以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明の導電膜形成用組成物について説明する。
本発明の導電膜形成用組成物は、金属微粒子、銅前駆体、及び還元剤を含む。
本発明の導電膜形成用組成物において、金属微粒子としては、特に限定するものではないが、例えば、金、銀、銅、白金、及びパラジウムからなる群より選ばれる一種又は二種以上の金属種を含有するものである。これらの金属種は、単体であってもその他の金属との合金であっても差し支えない。これらの中でもコスト面、入手の容易さ、及び導電膜形成時の触媒能から、銀、銅、及びパラジウムからなる群より選ばれる一種又は二種以上の金属種を含有することが好ましい。これら以外の金属微粒子を使用しても差し支えないが、銅前駆体の銅イオンにより金属微粒子が酸化を受けたり、触媒能が低下若しくは発現せず、銅前駆体から金属銅への還元析出速度が低下するおそれがあるため、上記した金属微粒子を使用することが望ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、金属微粒子は平均粒子径が1〜400nmの範囲のものである。金属微粒子の粒子径が1nm未満になると、金属表面の活性が非常に高くなり、酸化されたり、溶解するおそれがある。また、400nmを超えると、長期保存した場合に金属微粒子が沈降することがある。よって、上記範囲内であることが望ましい。
本発明において、金属微粒子の粒子径の測定方法としては、一般的な粒子の測定方法を用いることができる。例えば、透過型電子顕微鏡(TEM),電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM),電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)等を適宜使用することができる。平均粒子径の値は、上記装置を用いて測定し、観測された視野の中から、粒子径が比較的そろっている箇所を3箇所選択し、粒径測定に最も適した倍率で撮影する。各々の写真から、一番多数存在すると思われる粒子を100個選択し、その直径をものさしで測り、測定倍率を除して粒子径を算出し、これらの値を算術平均することにより、求めることができる。また、標準偏差については、上記観察時に個々の金属微粒子の粒子径と数により求めることができる。そして、変動係数は、上記した平均粒子径及びその標準偏差に基づいて、下式により算出することができる。
変動係数=標準偏差/体積平均粒子径×100(%)。
本発明の導電膜形成用組成物において、金属微粒子は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。公知の合成方法としては、例えば、スパッタリング法やガス中蒸着法等、物理的な手法で合成反応を行う気相法(乾式法)や、金属化合物溶液を表面保護剤の存在下、還元して金属微粒子を析出させる等の液相法(湿式法)等が一般的に知られている。これらの中でも、一般的に用いられる液相法の例としては、保護剤としてのポリビニルアルコールを含む水とメタノールやエタノール等との混合溶媒に溶解した金属錯イオンを加熱することにより、金属微粒子を得る方法(例えば、「Journal of Macromolecular Science : Part A. Pure & Applied Chemistry」, 1979年, 第13巻, p.727参照)や、エチレングリコールやジエチレングリコール等のポリオールを溶媒に用い、それらの沸点近傍またはそれ以下で加熱することにより、緩やかに金属イオンを還元析出させ、金属微粒子を得る方法(例えば、「MRS Bulletin」, 1989年, 第14巻, p.29参照)等を挙げることができる。
本発明の導電膜形成用組成物において、金属微粒子の純度については特に限定するものではないが、低純度であると導電性薄膜とした際に、導電性に悪影響を与えるおそれがあるため、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、銅前駆体としては、銅イオンを含有する化合物であればよく、特に限定するものではないが、例えば、銅イオンと、無機アニオン種及び/又は有機アニオン種とからなる銅塩を用いることができる。それらの中でも、銅カルボン酸塩、及び銅とアセチルアセトン誘導体との錯塩からなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。
具体的には、銅カルボン酸塩としては、例えば、ギ酸銅、酢酸銅、トリフルオロ酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、イソ酪酸銅、2−メチル酪酸銅、2−エチル酪酸銅、吉草酸銅、イソ吉草酸銅、ピバリン酸銅、ヘキサン酸銅、ヘプタン酸銅、オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、ノナン酸銅、シュウ酸銅、マロン酸銅、安息香酸銅、クエン酸銅等が好適なものとして挙げられる。また、銅とアセチルアセトン誘導体との錯塩としては、例えば、アセチルアセトナト銅、1,1,1−トリメチルアセチルアセトナト銅、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルアセチルアセトナト銅、1,1,1−トリフルオロアセチルアセトナト銅、又は1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトナト銅等が好適なものとして挙げられる。これらの中でも、コスト及び溶解性の面から、ギ酸銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、イソ酪酸銅、吉草酸銅、イソ吉草酸銅等のカルボン酸銅が好ましい。本発明の導電膜形成用組成物において、これら以外の銅前駆体を使用しても差し支えないが、入手が困難であったり、高価であったりするため、工業的に不利な場合がある。また、銅塩としては、市販のもの、公知の方法により合成したものでも良く、さらには、銅イオンを含む化合物と無機アニオン種、及び/又は有機アニオン種を混合することにより、系中で形成させたものでも何ら差し支えなく使用することができ、特に限定されない。
本発明の導電膜形成用組成物において、銅前駆体の純度については特に限定するものではないが、低純度であると導電性薄膜とした際に、導電性に悪影響を与えるおそれがあるため、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、還元剤としては、銅イオンを金属銅まで還元できる還元力を有する化合物であればよく、特に限定するものではないが、例えば、ヒドラジン類、ジオール類、2−アミノエタノール類、ヒロドキシルアミン類、α−ヒドロキシケトン類、アルデヒド類、及びギ酸からなる群より選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、還元剤として使用されるヒドラジン類としては、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式(1)
[上記一般式(1)中、R
1〜R
3で表される置換基の少なくとも1種は水素原子であり、残りの置換基が各々独立して、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基、又はフェニル基で水素原子が1〜3置換されたメチル基を表す。ただし、R
1〜R
3が同時に全て水素原子となることはない。]
で示される化合物が好適なものとして挙げられる。
これらのうち、銅前駆体の溶解度、還元力、さらには導電膜形成時の除去性を考慮すると、上記一般式(1)において、置換基R1〜R3のうち、少なくとも1種は水素原子であり、残りの置換基が各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、又はベンジル基である(ただし、R1〜R3が同時に全て水素原子となることはない。)化合物がさらに好ましい。
上記一般式(1)において、置換基R1及びR2が共に水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、n−プロピルヒドラジン、i−プロピルヒドラジン、n−ブチルヒドラジン、i−ブチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、n−ペンチルヒドラジン、n−ヘキシルヒドラジン、シクロヘキシルヒドラジン、n−ヘプチルヒドラジン、n−オクチルヒドラジン、2−エチルヘキシルヒドラジン、n−ノニルヒドラジン、n−デシルヒドラジン、n−ウンデシルヒドラジン、n−ドデシルヒドラジン、フェニルヒドラジン、4−メチルフェニルヒドラジン、ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がメチル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジメチルヒドラジン、1−メチル−1−エチルヒドラジン、1−メチル−1−n−プロピルヒドラジン、1−メチル−1−i−プロピルヒドラジン、1−メチル−1−n−ブチルヒドラジン、1−メチル−1−i−ブチルヒドラジン、1−メチル−1−t−ブチルヒドラジン、1−メチル−1−n−ペンチルヒドラジン、1−メチル−1−n−ヘキシルヒドラジン、1−メチル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−メチル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−メチル−1−n−オクチルヒドラジン、1−メチル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−メチル−1−n−ノニルヒドラジン、1−メチル−1−n−デシルヒドラジン、1−メチル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−メチル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−メチル−1−フェニルヒドラジン、1−メチル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−メチル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がエチル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジエチルヒドラジン、1−エチル−1−n−プロピルヒドラジン、1−エチル−1−i−プロピルヒドラジン、1−エチル−1−n−ブチルヒドラジン、1−エチル−1−i−ブチルヒドラジン、1−エチル−1−t−ブチルヒドラジン、1−エチル−1−n−ペンチルヒドラジン、1−エチル−1−n−ヘキシルヒドラジン、1−エチル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−エチル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−エチル−1−n−オクチルヒドラジン、1−エチル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−エチル−1−n−ノニルヒドラジン、1−エチル−1−n−デシルヒドラジン、1−エチル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−エチル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−エチル−1−フェニルヒドラジン、1−エチル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−エチル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−プロピル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−プロピルヒドラジン、1−n−プロピル−1−i−プロピルヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−ブチルヒドラジン、1−n−プロピル−1−i−ブチルヒドラジン、1−n−プロピル−1−t−ブチルヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−ペンチルヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−プロピル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−オクチルヒドラジン、1−n−プロピル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−ノニルヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−デシルヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−プロピル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−プロピル−1−フェニルヒドラジン、1−n−プロピル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−プロピル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がi−プロピル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−i−プロピルヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−ブチルヒドラジン、1−i−プロピル−1−i−ブチルヒドラジン、1−i−プロピル−1−t−ブチルヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−ペンチルヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−ヘキシルヒドラジン、1−i−プロピル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−オクチルヒドラジン、1−i−プロピル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−ノニルヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−デシルヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−i−プロピル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−i−プロピル−1−フェニルヒドラジン、1−i−プロピル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−i−プロピル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−ブチル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−ブチルヒドラジン、1−n−ブチル−1−i−ブチルヒドラジン、1−n−ブチル−1−t−ブチルヒドラジン、1−n−ブチル−1−n−ペンチルヒドラジン、1−n−ブチル−1−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−ブチル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−ブチル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−ブチル−1−n−オクチルヒドラジン、1−n−ブチル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−ブチル−1−n−ノニルヒドラジン、1−n−ブチル−1−n−デシルヒドラジン、1−n−ブチル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−ブチル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−ブチル−1−フェニルヒドラジン、1−n−ブチル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−ブチル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がi−ブチル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−i−ブチルヒドラジン、1−i−ブチル−1−t−ブチルヒドラジン、1−i−ブチル−1−n−ペンチルヒドラジン、1−i−ブチル−1−n−ヘキシルヒドラジン、1−i−ブチル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−i−ブチル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−i−ブチル−1−n−オクチルヒドラジン、1−i−ブチル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−i−ブチル−1−n−ノニルヒドラジン、1−i−ブチル−1−n−デシルヒドラジン、1−i−ブチル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−i−ブチル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