JP5516584B2 - 磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気センサ、回転角度検出装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気センサ、回転角度検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5516584B2
JP5516584B2 JP2011522809A JP2011522809A JP5516584B2 JP 5516584 B2 JP5516584 B2 JP 5516584B2 JP 2011522809 A JP2011522809 A JP 2011522809A JP 2011522809 A JP2011522809 A JP 2011522809A JP 5516584 B2 JP5516584 B2 JP 5516584B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
magnetoresistive
forming step
film
magnetic field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011522809A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011007767A1 (ja
Inventor
賢一 目黒
裕之 星屋
恵三 加藤
泰典 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2011522809A priority Critical patent/JP5516584B2/ja
Publication of JPWO2011007767A1 publication Critical patent/JPWO2011007767A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5516584B2 publication Critical patent/JP5516584B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/06Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using galvano-magnetic devices
    • G01R33/09Magnetoresistive devices
    • G01R33/093Magnetoresistive devices using multilayer structures, e.g. giant magnetoresistance sensors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B7/00Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques
    • G01B7/30Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring angles or tapers; for testing the alignment of axes
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N50/00Galvanomagnetic devices
    • H10N50/01Manufacture or treatment
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N50/00Galvanomagnetic devices
    • H10N50/10Magnetoresistive devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気抵抗素子を用いた磁気センサ、および磁気センサを用いた回転角度検出装置に関するものである。
磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサは、磁界発生機構を搭載した検知対象物の変位を非接触で検出することが可能であり、磁気エンコーダや磁気回転角度検出センサとして利用されている。磁気抵抗効果素子の中でも、スピンバルブ(以下、SVと記載する)型と呼ばれる巨大磁気抵抗効果(以下、GMRと記載する)膜を用いた磁気抵抗効果素子は、回転角度検出に対して有用である。
特許文献1に記載されているように、SV型GMR膜は、反強磁性層/強磁性固定層/非磁性中間層/強磁性自由層の基本構成から成る。強磁性固定層は、隣接して成膜された反強磁性層との交換結合により、その磁化方向が一方向に固定されている。一方、強磁性自由層の磁化方向は、外部磁界に応じて変化する。
したがって、SV型GMR膜に対して、比較的小さい強度の信号回転磁界を印加すると、強磁性固定層の磁化と強磁性自由層の磁化の相対角度が変化し、これに応じて電気的な出力を得ることができる。すなわち、回転検知対象物に永久磁石などの磁界発生機構を搭載し、回転検知対象物の回転運動に同期して生じる回転磁界を電気信号に変換することで、回転角度センサとしての機能が得られる。
特に、回転検知対象物の絶対角度を検出するためには、回転磁界に対して磁気抵抗効果素子の検出感度が等方的であり、任意の磁界方向に対して検出誤差が小さいことが重要となる。また、動作環境温度の変動に対して検出角度に乖離が生じないことも必要である。
このような課題に対して、強磁性固定層の磁化方向が異なるSV型GMR膜を用いた磁気抵抗効果素子を複数有し、これらをブリッジ回路状に接続した回転角度センサが提案されている。
一般に、ひとつのSV型GMR膜について、強磁性固定層のある特定部位のみを所望の複数方向に着磁することは困難である。したがって、複数の磁化方向を有する磁気抵抗効果素子を得るためには、あらかじめ強磁性固定層の磁化方向が異なるSV型GMR膜を用いた磁気抵抗効果素子を複数作製しておくことが必要である。その後、磁気抵抗効果素子を個々の素子ユニットに切断して、ブリッジ回路に実装することになる。
一方、回転角度センサには、高温環境下での安定動作に対する要求も強い。SV型GMR膜の熱安定性という観点では、強磁性固定層の磁化をいかに強固に固定するかがボトルネックとなる。反強磁性層との交換結合は、一般に250℃から320℃程度で消失することから、十分な熱安定性を実現することは困難であった。
特許文献2には、上記課題に対して、別の固定層磁化の固定方法として、反強磁性層を含まない、第一の強磁性層/反強磁性的結合層/第二の強磁性層からなる強磁性固定層の構造が開示されている。例えば、Co/Ru/Coという積層構造を適切な厚さと作製方法で形成すると、2つのCo層がRu層を介して反強磁性的に強く層間結合し、結果、反平行配列した2つのCo層の磁化が外部磁界によって変化しにくくなる。特許文献2に記載されている技術は、このことを応用している。ここでは、このような強磁性固定層構造をセルフピン型と呼ぶことにする。
セルフピン型の強磁性固定層は、反強磁性層との交換結合を活用した通常の強磁性固定層よりも、より高温下まで磁化を安定に固定することができる。そのため、上記課題に対して好ましい構成であると言える。
また、セルフピン型の強磁性固定層は、磁化方向を規定する手法に関しても大きな利点がある。
一般に、反強磁性層との交換結合を活用した通常の強磁性固定層の磁化方向は、GMR膜を成膜した後、磁界を印加しながら行う熱処理で規定される。すなわち、この手法では、同一基板上に異なる方向へ強磁性固定層の磁化を規定することが困難であった。
一方で、セルフピン型の強磁性固定層は、成膜する時に印加する磁界の方向を変えることで、磁化を任意の方向に設定することができる。そのため、同一基板内に、異なる方向に強磁性固定層の磁化を設定した複数のGMR膜を形成することができる。
したがって、微細加工を用いて磁気抵抗効果素子を形成する工程を経て、ブリッジ回路へ電極端子を接続する工程を、同一基板内で実施することができる。そのため、簡便な製造フローで磁気センサを作製することが可能である。
特許文献3には、上記のような手法を用いた磁気センサが記載されている。
特許文献4には、セルフピン型の強磁性固定層を複数方向に着磁する技術として、局所的な加熱を利用した着磁方法が記載されている。
特許文献5には、強磁性固定層の磁化方向制御に関して、エッチングによるテクスチャー形成を用いて一軸磁気異方性を誘導する手法が開示されている。
特許第3040750号公報 特許第3033934号公報 特開2008−306112号公報 特表2002−519873号公報 特開2007−142393号公報
上述したように、セルフピン型の強磁性固定層を用いたGMR膜により構成される磁気センサは、(1)熱安定性に優れる、(2)同一基板上に、強磁性固定層の磁化が異なる方向に設定された複数の磁気抵抗効果素子、およびこれを接続して成るブリッジ回路を形成することが可能である、等の利点がある。
しかしながら、例えば、相異なる4方向の強磁性固定層の磁化設定を必要とする場合には、GMR膜を成膜する工程が4回必要となる。この場合、工程数が多く、製造タクト・コストの面では不利となる。
また、回転角度センサの性能において重要となる検出角度誤差については、ブリッジ回路を構成する個々の磁気抵抗効果素子の特性ばらつきが大きな影響を与える。すなわち、4回に分割して成膜した個々のGMR膜の特性にばらつきが生じると、検出角度誤差の点で性能が劣る懸念がある。また、4段構成となるGMR膜では、GMR膜を成膜する際のバッチ間の特性ばらつきに加えて、上段に進むほど、表面凹凸の増大などが特性乖離を引き起こす可能性がある。
上記特許文献4に記載の技術では、強磁性固定層の磁化固定に関して、熱安定性や強磁界耐性を犠牲にする必要があり、信頼性の高い磁気センサが得られ難い懸念がある。
上記特許文献5に記載の技術では、強磁性固定層の磁化容易軸を制御することができるが、磁化容易軸上のいずれの向きに磁化を設定するかまでは規定することが難しかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、GMR膜を成膜する工程の数を少なくしつつ、強磁性固定層の磁化の方向と向きをともに規定することができる手法を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気抵抗効果素子の製造方法では、方向性を有する複数のパターンを形成することによって強磁性固定層の磁化方向を複数方向に規定する。また、磁気抵抗効果膜を成膜するときに、前記複数のパターン同士が形成する角度の間に設定された角度で磁界を印加する。
