤により、高甘味度甘味料の後味が改善され、風味良好な飲食品および医薬品を提供することができる。
本発明に使用するコーヒー抽出物は、通常飲用に供されているコーヒー豆の焙煎粉砕物
を溶媒抽出することにより製造できる。原料のコーヒー豆は特に限定されるものではなく、例えば、アラビカ種、ロブスタ種などのいかなるコーヒー豆でも利用することができる。
これらのコーヒー豆を常法によって焙煎処理するが、焙煎の程度は特に限定されるもので
はない。
本発明の抽出処理に使用する溶媒は、水または極性有機溶媒であり、極性有機溶媒は含水物であっても良い。極性溶媒としてはアルコール、アセトン、酢酸エチル等があげられ、これらの混合物であってもよい。特に水またはエタノール、或いはこれらの混合物が望ましい。溶媒の量は任意に選択できるが、一般には上記コーヒー豆1重量部に対し溶媒量2〜100重量部を使用する。
抽出方法は特に限定されるものではなく、例えば、焙煎したコーヒー豆又は粉砕したコーヒー豆を溶媒中に入れ、浸漬又は加熱還流することによってコーヒー抽出物を得ることができる。ついで、溶媒に不溶な固形物を除去して抽出液を得るが、固形物除去方法としては遠心分離、濾過、圧搾等の固液分離手段を用いることができる。得られたコーヒー抽出液はそのまま高甘味度甘味料の呈味改善剤として使用できるが、有効成分がコーヒー豆の焙煎によって生成する高分子量物質と考えられることから、分子量による分画精製の処理をすることにより有効成分の濃度を高めて使用することが好ましく、分画分子量は10000以上が好ましい。分子量による分画精製処理には限外ろ過膜やサイズ排除クロマトグラフィーを用いることができる。限外ろ過膜としては、分画分子量10000以上の膜であれば、いかなる材質、いかなる形態であっても利用することができ、例えば、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリスルフォン、酢酸セルロース、再生セルロース、ポリカーボネートなどの合成高分子膜であって、平膜、中空糸、板状、管状、スパイラル状などの形態を例示することができ、加圧ろ過法、陰圧ろ過法のいずれでもよく、一過式もしくは循環方式のいずれの方法も利用することができる。また、サイズ排除クロマトグラフィー用充填剤としては、セファデックス(登録商標)G−25(アマシャム ファルマシア バイオテク株式会社製)、トヨパール(登録商標)HW−40(東ソー株式会社製)、などを例示することができる。
分画精製により得られた焙煎コーヒー抽出液は、そのまま高甘味度甘味料の呈味改善剤として高甘味度甘味料を含む飲食品等に配合することができるが、さらに、脱色、脱臭等の精製処理をして使用することもできる。精製処理には活性炭や多孔性のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体あるいは二酸化ケイ素からなる合成吸着剤などが使用できる。精製用の合成吸着剤としては例えば三菱化学株式会社製「ダイヤイオン(登録商標)HP−20」やオルガノ株式会社製「アンバーライト(登録商標)XAD−2」などが使用できる。
このようにして得られた焙煎コーヒー抽出物の分画分子量10000以上の画分を含む精製液は、液状のまま使用することもできるが、凍結乾燥または加熱乾燥などの処理を行い固形物として使用することも可能である。また、賦形剤(デキストリン等)を添加し噴霧乾燥により粉末状にすることも可能であり、用途に応じて種々の剤形を採用することができる。
高甘味度甘味料とは、ショ糖の数百倍から数千倍もの甘みを持つ天然及び合成の化合物である。ショ糖より少ない添加量でショ糖と同等の甘味を与えることができるので、ショ糖の代わりに使用すれば低カロリーの飲食品等を提供できる。本発明の呈味改善剤が使用できる高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムK、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、グリチルリチン,グリチルリチン酸2カリウム,グリチルリチン酸2ナトリウム,グリチルリチン酸アンモニウム塩、ソーマチン、サッカリン、サッカリンナトリウム等を挙げることができる。