−i−ブチル−1−フェニルヒドラジン、1−i−ブチル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−i−ブチル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がt−ブチル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−t−ブチルヒドラジン、1−t−ブチル−1−n−ペンチルヒドラジン、1−t−ブチル−1−n−ヘキシルヒドラジン、1−t−ブチル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−t−ブチル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−t−ブチル−1−n−オクチルヒドラジン、1−t−ブチル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−t−ブチル−1−n−ノニルヒドラジン、1−t−ブチル−1−n−デシルヒドラジン、1−t−ブチル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−t−ブチル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−t−ブチル−1−フェニルヒドラジン、1−t−ブチル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−t−ブチル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−ペンチル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−ペンチルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−n−オクチルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−ペンチル−1−n−ノニルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−n−デシルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−フェニルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−ペンチル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−ヘキシル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−n−オクチルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−n−ノニルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−n−デシルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−フェニルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−ヘキシル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がシクロヘキシル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジシクロヘキシルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−n−ヘプチルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−n−オクチルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−n−ノニルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−n−デシルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−フェニルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−シクロヘキシル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−ヘプチル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−n−オクチルヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−n−ノニルヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−n−デシルヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−フェニルヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−ヘプチル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−オクチル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−オクチルヒドラジン、1−n−オクチル−1−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−オクチル−1−n−ノニルヒドラジン、1−n−オクチル−1−n−デシルヒドラジン、1−n−オクチル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−オクチル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−オクチル−1−フェニルヒドラジン、1−n−オクチル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−オクチル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2が2−エチルヘキシル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ビス−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−1−n−ノニルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−1−n−デシルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−1−n−ドデシルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−1−フェニルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−ノニル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−ノニルヒドラジン、1−n−ノニル−1−n−デシルヒドラジン、1−n−ノニル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−ノニル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−ノニル−1−フェニルヒドラジン、1−n−ノニル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−ノニル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−デシル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−デシルヒドラジン、1−n−デシル−1−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−デシル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−デシル−1−フェニルヒドラジン、1−n−デシル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−デシル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−ウンデシル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−ウンデシル−1−n−ドデシルヒドラジン、1−n−ウンデシル−1−フェニルヒドラジン、1−n−ウンデシル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−ウンデシル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がn−ドデシル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジ−n−ドデシルヒドラジン、1−n−ドデシル−1−フェニルヒドラジン、1−n−ドデシル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−n−ドデシル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がフェニル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジフェニルヒドラジン、1−フェニル−1−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−フェニル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2が(4−メチル)フェニル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ビス−(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−1−ベンジルヒドラジン等が例示される。
そして、上記一般式(1)において、置換基R1が水素原子、置換基R2がベンジル基であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジベンジルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がメチル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジメチルヒドラジン、1−エチル−2−メチルヒドラジン、1−n−プロピル−2−メチルヒドラジン、1−i−プロピル−2−メチルヒドラジン、1−n−ブチル−2−メチルヒドラジン、1−i−ブチル−2−メチルヒドラジン、1−t−ブチル−2−メチルヒドラジン、1−n−ペンチル−2−メチルヒドラジン、1−n−ヘキシル−2−メチルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−メチルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−メチルヒドラジン、1−n−オクチル−2−メチルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−メチルヒドラジン、1−n−ノニル−2−メチルヒドラジン、1−n−デシル−2−メチルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−メチルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−メチルヒドラジン、1−フェニル−2−メチルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−メチルヒドラジン、1−ベンジル−2−メチルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がエチル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジエチルヒドラジン、1−n−プロピル−2−エチルヒドラジン、1−i−プロピル−2−エチルヒドラジン、1−n−ブチル−2−エチルヒドラジン、1−i−ブチル−2−エチルヒドラジン、1−t−ブチル−2−エチルヒドラジン、1−n−ペンチル−2−エチルヒドラジン、1−n−ヘキシル−2−エチルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−エチルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−エチルヒドラジン、1−n−オクチル−2−エチルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−エチルヒドラジン、1−n−ノニル−2−エチルヒドラジン、1−n−デシル−2−エチルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−エチルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−エチルヒドラジン、1−フェニル−2−エチルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−エチルヒドラジン、1−ベンジル−2−エチルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−プロピル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−プロピルヒドラジン、1−i−プロピル−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−ブチル−2−n−プロピルヒドラジン、1−i−ブチル−2−n−プロピルヒドラジン、1−t−ブチル−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−ペンチル−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−ヘキシル−2−n−プロピルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−オクチル−2−n−プロピルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−ノニル−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−デシル−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−n−プロピルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−プロピルヒドラジン、1−フェニル−2−n−プロピルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−プロピルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−プロピルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がi−プロピル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−i−プロピルヒドラジン、1−n−ブチル−2−i−プロピルヒドラジン、1−i−ブチル−2−i−プロピルヒドラジン、1−t−ブチル−2−i−プロピルヒドラジン、1−n−ペンチル−2−i−プロピルヒドラジン、1−n−ヘキシル−2−i−プロピルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−i−プロピルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−i−プロピルヒドラジン、1−n−オクチル−2−i−プロピルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−i−プロピルヒドラジン、1−n−ノニル−2−i−プロピルヒドラジン、1−n−デシル−2−i−プロピルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−i−プロピルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−i−プロピルヒドラジン、1−フェニル−2−i−プロピルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−i−プロピルヒドラジン、1−ベンジル−2−i−プロピルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−ブチル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−ブチルヒドラジン、1−i−ブチル−2−n−ブチルヒドラジン、1−t−ブチル−2−n−ブチルヒドラジン、1−n−ペンチル−2−n−ブチルヒドラジン、1−n−ヘキシル−2−n−ブチルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−n−ブチルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−n−ブチルヒドラジン、1−n−オクチル−2−n−ブチルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−n−ブチルヒドラジン、1−n−ノニル−2−n−ブチルヒドラジン、1−n−デシル−2−n−ブチルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−n−ブチルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−ブチルヒドラジン、1−フェニル−2−n−ブチルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−ブチルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−ブチルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がi−ブチル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−i−ブチルヒドラジン、1−t−ブチル−2−i−ブチルヒドラジン、1−n−ペンチル−2−i−ブチルヒドラジン、1−n−ヘキシル−2−i−ブチルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−i−ブチルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−i−ブチルヒドラジン、1−n−オクチル−2−i−ブチルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−i−ブチルヒドラジン、1−n−ノニル−2−i−ブチルヒドラジン、1−n−デシル−2−i−ブチルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−i−ブチルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−i−ブチルヒドラジン、1−フェニル−2−i−ブチルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−i−ブチルヒドラジン、1−ベンジル−2−i−ブチルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がt−ブチル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−t−ブチルヒドラジン、1−n−ペンチル−2−t−ブチルヒドラジン、1−n−ヘキシル−2−t−ブチルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−t−ブチルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−t−ブチルヒドラジン、1−n−オクチル−2−t−ブチルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−t−ブチルヒドラジン、1−n−ノニル−2−t−ブチルヒドラジン、1−n−デシル−2−t−ブチルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−t−ブチルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−t−ブチルヒドラジン、1−フェニル−2−t−ブチルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−t−ブチルヒドラジン、1−ベンジル−2−t−ブチルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−ペンチル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−ペンチルヒドラジン、1−n−ヘキシル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−n−オクチル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−n−ペンチルヒドラジン、1−n−ノニル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−n−デシル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−フェニル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−ペンチルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−ペンチルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−ヘキシル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジン、1−シクロヘキシル−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−オクチル−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−ノニル−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−デシル−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−フェニル−2−n−ヘキシルヒドラジン、1−(4−メチル)−2−n−ヘキシルフェニルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−ヘキシルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がシクロヘキシル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジシクロヘキシルヒドラジン、1−n−ヘプチル−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−オクチル−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−ノニル−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−デシル−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−フェニル−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−シクロヘキシルヒドラジン、1−ベンジル−2−シクロヘキシルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−ヘプチル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−オクチル−2−n−ヘプチルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−ノニル−2−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−デシル−2−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−n−ヘプチルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−ヘプチルヒドラジン、1−フェニル−2−n−ヘプチルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−ヘプチルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−ヘプチルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−オクチル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−オクチルヒドラジン、1−(2−エチルヘキシル)−2−n−オクチルヒドラジン、1−n−ノニル−2−n−オクチルヒドラジン、1−n−デシル−2−n−オクチルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−n−オクチルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−オクチルヒドラジン、1−フェニル−2−n−オクチルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−オクチルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−オクチルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が2−エチルヘキシル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ビス−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−ノニル−2−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−デシル−2−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−n−ドデシル−2−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−フェニル−2−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1−ベンジル−2−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−ノニル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−ノニルヒドラジン、1−n−デシル−2−n−ノニルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−n−ノニルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−ノニルヒドラジン、1−フェニル−2−n−ノニルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−ノニルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−ノニルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−デシル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−デシルヒドラジン、1−n−ウンデシル−2−n−デシルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−デシルヒドラジン、1−フェニル−2−n−デシルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−デシルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−デシルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−ウンデシル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−ウンデシルヒドラジン、1−n−ドデシル−2−n−ウンデシルヒドラジン、1−フェニル−2−n−ウンデシルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−ウンデシルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−ウンデシルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がn−ドデシル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジ−n−ドデシルヒドラジン、1−フェニル−2−n−ドデシルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−n−ドデシルヒドラジン、1−ベンジル−2−n−ドデシルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1がフェニル基、置換基R2がで水素原子あるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ジフェニルヒドラジン、1−(4−メチル)フェニル−2−フェニルヒドラジン、1−ベンジル−2−フェニルヒドラジン等が例示される。
また上記一般式(1)において、置換基R1が(4−メチル)フェニル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,2−ビス(4−メチル)フェニルヒドラジン、1−ベンジル−2−(4−メチル)フェニルヒドラジン等が例示される。
そして、上記一般式(1)において、置換基R1がベンジル基、置換基R2が水素原子であるヒドラジン類としては、具体的には、1,1−ジベンジルヒドラジン等が例示される。
これらのヒドラジン類のうち、上記一般式(1)において、置換基R1〜R3の炭素数が各々4〜8のものがさらに好ましい。置換基R1〜R3の炭素数が4未満であると還元力が強すぎ銅前駆体と混合した際に加熱する前に銅イオンを還元し、金属銅が析出してしまうおそれがある。また、置換基R1〜R3の炭素数が8を超えると、導電膜形成を行う際の加熱時における分解生成物である炭化水素類の沸点が高くなり、蒸発、気散することができずに銅薄膜内に残存するおそれがあり、金属銅としての純度や、形成した銅薄膜の導電性に悪影響を与える場合がある。さらに製造又は入手のコストを考慮すると、これらのヒドラジン類のうち、上記一般式(1)において、置換基R1〜R3のうち1種が水素原子であり、残りの置換基は同一の置換基であることが好ましい。
以上の点を考慮すると、本発明の導電膜形成用組成物において、ヒドラジン類としては、1,1−ジ−n−ブチルヒドラジン、1,1−ジ−t−ブチルヒドラジン、1,1−ジ−n−ペンチルドラジン、1,1−ジ−n−ヘキシルヒドラジン、1,1−ジシクロヘキシルヒドラジン、1,1−ジ−n−ヘプチルヒドラジン、1,1−ジ−n−オクチルヒドラジン、1,1−ジ−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,1−ジベンジルヒドラジン、1,2−ジ−n−ブチルヒドラジン、1,2−ジ−t−ブチルヒドラジン、1,2−ジ−n−ペンチルドラジン、1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジン、1,2−ジシクロヘキシルヒドラジン、1,2−ジ−n−ヘプチルヒドラジン、1,2−ジ−n−オクチルヒドラジン、1,2−ジ−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1,2−ジフェニルヒドラジン、及び1,2−ジベンジルヒドラジンからなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることがさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するヒドラジン類は、市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。公知の合成方法としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩を亜硫酸塩や塩化スズ(II)等の還元剤で還元する方法、ヒドラゾンやアジンを白金触媒を用いて接触還元する方法、アシルヒドラジンの還元、N−ニトロソアミンの還元、高後続ニトロ化合物の還元的カップリング、ヒドラジンやアジンのアルキル化及びアリール化、アミンとクロラミンの反応(Reasching反応)等の方法が挙げられる。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するヒドラジン類の純度は、特に限定するものではないが、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、還元剤として使用されるジオール類としては、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式(2)
[上記一般式(2)中、R
1、R
2は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基、又はフェニル基で水素原子が1〜3置換されたメチル基を表す。]
及び/又は下記一般式(3)
[上記一般式(3)中、R
3、R
4は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基、又はフェニル基で水素原子が1〜3置換されたメチル基を表す。]
で示される化合物が好適なものとして例示される。
これらのうち、銅前駆体の溶解度、さらには導電膜形成時の除去性を考慮すると、上記一般式(2)において、置換基R1、R2が各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、又はフェニル基であることが好ましく、上記一般式(3)において、置換基R3、R4が各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、又はベンジル基であることが好ましい。