本発明に係る磁気抵抗効果素子の製造方法によれば、磁気抵抗効果膜を形成する工程を1回実行する毎に、磁気抵抗効果膜を複数の方向と向きへ着磁することができる。これにより、安価で、検出角度誤差が小さく、熱安定性に優れる高性能な磁気抵抗効果素子を得ることができる。
実施の形態1に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を示すフローチャートである。 図1のステップS101等において、イオンビームエッチング法を用いてテクスチャーを形成する手法を示す模式図である。 テクスチャーの上にGMR膜を形成した後のTEM観察図である。 強磁性固定層の磁化方向を調べるためにテクスチャーを形成した試料の配置図である。 印加磁界(外部磁界)の角度とGMR膜の抵抗値との関係を測定した結果を示す図である。 実施の形態1に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を図示したものである。 磁気抵抗効果素子の構成例を示す模式図である。 実施の形態2に係る磁気センサの機能ブロック図である。 各ブリッジ回路の等価回路図である。 第1ブリッジ回路と第2ブリッジ回路の出力を示す図である。 実施の形態3に係る磁気センサの模式図である。 実施の形態8に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。理解を容易にするため、以下の図において同じ機能部分には同一の符号を付して説明する。
また、ここでは説明を簡略化するため、強磁性固定層の磁化方向が、基板面内のある基準方向に対して、0°、90°、180°、270°の4つの向きに設定された磁気抵抗効果素子を作製する場合を例に説明を行う。上記の各角度については、所望の性能等の要件を満たすものであれば、任意の角度に設定することが可能である。すなわち、本発明における強磁性固定層の磁化方向は、上記4つの角度の向きに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を示すフローチャートである。図1のフローチャートは、基板側から順に、強磁性固定層/非磁性中間層/強磁性自由層を積層してGMR膜を成膜する手順を示す。以下、図1の各ステップについて説明する。
(図1:ステップS101)
基板上の特定の部位(第1部位)に、基板の基準方向に対して0°の向き(第1方向)で直線状の第1テクスチャー(第1パターン)を形成する。実際のテクスチャーは、基板の基準方向に対して0°の向きと180°の向きを結ぶ方向に、直線状に形成されることになる。
ここでは、後述のステップS105と区別するため、本ステップで形成されるテクスチャーの向きは、基準方向に対して0°であるとした。以下の説明でも、同様の考え方を用いて、テクスチャーの方向を表現する。
テクスチャーの形成手法については、後述の図2で改めて説明する。以下のステップにおいてテクスチャーを形成する手法についても同様である。なお、本ステップを実行している様子は、後述の図6(1)で改めて図示する。
(図1:ステップS102)
基板上の特定の部位(第1部位とは異なる第2部位)に、基板の基準方向に対して90°の向き(第2方向)で直線状の第2テクスチャー(第2パターン)を形成する。実際のテクスチャーは、基板の基準方向に対して90°の向きと270°の向きを結ぶ方向に、直線状に形成されることになる。なお、本ステップを実行している様子は、後述の図6(1)で改めて図示する。
(図1:ステップS103)
上記第1パターンと第2パターンを形成した部位上に、GMR膜を成膜する。このとき少なくとも、強磁性固定層を成膜する過程において、第1パターンと第2パターンがなす角度の間の角度、好ましくは45°の角度θで磁界を印加しながら、成膜を行う。磁界の大きさは、通常GMR膜の強磁性層としてよく用いられるCo−Feが飽和する程度の大きさとする。具体的には、数kA/mから数十kA/m程度が適切である。
GMR膜の強磁性固定層には、ステップS101〜S102で形成したテクスチャーの指向性に応じて、0°と180°を結ぶ方向、および90°と270°を結ぶ方向を磁化容易軸とする一軸磁気異方性が誘導される。言い換えると、強磁性固定層の磁化方向を規定することができる。
さらに、θ=45°の方向に磁界を印加しながら成膜を行うと、その磁界は、第1テクスチャーの働きによって0°の向きに分解される成分と、第2テクスチャーの働きによって90°の向きに分解される成分とに分かれる。この作用により、強磁性固定層の磁化の向きが0°および90°の向きに設定されることになる。
すなわち、強磁性固定層の磁化方向は、単に0°の向きと180°の向きを結ぶ「方向」、および90°の向きと270°の向きを結ぶ「方向」に設定されるのみならず、明示的に0°の「向き」と90°の「向き」に設定されるのである。
なお、本ステップを実行している様子は、後述の図6(2)で改めて図示する。
(図1:ステップS104)
ステップS101〜S103で得られた、磁化方向が0°の向きと90°の向きに設定されたGMR膜を、後述の図6(3)で改めて説明するパターニング等の手法により、所望の形状に加工する。
(図1:ステップS105)
Al膜などの分離絶縁膜を成膜する。
(図1:ステップS106)
基板上の特定の部位(第1部位、第2部位とは異なる第3部位)に、基板の基準方向に対して180°の向きで直線状の第3テクスチャー(第3パターン)を形成する。実際のテクスチャーは、基板の基準方向に対して0°の向きと180°の向きを結ぶ方向に、直線状に形成されることになる。なお、本ステップを実行している様子は、後述の図6(4)で改めて図示する。
(図1:ステップS107)
基板上の特定の部位(第1部位〜第3部位とは異なる第4部位)に、基板の基準方向に対して270°の向きで直線状の第4テクスチャー(第4パターン)を形成する。実際のテクスチャーは、基板の基準方向に対して90°の向きと270°の向きを結ぶ方向に、直線状に形成されることになる。なお、本ステップを実行している様子は、後述の図6(4)で改めて図示する。
(図1:ステップS108)
上記第3パターンと第4パターンを形成した部位上に、GMR膜を成膜する。このとき少なくとも、強磁性固定層を成膜する過程において、第3パターンと第4パターンがなす角度の間の角度、好ましくは225°の角度θで磁界を印加しながら、成膜を行う。磁界の大きさについては、ステップS103と同様でよい。
本ステップにより、強磁性固定層の磁化方向は、ステップS103と同様の原理で180°の「向き」と270°の「向き」に設定される。
なお、本ステップを実行している様子は、後述の図6(5)で改めて図示する。
(図1:ステップS109)
ステップS106〜S108で得られた、磁化方向が180°の向きと270°の向きに設定されたGMR膜を、後述の図6(6)で改めて説明するパターニング等の手法により、所望の形状に加工する。
(図1:ステップS110)
Al膜などの分離絶縁膜を成膜する。
(図1:ステップS111)
フォトレジスト工程→イオンミリング工程→電極膜形成工程を通して、磁気抵抗効果素子に一対の電極を接続する。
以上、本実施の形態1に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を説明した。
次に、各ステップの詳細について説明する。
図2は、図1のステップS101等において、イオンビームエッチング法を用いてテクスチャーを形成する手法を示す模式図である。図2(a)は基板とイオンガンの配置を示す側面図、図2(b)は基板にテクスチャーが形成された状態を示す斜視図である。以下では図1のステップS101を例に取り、同ステップの実行手順を説明する。
(図1:ステップS101:手順1)
ガラス基板に、スパッタ法によりAl膜を30nm成膜する。
(図1:ステップS101:手順2)
ガラス基板の法線方向に対して、イオンビームの入射方向が例えば60°となるように、イオンガンとガラス基板を配置する。
(図1:ステップS101:手順3)
イオンガンを用いてイオンビームエッチングを30秒間実行する。
(図1:ステップS101:手順4)
ガラス基板を180°自転させ、イオンガンを用いてイオンビームエッチングを30秒間実行する。
(図1:ステップS101:手順5)
手順3〜4を、所定回数繰り返し実行する。この結果、図2(b)に示すような、線状の指向性を持ったテクスチャーが形成される。
以上、図1のステップS101等の詳細について説明した。ここで、上記手順3〜手順4について補足しておく。
イオンビームエッチングを行う場合は、面内のエッチング量が均一となるように、基板を自転させるのが一般的である。本実施の形態1では、意図的に基板を自転させずに処理することで、エッチング方向に指向性を持たせた。これにより、面内のエッチング量が均一なテクスチャーを、線状の指向性をもって形成することができる。
図3は、テクスチャーの上にGMR膜を形成した後のTEM(Transmission Electron Microscope)観察図である。図3(a)は図2のA−A’断面、図3(b)はこれに直交する図2(b)のB−B’断面の観察図である。
まず、スパッタ法によりガラス基板上にAl膜を成膜した。次に、スパッタ法により、下から順に、Ta(3)/Ru(2)/Co75Fe25(2.4)/Ru(0.35)/Co90Fe10(2.5)/Cu(2.1)/Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(2)/Cu(0.6)/Ta(2)の構成からなるGMR膜を成膜した。GMR膜構成表記において、()内数値は各膜厚(単位:nm)であり、下添え字は合金組成(単位:at%)である。GMR膜の層構成の内訳は、以下の通りである。
(下地層)Ta(3)/Ru(2)
(強磁性固定層)Co75Fe25(2.4)/Ru(0.35)/Co90Fe10(2.5)
(非磁性中間層)Cu(2.1)
(強磁性自由層)Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(2)
(保護層)Cu(0.6)/Ta(2)
