JP4852272B2 - 金属ペースト - Google Patents

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本発明は、金属ペースト及び金属ペーストを用いて得られる金属膜に関する。さらに、本発明は、金属ペーストを用いて得られる金属膜を備えた外部電極及び外部電極を有する電子部品に関する。
近年、磁性体や誘電体を素子として用いる電子部品等の外部電極の形成に、熱硬化性樹脂に銀粉末を混合した熱硬化型導電ペーストが用いられることが多い。外部電極は、通常、熱硬化型導電ペーストを電子部品上に塗布後、150〜250℃の低温で熱硬化させ下地電極とし、次いで下地電極の表面に、ワット浴等で電気メッキによりニッケルメッキを施し、その後、電気メッキにより半田メッキを施すことにより形成される。
これらの方法において、メッキプロセスは、電子部品の外部電極を基板等へ半田付けする際の接着強度を得るために実施されるものであるが、メッキプロセスは煩雑である上に、メッキ液の管理、メッキ後の廃液の廃棄等が必要となる。そこで、方法の簡略化及び環境問題の観点から、メッキを施さない外部電極への要求が高まっている。
このような要求に応えるために、これまでにも、メッキを施さない外部電極が提案されている。例えば、導電ペーストの導体粒子である銀又は銀合金粉末を、特定の有機系金属化合物でコーティングすることにより、導電ペーストを用いて形成される膜状導体の半田耐熱性を向上させる技術が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この技術では焼成温度が500〜960℃の高温での処理が必要なため、電子部品の外部電極形成には温度的な制約があり、低温化での処理が望まれていた。
また、特定の金属化合物含有ペーストを用いて、下地電極上に金属層を形成する技術が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この技術では、得られる金属層の膜厚が1〜2μmと薄く、半田耐熱性のために膜厚がより厚いものへの要求がなおも存在した。
さらに、導電性ペーストに、銀・銅を含む合金を配合して、酸化や銀マイグレーションが抑えられた半田付け性の良好な膜を得る技術が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この技術には、銅に起因する酸化を完全に避けることはできない上に、体積抵抗値も高く、実用上の難点が存在した。
特開2002−298651号公報 特開2004-59987号公報 特開平4-28107号公報
本発明の課題は、上記のような状況に対応して、半田耐熱性に優れる金属膜を下地電極上に形成することができる金属ペーストを提供することである。また、本発明の課題は、金属ペーストを用いて、半田耐熱性に優れる金属膜を提供すること、及び金属膜を備えた外部電極を提供することである。
本発明は、(A)1次粒子の平均粒子径が100〜2000nmの銀粒子、(B1)1次粒子の平均粒子径が40nm以上、100nm未満の銀微粒子、並びに(C)銅の無機化合物及び/又は有機化合物、を含む、金属ペーストに関する。
また、本発明は、(A)1次粒子の平均粒子径が100〜2000nmの銀粒子、(B2)有機溶媒の存在又は非存在下に、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンを混合し、次いで還元剤を添加して、反応温度20〜80℃で反応させて得られる銀微粒子、並びに(C)銅の無機化合物及び/又は有機化合物、を含む、金属ペーストに関する。
さらに、本発明は、更に(D)ロジン及びその誘導体から選ばれる1種以上を含む、前記のいずれかの金属ペーストに関する。
加えて、本発明は、前記のいずれかの金属ペーストを用いて得られる金属膜に関し、さらに、本発明は、前記金属膜を下地電極の少なくとも一部に備えた外部電極に関する。
本発明は、特定の銀の粒子を組み合わせ、銅の無機化合物及び/又は有機化合物とともに配合した金属ペーストは、焼成して金属膜としたときに、銀膜が緻密化される一方、銅・銀合金が形成され、半田耐熱性が向上する金属膜が形成されることを見出したものである。
本発明によれば、半田耐熱性に優れる金属膜を下地電極上に形成することができる金属ペーストが提供される。また、この金属ペーストを用いて、半田耐熱性に優れる金属膜、及び半田耐熱性に優れる金属膜を備えた外部電極が提供される。
本発明の金属ペーストは、(A)1次粒子の平均粒子径が100〜2000nmの銀粒子を含む。1次粒子の平均粒子径は、100〜1000nmがより好ましく、特に好ましくは100〜500nmである。銀粒子の形状は、球状、りん片状、針状等、どのような形状でもよいが、好ましくは、球状である。なお、本明細書において、平均粒子径とは、粒子が球状の場合は粒子径、りん片状の場合は粒子薄片の長径、針状の場合は長さのそれぞれ平均をいうこととする。銀粒子は化学還元法により製造されたものが好ましい。