上記一般式(2)において、置換基R1が水素原子であるジオール類としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、フェニルエチレングリコール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がメチル基であるジオール類としては、具体的には、2,3−ブタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,3−ヘキサンジオール、4−メチル−2,3−ペンタンジオール、2,3−ヘプタンジオール、5−メチル−2,3−ヘキサンジオール、4,4−ジメチル−2,3−ペンタンジオール、2,3−オクタンジオール、2,3−ノナンジオール、1−フェニルプロピレングリコール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がエチル基であるジオール類としては、具体的には、3,4−ヘキサンジオール、3,4−ヘプタンジオール、2−メチル−3,4−ヘキサンジオール、3,4−オクタンジオール、6−メチル−3,4−ヘプタンジオール、2,2−ジメチル−3,4−ヘキサンジオール、3,4−ノナンジオール、3,4−デカンジオール、1−フェニル−1,2−ブタンジオール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がn−プロピル基であるジオール類としては、具体的には、4,5−オクタンジオール、2−メチル−3,4−ヘプタンジオール、4,5−ノナンジオール、2−メチル−4,5−オクタンジオール、2,2−ジメチル−3,4−ヘプタンジオール、4,5−デカンジオール、4,5−ウンデカンジオール、1−フェニル−1,2−ペンタンジオール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がi−プロピル基であるジオール類としては、具体的には、2,5−ジメチル−3,4−ヘキサンジオール、2−メチル−3,4−オクタンジオール、2,6−ジメチル−3,4−ヘプタンジオール、2,2,5−トリメチル−3,4−ヘキサンジオール、2−メチル−3,4−ノナンジオール、2−メチル−3,4−デカンジオール、1−フェニル−3−メチル−1,2−ブタンジオール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がn−ブチル基であるジオール類としては、具体的には、5,6−デカンジオール、2−メチル−4,5−ノナンジオール、2,2−ジメチル−3,4−オクタンジオール、5,6−ウンデカンジオール、5,6−ドデカンジオール、1−フェニル−1,2−ヘキサンジオール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がi−ブチル基であるジオール類としては、具体的には、2,7−ジメチル−4,5−オクタンジオール、2,2,6−トリメチル−3,4−ヘプタンジオール、2−メチル−4,5−デカンジオール、2−メチル−4,5−ウンカンジオール、1−フェニル−1,2−ヘプタンジオール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がt−ブチル基であるジオール類としては、具体的には、2,2,5,5−テトラメチル−3,4−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3,4−ノナンジオール、2,2−ジメチル−3,4−デカンジオール、1−フェニル−3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がn−ペンチル基であるジオール類としては、具体的には、6,7−ドデカンジオール、6,7−トリデカンジオール、1−フェニル−1,2−ヘプタンジオール等が例示される。
また上記一般式(2)において、置換基R1がn−ヘキシル基であるジオール類としては、具体的には、7,8−テトラデカンジオール、1−フェニル−1,2−オクタンジオール等が例示される。
そして、上記一般式(2)において、置換基R1がフェニル基であるジオール類としては、具体的には、ヒドロベンゾイン等が例示される。
上記一般式(3)において、置換基R3が水素原子であるジオール類としては、具体的には、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−エチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−n−プロピルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−i−プロピルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−n−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−i−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−t−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−n−ペンチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−n−ヘキシルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−フェニルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ベンジルアミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がメチル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−エチル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−プロピル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−i−プロピル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ブチル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−i−ブチル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−t−ブチル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ペンチル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ヘキシル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−メチル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がエチル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−プロピル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−i−プロピル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ブチル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−i−ブチル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−t−ブチル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ペンチル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ヘキシル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−エチル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がn−プロピル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジ−n−プロピルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−i−プロピル,N−n−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ブチル,N−n−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−i−ブチル,N−n−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−t−ブチル,N−n−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ペンチル,N−n−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ヘキシル,N−n−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−n−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−n−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がi−プロピル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジ−i−プロピルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ブチル,N−i−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−i−ブチル,N−i−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−t−ブチル,N−i−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ペンチル,N−i−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ヘキシル,N−i−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−i−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−i−プロピル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がn−ブチル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジ−n−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−i−ブチル,N−n−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−t−ブチル,N−n−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ペンチル,N−n−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ヘキシル,N−n−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−n−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−n−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がi−ブチル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジ−i−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−t−ブチル,N−i−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ペンチル,N−i−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ヘキシル,N−i−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−i−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−i−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がt−ブチル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジ−t−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ペンチル,N−t−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ヘキシル,N−t−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−t−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−t−ブチル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がn−ペンチル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジ−n−ペンチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−n−ヘキシル,N−n−ペンチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−n−ペンチル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−n−ペンチル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がn−ヘキシル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジ−n−ヘキシルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−フェニル,N−n−ヘキシル)アミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−n−ヘキシル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
また上記一般式(3)において、置換基R3がフェニル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジフェニルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−(N−ベンジル,N−フェニル)アミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
そして、上記一般式(3)において、置換基R3がベンジル基であるジオール類としては、具体的には、3−N,N−ジベンジルアミノ−1,2−プロパンジオール等が例示される。
これらのジオール類のうち、上記一般式(2)において、置換基R1、R2が水素原子、又は炭素数が1〜4のアルキル基であるものが好ましく、上記一般式(3)において、置換基R3、R4が水素原子、又は炭素数が1〜4のアルキル基であるものが好ましい。置換基の炭素数が4を超えると、導電膜形成を行う際の加熱時における分解生成物の沸点が高くなり、蒸発、気散することができずに導電膜内に残存するおそれがあり、金属銅としての純度や、形成した導電膜の導電性に悪影響を与える場合がある。さらに製造又は入手のコストを考慮すると、上記一般式(2)で示されるジオール類としては、直鎖アルカンジオールが好ましく、上記一般式(3)において、置換基R3、R4は同一の置換基であることが好ましい。
以上の点を考慮すると、本発明の導電膜形成用組成物において、ジオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,3−ヘキサンジオール、2,3−ヘプタンジオール、3,4−ヘキサンジオール、3,4−ヘプタンジオール、3,4−オクタンジオール、3,4−ノナンジオール、3,4−デカンジオール、4,5−オクタンジオール、4,5−ノナンジオール、4,5−デカンジオール、5,6−デカンジオール、3−N,N−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−n−プロピルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−i−プロピルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−n−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−i−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、及び3−N,N−ジ−t−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオールからなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることがさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するジオール類は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。公知の合成方法としては、例えば、カルボニル化合物をZn−TiCl4やMg(Hg)−TiCl4で還元的にカップリングする方法、オレフィンを過酢酸等の有機過酸により酸化する方法、エポキシド化合物をトリフルオロ酢酸、過塩素酸等で開環する方法等が挙げられる。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するジオール類の純度は、特に限定するものではないが、電子塗布液分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、還元剤として使用される2−アミノエタノール類としては、特に限定するものではないが、たとえば、下記一般式(4)