A−A’断面には、Al膜表面に、周期的な凹凸が観察された。周期は10nm程度であり、振幅は1nm程度であった。図示した部位以外にも全面に渡って、比較的周期と振幅の揃った凹凸を確認することができた。B−B’断面はほぼ平坦で、明確な凹凸構造は認められなかった。
すなわち、上述したような手法によるイオンビームエッチングによって、指向性のあるテクスチャーが形成されたことが分かる。
次に、このような指向性のあるテクスチャーが、強磁性層の磁気特性に与える影響について調べた。
まず上記と同様に、ガラス基板/Al膜(30nm)に、イオンビームエッチングによって指向性のあるテクスチャーを形成した。その後、Ta(3nm)/Ru(2)/Co75Fe25(3)/Ru(2)という構成の積層膜を成膜し、VSM(振動試料型磁力計)を用いて、Co75Fe25(3)層の磁気特性を評価した。
評価の結果、図2における(a)A−A’方向が磁化困難軸、(b)紙面垂直方向が磁化容易軸となる一軸磁気異方性が誘導されていることが確認された。磁化困難軸を励磁した際に得られた異方性磁界Hkは、8kA/m程度であった。また、磁化容易軸を励磁した際は、保磁力Hceは1.6kA/m程度であった。
イオンビームエッチングを行わない場合には、それぞれHk=0.6kA/m程度、Hce=1kA/m程度であったことから、指向性のあるテクスチャーを形成することによって、大きな磁気異方性が誘導されたことが分かる。
なお、この磁気異方性は、積層膜を成膜する時の印加磁界の有無や印加磁界の方向にほとんど依存しないことを確認している。
次に、指向性のあるテクスチャー上に成膜したGMR膜の特性を評価した結果について説明する。
まず上記と同様に、ガラス基板/Al膜(30nm)に、イオンビームエッチングによって指向性のあるテクスチャーを形成した。その後、上述したTa(3nm)/Ru(2)/Co75Fe25(2.4)/Ru(0.35)/Co90Fe10(2.5)/Cu(2.1)/Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(2)/Cu(0.6)/Ta(2)の構成からなるGMR膜を成膜した。ここでは、GMR膜成膜時に磁界は印加していない。上記GMR膜の構成の詳細について、ここで説明しておく。
セルフピン型の強磁性固定層:Co75Fe25(2.4)/Ru(0.35)/Co90Fe10(2.5)では、Ru(0.35)層を介して、Co75Fe25(2.4)層とCo90Fe10(2.5)層が反強磁性的に強く層間結合しており、互いの磁化が反平行配列した状態となっている。
この強磁性固定層の磁化方向を安定にするためには、(1)反強磁性的層間結合層(ここではRu(0.35)層)を介した層間結合エネルギーが大きいこと、(2)実効的な強磁性固定層の磁化量がゼロであること、すなわち、Co75Fe25(2.4)層の磁化量とCo90Fe10(2.5)の磁化量を等しくすること、が効果的である。また、ここでは、強磁性固定層と強磁性自由層の間に作用する層間結合磁界がゼロとなるように、Cu層の膜厚を2.1nmとした。
ここで示したGMR膜構成は典型例を示したに過ぎず、磁気抵抗効果(MR)特性や強磁性層の磁気特性に関して、より好ましい結果が得られるように、材料や膜厚を適宜最適化しても、本発明の支障となるものではない。
まず、比較のため、テクスチャーを形成しない場合について、MR特性を直流4端子法で測定した。この場合、強磁性固定層の磁化方向が一方向に規定されておらず、良好なMR特性が得られなかった。
一方、テクスチャーを形成した場合、10%程度のMR比(磁気抵抗変化率)が得られており、良好な特性を示した。MR曲線の形状から、強磁性固定層と強磁性自由層の磁化が、印加磁界の大きさに応じて平行配列(抵抗最小)および反平行配列(抵抗最大)となっている様子が確認できた。さらに、印加磁界の大きさを徐々に増加させていったところ、強磁性固定層の磁化方向は、150kA/mまで安定して固定されていることが確認された。
次に、強磁性固定層の磁化方向に関して詳細に調べた。
図4は、強磁性固定層の磁化方向を調べるためにテクスチャーを形成した試料の配置図である。同図に示すように、ガラス基板/Al膜(30nm)にイオンビームエッチングによって指向性のあるテクスチャーを形成した試料を2枚準備した。次に、指向性テクスチャーの方向が互いに直交するように配置して、上述したGMR膜を無磁界中で成膜した。
ここでは、強磁性固定層の磁化方向として、Cu(2.1)層に接したCo90Fe10(2.5)層の磁化方向に着目する。
まず、強磁性固定層の磁化方向を求めるために、外部磁界方向に対するGMR膜抵抗の依存性を評価した。外部磁界の大きさは16kA/mに固定し、印加方向を0°から360°まで15°刻みで変えて測定を行った。
強磁性固定層の磁化方向は、16kA/mの印加磁界に対して安定であるため、その方向は変化しない。一方で、強磁性自由層の磁化方向は、印加磁界の方向に向くので、強磁性固定層と強磁性自由層の磁化の相対角度が変わり、GMR効果(GMR膜の抵抗変化)が発現する。
図5は、印加磁界(外部磁界)の角度とGMR膜の抵抗値との関係を測定した結果を示す図である。図5の上図は図4の左側のテクスチャーについての測定結果、図5の下図は図4の右側のテクスチャーについての測定結果である。GMR膜の抵抗は、外部磁界の方向に対して正弦波的に変化している。図5の上下の波形を比較すると、テクスチャーの指向性方向によってその位相が異なっている様子が分かる。
GMR膜抵抗が最小になっている時点における印加磁界の角度が、強磁性固定層の磁化方向と一致しているといえる。なぜならば、磁界印加方向と強磁性自由層の磁化は一致しており、GMR膜抵抗が最小になっている際に、強磁性固定層の磁化と強磁性自由層の磁化(すなわち印加磁界の角度)は同一の方向を向いていると考えられるからである。
指向性テクスチャーの方向が互いに直交するように配置された試料における磁性固定層の磁化方向は、それぞれ−90°および−180°と見積もることができる。すなわちこれは、1回のGMR膜成膜によって、強磁性固定層の磁化方向を、直交した2方向に着磁することができたことに他ならない。
本実施の形態1では、磁化方向を上述のように直交した2方向に着磁することに加え、GMR膜を成膜するときに磁界を印加することにより、磁化の向きをも規定することができる。
なお、θ=45°の方向に磁界を印加しながら成膜を行ったGMR膜における強磁性固定層の磁化は、後に続くθ=225°の方向に磁界を印加しながら行う成膜工程によって影響を受けない。これは、前述したように、磁化方向が規定されたセルフピン型の強磁性固定層:Co75Fe25(2.4)/Ru(0.35)/Co90Fe10(2.5)は、指向性テクスチャーによって誘導された大きな一軸磁気異方性と、Ru(0.35)層を介した強い反強磁性的な層間結合によって、その磁化方向が極めて安定であることによる。すなわち、150kA/m程度以上の大きさの磁界が印加されない限り、強磁性固定層の磁化方向が変わることがないからである。
図6は、本実施の形態1に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を図示したものである。ここではガラス基板を上から見た平面図を工程毎に図示した。以下、図6の各工程について説明する。
(1)テクスチャー形成(0°、90°)
Al膜を成膜したガラス基板の表面に、フォトレジスト工程によって、所望の部位のみにテクスチャーが形成されるように、レジストパターンを形成する。次いで、前述したような手法により、指向性を有するテクスチャーを形成する。このフロー・セットを、テクスチャーの指向性が直交する2方向となるように、2度行う。
本工程は、図1のステップS101〜S102に相当する。本工程によって、ガラス基板の基準方向(図1では図面の右向き)に対して0°に向いたテクスチャーと、同基準方向に対して90°に向いたテクスチャーとが形成される。
(2)GMR膜を成膜(θ=45°)
GMR膜を成膜する時、特に、少なくとも下地層に接する側の強磁性固定層(ここでは、Co75Fe25(2.4)層)を成膜する際に、0°<θ<90°、好ましい一例としては、θ=45°の方向に磁界を印加しながら、GMR膜の成膜を行う。
先に形成したテクスチャーの効果によって、印加した磁界はガラス基板の基準方向に対して0°に向いた成分と、同基準方向に対して90°に向いた成分とに分解される。この磁界成分の効果により、GMR膜の強磁性固定層は、それぞれ0°の向きと90°の向きに着磁されることになる。
なお、印加する磁界の角度は、必ずしも45°でなくともよい。2つのテクスチャーが形成する角度の間の角度で磁界を印加すれば、テクスチャーの効果によって結果的に0°の向きの成分と90°の向きの成分とに分解されることになるからである。
本工程は、図1のステップS103に相当する。
(3)素子形成
フォトレジスト工程によってレジストパターンを形成する。次いで、イオンミリング法によって、磁気抵抗効果素子を所望の形状に加工し、レジストを剥離する。本工程によって、GMR膜の強磁性固定層の磁化方向が、ガラス基板の基準方向に対して0°の方向と90°の方向を向いた2つの磁気抵抗効果素子が得られる。
本工程は、図1のステップS104に相当する。
(4)テクスチャー形成(180°、270°)
工程(1)と同様に、ガラス基板の表面にテクスチャーを形成する手順を2回実行する。
本工程は、図1のステップS106〜S107に相当する。本工程によって、ガラス基板の基準方向(図1では図面の右向き)に対して180°に向いたテクスチャーと、同基準方向に対して270°に向いたテクスチャーとが形成される。
なお、本工程でテクスチャーを形成する部位は、先に形成した2つのテクスチャーを形成した部位と正対するようにしておく。すなわち、第1部位は第3部いと正対し、第2部位は第4部位と正対するようにしておく。これにより、ガラス基板の基準方向に対してそれぞれ異なる4方向(0°、90°、180°、270°)を向いた4つのテクスチャーが形成されることになる。
(5)GMR膜を成膜(θ=225°)
GMR膜を成膜する時、特に、少なくとも下地層に接する側の強磁性固定層(ここでは、Co75Fe25(2.4)層)を成膜する際に、180°<θ<270°、好ましい一例としては、θ=225°の方向に磁界を印加しながら、GMR膜の成膜を行う。
先に形成したテクスチャーの効果によって、印加した磁界はガラス基板の基準方向に対して180°を向いた成分と、同基準方向に対して270°を向いた成分とに分解される。この磁界成分の効果により、GMR膜の強磁性固定層は、それぞれ180°の向きと270°の向きに着磁されることになる。
