JP5514280B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ Download PDF

Info

Publication number
JP5514280B2
JP5514280B2 JP2012239938A JP2012239938A JP5514280B2 JP 5514280 B2 JP5514280 B2 JP 5514280B2 JP 2012239938 A JP2012239938 A JP 2012239938A JP 2012239938 A JP2012239938 A JP 2012239938A JP 5514280 B2 JP5514280 B2 JP 5514280B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
head
hardness
screw
coating layer
spark plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012239938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013033755A (ja
Inventor
裕一 山田
宏昭 九鬼
竜馬 川地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2012239938A priority Critical patent/JP5514280B2/ja
Publication of JP2013033755A publication Critical patent/JP2013033755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5514280B2 publication Critical patent/JP5514280B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/02Details
    • H01T13/08Mounting, fixing or sealing of sparking plugs, e.g. in combustion chamber

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Spark Plugs (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
スパークプラグは、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられるものである。一般的にスパークプラグは、軸線方向に沿って延びる軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具とを備える。また、主体金具の外周面には、内燃機関のヘッドの取付孔に螺合するためのねじ部と、前記ねじ部の後端から後端側へと延びるねじ首と、ねじ首の後端側に形成され、前記ねじ首よりも大径の拡径部と、前記ねじ首及び拡径部を連接する座部とが形成される。加えて、前記ねじ首の外周には、前記座部と当接するようにして、リング状のガスケットが設けられる。そして、スパークプラグが内燃機関に取付けられたときには、ねじ結合の軸力により、前記ガスケットが前記内燃機関のヘッドに密着することで、燃焼室内の気密性が保持される(例えば、特許文献1等参照)。
ところで、一層優れた気密性を実現するという観点から、ガスケットを設けることなく、前記座部とヘッドとを直接密着させるように構成することが考えられる(例えば、特許文献2等参照)。
特開2008−108478号公報 特開2001−118659号公報
ところが、このようなタイプのスパークプラグにおいては、座部やヘッドの些細な損傷や歪み等によって気密性が損なわれてしまうおそれがある。
また近年、エンジンヘッドのレイアウトの自由度を向上させる等の理由から、スパークプラグの小型化(小径化)が要求されており、前記主体金具の拡径部やねじ部が小径化され得る。ここで、拡径部の小径化に伴って、座部の面積が必然的に減少してしまい、また、ねじ部の小径化に伴って、ねじ結合による軸力が減少してしまうおそれがある。すなわち、小径化されたスパークプラグにおいては、座部及びヘッド間のシール性を十分に確保することが難しく、ひいては燃焼室内における気密性の低下を招いてしまいやすい。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼室内における十分な気密性を確保することができるとともに、小径化の要請にも応えることができる内燃機関用スパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた略筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部から延びるとともに、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する接地電極とを備え、
前記主体金具の外周面には、
内燃機関のヘッドの取付孔に螺合するためのねじ部と、
前記ねじ部の後端側に形成されたねじ首と、
前記ねじ首の後端側に形成され、前記ねじ首よりも大径の拡径部と、
前記ねじ首及び前記拡径部の間に位置する座部とが形成されてなる内燃機関用スパークプラグであって、
前記座部の表面には、当該表面を覆うとともに、前記内燃機関のヘッドの取付孔に前記ねじ部が螺合された際に前記ヘッドに密着する耐熱性ゴムまたは耐熱性樹脂からなる被覆層が設けられ、
前記被覆層は、軟化点が200℃以上であり、かつ、前記ヘッドのうち前記被覆層に接する部分の硬度よりも硬度の小さい材料によって形成されることを特徴とする。
上記構成1によれば、被覆層の硬度が、ヘッドのうち前記被覆層に接する部分の硬度よりも小さくされているため、被覆層をヘッドに対してより確実に密着させることができるとともに、ヘッドの損傷をより確実に抑制することができる。また、被覆層を形成する材料の軟化点が200℃以上とされているため、プラグ使用時の高温環境下において、被覆層の熱変形を抑制することができる。すなわち、本構成1によれば、これらの作用効果により燃焼室内の気密性を十分に確保することができる。
尚、被覆層を形成する材料としては耐熱性ゴム(例えば、フッ素ゴム等)や耐熱性樹脂〔例えば、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂、又は、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル樹脂等〕挙げることができる。また、このような材料の中で、特に弾性変形可能なものは、プラグをヘッドに対して複数回に亘って取付け・取外しをした場合であっても、被覆層の変形を防止することができるためより好ましいといえる。