[上記一般式(4)中、R
1、R
2は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基、又はフェニル基で水素原子が1〜3置換されたメチル基を表す。]
で示される化合物が好適なものとして挙げられる。
これらのうち、銅前駆体の溶解度、さらには導電膜形成時の除去性を考慮すると、上記一般式(4)において、置換基R1、R2が各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、又はベンジル基であることが好ましい。
上記一般式(4)において、置換基R1が水素原子であるジオール類としては、具体的には、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−エチルアミノエタノール、2−n−プロピルアミノエタノール、2−i−プロピルアミノエタノール、2−n−ブチルアミノエタノール、2−i−ブチルアミノエタノール、2−t−ブチルアミノエタノール、2−n−ペンチルアミノエタノール、2−n−ヘキシルアミノエタノール、2−フェニルアミノエタノール、2−ベンジルアミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がメチル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジメチルアミノエタノール、2−(N−エチル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−n−プロピル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−i−プロピル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−n−ブチル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−i−ブチル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−t−ブチル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−n−ペンチル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−n−ヘキシル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−フェニル,N−メチル)アミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−メチル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がエチル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジエチルアミノエタノール、2−(N−n−プロピル,N−エチル)アミノエタノール、2−(N−i−プロピル,N−エチル)アミノエタノール、2−(N−n−ブチル,N−エチル)アミノエタノール、2−(N−i−ブチル,N−エチル)アミノエタノール、2−(N−t−ブチル,N−エチル)アミノエタノール、2−(N−n−ペンチル,N−エチル)アミノエタノール、2−(N−n−ヘキシル,N−エチル)アミノエタノール、2−(N−フェニル,N−エチル)アミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−エチル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がn−プロピル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジ−n−プロピルアミノエタノール、2−(N−i−プロピル,N−n−プロピル)アミノエタノール、2−(N−n−ブチル,N−n−プロピル)アミノエタノール、2−(N−i−ブチル,N−n−プロピル)アミノエタノール、2−(N−t−ブチル,N−n−プロピル)アミノエタノール、2−(N−n−ペンチル,N−n−プロピル)アミノエタノール、2−(N−n−ヘキシル,N−n−プロピル)アミノエタノール、2−(N−フェニル,N−n−プロピル)アミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−n−プロピル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がi−プロピル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジ−i−プロピルアミノエタノール、2−(N−n−ブチル,N−i−プロピル)アミノエタノール、2−(N−i−ブチル,N−i−プロピル)アミノエタノール、2−(N−t−ブチル,N−i−プロピル)アミノエタノール、2−(N−n−ペンチル,N−i−プロピル)アミノエタノール、2−(N−n−ヘキシル,N−i−プロピル)アミノエタノール、2−(N−フェニル,N−i−プロピル)アミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−i−プロピル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がn−ブチル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジ−n−ブチルアミノエタノール、2−(N−i−ブチル,N−n−ブチル)アミノエタノール、2−(N−t−ブチル,N−n−ブチル)アミノエタノール、2−(N−n−ペンチル,N−n−ブチル)アミノエタノール、2−(N−n−ヘキシル,N−n−ブチル)アミノエタノール、2−(N−フェニル,N−n−ブチル)アミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−n−ブチル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がi−ブチル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジ−i−ブチルアミノエタノール、2−(N−t−ブチル,N−i−ブチル)アミノエタノール、2−(N−n−ペンチル,N−i−ブチル)アミノエタノール、2−(N−n−ヘキシル,N−i−ブチル)アミノエタノール、2−(N−フェニル,N−i−ブチル)アミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−i−ブチル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がt−ブチル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジ−t−ブチルアミノエタノール、2−(N−n−ペンチル,N−t−ブチル)アミノエタノール、2−(N−n−ヘキシル,N−t−ブチル)アミノエタノール、2−(N−フェニル,N−t−ブチル)アミノエタノール、又は2−(N−ベンジル,N−t−ブチル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がn−ペンチル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジ−n−ペンチルアミノエタノール、2−(N−n−ヘキシル,N−n−ペンチル)アミノエタノール、2−(N−フェニル,N−n−ペンチル)アミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−n−ペンチル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がn−ヘキシル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジ−n−ヘキシルアミノエタノール、2−(N−フェニル,N−n−ヘキシル)アミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−n−ヘキシル)アミノエタノール等が例示される。
また上記一般式(4)において、置換基R1がフェニル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジフェニルアミノエタノール、2−(N−ベンジル,N−フェニル)アミノエタノール等が例示される。
そして、上記一般式(4)において、置換基R1がベンジル基である2−アミノエタノール類としては、具体的には、2−N,N−ジベンジルアミノエタノール等が例示される。
これらの2−アミノエタノール類のうち、上記一般式(4)において、置換基R1、R2が水素原子、又は炭素数が1〜4のアルキル基であるものが好ましい。置換基の炭素数が4を超えると、導電膜形成を行う際の加熱時における分解生成物の沸点が高くなり、蒸発、気散することができずに導電膜内に残存するおそれがあり、金属銅としての純度や、形成した導電膜の導電性に悪影響を与える場合がある。さらに製造又は入手のコストを考慮すると、上記一般式(4)において、置換基R1、R2は同一の置換基であることが好ましい。
以上の点を考慮すると、本発明の導電膜形成用組成物において、2−アミノエタノール類としては、2−N,N−ジメチルアミノエタノール、2−N,N−ジエチルアミノエタノール、2−N,N−ジ−n−プロピルアミノエタノール、2−N,N−ジ−i−プロピルアミノエタノール、2−N,N−ジ−n−ブチルアミノエタノール、2−N,N−ジ−i−ブチルアミノエタノール、及び2−N,N−ジ−t−ブチルアミノエタノールからなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において使用する2−アミノエタノール類は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。公知の合成方法としては、例えば、対応するアミンとエチレンオキサイドを反応させる方法等が挙げられる。
本発明の導電膜形成用組成物において使用する上記一般式(4)で示される2−アミノエタノール類の純度は、特に限定するものではないが、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、還元剤として使用されるα−ヒドロキシケトン類としては、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式(5)
[上記一般式(5)中、R
1は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基、又はフェニル基で水素原子が1〜3置換されたメチル基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基、又はフェニル基で水素原子が1〜3置換されたメチル基を表す。]
で示される化合物が好適なものとして挙げられる。
これらのうち、銅前駆体の溶解度、さらには導電膜形成時の除去性を考慮すると、上記一般式(5)において、置換基R1が、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、又はフェニル基であり、置換基R2が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、又はフェニル基であることが好ましい。
上記一般式(5)において、置換基R1が水素原子であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、ヒドロキシアセトン、1−ヒドロキシ−2−ブタノン、1−ヒドロキシ−2−ペンタノン、1−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、1−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、1−ヒドロキシ−2−ヘプタノン、1−ヒドロキシ−2−オクタノン、1−ヒドロキシ−アセトフェノン等が例示される。
また上記一般式(5)において、置換基R1がメチル基であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、2−ヒドロキシ−4−メチル−3−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、2−ヒドロキシ−3−オクタノン、2−ヒドロキシ−3−ノナノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−1−プロパノン等が例示される。
また上記一般式(5)において、置換基R1がエチル基であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、3−ヒドロキシ−4−ヘプタノン、2−メチル−4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、3−ヒドロキシ−4−オクタノン、3−ヒドロキシ−4−ノナノン、3−ヒドロキシ−4−デカノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−1−ブタノン等が例示される。
また上記一般式(5)において、置換基R1がn−プロピル基であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、5−ヒドロキシ−4−オクタノン、2−メチル−4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−5−ノナノン、4−ヒドロキシ−5−デカノン、4−ヒドロキシ−5−ウンデカノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−1−ペンタノン等が例示される。
また上記一般式(5)において、置換基R1がi−プロピル基であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、3−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ヘプタノン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−4−オクタノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ノナノン、2−メチル−3−ヒドロキシ−4−デカノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−4−メチル−1−ブタノン等が例示される。
また上記一般式(5)において、置換基R1がn−ブチル基であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、3−ヒドロキシ−2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−3−オクタノン、5−ヒドロキシ−4−ノナノン、2−メチル−4−ヒドロキシ−3−オクタノン、6−ヒドロキシ−5−デカノン、5−ヒドロキシ−6−ウンデカノン、5−ヒドロキシ−6−ドデカノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−1−ヘキサノン等が例示される。
また上記一般式(5)において、置換基R1がn−ペンチル基であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、3−ヒドロキシ−2−オクタノン、4−ヒドロキシ−3−ノナノン、5−ヒドロキシ−4−デカノン、2−メチル−4−ヒドロキシ−3−ノナノン、6−ヒドロキシ−5−ウンデカノン、7−ヒドロキシ−6−ドデカノン、6−ヒドロキシ−7−ドデカノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−1−ヘプタノン等が例示される。
また上記一般式(5)において、置換基R1がn−ヘキシル基であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、3−ヒドロキシ−2−ノナノン、4−ヒドロキシ−3−デカノン、5−ヒドロキシ−4−ウンデカノン、2−メチル−4−ヒドロキシ−3−デカノン、6−ヒドロキシ−5−ドデカノン、7−ヒドロキシ−6−トリデカノン、8−ヒドロキシ−7−テトラデカノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−1−オクタノン等が例示される。
そして、上記一般式(5)において、置換基R1がフェニル基であるα−ヒドロキシケトン類としては、具体的には、1−ヒドロキシ−1−フェニル−2−プロパノン、1−ヒドロキシ−1−フェニル−2−ブタノン、1−ヒドロキシ−1−フェニル−2−ペンタノン、1−ヒドロキシ−1−フェニル−3−メチル−2−ブタノン、1−ヒドロキシ−1−フェニル−2−ヘキサノン、1−ヒドロキシ−1−フェニル−2−ヘプタノン、1−ヒドロキシ−1−フェニル−2−オクタノン、ベンゾイン等が例示される。