本発明の高甘味度甘味料の呈味改善剤は、高甘味度甘味料を含有する飲食品、医薬品に特に制限なく使用することができるが、具体的には果実類の加工品、野菜類の加工品、魚介類の加工品、練製品、調理食品、総菜類、スナック類、珍味類、加工食品、栄養食品、茶飲料およびコーヒー飲料などの嗜好飲料、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料、機能性飲料、アルコール飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、キャンディー、グミ、ガム、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ、タブレット、錠菓類などがあげられる。さらに、日本料理のだし、例えば、鰹節、魚介類、昆布、シイタケ、鶏肉、野菜類などのだし汁および和風調味料、または、西洋料理のスープストック、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などのだし汁および洋風調味料、または、中華料理のタン(湯)、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などからとったスープおよび中華調味料、漢方薬を含む経口医薬品、歯磨き、口腔剤等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。飲食品等に対する本発明の呈味改善剤の添加量は、固形成分として0.01〜500ppmの範囲が適当であるが、飲食品等に呈味改善剤自身の香味が影響を及ぼさない範囲内で添加するという観点からは0.05〜200ppmが好ましく、特に0.1〜100ppmが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
〔抽出例1〕コーヒー抽出物の調製
焙煎コーヒー豆(L値18.5)100gに、蒸留水1000gを加え1時間加熱還流して抽出した。不溶物を濾過により除去した後、濾液を減圧濃縮、凍結乾燥し褐色のコーヒー抽出物A 20.1gを得た。
〔抽出例2〕分画したコーヒー抽出物の調製
抽出例1にて得たコーヒー抽出物A 3gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約100000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM100:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し赤褐色のコーヒー抽出物B 0.9gを得た。
〔抽出例3〕コーヒー抽出物の調製
焙煎コーヒー豆(L値27)100gに、蒸留水1000gを加え1時間加熱還流して抽出した。不溶物を濾過により除去した後、濾液を減圧濃縮、凍結乾燥し褐色のコーヒー抽出物C 20.5gを得た。
〔抽出例4〕分画したコーヒー抽出物の調製
抽出例3にて得たコーヒー抽出物C 3gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約10000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM10:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し赤褐色のコーヒー抽出物D 0.85gを得た。
〔抽出例5〕分画したコーヒー抽出物の調製
抽出例1にて得たコーヒー抽出物A 5gに、蒸留水1000gを加え、分画分子量30000の限外濾過膜(ウルトラセルアミコンYM30:ミリポア社製)を装備した攪拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し、茶褐色のコーヒー抽出物Eを1.14g得た。
〔試験例1〕高甘味度甘味料アスパルテームに対する効果
アスパルテーム0.06質量%、クエン酸0.1質量%を含む水溶液に、コーヒー抽出物Aおよびコーヒー抽出物Bをそれぞれ1ppm、5ppm、20ppmとなるように添加した。各サンプルについて、訓練されたパネラー6名により「後味として残る不快な甘味」を評価項目として官能評価を行った。評価点は、コーヒー抽出物無添加の対照液を4点、「後味として残る不快な甘味」がかなり改善されたものを7点、「後味として残る不快な甘味」がかなり強まったものを1点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
〔表1〕
評価サンプル 評価点数
対照液 4.0
コーヒー抽出物A 1ppm添加品 4.7
コーヒー抽出物A 5ppm添加品 4.9