本工程は、図1のステップS108に相当する。
(6)素子形成
工程(3)と同様に、磁気抵抗効果素子を2つ形成する。本工程によって、GMR膜の強磁性固定層の磁化方向が、ガラス基板の基準方向に対して180°の方向と270°の方向を向いた2つの磁気抵抗効果素子が得られる。本工程は、図1のステップS109に相当する。
このような製造方法を用いて作製した個々の磁気抵抗効果素子の特性を評価した。評価の結果、強磁性固定層の磁化方向が狙い通り、0°、90°、180°、270°の4方向に着磁されており、ばらつきの小さいMR特性を得ることができた。
図7は、磁気抵抗効果素子の構成例を示す模式図である。図6の工程(1)〜(3)、および工程(4)〜(6)を個別に実行し、後に各層を重ね合わせると、図7のような素子構造が得られる。
本実施の形態1に係る手法を用いて製造した磁気抵抗効果素子は、基板上にテクスチャーが形成されている点、1つのGMR膜が複数方向に着磁されている点が特徴的である。
以上のように、本実施の形態1では、ガラス基板上に2つのテクスチャーを形成した後、各テクスチャーが形成する角度の間の角度に磁界を印加しながらGMR膜を成膜する。
これにより、GMR膜を成膜する工程を1回実行するのみで、強磁性固定層が2方向に着磁されたGMR膜を成膜することができる。また、GMR膜を成膜するときの印加磁界は、ガラス基板の基準方向に対して0°の向きと90°の向きの2つの成分に分解されるので、GMR膜の強磁性固定層の磁化の向きを、0°の向きと90°の向きにそれぞれ規定することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、実施の形態1で説明した磁気抵抗効果素子を用いて構成された磁気センサについて説明する。
磁界の回転角度を検出する磁気センサは、上述したような方法で、同一基板上に強磁性固定層の磁化方向が0°、90°、180°、270°の4つの向きに着磁されて形成された磁気抵抗効果素子を用いて構成することができる。
図8は、本実施の形態2に係る磁気センサの機能ブロック図である。
本実施の形態2に係る磁気センサは、強磁性固定層の磁化の向きが0°および180°に設定された2対の磁気抵抗効果素子で構成される第1ブリッジ回路200と、強磁性固定層の磁化の向きが90°および270°に設定された2対の磁気抵抗効果素子で構成される第2ブリッジ回路300とを備える。また、各ブリッジ回路の出力を用いて角度検知対象物の絶対角度を算出する演算装置100を備える。
図9は、各ブリッジ回路の等価回路図である。第1ブリッジ回路200は、磁気抵抗効果素子31a、31b、31c、31dを備える。第2ブリッジ回路300は、磁気抵抗効果素子32a、32b、32c、32dを備える。等価回路に示した矢印は、強磁性固定層の磁化の向き(ここでは、Cu(2.1)層に接したCo90Fe10(2.5)層の磁化方向に着目する)を表している。
図10は、第1ブリッジ回路200と第2ブリッジ回路300の出力を示す図である。各ブリッジ回路の出力波形は、位相が90°ずれた正弦波波形となる。第1ブリッジ回路200と第2ブリッジ回路300の出力を用いて逆正接演算を行うことにより、磁気センサに加わる外部磁界の絶対角度を算出することができる。
したがって、回転運動をする検知対象物に永久磁石を搭載し、磁気センサが、永久磁石から生じる磁界を検出することで、検知対象物の絶対角度を算出する回転角度検出装置を実現することができる。
このような方法で作製した回転角度検出装置を試験したところ、角度検出誤差が小さく、熱安定性などの信頼性にも優れ、極めて良好な結果となった。これは、各磁気抵抗効果素子の特性ばらつきが小さいことに起因している。特性ばらつきが小さい理由として、以下の(理由1)〜(理由2)が考えられる。
(理由1)GMR膜を成膜する工程の実行回数が少なくても、強磁性固定層の磁化方向を0°、90°、180°、270°の4方向に着磁することが可能となった。これに起因して、GMR膜の成膜バッチ間の特性ばらつきの影響が抑制された。
(理由2)GMR膜の成膜回数が減ったことで、膜成長に伴う表面凹凸増大の影響が少なくなり、上下のGMR膜の特性乖離が緩和された。
なお、製造フローが簡略化されたことにより、製造タクトおよびコストを減少する効果が同時に発揮されることは、特筆すべきである。
以上のように、本実施の形態2に係る磁気センサは、実施の形態1で説明した手法により製造した磁気抵抗効果素子を用いて製造した。
これにより、各磁気抵抗効果素子の特性ばらつきが小さい磁気センサを得ることができる。また、角度検出誤差が小さく、熱安定性などの信頼性に優れた磁気センサを得ることができる。さらには、GMR膜を成膜する工程が簡略化されることにより、製造タクトおよびコストを減少することができる。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係る磁気センサの模式図である。同図では、記載の簡易のため、同一基板上に4つのテクスチャーが形成されている例を示した。
実施の形態1〜2で説明した磁気抵抗効果素子を、互いに直行する平面状に配置することにより、図11のxy平面に対する法線方向(図11のz軸方向)の磁気を検出する磁気検出部が構成される。これにより、3次元磁気センサを構成することができる。
なお、図11において、y軸に沿ったテクスチャーが重複しているため、同方向に関しては磁気抵抗効果素子の検出対象が重複している。この重複部分については、必ずしも必要ではないことを付言しておく。
なお、図11のz軸方向の磁気を検出する磁気検出部は、必ずしも磁気抵抗効果素子によるものでなくともよく、任意の磁気検出手法を用いることができる。
以上のように、本実施の形態3によれば、実施の形態1〜2で説明した磁気抵抗効果素子と同様の効果を有する3次元磁気センサを得ることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、GMR膜の他構成例について説明する。
実施の形態1では、反強磁性層を含まない、セルフピン型強磁性固定層を用いたGMR膜の構成を説明した。一方、接する強磁性層と交換結合する不規則系の反強磁性層を用いたGMR膜についても、磁界を印加しながら熱処理を施すことなく、実施例1と同様な製造方法により製造することができる。
反強磁性層の材料の例としては、MnIrやMnRuのようにMn−X(X:Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Au、Cr、Fe、Niの1種以上を含む)で表される材料を用いることができる。
本実施の形態4におけるGMR膜は、Ta(3nm)/Ru(2)/Mn80Ir20(6)/Co75Fe25(2.4)/Ru(0.35)/Co90Fe10(2.5)/Cu(2.1)/Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(2)/Cu(0.6)/Ta(2)という構成を有する。
本実施の形態4におけるGMR膜の構成を用いた磁気抵抗効果素子も、実施の形態1と同様の手法により製造することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5では、テクスチャー形態の好適例について詳述する。その他の構成や手法は、実施の形態1〜4と同様である。
本実施の形態5では、イオンビームエッチング条件、具体的には、基板の法線方向とイオンビーム入射方向がなす角度、イオンのガス種、イオンの加速条件などを、実施の形態1とは変えて検討を行った。検討の結果、テクスチャーの凹凸の周期は、2nm以上で1
00nm以下の範囲が好適であることが分かった。
周期が短すぎる場合は、エッチングにより形成されるテクスチャーが略均一な面状となってしまい、明確な凹凸、すなわちテクスチャーが認められなかった。この場合、その上に形成した強磁性固定層には一軸磁気異方性が誘導されず、本発明の目的を実現しない。一方で、周期が長すぎる場合は、凹凸構造は確認できるものの、同様に一軸磁気異方性の誘導効果は著しく低下した。
また、テクスチャーの凹凸の振幅は、0.5nm以上で2.5nm以下の範囲が好適であることが分かった。凹凸の振幅の増大に伴って、テクスチャー上に形成した強磁性固定層に誘導される一軸磁気異方性の大きさは単調に増加した。特に振幅が0.5nmから急激な増加が見られ、2.8nm付近で飽和する傾向となった。
しかしながら、テクスチャーの凹凸の振幅が2.5nmを超えると、強磁性固定層と強磁性自由層の間に強磁性的な層間結合が認められ始めたので、凹凸振幅は2.5nm以下にするのが望ましい。
なお、各層の膜厚は2〜3nm程度であるから、凹凸振幅が2.5nmという数値は大き過ぎるような印象を受ける。しかし、図3から分かるように、テクスチャーに見られる1nm程度の凹凸は、GMR膜の下地層が堆積するにつれて減衰しており、下地層側の強磁性固定層の最表面では、ほとんど凹凸構造が認められない。
基本的に界面の凹凸は、強磁性固定層内のRu層を介した反強磁性的な層間結合の低下や、強磁性固定層と強磁性自由層の間における強磁性的な層間結合の増大を招く。したがって、図3に示したような下地層側の強磁性固定層から上側の領域で界面凹凸が小さいことは、大変好都合である。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6では、強磁性固定層の他構成例について説明する。その他の構成や手法は、実施の形態1〜5と同様である。
テクスチャー形成により誘導される一軸磁気異方性が大きいほど、強磁性固定層の磁化の安定性が向上することは言うまでもない。そこで、本実施の形態6では、強磁性固定層の組成を実施の形態1とは変えて一軸磁気異方性を評価した。なお、実施の形態1における強磁性固定層では、Co75Fe25(2.4nm)が用いられている。
強磁性固定層の組成としてCo50Fe50を用いた場合は、24kA/mの異方性磁界が得られた。なお、実施の形態1の組成では、8kA/mであった。また、同一のテクスチャー上にCo−Fe膜を成膜して比較すると、Co75Fe25とCo50Fe50では磁化容易軸が90°異なることが判明した。
Co−Fe合金は、その組成によって、結晶構造がfcc(面心立方格子)構造となる場合とbcc(体心立方格子)構造になる場合がある。検討した範囲内では、bcc構造を示すCo−Fe合金組成を用いてテクスチャー上に強磁性固定層を形成した場合、より大きな一軸磁気異方性が得られた。