これらのα−ヒドロキシケトン類のうち、上記一般式(5)において、置換基R1が水素原子、又は炭素数が1〜3のアルキル基であり、置換基R2が炭素数が1〜3のアルキル基であるものが好ましい。置換基の炭素数が3を超えると、導電膜形成を行う際の加熱時における分解生成物の沸点が高くなり、蒸発、気散することができずに導電膜内に残存するおそれがあり、金属銅としての純度や、形成した導電膜の導電性に悪影響を与える場合がある。さらに製造又は入手のコストを考慮すると、上記一般式(5)で示されるα−ヒドロキシケトン類は分岐鎖が無いものであることが好ましい。
以上の点を考慮すると、本発明の導電膜形成用組成物において、α−ヒドロキシケトン類としては、ヒドロキシアセトン、1−ヒドロキシ−2−ブタノン、1−ヒドロキシ−2−ペンタノン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、3−ヒドロキシ−4−ヘプタノン、3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、及び5−ヒドロキシ−4−オクタノンからなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するα−ヒドロキシケトン類は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。公知の合成方法としては、例えば、アルカリ金属を用いてエステル化合物を還元的に縮合させる方法(アシロイン縮合)、アルデヒド化合物をシアノヒドリン等のアシルアニオン等価体に誘導してアルデヒドに求核付加させる方法、ケトンをエノラート等に変換した後、酸化してα位にヒドロキシ基を導入する方法等が挙げられる。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するα−ヒドロキシケトン類の純度は、特に限定するものではないが、電子塗布液分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、還元剤として使用されるヒロドキシルアミン類としては、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式(6)
[上記一般式(6)中、R
1、R
2は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基、又はフェニル基で水素原子が1〜3置換されたメチル基を表す。]
で示される化合物が好適なものとして挙げられる。
これらのうち、銅前駆体の溶解度、さらには導電膜形成時の除去性を考慮すると、上記一般式(6)において、置換基R1、R2が各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、又はベンジル基であることが好ましい。
上記一般式(6)において、置換基R1が水素原子であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、ヒロドキシルアミン、N−メチルヒロドキシルアミン、N−エチルヒロドキシルアミン、N−n−プロピルヒロドキシルアミン、N−i−プロピルヒロドキシルアミン、N−n−ブチルヒロドキシルアミン、N−i−ブチルヒロドキシルアミン、N−t−ブチルヒロドキシルアミン、N−n−ペンチルヒロドキシルアミン、N−n−ヘキシルヒロドキシルアミン、N−フェニルヒロドキシルアミン、N−ベンジルヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がメチル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジメチルヒロドキシルアミン、(N−エチル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−プロピル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−i−プロピル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ブチル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−i−ブチル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−t−ブチル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ペンチル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ヘキシル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−メチル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−メチル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がエチル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジエチルヒロドキシルアミン、(N−n−プロピル,N−エチル)ヒロドキシルアミン、(N−i−プロピル,N−エチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ブチル,N−エチル)ヒロドキシルアミン、(N−i−ブチル,N−エチル)ヒロドキシルアミン、(N−t−ブチル,N−エチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ペンチル,N−エチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ヘキシル,N−エチル)ヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−エチル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−エチル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がn−プロピル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジ−n−プロピルヒロドキシルアミン、(N−i−プロピル,N−n−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ブチル,N−n−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−i−ブチル,N−n−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−t−ブチル,N−n−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ペンチル,N−n−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ヘキシル,N−n−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−n−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−n−プロピル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がi−プロピル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジ−i−プロピルヒロドキシルアミン、(N−n−ブチル,N−i−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−i−ブチル,N−i−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−t−ブチル,N−i−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ペンチル,N−i−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ヘキシル,N−i−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−i−プロピル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−i−プロピル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がn−ブチル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジ−n−ブチルヒロドキシルアミン、(N−i−ブチル,N−n−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−t−ブチル,N−n−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ペンチル,N−n−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ヘキシル,N−n−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−n−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−n−ブチル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がi−ブチル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジ−i−ブチルヒロドキシルアミン、(N−t−ブチル,N−i−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ペンチル,N−i−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ヘキシル,N−i−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−i−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−i−ブチル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がt−ブチル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジ−t−ブチルヒロドキシルアミン、(N−n−ペンチル,N−t−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−n−ヘキシル,N−t−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−t−ブチル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−t−ブチル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がn−ペンチル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジ−n−ペンチルヒロドキシルアミン、(N−n−ヘキシル,N−n−ペンチル)ヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−n−ペンチル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−n−ペンチル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がn−ヘキシル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジ−n−ヘキシルヒロドキシルアミン、(N−フェニル,N−n−ヘキシル)ヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−n−ヘキシル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
また上記一般式(6)において、置換基R1がフェニル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジフェニルヒロドキシルアミン、(N−ベンジル,N−フェニル)ヒロドキシルアミン等が例示される。
そして、上記一般式(6)において、置換基R1がベンジル基であるヒロドキシルアミン類としては、具体的には、N,N−ジベンジルヒロドキシルアミン等が例示される。
これらのヒロドキシルアミン類のうち、上記一般式(6)において、置換基R1、R2が水素原子、又は炭素数が2〜6の直鎖アルキル基であるものが好ましい。置換基の炭素数が2未満だと、導電膜形成を行う際の加熱時に短時間で容易に、蒸発、気散し、銅イオンの還元が達成できなくなるおそれがあり、置換基の炭素数が4を超えると、導電膜形成を行う際の加熱時における分解生成物の沸点が高くなり、蒸発、気散することができずに導電膜内に残存するおそれがあり、いずれの場合も形成した導電膜の導電性に悪影響を与える場合がある。さらに製造又は入手のコストを考慮すると、上記一般式(6)において、置換基R1、R2は同一の置換基であることが好ましい。
以上の点を考慮すると、本発明の導電膜形成用組成物において、ヒロドキシルアミン類としては、N,N−ジエチルヒロドキシルアミン、N,N−ジ−n−プロピルヒロドキシルアミン、N,N−ジ−n−ブチルヒロドキシルアミン、N,N−ジ−n−ペンチルヒロドキシルアミン、及びN,N−ジ−n−ヘキシルヒロドキシルアミンからなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることがさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するヒロドキシルアミン類は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。公知の合成方法としては、例えば、2級アミン化合物を過酸化水水素水により酸化する方法、芳香族ニトロ化合物を、亜鉛末、水素化ホウ素ナトリウム触媒存在下でのボラン等の還元剤で還元する方法、ヒドロキシルアミンのアルキル化及びアリール化等が挙げられる。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するヒロドキシルアミン類の純度は、特に限定するものではないが、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、還元剤として使用されるアルデヒド類としては、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式(7)
[上記一般式(7)中、Rは水素原子、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基、又はフェニル基で水素原子が1〜3置換されたメチル基を表す。]
及び/又は下記一般式(8)
[上記一般式(8)中、Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素原子が1〜3置換された炭素数5〜10の芳香族基を表す。]
で示される化合物が好適なものとして挙げられる。
これらのうち、銅前駆体の溶解度、さらには導電膜形成時の除去性を考慮すると、上記一般式(7)において、置換基Rが、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルペンチル基、n−オクチル基、ビニル基、α−プロピレン基、α−プロピレン基、フェニル基、4−メチルフェニル基、又はベンジル基であることが好ましく、上記一般式(8)において、Xが、単結合、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンタメチレン基、n−ヘキサメチレン基、n−ヘプタメチレン基、n−オクタメチレン基、又はフェニレン基であることが好ましい。
上記一般式(7)で示されるアルデヒド類としては、具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、n−ブタナール、i−ブタナール、n−ペンタナール、i−ペンタナール、t−ペンタナール、n−ヘキサナール、n−ヘプタナール、シクロヘキサンカルボアルデヒド、n−オクタナール、2−エチルヘキサナール、n−ノナール、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、ベンジルアルデヒド等が例示される。
また、上記一般式(8)で示されるアルデヒド類としては、具体的には、グリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド、ピメリンアルデヒド、スベリンアルデヒド、アゼラインアルデヒド、セバシンアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が例示される。
これらのアルデヒド類のうち、上記一般式(7)においては、置換基Rが炭素数が4〜8の直鎖アルキル基であるものが好ましく、上記一般式(8)においては、Xが炭素数が4〜8のアルキレン基であるものが好ましい。いずれの場合においても、置換基の炭素数が4未満だと、導電膜形成を行う際の加熱時に短時間で容易に、蒸発、気散し、銅イオンの還元が達成できなくなるおそれがあり、置換基の炭素数が8を超えると、導電膜形成を行う際の加熱時における分解生成物の沸点が高くなり、蒸発、気散することができずに導電膜内に残存するおそれがあり、いずれの場合も形成した導電膜の導電性に悪影響を与える場合がある。