また、座部の先端とねじ首の後端との間に連結部を備えてなるスパークプラグにおいて、本構成1の技術思想を適用し、座部及び連結部の少なくとも座部の表面を被覆層で覆うこととしてもよい。
構成2.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1において、前記被覆層の硬度を、ビッカース硬度で100Hv以下とするとともに、
前記被覆層のうち前記ヘッドに接する部位表面の十点平均粗さを12.5μm以下としたことを特徴とする。
上記構成2によれば、被覆層のうちヘッドに接する部位の硬度が、ビッカース硬度で100Hv以下とされるとともに、前記被覆層のうちヘッドに接する部位表面の十点平均粗さが12.5μm以下とされている。従って、ヘッドに対してプラグ(被覆層)をより一層確実に密着させることができ、燃焼室内の気密性の更なる向上を図ることができる。
構成3.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1又は2において、前記被覆層は、5μm以上300μm以下の厚さを有することを特徴とする。
上記構成3によれば、座部の表面を覆うようにして、5μm以上の厚さを有する被覆層が設けられているため、座部(被覆層)をヘッドに対してより確実に密着させることができる。その結果、気密性のより一層の向上を図ることができる。
尚、被覆層の厚さが300μmを超えてしまうと、座部と被覆層との密着性が損なわれてしまう等の要因により、気密性が低下してしまうおそれがある。そのため、被覆層の厚さは300μm以下とすることが好ましい。
第1実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 内燃機関に対するスパークプラグの取付状態を示す一部破断正面図である。 ねじ径をM14としたサンプルにおける、気密性評価試験の結果を示すグラフである。 ねじ径をM12としたサンプルにおける、気密性評価試験の結果を示すグラフである。 ねじ径をM10としたサンプルにおける、気密性評価試験の結果を示すグラフである。 座部表面粗さと、最小締付トルクとの関係を示すグラフである。 第2実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 第2実施形態における被覆層の構成を示すための部分拡大断面図である。 被覆層(座部)表面粗さと、最小締付トルクとの関係を示すグラフである。 被覆層厚さ及び最小締付トルクの関係、並びに、被覆層を形成する材料及び最小締付トルクの関係を示すグラフである。 第3実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 座部及び連結部の構成等を説明するための部分拡大断面図である。 内燃機関へのスパークプラグの取付状態を示す一部破断拡大正面図である。 第4実施形態におけるスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 第4実施形態における被覆層の構成等を説明するための部分拡大断面図である。
〔第1実施形態〕
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、内燃機関用スパークプラグ(以下、「スパークプラグ」と称す)1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。また、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとにより構成されている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されるとともに、絶縁碍子2の先端から突出している。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されている。また、主体金具3の外周面には、軸線CL1に沿って先端側から後端側へと順に、ねじ部15、ねじ首16、座部17、及び、拡径部18が設けられている。
前記ねじ部15は、後述する内燃機関41のヘッド42の取付孔43に螺合するためのものであり、本実施形態において、前記ねじ部15のねじ径はM14とされている。また、前記ねじ首16は、前記ねじ部15の後端から連続して形成され、ねじ部15のねじ径よりも小径の円柱状をなしている。さらに、前記座部17は、軸線CL1方向後端側へと拡径して形成されており、ねじ首16の後端と拡径部18の先端とを連接している。尚、前記軸線CL1を含む断面において、前記座部17の外形線と前記軸線CL1とのなす角度が比較的大きなもの(例えば、60°以上90°以下)となるように、座部17が形成されている。さらに、拡径部18は、前記座部17の後端から後端側へと延び、円柱状をなしている。また、前記拡径部18の後端側には、スパークプラグ1をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられている。加えて、主体金具3の後端部には、絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
さらに、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、自身の略中間が曲げ返されて、自身の先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。接地電極27は、Ni合金〔例えば、インコネル600やインコネル601(いずれも登録商標)〕からなる外層27Aと、前記Ni合金よりも良熱導電性金属である銅合金又は純銅からなる内層27Bとの2層構造となっている。そして、前記中心電極5の先端部及び接地電極27の間には、間隙としての火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33において、前記軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われる。
さらに、本実施形態においては、図2に示すように、前記ねじ部15を内燃機関41のヘッド42の取付孔43に取付けたとき、前記座部17が前記ヘッド42に密着することで、燃焼室内の気密が保持されるようになっている。そして、前記座部17の硬度は、後述する製造方法を採用することによって、ビッカース硬度で250Hv以下(例えば、180Hv)とされている。一方で、前記ヘッド42は、アルミニウムを主成分とする比較的軟質(例えば、100Hv)の合金によって形成されている。従って、座部17の硬度は、ヘッド42の硬度よりも大きなものとなっている。
また、前記座部17表面の十点平均粗さは、12.5μm以下(例えば、10μm)と平滑化されている。尚、十点平均粗さは、JIS B0601で規格されるものである。