本発明の金属ペーストは、一の態様で、(B1)1次粒子の平均粒子径が40nm以上、100nm未満の銀微粒子を含む。銀粒子の形状は、球状、りん片状、針状等、どのような形状でもよいが、好ましくは、球状である。
また、本発明の金属ペーストは、別の態様で、(B2)有機溶媒の存在又は非存在下に、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンを混合し、次いで還元剤を添加して、反応温度20〜80℃で反応させて得られる銀微粒子を含む。本発明の金属ペーストには、上記の反応による反応生成物を層分離させて、銀微粒子を含有する層を回収して配合することもできるし、層分離させずに反応生成物をそのまま配合することもできる。
上記の反応において、カルボン酸の銀塩は、脂肪族、芳香族いずれのカルボン酸の銀塩であってもよい。また、モノカルボン酸の銀塩であっても、ジカルボン酸等のポリカルボン酸の銀塩であってもよい。脂肪族カルボン酸の銀塩は、鎖状脂肪族カルボン酸の銀塩であっても、環状脂肪族カルボン酸の銀塩であってもよい。好ましくは鎖状脂肪族モノカルボン酸の銀塩であり、より好ましくは、酢酸銀、プロピオン酸銀又は酪酸銀であり、特に酢酸銀である。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。
脂肪族第一級アミンは、鎖状脂肪族第一級アミンであっても、環状脂肪族第一級アミンであってもよい。また、モノアミン化合物であっても、ジアミン化合物等のポリアミン化合物であってもよい。脂肪族第一級アミンには、脂肪族炭化水素基が、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基等のアルコキシ基で置換されたものも含む。より好ましくは、3−メトキシプロピルアミン、3−アミノプロパノール及び1,2−ジアミノシクロヘキサンである。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。
脂肪族第一級アミンの使用量は、カルボン酸の銀塩1当量に対して、1当量以上であることが好ましく、1.0〜3.0当量であることがより好ましく、さらに好ましくは1.0〜1.5当量、特に好ましくは1.0〜1.1当量である。
カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンとの混合は、有機溶媒の非存在下又は存在下に行うことができる。有機溶媒の使用により、混合を容易にすることができる。有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用することができる。有機溶媒の使用量は、混合の利便性、後続の工程での銀微粒子の生産性の点から、任意の量とすることができる。
カルボン酸塩の銀塩と脂肪族第一級アミンとの混合は、例えば、第一級脂肪族アミン、又は第一級脂肪族アミンと有機溶媒の混合物を攪拌しながら、カルボン酸の銀塩を添加して行う。添加終了後も、適宜、攪拌を続けることができる。その間、温度を、20〜80℃に維持することが好ましく、より好ましくは、20〜60℃である。
その後、還元剤を添加して、銀微粒子が析出した反応生成物を得る。還元剤としては、反応の制御の点から、ギ酸、ホルムアルデヒド、アスコルビン酸又はヒドラジンが好ましく、より好ましくは、ギ酸である。これらは単独で、又は2種以上を併用することができる。
還元剤の使用量は、通常、カルボン酸の銀塩に対して酸化還元当量以上であるが、酸化還元当量が、0.5〜5倍であることが好ましく、より好ましくは1〜3倍である。カルボン酸の銀塩がモノカルボン酸の銀塩であり、還元剤としてギ酸を使用する場合、ギ酸のモル換算での使用量は、カルボン酸の銀塩1モルに対して、0.5〜1.5モルであることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.0モル、さらに好ましくは0.5〜0.75モルである。
還元剤の添加及びその後の反応においては、温度を20℃〜80℃に維持する。温度は、20〜70℃であることが好ましく、より好ましくは、20〜60℃である。温度がこの範囲にあると、銀微粒子の粒成長が十分であり、生産性も高く、また二次凝集も抑制される。還元剤の添加及びその後の反応に要する時間は、反応装置の規模に依存するが、通常、10分〜10時間である。なお、還元剤の添加及びその後の反応に際して、必要に応じて、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トルエン等の芳香族炭化水素等の有機溶媒を追加で添加することができる。