以上の点を考慮すると、本発明の導電膜形成用組成物において、アルデヒド類としては、n−ペンタナール、i−ペンタナール、t−ペンタナール、n−ヘキサナール、n−ヘプタナール、シクロヘキサンカルボアルデヒド、n−オクタナール、2−エチルヘキサナール、n−ノナール、ベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、アジピンアルデヒド、ピメリンアルデヒド、スベリンアルデヒド、アゼラインアルデヒド、セバシンアルデヒド、イソフタルアルデヒド、及びテレフタルアルデヒドからなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることがさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するアルデヒド類は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでも良く、特に限定されない。公知の合成方法としては、例えば、1級アルコールをクロロクロム酸ピリジニウム、デス・マーチン試薬等で酸化する方法、末端アルケンに水を付加する方法(ワッカー酸化)、カルボン酸エステルを水素化ジイソブチルアルミニウム等で還元する方法、ニトリルを塩酸酸性下、塩化スズ(II)で還元する方法等が挙げられる。
本発明の導電膜形成用組成物において使用するアルデヒド類の純度について、特に限定するものではないが、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、金属微粒子、銅前駆体、及び還元剤の組成比は特に限定するものではないが、例えば、導電膜形成用組成物全量に対し、金属微粒子の濃度が1重量ppm〜50重量%の範囲、銅前駆体の濃度が0.1〜80重量%の範囲、還元剤の濃度が0.1〜80重量%の範囲であることが好ましく、金属微粒子の濃度が0.1〜20重量%の範囲、銅前駆体の濃度が1〜60重量%の範囲、還元剤の濃度が1〜60重量%の範囲であることがさらに好ましい。
金属微粒子の濃度が1重量ppm未満では、触媒能が発現しないおそれがあり、銅前駆体から金属銅への還元析出速度が起こらない若しくは著しく低下する場合があり、50重量%を超えると、導電膜形成用組成物の粘度上昇又は固化が起こり作業性が低下する場合がある。また、銅前駆体の濃度が0.1重量%未満では、銅前駆体から生じる金属銅の量が少なく、十分に導電膜を形成できない場合があり、80重量%を超えると、導電膜形成用組成物の粘度上昇又は固化が起こり作業性が低下する場合がある。さらに、還元剤の濃度が0.1重量%未満であると、銅前駆体の含有量にもよるが、銅前駆体を完全に還元できない場合があり、80重量%を超えて使用しても入れただけの効果がないばかりではなく、導電膜形成用組成物全量における銅の濃度が低下するおそれがある。
本発明の導電膜形成用組成物は、上記成分に加えて、金属微粒子同士の凝集及び/又は酸化を抑制する、配位性化合物を含有しても一向に差し支えない。
本発明の導電膜形成用組成物において、配位性化合物としては、特に制限するものではないが、例えば、チオール基、ニトリル基、アミノ基、ヒドロキシル基、又はヒドロキシカルボニル基からなる群より選ばれる一種又は二種以上の極性官能基を有する単分子化合物や、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子からなる群より選ばれる一種又は二種以上のヘテロ原子を分子構造内に有するポリマー等が挙げられる。このような単分子化合物としては、例えば、アルカンチオール、脂肪族アミン、芳香族アミン、又は脂式カルボン酸が挙げられ、ポリマーとしては、例えば、ポリヒドラゾン化合物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びポリエチレンオキシド等が挙げられる。
これらの中でも、溶解性、酸化抑制効果、及び導電膜形成時の除去性を考慮すると、具体的には、n−ブタンチオール、i−ブタンチオール、t−ブタンチオール、n−ペンタンチオール、n−ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、n−ヘプタンチオール、n−オクタンチオール、2−エチルヘキサンチオール、n−ノナンチオール、n−デカンチオール、n−ウンデカンチオール、n−ドデカンチオール、α−トルエンチオール、又は2−フェニルエタンチオール等のアルカンチオール、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、ベンジルアミン、又は2−フェニルエチルアミン等の脂肪族アミン、アニリン、p−トルイジン、4−エチルアニリン、4−n−プロピルアニリン、4−i−プロピルアニリン、4−n−ブチルアニリン、4−i−ブチルアニリン、4−t−ブチルアニリン、4−n−ペンチルアニリン、4−n−ヘキシルアニリン、4−シクロヘキシルアニリン、4−n−ヘプチルアニリン、4−n−オクチルアニリン等の芳香族アミン、n−吉草酸、i−吉草酸、ピバリン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、又は3−フェニルプロピオン酸等の脂式カルボン酸、及びポリ(プロペンアルデヒドヒドラゾン)、ポリ(プロペンアルデヒドフェニルヒドラゾン)、ポリ(2−メチル−2−プロペンアルデヒドヒドラゾン)、ポリ(2−メチル−2−プロペンアルデヒドフェニルヒドラゾン)、ポリ(プロペンアルデヒド−2,2−ジメチルヒドラゾン)、ポリ(メチルビニルケトンヒドラゾン)、ポリ(メチルビニルケトンフェニルヒドラゾン)、ポリ(メチルイソプロペニルケトンヒドラゾン)、ポリ(メチルイソプロペニルケトンフェニルヒドラゾン)、及びポリ(メチルイソプロペニルケトン−2,2−ジメチルヒドラゾン)等のポリヒドラゾン化合物からなる群より選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、配位性化合物は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよい。
本発明の導電膜形成用組成物において、配位性化合物の純度は、特に限定するものではないが、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上がさらに好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物における配位性化合物の濃度は、特に限定するものではないが、導電膜形成用組成物全量に対し、配位性化合物の濃度が0〜50重量%の範囲であることが好ましく、0〜20重量%の範囲であることがさらに好ましい。配位性化合物の濃度が50重量%を超えて使用しても、入れただけの効果は得られないばかりでなく、導電膜形成用組成物の単位重量当たりの金属銅の含有量が低下する。
本発明の導電膜形成用組成物は、上記成分に加えて、銅イオン安定化剤、導電膜平滑化剤、濃度調整剤、表面張力調整剤、粘度調整剤等の添加剤を含有しても良い。
本発明の導電膜形成用組成物において、銅イオン安定化剤としては、銅イオンと錯体を形成し、安定化させる機能をもつ化合物であればよく、特に限定するものではないが、例えば、2−エチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ピロール、ピリジン、ピペリジン、アニリン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピペラジン、2,2’−ビピリジル、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、フェナントロリン等の含窒素化合物を挙げることができ、これらより選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、導電膜平滑化剤としては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル等の含酸素化合物を挙げることができ、これらより選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物において、濃度調整剤、表面張力調整剤、粘度調整剤としては、特に制限するものではないが、例えば、各成分が溶解し、反応しない有機溶媒が挙げられ、所望の濃度、表面張力、粘度となるように適宜添加すればよい。このような有機溶媒としては、例えば、アルコール類、グリコール類、エーテル類、エステル類、炭化水素類及び芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる一種、又は相溶性のある二種以上の混合物が挙げられる。
具体的には、アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ターピネオール等が挙げられ、グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられ、エーテル類としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が挙げられ、エステル類としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、炭化水素類としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロヘキサン、デカリン等が挙げられ、芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
本発明の導電膜形成用組成物における、上記した添加剤の濃度は特に制限はないが、導電膜形成用組成物全量に対し、添加剤の濃度が0〜50重量%の範囲であることが好ましく、0〜20重量%の範囲とするのがさらに好ましい。添加剤の濃度が50重量%を超えて使用しても、入れただけの効果は得られないだけでなく、導電膜形成用組成物の単位重量当たりの金属銅の含有量が低下する。
次に本発明の導電膜形成用組成物の製造方法について説明する。
本発明の導電膜形成用組成物は、上記した、金属微粒子、銅前駆体、及び還元剤を混合することで製造することができる。
本発明の導電膜形成用組成物の製造方法において、混合方法に特に制限はなく、公知の方法を利用できる。混合する順序に関しても特に制限はないが、例えば、金属微粒子に、順次、銅前駆体、及び還元剤を添加し、混合する方法等が挙げられる。また、配位性化合物を含有させる場合には、例えば、予め上記した金属微粒子に配位させてから、この金属微粒子に、順次、銅前駆体、及び還元剤を添加し、混合することが好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物の製造方法において、製造工程では溶媒を添加してもよい。添加する溶媒としては、銅前駆体、及び還元剤が溶解し、それらと反応しないものであれば、特に限定するものではないが、例えば、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、炭化水素類及び芳香族炭化水素類から選ばれる一種、又は相溶性のある二種以上の混合物が挙げられる。
具体的には、アルコール類としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ターピネオール等が挙げられ、エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル等が挙げられ、エステル類としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、炭化水素類としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロヘキサン、デカリン等が挙げられ、芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。これらの中でもコスト、及び安全性の面から、ヘキサノール、、ターピネオール、メチル−t−ブチルエーテル、及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる一種、又は相溶性のある二種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物の製造方法においては、加熱しながら上記した各成分を混合してもよい。加熱温度は、上記した各成分が凝固する温度以上であって、各成分が分解、沸騰又は反応してしまう温度以下であればよく、特に限定するものではないが、通常0〜100℃の範囲、好ましくは10〜60℃の範囲である。
本発明の導電膜形成用組成物の製造方法において、混合方法としては、特に限定するものではないが、例えば、攪拌羽による攪拌、スターラー及び攪拌子による攪拌、沸盪器による攪拌、超音波(ホモジナイザー)による攪拌等が挙げられる。攪拌条件としては、例えば、攪拌羽による攪拌の場合、攪拌羽の回転速度が、通常1〜1000rpmの範囲、好ましくは10〜400rpmの範囲である。
本発明の導電膜形成用組成物は、可能な限り高濃度の金属を含むもの(例えば、インクジェット用インクとしては、少なくとも5重量%以上)が要求されるため、本発明の製造方法において、脱溶剤を行ってもよい。
次に本発明の導電膜形成用組成物を用いた導電膜の形成方法について説明する。
本発明の導電膜形成用組成物を基板に塗布し、加熱することにより、当該基板上に導電膜を容易に形成することができる。
本発明の導電膜の形成方法において、本発明の導電膜形成用組成物を塗布する基板としては、公知のものを用いることができ、特に限定するものではないが、例えば、金属板、ガラス板、ITO(インジウム錫オキサイド)、セラミック基板等の無機基板や、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド樹脂、エポキシ樹脂等の有機基板が挙げられる。
本発明の導電膜の形成方法において、本発明の導電膜形成用組成物を塗布する方法としては、公知の方法によって行うことができ、特に限定するものではないが、例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法等が挙げられる。
本発明の導電膜の形成方法においては、本発明の導電膜形成用組成物を基板上に塗布した後に、加熱することによって、銅前駆体を還元剤により還元させると共に、有機物を分解、揮発させることにより除去される。
本発明の導電膜の形成方法において、加熱は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素等が挙げられる。これらの中でも安価なことから、窒素を用いることが好ましい。また、不活性ガス中には、金属微粒子の酸化に大きな影響を与えない程度ならば酸素を含んでいても良く、その濃度は、通常2000ppm以下であり、500ppm以下がさらに好ましい。
本発明の導電膜の形成方法において、加熱温度は、銅前駆体が還元剤により還元され、有機物が分解、揮発する温度であれば、特に制限はないが、通常50〜350℃の範囲であり、50〜250℃の範囲がさらに好ましい。加熱温度が50℃未満であると、銅前駆体の還元が完全に進行せず、また有機物の残存が顕著になる場合があり、350℃を超えると有機基板を利用できなくなるおそれがある。
本発明の導電膜の形成方法において、加熱時間は、銅前駆体及び還元剤の種類や、所望する導電性により適宜選択すればよいが、250℃程度の加熱温度を設定した場合には、通常10〜60分程度である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
なお、以下の実施例において、金属微粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で、観測した視野の中から、ランダムに3箇所選択し、1,000,000倍の倍率で撮影を行い、それぞれの写真から、粒子を計100個選択し、その直径をものさしで測り、測定倍率を除して粒子径を算出し、これらの値を算術平均することにより求めた。TEMは日本電子社製、商品名「JEM−2000FX」を使用した。また、平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、高速GPCシステム)によりポリスチレン換算で算出した。また、元素分析はパーキンエルマー全自動元素分析装置 「2400II」により測定し、1H−NMRはVarian製「Gemini−200」により測定した。
[参考例1] ポリ(メチルビニルケトン)の調製.
マグネット攪拌子を入れた50mlのナス型フラスコ中、蒸留生成したメチルビニルケトン3.5g(50mmol)をトルエン10gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル32mg(0.2mmol)を加え、60℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を200mlのメタノールに投入し、次いで析出物をろ取した。得られた白色固体を水洗、次いでメタノール洗浄した後、室温度で減圧下、乾燥することによりポリ(メチルビニルケトン)3.03gを得た(収率86.7%)。
数平均分子量(Mn)=62.8×102,Mw/Mn=4.03。
[参考例2] ポリ(メチルビニルケトンフェニルヒドラゾン)の調製.
マグネット攪拌子を入れた50mlのナス型フラスコ中、ポリ(メチルビニルケトン)1.4g(ケトン量20mmol)をテトラヒドロフラン40gに溶解させ、ジメチルヒドラゾン1.44g(22mmol)、p−トルエンスルホン酸5mgを添加し、60℃まで加熱し2時間攪拌した。反応終了後、反応液を200mlのメタノールに投入し、次いで析出物をろ取した。得られた白色固体を水洗、次いで少量のメタノール洗浄した後、室温度で減圧下、乾燥することによりポリ(メチルビニルケトンフェニルヒドラゾン)2.12gを得た(収率82.8%)。
数平均分子量(Mn)=58.2×102,Mw/Mn=4.32。
[参考例3] 銀微粒子の調製.