尚、ねじ部15のねじ径をより小径化することとしてもよい。但し、ねじ部15のねじ径をM12以下とする場合には、座部17の硬度がビッカース硬度で200Hv以下とされる。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)に切削加工を施すことにより、貫通孔を形成するとともに、外形を整え、主体金具中間体を得る。このように、本実施形態における主体金具中間体は、切削加工を施すことのみによって形成され、その結果、前記座部17に相当する部位の硬度上昇が抑制されている。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金からなる直棒状の接地電極27を抵抗溶接する。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。さらに、前記座部17に相当する部位に対して研磨加工等が施されることにより、前記座部17表面の十点平均粗さが12.5μm以下とされ、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。尚、接地電極27の溶接された主体金具3に、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施されることとしてもよい。また、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され外形が整形された上で、焼成加工が施されることにより絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10の表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして最後に、接地電極27の先端部分を中心電極5側へと屈曲させることで、中心電極5、及び、接地電極27間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施され、上述のスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、座部17の硬度が、ヘッド42の硬度よりも大きくされている。従って、ヘッド42に対してスパークプラグ1の取付けや取外し等を複数回行った場合であっても、ヘッド42と接触することに伴う、座部17の塑性変形を効果的に抑制することができる。また、座部17の硬度が、ビッカース硬度で250Hv以下(ねじ部15のねじ径をM12以下とした場合には、200Hv以下)とされているため、プラグの取付け・取外し等を複数回行った場合でも、ヘッド42に変形が生じにくい。
このように本実施形態によれば、燃焼室内における気密性の確保の観点から重要である座部17及びヘッド42の損傷や歪み等をより確実に防止することができる。その結果、座部17とヘッド42との間をより確実にシールすることができ、ひいては燃焼室内において優れた気密性を実現することができる。
また、座部17の硬度をビッカース硬度で200Hv以下とした場合には、座部17及びヘッド42の損傷や歪み等をより一層確実に防止できるとともに、ヘッド42に対して座部17をより確実に密着させることができる。これにより、燃焼室内の気密性のより一層の向上を図ることができる。
さらに、座部17表面の十点平均粗さが12.5μm以下とされているため、座部17をヘッド42に対してより一層確実に密着させることができ、燃焼室内の気密性の更なる向上を図ることができる。
また、座部17については、その外形線と前記軸線CL1とが比較的大きな角度をなすように形成されている。これにより、スパークプラグ1を内燃機関41に取付けた際に、座部17がヘッド42に対して食い込んでしまうことをより確実に防止することができ、気密性の一層の向上を図ることができる。
次に、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、気密性評価試験を行った。気密性評価試験の概要は、次の通りである。すなわち、ねじ部のねじ径、及び、座部の硬度を種々変更したスパークプラグのサンプル、並びに、エンジンヘッドを模したものであって、座部に接する部位の硬度(ヘッドの硬度)を種々変更したアルミ製の試験台を作製した。そして、試験台にサンプルを15N・mの締付トルクで取付けるとともに、各サンプルを150℃に加熱しつつ、空気により1.5MPaの圧力を加え続けた状態で、サンプル及び試験台間からの1分当たりの空気の漏れ量(ml/分)を測定し、最後にサンプルを試験台から取外すということを各サンプルについて5回ずつ行った(つまり、同一の試験台に対して同一のサンプルの取付け、取外しを5回ずつ行った)。ここで、5回の試験の全てにおいて、空気の漏れ量が2ml/分未満であった場合には、優れた気密性を実現できているとして「○」の評価を下すこととし、一方で、空気の漏れ量が2ml/分以上となった回数が1回以上あった場合には、気密性が十分でないとして「×」の評価を下すこととした。また、試験後において試験台に変形が確認された場合には、燃焼室内の気密性が不十分となるおそれがあるとして、「■」の評価を下すこととした。図3〜図5に、気密性評価試験の結果を示す。尚、図3は、サンプルのねじ径をM14としたときの試験結果を示し、図4は、ねじ径をM12としたときの試験結果を示す。また、図5は、ねじ径をM10としたときの試験結果を示す。
図3〜図5に示すように、座部の硬度がヘッドの硬度よりも小さい場合には、燃焼室内の気密性が不十分なものとなってしまうことがわかった。これは、座部の硬度をヘッドの硬度よりも小さくしたことで、座部が塑性変形しやすくなってしまい、プラグを繰り返し取付・取外した際の座部の変形が顕著なものとなってしまったことに起因すると考えられる。
これに対して、座部の硬度をヘッドの硬度以上としたサンプルについては、優れた気密性を実現できることがわかった。これは、座部の硬度をヘッドの硬度以上としたことで、座部の塑性変形を極力抑制できたことによると考えられる。但し、ねじ部のねじ径をM14としたサンプルであって、座部の硬度が250Hvを超えるもの、及び、ねじ部のねじ径をM12以下としたサンプルであって、座部の硬度が200Hvを超えるものは、試験後の試験台に変形が確認された。従って、燃焼室内において優れた気密性を確保するためには、座部の硬度をヘッドの硬度よりも大きくする一方で、ねじ部のねじ径をM14とした場合には、座部の硬度を250Hv以下とし、ねじ部のねじ径をM12以下とした場合には、座部の硬度を200Hv以下とすることが有意であるといえる。
次いで、ねじ部のねじ径、及び、座部表面の十点平均粗さ(座部表面粗さ)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、締付トルクを種々変更した上で、各サンプルをエンジンヘッドを模したアルミ製の試験台に対して取付けた。そして、サンプルを150℃に加熱しつつ、空気により1.5MPaの圧力を加え続けた状態で、サンプル及び試験台間からの1分当たりの空気の漏れ量が2ml/分以上となったときの締付トルク(最小締付トルク)を各サンプル毎に特定した。尚、最小締付トルクが小さいサンプルほど、十分な気密性をより容易に実現しやすい、すなわち、気密性の面で有利なものであるといえる。図6に、座部表面粗さと、最小締付トルクとの関係を表すグラフを示す。尚、図6においては、ねじ径をM14としたサンプルの試験結果は黒丸でプロットし、ねじ径をM12としたサンプルの試験結果は黒三角でプロットし、ねじ径をM10としたサンプルの試験結果を黒菱形でプロットした。また、各サンプルの座部の硬度を150Hvとし、試験台のうち座部に接する部位の硬度を100Hvとした。