注意すべきことは、強磁性固定層の下地層側と非磁性中間層側の結晶構造を合わせておくことである。なぜならば、磁化容易軸が直交するような材料を選択して積層する(例えば、Co50Fe50(2.1nm)/Ru(0.35)/Co90Fe10(2.5))と、セルフピン型の強磁性固定層の磁化が不安定になるからである。
これらのCo−Fe層は、強磁性固定層の磁化の安定性、さらには良好なMR特性に対して重要な因子となる。例えば、Co50Fe50(2.1nm)/Ru(0.35)/Co50Fe50(1.9nm)/Co90Fe10(1.0)のような構成が好適となる。
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7では、強磁性自由層の他構成例について説明する。その他の構成や手法は、実施の形態1〜6と同様である。
実施の形態1では、強磁性自由層の組成としてCo90Fe10(1nm)/Ni85Fe15(2)を用いた例について説明した。詳細な評価によると、テクスチャーにより誘導される一軸磁気異方性は、強磁性自由層にも波及することが分かった。すなわち、強磁性自由層にも、異方性磁界Hk〜6kA/mが誘導されることが認められた。
強磁性自由層に大きな磁気異方性があると、信号磁界への追従性が悪化し、角度検出精度に影響を及ぼす懸念がある。したがって、テクスチャーにより、強磁性固定層には強い一軸磁気異方性が誘導されることが望ましく、強磁性自由層には一軸磁気異方性がなるべく付与されないのが好適な形態と言うことができる。
これを実現するためには、GMR膜の一部にアモルファス構造もしくは、それに近い構造を有する層を挿入し、結晶成長のリセットを行うことが有効である。材料の一例として、Co72Fe20などが好適である。例えば、強磁性自由層をCo90Fe10(1nm)/Co72Fe20(7)のような構成とする。これにより、MR特性をほとんど悪化することなく、異方性磁界Hkを2kA/m以下とすることができた。また、このような強磁性自由層構成を用いた場合、強磁性自由層の異方性MR効果(AMR)が小さくなり、更に好都合となる副次効果も確認できた。
上記では、強磁性自由層の最上層にアモルファス層を適用した例について述べた。アモルファス層の適用位置については、他にも、(1)強磁性固定層中の非磁性中間層側の部分に挿入する、(2)強磁性自由層中に挿入する、といった構成を用いても、本実施の形態7と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8では、実施の形態1で説明した磁気抵抗効果素子の製造方法とは異なる手順で磁気抵抗効果素子を製造する手法を説明する。
本実施の形態8では、GMR膜を成膜する際の各層の積層順が、実施の形態1とは異なる。本実施の形態8では、基板側から順に、強磁性自由層/非磁性中間層/強磁性固定層の順で各層が積層される。また、これにともなって、テクスチャーを形成する層が実施の形態1とは異なる。
図12は、本実施の形態8に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を示すフローチャートである。以下、図12の各ステップについて説明する。
(図12:ステップS1201)
少なくとも、強磁性固定層を成膜する過程において、所定の基準方向(第1方向)とその基準方向に直行する方向(第2方向)の間の角度、好ましくは両者の中間の角度θで磁界を印加しながら、GMR膜を成膜する。磁界の大きさは、実施の形態1のステップS103と同様に設定する。以下では、説明の簡易のため、実施の形態1と同様に、第1方向を基準方向に対して0°の向きとし、第2方向を90°の向きとする。
本ステップによって、GMR膜の強磁性固定層の磁化の向きは、一時的にθ=45°の向きへ規定される。
(図12:ステップS1202)
GMR膜上の特定の部位(第1部位)に、上記基準方向に対して0°の向きで直線状の第1テクスチャー(第1パターン)を形成する。実際のテクスチャーは、上記基準方向に対して0°の向きと180°の向きを結ぶ方向に、直線状に形成されることになる。テクスチャーを形成する手法としては、例えば図2と同様にイオンビームエッチング法を用いればよい。
(図12:ステップS1203)
GMR膜上の特定の部位(第1部位とは異なる第2部位)に、上記基準方向に対して90°の向きで直線状の第2テクスチャー(第2パターン)を形成する。実際のテクスチャーは、上記基準方向に対して90°の向きと270°の向きを結ぶ方向に、直線状に形成されることになる。
ステップS1202〜S1203で形成するテクスチャーによって、GMR膜の強磁性固定層には、テクスチャーの指向性に応じて、0°と180°を結ぶ方向、および90°と270°を結ぶ方向を磁化容易軸とする一軸磁気異方性が誘導される。
一時的にθ=45°の向きへ規定されていた強磁性固定層の磁化の向きは、これらテクスチャーによってθ=0°とθ=90°の向きに規定されることになる。結果として、1回のGMR成膜で、所望の特定部位に、強磁性固定層の磁化が0°および90°を向いている状態を作り出すことができる。
(図12:ステップS1204〜S1205)
これらのステップは、図1のステップS104〜S105と同様である。
(図12:ステップS1206)
少なくとも、強磁性固定層を成膜する過程において、上記基準方向に対する180°の向きと270°の向きの間の角度、好ましくは225°の角度θで磁界を印加しながら、GMR膜を成膜する。磁界の大きさは、実施の形態1のステップS103と同様に設定する。
本ステップによって、GMR膜の強磁性固定層の磁化の向きは、一時的にθ=225°の向きへ規定される。
(図12:ステップS1207)
GMR膜上の特定の部位(第1部位、第2部位とは異なる第3部位)に、上記基準方向に対して180°の向きで直線状の第3テクスチャー(第3パターン)を形成する。実際のテクスチャーは、上記基準方向に対して0°の向きと180°の向きを結ぶ方向に、直線状に形成されることになる。
(図12:ステップS1208)
GMR上の特定の部位(第1部位〜第3部位とは異なる第4部位)に、上記基準方向に対して270°の向きで直線状の第4テクスチャー(第4パターン)を形成する。実際のテクスチャーは、上記基準方向に対して90°の向きと270°の向きを結ぶ方向に、直線状に形成されることになる。
ステップS1207〜S1208で形成するテクスチャーによって、GMR膜の強磁性固定層には、テクスチャーの指向性に応じて、0°と180°を結ぶ方向、および90°と270°を結ぶ方向を磁化容易軸とする一軸磁気異方性が誘導される。
一時的にθ=225°の向きへ規定されていた強磁性固定層の磁化の向きは、これらテクスチャーによってθ=180°とθ=270°の向きに規定されることになる。結果として、1回のGMR成膜で、所望の特定部位に、強磁性固定層の磁化が180°および270°を向いている状態を作り出すことができる。
(図12:ステップS1209〜S1211)
これらのステップは、図1のステップS109〜S111と同様である。
以上、本実施の形態8に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を説明した。
本実施の形態8において、GMR膜の構成としては、Ta(3nm)/Ru(2)/Ni85Fe15(2)/Co90Fe10(1)/Cu(2.1)/Co90Fe10(2.5)/Ru(0.35)/Co75Fe25(2.4)/Ta(2)などを用いることができる。
本実施の形態8は、実施の形態1と比較して、GMR膜の積層順が反転したことにより、製造方法フローの順序が入れ替わっているが、本質的な手法は実施の形態1と同様であると考えてよい。したがって、各工程の詳細な手順については、実施の形態1で述べた技術を転用することができるので、詳細な説明は省略する。
本実施の形態8では、テクスチャーを形成する工程を4回行う手順を説明したが、テクスチャーを形成する工程を2回行う手順としてもよい。この場合は、θ=45°の磁界を印加してGMR膜を成膜する工程、およびθ=225°の磁界を印加してGMR膜を成膜する工程のそれぞれにおいて、マスクを使用して必要部位のみに取捨選択的にGMR膜が形成されるようにする。
なお、本実施の形態8に係る磁気抵抗効果素子の製造方法を用いて製造した磁気抵抗効果素子の強磁性自由層には、テクスチャーによる一軸磁気異方性の付与効果は認められなかった。この点は、実施の形態1と異なり、角度検出誤差を悪化させない意味で好ましい形態と言うことができる。
(実施の形態9)
本発明では、上記実施の形態1〜8で説明した、イオンビームエッチング法、スパッタ法などの各層を形成するための手法に代えて、同様の作用を発揮する他の手法を用いることもできることを付言しておく。
31a〜31d、32a〜32d:磁気抵抗効果素子、100:演算装置、200:第
1ブリッジ回路、300:第2ブリッジ回路。

Claims (11)

  1. 基板側から順に、セルフピン型の強磁性固定層、非磁性中間層、強磁性自由層を積層してなる磁気抵抗効果膜を用いて磁気抵抗効果素子を製造する方法であって、
    前記基板上の第1部位に、線状の第1パターンを第1方向に形成する第1パターン形成工程と、
    前記基板上の第2部位に、線状の第2パターンを第2方向に形成する第2パターン形成工程と、
    前記基板上の前記第1パターンおよび前記第2パターンを形成した部位上に、所定の磁界印加角度をもって磁界を印加しながら磁気抵抗効果膜を形成する磁気抵抗効果膜形成工程と、
    前記第1パターンおよび前記第2パターンを形成した部位上の前記磁気抵抗効果膜を所定形状に加工して、1対の電極を有する磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程と、
    を有し、
    前記磁界印加角度は、
    前記第1方向と前記第2方向の間の角度に設定されており、
    前記第1パターン形成工程、前記第2パターン形成工程、前記磁気抵抗効果膜形成工程、および前記素子形成工程を、
    前記第1方向、前記第2方向、前記第1部位、および前記第2部位を各回で変更して複数回実行する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  2. 基板側から順に、強磁性自由層、非磁性中間層、セルフピン型の強磁性固定層を積層してなる磁気抵抗効果膜を用いて磁気抵抗効果素子を製造する方法であって、