アニリン10gに酢酸銀1.67gを加え、固形物が完全に溶解し、均一溶液となるまで約10分間40℃で攪拌した。続いて、水素化ホウ素ナトリウム0.37gを水1.63gに溶解させた溶液を、室温で30分間かけて滴下した。さらに室温で30分間攪拌し、窒素気流下分液ロートに移液した。相分離した下部の無色透明な水相を除去した後、10gのイオン交換水で洗浄し再び相分離した下部の水相を除去することで、黒色の銀微粒子分散体を得た。この銀微粒子分散体をTEMで観測し平均粒子径を求めたところ、9.2nm(標準偏差4.2、変動係数46%)であった。銀微粒子分散体を減圧下(120Pa)、80℃に加熱し留出物を除くことにより、銀微粒子を2.19g得た。元素分析の結果、得られた銀微粒子は46重量%の銀と、54重量%の有機成分から構成され、1H−NMRによる解析結果より有機物の主成分はアニリンであった。
[参考例4] 銅微粒子の調製.
アニリン10gとフェニルヒドラジン2gの混合物に酢酸銅(II)一水和物2g、ポリ(メチルビニルケトンフェニルヒドラゾン)0.48gを加え完全に溶解させた後、水素化ホウ素ナトリウム0.37gを水1.63gに溶解させた溶液を、室温で30分間かけて滴下した。さらに室温で30分間攪拌することで、黒色の銅微粒子分散体を得た。この銅微粒子分散体をTEMで観測し平均粒子径を求めたところ、2.4nm(標準偏差1.1、変動係数46%)であった。銅微粒子分散体にアセトニトリル:水=1:1(v/v)溶液100mlを加え静置し、生じた沈殿を濾過することにより、銅微粒子を0.89g得た。元素分析の結果、得られた銅微粒子は67重量%の銅と、33重量%の有機成分から構成され、1H−NMRによる解析結果より有機物の主成分はポリ(メチルビニルケトンフェニルヒドラゾン)であった。
[参考例5] パラジウム微粒子の調製.
2−エチルヘキシルアミン10gに酢酸パラジウム1.12gを加え、固形物が完全に溶解し、均一溶液となるまで約10分間40℃で攪拌した。続いて、水素化ホウ素ナトリウム0.37gを水1.63gに溶解させた溶液を、室温で30分間かけて滴下した。さらに室温で30分間攪拌し、窒素気流下分液ロートに移液した。相分離した下部の無色透明な水相を除去した後、10gのイオン交換水で洗浄し再び相分離した下部の水相を除去することで、黒色のパラジウム微粒子分散体を得た。この銀微粒子分散体をTEMで観測し平均粒子径を求めたところ、7.4nm(標準偏差2.2、変動係数30%)であった。パラジウム微粒子分散体を減圧下(120Pa)、80℃に加熱し留出物を除くことにより、パラジウム微粒子を1.19g得た。元素分析の結果、得られたパラジウム微粒子は42重量%のパラジウムと、58重量%の有機成分から構成され、1H−NMRによる解析結果より有機物の主成分は2−エチルヘキシルアミンであった。
[実施例1] 銀微粒子、2−エチルヘキサン酸銅、及び1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジンを含有する導電膜形成用組成物の調製.
参考例3で得られた銀微粒子0.2gに、2−エチルヘキサン酸銅を3.5g、1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジンを2.0g、及びテトラヒドロフラン10gを添加し、40℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電膜形成用組成物を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Aと称する)。
[実施例2] 銅微粒子、イソ吉草酸銅、1,2−ジ−n−オクチルヒドラジン、及び1,2−プロパンジオールを含有する導電膜形成用組成物の調製.
参考例4で得られた銅微粒子0.4gに、イソ吉草酸銅を2.7g、1,2−ジ−n−オクチルヒドラジンを1.0g、1,2−プロパンジオールを1.0g及びテトラヒドロフラン10gを添加し、40℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電膜形成用組成物を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Bと称する)。
[実施例3] 銀微粒子、2−エチル酪酸銅、及び3−N,N−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオールを含有する導電膜形成用組成物の調製.
参考例3で得られた銀微粒子0.2gに、2−エチル酪酸銅を3.0g、3−N,N−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオールを1.0g及びテトラヒドロフラン10gを添加し、40℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電膜形成用組成物を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Cと称する)。
[実施例4] 銅微粒子、イソ酪酸銅、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、及び2−N,N−ジエチルアミノエタノールを含有する導電膜形成用組成物の調製.
参考例4で得られた銅微粒子0.4gに、イソ酪酸銅を2.4g、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンを1.0g、2−N,N−ジエチルアミノエタノールを1.0g、及びテトラヒドロフラン10gを添加し、25℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電膜形成用組成物を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Dと称する)。
[実施例5] 銀微粒子、酪酸銅、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを含有する導電膜形成用組成物の調製.
参考例3で得られた銀微粒子0.2gに、酪酸銅を2.2g、3−ヒドロキシ−2−ブタノンを2.0g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを0.4g及びテトラヒドロフラン10gを添加し、25℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電膜形成用組成物を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Eと称する)。
[実施例6] 銅微粒子、プロピオン酸銅、2−エチルヘキサナール、及びN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンを含有する導電膜形成用組成物の調製.
参考例4で得られた銅微粒子0.4gに、プロピオン酸銅を1.8g、2−エチルヘキサナールを2.0g、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン0.4g、及びテトラヒドロフラン10gを添加し、25℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電膜形成用組成物を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Fと称する)。
[実施例7] パラジウム微粒子、酢酸銅、1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジン、及びエチレングリコールを含有する導電膜形成用組成物の調製.
参考例5で得られたパラジウム微粒子0.3gに、酢酸銅を1.8g、1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジンを0.6g、エチレングリコールを1.6g、及びテトラヒドロフラン10gを添加し、25℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電膜形成用組成物を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Gと称する)。
[実施例8] パラジウム微粒子、1,1,1−トリフルオロアセチルアセトナト銅、及び2,3−ブタンジオールを含有する導電膜形成用組成物の調製.
参考例5で得られたパラジウム微粒子0.3gに、1,1,1−トリフルオロアセチルアセトナト銅を1.7g、2,3−ブタンジオールを2.0g、及びテトラヒドロフラン10gを添加し、25℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電膜形成用組成物を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Hと称する)。
[比較例1] 銅微粒子を含有する塗布液の調製.
参考例4で得られた銅微粒子1.0gに、テトラヒドロフラン10gを添加し、40℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、塗布液を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Iと称する)。
[比較例2] 銀微粒子、及び2−エチルヘキサン酸銅を含有する塗布液の調製.
実施例1で得られた銀微粒子0.2gに、2−エチルヘキサン酸銅を3.5g、及びテトラヒドロフラン10gを添加し、40℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、塗布液を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Jと称する)。
[比較例3] 2−エチルヘキサン酸銅と1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジンを含有する塗布液の調製.
2−エチルヘキサン酸銅3.5gに、1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジンを2.0g、及びテトラヒドロフラン10gを添加し、40℃で30分間加熱攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、塗布液を調製した(以下、表記を簡潔にするため、塗布液Kと称する)。
[実施例9〜16、比較例4〜6] 導電性及び薄膜の内部空隙評価.
ガラス基板上に、塗布液A〜Kを、バーコーターを用いて塗布し、10mm×50mm、膜厚90μmの均一な塗布膜とした。次に、窒素ガスを6L/分の流量で流通した加熱炉で、これら塗布液を塗布したガラス基板を80℃で10分間、続いて、250℃で30分間加熱処理を行い、膜厚みが約5〜10μmの薄膜を得た。各薄膜について、比抵抗値を四探針抵抗測定機(商品名「ロレスタGP」、三菱化学社製)にて測定した。
また、各薄膜を切断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、薄膜の内部空隙を評価した。薄膜の内部空隙の評価は薄膜断面における単位面積当りの空隙面積の比率(以下空隙率とする)として行った。空隙率は走査型電子顕微鏡(SEM)で、観測した視野の中から、ランダムに3箇所選択し、10,000倍の倍率で撮影を行い、それぞれの写真において、5μm四方における空隙の面積比率を算出し、これらの値を算術平均することにより求めた。SEMは日本電子社製、商品名「JSM T220A」を使用した。
これら評価の結果を表1に併せて示す。
表1から明らかなとおり、実施例9〜実施例16において、金属微粒子、銅前駆体、及び還元剤を含有する導電膜形成用組成物を用いて形成された導電膜は、いずれも良好な導電性を示すとともに、薄膜の内部空隙率が低かった。
これに対し、比較例4、比較例5において、金属微粒子のみ、又は金属微粒子と銅前駆体のみを含有する導電膜形成用組成物を用いて形成された導電膜は、導電性を示さず、薄膜の内部空隙率も高かった。また、比較例6において、銅前駆体と還元剤のみを含有する導電膜形成用組成物を用いて形成された導電膜は、導電性が良好とはいえず、薄膜の内部空隙率も高かった。