図6に示すように、座部表面粗さを12.5μm以下としたサンプルについては、最小締付トルクが比較的小さな一定値であったが、座部表面粗さが12.5μmを超えるサンプルは、最小締付トルクが増大してしまうことがわかった。つまり、座部表面粗さが12.5μmを超えるサンプルは、座部及びヘッドを密着させること、すなわち座部及びヘッド間におけるシール性の確保が難しくなってしまうことが明らかとなった。従って、優れた気密性を実現するという観点において、座部表面粗さを12.5μm以下とすることが有意であるといえる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について図面を参照しつつ、特に第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本第2実施形態におけるスパークプラグ1Aは、上記第1実施形態と比較して、図7に示すように、特に主体金具3の座部47表面を覆うようにして被覆層51Aが設けられているという点に特徴を有している。被覆層51Aは、軟化点が200℃以上であり、かつ、前記ヘッド42の硬度よりも硬度が小さい材料(例えば、フッ素樹脂等)により形成されている。具体的には、前記被覆層51Aの硬度は、ビッカース硬度で100Hv以下とされている。
また、図8に示すように、前記被覆層51Aの厚さTHは5μm以上300μm以下と十分に大きなものとされている。加えて、被覆層51Aのうち前記ヘッド42に接する部位表面の十点平均粗さが12.5μm以下とされている。
尚、本第2実施形態では、上記第1実施形態と比較して、座部47の硬度が異なっている。すなわち、座部47の硬度は、ビッカース硬度で200Hvを超えるように(例えば、220Hvに)されている。
以上、第2実施形態によれば、被覆層51Aの硬度がヘッド42の硬度よりも小さくされているため、被覆層51Aをヘッド42に対してより確実に密着させることができるとともに、ヘッド42の損傷をより確実に抑制することができる。また、被覆層51Aを形成する材料の軟化点が200℃以上とされているため、プラグ使用時の高温環境下において、被覆層51Aの熱変形を抑制することができる。すなわち、第2実施形態によれば、これらの作用効果により燃焼室内の気密性を十分に確保することができる。
さらに、被覆層51Aを形成するフッ素樹脂は弾性変形可能なものであるため、ヘッド42にプラグを複数回に亘って取付け・取外しをした場合であっても、被覆層51Aの変形をより確実に防止することができる。
加えて、被覆層51Aの厚さが5μm以上300μm以下に設定されているため、スパークプラグ(被覆層51A)をヘッド42に対してより確実に密着させることができ、気密性のより一層の向上を図ることができる。
また、被覆層51Aの硬度が、ビッカース硬度で100Hv以下とされるとともに、前記被覆層51Bのうちヘッドに接する部位表面の十点平均粗さが12.5μm以下とされているため、ヘッドに対してプラグ(被覆層51A)をより一層確実に密着させることができる。
次に、上記第2実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、フッ素樹脂から形成され、表面粗さが種々異なる被覆層を設けたサンプルと、被覆層を設けず、座部の表面粗さを種々変更させたサンプルとを作製し、各サンプルについて上述の最小締付トルクを測定した。図9に、被覆層(座部)の表面粗さと、最小締付トルクとの関係を表すグラフを示す。尚、図9においては、被覆層を設けたサンプルの試験結果を黒丸でプロットし、被覆層を設けなかったサンプルの試験結果を黒四角でプロットした。また、各サンプルの座部の硬度を150Hvとし、試験台のうち座部に接する部位の硬度を100Hvとした。加えて、被覆層を設けたサンプルについては、被覆層の厚さを50μmとした。
図9に示すように、被覆層を設けたサンプルは、被覆層を設けなかったサンプルと比較して、表面粗さの大小に関わらず、最小締付トルクが小さくなることがわかった。従って、優れた気密性をより容易に実現するという観点から、座部を覆うようにして被覆層を設けることがより有意であるといえる。
尚、被覆層の表面粗さが12.5μmを超えると、最小締付トルクが若干増大することが確認された。従って、一層優れた気密性をより確実に実現するべく、前記被覆層表面の十点平均粗さを12.5μm以下とすることが好ましいといえる。
次に、ねじ部のねじ径をM10又はM12とした上で、座部表面を覆うようにしてフッ素樹脂又は亜鉛メッキから形成され、厚さが種々変更された被覆層を有するスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の最小締付トルクを測定した。図10に、被覆層の厚さと、最小締付トルクとの関係を表すグラフを示す。
尚、フッ素樹脂により被覆層を形成した場合において、当該被覆層の硬度は、ビッカース硬度で60Hvであり、一方で、亜鉛メッキにより被覆層を形成した場合において、当該被覆層の硬度は、ビッカース硬度で120Hvであった。加えて、図10においては、被覆層を亜鉛メッキにより形成し、ねじ径をM12としたサンプルの試験結果を黒丸でプロットし、被覆層を亜鉛メッキにより形成し、ねじ径をM10としたサンプルの試験結果を黒三角でプロットした。また、被覆層をフッ素樹脂により形成し、ねじ径をM12としたサンプルの試験結果を黒四角でプロットし、被覆層をフッ素樹脂により形成し、ねじ径をM10としたサンプルの試験結果をバツ印でプロットした。
図10に示すように、被覆層の厚さを5μm以上としたサンプルは、最小締付トルクが比較的小さな一定値であったが、被覆層の厚さを5μm未満としたサンプルは、最小締付トルクが増大してしまうことがわかった。これは、被覆層の厚さを5μm以上と十分に大きなものとしたことで、試験台に対するサンプルの密着性をより高めることができたことに起因すると考えられる。
また、亜鉛メッキにより被覆層を形成したサンプルと比較して、フッ素樹脂により被覆層を形成したサンプルは、一層優れた気密性を実現できることが明らかとなった。これは、フッ素樹脂により形成された被覆層は比較的低い硬度を有していたことから、試験台に対してサンプルがより密着したためであると考えられる。