コーヒー抽出物A 20ppm添加品 5.3
コーヒー抽出物B 1ppm添加品 5.2
コーヒー抽出物B 5ppm添加品 5.5
コーヒー抽出物B 20ppm添加品 5.5

表1の結果よりコーヒー抽出物A、Bはいずれもアスパルテームの後味として残る不快な甘味を改善したが、呈味改善効果は分画分子量100000以上の画分からなるコーヒー抽出物Bの方が高かった。
〔試験例2〕高甘味度甘味料アセスルファムKに対する効果
アセスルファムK 0.04質量%、クエン酸0.005質量%を含む水溶液に、コーヒー抽出物Aおよびコーヒー抽出物Bをそれぞれ1ppm、5ppm、20ppmとなるように添加した。各サンプルについて、訓練されたパネラー6名により「後味として残る不快な甘味」を評価項目として官能評価を行った。評価点は、コーヒー抽出物無添加の対照液を4点、「後味として残る不快な甘味」がかなり改善されたものを7点、「後味として残る不快な甘味」がかなり強まったものを1点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
〔表2〕
評価サンプル 評価点数
対照液 4.0
コーヒー抽出物A 1ppm添加品 4.9
コーヒー抽出物A 5ppm添加品 4.9
コーヒー抽出物A 20ppm添加品 5.1
コーヒー抽出物B 1ppm添加品 5.4
コーヒー抽出物B 5ppm添加品 5.9
コーヒー抽出物B 20ppm添加品 6.5

表2の結果よりコーヒー抽出物A、BはいずれもアセスルファムKの後味として残る不快な甘味を改善したが、呈味改善効果は分画分子量100000以上の画分からなるコーヒー抽出物Bの方が高かった。
〔試験例3〕高甘味度甘味料アセスルファムKを含有するスポーツドリンクに対する効果
アセスルファムK 0.25g、クエン酸2.3g、クエン酸ナトリウム2.9g、塩化ナトリウム0.62g、ビタミンC 0.5g、塩化カリウム0.37g、乳酸カルシウム0.48g、L−グルタミン酸ナトリウム0.11g、塩化マグネシウム0.1g、グレープフルーツ6倍濃縮果汁6gを蒸留水986.37gに溶解し、これにグレープフルーツ香料1g、乳濁剤0.3gを添加してスポーツドリンクを調製した。このスポーツドリンクに蒸留水にて0.5質量%に希釈したコーヒー抽出物A 1gおよび0.5質量%に希釈したコーヒー抽出物B 1gを加えた評価サンプルをそれぞれ調製した。この評価サンプルをよく攪拌後、缶に詰め、70℃10分間加熱殺菌した。訓練されたパネラー6名により「後味として残る不快な甘味」を評価項目として評価サンプルの官能評価を行った。評価点は、コーヒー抽出物無添加の対照液を4点、「後味として残る不快な甘味」がかなり改善されたものを7点、「後味として残る不快な甘味」がかなり強まったものを1点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
〔表3〕
評価サンプル 評価点数
対照液 4.0
コーヒー抽出物A 添加品 5.1
コーヒー抽出物B 添加品 5.8

表3の結果よりコーヒー抽出物A、BはいずれもアセスルファムKの後味として残る不快な甘味を改善したが、呈味改善効果は分画分子量100000以上の画分からなるコーヒー抽出物Bの方が高かった。
〔試験例4〕コーヒー豆加水分解物との比較(アスパルテーム)
アスパルテーム0.06質量%、クエン酸0.1質量%を含む水溶液にコーヒー抽出物Bおよび特開2001−321115号公報(実施例2)記載の方法により製造したコーヒー豆酵素加水分解物(以下「コーヒー豆加水分解物」と記す)をそれぞれ5ppmとなるように添加した。各サンプルについて、訓練されたパネラー5名により「後味」と「甘味」を評価項目として官能評価を行った。評価点は、後味、甘味いずれもコーヒー抽出物無添加の対照液を4点とし、後味については「後味として残る不快な甘味」がかなり改善されたものを7点、「後味として残る不快な甘味」がかなり強まったものを1点とした7段階評価、甘味については「甘味の強さ」がかなり増したものを7点、「甘味の強さ」がかなり減少したものを1点とした7段階評価とした。評価結果の平均値を表4に示した。
Figure 2006081544
〔試験例5〕コーヒー豆加水分解物との比較(アセスルファムK)