上記反応生成物は、通常、1次粒子の平均粒子径が40nm以上、100nm未満nmの銀微粒子を含む。平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定による、個数基準に基づく平均粒子径として算出することができる。本発明の金属ペーストには、1次粒子の平均粒子径50〜80nmの銀微粒子が好ましく、さらに、このうち、結晶子径が20〜50nmであり、かつ結晶子径に対する平均粒子径の比が1〜4のものが特に好ましい。結晶子径は、CuのKα線を線源とした粉末X線回折法による測定から、面指数(1,1,1)面ピークの半値幅を求め、Scherrerの式により計算することができる。
本発明の金属ペーストには、上記反応生成物をそのまま、配合することができる。なお、反応生成物中の銀含有量は通常、40〜65重量%である。
また、析出した銀微粒子を沈降させて、デカンテーション等により上澄みを除去するか、又はメタノール、エタノール、テレピネオール等のアルコール等の溶媒を添加して分取して、本発明の金属ペーストに配合することができる。
本発明の金属ペーストは、(C)銅の有機化合物を含む。有機化合物としては、オクタン酸銅、ギ酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅が挙げられる。また、例えば、銅アセチルアセトナート等のの錯体も用いることができる。これらは、単独でも、2種以上を併用してもよい。
銅の無機化合物及び/又は有機化合物は、アミノ化合物、カルボン酸、イミノ化合物等を有機溶媒に配合し、20〜80℃、好ましくは40〜60℃に加熱・保持して、2〜8時間、好ましくは4〜6時間、攪拌して、場合により有機溶媒を留去し、ペースト状にして配合することができる。
上記の反応において、アミノ化合物としては、脂肪族又は芳香族モノアミン又はジアミンが挙げられ、好ましくは、N−メチルアニリン、1−フェニルエチルアミン等のモノアミノ化合物;1,3−ジアミノプロパン、N−メチル−1,3−ジアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,12−ジアミノドデカン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン等のジアミノ化合物;2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン等のモノアミノ化合物が挙げられる。
カルボン酸としては、脂肪族又は芳香族のモノ−、ジ−、トリカルボン酸等の有機酸が挙げられ、例えば、ギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸、シクロヘキサプロピオン酸、シクロヘキサン酢酸、ノナン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、ロイシン酸、ヒドロキシピバリン酸、ピバリン酸、グルタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ピメリン酸、コハク酸、エチルブチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。
有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノールが挙げられる。
アミノ化合物は、銅の無機又は有機化合物1モルに対して0.5〜10モルであることが好ましく、より好ましくは1〜7モルである。
カルボン酸は、銅の無機又は有機化合物1モルに対して0.3〜1モルであることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.8モルである。
有機溶媒の量は、所望の粘度等に応じて、適宜、選択することができる。
本発明の金属ペーストは、(D)ロジン及びその誘導体から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。成分は、主に銅に起因する酸化膜を除去するためのフラックス剤として機能するものである。具体的には、トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン、ロジン誘導体、水添ロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジンが挙げられる。また、ロジンの主成分であるアビエチン酸も包含される。
(B1)又は(B2)成分は、(A)成分100重量部に対して、30〜200重量部が好ましく、より好ましくは30〜150重量部であり、特に好ましくは30〜100重量部である。(B1)又は(B2)成分の配合量がこの範囲であると、焼結性の点で好ましい。
(C)成分は、(A)成分及び(B1)又は(B2)成分に含まれる銀の含有量100重量%に対して、銅換算量が0.3〜1.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.5重量%である。(C)成分の配合量がこの範囲であると、半田濡れ性、耐熱性の点で好ましい。