以上、気密性の更なる向上を図るという観点からは、座部表面に被覆層を設けるとともに、当該被覆層の厚さを5μm以上とすることが好ましく、さらに、被覆層の硬度を比較的低く(100Hv以下)することがより好ましいといえる。但し、被覆層を極度に厚くすると、気密性の向上という上述の作用効果が十分に奏されないおそれがある。従って、被覆層の厚さは300μm以下とすることが好ましいといえる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について、特に上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本第3実施形態におけるスパークプラグ1Bは、図11に示すように、特に座部17Aの構成が相違する。すなわち、上記第1実施形態において、前記座部17の先端が、前記ねじ首16の後端に連接されるようにして構成されているが、本第3実施形態においては、座部17Aの先端とねじ首16の後端との間に連結部17Bが形成されている。
また、前記ねじ部15のねじ径がM12以下と小径化されている一方で、前記拡径部18や工具係合部19は従前とほぼ同様の大きさとされている。このため、図12に示すように、前記拡径部18の先端の外径をA(mm)とし、前記ねじ首16のうち外径が最小となる部分の外径をB(mm)としたとき、(A−B)/2が0.8mm以上、すなわち、A−Bが1.6mm以上(例えば、2.0mm以上)と比較的大きな値とされている。尚、拡径部18を極端に大径化してしまうと、スパークプラグ1Bの組付けられるエンジンについてレイアウトの自由度が損なわれてしまうおそれがある。そのため、前記拡径部18の先端の外径Aは、19.0mm以下とされている。
さらに、本第3実施形態においては、前記座部17A及び連結部17Bの境界位置が、次のようにして設定されている。すなわち、座部17Aと連結部17Bとの境界部分の外径をC(mm)としたとき、(C−B)/2が0.3mm以上であり、かつ、(A−C)/2が0.7mm以上となるように、座部17Aと連結部17Bとの境界位置が決められている。
加えて、座部17A及び連結部17Bは、ともに軸線CL1方向先端側に向けて先細るテーパ状をなしているが、軸線CL1を含む断面において、座部17Aの外形線(の延長線)と軸線CL1とのなす角度α1と比べて、連結部17Bの外形線(の延長線)と軸線CL1とのなす角度α2の方が大きくされている。従って、図13に示すように、スパークプラグ1Bを内燃機関41のヘッド42の取付孔43に取付けたときには、連結部17Bはヘッド42に接触することなく、座部17Aのみがヘッド42に密着するようになっている。
また、本第3実施形態では、前記座部17Aの外形線と軸線CL1とのなす角度α1は、60度以上70度以下とされている。
以上、本第3実施形態によれば、軸線CL1を含む断面において、軸線CL1と座部17Aとのなす角度α1よりも軸線CL1と連結部17Bとのなす角度α2が大きなものとされている。すなわち、スパークプラグ1Bを内燃機関41に取付けたとき、ヘッド42に対して座部17Aのみが密着するように構成されている。これにより、座部17A及び連結部17Bの全面をヘッド42に密着させる場合と比較して、ヘッド42に密着する部位の面積を減少させることができ、締付け力を増大させることなく、ヘッド42に対してスパークプラグ1Bをより確実に密着させることができる。その結果、燃焼室内における気密性を十分に確保することができる。
また、(C−B)/2<0.3mmとすることで、座部17Aの面積が過度に増大してしまうことを防止できるとともに、(A−C)/2<0.7mmとすることで、座部17Aの面積を十分に維持することができる。このため、気密性の低下をより一層確実に防止することができる。
さらに、軸線CL1と座部17Aとのなす角度α1が60°以上とされているため、座部17Aがヘッド42に食い込んでしまうことを防止でき、スパークプラグ1Bの取付け・取外しを複数回に亘って行った場合でも、優れた気密性を確保できる。一方で、前記角度α1が70°以下とされているため、ヘッド42に対する座部17Aの密着性を十分に向上させることができ、優れた気密性を実現することができる。
〔第4実施形態〕
次いで、第4実施形態について図面を参照しつつ、特に第3実施形態との相違点を中心に説明する。
本第4実施形態におけるスパークプラグ1Cは、上記第3実施形態と比較して、図14,15に示すように、特に主体金具3の座部47A表面を覆うようにして被覆層51B(図14中、散点模様を付した部位)が設けられているという点に特徴を有している。
尚、被覆層51Bは、上記第2実施形態における被覆層51Aと同様に、軟化点が200℃以上であり、かつ、ビッカース硬度で100Hv以下(例えば、60Hv以下)と硬度が比較的小さな材料(例えば、フッ素樹脂等)により形成されている。従って、前記被覆層51Bは、前記ヘッド42の硬度よりも硬度が小さなものとなっている。また、被覆層51Bの表面粗さは12.5μm以下とされ、その厚さTHは5μm以上300μm以下とされている。
次いで、上記第3実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、ねじ部のねじ径をM12又はM10とするとともに、工具係合部についてはHEX16又はHEX14とした上で、(C−B)/2の値及び(A−C)/2の値を種々変更することで、座部及び連結部の境界部分の位置を種々変更したスパークプラグのサンプルを複数作製し、各サンプルについて上述の気密性評価試験を行った。尚、当該試験においては、空気の漏れ量が0.1(ml/分)以下であった場合には、極めて優れた気密性を実現できているとして「◎」の評価を下し、空気の漏れ量が0.1(ml/分)以上0.2(ml/分)未満であった場合には、優れた気密性を実現できているとして「○」の評価を下すこととした。一方で、空気の漏れ量が0.2(ml/分)以上であった場合には、気密性にやや劣るとして「△」の評価を下すこととした。尚、ねじ径をM12としたサンプルについては、A−Bを3.6mmとし、ねじ径をM10としたサンプルについては、A−Bを3.5mmとした。また、座部の外形線と軸線とのなす角度(座部角度)については、各サンプルともに63°とした。さらに、試験台に対する各サンプルの取付は、規定の締付トルクにて行った。表1及び表2に評価試験の結果を示す。尚、表1には、ねじ径M12、HEX16のサンプルについての結果を示し、表2には、ねじ径M10、HEX14のサンプルについての結果を示す。また、各表中には、座部の面積を併せて示す。
Figure 0005514280
Figure 0005514280
表1及び表2に示すように、(C−B)/2を0.3mm以上とするとともに、(A−C)/2を0.7mm以上としたサンプルは、優れた気密性を実現できていることがわかった。これは、(C−B)/2≧0.3mmとしたことで、ヘッドに密着する座部の面積を減少させることができ、上記規定の締付トルクでスパークプラグを取付けた場合であっても、座部を試験台に密着させることができたこと、及び、(A−C)/2≧0.7mmとしたことで、座部の面積を十分に確保することができ、座部及びヘッド間のシール性を十分に確保することができたことに起因すると考えられる。