    前記基板上に、所定の磁界印加角度をもって磁界を印加しながら磁気抵抗効果膜を形成する磁気抵抗効果膜形成工程と、
    前記磁気抵抗効果膜上の第1部位に、線状の第1パターンを第1方向に形成する第1パターン形成工程と、
    前記磁気抵抗効果膜上の第2部位に、線状の第2パターンを第2方向に形成する第2パターン形成工程と、
    前記磁気抵抗効果膜の前記第1パターンおよび前記第2パターンを形成した部位を所定形状に加工して、1対の電極を有する磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程と、
    を有し、
    前記磁界印加角度は、
    前記第1方向と前記第2方向の間の角度に設定されており、
    前記磁気抵抗効果膜形成工程、前記第1パターン形成工程、前記第2パターン形成工程、および前記素子形成工程を、
    前記第1方向、前記第2方向、前記第1部位、および前記第2部位を各回で変更して複数回実行する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  3. 前記第2方向は、前記第1方向に対して90度の方向に設定されており、
    前記第1パターン形成工程、前記第2パターン形成工程、前記磁気抵抗効果膜形成工程、および前記素子形成工程をそれぞれ2回実行し、
    2回目に前記第1パターン形成工程を実行する際の前記第1部位は、
    1回目に前記第1パターン形成工程を実行する際の前記第1部位と正対する位置に設定されており、
    2回目に前記第2パターン形成工程を実行する際の前記第2部位は、
    1回目に前記第2パターン形成工程を実行する際の前記第2部位と正対する位置に設定されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  4. 前記磁界印加角度は、前記第1方向と前記第2方向がなす角度の半角に設定されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  5. 1回目に前記磁気抵抗効果膜形成工程を実行する際には、
    前記磁界印加角度は、前記第1方向および前記第2方向と45度をなす角度に設定されており、
    2回目に前記磁気抵抗効果膜形成工程を実行する際には、
    前記磁界印加角度は、1回目に前記磁気抵抗効果膜形成工程を実行する際の前記磁界印加角度+180度の角度に設定されている
    ことを特徴とする請求項3記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  6. 基板側から順に、セルフピン型の強磁性固定層、非磁性中間層、強磁性自由層を積層してなる磁気抵抗効果膜を用いて構成された複数の磁気抵抗効果素子を備え、
    前記基板上の第1部位には、線状の第1パターンが第1方向に形成されており、
    前記基板上の第2部位には、線状の第2パターンが第2方向に形成されており、
    前記基板上の前記第1パターンおよび前記第2パターンを形成した部位上にはさらに前記磁気抵抗効果膜が形成されており、
    各前記磁気抵抗効果素子は、
    前記第1パターンおよび前記第2パターンを形成した部位上の前記磁気抵抗効果膜を所定形状に加工してなる1対の電極を有し、
    前記強磁性固定層の磁化の向きがそれぞれ異なっている
    ことを特徴とする磁気センサ。
  7. 基板側から順に、強磁性自由層、非磁性中間層、セルフピン型の強磁性固定層を積層してなる磁気抵抗効果膜を用いて構成された磁気抵抗効果素子を備え、
    前記基板上には磁気抵抗効果膜が形成されており、
    前記磁気抵抗効果膜上の第1部位には、線状の第1パターンが第1方向に形成されており、
    前記磁気抵抗効果膜上の第2部位には、線状の第2パターンが第2方向に形成されており、
    各前記磁気抵抗効果素子は、
    前記磁気抵抗効果膜の前記第1パターンおよび前記第2パターンを形成した部位を所定形状に加工してなる1対の電極を有し、
    前記強磁性固定層の磁化方向がそれぞれ異なっている
    ことを特徴とする磁気センサ。
  8. 前記第2方向は、前記第1方向に対して90度の方向に設定されており、
    前記磁気抵抗効果膜を有する前記磁気抵抗効果素子を4個備え、
    各前記磁気抵抗効果素子の磁化方向は90度ずつ異なっている
    ことを特徴とする請求項6または請求項7記載の磁気センサ。
  9. 外部磁界の絶対角度を算出する演算部と、
    磁化方向が180度異なる2つの前記磁気抵抗効果素子を有する2対のブリッジ回路と、
    を備え、
    前記演算部は、
    第1の前記ブリッジ回路の出力電圧と第2の前記ブリッジ回路の出力電圧の逆正接演算により前記絶対角度を算出する
    ことを特徴とする請求項8記載の磁気センサ。
  10. 請求項6または請求項7記載の磁気センサと、
    前記基板の法線方向の磁気を検出する磁気検出部と、
    を備えたことを特徴とする3次元磁気センサ。
  11. 請求項8記載の磁気センサと、
    角度検知対象物の角度と同期して回転する磁界を発生する永久磁石と、
    を備え、
    前記磁気センサは、
    前記永久磁石から生じる磁界を用いて前記角度検知対象物の絶対角度を検出する
    ことを特徴とする回転角度検出装置。
JP2011522809A 2009-07-13 2010-07-13 磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気センサ、回転角度検出装置 Active JP5516584B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011522809A JP5516584B2 (ja) 2009-07-13 2010-07-13 磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気センサ、回転角度検出装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009164964 2009-07-13
JP2009164964 2009-07-13
PCT/JP2010/061806 WO2011007767A1 (ja) 2009-07-13 2010-07-13 磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気センサ、回転角度検出装置
JP2011522809A JP5516584B2 (ja) 2009-07-13 2010-07-13 磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気センサ、回転角度検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011007767A1 JPWO2011007767A1 (ja) 2012-12-27
JP5516584B2 true JP5516584B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=43449374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011522809A Active JP5516584B2 (ja) 2009-07-13 2010-07-13 磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気センサ、回転角度検出装置

Country Status (4)

Country Link
US (2) US8779764B2 (ja)
JP (1) JP5516584B2 (ja)
DE (1) DE112010002899T5 (ja)
WO (1) WO2011007767A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102012201384A1 (de) * 2012-01-31 2013-08-01 Continental Automotive Gmbh Magnetoresistiver Sensor
CN102901940B (zh) 2012-10-26 2015-07-15 苏州大学 基于磁温差电效应的传感器元件及其实现方法
US9529060B2 (en) 2014-01-09 2016-12-27 Allegro Microsystems, Llc Magnetoresistance element with improved response to magnetic fields
EP3300534B1 (en) 2015-06-05 2020-11-11 Allegro MicroSystems, LLC Spin valve magnetoresistance element with improved response to magnetic fields
CN108369260B (zh) * 2015-12-03 2020-07-28 阿尔卑斯阿尔派株式会社 磁检测装置
CN106871778B (zh) * 2017-02-23 2019-11-22 江苏多维科技有限公司 一种单芯片双轴磁电阻角度传感器
US11022661B2 (en) 2017-05-19 2021-06-01 Allegro Microsystems, Llc Magnetoresistance element with increased operational range
US10620279B2 (en) 2017-05-19 2020-04-14 Allegro Microsystems, Llc Magnetoresistance element with increased operational range
US10050193B1 (en) 2017-06-05 2018-08-14 Allegro Microsystems, Llc Magnetoresistance structure patterning
US10777345B2 (en) 2018-02-21 2020-09-15 Allegro Microsystems, Llc Spin valve with bias alignment