(D)成分を配合する場合、(D)成分は、(A)成分100重量部に対して、1〜15重量部が好ましく、より好ましくは3〜10重量部であり、特に好ましくは3〜5重量部である。(D)成分の配合量がこの範囲であると、作業性、半田濡れ性の点で好ましい。
本発明の金属ペーストは、溶媒を含むことができ、例えば、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びそれらに対応する酢酸エステルのようなエステル類、テルピネオール等が挙げられる。溶媒は、本発明の金属ペーストの全重量中、2〜10重量%であることが好ましい。
本発明の金属ペーストは、その他の成分として、無機及び有機顔料、シランカップリング剤、レべリング剤、チキソトロピック剤、消泡剤等を含むことができる。
本発明の金属ペーストは、(A)成分、(B1)又は(B2)成分、(C)成分並びに場合により(D)成分や溶媒をはじめとするその他の成分を混合することにより得られる。
本発明の金属ペーストは、所望の基体に印刷又は塗布して、焼成することにより金属膜を形成することができる。焼成により、ともに緻密な銀膜が形成するとともに、銅・銀合金が形成される。また、(C)成分の無機部分及び有機部分、並びに場合により配合される(D)成分は、実質的に熱分解する。
焼成温度は、350℃以下が好ましく、より好ましくは250〜350℃であり、さらに好ましくは280〜320℃である。焼成時間は、10〜60分が好ましく、より好ましくは20〜40分である。
本発明の金属ペーストは、金属膜とした場合に、半田耐熱性に優れるため、電子部品等の下地電極の少なくとも一部に印刷又は塗布した後に焼成して、金属膜を備えた外部電極を形成するのに好適である。
外部電極の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、熱硬化型導電ペーストを、磁性体、誘電体等の素子、基板、電動回路等の外部電極を設置する電子部品に、スクリーン印刷、転写、浸漬塗布等、任意の方法で印刷又は塗布する。印刷又は塗布する厚さは、通常、硬化後の厚さが、20〜100μmになるような厚さである。有機溶媒を用いる場合は、印刷又は塗布の後、常温で、又は加熱によって、溶媒を揮散させる。通常、70〜250℃、たとえばフェノール樹脂を硬化剤として用いるエポキシ樹脂の場合、150〜200℃で2〜10分加熱して乾燥させて硬化を行い、下地電極を得る。熱硬化型導電ペーストは、特に限定されず、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂のようなアミノ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、脂環式等のエポキシ樹脂、レゾール型、ノボラック型のようなフェノール樹脂、シリコーンエポキシ、シリコーンポリエステルのようなシリコーン変性樹脂等を使用することができる。硬化には、完全に硬化している場合のほか、本発明の金属ペーストの塗布が可能である程度に半硬化している場合も含まれる。ただし下地電極は、従来の焼成型導電ペーストを用いて形成したものでもよく、特に限定されない。半田付けを行う関係からは、硬化物の耐熱分解性の高いものが望ましい。
次いで、下地電極の少なくとも一部、好ましくは全体に本発明の金属ペーストをスクリーン印刷、転写、浸漬塗布等、任意の方法で印刷又は塗布する。印刷又は塗布する厚さは、通常、焼成後の厚さが、10〜30μmになるような厚さである。本発明は、銀粒子を含むため、かかる膜厚の金属膜の形成が可能である。その後、焼成して、下地電極上に金属膜を形成する。好ましい焼成温度、焼成時間は上記のとおりである。このようにして得られる外部電極は、従来のニッケルメッキ、電気メッキ等の煩雑なメッキプロセスを経ずとも、回路基板等に容易に半田付けすることができ、磁性体や誘電体を素子として用いる電子部品及び積層型の電子部品(例えば抵抗、コンデンサ、コイル等)に、端子電極として用いることができる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
表1に示す組成で、各成分を配合し、三本ローラーミルを用いて混合し、金属ペーストとした。
Figure 0004852272