次いで、ねじ部のねじ径をM12又はM10とするとともに、工具係合部についてはHEX16又はHEX14とした上で、前記座部角度を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、上述の気密性評価試験を行った。尚、評価は、基本的には上述の手法〔空気の漏れ量が0.1(ml/分)以下であった場合、「◎」の評価を下す等〕と同様の手法で行ったが、優れた気密性を実現できていたものの、サンプルの取外し後、試験台に凹み等の損傷が認められた場合には、スパークプラグの取付け・取外しを繰り返し行ったときに、気密性が低下するおそれがあるとして、「※」の評価を下すこととした。表3及び表4に、試験結果を示す。尚、ねじ径をM12としたサンプルは、(C−B)/2を0.75mm、(A−C)/2を1.05mmとし、ねじ径をM10としたサンプルは、(C−B)/2を0.75mm、(A−C)/2を1.00mmとした。表3に、ねじ径M12、HEX16のサンプルについての結果を示し、表4に、ねじ径M10、HEX14のサンプルについての結果を示す。
Figure 0005514280
Figure 0005514280
表3,4に示すように、各サンプルともに優れた気密性を実現できていたが、特に座部角度を60°以上70°以下としたサンプルは、試験台に損傷が発生することもなく、極めて優れた気密性を実現できることが明らかとなった。
以上の試験結果より、燃焼室内においてより優れた気密性を確保するという観点から、(C−B)/2を0.3mm以上とするとともに、(A−C)/2を0.7mm以上とすることが有意であるといえる。また、一層優れた気密性を実現する観点から、座部角度を60°以上70°以下とすることが特に有意であるといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記第1実施形態では、切削加工のみを用いて主体金具中間体を製造することにより、前記座部17の硬度が250Hv以下(200Hv以下)とされているが、座部17の硬度を250Hv以下(200Hv以下)とするための手法はこれに限定されるものではない。従って、例えば、切削加工に加えて鍛造加工を併せて用いる一方で、主体金具3(座部17)に対して加熱処理を施すことで、座部17の硬度を250Hv以下(200Hv以下)とすることとしてもよい。また、主体金具3を構成する金属材料を変更することによって(例えば、炭素鋼を用いて主体金具3を形成する場合には、炭素量を減らすことによって)、座部17の硬度を250Hv以下(200Hv以下)とすることとしてもよい。但し、主体金具3を構成する金属材料を変更した場合には、ねじ部15や加締め部20等の強度が十分に確保されるように留意する必要がある。
(b)上記第1実施形態では、座部17全体の硬度が250Hv以下(200Hv以下)とされているが、座部17のうち少なくともヘッド42と接する部位の硬度が250Hv以下(200Hv以下)とされていればよい。
(c)上記第1、第2実施形態において、座部17(47)はテーパ状に形成されているが、座部17(47)の形状はこれに限定されるものではない。従って、例えば、座部17(47)をねじ首16や拡径部18に対して直交するようにして形成することとしてもよい。
(d)上記第3、第4実施形態において、連結部17Bは、軸線CL1方向先端側へと先細るテーパ状に形成されているが、連結部17Bの形状はこれに限定されるものではない。従って、例えば、軸線CL1と直交する方向に沿って軸線CL1側へと延びるようにして、連結部17Bを形成することとしてもよい。
(e)上記第3実施形態では、A−Bが1.6mm以上とされているが、A−Bの値はこれに限定されるものではない。
(f)上記第3実施形態において、ねじ部15のねじ径はM12以下とされ、A−Bが1.6mm以上とされているが、ねじ部15のねじ径がより小さかったり、A−Bがより大きかったりする場合ほど、連結部17Bを設けるという本発明は有意である。従って、特に、ねじ部15のねじ径をM10以下としたり、A−Bを2.0mm以上としたりしたスパークプラグに、本発明の技術思想を適用することで、気密性の低下を効果的に防止することができる。
(g)上記第2、第4実施形態では、被覆層51A,51Bの硬度が、ビッカース硬度で100Hv以下とされているが、被覆層51A,51Bの硬度は特に限定されるものではなく、被覆層51A,51Bの硬度が100Hvを超えていてもよい。尚、被覆層51A,51Bの硬度が過度に低いと、被覆層51A,51Bの強度が不足してしまうおそれがあるため、被覆層51A,51Bの硬度は、35Hv以上とすることが好ましい。
(h)上記第2、第4実施形態においては、被覆層51A,51Bを形成する材料として、フッ素樹脂を例示しているが、被覆層51A,51Bを形成する材料はこれに限定されるものではなく、軟化点が200℃以上であり、かつ、ヘッド42の硬度よりも硬度の小さな耐熱性ゴム(例えば、フッ素ゴム)や、他の耐熱性樹脂(例えば、ポリイミド系樹脂やポリアミド系樹脂等)を用いて、被覆層51A,51Bを形成することとしてもよい
(i)上記実施形態では特に言及していないが、中心電極5及び接地電極27のいずれか一方、或いは、双方に貴金属チップを設けることとしてもよい。この場合、火花放電間隙33は、一方の電極5(27)と他方の電極27(5)に設けられた貴金属チップとの間、或いは、両電極5,27に設けられた両貴金属チップの間に形成されることとなる。
(j)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(k)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1,1A,1B,1C…スパークプラグ(内燃機関用スパークプラグ)
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
5…中心電極
15…ねじ部
16…ねじ首
17,17A,47,47A…座部
17B…連結部
18…拡径部
26…主体金具の先端部
27…接地電極
41…内燃機関
42…ヘッド
43…取付孔
51A,51B…被覆層
CL1…軸線

Claims (3)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた略筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部から延びるとともに、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間に間隙を形成する接地電極とを備え、
    前記主体金具の外周面には、
    内燃機関のヘッドの取付孔に螺合するためのねじ部と、
    前記ねじ部の後端側に形成されたねじ首と、
    前記ねじ首の後端側に形成され、前記ねじ首よりも大径の拡径部と、
    前記ねじ首及び前記拡径部の間に位置する座部とが形成されてなる内燃機関用スパークプラグであって、
    前記座部の表面には、当該表面を覆うとともに、前記内燃機関のヘッドの取付孔に前記ねじ部が螺合された際に前記ヘッドに密着する耐熱性ゴムまたは耐熱性樹脂からなる被覆層が設けられ、