US10840001B2 (en) 2018-03-06 2020-11-17 Allegro Microsystems, Llc Magnetoresistance element with extended linear response to magnetic fields
US11193989B2 (en) 2018-07-27 2021-12-07 Allegro Microsystems, Llc Magnetoresistance assembly having a TMR element disposed over or under a GMR element
US11217626B2 (en) 2019-08-30 2022-01-04 Allegro Microsystems, Llc Dual tunnel magnetoresistance (TMR) element structure
US11127518B2 (en) 2019-08-30 2021-09-21 Allegro Microsystems, Llc Tunnel magnetoresistance (TMR) element having cobalt iron and tantalum layers
US11187764B2 (en) 2020-03-20 2021-11-30 Allegro Microsystems, Llc Layout of magnetoresistance element
US11782103B2 (en) 2020-06-12 2023-10-10 Allegro Microsystems, Llc Dual double-pinned spin valve element having magnet bias with increased linear range
US11630168B2 (en) 2021-02-03 2023-04-18 Allegro Microsystems, Llc Linear sensor with dual spin valve element having reference layers with magnetization directions different from an external magnetic field direction
US11719771B1 (en) 2022-06-02 2023-08-08 Allegro Microsystems, Llc Magnetoresistive sensor having seed layer hysteresis suppression

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS599987A (ja) * 1982-07-08 1984-01-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気抵抗効果素子
JP2002299728A (ja) * 2001-01-24 2002-10-11 Yamaha Corp 磁気センサ及びその製造方法
JP2004193540A (ja) * 2002-10-18 2004-07-08 Yamaha Corp 磁気センサ及びその製造方法
JP2006172686A (ja) * 2004-11-22 2006-06-29 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法、磁気記憶装置、基板、テクスチャ形成装置
JP2006308573A (ja) * 2005-03-28 2006-11-09 Yamaha Corp 三軸磁気センサおよびその製造方法
JP2007317734A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Sony Corp 記憶素子及びメモリ
JP2008306112A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Hitachi Metals Ltd 磁気抵抗効果膜、磁気センサ及び回転角度検出装置
JP2009085953A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Magic Technologies Inc 磁気デバイスの製造方法および磁場角度センサの製造方法

Family Cites Families (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4604176A (en) 1984-03-30 1986-08-05 Sperry Corporation Method of improving magnetoresistive effect in thin magnetic film
JPH0333934A (ja) 1989-06-29 1991-02-14 Nec Corp レジスタ退避復帰方式
JPH0340750A (ja) 1989-07-07 1991-02-21 Mitsubishi Electric Corp 超電導回転電機の冷媒給排装置
US5583725A (en) 1994-06-15 1996-12-10 International Business Machines Corporation Spin valve magnetoresistive sensor with self-pinned laminated layer and magnetic recording system using the sensor
DE19830344C2 (de) 1998-07-07 2003-04-10 Ipht Jena Inst Fuer Physikalis Verfahren zum Einstellen der Magnetisierung der Biasschicht eines magneto-resistiven Sensorelements, demgemäß bearbeitetes Sensorelement sowie zur Durchführung des Verfahrens geeignetes Sensorsubstrat
JP3623366B2 (ja) * 1998-07-17 2005-02-23 アルプス電気株式会社 巨大磁気抵抗効果素子を備えた磁界センサおよびその製造方法と製造装置
KR100334838B1 (ko) 1998-07-21 2002-05-04 가타오카 마사타카 스핀밸브형 박막소자 및 그를 이용한 박막자기헤드
JP3040750B2 (ja) 1998-07-21 2000-05-15 アルプス電気株式会社 スピンバルブ型薄膜素子及びこのスピンバルブ型薄膜素子を用いた薄膜磁気ヘッド
US6252796B1 (en) 1998-08-14 2001-06-26 U.S. Philips Corporation Device comprising a first and a second ferromagnetic layer separated by a non-magnetic spacer layer
DE60037790T2 (de) 1999-06-18 2009-01-08 Koninklijke Philips Electronics N.V. Magnetisches messsystem mit irreversibler charakteristik, sowie methode zur erzeugung, reparatur und verwendung eines solchen systems
DE19949713C2 (de) 1999-10-15 2001-08-16 Bosch Gmbh Robert Magnetoresistives Schichtsystem
JP3872262B2 (ja) * 2000-01-25 2007-01-24 セイコーインスツル株式会社 電子方位計及び電子方位計付電子時計
US6448763B1 (en) * 2001-01-10 2002-09-10 Siemens Corporation System for magnetization to produce linear change in field angle
JP3839697B2 (ja) * 2001-10-17 2006-11-01 アルプス電気株式会社 回転角度センサ
DE10342260B4 (de) * 2003-09-11 2014-11-20 Meas Deutschland Gmbh Magnetoresistiver Sensor in Form einer Halb- oder Vollbrückenschaltung
US7589939B2 (en) * 2004-09-28 2009-09-15 Yamaha Corporation Magnetic sensor using giant magnetoresistive elements and method for manufacturing the same
DE102005047413B8 (de) * 2005-02-23 2012-06-06 Infineon Technologies Ag Magnetfeldsensorelement und Verfahren zum Durchführen eines On-Wafer-Funktionstests, sowie Verfahren zur Herstellung von Magnetfeldsensorelementen und Verfahren zur Herstellung von Magnetfeldsensorelementen mit On-Wafer-Funktionstest
EP1860451B1 (en) * 2005-03-17 2012-06-27 Yamaha Corporation 3-axis magnetic sensor and manufacturing method thereof
WO2006098367A1 (ja) * 2005-03-17 2006-09-21 Yamaha Corporation 磁気センサ及びその製造方法
JP2006276983A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Yamaha Corp ポインティングデバイス用の磁気センサ