(B)成分の銀微粒子は、以下のようにペースト状にしたものを使用した。10Lのガラス製反応容器に3−メトキシプロピルアミン3.0kg(30.9mol)を入れた。撹拌しながら、反応温度を45℃以下に保持しつつ、酢酸銀5.0kg(30.0mol)を添加した。添加直後は、透明な溶液となり溶解していくが、添加が進むにつれ溶液が次第に濁り、全量を添加すると灰茶濁色の粘調溶液となった。そこへ95重量%のギ酸1.0kg(21.0mol)をゆっくり滴下した。滴下直後から激しい発熱が認められたが、その間、反応温度を30〜45℃に保持した。当初、灰濁色の粘調溶液が、茶色から黒色へ変化した。全量を滴下した後反応を終了させた。反応混合物を40℃で静置すると二層に分かれた。上層は黄色の透明な液であり、下層には黒色の銀微粒子が沈降した。上層の液には、銀成分が含まれていなかった。上層の液をデカンテーションで除去し、メタノールを使用して層分離させて銀含有率65重量%のペーストを得た。ギ酸の滴下開始から反応終了までに要した時間は6時間であった。また、反応容積当たり銀微粒子の生産性は、0.57mol/h/Lであった。
(C)成分の銅の有機化合物は、以下のようにしてペースト状にしたものを使用した。ガラス製の反応容器中、エタノール140gに、ギ酸銅0.2mol、3−アミノ−1−プロパノール0.2mol、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール0.1mol、ジエタノールアミン0.1mol及びシクロヘキサンカルボン酸0.1molを添加し、70℃で2時間攪拌した後、エバポレータでエタノールを留去し、濃青色の透明な液体を得た。
〔試料の作製〕
アルミナ基板(96%アルミナ)に、熱硬化型導電ペーストを厚み(約20μm)で塗布し、150℃10分の条件で、オーブンを用いて乾燥させた。
次いで、乾燥後に、実施例1〜2及び比較例1の金属ペーストをそれぞれ塗布し、ベルト焼成炉を用いて、300℃30分の条件で焼成した。
焼成後の基板を、表2に示す温度の半田槽に所定の時間浸漬し、半田耐熱性を測定した。結果を表2に示す。半田耐熱性の評価は、浸漬後の半田の状態を肉眼で測定し、
評価 ○ :半田食われ 5%未満
△ :半田食われ 20%未満
× :半田食われ 20%以上
とした。空欄は、測定せず、を表す。
Figure 0004852272
実施例では、比較例に比べ、半田耐熱性が優れていることがわかる。

Claims (9)

  1. (A)1次粒子の平均粒子径が100〜2000nmの銀粒子、
    (B1)1次粒子の平均粒子径が40nm以上、100nm未満の銀微粒子、並びに
    (C)銅の有機化合物
    を含む、金属ペースト。
  2. (B1)の銀微粒子の1次粒子の平均粒子径が50〜80nmである、請求項1記載の金属ペースト
  3. (A)1次粒子の平均粒子径が100〜2000nmの銀粒子、
    (B2)有機溶媒の存在又は非存在下に、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンを混合し、次いで還元剤を添加して、反応温度20〜80℃で反応させて得られる銀微粒子、並びに
    (C)銅の有機化合物
    を含む、金属ペースト。
  4. 更に、(D)ロジン及びその誘導体から選ばれる1種以上
    を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の金属ペースト。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の金属ペーストを用いて得られる金属膜。
  6. 請求項5記載の金属膜を下地電極の少なくとも一部に備えた、外部電極。
  7. 請求項6記載の外部電極を備えた電子部品。
  8. (a)導電粒子及び樹脂を含む熱硬化型導電ペーストを、外部電極を設置する電子部品に塗布又は印刷する工程と、
    (b)前記塗布又は印刷した熱硬化型導電ペーストを硬化させて、前記電子部品上に下地電極を形成する工程と、
    (c)下地電極の少なくとも一部に、(A)1次粒子の平均粒子径が100〜2000nmの銀粒子、(B1)1次粒子の平均粒子径が40nm以上、100nm未満の銀微粒子、並びに(C)銅の有機化合物を含む、金属ペーストを印刷又は塗布する工程と、
    (d)電子部品を、350℃以下の温度で焼成して、下地電極上に金属膜を形成する工程と
    を含む、外部電極の製造方法。
  9. (a)導電粒子及び樹脂を含む熱硬化型導電ペーストを、外部電極を設置する電子部品に塗布又は印刷する工程と、
    (b)前記塗布又は印刷した熱硬化型導電ペーストを硬化させて、前記電子部品上に下地電極を形成する工程と、
    (c)下地電極の少なくとも一部に、(A)1次粒子の平均粒子径が100〜2000nmの銀粒子、(B2)有機溶媒の存在又は非存在下に、カルボン酸の銀塩と脂肪族第一級アミンを混合し、次いで還元剤を添加して、反応温度20〜80℃で反応させて得られる銀微粒子、並びに(C)銅の有機化合物を含む、金属ペーストを印刷又は塗布する工程と、
    (d)電子部品を、350℃以下の温度で焼成して、下地電極上に金属膜を形成する工程と
    を含む、外部電極の製造方法。
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