    前記被覆層は、軟化点が200℃以上であり、かつ、前記ヘッドのうち前記被覆層に接する部分の硬度よりも硬度の小さい材料によって形成されることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 前記被覆層の硬度を、ビッカース硬度で100Hv以下とするとともに、
    前記被覆層のうち前記ヘッドに接する部位表面の十点平均粗さを12.5μm以下としたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 前記被覆層は、5μm以上300μm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ。
JP2012239938A 2009-01-23 2012-10-31 内燃機関用スパークプラグ Active JP5514280B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012239938A JP5514280B2 (ja) 2009-01-23 2012-10-31 内燃機関用スパークプラグ

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009012898 2009-01-23
JP2009012898 2009-01-23
JP2009078146 2009-03-27
JP2009078146 2009-03-27
JP2012239938A JP5514280B2 (ja) 2009-01-23 2012-10-31 内燃機関用スパークプラグ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010519039A Division JP5331114B2 (ja) 2009-01-23 2010-01-21 内燃機関用スパークプラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013033755A JP2013033755A (ja) 2013-02-14
JP5514280B2 true JP5514280B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=42355956

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010519039A Active JP5331114B2 (ja) 2009-01-23 2010-01-21 内燃機関用スパークプラグ
JP2012239938A Active JP5514280B2 (ja) 2009-01-23 2012-10-31 内燃機関用スパークプラグ

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010519039A Active JP5331114B2 (ja) 2009-01-23 2010-01-21 内燃機関用スパークプラグ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8970097B2 (ja)
EP (1) EP2390973B1 (ja)
JP (2) JP5331114B2 (ja)
CN (2) CN102257687B (ja)
WO (1) WO2010084904A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5526161B2 (ja) * 2012-01-12 2014-06-18 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグの製造方法および主体金具の製造方法
JP5572181B2 (ja) * 2012-06-12 2014-08-13 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ及びその製造方法
JP5903005B2 (ja) * 2012-07-05 2016-04-13 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ
JP5369227B1 (ja) * 2012-07-30 2013-12-18 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ
JP6067871B2 (ja) * 2014-05-19 2017-01-25 日本特殊陶業株式会社 プラグ接続具、ゴム部材、および、リング部材
GB2545656A (en) * 2015-12-18 2017-06-28 Caterpillar Energy Solutions Gmbh Spark plug
CN108123367A (zh) * 2016-11-29 2018-06-05 日本特殊陶业株式会社 火花塞
JP6373447B2 (ja) * 2016-11-29 2018-08-15 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP6566988B2 (ja) 2017-05-11 2019-08-28 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ
JP6812329B2 (ja) * 2017-11-27 2021-01-13 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグの製造方法
JP6817252B2 (ja) * 2018-06-22 2021-01-20 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP7216596B2 (ja) * 2019-04-01 2023-02-01 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP6986041B2 (ja) * 2019-04-01 2021-12-22 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP6962965B2 (ja) * 2019-04-16 2021-11-05 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5565795U (ja) * 1978-10-31 1980-05-07
DE2848128C2 (de) 1978-11-06 1980-10-16 Gestra-Ksb-Vertriebsgesellschaft Mbh & Co Kg, 2800 Bremen Kondensatableiter
JPS59130391A (ja) 1983-01-12 1984-07-26 関口 敏夫 反物変り染法
JPS59130391U (ja) * 1983-02-21 1984-09-01 日本特殊陶業株式会社 点火栓