アセスルファムK0.04質量%、クエン酸0.005質量%を含む水溶液にコーヒー抽出物Bおよびコーヒー豆加水分解物をそれぞれ5ppmとなるように添加した。各サンプルについて、訓練されたパネラー5名により「後味」と「甘味」を評価項目として官能評価を行った。評価点は、後味、甘味いずれもコーヒー抽出物無添加の対照液を4点とし、後味については「後味として残る不快な甘味」がかなり改善されたものを7点、「後味として残る不快な甘味」がかなり強まったものを1点とした7段階評価、甘味については「甘味の強さ」がかなり増したものを7点、「甘味の強さ」がかなり減少したものを1点とした7段階評価とした。評価結果の平均値を表4に示した。
Figure 2006081544
試験例4および5の結果から、コーヒー抽出物Bにはコーヒー豆加水分解物と同等の後味改善効果だけでなく、高甘味度甘味料の甘味をやや強める効果もみられた。
〔試験例6〕アスパルテームに対する効果(分画分子量による比較)
アスパルテーム0.06質量%、クエン酸0.1質量%を含む水溶液に、コーヒー抽出物B、DおよびEをそれぞれ5ppmとなるように添加した。各サンプルについて、訓練されたパネラー3名により「後味」と「甘味」を評価項目とし、試験例4および5と同じ評価点で官能評価を行った。その結果を表6に示す。
Figure 2006081544
〔試験例7〕アセスルファムKに対する効果(分画分子量による比較)
アセスルファムK 0.04質量%、クエン酸0.005質量%を含む水溶液に、コーヒー抽出物B、DおよびEをそれぞれ5ppmとなるように添加した。各サンプルについて、訓練されたパネラー3名により「後味」と「甘味」を評価項目とし、試験例4および5と同じ評価点で官能評価を行った。その結果を表7に示す。
Figure 2006081544
試験例6および7の結果から、分画分子量10000以上のコーヒー抽出物Dおよび30000以上のコーヒー抽出物Eは、分子量100000以上のコーヒー抽出物Bに比べ、甘味をやや抑える一方、後味改善効果は高かった。
〔実施例1〕アスパルテームを含有するゼリーに対する効果
アスパルテーム0.1gと蒸留水75.85gを混合し、加温しながら溶解させた。40〜50℃まで加熱し、ゲル化剤0.7g、クエン酸三ナトリウム0.05gを添加し完全に溶解させた。85℃まで加熱後、予め混合したグレープ6倍濃縮果汁5g、クエン酸0.07g、リンゴ酸0.03gを加えた後、蒸留水で重量を100gに調整した。これにグレープフレーバー0.1g、0.5質量%コーヒー抽出物B1gを加え均一に混合した後、容器にヘッドスペースを空けて充填後シーラーにて密封した。容器を逆さにし、80℃付近で1分間蓋部分を加熱殺菌した。その後、流水にて急冷することによりグレープ果汁入りゼリーを作成した。
本発明の高甘味度甘味料の呈味改善剤は、高甘味度甘味料を含有する飲食品や医薬品に添加すれば、高甘味度甘味料に由来する不快な後味の改善に優れた効果が発揮される。

Claims (9)

  1. 焙煎コーヒーの溶媒抽出物からなる高甘味度甘味料の呈味改善剤。
  2. 焙煎コーヒーの溶媒抽出物が、焙煎コーヒーを水、極性有機溶媒またはこれらの混合物で抽出して得られるものである請求項1に記載の高甘味度甘味料の呈味改善剤。
  3. 焙煎コーヒーの溶媒抽出物の分画処理により得られる分画分子量約10000以上の画分からなる高甘味度甘味料の呈味改善剤。
  4. 焙煎コーヒーの溶媒抽出物の分画処理により得られる分画分子量約30000以上の画分からなる高甘味度甘味料の呈味改善剤。
  5. 焙煎コーヒーの溶媒抽出物の分画処理により得られる分画分子量約100000以上の画分からなる高甘味度甘味料の呈味改善剤。
  6. 分画処理が限外ろ過膜またはサイズ排除クロマトグラフィーによる処理である請求項3〜5のいずれかの項に記載の高甘味度甘味料の呈味改善剤。
  7. 高甘味度甘味料がアスパルテーム、ステビア、スクラロース、アセスルファムKである請求項1〜6のいずれかの項に記載の高甘味度甘味料の呈味改善剤。
  8. 高甘味度甘味料または高甘味度甘味料を含有する飲食品もしくは医薬品に請求項1〜7のいずれかの項に記載の高甘味度甘味料の呈味改善剤を添加することを特徴とする、高甘味度甘味料による不快な後味の抑制方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかの項に記載の高甘味度甘味料の呈味改善剤を含有することを特徴とする高甘味度甘味料組成物。
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