DE102005037036B4 (de) 2005-08-06 2007-07-12 Sensitec Gmbh Magnetoresistiver Sensor mit Offsetkorrektur und dafür geeignetes Verfahren
US7564659B2 (en) 2005-08-09 2009-07-21 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetoresistive sensor having an anisotropic pinned layer for pinning improvement
US7525775B2 (en) 2005-11-17 2009-04-28 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Oblique angle etched underlayers for improved exchange biased structures in a magnetoresitive sensor
US7446984B2 (en) 2005-12-14 2008-11-04 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetic random access memory (MRAM) having increased reference layer anisotropy through ion beam etch of magnetic layers
JP2007299880A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子,および磁気抵抗効果素子の製造方法
JP4991322B2 (ja) * 2006-10-30 2012-08-01 日立オートモティブシステムズ株式会社 Gmr素子を用いた変位センサ,gmr素子を用いた角度検出センサ及びそれらに用いる半導体装置
US7900342B2 (en) 2007-02-23 2011-03-08 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands, B.V. Methods of fabricating magnetoresistance sensors pinned by an etch induced magnetic anisotropy
DE102007032867B4 (de) * 2007-07-13 2009-12-24 Infineon Technologies Ag Magnetoresistive Magnetfeldsensorstrukturen und Herstellungsverfahren
US20090059444A1 (en) * 2007-08-30 2009-03-05 Freescale Semiconductor, Inc. Methods and structures for an integrated two-axis magnetic field sensor
US8015694B2 (en) 2007-12-18 2011-09-13 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Method for making a scissoring-type current-perpendicular-to-the-plane (CPP) magnetoresistive sensor
JP5170679B2 (ja) * 2008-01-29 2013-03-27 日立金属株式会社 磁気センサおよび回転角度検出装置
US8242776B2 (en) * 2008-03-26 2012-08-14 Everspin Technologies, Inc. Magnetic sensor design for suppression of barkhausen noise
US7965077B2 (en) * 2008-05-08 2011-06-21 Everspin Technologies, Inc. Two-axis magnetic field sensor with multiple pinning directions
US9007055B2 (en) * 2008-09-12 2015-04-14 Hitachi Metals, Ltd. Self-pinned spin valve magnetoresistance effect film and magnetic sensor using the same, and rotation angle detection device
JP4807535B2 (ja) * 2009-07-31 2011-11-02 Tdk株式会社 磁気センサ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS599987A (ja) * 1982-07-08 1984-01-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気抵抗効果素子
JP2002299728A (ja) * 2001-01-24 2002-10-11 Yamaha Corp 磁気センサ及びその製造方法
JP2004193540A (ja) * 2002-10-18 2004-07-08 Yamaha Corp 磁気センサ及びその製造方法
JP2006172686A (ja) * 2004-11-22 2006-06-29 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法、磁気記憶装置、基板、テクスチャ形成装置
JP2006308573A (ja) * 2005-03-28 2006-11-09 Yamaha Corp 三軸磁気センサおよびその製造方法
JP2007317734A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Sony Corp 記憶素子及びメモリ
JP2008306112A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Hitachi Metals Ltd 磁気抵抗効果膜、磁気センサ及び回転角度検出装置
JP2009085953A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Magic Technologies Inc 磁気デバイスの製造方法および磁場角度センサの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9488702B2 (en) 2016-11-08
DE112010002899T5 (de) 2012-06-14
US8779764B2 (en) 2014-07-15
WO2011007767A1 (ja) 2011-01-20
US20120112741A1 (en) 2012-05-10
JPWO2011007767A1 (ja) 2012-12-27
US20140320117A1 (en) 2014-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5516584B2 (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気センサ、回転角度検出装置
JP5734657B2 (ja) セルフピン型スピンバルブ磁気抵抗効果膜とそれを用いた磁気センサおよび回転角度検出装置
TWI244785B (en) Magnetic sensor, production process of the magnetic sensor and magnetic array suitable for the production process
US20020142490A1 (en) Magnetic sensor and method of producing the same
JP5295163B2 (ja) 磁界検出装置およびそれを調整する方法
JP2008286739A (ja) 磁界検出器及び回転角度検出装置
WO2012090631A1 (ja) 磁気比例式電流センサ
JP6233722B2 (ja) 磁界発生体、磁気センサシステムおよび磁気センサ
JP2008306112A (ja) 磁気抵抗効果膜、磁気センサ及び回転角度検出装置
JP7022764B2 (ja) 磁界印加バイアス膜ならびにこれを用いた磁気検出素子および磁気検出装置
JP2013105825A (ja) 生体磁気センサー及びその製造方法
JP4985522B2 (ja) 磁界測定方法及び磁気センサ
JP2012119613A (ja) 磁気検出素子及びそれを用いた磁気センサ
JP2011027633A (ja) 磁気センサおよびその製造方法
JP2012063232A (ja) 磁界検出装置の製造方法および磁界検出装置
JP2019086290A (ja) 磁気センサ
US10998131B2 (en) Multilayer device having an improved antiferromagnetic pinning layer and a corresponding manufacturing method
JP6116694B2 (ja) 磁気抵抗効果素子を備えた磁界検出器、および電流検出器
WO2015008718A1 (ja) 磁気センサー及びその製造方法
JP5660826B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、それを用いた磁界検出器、位置検出器、回転検出器および電流検出器
CN113383243A (zh) 用于磁阻磁场传感器的相邻层结构的布置、磁阻磁场传感器及其生产方法
JP2016157818A (ja) 磁気センサおよび電流センサ
JP3835445B2 (ja) 磁気センサ
US20240142549A1 (en) Magnetic sensor element, magnetic sensor, and magnetic sensor device
JP6350841B2 (ja) 磁界発生体および磁気センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5516584

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150