JPS59149397U (ja) * 1983-03-28 1984-10-05 トヨタ自動車株式会社 点火プラグ
JPS6139880A (ja) 1984-07-30 1986-02-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 直流モ−タの速度制御装置
JP4286398B2 (ja) * 1999-08-25 2009-06-24 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ及びその製造方法
JP4092826B2 (ja) * 1999-10-21 2008-05-28 株式会社デンソー スパークプラグおよびその製造方法
JP2005197206A (ja) * 2003-12-10 2005-07-21 Denso Corp スパークプラグ
JP2006009783A (ja) 2004-05-21 2006-01-12 Denso Corp 内燃機関用点火装置
KR100609929B1 (ko) 2004-07-26 2006-08-08 백래현 점토벽돌이나 바닥벽돌표면에 다양한 반점 무늬의 색상을현출하는 점토벽돌
DE102005006818A1 (de) 2005-02-15 2006-08-17 Volkswagen Mechatronic Gmbh & Co. Kg Dichtungseinrichtung für einen Kraftstoffinjektor sowie Verfahren zum Abdichten
US7272970B2 (en) * 2005-03-31 2007-09-25 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Spark plug having combustion pressure detecting function
JP4741316B2 (ja) * 2005-08-22 2011-08-03 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
WO2007023790A1 (ja) * 2005-08-22 2007-03-01 Ngk Spark Plug Co., Ltd. スパークプラグ
JP2007208942A (ja) 2006-02-06 2007-08-16 Toshiba Corp Acc検波回路
US7772751B2 (en) 2006-03-13 2010-08-10 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Spark plug having a rear-end portion of a threaded portion that has a higher hardness than a crimp portion and method of manufacturing the same
JP4685817B2 (ja) * 2006-03-13 2011-05-18 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグおよびその製造方法
JP4762109B2 (ja) 2006-10-24 2011-08-31 株式会社日本自動車部品総合研究所 内燃機関用スパークプラグ
CN201072845Y (zh) * 2007-05-22 2008-06-11 梁镜斌 一种火花塞

Also Published As

Publication number Publication date
JP5331114B2 (ja) 2013-10-30
US8970097B2 (en) 2015-03-03
CN103227420A (zh) 2013-07-31
WO2010084904A1 (ja) 2010-07-29
JPWO2010084904A1 (ja) 2012-07-19
JP2013033755A (ja) 2013-02-14
EP2390973B1 (en) 2016-10-26
EP2390973A4 (en) 2014-09-10
CN102257687B (zh) 2014-01-29
US20110273074A1 (en) 2011-11-10
EP2390973A1 (en) 2011-11-30
CN102257687A (zh) 2011-11-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5514280B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP4928626B2 (ja) スパークプラグ
EP2063508B1 (en) Spark plug for internal combustion engine and method for producing the spark plug
JP5048063B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
WO2013179640A1 (ja) ガスケット及びその製造方法並びに点火プラグ及びその製造方法
KR101656630B1 (ko) 점화플러그 및 그 제조방법
JP5001963B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ。
WO2012035701A1 (ja) スパークプラグ及びスパークプラグ用主体金具
JP4834764B2 (ja) スパークプラグの製造方法
JP5564123B2 (ja) 点火プラグ及びその製造方法
JP5134044B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP5185990B2 (ja) スパークプラグ及びその製造方法
JP5572181B2 (ja) 点火プラグ及びその製造方法
JP2006092956A (ja) スパークプラグ
JP5054633B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP5973928B2 (ja) 点火プラグ及びその製造方法
JP4369980B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP5337057B2 (ja) スパークプラグ
US10431962B2 (en) Spark plug
JP5523362B2 (ja) スパークプラグ用ガスケットの製造方法、スパークプラグの製造方法
WO2019069525A1 (ja) 点火プラグ
JP2020119687A (ja) 内燃機関用のスパークプラグ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5514280

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250